JPS643934B2 - - Google Patents
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- JPS643934B2 JPS643934B2 JP18367882A JP18367882A JPS643934B2 JP S643934 B2 JPS643934 B2 JP S643934B2 JP 18367882 A JP18367882 A JP 18367882A JP 18367882 A JP18367882 A JP 18367882A JP S643934 B2 JPS643934 B2 JP S643934B2
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Description
本発明は耐熱性および耐摩耗性に優れた焼結合
金に関するものであり、さらに詳しく述べるなら
ばターボチヤージヤー排気マニホールド側用シー
ルリング、内燃機関用ピストンリング等に用いら
れるシール材として適した焼結合金の製造方法に
関するものである。 一般に内燃機関のシール材としては、FC及び
FCD系の鋳鉄あるいは樹脂等が多用されている
が、耐摩耗性はかなりの程度であるとしても、耐
熱性は不足する場合がある。一方、焼結合金はピ
ストンリング等に使用される傾向にあるが、これ
は焼結合金には10〜20%の空孔が内在し、油だま
りとなつて潤滑油を保持し、耐摩耗性及び耐焼付
性を向上させる性質を利用することを意図したも
のである。しかし焼結合金に内在する空孔は焼結
シール材の有効断面積を減少させる結果、該シー
ル材の実作用応力が高くなり、耐熱性は劣化す
る。この欠点を補い焼結合金の耐熱性を向上させ
るには空孔体積率の減少が有効であるが、焼結鍛
造、ホツトプレス等の特殊な技術を用いなければ
ならず焼結品のコスト上昇を招き経済的に不利で
ある。焼結シール材の耐熱性を向上させる他の技
術には、耐熱性向上元素として一般的なCr、Ni、
Co、Mo、W等の粉末を鉄粉末中に予め混合させ
ておく方法があるが、焼結は固相拡散反応を利用
するのが一般的であるから、Ni、Coを除いた
Cr、Mo、W等を焼結合金のFeマトリツクス中へ
均一に拡散固溶させるのは極めて困難である。し
たがつて、上述のような耐熱性向上元素の粉末と
鉄粉末を混合させて得た焼結合金がCr、Mo、W
等の元素が単独元素に近い粒子形状で存在し、こ
れらの元素による合金化が十分に耐熱性、耐摩耗
性向上に寄与する程度には至つていない。本発明
は以上のような問題点を解決しうる焼結合金を提
供するものである。 以下、ターボチヤージヤー排気マニホールド側
用シールリングを例にとつてシール材の要求性能
及び従来技術の問題点を具体的に説明する。 近年、自動車の低燃費化や高出力化の手段とし
てターボチヤージヤーを装着する内燃機関が増加
している。ターボチヤージヤー排気マニホールド
側用シールリング(以下シールリングと称する)
は高温の排気ガスの影響により高温にさらされ且
つ高温下で潤滑油のシールをしなければならな
い。よつて張力の保持がシールリングとしての重
要な特性の一つであるのでシール材の性能として
は高い耐熱性が要求される。さらにターボチヤー
ジヤーのタービンの回転数は最大十数万rpmの高
速回転となるので、シール材として耐摩耗性(相
手材を摩耗させない性質も含む)および耐焼付性
についても高い性能が併せて要求される。 一般にシール材として使用されているFC及び
FCDの鋳鉄や樹脂等はシールリングとしては耐
熱性が明らかに不足するので、現在シールリング
には高速度鋼、オーステナイト鋳鋼、高Cr鋳鋼、
ステンレス鋼等の溶製材料が一般に用いられてい
る。これらの溶製材料は耐熱性に優れているがシ
ールリングは小径であるため多大の加工工数を必
要としまた材料歩留が極めて悪いという欠点を有
する。更にこれらの溶製材料は耐焼付性及び耐摩
耗性には問題を有している。これに対して、焼結
合金は材料組成の自由度が高く、また空孔が内在
するために、耐熱性、耐摩耗性等の改善は容易に
実施可能となる。しかも焼結合金は極めて高い寸
法精度で製造できるので加工工数の大巾な低減が
可能であり、材料歩留も極めて良好である。 しかしながら、焼結合金は上述のように材料組
成の調節によつて耐熱性を付与する場合、単純に
耐熱性元素の粉末を鉄粉末に混合し、その後焼結
する技術では、顕著な耐熱性向上を期し得ない。 以上のような従来技術の問題点を解消し、焼結
合金のシール材として耐熱性及び耐摩耗性を飛躍
的に改善するためには、本発明者は次の条件を満
足する組織が得られることが重要であるとの知見
を得た。 予め合金化されたCo−Mo−Cr−Si硬質粒子
が焼結合金マトリツクスに分散しており、さら
に焼結合金のマトリツクスの耐熱性を向上させ
るためにオーステナイト系ステンレス鋼粉末を
主原料として用い、さらにコバルトをマトリツ
クスに焼結中に固溶させる。かくして、元素状
に近い粒子が焼結合金マトリツクスに分散して
いる場合よりも耐熱性が一層向上する。 焼結合金の耐摩耗性は前記内在空孔の保油効
果により一般に良好であるが、上記硬質粒子の
添加により一層改善されること。即ち焼結合金
のマトリツクスに比べ相対的に硬い硬質粒子が
1次しゆう動面を形成し、一方相対的に軟いマ
トリツクスは初期摩耗によつて前記内在空孔と
同様に潤滑油の油だまりとなり、前記空孔の保
油効果のみによるよりも一層耐摩耗性の他に耐
焼付性も向上する。硬質粒子としては前述の
Co−Mo−Cr−Si粒子の組成を適宜後述のよう
に調節したものを用いる。 オーステナイト系ステンレス鋼よりなる焼結
合金のマトリツクス(以下オーステナイトマト
リツクスと略記する)の結晶粒界に微細なクロ
ム炭化物が析出して耐摩耗性及び耐熱性が一層
改善されること。 上記条件、及びを満足する本発明は、
Coを固溶したオーステナイト系ステンレス鋼よ
りなるマトリツクス中に特殊合金粉末粒子が分散
され、該マトリツクスの結晶粒界に微細なクロム
炭化物が析出している組織を有するとともに、前
記特殊合金粉末粒子が、重量比で、 Mo:25〜40% Cr: 5〜20% Si: 1〜20% Co:50〜70% から実質的になり、かつ1〜20重量%含有されて
おり、また前記オーステナイトステンレス鋼より
なるマトリツクスと前記特殊合金粉末粒子との全
体の組成が、重量比で、 C: 0.5〜 1.5% Cr:15 〜25 % Ni: 6 〜20 % Mo: 0.3〜10 % Co: 2.5〜25 % Si: 0.1〜 4 % であり、残部が実質的にFe及び下可避的不純物
からなるようにオーステナイトステンレス鋼の粉
末と、コバルト粉末と、黒鉛粉末と、前記特殊合
金粉末とを所定量混合し、圧粉成形成し、還元性
雰囲気中において焼結することを特徴とする耐熱
耐摩耗性焼結合金の製造方法を提供する。 本発明において百分率は特記しない限り重量百
分率である。 以下、本発明の限定理由を述べさらに説明を行
う。 特殊合金粉末粒子における、Coはその耐熱性
を増し、高温での耐摩耗性の向上に寄与する。 Mo、Si及びCrは相互に結合して金属間化合物
を形成して、主としてCoからなる粉末粒子のマ
トリツクス中に分散され特殊合金粉末粒子の硬さ
を高め耐摩耗性向上に寄与する。また、特殊合金
粉末粒子のCoはオーステナイトマトリツクスに
拡散固溶してその耐熱性を高める。 通常の焼結条件においてCoの拡散固溶が十分
起こるようにするには焼結前の特殊合金粉末の
Co含有量が50%以上であることが必要である。
Coのオーステナイトマトリツクスへの拡散固溶
割合及びこの拡散とは逆方向の拡散(オーステナ
イトマトリツクスから硬質合金粉末への拡散)元
素(主として鉄)の割合は若干と考えられる。
Co含有量が70%を越えると特殊合金粉末粒子の
硬さが低くなるので、Co含有量は70%以下であ
ることが必要である。 本発明の焼結合金中の特殊合金粉末粒子の組成
は、上記Co、Mo、Cr、Siの含有量を重量%で表
現し直した場合、Mo=25〜40%、Cr=5〜20
%、Si=1〜20%である。この組成範囲内である
とLaves相といわれる結晶構造のMo−Si−Cr金
属間化合物が生成され、耐摩耗性及び耐熱性が向
上する。上記組成範囲内の特殊合金粉末粒子はそ
の硬さはHv500〜1500となり、耐摩耗性および耐
焼付性が向上するとともに、相手材の摩耗を多く
することはない。次に、特殊合金粉末粒子の量が
1%未満であると、焼結合金の耐摩耗性及び耐熱
性が不足し、20%を越えると、その製造時の圧粉
成形性が低下する。依つて、特殊合金粉末粒子の
量は1〜20%とする。 焼結合金の全体の組成の限定理由は次のとおり
である。Cが0.5%未満であるとCr炭化物量が不
足し、1.5%を越えるとオーステナイトマトリツ
クスの粒界にCr炭化物が過多に析出し、材料が
脆化する傾向が現われる。Crが15%未満である
と、特殊合金粉末粒子の量及びCr含有量が特許
請求の範囲内で最大のときオーステナイトマトリ
ツクスのCr含有量が11%未満となり、オーステ
ナイトマトリツクスの耐熱性が低下し、またCr
炭化物の量が不足する。一方Crが25%を越える
と、特殊合金粉末粒子の量及びCr含有量が特許
請求の範囲内で最小のとき、オーステナイトマト
リツクスのCr含有量が約25%を越え、Crの効果
が飽和し、不利であるので上限は25%とした。
Niが6%未満であるとマトリツクスのオーステ
ナイト組織が不安定となり、耐熱性が不足し、一
方Niが20%を越えると経剤的に好ましくない。
Moが0.3%未満であると特殊合金粉末粒子が所期
の作用を果さず、一方、10%を越えると、特殊合
金粉末の量及びMo量が特許請求の範囲内で最小
のときは、オーステナイトマトリツクス中のMo
含有量が約10%以上、同じく最大のときはオース
テナイトマトリツクス中のMo含有量が約2%以
上となり、Moによるオーステナイトマトリツク
スの耐熱性向上の作用が飽和するため経済的に好
ましくない。Coが2.5%未満ではオーステナイト
マトリツクスへの固溶量が不足し、25%を越える
と、焼結合金の硬さが低下する傾向が現われる。
Siが0.1%未満では特殊合金粉末粒子が本来の作
用を果さず、4%を越えるとその融点低下作用に
より焼結合金が局部的に軟化し、強度が低下す
る。 本発明の一つの特徴であるオーステナイトマト
リツクスへのCoの固溶は焼結合金の原料に予め
Coを固溶させておいてもよいが、市販のオース
テナイトステンレス鋼の多くはCoを含有してい
ないのでCo粉末又は特殊合金粉末中のCoを焼結
時に一部オーステナイトマトリツクスに固溶させ
ることが好ましい。上述のように特殊合金粉末
(粒子)はCo−Mo−Cr−Si合金であるが、この
合金元素の中でCoが最も拡散し易く、オーステ
ナイトマトリツクスに拡散固溶して、その耐熱性
を高めるとともに、拡散の際、特殊合金粉末粒子
とオーステナイトマトリツクスの接合強度を高め
る作用も果す。 本発明の組織上の特徴の一つは、オーステナイ
トマトリツクスの結晶粒界に微細なクロム炭化物
が析出していることであり、この組織を得るため
には黒鉛粉末をオーステナイト系ステンレス鋼粉
末のクロムと焼結中に反応させなければならな
い。 オーステナイト系ステンレス鋼粉末自体の組成
は特に限定する必要がなく、圧縮性、流動性等通
常の粉末成形上問題のない粉末であればよい。 本発明における焼結条件としては、混合粉末を
5〜10トン/cm2で圧粉成形した後に、1150〜1250
℃に還元性雰囲気(水素ガス又は分解アンモニア
ガス)中で加熱する条件を採用することが望まし
い。 なお、焼結合金に内在する空孔の割合が20%よ
り多くなると、焼結材の有効断面積が減少して実
作用応力は増加し耐熱性が低下するので焼結材の
相対密度は高い程好ましい。しかしながら焼結合
金の製造に一般的に用いられる冷間成形、焼結と
いう方法では空孔を5%以下にすることは一般に
は困難である。 本発明の焼結合金の好ましい組成はC0.8〜1.2
%、Cr16〜18%、Ni8〜12%、Mo2〜5%、Co6
〜10%、及びSi0.1〜1.0%である。また特殊合金
粉末(粒子)の粒径は150ミクロン以下、オース
テナイト系ステンレス鋼粉末(粒子)の粒径は
150ミクロン以下が好ましい。 以下実施例を述べ更に詳細な説明を加える。 実施例 1 第1表に示した各種粉末を所定量秤量し、V型
ミキサーで30分間混合し、次に成形圧力7トン/
cm2で圧粉成形し、最後に分解アンモニアガス雰囲
気中において1200℃で1Hr焼結した。但し特殊合
金粉末およびオーステナイト系ステンレス鋼粉末
は−100メツシユ(149μm)とした。また黒鉛粉
末およびコバルト粉末は−325メツシユ(44μm)
とした。 焼結後、機械加工により呼び径20mm、幅1.6mm、
厚さ1.1mmのシールリングを作製し、張力減退の
テストを行なつた。張力減退のテストはシールリ
ング呼び径と同一寸法の鋳鉄製シリンダーにシー
ルリングを装填し、350℃、400℃、450℃で各々
10Hr、Arガス中で加熱することによつて実施し
た。テスト前後の自由合い口すき間の変化量を求
め張力減退率とした。 焼結後の各特性値および張力減退率も合わせて
第1表に示した。
金に関するものであり、さらに詳しく述べるなら
ばターボチヤージヤー排気マニホールド側用シー
ルリング、内燃機関用ピストンリング等に用いら
れるシール材として適した焼結合金の製造方法に
関するものである。 一般に内燃機関のシール材としては、FC及び
FCD系の鋳鉄あるいは樹脂等が多用されている
が、耐摩耗性はかなりの程度であるとしても、耐
熱性は不足する場合がある。一方、焼結合金はピ
ストンリング等に使用される傾向にあるが、これ
は焼結合金には10〜20%の空孔が内在し、油だま
りとなつて潤滑油を保持し、耐摩耗性及び耐焼付
性を向上させる性質を利用することを意図したも
のである。しかし焼結合金に内在する空孔は焼結
シール材の有効断面積を減少させる結果、該シー
ル材の実作用応力が高くなり、耐熱性は劣化す
る。この欠点を補い焼結合金の耐熱性を向上させ
るには空孔体積率の減少が有効であるが、焼結鍛
造、ホツトプレス等の特殊な技術を用いなければ
ならず焼結品のコスト上昇を招き経済的に不利で
ある。焼結シール材の耐熱性を向上させる他の技
術には、耐熱性向上元素として一般的なCr、Ni、
Co、Mo、W等の粉末を鉄粉末中に予め混合させ
ておく方法があるが、焼結は固相拡散反応を利用
するのが一般的であるから、Ni、Coを除いた
Cr、Mo、W等を焼結合金のFeマトリツクス中へ
均一に拡散固溶させるのは極めて困難である。し
たがつて、上述のような耐熱性向上元素の粉末と
鉄粉末を混合させて得た焼結合金がCr、Mo、W
等の元素が単独元素に近い粒子形状で存在し、こ
れらの元素による合金化が十分に耐熱性、耐摩耗
性向上に寄与する程度には至つていない。本発明
は以上のような問題点を解決しうる焼結合金を提
供するものである。 以下、ターボチヤージヤー排気マニホールド側
用シールリングを例にとつてシール材の要求性能
及び従来技術の問題点を具体的に説明する。 近年、自動車の低燃費化や高出力化の手段とし
てターボチヤージヤーを装着する内燃機関が増加
している。ターボチヤージヤー排気マニホールド
側用シールリング(以下シールリングと称する)
は高温の排気ガスの影響により高温にさらされ且
つ高温下で潤滑油のシールをしなければならな
い。よつて張力の保持がシールリングとしての重
要な特性の一つであるのでシール材の性能として
は高い耐熱性が要求される。さらにターボチヤー
ジヤーのタービンの回転数は最大十数万rpmの高
速回転となるので、シール材として耐摩耗性(相
手材を摩耗させない性質も含む)および耐焼付性
についても高い性能が併せて要求される。 一般にシール材として使用されているFC及び
FCDの鋳鉄や樹脂等はシールリングとしては耐
熱性が明らかに不足するので、現在シールリング
には高速度鋼、オーステナイト鋳鋼、高Cr鋳鋼、
ステンレス鋼等の溶製材料が一般に用いられてい
る。これらの溶製材料は耐熱性に優れているがシ
ールリングは小径であるため多大の加工工数を必
要としまた材料歩留が極めて悪いという欠点を有
する。更にこれらの溶製材料は耐焼付性及び耐摩
耗性には問題を有している。これに対して、焼結
合金は材料組成の自由度が高く、また空孔が内在
するために、耐熱性、耐摩耗性等の改善は容易に
実施可能となる。しかも焼結合金は極めて高い寸
法精度で製造できるので加工工数の大巾な低減が
可能であり、材料歩留も極めて良好である。 しかしながら、焼結合金は上述のように材料組
成の調節によつて耐熱性を付与する場合、単純に
耐熱性元素の粉末を鉄粉末に混合し、その後焼結
する技術では、顕著な耐熱性向上を期し得ない。 以上のような従来技術の問題点を解消し、焼結
合金のシール材として耐熱性及び耐摩耗性を飛躍
的に改善するためには、本発明者は次の条件を満
足する組織が得られることが重要であるとの知見
を得た。 予め合金化されたCo−Mo−Cr−Si硬質粒子
が焼結合金マトリツクスに分散しており、さら
に焼結合金のマトリツクスの耐熱性を向上させ
るためにオーステナイト系ステンレス鋼粉末を
主原料として用い、さらにコバルトをマトリツ
クスに焼結中に固溶させる。かくして、元素状
に近い粒子が焼結合金マトリツクスに分散して
いる場合よりも耐熱性が一層向上する。 焼結合金の耐摩耗性は前記内在空孔の保油効
果により一般に良好であるが、上記硬質粒子の
添加により一層改善されること。即ち焼結合金
のマトリツクスに比べ相対的に硬い硬質粒子が
1次しゆう動面を形成し、一方相対的に軟いマ
トリツクスは初期摩耗によつて前記内在空孔と
同様に潤滑油の油だまりとなり、前記空孔の保
油効果のみによるよりも一層耐摩耗性の他に耐
焼付性も向上する。硬質粒子としては前述の
Co−Mo−Cr−Si粒子の組成を適宜後述のよう
に調節したものを用いる。 オーステナイト系ステンレス鋼よりなる焼結
合金のマトリツクス(以下オーステナイトマト
リツクスと略記する)の結晶粒界に微細なクロ
ム炭化物が析出して耐摩耗性及び耐熱性が一層
改善されること。 上記条件、及びを満足する本発明は、
Coを固溶したオーステナイト系ステンレス鋼よ
りなるマトリツクス中に特殊合金粉末粒子が分散
され、該マトリツクスの結晶粒界に微細なクロム
炭化物が析出している組織を有するとともに、前
記特殊合金粉末粒子が、重量比で、 Mo:25〜40% Cr: 5〜20% Si: 1〜20% Co:50〜70% から実質的になり、かつ1〜20重量%含有されて
おり、また前記オーステナイトステンレス鋼より
なるマトリツクスと前記特殊合金粉末粒子との全
体の組成が、重量比で、 C: 0.5〜 1.5% Cr:15 〜25 % Ni: 6 〜20 % Mo: 0.3〜10 % Co: 2.5〜25 % Si: 0.1〜 4 % であり、残部が実質的にFe及び下可避的不純物
からなるようにオーステナイトステンレス鋼の粉
末と、コバルト粉末と、黒鉛粉末と、前記特殊合
金粉末とを所定量混合し、圧粉成形成し、還元性
雰囲気中において焼結することを特徴とする耐熱
耐摩耗性焼結合金の製造方法を提供する。 本発明において百分率は特記しない限り重量百
分率である。 以下、本発明の限定理由を述べさらに説明を行
う。 特殊合金粉末粒子における、Coはその耐熱性
を増し、高温での耐摩耗性の向上に寄与する。 Mo、Si及びCrは相互に結合して金属間化合物
を形成して、主としてCoからなる粉末粒子のマ
トリツクス中に分散され特殊合金粉末粒子の硬さ
を高め耐摩耗性向上に寄与する。また、特殊合金
粉末粒子のCoはオーステナイトマトリツクスに
拡散固溶してその耐熱性を高める。 通常の焼結条件においてCoの拡散固溶が十分
起こるようにするには焼結前の特殊合金粉末の
Co含有量が50%以上であることが必要である。
Coのオーステナイトマトリツクスへの拡散固溶
割合及びこの拡散とは逆方向の拡散(オーステナ
イトマトリツクスから硬質合金粉末への拡散)元
素(主として鉄)の割合は若干と考えられる。
Co含有量が70%を越えると特殊合金粉末粒子の
硬さが低くなるので、Co含有量は70%以下であ
ることが必要である。 本発明の焼結合金中の特殊合金粉末粒子の組成
は、上記Co、Mo、Cr、Siの含有量を重量%で表
現し直した場合、Mo=25〜40%、Cr=5〜20
%、Si=1〜20%である。この組成範囲内である
とLaves相といわれる結晶構造のMo−Si−Cr金
属間化合物が生成され、耐摩耗性及び耐熱性が向
上する。上記組成範囲内の特殊合金粉末粒子はそ
の硬さはHv500〜1500となり、耐摩耗性および耐
焼付性が向上するとともに、相手材の摩耗を多く
することはない。次に、特殊合金粉末粒子の量が
1%未満であると、焼結合金の耐摩耗性及び耐熱
性が不足し、20%を越えると、その製造時の圧粉
成形性が低下する。依つて、特殊合金粉末粒子の
量は1〜20%とする。 焼結合金の全体の組成の限定理由は次のとおり
である。Cが0.5%未満であるとCr炭化物量が不
足し、1.5%を越えるとオーステナイトマトリツ
クスの粒界にCr炭化物が過多に析出し、材料が
脆化する傾向が現われる。Crが15%未満である
と、特殊合金粉末粒子の量及びCr含有量が特許
請求の範囲内で最大のときオーステナイトマトリ
ツクスのCr含有量が11%未満となり、オーステ
ナイトマトリツクスの耐熱性が低下し、またCr
炭化物の量が不足する。一方Crが25%を越える
と、特殊合金粉末粒子の量及びCr含有量が特許
請求の範囲内で最小のとき、オーステナイトマト
リツクスのCr含有量が約25%を越え、Crの効果
が飽和し、不利であるので上限は25%とした。
Niが6%未満であるとマトリツクスのオーステ
ナイト組織が不安定となり、耐熱性が不足し、一
方Niが20%を越えると経剤的に好ましくない。
Moが0.3%未満であると特殊合金粉末粒子が所期
の作用を果さず、一方、10%を越えると、特殊合
金粉末の量及びMo量が特許請求の範囲内で最小
のときは、オーステナイトマトリツクス中のMo
含有量が約10%以上、同じく最大のときはオース
テナイトマトリツクス中のMo含有量が約2%以
上となり、Moによるオーステナイトマトリツク
スの耐熱性向上の作用が飽和するため経済的に好
ましくない。Coが2.5%未満ではオーステナイト
マトリツクスへの固溶量が不足し、25%を越える
と、焼結合金の硬さが低下する傾向が現われる。
Siが0.1%未満では特殊合金粉末粒子が本来の作
用を果さず、4%を越えるとその融点低下作用に
より焼結合金が局部的に軟化し、強度が低下す
る。 本発明の一つの特徴であるオーステナイトマト
リツクスへのCoの固溶は焼結合金の原料に予め
Coを固溶させておいてもよいが、市販のオース
テナイトステンレス鋼の多くはCoを含有してい
ないのでCo粉末又は特殊合金粉末中のCoを焼結
時に一部オーステナイトマトリツクスに固溶させ
ることが好ましい。上述のように特殊合金粉末
(粒子)はCo−Mo−Cr−Si合金であるが、この
合金元素の中でCoが最も拡散し易く、オーステ
ナイトマトリツクスに拡散固溶して、その耐熱性
を高めるとともに、拡散の際、特殊合金粉末粒子
とオーステナイトマトリツクスの接合強度を高め
る作用も果す。 本発明の組織上の特徴の一つは、オーステナイ
トマトリツクスの結晶粒界に微細なクロム炭化物
が析出していることであり、この組織を得るため
には黒鉛粉末をオーステナイト系ステンレス鋼粉
末のクロムと焼結中に反応させなければならな
い。 オーステナイト系ステンレス鋼粉末自体の組成
は特に限定する必要がなく、圧縮性、流動性等通
常の粉末成形上問題のない粉末であればよい。 本発明における焼結条件としては、混合粉末を
5〜10トン/cm2で圧粉成形した後に、1150〜1250
℃に還元性雰囲気(水素ガス又は分解アンモニア
ガス)中で加熱する条件を採用することが望まし
い。 なお、焼結合金に内在する空孔の割合が20%よ
り多くなると、焼結材の有効断面積が減少して実
作用応力は増加し耐熱性が低下するので焼結材の
相対密度は高い程好ましい。しかしながら焼結合
金の製造に一般的に用いられる冷間成形、焼結と
いう方法では空孔を5%以下にすることは一般に
は困難である。 本発明の焼結合金の好ましい組成はC0.8〜1.2
%、Cr16〜18%、Ni8〜12%、Mo2〜5%、Co6
〜10%、及びSi0.1〜1.0%である。また特殊合金
粉末(粒子)の粒径は150ミクロン以下、オース
テナイト系ステンレス鋼粉末(粒子)の粒径は
150ミクロン以下が好ましい。 以下実施例を述べ更に詳細な説明を加える。 実施例 1 第1表に示した各種粉末を所定量秤量し、V型
ミキサーで30分間混合し、次に成形圧力7トン/
cm2で圧粉成形し、最後に分解アンモニアガス雰囲
気中において1200℃で1Hr焼結した。但し特殊合
金粉末およびオーステナイト系ステンレス鋼粉末
は−100メツシユ(149μm)とした。また黒鉛粉
末およびコバルト粉末は−325メツシユ(44μm)
とした。 焼結後、機械加工により呼び径20mm、幅1.6mm、
厚さ1.1mmのシールリングを作製し、張力減退の
テストを行なつた。張力減退のテストはシールリ
ング呼び径と同一寸法の鋳鉄製シリンダーにシー
ルリングを装填し、350℃、400℃、450℃で各々
10Hr、Arガス中で加熱することによつて実施し
た。テスト前後の自由合い口すき間の変化量を求
め張力減退率とした。 焼結後の各特性値および張力減退率も合わせて
第1表に示した。
【表】
【表】
第1表の結果から本発明材料は優れた耐熱性を
有することが明らかである。 第1図及び第2図に第1表の本発明材料Aの金
属組織(倍率はそれぞれ100倍及び500倍)を示
す。第2図のaは特殊合金粉末粒子、bは粒界に
析出した微細炭化物、cはオーステナイトステン
レス鋼のマトリツクス及びdは空孔を示す。 実施例 2 第2表に示した各種粉末を所定量秤量し、V型
ミキサーで30分間混合し、そして実施例1と同一
の成形条件及び焼結条件でピン(摩耗試験片)を
作製した。 摩耗試験は第3図に示したローターピン式摩耗
試験機を用いて行なつた。相手材としてのロータ
ーBの材質はJIS SUM43を焼入焼もどしにより
HRC35とした。φ40mmのローターB、及びφ10
mm、長さ15mmのピンAは共に研摩加工により約1
〜2μmRZの仕上あらさとしたものであつた。 SAE#30のエンジンオイルを滴下し潤滑しな
がら矢印方向に荷重を加え、摩耗試験を行ない、
ピンの摩耗量は摩耗痕の長径で測定し、相手材と
してのローター摩耗量はあらさ計でその凹み量を
荷重2Kg、摩擦速度150m/min、摩擦距離5000
mの条件で測定した。 さらに摩擦速度を200m/minとし、荷重を漸
増し、焼付の発生した荷重を求め焼付限界荷重と
した結果を合わせて第2表に示した。 本発明材料は比較例に比べ自身の耐摩耗性のみ
ならず相手材の摩耗が少なく、また耐焼付性が高
いことが明らかである。
有することが明らかである。 第1図及び第2図に第1表の本発明材料Aの金
属組織(倍率はそれぞれ100倍及び500倍)を示
す。第2図のaは特殊合金粉末粒子、bは粒界に
析出した微細炭化物、cはオーステナイトステン
レス鋼のマトリツクス及びdは空孔を示す。 実施例 2 第2表に示した各種粉末を所定量秤量し、V型
ミキサーで30分間混合し、そして実施例1と同一
の成形条件及び焼結条件でピン(摩耗試験片)を
作製した。 摩耗試験は第3図に示したローターピン式摩耗
試験機を用いて行なつた。相手材としてのロータ
ーBの材質はJIS SUM43を焼入焼もどしにより
HRC35とした。φ40mmのローターB、及びφ10
mm、長さ15mmのピンAは共に研摩加工により約1
〜2μmRZの仕上あらさとしたものであつた。 SAE#30のエンジンオイルを滴下し潤滑しな
がら矢印方向に荷重を加え、摩耗試験を行ない、
ピンの摩耗量は摩耗痕の長径で測定し、相手材と
してのローター摩耗量はあらさ計でその凹み量を
荷重2Kg、摩擦速度150m/min、摩擦距離5000
mの条件で測定した。 さらに摩擦速度を200m/minとし、荷重を漸
増し、焼付の発生した荷重を求め焼付限界荷重と
した結果を合わせて第2表に示した。 本発明材料は比較例に比べ自身の耐摩耗性のみ
ならず相手材の摩耗が少なく、また耐焼付性が高
いことが明らかである。
【表】
第1図及び第2図は実施例1の第1表に示した
本発明材料Aの金属顕微鏡写真であり、第3図は
ローターピン式摩耗試験器の概略を示す図であ
る。 A……ピン、B……ローター、a……特殊合金
粉末粒子、b……微細クロム炭化物、c……オー
ステナイトマトリツクス、d……空孔。
本発明材料Aの金属顕微鏡写真であり、第3図は
ローターピン式摩耗試験器の概略を示す図であ
る。 A……ピン、B……ローター、a……特殊合金
粉末粒子、b……微細クロム炭化物、c……オー
ステナイトマトリツクス、d……空孔。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 コバルトを固溶したオーステナイトステンレ
ス鋼よりなるマトリツクス中に特殊合金粉末粒子
が分散され、該マトリツクスの結晶粒界に微細な
クロム炭化物が析出している組織を有するととも
に、前記特殊合金粉末粒子が、重量比で、 Mo:25〜40% Cr: 5〜20% Si: 1〜20% Co:50〜70% から実質的になり、かつ1〜20重量%含有されて
おり、また前記オーステナイトステンレス鋼より
なるマトリツクスと前記特殊合金粉末粒子との全
体の組成が、重量比で、 C: 0.5〜 1.5% Cr:15 〜25 % Ni: 6 〜20 % Mo: 0.3〜10 % Co: 2.5〜25 % Si: 0.1〜 4 % であり、残部が実質的にFe及び不可避的不純物
からなるようにオーステナイトステンレス鋼の粉
末と、コバルト粉末と、黒鉛粉末と、前記特殊合
金粉末とを所定量混合し、圧粉成形成し、還元性
雰囲気中において焼結することを特徴とする耐熱
耐摩耗性焼結合金の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18367882A JPS5974265A (ja) | 1982-10-21 | 1982-10-21 | 耐熱耐摩耗性焼結合金の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP18367882A JPS5974265A (ja) | 1982-10-21 | 1982-10-21 | 耐熱耐摩耗性焼結合金の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS5974265A JPS5974265A (ja) | 1984-04-26 |
| JPS643934B2 true JPS643934B2 (ja) | 1989-01-24 |
Family
ID=16140007
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP18367882A Granted JPS5974265A (ja) | 1982-10-21 | 1982-10-21 | 耐熱耐摩耗性焼結合金の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPS5974265A (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0772331B2 (ja) * | 1987-10-19 | 1995-08-02 | トヨタ自動車株式会社 | 高温耐摩耗性に優れた焼結合金 |
| JP2634103B2 (ja) * | 1991-07-12 | 1997-07-23 | 大同メタル工業 株式会社 | 高温用軸受合金およびその製造方法 |
| JP4376687B2 (ja) * | 2004-04-21 | 2009-12-02 | イーグル工業株式会社 | 摺動部品 |
| CN108677079B (zh) * | 2018-04-18 | 2020-02-25 | 燕山大学 | 一种基于第二类组织强化的奥氏体合金及其制备方法 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS56139604A (en) * | 1980-03-31 | 1981-10-31 | Toshiba Corp | Iron sintered parts |
-
1982
- 1982-10-21 JP JP18367882A patent/JPS5974265A/ja active Granted
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS5974265A (ja) | 1984-04-26 |
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