JPS631365B2 - - Google Patents
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- JPS631365B2 JPS631365B2 JP58143669A JP14366983A JPS631365B2 JP S631365 B2 JPS631365 B2 JP S631365B2 JP 58143669 A JP58143669 A JP 58143669A JP 14366983 A JP14366983 A JP 14366983A JP S631365 B2 JPS631365 B2 JP S631365B2
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- Manufacture Of Metal Powder And Suspensions Thereof (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
Description
(イ) 技術分野
本発明は高合金鋼粉末及びこの粉末の製造方法
に関するものである。 (ロ) 従来技術 粉末冶金技術により製作される焼結品中の空孔
を少なくしその強度を高めるためには、微粉末の
製造が不可欠である。粉末冶金用金属粉末は主と
して破砕法及び水アトマイズ法により製造されて
いる。破砕法は、脆い金属であるマンガン、クロ
ム、アンチモン、ビスマス、コバルトの如き単一
金属又は人為的に脆化された金属である海綿鉄、
電解鉄等、粒界腐食を起こして脆化されたステン
レス鋼、あるいは本質的に脆い合金(金属間化合
物、電子化合物を含む)であるFe−Al、Fe−Al
−Ti、Ni−Al、Ni−Ti、Fe−Cr、Fe−Si等に
適用されている。また水アトマイズ法は金属又は
合金の溶湯を水により機械的に噴霧化する方法で
あり、固液体を形成する成分範囲で甚々しく酸化
性が低い金属・合金以外に広く適用される。これ
らの方法で得られた粉末の組織は例えばFe−Si
−C粉末について言えばα−Fe相、γ−Fe相、
グラフアイト相などの平衡状態で生成する相、す
なわち平衡相より、構成されている。 上記従来法により製造された粉末について本発
明者は以下のような観点から基本的検討を行つ
た。 (a) 粉末製造の容易性:従来法、人為的に脆くし
た金属である海綿鉄及び電解鉄を粉末冶金の原
料とすると、製品のコスト上昇の原因となる。
また、粒界腐食によつて人為的に脆くしたステ
ンレス鋼では粒界割れは結晶粒界に沿つて起こ
るため、結晶粒の大きさによつて粉末の大きさ
が決められ、母材結晶粒の大きさにより粉末の
大きさが制約される。また、脆性相を消滅させ
るため脆性相を焼結体の母相へ完全拡散合金化
させないと、焼結体の靭性が損われる危険があ
る。 (b) 粉末の成分均質性:合金元素含有量が高い金
属の各種成分相がインゴツト内で偏析している
ので、インゴツトを粉砕しても粉末粒子毎で組
成の異なるものになる。また、3重量%以下の
合金元素量(Cr、Mo、Si)を添加した低合金
鋼の水アトマイズ粉は、103K/secの冷却速度
で均一な過飽和の固溶体組織となる。しかし、
高Mo合金鋼を水アトマイズして得た粉末は
M6C、M2C型炭化物が晶出した炭化物偏析の
多い組織となつているために、成分の均質性が
劣つている。 (ハ) 発明の概要 本発明は、上述の点(a)及び(b)の点を意識して超
急冷合金の研究を行つていた過程で、(a)重量比で
9.0〜40%のMoと、2〜4.8%のCと、残部Feと
からなる組成、但し、Mo及びCの量が第1図の
A点−2%C、10%Mo、B点−2%C、40%
Mo、C点−4%C、40%Mo、D点−4%C、
15%Mo、E点−4.8%C、15%Mo、F点−4.8%
C、9%Mo、G点−3.8%C、9%Mo、H点−
3.8%C、10%Moにより囲まれる領域及びこれら
のA〜H点を結んだ線上に位置する組成、及び(b)
重量比で2〜40%のMoと、2.0〜4.0%Cと、3
〜20%未満のCr及び3〜10.0%のWの少なくとも
1種と、残部Feとからなる組成、ならびに上記
組成(a)に重量比で0.1〜1.5%Si及び0.1〜2.0%Mn
の少なくとも1種を含む組成(c)の高合金鋼粉末
が、非平衡単一結晶相を呈し、従来の粉末の問題
点を解消することを見出して、本発明を完成し
た。 さらに、本発明は、上記組成(a)、(b)、(c)及び(d)
の合金を104K/sec以上の冷却速度による急速凝
固により、非平衡単一結晶相を呈し、組成が均一
な高合金鋼粉末の製造方法を提供する。 (ニ) 発明の具体的な説明 以下、本発明に係る高合金鋼粉末について具体
的に説明する。この高合金鋼粉末の組成(a)におい
て、Mo9〜40%、C2〜4.8%、残部Fe、但し、
Mo及びCの量が第1図のA点−2%C、10%
Mo、B点−2%C、40%Mo、C点−4%C、
40%Mo、D点−4%C、15%Mo、E点−4.8%
C、15%Mo、F点−4.8%C、9%Mo、G点−
3.8%C、9%Mo、H点−3.8%C、10%Mo、に
より囲まれる領域及びこれらのA〜H点を結んだ
線上に位置するとしたのは、この範囲外では非平
衡単一結晶相が形成されず非晶質相あるいはフエ
ライト又はマルテンサイト組織中に、M2C、
M6C、等の炭化物の分散した平衡複合相が形成
されるからである。本発明の高合金鋼粉末では、
各粉末の組織は平衡状態では存在しえない非平衡
単一結晶相である。この相は、本発明者がX線回
折により同定したところ、第1図のABCDIH点
−但し、I点は3.8%C、15%Mo−を結んだ線上
及び線内の領域ではA12αMn型構造化合物(χ
(カイ)相)であり、DEFGHI点を結んだ線上及
び線内の領域ではε(イプシロン)相であること
がほぼ確実となつた。 本発明と同一組成のFe−Mo−Si(Mn)−C系
合金或いはFe−Mo−Cr(W)−C系合金の通常の
溶製法で得られる組織は、マトリツクス相である
フエライト又はマルテンサイト組織に、M2C炭
化物が晶出分散した多相組織となつている。とこ
ろが本発明の粉末は、フエライトやマルテンサイ
トも炭化物も構成相ではなく、非平衡単一結晶相
より構成される。なお、非晶質合金粉末は非平衡
相であるが結晶相でないため、延性が高く微粉化
が困難である。 上述の非平衡単一結晶相では、組成の異なる複
数の相がFe−Mo−C、Fe−Mo−Cr(W)−C、
Fe−Mo−Si(Mn)−C合金中に存在せず、数μ
mの面積内においても均質性を有することを利用
して、粉末冶金製品の均質性を著しく高めた。す
なわち、数μmの粉末にした場合でも粉末粒子間
の組成の均質性が高い。さらに、このような非平
衡単一結晶相は非常に脆いことも利用して、リボ
ン状で得られたFe−Mo−C合金等を容易に粉化
し、通常ボールミルによる搗砕法により、40μm
以下の微細な粉末を容易に調製し得るようにし
た。これに対して、従来の溶製法によりFe−Mo
−C合金等を溶製し、40μm以下の粒子寸法に粉
砕するとすれば多大なエネルギーと長時間を要
し、非経済的である。上記のような本発明の高合
金鋼粉末の特色は、従来のFe−Mo−C合金等で
は決して得られない。 さらに、本発明の組成(b)のFe−Mo−C合金等
においては、多元系元素としてCr、及びWの少
なくとも1種の添加元素は非平衡単一結晶相形成
範囲をMoの下限2%まで拡大することが可能で
ある。但し、本出願人の先願の特願昭57−157987
号との組成の重複を避けるためにCrの上限を20
%未満に制限する。また本発明の組成(c)のSi及び
Mnはε相又はA12α−Mn型化合物(χ相)構造
を有する結晶への固溶範囲内で過飽和に固溶し、
粉末の焼結後の靭性及び強度を向上させる。 本発明による高合金鋼粉末は、通常の溶解・粉
砕法により得られた粉末と比較して著しく微細な
結晶粒組織をもつている。一般に後者の粉末の結
晶粒は10ミクロンを越えるが、前者の粉末の結晶
粒は10ミクロン未満、好ましくは2〜3ミクロン
である。なお、本発明の高合金鋼粉末の結晶粒
は、通常の光学顕微鏡では検出されないが、リボ
ンを薄膜に加工し、この薄膜を透過型電子顕微鏡
で観察することにより、結晶粒は明確に観察され
る。上述のように、結晶粒が微細であるために、
本発明の高合金粉末の圧粉体焼結時の結晶粒成長
が少なく、結果として焼結体の結晶粒は微細とな
る。 リボンを粉砕して調製された本発明の高合金鋼
粉末が単結晶かあるいは多結晶かについては、単
結晶の粉末もあり、多結晶の粉末もあると考えら
れ、また結晶粒界の存在場所については、粉末の
表面が結晶粒界に沿つているか又は結晶粒内を横
切つて伸びる二つの場合があると考えられる。 上記非平衡単一結晶相は、所定組成の溶融金属
を片ロール法、双ロール法等により冷却速度
104K/sec以上に超急冷することにより得られ
る。なお冷却速度は104K/sec以上で工業的に可
能な範囲で選定され特に上限はない。焼結製品製
造の際には本発明の粉末を単独で使用するのが好
ましいが、通常の粉末と混合して使用してもよ
い。 以下本発明の実施例を説明する。 実施例 1 金属モリブデン、白銑(4.23%C)及び活性炭
を内径30mm、深さ120mmのタンマン管へ装入し、
底部から活性炭、金属モリブデン及び白銑の順に
セツトし高周波溶解した。溶落後1600Kの溶湯を
#4不透明石英管で吸い上げ、凝固させ放冷後前
記石英管からFe−Mo−C母合金を取り出した。
その組成は、重量比で10.0%Mo、4.0%C残部Fe
であつた。次に、第2図に示す急冷装置により超
急冷を行つた。第2図において、1はヒータ、2
は底に直径0.5mmの孔のある透明石英管、3はア
ルゴンガス吹き込み装置、4は冷却ロールであ
る。母合金を10gr秤量し、1600Kの温度で底に直
径0.5m/mの孔のある透明石英管2の底部より
アルゴンガスにより吹き出して、30m/secで回
転する冷却ロール4に吹きつけ、約105K/secの
速度で超急冷した。それをスタンプミルにより2
時間粉砕したところ、10μm以下の粉末を得た。
粉末をX線回析したところ、ε相と同一の結晶構
造であり、非平衡単一結晶相であることが確認さ
れた。 実施例 2 金属モリブデン、白銑(4.23%C)、活性炭を
実施例1と同様に溶解し、Fe−Mo−Cの母合金
を得た。その組成は、重量比で15.0%Mo、3.0%
Cと、残部Feであつた。それを実施例1と同様
の超急冷装置を用いかつ同一方法及び条件で急速
凝固し、スタンプミルにより2時間粉砕したとこ
ろ、10μm以下の粉末を得た。粉末をX線回析し
たところ、粉末は非平衡単一結晶相(χ相)であ
ることが確認された。 実施例 3 金属モリブデン、白銑(4.23%C)、活性炭、
金属シリコン、電解マンガンを実施例1と同様に
溶解し、Fe−Mo−C−Si−Mnの母合金を得た。
その組成は、重量比で10.0%Mo、4.5%C、0.5%
Si、0.5%Mn、と残部Feであつた。それを実施例
1と同様の超急冷装置を用いかつ同一方法及び条
件で急速凝固し、スタンプミルにより2時間粉砕
したところ、10μm以下の粉末を得た。X線回析
したところ、非平衡単一結晶相(ε相)であるこ
とが確認された。 実施例 4 実施例1と同様の方法で粉末を調製し、急冷組
織と結晶粒径を調べた結果を次表に示す。
に関するものである。 (ロ) 従来技術 粉末冶金技術により製作される焼結品中の空孔
を少なくしその強度を高めるためには、微粉末の
製造が不可欠である。粉末冶金用金属粉末は主と
して破砕法及び水アトマイズ法により製造されて
いる。破砕法は、脆い金属であるマンガン、クロ
ム、アンチモン、ビスマス、コバルトの如き単一
金属又は人為的に脆化された金属である海綿鉄、
電解鉄等、粒界腐食を起こして脆化されたステン
レス鋼、あるいは本質的に脆い合金(金属間化合
物、電子化合物を含む)であるFe−Al、Fe−Al
−Ti、Ni−Al、Ni−Ti、Fe−Cr、Fe−Si等に
適用されている。また水アトマイズ法は金属又は
合金の溶湯を水により機械的に噴霧化する方法で
あり、固液体を形成する成分範囲で甚々しく酸化
性が低い金属・合金以外に広く適用される。これ
らの方法で得られた粉末の組織は例えばFe−Si
−C粉末について言えばα−Fe相、γ−Fe相、
グラフアイト相などの平衡状態で生成する相、す
なわち平衡相より、構成されている。 上記従来法により製造された粉末について本発
明者は以下のような観点から基本的検討を行つ
た。 (a) 粉末製造の容易性:従来法、人為的に脆くし
た金属である海綿鉄及び電解鉄を粉末冶金の原
料とすると、製品のコスト上昇の原因となる。
また、粒界腐食によつて人為的に脆くしたステ
ンレス鋼では粒界割れは結晶粒界に沿つて起こ
るため、結晶粒の大きさによつて粉末の大きさ
が決められ、母材結晶粒の大きさにより粉末の
大きさが制約される。また、脆性相を消滅させ
るため脆性相を焼結体の母相へ完全拡散合金化
させないと、焼結体の靭性が損われる危険があ
る。 (b) 粉末の成分均質性:合金元素含有量が高い金
属の各種成分相がインゴツト内で偏析している
ので、インゴツトを粉砕しても粉末粒子毎で組
成の異なるものになる。また、3重量%以下の
合金元素量(Cr、Mo、Si)を添加した低合金
鋼の水アトマイズ粉は、103K/secの冷却速度
で均一な過飽和の固溶体組織となる。しかし、
高Mo合金鋼を水アトマイズして得た粉末は
M6C、M2C型炭化物が晶出した炭化物偏析の
多い組織となつているために、成分の均質性が
劣つている。 (ハ) 発明の概要 本発明は、上述の点(a)及び(b)の点を意識して超
急冷合金の研究を行つていた過程で、(a)重量比で
9.0〜40%のMoと、2〜4.8%のCと、残部Feと
からなる組成、但し、Mo及びCの量が第1図の
A点−2%C、10%Mo、B点−2%C、40%
Mo、C点−4%C、40%Mo、D点−4%C、
15%Mo、E点−4.8%C、15%Mo、F点−4.8%
C、9%Mo、G点−3.8%C、9%Mo、H点−
3.8%C、10%Moにより囲まれる領域及びこれら
のA〜H点を結んだ線上に位置する組成、及び(b)
重量比で2〜40%のMoと、2.0〜4.0%Cと、3
〜20%未満のCr及び3〜10.0%のWの少なくとも
1種と、残部Feとからなる組成、ならびに上記
組成(a)に重量比で0.1〜1.5%Si及び0.1〜2.0%Mn
の少なくとも1種を含む組成(c)の高合金鋼粉末
が、非平衡単一結晶相を呈し、従来の粉末の問題
点を解消することを見出して、本発明を完成し
た。 さらに、本発明は、上記組成(a)、(b)、(c)及び(d)
の合金を104K/sec以上の冷却速度による急速凝
固により、非平衡単一結晶相を呈し、組成が均一
な高合金鋼粉末の製造方法を提供する。 (ニ) 発明の具体的な説明 以下、本発明に係る高合金鋼粉末について具体
的に説明する。この高合金鋼粉末の組成(a)におい
て、Mo9〜40%、C2〜4.8%、残部Fe、但し、
Mo及びCの量が第1図のA点−2%C、10%
Mo、B点−2%C、40%Mo、C点−4%C、
40%Mo、D点−4%C、15%Mo、E点−4.8%
C、15%Mo、F点−4.8%C、9%Mo、G点−
3.8%C、9%Mo、H点−3.8%C、10%Mo、に
より囲まれる領域及びこれらのA〜H点を結んだ
線上に位置するとしたのは、この範囲外では非平
衡単一結晶相が形成されず非晶質相あるいはフエ
ライト又はマルテンサイト組織中に、M2C、
M6C、等の炭化物の分散した平衡複合相が形成
されるからである。本発明の高合金鋼粉末では、
各粉末の組織は平衡状態では存在しえない非平衡
単一結晶相である。この相は、本発明者がX線回
折により同定したところ、第1図のABCDIH点
−但し、I点は3.8%C、15%Mo−を結んだ線上
及び線内の領域ではA12αMn型構造化合物(χ
(カイ)相)であり、DEFGHI点を結んだ線上及
び線内の領域ではε(イプシロン)相であること
がほぼ確実となつた。 本発明と同一組成のFe−Mo−Si(Mn)−C系
合金或いはFe−Mo−Cr(W)−C系合金の通常の
溶製法で得られる組織は、マトリツクス相である
フエライト又はマルテンサイト組織に、M2C炭
化物が晶出分散した多相組織となつている。とこ
ろが本発明の粉末は、フエライトやマルテンサイ
トも炭化物も構成相ではなく、非平衡単一結晶相
より構成される。なお、非晶質合金粉末は非平衡
相であるが結晶相でないため、延性が高く微粉化
が困難である。 上述の非平衡単一結晶相では、組成の異なる複
数の相がFe−Mo−C、Fe−Mo−Cr(W)−C、
Fe−Mo−Si(Mn)−C合金中に存在せず、数μ
mの面積内においても均質性を有することを利用
して、粉末冶金製品の均質性を著しく高めた。す
なわち、数μmの粉末にした場合でも粉末粒子間
の組成の均質性が高い。さらに、このような非平
衡単一結晶相は非常に脆いことも利用して、リボ
ン状で得られたFe−Mo−C合金等を容易に粉化
し、通常ボールミルによる搗砕法により、40μm
以下の微細な粉末を容易に調製し得るようにし
た。これに対して、従来の溶製法によりFe−Mo
−C合金等を溶製し、40μm以下の粒子寸法に粉
砕するとすれば多大なエネルギーと長時間を要
し、非経済的である。上記のような本発明の高合
金鋼粉末の特色は、従来のFe−Mo−C合金等で
は決して得られない。 さらに、本発明の組成(b)のFe−Mo−C合金等
においては、多元系元素としてCr、及びWの少
なくとも1種の添加元素は非平衡単一結晶相形成
範囲をMoの下限2%まで拡大することが可能で
ある。但し、本出願人の先願の特願昭57−157987
号との組成の重複を避けるためにCrの上限を20
%未満に制限する。また本発明の組成(c)のSi及び
Mnはε相又はA12α−Mn型化合物(χ相)構造
を有する結晶への固溶範囲内で過飽和に固溶し、
粉末の焼結後の靭性及び強度を向上させる。 本発明による高合金鋼粉末は、通常の溶解・粉
砕法により得られた粉末と比較して著しく微細な
結晶粒組織をもつている。一般に後者の粉末の結
晶粒は10ミクロンを越えるが、前者の粉末の結晶
粒は10ミクロン未満、好ましくは2〜3ミクロン
である。なお、本発明の高合金鋼粉末の結晶粒
は、通常の光学顕微鏡では検出されないが、リボ
ンを薄膜に加工し、この薄膜を透過型電子顕微鏡
で観察することにより、結晶粒は明確に観察され
る。上述のように、結晶粒が微細であるために、
本発明の高合金粉末の圧粉体焼結時の結晶粒成長
が少なく、結果として焼結体の結晶粒は微細とな
る。 リボンを粉砕して調製された本発明の高合金鋼
粉末が単結晶かあるいは多結晶かについては、単
結晶の粉末もあり、多結晶の粉末もあると考えら
れ、また結晶粒界の存在場所については、粉末の
表面が結晶粒界に沿つているか又は結晶粒内を横
切つて伸びる二つの場合があると考えられる。 上記非平衡単一結晶相は、所定組成の溶融金属
を片ロール法、双ロール法等により冷却速度
104K/sec以上に超急冷することにより得られ
る。なお冷却速度は104K/sec以上で工業的に可
能な範囲で選定され特に上限はない。焼結製品製
造の際には本発明の粉末を単独で使用するのが好
ましいが、通常の粉末と混合して使用してもよ
い。 以下本発明の実施例を説明する。 実施例 1 金属モリブデン、白銑(4.23%C)及び活性炭
を内径30mm、深さ120mmのタンマン管へ装入し、
底部から活性炭、金属モリブデン及び白銑の順に
セツトし高周波溶解した。溶落後1600Kの溶湯を
#4不透明石英管で吸い上げ、凝固させ放冷後前
記石英管からFe−Mo−C母合金を取り出した。
その組成は、重量比で10.0%Mo、4.0%C残部Fe
であつた。次に、第2図に示す急冷装置により超
急冷を行つた。第2図において、1はヒータ、2
は底に直径0.5mmの孔のある透明石英管、3はア
ルゴンガス吹き込み装置、4は冷却ロールであ
る。母合金を10gr秤量し、1600Kの温度で底に直
径0.5m/mの孔のある透明石英管2の底部より
アルゴンガスにより吹き出して、30m/secで回
転する冷却ロール4に吹きつけ、約105K/secの
速度で超急冷した。それをスタンプミルにより2
時間粉砕したところ、10μm以下の粉末を得た。
粉末をX線回析したところ、ε相と同一の結晶構
造であり、非平衡単一結晶相であることが確認さ
れた。 実施例 2 金属モリブデン、白銑(4.23%C)、活性炭を
実施例1と同様に溶解し、Fe−Mo−Cの母合金
を得た。その組成は、重量比で15.0%Mo、3.0%
Cと、残部Feであつた。それを実施例1と同様
の超急冷装置を用いかつ同一方法及び条件で急速
凝固し、スタンプミルにより2時間粉砕したとこ
ろ、10μm以下の粉末を得た。粉末をX線回析し
たところ、粉末は非平衡単一結晶相(χ相)であ
ることが確認された。 実施例 3 金属モリブデン、白銑(4.23%C)、活性炭、
金属シリコン、電解マンガンを実施例1と同様に
溶解し、Fe−Mo−C−Si−Mnの母合金を得た。
その組成は、重量比で10.0%Mo、4.5%C、0.5%
Si、0.5%Mn、と残部Feであつた。それを実施例
1と同様の超急冷装置を用いかつ同一方法及び条
件で急速凝固し、スタンプミルにより2時間粉砕
したところ、10μm以下の粉末を得た。X線回析
したところ、非平衡単一結晶相(ε相)であるこ
とが確認された。 実施例 4 実施例1と同様の方法で粉末を調製し、急冷組
織と結晶粒径を調べた結果を次表に示す。
【表】
第1図は、CとMoの含有量を示す図面、第2
図は急冷凝固装置の概念図である。 1……ヒータ、2……透明石英管、3……アル
ゴンガス加圧噴射口、4……冷却ロール。
図は急冷凝固装置の概念図である。 1……ヒータ、2……透明石英管、3……アル
ゴンガス加圧噴射口、4……冷却ロール。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量比で、9〜40%のMoと2〜4.8%のC
と、残部Feとからなり、但し、Mo及びCの量が
第1図のA点−2%C、10%Mo、B点−2%
C、40%Mo、C点−4.0%C、40%Mo、D点−
4%C、15%Mo、E点−4.8%C、15%Mo、F
点−4.8%C、9%Mo、G点−3.8%C、9%
Mo、H点−3.8%C、10%Mo、により囲まれる
領域及びこれらのA−H点を結んだ線上に位置す
るとともに、非平衡単一結晶相を呈する、組成が
均一な高合金鋼粉末。 2 重量比で、2〜40%Moと、2.0〜4.0%のC
と、3〜20%未満のCr及び3〜10%のWの少な
くとも1種と、残部Feとからなる組成を有し、
かつ非平衡単一結晶相を呈する、組成が均一な高
合金鋼粉末。 3 重量比で0.1〜1.5%のSi、及び0.1〜2.0%Mn
の少なくとも1種と、9〜40%のMoと、2〜4.8
%のCと、残部Feとからなる組成を有し、但し、
Mo及びCの量が第1図のA点−2%C、10%
Mo、B点−2%C、40%Mo、C点−4%C、
40%Mo、D点−4%C、15%Mo、E点−4.8%
C、15%Mo、F点−4.8%C、9%Mo、G点−
3.8%C、9%Mo、H点−3.8%C、10%Mo、に
より囲まれる領域及びこれらのA〜H点を結んだ
線上に位置するとともに、非平衡単一結晶相を呈
する、組成が均一な高合金鋼粉末。 4 重量比で、9〜40%のMoと、2〜4.8%のC
と、残部Feとからなる組成、但し、Mo及びCの
量が第1図のA点−2%C、10%Mo、B点−2
%C、40%Mo、C点−4%C、40%Mo、D点
−4%C、15%Mo、E点−4.8%C、15%Mo、
F点−4.8%C、9%Mo、G点−3.8%C、9%
Mo、H点−3.8%C、10%Mo、により囲まれる
領域及びこれらのA〜H点を結んだ線上に位置す
る組成を有する該合金を溶解し、冷却速度、
104K/sec以上で急速凝固させ、しかる後所定粒
度に粉砕することを特徴とする非平衡単一結晶相
を呈する組成が均一な高合金鋼粉末の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14366983A JPS6036601A (ja) | 1983-08-08 | 1983-08-08 | 高合金鋼粉末及びその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP14366983A JPS6036601A (ja) | 1983-08-08 | 1983-08-08 | 高合金鋼粉末及びその製法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6036601A JPS6036601A (ja) | 1985-02-25 |
| JPS631365B2 true JPS631365B2 (ja) | 1988-01-12 |
Family
ID=15344180
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP14366983A Granted JPS6036601A (ja) | 1983-08-08 | 1983-08-08 | 高合金鋼粉末及びその製法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6036601A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS6267103A (ja) * | 1985-09-20 | 1987-03-26 | Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd | 微細析出相を有する金属粉末の製造方法 |
| JP2784504B2 (ja) * | 1989-06-15 | 1998-08-06 | 小橋工業株式会社 | サブソイラ用ビーム |
| US5292382A (en) * | 1991-09-05 | 1994-03-08 | Sulzer Plasma Technik | Molybdenum-iron thermal sprayable alloy powders |
| KR100421045B1 (ko) | 2001-07-10 | 2004-03-04 | 삼성전자주식회사 | 박형 광픽업장치 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5947346A (ja) * | 1982-09-13 | 1984-03-17 | Teikoku Piston Ring Co Ltd | 高合金粉末 |
-
1983
- 1983-08-08 JP JP14366983A patent/JPS6036601A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6036601A (ja) | 1985-02-25 |
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