JPS642185B2 - - Google Patents
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- JPS642185B2 JPS642185B2 JP12157883A JP12157883A JPS642185B2 JP S642185 B2 JPS642185 B2 JP S642185B2 JP 12157883 A JP12157883 A JP 12157883A JP 12157883 A JP12157883 A JP 12157883A JP S642185 B2 JPS642185 B2 JP S642185B2
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Description
本発明は高靭性Cr−Mo鋼の創案に係り、極厚
大単重圧力容器用鋼ボイラー用鋼の如きにおいて
溶接性の改善を充分な強度、靭性を維持しつつ実
現するようにしたものである。 圧力容器を製造するための工程としては通常素
材鋼板をAc3点以上の温度に加熱し、熱間加工後
空冷、或いは熱間加工−焼準−(焼戻し)(場合に
よつては熱間加工後焼入焼戻しを行うこともあ
る)し、その後溶接−溶接後熱処理(Post Weld
Heat Treatment:以下PWHTという)を1回
〜数回繰返す方法が採られている。従つてこのよ
うなボイラー用及び圧力容器用鋼板に要求される
性能としては熱間加工性および溶接性に優れてい
ることは言うまでもなく、これらの製造熱履歴を
受けた後においても十分な強度と靭性を維持して
いることが重要である。しかし一般に斯様な圧力
用容器に使用される鋼板は近時における施工およ
び操業の高能率化によつて容器が大型化し、その
板厚も50〜400mmと厚くなるため前記した製造工
程の中でもとりわけ熱間加工後空冷又は焼準によ
り製造するものはオーステナイト域からの冷却速
度が小さくなり、特に板厚中心部では充分な強
度、靭性を維持することが困難となる。然してこ
のような目的で採用されるCr−Mo鋼において充
分な強度、靭性を確保するにはミクロ組織として
均一なベイナイト組織を得る必要があり、従来は
この均一なベイナイト組織を得るために焼入性を
高める合金元素の添加という方法が採られてい
た。ところがこの焼入性を高める合金元素の添加
は同時に溶接部の硬度を高め、溶接性を低下させ
るものであるから十分な対策となし得ない。そこ
で近時においては焼入性を上げるために合金元素
を添加するのではなく、焼入性向上に有効な元素
であるBとともにTiかAlの何れか一方又は両者
を同時添加する方法が採られている。即ちこの場
合のTi,Al添加の目的は鋼中の固溶Nを固定し
てBNの生成を抑制することにより焼入性を高め
るのに有効な固溶B量を確保することにある。然
し上記のようにしても前述したように板厚の大き
いボイラー用或いは圧力容器用鋼板のように造塊
時に大型の大単重鋼塊を使用する場合には鋼塊の
凝固速度が頗る遅くなるので従来のようにTi添
加量が0.010〜0.050%と多いときには鋼塊中心部
に粗大なTiNを生成し、この粗大TiNは熱力学
的に甚だ安定な析出物であるため圧延、熱処理の
熱履歴を経た後においても鋼板の板厚中心部に残
存することとなり鋼板の靭性を甚だしく劣化させ
る原因となつている。またAl添加の場合はAlN
の溶解度積がTiNに比較してかなり大きいため
Nを充分に固定するにはAlNを生成する化学量
論的な量を超えて過剰なAlを添加する必要があ
り、この過剰なAlは靭性に悪影響を及ぼす粗大
なAlNを生成すると共にクリープ強度を劣化さ
せるため圧力容器用鋼の成分としては好ましいも
のでない。 本発明は上記したような実情に鑑み検討を重ね
て創案されたものであつて、極厚大単重鋼板にお
いても優れた溶接性を有すると共にその鋼板を
Ac3点以上の温度に加熱し、熱間加工後空冷、或
いは熱間加工−焼準−(焼戻し)処理を行つた後
においても、即ちこの鋼板を用いてボイラー或い
は圧力容器を製造した場合におけるこれらの容器
等が、充分な強度と靭性を具備していることにあ
る。更に具体的に言うならば、この強度、靭性の
レベルとしては焼戻しパラメーター〔P=T(log
t+20)〕の値が21.5×103以内においては充分な
PWHTを施した後においても強度としては
ASTMA387gr.21.22class2の規格値を満足し、靭
性としては(同じくPWHTを施した後において
も)シヤルピー試験における被面遷移温度(以下
vTsという)が−50℃以下を満たすことにある。
即ち本発明の基本発明によるものは、wt%(以
下単に%という)で、C:0.03〜0.15%、Si:
0.05〜0.20%、Mn:0.20〜1.20%、Cr:2.0超え
3.50%迄、Mo:0.80〜2.00%、P:0.020%以下、
S:0.015%以下、Ti:0.010%未満、B:0.0002
〜0.0010%、sol.Al:0.005〜0.050%、N:0.0040
%以下を含有し、しかも前記N量とTi量が、 N14/48×Ti(%)+0.0024 の関係を満足し、残部が鉄および不可避的不純物
からなる高靭性Cr−Mo鋼に関するものである。 又第2発明によるものは上記基本発明によるも
のに更にNi:0.05〜0.60%もしくはV:0.05〜
0.20%の何れか1種又は双方を含有するものであ
る。 斯かる本発明について更に説明すると、本発明
は極厚大単重鋼板、換言すれば特に30トン以上の
大単重鋼塊を用いて製造するCr−Mo鋼におい
て、強度、靭性を所期のレベルに維持しつつ溶接
性を改善する効果を最大限状態に発揮するもので
ある。なおここで前記した焼戻しパラメーターに
ついて若干説明すると、前述したP=T(log t
+20)において、Tは焼戻し又は/及びPWHT
温度(゜K=℃+273)、tは焼戻又は/および
PWHT時間(hr)であり、本発明で規定するP
値が21.5×103以内として、例えばP=21.0×103
というのは焼戻し又は/及びPWHT温度として
670℃、700℃を採用したとすればtとしては夫々
185.9hr又は38.3hrに亘り該温度に保持する熱履
歴を意味することになる。 上記したような本発明の成分組成設定理由につ
いて、先ず本発明鋼の特徴であるTi、B、Nに
関し説明すると以下の如くである。 即ち従来のCr−Mo鋼においては溶接性および
強度、靭性の改善対策としてTi、Bの添加のよ
うな方法が採られていることは前記した通りであ
るが、圧力容器用鋼板に使用される、例えば30ト
ン以上の大型大単重鋼塊の場合には凝固時の冷却
速度が遅くなり鋼塊中心部に粗大TiNを生成し
靭性に悪影響を与える。そこで本発明者等は鋼塊
単重が30トン相当の凝固をシユミレートした一連
の実験を行い、その後所定の焼準−焼戻処理をし
たB添加2 1/4Cr−1Mo鋼及び3Cr−1Mo鋼
においてTi量とN量のバランスと強度、靭性の
関係を調査した結果、粗大なTiNの生成が抑制
され、強度、靭性ともに優れたTiとN量のバラ
ンスが存在することを確認した。即ち第1図はこ
のTi、N量のバランスとvTs(℃)、YS(Kg/mm2)
の関係をC:0.13〜0.15%、Si:0.05〜0.20%、
Mn:0.52〜0.60%、P:0.003〜0.007%、S:
0.001〜0.003%、Cr:2.42〜3.21%、Mo:0.96〜
1.03%、Ti:0〜0.022%、B:0.0003〜0.0007
%、sol.Al:0.012〜0.018%、T.N:0.0015〜
0.0048%、残部Feから成る前記シユミレート材に
つき焼準−(焼戻)−PWHT処理した場合につい
て示すものであるが、この焼準における冷却速度
としては300mm相当板厚のそれを採用し、焼戻し
又は/及びPWHTの条件としては前記P値とし
て21.0×103を採用した。 一方Bの焼入効果を発揮させるためには通常固
溶B量として2〜10ppm程度が適当であるとされ
ているので、N含有量を変えたTi−free(Tiを含
有しない)B含有3Cr−1Mo鋼(B:0.0003〜
0.0007%)について同様な熱処理を行い、機械的
性質を検討した。即ち、その結果は第2図に示す
如くで、Bの焼入性はN量によつてかなり急激に
変化することが明らかになつた。つまり第2図に
みられるようにN量が0.0024%以下のときには強
度、靭性が大幅に向上しており、Bの焼入性が充
分に発揮されていることがわかる。然してこの場
合焼準温度においては、 B〔固溶〕+N〔固溶〕BN〔析出物〕 … の平衡関係が考えられるところ、total N量が前
記0.0024%以下においてはBN〔折出物〕が殆んど
存在せず、鋼中Bおよび鋼中Nの殆んどはB〔固
溶〕、N〔固溶〕として存在し、その結果として前
記のように焼入性が大きくなつているものと認め
られる。 ところで前記した第1図の場合のように強力な
N固定元素であるTiが存在する場合は、焼準温
度で鋼中Nの一部、つまりTi含有量に対して
TiNの化学量論的結合ラインa……a以下のN
はTiNとして結合し固定されている。従つてB
に充分な焼入性を発揮させるためにはTiによつ
て固定されないN量、即ち〔Total N−14/48×Ti 量〕を前記0.0024%以下とすればよい筈である。
事実第1図に示すようにN0.0040%で、Ti<
0.010%の範囲内においては鋼中Nと鋼中Tiとの
関係が、 N14/48×Ti(%)+0.0024 … の関係を満足する範囲内では高強度且つ高靭性が
得られているが、N>14/48×Ti(%)+0.0024とな るとBの焼入性が発揮されず、低強度、低靭性材
しか得られていない。しかしN0.0040%のよう
な高N量領域での条件を満足するようにTiを添
加すると、例えば単重30トン以上の大型鋼塊では
鋼塊中心部の凝固速度が遅くなつて1μm以上の粗
大TiNが多数発生し、靭性を著しく劣化させる
のでTi、N量の範囲としては、 Ti<0.010% … N0.0040% … であることが強度と靭性の確保のため非常に重要
であると言える。又N0.0040%の低N量領域で
もTiをTiNの化学量論的に必要な値以上に過剰
に添加すると粗大TiNは生成しないものの、今
度はTiCの析出に起因した靭性劣化を生ずるため
Tiを高N、低N量領域の何れの場合においても
0.010%未満とする必要のあることが判明した。 以上のことから例えば板厚50mm以上の極厚大単
重圧力容器用鋼板において優れた強度、靭性を焼
準材においても確保するには前記した、、
式の関係を同時に満足させるようにTi、N量を
第1図にハツチングを施して示した範囲にコント
ロールすることが必要である。 Bは、固溶Nが十分にTiで固定されている場
合は、0.0002%以上添加すれば焼入れ性向上に効
果があり、0.0010%を超える添加は逆に焼入れ性
を低下させるため、Bの最適添加量は0.0002〜
0.0010%である。 以上のことを考慮して上記N、Ti、B以外の
成分の限定理由を述べると以下の如くである。 Cは、必要な強度を得るために0.03%以上の含
有が必要であるが、0.15%を超えて含有させると
靭性および溶接性が劣化するので上限を0.15%と
する。 Siは、脱酸効果および強度確保の点から0.05%
以上とする必要があるが、0.20%を超える含有は
靭性および焼戻し脆化に悪影響を与えるので上限
を0.20%とする。 Mnは、本発明のごとくCを低減したときの強
度補償元素として重要であり、少なくとも0.20%
以上は必要であるが、溶接性を考慮して上限を
1.20%とする。 Crは、高温における耐酸化性、耐水素アタツ
ク特性および強度を確保するため2.00%を超える
添加を必要とするが、溶接性を考慮して上限を
3.50%とする。 Moは、高温強度および焼戻し軟化抵抗を高め
るために0.80%以上の添加を必要とするが、コス
ト上昇および溶接性劣化の点から上限を2.00%と
する。 Pは、焼戻し脆性にきわめて有害なので、
0.020%以下とする。 Sは、靭性に対して有害であるので0.015%以
下とする。 sol.Alは、結晶粒の微細化効果並びに固溶Nの
固定によりBの焼入れ性効果を高める働きがある
が、これらの効果を得るには少なくとも0.005%
を必要とするが、0.050%を超える過剰な添加含
有は、Tiと同様に粗大窒化物を生成し靭性を害
するため0.005〜0.050%の範囲とする。 又以上の成分の基本発明に対し耐水素アタツク
特性などの要求性能に応じてNi又はVの何れか
1種または双方を含有させたものを第2発明とす
るもので、これら成分限定理由を述べると以下の
如くである。 Niは、強度を上昇させ、靭性を改善するので、
その効果が期待できる0.05%以上を添加するが
0.6%を超えて含有せしめても効果が飽和しコス
トが上昇するだけであるので上限を0.6%とする。 Vは焼戻しにより安定な炭化物を形成し、高温
強度や耐水素アタツク特性を改善するが、その効
果が期待できる0.05%以上添加するが、多すぎる
と靭性および溶接性を害するため上限を0.20%と
する。 本発明によるものの具体的な製造例について説
明すると以下の如くである。 本発明者等の具体的に製造した本発明鋼および
その比較例たる従来鋼の化学成分組成は次の第1
表に示す通りである。
大単重圧力容器用鋼ボイラー用鋼の如きにおいて
溶接性の改善を充分な強度、靭性を維持しつつ実
現するようにしたものである。 圧力容器を製造するための工程としては通常素
材鋼板をAc3点以上の温度に加熱し、熱間加工後
空冷、或いは熱間加工−焼準−(焼戻し)(場合に
よつては熱間加工後焼入焼戻しを行うこともあ
る)し、その後溶接−溶接後熱処理(Post Weld
Heat Treatment:以下PWHTという)を1回
〜数回繰返す方法が採られている。従つてこのよ
うなボイラー用及び圧力容器用鋼板に要求される
性能としては熱間加工性および溶接性に優れてい
ることは言うまでもなく、これらの製造熱履歴を
受けた後においても十分な強度と靭性を維持して
いることが重要である。しかし一般に斯様な圧力
用容器に使用される鋼板は近時における施工およ
び操業の高能率化によつて容器が大型化し、その
板厚も50〜400mmと厚くなるため前記した製造工
程の中でもとりわけ熱間加工後空冷又は焼準によ
り製造するものはオーステナイト域からの冷却速
度が小さくなり、特に板厚中心部では充分な強
度、靭性を維持することが困難となる。然してこ
のような目的で採用されるCr−Mo鋼において充
分な強度、靭性を確保するにはミクロ組織として
均一なベイナイト組織を得る必要があり、従来は
この均一なベイナイト組織を得るために焼入性を
高める合金元素の添加という方法が採られてい
た。ところがこの焼入性を高める合金元素の添加
は同時に溶接部の硬度を高め、溶接性を低下させ
るものであるから十分な対策となし得ない。そこ
で近時においては焼入性を上げるために合金元素
を添加するのではなく、焼入性向上に有効な元素
であるBとともにTiかAlの何れか一方又は両者
を同時添加する方法が採られている。即ちこの場
合のTi,Al添加の目的は鋼中の固溶Nを固定し
てBNの生成を抑制することにより焼入性を高め
るのに有効な固溶B量を確保することにある。然
し上記のようにしても前述したように板厚の大き
いボイラー用或いは圧力容器用鋼板のように造塊
時に大型の大単重鋼塊を使用する場合には鋼塊の
凝固速度が頗る遅くなるので従来のようにTi添
加量が0.010〜0.050%と多いときには鋼塊中心部
に粗大なTiNを生成し、この粗大TiNは熱力学
的に甚だ安定な析出物であるため圧延、熱処理の
熱履歴を経た後においても鋼板の板厚中心部に残
存することとなり鋼板の靭性を甚だしく劣化させ
る原因となつている。またAl添加の場合はAlN
の溶解度積がTiNに比較してかなり大きいため
Nを充分に固定するにはAlNを生成する化学量
論的な量を超えて過剰なAlを添加する必要があ
り、この過剰なAlは靭性に悪影響を及ぼす粗大
なAlNを生成すると共にクリープ強度を劣化さ
せるため圧力容器用鋼の成分としては好ましいも
のでない。 本発明は上記したような実情に鑑み検討を重ね
て創案されたものであつて、極厚大単重鋼板にお
いても優れた溶接性を有すると共にその鋼板を
Ac3点以上の温度に加熱し、熱間加工後空冷、或
いは熱間加工−焼準−(焼戻し)処理を行つた後
においても、即ちこの鋼板を用いてボイラー或い
は圧力容器を製造した場合におけるこれらの容器
等が、充分な強度と靭性を具備していることにあ
る。更に具体的に言うならば、この強度、靭性の
レベルとしては焼戻しパラメーター〔P=T(log
t+20)〕の値が21.5×103以内においては充分な
PWHTを施した後においても強度としては
ASTMA387gr.21.22class2の規格値を満足し、靭
性としては(同じくPWHTを施した後において
も)シヤルピー試験における被面遷移温度(以下
vTsという)が−50℃以下を満たすことにある。
即ち本発明の基本発明によるものは、wt%(以
下単に%という)で、C:0.03〜0.15%、Si:
0.05〜0.20%、Mn:0.20〜1.20%、Cr:2.0超え
3.50%迄、Mo:0.80〜2.00%、P:0.020%以下、
S:0.015%以下、Ti:0.010%未満、B:0.0002
〜0.0010%、sol.Al:0.005〜0.050%、N:0.0040
%以下を含有し、しかも前記N量とTi量が、 N14/48×Ti(%)+0.0024 の関係を満足し、残部が鉄および不可避的不純物
からなる高靭性Cr−Mo鋼に関するものである。 又第2発明によるものは上記基本発明によるも
のに更にNi:0.05〜0.60%もしくはV:0.05〜
0.20%の何れか1種又は双方を含有するものであ
る。 斯かる本発明について更に説明すると、本発明
は極厚大単重鋼板、換言すれば特に30トン以上の
大単重鋼塊を用いて製造するCr−Mo鋼におい
て、強度、靭性を所期のレベルに維持しつつ溶接
性を改善する効果を最大限状態に発揮するもので
ある。なおここで前記した焼戻しパラメーターに
ついて若干説明すると、前述したP=T(log t
+20)において、Tは焼戻し又は/及びPWHT
温度(゜K=℃+273)、tは焼戻又は/および
PWHT時間(hr)であり、本発明で規定するP
値が21.5×103以内として、例えばP=21.0×103
というのは焼戻し又は/及びPWHT温度として
670℃、700℃を採用したとすればtとしては夫々
185.9hr又は38.3hrに亘り該温度に保持する熱履
歴を意味することになる。 上記したような本発明の成分組成設定理由につ
いて、先ず本発明鋼の特徴であるTi、B、Nに
関し説明すると以下の如くである。 即ち従来のCr−Mo鋼においては溶接性および
強度、靭性の改善対策としてTi、Bの添加のよ
うな方法が採られていることは前記した通りであ
るが、圧力容器用鋼板に使用される、例えば30ト
ン以上の大型大単重鋼塊の場合には凝固時の冷却
速度が遅くなり鋼塊中心部に粗大TiNを生成し
靭性に悪影響を与える。そこで本発明者等は鋼塊
単重が30トン相当の凝固をシユミレートした一連
の実験を行い、その後所定の焼準−焼戻処理をし
たB添加2 1/4Cr−1Mo鋼及び3Cr−1Mo鋼
においてTi量とN量のバランスと強度、靭性の
関係を調査した結果、粗大なTiNの生成が抑制
され、強度、靭性ともに優れたTiとN量のバラ
ンスが存在することを確認した。即ち第1図はこ
のTi、N量のバランスとvTs(℃)、YS(Kg/mm2)
の関係をC:0.13〜0.15%、Si:0.05〜0.20%、
Mn:0.52〜0.60%、P:0.003〜0.007%、S:
0.001〜0.003%、Cr:2.42〜3.21%、Mo:0.96〜
1.03%、Ti:0〜0.022%、B:0.0003〜0.0007
%、sol.Al:0.012〜0.018%、T.N:0.0015〜
0.0048%、残部Feから成る前記シユミレート材に
つき焼準−(焼戻)−PWHT処理した場合につい
て示すものであるが、この焼準における冷却速度
としては300mm相当板厚のそれを採用し、焼戻し
又は/及びPWHTの条件としては前記P値とし
て21.0×103を採用した。 一方Bの焼入効果を発揮させるためには通常固
溶B量として2〜10ppm程度が適当であるとされ
ているので、N含有量を変えたTi−free(Tiを含
有しない)B含有3Cr−1Mo鋼(B:0.0003〜
0.0007%)について同様な熱処理を行い、機械的
性質を検討した。即ち、その結果は第2図に示す
如くで、Bの焼入性はN量によつてかなり急激に
変化することが明らかになつた。つまり第2図に
みられるようにN量が0.0024%以下のときには強
度、靭性が大幅に向上しており、Bの焼入性が充
分に発揮されていることがわかる。然してこの場
合焼準温度においては、 B〔固溶〕+N〔固溶〕BN〔析出物〕 … の平衡関係が考えられるところ、total N量が前
記0.0024%以下においてはBN〔折出物〕が殆んど
存在せず、鋼中Bおよび鋼中Nの殆んどはB〔固
溶〕、N〔固溶〕として存在し、その結果として前
記のように焼入性が大きくなつているものと認め
られる。 ところで前記した第1図の場合のように強力な
N固定元素であるTiが存在する場合は、焼準温
度で鋼中Nの一部、つまりTi含有量に対して
TiNの化学量論的結合ラインa……a以下のN
はTiNとして結合し固定されている。従つてB
に充分な焼入性を発揮させるためにはTiによつ
て固定されないN量、即ち〔Total N−14/48×Ti 量〕を前記0.0024%以下とすればよい筈である。
事実第1図に示すようにN0.0040%で、Ti<
0.010%の範囲内においては鋼中Nと鋼中Tiとの
関係が、 N14/48×Ti(%)+0.0024 … の関係を満足する範囲内では高強度且つ高靭性が
得られているが、N>14/48×Ti(%)+0.0024とな るとBの焼入性が発揮されず、低強度、低靭性材
しか得られていない。しかしN0.0040%のよう
な高N量領域での条件を満足するようにTiを添
加すると、例えば単重30トン以上の大型鋼塊では
鋼塊中心部の凝固速度が遅くなつて1μm以上の粗
大TiNが多数発生し、靭性を著しく劣化させる
のでTi、N量の範囲としては、 Ti<0.010% … N0.0040% … であることが強度と靭性の確保のため非常に重要
であると言える。又N0.0040%の低N量領域で
もTiをTiNの化学量論的に必要な値以上に過剰
に添加すると粗大TiNは生成しないものの、今
度はTiCの析出に起因した靭性劣化を生ずるため
Tiを高N、低N量領域の何れの場合においても
0.010%未満とする必要のあることが判明した。 以上のことから例えば板厚50mm以上の極厚大単
重圧力容器用鋼板において優れた強度、靭性を焼
準材においても確保するには前記した、、
式の関係を同時に満足させるようにTi、N量を
第1図にハツチングを施して示した範囲にコント
ロールすることが必要である。 Bは、固溶Nが十分にTiで固定されている場
合は、0.0002%以上添加すれば焼入れ性向上に効
果があり、0.0010%を超える添加は逆に焼入れ性
を低下させるため、Bの最適添加量は0.0002〜
0.0010%である。 以上のことを考慮して上記N、Ti、B以外の
成分の限定理由を述べると以下の如くである。 Cは、必要な強度を得るために0.03%以上の含
有が必要であるが、0.15%を超えて含有させると
靭性および溶接性が劣化するので上限を0.15%と
する。 Siは、脱酸効果および強度確保の点から0.05%
以上とする必要があるが、0.20%を超える含有は
靭性および焼戻し脆化に悪影響を与えるので上限
を0.20%とする。 Mnは、本発明のごとくCを低減したときの強
度補償元素として重要であり、少なくとも0.20%
以上は必要であるが、溶接性を考慮して上限を
1.20%とする。 Crは、高温における耐酸化性、耐水素アタツ
ク特性および強度を確保するため2.00%を超える
添加を必要とするが、溶接性を考慮して上限を
3.50%とする。 Moは、高温強度および焼戻し軟化抵抗を高め
るために0.80%以上の添加を必要とするが、コス
ト上昇および溶接性劣化の点から上限を2.00%と
する。 Pは、焼戻し脆性にきわめて有害なので、
0.020%以下とする。 Sは、靭性に対して有害であるので0.015%以
下とする。 sol.Alは、結晶粒の微細化効果並びに固溶Nの
固定によりBの焼入れ性効果を高める働きがある
が、これらの効果を得るには少なくとも0.005%
を必要とするが、0.050%を超える過剰な添加含
有は、Tiと同様に粗大窒化物を生成し靭性を害
するため0.005〜0.050%の範囲とする。 又以上の成分の基本発明に対し耐水素アタツク
特性などの要求性能に応じてNi又はVの何れか
1種または双方を含有させたものを第2発明とす
るもので、これら成分限定理由を述べると以下の
如くである。 Niは、強度を上昇させ、靭性を改善するので、
その効果が期待できる0.05%以上を添加するが
0.6%を超えて含有せしめても効果が飽和しコス
トが上昇するだけであるので上限を0.6%とする。 Vは焼戻しにより安定な炭化物を形成し、高温
強度や耐水素アタツク特性を改善するが、その効
果が期待できる0.05%以上添加するが、多すぎる
と靭性および溶接性を害するため上限を0.20%と
する。 本発明によるものの具体的な製造例について説
明すると以下の如くである。 本発明者等の具体的に製造した本発明鋼および
その比較例たる従来鋼の化学成分組成は次の第1
表に示す通りである。
【表】
又これらの第1表に示した本発明鋼および従来
鋼のそれぞれについての30トン鋼塊相当機械的性
質を要約して示すと次の第2表の通りである。
鋼のそれぞれについての30トン鋼塊相当機械的性
質を要約して示すと次の第2表の通りである。
【表】
即ち従来鋼である鋼HはBを含有しないので焼
入れ性に劣り、強度および靭性がともに不良とな
つている。又鋼K、LおよびMはTi−B系であ
つて焼入性が向上し強度的には前記ASTMでの
規定(ASTM A−387grade 21 22class2によれ
ば常温降伏強度YSが31.6Kg/mm2以上で、常温引
張強さT.Sは52.7〜70.3Kg/mm2とされている)を
満足するものの、Tiが0.01%以上であるため大型
鋼塊冷却時の粗大TiN析出により靭性が劣つて
いる。更に鋼I、Jは何れもTi量としては本発
明の範囲内にあるとしてもTi量とN含有量の関
係においては本発明の範囲から外れており、Bの
焼入性を充分に発揮し得ないところから強度レベ
ルが低いのみならず、靭性も好ましいものではな
い。これらの比較鋼材に対し本発明鋼によるもの
はA〜Gの何れをとつても同一グレードの従来鋼
(比較鋼)に対して靭性が何れも優れており、YS
値およびT.S値も前記ASTMの規定を充分に満足
している。 以上説明したような本発明によるときはボイラ
ー用や圧力容器用の極厚大単重Cr−Mo鋼材に関
して溶接性を充分に確保しつつ充分な強度、靭性
を発揮し得るものであつて、工業的にその効果の
大きい発明である。
入れ性に劣り、強度および靭性がともに不良とな
つている。又鋼K、LおよびMはTi−B系であ
つて焼入性が向上し強度的には前記ASTMでの
規定(ASTM A−387grade 21 22class2によれ
ば常温降伏強度YSが31.6Kg/mm2以上で、常温引
張強さT.Sは52.7〜70.3Kg/mm2とされている)を
満足するものの、Tiが0.01%以上であるため大型
鋼塊冷却時の粗大TiN析出により靭性が劣つて
いる。更に鋼I、Jは何れもTi量としては本発
明の範囲内にあるとしてもTi量とN含有量の関
係においては本発明の範囲から外れており、Bの
焼入性を充分に発揮し得ないところから強度レベ
ルが低いのみならず、靭性も好ましいものではな
い。これらの比較鋼材に対し本発明鋼によるもの
はA〜Gの何れをとつても同一グレードの従来鋼
(比較鋼)に対して靭性が何れも優れており、YS
値およびT.S値も前記ASTMの規定を充分に満足
している。 以上説明したような本発明によるときはボイラ
ー用や圧力容器用の極厚大単重Cr−Mo鋼材に関
して溶接性を充分に確保しつつ充分な強度、靭性
を発揮し得るものであつて、工業的にその効果の
大きい発明である。
図面は本発明の技術的内容を示すものであつ
て、第1図は強度、靭性におよぼすN−Tiバラ
ンスの影響を示した図表、第2図はTiを含有し
ない3Cr−1Mo鋼において強度、靭性におよぼす
N量の影響を示した図表である。
て、第1図は強度、靭性におよぼすN−Tiバラ
ンスの影響を示した図表、第2図はTiを含有し
ない3Cr−1Mo鋼において強度、靭性におよぼす
N量の影響を示した図表である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 C:0.03〜0.15wt%、 Si:0.05〜0.20wt%、 Mn:0.20〜1.20wt%、 Cr:2.00超え3.50wt%迄、 Mo:0.80〜2.00wt%、 P:0.020wt%以下、 S:0.015wt%以下、 sol.Al:0.005〜0.050wt%、 Ti:0.010wt%未満、 B:0.0002〜0.0010wt%、 N:0.0040wt%以下、 を含有すると共にしかも前記N量とTi量が、 N14/48×Ti(%)+0.0024% の関係を満足し、残部が鉄および不可避的不純物
から成ることを特徴とする靭性に優れたCr−Mo
鋼。 2 C:0.03〜0.15wt%、 Si:0.05〜0.20wt%、 Mn:0.20〜1.20wt%、 Cr:2.00超え3.50wt%迄、 Mo:0.80〜2.00wt%、 P:0.020wt%以下、 S:0.015wt%以下、 sol.Al:0.005〜0.050wt%、 Ti:0.010wt%未満、 B:0.0002〜0.0010wt%、 N:0.0040wt%以下、 を含有すると共にNi:0.05〜0.6wt%もしくは
V:0.05〜0.20wt%以下の何れか1種又は双方を
含有し、しかも前記N量とTi量が N14/48×Ti(%)+0.0024% の関係を満足し、残部が鉄および不可避的不純物
から成ることを特徴とする靭性に優れたCr−Mo
鋼。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12157883A JPS6017056A (ja) | 1983-07-06 | 1983-07-06 | 靭性に優れたCr−Mo鋼 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP12157883A JPS6017056A (ja) | 1983-07-06 | 1983-07-06 | 靭性に優れたCr−Mo鋼 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS6017056A JPS6017056A (ja) | 1985-01-28 |
| JPS642185B2 true JPS642185B2 (ja) | 1989-01-13 |
Family
ID=14814705
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP12157883A Granted JPS6017056A (ja) | 1983-07-06 | 1983-07-06 | 靭性に優れたCr−Mo鋼 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS6017056A (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS61270354A (ja) * | 1985-05-27 | 1986-11-29 | Kawasaki Steel Corp | 高靭性溶接用鋼 |
| JPS62235420A (ja) * | 1986-04-02 | 1987-10-15 | Japan Casting & Forging Corp | 圧力容器用鍛鋼の製造法 |
Family Cites Families (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5421810B2 (ja) * | 1973-11-15 | 1979-08-02 | ||
| JPS56253A (en) * | 1979-06-11 | 1981-01-06 | Sumitomo Metal Ind Ltd | Cr-mo steel of excellent strength and tenacity to be hot- worked |
| JPS5927376B2 (ja) * | 1980-08-29 | 1984-07-05 | 川崎製鉄株式会社 | 板厚75mm以上の石油精製装置、石炭液化装置および石炭ガス化装置その他圧力容器に供せられるCr−Mo鋼材 |
| JPS6020460B2 (ja) * | 1981-02-04 | 1985-05-22 | 新日本製鐵株式会社 | 圧力容器用Cr−Mo系低合金鋼 |
-
1983
- 1983-07-06 JP JP12157883A patent/JPS6017056A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS6017056A (ja) | 1985-01-28 |
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