JPS6237615Y2 - - Google Patents
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- JPS6237615Y2 JPS6237615Y2 JP8273884U JP8273884U JPS6237615Y2 JP S6237615 Y2 JPS6237615 Y2 JP S6237615Y2 JP 8273884 U JP8273884 U JP 8273884U JP 8273884 U JP8273884 U JP 8273884U JP S6237615 Y2 JPS6237615 Y2 JP S6237615Y2
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Landscapes
- Milling Processes (AREA)
- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
Description
技術分野
本考案は雌ねじを切削するタツプに関し、特
に、ねじ部において螺旋状の切削溝を備えたねじ
れみぞタツプに関するものである。 従来技術 ねじれみぞタツプは、一般に、ねじ山が所定の
リード角で周回させられたねじ部と、そのねじ部
において螺旋状に形成されて上記ねじ山と交差す
る切削溝とを備え、その切削溝の内壁面とねじ山
の両側のフランク面との間の交線に沿つて山形の
切刃が形成されたものである。そして、このよう
なねじれみぞタツプにおいては、ねじ立てをする
時に生じる切屑を螺旋状の切削溝(ねじれみぞ)
に沿つて排出することができる特長を有してお
り、特に止まり穴にねじ立てをするときに雌ねじ
内部に切屑が残留しないので、ねじ立て後の切屑
の除去作業を省略できるという有利さを備えてい
る。しかしながら、このような利点を有するねじ
れみぞタツプには次のような特有の問題を内在し
ている。 解決しようとする問題点 即ち、螺旋状に切削溝が形成されたねじれみぞ
タツプにおいては、その切削溝が存在するがため
に、例えば最も一般的な右ねじれみぞタツプで
は、切削時の自進作用を助長する方向の力の成分
が生じて、ねじ部のねじ山リードより大きなリー
ドでタツプが進んでしまう進み過ぎ現象が生じ易
く、また、ねじ山の両側のフランク面と協働して
山形の切刃を形成する切削溝の内壁面が螺旋状と
されているために、刃先が鋭利になり過ぎる嫌い
があり、これらの事柄に原因して、例えば第7図
に示すように、切削される雌ねじのねじ山2の実
際の断面寸法4が、予定された正規の断面寸法6
より小さくなつてしまう「やせ」が発生し易い。 この「やせ」を防止するために従来より、例え
ば(イ)ねじ山の両側のフランク面に同じ量の二番取
りを施したもの、(ロ)片側のフランク面には二番取
りを施さず、そのフランク面に相対するねじ山の
フランク面に切刃の刃先から二番取りを施したも
の(特公昭58−35822)、(ハ)ランドの切刃側とヒー
ル側とに正規のねじリードとは異なる方向におい
てねじ山のリードを屈曲させてランドのねじ山を
形成したもの(実開昭57−13124)等、種々の改
善策が提案されているが、たとえば、一般構造用
圧延鋼材(JISG3101)系統等の被切削材料にお
いて、未だねじ山の「やせ」の発生防止に十分な
成果を上げているとは言い難く、そのため前述の
ような利点を有するねじれみぞタツプを利用する
について、特定の被削材料以外には使用に踏み切
れないという制約が存在していた。 ここにおいて本考案は、ねじ山のやせ現象を有
効に防止し得るねじれ溝タツプを提供するために
為されたものである。 問題点を解決するための手段 上述のようなねじれ溝タツプの欠点を解消すべ
く、本考案にあつては、前述のような山形の切刃
のうち片側であつて、タツプの回転軸心に平行な
直線を基準とする横すくい角が正である側の切刃
に面取りを施し、あるいはその切刃に続くフラン
ク面に負の二番取りを施したことをその要旨とす
るものである。 実施例 以下、本考案の一、二の実施例を図面に基づい
て詳細に説明する。 第1図には、本考案の一実施例であるねじれみ
ぞタツプの全体図が示されている。このねじれみ
ぞタツプは、シヤンク10とボデー12とを備
え、ボデー12にはねじ山が所定のリード角で周
回させられたねじ部14が形成され、さらにこの
ねじ部14において上記ねじ山と交差しつつ螺旋
状に三筋の切削溝(ねじれみぞ)16が形成され
ている。この例は、所謂右ねじ右ねじれみぞタツ
プである。そして、このように切削溝16が形成
されることにより、第2図から明らかなように、
この切削溝16の回転切削方向Pに向かう内壁面
がすくい面18として機能し、このすくい面18
とねじ山20の頂面22およびねじ山20の両側
のフランク面24,26との交線に沿つて山形の
切刃が形成されている。 そして、雌ねじの切削は、第1図に符号28で
示す食付き部の切刃によつて主として行なわれ
る。この食付き部28は、第3図から明らかなよ
うに円錐面状に形成された不完全山の連なりであ
り、雌ねじの被削材料に形成された不穴にねじ込
まれて切削作用を開始すると、各々のねじ山の切
刃はタツプのねじリードに沿つて進む。食付き部
28の最初のねじ山20aから二番目のねじ穴2
0b、三番目のねじ山20cに向かうほど山の高
さが増大するのに伴い、順次切削作用を分担して
行い、食付き部28と完全ねじ山部30とが接す
る位置Aにおいて幾何学的には雌ねじの切削が完
了するようになつており、完全ねじ山部30は、
切削時においてタツプに推進力を与える自進作用
を果たす。また食付き部28による切削は、頂面
22の切刃のみならず、進み側のフランク面26
の切刃の一部および追い側フランク面24の切刃
の一部でも行なわれる。 ところで、切刃の切れ味を向上させる方法とし
て、食付き部28のランド22の外周面に二番取
り(一種の逃げ面の形成)を施したり、フランク
面24,26に同様な二番取りを施したりするこ
とが従来より行われている。このような二番取り
は、切削抵抗を軽減する正の角度で行なわれるの
が普通であり、そのようにねじ部に二番取りを施
したタツプでは、切れ味は向上するものの、雌ね
じ切削の際に、タツプのねじフランク面と雌ねじ
のねじフランク面との接触面積が二番取りを施さ
ないタツプに比較して減少するため、タツプのね
じリードによる自己案内性が低下して推進力が弱
くなつてしまう問題がある。また、第8図に示す
ように、一般に切削工具32とワーク34とが特
定な力で相互に押し付けられながら滑り摩擦運動
を行う場合に、切刃が鋭利であればある程、切削
工具32がワーク34へ食い込む、すなわち切削
的力が作用し易く、これが滑り摩擦力の増大を招
くと共に、タツプに当てはめてみれば、タツプの
ねじリード以上に、切削される雌ねじのリードが
大きくなり易くなる原因の一つとなる。 従来、このような進み過ぎを防止して、雌ねじ
のリードをタツプのねじリードに合致させる対策
の一つとして、タツプの進み側ねじフランク面2
6に二番取りを施さないことが提唱されている。
これを簡略に図形化すると第9図のように表すこ
とができ、原理的には食い込み効果が生じないた
めに、切削工具32のワーク34に対する食込み
力の発生を一応回避することはできる。 しかし、右ねじ右ねじれみぞのタツプを例にと
れば、食付き部28で発生した切屑を切削溝16
が収容し、且つそのねじれ効果によつてシヤンク
10側に送り出して、外部に排出する作用を営む
が、この切屑を排出する力の反力で、タツプには
軸方向の進み側に向かう力が作用し、そのため前
述のように二番取りを施さないとしても、タツプ
の進み過ぎを防止するには不充分と言わざるを得
ない。これを改善するのが本考案の主なるテーマ
である。 第2図において既に述べたように、ねじ山20
には山形の切刃が形成され、その両側の切刃に続
いてそれぞれフランク面24,26が形成されて
いるが、より詳しく言えば、第4図に示すように
タツプの回転軸心に平行な直線Oを基準とする横
すくい角が正である側の切刃にフランク面26が
続き、負である側の切刃にフランク面24が続い
ている。ここで、横すくい角が正あるいは負とい
うのは、直角を基準としてそれより小さくなる方
向を正、大きくなる方向を負としたものであり、
本実施例のような右ねじ右ねじれみぞタツプにお
いては、進み側フランク面26が横すくい角が正
である側の切れ刃に続くフランク面となるのであ
る。なお、第4図は、タツプの回転中心を中心と
する一周面Sを境とする断面をねじ山20との対
比において示している。 そして、このフランク面26には、刃先からヒ
ール側に向つて負の二番取りが施されている。言
い換えれば、第2図にも示すようにフランク面2
6に刃先側には、谷底から頂面22にわたつてほ
ぼ一定幅で平面状に負の二番取り部36が形成さ
れているのである。 ここで負の二番取りというのは、フランク面2
6側の切刃の刃先角を大きくする向きの角度を負
の角度としたものであり、見方を変えれば、フラ
ンク面26側の刃先の横すくい角を小さくする向
きに二番取り部36が形成されていることを意味
している。この二番取り部36は、雌ねじ形成材
料として一般的に使用されている圧延鋼材
(JISG3101)系統の被削材料の場合、ねじ山20
のリード線(つる巻き線)Tに対して、おおよそ
10分〜20分程度の負の角度とすることが望まし
く、また、二番取り部36の円周方向の長さ寸法
は、その長さ寸法を円弧とし且つ該円弧の両端と
タツプの回転中心とを直線で結んだ扇形を想定す
るとき、その中心角が5゜乃至15゜程度となるよ
うに決定することが望ましい。また、このような
負の角度の二番取り部36は、一部でも良いが、
タツプの全てのねじ山に形成することが、前述の
ようなタツプの進み過ぎを効果的に防止する上で
望ましい。 以上にようなねじれみぞタツプにおいては、第
10図にその切削時における力関係を概念的に示
すように、ねじ山20のリード線Tの方向に回転
操作力Fが加えられ、その際の切削抵抗がすくい
面18に直角な方向に作用する結果、タツプの進
み方向の力の成分f1が生じるのであるが、二番取
り部36にもその面に直角な向きに切削抵抗に基
づく力が作用し、その結果、上記タツプ進み側に
作用する力f1とは逆向きの力の成分f2が生じて、
これらf1とf2とが相殺され、あるいは完全には相
殺されないとしても、進み側方向に向く力の成分
f1を打ち消す向きに二番取り部36から力の成分
f2が作用することとなり、そのため、ねじれみぞ
タツプにおける進み過ぎ、ひいてはねじ山のやせ
を防止しあるいは抑制することにつながるのであ
る。 このような二番取り部36の存在は、そのねじ
山20とワークとの滑り摩擦運動に着目すれば、
第11図に示す概念として把握することができ
る。それは、滑り摩擦面の断面が滑りの進行方向
側に反りを有するものということができ、ワーク
34側への食込み力の発生を効果的に防止するこ
とに寄与する。つまり、第9図に示すように工具
32側とワーク34側との滑り面が密着している
場合には、或る程度食込み力が生じてしまうこと
があるが、第11図に示すように滑りの進行側に
反りを有していれば、上記のような食込み力が生
じる余地はないからである。そして、上述のよう
に切削時においてタツプ進み方向とは反対向きに
切削抵抗f2が作用すること、および滑り摩擦にお
いて食込み勝手とならないことの双方の相乗効果
によつて、ねじれみぞタツプの進み過ぎを有効に
抑制することが可能となるのである。 次に、本考案の別の実施例を第5図および第6
図に基づいて説明する。 この実施例では、前述のような山形の切刃のう
ち片側であつて、タツプの回転軸心に平行な直線
を基準とする横すくい角が正である側の切刃に、
所定の曲率半径の曲面を成す面取りが施されてい
る。すなわち、前記実施例における負の二番取り
部36の代わりに、丸みを有する面取り部38が
形成されているのである。このような面取り部3
8を、特に前記食付き部28に続く完全ねじ部3
0の各ねじ山20に形成することにより、第11
図に示したと実質的に同様の効果、つまり滑り進
行側に反りを有して、滑り摩擦の際のワーク34
側への食い込みを防止し、同時にタツプの自進作
用をガイドするに十分な接触面積が得られて、正
確なリードの推進力を得ることにつながるのであ
る。 なお、右ねじ左ねじれみぞタツプの場合には、
切屑が進み側に排出されるため、シヤンク部10
側にその反力が作用し、ねじリードが過少になり
易いのであるが、この場合には、追い側フランク
面24に負の二番取りを施し、あるいはその側の
切刃に面取りを施すことが、正確なねじリードを
得る上で有効となる。 また、面取り部38には所定の曲率半径の曲面
の替わりに、前記負の二番取り部26と同様な角
度を成す斜面が形成されても良い。 次に、本考案の効果を裏付ける実験のデータの
一例を示す。これは、従来のタツプと本考案のタ
ツプとの比較例であつて、従来のタツプは試料
1、試料2および試料3であり、また、本考案に
従うタツプは試料4である。 試料1:ねじ二番取りのないタツプ(第12図参
照) 試料2:ねじ山の両フランク面に、刃先から15分
の角度で等量に正の二番取りを施したタツ
プ。 試料3:タツプの進み側ねじフランク面には二番
取りはなく、追い側ねじフランク面に15分
の角度で刃先から正の二番取りを施したタ
ツプ。 試料4:第2図に示すタツプであつて、進み側ね
じフランク面26に刃先から15分の角度で
負の二番取りを施したタツプ。 ねじの種類:メートル並目ねじ 呼び径M10 タツプの材種:SKH58 その他の細目: 食付き部の勾配角 12゜ 食付き刃の逃げ角 4゜ ねじ部の等級 JISB4430表4,2級 ねじ部のバツクテーパ 20〜40μm/2 5mm すくい角 4゜ みぞの数 3 みぞのねじれ角 右ねじれ35゜ 被削物: 材質 JISG3101SS41 雌ねじの長さ 15mm ねじ下穴径 8.5mm ねじ立て条件: 使用機械 横形マシニングセンタ タツプホルダ軸方向フロート機構つき 回転数 280rpm. 切削油 硫化塩化系不水溶性切削油 雌ねじの確認方法: JISB0251付属書表10の検査用止りねじプ
ラグゲージ(IP)を用い、同付属書の第7
項「ゲージによる合否の判定」方法に基づ
いて、止りねじプラグゲージが雌ねじに入
る回転数を観測した。IPの等級は一般的に
常用されている2級である。 上記の条件に基づいて、雌ねじにIPが入る回転
数と、タツプ寿命との二つの試験を実施した。 〔試験,その1:雌ねじにIPが入る回転数〕 結果は第13図から明らかなように、本考案に
従うタツプ(試料4)は試料1〜3に比較して、
雌ねじの精度が極めて安定していることが明らか
となつた。なお、ねじ立穴数は各試料ともそれぞ
れ15穴である。 〔試験,その2:タツプ寿命までのねじ立て穴
数〕 結果は第1表の通りである。本考案に従う試料
4のタツプの寿命は、従来のタツプと比較して僅
かではあるが、寿命限度が長く、タツプとしての
性能を保持していることが証明された。なお、供
試タツプは、試料1と試料4である。
に、ねじ部において螺旋状の切削溝を備えたねじ
れみぞタツプに関するものである。 従来技術 ねじれみぞタツプは、一般に、ねじ山が所定の
リード角で周回させられたねじ部と、そのねじ部
において螺旋状に形成されて上記ねじ山と交差す
る切削溝とを備え、その切削溝の内壁面とねじ山
の両側のフランク面との間の交線に沿つて山形の
切刃が形成されたものである。そして、このよう
なねじれみぞタツプにおいては、ねじ立てをする
時に生じる切屑を螺旋状の切削溝(ねじれみぞ)
に沿つて排出することができる特長を有してお
り、特に止まり穴にねじ立てをするときに雌ねじ
内部に切屑が残留しないので、ねじ立て後の切屑
の除去作業を省略できるという有利さを備えてい
る。しかしながら、このような利点を有するねじ
れみぞタツプには次のような特有の問題を内在し
ている。 解決しようとする問題点 即ち、螺旋状に切削溝が形成されたねじれみぞ
タツプにおいては、その切削溝が存在するがため
に、例えば最も一般的な右ねじれみぞタツプで
は、切削時の自進作用を助長する方向の力の成分
が生じて、ねじ部のねじ山リードより大きなリー
ドでタツプが進んでしまう進み過ぎ現象が生じ易
く、また、ねじ山の両側のフランク面と協働して
山形の切刃を形成する切削溝の内壁面が螺旋状と
されているために、刃先が鋭利になり過ぎる嫌い
があり、これらの事柄に原因して、例えば第7図
に示すように、切削される雌ねじのねじ山2の実
際の断面寸法4が、予定された正規の断面寸法6
より小さくなつてしまう「やせ」が発生し易い。 この「やせ」を防止するために従来より、例え
ば(イ)ねじ山の両側のフランク面に同じ量の二番取
りを施したもの、(ロ)片側のフランク面には二番取
りを施さず、そのフランク面に相対するねじ山の
フランク面に切刃の刃先から二番取りを施したも
の(特公昭58−35822)、(ハ)ランドの切刃側とヒー
ル側とに正規のねじリードとは異なる方向におい
てねじ山のリードを屈曲させてランドのねじ山を
形成したもの(実開昭57−13124)等、種々の改
善策が提案されているが、たとえば、一般構造用
圧延鋼材(JISG3101)系統等の被切削材料にお
いて、未だねじ山の「やせ」の発生防止に十分な
成果を上げているとは言い難く、そのため前述の
ような利点を有するねじれみぞタツプを利用する
について、特定の被削材料以外には使用に踏み切
れないという制約が存在していた。 ここにおいて本考案は、ねじ山のやせ現象を有
効に防止し得るねじれ溝タツプを提供するために
為されたものである。 問題点を解決するための手段 上述のようなねじれ溝タツプの欠点を解消すべ
く、本考案にあつては、前述のような山形の切刃
のうち片側であつて、タツプの回転軸心に平行な
直線を基準とする横すくい角が正である側の切刃
に面取りを施し、あるいはその切刃に続くフラン
ク面に負の二番取りを施したことをその要旨とす
るものである。 実施例 以下、本考案の一、二の実施例を図面に基づい
て詳細に説明する。 第1図には、本考案の一実施例であるねじれみ
ぞタツプの全体図が示されている。このねじれみ
ぞタツプは、シヤンク10とボデー12とを備
え、ボデー12にはねじ山が所定のリード角で周
回させられたねじ部14が形成され、さらにこの
ねじ部14において上記ねじ山と交差しつつ螺旋
状に三筋の切削溝(ねじれみぞ)16が形成され
ている。この例は、所謂右ねじ右ねじれみぞタツ
プである。そして、このように切削溝16が形成
されることにより、第2図から明らかなように、
この切削溝16の回転切削方向Pに向かう内壁面
がすくい面18として機能し、このすくい面18
とねじ山20の頂面22およびねじ山20の両側
のフランク面24,26との交線に沿つて山形の
切刃が形成されている。 そして、雌ねじの切削は、第1図に符号28で
示す食付き部の切刃によつて主として行なわれ
る。この食付き部28は、第3図から明らかなよ
うに円錐面状に形成された不完全山の連なりであ
り、雌ねじの被削材料に形成された不穴にねじ込
まれて切削作用を開始すると、各々のねじ山の切
刃はタツプのねじリードに沿つて進む。食付き部
28の最初のねじ山20aから二番目のねじ穴2
0b、三番目のねじ山20cに向かうほど山の高
さが増大するのに伴い、順次切削作用を分担して
行い、食付き部28と完全ねじ山部30とが接す
る位置Aにおいて幾何学的には雌ねじの切削が完
了するようになつており、完全ねじ山部30は、
切削時においてタツプに推進力を与える自進作用
を果たす。また食付き部28による切削は、頂面
22の切刃のみならず、進み側のフランク面26
の切刃の一部および追い側フランク面24の切刃
の一部でも行なわれる。 ところで、切刃の切れ味を向上させる方法とし
て、食付き部28のランド22の外周面に二番取
り(一種の逃げ面の形成)を施したり、フランク
面24,26に同様な二番取りを施したりするこ
とが従来より行われている。このような二番取り
は、切削抵抗を軽減する正の角度で行なわれるの
が普通であり、そのようにねじ部に二番取りを施
したタツプでは、切れ味は向上するものの、雌ね
じ切削の際に、タツプのねじフランク面と雌ねじ
のねじフランク面との接触面積が二番取りを施さ
ないタツプに比較して減少するため、タツプのね
じリードによる自己案内性が低下して推進力が弱
くなつてしまう問題がある。また、第8図に示す
ように、一般に切削工具32とワーク34とが特
定な力で相互に押し付けられながら滑り摩擦運動
を行う場合に、切刃が鋭利であればある程、切削
工具32がワーク34へ食い込む、すなわち切削
的力が作用し易く、これが滑り摩擦力の増大を招
くと共に、タツプに当てはめてみれば、タツプの
ねじリード以上に、切削される雌ねじのリードが
大きくなり易くなる原因の一つとなる。 従来、このような進み過ぎを防止して、雌ねじ
のリードをタツプのねじリードに合致させる対策
の一つとして、タツプの進み側ねじフランク面2
6に二番取りを施さないことが提唱されている。
これを簡略に図形化すると第9図のように表すこ
とができ、原理的には食い込み効果が生じないた
めに、切削工具32のワーク34に対する食込み
力の発生を一応回避することはできる。 しかし、右ねじ右ねじれみぞのタツプを例にと
れば、食付き部28で発生した切屑を切削溝16
が収容し、且つそのねじれ効果によつてシヤンク
10側に送り出して、外部に排出する作用を営む
が、この切屑を排出する力の反力で、タツプには
軸方向の進み側に向かう力が作用し、そのため前
述のように二番取りを施さないとしても、タツプ
の進み過ぎを防止するには不充分と言わざるを得
ない。これを改善するのが本考案の主なるテーマ
である。 第2図において既に述べたように、ねじ山20
には山形の切刃が形成され、その両側の切刃に続
いてそれぞれフランク面24,26が形成されて
いるが、より詳しく言えば、第4図に示すように
タツプの回転軸心に平行な直線Oを基準とする横
すくい角が正である側の切刃にフランク面26が
続き、負である側の切刃にフランク面24が続い
ている。ここで、横すくい角が正あるいは負とい
うのは、直角を基準としてそれより小さくなる方
向を正、大きくなる方向を負としたものであり、
本実施例のような右ねじ右ねじれみぞタツプにお
いては、進み側フランク面26が横すくい角が正
である側の切れ刃に続くフランク面となるのであ
る。なお、第4図は、タツプの回転中心を中心と
する一周面Sを境とする断面をねじ山20との対
比において示している。 そして、このフランク面26には、刃先からヒ
ール側に向つて負の二番取りが施されている。言
い換えれば、第2図にも示すようにフランク面2
6に刃先側には、谷底から頂面22にわたつてほ
ぼ一定幅で平面状に負の二番取り部36が形成さ
れているのである。 ここで負の二番取りというのは、フランク面2
6側の切刃の刃先角を大きくする向きの角度を負
の角度としたものであり、見方を変えれば、フラ
ンク面26側の刃先の横すくい角を小さくする向
きに二番取り部36が形成されていることを意味
している。この二番取り部36は、雌ねじ形成材
料として一般的に使用されている圧延鋼材
(JISG3101)系統の被削材料の場合、ねじ山20
のリード線(つる巻き線)Tに対して、おおよそ
10分〜20分程度の負の角度とすることが望まし
く、また、二番取り部36の円周方向の長さ寸法
は、その長さ寸法を円弧とし且つ該円弧の両端と
タツプの回転中心とを直線で結んだ扇形を想定す
るとき、その中心角が5゜乃至15゜程度となるよ
うに決定することが望ましい。また、このような
負の角度の二番取り部36は、一部でも良いが、
タツプの全てのねじ山に形成することが、前述の
ようなタツプの進み過ぎを効果的に防止する上で
望ましい。 以上にようなねじれみぞタツプにおいては、第
10図にその切削時における力関係を概念的に示
すように、ねじ山20のリード線Tの方向に回転
操作力Fが加えられ、その際の切削抵抗がすくい
面18に直角な方向に作用する結果、タツプの進
み方向の力の成分f1が生じるのであるが、二番取
り部36にもその面に直角な向きに切削抵抗に基
づく力が作用し、その結果、上記タツプ進み側に
作用する力f1とは逆向きの力の成分f2が生じて、
これらf1とf2とが相殺され、あるいは完全には相
殺されないとしても、進み側方向に向く力の成分
f1を打ち消す向きに二番取り部36から力の成分
f2が作用することとなり、そのため、ねじれみぞ
タツプにおける進み過ぎ、ひいてはねじ山のやせ
を防止しあるいは抑制することにつながるのであ
る。 このような二番取り部36の存在は、そのねじ
山20とワークとの滑り摩擦運動に着目すれば、
第11図に示す概念として把握することができ
る。それは、滑り摩擦面の断面が滑りの進行方向
側に反りを有するものということができ、ワーク
34側への食込み力の発生を効果的に防止するこ
とに寄与する。つまり、第9図に示すように工具
32側とワーク34側との滑り面が密着している
場合には、或る程度食込み力が生じてしまうこと
があるが、第11図に示すように滑りの進行側に
反りを有していれば、上記のような食込み力が生
じる余地はないからである。そして、上述のよう
に切削時においてタツプ進み方向とは反対向きに
切削抵抗f2が作用すること、および滑り摩擦にお
いて食込み勝手とならないことの双方の相乗効果
によつて、ねじれみぞタツプの進み過ぎを有効に
抑制することが可能となるのである。 次に、本考案の別の実施例を第5図および第6
図に基づいて説明する。 この実施例では、前述のような山形の切刃のう
ち片側であつて、タツプの回転軸心に平行な直線
を基準とする横すくい角が正である側の切刃に、
所定の曲率半径の曲面を成す面取りが施されてい
る。すなわち、前記実施例における負の二番取り
部36の代わりに、丸みを有する面取り部38が
形成されているのである。このような面取り部3
8を、特に前記食付き部28に続く完全ねじ部3
0の各ねじ山20に形成することにより、第11
図に示したと実質的に同様の効果、つまり滑り進
行側に反りを有して、滑り摩擦の際のワーク34
側への食い込みを防止し、同時にタツプの自進作
用をガイドするに十分な接触面積が得られて、正
確なリードの推進力を得ることにつながるのであ
る。 なお、右ねじ左ねじれみぞタツプの場合には、
切屑が進み側に排出されるため、シヤンク部10
側にその反力が作用し、ねじリードが過少になり
易いのであるが、この場合には、追い側フランク
面24に負の二番取りを施し、あるいはその側の
切刃に面取りを施すことが、正確なねじリードを
得る上で有効となる。 また、面取り部38には所定の曲率半径の曲面
の替わりに、前記負の二番取り部26と同様な角
度を成す斜面が形成されても良い。 次に、本考案の効果を裏付ける実験のデータの
一例を示す。これは、従来のタツプと本考案のタ
ツプとの比較例であつて、従来のタツプは試料
1、試料2および試料3であり、また、本考案に
従うタツプは試料4である。 試料1:ねじ二番取りのないタツプ(第12図参
照) 試料2:ねじ山の両フランク面に、刃先から15分
の角度で等量に正の二番取りを施したタツ
プ。 試料3:タツプの進み側ねじフランク面には二番
取りはなく、追い側ねじフランク面に15分
の角度で刃先から正の二番取りを施したタ
ツプ。 試料4:第2図に示すタツプであつて、進み側ね
じフランク面26に刃先から15分の角度で
負の二番取りを施したタツプ。 ねじの種類:メートル並目ねじ 呼び径M10 タツプの材種:SKH58 その他の細目: 食付き部の勾配角 12゜ 食付き刃の逃げ角 4゜ ねじ部の等級 JISB4430表4,2級 ねじ部のバツクテーパ 20〜40μm/2 5mm すくい角 4゜ みぞの数 3 みぞのねじれ角 右ねじれ35゜ 被削物: 材質 JISG3101SS41 雌ねじの長さ 15mm ねじ下穴径 8.5mm ねじ立て条件: 使用機械 横形マシニングセンタ タツプホルダ軸方向フロート機構つき 回転数 280rpm. 切削油 硫化塩化系不水溶性切削油 雌ねじの確認方法: JISB0251付属書表10の検査用止りねじプ
ラグゲージ(IP)を用い、同付属書の第7
項「ゲージによる合否の判定」方法に基づ
いて、止りねじプラグゲージが雌ねじに入
る回転数を観測した。IPの等級は一般的に
常用されている2級である。 上記の条件に基づいて、雌ねじにIPが入る回転
数と、タツプ寿命との二つの試験を実施した。 〔試験,その1:雌ねじにIPが入る回転数〕 結果は第13図から明らかなように、本考案に
従うタツプ(試料4)は試料1〜3に比較して、
雌ねじの精度が極めて安定していることが明らか
となつた。なお、ねじ立穴数は各試料ともそれぞ
れ15穴である。 〔試験,その2:タツプ寿命までのねじ立て穴
数〕 結果は第1表の通りである。本考案に従う試料
4のタツプの寿命は、従来のタツプと比較して僅
かではあるが、寿命限度が長く、タツプとしての
性能を保持していることが証明された。なお、供
試タツプは、試料1と試料4である。
【表】
考案の効果
以上のような実施例および試験データに示すよ
うに、本考案に従うねじれみぞタツプによれば、
従来のねじれみぞタツプに比較して、雌ねじ精度
に問題を生じ易い被削材料(例えばSS41系統の
材料)についても、高い雌ねじ精度が繰り返し安
定して得られるのであり、このことはマシンタツ
プの送り込みが強制送り込み方式ではない手送り
方式であつても、正確に雌ねじの切削作業を行う
ことを可能とし、切削される雌ねじの精度点検の
間隔を拡げることによる機械停止時間と点検時間
の節約、および部品不良率を低減させることな
ど、品質面やコスト面で大きな利益をもたらす。 また、タツプねじ部の等級選択においても、従
来のねじれみぞタツプに比べて選択条件の許容範
囲が広くなり、そのため、ストツクされるタツプ
の汎用性を拡大することができるのである。 なお、上述したのはあくまでも本考案の一実施
例であり、本考案はその精神を逸脱しない範囲に
おいて種々変更が加えられ得るものである。
うに、本考案に従うねじれみぞタツプによれば、
従来のねじれみぞタツプに比較して、雌ねじ精度
に問題を生じ易い被削材料(例えばSS41系統の
材料)についても、高い雌ねじ精度が繰り返し安
定して得られるのであり、このことはマシンタツ
プの送り込みが強制送り込み方式ではない手送り
方式であつても、正確に雌ねじの切削作業を行う
ことを可能とし、切削される雌ねじの精度点検の
間隔を拡げることによる機械停止時間と点検時間
の節約、および部品不良率を低減させることな
ど、品質面やコスト面で大きな利益をもたらす。 また、タツプねじ部の等級選択においても、従
来のねじれみぞタツプに比べて選択条件の許容範
囲が広くなり、そのため、ストツクされるタツプ
の汎用性を拡大することができるのである。 なお、上述したのはあくまでも本考案の一実施
例であり、本考案はその精神を逸脱しない範囲に
おいて種々変更が加えられ得るものである。
第1図は、本考案の一実施例であるねじれみぞ
タツプの全体正面図であり、第2図は第1図のね
じ山の一部を拡大して示す要部斜視図である。第
3図は、第1図における食込み部のねじ山形状を
示す拡大図であり、第4図は、第1図に示すねじ
山の一周面断面図と正面図とを併せ示す図であ
る。第5図は、本考案の別の実施例であるねじれ
みぞタツプの要部を拡大して示す要部斜視図であ
り、第6図は、第5図におけるねじ山の第4図に
相当する図である。第7図は、従来のねじれみぞ
タツプを用いた場合に生じ易いねじ山のやせを説
明する図である。第8図,第9図および第11図
は、それぞれ一般に切削工具とワークとの間に生
ずる滑り摩擦を説明する概念断面図であり、第1
0図は、第1図に示すねじれみぞタツプの切削時
おける力の作用関係を概念的に示す平面拡大図で
あり、第12図は、従来例であるねじれみぞタツ
プの第4図に相当する図である。第13図は、第
2図に示すねじれみぞタツプの性能を従来のもの
と比較して示す図である。 14……ねじ部、16……切削溝、18……す
くい面(溝内壁面)、20……ねじ山、24,2
6……フランク面、36……負の二番取り部、3
8……面取り部。
タツプの全体正面図であり、第2図は第1図のね
じ山の一部を拡大して示す要部斜視図である。第
3図は、第1図における食込み部のねじ山形状を
示す拡大図であり、第4図は、第1図に示すねじ
山の一周面断面図と正面図とを併せ示す図であ
る。第5図は、本考案の別の実施例であるねじれ
みぞタツプの要部を拡大して示す要部斜視図であ
り、第6図は、第5図におけるねじ山の第4図に
相当する図である。第7図は、従来のねじれみぞ
タツプを用いた場合に生じ易いねじ山のやせを説
明する図である。第8図,第9図および第11図
は、それぞれ一般に切削工具とワークとの間に生
ずる滑り摩擦を説明する概念断面図であり、第1
0図は、第1図に示すねじれみぞタツプの切削時
おける力の作用関係を概念的に示す平面拡大図で
あり、第12図は、従来例であるねじれみぞタツ
プの第4図に相当する図である。第13図は、第
2図に示すねじれみぞタツプの性能を従来のもの
と比較して示す図である。 14……ねじ部、16……切削溝、18……す
くい面(溝内壁面)、20……ねじ山、24,2
6……フランク面、36……負の二番取り部、3
8……面取り部。
Claims (1)
- 【実用新案登録請求の範囲】 ねじ山が所定のリード角で周回させられたねじ
部と、該ねじ部において螺旋状に形成されて前記
ねじ山と交差する切削溝とを備え、該切削溝の内
壁面と前記ねじ山の両側のフランク面との間の交
線に沿つて山形の切刃が形成されたねじれみぞタ
ツプにおいて、 前記山形の切刃のうち片側であつて、前記タツ
プの回転軸心に平行な直線を基準とする横すくい
角が正である側の切刃に面取りを施し、あるいは
該切刃に続くフランク面に負の二番取りを施した
ことを特徴とするねじれみぞタツプ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8273884U JPS60194425U (ja) | 1984-06-04 | 1984-06-04 | ねじれみぞタツプ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8273884U JPS60194425U (ja) | 1984-06-04 | 1984-06-04 | ねじれみぞタツプ |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS60194425U JPS60194425U (ja) | 1985-12-25 |
| JPS6237615Y2 true JPS6237615Y2 (ja) | 1987-09-25 |
Family
ID=30630722
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8273884U Granted JPS60194425U (ja) | 1984-06-04 | 1984-06-04 | ねじれみぞタツプ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS60194425U (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7354244B2 (en) | 2004-09-01 | 2008-04-08 | Aos Holding Company | Blower and method of conveying fluids |
| JP6016704B2 (ja) * | 2013-04-16 | 2016-10-26 | オーエスジー株式会社 | 切削タップ |
-
1984
- 1984-06-04 JP JP8273884U patent/JPS60194425U/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS60194425U (ja) | 1985-12-25 |
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