明細書 抗肥満および内臓蓄積脂肪低減化機能を有する物質、 およびそ の用途 技術分野
本発明は、 生体内の褐色脂肪組織 (BAT) 等の熱産生組織にお ける褐色脂肪細胞 (BA) 等の熱産生組織細胞の脱共役呼吸 (プロ ト ン リ ーク (p r o t o n l e a k) ) を特異的に亢進する作 用を有する新規物質に関するものであり、 さ らに詳しく は、 本発明 は、 魚油、 アマ二油およびシソ油等の植物油脂等の高度不飽和油脂 由来の物質であって、 ヒ トを含む哺乳動物等の生体の組織細胞のう ち、 褐色脂肪細胞 ( B A) 等の熱産生組織細胞のプロ ト ン リ ーク を特異的に亢進する作用を有する新規な物質、 該物質を含む組成物 等、 および該物質を有効成分として含む抗肥満 (内臓脂肪蓄積抑制 ) · 内臓蓄積脂肪低減化剤、 該物質を有効成分として含む抗肥満 ( 内臓脂肪蓄積抑制) · 内臓蓄積脂肪低減化機.能を付してなる食品、 該物質を有効成分として含む抗肥満 (内臓脂肪蓄積抑制) · 内臓蓄 積脂肪低減化機能を付してなる飼料などの用途に関するものである o 背景技術
近年、 成人病の予防などの観点から、 肥満を解消する手だてにつ いて様々な研究が行われる中で、 肥満と脂肪組織とのかかわりが注 目されている。
最近になって、 生体内脂肪代謝に関連して種々の新しい知見が報 告されており、 脂肪蓄積に関連する生体内脂肪代謝のメ力二ズ厶も 分子レベルで解明されつつある。
ヒ トを含む哺乳動物には二種類の脂肪組織、 すなわち白色脂肪組
織 (WA T) と褐色脂肪組織 ( B A T) とが存在する。
前者の白色脂肪組織の構成体である白色脂肪細胞 (WA) は、 ェ ネルギ一を中性脂肪の形で貯め込み、 必要なとき脂肪酸として全身' に再供給する役割を有する。 この WAは、 脂肪細胞や筋肉へ脂肪酸 を供給するために血中 ト リ グリセリ ドを分解'.する リ ポプロティ ン リ パ一ゼの生成、 分泌を行う力 また、 血圧調節にかかわるアンジォ テンシノーゲンや血中グルコースの取り込みを抑制する TN F— ひ を分泌することなどから、 一種の分泌細胞と'して認識されている ( Aihaud, G. et al; Annu. Rev. Nutr. , 12, 207-233 (1992)) 。
一方、 後者の褐色脂肪組織は、 体熱産生機能が高度に発達した組 織であり、 近年、 この褐色脂肪組織が食物を摂取した際の食事誘発 性体熱産生にも関与し、 その機能の劣化が肥満発症と関連する可能 性が高いこ とが明らかとなってきた (吉田俊秀 ; 肥満の臨床医学, 朝倉書店, 2 1 — 3 1 ( 1 9 9 3 ) ) 。 ところで、 生体内に蓄積された余剰脂肪の:低減に関係する代謝活 動、 すなわちその減少要因として、 生体各器官の活動エネルギーと しての基礎代謝に要する消費、 運動に伴う筋肉組織での消費、 体温 コン トロールに伴う体熱産生のためのエネルギー源と しての消費、 肝内脂肪酸 /8—酸化によるケ ト ン体 (例えば、 3 — ヒ ドロキシ酪酸 、 ァセチル酢酸等) の産生と該ケ ト ン体の血中分泌 · 排泄による消 費、 などがあげられる。
前記褐色脂肪組織 ( B AT) は、 褐色脂肪細胞 ( B A) の集合体 として、 上記体熱産生機能が高度に発達した組織であり、 組織 l k g当たり 3 0 0 — 4 0 0 Wの熱産生能力を有する。 最近、 この褐色 脂肪組織の脂肪分解による体熱産生機序が分子生物学的研究によつ て解明されたことにより、 例えば、 褐色脂肪'細胞を直接刺激して脂 肪分解させるいわゆる抗肥満薬の開発研究が、 世界中の製薬メーカ —によって活発に行われている状況となっている (河田 ; 臨床と栄
, 8 5 ( 5 ) , 5 5 3 ( 1 9 9 4 ) ) o
さ らに、 米国ロ ッ クフェラー大学のフ リ ー'ドマンらによって、 肥 満遺伝子 (ob gene ) がクローニングされ、 白色脂肪細胞中で ob g ene により レブチン ( leptin) という タ ンパク質が発現しサイ ト力 イ ンと して血中に分泌され、 脳の視床下部に作用 し、 摂食行動と副 腎皮質ホルモンのノ ルェピネフ リ ン ( N E ) 分泌をコ ン ト ロールす るこ とが明らかにされるに至った (J. M. Friedman et al. , Natur e, 372 (1 Dec. ), 425-432 (1994) 、 News Week, 12/14, p57 (199 4)) 。 褐色脂肪細胞上には上記ノルェビネフ リ ン.のレセプ夕一の存在が 確認され、 交感神経末梢から分泌されたノ ルェピネフ リ ンは該レセ プ夕ーを介して褐色脂肪細胞を刺激し、 ト リ グリ セ リ ド (T G) 分 解による体熱産生を亢進させるこ とが確認された。 褐色脂肪細胞に は、 ア ドレナリ ン受容体 ; 8 3 タイプ ( yS 3 — A D R) が存在しこれ を介する A D R作動薬によって、 脂肪代謝を促進するこ とが判って きた。 該 A D R作動薬は、 褐色脂肪細胞に作用 して強力な脂肪分解 と体熱産生を増大させるこ とが示されている。
したがって、 3 — Agonist ( 3 —受容体作動薬) は、 ェネル ギ一消費に有効な肥満治療薬になる と考えられ、 きわめて活発な研 究開発が進められてきている。 前記の抗肥満薬は、 前記ノ ルェピネ フ リ ンのレセプ夕一に直接作用する S 3 - Agonist を開発するこ と を目標と したもので、 既に、 肥満モデル動物では肥満の解消に著効 があり、 小動物で作動する物質が米国 A C C.社等で開発されている が (河田 ; 臨床と栄養, 8 5 ( 5 ) , 5 5 3 ( 1 9 9 4 ) ) 、 ヒ ト ではいまだ有効な Agonist は見出されていない。
その他、 食事誘発性の体熱産生については、 本発明者の河田らが 褐色脂肪細胞中の脱共役タ ンパク質 (U C P ) が重要な作用をして
いることをはじめて分子レベルで明らかにした (岩井ら ; 日本農芸 化学会誌, 6 8 ( 8 ) 1 1 9 9 - 1 2 0 5 ( 1 9 9 4 ) 、 T. Kawad a et al. , J. Agric. Food Chem. , 39, 651-654 (1991)) 。
また、 カナダのオタワ大学のヒ厶スヘーゲン教授は、 ' 9 4国際 肥満学会 ( I C〇) で、 褐色脂肪組織を遺伝的に除去した トラ ンス ゲニッ クマウスを使って、 過食無しに肥満が発症するこ とをはじめ て明らかにした。 教授は、 該マウスは、 肥満発症後もそれを継続し 、 さ らに、 重度の糖尿病や高脂血症等の合併症を生じた、 と発表し 、 大きな注目を集めた。
また、 同じく、 同 I C Oにおいて、 オタワ大学のゴルバ一二らは 、 特異的 β 3 - Agonist の C L 3 1 6 , 2 4 3の長期投与によりラ ッ トの白色脂肪組織の一部が褐色脂肪組織に変化し、 その結果、 褐 色脂肪細胞が活性化され、 肥満が解消された、 と発表している。 ヒ トでは褐色脂肪組織が少量しか存在しないとされているが、 上記実 験結果は、 /S 3 — Agonist を長期間ヒ トに投与すれば白色脂肪組織 の一部が褐色脂肪組織に変化する可能性を示唆している点で、 臨床 応用の可能性も含めて注目を集めた。
さ らに、 最近になって、 脱共役タンパク質 (U C P ) と相同性が 高く、 同様の機能を有すると思われるタンパ'ク質サブタイプ、 U C P 2および U C P 3が相次いで発見され、 フ.ァ ミ リ 一を形成してい るこ とが明らかになつてきた。 これらのタンパク質は、 褐色脂肪細 胞のみならず、 白色脂肪細胞、 骨格筋、 腎臓等に広く分布している ことが明らかになつている。 マウスを用いた試験で、 U C P 2は高 脂肪の飼料によってそのメ ッセンジャー R NA (m R NA) の発現 が増大することから、 上記タンパク質の発現は食餌由来成分による 影響を受けやすいことが推察される。 褐色脂肪組織の体熱産生を誘発する食餌成分についての栄養生化 学的な研究が河田らによつて行われ、 香辛料成分にその活性が存在
し (T. awada et al.; J. Agric. Food C em. , 39, 651-654 (199 1)) ) 、 赤唐辛子の辛味成分のカプサイシン (capsaicin)が、 交感 神経を刺激して、 カテコールア ミ ン (chatecholamine) の分泌量を 増加させ、 さらにラッ トの ト リ グリセリ ド分'解 (異化作用) を促進 するこ とが明らかにされた (T. Kawada; J. Nutr. , 116, 1272-127 8 (1986)、 同; Proc. Soc. Exp. Biol. Med. , 183, 250-256 (1986 ) 、 同; Biochem. Biophys. Res. Comm. , 142, 259-264 (1987) 、 同: Agric. Biol. Chem. , 51, 75-79 (1987)、 同; Pro Soc. Exp . Biol. Med. , 187, 370-374 (1988) 、 同; Am. J. Physiol. , 255 , E23-E27 (1988)) 。
さ らに、 最近、 岩井、 河田らは、 ニンニクの香気成分のァ リル硫 黄化合物 (diallyloligosulf ides) 、 ノ ルェピネフ リ ンの分泌を 促進してラッ トの褐色脂肪組織重量を増加させ、 ト リ グリセリ ドの 異化作用を亢進させることをはじめて分子レベルで明らかにした ( K. Iwai, T. Kawada et al. , J. Nutr. , 6, -250-255 (1995)) 。 また、 分離大豆夕ンパクおょぴぺプチ ドが褐色脂肪組織を活性化 して、 脂肪酸) 8酸化の亢進および食事産熱の促進によってラ ッ 卜の 体脂肪を有意に低減化するという研究結果が報告されている (斉藤 ら ; 大豆蛋白質栄養研究会会誌, 1 3 , 5 0 - 5 2 ( 1 9 9 2 ) 、 小松ら ; 同誌, 1 2 , 8 0 - 8 4 ( 1 9 9 1 ) ) 。
その他、 生体内の脂肪蓄積を抑制するものとして、 例えば、 秋葉 らは、 特定構造の分離タンパク質が、 鶏の肝内薬物代謝系の cytoch rome P- 450などの MF O (Mixed Function Oxidase) を活性化し、 結果として、 体内脂肪の脂肪組織への蓄積促進機能を有するステロ ィ ドホルモン類 (例えば、 コルチコステ πン.) の血中濃度を低下さ せ、 生体内の脂肪蓄積を抑制することを報告している (秋葉ら ; J pn. Poult. Sci. , 31 (6), 381-391 (1994) 、 同 ; 同誌, 2 9 ( 5 ) , 2 8 7 — 2 9 5 ( 1 9 9 2 ) 、 同 ; J. Sci. Vitaminol, 38,
b
247-253 (1992)、 同 ; J. Poult. Sci. , 24 (4), 220-229 (1987) 、 同 ; Poult. Sci. , 63, 117-122 (1984)) 。 しかしながら、 哺乳 類では、 その効果は確認されていない。
また、 特定構造を有するぺプチ ド (特定ア ミ ノ酸の三ないし四量 体) が経口投与で前駆脂肪細胞 ( P A) の脂肪細胞への分化を抑制 することが 3 T 3 — L 1 培養系で確認され、 ラッ トへの投与で体内 の脂肪蓄積を抑制すると発表されている (特公平 5 — 8 7 0 5 2、 特開平 6 — 2 9 3 7 9 6、 特開平 7 — 1 8 8 2 8 4 ) 。
その他、 矢沢らは、 魚の腸内より、 特異的.に E P A結合リ ン脂質 を産生する微生物を発見し、 該微生物が産生する E P A結合リ ン脂 質が、 ラ ッ トへの投与で、 肝臓内 ト リ グリセライ ド濃度等を低減す ると報告している (特開平 4 一 4 5 7 5 1 ) カ 、 特殊な E P A産生 微生物による特定のリ ン脂質のものに限られている。
ところで、 一般に、 身体に脂肪が過剰に蓄積した状態が肥満であ る と定義される力 、 これをエネルギー出納の面からみれば、 ェネル ギー摂取が消費を大幅に上回り脂肪として体内 (内臓) に大量に蓄 積した状態であるといえる。 生体内蓄積脂肪は、 その部位により、 皮下脂肪と内臓脂肪に分類され、 その性質も、 前者が、 蓄積されに く く 、 代謝されにく いのに対し、 後者は、 蓄積し易く、 その反面代 謝され易いという様に、 全く異なることが判明している。 この内臓 脂肪 (肥満) が成人病発症のマルチリスクファ クターとされている 理由は、 脂肪細胞からの分泌脂肪酸が門脈から直接肝臓に流入して イ ンスリ ン抵抗性と脂肪合成を亢進すること、 この結果、 耐糖能異 常と高血圧ならびにこれらの合併症としての動脈硬化を惹起するに 至るこ とによる。 しかし、 内臓脂肪は、 皮下脂肪に比べて、 代謝が 早く、 脂肪の増減が盛んであることから、 この代謝特異性に着目 し 、 例えば、 褐色脂肪組織中の脂肪燃焼とその産生熱の体外排出を亢 進させて生体内脂肪の消費促進を図れば、 内臓蓄積脂肪を特異的か つ効率的に低減化できると推察される。
発明の開示
上記従来技術にみられるように、 現在のところ、 例えば、 上記; 8 3 - Agonist は、 エネルギー消費に有効な肥満治療薬として考えら れ、 きわめて活発な研究開発が進められているが、 前記のように、 ヒ トではいまだ有効な Agonist は見出されていない。 また、 分離大 豆夕ンパクおよびべプチ ドが褐色脂肪組織を'活性化して、 ラ ッ トの 体脂肪を有意に低減化すること、 ペプチ ドが血中 ト リ グリセリ ド濃 度上昇抑制機能を有すること、 などの知見が得られているが、 実用 化には至っておらず、 また、 例えば、 対象ペプチ ドと同一組成のァ ミ ノ酸混合物には何等効果がないこ とで、 その有効性は、 特定構造 のものに限られている。
また、 褐色脂肪細胞に作用して体熱產生を誘発する食餌成分につ いても、 未だ特殊な香辛料成分などに限られたものであり、 通常の 食品成分の域に入るものではない。 さらに、 例えば、 食品や医薬品 成分として使用するには、 強力な体熱産生の亢進作用と高い安全性 を有するこ とが保証されることが重要な要素であるが、 そのような 点からみて、 従来のものは、 いまだ基礎的研'究の域を出ず、 さ らに 新しい有効成分 (因子) の開発が強く求められている状況となって いた。 そこで、 褐色脂肪組織等の熱産生組織に作用して強力に、 脂肪分 解と熱産生を増大させる機能を有する有効成分、 すなわち有効成分 としての褐色脂肪細胞 (BA) 等の熱産生組織細胞の脱共役呼吸 ( プロ ト ン リーク (p r o t o n l e a k) ) を特異的に亢進す る作用を有する因子を探索することが重要な課題となる。
すなわち、 本発明は、 ヒ トを含む哺乳動物の生体内の褐色脂肪細 胞等の熱産生組織細胞に作用してそのプロ トン リ ークを特異的に 亢進する作用を有する上記有効成分 (因子) .としての新規な物質、 該物質を含む組成物等、 該物質を有効成分として含む抗肥満 (内臓
脂肪蓄積抑制) , 内臓蓄積脂肪低減化剤、 並びに該物質 (因子) を 有効成分として含む抗肥満 · 内臓蓄積脂肪の低減化機能を付与した 特定保健用食品 (機能性食品) を含む一般加工食品、 および該肥満 • 内臓蓄積脂肪の低減化機能を付与した飼料'を提供することを課題 とする。 本発明者らは、 上記課題を解決するこ とを目標と して鋭意研究を 積み重ねた結果、 以下に説明する特異的作用を有する物質 (因子) を見出し、 本発明を完成するに至った。
すなわち、 本発明は、 以下の技術的手段から構成される。
( 1 ) 天然脂質中に存在する物質であって、 該脂質から人為的に分 離される、 ヒ トを含む哺乳動物の褐色脂肪細胞 ( B A ) 等の熱産生 組織細胞の脱共役呼吸 (プロ トン リ ーク) を特異的に亢進する作 用を有する物質。
( 2 ) 高度不飽和油脂由来の物質である前記' ( 1 ) の物質。
( 3 ) 高度不飽和油脂が、 魚油、 アマ二油およびシソ油等の植物油 脂から選ばれる 1 種である前記 ( 2 ) の物質。
( 4 ) 褐色脂肪細胞 ( B A ) 等の熱産生組織細胞に特異的に作用し て、 該細胞中の脱共役タンパク質 (U C P ) およびその同族体の発 現量を顕著に増大させる作用を有する前記 ( 1 ) の物質。
( 5 ) 前記 ( 1 ) 記載の物質を含む組成物等。
( 6 ) 前記の褐色脂肪細胞 ( B A ) 等の熱産生組織細胞のプロ トン リ ークを特異的に亢進する作用を有する物質を有効成分として含 む抗肥満 (内臓脂肪蓄積抑制) · 內臓蓄積脂肪低減化剤。
( 7 ) 前記の褐色脂肪細胞 ( B A ) 等の熱産'生組織細胞のプロ ト ン リ ークを特異的に亢進する作用を有する物 ·質を有効成分として含 む抗肥満 (内臓脂肪蓄積抑制) · 内臓蓄積脂肪低減化機能を付して なる食 PP o
( 8 ) 前記の褐色脂肪細胞 ( B A ) 等の熱産生組織細胞のプロ ト ン
リ 一クを特異的に亢進する作用を有する物質を有効成分として含 む抗肥満 (内臓脂肪蓄積抑制) · 内臓蓄積脂肪低減化機能を付して なる飼料。 以下、 本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明の有効成分 (因子) である、 褐色脂肪細胞等の熱産生組織 細胞のプロ ト ン リークを特異的に亢進する作用を有する物質は、 天然脂質中に存在する物質であり、 該脂質から、 人為的に分離 · 精 製される。 本発明の上記物質 (因子) の原材料としては、 天然脂質 、 とりわけ、 自然界に存在する高度不飽和油.脂、 例えば、 魚油、 並 びにアマ二油、 シソ油等の天然由来の植物油.脂等が好適なものとし て例示されるが、 とく にこれらに限られるものではなく、 これらと 同等も しく は類似のものであれば、 その種類に限らず適宜使用する ことができる。 本発明の上記物質 (因子) は、 上記油脂類に由来す る物質であり、 上記油脂類を原材料として、 さらに精製 · 分画した ものも、 同様の機能を有するものであれば、 同様に使用できる。 と く に、 魚油を原材料とする場合は、 粗油をさらに、 脱酸、 脱色、 脱 臭などの工程に付して精製した上記の機能を有する半精製品ないし 精製品が使用され、 これをさらに分離工程に付して得た上記の機能 を有する画分等も使用される。 本発明の上記有効成分 (因子) は、 例えば.、 医薬品、 食品、 飼料 などの有効成分として使用されるこ とから、 その目的用途に応じて 適宜のレベルに精製すればよい。 と く に、 特定保健用食品 (機能性 食品) などの加工食品には、 比較的精製したものを、 飼料などに用 いる場合は、 原材料が天然油脂であるこ とから、 粗精製品のレベル で使用するこ とが可能である。 本発明の上記有効成分 (因子) は、 前述の高度不飽和油脂等の天然油脂由来物質であるが、 食用油脂そ のものでないこ とは、 例えば、 パ一厶油、 ヤシ油、 大豆油などのい
わゆる一般的な食用油脂にその作用がみられないこ とから明らかで ある。
本発明においては、 上記有効成分 (因子) の由来およびその用途 分野、 並びにその高活性を考慮して、 粗精製品を用いて試験した結 果、 きわめて高い活性を示すこ とが確認された。 後記する実施例に 具体的に示されているように、 本発明の魚油、 アマ二油およびシソ 油由来の上記有効成分 (因子) を用いて実施した、 ラ ッ トへの脂質 投与試験の結果、 対照のラー ド区に対し、 魚.油区で有意に内臓脂肪 量の低下が認められ、 アマ二油およびシソ油で低下傾向が認められ た。 また、 ラ ッ トから採取した褐色脂肪組織 ( B A T ) の褐色脂肪紬 胞中の脱共役タンパク質 (U C P ) の発現量を測定した結果、 対照 のラー ド区に対し、 魚油区で平均 1 . 6倍、 最大で 2倍と極めて有 意に多く、 アマ二油およびシソ油区で増加傾向であった。 対照のラ — ド区は、 この種の試験で通常使用される植物油脂等に対し、 U C Pを増やす傾向にあることが知られているだけに、 上記高活性は実 に驚くべきことであるといえる。
また、 同様に、 後記する実施例に具体的に.示されているように、 鶏卵黄油、 鮭卵油、 鱒卵油、 鮭白子油、 鳕白子油、 ホ夕テ精巣油、 ホ夕テ卵巣油、 ホ夕テ内臓油、 カキ内臓油由来の物質を用いて試験 した結果、 これらの物質の U C P発現量は対照の 1 . 9〜 2 . 6倍 という高値を示した。 本発明の有効成分 (因子) は、 上記海産生物 由来のオイル状の物質に限らず、 同様の機能を有するものであれば 、 その画分、 精製品、 加工品、 抽出物、 混合物、 組成物 (本発明に おいて、 組成物等とは、 これらを意味するものとして定義される) 、 同種の原材料から得た同様の物質等適宜の形で使用することがで 3る。
褐色脂肪組織の褐色脂肪細胞中で脂肪が.燃焼するためには U C P
の発現が不可欠であるが、 本発明の有効成分 (因子) は、 前記のよ うに、 褐色脂肪細胞中の U C P発現量を顕著に増大させる作用を有 するこ とから、 この分子レベルでの知見からみて、 内臓脂肪蓄積制 御に有効であることが裏付けられる。 本発明の上記有効成分 (因子) は、 ヒ トを含む哺乳動物の熱産生 に関与する褐色脂肪細胞 ( B A ) 等の熱産生組織細胞中ミ トコン ド リア (m i t ) の内膜上に存在する脱共役夕ンパク質 (U C P ) お よびその同族体の発現量を上昇させ、 上記細胞の脱共役呼吸 (プロ ト ン リーク) を特異的に亢進させる作用を有する。 本発明の上記 物質 (因子) は、 構造未知の物質であるが、 該成分は、 上記のよう に、 褐色脂肪細胞等の熱産生組織細胞中の U C Pおよびその同族体 の発現量を著しく増大させる高 U C P発現作用物質として、 その発 現活性を指標として同定および分離 · 精製をするこ とができる。
本発明において、 上記褐色脂肪細胞 ( Β Α') 等の熱産生組織細胞 とは、 褐色脂肪、 骨格筋および免疫系等の熱産生組織の細胞を意味 する。 また、 本発明において、 上記脱共役タンパク質 (U C P ) お よびその同族体とは、 U C Ρおよび U C Ρ と相同性が高く、 同様の 機能を有すると思われるタンパク質サブタイプ (U C Ρ 2および U C Ρ 3など) を含むものとして定義される。
本発明の上記成分 (因子) を有効成分として、 と く に抗肥満に著 効を有する内臓蓄積脂肪低減化剤ないし内臓脂肪蓄積抑制剤を調製 することができる。 当該低減化剤ないし抑制剤の担体としては、 そ の使用形態に応じて、 適宜の充塡剤、 結合剤、 増量剤、 崩壊剤、 表 面活性剤、 不湿剤、 賦形剤、 希釈剤などを使用するこ とができる。 製剤形態は、 その使用目的に応じて適宜決定'すればよ く、 特に限定 されないが、 例えば、 錠剤、 顆粒剤、 粉末剤、 丸剤、 カプセルなど の固剤や、 液剤、 懸濁剤、 乳剤などが例示される。
かく して得られる内臓蓄積脂肪低減化剤は、 適宜の投与方法で投 与するこ とができ、 その投与量は、 投与する者の症状等に応じて適 宜選択される。 したがって、 投与量、 投与回数などはと く に限定さ れない。
上記各種形態の医薬製剤は、 注射投与、 経口摂取など、 適宜の投 与形態をとればよ く、 その投与経路、 投与部.位などはと く に限定さ れない。
また、 本発明の上記物質 (因子) を有効成分として、 通常の食品 ないし特定保健用食品 (機能性食品) を調製するこ とができる。 ま た、 該物質 (因子) を各種食品の添加物として使用するこ ともでき る。
上記食品の種類としては、 特定保健用食品に限らず、 通常の健康 食品はもとより、 ケーキ、 菓子、 チョ コ レー ト、 和菓子、 食肉製品 、 魚肉製品、 調理食品など、 本来、 肥満を助長するとされる食品に 使用することも可能である。 本発明の上記物質 (因子) の上記食品への.配合量、 配合形態など は、 食品の種類、 製品コンセプト、 製品形態などに応じ適宜選択さ れる。 通常は、 食品中、 一回の摂取で 1 0 0〜 1 0 0 0 m g程度の 摂取が可能なレベルで、 配合するのが好適なものと して例示される o
さらに、 本発明の上記物質 (因子) を飼料に配合するこ とによつ て、 家畜などの内臓脂肪蓄積抑制機能および内臓蓄積脂肪低減化機 能を付した飼料を調製するこ とができる。
本発明の上記物質は配合される飼料としては、 例えば、 牛、 豚、 鶏等の家畜用飼料などが例示されるが、 とく に食肉牛などの家畜用 飼料が好適なものとしてあげられる。 本発明の上記物質の飼料への 配合量、 配合形態などは、 飼料の種類、 家畜の飼育状況などに応じ て適宜選択される。 例えば、 食肉牛に飼養する飼料の場合、 飼料中
丄 ύ
5 0〜 5 0 O m g程度配合するこ とが好ま しい。 図面の簡単な説明
図 1 は、 ウェスタ ンブロ ッ ト法による U C P夕 ン ノ、。クの解析の一 例を示す。
図 2は、 褐色脂肪組織 ( B AT) タ ンパク中の U C Pタ ンパク含 有を示す。
図 3は、 魚油摂取によるラ ッ ト U C P— l mR NAの発現促進効 果を示す。 実施例
以下に実施例を記載して本発明をさ らに具体的に説明するが、 本 発明は、 該実施例によって何ら限定される ものではない。
実施例 1
1 . 実験動物および実験飼料
3週齢の Sprague- Dawley系の雄ラ ッ トを用'レ、 1 区 5頭と した。 基 礎飼料 ( F - 2、 船橋農場 (株) ) で 1 週間予備飼育した。 飼育環 境は温度 2 2〜 2 4 °C、 湿度 5 0〜 6 0 %に調節し、 明暗は 1 2時 間周期 (明期 8 : 0 0〜 2 0 : 0 0 ) と した。
実験飼料は、 基礎飼料 F— 2から大豆白絞油を除き、 代わりにラ — ド区はラー ド、 魚油区は魚油 (カツォ由来) 、 アマ二油区はアマ 二油、 シソ油区はシソ油 (をそれぞれ 1 0 %添加してペレ ツ ト状に 加工調製した。 試験に用いた飼料の成分を表 1 に、 原料油脂の脂肪 酸組成を表 2にそれぞれ示す。 ラー ドはォレイ ン酸を、 魚油は ドコ サへキサェン酸 (D HA) を、 アマ二油とシソ油はひ 一 リ ノ レ ン酸 をそれぞれ主成分と している。 飼料および水は自由摂取と し、 週 2 回残餌を取り除いて交換し、 摂餌量および体'重を測定した。
試験飼料の成分 (単位:%)
羞替え 1¾紙(規則 26)
各種原料の脂肪酸組成 (単位: %)
差替え用紙 (規則 26)
2. 動物処理方法および分析方法
1 3週齢まで 9週間飼育後、 小動物体脂肪測定用スキャナー (曰 本ク レア製、 C L— 5 3 5 1 型) を用いて体脂肪を測定した。 ネ ン ブタール麻酔下で心臓穿刺により放血、 屠殺し、 ただちに肩甲骨間 の褐色脂肪組織および腎臓と精巣周囲の脂肪組織を採取して重量を 測定した。 さらに、 褐色脂肪組織はポリチューブに取って液体窒素 で急速冷凍し、 後述の脱共役たんぱく質 (U:C P ) 量の測定に供し た。
U C P夕 ンパクの抽出操作 :
ラ ッ トの肩甲骨間より摘出した B ATを 3 0 O mM sucrose ( 1 O mM T r i s — H C l 、 p H 7. 5、 2 mM E D T Aを含む ) でホモゲナイズし、 冷却卓上遠心機にて 3 , 1 0 0 r p m、 4 °C 、 5 m i n遠心後、 さらにその上清を 1 2 , 0 0 0 r p m、 4 °C、 1 0 m i n遠心した。 得られた沈澱 (ミ トコン ドリア画分) をサン プルとした。
電気泳動とウェスタンプロッティ ング :
ポリアク リルア ミ ドゲル電気泳動は、 1 1 %分離ゲルにて行い、 各レ一ンあたりサンプルタンパク 5 0 gを:分析に供した。 泳動条 件は、 1 0 0 Vで 1 0分間、 その後 2 0 0 Vで 1 時間泳動した。 膜 (Hybond- C、 アマーシャム社製) への トラ ンスフ ァ一は、 セ ミ ドラ ィ方式によって 1 3 5 mA ( 2. 5 m A/ c m2 ) 、 3 0分間で行 つた。 膜のプロッキングは、 1 %スキムミルク溶液に 1 時間以上浸 潰して行った。 次に、 膜をラ ッ ト U C Pに対するゥサギ抗体 ( 1 次 抗体、 3 0 0 0倍希釈) と反応させた後、 洗浄し、 さ らにゥサギ I g G—ペルォキシダ一ゼ標識 ( 2次抗体) と反応させた。 洗浄後、 U C Pのバン ドを化学発光法検出試薬 (デュポン社製) にて X線フ イ ルム上で検出した。 フイ ルム上のバン ドの濃淡をスキャナ一で読 み取りコ ンピュータ一にて数値化した。
3 · 結果
体重増加量および飼料摂取量は表 3に示すように各試験区間に有 意差は認められなかった。 また、 体脂肪にも各試験区間で有意差は なかった。
精巣周囲脂肪量および体重当たりの精巣周囲脂肪量においてアマ 二油区は対照ラー ド区と比較して有意に少なく、 魚油区およびシ ソ 油区にも少ない傾向が認められた。 また、 腎周囲脂肪量および体重 当たりの腎周囲脂肪量において魚油区は対照ラー ド区と比較して有 意に少なく、 アマ二油区およびシソ油区にも少ない傾向が認められ た。
図 1 にウエスタンブロ ッ ト法によるラッ ト U C P夕ンノ、。クの解析 の一例を示すが、 このようにして解析された各試験区の B A Tタン ノ、。ク中の U C Pタンパク含量を対照ラー ド区を 1 0 0 とした時の割 合で表したのが、 図 2および表 4である。
ISO to
CJ1 C71 o on
総増体量 (g) 329.8 土 6.1 326.2 ±19.4 297.7 ±33,0 319.7 ±51.4
総飼料摂取量(g) 5325 5561 5248 5657
体脂肪率 (%) 28.90 ± 4. 3 28.94 土 4.68 28.85土 2.52 31.23土 4.55
(平均体重 (g) ) (384.9) (382.8) (354.9) (374.7) 精巣周囲脂肪 (g) 7.71 ± 1.43 6.33 土 0.91 * 5.24土 0.72 6.76土 2.07
腎周囲脂肪 (g) 10.37 ± 1.93 木 6.91 土 2.33 7.91土 0.76 9.41 土 4.05
体重当り精巣周囲脂肪 {%) 2.00 ± 0.36 1.65 土 0, 15 * 1.47 ± 0.11 1.77土 0.31
体重当り腎周囲脂肪(%) 2.69土 0.48 * 1.79土 0.52 2.23土 0, 13 2.44土 0.74
数値は平均土標準偏差を表す
* :対照のラード区に対し P < 0. 05で統計的に有意
(NO
n n
BAT中の単位夕ンパク当たりの UCPタンパク量 ラ—ド区 魚油区 アマ二油区 シソ油区 平均 土 標準偏差 100.0 ± 8.7 * 160.0 ±13.5 114.7 ±21.7 118.1 ± 7.8 最 小 78.2 131.7 70.6 88.4 最 大 121.0 195.2 175.7 131.7
数値は対照のラード区の平均を 1 00としたときの割合で表す * :対照のラード区に対し P <0. 01で統計的に有意
0
対照のラー ド区に対し、 魚油区で有意に内臓脂肪量の低下が認め られ、 アマ二油およびシソ油で低下傾向が認められた。
また、 ラッ 卜から採取した褐色脂肪組織 (BAT) の褐色脂肪細 胞中の脱共役タンパク質 (UC P) の発現量を測定した結果、 対照 のラー ド区に対し、 魚油区で平均 1. 6倍、 最大で 2倍と極めて有 意に多く、 アマ二油およびシソ油区で増加傾向であった。 対照のラ — ド区は、 この種の試験で通常使用される植.物油脂等に対し、 U C Pを増やす傾向にあるこ とが知られているだけに、 上記高活性は実 に驚くべきことであるといえる。 褐色脂肪組織の褐色脂肪細胞中で 脂肪が燃焼するためには U C Pの発現が不可欠であるが、 本発明の 有効成分 (因子) は、 前記のように、 褐色脂肪紬胞中の U C P発現 量を顕著に増大させる作用を有することから、 この分子レベルでの 知見からみて、 内臓脂肪蓄積制御に有効であることが裏付けられる
U C Pは、 現在までに 3種類のサブタイプ、 U C P— 1, _ 2 , 一 3の存在が知られており、 それぞれは組織特異的に発現する。 褐 色脂肪組織においては U C P— 1が主な発現タイプである。 そこで 、 これまでの実験条件と同様に市販固形飼料. (コン トロール群) ま たは魚油またはラー ドを摂取させたマウス褐色脂肪組織より mRN Aを単離し、 ヒ ト U C P— 1 c DNAをプローブとして N o r t h e r n b 1 o t法により解析を行った結果、 UC P - l mRNA はラー ド摂取群に比べて魚油摂取群において約 4 0 %発現が促進さ れていた (図 3 ) 。 また、 前記のように、 We s t e r n b i o t法で解析した全 U C P夕ンパク質量の魚油摂取群における発現促 進が、 ラー ド群に比べて 6 0 %以上であった'こと、 と考えあわせる と、 魚油摂取による U C PmRNAの発現亢進は、 U C P— 1 のみ ならず U C P— 2あるいは U C P— 3などの他のサブタイプの発現 をも伴っている可能性がある。
実施例 2
1 . 実験動物および実験飼料
上記実施例 1 と同様に、 4週齢の S p r a g u e — D a w l e y 系雄ラ ッ トを用いて基礎飼料で 1週間予備飼育後、 1 区 7頭として 下記の 1 0区に分け、 5週間飼育した。 飼育環境は、 実施例 1 と同 様であるが、 飼料は制限給餌とし、 1 週毎に体重を測定した。
試験に用いた飼料の基本組成を表 5 に示す。
(1) ラー ド (対照、 市販品) 、 (2) 鶏卵黄油 (備前化成製、 魚油 含有飼料で飼育された鶏の卵黄由来の油脂、 商品名 : アクティブ D H A - 0) 、 (3) 鮭卵油、 (4) 鱒卵油、 (5) 鮭白子油、 (6) 鳕白子 油、 (7) ホ夕テ精巣油、 (8) ホタテ卵巣油、 (9) ホ夕テ内臓油、 (1 0)カキ内臓油、 を各 9 %添加して試験飼料とした。
上記(3) から(10)の各油脂は以下のようにして調製した。
すなわち、 鮭卵、 鱒卵、 鮭白子等を新鮮な状態で凍結し、 それぞ れ凍結乾燥後ミキサーで粉砕し、 エタノールを加えてよ く振り混ぜ 、 濾過して抽出液を得た。 抽出液からエバポレーターにてエタノー ルを除去し、 オイル状の試料を得た。
表 5
試験飼料の基本組成
カゼイン 2 0 %
コーンスターチ 4 3 8
シユークロース 1 5
セノレロースパウダー 5
混合ミネラル (* ) 4
ミン ( ) 2
メチォユン 0 2
リノール酸ェチル
試験油 9
* :オリエンタル酵母工業社製 各試料の凍結乾燥品からの収率と主な特性値を表 6 に示す。 ト リ グリ セライ ドの測定は、 試料をクロ口ホルム.に溶解後シ リ カゲル力 ラムを通し、 メチル化してガスクロマ ト グラ フィ 一により行った。 リ ン脂質は、 B 1 i g h - D y e r法による抽出、 湿式分解法によ る分解を行って、 モリ ブデンブル一吸光光度法によって リ ンを定量 し、 ステア口 · ォレオ ' レシチンと して算出した。 脂肪酸組成分析 は、 常法に従ってメチル化後ガスクロマ トグラフ ィ ーによ り行った
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cn 各試験油の収率と主な特性値
* 1:凍結乾燥品からの収率
* 2:脂肪酸組成中の成分比
2 . 動物処理方法および分析方法
5週間飼育後、 2 0時間絶食させ、 エーテル麻酔下で開腹し下大 静脈から採血して屠殺した。 続いて腸管膜脂肪、 腎周囲脂肪、 精巣 周囲脂肪、 および肩甲骨間の褐色脂肪を採取して重量を測定し、 褐 色脂肪は U C P量の測定に供した。 血液からは常法により血清を得 、 和光純薬工業社製臨床検査用試薬を用いて、 血清中の ト リ グリセ ライ ド、 コ レステロール、 およびリ ン脂質濃度を測定した。 U C P 量の測定は実施例 1 に示した方法により行った。
3 . a ¾
対照であるラー ド区を 1 0 0 として、 各試 '験区の各測定値を表 7 に示す。 体重増加量および飼料摂取量に各試験区間で差はなかった 。 U C P量は試験したすべての区で対照の 1 . 9〜 2 . 6倍という 驚くべき高値を示した。 腸管膜脂肪等腹腔脂肪内脂肪は有意に少な いかまたは少ない傾向であった。 ト リ グリセライ ド等の血清脂質濃 度も同様に、 対照のラー ド区と比較して有意に低いかあるいは低い 傾向であった。
実施例 1 の場合と同様に、 こ こで試験した海産生物由来のオイル 状の物質が、 褐色脂肪細胞中の U C P発現量を顕著に増大させ、 腹 腔内脂肪の蓄積を制御することが明らかとなつた。
J1 o 結果一覽表 (対照のラード区を 100として相対値で表示)
ラード区 鶏卵黄油区 鲑卵油区 鱒卵油区 鮭白子油区 鳕白子油区ぉタテ精巣油 12ぉタテ卵巣油 gぉタテ内臓油 12カキ内臓油区 増体重 100±4 99.5±3.1 102±1 98.9±4.3 98.3±4.1 103±2 104±2 97.8±2·2 99.3±1.1 101±2 飼料摂取量 100±6 98.0±3.3 97.3±4.5 100±7 96.2±3.9 101±4 98.9±4.2 98·5±5·3 96.3 + 4.8 103±4
UCP 100±15 **226±20 **261±18 **228±28 **253±23 240±9 **216±33 **232±17 **186±31 **175±24
"腸管膜脂肪 100±15 81.5±15.3 *69.3±5.4 *71.2±11.9 *66.5±10.1 *62.4±16.6 73.5±10.3 *71.9±18.5 89.3±12.8 85.9±19.5 腎周囲脂肪 100±13 *73.6±12.4 *62.8±11.1 =1=68.8 ±6.9 *71.8±15.6 *69.3±4.8 *72.3±14·4 *75.5±10.9 *64.3±15.0 *74.1±11.9
"精巣周囲脂肪 100±21 *74.0±9.0 *71.5±14.8 *73.0±4.8 *68.3±9.9 *65.9±13.0 *62.9±7.8 #76·5±13·3 *74.4±9.6 *66.6±13.0 血清トリグリセライド 100±28 *62.5±16.2 *64.3±9.5 *55.5±16.2 *57.6±6.2 *59.2±18.2 *69.6±11.2 *70.1±5.5 *79.1±11.8 *60.9±8.7 血?青コレステロ一ノレ 100±22 *65.6±11.3 *60.2±13.1 *58.3±8.8 *68·3±11·9 *58.3±10.1 88.3±18.6 *78.5±14.3 *67.3±17.7 *65.3±18.5 血清リン脂質 100±21 *65.5±7.2 *57.6±4.8 *52.8±12.6 *60.9±13.1 *65.8±13.2 58.6±7.2 93.3±24.9 *72.9±9.0 =(=70.1 ±7.7
":体重当り 数値は平均士標準偏差を表す
*,**:対照のラード区に対し統計的に有意(*:p <0.05,**:p <0.01)
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産業上の利用可能性
本発明によって得られる上記物質は、 ヒ トを含む哺乳動物等の生 体組織における細胞のうち、 褐色脂肪組織 (.B A T) 等の熱産生組 織における褐色脂肪細胞 ( B A) 等の熱産生組織細胞のプロ ト ン リークを特異的に亢進する作用を有する。 本発明により、 該物質を 含む組成物等、 該物質を有効成分として含む抗肥満 (内臓脂肪蓄積 抑制) および内臓蓄積脂肪低減化剤、 該物質を有効成分として含む 抗肥満 (内臓脂肪蓄積抑制) および内臓蓄積脂肪低減化機能を付し てなる食品、 該物質を有効成分として含む抗肥満 (内臓脂肪蓄積抑 制) および内臓蓄積脂肪低減化機能を付してなる飼料が提供される