JPS6244570B2 - - Google Patents
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- JPS6244570B2 JPS6244570B2 JP15798979A JP15798979A JPS6244570B2 JP S6244570 B2 JPS6244570 B2 JP S6244570B2 JP 15798979 A JP15798979 A JP 15798979A JP 15798979 A JP15798979 A JP 15798979A JP S6244570 B2 JPS6244570 B2 JP S6244570B2
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- Processes Of Treating Macromolecular Substances (AREA)
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
本発明は、酸型フツ素化重合体の非水系分散液
の製造方法に関し、更に詳しく言えば、水性媒体
中共重合により得られる水性分散液の分散状態を
破壊することなく、水性媒体を親水性有機溶剤に
置換することからなる高濃度非水系分散液を得る
ことが可能な新規製造方法に関する。 従来より、フツ素化重合体は一般的に有機溶剤
に対する耐性を有することから、かゝるフツ素化
重合体の有機溶剤溶液は殆んど知られていない。
特に、主鎖骨格炭素原子にフツ素原子が多数結合
したフツ素化重合体を良好に溶解し得る有機溶剤
は知られていない。 一方、前記の如きフツ素化重合体の溶液が得ら
れるならば、種々の商業的利用の道が拡大する。
例えば、四弗化エチレンの如きフツ素化オレフイ
ンとスルホン酸型側鎖を有するフツ素化モノマー
との共重合体は、耐酸化性、耐塩素性、耐アルカ
リ性、耐熱性の優れた陽イオン交換樹脂体とし
て、水酸化アルカリと塩素とを製造する際の電解
用隔膜、燃料電池用隔膜、一般透析用隔膜その他
の多くの用途に使用されることが、最近注目され
ている。そして、かゝる酸型フツ素化重合体の有
機溶剤溶液が得られるならば、フイルム化の手
段、操作が極めて容易になり、任意の複雑な形状
や極めて薄い隔膜も製造可能となると共に、含浸
による隔膜の製造も円滑となり、更に隔膜におけ
るピンホールの補修や適宜物体表面のフツ素化重
合体による被覆も可能になるなど、溶液化による
種々の利点がもたらされる。 而して、スルホン酸のような極性の高い強酸性
基を有するフツ素化重合体の場合には、特公昭48
−13333号公報に見られるように、スルホン酸基
が酸、スルホンアミド又はスルホネートの如き特
定の形態にあるときにのみ、例外的に高極性の有
機溶剤に溶解することが知られている。 本出願人は、カルボン酸型フツ素化重合体の有
機溶剤溶液について、先に2件の特許出願をし
た。即ち、特開昭54−107949号公報に記載され
た、カルボン酸側鎖を―COOQ(Qはアルカリ
金属など)として有するフツ素化重合体がアルコ
ール、グリコールの如き極性の大きな有機溶剤に
溶解された溶液、あるいは特願昭54−56912号明
細書に記載された、カルボン酸エステル基含有の
ペンダント側鎖を有するフツ素化重合体がトリク
ロロトリフルオロエタン、ベンゾトリフルオライ
ドの如き含フツ素有機溶剤に溶解された溶液であ
る。 本発明者の研究によれば、前記の如き有機溶剤
溶液は、フツ素化重合体の濃度を高くすることが
難しく、通常5重量%程度の濃度の溶液が得られ
る程度である。そして、かゝる溶液からの造膜を
考えると、フツ素化重合体の濃度は可及的高くす
るのが望ましいのは当然である。 本発明者は、高濃度溶液化を目的として種々の
検討を重ねた結果、次の如き極めて興味深い知見
を得るに至つた。即ち、スルホン酸基、ホスホン
酸基の如き酸型官能基を有する酸型フツ素化重合
体は、水性媒体中での乳化重合などにより高濃度
の水性分散液として製造され得るものであり、
かゝる水性分散液の水性媒体をアルコールの如き
親水性有機溶剤に置換することが可能である。そ
して、その理由は必ずしも明確でないが、親水性
有機溶剤にて置換しても、分散状態が破壊される
ことはなく、安定な分散状態を保持した非水系分
散液が得られる。更に、かくして得られる非水系
分散液は、有機溶剤溶液と同様にフイルム化など
に適用され得る。例えば、スルホン酸型フツ素化
重合体の水性ラテツクスは、適当な遠心分離操作
により水性媒体層とポリマー濃度の向上したラテ
ツクス層に分離可能であり、かゝる濃縮ラテツク
ス層に親水性有機溶剤を加え、遠心分離操作を繰
り返すと、濃縮ラテツクス層中の水性媒体含有量
が減少し、親水性有機溶剤による置換が達成され
る。スルホン酸型フツ素化重合体は水性ラテツク
スの分散状態を保持して親水性有機溶剤中に分散
している。そして、かゝる置換処理によつて、水
性ラテツクスにおけるポリマー濃度と同様のポリ
マー濃度を保持した非水系分散液が得られる。 かくして、本発明は、前記知見に基いて完成さ
れたものであり、弗素化したエチレン系不飽和単
量体と酸型官能基(但し、カルボン酸基もしくは
カルボン酸基に転換しうる官能基を除く)を有す
る重合能ある官能性単量体とを、重合開始源の作
用により水性媒体中で共重合せしめ、前記官能性
単量体含有量5〜40モル%の酸型フツ素化重合体
を分散状態で含む水性分散液を得、該水性分散液
の分散状態を破壊することなく、該水性分散液の
水性媒体を親水性有機溶剤に置換することを特徴
とする酸型フツ素化重合体の非水系分散液の製造
方法を新規に提供するものである。 本発明によれば、濃度50重量%程度の高濃度の
非水系分散液が広範な種類の親水性有機溶剤を使
用して容易に得られ、かつ分散液の機械的或は化
学的安定性は極めて良好である。分散液の粘度は
用いる溶剤の種類を選択することにより目的、用
途に応じて自在に調整可能である。而して、該非
水系分散液をキヤストすることによりピンホール
等の欠陥のない良好な共重合体のフイルムを得る
ことができる。 本発明においては、官能性単量体としてスルホ
ン酸基、ホスホン酸基もしくはこれらの基に転換
し得る酸型官能基を含有する重合能ある単量体を
使用することが重要である。かゝる酸型官能性単
量体()は、生成重合体の耐塩素性、耐酸化性
などを考慮して、通常はフルオロビニル化合物で
あることが望ましく、好適なものとしては、一般
式CF2=CX−(CFX′)p−(OCF2CFY)l−(O)n−
(CFY′)o−Aで表わされるフルオロビニル化合物
が例示される。こゝで、pは0〜1、lは0〜
3、mは0〜1、nは0〜12の整数であり、Xは
フツ素原子、塩素原子又は−CF3であり、X′はフ
ツ素原子又は−CF3であり、Yはフツ素原子又は
−CF3であり、Y′はフツ素原子又は炭素数1〜10
個のパーフルオロアルキル基である。また、Aは
−SO2F、−SO3M、−SO3H、
の製造方法に関し、更に詳しく言えば、水性媒体
中共重合により得られる水性分散液の分散状態を
破壊することなく、水性媒体を親水性有機溶剤に
置換することからなる高濃度非水系分散液を得る
ことが可能な新規製造方法に関する。 従来より、フツ素化重合体は一般的に有機溶剤
に対する耐性を有することから、かゝるフツ素化
重合体の有機溶剤溶液は殆んど知られていない。
特に、主鎖骨格炭素原子にフツ素原子が多数結合
したフツ素化重合体を良好に溶解し得る有機溶剤
は知られていない。 一方、前記の如きフツ素化重合体の溶液が得ら
れるならば、種々の商業的利用の道が拡大する。
例えば、四弗化エチレンの如きフツ素化オレフイ
ンとスルホン酸型側鎖を有するフツ素化モノマー
との共重合体は、耐酸化性、耐塩素性、耐アルカ
リ性、耐熱性の優れた陽イオン交換樹脂体とし
て、水酸化アルカリと塩素とを製造する際の電解
用隔膜、燃料電池用隔膜、一般透析用隔膜その他
の多くの用途に使用されることが、最近注目され
ている。そして、かゝる酸型フツ素化重合体の有
機溶剤溶液が得られるならば、フイルム化の手
段、操作が極めて容易になり、任意の複雑な形状
や極めて薄い隔膜も製造可能となると共に、含浸
による隔膜の製造も円滑となり、更に隔膜におけ
るピンホールの補修や適宜物体表面のフツ素化重
合体による被覆も可能になるなど、溶液化による
種々の利点がもたらされる。 而して、スルホン酸のような極性の高い強酸性
基を有するフツ素化重合体の場合には、特公昭48
−13333号公報に見られるように、スルホン酸基
が酸、スルホンアミド又はスルホネートの如き特
定の形態にあるときにのみ、例外的に高極性の有
機溶剤に溶解することが知られている。 本出願人は、カルボン酸型フツ素化重合体の有
機溶剤溶液について、先に2件の特許出願をし
た。即ち、特開昭54−107949号公報に記載され
た、カルボン酸側鎖を―COOQ(Qはアルカリ
金属など)として有するフツ素化重合体がアルコ
ール、グリコールの如き極性の大きな有機溶剤に
溶解された溶液、あるいは特願昭54−56912号明
細書に記載された、カルボン酸エステル基含有の
ペンダント側鎖を有するフツ素化重合体がトリク
ロロトリフルオロエタン、ベンゾトリフルオライ
ドの如き含フツ素有機溶剤に溶解された溶液であ
る。 本発明者の研究によれば、前記の如き有機溶剤
溶液は、フツ素化重合体の濃度を高くすることが
難しく、通常5重量%程度の濃度の溶液が得られ
る程度である。そして、かゝる溶液からの造膜を
考えると、フツ素化重合体の濃度は可及的高くす
るのが望ましいのは当然である。 本発明者は、高濃度溶液化を目的として種々の
検討を重ねた結果、次の如き極めて興味深い知見
を得るに至つた。即ち、スルホン酸基、ホスホン
酸基の如き酸型官能基を有する酸型フツ素化重合
体は、水性媒体中での乳化重合などにより高濃度
の水性分散液として製造され得るものであり、
かゝる水性分散液の水性媒体をアルコールの如き
親水性有機溶剤に置換することが可能である。そ
して、その理由は必ずしも明確でないが、親水性
有機溶剤にて置換しても、分散状態が破壊される
ことはなく、安定な分散状態を保持した非水系分
散液が得られる。更に、かくして得られる非水系
分散液は、有機溶剤溶液と同様にフイルム化など
に適用され得る。例えば、スルホン酸型フツ素化
重合体の水性ラテツクスは、適当な遠心分離操作
により水性媒体層とポリマー濃度の向上したラテ
ツクス層に分離可能であり、かゝる濃縮ラテツク
ス層に親水性有機溶剤を加え、遠心分離操作を繰
り返すと、濃縮ラテツクス層中の水性媒体含有量
が減少し、親水性有機溶剤による置換が達成され
る。スルホン酸型フツ素化重合体は水性ラテツク
スの分散状態を保持して親水性有機溶剤中に分散
している。そして、かゝる置換処理によつて、水
性ラテツクスにおけるポリマー濃度と同様のポリ
マー濃度を保持した非水系分散液が得られる。 かくして、本発明は、前記知見に基いて完成さ
れたものであり、弗素化したエチレン系不飽和単
量体と酸型官能基(但し、カルボン酸基もしくは
カルボン酸基に転換しうる官能基を除く)を有す
る重合能ある官能性単量体とを、重合開始源の作
用により水性媒体中で共重合せしめ、前記官能性
単量体含有量5〜40モル%の酸型フツ素化重合体
を分散状態で含む水性分散液を得、該水性分散液
の分散状態を破壊することなく、該水性分散液の
水性媒体を親水性有機溶剤に置換することを特徴
とする酸型フツ素化重合体の非水系分散液の製造
方法を新規に提供するものである。 本発明によれば、濃度50重量%程度の高濃度の
非水系分散液が広範な種類の親水性有機溶剤を使
用して容易に得られ、かつ分散液の機械的或は化
学的安定性は極めて良好である。分散液の粘度は
用いる溶剤の種類を選択することにより目的、用
途に応じて自在に調整可能である。而して、該非
水系分散液をキヤストすることによりピンホール
等の欠陥のない良好な共重合体のフイルムを得る
ことができる。 本発明においては、官能性単量体としてスルホ
ン酸基、ホスホン酸基もしくはこれらの基に転換
し得る酸型官能基を含有する重合能ある単量体を
使用することが重要である。かゝる酸型官能性単
量体()は、生成重合体の耐塩素性、耐酸化性
などを考慮して、通常はフルオロビニル化合物で
あることが望ましく、好適なものとしては、一般
式CF2=CX−(CFX′)p−(OCF2CFY)l−(O)n−
(CFY′)o−Aで表わされるフルオロビニル化合物
が例示される。こゝで、pは0〜1、lは0〜
3、mは0〜1、nは0〜12の整数であり、Xは
フツ素原子、塩素原子又は−CF3であり、X′はフ
ツ素原子又は−CF3であり、Yはフツ素原子又は
−CF3であり、Y′はフツ素原子又は炭素数1〜10
個のパーフルオロアルキル基である。また、Aは
−SO2F、−SO3M、−SO3H、
【式】
【式】などの酸型官能基
であり、R1は炭素数1〜10個のアルキル基であ
り、Mはアルカリ金属又は第四級アンモニウム基
である。性能上及び入手性の点から、Xはフツ素
原子、Yは−CF3、Y′はフツ素原子、pは0、l
は0〜1、mは0〜1、nは0〜8であり、また
Aは、共重合反応性などから−SO2F又は
り、Mはアルカリ金属又は第四級アンモニウム基
である。性能上及び入手性の点から、Xはフツ素
原子、Yは−CF3、Y′はフツ素原子、pは0、l
は0〜1、mは0〜1、nは0〜8であり、また
Aは、共重合反応性などから−SO2F又は
【式】であり、Rが低級アルキル基であ
るものが好ましい。かゝるフルオロビニル化合物
の好ましい代表例としては、 CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO2F,
CF2=CFSO2F,CF2=CFCF2OCF2CF2SO2F, などがあげられる。 次に、弗素化したエチレン系不飽和単量体
()としては、四弗化エチレン、三弗化塩化エ
チレン、六弗化プロピレン、三弗化エチレン、弗
化ビニリデン、弗化ビニルなどが例示され、好適
には一般式CF2=CZZ′(ここで、Z,Z′はフツ素
原子、塩素原子、水素原子、又は−CF3である)
で表わされるフツ素化オレフイン化合物である。
なかでもパーフルオロオレフイン化合物が好まし
く、特に四弗化エチレンが好適である。 本発明においては、前記官能性単量体()及
びエチレン系不飽和単量体()の各モノマー化
合物のそれぞれを二種以上で使用することもで
き、またこれらの化合物の他に、他の成分、例え
ば一般式CH2=CR4R5(こゝで、R4、R5は水素原
子、炭素数1〜8のアルキル基又は芳香核を示
す)で表わされるオレフイン化合物()、CF2
=CFORf(Rfは炭素数1〜10のパーフルオロア
ルキル基を示す)の如きフルオロビニルエーテ
ル、CF2=CF−CF=CF2,CF2=CFO
(CF2)1〜4OCF=CF2の如きジビニルモノマー、
更にはカルボン酸型官能基など他の官能性単量体
などの一種又は二種以上を併用することもでき
る。オレフイン化合物()の好ましい代表例と
してはエチレン、プロピレン、ブテン―1、イソ
ブチレン、スチレン、α―メチルスチレン、ペン
テン―1、ヘキセン―1、ヘプテン―1,3―メ
チル―ブテン―1,4―メチル―ペンテン―1な
どがあげられ、なかでも製造上及び生成共重合体
の性能上などから、エチレン、プロピレン、イソ
ブチレンなどの使用が特に好ましい。また、例え
ばジビニルモノマーの併用により、得られる共重
合体を架橋し、フイルム、膜など成形物にした場
合の機械的強度を改善せしめることが可能であ
る。 本発明の酸型フツ素化重合体において、前記の
官能性単量体()、フツ素化オレフイン化合物
()、更には前記オレフイン化合物()その他
の成分の組成割合は、第一にフツ素化重合体の性
能、例えば電解槽用イオン交換膜などとした場合
の性能に関係し、また水性分散液から非水系分散
液への親水性有機溶剤による置換処理時の分散状
態の安定性に関係するので重要である。まず、官
能性単量体()の存在量はイオン交換容量と直
接関係し、また分散状態の安定性にも関係する
が、共重合体中5〜40モル%、特に10〜30モル%
程度が好適である。該官能性単量体()の存在
量が大きすぎると、イオン交換膜とした場合など
の機械的強度を損ない、更には含水量の増大によ
るイオン交換性能の低下をきたし、また余りに少
ない存在量ではイオン交換機能を示さないなどの
他に、置換処理時での分散状態の保持安定性が損
なわれるので好ましくない。 本発明において、フツ素化重合体中の酸型側鎖
の存在が、分散状態の安定性に関係している理由
は必ずしも明確でない。しかし、水性分散液の遠
心分離処理などにおいて、濃縮ラテツクス層中で
スルホン酸基の如き酸型官能基を有する酸型フツ
素化重合体が安定な分散状態を保持するのに対し
て、スルホン酸基など官能基をもたないフツ素化
重合体は同程度の濃縮時にラテツクス破壊の生起
が観察されることから、酸型側鎖が分散状態の安
定性に何らかの寄与をしているものと考えられ
る。かゝる説明は、本発明の理解の助けとするた
めのもので、本発明を何ら限定するものでないこ
とは勿論である。 而して、本発明の共重合体中における前記
()の化合物の残りは、前記()と更には
()その他の化合物が占めることになるが、
()のオレフイン化合物の存在量は、イオン交
換膜などとした場合の電気的、機械的性質及び耐
塩素性などに大きく関係するので重要である。従
つて、オレフイン化合物()を併用する場合に
は、オレフイン化合物()/フツ素化オレフイ
ン化合物()のモル比が、好ましくは5/95〜
70/30、特には10/90〜60/40にするのが好適で
ある。また、フルオロビニルエーテルやジビニル
エーテルなどを併用する場合にも、共重合体中30
モル%以下、好ましくは2〜20モル%程度の使用
割合とするのが好適である。 本発明の好適な実施態様では、イオン交換容量
は、0.5〜2.2ミリ当量/グラム乾燥樹脂という広
い範囲から選択されるが、特徴的なことは、イオ
ン交換容量を大きくしても、生成共重合体の分子
量を高くでき、従つて共重合体の機械的性質や耐
久性は低下することがないのである。イオン交換
容量は、上記の範囲でも、共重合体の種類に応じ
て異なるが、好ましくは0.8ミリ当量/グラム乾
燥樹脂以上、特に1.0ミリ当量/グラム乾燥樹脂
以上の場合が、イオン交換膜としての機械的性質
及び電気化学的性能上好ましい。また、本発明に
おける酸型フツ素化重合体の分子量は、イオン交
換膜としての機械的性能及び成膜性と関係するの
で重要であり、TQの値で表示すると、150℃以
上、好ましくは170〜340℃、特に180〜300℃程度
とするのが好適である。 本明細書中において「TQ」なる言葉は、次の
ように定義されるものである。即ち、共重合体の
分子量に関係する容量流速100mm3/秒を示す温
度がTQと定義される。ここにおいて容量流速
は、共重合体を30Kg/cm2加圧下、一定温度の径1
mm、長さ2mmのオリフイスから熔融流出せしめ、
流出する共重合体量をmm3/秒の単位で示したも
のである。尚、「イオン交換容量」は、次のよう
にして求めた。即ち、H型の陽イオン交換樹脂膜
を、1NのHCl中で60℃、5時間放置し、完全にH
型に転換し、HClが残存しないように水で充分洗
浄した。その後、このH型の膜0.5gを、0.1Nの
NaOH25mlに水を25ml加えてなる溶液中に、室温
で2日間静置した。次いで膜をとり出して、溶液
中のNaOHの量を0.1NのHClで逆滴定することに
より求めるものである。 本発明においては、官能性単量体とフツ素化オ
レフイン化合物との共重合反応を、水性媒体の使
用量を水性媒体/官能性単量体の重量比で20/1
以下にし、好ましくは10/1以下に制御して実施
することが好適である。水性媒体の使用量が多す
ぎる場合には、共重合反応速度が著しく低下し、
高い共重合体収量を得るために長時間を要するこ
とになる。また、水性媒体が多すぎると高イオン
交換容量にした場合に高い分子量を達成するのが
難しくなる。更に水性媒体の多量使用には、次の
如き難点が認められる。例えば、反応装置の大型
化あるいは共重合体分離回収など作業操作面の不
利があげられる。 次に、本発明においては、7Kg/m2以上の共重
合反応圧力を採用することが好適である。共重合
反応圧力が低くすぎる場合には、共重合反応速度
を実用上満足し得る高さに維持することができ
ず、高分子量の共重合体の形成にも難点が認めら
れる。又、共重合反応圧力が低くすぎると、生成
共重合体のイオン交換容量が極端に高くなり、含
水量増大などによる機械的強度、イオン交換性能
の低下傾向が増大することになる。尚、共重合反
応圧力は、工業的実施における反応装置上又は作
業操作上などを考慮して、50Kg/cm2以下から選定
されるのが望ましい。かゝる範囲よりも高い共重
合反応圧力の採用は可能であるが、本発明の目的
を比例的に向上せしめ得るものではない。従つ
て、本発明においては、共重合反応圧力を7〜50
Kg/cm2、好ましくは9〜30Kg/cm2の範囲から選定
するのが最適である。 本発明の共重合反応に際しては、前記反応条件
の他の条件や操作は、特に限定されることなく広
い範囲にわたつて採用され得る。例えば、共重合
反応温度は、重合開始源の種類や反応モル比など
により最適値が選定され得るが、通常は余りに高
温度や低温度は工業的実施に対して不利となるの
で、20〜90℃、好ましくは30〜80℃程度から選定
される。 而して、本発明において重合開始源としては、
前記の好適な反応温度において高い活性を示すも
のを選定するのが望ましい。例えば、室温以下で
も高活性の電離性放射線を採用することもできる
が、通常はアゾ化合物やパーオキシ化合物を採用
する方が工業的実施に対して有利である。本発明
で好適に採用される重合開始源は、前記共重合反
応条件下に20〜90℃程度で高活性を示すジコハク
酸パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、
ラウロイルパーオキサイド、ジペンタフルオロプ
ロピオニルパーオキサイド等のジアシルパーオキ
サイド、2,2′―アゾビス(2―アミジノプロパ
ン)塩酸塩、4,4′―アゾビス(4―シアノワレ
リアン酸)、アゾビスイソブチロニトリル等のア
ゾ化合物、t―ブチルパーオキシイソブチレー
ト、t―ブチルパーオキシピバレート等のパーオ
キシエステル類、ジイソプロピルパーオキシジカ
ーボネート、ジ―2―エチルヘキシルパーオキシ
ジカーボネート等のパーオキシジカーボネート、
ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド
等のハイドロパーオキサイド類、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物及びそ
れらのレドツクス系等である。 本発明においては、重合開始剤濃度は、全単量
体に対して0.0001〜3重量%、好ましくは0.001
〜2重量%程度である。開始剤濃度を下げること
によつて、生成共重合体の分子量を高めることが
可能であり、高イオン交換容量を保持することが
可能である。開始剤濃度を余りに高くすると、分
子量の低下傾向が増し、高イオン交換容量で高分
子量の共重合体の生成に対して不利となる。 その他通常の水性媒体重合において用いられる
界面活性剤、分散剤、緩衝剤、PH調整剤等を添加
することもできる。又、フツ素化オレフイン化合
物と特定官能性単量体の共重合反応を阻害しない
もので、連鎖移動の少ないものであれば、例えば
フロン系溶媒として知られている弗素化系又は弗
素化塩素化系飽和炭化水素等の不活性機溶媒を添
加することもできる。 而して、本発明における水性媒体中共重合で
は、生成共重合体濃度を40重量%以下、好ましく
は30重量%以下に制御して実施するのが好適であ
る。余りに高濃度にすると、撹拌負荷の増大、除
熱困難、弗素化オレフインモノマーの拡散不充分
などの難点が認められる。 本発明においては、前記の如く得られた水性分
散液は、親水性有機溶剤による置換処理にかけら
れる。置換処理手段については、水性分散液の分
散状態を破壊することがない限り、種々の手段が
採用可能である。例えば、遠心分離法による水性
媒体層の分離と親水性有機溶剤添加の組合せ手
段、電気傾シヤ法或いは凍結法による水性媒体層
の分離と親水性有機溶剤添加の組み合せ手段、或
いは水より高沸点の親水性有機溶剤の添加後、水
を蒸発除去する方法などが例示され得る。通常
は、遠心分離法により水性媒体層を分離し、濃縮
層に親水性有機溶剤を添加しこれを遠心分離法に
かけるという繰り返し操作により、水性媒体層を
徐々に分離していくという手段が有効に採用され
得る。 本発明で置換処理に使用される親水性有機溶剤
としては、種々のものが例示され得る。通常は、
水性媒体を円滑有利に置換分離する目的から水溶
性有機溶剤を採用するのが望ましく、20℃におい
て水に0.5重量%以上溶解するものが好適であ
る。具体的には、アルコール類、ケトン類、有機
酸類、アルデヒド類、アミン類などが例示され
る。その他、水に対する溶解度が必ずしも高くな
くても、水になじみ易い親水性有機溶剤、例え
ば、ピロリドン類、エステル類、エーテル類など
も採用され得るものであり、混合溶剤系を採用し
ても良い。 濃縮層に親水性有機溶剤を添加して水性媒体層
を置換していく操作においては非水分散液に残存
する水の許容度に応じて繰り返し操作を、行なえ
ばよく、通常は数回で充分である。添加する有機
溶剤の使用量については特に限定はないが通常ポ
リマーの重量に対し0.5〜20重量部で行なわれ
る。 本発明によれば非水分散液の濃度は60重量%迄
の高濃度が可能であるが、通常5重量%から50重
量%、好ましくは10重量%から40重量%の濃度で
製造される。該非水分散液の粘度は、分散液の濃
度及び用いる親水性有機溶剤の種類により10セン
チポイズから100万センチポイズ迄変化しうる
が、キヤスト等により良好な共重合体のフイルム
を得る等の目的に対しては通常100センチポイズ
から1万ポイズの範囲で使用される。 本発明で得られる非水系分散液は、有機溶剤溶
液と同様の利用法が可能であり、種々の目的、用
途に使用できる。そして60重量%程度の高濃度も
可能なことから、かゝる用途範囲が拡大され、利
用効果も優れている。例えば、該非水系分散液を
注型するか、又はアスベストもしくはポリテトラ
フルオロエチレンなどの多孔質体に含浸させるか
して、親水性有機溶剤を乾燥除去することによ
り、電解用、透析用、燃料電池用など任意の形状
のフイルム、シート状物などをつくるのに好適で
あり、更にはこのようにしてつくつたフイルム又
は他の隔膜用フイルムなどにおけるピンホール、
裂け目などの損傷個所を修復するのに極めて有効
である。また、本発明の非水系分散液を使用する
ことにより、スペーサーネツト、電極などの物体
の表面被覆をするのにも極めて便利になる。 次に、本発明の実施例について更に具体的に説
明するが、かゝる説明によつて本発明が何ら限定
されるものでないことは勿論である。尚、実施例
中の部は、特に明示しない限り重量部である。 実施例 1 0.2のステンレス製耐圧反応容器にイオン交
換水100g、C8F17COONH4を0.2g、Na2HPO4・
12H2Oを0.5g、NaH2PO4・2H2Oを0.3g、
(NH4)2S2O8を0.026g仕込み、次いで20gのCF2=
CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO2Fを仕込ん
だ。液体窒素で充分に脱気を行なつた後、57℃に
昇温し四弗化エチレンを15.0Kg/cm2まで導入し反
応を行なわしめた。反応中に四弗化エチレンを連
続的に系内に導入し圧力を15.0Kg/cm2に保持し
た。3.5時間後に未反応四弗化エチレンをパージ
し反応を終了させた。更に未反応のCF2=
CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO2Fは、トリク
ロロトリフルオロエタンを添加し抽出分離して、
濃度19重量%の安定な水性分散液を得た。共重合
体中のCF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO2F
の組成は12.1モル%であつた。該水性分散液を遠
心分離機を用い、水性媒体とポリマー濃縮層に分
離した。水性媒体層を除去し新たに同量の水を添
加し再び遠心操作を繰り返した。3回操作を繰り
返し、重合に使用された電解質の除去を行なつ
た。次い濃縮層にN―メチルピロリドンとメタノ
ールの混合溶剤(N―メチルピロリドン/メタノ
ール=2.5/1重量比)を15gを加えて分散液とし
再び遠心操作を繰り返した。最後に濃縮層に上記
組成の有機溶剤を再び加えて共重合体濃度20重量
%の非水系分散液を製造した。分散液の粘度は
1200センチポイズであつた。 該分散液を充分に洗浄したガラス板上に流延
し、50℃において10時間次いで150℃において5
時間電気炉中に放置することにより厚さ300μの
共重合体の良好なフイルムを得た。該フイルムを
加水分解することによりイオン交換容量0.85ミリ
当量/g乾燥樹脂のイオン交換膜を得た。 実施例 2 実施例1において使用する有機溶剤を、N―メ
チルピロリドンとメタノールの混合溶剤からプロ
パノールに変更する以外は同様の操作を行ない、
共重合体濃度35重量%の非水分散液を製造した。
分散液の粘度は300センチポイズであり、ガラス
板上に50℃において20時間放置することにより良
好なフイルムを得た。 実施例 3 実施例1において CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO2Fのか
わりに
の好ましい代表例としては、 CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO2F,
CF2=CFSO2F,CF2=CFCF2OCF2CF2SO2F, などがあげられる。 次に、弗素化したエチレン系不飽和単量体
()としては、四弗化エチレン、三弗化塩化エ
チレン、六弗化プロピレン、三弗化エチレン、弗
化ビニリデン、弗化ビニルなどが例示され、好適
には一般式CF2=CZZ′(ここで、Z,Z′はフツ素
原子、塩素原子、水素原子、又は−CF3である)
で表わされるフツ素化オレフイン化合物である。
なかでもパーフルオロオレフイン化合物が好まし
く、特に四弗化エチレンが好適である。 本発明においては、前記官能性単量体()及
びエチレン系不飽和単量体()の各モノマー化
合物のそれぞれを二種以上で使用することもで
き、またこれらの化合物の他に、他の成分、例え
ば一般式CH2=CR4R5(こゝで、R4、R5は水素原
子、炭素数1〜8のアルキル基又は芳香核を示
す)で表わされるオレフイン化合物()、CF2
=CFORf(Rfは炭素数1〜10のパーフルオロア
ルキル基を示す)の如きフルオロビニルエーテ
ル、CF2=CF−CF=CF2,CF2=CFO
(CF2)1〜4OCF=CF2の如きジビニルモノマー、
更にはカルボン酸型官能基など他の官能性単量体
などの一種又は二種以上を併用することもでき
る。オレフイン化合物()の好ましい代表例と
してはエチレン、プロピレン、ブテン―1、イソ
ブチレン、スチレン、α―メチルスチレン、ペン
テン―1、ヘキセン―1、ヘプテン―1,3―メ
チル―ブテン―1,4―メチル―ペンテン―1な
どがあげられ、なかでも製造上及び生成共重合体
の性能上などから、エチレン、プロピレン、イソ
ブチレンなどの使用が特に好ましい。また、例え
ばジビニルモノマーの併用により、得られる共重
合体を架橋し、フイルム、膜など成形物にした場
合の機械的強度を改善せしめることが可能であ
る。 本発明の酸型フツ素化重合体において、前記の
官能性単量体()、フツ素化オレフイン化合物
()、更には前記オレフイン化合物()その他
の成分の組成割合は、第一にフツ素化重合体の性
能、例えば電解槽用イオン交換膜などとした場合
の性能に関係し、また水性分散液から非水系分散
液への親水性有機溶剤による置換処理時の分散状
態の安定性に関係するので重要である。まず、官
能性単量体()の存在量はイオン交換容量と直
接関係し、また分散状態の安定性にも関係する
が、共重合体中5〜40モル%、特に10〜30モル%
程度が好適である。該官能性単量体()の存在
量が大きすぎると、イオン交換膜とした場合など
の機械的強度を損ない、更には含水量の増大によ
るイオン交換性能の低下をきたし、また余りに少
ない存在量ではイオン交換機能を示さないなどの
他に、置換処理時での分散状態の保持安定性が損
なわれるので好ましくない。 本発明において、フツ素化重合体中の酸型側鎖
の存在が、分散状態の安定性に関係している理由
は必ずしも明確でない。しかし、水性分散液の遠
心分離処理などにおいて、濃縮ラテツクス層中で
スルホン酸基の如き酸型官能基を有する酸型フツ
素化重合体が安定な分散状態を保持するのに対し
て、スルホン酸基など官能基をもたないフツ素化
重合体は同程度の濃縮時にラテツクス破壊の生起
が観察されることから、酸型側鎖が分散状態の安
定性に何らかの寄与をしているものと考えられ
る。かゝる説明は、本発明の理解の助けとするた
めのもので、本発明を何ら限定するものでないこ
とは勿論である。 而して、本発明の共重合体中における前記
()の化合物の残りは、前記()と更には
()その他の化合物が占めることになるが、
()のオレフイン化合物の存在量は、イオン交
換膜などとした場合の電気的、機械的性質及び耐
塩素性などに大きく関係するので重要である。従
つて、オレフイン化合物()を併用する場合に
は、オレフイン化合物()/フツ素化オレフイ
ン化合物()のモル比が、好ましくは5/95〜
70/30、特には10/90〜60/40にするのが好適で
ある。また、フルオロビニルエーテルやジビニル
エーテルなどを併用する場合にも、共重合体中30
モル%以下、好ましくは2〜20モル%程度の使用
割合とするのが好適である。 本発明の好適な実施態様では、イオン交換容量
は、0.5〜2.2ミリ当量/グラム乾燥樹脂という広
い範囲から選択されるが、特徴的なことは、イオ
ン交換容量を大きくしても、生成共重合体の分子
量を高くでき、従つて共重合体の機械的性質や耐
久性は低下することがないのである。イオン交換
容量は、上記の範囲でも、共重合体の種類に応じ
て異なるが、好ましくは0.8ミリ当量/グラム乾
燥樹脂以上、特に1.0ミリ当量/グラム乾燥樹脂
以上の場合が、イオン交換膜としての機械的性質
及び電気化学的性能上好ましい。また、本発明に
おける酸型フツ素化重合体の分子量は、イオン交
換膜としての機械的性能及び成膜性と関係するの
で重要であり、TQの値で表示すると、150℃以
上、好ましくは170〜340℃、特に180〜300℃程度
とするのが好適である。 本明細書中において「TQ」なる言葉は、次の
ように定義されるものである。即ち、共重合体の
分子量に関係する容量流速100mm3/秒を示す温
度がTQと定義される。ここにおいて容量流速
は、共重合体を30Kg/cm2加圧下、一定温度の径1
mm、長さ2mmのオリフイスから熔融流出せしめ、
流出する共重合体量をmm3/秒の単位で示したも
のである。尚、「イオン交換容量」は、次のよう
にして求めた。即ち、H型の陽イオン交換樹脂膜
を、1NのHCl中で60℃、5時間放置し、完全にH
型に転換し、HClが残存しないように水で充分洗
浄した。その後、このH型の膜0.5gを、0.1Nの
NaOH25mlに水を25ml加えてなる溶液中に、室温
で2日間静置した。次いで膜をとり出して、溶液
中のNaOHの量を0.1NのHClで逆滴定することに
より求めるものである。 本発明においては、官能性単量体とフツ素化オ
レフイン化合物との共重合反応を、水性媒体の使
用量を水性媒体/官能性単量体の重量比で20/1
以下にし、好ましくは10/1以下に制御して実施
することが好適である。水性媒体の使用量が多す
ぎる場合には、共重合反応速度が著しく低下し、
高い共重合体収量を得るために長時間を要するこ
とになる。また、水性媒体が多すぎると高イオン
交換容量にした場合に高い分子量を達成するのが
難しくなる。更に水性媒体の多量使用には、次の
如き難点が認められる。例えば、反応装置の大型
化あるいは共重合体分離回収など作業操作面の不
利があげられる。 次に、本発明においては、7Kg/m2以上の共重
合反応圧力を採用することが好適である。共重合
反応圧力が低くすぎる場合には、共重合反応速度
を実用上満足し得る高さに維持することができ
ず、高分子量の共重合体の形成にも難点が認めら
れる。又、共重合反応圧力が低くすぎると、生成
共重合体のイオン交換容量が極端に高くなり、含
水量増大などによる機械的強度、イオン交換性能
の低下傾向が増大することになる。尚、共重合反
応圧力は、工業的実施における反応装置上又は作
業操作上などを考慮して、50Kg/cm2以下から選定
されるのが望ましい。かゝる範囲よりも高い共重
合反応圧力の採用は可能であるが、本発明の目的
を比例的に向上せしめ得るものではない。従つ
て、本発明においては、共重合反応圧力を7〜50
Kg/cm2、好ましくは9〜30Kg/cm2の範囲から選定
するのが最適である。 本発明の共重合反応に際しては、前記反応条件
の他の条件や操作は、特に限定されることなく広
い範囲にわたつて採用され得る。例えば、共重合
反応温度は、重合開始源の種類や反応モル比など
により最適値が選定され得るが、通常は余りに高
温度や低温度は工業的実施に対して不利となるの
で、20〜90℃、好ましくは30〜80℃程度から選定
される。 而して、本発明において重合開始源としては、
前記の好適な反応温度において高い活性を示すも
のを選定するのが望ましい。例えば、室温以下で
も高活性の電離性放射線を採用することもできる
が、通常はアゾ化合物やパーオキシ化合物を採用
する方が工業的実施に対して有利である。本発明
で好適に採用される重合開始源は、前記共重合反
応条件下に20〜90℃程度で高活性を示すジコハク
酸パーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、
ラウロイルパーオキサイド、ジペンタフルオロプ
ロピオニルパーオキサイド等のジアシルパーオキ
サイド、2,2′―アゾビス(2―アミジノプロパ
ン)塩酸塩、4,4′―アゾビス(4―シアノワレ
リアン酸)、アゾビスイソブチロニトリル等のア
ゾ化合物、t―ブチルパーオキシイソブチレー
ト、t―ブチルパーオキシピバレート等のパーオ
キシエステル類、ジイソプロピルパーオキシジカ
ーボネート、ジ―2―エチルヘキシルパーオキシ
ジカーボネート等のパーオキシジカーボネート、
ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド
等のハイドロパーオキサイド類、過硫酸カリウ
ム、過硫酸アンモニウム等の無機過酸化物及びそ
れらのレドツクス系等である。 本発明においては、重合開始剤濃度は、全単量
体に対して0.0001〜3重量%、好ましくは0.001
〜2重量%程度である。開始剤濃度を下げること
によつて、生成共重合体の分子量を高めることが
可能であり、高イオン交換容量を保持することが
可能である。開始剤濃度を余りに高くすると、分
子量の低下傾向が増し、高イオン交換容量で高分
子量の共重合体の生成に対して不利となる。 その他通常の水性媒体重合において用いられる
界面活性剤、分散剤、緩衝剤、PH調整剤等を添加
することもできる。又、フツ素化オレフイン化合
物と特定官能性単量体の共重合反応を阻害しない
もので、連鎖移動の少ないものであれば、例えば
フロン系溶媒として知られている弗素化系又は弗
素化塩素化系飽和炭化水素等の不活性機溶媒を添
加することもできる。 而して、本発明における水性媒体中共重合で
は、生成共重合体濃度を40重量%以下、好ましく
は30重量%以下に制御して実施するのが好適であ
る。余りに高濃度にすると、撹拌負荷の増大、除
熱困難、弗素化オレフインモノマーの拡散不充分
などの難点が認められる。 本発明においては、前記の如く得られた水性分
散液は、親水性有機溶剤による置換処理にかけら
れる。置換処理手段については、水性分散液の分
散状態を破壊することがない限り、種々の手段が
採用可能である。例えば、遠心分離法による水性
媒体層の分離と親水性有機溶剤添加の組合せ手
段、電気傾シヤ法或いは凍結法による水性媒体層
の分離と親水性有機溶剤添加の組み合せ手段、或
いは水より高沸点の親水性有機溶剤の添加後、水
を蒸発除去する方法などが例示され得る。通常
は、遠心分離法により水性媒体層を分離し、濃縮
層に親水性有機溶剤を添加しこれを遠心分離法に
かけるという繰り返し操作により、水性媒体層を
徐々に分離していくという手段が有効に採用され
得る。 本発明で置換処理に使用される親水性有機溶剤
としては、種々のものが例示され得る。通常は、
水性媒体を円滑有利に置換分離する目的から水溶
性有機溶剤を採用するのが望ましく、20℃におい
て水に0.5重量%以上溶解するものが好適であ
る。具体的には、アルコール類、ケトン類、有機
酸類、アルデヒド類、アミン類などが例示され
る。その他、水に対する溶解度が必ずしも高くな
くても、水になじみ易い親水性有機溶剤、例え
ば、ピロリドン類、エステル類、エーテル類など
も採用され得るものであり、混合溶剤系を採用し
ても良い。 濃縮層に親水性有機溶剤を添加して水性媒体層
を置換していく操作においては非水分散液に残存
する水の許容度に応じて繰り返し操作を、行なえ
ばよく、通常は数回で充分である。添加する有機
溶剤の使用量については特に限定はないが通常ポ
リマーの重量に対し0.5〜20重量部で行なわれ
る。 本発明によれば非水分散液の濃度は60重量%迄
の高濃度が可能であるが、通常5重量%から50重
量%、好ましくは10重量%から40重量%の濃度で
製造される。該非水分散液の粘度は、分散液の濃
度及び用いる親水性有機溶剤の種類により10セン
チポイズから100万センチポイズ迄変化しうる
が、キヤスト等により良好な共重合体のフイルム
を得る等の目的に対しては通常100センチポイズ
から1万ポイズの範囲で使用される。 本発明で得られる非水系分散液は、有機溶剤溶
液と同様の利用法が可能であり、種々の目的、用
途に使用できる。そして60重量%程度の高濃度も
可能なことから、かゝる用途範囲が拡大され、利
用効果も優れている。例えば、該非水系分散液を
注型するか、又はアスベストもしくはポリテトラ
フルオロエチレンなどの多孔質体に含浸させるか
して、親水性有機溶剤を乾燥除去することによ
り、電解用、透析用、燃料電池用など任意の形状
のフイルム、シート状物などをつくるのに好適で
あり、更にはこのようにしてつくつたフイルム又
は他の隔膜用フイルムなどにおけるピンホール、
裂け目などの損傷個所を修復するのに極めて有効
である。また、本発明の非水系分散液を使用する
ことにより、スペーサーネツト、電極などの物体
の表面被覆をするのにも極めて便利になる。 次に、本発明の実施例について更に具体的に説
明するが、かゝる説明によつて本発明が何ら限定
されるものでないことは勿論である。尚、実施例
中の部は、特に明示しない限り重量部である。 実施例 1 0.2のステンレス製耐圧反応容器にイオン交
換水100g、C8F17COONH4を0.2g、Na2HPO4・
12H2Oを0.5g、NaH2PO4・2H2Oを0.3g、
(NH4)2S2O8を0.026g仕込み、次いで20gのCF2=
CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO2Fを仕込ん
だ。液体窒素で充分に脱気を行なつた後、57℃に
昇温し四弗化エチレンを15.0Kg/cm2まで導入し反
応を行なわしめた。反応中に四弗化エチレンを連
続的に系内に導入し圧力を15.0Kg/cm2に保持し
た。3.5時間後に未反応四弗化エチレンをパージ
し反応を終了させた。更に未反応のCF2=
CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO2Fは、トリク
ロロトリフルオロエタンを添加し抽出分離して、
濃度19重量%の安定な水性分散液を得た。共重合
体中のCF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO2F
の組成は12.1モル%であつた。該水性分散液を遠
心分離機を用い、水性媒体とポリマー濃縮層に分
離した。水性媒体層を除去し新たに同量の水を添
加し再び遠心操作を繰り返した。3回操作を繰り
返し、重合に使用された電解質の除去を行なつ
た。次い濃縮層にN―メチルピロリドンとメタノ
ールの混合溶剤(N―メチルピロリドン/メタノ
ール=2.5/1重量比)を15gを加えて分散液とし
再び遠心操作を繰り返した。最後に濃縮層に上記
組成の有機溶剤を再び加えて共重合体濃度20重量
%の非水系分散液を製造した。分散液の粘度は
1200センチポイズであつた。 該分散液を充分に洗浄したガラス板上に流延
し、50℃において10時間次いで150℃において5
時間電気炉中に放置することにより厚さ300μの
共重合体の良好なフイルムを得た。該フイルムを
加水分解することによりイオン交換容量0.85ミリ
当量/g乾燥樹脂のイオン交換膜を得た。 実施例 2 実施例1において使用する有機溶剤を、N―メ
チルピロリドンとメタノールの混合溶剤からプロ
パノールに変更する以外は同様の操作を行ない、
共重合体濃度35重量%の非水分散液を製造した。
分散液の粘度は300センチポイズであり、ガラス
板上に50℃において20時間放置することにより良
好なフイルムを得た。 実施例 3 実施例1において CF2=CFOCF2CF(CF3)OCF2CF2SO2Fのか
わりに
【式】を仕込
み、重合圧力14Kg/cm2で反応させる以外は同様に
重合を行ない、
重合を行ない、
【式】
の組成14.3モル%の共重合体の19重量%水性分散
液を得た。該水性分散液をイオン交換樹脂を用い
て電解質を脱塩し、該水性分散液に100gのジエ
チレングリコールモノメチルエステルを添加し、
ロータリーエバポレータを用い水を蒸散させた。
ジエチレングリコールモノメチルエステルを添加
しつつこの操作を3回繰り返し、最後にジエチレ
ングリコールモノメチルエステルを濃縮し、共重
合体濃度30重量%で粘度420センチポイズの安定
な非水分散液を得た。
液を得た。該水性分散液をイオン交換樹脂を用い
て電解質を脱塩し、該水性分散液に100gのジエ
チレングリコールモノメチルエステルを添加し、
ロータリーエバポレータを用い水を蒸散させた。
ジエチレングリコールモノメチルエステルを添加
しつつこの操作を3回繰り返し、最後にジエチレ
ングリコールモノメチルエステルを濃縮し、共重
合体濃度30重量%で粘度420センチポイズの安定
な非水分散液を得た。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 弗素化したエチレン系不飽和単量体と酸型官
能基(但し、カルボン酸基もしくはカルボン酸基
に転換しうる官能基を除く)を有する重合能ある
官能性単量体とを、重合開始源の作用により水性
媒体中で共重合せしめ、前記官能性単量体含有量
5〜40モル%の酸型フツ素化重合体を分散状態で
含む水性分散液を得、該水性分散液の分散状態を
破壊することなく、該水性分散液の水性媒体を親
水性有機溶剤に置換することを特徴とする酸型フ
ツ素化重合体の非水系分散液の製造方法。 2 官能性単量体が一般式CF2=CX−(CFX′)p
−(OCF2CFY)l−(O)n−(CFY′)o−A(但し、
式中のpは0〜1、lは0〜3、mは0〜1、n
は0〜12の整数であり、Xはフツ素原子、塩素原
子又は−CF3であり、X′はフツ素原子又は−CF3
であり、Yはフツ素原子又は−CF3であり、Y′は
フツ素原子又は炭素数1〜10個のパーフルオロア
ルキル基であり、Aは−SO2F,−SO3M,−
SO3H,【式】【式】 【式】などの酸型官能基であり、R1は 炭素数1〜10個のアルキル基であり、Mはアルカ
リ金属又は第四級アンモニウム基である)で表わ
されるフルオロビニル化合物である特許請求の範
囲第1項記載の製造方法。 3 弗素化したエチレン系不飽和単量体が一般式
CF2=CZZ′(但し、Z,Z′はフツ素原子、塩素原
子、水素原子、又は−CF3である)で表わされる
フツ素化オレフイン化合物である特許請求の範囲
第1項記載の製造方法。 4 官能性単量体が一般式 (但し、式中のqは0〜1、rは0〜1、sは0
〜8の整数であり、Bは−SO2F又は
【式】であり、Rは低級アルキル基であ る)で表わされるフルオロビニル化合物である特
許請求の範囲第2項記載の製造方法。 5 弗素化したエチレン系不飽和単量体として四
弗化エチレンを使用する特許請求の範囲第3項記
載の製造方法。 6 共重合反応温度20〜90℃で実施する特許請求
の範囲第1項記載の製造方法。 7 共重合反応圧力7Kg/cm2以上で実施する特許
請求の範囲第1項記載の製造方法。 8 生成水性分散液中の酸型フツ素化重合体濃度
を40重量%以下に制御して共重合反応を実施する
特許請求の範囲第1項記載の製造方法。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15798979A JPS5681342A (en) | 1979-12-07 | 1979-12-07 | Preparation of nonaqueous dispersion of acid-type fluorinated polymer |
| US06/203,391 US4341685A (en) | 1979-11-20 | 1980-11-03 | Process for preparing organic dispersion of acid type fluorinated polymer |
| CA000365023A CA1147488A (en) | 1979-11-20 | 1980-11-19 | Process for preparing organic dispersion of acid type fluorinated polymer |
| EP80304164A EP0030104B1 (en) | 1979-11-20 | 1980-11-20 | Process for preparing organic dispersion of acid-type fluorinated polymer |
| DE8080304164T DE3069037D1 (en) | 1979-11-20 | 1980-11-20 | Process for preparing organic dispersion of acid-type fluorinated polymer |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP15798979A JPS5681342A (en) | 1979-12-07 | 1979-12-07 | Preparation of nonaqueous dispersion of acid-type fluorinated polymer |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5681342A JPS5681342A (en) | 1981-07-03 |
| JPS6244570B2 true JPS6244570B2 (ja) | 1987-09-21 |
Family
ID=15661803
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP15798979A Granted JPS5681342A (en) | 1979-11-20 | 1979-12-07 | Preparation of nonaqueous dispersion of acid-type fluorinated polymer |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5681342A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP3920779B2 (ja) * | 2001-02-13 | 2007-05-30 | 旭化成ケミカルズ株式会社 | フッ素系イオン交換樹脂前駆体組成物とその製法 |
-
1979
- 1979-12-07 JP JP15798979A patent/JPS5681342A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5681342A (en) | 1981-07-03 |
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