WO2026062995A1 - 接合体および半導体製造装置 - Google Patents

接合体および半導体製造装置

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Abstract

接合体は、セラミックで形成された第1部材と、セラミックまたは金属で形成された第2部材と、第1部材と第2部材との間に配置されるIn(インジウム)とSn(スズ)とのいずれか一方を主成分とする接合層であって、Ti(チタン)とHf(ハフニウム)とZr(ジルコニウム)とのいずれか1つとを含む接合層と、を備え、接合層はTiとHfとZrとのいずれか1つを含む化合物を有し、第1部材と接合層と第2部材とが積層された積層方向に沿った断面において、第1部材と接合層との間に形成される第1界面領域における化合物が占める面積比が6%以上60%以下である。

Description

接合体および半導体製造装置
 本発明は、接合体および半導体製造装置に関する。
 接合材を含む接合層によって2つの部材が接合された接合体が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載された接合層は、インジウム(In)を主成分とする接合材と、メッシュ部材で形成され、接合材が入り込んでいる金属層とを備えている。
特許第7498283号公報
 接合における重要な課題の1つは、接合される部材および接合材の熱膨張係数の違いを起因とする残留応力の低減である。特に、セラミックと金属材料とが接合される場合には、この2つの材料の熱膨張差は大きい。また、異なる種類のセラミック同士が接合される場合に、熱膨張差は、接合界面に残留するため、脆性材料であるセラミックは残留応力の影響を受けやすい。例えば、アルミナと金属材料とが接合される場合には、アルミナと近い熱膨張係数を有する42アロイが接合材として用いられたり、軟質材料として薄いCu・Ag箔が用いられていた。
 特許文献1に記載されているように、接合材として融点が低いInを用いることで、低温での接合が可能になる。Inが軟質な金属であるため、熱膨張係数差に起因して発生する残留応力が低減される。しかしInやSn(スズ)の純金属は、セラミックに濡れづらい。そのため、In等を用いて接合する部材がセラミックの場合には、密着強度を高めるために、接合材とセラミックの界面に何らかの化学的結合などの反応層が必要になる。この点について、特許文献1では、接合層が金属の線材で構成されたメッシュ部材の金属層と、Inを主成分とする接合材とで構成されることにより、密着強度を高めている。しかしながら、Inを含む接合層における密着強度には向上の余地があった。
 本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、接合性を向上させ、熱膨張係数の差に起因する残留応力を低減した接合体を提供することを目的とする。
 本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態として実現できる。
(1)本発明の一形態によれば、接合体が提供される。この接合体は、セラミックで形成された第1部材と、セラミックまたは金属で形成された第2部材と、前記第1部材と前記第2部材との間に配置されるIn(インジウム)とSn(スズ)とのいずれか一方を主成分とする接合層であって、Ti(チタン)とHf(ハフニウム)とZr(ジルコニウム)とのいずれか1つを含む接合層と、を備え、前記接合層は、前記TiとHfとZrとのいずれか1つを含む化合物を有し、前記第1部材と前記接合層と前記第2部材とが積層された積層方向に沿った断面において、前記第1部材と前記接合層との間に形成される第1界面領域における前記化合物が占める面積比が6%以上60%以下である。
 この構成によれば、第1部材と第2部材とは、接合層によって接合される。接合層では、セラミックに対して濡れ性が悪いInやSnと、活性金属であるTiとHfとZrとのいずれか1つで形成される化合物が含まれている。この化合物が、第1部材と接合層との間に形成される第1界面領域に占める面積比は、6%以上60%以下である。すなわち、活性金属を含む化合物が第1界面領域に一定量存在するため、セラミックからなる第1部材に対するInまたはSnを主成分とする接合層の濡れ性が良くなり、第1部材との接合性が向上する。さらに、InやSnの融点が低いため、低温で第1部材と第2部材とが接合される。InおよびSnは軟質な金属であるため、熱膨張係数の差に起因する接合体における残留応力が低減される。これにより、第1部材と第2部材との接合性が向上する。
(2)上記形態の接合体において、前記面積比は、6%以上30%以下であってもよい。
 この構成によれば、Ti等の活性金属の含有量が多いと活性金属が酸化するおそれがあるが、第1界面領域における面積比の上限が制限されることにより、活性金属の酸化が抑制される。これにより、第1部材と接合層との接合性が向上する。
(3)上記形態の接合体において、前記第2部材は、金属で形成され、表面に金属コーティング層を有し、前記金属コーティング層は、前記接合層に含まれるInまたはSnと金属間化合物を形成し、前記積層方向に沿った断面において、前記第2部材と前記接合層との間に形成される第2界面領域のX線回折における前記金属間化合物のそれぞれのピーク強度の合計が、InまたはSnのピーク強度の0.7未満であってもよい。
 この構成によれば、例えば第2部材がAl合金等のInやSnによる濡れ性が悪い場合であっても、表面にInに対して濡れ性の良い金属コーティング層を備えるため、第2部材と接合層との接合性が向上する。さらに、第2部材と接合層との間に形成される第2界面領域において、第2部材表面の金属コーティング層と接合層の主成分であるInとSnとのいずれか一方とにより金属間化合物が形成され、X線回折における金属間化合物のピーク強度の合計は、InまたはSnのピーク強度の0.7未満である。すなわち、第2界面領域における金属間化合物が存在する割合は、接合層の主成分であるInまたはSnに対して少ない。第2界面領域において、もろい金属間化合物の存在が制限されることで、接合層の強度が向上する。
 なお、本発明は、種々の態様で実現することが可能であり、例えば、接合体、保持装置、静電チャック、半導体製造装置、およびこれらを備えるシステム等、接合体の製造方法、半導体製造装置の製造方法等の形態で実現できる。
第1実施形態の静電チャックの外観を示す概略斜視図である。 静電チャックの概略断面図である。 第1界面領域と第2界面領域との説明図である。 第1界面領域の定義についての説明図である。 本実施形態の静電チャックの製造方法のフローチャートである。 第1界面領域の接合層化合物の面積比と評価結果との関係についての説明図である。 第2界面領域のX線回折のピーク比についての説明図である。
<実施形態>
 図1は、第1実施形態の静電チャック(接合体)1の外観を示す概略斜視図である。図2は、静電チャック1の概略断面図である。本実施形態の静電チャック1は、例えば、エッチング装置に備えられ、ウエハWを静電引力により吸着することで保持する保持装置であり、半導体製造装置とも換言できる。静電チャック1は、図1に示されるように、セラミックで形成されたセラミック部材(第1部材)10と、金属で形成された金属部材(第2部材)20と、接合層30と、を備える。静電チャック1では、z軸方向(上下方向)に、セラミック部材10、接合層30、金属部材20の順に積層されている。静電チャック1では、接合層30を介して、セラミック部材10と金属部材20とが接合されている。
 セラミック部材10は、略円形状の板状部材であり、アルミナ(Al)により形成されている。セラミック部材10の直径は、例えば、50mm~500mm程度(通常は200mm~350mm程度)であり、セラミック部材10の厚さは、例えば、1mm~10mm程度である。
 図2に示されるように、セラミック部材10は、積層方向に沿って、面積の異なる2つの円板形状である上部11および下部12が組み合わされて形成されている。図2に示されるように、上部11は、セラミック部材10において、z軸正方向側に位置する。面方向において、上部11の面積は、下部12の面積よりも小さい。なお、セラミック部材10を形成するセラミックは、窒化アルミニウム(AlN)、ジルコニア(ZrO)、窒化珪素(Si)、炭化珪素(SiC)、イットリア(Y)などであってもよい。
 上部11の内部には、円板状のチャック電極100が配置されている。本実施形態のチャック電極100は、導電性材料(例えば、タングステンやモリブデン等)により形成されている。チャック電極100は、図示されていない電源から電力が供給されることによって静電引力(吸着力)を発生させる。静電引力により、ウエハWがセラミック部材10の上面である載置面に吸着固定される。
 金属部材20は、ステンレス鋼により形成される略円形平面状の板状部材である。金属部材20の直径は、例えば、220mm~550mm程度(通常は220mm~350mm)であり、金属部材20の厚さは、例えば、20mm~40mm程度である。金属部材20の内部には、図2に示されるように、冷媒流路200が形成されている。冷媒流路200に、例えば、フッ素系不活性液体や水などの冷媒が流れると、接合層30を介してセラミック部材10が冷却され、セラミック部材10に載置されたウエハWが冷却される。なお、金属部材20を形成する金属の種類は、銅(Cu)、アルミニウム(Al)、アルミニウム合金、チタン(Ti)、チタン合金などであってもよい。
 接合層30は、セラミック部材10と金属部材20との間に配置されており、セラミック部材10と金属部材20とを接合する。本実施形態では、接合層30は、インジウム(In)とスズ(Sn)とのいずれか一方を主成分として含んでいる。なお、本実施形態における主成分とは、85wt%以上を含む成分のことを言う。また、接合層30は、Tiとハフニウム(Hf)とジルコニウム(Zr)とのいずれか1つと、これらの化合物(以降、「接合層化合物」とも言う)を含んでいる。本実施形態における接合層化合物とは、酸化物、セラミック部材10(第1部材)との反応物、InとSnとのいずれか一方との化合物(固溶体、金属間化合物)がある。
 図3は、セラミック部材10と接合層30との間に形成される第1界面領域AR1と、金属部材20と接合層30との間に形成される第2界面領域AR2との説明図である。図3には、図2における領域RGの拡大断面図が示されている。本実施形態のセラミック部材10と、金属部材20と、接合層30とは、それぞれ別に用意されて焼成により接合されている。焼成により形成される第1界面領域AR1は、セラミック部材10を形成するセラミックと、接合層30に含まれる活性金属とが反応する境界領域である。第2界面領域AR2は、金属部材20を形成する金属と、接合層30を形成するIn等とが混ざり合った境界領域である。
 図4は、第1界面領域AR1の定義についての説明図である。図4には、第1界面領域AR1の拡大断面図が示されている。セラミック部材10と接合層30との境界BDは、図4に示されるように、必ずしも積層方向に直交する平面(断面では直線)ではなく、曲面(断面では曲線)として表れる場合がある。この場合に、本実施形態では、積層方向に直交する方向に沿って等間隔に、境界BD上の10個の点Ptが取得される。取得された10個の点Ptに対して最小二乗法が用いられ、仮想平面PLが算出される。仮想平面PLからセラミック部材10側に距離L1離れた平面と、仮想平面PLとの間に形成される領域が、第1界面領域AR1として決定される。なお、第2界面領域AR2の決定方法も、第1界面領域AR1と同じように、仮想平面と、仮想平面から金属部材20側に所定距離だけ離れた平面との間に形成される領域である。
 本実施形態では、第1界面領域AR1において、接合層化合物が占める面積比が6%以上60%以下である。なお、第1界面領域AR1において、接合層化合物以外では、Inなどの金属単体、およびポアが存在する。なお、第1界面領域AR1において、接合層化合物が占める面積比は、6%以上30%以下だと更に好ましい。
 図5は、本実施形態の静電チャック1の製造方法のフローチャートである。図5に示される製造フローでは、初めに、セラミック部材10および金属部材20のそれぞれが接合されていない別々の部材として準備される(ステップS1)。接合前のセラミック部材10の内部にはチャック電極100が配置されている。また、接合前の金属部材20には、冷媒流路200が形成されている。
 準備されたセラミック部材10の一方の面に、接合層の元となる接合ペーストが印刷される(ステップS2)。接合ペーストの成分としては、InまたはSnを主成分として、Ti,Hf,およびZrのいずれかを0.05wt%以上12wt%以下含んでいる。接合ペーストが印刷されたセラミック部材10を乾燥させる(ステップS3)。乾燥処理は、例えば、大気中、摂氏70度(℃)で30分間行われる。次に、乾燥処理後のセラミック部材10を焼き付けする(ステップS4)。焼き付け処理は、例えば、真空中、400℃以上600℃以下の温度で30分間行われる。
 ステップS1で準備された金属部材20の一方の面に、金(Au)等のコーティングが行われる(ステップS5)。コーティング処理では、例えば、Au,銀(Ag),Cu,プラチナ(Pt),およびパラジウム(Pd)のいずれかの金属またはこれらの合金が、厚さ0.5μm以上1.0μm以下の範囲で蒸着される。蒸着以外の方法として、メッキやスパッタによりコーティングが行われてもよい。なお、コーティング処理により金属部材20の表面に形成された金属または合金の層は、金属コーティング層に相当する。コーティング処理後の金属部材20に対してアニールが行われる(ステップS6)。アニール処理は、例えば、真空中、200℃以上400℃以下の温度で行われる。
 ステップS4で焼き付け処理されたセラミック部材10と、ステップS6でアニール処理された金属部材20とが接合される(ステップS7)。セラミック部材10の一対の面のうち、接合ペーストが印刷された面と、金属部材20の一対の面のうち、コーティング処理が行われた面とが接した状態で、例えば、真空中、200℃以上600℃以下で焼成されることで、接合処理が行われる。この時、セラミック部材10と金属部材20との間にIn箔を介在させた状態で接合させてもよい。なお、焼成時の雰囲気は、窒素雰囲気下やアルゴン(Ar)雰囲気下であってもよい。接合処理後の接合体に寸法に合わせた加工が行われることで静電チャック1が製造される。
 図6は、実施例1~17および比較例1~6における第1界面領域AR1の接合層化合物の面積比と評価結果との関係についての説明図である。図6に示されるように、「密着強度」と、破断面の破壊形態である「破面」と、焼き付け後(図5のステップS4)の接合ペーストの表面の「外観」との3つの結果から、それぞれのサンプルは、「判定」欄においてA~Dの4段階によって評価された。各サンプルの接合ペーストの組成比(wt%)は、図6に示される通りである。
 密着強度は、φ10mm、長さ10mmのSUS丸棒を用いた第1界面領域AR1の密着強度試験で得られた数値である。密着強度試験では、セラミックに、In-Ti等のペーストを印刷・乾燥後に焼き付けたサンプルに対して片持ち曲げ強度試験が行われる。破面の評価は、破断させた場合の破断面におけるInまたはSnの残存率を画像処理により面積比を算出し、算出された面積比に応じて、下記のようにA~Dの4段階で評価した。なお、金属間化合物の強度は、InおよびSnの強度よりも小さいため、接合層30に金属間化合物が多く含まれると、最も強度が低い金属間化合物の部分が破断し、破断面には金属間化合物が多く含まれる。一方で、金属間化合物の含有量が少ないと、軟質な金属であるInやSnの部分が破断する。換言すると、破断面に含まれるInまたはSnの割合が多いほど金属間化合物の残存率が少なく、接合層30の強度が高いことを表す。そのため、破断面におけるInまたはSnの面積比が多いほど好ましい。
A:残存率が60%以上
B:残存率が30%以上60%未満
C:残存率が0%よりも大きく30%未満
D:残存率が0%
 外観は、セラミック部材10と金属部材20とが接合される前の焼き付け後の接合ペーストの外観である。活性金属であるTi等が酸化すると、外観に酸化に伴う曇りが生じる。活性金属が酸化すると接合層30の接合強度が低下するため、外観は、活性金属が酸化せずに金属光沢を有していることが好ましい。外観の評価では、「金属光沢」、または多少の曇りがある「曇り」を合格と判定した。なお、図6に示される全サンプルの焼き付け処理は、600℃で30分間、真空雰囲気下で行われている。接合層化合物の面積比は、図4に示される距離L1が15μmとして設定された場合の第1界面領域AR1における接合層化合物の面積比として算出された。
 図6に示されるサンプル判定では、破面の評価がB以上であり、かつ、外観が金属光沢または曇りである場合に、合格のA,B,Cと判定した。一方で、破面の評価がC以下、または、外観が不合格の「酸化・曇り」である場合に、サンプル判定が不合格のDとして評価された。
 図6に示されるように、第1界面領域AR1における接合層化合物の面積比が6%以上60%以下である実施例1~17のサンプルでは、破面の評価がA,Bの合格であった。特に、当該面積比が6%以上30%以下の実施例1~12のサンプルでは、いずれも外観が「金属光沢」であり、サンプル判定がAまたはBであった。一方で、当該面積比が6%未満の比較例1~4では、破面の評価がCまたはDであり、サンプル評価がDであった。また、当該面積比が60%を超える比較例5,6では、破面の評価がBであったものの、外観で酸化が確認された「酸化・曇り」であり、サンプル評価がDであった。比較例1~6のサンプルの密着強度は、20MPa未満であり、20MPa以上の実施例1~17の密着強度よりも小さかった。
 図7は、実施例18~32および比較例7~9における第2界面領域AR2のX線回折(XRD)のピーク比ついての説明図である。図7には、第2界面領域AR2において、InまたはSnのXRDのピークに対する金属間化合物のそれぞれのピーク強度の合計が「ピーク比」として示されている。また、図7には、第1界面領域AR1における接合層化合物の面積比である「接合層化合物面積比(%)」と、金属部材20の製造時のコーティング処理(図5のステップS5)で蒸着された金属のコーティング層の種類および膜厚を表す「コーティング(μm)」と、コーティング処理後のアニール処理(ステップS6)におけるアニール温度を表す「前熱処理(℃)」と、熱伝導試験の判定結果である「熱伝導試験判定」とが示されている。「ピーク比」が小さいことは、もろい金属間化合物の残存量が少ないことを表し、好ましい状態である。「熱伝導試験判定」は、接合体に対して、-40℃から110℃に変化する冷熱サイクルが1000回行われた各サンプルを、100℃に加熱されたホットプレートに載せて熱伝導が判定された。熱伝導試験では、放射温度計にて、接合体の表面温度と温度分布とが測定され、下記のように判定された。
A:2秒以内に表面全体の温度分布が100℃に達した
B:2秒以内に表面の一部の温度が100℃に達した
C:2秒以内に表面全体において100℃に達する部分が存在しなかった
 図7に示される実施例18~32および比較例7~9の各サンプルでは、接合前のセラミック部材10の接合面に、InまたはSnとTiとから成るペーストが印刷され(図5のステップS2)、乾燥後に(ステップS3)、600℃で30分間焼き付けられている(ステップS4)。各サンプルの接合ペーストの組成比(wt%)は、図7に示されるように、比較例9以外のサンプルでは、活性金属として、同じ割合である2.00wt%のTiが含まれている。
 XRDにおける金属間化合物のそれぞれのピーク強度の合計をInまたはSnのピーク強度で除した図7における「ピーク比」が0.7未満である実施例18~32では、「熱伝導試験判定」の結果がAまたはBであった。そのうち、「ピーク比」が0.2未満の実施例18~21の「熱伝導試験判定」の結果がAと優れていた。一方で、「ピーク比」が0.7以上である比較例7~9の「熱伝導試験判定」の結果はCであった。
 以上のように、本実施形態の静電チャック1では、接合層30は、セラミック部材10と金属部材20との間に配置されており、セラミック部材10と金属部材20とを接合する。接合層30は、InとSnとのいずれか一方を主成分として含んでいる。接合層30は、TiとHfとZrとのいずれか1つと、これらで形成される接合層化合物を含んでいる。セラミック部材10と接合層30との間に形成される第1界面領域AR1において、接合層化合物が占める面積比が6%以上60%以下である。本実施形態の接合層30では、セラミック部材10に対して濡れ性が悪いInやSnと、活性金属であるTiとHfとZrとのいずれか1つで形成される接合層化合物が含まれている。接合層化合物が、第1界面領域AR1に占める面積比は、6%以上60%以下である。すなわち、活性金属を含む接合層化合物が第1界面領域に一定量存在するため、セラミック部材10に対するInまたはSnを主成分とする接合層30の濡れ性が良くなり、セラミック部材10と接合層30との接合性が向上する。さらに、InやSnの融点が低いため、低温でセラミック部材10と金属部材20とが接合される。InおよびSnは軟質な金属であるため、熱膨張係数の差に起因する接合体における残留応力が低減される。これにより、セラミック部材10(第1部材)と金属部材20(第2部材)との接合性が向上する。
 また、図6に示される実施例1~12では、第1界面領域AR1において接合層化合物が占める面積比は、6%以上30%以下である。本実施形態では、Ti等の活性金属の含有量が多いと活性金属が酸化するおそれがあるが、第1界面領域AR1における面積比の上限が制限されることにより、活性金属の酸化が抑制される。これにより、セラミック部材10と接合層30との接合性が向上する。
 また、図7に示される実施例18~32では、XRDにおける金属間化合物のそれぞれのピーク強度の合計をInまたはSnのピーク強度で除した図7における「ピーク比」が0.7未満であった。このことから、本実施形態では、第2界面領域AR2における金属間化合物が存在する割合は、接合層の主成分であるInまたはSnに対して少ないことがわかる。第2界面領域AR2において、もろい金属間化合物の存在が制限されることで、接合層30の強度が向上する。
<本実施形態の変形例>
 本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
 上記実施形態では、接合層30がInとSnとのいずれか一方を主成分として含み、かつ、TiとHfとZrとのいずれか1つと、これらで形成される接合層化合物を含み、第1界面領域AR1における接合層化合物の面積比が6%以上60%以下である接合体の範囲で変形可能である。接合層30が含む金属の種類や金属の割合については、例えば、図6や図7に記載された実施例1~32のように変形可能である。上記実施形態では、接合層30を介してセラミック部材10に接合される第2部材が、金属部材20であったが、セラミックで形成されたセラミック部材であってもよい。この場合、第2界面領域AR2において接合層化合物が6%以上60%以下の面積比となるように形成されるため、接合層30と金属部材20(第2部材)との接合性が向上する。
 図5に示される静電チャック1の製造フローでは、第1界面領域AR1における接合層化合物が6%以上60%以下となる接合体の製造フローの一例であり、図5の製造フロー以外の製造方法で、接合体が製造されてもよい。例えば、乾燥処理(ステップS3)と、焼き付け処理(ステップS4)と、アニール処理(ステップS6)と、接合処理(ステップS7)とにおける温度条件や雰囲気条件は周知技術の範囲で変形可能である。また、印刷処理(ステップS2)において印刷される接合ペーストの成分比についても、第1界面領域AR1における接合層化合物の面積比が6%以上60%以下となる範囲で変形可能である。コーティング処理(ステップS5)でコーティングされる金属の種類や金属の膜厚についても、第2界面領域のX線回折における金属間化合物のそれぞれのピーク強度の合計が、InまたはSnのピーク強度の0.7未満となる範囲で変形可能である。
 上記実施形態の静電チャック1は、接合体であり、半導体製造装置でもあったが、接合体と半導体製造装置との関係については変形可能である。例えば、半導体製造装置は、静電チャックと、静電チャックのチャック電極100に電力を供給する電源と、静電チャックの冷媒流路200に冷媒を供給する冷媒供給部とを備えていてもよい。この場合に、静電チャックは、接合体と、内部にチャック電極100が配置された電極部材とを備えていてもよい。この場合に、接合体は、セラミック部材(第1部材)10と、セラミックまたは金属で形成された第2部材と、セラミック部材10と第2部材との間に配置された接合層30とを備えていてもよい。
 以上、実施形態、変形例に基づき本態様について説明してきたが、上記した態様の実施の形態は、本態様の理解を容易にするためのものであり、本態様を限定するものではない。本態様は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本態様にはその等価物が含まれる。また、その技術的特徴が本明細書中に必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することができる。
 本発明は、以下の形態としても実現することが可能である。
[適用例1]
 接合体であって、
 セラミックで形成された第1部材と、
 セラミックまたは金属で形成された第2部材と、
 前記第1部材と前記第2部材との間に配置されるIn(インジウム)とSn(スズ)とのいずれか一方を主成分とする接合層であって、Ti(チタン)とHf(ハフニウム)とZr(ジルコニウム)とのいずれか1つを含む接合層と、
を備え、
 前記接合層は、前記TiとHfとZrとのいずれか1つを含む化合物を有し、
 前記第1部材と前記接合層と前記第2部材とが積層された積層方向に沿った断面において、前記第1部材と前記接合層との間に形成される第1界面領域における前記化合物が占める面積比が6%以上60%以下である、
 ことを特徴とする接合体。
[適用例2]
 適用例1に記載の接合体であって、
 前記面積比は、6%以上30%以下である、
 ことを特徴とする接合体。
[適用例3]
 適用例1または適用例2に記載の接合体であって、
 前記第2部材は、金属で形成され、表面に金属コーティング層を有し、
 前記金属コーティング層は、前記接合層に含まれるInまたはSnと金属間化合物を形成し、
 前記積層方向に沿った断面において、前記第2部材と前記接合層との間に形成される第2界面領域のX線回折における前記金属間化合物のそれぞれのピーク強度の合計が、InまたはSnのピーク強度の0.7未満である、
 ことを特徴とする接合体。
[適用例4]
 半導体製造装置であって、
 適用例1から適用例3までのいずれか一例に記載の接合体を備える、
 ことを特徴とする半導体製造装置。
  1…静電チャック(接合体)
  10…セラミック部材(第1部材)
  11…上部
  12…下部
  20…金属部材(第2部材)
  30…接合層
  100…チャック電極
  200…冷媒流路
  AR1…第1界面領域
  AR2…第2界面領域
  BD…境界
  L1…距離
  PL…仮想平面
  Pt…点
  RG…領域
  W…ウエハ

Claims (4)

  1.  接合体であって、
     セラミックで形成された第1部材と、
     セラミックまたは金属で形成された第2部材と、
     前記第1部材と前記第2部材との間に配置されるIn(インジウム)とSn(スズ)とのいずれか一方を主成分とする接合層であって、Ti(チタン)とHf(ハフニウム)とZr(ジルコニウム)とのいずれか1つと、を含む接合層と、
    を備え、
     前記接合層は、前記TiとHfとZrとのいずれか1つを含む化合物を有し、
     前記第1部材と前記接合層と前記第2部材とが積層された積層方向に沿った断面において、前記第1部材と前記接合層との間に形成される第1界面領域における前記化合物が占める面積比が6%以上60%以下である、
     ことを特徴とする接合体。
  2.  請求項1に記載の接合体であって、
     前記面積比は、6%以上30%以下である、
     ことを特徴とする接合体。
  3.  請求項1に記載の接合体であって、
     前記第2部材は、金属で形成され、表面に金属コーティング層を有し、
     前記金属コーティング層は、前記接合層に含まれるInまたはSnと金属間化合物を形成し、
     前記積層方向に沿った断面において、前記第2部材と前記接合層との間に形成される第2界面領域のX線回折における前記金属間化合物のそれぞれのピーク強度の合計が、InまたはSnのピーク強度の0.7未満である、
     ことを特徴とする接合体。
  4.  半導体製造装置であって、
     請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の接合体を備える、
     ことを特徴とする半導体製造装置。
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