JPS6214660B2 - - Google Patents
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- JPS6214660B2 JPS6214660B2 JP53052818A JP5281878A JPS6214660B2 JP S6214660 B2 JPS6214660 B2 JP S6214660B2 JP 53052818 A JP53052818 A JP 53052818A JP 5281878 A JP5281878 A JP 5281878A JP S6214660 B2 JPS6214660 B2 JP S6214660B2
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- Japan
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- yarn
- fabric
- raising
- filament
- fabrics
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- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
- Woven Fabrics (AREA)
Description
本発明は、熱可塑性フイラメント糸(所謂、未
加工の生糸)を用いて極めて毛織物に近い風合を
呈する起毛布帛を製造する方法に関する。 合成繊維をして毛織物的風合に近ずける試みは
一般に仮撚捲縮加工糸織物の形で為された。しか
し仮撚捲縮加工糸(以下、仮撚加工糸と称する)
使いの織物は一般に反撥性に乏しく、しかもドレ
ープ性に劣る欠点がある。更にこの織物の致命的
欠陥は、毛織物特有の膨み、柔い感触といつた特
性に欠けていることであり、このため用途的にも
秋冬物用の厚地素材として使用されることも殆ど
ない。 この加工糸織物の欠点を克服する手段として布
帛での起毛も提案されたが、個々の単繊維が捲縮
を有しているため立毛状態が極めて悪く(ネツプ
状の立毛が発生)、また、付着した異物がとれに
くいという不利益と共にピリングが発生し易い等
の品質的問題を惹起する。 このため、特公昭50−26661号公報には単繊維
デニールの異る2種以上の仮撚加工糸を夫々異る
オーバーフイード下に乱流帯域中に導いて両者を
交絡させ、複合嵩高糸を得、これより織編物を作
ることが提案されている。この方法による織編物
にあつては糸条自体絡んでいることからピリング
の発生は或る程度防止されるが、全体としては仮
撚加工糸の捲縮特性が強く現れて、毛織物の風合
いとは程遠いものしか得られない。更に特開昭49
−72442号公報は伸縮性嵩高糸(捲縮糸)と非伸
縮性嵩高糸とを夫々異るオーバーフイード下に乱
流帯域中に導入して複合糸を得ることが開示され
ている。このようにして得られた複合糸は糸表面
にループ、たるみを有しており、これにより、紡
績糸様の風合に近づくものとされているが、現実
の織編物においては、捲縮糸の特性が支配的であ
るばかりでなく、粗硬感を伴つた感触を呈する。
しかも織物表面に存在する、たるみ、ループは生
地面同志が接触した場合、お互いに絡み合つて恰
かもマジツクテープ(マーベルト)の如きフアス
ナー現象を生じ生地取扱い上の問題も生じる。 このフアスナー現象更には織物の粗硬感を解消
するべく、布帛での起毛処理も当然考えられる
が、この場合は生地の表面のみに立毛状態をもた
らすのみで、逆に感触について生地断面方向に相
分離が生じる。すなわち生地表面は起毛した分だ
け柔軟になるのに対し、内部では逆に硬さが目立
ち始め、結局、芯のある起毛布帛となり、芯のな
いよくこなれた毛織物のそれから益々離反する結
果となる。 従つて、本発明の目的は合成繊維のフイラメン
ト糸をして毛織物に匹敵する風合、触感、反撥
性、ドレープ嵩性を兼備した織物を提供し、以
て、合成繊維の仮撚加工糸では果し得なかつた秋
冬物用素材としての新たな分野を開くことにあ
る。 本発明者等は上記目的を達成せんとして種々検
討した結果、合成繊維より成る織物に毛織物乃至
これに極めて類似した風合、感触を得るには仮撚
加工糸よりはむしろ加工前のフイラメント糸(生
糸)を用いることが適切であることを知ると共に
このフイラメント糸として異デニール混合糸の採
用と二段起毛との適用とが肝要であることを究明
し、本発明に到達したのである。 かくして、本発明によれば 太さが2〜5deの合成繊維のフイラメントが比
較的芯部に位置し、前記フイラメントより細く、
且つ3de以下の合成繊維のフイラメントが非捲縮
状態で該芯部のフイラメントと交錯・絡合しつつ
糸表面に突出してループ、たるみを形成してなる
混繊ループヤーンを起毛処理して少なくとも30
ケ/cmの毛羽を有する起毛糸とし、該起毛糸を用
いて織成し、該織物にさらに起毛処理を施すこと
を特徴とする毛織物様布帛の製造法が提供され
る。 更に、これについて述べると本発明において先
ず、毛織物の基本的特性とも言うべき、「反撥性
に富み且つ柔軟な触感」を有する生地を得るため
の第1の条件はフイラメントの太さ(デニール)
を選定することである。すなわち比較的細いデニ
ールのフイラメントが糸(生地)表面に、比較的
太いデニールのフイラメントが糸の芯部に位置す
ることにより、前者により柔軟な触感を、後者に
より反撥性を得ることができ、これらの観点から
太デニールフイラメントについては2〜5de、細
デニールフイラメントについては3de以下(通常
2.7〜0.3de)が好ましいのである。 しかしながら、上記のデニール関係は本発明の
目的を達成するための十分条件であるに過ぎず、
これら異デニールのフイラメントは互いに混繊さ
れ、その際、細デニールの方が糸表面に突出して
ループ、たるみを形成することが必要である。そ
してこのループ、たるみは、切断されて混繊起毛
糸となつた状態で始めて経及び緯糸として織成に
供せられる。この後、織物は再度起毛処理に付さ
れるわけであるが、この起毛処理は生地の表面に
おける毛羽の増加ひいては柔軟な触感を増加させ
ることにある。他方、混繊ループヤーン(以下、
混繊糸と称することがある)の状態での起毛は言
わば、織物の内部の弛緩、嵩性の増加を狙つたも
ので結果として、本発明の場合、織物全体として
嵩性、柔軟性が維持されつつ(つまり、芯部がな
く充分こなれた状態となる)、生地表面は前記傾
向が顕著に現出する。そして、かかる2段乃至そ
れ以上の起毛の必要性は以下の理由から生じる。
すなわち、混繊糸状態での起毛だけでは毛羽が顕
著に発生せず、無理に毛羽を作ろうとすると糸自
体の強度が低下して実用に供し得なくなる。 一方、混繊糸に起毛処理を施すことなく、これ
より織物を作り、起毛する場合、単に生地表面が
起毛されるだけで生地の内部は締つた構造をとる
ので、芯のある(“こなれていない”)起毛織物し
か得られない。 本発明の実施に当つては先ず、混繊糸の製造か
ら始まる。このためにはTWO FEED TASLAN
法とも呼ばれる周知の方法つまり、少くとも2ケ
以上の供給ローラー糸を採用し夫々細デニールの
フイラメント及び太デニールのフイラメントを別
個に送り出し(細デニールのフイラメントを太デ
ニールのフイラメントより、多く送り出す)これ
らをオーバーフイード下に乱流ノズルに供給して
互いに混合撹乱し、ループを有する混繊糸とした
後、デリベリーローラーを経て巻き取ればよい。
この場合、夫々のフイラメントのオーバーフイー
ド量は或る範囲内に収める必要がある。つまり芯
成分(相対的にフイラメントデニールの大きいも
の)のオーバーフイード量を大きくすると、生地
に粗硬感が強く現れ、“こなれ”が悪くなり、一
方、オーバーフイード量が小さくなると細デニー
ルのフイラメントとの混繊が悪くなる。 これに対して、鞘成分たる細デニールのフイラ
メントのオーバーフイード量が小さ過ぎると糸起
毛が困難となり、一方、このオーバーフイードが
大きくなると混繊状態が低下する。以上のことを
勘案して、芯成分は5〜15%、鞘成分は20〜50%
の範囲で適宜選定し糸足差を少くとも5%以上45
%以下に維持するのが適当である。 また供給糸条については、芯部、あるいは鞘部
の一方、好ましくは鞘部に異染素材例えばポリエ
ステルの場合カチオン染料可染性ポリエステルよ
りなるフイラメントを用いることにより後染めで
霜降り効果を得ることができる。更に、供給糸条
自体必ずしも2本という制約はなく3本以上であ
つてもよい。唯、この数が多くなると供給ローラ
ー系(オーバーフイードローラー系)の増設、デ
ニールの選定等でコストアツプの問題が残るの
で、通常は高々3本程度が推奨される。 かくして、得られた混繊糸には通常30ケ/cm以
上のループ(クルノードループ)たるみが存在す
るが、このループは起毛処理により毛羽に転換さ
れる。この糸起毛は混繊糸の巻取前又は、巻取後
の工程として行うことができる。起毛具としては
一般に回転砥石(例えば特開昭49−132346号公報
第1図の数字5で示されるもの)が用いられる
が、この際砥石の粒度と回転速度は起毛状態に多
いに影響する。良好な起毛状態乃至工程の安定性
を考慮した場合、粒度としてはJIS#30〜60(中
目)〜#80〜#600(細目)が適当であり、また
回転速度については500〜5000r.p.m(糸速40〜
100m/min、砥石径5〜15cmとして)が有効で
ある。また回転砥石の場合、糸を巻き込み易い傾
向があるので一般には砥石前での糸張力を少くと
も0.1g/de以上に維持するのが好ましい。かか
る起毛糸は最終製品における“こなれ”を実現す
るため毛羽本数も重要な因子であり、本発明にお
いては起毛糸1cm当り少くとも1.5好ましくは2.5
本以上存在することが望ましい。またその上限に
ついては、混繊自体の実用的な強度の維持という
ことから高々5〜7本/cmに留めておくのがよ
い。 かくして粗硬感が消失し毛羽による膨み、柔さ
を呈する起毛糸は経及び/又は緯糸として織成に
供されるが、織成条件織物規格等については特に
制限はない。前記起毛糸を経及び緯として用いる
場合が最も好ましい態様ではあるが、他方、経又
は緯の何れか一方に用い、緯又は経に紡績糸、加
工糸等を配することにより趣きの変つたものを得
ることができる。 なかでも起毛混繊糸を経緯に用いてなる織物は
恰かも短繊維織物の如き、膨み、柔さを呈し、こ
れを更に布起毛することにより毛織物におけるフ
ラノ、サキソニーの如き、感覚の起毛織物が得ら
れる。しかも布起毛にあつてはこれを構成する糸
自体織組織によつて拘速されていることから、糸
起毛に比してより簡単に毛羽を形成し得ることで
ある。また起毛の促進と織組織の関係からすると
1/1のものよりは2/2、3/3、4/4といつた綾組織或
いは5枚乃至8枚朱子が推奨されるが就中、綾組
織が好ましい。 この織物への起毛処理は表面タツチの改良にあ
ることから混繊糸1cm当り少くとも30本の毛羽を
作ることが望まれ、これにより、極めて柔軟にし
てこなれた織物を得ることができる。起毛機とし
ては通常使用されている針金起毛機あざみ起毛機
等をそのまま用いればよい。 かくして、本発明によれば、異デニールフイラ
メントによる2層構造糸の効果と織物組織の内部
での毛羽の存在とが相俟つて曲げの柔い、且つこ
なれが良く、しかも表面は更に柔軟性が改善され
た織物が提供される。しかも織物を構成するフイ
ラメントは捲縮がないので、捲縮糸に比べてピリ
ングが発生し難い長所があるばかりでなく、フイ
ラメントは互いに混繊交錯(絡み合い)している
ので抜けにくく、抗ピリング性は飛躍的に向上す
る。 実施例 1 下記の条件で、本発明による起毛織物を製造す
る。 〔〕 混繊ループヤーンの製造 (1) 芯成分 ポリエステルフイラメント糸 150de/48fil(撚数8回/M) (2) 鞘成分 カチオン染料可染性ポリエステル
フイラメント糸75de/24fil(撚数13回/
M)、ポリエステルフイラメント糸−
100de/48fil (3) 乱流ノズル 特公昭35−1673号公報記載の
ノズル(圧空圧3.5Kg/cm2) (4) 乱流ノズルへのオーバーフイード量 芯成分 10% 鞘成分 36% (5) 引取速度(巻取) 50m/min 〔〕 糸起毛 (1) 混繊ループヤーンを0.12g/de張力下、直
径5cm、JIS#60の回転砥石(3500r.p.m)
に50m/minで接触走行させて起毛する。 〔〕 織物の製造 (1) 項で得た起毛糸を次項に示す規格で織物
とする(経緯使い)。 (2) 経密度 28本/cm 緯密度 19.5本/cm (3) 組織 2/2の綾 〔〕 布起毛 (1) 起毛機 複式針布起毛 (2) 両面起毛 表15回 裏 5回 上記の工程において混繊ループヤーンの特性を
第1表に、また、織物特性について第2表に示
す。
加工の生糸)を用いて極めて毛織物に近い風合を
呈する起毛布帛を製造する方法に関する。 合成繊維をして毛織物的風合に近ずける試みは
一般に仮撚捲縮加工糸織物の形で為された。しか
し仮撚捲縮加工糸(以下、仮撚加工糸と称する)
使いの織物は一般に反撥性に乏しく、しかもドレ
ープ性に劣る欠点がある。更にこの織物の致命的
欠陥は、毛織物特有の膨み、柔い感触といつた特
性に欠けていることであり、このため用途的にも
秋冬物用の厚地素材として使用されることも殆ど
ない。 この加工糸織物の欠点を克服する手段として布
帛での起毛も提案されたが、個々の単繊維が捲縮
を有しているため立毛状態が極めて悪く(ネツプ
状の立毛が発生)、また、付着した異物がとれに
くいという不利益と共にピリングが発生し易い等
の品質的問題を惹起する。 このため、特公昭50−26661号公報には単繊維
デニールの異る2種以上の仮撚加工糸を夫々異る
オーバーフイード下に乱流帯域中に導いて両者を
交絡させ、複合嵩高糸を得、これより織編物を作
ることが提案されている。この方法による織編物
にあつては糸条自体絡んでいることからピリング
の発生は或る程度防止されるが、全体としては仮
撚加工糸の捲縮特性が強く現れて、毛織物の風合
いとは程遠いものしか得られない。更に特開昭49
−72442号公報は伸縮性嵩高糸(捲縮糸)と非伸
縮性嵩高糸とを夫々異るオーバーフイード下に乱
流帯域中に導入して複合糸を得ることが開示され
ている。このようにして得られた複合糸は糸表面
にループ、たるみを有しており、これにより、紡
績糸様の風合に近づくものとされているが、現実
の織編物においては、捲縮糸の特性が支配的であ
るばかりでなく、粗硬感を伴つた感触を呈する。
しかも織物表面に存在する、たるみ、ループは生
地面同志が接触した場合、お互いに絡み合つて恰
かもマジツクテープ(マーベルト)の如きフアス
ナー現象を生じ生地取扱い上の問題も生じる。 このフアスナー現象更には織物の粗硬感を解消
するべく、布帛での起毛処理も当然考えられる
が、この場合は生地の表面のみに立毛状態をもた
らすのみで、逆に感触について生地断面方向に相
分離が生じる。すなわち生地表面は起毛した分だ
け柔軟になるのに対し、内部では逆に硬さが目立
ち始め、結局、芯のある起毛布帛となり、芯のな
いよくこなれた毛織物のそれから益々離反する結
果となる。 従つて、本発明の目的は合成繊維のフイラメン
ト糸をして毛織物に匹敵する風合、触感、反撥
性、ドレープ嵩性を兼備した織物を提供し、以
て、合成繊維の仮撚加工糸では果し得なかつた秋
冬物用素材としての新たな分野を開くことにあ
る。 本発明者等は上記目的を達成せんとして種々検
討した結果、合成繊維より成る織物に毛織物乃至
これに極めて類似した風合、感触を得るには仮撚
加工糸よりはむしろ加工前のフイラメント糸(生
糸)を用いることが適切であることを知ると共に
このフイラメント糸として異デニール混合糸の採
用と二段起毛との適用とが肝要であることを究明
し、本発明に到達したのである。 かくして、本発明によれば 太さが2〜5deの合成繊維のフイラメントが比
較的芯部に位置し、前記フイラメントより細く、
且つ3de以下の合成繊維のフイラメントが非捲縮
状態で該芯部のフイラメントと交錯・絡合しつつ
糸表面に突出してループ、たるみを形成してなる
混繊ループヤーンを起毛処理して少なくとも30
ケ/cmの毛羽を有する起毛糸とし、該起毛糸を用
いて織成し、該織物にさらに起毛処理を施すこと
を特徴とする毛織物様布帛の製造法が提供され
る。 更に、これについて述べると本発明において先
ず、毛織物の基本的特性とも言うべき、「反撥性
に富み且つ柔軟な触感」を有する生地を得るため
の第1の条件はフイラメントの太さ(デニール)
を選定することである。すなわち比較的細いデニ
ールのフイラメントが糸(生地)表面に、比較的
太いデニールのフイラメントが糸の芯部に位置す
ることにより、前者により柔軟な触感を、後者に
より反撥性を得ることができ、これらの観点から
太デニールフイラメントについては2〜5de、細
デニールフイラメントについては3de以下(通常
2.7〜0.3de)が好ましいのである。 しかしながら、上記のデニール関係は本発明の
目的を達成するための十分条件であるに過ぎず、
これら異デニールのフイラメントは互いに混繊さ
れ、その際、細デニールの方が糸表面に突出して
ループ、たるみを形成することが必要である。そ
してこのループ、たるみは、切断されて混繊起毛
糸となつた状態で始めて経及び緯糸として織成に
供せられる。この後、織物は再度起毛処理に付さ
れるわけであるが、この起毛処理は生地の表面に
おける毛羽の増加ひいては柔軟な触感を増加させ
ることにある。他方、混繊ループヤーン(以下、
混繊糸と称することがある)の状態での起毛は言
わば、織物の内部の弛緩、嵩性の増加を狙つたも
ので結果として、本発明の場合、織物全体として
嵩性、柔軟性が維持されつつ(つまり、芯部がな
く充分こなれた状態となる)、生地表面は前記傾
向が顕著に現出する。そして、かかる2段乃至そ
れ以上の起毛の必要性は以下の理由から生じる。
すなわち、混繊糸状態での起毛だけでは毛羽が顕
著に発生せず、無理に毛羽を作ろうとすると糸自
体の強度が低下して実用に供し得なくなる。 一方、混繊糸に起毛処理を施すことなく、これ
より織物を作り、起毛する場合、単に生地表面が
起毛されるだけで生地の内部は締つた構造をとる
ので、芯のある(“こなれていない”)起毛織物し
か得られない。 本発明の実施に当つては先ず、混繊糸の製造か
ら始まる。このためにはTWO FEED TASLAN
法とも呼ばれる周知の方法つまり、少くとも2ケ
以上の供給ローラー糸を採用し夫々細デニールの
フイラメント及び太デニールのフイラメントを別
個に送り出し(細デニールのフイラメントを太デ
ニールのフイラメントより、多く送り出す)これ
らをオーバーフイード下に乱流ノズルに供給して
互いに混合撹乱し、ループを有する混繊糸とした
後、デリベリーローラーを経て巻き取ればよい。
この場合、夫々のフイラメントのオーバーフイー
ド量は或る範囲内に収める必要がある。つまり芯
成分(相対的にフイラメントデニールの大きいも
の)のオーバーフイード量を大きくすると、生地
に粗硬感が強く現れ、“こなれ”が悪くなり、一
方、オーバーフイード量が小さくなると細デニー
ルのフイラメントとの混繊が悪くなる。 これに対して、鞘成分たる細デニールのフイラ
メントのオーバーフイード量が小さ過ぎると糸起
毛が困難となり、一方、このオーバーフイードが
大きくなると混繊状態が低下する。以上のことを
勘案して、芯成分は5〜15%、鞘成分は20〜50%
の範囲で適宜選定し糸足差を少くとも5%以上45
%以下に維持するのが適当である。 また供給糸条については、芯部、あるいは鞘部
の一方、好ましくは鞘部に異染素材例えばポリエ
ステルの場合カチオン染料可染性ポリエステルよ
りなるフイラメントを用いることにより後染めで
霜降り効果を得ることができる。更に、供給糸条
自体必ずしも2本という制約はなく3本以上であ
つてもよい。唯、この数が多くなると供給ローラ
ー系(オーバーフイードローラー系)の増設、デ
ニールの選定等でコストアツプの問題が残るの
で、通常は高々3本程度が推奨される。 かくして、得られた混繊糸には通常30ケ/cm以
上のループ(クルノードループ)たるみが存在す
るが、このループは起毛処理により毛羽に転換さ
れる。この糸起毛は混繊糸の巻取前又は、巻取後
の工程として行うことができる。起毛具としては
一般に回転砥石(例えば特開昭49−132346号公報
第1図の数字5で示されるもの)が用いられる
が、この際砥石の粒度と回転速度は起毛状態に多
いに影響する。良好な起毛状態乃至工程の安定性
を考慮した場合、粒度としてはJIS#30〜60(中
目)〜#80〜#600(細目)が適当であり、また
回転速度については500〜5000r.p.m(糸速40〜
100m/min、砥石径5〜15cmとして)が有効で
ある。また回転砥石の場合、糸を巻き込み易い傾
向があるので一般には砥石前での糸張力を少くと
も0.1g/de以上に維持するのが好ましい。かか
る起毛糸は最終製品における“こなれ”を実現す
るため毛羽本数も重要な因子であり、本発明にお
いては起毛糸1cm当り少くとも1.5好ましくは2.5
本以上存在することが望ましい。またその上限に
ついては、混繊自体の実用的な強度の維持という
ことから高々5〜7本/cmに留めておくのがよ
い。 かくして粗硬感が消失し毛羽による膨み、柔さ
を呈する起毛糸は経及び/又は緯糸として織成に
供されるが、織成条件織物規格等については特に
制限はない。前記起毛糸を経及び緯として用いる
場合が最も好ましい態様ではあるが、他方、経又
は緯の何れか一方に用い、緯又は経に紡績糸、加
工糸等を配することにより趣きの変つたものを得
ることができる。 なかでも起毛混繊糸を経緯に用いてなる織物は
恰かも短繊維織物の如き、膨み、柔さを呈し、こ
れを更に布起毛することにより毛織物におけるフ
ラノ、サキソニーの如き、感覚の起毛織物が得ら
れる。しかも布起毛にあつてはこれを構成する糸
自体織組織によつて拘速されていることから、糸
起毛に比してより簡単に毛羽を形成し得ることで
ある。また起毛の促進と織組織の関係からすると
1/1のものよりは2/2、3/3、4/4といつた綾組織或
いは5枚乃至8枚朱子が推奨されるが就中、綾組
織が好ましい。 この織物への起毛処理は表面タツチの改良にあ
ることから混繊糸1cm当り少くとも30本の毛羽を
作ることが望まれ、これにより、極めて柔軟にし
てこなれた織物を得ることができる。起毛機とし
ては通常使用されている針金起毛機あざみ起毛機
等をそのまま用いればよい。 かくして、本発明によれば、異デニールフイラ
メントによる2層構造糸の効果と織物組織の内部
での毛羽の存在とが相俟つて曲げの柔い、且つこ
なれが良く、しかも表面は更に柔軟性が改善され
た織物が提供される。しかも織物を構成するフイ
ラメントは捲縮がないので、捲縮糸に比べてピリ
ングが発生し難い長所があるばかりでなく、フイ
ラメントは互いに混繊交錯(絡み合い)している
ので抜けにくく、抗ピリング性は飛躍的に向上す
る。 実施例 1 下記の条件で、本発明による起毛織物を製造す
る。 〔〕 混繊ループヤーンの製造 (1) 芯成分 ポリエステルフイラメント糸 150de/48fil(撚数8回/M) (2) 鞘成分 カチオン染料可染性ポリエステル
フイラメント糸75de/24fil(撚数13回/
M)、ポリエステルフイラメント糸−
100de/48fil (3) 乱流ノズル 特公昭35−1673号公報記載の
ノズル(圧空圧3.5Kg/cm2) (4) 乱流ノズルへのオーバーフイード量 芯成分 10% 鞘成分 36% (5) 引取速度(巻取) 50m/min 〔〕 糸起毛 (1) 混繊ループヤーンを0.12g/de張力下、直
径5cm、JIS#60の回転砥石(3500r.p.m)
に50m/minで接触走行させて起毛する。 〔〕 織物の製造 (1) 項で得た起毛糸を次項に示す規格で織物
とする(経緯使い)。 (2) 経密度 28本/cm 緯密度 19.5本/cm (3) 組織 2/2の綾 〔〕 布起毛 (1) 起毛機 複式針布起毛 (2) 両面起毛 表15回 裏 5回 上記の工程において混繊ループヤーンの特性を
第1表に、また、織物特性について第2表に示
す。
【表】
【表】
一般に織物の風合いはふくらみ、腰・反撥、ぬ
めり三要素で表現する事ができる。以下表中の測
定値と対比して説明する。 ふくらみは物性項目中の厚さ、嵩高性で表現す
る事ができ、表中のデーターにより起毛による嵩
高化の傾向が明らかである。腰・反撥は物性項目
中の曲げ硬さ、曲げ反撥、剪断変形で表現する事
ができ、起毛した生地は曲げ硬さが大となり腰が
ある方向にあり、又曲げ反撥は若干落ちている
が、剪断変形は大となり、結果として反撥性は向
上している。ぬめりは摩擦係数で表現する事がで
きる。平均摩擦係数()、摩擦係数の変動(μ
MD)、表面粗さ(SMD)の何れもが起毛により
測定値は小さくなつており、好ましいぬめり感が
著しく向上している事がわかる。 このように糸起毛、布起毛はふくらみ、腰・反
撥、ぬめりの風合い三要素について何れも好まし
い改良を与えていると言える。 実施例 2 下記の条件で、本発明による起毛織物を製造す
る。 〔〕 混繊ループヤーンの製造 (1) 芯成分 ポリエステルフイラメント糸 100de/24fil(撚数8回/M) (2) 鞘成分 カチオン染料可染性ポリエステル
フイラメント糸75de/24fil(撚数13回/
M)とポリエステルフイラメント糸100de/
48filの引揃え糸(軽度のインターレース糸) (3) 乱流ノズル 特公昭35−1673号公報記載の
ノズル(圧空圧3.5Kg/cm2) (4) 乱流ノズルへのオーバーフイード量 芯成分 10% 鞘成分 20% (5) 引取速度(巻取) 50m/min 〔〕 糸起毛 (1) 混繊ループヤーンを0.12g/de張力下、直
径5cm、JIS#60の回転砥石(3500r.p.m)
に50m/minで接触走行させて起毛する。 〔〕 織物の製造 (1) 項で得た起毛糸を次項に示す規格で織物
とする。(経緯使い) (2) 経密度 29本/cm 緯密度 20本/cm (3) 組織 2/2の綾 〔〕 布起毛 (1) 起毛機 複式針布起毛機 (2) 両面起毛 表5回 裏3回 上記の工程において混繊ループヤーンの特性を
第1表に、また、織物特性について第2表に示
す。
めり三要素で表現する事ができる。以下表中の測
定値と対比して説明する。 ふくらみは物性項目中の厚さ、嵩高性で表現す
る事ができ、表中のデーターにより起毛による嵩
高化の傾向が明らかである。腰・反撥は物性項目
中の曲げ硬さ、曲げ反撥、剪断変形で表現する事
ができ、起毛した生地は曲げ硬さが大となり腰が
ある方向にあり、又曲げ反撥は若干落ちている
が、剪断変形は大となり、結果として反撥性は向
上している。ぬめりは摩擦係数で表現する事がで
きる。平均摩擦係数()、摩擦係数の変動(μ
MD)、表面粗さ(SMD)の何れもが起毛により
測定値は小さくなつており、好ましいぬめり感が
著しく向上している事がわかる。 このように糸起毛、布起毛はふくらみ、腰・反
撥、ぬめりの風合い三要素について何れも好まし
い改良を与えていると言える。 実施例 2 下記の条件で、本発明による起毛織物を製造す
る。 〔〕 混繊ループヤーンの製造 (1) 芯成分 ポリエステルフイラメント糸 100de/24fil(撚数8回/M) (2) 鞘成分 カチオン染料可染性ポリエステル
フイラメント糸75de/24fil(撚数13回/
M)とポリエステルフイラメント糸100de/
48filの引揃え糸(軽度のインターレース糸) (3) 乱流ノズル 特公昭35−1673号公報記載の
ノズル(圧空圧3.5Kg/cm2) (4) 乱流ノズルへのオーバーフイード量 芯成分 10% 鞘成分 20% (5) 引取速度(巻取) 50m/min 〔〕 糸起毛 (1) 混繊ループヤーンを0.12g/de張力下、直
径5cm、JIS#60の回転砥石(3500r.p.m)
に50m/minで接触走行させて起毛する。 〔〕 織物の製造 (1) 項で得た起毛糸を次項に示す規格で織物
とする。(経緯使い) (2) 経密度 29本/cm 緯密度 20本/cm (3) 組織 2/2の綾 〔〕 布起毛 (1) 起毛機 複式針布起毛機 (2) 両面起毛 表5回 裏3回 上記の工程において混繊ループヤーンの特性を
第1表に、また、織物特性について第2表に示
す。
【表】
【表】
毛のみ省略したもの
比較例 3 実施例1において、混繊ループヤーンを、糸起
毛時の張力2.3g/deの下に、25m/minで回転
砥石に接触走行させた結果、毛羽数75ケ/cmの起
毛糸が得られた。この起毛糸を用いて織物を作ろ
うとすると、柔軟性に関する限り本発明とほぼ同
一水準のものが得られるものと考えられるが、実
際には起毛糸自身の強度が1g/dと極度に低下
しており、撚糸、製織工程に耐える程の実用的物
性を具備していなかつた。
比較例 3 実施例1において、混繊ループヤーンを、糸起
毛時の張力2.3g/deの下に、25m/minで回転
砥石に接触走行させた結果、毛羽数75ケ/cmの起
毛糸が得られた。この起毛糸を用いて織物を作ろ
うとすると、柔軟性に関する限り本発明とほぼ同
一水準のものが得られるものと考えられるが、実
際には起毛糸自身の強度が1g/dと極度に低下
しており、撚糸、製織工程に耐える程の実用的物
性を具備していなかつた。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 太さが2〜5deの合成繊維であつて非捲縮の
フイラメントが比較的芯部に位置し、前記フイラ
メントより細く、且つ3de以下の合成繊維のフイ
ラメントが非捲縮状態で該芯部のフイラメントと
交錯・絡合しつつ糸表面に突出してループ、たる
みを形成してなる混繊ループヤーンを起毛処理し
て少なくとも30ケ/cmの毛羽を有する起毛糸と
し、該起毛糸を用いて織成し、該織物にさらに起
毛処理を施すことを特徴とする毛織物用布帛の製
造法。 2 織物が2/2以上の綾組織で構成されてなる特
許請求の範囲第2項記載の毛織物様布帛の製造
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5281878A JPS54147266A (en) | 1978-05-04 | 1978-05-04 | Wool knitted fabric like cloth and production |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5281878A JPS54147266A (en) | 1978-05-04 | 1978-05-04 | Wool knitted fabric like cloth and production |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS54147266A JPS54147266A (en) | 1979-11-17 |
| JPS6214660B2 true JPS6214660B2 (ja) | 1987-04-03 |
Family
ID=12925413
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5281878A Granted JPS54147266A (en) | 1978-05-04 | 1978-05-04 | Wool knitted fabric like cloth and production |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS54147266A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5865032A (ja) * | 1981-10-14 | 1983-04-18 | ユニチカ株式会社 | 霜降調立毛布帛の製造方法 |
Family Cites Families (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS589175B2 (ja) * | 1975-07-08 | 1983-02-19 | 帝人株式会社 | ヨウモウヨウモシクハスエ−ドチヨウヘンシヨクブツノセイゾウホウ |
| JPS5249367A (en) * | 1975-10-15 | 1977-04-20 | Mitsubishi Rayon Co | Method of suedeelike knitted woven goods |
-
1978
- 1978-05-04 JP JP5281878A patent/JPS54147266A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS54147266A (en) | 1979-11-17 |
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