JPS6366256B2 - - Google Patents
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- JPS6366256B2 JPS6366256B2 JP56108175A JP10817581A JPS6366256B2 JP S6366256 B2 JPS6366256 B2 JP S6366256B2 JP 56108175 A JP56108175 A JP 56108175A JP 10817581 A JP10817581 A JP 10817581A JP S6366256 B2 JPS6366256 B2 JP S6366256B2
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Description
本発明はアンチモン含有金属酸化物触媒の製造
方法に関し、さらに詳しくはオレフインの酸化、
酸化的脱水素およびアンモ酸化などに有用な、活
性の優れたアンチモン含有金属酸化物触媒の製造
方法の改良に関する。 アンチモン含有金属酸化物触媒、さらに詳しく
はアンチモンと鉄、コバルト、ニツケル、マンガ
ン、ウラン、錫および銅から選ばれた少なくとも
1種の金属(以下、これらの金属を単に多価金属
と記す)との酸化物からなる触媒が、オレフイン
の酸化による不飽和アルデヒドの製造、オレフイ
ンの酸化脱水素によるジオレフインの製造および
オレフインのアンモ酸化による不飽和ニトリルの
製造に有用であることは公知である。例えば、プ
ロピレンのアンモ酸化によるアクリロニトリルの
製造に有用な触媒として、アンチモンと鉄、コバ
ルトまたはニツケルとの酸化物触媒が特公昭39−
19111号公報に、アンチモンと錫との酸化物触媒
が特公昭37−14075号公報に、アンチモンとウラ
ンとの酸化物触媒が特公昭40−24367号公報に、
アンチモンとマンガンまたは銅との酸化物触媒が
特公昭41−11972号公報に、それぞれ記載されて
いる。 しかし、これら触媒においては目的生成物の収
率の点で充分とはいえず、これらの触媒に他の元
素成分を添加することによつて触媒の性能を改善
する試みがなされている。例えば、アンチモンと
鉄との酸化物、アンチモンと錫との酸化物および
アンチモンとウランの酸化物にバナジウム、モリ
ブデン、タングステンからなる群から選ばれた少
なくとも1種の元素とテルルとの酸化物を添加し
た特公昭46−2804号、同47−40985号および同47
−19764号各公報記載の多重促進アンチモン−多
価金属酸化物触媒などが提案されている。 これら触媒の製造に当つては、前記各公報に記
載されている方法の他に、製造方法に関する提案
もいくつかなされている。 本発明者らも高性能を有する多重促進アンチモ
ン−多価金属酸化物触媒を容易に製造し得る方法
として、先ず触媒の母体となるアンチモン−多価
金属酸化物組成物を焼成し、次いでこれにテルル
等の添加成分を含む溶液を含浸、乾燥後焼成して
製造する特公昭52−42552号公報記載の方法を提
案した。含浸法により触媒を製造する場合、均質
安定な含浸液を調製することが重要である。とこ
ろが、この触媒製造法の工業的な適用に際して
は、テルル等を含む含浸液調製の点で必ずしも満
足できるものではなかつた。 すなわち、テルル等含有溶液は金属テルル、二
酸化テルル、亜テルル酸等を硝酸に溶解したテル
ル含有の硝酸溶液に他成分を含む溶液を混合して
調製するのが、操作性、経済性等の点から実施し
易い。しかし、テルルとモリブデンまたはタング
ステンを含有する溶液を調製するために、テルル
の硝酸溶液にモリブデンまたはタングステンのオ
キシ酸塩たとえばメタまたはパラモリブデン酸ア
ンモニウム、あるいはメタまたはパラタングステ
ン酸アンモニウムの水溶液を混合した場合、沈澱
物を生じることが多く、著しく限定された濃度範
囲でしか均質安定な溶液を調製することができな
かつた。特にモリブデンとタングステンを同時に
含む溶液の場合には、均質安定な溶液の調製はほ
とんど不可能であつた。 そのため、前記触媒製造法においてはテルル原
料としてテルル酸を用い、これと水可溶性のモリ
ブデン等の化合物とを水に溶解して調製した均質
安定な溶液が含浸液として用いられている。しか
し、テルル酸は従来金属テルルを塩素酸で酸化し
たり、二酸化テルルを過マンガン酸カリで酸化し
て、多くの工程を経て製造、精製されているの
で、その工業的な広い用途が無いこともあつてか
なり高価なものであり、工業的な触媒原料として
は使用しにくいものである。また、テルル酸はそ
の製造法に起因するのであろうか、純度の良いも
のが入手しにくいという問題もある。 一方、テルルを含有する均質安定な溶液の調製
法に関して、金属テルルを特定の反応促進剤の存
在下に過酸化水素により酸化する特開昭56−5420
号公報記載の方法がある。しかし、この方法は危
険な過酸化水素を大量に用いねばならないことな
どから工業的な実施となると問題がある。また、
テルル成分は主としてテルル酸を用い、モリブデ
ン成分としてはモリブデン酸アンモニウムと過酸
化水素とを反応せしめたパーオキシモリブデン化
合物を、タングステン成分としてはタングステン
酸アンモニウムと過酸化水素とを反応せしめたパ
ーオキシタングステン化合物を用いる米国特許第
3474042号明細書記載の方法がある。しかし、こ
の方法も高価なテルル酸をテルル原料として用い
ており、また過酸化水素を大量に用いることなど
から工業的には実施しにくいものである。 本発明は、このようなテルル等を含有する含浸
液調製時における問題点に解決を与えるべくなさ
れたもので、前記特公昭52−42552号公報記載の
方法の改良に関するものである。 本発明は、テルルとモリブデンおよびタングス
テンからなる群から選ばれた少なくとも1種の元
素とを含む均質安定な含浸液を、危険の過酸化水
素を用いることなく、しかも価格が相対的に安い
金属テルル、酸化テルル等の硝酸々化により得ら
れるテルルの硝酸溶液を用いて調製することがで
き、工業的に有利にアンチモン含有酸化物触媒を
製造することのできる方法を提供することを目的
とし、リンまたはケイ素をヘテロ元素とするモリ
ブデン酸あるいはタングステン酸によるヘテロポ
リ酸をテルルの硝酸溶液に混合かつ溶解して調製
した均質安定溶液を含浸液として使用することに
よつて、この目的を達成しようとするものであ
る。 すなわち、本発明の第1の発明によるアンチモ
ン含有金属酸化物触媒の製法は、アンチモンと
鉄、コバルト、ニツケル、マンガン、ウラン、錫
および銅からなる群から選ばれた少なくとも1種
の元素とを必須成分として含む金属酸化物組成物
を約500℃ないし約1000℃の温度で焼成して得ら
れた焼成酸化物組成物にモリブデンおよび(また
は)タングステンとテルルとを含む水溶液を含浸
させたのち、この生成酸化物組成物を乾燥し、次
いで約400℃ないし約850℃の温度で焼成すること
によつてアンチモン含有金属酸化物触媒を製造す
る方法において、テルル等を含む含浸液としてリ
ンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、リンタング
ステン酸およびケイタングステン酸からなる群か
ら選ばれた少なくとも1種のヘテロポリ酸とテル
ルの硝酸溶液とを混合かつ溶解して調製した均質
安定な溶液を用いることを特徴とするものであ
る。 本発明の方法におけるテルル等を含む含浸液調
製時においては、従来テルルの硝酸溶液を用いて
調製した場合にみられたような他成分との相容性
不良の問題は起らず、均質安定なテルル等含有溶
液が得られる。しかも、その溶液は、テルルとモ
リブデンおよび(または)タングステンの広い比
率、広い濃度範囲に亘つて均質安定な溶液を形成
することができ、かつその溶液を用いて製造した
アンチモン含有金属酸化物触媒は極めて良好な活
性を示す。また、含浸液調整時に用いるモリブデ
ン、タングステンおよびテルルの各成分原料は、
工業製品として人手し易く、価格も特に高価なも
のではないので工業用触媒製造の原料として使用
し易いものである。 したがつて、本発明の方法によればオレフイン
の酸化、酸化脱水素およびアンモ酸化などに有用
なアンチモン含有金属酸化物触媒を、工業的に極
めて有利に製造することができる。また、触触製
造時の焼成温度依存性の小さいこと、優れた活
性、物性を有する多重促進アンチモン−多価金属
酸化物触媒を製造し得ることについては、前記特
公昭52−42552号公報記載の方法の場合と変わら
ない。 本発明の方法によつて製造される触媒の組成は
限界的なものではないが、好ましい組成は次の実
験式で表わされる範囲のものである。 MeaSbbXcPdTeeQfOg(SiOz)h ただし、上式においてMeはFe、Co、Ni、
Mu、U、SnおよびCuからなる群から選ばれた少
なくとも1つの元素であり、XはMoおよびWか
らなる群から選ばれた少なくとも1つの元素であ
る。 また、QはLi、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、
Sr、Ba、La、Ce、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、
Re、Ru、Os、Rh、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、Zn、
Cd、Hg、B、Al、Ga、In、Tl、Ge、Pb、Asお
よびBiからなる群から選ばれた少なくとも1つ
の元素である。 なお、添字a、b、c、d、e、fおよびgは
原子比を示し、 a=10のとき b=5〜60 (好ましくは、5〜30) c=0.01〜5 (好ましくは、0.05〜30) d=0〜5 (好ましくは、0〜3) e=0.01〜10 (好ましくは、0.05〜5) f=0〜20 (好ましくは、0〜10) g=上記各成分が結合して生成する酸化物に対応
する数 h=0〜200 である。 本発明方法によつて製造される触媒は担体を用
いなくても使用できるが、適切な担体に担持させ
て用いるのが好ましい。担体としては、シリカ、
アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカ・アル
ミナなどがあげられるが、その中でも、とくにシ
リカが好ましい。担体の使用量は、要求される触
媒の物性や反応速度によつて決められるべきであ
るが、一般には触媒全重量の約10ないし約90%と
するのが好ましい。 本発明の方法においては、先ずアンチモンと
鉄、コバルト、ニツケル、マンガン、ウラン、錫
および銅からなる群から選ばれた少なくとも1種
の元素とを必須成分として含むアンチモンと多価
金属との酸化物組成物を約500℃ないし約1000℃
の温度で約1ないし約50時間焼成する。焼成は単
一の温度でおこなつてもよいし、また予備焼成と
高温焼成とに分けておこなつてもよい。高い温度
での焼成たとえば700℃以上の焼成が望まれると
きは、予備焼成と高温焼成とに分けて行うのが好
ましい。この場合の予備焼成は約200℃から約600
℃までの温度でおこなうのが好ましい。最適な焼
成条件は触媒組成によつて変動するが一般には約
200℃から約600℃までの温度で約1ないし約50時
間予備焼成したのちに、約600℃から、約1000℃
までの温度で約1ないし約50時間高温焼成するの
が好ましい。 触媒の母体となる前記アンチモン−多価金属酸
化物組成物には、バナジウム、モリブデン、タン
グステン、テルル、マグネシウム、カルシウム、
ランタン、セリウム、チタン、ジルコニウム、ニ
オブ、タンタル、クロム、銀、亜鉛、ホウ素、ア
ルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、鉛、リ
ン、ヒ素、ビスマスなどの成分が含まれていても
差支えない。なお、これらのアンチモン−多価金
属酸化物組成物を製造するに際しては前述のそれ
ぞれの特許明細書中に記載されている任意の方法
を用いることができる。 このようにして焼成して得られたアンチモン−
多価金属酸化物組成物は、次いでモリブデンおよ
び(または)タングステンとテルルとを含む均質
安定な溶液で含浸する。この含浸液はリンモリブ
デン酸、ケイモリブデン酸、リンタングステン酸
およびケイタングステン酸からなる群から選ばれ
た少なくとも1種のヘテロポリ酸とテルル化合物
とを硝酸に溶解、あるいはテルル化合物を硝酸に
溶解し、その溶液にヘテロポリ酸を混合かつ溶解
することによつて調製し、それを用いる。 含浸液の調製に使用するリンモリブデン酸、ケ
イモリブデン酸、リンタングステン酸およびケイ
タングステン酸は、市販の結晶または水溶液を用
いることができるし、公知の任意の方法によつて
製造することができる。これらのヘテロポリ酸は
それぞれ次のような一般式で示されるものであ
る。 リンモリブデン酸H3[PMo12O40]・nT2O ケイモリブデン酸H4[SiMo12O40]・nH2O リンタングステン酸H3[PW12O40]・nH2O ケイタングステン酸H4[SiW12O40]・nH2O なお、これらと同様の構造で、Moの一部がV
および(または)Wに置換されたもの、Wの一部
がVおよび(または)Moに置換されたのであつ
ても同様に用いることができる。 これらに類似の構造を持つヘテロポリ酸として
は多くのものが知られているが、本目的のために
は上記のリンおよび(または)ケイ素をヘテロ元
素とするモリブデン酸またはタングステン酸によ
るヘテロポリ酸を原料として用いることが必要で
ある。モリブデン成分とタングステン成分とを同
時に含む含浸液を調製する場合でも同様である。
モリブデン成分またはタングステン成分の原料の
いずれか一方が前記ヘテロポリ酸以外のものであ
る場合には均質安定な溶液が調製しにくい。 含浸液の調製に使用するテルル化合物として
は、金属テルル、一酸化テルル、二酸化テルル、
三酸化テルル、亜テルル酸、テルル酸などを挙げ
ることができる。 硝酸の濃度は、硝酸根濃度として少なくとも5
g/であるのがよく、好ましくは10〜1000g/
の範囲である。硝酸根濃度が5g/より小さ
い場合、4価のテルル化合物ではその加水分解に
より安定な溶液が調製できないし、6価のテルル
化合物たとえばテルル酸では得られる触媒の性能
が不十分である。 このようにして調製されたテルルとモリブデン
および/またはタングステンを同時に含む含浸液
は、その液の安定性を保持するために液のPHを3
以下にするのが好ましい。PHの調整には硝酸を用
いるのがよい。PHが3より高い場合にはテルル成
分の沈澱が生じたり、ヘテロポリ酸が不安定にな
り易い。 このテルル等を含む含浸液はモリブデン、タン
グステン、テルルの広い濃度範囲にわたつて安定
である。 また、この含浸液は他成分との相溶性がよい。
従つて、この溶液には必要により種々の元素たと
えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、稀土類金
属、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、マ
ンガン、レニウム、鉄、ルテニウム、オスミウ
ム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニツケ
ル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、カド
ミウム、水銀、ホウ素、アルミニウム、ガリウ
ム、インジウム、タリウム、ゲルマニウム、ス
ズ、鉛、リン、ヒ素、ビスマス等の水可溶性化合
物を適宜所定量加えて含浸液とすることができ
る。これら化合物の中でも、とくに硝酸塩を用い
るのが好ましい。ただし、アンモニウムイオンは
含浸液の安定性を損う場合が多いので共存はでき
るだけ避けるのがよい。 焼成したアンチモン−多価金属酸化物組成物に
前記のテルル等を含む溶液を含浸するには任意の
方法を採用することができる。そのなかでも実施
し易い方法は、含浸の母体となるアンチモン−多
価金属酸化物組成物の細孔容積をあらかじめ測定
し、それに見合う濃度、容量のテルル等を含む含
浸液を調製し、これを母体触媒とよく混合、含浸
する方法である。この方法はとくに流動触媒の場
合には好適である。本発明の方法により焼成され
たアンチモン−多価金属酸化物組成物に対し、前
記方法により調製された含浸液の各成分は、強い
選択的吸着をするようなことがない、従つて含浸
成分も完成触媒内に均一に含浸固定される。 含浸は、10分ないし2時間程度母体触媒と含浸
液をよく混合することで十分達成される。含浸に
よつて母体触媒に添加される成分の合計量は、酸
化物換算で母体触媒に対し10重量%以下で効果が
あり、多くの場合は5重量%以下で十分である。
また、添加成分の好ましい割合は原子比でTe:
〔Mo、W〕:〔アルカリ金属、アルカリ土類金属、
稀土類金属、V、Nb、Ta、Cr、Mn、Re、Fe、
Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、
Au、Zn、Cd、Hg、Bi、Al、Ga、In、Tl、Ge、
Sn、Pb、、P、As、B〕=1:0.01〜5:0〜5 である。 母体触媒に前記含浸液を含浸したのち、このテ
ルル含有酸化物組成物は乾燥され、次いで約400
℃ないし約850℃の温度で最終焼成される。最適
な焼成条件は添加成分の種類および量によつて変
動するが、本発明の方法では触媒の活性、物性に
対する焼成条件の影響はあまり厳しいものでない
ので製造管理は容易であり、約400℃から約850℃
の温度範囲で約0.5時間ないし約50時間焼成すれ
ばよい。 本発明の方法における母体アンチモン−多価金
属酸化物組成物と含浸液中の添加成分との反応に
ついては必ずしも明らかではないが、バナジウ
ム、モリブデン、テルル等の成分は触媒焼成時に
母体のアンチモン−多価金属酸化物組成物と容易
に反応するものとみられる。 本発明の方法は、既存の性能の劣る微量のテル
ルもしくはテルルとバナジウム、モリブデンおよ
びタングステンからなる群から選ばれた少なくと
も1種の元素とを含む多重促進アンチモン−多価
金属酸化物触媒を改質して性能を高めようとする
ときにも適用できるし、また使用中に何らかの理
由により還元変質または前記テルル等の添加成分
の減少ないし遊離によつて活性が低下してしまつ
た多重促進アンチモン−多価金属酸化物触媒の賦
活にも適用できる。 すなわち、本発明の第2の発明によるアンチモ
ン含有金属酸化物触媒の製造方法は、アンチモン
と鉄、コバルト、ニツケル、マンガン、ウラン、
錫および銅からなる群から選ばれた少なくとも1
種の元素とを必須成分として含む金属酸化物組成
物を約500℃ないし約1000℃の温度で焼成して得
られた焼成酸化物組成物であつて、かつ微量のテ
ルルもしくはテルルとバナバジウム、モリブデン
およびタングステンからなる群から選ばれた少な
くとも1種の元素とを含む焼成酸化物組成物に、
モリブデンおよび(または)タングステンとテル
ルとを含む水溶液を含浸させたのち、この生成酸
化物組成物を乾燥し、次いで約400℃ないし約850
℃の温度で焼成することによつてアンチモン含有
金属酸化物触媒を製造する方法において、テルル
等を含む含浸液として、リンモリブデン酸、ケイ
モリブデン酸、リンタングステン酸およびケイタ
ングステン酸からなる群から選ばれた少なくとも
1種のヘテロポリ酸とテルルの硝酸溶液とを混合
かつ溶解して調製した均質安定な溶液を用いるこ
とを特徴とするものである。 この第2の発明においても、第1の発明と同様
に、含浸液の調製工程、生成酸化物組成物の乾
燥、焼成工程は第1の発明の場合と全く同じよう
に実施される。 第2の発明におけるテルル等を含む溶液には必
要により種々の元素たとえばアルカリ金属、アル
カリ土類金属、稀土類金属、バナジウム、ニオ
ブ、タンタル、クロム、マンガン、レニウム、
鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウ
ム、イリジウム、ニツケル、パラジウム、白金、
銅、銀、金、亜鉛、カドミウム、水銀、ホウ素、
アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウ
ム、ゲルマニウム、スズ、鉛、リン、ヒ素、ビス
マス等の水可溶性化合物を適宜所定量加えて含浸
液とすることができるのは第1の発明と同様であ
る。 本発明による触媒の製造法は、優れた活性およ
び物性を有する多重促進アンチモン−多価金属酸
化物触媒を安定して容易に製造できるのみなら
ず、性能の劣る前記酸化物触媒の改質ないし賦活
にも有効に利用することができ、工業的に非常に
有利である。 以下、実施例および比較例により、本発明の実
施態様および効果を具体的に示す。 なお、本明細書中の目的生成物の収率および選
択率は、次の定義による。 収率(%) =生成した目的生成物の炭素重/供給した原料炭化水
素の炭素重量×100 選択率(%) =生姓した目的生成物の炭素重量/反応した原料炭化
水素の炭素重量×100 活性試験法(1) プロピレンのアンモ酸化 触媒流動部の内径が2インチ、高さ2mの流動
床反応器に、触媒を1200gないし1800gの間で適
宜選択して充填する。この反応器中へ次の組成の
ガスを、見掛け線速度15cm/secとなるよう送入
する。反応圧力は常圧である。 酸素(空気で供給)/プロピレン=2.10(モル比) アンモニア/プロピレン=1.15(モル比) ただし、接触時間は次のように定義される。 接触時間(sec)=触媒の充填容積()/供給ガス
流速(/sec) 活性試験法(2) ブテン−1の酸化脱水素 2mm×2mmφの円柱状に成型された触媒25ml
を、内径16mm、長さ500mmのU字型固定床反応器
に充填する。これを亜硫酸ソーダと硝酸カリウム
の等量混合物よりなる熔融塩浴で加温し、所定の
温度に保持する。この反応器へ次の組成のガスを
1時間に7.5(NTP)の割合で送入する。反応
圧力は常圧である。 酸素(空気で供給)/ブテン−1=1.1(モル比) 水/ブテン−1=1.5(モル比) 実施例 1 まず、実験式がFe10Sb25O65(SiO2)30である母
体触媒を次のようにして調製した。 金属アンチモン粉末4.72Kgをとる。比重1.38の
硝酸17.5を約80℃に加熱し、この中に前記アン
チモン粉末を徐々に加える。アンチモンが完全に
酸化されたのち、過剰の硝酸を除去し、さらにこ
のアンチモン硝酸々化物を水洗したのちボールミ
ルに移し3時間粉砕する。() 電解鉄粉0.865Kgをとる。比重1.38の硝酸6.25
を水7.75と混合し、約80℃に加温し、この中に
前記鉄粉を少しずつ加え、鉄粉が完全に溶解した
ことを確認する。() 20%シリカゾルを13.9Kgとる。() 前記()、()、()の3者を混合し、充分
撹拌しながら濃度15%のアンモニア水を徐々に加
えてPH値を2に調製する。 このようにして得られたスラリーを撹忰しつつ
加熱し、100℃3時間加熱した。これを噴霧乾燥
後、300℃5時間、500℃2時間焼成し、最後に
850℃2時間焼成した。 次いで、テルル金属粉末15.8gを45%硝酸800
gに30℃で加え酸化溶解した。これにWO3とし
て40%のリンタングステン酸水溶液18.0gを加え
た。このようにして調製したテルルとタングステ
ンを含む溶液は沈澱物のない均質安定な溶液であ
つた。この均質溶液を純水で稀釈し6.14mlとし
た。この液のPHは0以下、硝酸根濃度は520g/
であつた。これを上記の母体触媒2Kg(細孔容
積0.32ml/g)へ注加し、よく混合した。約1時
間混合したのち、120℃16時間乾燥、ついで400℃
4時間焼成し、最後に760℃5時間焼成した。こ
のようにして調製した触媒の実験式は、 W0.1Te0.4P0.008Fe10Sb25O66.12(SiO2)30 である。 比較例 1−a 実施例1と同じ組成の触媒を、同様の方法でた
だし、タングステン成分原料としてはパラタング
ステン酸アンモニウム、リン成分原料としてはリ
ン酸を用いて製造しようとした。しかし、金属テ
ルルを硝酸に溶解した溶液とパラタングステン酸
アンモニウムの水溶液からは、混合条件を種々変
動しても沈澱物が生成した。この方法ではテルル
とタングステンの両成分を同時に含む均質安定な
溶液は調製できなかつたので、この方法による触
媒製造は断念した。 比較例 1−b 比較例1−aで、テルルの硝酸溶液とパラタン
グステン酸アンモニウム水溶液とからはテルルと
タングステンの両成分を同時に含む均質安定な溶
液の調製が難しいことがわかつた。そこで次のよ
うな2段含浸法によつて実施例1と同じ組成の触
媒を調整した。 実施例1と同様の方法で調製した実験式が
Fe10Sb25O65(SiO2)60である母体触媒を2Kgとる。 金属テルル粉末15.8を45%硝酸に30℃で加え酸
化溶解した。これに45%硝酸を加え液量を614ml
に調製し、上記の母体触媒2Kgに注加し、約1時
間よく混合する。これを120℃16時間乾燥後、400
℃4時間焼成した。次いでパラタングステン酸ア
ンモニウム8.1gを純水600mlに懸濁撹拌しつつ70
℃に加熱し完全に溶解させた。これに85%リン酸
0.30gを加えたのち純水を加えて液量を614mlに
調整し、さきに調整したテルル成分含浸触媒に注
加、約1時間よく混合した。これを120℃16時間
乾燥後、400℃4時間焼成し、最後に750℃5時間
焼成した。このようにして調製した触媒の実験式
は、 W0.1Te0.4P0.01Fe10Sb25O66.12(SiO2)30 である。 比較例 2 実験式がW0.25Te1.0Fe10Sb25O67.75(SiO2)30であ
る触媒を次のようにして調製した。 粒径100μ以下の金属アンチモン粉末1.95Kgをと
る。比1.38の硝酸7.2を約80℃に加熱し、この
中に前記アンチモンが粉末を徐々に加える。アン
チモンが完全に酸化されたことを確認したのち、
過剰の硝酸を除去する。次にこのアンチモン硝
酸々化物を水2で5回洗浄したのちボールミル
に移し3時間粉砕する。() 電解鉄粉0.358Kgをとる。比重1.38の硝酸3
を水4と混合し、約80℃に加温し、この中に前
記鉄粉を除去に加え、鉄粉を完全に溶解させた。
ついで純度99.9%の金属テルル粉末81.8gを投入
し溶解させた。() パラタングステン酸アンモニウム41.8gをと
り、これを水2に溶解させる。() シリカゾル(SiO230重量%含有)3.84Kgをと
る。() 前記()〜()を混合し、充分に撹拌しな
がら、濃度15重量%のアンモニア水を徐々に加え
PHを2に調整した。 このようにして得られたスラリーを、十分に撹
忰しつつ加熱し、100℃4時間加熱をつづけた。
ついで、これを常法に従い噴霧乾燥した。得られ
た微細な球状粒子を200℃4寺時間、400℃4時間
焼成し、最後に800℃8時間焼成した。 実施例 2−a まず実験式がW0.25Te1.0Fe10Sb25O67.75(SiO2)30
である母体触媒を比較例2と同様の方法により調
製した。 テルル金属粉末11.5gを30℃に加温した45%硝
酸590gに加え完全に溶解させた。 リンモリブデン酸水溶液(MoO3換算40%)
21.6gをとり、これに上記のテルル硝酸溶液を注
加、混合した。このようにして調製したテルル・
モリブデン含有溶液は均質安定なものであり、こ
の均質溶液を純水で稀釈して500mlとした。この
液のPHは0以下、硝酸根濃度は500g/であつ
た。これを上記の母体触媒2Kg(細孔容積0.25
ml/g)に加え、約1時間よく混合した。ついで
120℃16時間乾燥し、さらに400℃4時間、700℃
で4時間焼成した。このようにして調製した触媒
の実験式は、Mo0.2W0.25Te1.3P0.017Fe10Sb25O67.39
(SiO2)30である。 実施例 2−b 実施例2−aと同様に先ず実験式がW0.25Te1.0
Fe10Sb25O67.75(SiO2)30である母体触媒を調製し
た。 二酸化テルル粉末11.5gを30℃に加温した45%
硝酸550gに加え完全に溶解させた。硝酸銅Cu
(No3)2・6H2O44.4gを加え溶解させた。 リンモリブデン酸水溶液(MoO3換算40%)
10.8gおよびケイタングステン酸水溶液(Wo3換
算40%)8.7gをとり、これに上記のテルル・銅
含有硝酸溶液を注加、混合した。このようにして
調製したテルル・銅・モリブデン・タングステン
含有溶液は均質安定なものであり、この均質安定
を純水で稀釈し、500mlとした。この液のPHは0
以下、硝酸根濃度は525g/であつた。これを
上記の母体触媒2Kg(細孔容積0.25ml/g)に加
え、約1時間よく混合した。ついで120℃16時間
乾燥し、さらに400℃で4時間、700℃で4時間焼
成した。このようにして調製した触媒の実験式は
Mo0.1W0.3Te1.3P0.003Cu0.5Fe10Sb25O69.32(SiO2)30
である。 比較例 3−a 実験式がW0.5Mo1.2Te3B1Co4Fe10Sb25O81.6
(SiO2)60である触媒を次のようにして調製した。 三酸化アンチモン粉末を5.84Kgとる。() 電解鉄粉0.894Kgをとる。硝酸((比重1.38)6.4
を水4と混合し加温する。この中へ鉄粉を少
しずつ加え溶解させる。これに硝酸コバルト
1.864Kgを加える。() パラタングステン酸アンモニウム210gおよび
パラモリブデン酸アンモニウム340gを1.84の
水に溶解させる。さらにテルル酸1.104Kgを加え
溶解させる。() シリカゾル(SiO230重量%含有)19.22Kgとる。
これにホウ酸98gを溶解させる。() ()に()、()、()をこの順序で加
え、よく撹拌しながら15%アンモニア水をすこし
ずつ加え、PH2とする。このスラリーを常法によ
り噴霧乾燥する。このようにして得られた微細球
状粒子を250℃8時間、ついで400℃16時間焼成後
2分して、一方を700℃4時間、残る一方を720℃
4時間焼成した。 実施例 3−a 実験式が、W0.2Mo0.25Te0.5B1Co4Fe10Sb25O72.9
(SiO2)60である触媒を、次のようにして調製し
た。 まず、実験式がMo0.25B1Co4Fe10Sb25O71.25
(SiO2)60である触媒を比較例3−aと同様の方法
により調製した。ただし、WおよびTe成分は加
えず、焼成温度は800℃5時間とした。 40%硝酸666gを40℃に加温し、金属テルル粉
末14.8gを少しずつ加え溶解させる。これに、ケ
イタングステン酸水溶液(WO3換算30%)35.9g
を加え、テルルおよびタングステンを含有する溶
液を調製した。この溶液は、均質安定なものであ
つた。これを純水で稀釈して0.62とした。この
液のPHは0以下、硝酸根濃度は390g/であつ
た。この液を上記の母体触媒2Kg(細孔容積0.31
ml/g)に加え、1.5時間よく混合した。ついで
120℃16時間乾燥しさらに400℃2時間焼成した。
これを720℃4時間焼成した。 実施例 3−b まず実験式がMo0.5B1Co4Fe10Sb25O72.0
(SiO2)60である母体触媒を、比較例3−aと同様
の方法により調製した。ただし、WおよびTe成
分は加えず焼成条件は820℃4時間とした。 次いで銅片8.8gを60%硝酸80gに加え、加温
溶解した。純水1.7で稀釈した後これにテルル
酸207g、硝酸ニツケル40.3gを順次加え溶解し
た。ケイタングステン酸水溶液80.4g(WO3換算
40%)を、前記のテルルの硝酸溶液に注加、混合
した。このようにして調製したテルル・銅・ニツ
ケル・タングステン含有溶液は均質安定なもので
あり、この均質溶液を純水で稀釈して1.74とし
た。この液のPHは0以下、硝酸根濃度は34g/
であつた。これを上記の母体触媒6Kg(細孔容積
0.29ml/g)に加え約1時間よく混合した。つい
で、120℃16時間乾燥し、さらに400℃4時間焼成
した。これを3等分し、680℃、700℃および720
℃で、各々3時間焼成した。このようにして調製
した触媒の実験式は W0.2Mo0.5Te1.3B1Cu0.2Ni0.2Co4Fe10Sb25O75.60
(SiO2)60である。 比較例 3−b 実施例3−bと同じ組成の触媒を、比較例3−
aと同様の方法により調製した。ただし、焼成条
件は700℃4時間と、800℃4時間の2水準とし
た。 実施例 4 実験式がMo0.25Te1.0Cu3Fe12Sb25O71.75(SiO2)60
である触媒を次の様にして調製した。 三酸化アンチモン粉末を5.82Kgとる。() 電解鉄粉1.07Kgをとる。硝酸(比重1.38)7.1
を水9.0と混合し加温する。この中へ鉄粉を少
しずつ加え溶解させる。この液に金属テルル粉末
204gを少しずつ加え溶解させる。() パラモリブデン酸アンモニウム70.6gをとり、
水1に溶解させる。() 20%シリカゾル28.84Kgをとる。() 硝酸銅Cu(NO3)2・6H2O1417gを水1に溶
解させる。() ()に()、()、()、()の順でよく
撹拌しつつ加え、15%アンモニア水を滴下し、PH
を2に調整する。これを撹拌しつつ100℃4時間
加熱する。 このようにして調製したスラリーを常法により
噴霧乾燥し、300℃2時間、500℃2時間焼成した
のち、最後に820℃4時間焼成する。 この触媒を、触媒流動部の内径が8インチの流
動層反応器に充填し、プロピレンのアンモ酸化反
応を行つた。 試験条件 ガス線速度 18cm/sec 反応圧力 0.5Kg/cm2G 供給ガス・モル比 酸素(空気で供給)/プロピレン=1.9(モル
比) アンモニア/プロピレン=1.0(モル比) この試験条件で、反応温度450℃として200時間
反応したところ、反応開始時にはアクリロニトリ
ル収率が74%だつたものが、70%に低下した。 この劣化触媒を抜出して、その2Kgをとつた。 金属テルル粉末8.7gをとり、30℃に加温した
45%硝酸310gに加え溶解した。 これにリンタングステン酸水溶液(WO3換算
40%)13.1gを加え、テルルおよびタングステン
を含有する溶液を調製した。この溶液は均質安定
なものであつた。これに純水を加え流量を560ml
に調整した。この液のPHは0以下、硝酸根濃度は
230g/であつた。この液を前記の劣化触媒
(細孔容積0.28ml/g)2Kgに加え、約1時間良
く混合する。これを120℃16時間乾燥後、400℃4
時間焼成し、最後に720℃2時間焼成した。この
ようにして調製した触媒の実験式はMo0.25W0.1
Te1.3P0.008Cu3Fe12Sb25P74.67(SiO2)60である。 以上の実施例および比較例の触媒について活性
試験法(1)により活性試験を行い、結果を第1表に
示した。
方法に関し、さらに詳しくはオレフインの酸化、
酸化的脱水素およびアンモ酸化などに有用な、活
性の優れたアンチモン含有金属酸化物触媒の製造
方法の改良に関する。 アンチモン含有金属酸化物触媒、さらに詳しく
はアンチモンと鉄、コバルト、ニツケル、マンガ
ン、ウラン、錫および銅から選ばれた少なくとも
1種の金属(以下、これらの金属を単に多価金属
と記す)との酸化物からなる触媒が、オレフイン
の酸化による不飽和アルデヒドの製造、オレフイ
ンの酸化脱水素によるジオレフインの製造および
オレフインのアンモ酸化による不飽和ニトリルの
製造に有用であることは公知である。例えば、プ
ロピレンのアンモ酸化によるアクリロニトリルの
製造に有用な触媒として、アンチモンと鉄、コバ
ルトまたはニツケルとの酸化物触媒が特公昭39−
19111号公報に、アンチモンと錫との酸化物触媒
が特公昭37−14075号公報に、アンチモンとウラ
ンとの酸化物触媒が特公昭40−24367号公報に、
アンチモンとマンガンまたは銅との酸化物触媒が
特公昭41−11972号公報に、それぞれ記載されて
いる。 しかし、これら触媒においては目的生成物の収
率の点で充分とはいえず、これらの触媒に他の元
素成分を添加することによつて触媒の性能を改善
する試みがなされている。例えば、アンチモンと
鉄との酸化物、アンチモンと錫との酸化物および
アンチモンとウランの酸化物にバナジウム、モリ
ブデン、タングステンからなる群から選ばれた少
なくとも1種の元素とテルルとの酸化物を添加し
た特公昭46−2804号、同47−40985号および同47
−19764号各公報記載の多重促進アンチモン−多
価金属酸化物触媒などが提案されている。 これら触媒の製造に当つては、前記各公報に記
載されている方法の他に、製造方法に関する提案
もいくつかなされている。 本発明者らも高性能を有する多重促進アンチモ
ン−多価金属酸化物触媒を容易に製造し得る方法
として、先ず触媒の母体となるアンチモン−多価
金属酸化物組成物を焼成し、次いでこれにテルル
等の添加成分を含む溶液を含浸、乾燥後焼成して
製造する特公昭52−42552号公報記載の方法を提
案した。含浸法により触媒を製造する場合、均質
安定な含浸液を調製することが重要である。とこ
ろが、この触媒製造法の工業的な適用に際して
は、テルル等を含む含浸液調製の点で必ずしも満
足できるものではなかつた。 すなわち、テルル等含有溶液は金属テルル、二
酸化テルル、亜テルル酸等を硝酸に溶解したテル
ル含有の硝酸溶液に他成分を含む溶液を混合して
調製するのが、操作性、経済性等の点から実施し
易い。しかし、テルルとモリブデンまたはタング
ステンを含有する溶液を調製するために、テルル
の硝酸溶液にモリブデンまたはタングステンのオ
キシ酸塩たとえばメタまたはパラモリブデン酸ア
ンモニウム、あるいはメタまたはパラタングステ
ン酸アンモニウムの水溶液を混合した場合、沈澱
物を生じることが多く、著しく限定された濃度範
囲でしか均質安定な溶液を調製することができな
かつた。特にモリブデンとタングステンを同時に
含む溶液の場合には、均質安定な溶液の調製はほ
とんど不可能であつた。 そのため、前記触媒製造法においてはテルル原
料としてテルル酸を用い、これと水可溶性のモリ
ブデン等の化合物とを水に溶解して調製した均質
安定な溶液が含浸液として用いられている。しか
し、テルル酸は従来金属テルルを塩素酸で酸化し
たり、二酸化テルルを過マンガン酸カリで酸化し
て、多くの工程を経て製造、精製されているの
で、その工業的な広い用途が無いこともあつてか
なり高価なものであり、工業的な触媒原料として
は使用しにくいものである。また、テルル酸はそ
の製造法に起因するのであろうか、純度の良いも
のが入手しにくいという問題もある。 一方、テルルを含有する均質安定な溶液の調製
法に関して、金属テルルを特定の反応促進剤の存
在下に過酸化水素により酸化する特開昭56−5420
号公報記載の方法がある。しかし、この方法は危
険な過酸化水素を大量に用いねばならないことな
どから工業的な実施となると問題がある。また、
テルル成分は主としてテルル酸を用い、モリブデ
ン成分としてはモリブデン酸アンモニウムと過酸
化水素とを反応せしめたパーオキシモリブデン化
合物を、タングステン成分としてはタングステン
酸アンモニウムと過酸化水素とを反応せしめたパ
ーオキシタングステン化合物を用いる米国特許第
3474042号明細書記載の方法がある。しかし、こ
の方法も高価なテルル酸をテルル原料として用い
ており、また過酸化水素を大量に用いることなど
から工業的には実施しにくいものである。 本発明は、このようなテルル等を含有する含浸
液調製時における問題点に解決を与えるべくなさ
れたもので、前記特公昭52−42552号公報記載の
方法の改良に関するものである。 本発明は、テルルとモリブデンおよびタングス
テンからなる群から選ばれた少なくとも1種の元
素とを含む均質安定な含浸液を、危険の過酸化水
素を用いることなく、しかも価格が相対的に安い
金属テルル、酸化テルル等の硝酸々化により得ら
れるテルルの硝酸溶液を用いて調製することがで
き、工業的に有利にアンチモン含有酸化物触媒を
製造することのできる方法を提供することを目的
とし、リンまたはケイ素をヘテロ元素とするモリ
ブデン酸あるいはタングステン酸によるヘテロポ
リ酸をテルルの硝酸溶液に混合かつ溶解して調製
した均質安定溶液を含浸液として使用することに
よつて、この目的を達成しようとするものであ
る。 すなわち、本発明の第1の発明によるアンチモ
ン含有金属酸化物触媒の製法は、アンチモンと
鉄、コバルト、ニツケル、マンガン、ウラン、錫
および銅からなる群から選ばれた少なくとも1種
の元素とを必須成分として含む金属酸化物組成物
を約500℃ないし約1000℃の温度で焼成して得ら
れた焼成酸化物組成物にモリブデンおよび(また
は)タングステンとテルルとを含む水溶液を含浸
させたのち、この生成酸化物組成物を乾燥し、次
いで約400℃ないし約850℃の温度で焼成すること
によつてアンチモン含有金属酸化物触媒を製造す
る方法において、テルル等を含む含浸液としてリ
ンモリブデン酸、ケイモリブデン酸、リンタング
ステン酸およびケイタングステン酸からなる群か
ら選ばれた少なくとも1種のヘテロポリ酸とテル
ルの硝酸溶液とを混合かつ溶解して調製した均質
安定な溶液を用いることを特徴とするものであ
る。 本発明の方法におけるテルル等を含む含浸液調
製時においては、従来テルルの硝酸溶液を用いて
調製した場合にみられたような他成分との相容性
不良の問題は起らず、均質安定なテルル等含有溶
液が得られる。しかも、その溶液は、テルルとモ
リブデンおよび(または)タングステンの広い比
率、広い濃度範囲に亘つて均質安定な溶液を形成
することができ、かつその溶液を用いて製造した
アンチモン含有金属酸化物触媒は極めて良好な活
性を示す。また、含浸液調整時に用いるモリブデ
ン、タングステンおよびテルルの各成分原料は、
工業製品として人手し易く、価格も特に高価なも
のではないので工業用触媒製造の原料として使用
し易いものである。 したがつて、本発明の方法によればオレフイン
の酸化、酸化脱水素およびアンモ酸化などに有用
なアンチモン含有金属酸化物触媒を、工業的に極
めて有利に製造することができる。また、触触製
造時の焼成温度依存性の小さいこと、優れた活
性、物性を有する多重促進アンチモン−多価金属
酸化物触媒を製造し得ることについては、前記特
公昭52−42552号公報記載の方法の場合と変わら
ない。 本発明の方法によつて製造される触媒の組成は
限界的なものではないが、好ましい組成は次の実
験式で表わされる範囲のものである。 MeaSbbXcPdTeeQfOg(SiOz)h ただし、上式においてMeはFe、Co、Ni、
Mu、U、SnおよびCuからなる群から選ばれた少
なくとも1つの元素であり、XはMoおよびWか
らなる群から選ばれた少なくとも1つの元素であ
る。 また、QはLi、Na、K、Rb、Cs、Mg、Ca、
Sr、Ba、La、Ce、Ti、Zr、V、Nb、Ta、Cr、
Re、Ru、Os、Rh、Ir、Pd、Pt、Ag、Au、Zn、
Cd、Hg、B、Al、Ga、In、Tl、Ge、Pb、Asお
よびBiからなる群から選ばれた少なくとも1つ
の元素である。 なお、添字a、b、c、d、e、fおよびgは
原子比を示し、 a=10のとき b=5〜60 (好ましくは、5〜30) c=0.01〜5 (好ましくは、0.05〜30) d=0〜5 (好ましくは、0〜3) e=0.01〜10 (好ましくは、0.05〜5) f=0〜20 (好ましくは、0〜10) g=上記各成分が結合して生成する酸化物に対応
する数 h=0〜200 である。 本発明方法によつて製造される触媒は担体を用
いなくても使用できるが、適切な担体に担持させ
て用いるのが好ましい。担体としては、シリカ、
アルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカ・アル
ミナなどがあげられるが、その中でも、とくにシ
リカが好ましい。担体の使用量は、要求される触
媒の物性や反応速度によつて決められるべきであ
るが、一般には触媒全重量の約10ないし約90%と
するのが好ましい。 本発明の方法においては、先ずアンチモンと
鉄、コバルト、ニツケル、マンガン、ウラン、錫
および銅からなる群から選ばれた少なくとも1種
の元素とを必須成分として含むアンチモンと多価
金属との酸化物組成物を約500℃ないし約1000℃
の温度で約1ないし約50時間焼成する。焼成は単
一の温度でおこなつてもよいし、また予備焼成と
高温焼成とに分けておこなつてもよい。高い温度
での焼成たとえば700℃以上の焼成が望まれると
きは、予備焼成と高温焼成とに分けて行うのが好
ましい。この場合の予備焼成は約200℃から約600
℃までの温度でおこなうのが好ましい。最適な焼
成条件は触媒組成によつて変動するが一般には約
200℃から約600℃までの温度で約1ないし約50時
間予備焼成したのちに、約600℃から、約1000℃
までの温度で約1ないし約50時間高温焼成するの
が好ましい。 触媒の母体となる前記アンチモン−多価金属酸
化物組成物には、バナジウム、モリブデン、タン
グステン、テルル、マグネシウム、カルシウム、
ランタン、セリウム、チタン、ジルコニウム、ニ
オブ、タンタル、クロム、銀、亜鉛、ホウ素、ア
ルミニウム、ガリウム、ゲルマニウム、鉛、リ
ン、ヒ素、ビスマスなどの成分が含まれていても
差支えない。なお、これらのアンチモン−多価金
属酸化物組成物を製造するに際しては前述のそれ
ぞれの特許明細書中に記載されている任意の方法
を用いることができる。 このようにして焼成して得られたアンチモン−
多価金属酸化物組成物は、次いでモリブデンおよ
び(または)タングステンとテルルとを含む均質
安定な溶液で含浸する。この含浸液はリンモリブ
デン酸、ケイモリブデン酸、リンタングステン酸
およびケイタングステン酸からなる群から選ばれ
た少なくとも1種のヘテロポリ酸とテルル化合物
とを硝酸に溶解、あるいはテルル化合物を硝酸に
溶解し、その溶液にヘテロポリ酸を混合かつ溶解
することによつて調製し、それを用いる。 含浸液の調製に使用するリンモリブデン酸、ケ
イモリブデン酸、リンタングステン酸およびケイ
タングステン酸は、市販の結晶または水溶液を用
いることができるし、公知の任意の方法によつて
製造することができる。これらのヘテロポリ酸は
それぞれ次のような一般式で示されるものであ
る。 リンモリブデン酸H3[PMo12O40]・nT2O ケイモリブデン酸H4[SiMo12O40]・nH2O リンタングステン酸H3[PW12O40]・nH2O ケイタングステン酸H4[SiW12O40]・nH2O なお、これらと同様の構造で、Moの一部がV
および(または)Wに置換されたもの、Wの一部
がVおよび(または)Moに置換されたのであつ
ても同様に用いることができる。 これらに類似の構造を持つヘテロポリ酸として
は多くのものが知られているが、本目的のために
は上記のリンおよび(または)ケイ素をヘテロ元
素とするモリブデン酸またはタングステン酸によ
るヘテロポリ酸を原料として用いることが必要で
ある。モリブデン成分とタングステン成分とを同
時に含む含浸液を調製する場合でも同様である。
モリブデン成分またはタングステン成分の原料の
いずれか一方が前記ヘテロポリ酸以外のものであ
る場合には均質安定な溶液が調製しにくい。 含浸液の調製に使用するテルル化合物として
は、金属テルル、一酸化テルル、二酸化テルル、
三酸化テルル、亜テルル酸、テルル酸などを挙げ
ることができる。 硝酸の濃度は、硝酸根濃度として少なくとも5
g/であるのがよく、好ましくは10〜1000g/
の範囲である。硝酸根濃度が5g/より小さ
い場合、4価のテルル化合物ではその加水分解に
より安定な溶液が調製できないし、6価のテルル
化合物たとえばテルル酸では得られる触媒の性能
が不十分である。 このようにして調製されたテルルとモリブデン
および/またはタングステンを同時に含む含浸液
は、その液の安定性を保持するために液のPHを3
以下にするのが好ましい。PHの調整には硝酸を用
いるのがよい。PHが3より高い場合にはテルル成
分の沈澱が生じたり、ヘテロポリ酸が不安定にな
り易い。 このテルル等を含む含浸液はモリブデン、タン
グステン、テルルの広い濃度範囲にわたつて安定
である。 また、この含浸液は他成分との相溶性がよい。
従つて、この溶液には必要により種々の元素たと
えばアルカリ金属、アルカリ土類金属、稀土類金
属、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、マ
ンガン、レニウム、鉄、ルテニウム、オスミウ
ム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニツケ
ル、パラジウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、カド
ミウム、水銀、ホウ素、アルミニウム、ガリウ
ム、インジウム、タリウム、ゲルマニウム、ス
ズ、鉛、リン、ヒ素、ビスマス等の水可溶性化合
物を適宜所定量加えて含浸液とすることができ
る。これら化合物の中でも、とくに硝酸塩を用い
るのが好ましい。ただし、アンモニウムイオンは
含浸液の安定性を損う場合が多いので共存はでき
るだけ避けるのがよい。 焼成したアンチモン−多価金属酸化物組成物に
前記のテルル等を含む溶液を含浸するには任意の
方法を採用することができる。そのなかでも実施
し易い方法は、含浸の母体となるアンチモン−多
価金属酸化物組成物の細孔容積をあらかじめ測定
し、それに見合う濃度、容量のテルル等を含む含
浸液を調製し、これを母体触媒とよく混合、含浸
する方法である。この方法はとくに流動触媒の場
合には好適である。本発明の方法により焼成され
たアンチモン−多価金属酸化物組成物に対し、前
記方法により調製された含浸液の各成分は、強い
選択的吸着をするようなことがない、従つて含浸
成分も完成触媒内に均一に含浸固定される。 含浸は、10分ないし2時間程度母体触媒と含浸
液をよく混合することで十分達成される。含浸に
よつて母体触媒に添加される成分の合計量は、酸
化物換算で母体触媒に対し10重量%以下で効果が
あり、多くの場合は5重量%以下で十分である。
また、添加成分の好ましい割合は原子比でTe:
〔Mo、W〕:〔アルカリ金属、アルカリ土類金属、
稀土類金属、V、Nb、Ta、Cr、Mn、Re、Fe、
Ru、Os、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、
Au、Zn、Cd、Hg、Bi、Al、Ga、In、Tl、Ge、
Sn、Pb、、P、As、B〕=1:0.01〜5:0〜5 である。 母体触媒に前記含浸液を含浸したのち、このテ
ルル含有酸化物組成物は乾燥され、次いで約400
℃ないし約850℃の温度で最終焼成される。最適
な焼成条件は添加成分の種類および量によつて変
動するが、本発明の方法では触媒の活性、物性に
対する焼成条件の影響はあまり厳しいものでない
ので製造管理は容易であり、約400℃から約850℃
の温度範囲で約0.5時間ないし約50時間焼成すれ
ばよい。 本発明の方法における母体アンチモン−多価金
属酸化物組成物と含浸液中の添加成分との反応に
ついては必ずしも明らかではないが、バナジウ
ム、モリブデン、テルル等の成分は触媒焼成時に
母体のアンチモン−多価金属酸化物組成物と容易
に反応するものとみられる。 本発明の方法は、既存の性能の劣る微量のテル
ルもしくはテルルとバナジウム、モリブデンおよ
びタングステンからなる群から選ばれた少なくと
も1種の元素とを含む多重促進アンチモン−多価
金属酸化物触媒を改質して性能を高めようとする
ときにも適用できるし、また使用中に何らかの理
由により還元変質または前記テルル等の添加成分
の減少ないし遊離によつて活性が低下してしまつ
た多重促進アンチモン−多価金属酸化物触媒の賦
活にも適用できる。 すなわち、本発明の第2の発明によるアンチモ
ン含有金属酸化物触媒の製造方法は、アンチモン
と鉄、コバルト、ニツケル、マンガン、ウラン、
錫および銅からなる群から選ばれた少なくとも1
種の元素とを必須成分として含む金属酸化物組成
物を約500℃ないし約1000℃の温度で焼成して得
られた焼成酸化物組成物であつて、かつ微量のテ
ルルもしくはテルルとバナバジウム、モリブデン
およびタングステンからなる群から選ばれた少な
くとも1種の元素とを含む焼成酸化物組成物に、
モリブデンおよび(または)タングステンとテル
ルとを含む水溶液を含浸させたのち、この生成酸
化物組成物を乾燥し、次いで約400℃ないし約850
℃の温度で焼成することによつてアンチモン含有
金属酸化物触媒を製造する方法において、テルル
等を含む含浸液として、リンモリブデン酸、ケイ
モリブデン酸、リンタングステン酸およびケイタ
ングステン酸からなる群から選ばれた少なくとも
1種のヘテロポリ酸とテルルの硝酸溶液とを混合
かつ溶解して調製した均質安定な溶液を用いるこ
とを特徴とするものである。 この第2の発明においても、第1の発明と同様
に、含浸液の調製工程、生成酸化物組成物の乾
燥、焼成工程は第1の発明の場合と全く同じよう
に実施される。 第2の発明におけるテルル等を含む溶液には必
要により種々の元素たとえばアルカリ金属、アル
カリ土類金属、稀土類金属、バナジウム、ニオ
ブ、タンタル、クロム、マンガン、レニウム、
鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウ
ム、イリジウム、ニツケル、パラジウム、白金、
銅、銀、金、亜鉛、カドミウム、水銀、ホウ素、
アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウ
ム、ゲルマニウム、スズ、鉛、リン、ヒ素、ビス
マス等の水可溶性化合物を適宜所定量加えて含浸
液とすることができるのは第1の発明と同様であ
る。 本発明による触媒の製造法は、優れた活性およ
び物性を有する多重促進アンチモン−多価金属酸
化物触媒を安定して容易に製造できるのみなら
ず、性能の劣る前記酸化物触媒の改質ないし賦活
にも有効に利用することができ、工業的に非常に
有利である。 以下、実施例および比較例により、本発明の実
施態様および効果を具体的に示す。 なお、本明細書中の目的生成物の収率および選
択率は、次の定義による。 収率(%) =生成した目的生成物の炭素重/供給した原料炭化水
素の炭素重量×100 選択率(%) =生姓した目的生成物の炭素重量/反応した原料炭化
水素の炭素重量×100 活性試験法(1) プロピレンのアンモ酸化 触媒流動部の内径が2インチ、高さ2mの流動
床反応器に、触媒を1200gないし1800gの間で適
宜選択して充填する。この反応器中へ次の組成の
ガスを、見掛け線速度15cm/secとなるよう送入
する。反応圧力は常圧である。 酸素(空気で供給)/プロピレン=2.10(モル比) アンモニア/プロピレン=1.15(モル比) ただし、接触時間は次のように定義される。 接触時間(sec)=触媒の充填容積()/供給ガス
流速(/sec) 活性試験法(2) ブテン−1の酸化脱水素 2mm×2mmφの円柱状に成型された触媒25ml
を、内径16mm、長さ500mmのU字型固定床反応器
に充填する。これを亜硫酸ソーダと硝酸カリウム
の等量混合物よりなる熔融塩浴で加温し、所定の
温度に保持する。この反応器へ次の組成のガスを
1時間に7.5(NTP)の割合で送入する。反応
圧力は常圧である。 酸素(空気で供給)/ブテン−1=1.1(モル比) 水/ブテン−1=1.5(モル比) 実施例 1 まず、実験式がFe10Sb25O65(SiO2)30である母
体触媒を次のようにして調製した。 金属アンチモン粉末4.72Kgをとる。比重1.38の
硝酸17.5を約80℃に加熱し、この中に前記アン
チモン粉末を徐々に加える。アンチモンが完全に
酸化されたのち、過剰の硝酸を除去し、さらにこ
のアンチモン硝酸々化物を水洗したのちボールミ
ルに移し3時間粉砕する。() 電解鉄粉0.865Kgをとる。比重1.38の硝酸6.25
を水7.75と混合し、約80℃に加温し、この中に
前記鉄粉を少しずつ加え、鉄粉が完全に溶解した
ことを確認する。() 20%シリカゾルを13.9Kgとる。() 前記()、()、()の3者を混合し、充分
撹拌しながら濃度15%のアンモニア水を徐々に加
えてPH値を2に調製する。 このようにして得られたスラリーを撹忰しつつ
加熱し、100℃3時間加熱した。これを噴霧乾燥
後、300℃5時間、500℃2時間焼成し、最後に
850℃2時間焼成した。 次いで、テルル金属粉末15.8gを45%硝酸800
gに30℃で加え酸化溶解した。これにWO3とし
て40%のリンタングステン酸水溶液18.0gを加え
た。このようにして調製したテルルとタングステ
ンを含む溶液は沈澱物のない均質安定な溶液であ
つた。この均質溶液を純水で稀釈し6.14mlとし
た。この液のPHは0以下、硝酸根濃度は520g/
であつた。これを上記の母体触媒2Kg(細孔容
積0.32ml/g)へ注加し、よく混合した。約1時
間混合したのち、120℃16時間乾燥、ついで400℃
4時間焼成し、最後に760℃5時間焼成した。こ
のようにして調製した触媒の実験式は、 W0.1Te0.4P0.008Fe10Sb25O66.12(SiO2)30 である。 比較例 1−a 実施例1と同じ組成の触媒を、同様の方法でた
だし、タングステン成分原料としてはパラタング
ステン酸アンモニウム、リン成分原料としてはリ
ン酸を用いて製造しようとした。しかし、金属テ
ルルを硝酸に溶解した溶液とパラタングステン酸
アンモニウムの水溶液からは、混合条件を種々変
動しても沈澱物が生成した。この方法ではテルル
とタングステンの両成分を同時に含む均質安定な
溶液は調製できなかつたので、この方法による触
媒製造は断念した。 比較例 1−b 比較例1−aで、テルルの硝酸溶液とパラタン
グステン酸アンモニウム水溶液とからはテルルと
タングステンの両成分を同時に含む均質安定な溶
液の調製が難しいことがわかつた。そこで次のよ
うな2段含浸法によつて実施例1と同じ組成の触
媒を調整した。 実施例1と同様の方法で調製した実験式が
Fe10Sb25O65(SiO2)60である母体触媒を2Kgとる。 金属テルル粉末15.8を45%硝酸に30℃で加え酸
化溶解した。これに45%硝酸を加え液量を614ml
に調製し、上記の母体触媒2Kgに注加し、約1時
間よく混合する。これを120℃16時間乾燥後、400
℃4時間焼成した。次いでパラタングステン酸ア
ンモニウム8.1gを純水600mlに懸濁撹拌しつつ70
℃に加熱し完全に溶解させた。これに85%リン酸
0.30gを加えたのち純水を加えて液量を614mlに
調整し、さきに調整したテルル成分含浸触媒に注
加、約1時間よく混合した。これを120℃16時間
乾燥後、400℃4時間焼成し、最後に750℃5時間
焼成した。このようにして調製した触媒の実験式
は、 W0.1Te0.4P0.01Fe10Sb25O66.12(SiO2)30 である。 比較例 2 実験式がW0.25Te1.0Fe10Sb25O67.75(SiO2)30であ
る触媒を次のようにして調製した。 粒径100μ以下の金属アンチモン粉末1.95Kgをと
る。比1.38の硝酸7.2を約80℃に加熱し、この
中に前記アンチモンが粉末を徐々に加える。アン
チモンが完全に酸化されたことを確認したのち、
過剰の硝酸を除去する。次にこのアンチモン硝
酸々化物を水2で5回洗浄したのちボールミル
に移し3時間粉砕する。() 電解鉄粉0.358Kgをとる。比重1.38の硝酸3
を水4と混合し、約80℃に加温し、この中に前
記鉄粉を除去に加え、鉄粉を完全に溶解させた。
ついで純度99.9%の金属テルル粉末81.8gを投入
し溶解させた。() パラタングステン酸アンモニウム41.8gをと
り、これを水2に溶解させる。() シリカゾル(SiO230重量%含有)3.84Kgをと
る。() 前記()〜()を混合し、充分に撹拌しな
がら、濃度15重量%のアンモニア水を徐々に加え
PHを2に調整した。 このようにして得られたスラリーを、十分に撹
忰しつつ加熱し、100℃4時間加熱をつづけた。
ついで、これを常法に従い噴霧乾燥した。得られ
た微細な球状粒子を200℃4寺時間、400℃4時間
焼成し、最後に800℃8時間焼成した。 実施例 2−a まず実験式がW0.25Te1.0Fe10Sb25O67.75(SiO2)30
である母体触媒を比較例2と同様の方法により調
製した。 テルル金属粉末11.5gを30℃に加温した45%硝
酸590gに加え完全に溶解させた。 リンモリブデン酸水溶液(MoO3換算40%)
21.6gをとり、これに上記のテルル硝酸溶液を注
加、混合した。このようにして調製したテルル・
モリブデン含有溶液は均質安定なものであり、こ
の均質溶液を純水で稀釈して500mlとした。この
液のPHは0以下、硝酸根濃度は500g/であつ
た。これを上記の母体触媒2Kg(細孔容積0.25
ml/g)に加え、約1時間よく混合した。ついで
120℃16時間乾燥し、さらに400℃4時間、700℃
で4時間焼成した。このようにして調製した触媒
の実験式は、Mo0.2W0.25Te1.3P0.017Fe10Sb25O67.39
(SiO2)30である。 実施例 2−b 実施例2−aと同様に先ず実験式がW0.25Te1.0
Fe10Sb25O67.75(SiO2)30である母体触媒を調製し
た。 二酸化テルル粉末11.5gを30℃に加温した45%
硝酸550gに加え完全に溶解させた。硝酸銅Cu
(No3)2・6H2O44.4gを加え溶解させた。 リンモリブデン酸水溶液(MoO3換算40%)
10.8gおよびケイタングステン酸水溶液(Wo3換
算40%)8.7gをとり、これに上記のテルル・銅
含有硝酸溶液を注加、混合した。このようにして
調製したテルル・銅・モリブデン・タングステン
含有溶液は均質安定なものであり、この均質安定
を純水で稀釈し、500mlとした。この液のPHは0
以下、硝酸根濃度は525g/であつた。これを
上記の母体触媒2Kg(細孔容積0.25ml/g)に加
え、約1時間よく混合した。ついで120℃16時間
乾燥し、さらに400℃で4時間、700℃で4時間焼
成した。このようにして調製した触媒の実験式は
Mo0.1W0.3Te1.3P0.003Cu0.5Fe10Sb25O69.32(SiO2)30
である。 比較例 3−a 実験式がW0.5Mo1.2Te3B1Co4Fe10Sb25O81.6
(SiO2)60である触媒を次のようにして調製した。 三酸化アンチモン粉末を5.84Kgとる。() 電解鉄粉0.894Kgをとる。硝酸((比重1.38)6.4
を水4と混合し加温する。この中へ鉄粉を少
しずつ加え溶解させる。これに硝酸コバルト
1.864Kgを加える。() パラタングステン酸アンモニウム210gおよび
パラモリブデン酸アンモニウム340gを1.84の
水に溶解させる。さらにテルル酸1.104Kgを加え
溶解させる。() シリカゾル(SiO230重量%含有)19.22Kgとる。
これにホウ酸98gを溶解させる。() ()に()、()、()をこの順序で加
え、よく撹拌しながら15%アンモニア水をすこし
ずつ加え、PH2とする。このスラリーを常法によ
り噴霧乾燥する。このようにして得られた微細球
状粒子を250℃8時間、ついで400℃16時間焼成後
2分して、一方を700℃4時間、残る一方を720℃
4時間焼成した。 実施例 3−a 実験式が、W0.2Mo0.25Te0.5B1Co4Fe10Sb25O72.9
(SiO2)60である触媒を、次のようにして調製し
た。 まず、実験式がMo0.25B1Co4Fe10Sb25O71.25
(SiO2)60である触媒を比較例3−aと同様の方法
により調製した。ただし、WおよびTe成分は加
えず、焼成温度は800℃5時間とした。 40%硝酸666gを40℃に加温し、金属テルル粉
末14.8gを少しずつ加え溶解させる。これに、ケ
イタングステン酸水溶液(WO3換算30%)35.9g
を加え、テルルおよびタングステンを含有する溶
液を調製した。この溶液は、均質安定なものであ
つた。これを純水で稀釈して0.62とした。この
液のPHは0以下、硝酸根濃度は390g/であつ
た。この液を上記の母体触媒2Kg(細孔容積0.31
ml/g)に加え、1.5時間よく混合した。ついで
120℃16時間乾燥しさらに400℃2時間焼成した。
これを720℃4時間焼成した。 実施例 3−b まず実験式がMo0.5B1Co4Fe10Sb25O72.0
(SiO2)60である母体触媒を、比較例3−aと同様
の方法により調製した。ただし、WおよびTe成
分は加えず焼成条件は820℃4時間とした。 次いで銅片8.8gを60%硝酸80gに加え、加温
溶解した。純水1.7で稀釈した後これにテルル
酸207g、硝酸ニツケル40.3gを順次加え溶解し
た。ケイタングステン酸水溶液80.4g(WO3換算
40%)を、前記のテルルの硝酸溶液に注加、混合
した。このようにして調製したテルル・銅・ニツ
ケル・タングステン含有溶液は均質安定なもので
あり、この均質溶液を純水で稀釈して1.74とし
た。この液のPHは0以下、硝酸根濃度は34g/
であつた。これを上記の母体触媒6Kg(細孔容積
0.29ml/g)に加え約1時間よく混合した。つい
で、120℃16時間乾燥し、さらに400℃4時間焼成
した。これを3等分し、680℃、700℃および720
℃で、各々3時間焼成した。このようにして調製
した触媒の実験式は W0.2Mo0.5Te1.3B1Cu0.2Ni0.2Co4Fe10Sb25O75.60
(SiO2)60である。 比較例 3−b 実施例3−bと同じ組成の触媒を、比較例3−
aと同様の方法により調製した。ただし、焼成条
件は700℃4時間と、800℃4時間の2水準とし
た。 実施例 4 実験式がMo0.25Te1.0Cu3Fe12Sb25O71.75(SiO2)60
である触媒を次の様にして調製した。 三酸化アンチモン粉末を5.82Kgとる。() 電解鉄粉1.07Kgをとる。硝酸(比重1.38)7.1
を水9.0と混合し加温する。この中へ鉄粉を少
しずつ加え溶解させる。この液に金属テルル粉末
204gを少しずつ加え溶解させる。() パラモリブデン酸アンモニウム70.6gをとり、
水1に溶解させる。() 20%シリカゾル28.84Kgをとる。() 硝酸銅Cu(NO3)2・6H2O1417gを水1に溶
解させる。() ()に()、()、()、()の順でよく
撹拌しつつ加え、15%アンモニア水を滴下し、PH
を2に調整する。これを撹拌しつつ100℃4時間
加熱する。 このようにして調製したスラリーを常法により
噴霧乾燥し、300℃2時間、500℃2時間焼成した
のち、最後に820℃4時間焼成する。 この触媒を、触媒流動部の内径が8インチの流
動層反応器に充填し、プロピレンのアンモ酸化反
応を行つた。 試験条件 ガス線速度 18cm/sec 反応圧力 0.5Kg/cm2G 供給ガス・モル比 酸素(空気で供給)/プロピレン=1.9(モル
比) アンモニア/プロピレン=1.0(モル比) この試験条件で、反応温度450℃として200時間
反応したところ、反応開始時にはアクリロニトリ
ル収率が74%だつたものが、70%に低下した。 この劣化触媒を抜出して、その2Kgをとつた。 金属テルル粉末8.7gをとり、30℃に加温した
45%硝酸310gに加え溶解した。 これにリンタングステン酸水溶液(WO3換算
40%)13.1gを加え、テルルおよびタングステン
を含有する溶液を調製した。この溶液は均質安定
なものであつた。これに純水を加え流量を560ml
に調整した。この液のPHは0以下、硝酸根濃度は
230g/であつた。この液を前記の劣化触媒
(細孔容積0.28ml/g)2Kgに加え、約1時間良
く混合する。これを120℃16時間乾燥後、400℃4
時間焼成し、最後に720℃2時間焼成した。この
ようにして調製した触媒の実験式はMo0.25W0.1
Te1.3P0.008Cu3Fe12Sb25P74.67(SiO2)60である。 以上の実施例および比較例の触媒について活性
試験法(1)により活性試験を行い、結果を第1表に
示した。
【表】
【表】
実施例1〜4および比較例1〜3の説明
(1) 実施例1と比較例1−a、1−bについて実
施例1では、本発明の方法により、テルルとタ
ングステンを同時に含有する均質安定な溶液が
調製でき、この液を用いて製造した触媒は、良
好な性能を与えた。 一方、テルルを硝酸酸化して得た、テルル含
有硝酸溶液とパラタングステン酸アンモニウム
およびリン酸を用いた場合(比較例1−a)
は、テルルとタングステンの両成分を同時に含
む均質安定な溶液を調製することはできなかつ
た。 そこで、テルルを硝酸々化して得た液をまず
母体触媒に含浸し、乾燥、焼成したのち、パラ
タングステン酸アンモニウム水溶液を含浸、乾
燥、焼成する2段含浸法によつて、実施例1と
同一組成の触媒を製造した(比較例1−b)。
この方法は、上述の説明から明らかな通り、実
施例1の方法に比べ操作が繁雑であり、かつ多
くの工程を要する。その上触媒の性能も実施例
1の触媒に比べ劣る。 (2) 実施例2−a、2−bと比較例2について触
媒成分を混合して製造する公知方法による比較
例2の触媒は第1表に示した通りの性能を与え
る。 実施例2−aおよび実施例2−bは本発明の
方法により、比較例2の触媒を改質してさらに
性能を高めることができるか否かを検討したも
のである。 その結果、実施例2−aおよび実施例2−b
にみるごとく、少量のテルル、モリブデン、タ
ングステン等を、本発明の方法により比較例2
の触媒に含浸添加することにより、比較例2の
触媒を改質してさらに良好な触媒とすることが
できた。アクリロニトリル収率の向上、反応速
度の増大などが第1表から明らかである。 (3) 実施例3−a、3−bと比較例3−a、3−
bについて 比較例3−aは、従来公知の、全触媒成分を
はじめから混合して製造する方法による触媒で
ある。活性試験の結果は、第1表に示したよう
に良好である。 本発明による実施例3−aおよび3−bの触
媒は、比較例3−aの触媒に比べ、Mo、W、
Teの添加量は半分以下である。しかるに、触
媒性能は比較例3−aの触媒よりむしろすぐれ
ている。また、テルル、モリブデン、タングス
テン等の成分原料は、総じて比較的高価であ
る。これらの高価な成分の添加量を少なくして
良好な性能の触媒を得られることは経済的効果
が大きいことである。 比較例3−bでは、実施例3−bと同一組成
の触媒を従来公知の、全触媒成分をはじめから
混合して製造する方法により製造したものであ
る。最終焼成条件を700℃4時間と、実施例3
−bに同じとしたところ炭酸ガスの生成が大
で、アクリロニトリル収率は低く、かつ経時変
化も大きかつた。そこで、焼成温度を高め、ア
クリロニトリル収率の良好な条件を求めたが、
800℃でアクリロニトリル収率77.5%を得たに
とどまつた。反応速度も小さく、この点でも実
施例3−bの触媒には及ばなかつた。 焼成温度の触媒性能に与える影響であるが、
比較例3−aの触媒は、最適焼成条件700℃4
時間から20℃高くなると、アクリロニトリル収
率は確実に低下している。一方、本発明による
実施例3−bの触媒では、680℃から20℃きざ
みに720℃まで焼成温度を変えてみたが、ほと
んど性能は変らず良好であつた。すなわち、本
発明の方法は、触媒性能の焼成温度依存性が小
さく、触媒の工業的製造の場合にとくに有利で
あり、特公昭52−42552号公報の利点は保存さ
れていることが明らかである。 (4) 実施例4について 実施例4は、本発明の方法により劣化触媒の
再生ができることを示したものである。劣化触
媒の再生に有効なことが示された。 実施例 5 実験式がU10Sb50W0.1Te0.5Zn0.5O128.5(SiO2)60
である触媒を、次のようにして調製した。 金属アンチモン粉末(100メツシユ以下)60.9
gを、加熱した63%硝酸50mlの中へ少しずつ加え
る。アンチモンを全部加え、褐色ガスの発生がと
まつたのち室温に16時間放置する。のち、過剰の
硝酸を除去し、沈澱を100mlの水で3回洗浄する。
() 硝酸ウラニルUO2(NO3)2・6H2O50.2gを水
100mlに溶解させる。() シリカゾル(SiO220重量%)を180.3gとる。
() ()、()および()を混合し、よく撹拌
しながら加熱乾固させる。 乾固物を破砕し200℃2時間、ついで400℃2時
間焼成したのち水を加えて〓和し、ペレツト状
(2mm×2mmφ)に成型する。これを130℃16時間
乾燥後800℃5時間焼成した。 テルル酸1.15gを水30mlに溶解し、これにリン
タングステン酸溶解(WO3換算20%)1.16gを混
合した。これに硝酸亜鉛Zn(NO3)2・6H2O1.49g
を加え、全液量を44mlとした。この液のPHは2.2、
硝酸根濃度は14g/であつた。 この含浸液を上に調製した触媒前駆体に吹きつ
け、120℃16時間乾燥、400℃2時間、720℃4時
間焼成した。 実施例 6 実験式がSn10Sb60W0.25Te0.3O141.4(SiO2)60であ
る触媒を、つぎのようにして調製した。 金属アンチモン粉末(100メツシユ以下)121.8
gと金属スズ粉末(100メツシユ以下)19.8gと
を、加熱した硝酸(比重1.38)720mlの中へ少し
ずつ加える。褐色ガスの発生がとまつたのち室温
に16時間放置する。のち過剰の硝酸を除去し、沈
澱を100mlの水で3回洗浄する。() シリカゾル(SiO220重量%)300gをとる。
() ()と()を混合し、よく撹拌しながら加
熱し乾固させる。 乾固物を破砕し、200℃2時間、ついでに400℃
2時間焼成したのち水を加えて〓和し、ペレツト
状(2mm×2mmφ)に成型する。これを130℃16
時間乾燥後850℃3時間焼成した。 30%硝酸40gを50℃に加温し、金属テルル粉末
0.64gを少しずつ溶解させる。これに、リンタン
グステン酸(WO3換算25%)3.9gを加え、テル
ルおよびタングステンを含有する溶液を調製し
た。この溶液は、均質安定なものであり、PHは0
以下、硝酸根濃度は170g/であつた。これを
純水で稀釈して69mlとし、上に調製した触媒前駆
体に含浸させ、120℃16時間乾燥、400℃2時間、
700℃4時間焼成した。 以上実施例5および6の触媒について、活性試
験法(2)により活性試験を行い、結果を第2表に示
した。
施例1では、本発明の方法により、テルルとタ
ングステンを同時に含有する均質安定な溶液が
調製でき、この液を用いて製造した触媒は、良
好な性能を与えた。 一方、テルルを硝酸酸化して得た、テルル含
有硝酸溶液とパラタングステン酸アンモニウム
およびリン酸を用いた場合(比較例1−a)
は、テルルとタングステンの両成分を同時に含
む均質安定な溶液を調製することはできなかつ
た。 そこで、テルルを硝酸々化して得た液をまず
母体触媒に含浸し、乾燥、焼成したのち、パラ
タングステン酸アンモニウム水溶液を含浸、乾
燥、焼成する2段含浸法によつて、実施例1と
同一組成の触媒を製造した(比較例1−b)。
この方法は、上述の説明から明らかな通り、実
施例1の方法に比べ操作が繁雑であり、かつ多
くの工程を要する。その上触媒の性能も実施例
1の触媒に比べ劣る。 (2) 実施例2−a、2−bと比較例2について触
媒成分を混合して製造する公知方法による比較
例2の触媒は第1表に示した通りの性能を与え
る。 実施例2−aおよび実施例2−bは本発明の
方法により、比較例2の触媒を改質してさらに
性能を高めることができるか否かを検討したも
のである。 その結果、実施例2−aおよび実施例2−b
にみるごとく、少量のテルル、モリブデン、タ
ングステン等を、本発明の方法により比較例2
の触媒に含浸添加することにより、比較例2の
触媒を改質してさらに良好な触媒とすることが
できた。アクリロニトリル収率の向上、反応速
度の増大などが第1表から明らかである。 (3) 実施例3−a、3−bと比較例3−a、3−
bについて 比較例3−aは、従来公知の、全触媒成分を
はじめから混合して製造する方法による触媒で
ある。活性試験の結果は、第1表に示したよう
に良好である。 本発明による実施例3−aおよび3−bの触
媒は、比較例3−aの触媒に比べ、Mo、W、
Teの添加量は半分以下である。しかるに、触
媒性能は比較例3−aの触媒よりむしろすぐれ
ている。また、テルル、モリブデン、タングス
テン等の成分原料は、総じて比較的高価であ
る。これらの高価な成分の添加量を少なくして
良好な性能の触媒を得られることは経済的効果
が大きいことである。 比較例3−bでは、実施例3−bと同一組成
の触媒を従来公知の、全触媒成分をはじめから
混合して製造する方法により製造したものであ
る。最終焼成条件を700℃4時間と、実施例3
−bに同じとしたところ炭酸ガスの生成が大
で、アクリロニトリル収率は低く、かつ経時変
化も大きかつた。そこで、焼成温度を高め、ア
クリロニトリル収率の良好な条件を求めたが、
800℃でアクリロニトリル収率77.5%を得たに
とどまつた。反応速度も小さく、この点でも実
施例3−bの触媒には及ばなかつた。 焼成温度の触媒性能に与える影響であるが、
比較例3−aの触媒は、最適焼成条件700℃4
時間から20℃高くなると、アクリロニトリル収
率は確実に低下している。一方、本発明による
実施例3−bの触媒では、680℃から20℃きざ
みに720℃まで焼成温度を変えてみたが、ほと
んど性能は変らず良好であつた。すなわち、本
発明の方法は、触媒性能の焼成温度依存性が小
さく、触媒の工業的製造の場合にとくに有利で
あり、特公昭52−42552号公報の利点は保存さ
れていることが明らかである。 (4) 実施例4について 実施例4は、本発明の方法により劣化触媒の
再生ができることを示したものである。劣化触
媒の再生に有効なことが示された。 実施例 5 実験式がU10Sb50W0.1Te0.5Zn0.5O128.5(SiO2)60
である触媒を、次のようにして調製した。 金属アンチモン粉末(100メツシユ以下)60.9
gを、加熱した63%硝酸50mlの中へ少しずつ加え
る。アンチモンを全部加え、褐色ガスの発生がと
まつたのち室温に16時間放置する。のち、過剰の
硝酸を除去し、沈澱を100mlの水で3回洗浄する。
() 硝酸ウラニルUO2(NO3)2・6H2O50.2gを水
100mlに溶解させる。() シリカゾル(SiO220重量%)を180.3gとる。
() ()、()および()を混合し、よく撹拌
しながら加熱乾固させる。 乾固物を破砕し200℃2時間、ついで400℃2時
間焼成したのち水を加えて〓和し、ペレツト状
(2mm×2mmφ)に成型する。これを130℃16時間
乾燥後800℃5時間焼成した。 テルル酸1.15gを水30mlに溶解し、これにリン
タングステン酸溶解(WO3換算20%)1.16gを混
合した。これに硝酸亜鉛Zn(NO3)2・6H2O1.49g
を加え、全液量を44mlとした。この液のPHは2.2、
硝酸根濃度は14g/であつた。 この含浸液を上に調製した触媒前駆体に吹きつ
け、120℃16時間乾燥、400℃2時間、720℃4時
間焼成した。 実施例 6 実験式がSn10Sb60W0.25Te0.3O141.4(SiO2)60であ
る触媒を、つぎのようにして調製した。 金属アンチモン粉末(100メツシユ以下)121.8
gと金属スズ粉末(100メツシユ以下)19.8gと
を、加熱した硝酸(比重1.38)720mlの中へ少し
ずつ加える。褐色ガスの発生がとまつたのち室温
に16時間放置する。のち過剰の硝酸を除去し、沈
澱を100mlの水で3回洗浄する。() シリカゾル(SiO220重量%)300gをとる。
() ()と()を混合し、よく撹拌しながら加
熱し乾固させる。 乾固物を破砕し、200℃2時間、ついでに400℃
2時間焼成したのち水を加えて〓和し、ペレツト
状(2mm×2mmφ)に成型する。これを130℃16
時間乾燥後850℃3時間焼成した。 30%硝酸40gを50℃に加温し、金属テルル粉末
0.64gを少しずつ溶解させる。これに、リンタン
グステン酸(WO3換算25%)3.9gを加え、テル
ルおよびタングステンを含有する溶液を調製し
た。この溶液は、均質安定なものであり、PHは0
以下、硝酸根濃度は170g/であつた。これを
純水で稀釈して69mlとし、上に調製した触媒前駆
体に含浸させ、120℃16時間乾燥、400℃2時間、
700℃4時間焼成した。 以上実施例5および6の触媒について、活性試
験法(2)により活性試験を行い、結果を第2表に示
した。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 アンチモンと鉄、コバルト、ニツケル、マン
ガン、ウラン、錫および銅からなる群から選ばれ
た少なくとも1種の元素とを必須成分として含む
金属酸化物組成物を約500℃ないし約1000℃の温
度で焼成して得られた焼成酸化物組成物にモリブ
デンおよび(または)タングステンとテルルとを
含む水溶液を含浸させたのち、この生成酸化物組
成物を乾燥し、次いで約400℃ないし約850℃の温
度で焼成することによつてアンチモン含有金属酸
化物触媒を製造する方法において、テルル等を含
む含浸液としてリンモリブデン酸、ケイモリブデ
ン酸、リンタングステン酸およびケイタングステ
ン酸からなる群から選ばれた少なくとも1種のヘ
テロポリ酸とテルルの硝酸溶液とを混合かつ溶解
して調製した均質安定な溶液を用いることを特徴
とするアンチモン含有金属酸化物触媒の製法。 2 テルル等を含む含浸液が、さらにナトリウ
ム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシ
ウム、カルシウム、バリウム、ランタン、セリウ
ム、ジルコニウム、マンガン、鉄、コバルト、ニ
ツケル、銅、銀、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、
バナジウム、ゲルマニウム、錫、リン、アンチモ
ンおよびビスマスからなる群から選ばれた少なく
とも1種の元素を含むものである特許請求の範囲
第1項記載のアンチモン含有金属酸化物触媒の製
法。 3 アンチモンと鉄、コバルト、ニツケル、マン
ガン、ウラン、錫および銅からなる群から選ばれ
た少なくとも1種の元素とを必須成分として含む
金属酸化物組成物を約500℃ないし約1000℃の温
度で焼成して得られた焼成酸化物組成物であつ
て、かつ微量のテルルもしくはテルルとバナジウ
ム、モリブデンおよびタングステンからなる群か
ら選ばれた少なくとも1種の元素とを含む焼成酸
化物組成物に、モリブデンおよび(または)タン
グステンとテルルとを含む水溶液を含浸させたの
ち、この生成酸化物組成物を乾燥し、次いで約
400℃ないし約850℃の温度で焼成することによつ
てアンチモン含有金属酸化物触媒を製造する方法
において、テルル等を含む含浸液としてリンモリ
ブデン酸、ケイモリブデン酸、リンタングステン
酸およびケイタングステン酸からなる群から選ば
れた少なくとも1種のヘテロポリ酸とテルルの硝
酸溶液とを混合かつ溶解して調製した均質安定な
溶液を用いることを特徴とするアンチモン含有金
属酸化物触媒の製法。 4 テルル等を含む含浸液が、さらにナトリウ
ム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシ
ウム、カルシウム、バリウム、ランタン、セリウ
ム、ジルコニウム、マンガン、鉄、コバルト、ニ
ツケル、銅、銀、亜鉛、ホウ素、アルミニウム、
バナジウム、ゲルマニウム、錫、リン、アンチモ
ンおよびビスマスからなる群から選ばれた少なく
とも1種の元素を含むものである特許請求の範囲
第3項記載のアンチモン含有金属酸化物触媒の製
法。
Priority Applications (5)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56108175A JPS5811041A (ja) | 1981-07-13 | 1981-07-13 | アンチモン含有金属酸化物触媒の製法 |
| GB08220201A GB2105605B (en) | 1981-07-13 | 1982-07-12 | Process for producing an antimony containing metal oxide catalyst |
| NL8202830A NL8202830A (nl) | 1981-07-13 | 1982-07-13 | Werkwijze voor het bereiden van een antimoonbevattende metaaloxydekatalysator. |
| US06/397,723 US4447558A (en) | 1981-07-13 | 1982-07-13 | Process for producing an antimony containing metal oxide catalyst |
| DE19823226204 DE3226204A1 (de) | 1981-07-13 | 1982-07-13 | Verfahren zur herstellung von antimonhaltigen metalloxidkatalysatoren |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP56108175A JPS5811041A (ja) | 1981-07-13 | 1981-07-13 | アンチモン含有金属酸化物触媒の製法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5811041A JPS5811041A (ja) | 1983-01-21 |
| JPS6366256B2 true JPS6366256B2 (ja) | 1988-12-20 |
Family
ID=14477883
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP56108175A Granted JPS5811041A (ja) | 1981-07-13 | 1981-07-13 | アンチモン含有金属酸化物触媒の製法 |
Country Status (5)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US4447558A (ja) |
| JP (1) | JPS5811041A (ja) |
| DE (1) | DE3226204A1 (ja) |
| GB (1) | GB2105605B (ja) |
| NL (1) | NL8202830A (ja) |
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| JPS60166037A (ja) * | 1984-02-07 | 1985-08-29 | Nitto Chem Ind Co Ltd | シリカ担持アンチモン含有酸化物触媒の製法 |
| JPS61114739A (ja) * | 1984-11-08 | 1986-06-02 | Mitsubishi Rayon Co Ltd | 不飽和カルボン酸製造用触媒の調製法 |
| JPH0763628B2 (ja) * | 1987-02-24 | 1995-07-12 | 日東化学工業株式会社 | アンチモン・テルル含有金属酸化物触媒の製法 |
| DE3726328A1 (de) * | 1987-08-07 | 1989-02-16 | Basf Chemicals Ltd | Verfahren zur herstellung von acrylnitril |
| US4973791A (en) * | 1989-07-20 | 1990-11-27 | The Dow Chemical Company | Process of oxidizing aliphatic hydrocarbons employing an alkali-promoted molybdate catalyst |
| US5258347A (en) * | 1989-07-20 | 1993-11-02 | The Dow Chemical Company | Process of oxidizing aliphatic hydrocarbons employing a molybdate catalyst composition |
| US5302773A (en) * | 1989-07-20 | 1994-04-12 | The Dow Chemical Company | Process of oxidizing aliphatic hydrocarbons employing a molybdate catalyst encapsulated in a hard, glassy silica matrix |
| DE4325847A1 (de) * | 1993-07-31 | 1995-02-02 | Basf Ag | Kobaltkatalysatoren |
| ES2141831T3 (es) * | 1993-08-26 | 2000-04-01 | Bp America | Metodo para mejorar catalizadores de oxidacion y amoxidacion. |
| WO2002083188A2 (en) | 2001-04-16 | 2002-10-24 | Cassidy James J | Dense/porous structures for use as bone substitutes |
| JP4503315B2 (ja) * | 2004-03-09 | 2010-07-14 | ダイヤニトリックス株式会社 | 鉄・アンチモン・テルル含有金属酸化物触媒の製造方法 |
Family Cites Families (8)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5242552B2 (ja) * | 1974-08-01 | 1977-10-25 | ||
| US4169785A (en) * | 1977-08-23 | 1979-10-02 | Exxon Research & Engineering Co. | Reforming with multimetallic catalysts |
| US4169042A (en) * | 1978-03-13 | 1979-09-25 | Phillips Petroleum Company | Cracking process and catalyst for same containing tellurium |
| DE2902986C2 (de) * | 1979-01-26 | 1983-05-11 | Chemische Werke Hüls AG, 4370 Marl | Verfahren zur Herstellung von Maleinsäureanhydrid |
| US4280928A (en) * | 1979-10-12 | 1981-07-28 | Rohm And Haas Company | Catalyst compositions and their use for the preparation of methacrolein |
| US4316856A (en) * | 1979-12-28 | 1982-02-23 | The Standard Oil Co. | Molybdenum-promoted antimony phosphate oxide complex catalysts also containing at least one of bismuth and tellurium |
| JPS56126448A (en) * | 1980-03-12 | 1981-10-03 | Nitto Chem Ind Co Ltd | Production of antimony-containing oxide catalyst |
| US4339394A (en) * | 1980-10-01 | 1982-07-13 | The Standard Oil Co. | Process of ammoxidation of olefins in the presence of multiply promoted Sn-Sb oxide catalysts |
-
1981
- 1981-07-13 JP JP56108175A patent/JPS5811041A/ja active Granted
-
1982
- 1982-07-12 GB GB08220201A patent/GB2105605B/en not_active Expired
- 1982-07-13 DE DE19823226204 patent/DE3226204A1/de active Granted
- 1982-07-13 US US06/397,723 patent/US4447558A/en not_active Expired - Fee Related
- 1982-07-13 NL NL8202830A patent/NL8202830A/nl not_active Application Discontinuation
Also Published As
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|---|---|
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| DE3226204C2 (ja) | 1991-07-25 |
| NL8202830A (nl) | 1983-02-01 |
| GB2105605A (en) | 1983-03-30 |
| DE3226204A1 (de) | 1983-01-20 |
| JPS5811041A (ja) | 1983-01-21 |
| GB2105605B (en) | 1985-02-06 |
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