JPS631383B2 - - Google Patents
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- JPS631383B2 JPS631383B2 JP58000456A JP45683A JPS631383B2 JP S631383 B2 JPS631383 B2 JP S631383B2 JP 58000456 A JP58000456 A JP 58000456A JP 45683 A JP45683 A JP 45683A JP S631383 B2 JPS631383 B2 JP S631383B2
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- tic
- sliding material
- tin
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Description
(1) 技術分野
本発明は鉄系摺動材料に関するものであり、さ
らに詳しく述べるならば斜板式コンプレツサーな
どの潤滑油使用条件下で使用される部材に用いら
れ、鉄合金又はアルミニウム合金に対して摺動せ
しめられる鉄系摺動材料、ならびにその製造方法
に関するものである。 (2) 従来技術の説明 斜板式コンプレツサーは、一般に、回転軸に一
定角度傾斜して固着された斜板と、前記回転軸に
平行に設けられたシリンダ内に嵌装されたピスト
ンと、前記斜板と前記ピストンとの間に配設さ
れ、一般にシユーと称される摺動機構とを含み、
前記斜板の回転によつて前記ピストンが往復動さ
せられ、シリンダ内に媒体が導入され圧縮される
ように構成されている。 斜板式コンプレツサーの斜板としては従来炭素
鋼又は球状黒鉛鋳鉄などの鉄合金が用いられてい
た。この斜板に対して摺動せしめられるシユーが
同系の鉄合金であると、同種の材料組み合わせの
欠点が直接に表われて、摺動条件が極めて良好に
保たれた場合を除き、容易に焼付き事故が生じる
という難点があつた。そこで、斜板式コンプレツ
サーにおいては鉄合金シユーは従来一般的でな
く、銅合金又はアルミニウム合金シユーが使用さ
れ、鉄合金斜板に対する鉄合金の摺動部材(シユ
ー)は低面圧・低速度の摺動条件が緩やかな場合
にのみ限定されていた。 斜板式コンプレツサーの軽量化及び高性能化に
伴つて斜板には従来の鉄合金に代えてアルミニウ
ム合金が使用されつつあり、これに伴つて前記斜
板と摺動せしめられるシユーの構造及び材料の研
究が活発に行なわれている。 斜板式コンプレツサーの斜板はそれ自身がシユ
ーによつて極度に摩耗されてはならないために通
常17%程度の珪素を含有するアルミニウム合金が
使用されている。かかるアルミニウム合金には珪
素が初晶Siの形で折出しており、この初晶Siの硬
さはかなり高いために、摺動の相手材としては従
来S45Cなどの構造用鋼或いは炭素工具鋼のよう
な材料を焼入れすることによつて充分な硬さを付
与し、初晶Siに対する耐摩耗性を具備されてい
た。 一般に、鉄鋼材料の摩擦特性はその硬化元素組
成により大きく影響されるので、本発明者等は合
金元素添加材料又はTiC等の硬質粒子を分散させ
た鉄系摺動材料等の検討も行なつたが、高珪素含
有アルミニウム合金に対して摺動する材料の特性
向上には上記合金元素等の添加ではかならずしも
充分でないことがわかつた。すなわち鉄鋼材料へ
の硬化元素の添加によつては、得られる硬度に限
界があるためにアルミニウム合金中の初晶Siに対
して充分な耐摩耗性が実現されない。一方、TiC
等の硬質粒子を分散するシユーはアルミニウム合
金のマトリツクスに対して凝着する傾向が強ま
り、高硬度は得られるもののシユーが斜板に対し
て焼付くという難点があることがわかつた。すな
わち、一般的に述べると高珪素含有アルミニウム
合金は、アルミニウム自体の性質として軟質であ
るために相手材を凝着させる傾向を有し、かつ同
時に極めて硬度が高い初晶Siを分散しているため
に相手材を摩耗するという相反する性質を有して
おり、このような性質に対処し耐摩耗性及び耐焼
付性を高いレベルで達成する上では従来の鉄系摺
動材料は満足できなかつた。 以上、主として斜板式コンプレツサーのシユー
を例に挙げて説明を行つたが、常法の合金元素の
添加あるいは硬質粒子の分散等の手段によつて
は、摺動特性改良には限界があるため、苛酷な摺
動条件に適する優れた性能を有する鉄系摺動材料
を提供することができないとの問題が、ロツカー
アームのパツド、スラストワツシヤ、バルブステ
ムガイド、バルブシート等についても、存在して
いる。 (3) 発明の目的 本発明は、斜板式コンプレツサーのシユー、そ
の他の潤滑油使用条件下で使用される摺動部材と
して要求される優れた耐摩耗性、及び耐焼付性を
有しており、更に機械的強度が高い鉄系摺動材料
を提供することを目的とする。 (4) 発明の構成 本発明によると、固溶体型TiC−TiN粒子を5
ないし50%含有し、残部が実質的に鉄粒子からな
る焼結合金より構成される鉄系摺動材料であつ
て、摺動材の表面より深さ1mmまでの空孔率を7
〜20体積%とし、それより内部は空孔率を更に小
さくしたことを特徴とする摺動材料が提供され
る。 以下、本発明の特徴を説明する。 本発明の一つの特徴は、固溶体型TiN−TiC粒
子を用いたことにある。TiCは鉄系焼結材料の一
成分として使用されることは公知であるが、この
ようなTiCを一成分とした鉄系焼結合金は相手材
である高珪素含有アルミニウム合金又は鉄合金と
凝着する傾向が顕著になつて、耐焼付性が劣化す
る。一方、TiN粒子は鉄粉との親和性が良くな
いために焼結体の強度が不足する。従つてTiC及
びTiNの混合物を鉄系摺動材料の成分として用
いたのでは本発明の目的が達成されない。一方本
発明者の実験によるとTiCとTiNが相互に固溶し
た固溶体型TiN−TiC粒子(以下固溶体型Ti化合
物と称する)を使用すると混合物として用いた場
合の欠点を伴わずに極めて高い硬さと高珪素アル
ミニウム合金のマトリツクス又は鉄合金に対する
非凝着性が同時に実現されることを見出した。 本発明の他の特徴は固溶体型Ti化合物を5〜
50%、好ましくは10〜45%(以下特にことわらな
い限り百分率は重量パーセントとする)を全体に
対して含有分散させたことにある。固溶体型Ti
化合物の量が5%未満であると鉄系摺動材料の対
焼付性能が極めて劣化し、一方50%をこえるとそ
の機械的強度が劣化する。ただし機械的強度が低
くともよい場合は固溶体型Ti化合物の量は80%
までとしてもよい。 本発明の他の特徴は、摺動材の表面より深さ1
mmまでの空孔率を7〜20体積%とし、それより内
部は空孔率を更に小さくすることにより7〜20体
積%の空孔が潤滑油の供給場所として作用すると
ともに、摺動材内部の空孔が少ない構造により機
械的強度が向上するところにある。 以下本発明の好ましい実施態様について説明す
る。 本発明の固溶体型Ti化合物中のTiCとTiNのモ
ル比は7:3〜3:7の範囲であることが好まし
い。このような固溶体型Ti化合物は市販のもの
であつてよい。なお固溶体型Ti化合物中のTiCモ
ル比が高いと鉄系摺動材料の強度は増加し、一方
TiNのモル比が増加すると耐焼付性が向上する
ので、用途に応じてTiC:TiNモル比を調節する
ことが必要である。 本発明の鉄系摺動材料の相手材として用いられ
るアルミニウム合金は高珪素含有量であるほど本
発明材料のすぐれた性能が発揮される。その珪素
含有量は一般に12〜25%である。又このアルミニ
ウム合金は珪素の他に目的に応じて銅、マグネシ
ウムなどの合金元素を若干含有してもよいことは
勿論である。 本発明の鉄系摺動材料の相手材として用いられ
る鉄合金は、炭素鋼、合金鋼、普通鋳鉄及び球状
黒鉛鋳鉄等を含む。この場合同種金属の摺動とな
るが、固溶体型Ti化合物が相手材との凝着傾向
を大巾に少なくしているために、同種金属摺動を
考慮して特に緩やかな摺動条件に設計する必要が
ないことが大きな利点となる。 更に、FeにTiC等を含んだ焼結材と特殊鋳鉄を
摺動させるアペツクスシール等の摺動材料はTiC
の硬さのため、特殊鋳鉄を摩耗させたり、線状キ
ズを発生させたりして焼付に至らしめる等の不具
合がある。このような鉄合金で構成した材料を相
手材として、本発明の鉄系摺動材料と摺動させる
と摺動面の荒れや摩耗を発生させることなく焼付
荷重も向上する。 更に本発明においては摺動材料の鉄マトリツク
スの機械的特性を強化するために炭素、モリブデ
ン、ニツケル、クロム、及びマンガンの少なくと
も一種を鉄に対し0.1〜10%含有することが好ま
しい。これらの元素の添加量が0.1%未満では効
果がなく、一方10%を越えるとFeマトリツクス
の靭性が低下して好ましくないため添加量を0.1
〜10%とした。これらの炭素、モリブデン等は通
常鉄粉に炭素粉或いはモリブデン粉等の粉末形態
で添加され、焼結時に鉄マトリツクス中でかなり
の程度拡散され焼結合金としての機械的特性を強
化し、更には耐焼付性能も若干向上せしめる。次
に本発明の鉄系摺動材料の製造方法について説明
する。 所定の組成に混合された原料粉末を5〜7t/cm2
の圧力で圧粉し、次に圧粉体を1100〜1300℃で15
〜60分間焼結する。 次に、焼結体を900〜1050℃に加熱し、0.1〜
1t/cm2の圧力を加えて製造する。第二次焼結は試
料内部の空孔率を少なくするために行うもので、
金型により試料表面を冷却することにより、表面
は圧下の影響を少なくし、内部のみ圧縮を行い空
孔率を変化させるものである。焼結の雰囲気は水
素などの還元雰囲気或いは窒素などの非酸化雰囲
気とすることが必要である。 原料粉末中の金属粉末の粒度は−100メツシユ
及び固溶体型Ti化合物の粒度は−350メツシユが
好ましい。尚これらの粉末の粒度は焼結によつて
もほとんど変化せず製品の粒度は原料粉末の粒度
と同視できる。 (5) 実施例 実施例 1 この実施例においては固溶体型Ti化合物を40
%含む工業的純鉄粉を原料粉末とし、5t/cm2の圧
力で圧粉を行ない、次に、一次および二次焼結を
第1表に示す条件で行なつた。なお、比較材は二
次焼結を省略した。 この焼結により得られた鉄系焼結合金を試験片
に加工し焼付時間及び衝撃値を測定した。この結
果を第1表に示す。
らに詳しく述べるならば斜板式コンプレツサーな
どの潤滑油使用条件下で使用される部材に用いら
れ、鉄合金又はアルミニウム合金に対して摺動せ
しめられる鉄系摺動材料、ならびにその製造方法
に関するものである。 (2) 従来技術の説明 斜板式コンプレツサーは、一般に、回転軸に一
定角度傾斜して固着された斜板と、前記回転軸に
平行に設けられたシリンダ内に嵌装されたピスト
ンと、前記斜板と前記ピストンとの間に配設さ
れ、一般にシユーと称される摺動機構とを含み、
前記斜板の回転によつて前記ピストンが往復動さ
せられ、シリンダ内に媒体が導入され圧縮される
ように構成されている。 斜板式コンプレツサーの斜板としては従来炭素
鋼又は球状黒鉛鋳鉄などの鉄合金が用いられてい
た。この斜板に対して摺動せしめられるシユーが
同系の鉄合金であると、同種の材料組み合わせの
欠点が直接に表われて、摺動条件が極めて良好に
保たれた場合を除き、容易に焼付き事故が生じる
という難点があつた。そこで、斜板式コンプレツ
サーにおいては鉄合金シユーは従来一般的でな
く、銅合金又はアルミニウム合金シユーが使用さ
れ、鉄合金斜板に対する鉄合金の摺動部材(シユ
ー)は低面圧・低速度の摺動条件が緩やかな場合
にのみ限定されていた。 斜板式コンプレツサーの軽量化及び高性能化に
伴つて斜板には従来の鉄合金に代えてアルミニウ
ム合金が使用されつつあり、これに伴つて前記斜
板と摺動せしめられるシユーの構造及び材料の研
究が活発に行なわれている。 斜板式コンプレツサーの斜板はそれ自身がシユ
ーによつて極度に摩耗されてはならないために通
常17%程度の珪素を含有するアルミニウム合金が
使用されている。かかるアルミニウム合金には珪
素が初晶Siの形で折出しており、この初晶Siの硬
さはかなり高いために、摺動の相手材としては従
来S45Cなどの構造用鋼或いは炭素工具鋼のよう
な材料を焼入れすることによつて充分な硬さを付
与し、初晶Siに対する耐摩耗性を具備されてい
た。 一般に、鉄鋼材料の摩擦特性はその硬化元素組
成により大きく影響されるので、本発明者等は合
金元素添加材料又はTiC等の硬質粒子を分散させ
た鉄系摺動材料等の検討も行なつたが、高珪素含
有アルミニウム合金に対して摺動する材料の特性
向上には上記合金元素等の添加ではかならずしも
充分でないことがわかつた。すなわち鉄鋼材料へ
の硬化元素の添加によつては、得られる硬度に限
界があるためにアルミニウム合金中の初晶Siに対
して充分な耐摩耗性が実現されない。一方、TiC
等の硬質粒子を分散するシユーはアルミニウム合
金のマトリツクスに対して凝着する傾向が強ま
り、高硬度は得られるもののシユーが斜板に対し
て焼付くという難点があることがわかつた。すな
わち、一般的に述べると高珪素含有アルミニウム
合金は、アルミニウム自体の性質として軟質であ
るために相手材を凝着させる傾向を有し、かつ同
時に極めて硬度が高い初晶Siを分散しているため
に相手材を摩耗するという相反する性質を有して
おり、このような性質に対処し耐摩耗性及び耐焼
付性を高いレベルで達成する上では従来の鉄系摺
動材料は満足できなかつた。 以上、主として斜板式コンプレツサーのシユー
を例に挙げて説明を行つたが、常法の合金元素の
添加あるいは硬質粒子の分散等の手段によつて
は、摺動特性改良には限界があるため、苛酷な摺
動条件に適する優れた性能を有する鉄系摺動材料
を提供することができないとの問題が、ロツカー
アームのパツド、スラストワツシヤ、バルブステ
ムガイド、バルブシート等についても、存在して
いる。 (3) 発明の目的 本発明は、斜板式コンプレツサーのシユー、そ
の他の潤滑油使用条件下で使用される摺動部材と
して要求される優れた耐摩耗性、及び耐焼付性を
有しており、更に機械的強度が高い鉄系摺動材料
を提供することを目的とする。 (4) 発明の構成 本発明によると、固溶体型TiC−TiN粒子を5
ないし50%含有し、残部が実質的に鉄粒子からな
る焼結合金より構成される鉄系摺動材料であつ
て、摺動材の表面より深さ1mmまでの空孔率を7
〜20体積%とし、それより内部は空孔率を更に小
さくしたことを特徴とする摺動材料が提供され
る。 以下、本発明の特徴を説明する。 本発明の一つの特徴は、固溶体型TiN−TiC粒
子を用いたことにある。TiCは鉄系焼結材料の一
成分として使用されることは公知であるが、この
ようなTiCを一成分とした鉄系焼結合金は相手材
である高珪素含有アルミニウム合金又は鉄合金と
凝着する傾向が顕著になつて、耐焼付性が劣化す
る。一方、TiN粒子は鉄粉との親和性が良くな
いために焼結体の強度が不足する。従つてTiC及
びTiNの混合物を鉄系摺動材料の成分として用
いたのでは本発明の目的が達成されない。一方本
発明者の実験によるとTiCとTiNが相互に固溶し
た固溶体型TiN−TiC粒子(以下固溶体型Ti化合
物と称する)を使用すると混合物として用いた場
合の欠点を伴わずに極めて高い硬さと高珪素アル
ミニウム合金のマトリツクス又は鉄合金に対する
非凝着性が同時に実現されることを見出した。 本発明の他の特徴は固溶体型Ti化合物を5〜
50%、好ましくは10〜45%(以下特にことわらな
い限り百分率は重量パーセントとする)を全体に
対して含有分散させたことにある。固溶体型Ti
化合物の量が5%未満であると鉄系摺動材料の対
焼付性能が極めて劣化し、一方50%をこえるとそ
の機械的強度が劣化する。ただし機械的強度が低
くともよい場合は固溶体型Ti化合物の量は80%
までとしてもよい。 本発明の他の特徴は、摺動材の表面より深さ1
mmまでの空孔率を7〜20体積%とし、それより内
部は空孔率を更に小さくすることにより7〜20体
積%の空孔が潤滑油の供給場所として作用すると
ともに、摺動材内部の空孔が少ない構造により機
械的強度が向上するところにある。 以下本発明の好ましい実施態様について説明す
る。 本発明の固溶体型Ti化合物中のTiCとTiNのモ
ル比は7:3〜3:7の範囲であることが好まし
い。このような固溶体型Ti化合物は市販のもの
であつてよい。なお固溶体型Ti化合物中のTiCモ
ル比が高いと鉄系摺動材料の強度は増加し、一方
TiNのモル比が増加すると耐焼付性が向上する
ので、用途に応じてTiC:TiNモル比を調節する
ことが必要である。 本発明の鉄系摺動材料の相手材として用いられ
るアルミニウム合金は高珪素含有量であるほど本
発明材料のすぐれた性能が発揮される。その珪素
含有量は一般に12〜25%である。又このアルミニ
ウム合金は珪素の他に目的に応じて銅、マグネシ
ウムなどの合金元素を若干含有してもよいことは
勿論である。 本発明の鉄系摺動材料の相手材として用いられ
る鉄合金は、炭素鋼、合金鋼、普通鋳鉄及び球状
黒鉛鋳鉄等を含む。この場合同種金属の摺動とな
るが、固溶体型Ti化合物が相手材との凝着傾向
を大巾に少なくしているために、同種金属摺動を
考慮して特に緩やかな摺動条件に設計する必要が
ないことが大きな利点となる。 更に、FeにTiC等を含んだ焼結材と特殊鋳鉄を
摺動させるアペツクスシール等の摺動材料はTiC
の硬さのため、特殊鋳鉄を摩耗させたり、線状キ
ズを発生させたりして焼付に至らしめる等の不具
合がある。このような鉄合金で構成した材料を相
手材として、本発明の鉄系摺動材料と摺動させる
と摺動面の荒れや摩耗を発生させることなく焼付
荷重も向上する。 更に本発明においては摺動材料の鉄マトリツク
スの機械的特性を強化するために炭素、モリブデ
ン、ニツケル、クロム、及びマンガンの少なくと
も一種を鉄に対し0.1〜10%含有することが好ま
しい。これらの元素の添加量が0.1%未満では効
果がなく、一方10%を越えるとFeマトリツクス
の靭性が低下して好ましくないため添加量を0.1
〜10%とした。これらの炭素、モリブデン等は通
常鉄粉に炭素粉或いはモリブデン粉等の粉末形態
で添加され、焼結時に鉄マトリツクス中でかなり
の程度拡散され焼結合金としての機械的特性を強
化し、更には耐焼付性能も若干向上せしめる。次
に本発明の鉄系摺動材料の製造方法について説明
する。 所定の組成に混合された原料粉末を5〜7t/cm2
の圧力で圧粉し、次に圧粉体を1100〜1300℃で15
〜60分間焼結する。 次に、焼結体を900〜1050℃に加熱し、0.1〜
1t/cm2の圧力を加えて製造する。第二次焼結は試
料内部の空孔率を少なくするために行うもので、
金型により試料表面を冷却することにより、表面
は圧下の影響を少なくし、内部のみ圧縮を行い空
孔率を変化させるものである。焼結の雰囲気は水
素などの還元雰囲気或いは窒素などの非酸化雰囲
気とすることが必要である。 原料粉末中の金属粉末の粒度は−100メツシユ
及び固溶体型Ti化合物の粒度は−350メツシユが
好ましい。尚これらの粉末の粒度は焼結によつて
もほとんど変化せず製品の粒度は原料粉末の粒度
と同視できる。 (5) 実施例 実施例 1 この実施例においては固溶体型Ti化合物を40
%含む工業的純鉄粉を原料粉末とし、5t/cm2の圧
力で圧粉を行ない、次に、一次および二次焼結を
第1表に示す条件で行なつた。なお、比較材は二
次焼結を省略した。 この焼結により得られた鉄系焼結合金を試験片
に加工し焼付時間及び衝撃値を測定した。この結
果を第1表に示す。
【表】
比較材は二次の焼結を行つていないから表面と
内部の空孔率がほぼ一定である。従つて、空孔率
が3%と少ない試料は衝撃性は良いが、焼付性に
劣る。逆に、空孔率が15、20%と多い試料は焼付
性は良いが、衝撃性に劣る。これに対し、本発明
材は衝撃性、焼付性共に優れている。これは表面
の多い空孔率ですぐれた焼付性を付与し、内部の
空孔率ですぐれた衝撃性を付与しているものであ
る。従つて、本発明材は比較材にない優れた効果
を有する。 実施例 2 実施例1の表面空孔率が15%、内部空孔率が7
%のものと同一の焼結条件で、第2表に示す組成
の鉄系焼結合金について焼付荷重及び衝撃値を測
定した。ただし、表中Al系とあるのは実施例1
のアルミニウム合金を相手材試験片とした場合で
あり、Fe系とあるのはアルミニウム合金にかえ
て球状黒鉛鋳鉄を相手材試験片とした場合であ
る。 また、焼付試験条件は下記の点以外は実施例1
と同じである。 荷重:20Kg/cm2より10Kg/cm2づつ漸増。各荷重段
階は15分間断続 潤滑オイル:冷凍機油1容量に対し軽油9容量の
混合オイル 潤滑オイル:フエルト塗布約0.8c.c./分
内部の空孔率がほぼ一定である。従つて、空孔率
が3%と少ない試料は衝撃性は良いが、焼付性に
劣る。逆に、空孔率が15、20%と多い試料は焼付
性は良いが、衝撃性に劣る。これに対し、本発明
材は衝撃性、焼付性共に優れている。これは表面
の多い空孔率ですぐれた焼付性を付与し、内部の
空孔率ですぐれた衝撃性を付与しているものであ
る。従つて、本発明材は比較材にない優れた効果
を有する。 実施例 2 実施例1の表面空孔率が15%、内部空孔率が7
%のものと同一の焼結条件で、第2表に示す組成
の鉄系焼結合金について焼付荷重及び衝撃値を測
定した。ただし、表中Al系とあるのは実施例1
のアルミニウム合金を相手材試験片とした場合で
あり、Fe系とあるのはアルミニウム合金にかえ
て球状黒鉛鋳鉄を相手材試験片とした場合であ
る。 また、焼付試験条件は下記の点以外は実施例1
と同じである。 荷重:20Kg/cm2より10Kg/cm2づつ漸増。各荷重段
階は15分間断続 潤滑オイル:冷凍機油1容量に対し軽油9容量の
混合オイル 潤滑オイル:フエルト塗布約0.8c.c./分
【表】
第2表において供試材No.11、12及び13はTiC及
び/又はTiNを硬質粒子とした比較例であり、
TiCを混合粉末とした場合は相手材との凝着傾向
が強く焼付荷重が低下している。更に、TiNを
硬質粒子とした場合は鉄粉との親和性が劣化し衝
撃値が著しく低下している。また、TiC及びTiN
の両者を硬質粒子とした場合は焼付荷重は良好に
なるものの衝撃値の低下は免れない。これに対し
て本発明の供試材は焼付荷重及び衝撃値が共に良
好である。 本発明の供試材の相手材が球状黒鉛鋳鉄及びア
ルミニウム合金のそれぞれの場合を比較すると前
者の方が焼付荷重は低いが固溶体型Ti化合物の
量を多くすることによつてかなり高い焼付荷重が
得られていることが注目される。次に炭素、ニツ
ケル、モリブデン、クロム及びマンガンなどの合
金元素の作用についてみるとこれらは焼付荷重及
び衝撃値の両者を顕著に増加させている。 (6) 効果 本発明の鉄系摺動材料はTiC及び/又はTiN硬
質粒子を分散させた摺動材料と比較すると相手材
に焼付く傾向が著しく少なく、この結果焼付荷重
が著しく増大し更に衝撃値が格段に向上してい
る。従つて本発明によると、相手材の材質或いは
潤滑条件などによつて摺動条件が極めて苛酷にな
つている摺動機構に適合しうる優れた性能が実現
される。
び/又はTiNを硬質粒子とした比較例であり、
TiCを混合粉末とした場合は相手材との凝着傾向
が強く焼付荷重が低下している。更に、TiNを
硬質粒子とした場合は鉄粉との親和性が劣化し衝
撃値が著しく低下している。また、TiC及びTiN
の両者を硬質粒子とした場合は焼付荷重は良好に
なるものの衝撃値の低下は免れない。これに対し
て本発明の供試材は焼付荷重及び衝撃値が共に良
好である。 本発明の供試材の相手材が球状黒鉛鋳鉄及びア
ルミニウム合金のそれぞれの場合を比較すると前
者の方が焼付荷重は低いが固溶体型Ti化合物の
量を多くすることによつてかなり高い焼付荷重が
得られていることが注目される。次に炭素、ニツ
ケル、モリブデン、クロム及びマンガンなどの合
金元素の作用についてみるとこれらは焼付荷重及
び衝撃値の両者を顕著に増加させている。 (6) 効果 本発明の鉄系摺動材料はTiC及び/又はTiN硬
質粒子を分散させた摺動材料と比較すると相手材
に焼付く傾向が著しく少なく、この結果焼付荷重
が著しく増大し更に衝撃値が格段に向上してい
る。従つて本発明によると、相手材の材質或いは
潤滑条件などによつて摺動条件が極めて苛酷にな
つている摺動機構に適合しうる優れた性能が実現
される。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 固溶体型TiC−TiN粒子を5ないし50%含有
し、残部が実質的に鉄粒子からなる焼結合金より
構成される鉄系摺動材料であつて、摺動材の表面
より深さ1mmまでの空孔率を7〜20体積%とし、
それより内部は空孔率を更に小さくしたことを特
徴とする潤滑油使用条件下で用いられる鉄系摺動
材料。 2 前記TiC−TiN粒子中のTiCとTiNのモル比
が3:7ないし7:3の範囲であることを特徴と
する特許請求の範囲第1項記載の鉄系摺動材料。 3 固溶体型TiC−TiN粒子を5ないし50%含有
し、残部が実質的に、鉄地に対し0.1〜10%の炭
素、モリブデン、ニツケル、クロム及びマンガン
の少なくとも1種を含有する鉄粒子からなる焼結
合金より構成される鉄系摺動材料であつて、摺動
材の表面より深さ1mmまでの空孔率を7〜20体積
%とし、それより内部は空孔率を更に小さくした
ことを特徴とする潤滑油使用条件下で用いられる
鉄系摺動材料。 4 前記TiC−TiN粒子中のTiCとTiNのモル比
が3:7ないし7:3の範囲であることを特徴と
する特許請求の範囲第3項記載の鉄系摺動材料。 5 固溶体型TiC−TiN粒子を5ないし50%含有
し、残部が実質的に鉄粒子からなる原料粉末を5
〜7t/cm2の圧力で圧粉し、次に圧粉体を1100〜
1300℃で焼結し、次に、焼結体を900〜1050℃に
加熱し、0.1〜1t/cm2の圧力を加えることにより、
表面より深さ1mmまでの空孔率を7〜20体積%と
し、それより内部は空孔率を更に小さくしたこと
を特徴とする鉄系摺動材料の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP45683A JPS59126752A (ja) | 1983-01-07 | 1983-01-07 | 鉄系摺動材料およびその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP45683A JPS59126752A (ja) | 1983-01-07 | 1983-01-07 | 鉄系摺動材料およびその製法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS59126752A JPS59126752A (ja) | 1984-07-21 |
| JPS631383B2 true JPS631383B2 (ja) | 1988-01-12 |
Family
ID=11474292
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP45683A Granted JPS59126752A (ja) | 1983-01-07 | 1983-01-07 | 鉄系摺動材料およびその製法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS59126752A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8252733B2 (en) | 2006-04-12 | 2012-08-28 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Sliding material and sliding member using the sliding material |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR920007849B1 (ko) * | 1984-03-12 | 1992-09-18 | 제네랄 일렉트릭 캄파니 | 티타늄 카바이드를 사용한 고체 입자 내식성 제품 |
| FR2599425B1 (fr) * | 1986-05-28 | 1988-08-05 | Alsthom | Plaquette de protection pour aube en titane et procede de brasage d'une telle plaquette. |
| CN102839315A (zh) * | 2012-06-08 | 2012-12-26 | 郑州鼎盛工程技术有限公司 | 一种纳米TiN改性TiC基钢结硬质合金 |
| CN115074605B (zh) * | 2022-08-22 | 2022-11-22 | 中特泰来模具技术有限公司 | 一种热作模具钢及其制备方法 |
Family Cites Families (1)
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|---|---|---|---|---|
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-
1983
- 1983-01-07 JP JP45683A patent/JPS59126752A/ja active Granted
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US8252733B2 (en) | 2006-04-12 | 2012-08-28 | Kabushiki Kaisha Toyota Jidoshokki | Sliding material and sliding member using the sliding material |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS59126752A (ja) | 1984-07-21 |
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