明 細 書 乳化剤及びそ の製造方法
技術分野
(発明の属する 技術分野)
本発明は、 蛋白質系乳化剤およ び該乳化剤を用 いて乳化化粧料を 製造する方法に関する。 背景技術
(従来の技術)
従来、 水 と油性物質を乳化させて乳化化粧料を製造する 際には、 一般に乳化剤 と して陰イ オ ン性、 陽イ オ ン性、 両イ オ ン性、 非ィ ォ ン性な どの界面活性剤が用 い られて き た。
しか し、 合成界面活性剤は皮膚の表面組織を破壊 し、 体内 に入つ て肝臓障害を起 こす原因にな る こ とが指摘さ れて以来、 研究開発の 方向はよ り 安全な天然由来の原料を用 い た乳化剤を志向す る方向に 進んで きてい る 。
特に、 天然由来の蛋白質系乳化剤は、 安全性が高 く 、 一般に皮膚 の表面組織 と の親和性に も優れてい る こ と か ら 、 数多 く の提案がな さ れてい る 。
概 して、 蛋白質系乳化剤は合成界面活性剤に比べる と乳化力が劣 る ため に、 その研究は、 化学修飾 (化学的変性処理) によ っ てその 乳化力を高め る 方向 に傾注 してお り 、 その例 と して、 以下の よ う な 開発例が挙げ ら れる 。
• 炭素鎖長 1 4 〜 2 4 のアルキル基を有する ア ミ ノ 酸アルキルェ ス テ ル化タ ンパ ク力、 ら な る乳化剤 (特開昭 6 0 - 1 1 2 8 0 0 号公
報) 。
• 親水性蛋白質分解物のカ ルボキ シル末端に ア ミ ノ 酸エステルの ァ ミ ノ 基がア ミ ド結合 してな る 蛋白質系乳化剤 (特開昭 6 0 - 1 7 5 5 3 1 号公報等) 。
• レ シチ ン 一 ダルテ ン複合体ま た は レ シ チ ン — グ ロ ビ ン複合体か ら な る乳化剤 (特開昭 6 3 — 2 8 3 7 3 5 号公報) 。
• 活性化 し た分枝状多糖類 と 蛋白質と を結合 してな る機能性蛋白 質を主成分 と する乳化剤 (特開平 1 一 2 3 3 3 0 0 号公報)
• 蛋白質ま たは該加水分解物 と リ ン脂質 との複合体か ら な る乳化 剤 (特開平 5 - 7 0 3 3 2 号公報) 。
• リ ゾ リ ン脂質、 遊離脂肪酸およ び蛋白質と が結合 し た蛋白複合 体か らな る乳化剤 (特開平 5 - 5 6 7 5 1 号公報)
• 牛な どの動物項靭帯に存在する エラ ス チ ンを蛋白分解酵素で処 理 して得 ら れる加水分解物ま た は該加水分解物の水溶液 と 、 多価ァ ル コ ールを混合 して得 られる界面活性剤相を乳化剤 と して用 い る方 法 (特開平 6 - 2 7 9 2 5 4 号公報) 。
• 豆類の蛋白質中の I I S グロ プ リ ン塩基性サブュニ ッ 卜 を 4 0 %以上含有す る乳化剤 (特開平 9 _ 2 3 8 3 7 号公報) 。
• 蛋白質 と サポニ ン ま た は胆汁酸 と の結合物か ら な る乳化剤 (特 開平 1 1 — 2 1 5 9 5 6 号公報) 。
こ れ ら の開発例において使用 さ れてい る原料蛋白質は、 例えば大 豆蛋白、 小麦蛋白、 な どの植物性蛋白質、 コ ラ ーゲ ン、 ゼラ チ ン、 エラ スチ ン、 卵白アルブ ミ ン、 血清アルブ ミ ン、 卵黄 レ シチ ン、 ミ ルク カゼイ ン、 ミ オ シ ン、 フ イ ブ リ ノ一ゲ ン等の動物性蛋白質が主 な も のであ る 。
と こ ろで最近、 絹蛋白質が生体適合性に優れた物質であ る こ と か
ら 、 その化粧品への利用が注目 さ れる よ う にな り 、 各種の絹蛋白質 か ら な る化粧用素材が提案さ れてい る 。
例えば、 ア ミ ノ 酸単位が 2 〜 5 0 (平均分子量 2 0 0〜 5 0 0 0 ) か ら な る水溶性シルク ぺプタ イ ド (絹 フ ィ プ ロ イ ン由来) をア ミ ドカル ボ ン酸型界面活性剤に配合 し て使用感等を改善 し た洗剤 (特 開平 8 — 2 0 7 9 2 号公報) 、 フ イ ブ口 イ ン加水分解物を保湿剤 と して配合 し た液状化粧料 (特開平 6 - 1 5 7 2 3 4 号公報) 、 水溶 性の絹 フ ィ ブロ イ ン加水分解物を配合 して湯上が り 感を改善 した浴 用剤 (特開平 5 - 7 8 2 3 2 号公報) 、 コ ンディ シ ョ ニ ング剤 と し て卵黄油 と と も に分子量 1 0 0 0 程度の水溶性の絹 フ イ ブ口 イ ン加 水分解物を配合 し た シ ャ ン プー (特開平 5 - 2 5 0 2 4 号公報) 、 フ ィ ブ ロ イ ン水溶液に二酸化炭素を添加 し、 その後に フ ィ ブロ イ ン 水溶液の p H を酸を添加 し て等電点付近にする こ と に よ り 得た微小 構造体を分散媒体中に分散 してなる ゲル化 し た ク リ ー ム状の保湿剤 (特開平 1 0 _ 2 5 1 2 9 9 ) (こ の場合は フ イ ブ口 イ ン水溶液の p H を酸で等電点付近に して、 ゲル化する こ と が目的で、 フ イ ブ口 イ ン水溶液を乳化剤 と して利用する も の ではな い。 ) 等の開発例が 挙げ られる。
しか し、 こ れ ら はいずれ も絹蛋白質を化粧料用の乳化剤 と して使 用す る も のではない。
極 く 最近にな っ て、 絹蛋白質を界面活性剤 と して利用する発明が 提案さ れている (特開平 1 1 一 2 7 6 8 7 6 号公報、 特開 2 0 0 0 - 7 3 0 9 0 号公報) 。
こ の発明は、 繭や生糸か ら抽出 し たセ リ シ ン ま たはセ リ シ ン分解 物を有効成分と する界面活性剤であ っ て、 医薬品、 医薬部外品、 化 粧品、 食品、 家庭用洗剤な ど広範囲の分野において利用する こ とが
で き る と さ れてい る 。
と こ ろで、 一般に、 蛋白質系乳化剤を用 いて得 られる乳化化粧料 は、 潤いのあ る し っ と り と し た使用感を有する も のの、 手に取っ て 実際に使用 し た と き に、 ボロ ボ ロ感があ っ た り 、 延展性に乏 し いな どの使用上での問題があ る場合が しば しば見受け られる。
化粧品に使用する乳化剤 と しては、 単に安全性や乳化力のみでな く 、 使用時の感触も重要な要素であ る か ら 、 乳化化粧料の処方設計 する 際に は、 こ れ らの点を十分に考慮 して行う 必要がある 。
一方、 本発明者 ら は、 長年絹に関する研究を行っ て き た中で、 絹 フ ィ プロ イ ン には ヒ 卜 の細胞を生育促進す る作用があ る こ と をつ き と め、 こ れを創傷被覆材等に利用す る こ と を提案 した (特開平 9 一 1 9 2 2 1 0 号公報、 特開平 1 1 — 2 5 3 1 5 5 号公報) 。
その作用 は、 絹フ ィ プロ イ ンを構成する フ ィ プロイ ンの H鎖 と L 鎖に あ る こ と を明 らかに し た (特開 2 0 0 1 — 1 6 3 8 9 9 号公報 、 特願 2 0 0 1 — 1 8 0 1 6 9 号) 。
し か し、 絹タ ンパク は細胞生育促進作用 はあ る ものの、 その水溶 液ま たはそのゲル化物が乳化剤 と して利用で き る こ と は知 られてい な力、 つ た。
主な理由 と して、 フ ィ ブロ イ ン水溶液やそのゲル化物は攪拌な ど の強い剪断力の も と で繊維化 し やす く 、 繊維化物 (水不溶性の塊状 物) が分離 して く る こ と に よ る もの と考え られる。
(発明が解決 し ょ う とする課題)
従来の蛋白質系乳化剤は、 原料蛋白質を化学的処理 (化学修飾) す る こ と に よ り 、 その乳化力等を改善 して実用 に供 し得る も の と し た ものが主流であ り 、 僅かに一定の成果を得てい る も のであ る 。
しか し 、 化学修飾に よ り 原料蛋白質を改質す る場合には、 目的の 蛋白質系乳化剤を得る ために、 種々 の反応工程を経な ければな らず 、 特に、 皮膚に影響を及ぼす未反応試薬を反応系か ら 除去 して不純 物の含ま れな い純粋の乳化剤を得る こ と は非常に困難であ る と い う 問題点があ る 。
本発明は、 こ の よ う な課題を解決 し、 さ ら に、 単に乳化力や使用 感を改善する のみな らず、 乳化剤自体が皮膚細胞生育促進性を有す る化粧用乳化剤を提供する こ と を 目 的 と する。 発明の開示
(課題を解決する ための手段)
本発明は上記観点か ら なさ れた も のであ り 、 格別の化学修飾を行 う こ と な く 得る こ とがで き る絹夕 ンパク 水溶液が、 化粧料等の乳化 剤と して優れた特性を有する こ と を見出 し た も のであ る。
すなわち、 本発明は、 ( 1 ) 、 非結晶性絹フ イ ブ口 イ ンを主成分 とする絹タ ンパク の水溶液か ら な る乳化剤に存する 。
そ して、 ( 2 ) 、 非結晶性絹フ イ ブ口 イ ンを主成分 とする絹 タ ン パク の水溶液か ら な る化粧料用乳化剤に存する 。
そ してま た、 ( 3 ) 、 非結晶性絹 フ イ ブ口 イ ンを主成分と する絹 夕 ンパク の水溶液か ら な る乳化剤を用 いて油性分を乳化させ る こ と から な る乳化化粧料の製造方法に存する 。
そ してま た、 ( 4 ) 、 非結晶性絹 フ イ ブ口 イ ンを主成分と する絹 タ ンパク の水溶液か ら な る乳化剤を用 いて油性分を乳化させ る こ と によ り 得 られる乳化化粧料に存する 。
そ してま た、 ( 5 ) 、 非結晶性絹 フ イ ブ口 イ ンを主成分と する絹 夕 ンパク の水性ゲルか ら な る乳化剤に存す る。
そ してま た、 ( 6 ) 、 非結晶性絹 フ ィ ブロ イ ンを主成分 とす る絹 夕 ンパク の水性ゲルか ら な る 化粧料用乳化剤に存す る 。
そ してま た、 ( 7 ) 、 非結晶性絹 フ イ ブ口 イ ンを主成分とする絹 夕 ンパク の水性ゲルを用 いて油性分を乳化さ せ る こ と から な る乳化 化粧料の製造方法に存する。
そ し てま た、 ( 8 ) 、 非結晶性絹 フ イ ブ口 イ ンを主成分とする絹 夕 ンパク の水性ゲルを用 いて油性分を乳化さ せ る こ と によ り 得 ら れ る乳化化粧料に存する。
そ してま た、 ( 9 ) 、 非結晶性絹 フ イ ブ口 イ ンを主成分とす る絹 タ ンパク の水溶液が、 蚕の吐糸 した繊維 (繭糸) の未精練物、 半精 練物、 精練物等を中性塩で溶解 し、 次いで透析 して得 られる絹タ ン パ ク の水溶液であ る上記化粧料用乳化剤に存す る 。
そ してま た、 ( 1 0 ) 、 非結晶性絹フ イ ブ口 イ ンを主成分とする 絹 タ ンパク の水性ゲルが、 蚕の吐糸 し た繊維 (繭糸) の未精練物、 半精練物、 精練物等を中性塩で溶解 し 、 次いで、 透析 して得 られる 絹夕 ンパク 水溶液をゲル化さ せてな る絹タ ンパク の水性ゲルであ る 化粧用乳化剤に存する。
(発明の効果)
本発明の、 非結晶性絹 フ ィ ブロ イ ンを主成分とする絹タ ンパク の 水溶液又は水性ゲルか ら な る化粧料用乳化剤は、 単に乳化力や使用 感を改善す る のみな らず、 乳化剤自体が皮膚細胞生育促進性を有 し てい る 。
そのため に、 こ の乳化剤を用いて油性分を乳化さ せて得 られる乳 化物は、 広範囲の油一水組成の乳化化粧料に使用す る こ とがで き る と共に、 皮膚ケアの上で極めて優れてい る 。
図面の簡単な説明
第 1 図は、 絹ク リ 一 ム におけ る油性分と絹水溶液の濃度と の関係を 示す図であ る 。
第 2 図は、 絹ク リ ー ムにおけ る油性分と絹ゲルの濃度 と の関係を示 す図であ る 。
第 3 図は、 絹水溶性のゲル化に関する濃度 (% ) , 温度 c ) , 時 間 ( 日) の関係を示す図であ る 。
第 4 図は、 絹タ ンパク (重量) 平均分子量 と細胞生育率 (% ) を示 す図であ る 。 発明を実施する ための最良の形態
(発明の実施の形態)
本発明の非結晶性絹フ ィ ブロ イ ンを主成分とする絹夕 ンパク の水 溶液ま たは非結晶性絹フ ィ ブロ イ ンを主成分とする絹タ ンパク の水 性ゲルは、 油性分と混合する こ と に よ り 、 絹タ ンパク の水溶液ま た は、 その水性ゲル中の水 と油性分と を均一に乳化さ せる こ とがで き る 。
しか も、 絹フ イ ブ口 イ ンが、 皮膚細胞成育促進作用を有する こ と か ら 、 乳化力や使用感を改善する と と も に、 乳化剤自体が皮膚細胞 生育促進性を有する 化粧用乳化剤を得る こ とがで き る 。
本発明は、
1 ) 蚕の吐糸 し た繭糸およ び繭糸の加工物であ る生糸、 絹糸、 絹織 編物等の未精練物、 半精練物、 精練物等を原料と し、
2 ) こ れ ら原料を中性塩で溶解 し、 次いで水で透析 し、
3 ) 得 られた絹タ ンパク 水溶液を、
( a ) その ま ま 乳化剤 と して利用する か、 も し く は
( b ) 絹タ ンパク水溶液を一旦、 乾燥さ せて非結晶性絹物質を取得 し 、 それを乳化剤 と して使用する 際に、 その乾燥非結晶性絹物質を 水に溶解 し 、 絹 タ ンパク 水溶液を再生 して乳化剤 と して利用す る 、 ま たは
4 ) 絹 タ ンパク 水溶液を 4 0 〜 1 3 0 °C、 好ま し く は 5 0 °C〜 8 0 °Cの雰囲気内で静置 してゲル化さ せ、 水性ゲルの状態で乳化剤 と し て利用する 、
と い う 、 実施の態様を含む ものであ る 。
こ の よ う に して調製さ れた乳化剤を、 化粧用油性分と、 必要に応 じて各種化粧用添加剤を添加 し、 混合攪拌する工程を経て、 目的の 乳液状ない し ク リ ー ム状の化粧用乳化物を得る こ とがで き る も ので あ る。
本発明の乳化剤を使用 して製造する こ とがで き る乳化化粧料ま た は医薬部外品 と しては、 例えば、 清浄用化粧品 (化粧石けん, 洗顔 料, シ ャ ン プー , リ ン ス等) · 頭髮化粧品 (染毛料, 頭髪用化粧品 等) · 基礎化粧品 (一般ク リ ー ム · 乳液, ひげそ り 用 ク リ ー ム , 化 粧水 · オ ー デ コ ロ ン, ひげそ り 用 ロ ー シ ョ ン, 化粧油, パ ッ ク 等) ' メ ー ク ア ッ プ化粧品 ( フ ァ ンデー シ ョ ン, 眉墨, アイ ク リ ー ム ' ア イ シ ャ ド ウ · マ ス カ ラ等) · 芳香化粧品 (香水等) · 日焼け · 日 焼け止め化粧品 (日焼け · 日焼け止め ク リ ー ム, 日焼け · 日焼け止 め ロ ー シ ョ ン, 日焼け · 日焼け止めオ イ ル等) · 爪化粧品 (爪ク リ ー ム等) · アイ ラ イ ナ ー化粧品 (ア イ ラ イ ナ一等) · 口唇化粧品 ( 口紅 · リ ッ プク リ ー ム等) · 口腔化粧品 (歯みがき等) · 入浴用化 粧品 (浴用化粧品等) 等が挙げられる 。
以下に本発明を実施する場合の詳細について説明する。
A . 原料
本発明の非結晶性絹フ ィ ブロ イ ンを主成分 と す る絹タ ンパク の原 料物質は繭糸、 生糸、 絹糸織編物、 絹糸 ( フ イ ブ口 イ ン繊維) 、 そ れ ら の残糸ま たはそれ ら の未精練物、 半精練物、 精練物、 およ びそ れ ら を原料と し た繊維、 粉末、 フ ィ ルム等、 家蚕及び野蚕等の絹糸 虫類が吐糸する 蛋白質繊維物質すベてを対象と す る こ とがで き る 。
一般に蚕は体内の絹糸腺腔に絹を分泌 し、 こ の絹は液状絹 と言わ れる 。
液状絹はフ ィ プロ イ ン と セ リ シ ンか ら成 り ( こ れ ら を絹タ ンパク と い う 。 ) 、 液状フ イ ブ口 イ ン は分子量約 3 7 万であ る (Tasiro Y utaka and Otsuki Eiichi, Journal of Cell Biology, Vol , 46, P 1(1970)) 。
ま た分子量約 3 7 万の フ イ ブ口 イ ンは分子量約 3 5 万 ( H鎖) と 約 2 . 5 万 ( L鎖) に分け られる。
蚕は営繭時に液状絹を吐糸 して繭 (繭糸 と蛹で構成) を作る 。 繭糸には中心部にフ イ ブ口 イ ン、 周囲に セ リ シ ンが存在 し 、 存在 比は ( 7 0 〜 8 0 %フ イ ブ 口 イ ン) : 2 0 〜 3 0 % (セ リ シ ン) で あ る こ と が知 られてい る 。 生糸は繭糸を数本か ら数 1 0 本集合 して 作 ら れる 。
生糸で織っ た織物を生織 と い う 。
繭糸、 生糸又は生織か ら セ リ シ ンを除去する工程を精練と い い、 精練後の繊維が絹糸又は フ ィ ブ ロ イ ン繊維であ る 。
絹糸は、 ま ず、 養蚕農家で生産さ れた繭を乾繭、 煮繭後に繰糸 し て生糸を作製 し、 次いで、 生糸又は生織の精練を行い、 絹糸ま た絹 織物 とする。
こ れ ら の工程で生 じ る屑が残糸であ る 。
乾繭は繭を 1 1 5 〜 1 2 0 °Cの温度か ら 5 〜 6 時間かけて 80°C程
度の温度に徐々 に下げて行 う 。 煮繭では 1 0 0 〜 1 0 5 °Cの水蒸気 及び熱水で 1 0 分間処理さ れる。 精練方法 と しては、 アル力 リ 性ナ ト リ ゥ ム塩や石鹼を含む水溶液 中で煮沸する 場合 (アルカ リ セ ッ ゲ ン精練) が最 も一般的な方法で ある 。
その他、 アルカ リ 性ナ ト リ ウ ム塩のみで精練す る場合 (アルカ リ 精練) 、 加圧熱水 (例えば 1 2 0 °Cの熱水) に浸潰 して精練す る場 合 (高圧精練) 、 酵素で精練す る場合 (酵素精練) 等があ る 。
水のみで煮沸精練す る場合も ある が、 セ リ シ ンの残留が多 く 一般 的ではな い。
こ の よ う な精練に よ っ て絹糸を得る。
こ こ で精練を行っ ていない場合は未精練、 精練が完全でな い場合 は半精練 と いわれる。
半精練で得 られた物 も絹糸と い う が、 フ ィ プロ イ ン繊維と はいわ ない。
こ こ では 9 9 %以上フ ィ プロ イ ンであ る 場合を フ ィ プロ イ ン繊維 と い ラ 。
原料を精練する時に用 い る アル力 リ 水溶液 と しては、 炭酸ナ 卜 リ ゥム、 炭酸水素ナ ト リ ウ ム、 ケ ィ 酸ナ ト リ ウ ム、 メ タ ケイ酸ナ ト リ ゥム、 リ ン酸ナ ト リ ウ ム、 水酸化ナ ト リ ウ ム等のアルカ リ 性ナ 卜 リ ゥム塩の水溶液が挙げ られる 。
アル力 リ 精練の場合、 炭酸ナ ト リ ゥ ム水溶液は適度なバ ッ フ ァ 一 効果があ る ため、 特に、 好ま し い。
精練に よ っ て原料は脱セ リ シ ン さ れる。
本発明の乳化剤 と しての絹タ ンパク を得る には、 精練によ っ て絹
糸 とする だけでな く 、 原料を精練 し な く て も よ く 、 精練を途中で終 えた半精練物であ っ て も よ い。
ま た、 家蚕の突然変異体であ る セ リ シ ン蚕の繭糸 (セ リ シ ンか ら で きてい る) を非結晶性フ ィ ブロ イ ンを主 と する水溶液を作る と き に添加 して も よ い。
セ リ シ ン は、 構成単位が主に セ リ ン ( 3 — ヒ ド ロ キ シ ァ ラ ニ ン) か ら な り 、 側鎖に親水性の メ チ ロ ール基を有する セグメ ン 卜 か ら主 と して構成さ れてい る 蛋白質であ り 、 側鎖に非親水性基を多 く 含む フ ィ プ ロ イ ン に比較 し、 保湿剤 と し ての機能がよ り 強い も の と考え られる。
すなわち、 フ イ ブ口 イ ン は、 一 G l y — S e r — G l y — A l a 一 G 1 y - A 1 a _ の繰 り 返 し単位か ら構成さ れ、 親水性基を有す る — S e r - の単位当た り の非親水性基の構成が、 — G 1 y - A 1 a - G 1 y - A 1 a - G 1 y — の 5 つの単位から な っ てい る こ と か ら 、 親水親油バ ラ ン ス ( H L B 値) が中間的な範囲にあ り 、 0 W 型の乳化物か ら W/ 0 型の乳化物ま で広い範囲で乳化物をつ く る の に対 し、 親水性基を有する構成単位か ら主 と して形成さ れてい る セ リ シ ン の場合は、 フ ィ ブロ イ ン に比較 して乳化力 よ り も保湿機能が 勝っ てい る も の と考え られ る。
因みに、 セ リ シ ンは、 フ イ ブ口 イ ン よ り 常に 1 5 %だけ多 く の吸 湿性を有する こ と が報告さ れてい る (片岡紘三、 日本蚕糸学会誌 「 家蚕の吐糸中における 液状絹およ び繭糸の含水率」 5 0 巻、 6 号, P478- 483 (1981)) 。
セ リ シ ンが多少含ま れている場合に は、 いわゆ る (shear)に よ る 繊維化が抑え られ、 ま た保湿性を高め る こ と か ら 、 皮膚ケア素材 と しては効果的であ る場合がある 。
c . 絹タ ンパク 水溶液の作成
精練のよ う な加工工程で、 絹はアル力 リ を含む高温高湿処理を受 け る ため、 絹タ ンパク は分解 して分子量が低下さ れ易い。
絹タ ンパク は、 酸、 アルカ リ 、 高温 (特に湿熱) 、 光 (特に紫外 線、 放射線) で分解 し分子量を低下 し易い。
中性塩によ る溶解の場合に も分子量を低下 し易い。
絹夕 ンパク の分子量低下は絹タ ンパク の細胞生育促進性の低下に 関係 してい る ので、 極端な分子量低下は好ま し く ない。
本発明の乳化剤 と しての絹夕 ンパク を得る には、 上記の原料を以 下の よ う に溶解 して得る 。
絹の溶解剤であ る 中性塩と しては、 例えば塩化カ ル シ ウ ム 、 銅ェ チ レ ン ジ ァ ミ ン、 チォ シ ア ン酸ナ ト リ ウ ム 、 チォ シ ア ン酸 リ チ ウ ム 、 臭化 リ チ ウ ム、 硝酸マ グネ シ ウ ム等の中性塩が挙げられる 。
当該中性塩において も飽和水溶液又は 5 0 % 〔重量(g ) /容量 ( m L ) 〕 飽和以上の濃度が好ま し い。
絹を中性塩溶液に溶解する工程では、 中性塩に メ チルアル コ ール 、 エチルアル コ ール、 プ ロ ピルアル コ ール等のアル コ ールを添加 し 、 9 4 °C以下の温度で、 望ま し く は 7 5 〜 8 5 °C程度の温度で行う と よ い。
こ の場合、 攪拌する こ と に よ り 溶解を促進する こ とがで き る 。 溶解温度が低い と溶解 し に く い。
溶解温度が高い と溶解 し易いが、 分子量低下が激 し く 起き る 。 絹を中性塩で溶解 し た溶解液には、 フ ィ ブロ イ ンあ る いは フ ィ ブ 口 イ ン と セ リ シ ンの混合物、 中性塩、 アル コ ール等が、 含ま れてい る 。
こ の溶解液か ら、 ま ず不溶物を除去 し、 次いで透析膜や透析装置
を用 いて分子量約 5 , 0 0 0 以下の低分子物を除去す る。
こ の よ う な透析に よ っ て絹夕 ンパク水溶液を得る。
こ の絹 タ ンパク 水溶液に は、 塩化カ ノレ シ ゥ ム力く 0 . 0 0 1 〜 0 .
1 M程度残さ れていて も よ い。
一方、 水溶液における絹 夕 ンパク は高分子量であ る ほど震動ゃ攪 拌時のず り
( s hea r)に よ り 繊維化 し易い。
繊維化物は水不溶性の塊状物 と な る ので、 化粧料と し て の使用感 (手触 り ) を低下さ せる原因と な る 。
そのため、 絹タ ンパク の分子量はあ る程度低下 している ほ う が好 ま しいが、 乳化の方法や使用方法を緩やかにする こ と で繊維化が起 こ り に く く な る こ と 力ヽ ら 、 高分子量の絹タ ンパク が含まれていて も よ い。
フ イ ブ口 イ ン は、 平均分子量 (重量平均) 5 , 0 0 0 以上で乳化 剤 と して作用する。
しか し、 5 , 0 0 0 〜 2 0 , 0 0 0 では細胞生育作用は ほ と ん ど 無い。
2 万〜 4 万では細胞生育作用 は少ないが、 本発明の乳化剤 と して 利用可能であ る 。
細胞生育促進性の十分あ る フ ィ ブロ イ ンの平均分子量と しては、 4 万〜 3 7 万である 。
し たがっ て、 皮膚ケア用素材 と し ては平均分子量 6 〜 3 0 万の範 囲の も のが特に好ま し い。
D . 非結晶性絹フ ィ ブロ イ ンを主成分 とする絹夕 ンパク の水溶液 か ら非結晶性粉末も し く は フ ィ ルムを作成 し、 こ れを再び水に溶解 さ せ、 再度絹 タ ンパク 水溶液 と する ;
前述 c . の水溶液を平滑な固体表面に流延 し、 乾燥さ せ る こ と に よ り 製造さ れる非結晶性絹 フ ィ ルムを再度水に浸潰 して絹水溶液を 得る こ と もで き る。
非結晶性絹タ ンパク は フ ィ ルムでな く て も、 粉末で も よ い。
こ の場合は、 絹タ ンパ ク 水溶液をス プ レ ー ド ラ イ 、 凍結乾燥等に よ っ て も得 られる。
本発明 において、 非結晶性絹フ イ ブ口 イ ン と は、 結晶化度が 1 0 %未満の も のをい う (特開平 1 1 一 7 0 1 6 0 号参照) 。
絹セ リ シ ンが、 含ま れていて も、 結晶化度 1 0 %未満の も のをい ラ 。
結晶化度が 1 0 %未満であれば、 こ の絹タ ンパク を水に浸潰 し た と き 、 絹 タ ンパク の一部が溶解 し、 一部が水を吸収 して浮遊 してい る状態で も、 非常に軟 らか く 水性ゲル と 同様であ る ため、 乳化剤 と して作用する。
こ の場合は絹タ ンパク 水溶液をその ま ま 乳化剤 と して使用する場 合に比べ、 更に乾燥 · 再溶解工程を経る こ と にな り 、 工程数が多い 点で不利ではあ る。
し か し 、 非結晶性絹は光を遮断 し た相対湿度約 5 0 %以下での室 内に は、 数年の長期保存 も可能であ る こ と 、 ま た乾燥 している ため 軽 く 、 長距離輸送には効果的であ る こ と等の利点があ る 。
絹夕 ンパク 水溶液は液状絹から も得る こ とがで き る。
例えば、 蚕の絹糸腺の中部及び後部腺か らゲル状の内容物 (液状 絹) を取 り 出 し、 水に溶解さ せる こ と に よ り絹タ ンパク 水溶液を得 る こ とがで き る。
しか し 、 こ の方法は蚕を解剖 して蚕体内か ら絹糸腺を取 り 出 し、 さ ら に絹糸腺腔から液状絹も取 り ださ な ければな ら ない。
蚕 1 頭か ら得 ら れる絹は最大で 0 . 4 g程度であ り 、 蚕体液や絹 糸腺細胞等の不純物を含みやすい こ と 、 及び絹を得る の に手間がか かる こ と 等に よ り 、 工業的な生産方法に はな ら な い。
本発明 においては工業的に有利な生繭、 乾繭 も し く は煮繭 し た繭 の繭層 も し く は繭糸を、 あ る い は生糸、 絹織物又はそれ ら の残糸等 を材料と して用 い る。
E . 絹タ ンパク 水溶液に よ る油性分の乳化
油性分 と してはォ リ ー ブ油、 椿油、 アポガ ド油、 カ カオ油, サ ン フ ラ ワ ー油、 パー シ ッ ク油、 パ一ム油、 ヒ マ シ油等の植物性油やそ の他動物性油、 さ ら にホホバ油、 ミ ツ ロ ウ等の ロ ウ類等、 化粧品原 料基準に収載 さ れてい る油や口 ゥ等の油性分を使用する。
油性分の種類によ っ て乳化物の性状に大差がない。
絹夕 ンパク 水溶液の濃度 と絹夕 ンパク 水溶液量に対する 油性分の 割合を適宜調整する こ と に よ り 目的 と する 化粧料を作成す る 。
絹タ ンパク 水溶液 と油性分を混合 し、 乳化さ せる方法と しては攪 拌法、 す り ま ぜ法等があ る が、 いづれで も よ い。
乳化用 の機械は絹の濃度や油の割合に よ つ て使い分ける こ とが望 ま し い。
乳化物の粘性は絹水溶液の濃度に よ つ て変わ り 、 絹水溶液の濃度 が薄い と絹タ ンパク に よ る細胞生育性が低い。
し たがっ て、 濃度は 0 . 1 %以上、 好ま し く は 0 . 5 %以上であ る 。
一方、 絹タ ンパク水溶液の濃度が高い と皮膚上での伸びが低下 し
、 使用感が低下する。
従っ て、 その濃度は 1 5 %以下、 好ま し く は 1 0 %以下がよ い。 セ リ シ ンの割合が 5 0 %を越え る と セ リ シ ンの性質が強 く な り 、
ゲル化が起 き 易 く な る ため に好ま し く な い。
よ り 好ま し く は 3 0 %以下であ る 。
乳化物は絹タ ンパク水溶液の濃度が低い ( 3 %程度以下) 場合は 液状 と な る ので、 乳液 と して使え る 。
濃度が高 く な る ( 3 %程度以上) に従 っ て、 粘性を帯びク リ ー ム や軟膏 と して使え る 。
絹 フ イ ブロ イ ン濃度が低い と細胞生育率が低い こ と 、 絹タ ンパク 水溶液の濃度が高い と伸びが低下する こ と な どは、 次に述べる 水性 ゲルの乳化の場合に も同様であ る 。
F . 絹タ ンパク 水溶液のゲル化
ゲル化は、 絹タ ンパク 水溶液をその ま ま 放置する こ と によ り 達成 さ れる 。
ゲル化は絹タ ンパク水溶液の濃度が高い ほど速い。
濃度 3 %の場合、 室温 ( 2 5 °C ± 5 °C ) ではゲル化に一週間程度 必要であ り 、 室温以下に温度を下げる と ゲル化時間は急激に長 く な る 。
絹 フ ィ プロ イ ン水溶液を室温以上、 特に 4 0 °C以上に置 く と ゲル 化は 2 日程度以内で起き る。 さ ら に、 オ ー ト ク レー プ ( 1 2 0 °C ) を用 い る と ゲル化は 1 〜 2 時間程度で起き る。
5 0 〜 8 0 °Cの温度で静置 してゲル化さ せる こ とが好ま し い。 絹 夕 ンパク の水性ゲルは、 フ ィ ブロ イ ン濃度が一定以上に な る と 、 フ イ ブ口 イ ン鎖中の — C = 0 — と — N H — とが、 互い に近隣の他 の フ ィ プロ イ ン分子 と の間で水素結合をつ く り 、 緩 く 絡み合 っ て三 次元網 目状を形成する こ と に よ り 現出する もの と推定さ れる 。
こ の水性ゲルは、 非常に脆い伏態であ る ため に、 外力で容易にゲ ル状態は壊れる 。
そ こ で、 フ イ ブ口 イ ンを主成分とする含水率 4 . 5 %の絹タ ンパ ク 水溶液の水性ゲルに油性分を入れないで攪拌 し、 遠心分離機で攪 拌物を分離 ( 8 , 0 0 0 r p m、 1 0 分) し た と こ ろ 、 その上澄み 液の絹タ ンパク 濃度は、 0 . 1 ~ 2 . 0 %であ っ た。
上澄液を除いた沈殿物に、 上澄み液の分の水を加え、 再攪拌 し ( 3 0 秒) 、 遠心分離 ( 8, 0 0 0 r p m、 1 0 分) し た と こ ろ、 上 澄み液の絹タ ンパク 水溶液の濃度は、 同様に 0 . 1 〜 2 . 0 %であ つ た。
こ の よ う なゲルの一部は攪拌によ っ て、 容易に水に溶解する性質 力 あ り 、 こ れを水性ゲルと い う 。
こ の よ う に して得た絹タ ンパク水溶液ま たはその水性ゲルは油性 分 と 混合する と き 、 乳化剤 と し て作用す る。
乳化剤 と して使用で き る絹タ ンパク の水性ゲルは、 本発明以外の 方法、 例えば等電点法等に よ っ て も得る こ とがで き る 。
G . 絹タ ンパク 水性ゲルの乳化
乳化方法は、 前記 E . 絹タ ンパク 水溶液の場合 と 同 じであ る 。 ゲルにお け る絹夕 ンパク の濃度が 6 %程度以上にな る と 、 ゲル と 油性分を混合 し、 こ れを攪拌 し ただけでは乳化 し に く い。
濃度が濃 く な る につれて、 攪拌時に水を添加する と 乳化は容易 と な る 。
水は絹タ ンパク と等量か ら 2 倍程度の量が必要であ る。
つ ま り 、 濃度 1 0 %のゲル 1 0 0 g に は 1 0〜 2 0 g の水を添加 して攪拌す る と よ い。
絹夕 ンパク 水溶液に よ る乳化の場合と 比べて、 絹夕 ンパク水溶液 をゲル化 し た後に乳化する こ と は、 ゲル化の工程が多 く 、 工業的に は不利であ る 。
し力、 し、 絹タ ンパク の水性ゲルに よ り 乳化す る場合には、 絹タ ン パク 水溶液の場合よ り 油性分の割合が少な く て も乳化する こ とがで き る と い う 利点があ る。
すなわ ち、 同 じ含水率の場合、 絹タ ンパク 水溶液よ り 水性ゲルを 用 いた方が油性分と絹フ ィ ブロ イ ンの割合を広範囲に変え る こ とが で き る ため、 性質の違う 乳化物を得る こ とがで き る と い う 利点があ る 。
こ の理由 は、 絹タ ンパク水溶液のゲル化に よ っ て絹フ ィ プロ イ ン は分子間でゆ る く 結合 し てい る ため、 すべての絹フ ィ ブロ イ ン鎖が 油性分と結合 し な く て も よ い こ と に よ る も の と推定さ れる 。
本発明の乳化化粧料に は、 本発明の作用 · 効果を損なわな い範囲 で、 必要に応 じて、 p H調整剤、 防腐剤、 増粘剤、 保湿剤、 殺菌剤 、 抗炎症剤、 色素, 香料、 酸化防止剤、 紫外線吸収剤、 ビタ ミ ン、 有機 も し く は無機の粉体、 アルコ ール、 糖類等の化粧料に通常に使 用 さ れる成分を適宜配合する こ とがで き る こ と い う ま で も な い。 〔実施例 1 〕
' 絹 タ ンパク 水溶液に よ る油性分の乳化
平成 1 3 年春産の家蚕繭の繭層を、 通常の方法で乾繭、 煮繭、 繰 糸 し た生糸を原料と し、 こ の生糸 3 0 0 g を 1 2 1 の水 と 6 g の炭 酸ナ ト リ ウ ム中で 5 0 分煮沸 して精練 し た。
練減は 2 5 . 7 %であ り 、 フ イ ブ口 イ ンが 9 9 %以上の絹糸を得 た と考え ら れ る 。
こ の絹糸 ( 1 5 0 g ) を塩ィ匕カ ノレ シ ゥ ム 、 エタ ノ ール、 水のモル 比 1 対 2 対 8 の割合の液 (絹糸の 1 0 倍量) で溶解 した。
溶解は 7 5 〜 8 0 °C、 6 0 分で行い、 透析 し た。
透析は溶解液を透析膜 〔三光純薬 (株) 、 UC 36 - 32 - 1 0 0〕 に入れ
、 こ れを純水に浸潰 して透析 し た。
透析後の フ ィ ブロ イ ンの電気泳動像では フ ィ ブロ イ ンの H鎖は確 認で き な いが、 L鎖はわずかに確認で き 、 ク ロ マ ト グラ フ ィ ー に よ る重量平均分子量は約 2 4 万であ っ た。
ま た、 透析後の絹タ ンパク 水溶液の濃度は 8 . 2 %であ っ た。 こ の濃度を純水で希釈 し 、 8 . 2 %の他に 4 . 0 %、 2 . 0 %、 1 . 0 %、 0 . 2 %の絹タ ンパク水溶液を作成 し た。
ま た、 濃度 8 . 2 %の絹水溶液を透析膜に入れた状態で、 5 °Cの 室内で乾燥 し、 濃度 1 3 . 2 %の絹水溶液を得た。
こ れ ら の濃度の違 う絹夕 ンパク水溶液にオ リ一ブ油を加えて攪拌 し (コ ー ヒ ー ミ キサー、 約 2 0 秒) 、 乳化 した。
攪拌後に乳化物を腕に 0 . 1 ~ 0 . 3 g量をのせ、 約 1 0 O c m 2 の広さ に指を使っ てよ く 伸ば し、 塗布 し た。
皮膚に塗っ ている と き 、 乳化物の伸び易 さ (展延性) およ び乳化 物か ら小さ な塊状物の出やす さ (ボロ ボロ感) か ら化粧料と し ての 利用で き る範囲を調べた。
その結果を第 1 図に示す。
第 1 図の横軸は絹タ ンパ ク 水溶液の タ ンパク 濃度 (% ) であ る 。 縦軸は、 油性分率 = 1 0 0 X 油性分 ( g ) / {絹タ ンパク 水溶液
( ) + 油性分 ( g ) } を示す。
乳液ま たは ク リ ー ム と し て使え る範囲は実線 Aで囲ま れる部分、 好ま し く は B で囲ま れる部分であ る。
〔実施例 2 )
• 乾燥非結晶性絹タ ンパク (フ ィ ルム ま た は粉末) か らの絹タ ンパ ク 水溶液からの乳化物
実施例 1 で作成 し た濃度 4 . 0 %の絹タ ンパク 水溶液を 2 5 °C .
4 0 % R H の室内の プラ スチ ッ ク板上に流 し、 送風 し なが ら乾燥 し て絹 フ ィ ルムを作成 し た。
得 ら れた非結晶性絹フ ィ ルムを、 2 0 °Cの水に浸漬 し、 溶解さ せ て濃度が 6 . 0 %、 4 . 0 % , 2 . 0 %、 1 . 0 % の絹タ ンパ ク水 溶液を作成 し た。
こ れ ら を実施例 1 と 同様に、 オ リ ー ブ油を加え攪拌 し、 乳化さ せ た。
得 ら れた乳化物の化粧料と して利用で き る絹夕 ンパク水溶液の濃 度 と油性分率の関係は、 第 1 図に示さ れ と 同様な結果と な っ た。 〔実施例 3 〕
• 絹夕 ンパク の水性ゲルによ る油性分の乳化
家蚕の繭層 3 0 0 g を炭酸ナ ト リ ウ ム 6 g 、 水 1 2 1 の沸騰液に 浸潰 し 、 6 0 分で精練 し た。
こ の絹糸 1 9 5 g を塩ィ匕カ ノレ シ ゥ ム 3 9 2 g 、 水 5 0 8 g 、 エ タ ノ 一 ノレ 3 2 5 g の液に溶解 した。
溶解の温度は 7 5 - 8 5 °C、 時間は 3 時間であ る 。
透析は、 は じ めの 2 日 間は水道水、 その後は純水で 2 日 間 8 回替 元た。
絹水溶液の電気泳動像か ら フ ィ プロ イ ンの H鎖、 L鎖は確認で き ず、 ゲルク ロ マ ト グラ フ ィ ーか ら は平均分子量は約 6 . 5 万であ つ た。 '
こ の絹水溶液の濃度は 1 4 . 1 %であ っ た。
他に、 濃度 6 . 0 %、 3 . 0 %、 1 . 0 % , 0 . 2 %を作成 し、 こ れ ら を 7 0 °C に放置 してゲル化させた。
得 ら れた絹タ ンパク の水性ゲルにォ リ 一 ブ油を加えて攪拌 し (コ 一ヒ ー ミ キ
サー 、 約 3 0 秒間攪拌) 、 乳化さ せた。
得 られた乳化物を腕に 0 . 1 ~ 0 . 3 g の量をのせ、 約 1 0 0 c m 2 の広さ に指を使っ てよ く 伸ば し ( 2 0 〜 2 0 0 c m /秒程度の 速度、 2 0 〜 2 0 0 g程度の荷重) 、 皮膚に塗布 し た。 こ の時の乳 化物の伸び易さ 、 およ び乳化物か ら小さ な塊の出やす さ (ボロ ボ口 感) を調べ、 化粧料と しての利用でき る範囲を決定 し た。
そ の結果を第 2 図に示す。
第 2 図の横軸は絹タ ンパク 水溶液の タ ンパク 濃度 (% ) であ る 。 縦軸は、 油性分率 = 1 0 0 X 油性分 ( g ) / { (絹タ ンパク水溶 液 ( g ) +油性分 ( g ) + W ( g ) } を示す。
Wは、 ゲル化物の濃度が濃い と き、 攪拌時に加えた水の重量であ る 。
乳液ま たは ク リ ーム と して使え る範囲は実線 Aで囲ま れる部分、 好ま し く は B で囲ま れる部分であ る。
〔実施例 4 〕
• 絹 タ ンパク の水性ゲルの作成 :
家蚕の繭層 3 0 0 g を炭酸ナ ト リ ウ ム 6 g 、 水 1 2 1 の沸騰液 ( 約 1 0 0 °C ) に浸漬 し 、 6 0 分で精練 し た。
こ の絹糸 1 5 0 g を塩化カ ルシ ウム 3 9 2 g 、 水 5 0 8 g 、 エ タ ノ ール 3 2 5 g の液に溶解 し た。
溶解の温度は 7 5 〜 8 5 °C、 時間は 2 時間であ る 。
透析は始め 2 日間は水道水、 その後に純水で 2 日 間 8 回にわた り 取 り 替えた。
絹 タ ンパク 水溶液の電気泳動像から フ ィ プロ イ ンの H鎖、 L 鎖は 確認できず、 ゲルク ロ マ ト グラ フ ィ ー に よ る平均分子量は約 1 3 万 であ っ た。
得 られた 9 . 4 1 %濃度の絹 夕 ンパク 水溶液を水で希釈 し 、 他に 3 . 1 2 %、 0 . 2 0 %の絹タ ンパク水溶液を作成 し た。
こ れ ら の絹タ ンパク 水溶液を ビーカ ー に入れ、 恒温室に置いてゲ ル化時間を調べた。
1 2 0 °C についてはォ一 ト ク レー ブを用 いた。
ゲル化の確認は、 絹夕 ンパク 水溶液が乳白色にな る ので分かる が 、 ビーカ 一を傾けた時に絹タ ンパク水溶液が ビーカ ーか ら こ ぼれな い場合を基準と し た。
しか し 、 絹タ ンパク水溶液の濃度が 3 %程度以下では、 ゲルの状 態は、 非常に も ろ く 、 傾けただけでこ ぼれ落ち るので、 こ の場合は 、 ゲルに含ま れてい る気泡に注 目 し、 ゲルを水平に対 し 1 0 〜 3 0 0 傾けて も気泡が動かない時をゲル化点 と し た。
その結果を第 3 図に示す。
絹タ ンパク水溶液は、 5 0 〜 8 0 °Cの温度では約 2 〜 4 日 でゲル 化する。
ゲル化時間は、 熱や攪拌等の剪断力を受け る こ と に よ っ て変化す る 。
〔比較例〕
• セ リ シ ン水溶液に よ る油性分の乳化
家蚕繭層 ( 5 . 0 g ) を数枚に分離 し 、 こ れを 4 0 倍量 ( 2 0 0 g ) の 8 M ウ レァ水、 8 0 °C に 1 5 分浸漬 し、 よ く 攪拌 し た。
こ の精練に よ る練減は 2 1 . 2 %であ っ た。
こ の精練液を 5 0 倍量の純水で透析 ( 2 時間 ごと に 4 回) し た。 こ の液は透析終了後の濃度は 0 . 2 5 %で、 すでにゲル化 してい た。
ゲル化 してい る セ リ シ ンは昇温すればセ リ シ ン水溶液 と な る。
こ の液を煮沸 し 、 煮沸時間を変え た。
こ のよ う に して得たセ リ シ ン濃度 1 . 8 5 %、 3. 2 % , 5 . 4 8 %の水溶液作成 し た。
濃度 3 . 2 4 % , 5 . 4 8 %の水溶液は煮沸中で も沈澱物が浮遊 してい る 。
こ れ ら のセ リ シ ン水溶液にオ リ 一 ブ油を加え攪拌 し た。
攪拌に よ っ て乳化 し た乳化物を手に伸ば して手触り や伸びやす さ か ら化粧品 と しての判定を行っ た。
その結果、 濃度が 6 %未満の範囲においては、 乳化物を得る こ と がで き た も のの、 フ ィ プロ イ ンを主成分 とする絹タ ンパク 水溶液を 用 いた場合に比較 し、 使用時の温度が高い と軟ら か く 、 温度が低い と硬 く な り 易い。
セ リ シ ン水溶液を乳化剤 と して使用す る場合、 その濃度は 0 . 1 % ~ 6 %の範囲で使用可能であ るが、 好ま し く は数 0 . 1 %〜 4 % 、 さ ら に好ま し く は 0 . 1 %カヽ ら 2 %であ る 。
セ リ シ ン水溶液にフ イ ブロ イ ンが混合さ れる割合が大き く な る に 従 っ てその濃度を高 く する こ と がで き る 。
〔試験例〕
• (試験例 1 ) 皮膚刺激性
本発明の乳化ク リ ーム と絹夕 ンパク水溶液を使用 していない他 2 社の化粧ク リ ーム (各 1 点) について、 皮膚刺激性に関す る パ ッ チ テス ト を行っ た。
本発明の乳化 ク リ ーム と して、 実施例 4 の方法で得た絹 タ ンパク 濃度が 4 . 5 %の絹タ ンパク の水性ゲル (絹ゲル) を用いて、 表 1 に示す化粧用素材およ び量割合で混合 し、 攪拌 して絹ク リ ーム と し た。
こ れ ら 3 点につ いて、 女子 1 0 名 (ア レルギーを持つ 1 0 代 1 人 、 2 0 代 4 人、 3 0 代 3 人、 4 0 代 2 人) を対象と し たパ ッ チテス ト を行な っ た。
ノヽ " ツ チテ ス 卜 では Finn-Chamberを用 いて、 腕の内側部に絹 ク リ 一 ム、 A社 と B 社の ク リ ームを貼付 し、 4 8 時間後と 7 2 時間後に皮 膚反応を判定基準に従 っ て判定 (中川昌次郎 : 接触性皮膚炎の診寮 • 臨床免疫) し た。
貼付後の 4 8 時間後 と 7 2 時間後に、 貼付 し た部分の肉眼観察で 、 刺激の程度を表 2 の よ う に判定 して、 評点 し 、 各試料の評点の合 計を被験者数で割 っ て 1 0 0 倍に算出 し 、 刺激指数 と して表 3 に示 し た。
表 3 か ら絹ク リ ーム には皮膚刺激性はみ られないが、 絹タ ンパク の入 っ てい ない他社の ク リ 一ム に は皮膚刺激性が見 られた。
• (試験例 2 )
非結晶性絹フ ィ ブロ イ ンを主成分 とす る絹タ ンパク の細胞生育促 進性
家蚕の繭層 5 . O g を 2 0 0 m l の 8 0 ° (:、 8 M ウ レァ水に浸漬 、 攪拌 して精練 し た。
精練時間は ( 1 ) 2 0 分と ( 2 ) 1 0 分で、 それぞれの練減は ( 1 ) 2 5 . 8 %、 ( 2 ) 2 1 . 2 %であ っ た。
ま た、 繭層 5 . O g を 2 0 0 m l の水で ( 3 ) 3 0 分、 ( 4 ) 1 5 分煮沸精練 し た。
それぞれの練減は ( 3 ) 1 6 . 0 %、 ( 4 ) 8 . 7 %であ っ た。 精練 し ていな い繭層を ( 5 ) と し た。
( 1 ) は ほ と んどのセ リ シ ンが除かれ、 9 9 %以上がフ イ ブロ イ ン と考え ら れる 。
( 1 ) ~ ( 5 ) の絹タ ンパク にお け る セ リ シ ン含有量の値を得る ため、 こ れ ら を水 1 0 0 m 1 に炭酸ナ ト リ ウ ム 0 . 0 5 g入れた煮 沸液に 9 0 分浸潰 し、 充分に攪拌 し 、 精練 し た。
精練後の重量減をセ リ シ ン量 と して計算 し た。
ま た、 セ リ シ ン蚕繭層 〔セ リ シ ン 1 0 0 % とす る ( 8 ) 〕 を家蚕 糸繭層 に添加 して、 セ リ シ ン割合 5 0 . 0 % ( 6 ) 、 7 5 . 0 % ( 7 ) を作 っ た。
絹の細胞培養容器への コ ー ト は次の よ う に行っ た。
これ ら ( 1 ) ~ ( 8 ) の絹タ ンパク各 0 . O l gを 9 M L i S C N 1 . 0 m 1 に溶解 し、 各溶解液を 5 0 倍量の水で 5 回透析 し 、 透 析後の各絹タ ンパク 0 . 0 0 2 5 %溶液 l m 1 を細胞培養用の シ ャ ー レ ( 3 5 m m 0 、 フ ァ ノレ コ ン) に入れ、 風乾 し、 P B S 2 m l で 3 回洗 っ たの ち再度風乾 し、 7 0 %エ タ ノ ー ルで滅菌 し た。
細胞は ク ラ ボウ (株) か ら購入 し た ヒ ト皮膚線維芽細胞を使用 し た。
培地は ク ラ ボウ か ら購入 し た皮膚線維芽細胞増殖用低血清培地を 使用 し た。
培養は絹夕 ンパク を コ ー ト し た シ ャ ー レ 1 枚につ き培地 2 m 1 を 入れ〜 7 万の細胞を接種 して 3 日間培養 し た。
細胞数の測定は シ ャ ー レ 1 枚につ き ア ラ マ ブルー ( I W A K I ) 0 . 1 m l を入れ、 3 7 °Cで 2 時間後に 5 7 0 n m、 6 0 0 n mの 吸光度か ら計算 し た色素の還元量を生育細胞数と した。
絹タ ンパク を コ ー ト し なかっ た シ ャ ー レを対照区 ( 1 0 0 % ) と し、 絹 タ ンパク を コ 一 ト し た シ ヤ ー レ の細胞生育数を表 4 示 し た。 絹夕 ンパク を コ 一 卜 した場合、 セ リ シ ンの含有率の違い にかかわ らず、 いづれ も対照区に対 して細胞生育が優れていた。
• (試験例 3 ) フ イ ブ口 イ ン の分子量 と細胞生育促進性
水 1 , 0 0 0 c c 中に炭酸ソ ーダ 0 . 5 gを入れ、 煮沸 ( 1 0 0 °C ) し、 煮沸中に家蚕の繭層 1 0 . 0 g を浸漬、 攪拌、 して精練 し た。
精練時間は ( 1 ) 5 分、 ( 2 ) 2 0 分、 ( 3 ) 6 0 分、 ( 4 ) 1 3 0 分、 ( 5 ) 1 8 0 分 と し た。
それぞれの練減は ( 1 ) 2 2 . 3 % ( 2 ) 2 4 . 5 %、 ( 3 ) 2 5 . 1 %、 ( 4 ) 2 5 . 5 % , ( 5 ) 2 6 . 2 %であ っ た。
( 4 ) と ( 5 ) は 9 9 %以上がフ イ ブ口 イ ン と考え られる。
こ れ ら の絹タ ンパク について分子量 (重量平均) と細胞生育性 と の関係を調べた。
平均分子量測定はゲルク ロ マ ト グラ フ ィ 一力 ラ ムを用 い、 試料を 8 Mゥ レア Z 4 0 m M Tris-H 2 SO 4 ( p H 8 ) で溶出 し ( 0 . 6 m l / m i n ) 、 2 7 5 n mでモニ タ 一 し た。
分子量則定用 の カ ラ ム は Superdex 200 Prep grade (フ ァ ノレ マ シ ァ) を使用 し た。
次に、 ( 1 ) 〜 ( 5 ) の細胞生育性につ いては次の よ う に測定 し た。
ま ず、 絹の細胞培養容器への コ 一 ト は次のよ う に行っ た。
( 1 ) 〜 ( 5 ) の絹タ ンパク各 0 . 0 1 g を 9 M LiSCN 1 m 1 に溶 解 し、 各溶解液を 5 0 倍量の水で 4 回透析 し、 絹 タ ンパク 水溶液 と し た。
こ れ ら各絹タ ンパク の 0 . 0 0 2 5 %溶液 l m 1 を細胞培養用の シ ャ ー レ ( 3 5 m m 0 、 フ ァ ノレ コ ン) に入れ、 風乾 し、 P B S 2 m 1 で 3 回洗っ たの ち再度風乾 し、 Ί 0 %エ タ ノ ー ルで浸潰 して滅菌 し た。
細胞は ク ラ ボウ (株) か ら購入 し た ヒ ト皮膚線維芽細胞を使用 し た、 培地は ク ラ ボウ か ら購入 し た皮膚線維芽細胞増殖用低血清培地 を使用 し た。
培養は絹タ ンパク を コ ー 卜 し た シ ャ ー レ 1 枚につ き培地 2 m 1 を入 れ〜 7 万の細胞を接種 して 3 日 間培養 し た。
細胞数の測定は シ ャ ー レ 1 枚につ き培地 2 m 1 、 ア ラ マ ブル一 ( I WAK I ) 0 . 1 m 1 を入れ、 3 7 °Cで 2 時間後に 5 7 0 n m、 6 0 0 n mの吸光度か ら計算 した色素の還元量を生育細胞数と し た。 絹タ ンパク を コ ー ト し なかっ た シ ャ ー レを対照区 ( 1 0 0 % ) と し 、 絹タ ンパク を コ ー ト した シ ャ ー レ の細胞生育数を第 4 図に示 し た。
フ ィ プロ イ ン の分子量が低下す る に し たがっ て、 細胞生育性 も低 下 し たが、 フ ィ プロ イ ンの分子量約 2 万以上では細胞生育促進性を 有 してい る 。
以上、 本発明を説明 してき たが、 本発明は上記実施形態にのみ限 定さ れる も のではな く 、 明細書記載の作用効果を得れる 限 り 種々 の 変更例が可能であ る 。
例えば、 食品用 (チ ョ コ レ ー ト 乳化剤等) 、 医療用 (軟膏等) 、 洗浄用 (洗剤等) 及びその他の分野への利用 も可能な こ と はい う ま で も な い。
産業上の利用可能性
本発明は、 蛋白質系乳化剤およ び該乳化剤を用 いて乳化化粧料を 製造する方法に関す る も のであ る が、 その原理を逸脱 し ない限 り 、 如何な る化粧用 に対 して も採用可能であ り 、 同様な効果を期待出来 る分野であれば、 例えば、 食品分野、 医療分野、 洗浄用分野等の分 野で適用可能であ る 。
絹クリームの混合割合
絹ゲル 8 1. 0 (g) オリ一ブ油 (スクラワン) 7. 5 ホホバ油 7. 5 グリセリン 2. 8 トコフエロール 0. 5 グリチル (κ2) 0. 5
0. 2
表 2 パッチテストの刺激判定と評点
表 3 パッチテストによる刺激指数
4 8時間後 7 2時間後
A社クリーム 1 0 2 0
B社クリーム 1 0 1 5 絹クリーム 0 0
セリシン含有と細胞生育性 細胞 音蜜 (%) 対 照 区 1 00
絹タンパク セリシン含有率 (%)
(1) 0. 0 269
(2) 5. 4 270
(3) 1 1. 7 252
(4) 1 9. 3 265
(5) 26. 5 2 1 8
(6) 50. 0 233
(7) 75. 0 244
(8) 1 00. 0 256