JPS625989B2 - - Google Patents
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- JPS625989B2 JPS625989B2 JP54080377A JP8037779A JPS625989B2 JP S625989 B2 JPS625989 B2 JP S625989B2 JP 54080377 A JP54080377 A JP 54080377A JP 8037779 A JP8037779 A JP 8037779A JP S625989 B2 JPS625989 B2 JP S625989B2
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Description
本発明は非晶質磁性合金材料の熱処理方法に関
する。更に詳しくは、非晶質磁性合金材料、特に
その薄板の透磁率を高め、又磁気損失を減少させ
ることのできる熱処理方法であつて、そのように
磁気特性の良好な材料を、一挙に大量に得ること
のできる方法に関する。 従来、結晶構造を有する高透磁率磁性合金材料
として、Fe―Si合金、Fe―Ni合金、Fe―Al合
金、Fe―Si―Al合金等が知られており、それぞ
れの特性に応じて多くの分野で使用されている。
しかし、これら結晶質磁性合金もなお特性上のそ
して使用上の欠点を持つている。 このうち、Fe―Si―Al系合金であるセンダス
トは、Si約10%を含有する透磁率の大きい合金で
あるが、塑性加工ができないという欠点を持つて
いる。そこで、その用途は、高い硬度が活かされ
る特殊な用途、例えばVTR用磁気ヘツド素子等
に限つて、特殊の加工を施した上で使用されてい
るにすぎない。又、透磁率の周波数特性も満足で
きるものではない。 又、パーマロイ系の合金は、種々の弱電関係の
鉄心として使用されているが、その製造方法が、
非常に多数の工程を経なければならず、高価であ
るという欠点を持つている。又その飽和磁束密度
も小さく、その用途を限られたものとしている。 このような実情から、すぐれた特性を有ししか
も使用上の欠点のない磁性合金材料の開発が望ま
れている。その中で、非晶質磁性合金が最近大き
な注目を集め、活発な研究が行われてきている。 金属は、通常、固体状態においては原子が規則
配列状態をとる結晶として存在しているものであ
るが、ある種の合金融液を、例えば104〜106℃/
secという大きい速度で冷却凝固させた場合、固
体状態でも溶融状態に類似した原子配列をもつ非
晶質の合金が得られる。この非晶質合金は、X線
回折や電子線回折によつても、結晶構造を示すよ
うな回折像は得られず、結晶質とは構造的に異な
る長範囲規則性を持たない原子配列を有するもの
である。このような非晶質合金からなる磁性材料
は、通常の結晶質とは異なり結晶磁気異方性を有
さず、特に遷移金属―半金属非晶質合金において
は、保磁力(Hc)が小さく、すぐれた軟磁性が
期待され、しかも電気抵抗が大きく、硬度が高
く、薄板加工等の加工性が良好で、製造方法も容
易かつ安価である等の種々の軟磁性材料としての
すぐれた特性と使用上の有利さをあわせもつもの
である。 従来、このような非晶質磁性合金としては遷移
金属成分としてFe、Co、Niを含み、これにSi、
B、C、P等の半金属成分を含むものが知られて
いる。これらはその組成に応じた特性を有し、そ
の特性に応じた用途が考えられ、一部実用化され
ている。この内、遷移金属としてFeを主成分と
するFe系は、磁歪は大きいが、飽和磁束密度
(Bs)が大きく又コストが安いという点から、ト
ランス材としての用途に適している。遷移金属と
してCoを主成分とするCo系は、Fe系よりもBsは
低く、コストが高いが、磁歪零の組成が得られる
ので、磁気ヘツド用材料に適している。Niをあ
る量以上含むNi系は、Fe、CoをNiがある程度置
換しているので、透磁率は前2者よりも大きい
が、Bsが前2者と比べて低く、実用用途はあま
り期待されていない。 このように、非晶質磁性合金としては、種々の
組成のものが知られているが、その透磁率と飽和
磁束密度との両者がともに結晶質磁性合金を大き
くは凌駕するものが出現していないのが実情であ
る。このため、これらの組成の磁性合金を非晶質
化した後、何らかの処理を施し、特にその透磁率
を高め、磁気損失を少なくすることができれば、
磁気ヘツド用材料、トランス材等としてより好ま
しいものとなりそのような技術の開発が期待され
ている。 従来行われてきたこのような技術の一つとして
は、熱処理を挙げることができる。この熱処理
は、液相からの超急冷により非晶質の薄板を得た
後、この薄板に施すものであり、熱処理として
は、無磁場中で、合金のキユリー点(Tc)以
上、結晶化温度(Tcry)以下の温度に加熱保持
した後冷却し、これにより、超急冷による薄板製
造の際の内部歪を除去するとともに、透磁率を高
めるものである。しかし、この熱処理は、Tc>
Tcryの合金に対しては施すことができないとい
う欠点がある。一般に、TcとBsは正の相関関係
にあり、特に、磁歪零のCo系合金では、1000Oe
程度以上の高保持力媒体への記録用磁気ヘツドと
して最低限必要とされる飽和磁束密度10kGでTc
がTcryとほぼ等しくなり、これ以上の飽和磁束
密度を有する合金の透磁率向上のための技術とな
り得ないという欠点がある。又、逆にTc<Tcry
の合金についても、Tcが大となると大きな透磁
率を得るためには、熱処理後急冷したり、複雑な
冷却温度コントロールを行つたりしなければなら
ない。このような熱処理によれば、Tc<Tcryの
合金では確かに透磁率は向上するものではある
が、冷却時に内部歪が生起し、このため特に初透
磁率は、従来の結晶質合金と比較して、格段すぐ
れた値が得られるわけではない。又、この内部歪
のため、透磁率の経時変化を生ずるという欠点が
あることも判明している。従つてこのような熱処
理技術は有効ではない。 これに対し、超急冷法によつて得られた薄板
を、磁場中で熱処理する技術が、特開昭51―
73923号公報、同52―114421号公報等に開示され
ており、この磁場中の熱処理により、最大透磁率
μmが格段と向上する旨が記載されている。この
場合、熱処理温度は結晶化温度以下であり、磁界
は静磁界として一定の磁界軸方向のみから印加さ
れている。このように、熱処理にあたり一定方向
から磁界を印加すれば、非晶質磁性合金薄板中に
は磁界印加方向を容易軸とする誘導磁気異方性が
生起する。このようなとき、誘起された磁化容易
軸に磁化は配向しやすく、このため残留磁束密度
(Br)は大きくなる。このとき逆方向に磁界を印
加すると、磁化と磁界のエネルギーを減少させる
ため、180゜磁壁の移動により、容易に磁化反転
がおこり、保磁力(Hc)は小さいものとなる。
従つて、前述のごとく残留磁束密度(Br)は大
きくなるので、静磁化特性としての最大透磁率μ
m〓Br/Hcが増大するのは当然のことである。
しかし、このような磁場中熱処理を施し、磁気特
性を測定したところ、交流下での透磁率は減少す
ることが確認された。すなわち、初透磁率が逆に
減少し、又10mOe程度の磁場下の透磁率(μ10)
も大きくは増大しないのである。 本発明者は、このような従来の磁場中熱処理に
よつて生起する不都合の原因を究明すべく種々の
検討を行つた。 その結果、以下のことが判明した。すなわち、
従来の磁場中熱処理では、一定方向から磁界を印
加するため、前述のように磁化容易軸が誘起す
る。この場合、準静的に磁界を変化させるときに
は、透磁率に磁壁の移動速度(V)の影響は現わ
れない。従つて高いμmが得られる。しかし、交
流磁界下での透磁率は、磁壁の移動速度に依存
し、しかもそれとほぼ比例する。又、この移動速
度を低下させる制動係数(β)は磁気異方性(K)の
平方根に比例する。このため、磁場中熱処理によ
り薄板に磁化容易軸を誘起し、異方性を生起せし
めると、磁壁移動速度は小さくなり、交流磁場下
での透磁率、すなわち透磁率の動特性値、特に初
透磁率が減少するのである。 そこで、本発明者はこのような知見に基づき、
従来の磁場中熱処理における不都合を解消するた
め、先に、非晶質磁性合金のキユリー点以下で、
しかも結晶化温度以下の温度に加熱保持した状態
で、磁界を回転させながら印加する熱処理方法を
提案している。この熱処理方法によれば、薄板中
に誘起される磁気異方性が等方的となるように、
印加磁界の薄板面方向成分の向きを一回転させる
ので、磁気異方性が局所的にも存在せず、それに
伴い、磁壁移動の制動係数が減少し、又局所的に
も異方性がなくなる結果、還流磁区構造をとりや
すくなり、透磁率の動的特性値、特に初透磁率の
減少が阻止されるのみならず、逆に格段と向上
し、又その静的特性値も格段と向上する。しか
も、磁気損失も格段と減少するものである。 本発明は、このような本発明者の先の提案の改
良に関するものであり、この先の提案における、
印加磁界によつて誘起される誘導磁気異方性が等
方的となるように、印加磁界を変化させ、これに
より透磁率の動的および静的特性値を向上させ、
また磁気損失を減少させるという原理を利用し
て、それによる効果を等しく実現するとともに、
その大量処理が可能な具体的方法を提供すること
を主たる目的とする。 本発明者は、このような目的につき種々検討を
行つた結果、本発明をなすに至つたものである。 すなわち、本発明は、非晶質磁性合金材料の熱
処理方法において、非晶質磁性合金のキユリー点
以下でしかもその結晶化温度以下の温度に加熱保
持した状態で、材料に少なくとも2つの外部磁界
を2方向以上からほぼ直線的に印加し、その際、
この複数の外部磁界の合成磁界の向きを、材料中
にこの合成磁界によつて誘起される磁気異方性が
等方的となるよう回転させ、しかる後冷却するこ
とにある。 本発明によれば、本発明者の先の提案と全く同
様に得られる非晶質合金材料の磁気特性はよりす
ぐれたものとなる。すなわち、上述の無磁場中で
の熱処理と比べ、透磁率の静的および動的特性値
は格段と向上する。しかも磁気損失も格段と減少
する。又、一定方向から磁界を印加する磁場中熱
処理のように透磁率の動的特性値、特に初透磁率
が減少してしまうということはなく、逆に動的特
性が格段と向上し、しかも磁気損失も減少する。
従つて、これまで用途に従い、限定されていた非
晶質合金の組成の制限が緩和され、その結果すぐ
れた特性を有する種々の用途に対する実用材料が
可能となる。加えて、材料製造時の内部歪も有効
に除去することができる。更にTc>Tcryの合金
についても本発明が適用でき、その結果高透磁
率、低磁気損失を得ることが可能となる。このた
め、特にCo系の磁歪の小さい非晶質合金材料に
ついて、センダスト合金以上の高飽和磁束密度で
高透磁率という実用上きわめてすぐれた特性を得
る。又Tc<Tcryの合金についても熱処理後徐冷
が可能となるので透磁率は格段と向上する。更に
は、Tcの高いものではぜい化や酸化が生起する
が、本発明ではTc以下の比較的低い温度で熱処
理を施せばよいので、ぜい化は生じず、又空気中
で実施しても酸化は生じない。 なお、このような透磁率および磁気損失が格段
と向上するという効果は、非晶質磁性合金特有の
効果であり、本発明を結晶質磁性合金に適用して
も、結晶質ではK1またはK2のどちらかが
102erg/cm2程度の結晶磁気異方性が存在し、その
値が小さい場合でも、結晶質構造に帰因するミク
ロな方向性は除去できずそのような効果は期待で
きない。 本発明においては、このように本発明者の先の
提案に基づく磁気特性の改良に関する効果がすべ
て実現する他、その処理を一挙に大量の材料に施
すことが可能である。すなわち非晶質磁性合金材
料、特に薄板を連続的に一定方向に移動させつ
つ、本発明の熱処理を施す構成が容易に採用でき
るからである。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明はおよそ全ての実質的に非晶質の磁性合
金材料に適用可能である。ただ、本発明を適用し
て、種々の実用材料として好ましい特性を得るた
めには下記式で示される組成を有するものであ
ることが好ましい。 式 MpTq ここに、MはFe、Co、Niのうち総計1モルの
1〜3種を表わし、TはSi、B、P、Cのうち総
計1モルの1〜4種を表わす。又、pとqの和は
100at%であり、qは10〜50at%である。 これらのうち、下記式で示される組成を有す
るものは特に好ましい。 式 (FeaCobNic)x(SieBf)f ここに、xおよびyは正の数、a、b、cおよ
びeは0または正の数、fは正の数でありa+b
+c=1、e+f=1、x+y=1000≦ax≦
85、0≦bx≦85、ax+bx≠00≦cx≦50、10≦y
≦50なる関係を有する。 この場合、上式で示される組成において、シリ
コンおよびボロンからなる半金属成分はそのシリ
コンおよびボロンの原子量比eおよびfを上記の
とおり維持したまま、その総量のうち50at%以下
をリンおよび/または炭素で置換したものであつ
てもよい。又、上式で示される組成を有する非晶
質磁性合金中には、5at%以下の範囲で、Ti、
Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Zr、Al、Ga、
In、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Bi、Gd等のうちの
1種または2種以上が含有されていてもよい。 このような上式で示される組成が特に好ましい
理由は以下のとおりである。 先ず、組成中FeとCoとは常温で強磁性を示す
ものであり、一方、非晶質化には半金属成分を必
要とするので、ax+bx≠0の条件の下で、それ
ぞれ0〜85at%とすることが好ましい。Feおよ
び/またはCoをNiで置換すると、その飽和磁束
密度とキユリー点が減少してくる。従つて、Ni
の添加量cxは0〜50at%とすることが好ましい。
SiおよびBの半金属成分は合金の非晶質化を助長
する元素であるが、半金属成分が10%、特に15at
%より少ない時、および50%、特に33%より多い
ときには逆に非晶質化を困難とさせるので、yは
10〜50at%、より好ましくは15〜33at%とするこ
とが好ましい。又、SiとBの比率については、Si
が70at%より大とすると非晶質化が困難となるの
で、eは0〜70at%の範囲となることが好まし
い。 このような組成を有する合金材料は液相から超
急冷することによつて得られる。 液相から超急冷して非晶質磁性合金材料を得る
には、対応する組成の合金を溶融して融液とな
し、この融液を溶融状態から概ね104℃/sec以
上、通常104〜106℃/secの冷却速度で超急冷
し、冷却凝固させることによればよい。溶融状態
の合金融液を超急冷するには、公知の双ロール
法、片ロール法、あるいはインサイドインジエク
シオン法等種々の方式に従えばよい。従つて、合
金の溶融条件、合金融液の噴出条件、噴出の際の
ノズルの形状、寸法等、双ロール等の冷却体の形
状、寸法、材質等は公知の超急冷法における条件
範囲の中から適宜決定すればよい。又、合金の溶
融に際しては、アルゴン等の不活性ガス中で行う
か、あるいは不活性ガスを流入させながら行うこ
とが好ましいが、この融液の噴出は、不活性ガス
あるいは空気のいずれの雰囲気に対して行つても
よい。 なお、このような非晶質磁性合金材料は、種々
の形状、例えば細線等であつてもよいが、一般に
は薄板を用いそれに適用するのが通常である。薄
板としては、5〜200μm、特に20〜60μm程度
の厚さのものが一般的であり、その際薄板の形状
はどのようなものであつてもよく、又その寸法
は、本発明においては、所定の形状になした薄板
にいわゆるバツチ処理を施すことも、長ものの連
続薄板を連続的に移動させつつ連続処理を施すこ
とも可能であることから、種々のものとすること
ができる。 本発明においては、このような非晶質磁性合金
材料に所定の処理を施す。この処理において、非
晶質磁性合金材料は、非晶質磁性合金の結晶化温
度以下に保持しなければならない。非晶質磁性合
金としての特性が失われてしまうためである。同
時に、その保持温度はキユリー点以下でなければ
ならない。キユリー点以上では自発磁化が発生せ
ず、誘導磁気異方性が発生しないからである。一
方、保持温度の下限としては、一般に100℃以
上、より好ましくは150℃以上とすることが好ま
しい。又、保持時間は、一般に500時間以内好ま
しくは1分〜500時間程度である。加熱方式とし
ては、抵抗型の電気炉中で行う他、高周波加熱や
赤外線加熱を施したり、その他種々の方式が可能
である。 なお、本発明においては、非晶質合金材料とし
てその連続薄板を用い、これを連続的に移動させ
つつ、連続処理を行うことができるが、そのとき
にはその移動速度を所定の値として、移動速度に
基づく電気炉通過時間を、上記の保持時間とすれ
ばよい。 このような温度保持の条件下で、非晶質磁性合
金材料、一般には薄板は、少なくとも2つの外部
磁界中に配置され、それぞれの外部磁界が印加さ
れる。この場合、それぞれの外部磁界は、非晶質
磁性合金材料に対し、異なる2つ以上の方向から
ほぼ直線的に印加する。従つて、少なくとも2つ
の外部磁界それぞれは、非晶質磁性合金材料の全
域または所定部分に対し、それぞれほぼ直線をな
す磁界軸を持ち、それぞれの磁界軸が所定の角度
をもつて交叉すれば十分である。ただ、このよう
な場合、一般には、外部磁界は2つとした方が、
装置の簡易さという点で好ましい。そして2つの
外部磁界を印加するときには、この所定の角度と
してほぼ直角とするときが好ましい。一方、非晶
質磁性合金材料としては、その薄板が最も多く用
いられる。そこで、その薄板に本発明を適用する
場合には、上記2つ以上の外部磁界は、それぞれ
薄板面内における成分を有していた方がよい。こ
のため薄板に本発明を適用するときには、上記2
つ以上の外部磁界の磁界軸が、それぞれ薄板面と
ほぼ平行となり、しかもそれらが対称となるよう
に、例えば2つの外部磁界を用いるときには両者
がほぼ直角になるようにすると、好ましい結果が
得られる。このような場合、外部磁界源として
は、公知の電磁石、ヘルムホルツコイル、ソレノ
イドコイル、あるいはその他のコイル等いずれも
使用可能であり、又場合によつては、一方の外部
磁界源としては永久磁石を用いてもよく、これら
は処理の態様によつて適宜使い分ければよい。例
えば、第1図に示されるように、薄板10に対
し、その面と平行で、しかも互いに直交する磁界
H1,H2を発生する2対の電磁石211,21
2,221,222を用いたり、第2図に示され
るように、薄板15の所定部分に対し、薄板面と
平行で、しかも互いに直交する磁界H1,H2を発
生するごとく、ヘルムホルツコイル251,25
2とソレノイドコイル26を配置したりする等で
ある。なお、上記2つ以上の外部磁界が直線的に
印加される領域には、第1図のように、所定の形
状の薄板10が固定配置されるようにしてもよ
く、又第2図のように、その領域内に電気炉4を
設け、その電気炉4内を連続薄板15が連続的に
通過するようになしてもよい。 このように、上記2つの外部磁界を印加するに
際し、これら2つの外部磁界の合成磁界の向きを
回転させ、この合成磁界によつて誘起される材料
内の磁気異方性を等方的にする。この場合、この
合成磁界の向きが回転しさえすれば、材料内に誘
起される誘導磁気異方性は等方的となり、本発明
所定の効果が実現することになる。ただ異方性を
より等方化して磁気特性をより向上するには、上
記合成磁界により誘起される誘導磁気異方性軸を
少なくとも1回転させることが好ましく、このた
めには合成磁界を少なくともほぼ180゜回転させ
ればよい。このとき、合成磁界はほぼ等速回転す
ることが好ましいが、その回転は連続的であつて
も、間けつ的であつてもよい。又、その際正逆回
転を交互に繰返してもよい。更に、回転速度は、
極端な高速としないかぎり、又上記加熱保持時間
内に所望の回転が行われるかぎりにおいて、特に
制限はないが、一般には、10〜105ppm程度で行
えばよい。このように合成磁界の回転の態様につ
いては、種々の場合が存在するが、これらのう
ち、合成磁界は、上記加熱保持時間内に、ほぼ
180゜あるいはそれ以上の回転角の回転を一方向
に行うか、あるいはこのような回転を正方向、順
方向の順で交互に繰返すこが好ましい。 このように合成磁界を回転させるには、上記の
2つ以上の外部磁界のうちの少なくとも一方、通
常好ましくは2つ以上を変化させればよい。すな
わち、好ましい態様においては外部磁界を2つと
し、この2つの外部磁界のうちの少なくとも一方
の磁界強度を一方向、あるいは正および負方向に
変化させればよい。この場合少なくとも一方の外
部磁界は、上述の合成磁界の回転速度に対応する
速度で変化させればよい。又、両外部磁界をとも
に強度変化させるときには、両者の回転速度は同
一でも異なつてもよい。ただ、少なくとも一方の
外部磁界の強度を変化させて、その結果両者の合
成磁界を回転させるには以下のようにして行うの
が好ましい。以下のようにして合成磁界を少なく
とも180゜回転させたときには、誘導磁気異方性
は巨視的に等方的になるばかりでなく、微視的に
みたときにも100μ程度の磁区内において等方的
となり、巨視的に等方的にしたとき期待される以
上の透磁率および磁気損失の向上が観察されるか
らである。 まず、2つの外部磁界を用い、それらの合成磁
界を連続的に回転する場合についていえば、通
常、上述のように、一方の外部磁界H1と他方の
外部磁界H2とを直交させしかも第3図aに示さ
れるように両者をともに交番正弦波として変化さ
せ、更に両者の周波数を一致させ、一方両者の位
相を±π/2変化させることが好ましい。このよう
な構成をとつたとき、合成磁界は一定方向に連続
的に180゜以上回転することになる。一方、合成
磁界を連続的に回転する場合でも、正・逆回転を
周期的に行うこともでき、そのときには第3図b
に示されるように、あるいはそれから容易に類推
されるような態様で、第3図aにおける周波数が
等しく、±π/2だけ位相の異なる交番正弦波H1,
H2のうち、一方を半周期またはその整数倍を単
位として、反転させるのが好ましい。他方、2つ
の外部磁界を用い、それらの合成磁界を間けつ的
に回転する場合には、上記H1とH2とを、パルス
状に発生させればよい。この場合、等パルス巾の
H1とH2とを等間隔に同期させて発生させ、しか
も両者のパルス高がそれぞれ上記のようなH1と
H2との正弦波を包絡線として有するようにな
し、その合成磁界を間けつ的に回転させてもよい
が、第3図c,dに示されるように、等パルス巾
のH1とH2とを等間隔に交互に発生させ、そのと
き少なくともH1とH2のうちの一方を順次正負交
互に発生させ、合成磁界がH1またはH2そのもの
となるようにして、その結果合成磁界が間けつ的
に回転するようにしてもよい。 このような場合、これら外部磁界の強度は、1
〜100Oeあるいはそれ以上を最大値として変化さ
せればよい。 このような加熱保持状態において上述のような
磁界印加を行つた後、材料は冷却される。この冷
却は磁場印加を停止した後行つてもよく、又上に
述べた磁場中で行つてもよい。又冷却速度として
は種々変更可能であるが、一販に徐冷とすること
が好ましい。 なお、以上詳述したような磁場中熱処理は真空
中で行つても、又不活性ガス中で行つても更には
空気中で行つてもよい。 以上詳述してきた本発明の熱処理方法に用いる
装置の好ましい1例が第1図に示される。第1図
において、非晶質磁性合金薄板10(この場合は
リング状形状とされている)は、2対の電磁石2
11,212;221,222間に配置される。
この場合、電磁石211,212には交流電源E
から正弦波電流i1が通電可能とされ、通電時に薄
板10面内に第3図aに示されるような磁界H1
が印加されるようになしてある。一方、電磁石2
21,222は、位相制御器Pを介し交流電源E
と接続され、それにより上記i1とπ/2位相の異な
る正弦波電流i2を通電可能とし、このi2通電時
に、上記H1と直交し、しかも薄板面と平行な第
3図aに示されるような磁界H2が印加されるよ
うになしてある。更に薄板10は電気炉4中に配
置される。このような構成において、電気炉4に
通電し、薄板10を所定の温度に加熱保持し、電
源Eを投入すると、第3図aのように変化する
H1とH2とが発生し、H1とH2との合成磁界は薄板
10面内において一定方向に一定周期で回転す
る。一定時間後、電気炉4の通電を切り冷却すれ
ば、薄板10内に誘起される磁気異方性は局所的
にも等方的となり、磁気特性が向上する。なお、
第1図において、薄板10を連続薄板に代え、し
かも薄板の平面を図紙面方向に配置し、これを矢
印a方向に連続的に移動させつつ、上記と同様の
処理を行えば、連続的な熱処理が行われることに
なる。 第2図には、この連続処理の際の他の1例が示
される。この場合、第1図における2対の電磁石
211,212;221,222はソレノイドコ
イル26とヘルムホルツコイル251,252に
置きかえられており、前者により連続薄板15面
内長手方向に磁界H2を、又後者により連続薄板
15面内巾方向に磁界H1を印加し、薄板15を
連続的に矢印b方向に移動させる構成となつてい
る。 そして、本発明においては、上記のように連続
薄板を磁界H1,H2に連続的に移動させることに
より、作業性向上、熱処理能力の大巾増大が可能
となる。 なお、第1図における2対の電磁石にかえ例え
ば、同一円周面上において相互に120゜の角度づ
つ離して3つのコイルを配置し、3つのコイルか
ら発生する3つの磁界の合成磁界を回転するよう
にすることもできる。 本発明の熱処理を施した非晶質磁性合金薄板、
細線等の材料は、そのまま、あるいは所定の加工
を施し、磁気ヘツド、各種磁心、あるいはその他
の用途に用いてきわめてすぐれた特性を発揮す
る。 以下本発明の実施例を掲げ、本発明を更に詳細
に説明する。 実施例 1 公知の高速急冷法に従い、106℃/sec程度の冷
却速度で、(Fe0.85Co0.15)80B20の組成を有する、
厚さ30μm、巾5cm、長さ100mの非晶質磁性合
金薄板を作成した。 この薄板からエツチングにより内径6mmφ、外
径10mmφのリングを得、このリングに対し、第1
図に示される装置を用い、本発明の熱処理を施し
た。すなわち、装置全体は10-1Torrの真空下に
おき、電磁石211,212に電源Eから交流電
流i1を通電し、第3図aのように30rpmで変化す
る最大値3000Oeの正弦波磁界H1を発生させ、又
電磁石221,222には電源Eから位相制御器
Pを介し交流電流i2を通電し、H1と直交し、しか
もそれとπ/2位相が異なり、第3図aのように
30rpmで変化する正弦波磁界H2を発生させ、H1
とH2の合成磁界が30rpmで回転するようにし
た。同時に電気炉4に通電し、リング状薄板10
を350℃に加熱保持した。20分間加熱保持後、電
気炉の通電のみを切り、回転合成磁界中で徐冷を
行つた。 次いで、このように処理されたリングを30枚用
い、層間絶縁を行い積層し(試料1)、保磁力
Hc、残留磁束密度Brおよび磁気損失を測定し
た。結果を表1に示す。 これとは別に比較のため、上記のリングを何ら
処理を施すことなく、前記試料1同様積層して試
料2を得た。 又、リングを350℃の真空中で磁界を印加する
ことなく20分加熱保持した後、水中で急冷した
後、前記試料1同様積層して試料3を得た。 更に、リングにコイルを巻線した後、真空中で
コイルに通電して、リング面方向に300Oeの静磁
場を印加しつつ、20分間350℃に加熱保持した
後、徐冷した。この処理後のリングを前記試料1
同様積層して試料4を得た。 このようにして得た試料2〜4につき、試料1
と同様に各磁気特性を測定した。結果を表1に同
時に掲げる。
する。更に詳しくは、非晶質磁性合金材料、特に
その薄板の透磁率を高め、又磁気損失を減少させ
ることのできる熱処理方法であつて、そのように
磁気特性の良好な材料を、一挙に大量に得ること
のできる方法に関する。 従来、結晶構造を有する高透磁率磁性合金材料
として、Fe―Si合金、Fe―Ni合金、Fe―Al合
金、Fe―Si―Al合金等が知られており、それぞ
れの特性に応じて多くの分野で使用されている。
しかし、これら結晶質磁性合金もなお特性上のそ
して使用上の欠点を持つている。 このうち、Fe―Si―Al系合金であるセンダス
トは、Si約10%を含有する透磁率の大きい合金で
あるが、塑性加工ができないという欠点を持つて
いる。そこで、その用途は、高い硬度が活かされ
る特殊な用途、例えばVTR用磁気ヘツド素子等
に限つて、特殊の加工を施した上で使用されてい
るにすぎない。又、透磁率の周波数特性も満足で
きるものではない。 又、パーマロイ系の合金は、種々の弱電関係の
鉄心として使用されているが、その製造方法が、
非常に多数の工程を経なければならず、高価であ
るという欠点を持つている。又その飽和磁束密度
も小さく、その用途を限られたものとしている。 このような実情から、すぐれた特性を有ししか
も使用上の欠点のない磁性合金材料の開発が望ま
れている。その中で、非晶質磁性合金が最近大き
な注目を集め、活発な研究が行われてきている。 金属は、通常、固体状態においては原子が規則
配列状態をとる結晶として存在しているものであ
るが、ある種の合金融液を、例えば104〜106℃/
secという大きい速度で冷却凝固させた場合、固
体状態でも溶融状態に類似した原子配列をもつ非
晶質の合金が得られる。この非晶質合金は、X線
回折や電子線回折によつても、結晶構造を示すよ
うな回折像は得られず、結晶質とは構造的に異な
る長範囲規則性を持たない原子配列を有するもの
である。このような非晶質合金からなる磁性材料
は、通常の結晶質とは異なり結晶磁気異方性を有
さず、特に遷移金属―半金属非晶質合金において
は、保磁力(Hc)が小さく、すぐれた軟磁性が
期待され、しかも電気抵抗が大きく、硬度が高
く、薄板加工等の加工性が良好で、製造方法も容
易かつ安価である等の種々の軟磁性材料としての
すぐれた特性と使用上の有利さをあわせもつもの
である。 従来、このような非晶質磁性合金としては遷移
金属成分としてFe、Co、Niを含み、これにSi、
B、C、P等の半金属成分を含むものが知られて
いる。これらはその組成に応じた特性を有し、そ
の特性に応じた用途が考えられ、一部実用化され
ている。この内、遷移金属としてFeを主成分と
するFe系は、磁歪は大きいが、飽和磁束密度
(Bs)が大きく又コストが安いという点から、ト
ランス材としての用途に適している。遷移金属と
してCoを主成分とするCo系は、Fe系よりもBsは
低く、コストが高いが、磁歪零の組成が得られる
ので、磁気ヘツド用材料に適している。Niをあ
る量以上含むNi系は、Fe、CoをNiがある程度置
換しているので、透磁率は前2者よりも大きい
が、Bsが前2者と比べて低く、実用用途はあま
り期待されていない。 このように、非晶質磁性合金としては、種々の
組成のものが知られているが、その透磁率と飽和
磁束密度との両者がともに結晶質磁性合金を大き
くは凌駕するものが出現していないのが実情であ
る。このため、これらの組成の磁性合金を非晶質
化した後、何らかの処理を施し、特にその透磁率
を高め、磁気損失を少なくすることができれば、
磁気ヘツド用材料、トランス材等としてより好ま
しいものとなりそのような技術の開発が期待され
ている。 従来行われてきたこのような技術の一つとして
は、熱処理を挙げることができる。この熱処理
は、液相からの超急冷により非晶質の薄板を得た
後、この薄板に施すものであり、熱処理として
は、無磁場中で、合金のキユリー点(Tc)以
上、結晶化温度(Tcry)以下の温度に加熱保持
した後冷却し、これにより、超急冷による薄板製
造の際の内部歪を除去するとともに、透磁率を高
めるものである。しかし、この熱処理は、Tc>
Tcryの合金に対しては施すことができないとい
う欠点がある。一般に、TcとBsは正の相関関係
にあり、特に、磁歪零のCo系合金では、1000Oe
程度以上の高保持力媒体への記録用磁気ヘツドと
して最低限必要とされる飽和磁束密度10kGでTc
がTcryとほぼ等しくなり、これ以上の飽和磁束
密度を有する合金の透磁率向上のための技術とな
り得ないという欠点がある。又、逆にTc<Tcry
の合金についても、Tcが大となると大きな透磁
率を得るためには、熱処理後急冷したり、複雑な
冷却温度コントロールを行つたりしなければなら
ない。このような熱処理によれば、Tc<Tcryの
合金では確かに透磁率は向上するものではある
が、冷却時に内部歪が生起し、このため特に初透
磁率は、従来の結晶質合金と比較して、格段すぐ
れた値が得られるわけではない。又、この内部歪
のため、透磁率の経時変化を生ずるという欠点が
あることも判明している。従つてこのような熱処
理技術は有効ではない。 これに対し、超急冷法によつて得られた薄板
を、磁場中で熱処理する技術が、特開昭51―
73923号公報、同52―114421号公報等に開示され
ており、この磁場中の熱処理により、最大透磁率
μmが格段と向上する旨が記載されている。この
場合、熱処理温度は結晶化温度以下であり、磁界
は静磁界として一定の磁界軸方向のみから印加さ
れている。このように、熱処理にあたり一定方向
から磁界を印加すれば、非晶質磁性合金薄板中に
は磁界印加方向を容易軸とする誘導磁気異方性が
生起する。このようなとき、誘起された磁化容易
軸に磁化は配向しやすく、このため残留磁束密度
(Br)は大きくなる。このとき逆方向に磁界を印
加すると、磁化と磁界のエネルギーを減少させる
ため、180゜磁壁の移動により、容易に磁化反転
がおこり、保磁力(Hc)は小さいものとなる。
従つて、前述のごとく残留磁束密度(Br)は大
きくなるので、静磁化特性としての最大透磁率μ
m〓Br/Hcが増大するのは当然のことである。
しかし、このような磁場中熱処理を施し、磁気特
性を測定したところ、交流下での透磁率は減少す
ることが確認された。すなわち、初透磁率が逆に
減少し、又10mOe程度の磁場下の透磁率(μ10)
も大きくは増大しないのである。 本発明者は、このような従来の磁場中熱処理に
よつて生起する不都合の原因を究明すべく種々の
検討を行つた。 その結果、以下のことが判明した。すなわち、
従来の磁場中熱処理では、一定方向から磁界を印
加するため、前述のように磁化容易軸が誘起す
る。この場合、準静的に磁界を変化させるときに
は、透磁率に磁壁の移動速度(V)の影響は現わ
れない。従つて高いμmが得られる。しかし、交
流磁界下での透磁率は、磁壁の移動速度に依存
し、しかもそれとほぼ比例する。又、この移動速
度を低下させる制動係数(β)は磁気異方性(K)の
平方根に比例する。このため、磁場中熱処理によ
り薄板に磁化容易軸を誘起し、異方性を生起せし
めると、磁壁移動速度は小さくなり、交流磁場下
での透磁率、すなわち透磁率の動特性値、特に初
透磁率が減少するのである。 そこで、本発明者はこのような知見に基づき、
従来の磁場中熱処理における不都合を解消するた
め、先に、非晶質磁性合金のキユリー点以下で、
しかも結晶化温度以下の温度に加熱保持した状態
で、磁界を回転させながら印加する熱処理方法を
提案している。この熱処理方法によれば、薄板中
に誘起される磁気異方性が等方的となるように、
印加磁界の薄板面方向成分の向きを一回転させる
ので、磁気異方性が局所的にも存在せず、それに
伴い、磁壁移動の制動係数が減少し、又局所的に
も異方性がなくなる結果、還流磁区構造をとりや
すくなり、透磁率の動的特性値、特に初透磁率の
減少が阻止されるのみならず、逆に格段と向上
し、又その静的特性値も格段と向上する。しか
も、磁気損失も格段と減少するものである。 本発明は、このような本発明者の先の提案の改
良に関するものであり、この先の提案における、
印加磁界によつて誘起される誘導磁気異方性が等
方的となるように、印加磁界を変化させ、これに
より透磁率の動的および静的特性値を向上させ、
また磁気損失を減少させるという原理を利用し
て、それによる効果を等しく実現するとともに、
その大量処理が可能な具体的方法を提供すること
を主たる目的とする。 本発明者は、このような目的につき種々検討を
行つた結果、本発明をなすに至つたものである。 すなわち、本発明は、非晶質磁性合金材料の熱
処理方法において、非晶質磁性合金のキユリー点
以下でしかもその結晶化温度以下の温度に加熱保
持した状態で、材料に少なくとも2つの外部磁界
を2方向以上からほぼ直線的に印加し、その際、
この複数の外部磁界の合成磁界の向きを、材料中
にこの合成磁界によつて誘起される磁気異方性が
等方的となるよう回転させ、しかる後冷却するこ
とにある。 本発明によれば、本発明者の先の提案と全く同
様に得られる非晶質合金材料の磁気特性はよりす
ぐれたものとなる。すなわち、上述の無磁場中で
の熱処理と比べ、透磁率の静的および動的特性値
は格段と向上する。しかも磁気損失も格段と減少
する。又、一定方向から磁界を印加する磁場中熱
処理のように透磁率の動的特性値、特に初透磁率
が減少してしまうということはなく、逆に動的特
性が格段と向上し、しかも磁気損失も減少する。
従つて、これまで用途に従い、限定されていた非
晶質合金の組成の制限が緩和され、その結果すぐ
れた特性を有する種々の用途に対する実用材料が
可能となる。加えて、材料製造時の内部歪も有効
に除去することができる。更にTc>Tcryの合金
についても本発明が適用でき、その結果高透磁
率、低磁気損失を得ることが可能となる。このた
め、特にCo系の磁歪の小さい非晶質合金材料に
ついて、センダスト合金以上の高飽和磁束密度で
高透磁率という実用上きわめてすぐれた特性を得
る。又Tc<Tcryの合金についても熱処理後徐冷
が可能となるので透磁率は格段と向上する。更に
は、Tcの高いものではぜい化や酸化が生起する
が、本発明ではTc以下の比較的低い温度で熱処
理を施せばよいので、ぜい化は生じず、又空気中
で実施しても酸化は生じない。 なお、このような透磁率および磁気損失が格段
と向上するという効果は、非晶質磁性合金特有の
効果であり、本発明を結晶質磁性合金に適用して
も、結晶質ではK1またはK2のどちらかが
102erg/cm2程度の結晶磁気異方性が存在し、その
値が小さい場合でも、結晶質構造に帰因するミク
ロな方向性は除去できずそのような効果は期待で
きない。 本発明においては、このように本発明者の先の
提案に基づく磁気特性の改良に関する効果がすべ
て実現する他、その処理を一挙に大量の材料に施
すことが可能である。すなわち非晶質磁性合金材
料、特に薄板を連続的に一定方向に移動させつ
つ、本発明の熱処理を施す構成が容易に採用でき
るからである。 以下、本発明を詳細に説明する。 本発明はおよそ全ての実質的に非晶質の磁性合
金材料に適用可能である。ただ、本発明を適用し
て、種々の実用材料として好ましい特性を得るた
めには下記式で示される組成を有するものであ
ることが好ましい。 式 MpTq ここに、MはFe、Co、Niのうち総計1モルの
1〜3種を表わし、TはSi、B、P、Cのうち総
計1モルの1〜4種を表わす。又、pとqの和は
100at%であり、qは10〜50at%である。 これらのうち、下記式で示される組成を有す
るものは特に好ましい。 式 (FeaCobNic)x(SieBf)f ここに、xおよびyは正の数、a、b、cおよ
びeは0または正の数、fは正の数でありa+b
+c=1、e+f=1、x+y=1000≦ax≦
85、0≦bx≦85、ax+bx≠00≦cx≦50、10≦y
≦50なる関係を有する。 この場合、上式で示される組成において、シリ
コンおよびボロンからなる半金属成分はそのシリ
コンおよびボロンの原子量比eおよびfを上記の
とおり維持したまま、その総量のうち50at%以下
をリンおよび/または炭素で置換したものであつ
てもよい。又、上式で示される組成を有する非晶
質磁性合金中には、5at%以下の範囲で、Ti、
Zr、V、Nb、Ta、Cr、Mo、W、Zr、Al、Ga、
In、Ge、Sn、Pb、As、Sb、Bi、Gd等のうちの
1種または2種以上が含有されていてもよい。 このような上式で示される組成が特に好ましい
理由は以下のとおりである。 先ず、組成中FeとCoとは常温で強磁性を示す
ものであり、一方、非晶質化には半金属成分を必
要とするので、ax+bx≠0の条件の下で、それ
ぞれ0〜85at%とすることが好ましい。Feおよ
び/またはCoをNiで置換すると、その飽和磁束
密度とキユリー点が減少してくる。従つて、Ni
の添加量cxは0〜50at%とすることが好ましい。
SiおよびBの半金属成分は合金の非晶質化を助長
する元素であるが、半金属成分が10%、特に15at
%より少ない時、および50%、特に33%より多い
ときには逆に非晶質化を困難とさせるので、yは
10〜50at%、より好ましくは15〜33at%とするこ
とが好ましい。又、SiとBの比率については、Si
が70at%より大とすると非晶質化が困難となるの
で、eは0〜70at%の範囲となることが好まし
い。 このような組成を有する合金材料は液相から超
急冷することによつて得られる。 液相から超急冷して非晶質磁性合金材料を得る
には、対応する組成の合金を溶融して融液とな
し、この融液を溶融状態から概ね104℃/sec以
上、通常104〜106℃/secの冷却速度で超急冷
し、冷却凝固させることによればよい。溶融状態
の合金融液を超急冷するには、公知の双ロール
法、片ロール法、あるいはインサイドインジエク
シオン法等種々の方式に従えばよい。従つて、合
金の溶融条件、合金融液の噴出条件、噴出の際の
ノズルの形状、寸法等、双ロール等の冷却体の形
状、寸法、材質等は公知の超急冷法における条件
範囲の中から適宜決定すればよい。又、合金の溶
融に際しては、アルゴン等の不活性ガス中で行う
か、あるいは不活性ガスを流入させながら行うこ
とが好ましいが、この融液の噴出は、不活性ガス
あるいは空気のいずれの雰囲気に対して行つても
よい。 なお、このような非晶質磁性合金材料は、種々
の形状、例えば細線等であつてもよいが、一般に
は薄板を用いそれに適用するのが通常である。薄
板としては、5〜200μm、特に20〜60μm程度
の厚さのものが一般的であり、その際薄板の形状
はどのようなものであつてもよく、又その寸法
は、本発明においては、所定の形状になした薄板
にいわゆるバツチ処理を施すことも、長ものの連
続薄板を連続的に移動させつつ連続処理を施すこ
とも可能であることから、種々のものとすること
ができる。 本発明においては、このような非晶質磁性合金
材料に所定の処理を施す。この処理において、非
晶質磁性合金材料は、非晶質磁性合金の結晶化温
度以下に保持しなければならない。非晶質磁性合
金としての特性が失われてしまうためである。同
時に、その保持温度はキユリー点以下でなければ
ならない。キユリー点以上では自発磁化が発生せ
ず、誘導磁気異方性が発生しないからである。一
方、保持温度の下限としては、一般に100℃以
上、より好ましくは150℃以上とすることが好ま
しい。又、保持時間は、一般に500時間以内好ま
しくは1分〜500時間程度である。加熱方式とし
ては、抵抗型の電気炉中で行う他、高周波加熱や
赤外線加熱を施したり、その他種々の方式が可能
である。 なお、本発明においては、非晶質合金材料とし
てその連続薄板を用い、これを連続的に移動させ
つつ、連続処理を行うことができるが、そのとき
にはその移動速度を所定の値として、移動速度に
基づく電気炉通過時間を、上記の保持時間とすれ
ばよい。 このような温度保持の条件下で、非晶質磁性合
金材料、一般には薄板は、少なくとも2つの外部
磁界中に配置され、それぞれの外部磁界が印加さ
れる。この場合、それぞれの外部磁界は、非晶質
磁性合金材料に対し、異なる2つ以上の方向から
ほぼ直線的に印加する。従つて、少なくとも2つ
の外部磁界それぞれは、非晶質磁性合金材料の全
域または所定部分に対し、それぞれほぼ直線をな
す磁界軸を持ち、それぞれの磁界軸が所定の角度
をもつて交叉すれば十分である。ただ、このよう
な場合、一般には、外部磁界は2つとした方が、
装置の簡易さという点で好ましい。そして2つの
外部磁界を印加するときには、この所定の角度と
してほぼ直角とするときが好ましい。一方、非晶
質磁性合金材料としては、その薄板が最も多く用
いられる。そこで、その薄板に本発明を適用する
場合には、上記2つ以上の外部磁界は、それぞれ
薄板面内における成分を有していた方がよい。こ
のため薄板に本発明を適用するときには、上記2
つ以上の外部磁界の磁界軸が、それぞれ薄板面と
ほぼ平行となり、しかもそれらが対称となるよう
に、例えば2つの外部磁界を用いるときには両者
がほぼ直角になるようにすると、好ましい結果が
得られる。このような場合、外部磁界源として
は、公知の電磁石、ヘルムホルツコイル、ソレノ
イドコイル、あるいはその他のコイル等いずれも
使用可能であり、又場合によつては、一方の外部
磁界源としては永久磁石を用いてもよく、これら
は処理の態様によつて適宜使い分ければよい。例
えば、第1図に示されるように、薄板10に対
し、その面と平行で、しかも互いに直交する磁界
H1,H2を発生する2対の電磁石211,21
2,221,222を用いたり、第2図に示され
るように、薄板15の所定部分に対し、薄板面と
平行で、しかも互いに直交する磁界H1,H2を発
生するごとく、ヘルムホルツコイル251,25
2とソレノイドコイル26を配置したりする等で
ある。なお、上記2つ以上の外部磁界が直線的に
印加される領域には、第1図のように、所定の形
状の薄板10が固定配置されるようにしてもよ
く、又第2図のように、その領域内に電気炉4を
設け、その電気炉4内を連続薄板15が連続的に
通過するようになしてもよい。 このように、上記2つの外部磁界を印加するに
際し、これら2つの外部磁界の合成磁界の向きを
回転させ、この合成磁界によつて誘起される材料
内の磁気異方性を等方的にする。この場合、この
合成磁界の向きが回転しさえすれば、材料内に誘
起される誘導磁気異方性は等方的となり、本発明
所定の効果が実現することになる。ただ異方性を
より等方化して磁気特性をより向上するには、上
記合成磁界により誘起される誘導磁気異方性軸を
少なくとも1回転させることが好ましく、このた
めには合成磁界を少なくともほぼ180゜回転させ
ればよい。このとき、合成磁界はほぼ等速回転す
ることが好ましいが、その回転は連続的であつて
も、間けつ的であつてもよい。又、その際正逆回
転を交互に繰返してもよい。更に、回転速度は、
極端な高速としないかぎり、又上記加熱保持時間
内に所望の回転が行われるかぎりにおいて、特に
制限はないが、一般には、10〜105ppm程度で行
えばよい。このように合成磁界の回転の態様につ
いては、種々の場合が存在するが、これらのう
ち、合成磁界は、上記加熱保持時間内に、ほぼ
180゜あるいはそれ以上の回転角の回転を一方向
に行うか、あるいはこのような回転を正方向、順
方向の順で交互に繰返すこが好ましい。 このように合成磁界を回転させるには、上記の
2つ以上の外部磁界のうちの少なくとも一方、通
常好ましくは2つ以上を変化させればよい。すな
わち、好ましい態様においては外部磁界を2つと
し、この2つの外部磁界のうちの少なくとも一方
の磁界強度を一方向、あるいは正および負方向に
変化させればよい。この場合少なくとも一方の外
部磁界は、上述の合成磁界の回転速度に対応する
速度で変化させればよい。又、両外部磁界をとも
に強度変化させるときには、両者の回転速度は同
一でも異なつてもよい。ただ、少なくとも一方の
外部磁界の強度を変化させて、その結果両者の合
成磁界を回転させるには以下のようにして行うの
が好ましい。以下のようにして合成磁界を少なく
とも180゜回転させたときには、誘導磁気異方性
は巨視的に等方的になるばかりでなく、微視的に
みたときにも100μ程度の磁区内において等方的
となり、巨視的に等方的にしたとき期待される以
上の透磁率および磁気損失の向上が観察されるか
らである。 まず、2つの外部磁界を用い、それらの合成磁
界を連続的に回転する場合についていえば、通
常、上述のように、一方の外部磁界H1と他方の
外部磁界H2とを直交させしかも第3図aに示さ
れるように両者をともに交番正弦波として変化さ
せ、更に両者の周波数を一致させ、一方両者の位
相を±π/2変化させることが好ましい。このよう
な構成をとつたとき、合成磁界は一定方向に連続
的に180゜以上回転することになる。一方、合成
磁界を連続的に回転する場合でも、正・逆回転を
周期的に行うこともでき、そのときには第3図b
に示されるように、あるいはそれから容易に類推
されるような態様で、第3図aにおける周波数が
等しく、±π/2だけ位相の異なる交番正弦波H1,
H2のうち、一方を半周期またはその整数倍を単
位として、反転させるのが好ましい。他方、2つ
の外部磁界を用い、それらの合成磁界を間けつ的
に回転する場合には、上記H1とH2とを、パルス
状に発生させればよい。この場合、等パルス巾の
H1とH2とを等間隔に同期させて発生させ、しか
も両者のパルス高がそれぞれ上記のようなH1と
H2との正弦波を包絡線として有するようにな
し、その合成磁界を間けつ的に回転させてもよい
が、第3図c,dに示されるように、等パルス巾
のH1とH2とを等間隔に交互に発生させ、そのと
き少なくともH1とH2のうちの一方を順次正負交
互に発生させ、合成磁界がH1またはH2そのもの
となるようにして、その結果合成磁界が間けつ的
に回転するようにしてもよい。 このような場合、これら外部磁界の強度は、1
〜100Oeあるいはそれ以上を最大値として変化さ
せればよい。 このような加熱保持状態において上述のような
磁界印加を行つた後、材料は冷却される。この冷
却は磁場印加を停止した後行つてもよく、又上に
述べた磁場中で行つてもよい。又冷却速度として
は種々変更可能であるが、一販に徐冷とすること
が好ましい。 なお、以上詳述したような磁場中熱処理は真空
中で行つても、又不活性ガス中で行つても更には
空気中で行つてもよい。 以上詳述してきた本発明の熱処理方法に用いる
装置の好ましい1例が第1図に示される。第1図
において、非晶質磁性合金薄板10(この場合は
リング状形状とされている)は、2対の電磁石2
11,212;221,222間に配置される。
この場合、電磁石211,212には交流電源E
から正弦波電流i1が通電可能とされ、通電時に薄
板10面内に第3図aに示されるような磁界H1
が印加されるようになしてある。一方、電磁石2
21,222は、位相制御器Pを介し交流電源E
と接続され、それにより上記i1とπ/2位相の異な
る正弦波電流i2を通電可能とし、このi2通電時
に、上記H1と直交し、しかも薄板面と平行な第
3図aに示されるような磁界H2が印加されるよ
うになしてある。更に薄板10は電気炉4中に配
置される。このような構成において、電気炉4に
通電し、薄板10を所定の温度に加熱保持し、電
源Eを投入すると、第3図aのように変化する
H1とH2とが発生し、H1とH2との合成磁界は薄板
10面内において一定方向に一定周期で回転す
る。一定時間後、電気炉4の通電を切り冷却すれ
ば、薄板10内に誘起される磁気異方性は局所的
にも等方的となり、磁気特性が向上する。なお、
第1図において、薄板10を連続薄板に代え、し
かも薄板の平面を図紙面方向に配置し、これを矢
印a方向に連続的に移動させつつ、上記と同様の
処理を行えば、連続的な熱処理が行われることに
なる。 第2図には、この連続処理の際の他の1例が示
される。この場合、第1図における2対の電磁石
211,212;221,222はソレノイドコ
イル26とヘルムホルツコイル251,252に
置きかえられており、前者により連続薄板15面
内長手方向に磁界H2を、又後者により連続薄板
15面内巾方向に磁界H1を印加し、薄板15を
連続的に矢印b方向に移動させる構成となつてい
る。 そして、本発明においては、上記のように連続
薄板を磁界H1,H2に連続的に移動させることに
より、作業性向上、熱処理能力の大巾増大が可能
となる。 なお、第1図における2対の電磁石にかえ例え
ば、同一円周面上において相互に120゜の角度づ
つ離して3つのコイルを配置し、3つのコイルか
ら発生する3つの磁界の合成磁界を回転するよう
にすることもできる。 本発明の熱処理を施した非晶質磁性合金薄板、
細線等の材料は、そのまま、あるいは所定の加工
を施し、磁気ヘツド、各種磁心、あるいはその他
の用途に用いてきわめてすぐれた特性を発揮す
る。 以下本発明の実施例を掲げ、本発明を更に詳細
に説明する。 実施例 1 公知の高速急冷法に従い、106℃/sec程度の冷
却速度で、(Fe0.85Co0.15)80B20の組成を有する、
厚さ30μm、巾5cm、長さ100mの非晶質磁性合
金薄板を作成した。 この薄板からエツチングにより内径6mmφ、外
径10mmφのリングを得、このリングに対し、第1
図に示される装置を用い、本発明の熱処理を施し
た。すなわち、装置全体は10-1Torrの真空下に
おき、電磁石211,212に電源Eから交流電
流i1を通電し、第3図aのように30rpmで変化す
る最大値3000Oeの正弦波磁界H1を発生させ、又
電磁石221,222には電源Eから位相制御器
Pを介し交流電流i2を通電し、H1と直交し、しか
もそれとπ/2位相が異なり、第3図aのように
30rpmで変化する正弦波磁界H2を発生させ、H1
とH2の合成磁界が30rpmで回転するようにし
た。同時に電気炉4に通電し、リング状薄板10
を350℃に加熱保持した。20分間加熱保持後、電
気炉の通電のみを切り、回転合成磁界中で徐冷を
行つた。 次いで、このように処理されたリングを30枚用
い、層間絶縁を行い積層し(試料1)、保磁力
Hc、残留磁束密度Brおよび磁気損失を測定し
た。結果を表1に示す。 これとは別に比較のため、上記のリングを何ら
処理を施すことなく、前記試料1同様積層して試
料2を得た。 又、リングを350℃の真空中で磁界を印加する
ことなく20分加熱保持した後、水中で急冷した
後、前記試料1同様積層して試料3を得た。 更に、リングにコイルを巻線した後、真空中で
コイルに通電して、リング面方向に300Oeの静磁
場を印加しつつ、20分間350℃に加熱保持した
後、徐冷した。この処理後のリングを前記試料1
同様積層して試料4を得た。 このようにして得た試料2〜4につき、試料1
と同様に各磁気特性を測定した。結果を表1に同
時に掲げる。
【表】
なお、試料1のように薄板からリングを抜いて
熱処理するのではなく、薄板平面が第1図紙面上
に位置するようにして、上記のように得た連続薄
板を第1図矢印a方向に連続的に5cm/分の速度
で移動させつつ、連続処理を行ない、その後、こ
のようにして処理された連続薄板からリングを
得、前記同様に磁気特性を測定したところ、試料
1とほぼ同様の値を得た。 以上の結果から、本発明によれば、トランス材
につき、格段と向上した好ましい磁気特性が得ら
れることがわかる。又、連続処理も可能であり、
一挙に大量に処理を行うこともできる。 実施例 2 Fe6Co74B20の組成の非晶質磁性合金の薄板を実
施例1とほぼ同寸法に作成した。 この連続薄板に対し、第2図に示される装置を
用い本発明の処理を施した。すなわち、装置全体
は10-1Torrの真空下におき、ヘルムホルツコイ
ル251,252とソレノイドコイル26とか
ら、互いに直交し、それぞれ50Hzで第3図aのよ
うに変化し、しかも互いにπ/2位相の異なる最大
値500Oeの磁界H1,H2を発生させた。一方、連
続薄板15は第2図矢印b方向に連続的に1cm/
分の速度で移動させ、電気炉4により、炉内で
300℃に加熱保持されるようにし、薄板15の炉
内通過時間は30分とした。 このようにして、連続処理を施した後、実施例
1と同様薄板からリングを抜き、これを積層して
(試料5)、Hc、Brおよび1kHz,1mOeでの透磁
率μ1を測定したところ、表2の結果を得た。 なお、表2には、上記作成直後の薄板に何ら処
理を施すことなくリング状に抜き、これを積層し
たもの(試料6)、およびこの薄板をリング状に
抜いた後、リングにコイル巻線を施し、リング円
周方向に500Oeの静磁界を印加し、300℃、30分
間の熱処理を施した後、このリングを積層したも
の(試料7)それぞれの磁気特性を併記する。
熱処理するのではなく、薄板平面が第1図紙面上
に位置するようにして、上記のように得た連続薄
板を第1図矢印a方向に連続的に5cm/分の速度
で移動させつつ、連続処理を行ない、その後、こ
のようにして処理された連続薄板からリングを
得、前記同様に磁気特性を測定したところ、試料
1とほぼ同様の値を得た。 以上の結果から、本発明によれば、トランス材
につき、格段と向上した好ましい磁気特性が得ら
れることがわかる。又、連続処理も可能であり、
一挙に大量に処理を行うこともできる。 実施例 2 Fe6Co74B20の組成の非晶質磁性合金の薄板を実
施例1とほぼ同寸法に作成した。 この連続薄板に対し、第2図に示される装置を
用い本発明の処理を施した。すなわち、装置全体
は10-1Torrの真空下におき、ヘルムホルツコイ
ル251,252とソレノイドコイル26とか
ら、互いに直交し、それぞれ50Hzで第3図aのよ
うに変化し、しかも互いにπ/2位相の異なる最大
値500Oeの磁界H1,H2を発生させた。一方、連
続薄板15は第2図矢印b方向に連続的に1cm/
分の速度で移動させ、電気炉4により、炉内で
300℃に加熱保持されるようにし、薄板15の炉
内通過時間は30分とした。 このようにして、連続処理を施した後、実施例
1と同様薄板からリングを抜き、これを積層して
(試料5)、Hc、Brおよび1kHz,1mOeでの透磁
率μ1を測定したところ、表2の結果を得た。 なお、表2には、上記作成直後の薄板に何ら処
理を施すことなくリング状に抜き、これを積層し
たもの(試料6)、およびこの薄板をリング状に
抜いた後、リングにコイル巻線を施し、リング円
周方向に500Oeの静磁界を印加し、300℃、30分
間の熱処理を施した後、このリングを積層したも
の(試料7)それぞれの磁気特性を併記する。
【表】
表2の結果から、本発明を磁気ヘツド材料に適
用したとき、透磁率の動特性が格段と向上し、し
かもその際大量処理を行うことができることがわ
かる。
用したとき、透磁率の動特性が格段と向上し、し
かもその際大量処理を行うことができることがわ
かる。
第1図および第2図は、それぞれ本発明におい
て用いる装置の1例を示す概略図であり第3図a
〜dは、それぞれ本発明における非晶質磁性合金
材料に印加される外部磁界(H1およびH2)の磁界
強度Hの時間変化tの異なる例を示す線図であ
る。 10,15…非晶質磁性合金材料、211,2
12,221,222…電磁石、251,252
…ヘルムホルツコイル、26…ソレノイドコイ
ル、4…電気炉。
て用いる装置の1例を示す概略図であり第3図a
〜dは、それぞれ本発明における非晶質磁性合金
材料に印加される外部磁界(H1およびH2)の磁界
強度Hの時間変化tの異なる例を示す線図であ
る。 10,15…非晶質磁性合金材料、211,2
12,221,222…電磁石、251,252
…ヘルムホルツコイル、26…ソレノイドコイ
ル、4…電気炉。
Claims (1)
- 1 非晶質磁性合金材料を熱処理するにあたり、
非晶質磁性合金のキユリー点以下でしかもその結
晶化温度以下の温度に当該材料を加熱保持した状
態で、当該材料に少なくとも2つの外部磁界を2
方向以上からほぼ直線的に印加し、その際当該複
数の外部磁界の合成磁界の向きを、上記材料中の
合成磁界による誘導磁気異方性が等方的となるよ
う回転させ、しかる後冷却することを特徴とする
非晶質磁性合金材料の熱処理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8037779A JPS565961A (en) | 1979-06-26 | 1979-06-26 | Heat treatment of amorphous magnetic alloy material |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8037779A JPS565961A (en) | 1979-06-26 | 1979-06-26 | Heat treatment of amorphous magnetic alloy material |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS565961A JPS565961A (en) | 1981-01-22 |
| JPS625989B2 true JPS625989B2 (ja) | 1987-02-07 |
Family
ID=13716582
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8037779A Granted JPS565961A (en) | 1979-06-26 | 1979-06-26 | Heat treatment of amorphous magnetic alloy material |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS565961A (ja) |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5935431A (ja) * | 1982-08-23 | 1984-02-27 | Hitachi Ltd | 半導体装置の製造方法 |
-
1979
- 1979-06-26 JP JP8037779A patent/JPS565961A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS565961A (en) | 1981-01-22 |
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