JPH0210311B2 - - Google Patents
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- JPH0210311B2 JPH0210311B2 JP57035744A JP3574482A JPH0210311B2 JP H0210311 B2 JPH0210311 B2 JP H0210311B2 JP 57035744 A JP57035744 A JP 57035744A JP 3574482 A JP3574482 A JP 3574482A JP H0210311 B2 JPH0210311 B2 JP H0210311B2
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01L—CYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
- F01L3/00—Lift-valve, i.e. cut-off apparatus with closure members having at least a component of their opening and closing motion perpendicular to the closing faces; Parts or accessories thereof
- F01L3/02—Selecting particular materials for valve-members or valve-seats; Valve-members or valve-seats composed of two or more materials
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B22—CASTING; POWDER METALLURGY
- B22F—WORKING METALLIC POWDER; MANUFACTURE OF ARTICLES FROM METALLIC POWDER; MAKING METALLIC POWDER; APPARATUS OR DEVICES SPECIALLY ADAPTED FOR METALLIC POWDER
- B22F7/00—Manufacture of composite layers, workpieces, or articles, comprising metallic powder, by sintering the powder, with or without compacting wherein at least one part is obtained by sintering or compression
- B22F7/06—Manufacture of composite layers, workpieces, or articles, comprising metallic powder, by sintering the powder, with or without compacting wherein at least one part is obtained by sintering or compression of composite workpieces or articles from parts, e.g. to form tipped tools
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- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C22—METALLURGY; FERROUS OR NON-FERROUS ALLOYS; TREATMENT OF ALLOYS OR NON-FERROUS METALS
- C22C—ALLOYS
- C22C33/00—Making ferrous alloys
- C22C33/02—Making ferrous alloys by powder metallurgy
- C22C33/0242—Making ferrous alloys by powder metallurgy using the impregnating technique
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F01—MACHINES OR ENGINES IN GENERAL; ENGINE PLANTS IN GENERAL; STEAM ENGINES
- F01L—CYCLICALLY OPERATING VALVES FOR MACHINES OR ENGINES
- F01L3/00—Lift-valve, i.e. cut-off apparatus with closure members having at least a component of their opening and closing motion perpendicular to the closing faces; Parts or accessories thereof
- F01L3/22—Valve-seats not provided for in preceding subgroups of this group; Fixing of valve-seats
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02B—INTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
- F02B1/00—Engines characterised by fuel-air mixture compression
- F02B1/02—Engines characterised by fuel-air mixture compression with positive ignition
- F02B1/04—Engines characterised by fuel-air mixture compression with positive ignition with fuel-air mixture admission into cylinder
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- Y10T—TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER US CLASSIFICATION
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- Powder Metallurgy (AREA)
- Lift Valve (AREA)
Description
本発明は内燃機関のバルブシートリングに関す
るものであり、更に詳しく述べるならば二層構造
の鉄系焼結バルブシートリングの強度及び剛性の
改良を目的としたものである。 近年における自動車等の内燃機関の発展はめざ
ましく、ますます高速回転、高出力化を指向する
と共に燃費低減の要請から燃焼効率の改善、その
構成部品の軽量化等が進められており、結果とし
て内燃機関の構成部品、殊に排気系統の部品には
ますます過酷な品質特性が要求されている。ここ
で、上述の高出力を得るという目的からは特にシ
リンダヘツドの関係では吸排気効率を高めるため
吸排気バルブ径の増大が図られている。この対策
として、バルブ径及びバルブシートリングの孔径
を大きくすることが一つの方法として考えられる
が、この場合従来のバルブシートリングの肉厚で
はシリンダヘツドにおける吸気穴と排気穴との間
隙を狭めることになり、現状のシリンダヘツドの
バルブシート穴径の増大は強度特性等からもはや
限界に達しており、これ以上間隙を狭めたのでは
エンジン運転中に高い熱負荷が上記シリンダヘツ
ド間隙部にかかるため、亀裂が入る恐れがある。
また上記間隙部を現状に保つためにシリンダヘツ
ドを大型化したのでは軽量化の意図に反すること
になる。 そこで吸排気バルブ径増大の対策として、バル
ブシートリング外径は従来通り、シリンダヘツド
強度特性面から許容される値としてバルブシート
リング内径の増大を図ること、すなわち、バルブ
シートリングの薄肉化が必要となつてきた。 本発明は上記のようなバルブシートリングの薄
肉化による剛性及び強度の不足を材料面から改善
する目的で開発されたものであり、バルブシート
リングに要求される基本的特性である良好な耐熱
耐摩耗性を保持しつつ剛性、強度の改善をなし得
たものである。 現在、バルブシートリングは比較的単純な形状
であること、材料選択の容易さ、更には省資源に
適した手法であることなどから鉄系焼結材が多量
に使用されている。また最近では主に省資源の要
請から第1図に示すような構造、すなわちバルブ
に摺接する面を有する燃焼室側の層1a(以下こ
れを摺接層という)を高合金鉄系焼結材で形成し
一方、摺接層をバツクアツプし、併せて高価な合
金元素の使用量を低減することを目的とした基層
1bを低合金鉄系焼結材で形成した、いわゆる二
層焼結合金製バルブシートリングが提案されてい
る。ところが、従来の二層焼結合金製バルブシー
トリングは前述のようなバルブシートリングの薄
肉化に対しては剛性及び強度の不足という欠点が
あつた。この理由は本発明者の調査研究結果で
は、一つには、従来の鉄系焼結合金バルブシート
リングにおいては通常焼結されたものには空孔が
内在しており、この空孔は例えばヤング率のよう
な剛性に関係する特性を低下させている点にあ
る。更に、従来の二層焼結合金バルブシートリン
グにおいては摺接層材単体の強度、剛性に比較し
て基層材単体の強度、剛性が低い。従つて、基層
材単体の強度、剛性を高めること及び空孔対策が
二層焼結合金バルブシートリングの強度、剛性向
上に特に必要であるとの事情に鑑み、本発明者等
は鉄系二層焼結合金製バルブシートリングに関し
てその要求特性を損わない封孔処理法及び基層材
の強度、剛性を摺接層材と同等もしくは摺接層材
以上に高める方法を研究し、高強度、高剛性のバ
ルブシートリングを開発した。 本発明は、バルブに摺接する面を有する摺接面
とそれを支持している基層とから成る二層構造の
鉄系焼結バルブシートリングにおいて、 該摺接層は、そのスケルトンに硬さHv500以上
の硬質合金粒子を重量比で5−30%分散含有し、
溶浸後の該硬質合金粒子の周辺のマトリツクス
が、該硬質合金粒子からの合金元素の拡散した鉄
合金マルテンサイトから成り、 該基層は、そのスケルトンが重量比でカーボン
0.5−1.5%と、クロム0.6−3.0%と、リン0.1−0.6
%及びボロン0.02−0.2%の少なくとも1種と、
残部及び不可避不純物とからなり、および 該二層構造の焼結体は、そのスケルトンの密度
が6.7−7.1g/cm3、空孔率が15%以下であつて、
銅または銅合金の溶浸後の焼結体の密度が7.6
g/cm3以上、空孔率を5%以下である、 ことを特徴とする高強度、高剛性の二層焼結合金
製バルブシートリングである。 以下、本発明のバルブシートリングを(1)硬質合
金粒子及び粉末、(2)基層の組成、(3)圧粉成形方
法、(4)スケルトン密度、(5)銅溶浸及び(6)顕微組成
の順序で説明する。 (1) 硬質合金粒子及び粉末 本発明のバルブシートリングにおいて摺接層
は高温下でバルブと摺接する部材であるから、
高剛性であると共に耐熱、耐摩耗性にすぐれて
いることが要求される。本発明の摺接層は硬質
合金粒子が分散した鉄系焼結材から成り、その
硬質合金粒子はそれ自身が硬質であつて耐摩耗
性を発揮すると同時に硬質合金粒子中の合金元
素がその周りに拡散して超合金マルテンサイト
マトリツクスの耐熱性を高めると共に、硬質合
金粒子と該マトリツクスとの接合を強固にして
摺接層の強度を高める効果を有する。硬質合金
粒子がすぐれた耐摩耗性を発揮するためには相
手バルブ材と同等もしくはそれ以上の硬さが必
要であり、硬さHv500以上が要件となる。ま
た、硬質合金粒子の配合割合が重量比で5%未
満では耐熱耐摩耗性に対する効果に乏しく、30
%を超えると成形圧粉体に亀裂が入ること、金
型寿命の低下、焼結時の寸法変化が過大になる
こと等の欠点があり、硬質合金粒子の配合割合
は重量比で5〜30%とする。より好ましい範囲
は10〜25%である。 本発明に用いられる硬質合金粉末は例えば
Fe−C−Cr−Mo−Co−Ni系の高合金材を鋳
造し、粉砕し、粒度調整するもので容易に得る
ことが可能である。なお、上記高合金材のC、
Cr、Moは主として耐摩耗性、Co、Niは主と
して耐熱性に貢献する。合金元素量はC=1〜
3%、Cr+Mo=20〜70%、Co+Ni=10〜50
%の範囲において、これらの元素を取捨選択で
きる。該硬質合金粉末を鉄粉及び黒鉛粉を所定
の割合で混合することにより、摺接層用の混合
粉末が得られる。黒鉛粉は摺接層マトリツクス
の強化のために添加され、その添加量の範囲は
鉄粉に対して0.8〜1.2%が好ましい。 (2) 基層の組成 基層の役割は摺接層をバツクアツプするもの
であり、併せて高価な合金元素の使用を低減す
ることにある。更に本発明の目的である二層材
の強度剛性を高めるためには前述の如く、基層
材の強度、剛性を摺接層材と同等もしくは摺接
層材に高めなければならない。本発明の一つの
要点はここにあり、基層材は重量比でカーボン
0.5〜1.5%、クロム0.6〜3.0%を含有し、更に
リン0.1〜0.6%及びボロン0.02〜0.2%の少なく
とも1種を含み、残部が鉄および不可避的不純
物からなる。 カーボンはマトリツクスをパーライト化して
強度を高めるために添加されるものであり、
0.5%未満ではマトリツクスがフエライト化し
て強度が低下するために好ましくなく、又、
1.5%を超えると、セメンタイトが析出して材
料が脆弱になるためその範囲を0.5〜1.5%とす
る。好ましくはカーボン量は0.8〜1.2%であ
る。クロムは、分散相形態、好ましくはフエロ
アロイの形で基層材中に添加されており、いわ
ゆる分散強化作用によつて、基層の強度を高め
る。基層中のクロムの含有量が0.6%未満では
この効果に乏しく、3.0%を超えても添加量の
割合には効果の増大が少なく、経済的にも不利
である。 クロム以外にもモリブデン(Mo)、タング
ステン(W)、バナジウム(V)などをフエロ
アロイの形で添加してもクロムの場合と同等の
分散強化作用効果が得られる。 一般に焼結鉄中のリン又はボロンは各々Fe
−P−C、Fe−B−Cの共晶を生成して耐摩
耗性の改良に用いられることが多い。しかし本
発明におけるリン又はボロンは上記と異なり少
量の添加で、焼結中に微少な液相を多くの箇所
で発生させて、焼結材中の空孔を局部的に消失
させ、その球状化をもたらし、かつ液相の凝固
によつて焼結時の基層材の寸法変化を収縮方向
に導く性質が積極的に利用されている。これは
後に述べるCu溶浸時に起こる膨脹を抑える効
果があり、Cu溶浸時の膨脹による密度低下分
を補つて最終的には高密度高剛性の基層材が得
られる。リン、ボロンはマトリツクスに固溶し
てマトリツクスの強化に役立つ。 また寸法精度の点からも上記のようなリン又
はボロンによる寸法収縮作用は銅溶浸時の膨脹
と相殺されて寸法変化が少なくかつ寸法変化の
バラツキも少ないものとなる。 リンが0.1%未満又ボロンが0.02%未満では
上記高密度・高剛性化等の効果及び強度増大効
果に乏しく一方、リンが0.6%を超過するか、
ボロンが0.2%を超過した場合には焼結中に液
相量が過大となつてFe−P−CまたはFe−B
−Cの共晶が晶出し、材料も脆弱化するので好
ましくない。リン又びボロン併用の場合はP+
B=0.12〜0.6%の範囲とすることが好ましい。
リン、ボロンの他にケイ素を用いても上記のよ
うな寸法収縮作用が得られる。 なお、リン及びボロンの含有量の好ましい範
囲はリン0.2〜0.4%、ボロン0.05〜0.1%であ
る。 基層用の混合粉末は鉄粉をベースに、クロ
ム、リン、ボロンはフエロアロイ粉として、黒
鉛粉と共に所定の割合で配合し混合することに
よつて得られる。リンもしくはボロンは共晶生
成をもたらすような偏析をできるだけ少なくし
て、均一が分布を果たす目的から10μ以下の微
粉の使用が望ましい。 (3) 圧粉成形方法 摺接層用混合粉末と基層用混合粉末とは所望
形状寸法の金型中で二層に積層され、この積層
された両混合粉末は同時加圧成形されそして焼
結されて一体の焼結体に形成される。このとき
摺接層用混合粉末と基層用混合粉末との重量比
及び摺接層と基層との体積比には格別の限定は
なくバルブシートリングの用途に応じて任意に
定めることができる。 (4) スケルトン密度 上記加圧成形工程において本発明の目的との
関連上注意すべき点は焼結後の二層構造焼結体
全体のスケルトン密度が6.7〜7.1g/cm3であつ
て、かつ、焼結体の空孔率を15%以下の範囲に
収まるように加圧力を調整することである。ス
ケルトン密度は圧粉体密度によつてほぼ決まる
ので、上記のスケルトン密度範囲を得るには圧
粉体密度が6.75〜7.15g/cm3となるように加圧
力を設定すればよい。 圧粉体密度は同一成形圧でも使用粉末の性状
によつて異なり、本発明では後に(5)項で後べる
理由から比較的高いスケルトン密度(6.7〜7.1
g/cm3)を必要とするため使用粉末の内、特に
鉄粉に関しては還元粉等に比べて圧縮性のよい
アトマイズ粉を基層及び摺接層の主原料として
使用することが好ましい。また圧粉成形時にお
いて、摺接層部分の圧粉体密度と基層部分の圧
粉体密度との間に著しい差が生じては好ましく
ないため摺接層の鉄粉と基層用の鉄粉とはほぼ
同一の圧縮性を有するように両者とも同一粒度
とすることが必要である。 (5) 銅溶浸 次に焼結工程であるが焼結温度は1080〜1150
℃の範囲で行なわれることが好ましく、分解ア
ンモニアガス等の還元性雰囲気中で30〜60分
間、所定温度で焼結される。 上述のようにして得られた前記記二層焼結合
金バルブシートリングに対し独立空孔以外の空
孔を実質的に全部封孔するために銅または銅合
金をバルブシートリングに積載して溶浸する。
銅または銅合金による溶浸は単なる封孔効果に
よる剛性向上のみならず、摺接層と基層との境
界でも封孔及び拡散を実現して、接合をより強
固にする効果を果たすと考えられる。また銅溶
浸材はそのすぐれた熱伝導性から、エンジン運
転中におけるバルブ及びバルブシートリングの
熱負荷の低減に絶大な効果を発揮してバルブの
耐久性を高め、かつバルブシートリングのクリ
ープ変形を抑制する。 銅または銅合金の溶浸により本発明のバルブ
シートリングの剛性は一段と高いものになるが
この場合、前述のようにスケルトン密度を比較
的高い範囲に設定することが要件となる。スケ
ルトン密度が6.7g/cm3未満又は空孔率が15%
を超えては封孔に要する溶浸銅量が増大してバ
ルブシートリング中の銅または銅合金の含有率
が過大となり却つて剛性の低下を招くために好
ましくない。一方スケルトン密度が7.1gを超
えると溶浸銅量が過少となつて銅溶浸の効果が
期待できなくなる。 溶浸処理に用いられる銅合金としては例えば
Cu−Fe−Mn系合金、Cu−Fe−Mn−Zn系合
金又はCu−Co−Zn系合金などがある。溶浸処
理は1080〜1150℃の範囲で行なわれるのが好ま
しく、溶浸される銅合金の量はスケルトンの空
孔率に応じて、又、溶浸損失分も考慮して、バ
ルブシートリング総重量に対し、13〜18%の範
囲が好ましい。 上記の如く溶浸されたバルブシートリングに
おいて、所期の目的である高強度、高剛性を得
るためには溶浸後の密度で7.6g/cm3以上、か
つ溶浸後の焼結体の空孔率で5%以下であるこ
とが必要である。 尚、焼結操作と溶浸操作とは一工程で同時に
行なわれてもよい。更に、摺接層の硬さ調整を
目的として焼もどし熱処理が行われる。 (6) 顕微鏡組成 以上の如くして得られた焼結及び銅溶浸後の
バルブシートリングの基層の組織は第2図に示
す如くであり、リンもしくはボロンが固溶した
パーライトマトリツクス(A)に硬質のフエロクロ
ム粒子(B)が均一に分散し、かつ、溶浸前の連続
した空孔が溶浸銅(C)で封孔されたものである。 フエロクロム粒子の分散強化作用と共に、リ
ンもしくはリンが固溶したパーライトマトリツ
クス(A)はFe−Cのみによるパーライトマトリ
ツクスに比べて、高い強度を付与する。 一方、摺接層の組織は第3図に示す如く、超
合金マルテンサイト(D)から成るマトリツクスに
前記硬質合金粒子(E)が均一に分散し、かつ、溶
浸前の連続した空孔が溶浸銅(C)で封孔されたも
のである。マルテンサイトマトリツクス(A)は硬
質合金粒子からのニツケル、クロム、モリブデ
ンの拡散固溶及び溶浸された拡散固溶によるも
のであり、溶浸後の冷却で得られる。非溶浸材
ではマルテンサイト組織が得られず、銅溶浸に
よつて初めて得られることから、銅溶浸が上記
合金元素の拡散を促進するものと考えられる。 上記マルテンサイトマトリツクス(D)を有する
摺接層はニツケル、クロム、モリブデンの固溶
により耐熱性、耐摩耗性が高く、かつ、高強度
なものとなる。 尚、摺接層の硬さ調整を目的として焼戻し熱
処理を施した場合には焼戻しマルテンサイトの
マトリツクスが得られる。 以下、本発明を実施例によつて更に詳しく説明
する。 実施例中バルブシートリングの円環剛性は第4
図の如くバルブシートリングの径方向に荷重を負
荷して一定荷重(100Kg)の下での撓み量より求
めた。撓み量の少ない方が剛性は高い。尚第1図
の如く供試バルブシートリング1は摺接層1aと
基層1bとからなりその外径は31mm、最小内径25
mm、高さは7mmであつた。 ヤング率は基層と摺接層を積層した引張試験片
を作製し、積層方向に対して垂直の方向に引張り
応力を付与して弾性範囲での応力と歪みの関係か
ら求めた。同時に材料強度を代表して、引張り強
さを求めた。 また耐摩耗テストは下記のようにして行なわれ
た。供試バルブシートリングをアルミニウム合金
製シリンダヘツドを有する水冷OHC4気筒(1600
c.c.)無鉛 仕様ガソリンエンジンの排気バルブシートリン
グとして組付け、これに5000rpm全負荷の条件で
400時間の耐久テストを行ない、排気バルブシー
トリングの摩耗量(タペツトクリアランスの変化
量)を4気筒分の平均値で示した。 実施例1〜7及び比較例1〜6 実施例1〜7及び比較例1〜6の各々において
第1表に示された組成を有する摺接層用混合粉末
及び基層用混合粉末を使用した。 摺接層用混合粉末中に含まれる硬質合金粉末の
組成は重量比でC2%、Cr20%、Ni8%、Mo20
%、Co34%、残部Feである。硬質合金粉末の粒
度は−150メツシユ、硬さはHv700〜800である。
また摺接層用の鉄粉は−100メツシユサイズのア
トマイズ粉を使用した。Cは−325メツシユの黒
鉛粉を用い、上記硬質合金粉末、アトマイズ鉄粉
及び黒鉛粉を第1表に示す割合で混合した。潤滑
剤として、ステアリン酸亜鉛0.8%を添加した。 基層用混合粉末は−100メツシユのアトマイズ
鉄粉、−100メツシユのFeCr粉、10μ以下のFeP粉
(P25%)、10μ以下のFeB粉(B20%)、−325メツ
シユの黒鉛粉を用い、第1表に示す成分が得られ
るように混合した。又潤滑剤として、ステアリン
酸亜鉛0.8%を添加した。 摺接層用混合粉末と基層用混合粉末の使用量は
製品中の摺接層と基層との厚さの比が1:1にな
るようにした。上記両混合粉末を金型内で積層
し、両混合粉末を同時に加圧成形した。次に成形
圧粉体を1130℃で40分間、分解アンモニアガス中
で加熱焼結して、一体の焼結体を得た。スケルト
ン密度は第1表に示す通りであつた。 この焼結工程と同時に重量比でFe3.8%、
Mn2.2%、Zn2.2%、残部CuのCu合金の溶浸処理
を行なつた。溶浸量は各々のスケルトンの空孔率
に応じて連続した空孔を満たすのに必要な量であ
り、第一表に示されている通りである。 前記焼結、溶浸された供試バルブシートリング
に700℃で1時間の焼もどし処理を施し、空冷し
た。 前記バルブシートリングに所要の機械仕上を施
し各テストに供した。第1表から明らかなよう
に、溶浸処理を施さない場合(比較例1)、基層
にP、Bが共に含まれない場合(比較例2)、基
層にCrが含まれない場合(比較例3、4)及び
スケルトン密度が低い場合(比較例5)、スケル
トン密度が低くかつ非溶浸の場合(比較例6)、
いずれも得られるバルブシートリングの剛性は不
十分なものであつた。 上記に対して実施例1〜7のバルブシートリン
グはすべて満足すべきものであつた。 更に実施例1、4、5、7及び比較例1、2、
5、6のバルブシートリングについて耐摩耗テス
トを行なつた結果を第2表に示す。 第2表から明らかなように本発明に係る実施例
1、4、5、7のバルブシートリングはいずれも
従来のバルブシートリングと同等の耐摩耗性を示
しており、性能上十分なものである。 以上詳述したように本発明バルブシートリング
は強度、剛性、耐摩耗性、耐熱性の総合特性にす
ぐれており、特にバルブシートリングの薄肉化に
対してすぐれた性能を有するものである。
るものであり、更に詳しく述べるならば二層構造
の鉄系焼結バルブシートリングの強度及び剛性の
改良を目的としたものである。 近年における自動車等の内燃機関の発展はめざ
ましく、ますます高速回転、高出力化を指向する
と共に燃費低減の要請から燃焼効率の改善、その
構成部品の軽量化等が進められており、結果とし
て内燃機関の構成部品、殊に排気系統の部品には
ますます過酷な品質特性が要求されている。ここ
で、上述の高出力を得るという目的からは特にシ
リンダヘツドの関係では吸排気効率を高めるため
吸排気バルブ径の増大が図られている。この対策
として、バルブ径及びバルブシートリングの孔径
を大きくすることが一つの方法として考えられる
が、この場合従来のバルブシートリングの肉厚で
はシリンダヘツドにおける吸気穴と排気穴との間
隙を狭めることになり、現状のシリンダヘツドの
バルブシート穴径の増大は強度特性等からもはや
限界に達しており、これ以上間隙を狭めたのでは
エンジン運転中に高い熱負荷が上記シリンダヘツ
ド間隙部にかかるため、亀裂が入る恐れがある。
また上記間隙部を現状に保つためにシリンダヘツ
ドを大型化したのでは軽量化の意図に反すること
になる。 そこで吸排気バルブ径増大の対策として、バル
ブシートリング外径は従来通り、シリンダヘツド
強度特性面から許容される値としてバルブシート
リング内径の増大を図ること、すなわち、バルブ
シートリングの薄肉化が必要となつてきた。 本発明は上記のようなバルブシートリングの薄
肉化による剛性及び強度の不足を材料面から改善
する目的で開発されたものであり、バルブシート
リングに要求される基本的特性である良好な耐熱
耐摩耗性を保持しつつ剛性、強度の改善をなし得
たものである。 現在、バルブシートリングは比較的単純な形状
であること、材料選択の容易さ、更には省資源に
適した手法であることなどから鉄系焼結材が多量
に使用されている。また最近では主に省資源の要
請から第1図に示すような構造、すなわちバルブ
に摺接する面を有する燃焼室側の層1a(以下こ
れを摺接層という)を高合金鉄系焼結材で形成し
一方、摺接層をバツクアツプし、併せて高価な合
金元素の使用量を低減することを目的とした基層
1bを低合金鉄系焼結材で形成した、いわゆる二
層焼結合金製バルブシートリングが提案されてい
る。ところが、従来の二層焼結合金製バルブシー
トリングは前述のようなバルブシートリングの薄
肉化に対しては剛性及び強度の不足という欠点が
あつた。この理由は本発明者の調査研究結果で
は、一つには、従来の鉄系焼結合金バルブシート
リングにおいては通常焼結されたものには空孔が
内在しており、この空孔は例えばヤング率のよう
な剛性に関係する特性を低下させている点にあ
る。更に、従来の二層焼結合金バルブシートリン
グにおいては摺接層材単体の強度、剛性に比較し
て基層材単体の強度、剛性が低い。従つて、基層
材単体の強度、剛性を高めること及び空孔対策が
二層焼結合金バルブシートリングの強度、剛性向
上に特に必要であるとの事情に鑑み、本発明者等
は鉄系二層焼結合金製バルブシートリングに関し
てその要求特性を損わない封孔処理法及び基層材
の強度、剛性を摺接層材と同等もしくは摺接層材
以上に高める方法を研究し、高強度、高剛性のバ
ルブシートリングを開発した。 本発明は、バルブに摺接する面を有する摺接面
とそれを支持している基層とから成る二層構造の
鉄系焼結バルブシートリングにおいて、 該摺接層は、そのスケルトンに硬さHv500以上
の硬質合金粒子を重量比で5−30%分散含有し、
溶浸後の該硬質合金粒子の周辺のマトリツクス
が、該硬質合金粒子からの合金元素の拡散した鉄
合金マルテンサイトから成り、 該基層は、そのスケルトンが重量比でカーボン
0.5−1.5%と、クロム0.6−3.0%と、リン0.1−0.6
%及びボロン0.02−0.2%の少なくとも1種と、
残部及び不可避不純物とからなり、および 該二層構造の焼結体は、そのスケルトンの密度
が6.7−7.1g/cm3、空孔率が15%以下であつて、
銅または銅合金の溶浸後の焼結体の密度が7.6
g/cm3以上、空孔率を5%以下である、 ことを特徴とする高強度、高剛性の二層焼結合金
製バルブシートリングである。 以下、本発明のバルブシートリングを(1)硬質合
金粒子及び粉末、(2)基層の組成、(3)圧粉成形方
法、(4)スケルトン密度、(5)銅溶浸及び(6)顕微組成
の順序で説明する。 (1) 硬質合金粒子及び粉末 本発明のバルブシートリングにおいて摺接層
は高温下でバルブと摺接する部材であるから、
高剛性であると共に耐熱、耐摩耗性にすぐれて
いることが要求される。本発明の摺接層は硬質
合金粒子が分散した鉄系焼結材から成り、その
硬質合金粒子はそれ自身が硬質であつて耐摩耗
性を発揮すると同時に硬質合金粒子中の合金元
素がその周りに拡散して超合金マルテンサイト
マトリツクスの耐熱性を高めると共に、硬質合
金粒子と該マトリツクスとの接合を強固にして
摺接層の強度を高める効果を有する。硬質合金
粒子がすぐれた耐摩耗性を発揮するためには相
手バルブ材と同等もしくはそれ以上の硬さが必
要であり、硬さHv500以上が要件となる。ま
た、硬質合金粒子の配合割合が重量比で5%未
満では耐熱耐摩耗性に対する効果に乏しく、30
%を超えると成形圧粉体に亀裂が入ること、金
型寿命の低下、焼結時の寸法変化が過大になる
こと等の欠点があり、硬質合金粒子の配合割合
は重量比で5〜30%とする。より好ましい範囲
は10〜25%である。 本発明に用いられる硬質合金粉末は例えば
Fe−C−Cr−Mo−Co−Ni系の高合金材を鋳
造し、粉砕し、粒度調整するもので容易に得る
ことが可能である。なお、上記高合金材のC、
Cr、Moは主として耐摩耗性、Co、Niは主と
して耐熱性に貢献する。合金元素量はC=1〜
3%、Cr+Mo=20〜70%、Co+Ni=10〜50
%の範囲において、これらの元素を取捨選択で
きる。該硬質合金粉末を鉄粉及び黒鉛粉を所定
の割合で混合することにより、摺接層用の混合
粉末が得られる。黒鉛粉は摺接層マトリツクス
の強化のために添加され、その添加量の範囲は
鉄粉に対して0.8〜1.2%が好ましい。 (2) 基層の組成 基層の役割は摺接層をバツクアツプするもの
であり、併せて高価な合金元素の使用を低減す
ることにある。更に本発明の目的である二層材
の強度剛性を高めるためには前述の如く、基層
材の強度、剛性を摺接層材と同等もしくは摺接
層材に高めなければならない。本発明の一つの
要点はここにあり、基層材は重量比でカーボン
0.5〜1.5%、クロム0.6〜3.0%を含有し、更に
リン0.1〜0.6%及びボロン0.02〜0.2%の少なく
とも1種を含み、残部が鉄および不可避的不純
物からなる。 カーボンはマトリツクスをパーライト化して
強度を高めるために添加されるものであり、
0.5%未満ではマトリツクスがフエライト化し
て強度が低下するために好ましくなく、又、
1.5%を超えると、セメンタイトが析出して材
料が脆弱になるためその範囲を0.5〜1.5%とす
る。好ましくはカーボン量は0.8〜1.2%であ
る。クロムは、分散相形態、好ましくはフエロ
アロイの形で基層材中に添加されており、いわ
ゆる分散強化作用によつて、基層の強度を高め
る。基層中のクロムの含有量が0.6%未満では
この効果に乏しく、3.0%を超えても添加量の
割合には効果の増大が少なく、経済的にも不利
である。 クロム以外にもモリブデン(Mo)、タング
ステン(W)、バナジウム(V)などをフエロ
アロイの形で添加してもクロムの場合と同等の
分散強化作用効果が得られる。 一般に焼結鉄中のリン又はボロンは各々Fe
−P−C、Fe−B−Cの共晶を生成して耐摩
耗性の改良に用いられることが多い。しかし本
発明におけるリン又はボロンは上記と異なり少
量の添加で、焼結中に微少な液相を多くの箇所
で発生させて、焼結材中の空孔を局部的に消失
させ、その球状化をもたらし、かつ液相の凝固
によつて焼結時の基層材の寸法変化を収縮方向
に導く性質が積極的に利用されている。これは
後に述べるCu溶浸時に起こる膨脹を抑える効
果があり、Cu溶浸時の膨脹による密度低下分
を補つて最終的には高密度高剛性の基層材が得
られる。リン、ボロンはマトリツクスに固溶し
てマトリツクスの強化に役立つ。 また寸法精度の点からも上記のようなリン又
はボロンによる寸法収縮作用は銅溶浸時の膨脹
と相殺されて寸法変化が少なくかつ寸法変化の
バラツキも少ないものとなる。 リンが0.1%未満又ボロンが0.02%未満では
上記高密度・高剛性化等の効果及び強度増大効
果に乏しく一方、リンが0.6%を超過するか、
ボロンが0.2%を超過した場合には焼結中に液
相量が過大となつてFe−P−CまたはFe−B
−Cの共晶が晶出し、材料も脆弱化するので好
ましくない。リン又びボロン併用の場合はP+
B=0.12〜0.6%の範囲とすることが好ましい。
リン、ボロンの他にケイ素を用いても上記のよ
うな寸法収縮作用が得られる。 なお、リン及びボロンの含有量の好ましい範
囲はリン0.2〜0.4%、ボロン0.05〜0.1%であ
る。 基層用の混合粉末は鉄粉をベースに、クロ
ム、リン、ボロンはフエロアロイ粉として、黒
鉛粉と共に所定の割合で配合し混合することに
よつて得られる。リンもしくはボロンは共晶生
成をもたらすような偏析をできるだけ少なくし
て、均一が分布を果たす目的から10μ以下の微
粉の使用が望ましい。 (3) 圧粉成形方法 摺接層用混合粉末と基層用混合粉末とは所望
形状寸法の金型中で二層に積層され、この積層
された両混合粉末は同時加圧成形されそして焼
結されて一体の焼結体に形成される。このとき
摺接層用混合粉末と基層用混合粉末との重量比
及び摺接層と基層との体積比には格別の限定は
なくバルブシートリングの用途に応じて任意に
定めることができる。 (4) スケルトン密度 上記加圧成形工程において本発明の目的との
関連上注意すべき点は焼結後の二層構造焼結体
全体のスケルトン密度が6.7〜7.1g/cm3であつ
て、かつ、焼結体の空孔率を15%以下の範囲に
収まるように加圧力を調整することである。ス
ケルトン密度は圧粉体密度によつてほぼ決まる
ので、上記のスケルトン密度範囲を得るには圧
粉体密度が6.75〜7.15g/cm3となるように加圧
力を設定すればよい。 圧粉体密度は同一成形圧でも使用粉末の性状
によつて異なり、本発明では後に(5)項で後べる
理由から比較的高いスケルトン密度(6.7〜7.1
g/cm3)を必要とするため使用粉末の内、特に
鉄粉に関しては還元粉等に比べて圧縮性のよい
アトマイズ粉を基層及び摺接層の主原料として
使用することが好ましい。また圧粉成形時にお
いて、摺接層部分の圧粉体密度と基層部分の圧
粉体密度との間に著しい差が生じては好ましく
ないため摺接層の鉄粉と基層用の鉄粉とはほぼ
同一の圧縮性を有するように両者とも同一粒度
とすることが必要である。 (5) 銅溶浸 次に焼結工程であるが焼結温度は1080〜1150
℃の範囲で行なわれることが好ましく、分解ア
ンモニアガス等の還元性雰囲気中で30〜60分
間、所定温度で焼結される。 上述のようにして得られた前記記二層焼結合
金バルブシートリングに対し独立空孔以外の空
孔を実質的に全部封孔するために銅または銅合
金をバルブシートリングに積載して溶浸する。
銅または銅合金による溶浸は単なる封孔効果に
よる剛性向上のみならず、摺接層と基層との境
界でも封孔及び拡散を実現して、接合をより強
固にする効果を果たすと考えられる。また銅溶
浸材はそのすぐれた熱伝導性から、エンジン運
転中におけるバルブ及びバルブシートリングの
熱負荷の低減に絶大な効果を発揮してバルブの
耐久性を高め、かつバルブシートリングのクリ
ープ変形を抑制する。 銅または銅合金の溶浸により本発明のバルブ
シートリングの剛性は一段と高いものになるが
この場合、前述のようにスケルトン密度を比較
的高い範囲に設定することが要件となる。スケ
ルトン密度が6.7g/cm3未満又は空孔率が15%
を超えては封孔に要する溶浸銅量が増大してバ
ルブシートリング中の銅または銅合金の含有率
が過大となり却つて剛性の低下を招くために好
ましくない。一方スケルトン密度が7.1gを超
えると溶浸銅量が過少となつて銅溶浸の効果が
期待できなくなる。 溶浸処理に用いられる銅合金としては例えば
Cu−Fe−Mn系合金、Cu−Fe−Mn−Zn系合
金又はCu−Co−Zn系合金などがある。溶浸処
理は1080〜1150℃の範囲で行なわれるのが好ま
しく、溶浸される銅合金の量はスケルトンの空
孔率に応じて、又、溶浸損失分も考慮して、バ
ルブシートリング総重量に対し、13〜18%の範
囲が好ましい。 上記の如く溶浸されたバルブシートリングに
おいて、所期の目的である高強度、高剛性を得
るためには溶浸後の密度で7.6g/cm3以上、か
つ溶浸後の焼結体の空孔率で5%以下であるこ
とが必要である。 尚、焼結操作と溶浸操作とは一工程で同時に
行なわれてもよい。更に、摺接層の硬さ調整を
目的として焼もどし熱処理が行われる。 (6) 顕微鏡組成 以上の如くして得られた焼結及び銅溶浸後の
バルブシートリングの基層の組織は第2図に示
す如くであり、リンもしくはボロンが固溶した
パーライトマトリツクス(A)に硬質のフエロクロ
ム粒子(B)が均一に分散し、かつ、溶浸前の連続
した空孔が溶浸銅(C)で封孔されたものである。 フエロクロム粒子の分散強化作用と共に、リ
ンもしくはリンが固溶したパーライトマトリツ
クス(A)はFe−Cのみによるパーライトマトリ
ツクスに比べて、高い強度を付与する。 一方、摺接層の組織は第3図に示す如く、超
合金マルテンサイト(D)から成るマトリツクスに
前記硬質合金粒子(E)が均一に分散し、かつ、溶
浸前の連続した空孔が溶浸銅(C)で封孔されたも
のである。マルテンサイトマトリツクス(A)は硬
質合金粒子からのニツケル、クロム、モリブデ
ンの拡散固溶及び溶浸された拡散固溶によるも
のであり、溶浸後の冷却で得られる。非溶浸材
ではマルテンサイト組織が得られず、銅溶浸に
よつて初めて得られることから、銅溶浸が上記
合金元素の拡散を促進するものと考えられる。 上記マルテンサイトマトリツクス(D)を有する
摺接層はニツケル、クロム、モリブデンの固溶
により耐熱性、耐摩耗性が高く、かつ、高強度
なものとなる。 尚、摺接層の硬さ調整を目的として焼戻し熱
処理を施した場合には焼戻しマルテンサイトの
マトリツクスが得られる。 以下、本発明を実施例によつて更に詳しく説明
する。 実施例中バルブシートリングの円環剛性は第4
図の如くバルブシートリングの径方向に荷重を負
荷して一定荷重(100Kg)の下での撓み量より求
めた。撓み量の少ない方が剛性は高い。尚第1図
の如く供試バルブシートリング1は摺接層1aと
基層1bとからなりその外径は31mm、最小内径25
mm、高さは7mmであつた。 ヤング率は基層と摺接層を積層した引張試験片
を作製し、積層方向に対して垂直の方向に引張り
応力を付与して弾性範囲での応力と歪みの関係か
ら求めた。同時に材料強度を代表して、引張り強
さを求めた。 また耐摩耗テストは下記のようにして行なわれ
た。供試バルブシートリングをアルミニウム合金
製シリンダヘツドを有する水冷OHC4気筒(1600
c.c.)無鉛 仕様ガソリンエンジンの排気バルブシートリン
グとして組付け、これに5000rpm全負荷の条件で
400時間の耐久テストを行ない、排気バルブシー
トリングの摩耗量(タペツトクリアランスの変化
量)を4気筒分の平均値で示した。 実施例1〜7及び比較例1〜6 実施例1〜7及び比較例1〜6の各々において
第1表に示された組成を有する摺接層用混合粉末
及び基層用混合粉末を使用した。 摺接層用混合粉末中に含まれる硬質合金粉末の
組成は重量比でC2%、Cr20%、Ni8%、Mo20
%、Co34%、残部Feである。硬質合金粉末の粒
度は−150メツシユ、硬さはHv700〜800である。
また摺接層用の鉄粉は−100メツシユサイズのア
トマイズ粉を使用した。Cは−325メツシユの黒
鉛粉を用い、上記硬質合金粉末、アトマイズ鉄粉
及び黒鉛粉を第1表に示す割合で混合した。潤滑
剤として、ステアリン酸亜鉛0.8%を添加した。 基層用混合粉末は−100メツシユのアトマイズ
鉄粉、−100メツシユのFeCr粉、10μ以下のFeP粉
(P25%)、10μ以下のFeB粉(B20%)、−325メツ
シユの黒鉛粉を用い、第1表に示す成分が得られ
るように混合した。又潤滑剤として、ステアリン
酸亜鉛0.8%を添加した。 摺接層用混合粉末と基層用混合粉末の使用量は
製品中の摺接層と基層との厚さの比が1:1にな
るようにした。上記両混合粉末を金型内で積層
し、両混合粉末を同時に加圧成形した。次に成形
圧粉体を1130℃で40分間、分解アンモニアガス中
で加熱焼結して、一体の焼結体を得た。スケルト
ン密度は第1表に示す通りであつた。 この焼結工程と同時に重量比でFe3.8%、
Mn2.2%、Zn2.2%、残部CuのCu合金の溶浸処理
を行なつた。溶浸量は各々のスケルトンの空孔率
に応じて連続した空孔を満たすのに必要な量であ
り、第一表に示されている通りである。 前記焼結、溶浸された供試バルブシートリング
に700℃で1時間の焼もどし処理を施し、空冷し
た。 前記バルブシートリングに所要の機械仕上を施
し各テストに供した。第1表から明らかなよう
に、溶浸処理を施さない場合(比較例1)、基層
にP、Bが共に含まれない場合(比較例2)、基
層にCrが含まれない場合(比較例3、4)及び
スケルトン密度が低い場合(比較例5)、スケル
トン密度が低くかつ非溶浸の場合(比較例6)、
いずれも得られるバルブシートリングの剛性は不
十分なものであつた。 上記に対して実施例1〜7のバルブシートリン
グはすべて満足すべきものであつた。 更に実施例1、4、5、7及び比較例1、2、
5、6のバルブシートリングについて耐摩耗テス
トを行なつた結果を第2表に示す。 第2表から明らかなように本発明に係る実施例
1、4、5、7のバルブシートリングはいずれも
従来のバルブシートリングと同等の耐摩耗性を示
しており、性能上十分なものである。 以上詳述したように本発明バルブシートリング
は強度、剛性、耐摩耗性、耐熱性の総合特性にす
ぐれており、特にバルブシートリングの薄肉化に
対してすぐれた性能を有するものである。
【表】
【表】
【表】
第1図は二層焼結バルブシートリングの断面
図、第2図は基層材の金属組織の300倍の顕微鏡
写真、第3図は摺接層材の金属組織の300倍の顕
微鏡写真、第4図はバルブシートリングの円環剛
性テスト図、である。 1a……摺接層、1b……基層。
図、第2図は基層材の金属組織の300倍の顕微鏡
写真、第3図は摺接層材の金属組織の300倍の顕
微鏡写真、第4図はバルブシートリングの円環剛
性テスト図、である。 1a……摺接層、1b……基層。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 バルブに摺接する面を有する摺接層とそれを
支持している基層とから成る二層構造の鉄系焼結
バルブシートリングにおいて、 前記摺接層は、そのスケルトンに硬さHv500以
上の硬質合金粒子を重量比で5−30%分散含有
し、溶浸後の該硬質合金粒子の周辺のマトリツク
スが、該硬質合金粒子からの合金元素の拡散した
鉄合金マルテンサイトから成り、 前記基層は、そのスケルトンが重量比でカーボ
ン0.5−1.5%と、クロム0.6−3.0%と、リン0.1−
0.6%及びボロン0.02−0.2%の少なくとも1種と、
残部鉄及び不可避不純物とからなり、および 前記二層構造の焼結体は、そのスケルトンの密
度が6.7−7.1g/cm3、空孔率が15%以下であつ
て、銅または銅合金の溶浸後の焼結体の密度が
7.6g/cm3以上、空孔率を5%以下である、 ことを特徴とする高強度、高剛性の二層焼結合金
製バルブシートリング。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP57035744A JPS58152982A (ja) | 1982-03-09 | 1982-03-09 | 高剛性を有する二層焼結合金製バルブシ−トリング |
| GB08306314A GB2117413B (en) | 1982-03-09 | 1983-03-08 | A dual-layer sintered valve seat ring |
| US06/473,717 US4424953A (en) | 1982-03-09 | 1983-03-08 | Dual-layer sintered valve seat ring |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP57035744A JPS58152982A (ja) | 1982-03-09 | 1982-03-09 | 高剛性を有する二層焼結合金製バルブシ−トリング |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS58152982A JPS58152982A (ja) | 1983-09-10 |
| JPH0210311B2 true JPH0210311B2 (ja) | 1990-03-07 |
Family
ID=12450325
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP57035744A Granted JPS58152982A (ja) | 1982-03-09 | 1982-03-09 | 高剛性を有する二層焼結合金製バルブシ−トリング |
Country Status (3)
| Country | Link |
|---|---|
| US (1) | US4424953A (ja) |
| JP (1) | JPS58152982A (ja) |
| GB (1) | GB2117413B (ja) |
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