JPS6253201B2 - - Google Patents
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- Publication number
- JPS6253201B2 JPS6253201B2 JP58010262A JP1026283A JPS6253201B2 JP S6253201 B2 JPS6253201 B2 JP S6253201B2 JP 58010262 A JP58010262 A JP 58010262A JP 1026283 A JP1026283 A JP 1026283A JP S6253201 B2 JPS6253201 B2 JP S6253201B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- membrane
- film
- performance
- membranes
- crosslinking
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
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Landscapes
- Separation Using Semi-Permeable Membranes (AREA)
- Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
Description
本発明は多孔質膜の製造方法に関するものであ
り、さらに詳しく言えば限外過膜や精密過
膜、さらには複合膜用の支持膜として用いられる
ような、孔径の違う各種の膜を含む多孔質膜の製
造方法、とりわけ逆浸透膜や溶液透過膜などの製
造に用いられる複合膜用支持膜の製造に好適な方
法に関する。 複合膜は、成膜性の小さい素材や、薄膜化によ
つて、機械的強度が低下し、膜としての取扱いが
困難な素材を実用的な膜とする場合に、適当な細
孔と強度をもつた膜(支持膜)上に、上記素材の
膜を形成、複合化させたもので、実用的にきわめ
て有用な機能をもつた膜を提供することができ
る。 したがつて、複合膜用の支持膜としては、複合
膜の製造のために行なう、支持膜共存下での化学
反応、溶剤処理、加熱などに充分耐える耐薬品
性、耐熱性、機械的強度が必要であるほか、支持
膜上に作られた膜を通過した物質を容易に通過さ
せ、しかも、複合膜形成用素材となる試薬、高分
子物質などを支持膜上にとどめる(通過させな
い)程度の適度な孔径をもつた細孔をもつことが
必要となる。 これまで複合膜用の支持膜としては、限外過
能をもつたポリスルホンやポリエーテルスルホン
膜、精密過能をもつたポリカーボネート、ポリ
エステル、ポリプロピレン膜などが用いられてき
たが、これらはいずれも線状構造をもつた樹脂を
素材とするため、耐薬品性、耐熱性が必ずしも充
分でなく、使用範囲、条件に大幅な制約を受けて
いた。たとえば、複合膜研究に汎用されるポリス
ルホン膜では、使用可能温度が150℃以下、安心
して使用できる溶剤は水かn−ヘキサンなどの炭
化水素類に限定されている。 そこで、これらの制限を受けない、膜を開発す
べく検討を進めたが、耐薬品性、耐溶剤性、耐熱
性、機械的強度などを考慮すると究極的には、こ
れまでの膜素材として用いられていた線状構造樹
脂に代えて、三次元構造樹脂を素材とすることが
もつとも理想的ではあるが、三次元構造樹脂は、
不溶、不融性であり、これまで公知の製膜方法で
複合膜用支持膜となるような適当な孔径をもつた
多孔質膜を製造することは不可能である。 本発明者らは、これらの諸問題を克服すべく鋭
意研究を重ねた結果、ポリケイ皮酸ビニルを用い
てまず、多孔質膜を作り、これに光照射して樹脂
分子を架橋化させて、三次元構造をもつた多孔質
膜を製造すれば、得られた多孔質膜に複合膜用支
持膜としてきわめて理想的な性能があることが判
つた。本発明は、この知見に基づいてなされるに
至つたものである。 すなわち、本発明は、ポリケイ皮酸ビニルを適
当な溶剤に溶解し、溶液としたのち製膜し、次い
でこれを光照射して架橋化させる三次元構造を有
する多孔質膜の製造方法を提供するものである。 これらのポリケイ皮酸ビニの溶剤として、ジメ
チルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、ジプ
ロピルホルムアミド、モノメチルアセタミドなど
の低級脂肪酸アルキルアミド類やジメチルスルホ
キシド、N−メチル−ピロリドン、ジエチルスル
ホキシド、ヘキサメチルフオスホアミド、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン、アセトン、モルホリ
ンなど水溶性の多くの溶剤類が使用でき、なかで
も低級脂肪酸のジアルキルアミド類、N−メチル
ピロリドン、ジメチルスルホオキシドなどが適し
ている。 製膜用溶液の濃度は、重合度、ケイ皮酸基の含
有量および溶剤の種類等によつて異なるが、一般
に5〜30重量%で、理想的には8〜20重量%の範
囲で使用される。 溶剤類は単独で使用することが一般的である
が、2〜3種類の混合品として使用することも可
能で、たとえば、ジメチルホルムアミドとテトラ
ヒドロフラン(容積比10:1)、ジメチルアセト
アミドとアセトン(容積比8:2)のようにして
使用する。この場合、はじめから溶剤を混合して
使用してもよいが、はじめに溶解度の大きい、た
とえばジメチルホルムアミドに溶解したのち、テ
トラヒドロフランやアセトンなどを加えてた方が
溶解時間も短かく、より実用的である。 これらポリケイ皮酸ビニルの製膜法は、常法に
従い、樹脂類の溶液を平面にした清浄なガラス板
上に5〜300μm、好ましくは50〜200μmの厚さ
に塗布し、一定時間、室温に放置後、凝固液に浸
漬し、製膜する。この場合凝固浴としては、水ま
たは適当な界面活性剤たとえば、ラウリル硫酸ナ
トリウムの0.1〜5重量%水溶液、さらに水また
は、界面活性剤水溶液の溶剤(樹脂溶液と同種
類)溶液が用いられ、溶剤の濃度は通常0.1〜20
重量%、好ましくは0.5〜10重量%の範囲とす
る。 一般的に膜の生成は凝固液に浸漬後数分間で完
了するが、充分な膜とするためさらに、凝固浴中
に2〜120分程度浸漬する。その後、膜は、イオ
ン交換水で数時間洗浄したのち、乾燥し、次の光
照射、架橋化反応を行なう。 通常光照射架橋反応では、反応をより効果的に
行なうために増感剤が使用されるが、本発明にお
いても増感剤の添加は有効である。添加量は樹脂
に対して通常1〜20重量%であり、実用的には5
〜15重量%添加し、光照射時間を短縮し、同時に
充分な架橋化度を得ることができる。 増感剤としては、市販品の多くの化合物が使用
できるが、なかでもミヒラーズケトン、2−ニト
ロフルオレン、1・2ベンヅアントラセン、1・
8フタロイルナフタレン、5−ニトロアセナフテ
ン、クロロ−1・2−ベンツアントラキノン、N
−アセチル−4−ニトロナフチルアミンなどは特
に有効である。この増感剤は、光架橋化反応のみ
でなく、膜機能にも影響し、たとえば、限外過
性能(透過流速、溶質排除率など)が、増感剤の
種類、添加量によつて変化し、膜の熱的性能も向
上する。また、添加剤としては増感剤の外に、一
般試薬、たとえばナフタレン、ジフエニルケト
ン、フエニルベンゾエートなどの有機物も膜機能
に影響し、限外過性能を変化させる。さらに添
加剤としては、無機塩類の添加も有効でアルカリ
金属、アルカリ土類金属、鉄、ニツケル、コバル
ト、銅などの塩化物、硝酸塩、硫酸塩、過塩素酸
塩、有機酸塩も限外過性能に変化をあたえる。 これらの添加剤は樹脂に対して通常1〜30重量
%、実用的には3〜15重量%の範囲で使用される
が、無機物は、そのまゝ、または水溶液として樹
脂溶液に加えてもよく、いづれの添加物も溶液に
完全に溶解して使用する。 得られた膜は、この段階ですでに充分な膜機能
性をもつているが、線状構造のため溶剤に可溶性
で加熱すると軟化し、膜性能が変化する。 次いで、このような方法で得られた多孔質膜の
光照射による架橋化反応を行なう。 照射光源としては、特に限定はなく一般の化学
反応に用いられるものをそのまま使用すれば目的
を達成することができるが、光源によつて強度が
異なるので、膜の架橋化度合は、照射膜がジメチ
ルホルムアミドに不溶化するまでを目安とする。
照射時間に比例して、はじめジメチルホルムアミ
ドに溶解した膜は難溶となり、ついに不溶とな
る。光感応基の含量によつて、不溶化はするもの
の大きく膨潤し、ゲル状を呈するものがある。し
かし、メタノールやアセトンなどの一般溶剤には
ほとんどの膜が十分に不溶化し、膨潤状態を示さ
なくなる。 膜は光照射架橋化によつて、わずかに収縮し、
限外過能などの膜性能は変化する(多くの場合
減少する)が、上記のメタノールやアセトンなど
に5〜120分間浸漬するだけで、膜性能は復元
し、照射前の性能を示すようになる。また、この
溶剤浸漬によつて、膜中に残存していた添加物、
たとえば、増感剤や有機物は効果的に除去され膜
性能を向上させることができる。このようにして
得られた光架橋化多孔質膜は、架橋化により、軟
化点が向上するばかりでなく、定性的ではあるが
機械的強度も向上し(限外過性能測定装置にセ
ツトする際にやぶれにくゝなる)さらにメタノー
ル、エタノール、アセトン、酢酸エチル、トルエ
ンなどの有機溶剤や希アルカリ水溶液、希酸水溶
液にもよく耐えるほか架橋化によつても、膜性能
はほとんど変化せず、充分な耐薬品性、耐熱性、
機械的強度をもつた多孔質膜を製造することが可
能である。 このように本発明方法は、耐熱、耐薬品性にす
ぐれ、かつ十分な機械的強度と膜性能(限外過
能など)をもつた多孔質膜を形成することができ
るという顕著な効果を奏する。 このような多孔質膜は、限外過膜のみでな
く、複合膜用支持膜としてもきわめて適してい
る。 次に本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説
明する。 実施例 1 (A) 製膜 ポリケイ皮酸ビニル(重合度1200、エステル
化度92.0wt%;以下PVCIと略記する)の15重
量%ジメチルホルムアミド溶液を、清浄で、水
平に保持されたガラス板上に約180μmの厚さ
に塗布後、このガラス板を直ちに、(0.5重量%
ラウリル酸ナトリウム水溶液と2重量%ジメチ
ルホルムアミド水溶液との混合液、25℃)中に
投入した。製膜液に5分間浸漬後、イオン交換
流水中でガラス板上の膜を60分間洗浄したのち
室温(25〜26℃)湿度60〜65%で乾燥して
PVCI膜を得た。 (B) PVCI膜の架橋化 光源として水銀ランプ〔東芝理化学用水銀ラ
ンプSHLS−1002A型(ランプSHL−1000A、
100V、50c/s、2A)〕を用い、照射距離15cm
の位置に上記(A)で得たPVCI膜を固定(膜の両
側を治具で軽く固定)し、膜の表、裏それぞれ
を20分間照射する。架橋化度は、膜がジメチル
ホルムアミドに不溶化する程度までとした。ま
た照射(架橋化)による膜の寸法変化を測定し
た。最後にこのようにして得た光照射膜を十分
量のエタノール中に30分間浸漬したのち、水で
十分洗浄してエタノールを水で置換して目的の
光架橋化PVCI(以下PVCILと略記する)膜を
得た。なお、この膜は乾燥せず、次の性能試験
に付した。 (C) PVCIL膜の性能試験及び結果 試験方法は次の通りである。 (1) 熱的性能 軟化温度及び転位点は島津熱分析装置
TMA−30によつて測定した。測定条件;加
重200g/cm2、昇温速度5℃/sec、感度10μ
m、窒素気流(30ml/min)中 (2) 膜性能試験 試験液として水及びポリエチレングリコー
ル(M.W.20000;以下PEGと略記する)水
溶液(濃度3000ppm)を用い、操作圧4又
は6Kg/cm2で試験した。PEGの分析は全有
機炭素分析計(Bekmann社製、Model 915
型)を用いた。測定結果から透過流速
(Flux)(m3/m2/day)及び溶質排除率
(Rej)(%)を算出した。 このようにして試験した結果を第1表及び
第2表に示す。第1表はPVCI膜の性能試験
の、第2表はPVCIL膜の性能試験の結果で
ある。
り、さらに詳しく言えば限外過膜や精密過
膜、さらには複合膜用の支持膜として用いられる
ような、孔径の違う各種の膜を含む多孔質膜の製
造方法、とりわけ逆浸透膜や溶液透過膜などの製
造に用いられる複合膜用支持膜の製造に好適な方
法に関する。 複合膜は、成膜性の小さい素材や、薄膜化によ
つて、機械的強度が低下し、膜としての取扱いが
困難な素材を実用的な膜とする場合に、適当な細
孔と強度をもつた膜(支持膜)上に、上記素材の
膜を形成、複合化させたもので、実用的にきわめ
て有用な機能をもつた膜を提供することができ
る。 したがつて、複合膜用の支持膜としては、複合
膜の製造のために行なう、支持膜共存下での化学
反応、溶剤処理、加熱などに充分耐える耐薬品
性、耐熱性、機械的強度が必要であるほか、支持
膜上に作られた膜を通過した物質を容易に通過さ
せ、しかも、複合膜形成用素材となる試薬、高分
子物質などを支持膜上にとどめる(通過させな
い)程度の適度な孔径をもつた細孔をもつことが
必要となる。 これまで複合膜用の支持膜としては、限外過
能をもつたポリスルホンやポリエーテルスルホン
膜、精密過能をもつたポリカーボネート、ポリ
エステル、ポリプロピレン膜などが用いられてき
たが、これらはいずれも線状構造をもつた樹脂を
素材とするため、耐薬品性、耐熱性が必ずしも充
分でなく、使用範囲、条件に大幅な制約を受けて
いた。たとえば、複合膜研究に汎用されるポリス
ルホン膜では、使用可能温度が150℃以下、安心
して使用できる溶剤は水かn−ヘキサンなどの炭
化水素類に限定されている。 そこで、これらの制限を受けない、膜を開発す
べく検討を進めたが、耐薬品性、耐溶剤性、耐熱
性、機械的強度などを考慮すると究極的には、こ
れまでの膜素材として用いられていた線状構造樹
脂に代えて、三次元構造樹脂を素材とすることが
もつとも理想的ではあるが、三次元構造樹脂は、
不溶、不融性であり、これまで公知の製膜方法で
複合膜用支持膜となるような適当な孔径をもつた
多孔質膜を製造することは不可能である。 本発明者らは、これらの諸問題を克服すべく鋭
意研究を重ねた結果、ポリケイ皮酸ビニルを用い
てまず、多孔質膜を作り、これに光照射して樹脂
分子を架橋化させて、三次元構造をもつた多孔質
膜を製造すれば、得られた多孔質膜に複合膜用支
持膜としてきわめて理想的な性能があることが判
つた。本発明は、この知見に基づいてなされるに
至つたものである。 すなわち、本発明は、ポリケイ皮酸ビニルを適
当な溶剤に溶解し、溶液としたのち製膜し、次い
でこれを光照射して架橋化させる三次元構造を有
する多孔質膜の製造方法を提供するものである。 これらのポリケイ皮酸ビニの溶剤として、ジメ
チルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジメ
チルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、ジプ
ロピルホルムアミド、モノメチルアセタミドなど
の低級脂肪酸アルキルアミド類やジメチルスルホ
キシド、N−メチル−ピロリドン、ジエチルスル
ホキシド、ヘキサメチルフオスホアミド、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン、アセトン、モルホリ
ンなど水溶性の多くの溶剤類が使用でき、なかで
も低級脂肪酸のジアルキルアミド類、N−メチル
ピロリドン、ジメチルスルホオキシドなどが適し
ている。 製膜用溶液の濃度は、重合度、ケイ皮酸基の含
有量および溶剤の種類等によつて異なるが、一般
に5〜30重量%で、理想的には8〜20重量%の範
囲で使用される。 溶剤類は単独で使用することが一般的である
が、2〜3種類の混合品として使用することも可
能で、たとえば、ジメチルホルムアミドとテトラ
ヒドロフラン(容積比10:1)、ジメチルアセト
アミドとアセトン(容積比8:2)のようにして
使用する。この場合、はじめから溶剤を混合して
使用してもよいが、はじめに溶解度の大きい、た
とえばジメチルホルムアミドに溶解したのち、テ
トラヒドロフランやアセトンなどを加えてた方が
溶解時間も短かく、より実用的である。 これらポリケイ皮酸ビニルの製膜法は、常法に
従い、樹脂類の溶液を平面にした清浄なガラス板
上に5〜300μm、好ましくは50〜200μmの厚さ
に塗布し、一定時間、室温に放置後、凝固液に浸
漬し、製膜する。この場合凝固浴としては、水ま
たは適当な界面活性剤たとえば、ラウリル硫酸ナ
トリウムの0.1〜5重量%水溶液、さらに水また
は、界面活性剤水溶液の溶剤(樹脂溶液と同種
類)溶液が用いられ、溶剤の濃度は通常0.1〜20
重量%、好ましくは0.5〜10重量%の範囲とす
る。 一般的に膜の生成は凝固液に浸漬後数分間で完
了するが、充分な膜とするためさらに、凝固浴中
に2〜120分程度浸漬する。その後、膜は、イオ
ン交換水で数時間洗浄したのち、乾燥し、次の光
照射、架橋化反応を行なう。 通常光照射架橋反応では、反応をより効果的に
行なうために増感剤が使用されるが、本発明にお
いても増感剤の添加は有効である。添加量は樹脂
に対して通常1〜20重量%であり、実用的には5
〜15重量%添加し、光照射時間を短縮し、同時に
充分な架橋化度を得ることができる。 増感剤としては、市販品の多くの化合物が使用
できるが、なかでもミヒラーズケトン、2−ニト
ロフルオレン、1・2ベンヅアントラセン、1・
8フタロイルナフタレン、5−ニトロアセナフテ
ン、クロロ−1・2−ベンツアントラキノン、N
−アセチル−4−ニトロナフチルアミンなどは特
に有効である。この増感剤は、光架橋化反応のみ
でなく、膜機能にも影響し、たとえば、限外過
性能(透過流速、溶質排除率など)が、増感剤の
種類、添加量によつて変化し、膜の熱的性能も向
上する。また、添加剤としては増感剤の外に、一
般試薬、たとえばナフタレン、ジフエニルケト
ン、フエニルベンゾエートなどの有機物も膜機能
に影響し、限外過性能を変化させる。さらに添
加剤としては、無機塩類の添加も有効でアルカリ
金属、アルカリ土類金属、鉄、ニツケル、コバル
ト、銅などの塩化物、硝酸塩、硫酸塩、過塩素酸
塩、有機酸塩も限外過性能に変化をあたえる。 これらの添加剤は樹脂に対して通常1〜30重量
%、実用的には3〜15重量%の範囲で使用される
が、無機物は、そのまゝ、または水溶液として樹
脂溶液に加えてもよく、いづれの添加物も溶液に
完全に溶解して使用する。 得られた膜は、この段階ですでに充分な膜機能
性をもつているが、線状構造のため溶剤に可溶性
で加熱すると軟化し、膜性能が変化する。 次いで、このような方法で得られた多孔質膜の
光照射による架橋化反応を行なう。 照射光源としては、特に限定はなく一般の化学
反応に用いられるものをそのまま使用すれば目的
を達成することができるが、光源によつて強度が
異なるので、膜の架橋化度合は、照射膜がジメチ
ルホルムアミドに不溶化するまでを目安とする。
照射時間に比例して、はじめジメチルホルムアミ
ドに溶解した膜は難溶となり、ついに不溶とな
る。光感応基の含量によつて、不溶化はするもの
の大きく膨潤し、ゲル状を呈するものがある。し
かし、メタノールやアセトンなどの一般溶剤には
ほとんどの膜が十分に不溶化し、膨潤状態を示さ
なくなる。 膜は光照射架橋化によつて、わずかに収縮し、
限外過能などの膜性能は変化する(多くの場合
減少する)が、上記のメタノールやアセトンなど
に5〜120分間浸漬するだけで、膜性能は復元
し、照射前の性能を示すようになる。また、この
溶剤浸漬によつて、膜中に残存していた添加物、
たとえば、増感剤や有機物は効果的に除去され膜
性能を向上させることができる。このようにして
得られた光架橋化多孔質膜は、架橋化により、軟
化点が向上するばかりでなく、定性的ではあるが
機械的強度も向上し(限外過性能測定装置にセ
ツトする際にやぶれにくゝなる)さらにメタノー
ル、エタノール、アセトン、酢酸エチル、トルエ
ンなどの有機溶剤や希アルカリ水溶液、希酸水溶
液にもよく耐えるほか架橋化によつても、膜性能
はほとんど変化せず、充分な耐薬品性、耐熱性、
機械的強度をもつた多孔質膜を製造することが可
能である。 このように本発明方法は、耐熱、耐薬品性にす
ぐれ、かつ十分な機械的強度と膜性能(限外過
能など)をもつた多孔質膜を形成することができ
るという顕著な効果を奏する。 このような多孔質膜は、限外過膜のみでな
く、複合膜用支持膜としてもきわめて適してい
る。 次に本発明を実施例に基づき、さらに詳細に説
明する。 実施例 1 (A) 製膜 ポリケイ皮酸ビニル(重合度1200、エステル
化度92.0wt%;以下PVCIと略記する)の15重
量%ジメチルホルムアミド溶液を、清浄で、水
平に保持されたガラス板上に約180μmの厚さ
に塗布後、このガラス板を直ちに、(0.5重量%
ラウリル酸ナトリウム水溶液と2重量%ジメチ
ルホルムアミド水溶液との混合液、25℃)中に
投入した。製膜液に5分間浸漬後、イオン交換
流水中でガラス板上の膜を60分間洗浄したのち
室温(25〜26℃)湿度60〜65%で乾燥して
PVCI膜を得た。 (B) PVCI膜の架橋化 光源として水銀ランプ〔東芝理化学用水銀ラ
ンプSHLS−1002A型(ランプSHL−1000A、
100V、50c/s、2A)〕を用い、照射距離15cm
の位置に上記(A)で得たPVCI膜を固定(膜の両
側を治具で軽く固定)し、膜の表、裏それぞれ
を20分間照射する。架橋化度は、膜がジメチル
ホルムアミドに不溶化する程度までとした。ま
た照射(架橋化)による膜の寸法変化を測定し
た。最後にこのようにして得た光照射膜を十分
量のエタノール中に30分間浸漬したのち、水で
十分洗浄してエタノールを水で置換して目的の
光架橋化PVCI(以下PVCILと略記する)膜を
得た。なお、この膜は乾燥せず、次の性能試験
に付した。 (C) PVCIL膜の性能試験及び結果 試験方法は次の通りである。 (1) 熱的性能 軟化温度及び転位点は島津熱分析装置
TMA−30によつて測定した。測定条件;加
重200g/cm2、昇温速度5℃/sec、感度10μ
m、窒素気流(30ml/min)中 (2) 膜性能試験 試験液として水及びポリエチレングリコー
ル(M.W.20000;以下PEGと略記する)水
溶液(濃度3000ppm)を用い、操作圧4又
は6Kg/cm2で試験した。PEGの分析は全有
機炭素分析計(Bekmann社製、Model 915
型)を用いた。測定結果から透過流速
(Flux)(m3/m2/day)及び溶質排除率
(Rej)(%)を算出した。 このようにして試験した結果を第1表及び
第2表に示す。第1表はPVCI膜の性能試験
の、第2表はPVCIL膜の性能試験の結果で
ある。
【表】
【表】
なお第2表のPVCIL膜の作製中、架橋化度合
をみるため、5分ごとに膜の一部を採取し、ジメ
チルホルムアミドに対する溶解度を肉眼観察した
が、はじめ室温のジメチルホルムアミドに易溶で
あつた膜は、照射時間と共に難溶となり、15分照
射後では、熱ジメチルホルムアミドにも不溶とな
つた。 第1表及び第2表の結果よりPVCIは光架橋化
によつて、水に対するFluxは低下したものの、
膜のエタノール浸漬によつて、再び、PVCIと同
程度の性能に復活することが判る。また熱的性質
も、架橋化によつて6.5℃上昇した。PVCIは94℃
付近で軟化(溶融)し、変化するのがPVCILで
は、95℃90分間加熱処理しても膜性能はほとんど
変化しないことが判る。なおPVCIL膜を130℃で
90分間加熱処理し、再びTMAを測定したが、熱
処理物の膜性能は、未処理のものとほとんど変化
がみられなかつた(第4表参照)。 一方、PVCI膜は光架橋化によつて、0.4〜0.8
%収縮したが、この収縮は、エタノール浸漬によ
つて、復元し、むしろ0.8〜1.0%の寸法増加を示
した。 実施例 2 ポリケイ皮酸ビニルに増感剤として2−ニトロ
フルオレン(以下Fと略記する)を5重量%添加
した以外は実施例1と同様にしてPVCI膜を形成
し、次いで実施例1と同様にしてこれを架橋化し
てPVCIL膜を形成した。この膜の性能試験の結
果を第3表に示した。
をみるため、5分ごとに膜の一部を採取し、ジメ
チルホルムアミドに対する溶解度を肉眼観察した
が、はじめ室温のジメチルホルムアミドに易溶で
あつた膜は、照射時間と共に難溶となり、15分照
射後では、熱ジメチルホルムアミドにも不溶とな
つた。 第1表及び第2表の結果よりPVCIは光架橋化
によつて、水に対するFluxは低下したものの、
膜のエタノール浸漬によつて、再び、PVCIと同
程度の性能に復活することが判る。また熱的性質
も、架橋化によつて6.5℃上昇した。PVCIは94℃
付近で軟化(溶融)し、変化するのがPVCILで
は、95℃90分間加熱処理しても膜性能はほとんど
変化しないことが判る。なおPVCIL膜を130℃で
90分間加熱処理し、再びTMAを測定したが、熱
処理物の膜性能は、未処理のものとほとんど変化
がみられなかつた(第4表参照)。 一方、PVCI膜は光架橋化によつて、0.4〜0.8
%収縮したが、この収縮は、エタノール浸漬によ
つて、復元し、むしろ0.8〜1.0%の寸法増加を示
した。 実施例 2 ポリケイ皮酸ビニルに増感剤として2−ニトロ
フルオレン(以下Fと略記する)を5重量%添加
した以外は実施例1と同様にしてPVCI膜を形成
し、次いで実施例1と同様にしてこれを架橋化し
てPVCIL膜を形成した。この膜の性能試験の結
果を第3表に示した。
【表】
上記第3表の結果より、増感剤の添加により、
PVCIL膜の転位温度が著しく向上することが判
る。また、増感剤はエタノール浸漬工程で除去さ
れるが、この工程は未添加物の場合より一層効果
的で、水に対するFluxは、約7倍向上し、未添
加の約2倍と大きな差がみられる。 実施例 3 光照射膜の浸漬液としてエタノールの代りにア
セトンを用いた以外は実施例1と同様にして
PVCIL膜を得た。この膜の性能試験を実施例1
と同様にして行つた結果を次表に示した。
PVCIL膜の転位温度が著しく向上することが判
る。また、増感剤はエタノール浸漬工程で除去さ
れるが、この工程は未添加物の場合より一層効果
的で、水に対するFluxは、約7倍向上し、未添
加の約2倍と大きな差がみられる。 実施例 3 光照射膜の浸漬液としてエタノールの代りにア
セトンを用いた以外は実施例1と同様にして
PVCIL膜を得た。この膜の性能試験を実施例1
と同様にして行つた結果を次表に示した。
【表】
上記表の結果より、PVCIL膜は架橋化によつ
てエタノール以外の溶剤を浸漬用とすることもで
きることが判る。 実施例 4 ポリケイ皮酸ビニルの溶剤として、シメチルホ
ルムアミド(DMF)の代りにジエチルホルムア
ミド(DEFA)、N−メチルピロリドン
(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)を用いた
以外は実施例1と同様にしてPVCI膜を形成し、
次いでPVCIL膜を得た。このものの性能を実施
例1と同様にして測定した結果を次表に示した。
てエタノール以外の溶剤を浸漬用とすることもで
きることが判る。 実施例 4 ポリケイ皮酸ビニルの溶剤として、シメチルホ
ルムアミド(DMF)の代りにジエチルホルムア
ミド(DEFA)、N−メチルピロリドン
(NMP)、テトラヒドロフラン(THF)を用いた
以外は実施例1と同様にしてPVCI膜を形成し、
次いでPVCIL膜を得た。このものの性能を実施
例1と同様にして測定した結果を次表に示した。
Claims (1)
- 1 ポリケイ皮酸ビニルを製膜して多孔質膜とし
たのち、これを光照射して架橋化させることを特
徴とする三次元構造を有する多孔質膜の製造方
法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1026283A JPS59136107A (ja) | 1983-01-24 | 1983-01-24 | 多孔質膜の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP1026283A JPS59136107A (ja) | 1983-01-24 | 1983-01-24 | 多孔質膜の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS59136107A JPS59136107A (ja) | 1984-08-04 |
| JPS6253201B2 true JPS6253201B2 (ja) | 1987-11-09 |
Family
ID=11745394
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP1026283A Granted JPS59136107A (ja) | 1983-01-24 | 1983-01-24 | 多孔質膜の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS59136107A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| GB8620484D0 (en) * | 1986-08-22 | 1986-10-01 | Raychem Ltd | Plugged microporous film |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5527084A (en) * | 1978-08-17 | 1980-02-26 | Agency Of Ind Science & Technol | Manufacture of reverse osmosis membrane using photosensitive polymer |
-
1983
- 1983-01-24 JP JP1026283A patent/JPS59136107A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS59136107A (ja) | 1984-08-04 |
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