JPS641530B2 - - Google Patents
Info
- Publication number
- JPS641530B2 JPS641530B2 JP17216083A JP17216083A JPS641530B2 JP S641530 B2 JPS641530 B2 JP S641530B2 JP 17216083 A JP17216083 A JP 17216083A JP 17216083 A JP17216083 A JP 17216083A JP S641530 B2 JPS641530 B2 JP S641530B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- less
- cooling
- temperature
- steel
- sour
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired
Links
Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C21—METALLURGY OF IRON
- C21D—MODIFYING THE PHYSICAL STRUCTURE OF FERROUS METALS; GENERAL DEVICES FOR HEAT TREATMENT OF FERROUS OR NON-FERROUS METALS OR ALLOYS; MAKING METAL MALLEABLE, e.g. BY DECARBURISATION OR TEMPERING
- C21D8/00—Modifying the physical properties of ferrous metals or ferrous alloys by deformation combined with, or followed by, heat treatment
- C21D8/02—Modifying the physical properties of ferrous metals or ferrous alloys by deformation combined with, or followed by, heat treatment during manufacturing of plates or strips
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Physics & Mathematics (AREA)
- Thermal Sciences (AREA)
- Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Metallurgy (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Heat Treatment Of Steel (AREA)
Description
本発明は、耐サワー用高靭性厚肉熱延高張力鋼
板の製造法に関するもので、特に石油や天然ガス
などの輸送管ないし貯蔵タンク等の製造に適した
約6mm厚以上の熱延高張力鋼板の製造法に関する
ものである。 近年になり、石油や天然ガスの生産拡大に伴つ
てその産出状況もますます過酷になり、サワー条
件下、すなわち、硫化水素と水との高圧下で、石
油や天然ガスの生産、貯蔵さらには輸送が行われ
るように成つてきた。しかしながら、そのような
過酷なサワー条件下では使用する鋼材料の表面が
激しく腐食され、鋼中に侵入した水素などが
MnS等の硫化物系非金属介在物の周辺に凝集し
て水素誘起割れを生じる。 したがつて、そのようなサワー条件下でも水素
誘起割れに対する抵抗性、つまり、耐サワー性に
優れた鋼材の発開が望まれている。 かかる用途に適する熱延高張力鋼板の製造法と
しては、すでに特開昭58―1015号に開示されてい
るものがあるが、その特徴とするところは、0.01
%C以下の極低炭素鋼に対して熱間圧延後、580
〜700℃の高温で巻取ることにある。かかる方法
によれば確かに前述のような過酷なサワー条件下
での水素誘起割れに対する抵抗性、すなわち耐サ
ワー性の優れた高靭性厚肉熱延高張力鋼板が得ら
れる。 しかしながら、上述の方法では0.01%C以下の
極低炭素領域にまで脱炭することを必要とするな
どから、得られれた熱延高張力鋼板は高価とな
り、一般用途には経済的にも利用できないなどの
問題がみられた。また、高温巻取を行うことから
も、結晶粒の粒大化は免れられず、必ずしも満足
のゆく機械的性質は得られていない。 本発明者らはこれらの従来技術の状況に鑑み、
経済的な低炭素鋼(0.01〜0.05%C)を用いて
も、上記極低炭素鋼の場合と同等以上の耐サワー
性および高張力靭性を具備する厚肉熱延鋼板が得
られるか否かについて鋭意検討した結果、低炭素
(0.01〜0.05%)―低P―低S―Ca処理系鋼を用
いて、制御圧延、制御冷却、そして極低温巻取を
行うことによつてそのような目的が達成されるこ
とを見い出して、本発明を完成した。 すなわち、本発明の要旨とするところは、重量
%で、 C:0.01〜0.05%、Si:0.8以下、Mn:0.5〜2.0
%、P:0.015%以下、S:0.003%以下、sol.
Al:0.01〜0.08%、Ca:0.0005〜0.0040%、 残部Feおよび不純物 よりなる組成を有する鋼を1100℃以下の加工率70
%以上で熱間圧延し、Ar3+50℃ないしAr3−30
℃の温度で熱間圧延を終了し、次いで5℃/秒以
上の冷却速度で650〜580℃の温度域まで急冷し、
この状態で1〜20秒間空冷または保持した後、再
び30℃/秒以上の冷却速度で550〜200℃の温度域
まで急冷してから巻取ることを特徴とする耐サワ
ー用厚肉熱延高張力鋼板の製造法である。 なお、前記鋼組成としては、さらに強度向上、
強靭性の確保さらには焼入性向上を目的として下
記の群(i)〜(iii)の内のいずれかの添加物を少なくと
も1種添加してもよい。 (i) Nb:0.10%以下、V:0.10%以下、 Ti:0.10%以下、 (ii) Mo:0.50%以下、Cu:0.50%以下、 Ni:0.50%以下、Cr:0.50%以下、および (iii) B:0.0030%以下、 ここに、本発明において鋼組成および熱間圧延
条件を上述のように限定する理由は次の通り。本
文において特にことわりがない限り、「%」は
「重量%」である。 C: Cは、鋼中に添加されて炭化物あるいは炭窒化
物を生じ、鋼の強化に対して極めて有効な元素で
あるが、一方、連続鋳造による場合、過度に添加
すると、鋼の凝固時にCCスラブの中心偏析を助
長しそのため鋼材の板厚中心に長手方向に伸びた
帯状組織を形成して、耐サワー性能の著しい劣化
を生じる。したがつて、本発明にあつては高強度
を確保するために0.01%以上のCを含有させると
ともに、他方、耐サワー性の劣化を阻止するた
め、0.05%以下に制限する。 Si: Siは脱酸と固溶硬化作用を有する好ましい元素
であるが、過度に含有されると溶接性を害するこ
とから、その添加量の上限を0.8%とする。 Mn: Mnは固溶硬化、細粒硬化、さらには変態硬化
を生じさせることから、強靭性を確保する上で好
ましい元素である。したがつて、本発明にあつて
強靭性を確保するため0.5%以上のMnを含有させ
るが、他方、2.0%を越えて含むと溶接性がそこ
なわれることからその上限は2.0%以下とする。 P: 連続鋳造法を採用した場合、CCスラブの中心
偏析を生じる主要な元素であり、所期の耐サワー
性を得るためには可能な限り少ない方が良い。し
たがつて、Pは好ましくは0.010%以下であるが、
経済性の観点より、許容上限を0.015%とする。 S: Sは鋼中でMnSとなり、圧延方向に伸延した
介在物を生じて耐サワー性および衝撃時の吸収エ
ネルギー特性を劣化させる。したがつて、Sも少
ないほど良い。好ましくは、0.001%以下である
が、経済性の観点よりSの許容上限を0.003%と
する。 sol.Al: これは脱酸上必要な元素である。脱酸効果を得
るためには、少なくとも0.01%の添加を必要とす
るが、0.08%を越えるとその効果が飽和するた
め、本発明では0.01〜0.08%に制限する。 Ca: Ca添加はMnSのA系介在物ならびにAl2O3の
B系介在物をそれぞれC系介在物とする作用を有
する。このように、Caは耐サワー性および吸収
エネルギー特性を改善する好ましい元素である
が、しかし多量の添加は鋼の清浄度を低下させ、
上記各特性をむしろ劣化させる。したがつて、本
発明にあつてCaは、0.0005〜0.0040%の範囲の量
だけ添加する。 Nb、V、Ti: これらの元素は所望により添加され、炭窒化物
を生じて強度上昇に有効であるが、多過ぎると溶
接性の劣化を生じる。したがつて、それぞれ添加
の上限を0.10%とする。 Mo、Cu、Ni、Cr: これらの元素も所望により添加されるものであ
つて、Mnと同等の作用を有する。しかし多過ぎ
ると溶接性能が劣化する。したがつて、それぞれ
添加の上限を0.50%とする。 B: Bは微量添加で焼入れ性を大巾に向上する所望
添加元素である。その添加の上限はその効果が飽
和する0.0030%とする。 かかる鋼組成を有する鋼は、次いで、1100℃以
下の加工率が70%以上の熱間圧延を受ける。な
お、連続鋳造による場合、得られるCCスラブを
再加熱後あるいは直接熱間圧延してもよい。1100
℃以下での加工率が70%以上となる圧下を加える
理由は、これより少ない圧下量または1100℃を越
えた温度で70%を越えた圧下を加えてもオーステ
ナイトの細粒化があまり進行せず、後続工程の制
御冷却によつても充分な細粒フエライトが得られ
ず、良好な耐サワー性と強靭性が得られないから
でである。ここに、上記加工率は熱延材の減厚率
をいう。 圧延終了温度はAr3+50゜ないしAr3−30℃とす
るが、Ar3+50℃より高い温度で圧延を終了する
と、オーステナイト中に充分なフエライト変態核
は導入されずやはり細粒フエライトが得られない
からであり、一方、Ar3−30℃より低い温度で圧
延を終了すると、初析フエライトが加工を受けて
耐サワー性が劣化するためである。 熱間圧延終了後、熱間圧延材は、5℃/秒以上
の冷却速度で650〜580℃の温度域まで急冷し、そ
のままこの状態で1〜20秒間空冷するかあるいは
そのまま保持するが、この場合、5℃/秒よ遅い
冷却速度だと、高温側でフエライト変態が起こる
ためフエライト粒が粗大化するばかりでなく、耐
サワー性を特に劣化させる帯状組織を生じ易い。
好ましくは10℃/秒以上で冷却する。また650℃
より高い温度で保持すると同様に高温側でフエラ
イト変態が起こるため前記と同じ欠点を生じる。
一方、580℃より低温の領域へ急冷すると充分な
初析フエライト量の確保が困難であり著しい靭性
の劣化を生じる。 なお、650℃〜580℃の温度域でも1秒未満の空
冷また保持ではやはり充分な初析フエライト量の
確保が困難である。一方、この温度域で20秒より
長時間保持しても初析フエライト量はほぼ飽和
し、耐サワー性、強靭性の改善効果も少ないので
この温度域の空冷あるいは保持時間の上限は20秒
とする。好ましくは10〜20秒である。 このようにして充分な量の初析フエライト量を
生成させてから、再び30℃/秒以上の冷却速度
で、550℃〜200℃の極低温の温度域まで急冷し、
次いで巻取るが、このときの冷却速度が30℃/秒
より遅いと未変態オーステナイトの部分が充分に
焼入れ硬化せず、高強度が得がたい。つまり、本
発明によれば、30℃/秒以上で冷却することによ
つて、未変態オーステナイトの部分を焼入れ硬化
させて硬質相が得られるのである。また、550℃
より高い温度で巻取ると未変態オーステナイトの
部分が充分に焼入れ硬化しないばかりでなく、む
しろ巻取後の徐冷中に粒界が脆化して耐サワー性
が劣化する。このためには、550℃好ましくは500
℃以下で巻取る。200℃より低い温度で巻取ると
巻取後の徐冷効果が少なく、上記硬質相が焼戻さ
れず耐サワー性および靭性がともに劣化する。実
際上、好ましい巻取温度は300〜400℃である。 かくして、このように低C(0.01〜0.05%)―
低P―低S―Ca処理鋼に対して制御圧延、制御
冷却、そして極低温巻取を行うことを特徴とする
本発明によれば、その得られる組織は、連続鋳造
によつても中心偏析のみられない微細組織が得ら
れ、そのためすぐれた耐サワー性のもならず、著
しく靭性の改善がみられる高張力鋼板が得られ
る。そして、特にそのような効果は、厚さ約6mm
以上の肉厚熱延高張力鋼板に顕著である。 次に実施例によつて本発明をさらに説明する。 実施例 1 第1表に示す鋼組成を有する一連の供試鋼を溶
製し、連続鋳造によりCCスラブを得、一部はそ
のまま、残りは再加熱後、本発明に係る方法に従
つて熱延鋼板とした。このときの熱間圧延条件、
冷却条件および巻取条件を第2表にまとめで示
す。 再加熱することなく直接熱間圧延を行つた時の
圧延開始温度は約1150℃であつた。 得られた各熱延鋼板からの試験片について行つ
た機械的特性試験および耐サワー割れ試験の各結
果を同じく第2表にまとめ示す。機械的引張試験
はJIS5号引張試験片を使い、またシヤルピー衝撃
試験はJIS4号シヤルピー試験片を使つて行つた。 なお、耐サワー割れ試験は、オートクレーブ中
で0.5%CH3COOH―5%NaCl水溶液にH2Sガス
を飽和溶解させてPH3.5とした試験溶液に96時間
各試験片を浸漬して、そのときの割れ発生状況を
観察したものである。その結果をNACE条件で
割れ率(%)として示す。 第2表に示す結果からも明らかなように、本発
明により得たものはいずれも強靭性と耐サワー性
が優れている。 他方、比較例のものは強靭性あるいは耐サワー
性が劣つている。特に、試験番号12のものは、
1100℃以下での圧下量が十分でないためvTrsが
悪く、試験番号13のものは熱間圧延終了温度が低
いため、耐サワー性が劣つている。また、試験番
号14,16のものはともに冷却速度が十分でなく、
低強度で、特に試験番号14のものは耐サワー性が
劣つている。試験番号15は空冷(AC)温度が高
すぎる場合を示すもので、vTrsが悪く、耐サワ
ー性も十分でない。 なお、試験番号17は巻取温度が低過ぎる例を示
すもので、vTrsが悪く、耐サワー性も劣つてい
る。 試験番号18〜25のものはいずれも鋼組成が本発
明の範囲を外れる場合を示すもので、低強度であ
る試験番号18および21の場合を除いて、いずれの
場合も耐サワー性は十分でない。
板の製造法に関するもので、特に石油や天然ガス
などの輸送管ないし貯蔵タンク等の製造に適した
約6mm厚以上の熱延高張力鋼板の製造法に関する
ものである。 近年になり、石油や天然ガスの生産拡大に伴つ
てその産出状況もますます過酷になり、サワー条
件下、すなわち、硫化水素と水との高圧下で、石
油や天然ガスの生産、貯蔵さらには輸送が行われ
るように成つてきた。しかしながら、そのような
過酷なサワー条件下では使用する鋼材料の表面が
激しく腐食され、鋼中に侵入した水素などが
MnS等の硫化物系非金属介在物の周辺に凝集し
て水素誘起割れを生じる。 したがつて、そのようなサワー条件下でも水素
誘起割れに対する抵抗性、つまり、耐サワー性に
優れた鋼材の発開が望まれている。 かかる用途に適する熱延高張力鋼板の製造法と
しては、すでに特開昭58―1015号に開示されてい
るものがあるが、その特徴とするところは、0.01
%C以下の極低炭素鋼に対して熱間圧延後、580
〜700℃の高温で巻取ることにある。かかる方法
によれば確かに前述のような過酷なサワー条件下
での水素誘起割れに対する抵抗性、すなわち耐サ
ワー性の優れた高靭性厚肉熱延高張力鋼板が得ら
れる。 しかしながら、上述の方法では0.01%C以下の
極低炭素領域にまで脱炭することを必要とするな
どから、得られれた熱延高張力鋼板は高価とな
り、一般用途には経済的にも利用できないなどの
問題がみられた。また、高温巻取を行うことから
も、結晶粒の粒大化は免れられず、必ずしも満足
のゆく機械的性質は得られていない。 本発明者らはこれらの従来技術の状況に鑑み、
経済的な低炭素鋼(0.01〜0.05%C)を用いて
も、上記極低炭素鋼の場合と同等以上の耐サワー
性および高張力靭性を具備する厚肉熱延鋼板が得
られるか否かについて鋭意検討した結果、低炭素
(0.01〜0.05%)―低P―低S―Ca処理系鋼を用
いて、制御圧延、制御冷却、そして極低温巻取を
行うことによつてそのような目的が達成されるこ
とを見い出して、本発明を完成した。 すなわち、本発明の要旨とするところは、重量
%で、 C:0.01〜0.05%、Si:0.8以下、Mn:0.5〜2.0
%、P:0.015%以下、S:0.003%以下、sol.
Al:0.01〜0.08%、Ca:0.0005〜0.0040%、 残部Feおよび不純物 よりなる組成を有する鋼を1100℃以下の加工率70
%以上で熱間圧延し、Ar3+50℃ないしAr3−30
℃の温度で熱間圧延を終了し、次いで5℃/秒以
上の冷却速度で650〜580℃の温度域まで急冷し、
この状態で1〜20秒間空冷または保持した後、再
び30℃/秒以上の冷却速度で550〜200℃の温度域
まで急冷してから巻取ることを特徴とする耐サワ
ー用厚肉熱延高張力鋼板の製造法である。 なお、前記鋼組成としては、さらに強度向上、
強靭性の確保さらには焼入性向上を目的として下
記の群(i)〜(iii)の内のいずれかの添加物を少なくと
も1種添加してもよい。 (i) Nb:0.10%以下、V:0.10%以下、 Ti:0.10%以下、 (ii) Mo:0.50%以下、Cu:0.50%以下、 Ni:0.50%以下、Cr:0.50%以下、および (iii) B:0.0030%以下、 ここに、本発明において鋼組成および熱間圧延
条件を上述のように限定する理由は次の通り。本
文において特にことわりがない限り、「%」は
「重量%」である。 C: Cは、鋼中に添加されて炭化物あるいは炭窒化
物を生じ、鋼の強化に対して極めて有効な元素で
あるが、一方、連続鋳造による場合、過度に添加
すると、鋼の凝固時にCCスラブの中心偏析を助
長しそのため鋼材の板厚中心に長手方向に伸びた
帯状組織を形成して、耐サワー性能の著しい劣化
を生じる。したがつて、本発明にあつては高強度
を確保するために0.01%以上のCを含有させると
ともに、他方、耐サワー性の劣化を阻止するた
め、0.05%以下に制限する。 Si: Siは脱酸と固溶硬化作用を有する好ましい元素
であるが、過度に含有されると溶接性を害するこ
とから、その添加量の上限を0.8%とする。 Mn: Mnは固溶硬化、細粒硬化、さらには変態硬化
を生じさせることから、強靭性を確保する上で好
ましい元素である。したがつて、本発明にあつて
強靭性を確保するため0.5%以上のMnを含有させ
るが、他方、2.0%を越えて含むと溶接性がそこ
なわれることからその上限は2.0%以下とする。 P: 連続鋳造法を採用した場合、CCスラブの中心
偏析を生じる主要な元素であり、所期の耐サワー
性を得るためには可能な限り少ない方が良い。し
たがつて、Pは好ましくは0.010%以下であるが、
経済性の観点より、許容上限を0.015%とする。 S: Sは鋼中でMnSとなり、圧延方向に伸延した
介在物を生じて耐サワー性および衝撃時の吸収エ
ネルギー特性を劣化させる。したがつて、Sも少
ないほど良い。好ましくは、0.001%以下である
が、経済性の観点よりSの許容上限を0.003%と
する。 sol.Al: これは脱酸上必要な元素である。脱酸効果を得
るためには、少なくとも0.01%の添加を必要とす
るが、0.08%を越えるとその効果が飽和するた
め、本発明では0.01〜0.08%に制限する。 Ca: Ca添加はMnSのA系介在物ならびにAl2O3の
B系介在物をそれぞれC系介在物とする作用を有
する。このように、Caは耐サワー性および吸収
エネルギー特性を改善する好ましい元素である
が、しかし多量の添加は鋼の清浄度を低下させ、
上記各特性をむしろ劣化させる。したがつて、本
発明にあつてCaは、0.0005〜0.0040%の範囲の量
だけ添加する。 Nb、V、Ti: これらの元素は所望により添加され、炭窒化物
を生じて強度上昇に有効であるが、多過ぎると溶
接性の劣化を生じる。したがつて、それぞれ添加
の上限を0.10%とする。 Mo、Cu、Ni、Cr: これらの元素も所望により添加されるものであ
つて、Mnと同等の作用を有する。しかし多過ぎ
ると溶接性能が劣化する。したがつて、それぞれ
添加の上限を0.50%とする。 B: Bは微量添加で焼入れ性を大巾に向上する所望
添加元素である。その添加の上限はその効果が飽
和する0.0030%とする。 かかる鋼組成を有する鋼は、次いで、1100℃以
下の加工率が70%以上の熱間圧延を受ける。な
お、連続鋳造による場合、得られるCCスラブを
再加熱後あるいは直接熱間圧延してもよい。1100
℃以下での加工率が70%以上となる圧下を加える
理由は、これより少ない圧下量または1100℃を越
えた温度で70%を越えた圧下を加えてもオーステ
ナイトの細粒化があまり進行せず、後続工程の制
御冷却によつても充分な細粒フエライトが得られ
ず、良好な耐サワー性と強靭性が得られないから
でである。ここに、上記加工率は熱延材の減厚率
をいう。 圧延終了温度はAr3+50゜ないしAr3−30℃とす
るが、Ar3+50℃より高い温度で圧延を終了する
と、オーステナイト中に充分なフエライト変態核
は導入されずやはり細粒フエライトが得られない
からであり、一方、Ar3−30℃より低い温度で圧
延を終了すると、初析フエライトが加工を受けて
耐サワー性が劣化するためである。 熱間圧延終了後、熱間圧延材は、5℃/秒以上
の冷却速度で650〜580℃の温度域まで急冷し、そ
のままこの状態で1〜20秒間空冷するかあるいは
そのまま保持するが、この場合、5℃/秒よ遅い
冷却速度だと、高温側でフエライト変態が起こる
ためフエライト粒が粗大化するばかりでなく、耐
サワー性を特に劣化させる帯状組織を生じ易い。
好ましくは10℃/秒以上で冷却する。また650℃
より高い温度で保持すると同様に高温側でフエラ
イト変態が起こるため前記と同じ欠点を生じる。
一方、580℃より低温の領域へ急冷すると充分な
初析フエライト量の確保が困難であり著しい靭性
の劣化を生じる。 なお、650℃〜580℃の温度域でも1秒未満の空
冷また保持ではやはり充分な初析フエライト量の
確保が困難である。一方、この温度域で20秒より
長時間保持しても初析フエライト量はほぼ飽和
し、耐サワー性、強靭性の改善効果も少ないので
この温度域の空冷あるいは保持時間の上限は20秒
とする。好ましくは10〜20秒である。 このようにして充分な量の初析フエライト量を
生成させてから、再び30℃/秒以上の冷却速度
で、550℃〜200℃の極低温の温度域まで急冷し、
次いで巻取るが、このときの冷却速度が30℃/秒
より遅いと未変態オーステナイトの部分が充分に
焼入れ硬化せず、高強度が得がたい。つまり、本
発明によれば、30℃/秒以上で冷却することによ
つて、未変態オーステナイトの部分を焼入れ硬化
させて硬質相が得られるのである。また、550℃
より高い温度で巻取ると未変態オーステナイトの
部分が充分に焼入れ硬化しないばかりでなく、む
しろ巻取後の徐冷中に粒界が脆化して耐サワー性
が劣化する。このためには、550℃好ましくは500
℃以下で巻取る。200℃より低い温度で巻取ると
巻取後の徐冷効果が少なく、上記硬質相が焼戻さ
れず耐サワー性および靭性がともに劣化する。実
際上、好ましい巻取温度は300〜400℃である。 かくして、このように低C(0.01〜0.05%)―
低P―低S―Ca処理鋼に対して制御圧延、制御
冷却、そして極低温巻取を行うことを特徴とする
本発明によれば、その得られる組織は、連続鋳造
によつても中心偏析のみられない微細組織が得ら
れ、そのためすぐれた耐サワー性のもならず、著
しく靭性の改善がみられる高張力鋼板が得られ
る。そして、特にそのような効果は、厚さ約6mm
以上の肉厚熱延高張力鋼板に顕著である。 次に実施例によつて本発明をさらに説明する。 実施例 1 第1表に示す鋼組成を有する一連の供試鋼を溶
製し、連続鋳造によりCCスラブを得、一部はそ
のまま、残りは再加熱後、本発明に係る方法に従
つて熱延鋼板とした。このときの熱間圧延条件、
冷却条件および巻取条件を第2表にまとめで示
す。 再加熱することなく直接熱間圧延を行つた時の
圧延開始温度は約1150℃であつた。 得られた各熱延鋼板からの試験片について行つ
た機械的特性試験および耐サワー割れ試験の各結
果を同じく第2表にまとめ示す。機械的引張試験
はJIS5号引張試験片を使い、またシヤルピー衝撃
試験はJIS4号シヤルピー試験片を使つて行つた。 なお、耐サワー割れ試験は、オートクレーブ中
で0.5%CH3COOH―5%NaCl水溶液にH2Sガス
を飽和溶解させてPH3.5とした試験溶液に96時間
各試験片を浸漬して、そのときの割れ発生状況を
観察したものである。その結果をNACE条件で
割れ率(%)として示す。 第2表に示す結果からも明らかなように、本発
明により得たものはいずれも強靭性と耐サワー性
が優れている。 他方、比較例のものは強靭性あるいは耐サワー
性が劣つている。特に、試験番号12のものは、
1100℃以下での圧下量が十分でないためvTrsが
悪く、試験番号13のものは熱間圧延終了温度が低
いため、耐サワー性が劣つている。また、試験番
号14,16のものはともに冷却速度が十分でなく、
低強度で、特に試験番号14のものは耐サワー性が
劣つている。試験番号15は空冷(AC)温度が高
すぎる場合を示すもので、vTrsが悪く、耐サワ
ー性も十分でない。 なお、試験番号17は巻取温度が低過ぎる例を示
すもので、vTrsが悪く、耐サワー性も劣つてい
る。 試験番号18〜25のものはいずれも鋼組成が本発
明の範囲を外れる場合を示すもので、低強度であ
る試験番号18および21の場合を除いて、いずれの
場合も耐サワー性は十分でない。
【表】
【表】
【表】
実施例 2
本発明において巻取温度により各特性がどのよ
うに影響されるかを評価するために実施例1を繰
り返いたが、本例では、1180℃に加熱後、1100℃
以下の圧下量を75%、熱間圧延仕上温度を780℃
とした。熱間圧延終了後、20℃/秒の冷却速度で
600℃にまで冷却し、その温度から15秒間空冷し
てから50℃/秒の冷却速度で各巻取温度に冷却し
た。ただし、巻取温度を600℃とした場合は、熱
間圧延終了後、600℃の巻取温度まで5℃/秒の
冷却速度で冷却した。得られた各熱延鋼板からの
試験片について機械的引張試験、シヤルピー衝撃
試験および耐サワー性割れ試験を行い、得られた
結果を巻取温度についてグラフにまとめて添付図
面に示す。各試験の要領は実施例1のそれらに同
じであつた。 図示の結果からも明らかなように、巻取温度は
550℃以下、好ましくは500〜200℃、さらには300
〜400℃のときいずれの特性についてもすぐれた
結果が得られているのが分かる。
うに影響されるかを評価するために実施例1を繰
り返いたが、本例では、1180℃に加熱後、1100℃
以下の圧下量を75%、熱間圧延仕上温度を780℃
とした。熱間圧延終了後、20℃/秒の冷却速度で
600℃にまで冷却し、その温度から15秒間空冷し
てから50℃/秒の冷却速度で各巻取温度に冷却し
た。ただし、巻取温度を600℃とした場合は、熱
間圧延終了後、600℃の巻取温度まで5℃/秒の
冷却速度で冷却した。得られた各熱延鋼板からの
試験片について機械的引張試験、シヤルピー衝撃
試験および耐サワー性割れ試験を行い、得られた
結果を巻取温度についてグラフにまとめて添付図
面に示す。各試験の要領は実施例1のそれらに同
じであつた。 図示の結果からも明らかなように、巻取温度は
550℃以下、好ましくは500〜200℃、さらには300
〜400℃のときいずれの特性についてもすぐれた
結果が得られているのが分かる。
添付図面は、巻取温度に対して熱延鋼板の各特
性の変化をまとめて示すグラフである。
性の変化をまとめて示すグラフである。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 重量%で、 C:0.01〜0.05%、Si:0.8%以下、Mn:0.5〜
2.0%、P:0.015%以下、S:0.003%以下、sol.
Al:0.01〜0.08%、Ca:0.0005〜0.0040%、 残部Feおよび不純物 よりなる組成を有する鋼を1100℃以下の加工率70
%以上で熱間圧延し、Ar3+50℃ないしAr3−30
℃の温度で熱間圧延を終了し、次いで5℃/秒以
上の冷却速度で650〜580℃の温度域まで急冷し、
そのまま1〜20秒間空冷または保持した後、再び
30℃/秒以上の冷却速度で550〜200℃の温度域ま
で急冷して巻取ることを特徴とする耐サワー用厚
肉熱延高張力鋼板の製造法。 2 重量%で、 C:0.01〜0.05%、Si:0.8以下、Mn:0.5〜2.0
%、P:0.015%以下、S:0.003%以下、sol.
Al:0.01〜0.08%、Ca:0.0005〜0.0040%、 さらに、それぞれ0.10%以下のNb、VおよびTi
の少なくとも1種、および/またはそれぞれ0.50
%以下のMo、Cu、NiおよびCrの少なくとも1
種、および/または B:0.0030%以下、 残部Feおよび不純物 よりなる組成を有する鋼を1100℃以下の加工率70
%以上で熱間圧延し、Ar3+50℃ないしAr3−30
℃の温度で熱間圧延を終了し、次いで5℃/秒以
上の冷却速度で650〜580℃の温度域まで急冷し、
そのまま1〜20秒間空冷または保持した後、再び
30℃/秒以上の冷却速度で550〜200℃の温度域ま
で急冷して巻取ることを特徴とする耐サワー用厚
肉熱延高張力鋼板の製造法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17216083A JPS6067618A (ja) | 1983-09-20 | 1983-09-20 | 厚肉熱延高張力鋼板の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17216083A JPS6067618A (ja) | 1983-09-20 | 1983-09-20 | 厚肉熱延高張力鋼板の製造法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6067618A JPS6067618A (ja) | 1985-04-18 |
| JPS641530B2 true JPS641530B2 (ja) | 1989-01-11 |
Family
ID=15936681
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17216083A Granted JPS6067618A (ja) | 1983-09-20 | 1983-09-20 | 厚肉熱延高張力鋼板の製造法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6067618A (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4305216B2 (ja) | 2004-02-24 | 2009-07-29 | Jfeスチール株式会社 | 溶接部の靭性に優れる耐サワー高強度電縫鋼管用熱延鋼板およびその製造方法 |
-
1983
- 1983-09-20 JP JP17216083A patent/JPS6067618A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6067618A (ja) | 1985-04-18 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| KR101867701B1 (ko) | 수소유기균열 저항성이 우수한 압력용기용 강재 및 그 제조방법 | |
| JPH083642A (ja) | 耐食性および溶接性に優れた鋼管の製造方法 | |
| CN115989327B (zh) | 厚钢板及其制造方法 | |
| JPH08104922A (ja) | 低温靱性の優れた高強度鋼管の製造方法 | |
| JP4061141B2 (ja) | 延靭性に優れたパーライト系高強度レールおよびその製造方法 | |
| KR102142774B1 (ko) | 내해수 특성이 우수한 고강도 구조용강 및 그 제조방법 | |
| JP3858647B2 (ja) | 低温継手靱性と耐ssc性に優れた高張力鋼とその製造方法 | |
| JP2000178692A (ja) | 高耐応力腐食割れ性を有する655Nmm−2級低C高Cr合金油井管およびその製造方法 | |
| JP3558198B2 (ja) | 高温sr特性に優れた高強度ライザー鋼管 | |
| JPS641530B2 (ja) | ||
| JPS6026808B2 (ja) | 低温靭性のすぐれた厚肉熱延高張力鋼帯の製造方法 | |
| JP2004339550A (ja) | 溶接部靭性、条切り特性に優れた低降伏比570MPa級高張力鋼及びその製造方法 | |
| JPH07150245A (ja) | 高靭性で降伏比の低い厚肉鋼管の製造方法 | |
| JPH08337817A (ja) | 耐水素遅れ割れ特性に優れた超高張力電縫鋼管の製造方法 | |
| KR100832982B1 (ko) | 내수소유기균열성과 저온인성이 우수한 열연강재 및 그제조방법 | |
| JP2001192773A (ja) | ラインパイプ用鋼 | |
| RU2786281C1 (ru) | Способ производства стального проката для изготовления гибких труб для колтюбинга (варианты) | |
| JPH0143005B2 (ja) | ||
| RU2793945C1 (ru) | Трубопроводная сталь, обладающая как стойкостью к hic, так и большим сопротивлением деформации, и способ ее производства | |
| KR20130013545A (ko) | 열연강판 및 그 제조 방법과, 이를 이용한 강관 제조 방법 | |
| JPH09263831A (ja) | 低温靭性の優れた極厚高強度ベンド管の製造法 | |
| JPS6338518A (ja) | 耐水素誘起割れ性に優れた鋼板の製造方法 | |
| JPH08209241A (ja) | 耐co2 腐食性および低温靱性の優れたラインパイプ用鋼板の製造方法 | |
| JPS6362567B2 (ja) | ||
| JP2002371336A (ja) | 高張力鋼材および鋼板 |