JPS6260990B2 - - Google Patents

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JPS6260990B2
JPS6260990B2 JP59078626A JP7862684A JPS6260990B2 JP S6260990 B2 JPS6260990 B2 JP S6260990B2 JP 59078626 A JP59078626 A JP 59078626A JP 7862684 A JP7862684 A JP 7862684A JP S6260990 B2 JPS6260990 B2 JP S6260990B2
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JP
Japan
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polyurethane resin
thermoplastic polyurethane
layer
diol
glass
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Application number
JP59078626A
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English (en)
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JPS60222249A (ja
Inventor
Hiroyuki Watanabe
Hiroshi Washida
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AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
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Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP7862684A priority Critical patent/JPS60222249A/ja
Publication of JPS60222249A publication Critical patent/JPS60222249A/ja
Publication of JPS6260990B2 publication Critical patent/JPS6260990B2/ja
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は優れた表面性能を有する熱可塑性ポリ
ウレタン系樹脂層を片面に有する積層安全ガラ
ス、およびそれを製造するためのシートあるいは
フイルムからなる中間原料である材料に関するも
のである。 積層安全ガラスとして無機ガラスシートや硬質
の有機ガラスシートと比較的軟質の合成樹脂との
積層シートが周知である。以下、硬質基体とはこ
れら無機ガラスシートあるいは有機ガラスシート
をいい、また単にガラスとは特に有機ガラスと呼
ばない限り無機ガラスをいう。両表面がガラスで
ある積層安全ガラス(以下合せガラスという)、
たとえば、ガラス−ポリビニルブチラール−ガラ
スの3層構造からなる積層シートは自動車安全ガ
ラスとして広く使用されている。このようなガラ
スシートの間に積層されている合成樹脂層は中間
膜と呼ばれ、ポリビニルブチラール、ポリウレタ
ン、その他の種々の合成樹脂が使用され、あるい
は提案されている。一方、ガラスと合成樹脂から
なる積層安全ガラスにおいて、合成樹脂層を露出
させた積層シート、たとえばガラス−合成樹脂や
ガラス−合成樹脂−ガラス−合成樹脂などの片面
がガラスで他面が合成樹脂である積層シートが自
動車用安全ガラス用等に注目されている。この積
層安全ガラスは従来の両面がガラスである積層安
全ガラスよりもさらに安全であると考えられてい
る。たとえば、この積層安全ガラスを合成樹脂面
が車内側となるように自動車フロントガラスとし
て使用すると、運転者等がフロントガラスに衝突
した場合の裂傷や切傷がより少なくなり、またガ
ラスが破壊しても車内側へガラスの破片が飛散す
ることも少なくなると考えられている。このよう
な片面がガラスで他の面が合成樹脂であるシート
状の積層安全ガラスを、以下「バイレイヤーガラ
ス」と呼ぶ。 バイレイヤーガラスについては、たとえば特開
昭48−41423号公報、特開昭48−25714号公報、特
開昭49−34910号公報、および特開昭53−27671号
公報に記載がある。これらの公知例からわかるよ
うに露出した合成樹脂層(以下バイレイヤー層と
いう)は通常ポリウレタンから構成される。ポリ
ウレタンはまた合せガラスの中間膜としても周知
である。ポリウレタンとしてはいわゆる熱可塑性
のポリウレタンと熱硬化性のポリウレタンがあ
り、前者は線状重合体であり、通常高分子量ジオ
ール、鎖延長剤およびジイソシアネート化合物を
反応させて得られ、後者は架橋した重合体であ
り、たとえば高分子量ジオール、架橋剤およびジ
イソシアネート化合物を反応させて得られる。 バイレイヤーガラスにおける重要な問題の1つ
はバイレイヤー層の表面特性である。上記ポリウ
レタンなどの合成樹脂はガラスなどに比べて耐引
掻性、耐摩耗性、耐汚染性などが劣り、また成形
条件等の制約により表面の平滑性も充分でないこ
とが多く、表面特性の改良は極めて重要な課題で
ある。前記特開昭53−27671号公報記載の発明は
表面特性の内特に耐引掻性の改良に関するもので
ある。この発明はバイレイヤー層として熱硬化性
ポリウレタン系樹脂を提案し、該熱硬化性ポリウ
レタン系樹脂は直接ガラスとは強固に接着し難い
のでガラス層と該熱硬化性ポリウレタン系樹脂と
の間に熱可塑性ポリウレタン系樹脂層を介在させ
ることを1つの要旨としている。特に特定の原料
を使用して得られる熱硬化性ポリウレタン系樹脂
は自己修復性があり、耐引掻性が優れている。こ
の自己修復性のある熱硬化性ポリウレタン系樹脂
については同一出願人の出願に係る特公昭58−
29815号公報に記載されており、前記公報記載の
実施例における熱硬化性ポリウレタン系樹脂はこ
の公報に記載されているものである。自己修復性
とは引掻等による傷が経時的に消失する性質をい
い、これによつて耐引掻性が解決される。自己修
復性はすべての熱硬化性ポリウレタン系樹脂が有
する性質ではなく、特定高分子構造を有する熱硬
化性ポリウレタン系樹脂特有の性質であると考え
られ、事実通常の熱硬化性ポリウレタン系樹脂は
自己修復性をほとんど有していない。 バイレイヤー層に熱硬化性ポリウレタン系樹脂
を使用する際の最も大きな問題は「熱硬化性」自
体本質的に有する成形性の問題である。即ち、熱
硬化性ポリウレタン系樹脂は硬化後可塑性が失な
われることに起因する問題である。たとえば、ま
ず第1に熱硬化性ポリウレタン系樹脂のシートや
フイルムを成形する方法が制限され(流延して硬
化させる方法がほぼ唯一の方法である)、押出成
形、プレス成形、その他のシートやフイルムの成
形に適した成形方法を使用できず、このため均一
な厚さの平滑なシートやフイルムを得ることが困
難である。また、可塑性を有していれば平滑な表
面の型材で圧縮して平滑な表面を出すことができ
るが、これも熱硬化性ポリウレタン系樹脂の場合
適用できない。特に、後述するようにバイレイヤ
ーガラス製造において熱圧着法が採用される場合
型材でバイレイヤー層表面を加熱圧縮したときに
バイレイヤー層が熱可塑性を有していれば表面の
平滑化が可能であるが、熱硬化性ポリウレタン系
樹脂の場合この方法は採用できない。また、前記
熱硬化性ポリウレタン系樹脂がガラスと強固に接
着し難い理由もこの可塑性がないことにある。一
方、紫外線硬化性のポリウレタン系樹脂をバイレ
イヤー層に適用しうる被覆材料として耐摩耗性や
耐加水分解性の優れた特定の熱硬化性ポリウレタ
ン系樹脂が開示されている(特開昭56−149348号
公報や特開昭57−31920号公報参照)。しかし、こ
の組成物も熱硬化性ポリウレタン系樹脂と同様に
一度硬化させると二次的な成形は困難であり、上
記のような問題を解決しうるものではない。 本発明者らは従来より熱硬化性ポリウレタン系
樹脂を使用することなく熱可塑性ポリウレタン系
樹脂をバイレイヤー層として使用することを検討
してきた。熱可塑性ポリウレタン系樹脂は耐貫通
性や耐衝撃性などの機械的特性が優れ表面特性を
除いてはバイレイヤー層の材料として最も優れて
いると考えられる。表面特性の内耐摩耗性や耐汚
染性は熱可塑性ポリウレタン系樹脂の選択や熱可
塑性ポリウレタン系樹脂の表面の改質などで解決
することができた。たとえば、本発明者らの発明
に係る特開昭58−213660号公報、特開昭58−
213661号公報、特開昭59−3050号公報には熱可塑
性ポリウレタン系樹脂の表面に架橋性基を導入し
て架橋する表面特性改良方法が記載されている。
しかし、熱可塑性ポリウレタン系樹脂はある程度
の自己修復性は見られるものの、前記公知例に記
載された特定の熱硬化性ポリウレタン系樹脂の自
己修復性に比べると不充分であり、従つて耐引掻
性の点で不充分なものであつた。 本発明者は熱可塑性ポリウレタン系樹脂の自己
修復性について研究検討を行つた。その結果、熱
可塑性ポリウレタン系樹脂の自己修復性は熱可塑
性ポリウレタン系樹脂の表面の性質ではなく従つ
て表面の何らかの処理で自己修復性を改良するこ
とは困難である見通しを得た。そこで、熱可塑性
ポリウレタン系樹脂そのものの改良によりその自
己修復性を向上すべく鋭意研究検討した結果、前
記特定の熱硬化性ポリウレタン系樹脂と優るとも
劣らない自己修復性を有する熱可塑性ポリウレタ
ン系樹脂を見い出すに至つた。本発明はこの自己
修復性を有する熱可塑性ポリウレタン系樹脂の層
を最外層に有するバイレイヤーガラスなどの積層
安全ガラスに関するものであり、またこの積層安
全ガラス製造用の中間材料として使用されるシー
トあるいはフイルムに関するものである。即ち、
本発明は下記2つの発明を要旨とするものであ
る。 1 一方の露出面が硬質基体層の表面であり、他
方の露出面が合成樹脂層の表面である硬質基体
層と合成樹脂層の少くとも2層構造を有する透
明あるいはは半透明の積層安全ガラスにおい
て、合成樹脂層が下記熱可塑性ポリウレタン系
樹脂(A)の層を最外層とし、場合により他の合成
樹脂層からなる内部層を含んでもよい1層ある
いは多層構造の合成樹脂層であることを特徴と
する積層安全ガラス。 熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A):分子量約
300〜800のジオールまたは平均分子量が約300
〜800となる割合の分子量約1200以下のジオー
ルと鎖伸長剤との組み合せ(ただし、鎖伸長
剤/ジオールの当量比は約1.2以下)、および無
黄変性ジイソシアネート化合物を前者1当量に
対し後者約0.9〜1.1当量反応させて得られる熱
可塑性ポリウレタン系樹脂。 3 透明な下記熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)の
実質的に1層の構造体からなるか、または一方
の最外層が該熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)の
層でありかつ透明な下記熱可塑性ポリウレタン
系樹脂(B)の層を含む少くとも2層の構造体から
なるシートあるいはフイルムであることを特徴
とする積層安全ガラス製造用の材料。 熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A):分子量約
300〜800のジオールまたは平均分子量が約300
〜800となる割合の分子量約1200以下のジオー
ルと鎖伸長剤との組み合せ(ただし、鎖伸長
剤/ジオールの当量比は約1.2以下)、および無
黄変性ジイソシアネート化合物を前者1当量に
対し後者約0.9〜1.1当量反応させて得られる熱
可塑性ポリウレタン系樹脂。 熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B):分子量約
1500〜4000のジオールと鎖伸長剤の組み合せお
よび無黄変性ジイソシアネート化合物を前者1
当量に対し後者約0.9〜1.1当量反応させせて得
られる熱可塑性ポリウレタン系樹脂。 なお、上記第1の発明において、内部層がある
場合その少くとも1層、特にその主要な層は上記
した熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B)が最も好まし
い。また、上記熱可塑性ポリウレタン系樹脂の主
原料であるジオールと鎖伸長剤の組み合せ、およ
び後述ジオール同志や鎖伸長剤同志の組み合せに
おいて、平均分子量とは数平均分子量をいい、次
の式で計算されるものである。 n:数平均分子量 Mi:分子量 Ni:個数(=モル数) 以下の本発明の説明においては積層安全ガラス
として特に自動車用窓材として使用されるパイレ
イヤーガラスについて主に説明する。しかし、用
途はこれに限られるものではなく、他の輸送機器
(たとえば航空機)用の窓材や建築物用の窓材で
あつてもよく、さらに窓材以外の用途の積層安全
ガラスであつてもよい。本発明のバイレイヤーガ
ラスは自己修復性の優れた上記熱可塑性ポリウレ
タン系樹脂(A)の層をバイレイヤー層の最外層に有
する。即ち、バイレイヤーガラスの1つの露出面
は熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)層の表面であ
る。他方の表面は硬質基体、好ましくはガラスの
表面からなる。バイレイヤー層は実質的に熱可塑
性ポリウレタン系樹脂(A)層のみからなつていても
よいが、好ましくは熱可塑性ポリウレタン系樹脂
(B)の層を内部層として有する。バイレイヤー層は
さらに他の内部層を有していてもよいが通常は不
必要である。場合により存在していてもよい内部
層としては硬質基体とバイレイヤー層の接着性を
向上させるための薄い接着剤層である。バイレイ
ヤー層の表面性能は熱可塑性ポリウレタン系樹脂
(A)が分担し、耐衝撃性、耐貫通性等の物理的性能
は主に熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B)が分担す
る。しかし、熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)は公
知のバイレイヤー層用熱硬化性ポリウレタン系樹
脂に比較すると優れた物理的性能を有するので、
実質的に熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)のみでバ
イレイヤー層を構成することもできる。バイレイ
ヤー層全体の厚さは少くとも0.2mm以上であるこ
とが好ましい。自動車用窓材としてのバイレイヤ
ーガラスの場合、その厚さの上限は約2mmである
ことが好ましい。バイレイヤー層の個々の層の厚
さは後述する。 本発明の最も大きな特徴はバイレイヤー層を実
質的に熱可塑性樹脂のみで構成しうる点にある。
これにより、バイレイヤー層を形成するためのシ
ートあるいはフイルムの製造における制約が少く
なり、均一な厚さで表面が平滑なシートあるいは
フイルムを連続的に製造することが容易となる。
また、このシートあるいはフイルムを硬質基体と
積層法で積層する際、平滑な表面を有する型材で
加熱加圧すればバイレイヤー層の表面の平滑さを
さらに向上させることが可能である。本発明のバ
イレイヤーガラスの最も好ましい製造方法は1層
あるいは多層構造の1枚あるいは複数枚のシート
あるいはフイルムと硬質基体とを積層法で積層す
る方法である。このために使用される実質的に熱
可塑性ポリウレタン系樹脂(A)あるいは該(A)と同(B)
を含むシートあるいはフイルムが第2の本発明の
積層安全ガラス製造用の材料である。 以下、熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)、同(B)、
上記バイレイヤーガラスやその製造用材料の製造
方法等を詳細に説明する。その説明から明らかな
ように、本発明は上記の好ましい態様に必ずしも
限定されるものではない。 まず、本発明における自己修復性に優れた特定
の熱可塑性ポリウレタン系樹脂、即ち、上記熱可
塑性ポリウレタン系樹脂(A)について説明する。こ
の熱可塑性ポリウレタン系樹脂は、特定の分子量
範囲のジオールと鎖伸長剤の特定割合の組み合せ
および無黄変性ジイソシアネート化合物を主原料
とするか、または特定分子量範囲のジオールと無
黄変性ジイソシアネート化合物を主原料として得
られるものである。 本発明において鎖伸長剤は分子量約300未満の
イソシアネート基に対して2価の化合物をいう。
好ましい分子量は約250以下であり、特に約200以
下である。また、鎖伸長剤は2種以上を組み合せ
て使用することができる。鎖伸長剤はジアミンな
どの2価の化合物であつてもよいが、好ましくは
ジオールであり、特に2価アルコール(即ち、ポ
リエステルジオールやポリエーテルジオールなど
の重合体ではないもの)である。鎖伸長剤がジオ
ールの場合、鎖伸長剤はより高分子量のジオール
とは分子量の相違以外に実質的に差はない。本発
明においてジオールとジオールである鎖伸長剤の
区別はその分子量の相違によつて行うものとし、
鎖伸長剤よりも高分子量のものをジオールと呼ぶ
(即ち分子量約300以上のものをいう)。この定義
の下で、本発明における熱可塑性ポリウレタン系
樹脂(A)は、分子量約1200以下のジオールと鎖伸長
剤との組み合せ(ただし、鎖伸長剤/ジオールの
当量比は約1.2以下)または分子量約300〜800の
ジオールを原料として得られる。ジオールと鎖伸
長剤との組み合せを使用して得られる熱可塑性ポ
リウレタン系樹脂(A)はジオールのみを原料として
使用して得られるものよりもより好ましい特性を
有する。 鎖伸長剤と組み合せて使用されるジオールの分
子量は約1200以下であることが必要であり、特に
約980以下であることが好ましい。このジオール
は2種以上のジオールの組み合せを使用すること
ができるがその場合全ジオールの平均分子量は約
1200以下であることが必要である。なおこの場
合、前記定義に従い鎖伸長剤とみなされるジオー
ルは含まれない。また2種以上のジオールの組み
合せの場合、一部のジオールの分子量は約1200を
越えてもよいが著るしく高分子量のジオールの使
用は好ましくなく、特に分子量約1500以上のジオ
ールは全ジオールの過半量を越えないことが好ま
しく、特に約30重量%以下が好ましい。2種以上
のジオールの組み合せとは種類および/または分
子量の異るジオールの組み合せをいう。なお、本
発明においてジオールの分子量とは通常の重合体
の分子量と同じ意味の統計的分布を示す分子量を
平均をいい、従つて同一種類の分子量の異るジオ
ールとはこの統計的分布が異るものをいう。鎖伸
長剤と組み合せて使用されるジオールの分子量の
下限は約400であることが好ましく、特に約500で
あることが好ましい。2種以上のジオールが使用
される場合、それらジオールの実質的にすべては
約400〜1200の範囲内にあることが最も好まし
い。 ジオールと鎖伸長剤の組み合せにおいて、それ
らの平均分子量は約300〜800の範囲内にあること
が必要である。この平均分子量のより好ましい上
限は約750であり、特に約700である。また、この
平均分子量のより好ましい下限は約350であり、
特に約400である。ジオールと鎖伸長剤の組み合
せ割合のもう1つの条件は鎖伸長剤/ジオールの
当量比が約1.2以下であることであり、より好ま
しくは、約1.0以下である。この当量比の下限は
特に制限されないが、好ましくは約0.1であり、
特に約0.2である。たお、本発明において、ジオ
ールと鎖伸長剤の組み合せなどの少くとも2種の
化合物の組み合せとはそれらを混合して使用する
ことを必ずしも必要としないことを意味する。た
とえば、ジオールと無黄変性ジイソシアネート化
合物とをまず反応させてプレポリマーを製造し、
次いでこのプレポリマーと鎖伸長剤を反応させる
ことができる。勿論、ジオールと鎖伸長剤の混合
物と無黄変性ジイソシアネート化合物とを反応さ
せてもよい。 鎖伸長剤を使用せず、ジオールのみを無黄変性
ジイソシアネート化合物と反応させて熱可塑性ポ
リウレタン系樹脂(A)を製造することができる。こ
の場合は上記鎖伸長剤/ジオールの当量比が0に
相当するものである。この場合もジオールは2種
以上の組み合せであつてもよい。鎖伸長剤を使用
する場合に比較してジオールのみを使用する場合
は、その好ましい分子量範囲は通常低い方にシフ
トする。なぜなら、熱可塑性ポリウレタン系樹脂
のハードブロツクとして作用する鎖伸長剤がない
ことにより鎖伸長剤とジオールの組み合せの平均
分子量と同じ分子量のジオールのみの使用によつ
てより軟質の樹脂となり易いからである。従つ
て、鎖伸長剤を使用しない場合のジオールのより
好ましい分子量範囲は約300〜700であり、特に約
300〜600である。 無黄変性ジイソシアネート化合物の種類につい
ては後述する。この無黄変性ジイソシアネート化
合物は上記ジオールまたはジオールと鎖伸長剤の
組み合せの1当量に対し約0.9〜1.1当量使用され
る。熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)は上記ジオー
ル等と無黄変性ジイソシアネート化合物とを主原
料として両者を反応させて製造されるものである
が、原料としてこの主原料以外の副原料が少量使
用される場合もある。この副原料については後述
する。得られる熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)は
無色のあるいは着色された本質的に透明な樹脂で
ある必要がある。しかし、それを用いてエンボス
加工されたシートのように表面の凹凸等により不
透明あるいは半透明となつた材料とすることがで
き、また部分的に不透明の材料や部分的に不透明
部分を有するバイレイヤー層のあるバイレイヤー
ガラスを製造してもよい。 バイレイヤーガラスにおいて、上記熱可塑性ポ
リウレタン系樹脂(A)はバイレイヤー層の最外層、
即ち露出面を有する層を構成する。熱可塑性ポリ
ウレタン系樹脂(A)層表面の自己修復性はその層の
厚さによつて左右されることがある。たとえば、
熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)層が薄く、引掻等
による傷がその層を貫通する程に深いものであつ
た場合、その傷の自己修復性は充分に発揮されな
い。従つて、生じうる傷の種類によつて必要な熱
可塑性ポリウレタン系樹脂(A)層の厚さは異る。し
かし、本発明のバイレイヤーガラスにおいては、
その厚さが約0.1mm程度であればほぼ充分な自己
修復性を発揮しうる。より好ましい熱可塑性ポリ
ウレタン系樹脂(A)層の厚さの下限は約0.15mmであ
る。この層の厚さの上限は、バイレイヤー層が実
質的に熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)のみからな
るか、他の内部層を有するか否かによつて異る
が、通常両者共通して約10mm程度であり、通常は
約2mm程度で充分なことが多い。一方、上記ジオ
ール等の分子量や後述ジオール等の種類などの原
料の相違によつては得られる熱可塑性ポリウレタ
ン系樹脂(A)の硬さが変化する場合がある。自己修
復性発揮の面で、この熱可塑性ポリウレタン系樹
脂(A)が硬すぎても軟かすぎても充分な性能を発揮
することが困難である。従つて、熱可塑性ポリウ
レタン系樹脂(A)の硬さは、シヨア−A硬度
(ASTM D2240−75による)で表わして約70〜90
が好ましく、特に約73〜88であることが最も好ま
しい。なお、後述熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B)
層の厚さは約0.1〜10mm程度が好ましく、特に0.2
〜2mmが好ましい。 本発明のバイレイヤーガラスのバイレイヤー層
は上記熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)の層のみか
らなつていてもよく、さらに内部層として他の合
成樹脂層を有していてもよい。他の合成樹脂層と
しては熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)以外の種々
の合成樹脂や接着剤の層がある。この合成樹脂と
しては熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)以外の熱可
塑性ポリウレタン系樹脂、ポリビニルブチラール
系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂、ポリアミ
ド系樹脂、その他の後述硬質基体よりも硬質の合
成樹脂があり、特に熱可塑性ポリウレタン系樹脂
(A)以外の熱可塑性ポリウレタン系樹脂が好まし
い。最も好ましい内部層としての合成樹脂層は下
記第2の熱可塑性ポリウレタン系樹脂、即ち熱可
塑性ポリウレタン系樹脂(B)である。 熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B)は分子量約1500
〜4000のジオールと鎖伸長剤との組み合せと無黄
変性ジイソシアネート化合物とを主原料として反
応させて得られる熱可塑性ポリウレタン系樹脂で
ある。分子量1500〜4000のジオールは種類や分子
量などが異る2種以上のジオールの組み合せであ
つてもよいが、極端に分子量の異る組み合せは好
ましくない。たとえば、分子量が約1200以下のジ
オールと他のジオールとを平均分子量が約1500〜
4000となる割合で組み合せることができるが、そ
の場合分子量約1200以下のジオールの割合は全ジ
オールに対して約30重量%以下が好ましく、特に
約10重量%以下が好ましい。分子量約1200以下の
ジオールがこの割合を越えない限り他方のより高
分子量のジオールの分子量は約4000を越えてもよ
くその割合も特に限定されないが、約4000を越え
るジオールの割合は全ジオールの過半を越えない
ことがより好ましい。特に、組み合せの場、いず
れのジオールも分子量約1500〜4000であることが
好ましい。分子量約1500〜4000のジオールのより
好ましい分子量は約1600〜3000である。熱可塑性
ポリウレタン系樹脂(B)の原料である鎖伸長剤の分
子量は前記の通り約300未満であり、約250以下が
好ましく、特に約200以下が好ましい。前記鎖伸
長剤の場合と同様にこの鎖伸長剤も2種以上の化
合物を組み合せであつてもよい。この分子量約
1500〜4000のジオールと鎖伸長剤との組み合せに
おける両者合計の平均分子量は約300を越えるこ
とが好ましいが必ずしもこれに限定されるもので
はない。多くの場合、特に機械的物性の優れたも
のを得る場合、この平均分子量は通常約400〜800
の範囲内にある。前記熱可塑性ポリウレタン系樹
脂(A)に比較して機械的物性の優れた熱可塑性ポリ
ウレタン系樹脂(B)は鎖伸長剤/ジオールの当量比
が約2〜6の範囲内にあることが好ましい。より
好ましい当量比は約2.2〜4.0の範囲内にあること
が好ましい。鎖伸長剤の当量比が低くすぎる場合
熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B)は柔軟になり過
ぎ、逆に高すぎる場合は硬くなり過ぎる傾向を示
し、いずれの場合もこの熱可塑性ポリウレタン系
樹脂(B)に要求される耐衝撃性その他の機械的物性
が満足し難くなる。平均分子量(即ち数平均分子
量)は前記熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)とほぼ
同一の範囲内にあるが、この場合ジオールの分子
量が高いので重量平均分子量で表わした場合は両
者で差を生じる。熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)
におけるジオールと鎖伸長剤の重量平均分子量は
約1200以下であるが、熱可塑性ポリウレタン系樹
脂(B)の場合の重量平均分子量は多くの場合約1400
以上である。熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B)用の
ジオールと鎖伸長剤の組み合せは上記のようにジ
オールの分子量が大きいことに加えて、鎖伸長
剤/ジオールの当量比が約2以上であることが好
ましいが、しかし、後述のように熱可塑性ポリウ
レタン系樹脂(B)を熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)
の層を硬質基体に接着する目的のみに使用する場
合など熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B)に特に機械
的物性を要求しない場合はこの鎖伸長剤の当量比
の範囲に限られるものではなく、たとえばジオー
ル1当量に対し鎖伸長剤約2当量未満であつても
よい。 上記ジオールと鎖伸長剤の組み合せ1当量に対
する無黄変性ジイソシアネート化合物の使用量は
前記熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)の場合と同様
約0.9〜1.1当量が必要である。この熱可塑性ポリ
ウレタン系樹脂(B)も前記熱可塑性ポリウレタン系
樹脂(A)と同様本質的に透明である必要があるが、
前記と同様それを使用して得られるシートやフイ
ルムは不透明であつてもよく、バイレイヤーガラ
スにおけるこの熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B)層
は部分的に不透明あるいは半透明であつてもよ
い。 以下に上記2つの熱可塑性ポリウレタン系樹脂
(A)および同(B)の原料であるジオールと鎖伸長剤の
種類について説明する。ジオールとしは、ポリエ
ステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポ
リエステルエーテルジオール、ポリエーテルジオ
ール、両末端に水酸基を有するポリブタジエンな
どの両末端部分にアルコール性水酸基を有する炭
化水素系ポリマージオール、その他両末端部分に
2個のアルコール性水酸基を有する主として線状
の分子構造を有する化合物がある。ポリエステル
ジオールは2価アルコール残基と2価カルボン酸
残基とを有する重合体あるいはオキシカルボン酸
残基を有する重合体であり、2価アルコールやそ
の反応性誘導体と2価カルボン酸あるいはその反
応性誘導体(たとえば酸無水物)を反応させて得
られるものや環状エステル(たとえばε−カプロ
ラクトン)を開環重合したりオキシカルボン酸を
重合して得られるものなどである。製造方法は特
に限定されず、たとえばエステル交換法などで製
造されてもよい。また、2種以上の2価アルコー
ル残基、あるいは2種以上の多価カルボン酸残基
を有するポリエステルジオールのようなコポリマ
ーであつてもよい。より好ましいポリエエステル
ジオールは脂肪族ポリエステル(即ち、芳香核を
含まないポリエステルジオール)である。ポリカ
ーボネートジオールは2価アルコール、その他の
ジオールや2価フエノールの残基を有するポリカ
ーボネートジオールであり、たとえばこれらジヒ
ドロキシ化合物とホスゲンとの反応やジヒドロキ
シ化合物とカーボネート化合物のエステル交換反
応などで製造される。好ましいポリカーボネート
ジオールは脂肪族ポリカーボネートジオールであ
り、特に炭素数2〜10、好ましくは4〜8の2価
アルコールまたはモノあるいはポリエーテルジオ
ールの残基を有するポリカーボネートジオールで
ある。ポリエステルエーテルジオールはエステル
基とエーテル基を有するジオールであり、たとえ
ばポリエステルジオールに環状エーテルを付加し
て得られるもの、ポリエーテルジオールに環状エ
ステルを付加して得られるもの、ポリエーテルジ
オールあるいはその反応性誘導体と2価カルボン
酸あるいはその反応性誘導体とを反応させて得ら
れるものである。好ましいポリエステルエーテジ
オールはポリエステル残基が過半量を越えるもの
と炭素数4〜6のオキシポリメチレン基(特にオ
キシテトラメチレン基)からなるポリエーテル残
基が過半量を越えるものである。ポリエーテルジ
オールは2価のイニシエーターに炭素数2〜6の
環を有する環状エーテルを付加して得られる化合
物であり、代表的な環状エーテルとしては炭素数
2〜4のモノエポキシド(たとえばエチレンオキ
シドやプロピレンオキシド)とテトラヒドロフラ
ンがある。好ましいポリエーテルジオールは炭素
数4〜6のオキシポリメチレン基を有するもの、
特にポリオキシテトラメチレンジオール、オキシ
プロピレン基あるいはオキシプロピレン基とオキ
シエチレン基とを有するポリキシアルキレンジオ
ール、およびこれらオキシアルキレン基とオキシ
テトラメチレン基を有するポリエーテルジオール
である。炭化水素系ポリマージオールはブタジエ
ンなどのジエンの重合体やジエンとスチレン、ア
クリロニトリル、その他のビニル系モノマーの共
重合体などからなる炭化水素系ポリマージオール
であり、たとえば特定重合停止剤を使用すること
により末端部分を水酸基を導入して得られる。ジ
オールの種類は以上のものに限られるものではな
く、たとえばポリカーボネートジオールや炭化水
素系ポリマージオールに上記環状エーテルを付加
して得られるジオールも使用しうる。また、ジオ
ールは2種類以上組み合せて使用することができ
ることは勿論である。 前記熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)は前記のよ
うに特に自己修復性などの表面特性の改良の面で
特徴を有する。しかし、この熱可塑性ポリウレタ
ン系樹脂(A)はその高分子構造からみると一般的に
は耐衝撃性、耐貫通性、その他の機械的物性は熱
可塑性ポリウレタン系樹脂(B)などよりも劣る。従
つて、バイレイヤー層が実質的にすべて熱可塑性
ポリウレタン系樹脂(A)のみからなるか、または熱
可塑性ポリウレタン系樹脂(B)が内部層として使用
されたとしてもその厚さが極めて薄いものである
場合などのように、バイレイヤー層の機械的要求
物性を熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)に主として
分担される場合には熱可塑性ポリウレタン系樹脂
(A)の原料のジオールとして熱可塑性ポリウレタン
系樹脂(A)に高い機械的物性を付与しうるジオール
を選択することが好ましい。そのようなジオール
としては、前記ジオールの内、ポリエステルジオ
ール、ポリカーボネートジオール、炭素数4〜6
のオキシポリメチレン基を有するポリエーテルジ
オール、およびそれらの構造単位(即ち、エステ
ル基、カーボネート基、オキシポリメチレン基)
の割合が過半を越える(即ち50重量%を越える)
共重合系ジオール(たとえば前記ポリエステルエ
ーテルジオール)が好ましい。以下これらのジオ
ールを高物性付与ジオールという。一方、熱可塑
性ポリウレタン系樹脂(A)が主として表面特性の発
揮の効果を分担し、バイレイヤー層の機械的物性
はその他の機械的物性の高い内部層、特に熱可塑
性ポリウレタン系樹脂(B)に分担させる場合は、熱
可塑性ポリウレタン系樹脂(A)の原料であるジオー
ルは高物性付与ジオールである必要は必ずしもな
い。しかし、以下の理由で、この場合も高物性付
与ジオールであることが好ましい。前記のように
本発明における熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)は
公知の自己修復性を有する熱硬化性ポリウレタン
系樹脂と同等以上の自己修復性を有し、耐摩耗性
も比較的優れている。しかし、耐摩耗性はジオー
ルの種類により変化し、特に高物性付与ジオール
の使用により特に高い耐摩耗性を発揮しうる。従
つて、熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)としては耐
摩耗性、その他の自己修復性以外の特性にも優れ
たものであることが好ましく、よつて高物性付与
ジオールの使用が好ましい。また、熱可塑性ポリ
ウレタン系樹脂(B)の原料であるジオールも高い機
械的物性達成のため同様に上記高物性付与ジオー
ルであることが好ましい。 高物性付与ジオールは単独で使用することがで
き、またそれらの2種以上を組み合せて使用する
ことができる。高物性付与ジオールはまた、それ
以外のジオールの少量と組み合せて使用すること
ができ、その場合他のジオールの割合は50重量%
未満、特に約30重量%以下であることが好まし
い。高物性付与ジオールが前記共重合系ジオール
の場合、この組み合せは全体を平均して高物性付
与に寄与する基の割合がこの範囲にあることが好
ましい。最も好ましい高物性付与ジオールはポリ
エステルジオール、ポリカーボネートジオール、
およびそれらの組み合せである。高物性付与ジオ
ールとしてはたとえば次のようなものがあるが、
これらに限られるものではない。 ポリ(1・4−ブチレンアジペート)ジオー
ル、ポリ(1・4−ブチレンアゼレート)ジオー
ル、ポリ(1・6−ヘキシレンアジペート)ジオ
ール、ポリ(エチレンアジペート)ジオール、ポ
リ{(1・4−ブチレン/エチレン)アジペレー
ト}ジオール、ポリ(ε−カプロラクトン)ジオ
ール、ポリ(1・4−ブチレンアジペート)−(ε
−カプロラクトン)共重合ジオール、ポリ(1・
6−ヘキシレンカーボネート)ジオール、ポリ
(1・4−ブチレンカーボネート)ジオール、ポ
リ(エチレンカーボネート)ジオール、ポリ(オ
キシテトラメチレン)ジオール、ポリ(オキシエ
チレン・オキシプロピレン)ジオール−(ε−カ
プロラクトン)共重合系ジオール、ポリ(オキシ
テトラメチレン)ジオールのエチレンオキシドお
よびプロピレンオキシド付加物。 高物性付与ジオール以外のジオールとしては、
特に2価アルコール、2価フエノール、その他の
2価のイニシエーターに環状エーテルを付加して
得られる化合物が適当であり、たとえば、エチレ
ングリコール、プロピレングリコール、ジエチレ
ングリコール、ジプロピレングリコール、1・4
−プタンジオール、ビスフエノールA、ビスフエ
ノールS、などのイニシエーターにプロピレンオ
キシドおよび/またはエチレンオキシドを付加し
て得られるポリエーテルジオールが適当である。
炭化水素系ポリマージオールとしては、たとえば
ブタジエン、あるいはそれとスチレンやアクリロ
ニトリルを重合して得られるジオールが適当であ
る。 鎖伸長剤はイソシアネート基と反応性の官能基
を2個有する分子量約300未満の低分子量化合物
である。この反応性の官能基としては、アルコー
ル性水酸基、アミノ基、イミノ基、カルボン酸
基、メルカプト基などがある。これらの官能基を
2個有する(官能基は異つていてもよい)化合物
としては、たとえば2価アルコールなどのジオー
ル、ジアミン、2価のアルカノールアミン、ジチ
オールなどがあり、また水も2価の鎖伸長剤とな
りうる。好ましい鎖伸長剤はジオールとジアミン
であり、特にジオールが好ましい。本発明におけ
る鎖伸長剤の分子量は、熱可塑性ポリウレタン系
樹脂(B)の原料の場合でも約300未満が好ましい。
鎖伸長剤がジオールの場合は約250以下特に約200
以下が好ましい。ジオール系の鎖伸長剤として
は、たとえばエチレングリコール、プロピレング
リコール、1・3−プロピレンジオール、1・4
−ブタンジオール、1・2−ブタンジオール、
1・6−ヘキサンジオール、1・4−シクロヘキ
サンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピ
レングリコール、ビス(2−ヒドロキシエトキシ
フエニル)−2・2−プロパン、などがある。好
ましいジオール系の鎖伸長剤は炭素数2〜8の脂
肪族ジオール、たとえば、1・4−ブタンジオー
ル、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコールなどの2価アルコー
ルであり、特に1・4−ブタンジオールが好まし
い。ジアミン系鎖伸長剤としてはエチレンジアミ
ン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジ
アミン、4・4′−ジアミノジフエニルメタン、イ
ソホロンジアミンなどがある。場合によつては、
通常の反応条件ではイソシアネート基と反応しな
いカルボン酸基を有するジオールを鎖伸長剤とし
て使用でき、たとえば、ジメチロールプロピオン
酸やジメチロール酢酸を使用しうる。この鎖伸長
剤を使用して得られるカルボン酸基を有する熱可
塑性ポリウレタン系樹脂(A)は前記本発明者らの発
明に係る表面処理を適用しうる。また、カルボン
酸基含有熱可塑性樹脂は一般にバイレイヤー層や
合せガラス用中間膜として好ましい特性を有する
場合がある。 熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)および同(B)の他
の主原料は無黄変性ジイソシアート化合物である
無黄変性ジイソシアネート化合物とは芳香核に結
合したイソシアネート基を有しないジイソシアネ
ート化合物である。たとえば、脂肪族ジイソシア
ネート化合物と脂環族ジイソシアネート化合物が
好ましいが、キシリレンジイソシアネートなどの
芳香族ジイソシアネート化合物であつてもよい。
また、無黄変性ジイソシアネート化合物として
種々の方法や化合物で変性された無黄変性ジイソ
シアネート化合物を使用しうる。たとえば、プレ
ポリマー型変性体、カルボジイミド変性体、ウレ
ア変性体、その他の2価の変性体を使用しうる。
脂肪族ジイソシアネート化合物としては、たとえ
ばヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチ
レンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシ
アネート、2・2・4−トリメチルヘキサメチレ
ンジイソシアネートなどがある。脂環族ジイソシ
アネート化合物としては、たとえば、イソホロン
ジイソシアネート、4・4′−メチレンビス(シク
ロヘキシルイソシアネート)、ビス(3−メチル
−4−イソシアネートシクロヘキシル)メタン、
2・2−ビス(4−イソシアネートシクロヘキシ
ル)プロパン、1・4−シクロヘキシルジイソシ
アネートなどがある。無黄変性の芳香族ジイソシ
アネートとしてはたとえばキシリレンジイソシア
ネートがある。好ましい無黄変性ジイソシアネー
ト化合物は脂肪族あるいは脂環族のジイソシアネ
ート化合物であり、特に脂環族ジイソシアネート
化合物が好ましく、その内でもイソホロンジイソ
シアネートと4・4′−メチレンビス(シクロヘキ
シルイソシアネート)が最も好ましい。 熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)および同(B)は上
記主原料を反応させて得られる。しかし、これら
主原料以外に他の副原料を任意に使用して製造す
ることもできる。多くの場合、使用される副原料
の1つは反応触媒である。たとえば、ジブチル錫
ジラウレートやスタナスオクトエートなどの有機
錫化合物やその他の金属化合物、または第3級ア
ミンが触媒として適している。第2の副原料は紫
外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、その他の安
定剤である。これらは、場合によつては主原料の
少くともいずれかと反応性の官能基(たとえば水
酸基、アミノ基、イソシアネート基など)を有し
ていてもよい。これら安定剤としては、たとえば
ベンゾトリアゾール系化合物、ベンゾキノン系化
合物、テトラアルキルピペリジン系化合物、ヒン
ダートフエノール系化合物、ヒンダートアミン系
化合物などがある。さらに、他の副原料として
は、たとえば前記染料などの着色剤、シリコーン
油や他のブロツキング防止剤などがあり、これら
は熱可塑性ポリウレタン系樹脂製造後に配合ない
し含浸してもよい。これら副原料が使用される場
合、その使用量は全原料に対し各々約5重量%以
下が通例であるが、反応性の安定剤などは場合に
よつてはこれよりも多く使用しうる。さらに他の
副原料として、場合により3価以上のポリオー
ル、イソシアネート基と反応性の官能基を3個以
上有する低分子量化合物(以下架橋剤という)、
3価以上のポリイソシアネート化合物などを使用
しうる。3価以上のポリオールとしては、ポリエ
ステルポリオールやポリエーテルポリオールがあ
る。架橋剤としては多価アルコール、ポリアミ
ン、あるいはそれらに少量のアルキレンオキシド
を付加して得られる化合物がある。ポリイソシア
ネート化合物としてはたとえば3価以上のアルコ
ールで変性した前記のような無黄変性ジイソシア
ネート化合物などがある。これらを使用した場
合、得られる熱可塑性ポリウレタン系樹脂の硬さ
が増大し、熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)にとつ
て好ましい場合がある。しかし、これら3価以上
の化合物を併用する場合は熱可塑性ポリウレタン
系樹脂の熱可塑性が低下し、その使用量が多くな
ると熱硬化性ポリウレタン系樹脂となる。従つ
て、これら化合物は得られる熱可塑性ポリウレタ
ン系樹脂の熱可塑性が失なわれない程度に少量使
用される必要がある。通常の場合、この反応性の
3価以上の化合物の使用は不必要であり、実質的
に使用されないことが好ましい。 熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)および同(B)の製
造方法は特に限定されない。たとえば、通常のポ
リウレタン系樹脂の製造方法の分類に従えば、プ
レポリマー法、準プレポリマー法、ワンシヨツト
法、反応射出成形法などを使用しうる。熱可塑性
ポリウレタン系樹脂(A)および同(B)の層を形成する
方法も特に限定されない。しかし、バイレイヤー
ガラスの製造方法を含めてこの方法を2つに大別
して下記のように間接法と直接法とに分ければ、
本発明は間接法による層の形成が好ましい。本発
明において間接法とは一度熱可塑性ポリウレタン
系樹脂(A)あるいはそれと同(B)との積層体からなる
シートやフイルムを製造し、これらと硬質基体ま
たは硬質基体を有するシート材料とを積層する方
法をいう。後述の第2の本発明である積層安全ガ
ラス製造用材料とはこの実質的にこの熱可塑性ポ
リウレタン系樹脂(A)のみからなるか、この熱可塑
性ポリウレタン系樹脂(A)と同(B)の少くとも2層を
含む多層構造体からなるシートあるいはフイルム
をいう。この好ましい本発明の態様については後
述する。本発明において直接法とは少くとも熱可
塑性ポリウレタン系樹脂(A)が一度シートあるいは
フイルムの形態を経ることなく直接に硬質基体あ
るいは硬質基体あるいは硬質基体を含むシート材
料表面で層として形成される方法をいう。即ち、
後述の第2の本発明である積層安全ガラス製造用
材料を経ない方法をいう。たとえば、熱可塑性ポ
リウレタン系樹脂(A)と硬質基体の2層構造のバイ
レイヤーガラスを直接法で製造する方法の1つと
して硬質基体の表面で熱可塑性ポリウレタン系樹
脂(A)の原料の液状混合物(プレポリマー法におけ
るプレポリマーと鎖伸長剤との混合物なども意味
する)や熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)の溶液を
塗布して層を形成する方法がある。他の方法とし
ては、硬質基体と型材とをほぼ平行に配置し周囲
を密封して形成されるキヤビテイーに原料の液状
混合物を注入し、硬化後型材を外す注型方法があ
る。同様に硬質基体と熱可塑性ポリウレタン系樹
脂(B)の積層体からなるシート材料を使用してこれ
らの方法により3層構造体を製造しうる。硬質基
体と熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B)との積層体か
らなるシート材料自体はいかなる方法で製造され
てもよく、たとえば上記直接法は勿論、熱可塑性
ポリウレタン系樹脂(B)のシートあるいはフイルム
と硬質基体とを積層して製造されたものであつて
もよい。これら直接法は、後述間接方法に比べる
とあまり有利な方法とはいえない。たとえば、上
記塗布方法は自動車用フロントガラスなどの曲面
を有する硬質基体上に均一な厚さの層を形成する
ことが比較的困難であり、上記注型方法は製造プ
ロセスが繁雑であり経済的にあまり有利ではない
などの問題がある。 本発明のバイレイヤーガラスは上記間接法で製
造されることが好ましい。この間接法の採用にお
いては第2の本発明である積層安全ガラス製造用
材料(以下バイレイヤー用シートという)が使用
される。バイレイヤー用シートは実質的に熱可塑
性ポリウレタン系樹脂(A)のみからなるか少くとも
該(A)の層を片面に有しかつ熱可塑性ポリウレタン
系樹脂(B)の層を含む少くとも2層構造のシートあ
るいはフイルムをいう。シートとは一般に厚さ
0.2mm以上のものをいい、フイルムは厚さ0.2mm未
満のものをいうが、本発明においては以下特に言
及しない限りフイルムを含む意味でシートという
言葉を使用する。バイレイヤー用シートの1つは
熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)からなるが、場合
によつては片面にあるいは内部層として薄い他の
材料(熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B)以外の材
料)の層を有していてもよい。このバイレイヤー
用シートを以下バイレイヤー用シート(A)という。
バイレイヤー用シート(A)は押出成形法やキヤスト
成形法で製造されることが好ましい。たとえば、
熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)からなる粒状ある
いは粉末状等の成形材料を製造し、これを押出成
形して長尺のバイレイヤー用シート(A)を連続的に
製造することができる。熱可塑性ポリウレタン系
樹脂(A)の原料を直接押出成形装置に供給してシー
トを製造する方法も知られており、この方法を使
用することもできる。キヤスト成形法は平坦な面
上に熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)の原料の液状
混合物、その溶液、熱可塑性ポリウレタン系樹脂
(A)の溶液などの液状物を展延し硬化させてシート
化する方法で、移動するベルトなどの面を使用し
て長尺のシートを連続的に製造することもでき
る。バイレイヤー用シート(A)の製造方法は連続し
た長尺シート(即ち、実質的に無限の長さのシー
ト)を製造することのできる上記の2つの方法で
あることが好ましいが、必ずしもこれらの方法に
限られるものではない。たとえば、射出成形、カ
レンダー成形、その他の成形方法を使用してもよ
い。 熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B)の層を含む多層
構造のバイレイヤー用シートは実質的に熱可塑性
ポリウレタン系樹脂(A)と同(B)の2層構造体である
ことが好ましい。しかし、両層の間や熱可塑性ポ
リウレタン系樹脂(B)の表面にさらに第3の他の材
料の層が存在する3層構造体であつてもよく、ま
た熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)の層が片面にあ
る限り、さらに多層の構造体であつてもよい。熱
可塑性ポリウレタン系樹脂(A)と同(B)の2層からな
るバイレイヤー用シートを以下バイレイヤー用シ
ート(A/B)といい、その製造方法について以
下説明する。バイレイヤー用シート(A/B)の
製造方法の1つとして前記のようなバイレイヤー
用シート(A)と熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B)から
なるシート(以下バイレイヤー用シート(B)とい
う)とを別々に前記の押出成形法やキヤスト成形
法などによつて製造し両者を加熱加圧などで積層
して製造する方法がある。第2の方法として押出
成形法やキヤスト成形法を使用した一体成形法が
ある。たとえば、共押出成形によりバイレイヤー
用シート(A/B)を一度に製造することができ
る。また、キヤスト成形法を使用した一体成形法
としてはいずれか一方の熱可塑性ポリウレタン系
樹脂の原料混合物等をまず平坦な面上にキヤスト
し、それがある程度硬化した後他方の熱可塑性ポ
リウレタン系樹脂の原料等をその表面にキヤスト
して2層が一体化したシートを製造する方法であ
る。始めにキヤストした原料等が後でキヤストし
た原料等と混合したり表面が乱されたりしない程
度に硬化した後次のキヤストが行なわれるが、両
層の接着強度を上げるためには始めにキヤストし
た原料等が完全に硬化する前の段階で後のキヤス
トが行なわれることが好ましい。これら共押出成
形や一体キヤスト成形によつて、連続的にバイレ
イヤー用シート(A/B)を製造することができ
る。バイレイヤー用シート(A/B)の連続成形
法としてはさらに他の方法もある。たとえば、バ
イレイヤー用シート(A)あるいは同(B)の連続シート
をまず製造し、その連続シートの片面に他方の熱
可塑性ポリウレタン系樹脂の原料等を連続的に塗
布して層を形成する方法がある。勿論、このバイ
レイヤー用シート(A/B)は連続法ではなく射
出成形法その他で短いシート状に製造することも
できる。なお、バイレイヤー用シート(B)の製造は
前記バイレイヤー用シート(A)と同様の方法、特に
押出成形法あるいはキヤスト成形法で製造される
ことが好ましい。 バイレイヤー用シート(A)またはバイレイヤー用
シート(A/B)と硬質基体とを積層してバイレ
イヤーガラスが製造される。積層時、第2の合成
樹脂製シートをこれら2つの材料の間に介在させ
ておいてもよく、少くとも一方の材料に第2の合
成樹脂の層を形成した後他の材料と積層してもよ
い。第2の合成樹脂の代表例は熱可塑性ポリウレ
タン系樹脂(B)である。たとえば、バイレイヤー用
シート(A)と硬質基体との間にバイレイヤー用シー
ト(B)を介在させ、3者を同時に積層一体化するこ
とができる。また、バイレイヤー用シート(B)と硬
質基体とを積層した後バイレイヤー用シート(B)面
上にバイレイヤー用シート(A)を積層して同様の3
層構造体とすることができる。また、バイレイヤ
ー用シート(A)の片面あるいはバイレイヤー用シー
ト(A/B)の熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B)面
の上に薄い接着剤を形成した後硬質基体と積層す
ることができ、また接着剤層はあらかじめ硬質基
体表面に形成してもよい。バイレイヤー用シート
(A)やバイレイヤー用シート(A/B)の積層面で
ない側の面(即ち、バイレイヤーガラスの露出面
となる面)である熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)
層の表面は、必要によつては、硬質基体との積層
が行なわれる前に表面処理等の処理が行なわれて
もよい。たとえば、染料溶液を含浸させて全体を
あるいは部分を着色させることができる。また、
前記本発明者らの発明に係る公知の表面処理など
を行うこともできる。これら表面処理は勿論積層
後に行つてもよく、場合によつては積層と同時に
行うこともできる。なお、このような表面処理さ
れたバイレイヤー用シート(A/B)を製造する
場合、バイレイヤー用シート(A)の片面をまず表面
処理し次いで他面に熱可塑性ポリウレタン系樹脂
(B)の層を形成してもよい。 上記積層方法は特に限定されないが、通常は加
熱加圧によつて行なわれることが好ましい。接着
剤が使用される場合、必ずしも加熱が必要とされ
ない場合もある。加熱加圧の代表的方法の1つ
は、従来広く使用されている合せガラスの製造法
に準じる方法である。合せガラスは通常2枚のガ
ラスシート間に中間膜を介在させこれをオートク
レーブ中で加熱加圧して製造される。この方法に
おいて、1枚のガラスシートを剥離性の型材に置
き換え、積層後型材を外すことによりバイレイヤ
ーガラスが得られる型材としては、離型剤塗布ガ
ラスシートは勿論、金属、プラスチツク、ゴム、
その他の材料であつてもよい。また、このオート
クレーブを用いた積層法ばかりでなく、ロール積
層法、その他の公知のバイレイヤーガラス製造法
を適用しうる。 第1図〜第4図に本発明のバイレイヤーガラス
の4例を模式的断面図で示す。第1図は2層構造
のバイレイヤーガラスの断面図であり、これは熱
可塑性ポリウレタン系樹脂(A)層1と硬質基体層2
からなる。第2図は3層構造のバイレイヤーガラ
スの断面図であり、熱可塑性ポリウレタン系樹脂
(A)層1、硬質基体層2、および内部層である熱可
塑性ポリウレタン系樹脂(B)層3からなる。第3図
は、熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B)層3と硬質基
体層2との間に薄い接着剤層4を有する合計4層
からなるバイレイヤーガラスの断面図である。第
4図は第2図に示したバイレイヤーガラスの硬質
基体2の代りに、2枚のガラスシート6,7とそ
の間に存在する中間膜8とからなる合せガラス9
を硬質基体として使用した合計5層構造のバイレ
イヤーガラスである。これら4例は本発明のバイ
レイヤーガラスの代表例を示すが、本発明のバイ
レイヤーガラスはこれらの構造のみに限られるも
のではない。第5図〜第6図は積層法によりバイ
レイヤーガラスを製造する場合の各材料の組み合
せの代表的3例を示す模式的断面図である。第5
図はバイレイヤー用シート(A)10と硬質基体11
との組み合せを示す図であり、この組み合せによ
り上記第1図で示した構造のバイレイヤーガラス
が得られる。第6図はバイレイヤー用シート
(A/B)12と硬質基体11との組み合せを示
す図、第7図はバイレイヤー用シート(A)10、バ
イレイヤー用シート(B)13、および硬質基本11
との3者の組み合せを示す図であり、いずれも上
記第2図で示した構造のバイレイヤーガラスが得
られる。 硬質基体はガラス(即ち無機ガラス)や有機ガ
ラスからなる。この有機ガラスは熱可塑性ポリウ
レタン系樹脂(A)および同(B)よりも硬質の合成樹脂
からなり、たとえばポリカーボネート系樹脂やポ
リメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂な
どがある。硬質基体は第4図に示したように間に
中間膜層を有する合せガラスのような積層体であ
つてもよい。この中間膜層の材料はポリビニルブ
チラール系樹脂のような軟質の合成樹脂からな
る。この軟質の合成樹脂からなる中間膜層は2枚
の硬質基体の間にあるものをいい、バイレイヤー
層に接するポリビニルブチラール系樹脂などはバ
イレイヤー層に属する。硬質基体の露出面を構成
する層はガラスであることが最も好ましい。多層
構造の硬質基体の場合、内部の硬質基体の層は有
機ガラスであつてもよい。たとえば、硬質基体は
ガラス−中間膜−有機ガラスからなる多層構造体
であつてもよい。本発明において、最も好ましい
硬質基体は1枚のガラスシートからなる。次いで
好ましい硬質基体はガラス−中間膜−ガラスの構
成を有する合せガラスである。硬質基体全体の厚
さは少くとも約0.2mm、特に約0.5mm以上であるこ
とが好ましい。硬質基体がガラスシートからなる
場合、その1層の厚さは約0.5〜5mmであること
が好ましい。有機ガラスの場合、その1層の厚さ
はこの範囲を越えてもよい。硬質基体全体の厚さ
の上限は特にないが、通常の自動車用窓材の用途
においては約10mm以下である。しかし、航空機用
窓材などの用途においては場合により3層以上の
多層構造の硬質基体が使用され、その厚さは約10
mmを越えることもある。また、後述するような窓
材以外の用途の積層安全ガラスにおいてはこの厚
さの範囲以外であつてもよく、一定の厚さを有し
ない硬質基体であつてもよい。 硬質基体としてのガラスはケイ酸塩系の無機ガ
ラスが適当であり、特に従来より自動車用窓材あ
るいは建築用窓材として使用されているようなケ
イ酸塩系無機ガラスが好ましい。しかし、用途に
よつては鉛ガラス、ホウケイ酸系ガラス、ホウ酸
系ガラス、ケイ酸ガラス、その他の光学ガラスや
他のガラスであつてもよい。これらガラスは、風
冷強化、化学強化等により強化されたものであつ
てもよい。また、ガラスは着色されたものであつ
てもよく、少くとも片面に反射防止膜や熱線反射
膜などの機能性膜を有していてもよい。ガラスは
通常透明であることが好ましいが、建築用窓材な
どの用途においては半透明であつてもよい。有機
ガラスの材料は特に透明性に優れたポリカーボネ
ート系樹脂とアクリル系樹脂が好ましい。これら
は延伸加工されたものであつてもよく、露出面と
なる面にハードコート膜などの機能性膜を有して
いてもよい。 本発明の積層安全ガラスは自動車用窓材として
特に優れている。しかし、建築用、その他の窓材
としても使用しうる。この窓材として使用される
積層安全ガラス用の硬質基体は一定厚さのシート
状物、またはその成形物からなる。しかし、硬質
基体は他の形状のものであつてもよい。その代表
例は、レンズである。たとえば、眼鏡用レンズと
して自己修復性を有する熱硬化性ポリウレタン系
樹脂層を片面に有するガラスレンズが知られてい
る。本発明の積層安全ガラスもこのような眼鏡用
レンズ、その他の光学素子であつてもよい。さら
に他の用途の例としては、たとえば前記特開昭53
−27671号公報第9頁右下欄に例示されているよ
うな用途があり、本発明の積層安全ガラスもこの
ような用途に使用しうる。 以下に本発明を実施例などで具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例のみに限られるもので
はない。 実施例 熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)の製造 1 分子量〔以下Mで表す〕約873.3のポリ
(オキシテトラメチレン)グリコール10000g
を3mmHgの真空下110℃で撹拌、脱気脱水し
た。これに、800gの1・4−ブタンジオー
ル〔以下、1・4−BDという〕、5570gの
4・4′−メチレンビス(シクロヘキシルイソ
シアネート)〔以下H12MDIという〕、および
0.49gのジブチルチンジラウレート(以下触
媒という)を加え、80℃で5分間撹拌混合し
た。反応の開始とともに発熱がみられ、実質
的に均一な液体反応混合物が得られた。これ
をフツ素樹脂被覆された乾燥容器に仕込み、
反応が本質的に完了するまで15時間120℃の
窒素パージ炉中に静置した。生成した樹脂を
粉砕機により粉砕して粒状化した。これを通
常の方法で押出機によりシリンダー最高温度
180℃でシート化し、厚さ0.2mmの透明シート
に成形した。なお、この場合の鎖伸長剤/ジ
オールの当量比〔以下単に当量比という〕は
約0.74、鎖伸長剤とジオールの平均分子量
〔以下nという〕は約518.4である。 以下このシートをシート(A−1)とい
う。 2 Mが約837.3のポリ(オキシテトラメチレ
ン)グリコール45.00gを3mmHgの真空下
110℃で撹拌、脱気脱水した。これに、3.60
gの1・4−BD、25.07gのH12MDI、およ
び0.002gの触媒を加え、80℃で5分間撹拌
混合した。反応の開始とともに発熱がみら
れ、実質的に均一な液体反応混合物が得られ
た。これを表面離型処理した500×500mmのガ
ラス板上にあけ、ナイフコーターで均一にキ
ヤストし、反応が本質的に完了するまで1時
間160℃の窒素パージ炉中に静置した。放冷
後ガラス板より剥離して厚さ0.2mmの透明か
つ鏡面を有するシートを得た。 なお、この場合の当量比は約0.74、nは
約518.1である。 以下、このシートをシート(A−2)とい
う。 3 上記2のキヤスト成形方法を使用し、2と
同一原料同一条件で厚さ0.6mmのシートを製
造した。以下、このシートをシート(A−
3)という。 4 上記1の押出成形方法と上記2のキヤスト
成形方法を使用し、押出成形方法では厚さ
0.3mm、キヤスト成形方法では厚さ0.7mmの透
明なシートを製造した。各シートの名称、成
形法、原料の種類と使用量(重量部)を下記
に示す。E法とは押出成形方法、C法とはキ
ヤスト成形方法を示す。 A−4:E法 A−5:C法 ポリカプロラクトンジオール(M約526.0)
6000 1・4−BD 240 H12MDI 3764 触媒(当量比約0.23、n約443.5) 0.30 A−6:E法 A−7:C法 ポリカプロラクトンジオール(M約817.8)
6000 1・4−BD 600 H12MDI 3744 触媒(当量比約0.9、n約471.1) 0.31 A−8:E法 A−9:C法 ポリカプロラクトンジオール(M約817.8)
5000 ジプロピレングリコール 800 H12MDI 3231 触媒(当量比約0.97、n約480.1) 0.27 A−10:E法 A−11:C法 ポリカプロラクトンジオール(M約817.8)
5000 1・4−BD 500 イソホロンジイソシアネート 2645 触媒(当量比約0.90、n約471.3) 0.24 A−12:E法 A−13:C法 ポリ(オキシプロピレン)グリコール(M約
700) 5000 1・4−BD 500 H12MDI 3395 触媒(当量比約0.78、n約433.1) 0.40 A−14:E法 A−15:C法 ポリエーテルジオール(M約820) 4000 〔2価アルコールにエチレンオキシドとプロ
ピレンオキシドの混合物(重量比70/30)を
付加して得られたもの〕 1・4−BD 320 H12MDI 2255 触媒(当量比約0.72、n約511.8) 0.30 A−16:E法 A−17:C法 ポリ(1・6−ヘキサンカーボネート)ジオ
ール(M約950) 5000 ジプロピレングリコール 300 イソホロンジイソシアネート 1700 触媒(当量比約0.42、n約706.7) 0.21 A−18:E法 A−19:C法 ポリカプロラクトンジオール(M約400)
4000 H12MDI 2675 触 媒 0.20 熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B)の製造 1 Mが約2003.6のポリ(1・6−ヘキサンカ
ーボネート)ジオール6000gとMが約2077.8
のポリ(ブチレンアジペート)ジオール4000
gを3mmHgの真空下110℃で撹拌、脱気脱水
した。これに、H12MDI5310gおよび触媒
0.10gを加え、窒素気流下80℃で20分間反応
させた。次に、この反応混合物に、1・4−
BD1350gを加えて速やかに撹拌混合した。
反応の開始とともに発熱がみられ、実質的に
均一な混合物が得られた。この液体反応混合
物をフツ素樹脂被覆された乾燥容器に仕込
み、反応が本質的に終了するまで15時間120
℃の窒素パージ炉中に静置した。生成した樹
脂を粉砕機により粉砕し粒状化し、通常の方
法で押出機により、シリンダー最高温度180
℃でシート化し、厚さ0.5mmの透明シートに
成形した。なお、この場合の当量比は約
3.05、nは約569.8である。 以下、このシートをシート(B−1)とい
う。 2 上記と同様な方法で下記原料を使用し、厚
さ0.6mmの透明なシートを製造した。以下、
このシートをシート(B−2)という。 ポリ(1・4−ブチレンアジペート)ジオー
ル(M約2077.8) 4000g 1・4−BD 408g H12MDI 1744g 触媒(当量比約2.35、n約682.4) 0.04g 3 同様に下記原料を使用し、厚さ0.6mmの透
明シート、シート(B−3)を製造した。 ポリ(エチレンアジペート)ジオール(M約
2003.6) 1500g 1・4−BD 236.1g イソホロンジイソシアネート 763.8g 触媒(当量比約3.49、n約515.2) 0.15g 4 同様に、下記原料を使用し、厚さ0.7mmの
透明なシート、シート(B−4)を製造し
た。 ポリエーテルジオール(M約2077.8) 2000g 〔2価アルコールにエチレンオキシドとプチ
レンオキシドの混合物(重量比70/30)を付
加して得られたもの〕 1・4−BD 204g H12MDI 872g 触媒(当量比約2.36、n約682.4) 0.02g バイレイヤーガラスの製造 1 30cm×30cmのシート(A−1)と同じ大き
さのシート(B−1)を重ね、厚さ3mm、大
きさ30×30cmの2枚のガラス板の間に挟み、
オートクレーブ中に導入した。この際、シー
ト(A−1)に接触するガラス板の面には、
あらかじめポリジメチルシロキサンを均一に
塗布し350℃で熱処理を施して離型処理をし
た。他方のガラス板のシート(B−1)に接
触する面には、あらかじめγ−グリシドキシ
プロピルシランを均一に塗布した。オートク
レーブは当初真空にしてガラス板とシート間
の空気を除去し、続いて真空中にて120℃に
加熱し、予備圧着をした。開孔後、オートク
レーブを140℃、13Kg/cm2の条件で約30分保
ち、ガラスとシートを完全に融着させ、その
後オートクレーブから出して離型処理した方
のガラス板を取り外し、シート(A−1)/
シート(B−1)/ガラス板からなるバイレ
イヤーガラスを得た。以下、このバイレイヤ
ーガラスの構成を(A−1)/(B−1)/
Gのように示す。このバイレイヤーガラスの
性能を第1表に示す。 2 上記と同様の方法により、各シートAとシ
ートBとガラス板、またはシートAのみとガ
ラス板から、バイレイヤーガラスを製造し
た。各バイレイヤーガラスの構成、および性
能を第1表に示す。構成は上記と同様の方法
で示す。 3 比較例 (B−1)〜(B−3)のシート1枚と上
記と同じガラス板を使用して、上記方法によ
り熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B)とガラス板
の2層構造のバイレイヤーガラスを製造し
た。このバイレイヤーガラスの構成と性能を
第1表に比較例として示す。 4 物性試験方法 第1表における物性測定は次の方法によつ
て行つた。 光線透過率:JIS R3212による。 テーパー摩耗:JIS R3212による。100回後
のヘイズ増加。 スクラツチテスト:傷が入り始める荷重。連
続的に荷重を変えながら、10μmφのダイ
ヤモンドチツプで引掻き、傷が入り始める
時の荷重を測定。 耐貫通性試験:JIS R3312による。合格とは
鋼球が貫通せず、割れたガラスはシートに
接着しており、ガラスの飛散が認められな
かつたものをいう。 【表】
【図面の簡単な説明】
第1図〜第4図は本発明の積層安全ガラスの例
を示す模式的な断面図であり、第1図は2層構造
体、第2図は3層構造体、第3図は薄い接着剤層
を有する4層構造体、第4図は合せガラス層を有
する5層構造体を示す。第5図〜第7図は本発明
の積層安全ガラスを製造するための各シートの組
み合せを示す模式的な断面図であり、第5図は第
1図に示す2層構造体を製造するための組み合
せ、第6図および第7図は第2図の3層構造体を
製造するための組み合せを示すものである。 1,10:熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)層、
3,13:熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B)層、
2,11:硬質基体層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 一方の露出面が硬質基体の表面であり他方の
    露出面が合成樹脂層の表面である硬質基体層と合
    成樹脂層の少くとも2層構造を有する透明あるい
    は半透明の積層安全ガラスにおいて、合成樹脂層
    が下記熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)の層を最外
    層とし、場合により他の合成樹脂層からなる内部
    層を含んでもよい1層あるいは多層構造の合成樹
    脂層であることを特徴とする積層安全ガラス。 熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A):分子量約300
    〜800のジオールまたは平均分子量が約300〜800
    となる割合の分子量約1200以下のジオールと鎖伸
    長剤との組み合せ(ただし、鎖伸長剤/ジオール
    の当量比は約1.2以下)、および無黄変性ジイソシ
    アネート化合物を前者1当量に対し後者約0.9〜
    1.1当量反応させて得られる熱可塑性ポリウレタ
    ン系樹脂。 2 内部層の主たる部分が下記熱可塑性ポリウレ
    タン系樹脂(B)の層からなることを特徴とする特許
    請求の範囲第1項の積層安全ガラス。 熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B):分子量約1500
    〜4000のジオールと鎖伸長剤の組み合せおよび無
    黄変性ジイソシアネート化合物を前者1当量に対
    し後者約0.9〜1.1当量反応させて得られる熱可塑
    性ポリウレタン系樹脂。 3 透明な下記熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)の
    実質的に1層の構造体からなるか、または一方の
    最外層が該熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A)の層で
    ありかつ透明な下記熱可塑性ポリウレタン系樹脂
    (B)の層を含む少くとも2層の構造体からなるシー
    トあるいはフイルムであることを特徴とする積層
    安全ガラス製造用の材料。 熱可塑性ポリウレタン系樹脂(A):分子量約300
    〜800のジオールまたは平均分子量が約300〜800
    となる割合の分子量約1200以下のジオールと鎖伸
    長剤との組み合せ(ただし、鎖伸長剤/ジオール
    の当量比は約1.2以下)、および無黄変性ジイソシ
    アネート化合物を前者1当量に対し後者約0.9〜
    1.1当量反応させて得られる熱可塑性ポリウレタ
    ン系樹脂。 熱可塑性ポリウレタン系樹脂(B):分子量約1500
    〜4000のジオールと鎖伸長剤の組み合せおよび無
    黄変性ジイソシアネート化合物を前者1当量に対
    し後者約0.9〜1.1当量反応させて得られる熱可塑
    性ポリウレタン系樹脂。
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