JPS6318576B2 - - Google Patents
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- JPS6318576B2 JPS6318576B2 JP4019080A JP4019080A JPS6318576B2 JP S6318576 B2 JPS6318576 B2 JP S6318576B2 JP 4019080 A JP4019080 A JP 4019080A JP 4019080 A JP4019080 A JP 4019080A JP S6318576 B2 JPS6318576 B2 JP S6318576B2
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Description
本発明は芳香族ニトロ化合物と一酸化炭素から
対応するイソシアネートを直接合成する方法に関
するものである。 更に詳細には本発明は白金族金属化合物とヘテ
ロ芳香環式窒素化合物の混合物、白金族金属化合
物のヘテロ芳香環式窒素化合物との錯体とヘテロ
芳香環式窒素化合物の混合物、からなる群から選
ばれた少くとも1種の主触媒と、モリブデンのヘ
テロポリ酸の助触媒からなる触媒系の存在下に、
芳香族ニトロ化合物を一酸化炭素と高温加圧反応
させて対応するイソシアネートを製造する方法に
関するものである。 イソシアネート類は主としてポリウレタンの原
料として実用上極めて有用な物質であり、中でも
トリレンジイソシアネートは最も大規模に生産さ
れている。 イソシアネート類の現行の工業的製造法はニト
ロ化合物を還元してアミンとし、次いで一酸化炭
素と塩素から別途合成したホスゲンをアミンに反
応させてイソシアネートを得る方法である。しか
し中間に水素や塩素を使用せず且毒性の強いホス
ゲンを取扱うことなく、ニトロ基を一酸化炭素と
直接反応させて1工程でイソシアネート基に変え
ることにより芳香族イソシアネートが製造できれ
ば望ましい。この直接イソシアネート化法ではニ
トロ化合物から一段反応でしかも塩酸を副生する
ことなくイソシアネートを製造できることからも
経済的に有利となる。 芳香族ニトロ化合物と一酸化炭素を高温加圧下
白金族金属化合物を主成分とする適当な触媒の存
在下に次式に従つて反応させて、芳 Ar(NO2)n+3nCO→Ar(NCO)n+2nCO2
……(1) 香族イソシアネートを直接合成する方法は公知で
あり、白金族金属化合物を主触媒とする種々な触
媒系が多数提案されているが末だ実用化されてい
ない。 反応式(1)による芳香族イソシアネートの合成触
媒系としては、例えば特公昭45―22722号(モリ
ブデン等の酸化物を用いる方法)、米国特許第
3576835号(ヘテロ芳香環式窒素化合物またはそ
の錯体を用いる方法)、特公昭47―38436号(2種
以上の重金属の酸化物、水酸化物又は塩を用いる
方法)等が知られている。 しかし、これらの方法では触媒を多量に用いて
もイソシアネートの収率が低い。特開昭47―
13525号(鉄またはマンガンのモリブデン酸塩を
用いる方法)では高い収率が記載されているが、
助触媒の調整が複雑で再現性に乏しい上に、同様
の収率が得られず、主触媒が反応中に分解してパ
ラジウムが反応器壁に折出付着(プレートアウ
ト)し回収が困難であつた。また特開昭49―1537
号(小量の水を添加する方法)では反応速度が増
すが、パラジウム主触媒は著しく分解した。 本発明者らは収率と触媒回収に関する以上の様
な欠点を改良する方法としてモリブデン酸を助触
媒とする方法(特願昭54―137712号)を出願した
が、更に研究を重ねた結果、モリブデンのヘテロ
ポリ酸が触媒の活性化と安定化に一層優れた効果
を発現することを見出した。 即ちモリブデンのヘテロポリ酸は酸化モリブデ
ンやモリブデンイソポリ酸よりも優れた助触媒効
果を示すことにより、前記の白金族金属から成る
主触媒の存在下で高活性なカルボニル化触媒を形
成し、且つ触媒の回収を容易ならしめることが判
明した。また該ヘテロポリ酸は結晶水を除去して
用いる程望ましいことが判つた。 本発明者らはかゝる発見にもとずきイソシアネ
ート直接合成法に関する前述の様な欠点を解決し
本発明を完成するに至つた。 本発明の主たる目的は、高活性な新規触媒系を
用いて芳香族ニトロ化合物から対応するイソシア
ネートを工業的に製造する方法を提供することに
ある。 本発明による方法は白金族金属化合物とヘテロ
芳香環式窒素化合物の混合物、白金族金属化合物
のヘテロ芳香環式窒素化合物との錯体、前記錯体
とヘテロ芳香環式窒素化合物の混合物、からなる
群から選ばれた少くとも1種の主触媒と、モリブ
デンのヘテロポリ酸の助触媒からなる触媒系の存
在下に芳香族ニトロ化合物を一酸化炭素と高温加
圧反応させて対応するイソシアネートを直接合成
することにある。 本発明に原料として用いられる芳香族ニトロ化
合物は、芳香族モノ及びポリニトロ化合物であ
り、イソシアネート基及びこれと反応しない置換
基を含んでいてもよい。代表例としては、例えば
ニトロベンゼン、O―,m―及びP―ニトロトル
エン、O―ニトロ―P―キシレン、ニトロメシチ
レン1―クロロ―2―ニトロベンゼン、1,2―
ジクロロ―4―ニトロベンゼン、1―ブロモ―4
―ニトロベンゼン、1―フルオロ―4―ニトロベ
ンゼン、1―トリフルオロメチル―4―ニトロベ
ンゼン、O―,m―及びP―ニトロフエニルイソ
シアネート、O―及びP―ニトロアニソール、O
―及びP―ニトロフエネトール、ニトロベンツア
ルデヒド、ニトロベンゾイルクロリド、メチルニ
トロベンゾエート、ニトロベンゼンスルホニルク
ロリド、ニトロベンゾニトリル、2―イソシアネ
ート―4―ニトロトルエン、2―ニトロ―4―イ
ソシアネートトルエン、2―イソシアネート―6
―ニトロトルエン、ニトロナフタレン、5―ニト
ロナフチルイソシアネート、ニトロアンスラセ
ン、(4―イソシアネートフエニル)―(4′―ニ
トロフエニル)メタン、m―ジニトロベンゼン、
2,4―ジニトロトルエン、2,6―ジニトロト
ルエン、α,α′―ジニトロ―P―キシレン、ジニ
トロメシチレン、1―クロロ―2,4―ジニトロ
ベンゼン、2,4―ジニトロアニソール、1,5
―ジニトロナフタレン、4,4′―ジニトロビフエ
ニル、3,3′―ジメチル―4,4′―ジニトロビフ
エニル、ビス(P―ニトロフエニル)メタン、ビ
ス(P―ニトロフエニル)エーテル、ビス(P―
ニトロフエニル)チオエーテル、ビス(P―ニト
ロフエニル)スルホン、トリニトロベンゼン等が
ある。 これらの中でも特にニトロベンゼン、2,4―
及び2,6―ジニトロトルエン、1,2―ジクロ
ロ―4―ニトロベンゼン、1,5―ジニトロナフ
タレン、ビス(P―ニトロフエニル)メタン等は
実用的に望ましく用いられる。 主触媒として用いられる白金族金属化合物とし
ては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オス
ミウム、イリジウムまたは白金のハロゲン化物、
硝酸塩、イソシアニド、炭酸塩、カルボン酸塩、
酸化物、キレート類等の無機化合物がカルボニ
ル、アルキル、オレフイン、π―アリル基等の配
位子を含む有機錯体が挙げられる。好ましくはハ
ロゲンを含有する化合物であり、例えば塩化パラ
ジウム、臭化パラジウム、沃化パラジウム、塩化
パラジウム酸ナトリウム、塩化テトラアンミンパ
ラジウム、ジクロロジアンミンパラジウム、塩化
ロジウム、臭化ロジウム、沃化ロジウム、塩化ロ
ジウム酸ナトリウム、塩化ロジウム酸アンモニウ
ム、ビス―エチレンパラジウムクロリド、ピス―
π―アリルパラジウムクロリド等がある。ハロゲ
ンを含有しない白金族金属化合物の場合には別途
にハロゲン化水素、ホスゲン、ハロゲン化炭化水
素、酸ハライドの様な含ハロゲン化合物を添加す
ることが望ましい。 主触媒の白金族金属への配位子として作用する
ヘテロ芳香環式窒素化合物とは、窒素原子を含む
芳香環から成る化合物であり、例えば、ピロー
ル、N―メチルピロール、ピラゾール、イミダゾ
ール、トリアゾール、ピリジン、α―,β―また
はγ―ピリコン、4―フエニルピリジン、4―ビ
ニルピリジン、2―フルオロピリジン、2―クロ
ロピリジン、3―クロロ―ピリジン、2―ブロモ
ピリジン、3―ヒドロキシピリジン、2―メトキ
シピリジン、α―ピコリンアルデヒド、α―ピコ
リン酸メチルエステル、α―ピコリンアミド、
2,6―ジメチルピリジン、2メチル―4―エチ
ルピリジン、2―クロロ―4―メチルピリジン、
2,6―ジシアノピリジン、5,6,7,8―テ
トラヒドロキノリン、5,6,7,8―テトラヒ
ドロイソキノリン、キノリン、イソキノリン、ア
クリジン、ベンゾキノリン、ベンゾイソキノリ
ン、フエナントリジン、ピリダジン、ピリミジ
ン、ピラジン、シンノリン、キナゾリン、キノキ
サリン、フタラジン、ナフチリジン、フエナジン
等が挙げられる。 白金族金属のハロゲン化物のヘテロ芳香環式窒
素化合物との錯体の代表例としてパラジウムとロ
ジウムについて例示すると、例えばビス(ピリジ
ン)ジクロロパラジウム()、ビス(ピリジン)
ジブロモパラジウム()、ビス(ピリジン)ジ
ヨードパラジウム()、ビス(α―ピコリン)
ジクロロパラジウム()、ビス(キノリン)ジ
クロロパラジウム()、ビス(イソキノリン)
ジクロロパラジウム、(ピリジン)(カルボニル)
ジクロロパラジウム()(2,6―ジメチルピ
リジン)(カルボニル)ジクロロパラジウム
()、トリス(ピリジン)トリクロロロジウム
()、トリス(ピリジン)トリブロモロジウム
()トリス(γ―ピコリン)トリクロロロジウ
ム()、トリス(イソキノリン)トリクロロロ
ジウム()等がある。 芳香族ニトロ化合物のカルボニル化によるイソ
シアネートの生成は、上記の主触媒だけの存在下
においても進行するが(米国特許第5376835号)、
後述の比較例から明らかな様に触媒活性が低過ぎ
て目的とするイソシアネートの収率は極めて低
い。 上記主触媒に三酸化モリブデン(特公昭45―
22722号)や少量の水(特開昭49―1573号)を添
加すると反応速度が増し、収率は向上するが、そ
の効果は不十分であり、また主触媒の金属状態へ
の還元も抑制されないため触媒の回収も困難であ
る。 イソシアネートの直接製造法の経済性には触媒
の活性と回収性が最も関与している。従つて白金
族金属主触媒の活性を高め、且つ高価な主触媒の
回収循環を容易にする助触媒の開発は最も重要で
あり、本発明はこれらに関し前記の欠点を改良す
るものである。 本発明に使用する助触媒はモリブデンのヘテロ
ポリ酸である。これには中心原子とモリブデンの
比が1:12で中心原子()に4価のSi,Ge,
Sn,Ti,Zrや5価のP,Asを含む〔XMo12O40〕
-(8-n)型(但しnはXの原子価)のヘトロポリ酸、
以下同様に表わして、〔XMo12O42〕-(12-n)型(但
しXはCe,Th,Si,Sn,Pb,Ti,Zr)、
〔XMo11O39〕-(12-n)型(但しXはGe,P,As)
〔XMo9O32〕-(10-n)型(但しXはMn,Ni)、
〔XMo6O24〕-(12-n)型(但しXはTe,I)、
〔XMo6O24H6)-(6-n)型(但しXはAl,Ga,Cr,
Fe,Co,Rh,Ni)、〔X2Mo18O62〕-(16-2n)型(但
しXはP,As)等の様なヘテロポリ酸が含まれ
る。こゝでヘテロポリ酸中のモリブデンは他の金
属原子により部分的に置換された混合ヘテロポリ
酸も使用でき、また酸性プロトンが部分的に金属
原子やルイス塩基で置換されたヘテロポリ酸も使
用出来る。通常これらは結晶水を含有するが、任
意に脱水して使用する方が望ましい。モリブデン
のヘテロポリ酸の顕著な助触媒効果は、その特異
な分子構造と酸性プロトンの寄与により生ずるも
のと推察される。 モリブデンのヘテロポリ酸の代表例を式で示す
と、例えばH4〔SiMo12O40〕,H3〔PMo12O40),
H8〔CeMo12O42〕H8〔GeMo11O39〕,H6
〔TeMo6O24〕,H6〔NiMo9O32〕,H3
〔AlMo6O24H6〕,H3〔FeMo6O24H6〕,H6
〔P2Mo18O62〕,H4〔SiMo11WO40〕,H4
〔PMo11VO40〕,H5〔PMo10V2O40〕,H6
〔SeMo10V2O40〕,H6〔PMo9V3O40〕,H3
〔PMo10W2O40〕等が挙げられる。望ましくは珪
モリブデン酸、燐モリブデン酸、鉄モリブデン
酸、珪バナドモリブデン酸、燐バナドモリブデン
酸等がある。 助触媒は常法により担体、例えばシリカ、アル
ミナ、シリカアルミナゼオライト、カーボン、セ
ライト、ベントナイト、硅藻土、活性白土、炭酸
カルシウム、硫酸バリウム、石綿の様な公知の担
体に担持して使用することもできる。担持助触媒
とすることにより触媒の活性を調節し、触媒の取
扱いと回収を容易にすることができ、反応を固定
床、流動床または移動床として実施することもで
きる。 芳香族ニトロ化合物と一酸化炭素の反応は、主
触媒と助触媒から成る触媒系の存在下に行われ
る。触媒の使用量は主触媒が白金族金属の量とし
てニトロ化合物の通常0.001から10重量%、望ま
しくは0.05から5重量%であり、助触媒はヘテロ
ポリ酸中のモリブデンが白金族金属に対して通常
0.01から100原子比、望ましくは0.1から10原子比
が用いられる。またヘテロ芳香環式窒素化合物の
使用量は白金族金属に対し、通常1から500モル
比であり、反応条件により選ばれるが、望ましく
は2から100モル比である。 触媒の添加方法は特定されるものではなく、反
応原料に任意の方法で混合して用いることができ
る。 前記の公知方法により、例えばジクロロビス
(ピリジン)パラジウムと三酸化モリブデンの存
在下に2,4―ジニトロトルエン〔DNTと以下
略記する〕から2,4―トリレンジイソシアネー
ト〔TDIと以下略記する〕の合成を行うと、長時
間の反応でもDNT転化率は100%に達せずにTDI
の収率が低いばかりでなく、触媒として用いたパ
ラジウム化合物が一酸化炭素により還元されて金
属パラジウムを生成し、かつこれが反応器壁に強
固に付着していわゆる鏡面を形成(プレートアウ
ト)するので、触媒が失活すると共に高価なパラ
ジウム触媒が回収困難となる欠点があつた。これ
に対し本発明の助触媒を例え少量用いてもパラジ
ウム触媒の望ましくない還元に基困するこの現象
を防止できるので、主触媒が有効に利用されて
TDIが高収率で得られるだけでなく、主触媒と助
触媒が容易に回収できる様になる。反応液に含有
される触媒成分はすべて過、遠心分離、蒸留、
抽出等の常用の化学工学的操作により生成物から
分離され、再び触媒として反応に供することがで
きる。 本発明の方法は溶剤を用いないで実施すること
もできるが、芳香族ニトロ化合物を溶剤で稀釈し
て反応させるのが望ましい。使用される溶剤は原
料や生成物に不活性な液体であればすべて有効で
あり、特に制限を受けるものではないが、通常は
例えばヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、各種石油留分の様な脂肪族、
脂環族及び芳香族炭化水素類、例えばジクロルメ
タン、パークロルエチレン、テトラクロルエタ
ン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、クロロ
ナフタレンの様なハロゲン化炭化水素類等が用い
られる。 溶剤の使用量は特に制限はなく全く任意であ
り、反応形式によつて適当量は異なる。しかしそ
の使用量は、通常は溶剤中の芳香族ニトロ化合物
の濃度として3から50重量%の範囲である。溶剤
の混合方法も特に制限はなく、芳香族ニトロ化合
物、主触媒及び助触媒と全く任意の順序と割合で
混合することができる。 反応原料として消費される一酸化炭素の量は化
学量論的には式(1)にに従つてニトロ基1モル当り
3モルであり、同時に2モルの二酸化炭素が副生
される。実際に反応器内に仕込まれる一酸化炭素
の使用量は、芳香族ニトロ化合物の濃度、触媒の
使用量、反応器の形式、反応温度、反応圧力等に
よつてその適当量が異なるが、最低限度は反応器
内のニトロ基量に対し3倍モルは必要であり、通
常は5から100倍モル、望ましくは7から20倍モ
ルの範囲である。また反応は副生する二酸化炭素
を含んだままで実施できるが、反応の進行に応じ
て増加する二酸化炭素を反応器から除去しなが
ら、同時に一酸化炭素を供給して、一酸化炭素に
対する二酸化炭素の反応器内モル比を小さく保つ
て反応させる方が望ましい。 反応温度は100〜250℃、望ましくは150〜230℃
の範囲が用いられる。 反応圧力は10〜1000Kg/cm2、通常は50〜500
Kg/cm2の範囲が用いられる。 反応時間は通常0.5〜10時間の範囲であり、前
記諸条件の選択に応じて実用的な最適時間がこの
範囲内で決定される。 本発明の実施形態を詳述すると、反応は回分
式、半連続式または連続式で実施することができ
る。通常は芳香族ニトロ化合物を溶剤に溶かした
溶液と触媒各成分は反応に先立ち混合してまたは
別々に反応器内へ供給される。尚、助触媒は反応
器へ予め充填して固定床とすることもできる。反
応器は一酸化炭素で反応圧力に加圧され且つ反応
温度に保たれる。 所定時間を経過した反応混合物は、冷却されて
気液分離され、次いで過等の固液分離操作で主
触媒の一部分と助触媒とより成る不溶性触媒が分
離回収される。得られた反応混合液は、蒸留、抽
出等に付され、製品イソシアネート、溶剤、残り
の触媒及び副製品に分けられる。回収された触媒
と溶剤はその尽または必要なら適当な処理を行な
つて再び反応に使用される。またもし反応混合液
中に少量の原料がまたはポリニトロ化合物を原料
とした場合のニトロイソシアネート中間体が未反
応状態で残存している場合は、同時にこれらも分
離され反応器へ循環される。製品イソシアネート
は用途に応じて慣用の精製操作が施される。 かくして本発明の方法に従えば、高活性な触媒
系の使用により芳香族ニトロ化合物から対応する
イソシアネートを高収率で経済的に製造すること
ができる。 次に実施例によつて本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚芳香族ニトロ化合物と一酸化炭素の高温加圧反
応をオートクレープ内で実施するに際して、前記
した様な触媒の金属成分のプレートアウトによる
オートクレープの汚染を避けるために反応はオー
トクレープ内壁に密着して挿入されたガラス容器
内で行われ、再現性の良い結果が得られる。しか
し結果的には本発明の触媒による反応では上記金
属の器壁への固着は認められず、因みにガラス容
器を用いずに反応を行つても同様の結果が得られ
た。 実施例 1 珪モリブデン酸を減圧下に110℃で1時間脱水
処理すると2水和物が得られた。オートクレーブ
(100ml、SUS 316、)にガラス容器を挿入し、
DNT 4.00g、主触媒としてジクロルビス(ピリ
ジン)パラジウム560mg、助触媒として上記の珪
モリブデン酸(以下MSAと略記する)H4
〔SiMo12O40〕2H2O 280mg、溶剤としてO―ジク
ロルベンゼン52.0gを仕込んだ。オートクレープ
内を一酸化炭素20Kg/cm2で2回置換後に170Kg/
cm2まで加圧した。内容物を撹拌(300rpm)しな
がら約30分間で190℃に昇温すると、内圧は225
Kg/cm2に達した。同温度で3時間反応後、室温に
冷却して放圧し、内容物を別した。液はガス
クロマトグラフイー(15%シリコンDC550/ガス
クロームQ,ビフエニール内部標準)によると
TDI1.250g、2―ニトロ―4―イソシアネート
トルエン(以下2N4Iと略記する)0.736g、2―
イソシアネート―4―ニトロトルエン(以下
2I4Nと略記する)1.162gと未反応のDNT 0.380
gを含有していた。この結果を表1に示す。 別ケーキから主触媒のパラジウム化合物と助
触媒が回収され、液の真空蒸留により生成物を
分離した釜残からもクロロホルムで抽出すること
により触媒のパラジウムを殆んど回収することが
出来た。 実施例 2〜3 珪モリブデン酸を約60℃で5時間脱水すると分
子当り平均8モルの水和物が得られた。実施例2
ではこの助触媒を280mg用い、実施例3では未処
理の珪モリブデン酸330mgを助触媒として用いた
以外は実施例1と全く同様にして反応を行つた。
この結果を表1に示す。
対応するイソシアネートを直接合成する方法に関
するものである。 更に詳細には本発明は白金族金属化合物とヘテ
ロ芳香環式窒素化合物の混合物、白金族金属化合
物のヘテロ芳香環式窒素化合物との錯体とヘテロ
芳香環式窒素化合物の混合物、からなる群から選
ばれた少くとも1種の主触媒と、モリブデンのヘ
テロポリ酸の助触媒からなる触媒系の存在下に、
芳香族ニトロ化合物を一酸化炭素と高温加圧反応
させて対応するイソシアネートを製造する方法に
関するものである。 イソシアネート類は主としてポリウレタンの原
料として実用上極めて有用な物質であり、中でも
トリレンジイソシアネートは最も大規模に生産さ
れている。 イソシアネート類の現行の工業的製造法はニト
ロ化合物を還元してアミンとし、次いで一酸化炭
素と塩素から別途合成したホスゲンをアミンに反
応させてイソシアネートを得る方法である。しか
し中間に水素や塩素を使用せず且毒性の強いホス
ゲンを取扱うことなく、ニトロ基を一酸化炭素と
直接反応させて1工程でイソシアネート基に変え
ることにより芳香族イソシアネートが製造できれ
ば望ましい。この直接イソシアネート化法ではニ
トロ化合物から一段反応でしかも塩酸を副生する
ことなくイソシアネートを製造できることからも
経済的に有利となる。 芳香族ニトロ化合物と一酸化炭素を高温加圧下
白金族金属化合物を主成分とする適当な触媒の存
在下に次式に従つて反応させて、芳 Ar(NO2)n+3nCO→Ar(NCO)n+2nCO2
……(1) 香族イソシアネートを直接合成する方法は公知で
あり、白金族金属化合物を主触媒とする種々な触
媒系が多数提案されているが末だ実用化されてい
ない。 反応式(1)による芳香族イソシアネートの合成触
媒系としては、例えば特公昭45―22722号(モリ
ブデン等の酸化物を用いる方法)、米国特許第
3576835号(ヘテロ芳香環式窒素化合物またはそ
の錯体を用いる方法)、特公昭47―38436号(2種
以上の重金属の酸化物、水酸化物又は塩を用いる
方法)等が知られている。 しかし、これらの方法では触媒を多量に用いて
もイソシアネートの収率が低い。特開昭47―
13525号(鉄またはマンガンのモリブデン酸塩を
用いる方法)では高い収率が記載されているが、
助触媒の調整が複雑で再現性に乏しい上に、同様
の収率が得られず、主触媒が反応中に分解してパ
ラジウムが反応器壁に折出付着(プレートアウ
ト)し回収が困難であつた。また特開昭49―1537
号(小量の水を添加する方法)では反応速度が増
すが、パラジウム主触媒は著しく分解した。 本発明者らは収率と触媒回収に関する以上の様
な欠点を改良する方法としてモリブデン酸を助触
媒とする方法(特願昭54―137712号)を出願した
が、更に研究を重ねた結果、モリブデンのヘテロ
ポリ酸が触媒の活性化と安定化に一層優れた効果
を発現することを見出した。 即ちモリブデンのヘテロポリ酸は酸化モリブデ
ンやモリブデンイソポリ酸よりも優れた助触媒効
果を示すことにより、前記の白金族金属から成る
主触媒の存在下で高活性なカルボニル化触媒を形
成し、且つ触媒の回収を容易ならしめることが判
明した。また該ヘテロポリ酸は結晶水を除去して
用いる程望ましいことが判つた。 本発明者らはかゝる発見にもとずきイソシアネ
ート直接合成法に関する前述の様な欠点を解決し
本発明を完成するに至つた。 本発明の主たる目的は、高活性な新規触媒系を
用いて芳香族ニトロ化合物から対応するイソシア
ネートを工業的に製造する方法を提供することに
ある。 本発明による方法は白金族金属化合物とヘテロ
芳香環式窒素化合物の混合物、白金族金属化合物
のヘテロ芳香環式窒素化合物との錯体、前記錯体
とヘテロ芳香環式窒素化合物の混合物、からなる
群から選ばれた少くとも1種の主触媒と、モリブ
デンのヘテロポリ酸の助触媒からなる触媒系の存
在下に芳香族ニトロ化合物を一酸化炭素と高温加
圧反応させて対応するイソシアネートを直接合成
することにある。 本発明に原料として用いられる芳香族ニトロ化
合物は、芳香族モノ及びポリニトロ化合物であ
り、イソシアネート基及びこれと反応しない置換
基を含んでいてもよい。代表例としては、例えば
ニトロベンゼン、O―,m―及びP―ニトロトル
エン、O―ニトロ―P―キシレン、ニトロメシチ
レン1―クロロ―2―ニトロベンゼン、1,2―
ジクロロ―4―ニトロベンゼン、1―ブロモ―4
―ニトロベンゼン、1―フルオロ―4―ニトロベ
ンゼン、1―トリフルオロメチル―4―ニトロベ
ンゼン、O―,m―及びP―ニトロフエニルイソ
シアネート、O―及びP―ニトロアニソール、O
―及びP―ニトロフエネトール、ニトロベンツア
ルデヒド、ニトロベンゾイルクロリド、メチルニ
トロベンゾエート、ニトロベンゼンスルホニルク
ロリド、ニトロベンゾニトリル、2―イソシアネ
ート―4―ニトロトルエン、2―ニトロ―4―イ
ソシアネートトルエン、2―イソシアネート―6
―ニトロトルエン、ニトロナフタレン、5―ニト
ロナフチルイソシアネート、ニトロアンスラセ
ン、(4―イソシアネートフエニル)―(4′―ニ
トロフエニル)メタン、m―ジニトロベンゼン、
2,4―ジニトロトルエン、2,6―ジニトロト
ルエン、α,α′―ジニトロ―P―キシレン、ジニ
トロメシチレン、1―クロロ―2,4―ジニトロ
ベンゼン、2,4―ジニトロアニソール、1,5
―ジニトロナフタレン、4,4′―ジニトロビフエ
ニル、3,3′―ジメチル―4,4′―ジニトロビフ
エニル、ビス(P―ニトロフエニル)メタン、ビ
ス(P―ニトロフエニル)エーテル、ビス(P―
ニトロフエニル)チオエーテル、ビス(P―ニト
ロフエニル)スルホン、トリニトロベンゼン等が
ある。 これらの中でも特にニトロベンゼン、2,4―
及び2,6―ジニトロトルエン、1,2―ジクロ
ロ―4―ニトロベンゼン、1,5―ジニトロナフ
タレン、ビス(P―ニトロフエニル)メタン等は
実用的に望ましく用いられる。 主触媒として用いられる白金族金属化合物とし
ては、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オス
ミウム、イリジウムまたは白金のハロゲン化物、
硝酸塩、イソシアニド、炭酸塩、カルボン酸塩、
酸化物、キレート類等の無機化合物がカルボニ
ル、アルキル、オレフイン、π―アリル基等の配
位子を含む有機錯体が挙げられる。好ましくはハ
ロゲンを含有する化合物であり、例えば塩化パラ
ジウム、臭化パラジウム、沃化パラジウム、塩化
パラジウム酸ナトリウム、塩化テトラアンミンパ
ラジウム、ジクロロジアンミンパラジウム、塩化
ロジウム、臭化ロジウム、沃化ロジウム、塩化ロ
ジウム酸ナトリウム、塩化ロジウム酸アンモニウ
ム、ビス―エチレンパラジウムクロリド、ピス―
π―アリルパラジウムクロリド等がある。ハロゲ
ンを含有しない白金族金属化合物の場合には別途
にハロゲン化水素、ホスゲン、ハロゲン化炭化水
素、酸ハライドの様な含ハロゲン化合物を添加す
ることが望ましい。 主触媒の白金族金属への配位子として作用する
ヘテロ芳香環式窒素化合物とは、窒素原子を含む
芳香環から成る化合物であり、例えば、ピロー
ル、N―メチルピロール、ピラゾール、イミダゾ
ール、トリアゾール、ピリジン、α―,β―また
はγ―ピリコン、4―フエニルピリジン、4―ビ
ニルピリジン、2―フルオロピリジン、2―クロ
ロピリジン、3―クロロ―ピリジン、2―ブロモ
ピリジン、3―ヒドロキシピリジン、2―メトキ
シピリジン、α―ピコリンアルデヒド、α―ピコ
リン酸メチルエステル、α―ピコリンアミド、
2,6―ジメチルピリジン、2メチル―4―エチ
ルピリジン、2―クロロ―4―メチルピリジン、
2,6―ジシアノピリジン、5,6,7,8―テ
トラヒドロキノリン、5,6,7,8―テトラヒ
ドロイソキノリン、キノリン、イソキノリン、ア
クリジン、ベンゾキノリン、ベンゾイソキノリ
ン、フエナントリジン、ピリダジン、ピリミジ
ン、ピラジン、シンノリン、キナゾリン、キノキ
サリン、フタラジン、ナフチリジン、フエナジン
等が挙げられる。 白金族金属のハロゲン化物のヘテロ芳香環式窒
素化合物との錯体の代表例としてパラジウムとロ
ジウムについて例示すると、例えばビス(ピリジ
ン)ジクロロパラジウム()、ビス(ピリジン)
ジブロモパラジウム()、ビス(ピリジン)ジ
ヨードパラジウム()、ビス(α―ピコリン)
ジクロロパラジウム()、ビス(キノリン)ジ
クロロパラジウム()、ビス(イソキノリン)
ジクロロパラジウム、(ピリジン)(カルボニル)
ジクロロパラジウム()(2,6―ジメチルピ
リジン)(カルボニル)ジクロロパラジウム
()、トリス(ピリジン)トリクロロロジウム
()、トリス(ピリジン)トリブロモロジウム
()トリス(γ―ピコリン)トリクロロロジウ
ム()、トリス(イソキノリン)トリクロロロ
ジウム()等がある。 芳香族ニトロ化合物のカルボニル化によるイソ
シアネートの生成は、上記の主触媒だけの存在下
においても進行するが(米国特許第5376835号)、
後述の比較例から明らかな様に触媒活性が低過ぎ
て目的とするイソシアネートの収率は極めて低
い。 上記主触媒に三酸化モリブデン(特公昭45―
22722号)や少量の水(特開昭49―1573号)を添
加すると反応速度が増し、収率は向上するが、そ
の効果は不十分であり、また主触媒の金属状態へ
の還元も抑制されないため触媒の回収も困難であ
る。 イソシアネートの直接製造法の経済性には触媒
の活性と回収性が最も関与している。従つて白金
族金属主触媒の活性を高め、且つ高価な主触媒の
回収循環を容易にする助触媒の開発は最も重要で
あり、本発明はこれらに関し前記の欠点を改良す
るものである。 本発明に使用する助触媒はモリブデンのヘテロ
ポリ酸である。これには中心原子とモリブデンの
比が1:12で中心原子()に4価のSi,Ge,
Sn,Ti,Zrや5価のP,Asを含む〔XMo12O40〕
-(8-n)型(但しnはXの原子価)のヘトロポリ酸、
以下同様に表わして、〔XMo12O42〕-(12-n)型(但
しXはCe,Th,Si,Sn,Pb,Ti,Zr)、
〔XMo11O39〕-(12-n)型(但しXはGe,P,As)
〔XMo9O32〕-(10-n)型(但しXはMn,Ni)、
〔XMo6O24〕-(12-n)型(但しXはTe,I)、
〔XMo6O24H6)-(6-n)型(但しXはAl,Ga,Cr,
Fe,Co,Rh,Ni)、〔X2Mo18O62〕-(16-2n)型(但
しXはP,As)等の様なヘテロポリ酸が含まれ
る。こゝでヘテロポリ酸中のモリブデンは他の金
属原子により部分的に置換された混合ヘテロポリ
酸も使用でき、また酸性プロトンが部分的に金属
原子やルイス塩基で置換されたヘテロポリ酸も使
用出来る。通常これらは結晶水を含有するが、任
意に脱水して使用する方が望ましい。モリブデン
のヘテロポリ酸の顕著な助触媒効果は、その特異
な分子構造と酸性プロトンの寄与により生ずるも
のと推察される。 モリブデンのヘテロポリ酸の代表例を式で示す
と、例えばH4〔SiMo12O40〕,H3〔PMo12O40),
H8〔CeMo12O42〕H8〔GeMo11O39〕,H6
〔TeMo6O24〕,H6〔NiMo9O32〕,H3
〔AlMo6O24H6〕,H3〔FeMo6O24H6〕,H6
〔P2Mo18O62〕,H4〔SiMo11WO40〕,H4
〔PMo11VO40〕,H5〔PMo10V2O40〕,H6
〔SeMo10V2O40〕,H6〔PMo9V3O40〕,H3
〔PMo10W2O40〕等が挙げられる。望ましくは珪
モリブデン酸、燐モリブデン酸、鉄モリブデン
酸、珪バナドモリブデン酸、燐バナドモリブデン
酸等がある。 助触媒は常法により担体、例えばシリカ、アル
ミナ、シリカアルミナゼオライト、カーボン、セ
ライト、ベントナイト、硅藻土、活性白土、炭酸
カルシウム、硫酸バリウム、石綿の様な公知の担
体に担持して使用することもできる。担持助触媒
とすることにより触媒の活性を調節し、触媒の取
扱いと回収を容易にすることができ、反応を固定
床、流動床または移動床として実施することもで
きる。 芳香族ニトロ化合物と一酸化炭素の反応は、主
触媒と助触媒から成る触媒系の存在下に行われ
る。触媒の使用量は主触媒が白金族金属の量とし
てニトロ化合物の通常0.001から10重量%、望ま
しくは0.05から5重量%であり、助触媒はヘテロ
ポリ酸中のモリブデンが白金族金属に対して通常
0.01から100原子比、望ましくは0.1から10原子比
が用いられる。またヘテロ芳香環式窒素化合物の
使用量は白金族金属に対し、通常1から500モル
比であり、反応条件により選ばれるが、望ましく
は2から100モル比である。 触媒の添加方法は特定されるものではなく、反
応原料に任意の方法で混合して用いることができ
る。 前記の公知方法により、例えばジクロロビス
(ピリジン)パラジウムと三酸化モリブデンの存
在下に2,4―ジニトロトルエン〔DNTと以下
略記する〕から2,4―トリレンジイソシアネー
ト〔TDIと以下略記する〕の合成を行うと、長時
間の反応でもDNT転化率は100%に達せずにTDI
の収率が低いばかりでなく、触媒として用いたパ
ラジウム化合物が一酸化炭素により還元されて金
属パラジウムを生成し、かつこれが反応器壁に強
固に付着していわゆる鏡面を形成(プレートアウ
ト)するので、触媒が失活すると共に高価なパラ
ジウム触媒が回収困難となる欠点があつた。これ
に対し本発明の助触媒を例え少量用いてもパラジ
ウム触媒の望ましくない還元に基困するこの現象
を防止できるので、主触媒が有効に利用されて
TDIが高収率で得られるだけでなく、主触媒と助
触媒が容易に回収できる様になる。反応液に含有
される触媒成分はすべて過、遠心分離、蒸留、
抽出等の常用の化学工学的操作により生成物から
分離され、再び触媒として反応に供することがで
きる。 本発明の方法は溶剤を用いないで実施すること
もできるが、芳香族ニトロ化合物を溶剤で稀釈し
て反応させるのが望ましい。使用される溶剤は原
料や生成物に不活性な液体であればすべて有効で
あり、特に制限を受けるものではないが、通常は
例えばヘプタン、シクロヘキサン、ベンゼン、ト
ルエン、キシレン、各種石油留分の様な脂肪族、
脂環族及び芳香族炭化水素類、例えばジクロルメ
タン、パークロルエチレン、テトラクロルエタ
ン、クロルベンゼン、ジクロルベンゼン、クロロ
ナフタレンの様なハロゲン化炭化水素類等が用い
られる。 溶剤の使用量は特に制限はなく全く任意であ
り、反応形式によつて適当量は異なる。しかしそ
の使用量は、通常は溶剤中の芳香族ニトロ化合物
の濃度として3から50重量%の範囲である。溶剤
の混合方法も特に制限はなく、芳香族ニトロ化合
物、主触媒及び助触媒と全く任意の順序と割合で
混合することができる。 反応原料として消費される一酸化炭素の量は化
学量論的には式(1)にに従つてニトロ基1モル当り
3モルであり、同時に2モルの二酸化炭素が副生
される。実際に反応器内に仕込まれる一酸化炭素
の使用量は、芳香族ニトロ化合物の濃度、触媒の
使用量、反応器の形式、反応温度、反応圧力等に
よつてその適当量が異なるが、最低限度は反応器
内のニトロ基量に対し3倍モルは必要であり、通
常は5から100倍モル、望ましくは7から20倍モ
ルの範囲である。また反応は副生する二酸化炭素
を含んだままで実施できるが、反応の進行に応じ
て増加する二酸化炭素を反応器から除去しなが
ら、同時に一酸化炭素を供給して、一酸化炭素に
対する二酸化炭素の反応器内モル比を小さく保つ
て反応させる方が望ましい。 反応温度は100〜250℃、望ましくは150〜230℃
の範囲が用いられる。 反応圧力は10〜1000Kg/cm2、通常は50〜500
Kg/cm2の範囲が用いられる。 反応時間は通常0.5〜10時間の範囲であり、前
記諸条件の選択に応じて実用的な最適時間がこの
範囲内で決定される。 本発明の実施形態を詳述すると、反応は回分
式、半連続式または連続式で実施することができ
る。通常は芳香族ニトロ化合物を溶剤に溶かした
溶液と触媒各成分は反応に先立ち混合してまたは
別々に反応器内へ供給される。尚、助触媒は反応
器へ予め充填して固定床とすることもできる。反
応器は一酸化炭素で反応圧力に加圧され且つ反応
温度に保たれる。 所定時間を経過した反応混合物は、冷却されて
気液分離され、次いで過等の固液分離操作で主
触媒の一部分と助触媒とより成る不溶性触媒が分
離回収される。得られた反応混合液は、蒸留、抽
出等に付され、製品イソシアネート、溶剤、残り
の触媒及び副製品に分けられる。回収された触媒
と溶剤はその尽または必要なら適当な処理を行な
つて再び反応に使用される。またもし反応混合液
中に少量の原料がまたはポリニトロ化合物を原料
とした場合のニトロイソシアネート中間体が未反
応状態で残存している場合は、同時にこれらも分
離され反応器へ循環される。製品イソシアネート
は用途に応じて慣用の精製操作が施される。 かくして本発明の方法に従えば、高活性な触媒
系の使用により芳香族ニトロ化合物から対応する
イソシアネートを高収率で経済的に製造すること
ができる。 次に実施例によつて本発明を具体的に説明する
が、本発明はこれらに限定されるものではない。
尚芳香族ニトロ化合物と一酸化炭素の高温加圧反
応をオートクレープ内で実施するに際して、前記
した様な触媒の金属成分のプレートアウトによる
オートクレープの汚染を避けるために反応はオー
トクレープ内壁に密着して挿入されたガラス容器
内で行われ、再現性の良い結果が得られる。しか
し結果的には本発明の触媒による反応では上記金
属の器壁への固着は認められず、因みにガラス容
器を用いずに反応を行つても同様の結果が得られ
た。 実施例 1 珪モリブデン酸を減圧下に110℃で1時間脱水
処理すると2水和物が得られた。オートクレーブ
(100ml、SUS 316、)にガラス容器を挿入し、
DNT 4.00g、主触媒としてジクロルビス(ピリ
ジン)パラジウム560mg、助触媒として上記の珪
モリブデン酸(以下MSAと略記する)H4
〔SiMo12O40〕2H2O 280mg、溶剤としてO―ジク
ロルベンゼン52.0gを仕込んだ。オートクレープ
内を一酸化炭素20Kg/cm2で2回置換後に170Kg/
cm2まで加圧した。内容物を撹拌(300rpm)しな
がら約30分間で190℃に昇温すると、内圧は225
Kg/cm2に達した。同温度で3時間反応後、室温に
冷却して放圧し、内容物を別した。液はガス
クロマトグラフイー(15%シリコンDC550/ガス
クロームQ,ビフエニール内部標準)によると
TDI1.250g、2―ニトロ―4―イソシアネート
トルエン(以下2N4Iと略記する)0.736g、2―
イソシアネート―4―ニトロトルエン(以下
2I4Nと略記する)1.162gと未反応のDNT 0.380
gを含有していた。この結果を表1に示す。 別ケーキから主触媒のパラジウム化合物と助
触媒が回収され、液の真空蒸留により生成物を
分離した釜残からもクロロホルムで抽出すること
により触媒のパラジウムを殆んど回収することが
出来た。 実施例 2〜3 珪モリブデン酸を約60℃で5時間脱水すると分
子当り平均8モルの水和物が得られた。実施例2
ではこの助触媒を280mg用い、実施例3では未処
理の珪モリブデン酸330mgを助触媒として用いた
以外は実施例1と全く同様にして反応を行つた。
この結果を表1に示す。
【表】
上記(注)1)2)は表―2においても同じ
実施例1と実施例2,3の比較から明かなよう
に珪モリブデン酸は微量の水を構造水と結晶水と
して含有するが、結晶水を除去するとDNT転化
率は僅か下がるが、TDI収率は変らずに、NCO
基収率と選択率が著しく増大した。従つて脱水す
る程望ましい。 比較例 1〜4 実施例1の珪モリブデン酸助触媒の代りに、こ
れとモリブデン量をほぼ等しくして、モリブデン
酸300mg(比較例1)と三酸化モリブデン240mg
(比較例2)、を用いた場合と、実施例1と実施例
2の含水量の中間値水12mg(比較例3)を用いる
場合および無助触媒(比較例4)の結果を表2に
示す。
に珪モリブデン酸は微量の水を構造水と結晶水と
して含有するが、結晶水を除去するとDNT転化
率は僅か下がるが、TDI収率は変らずに、NCO
基収率と選択率が著しく増大した。従つて脱水す
る程望ましい。 比較例 1〜4 実施例1の珪モリブデン酸助触媒の代りに、こ
れとモリブデン量をほぼ等しくして、モリブデン
酸300mg(比較例1)と三酸化モリブデン240mg
(比較例2)、を用いた場合と、実施例1と実施例
2の含水量の中間値水12mg(比較例3)を用いる
場合および無助触媒(比較例4)の結果を表2に
示す。
【表】
実施例1〜3は比較例1〜4と比較して両転化
率、TDI収率とNCO収率が非常に優れており、
特に実施例1は比較例1と2に比べてもTDI収率
が高いにも拘らず選択率も良い。また触媒の分解
による器壁えのプレートアウトが比較例2〜3に
比べ実質的になく、触媒が回収使用し易い。これ
らの比較から明かなように珪モリブデン酸の顕著
な助触媒効果は酸化モリブデンや水からでなく、
このヘテロポリ酸の特殊な構造と性質に由来する
ものである。 実施例 4 DNTを2.00g、反応温度を200℃にした以外は
実施例1と同様に反応すると、DNT転化率は100
%、収率はTDI 63.0%,2N4I 7.2%,2I4N 12.0
%であつた。 実施例 5 実施例2においてオートクレープ200mlを用い、
DNT、触媒と溶剤を夫々2倍量仕込み、200℃で
4時間反応させた以外はすべて同様に行つた。
DNT転化率は96.5%、収率はTDI 50.8%,2N4I
11.1%,2I4N 16.6%であつた。 実施例 6 ジクロルビス(ピリジン)パラジウムの代りに
塩化パラジウム586mgを用い、ピリジンを0.52追
加した以外は実施例5と同様に反応させた。
DNT転化率は98.1%、収率はTDI 46.0%,2N4I
9.9%,2I4N 16.9%であつた。 実施例7〜10,比較例5 実施例1において主触媒としてジクロルビス
(キノリン)パラジウム24.6mgと助触媒として表
3に示すヘテロポリ酸30mg用い、キノリン0.98g
を追加して220℃で5時間反応させた以外はすべ
て同様に行つた。この触媒低濃度の実験結果を表
―3に示す。又助触媒を使用しない比較例5も表
―3に併記する。
率、TDI収率とNCO収率が非常に優れており、
特に実施例1は比較例1と2に比べてもTDI収率
が高いにも拘らず選択率も良い。また触媒の分解
による器壁えのプレートアウトが比較例2〜3に
比べ実質的になく、触媒が回収使用し易い。これ
らの比較から明かなように珪モリブデン酸の顕著
な助触媒効果は酸化モリブデンや水からでなく、
このヘテロポリ酸の特殊な構造と性質に由来する
ものである。 実施例 4 DNTを2.00g、反応温度を200℃にした以外は
実施例1と同様に反応すると、DNT転化率は100
%、収率はTDI 63.0%,2N4I 7.2%,2I4N 12.0
%であつた。 実施例 5 実施例2においてオートクレープ200mlを用い、
DNT、触媒と溶剤を夫々2倍量仕込み、200℃で
4時間反応させた以外はすべて同様に行つた。
DNT転化率は96.5%、収率はTDI 50.8%,2N4I
11.1%,2I4N 16.6%であつた。 実施例 6 ジクロルビス(ピリジン)パラジウムの代りに
塩化パラジウム586mgを用い、ピリジンを0.52追
加した以外は実施例5と同様に反応させた。
DNT転化率は98.1%、収率はTDI 46.0%,2N4I
9.9%,2I4N 16.9%であつた。 実施例7〜10,比較例5 実施例1において主触媒としてジクロルビス
(キノリン)パラジウム24.6mgと助触媒として表
3に示すヘテロポリ酸30mg用い、キノリン0.98g
を追加して220℃で5時間反応させた以外はすべ
て同様に行つた。この触媒低濃度の実験結果を表
―3に示す。又助触媒を使用しない比較例5も表
―3に併記する。
【表】
表―3から明らかなように主触媒の貴金属パラ
ジウムが非常に稀薄な状態においても、ヘテロポ
リ酸を助触媒に用いることにより、TDI及び全イ
ソシアネートが高収率で得られる。 実施例 11 オートクレーブ(500ml,SUS316)にDNT
14.8g、ジクロルビス(キノリン)パラジウム
0.121g、燐―2―バナド―10―モリブデン酸
0.296g、キノリン4.84gと0―ジクロルベンゼ
ン192gを仕込み、一酸化炭素を置換後160Kg/cm2
まで圧入し、220℃で6.5時間撹拌(1000rpm)し
た。圧力は258Kg/cm2から242Kg/cm2に下つた。反
応後実施例1と同様に処理した分析した結果、
DNTの転化率は100%、収率はTDI 58.6%,
2N4I 4.6%,2I4N,14.8%であつた。またオー
トクレープ器壁には金属のプレートアウト現象は
認められなかつた。
ジウムが非常に稀薄な状態においても、ヘテロポ
リ酸を助触媒に用いることにより、TDI及び全イ
ソシアネートが高収率で得られる。 実施例 11 オートクレーブ(500ml,SUS316)にDNT
14.8g、ジクロルビス(キノリン)パラジウム
0.121g、燐―2―バナド―10―モリブデン酸
0.296g、キノリン4.84gと0―ジクロルベンゼ
ン192gを仕込み、一酸化炭素を置換後160Kg/cm2
まで圧入し、220℃で6.5時間撹拌(1000rpm)し
た。圧力は258Kg/cm2から242Kg/cm2に下つた。反
応後実施例1と同様に処理した分析した結果、
DNTの転化率は100%、収率はTDI 58.6%,
2N4I 4.6%,2I4N,14.8%であつた。またオー
トクレープ器壁には金属のプレートアウト現象は
認められなかつた。
Claims (1)
- 1 芳香族ニトロ化合物と一酸化炭素を、白金族
金属化合物とへテロ芳香環式窒素化合物の混合
物、白金族金属化合物のヘテロ芳香環式窒素化合
物との錯体、前記鎖体とヘテロ芳香環式窒素化合
物の混合物、からなる群から選ばれた少くとも1
種の触媒の存在下に反応させるイソシアネートの
製造法において、モリブデンのヘテロポリ酸を助
触媒として用いることを特徴とする芳香族イソシ
アネートの製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4019080A JPS56138159A (en) | 1980-03-31 | 1980-03-31 | Preparation of aromatic isocyanate |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP4019080A JPS56138159A (en) | 1980-03-31 | 1980-03-31 | Preparation of aromatic isocyanate |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS56138159A JPS56138159A (en) | 1981-10-28 |
| JPS6318576B2 true JPS6318576B2 (ja) | 1988-04-19 |
Family
ID=12573848
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP4019080A Granted JPS56138159A (en) | 1980-03-31 | 1980-03-31 | Preparation of aromatic isocyanate |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS56138159A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US4723041A (en) * | 1985-09-24 | 1988-02-02 | Catalytica Associates | Olefin oxidation catalyst system |
| US4720474A (en) * | 1985-09-24 | 1988-01-19 | Catalytica Associates | Olefin oxidation catalyst system |
-
1980
- 1980-03-31 JP JP4019080A patent/JPS56138159A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS56138159A (en) | 1981-10-28 |
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