JP2000220049A - 潜在伸縮特性を有する長短複合紡績糸 - Google Patents

潜在伸縮特性を有する長短複合紡績糸

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JP2000220049A
JP2000220049A JP11019764A JP1976499A JP2000220049A JP 2000220049 A JP2000220049 A JP 2000220049A JP 11019764 A JP11019764 A JP 11019764A JP 1976499 A JP1976499 A JP 1976499A JP 2000220049 A JP2000220049 A JP 2000220049A
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Satoru Matsunaga
悟 松永
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価に安定して製造することができ、鞘部の
短繊維の風合を持ちながら伸縮特性を有する複合紡績糸
や織編物を得ることができる長短複合紡績糸を提供す
る。 【解決手段】 熱収縮特性の異なるポリエステル重合体
を並列型あるいは偏芯芯鞘型に配して複合された潜在捲
縮性能を有するポリエステル長繊維糸を芯部に配し、そ
の周囲の鞘部に短繊維群を配した構造を有する複合紡績
糸であって、その長繊維糸/短繊維群の混用比率が15/
85〜60/40の範囲である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長繊維糸と短繊維
を芯鞘に配した伸縮特性を持たすことのできる複合紡績
糸に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、衣料用に用いる紡績糸に伸縮
性を付与したものとしてポリウレタン、ポリエーテル等
の高い伸縮特性を示す長繊維糸を芯にして、その周囲に
短繊維を巻付ける複合糸が知られている。その製造方法
としては、上記長繊維糸は高い伸縮特性のためパッケー
ジの解舒張力の変動等のわずかな張力変動で容易に伸長
度が変化し、得られる複合紡績糸の糸軸方向の伸長率や
糸断面直径が変化するため、紡績工程中の精紡機におい
て長繊維にフィードローラー等を介してフィードローラ
ーと精紡機のフロントローラー間に2〜6倍の延伸を掛
け一定張力とし、精紡機のドラフト過程の短繊維束と共
通のフロントローラーに供給し、糸軸方向に一定の重量
の長繊維糸と短繊維が複合して加撚されるといった方法
がとられていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の方
法によれば、芯部の長繊維糸の高い伸縮特性により得ら
れた複合糸は伸縮特性を持つこととなるが、精紡機にお
いて芯部の長繊維糸を延伸するフィードローラーを精紡
機に取付ける必要があり、そのため精紡機の構造が複雑
になり精紡機自体の改造コストが高くなるばかりでな
く、フィードローラーにより芯部の長繊維が積極的に送
り出されるため、フィードローラーと精紡機のフロント
ローラー間で芯部の長繊維糸が外的要因により切断等の
トラブルがあった場合、フィードローラーより送り出さ
れた長繊維糸は精紡機の加撚ゾーンに送り出されること
となり、糸切れを多発させる等、操業面で支障をきたす
といった問題点があった。本発明は、上記のような問題
点を解決し、安価で安定して製造でき、伸縮性を付与す
ることが可能な長短複合紡績糸を提供することを目的と
するものである。
【0004】
【課題を解決する為の手段】本発明者は、このような課
題を解決するために鋭意検討の結果、芯部に潜在捲縮性
能を有するポリエステル長繊維糸を無緊張下で加熱する
ことにより3次元捲縮、いわゆるスパイラル捲縮を発現
する長繊維糸を用いることで、熱処理前はスパイラル捲
縮に起因する伸縮性が発現しないため通常のレギュラー
ポリエステルと同様に芯部の長繊維糸が精紡機のフロン
トローラーに供給されるまでに張力変動が起こっても、
得られた複合紡績糸は糸軸方向への糸断面直径が変化せ
ず、得られた複合紡績糸またはその複合紡績糸で形成さ
れた織編物を熱処理することで糸軸方向へ一定の伸長率
をもつ伸縮特性が発生することを見出し、本発明に到達
した。
【0005】すなわち、本発明は、熱収縮特性の異なる
ポリエステル重合体を並列型あるいは偏芯芯鞘型に配し
て複合された潜在捲縮性能を有するポリエステル長繊維
糸を芯にし、その周囲の鞘部に短繊維群を配した構造を
有する複合紡績糸であって、その長繊維糸と短繊維群の
混用比率が15/85〜60/40の範囲であることを特徴とす
る複合紡績糸を要旨とするものである。
【0006】
【発明の実施形態】以下、本発明を詳細に説明する。本
発明でいう紡績糸の芯部に配するポリエステル長繊維糸
は、図1に示すように熱収縮特性の異なる2種のポリエ
ステル重合体A、Bを並列型あるいは偏芯芯鞘型配して
複合紡糸された潜在捲縮性能を有するポリエステル長繊
維糸であり、熱収縮特性の異なるポリエステル重合体と
しては粘度の異なるポリエチレンテレフタレートの組み
合わせ、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレンテ
レフタレート単位にイソフタル酸、金属スルフォネート
基を有するイソフタル酸、ビスフェノール類、ネオペン
チルグリコール、あるいは1,6-シクロヘキサンジオール
等の第3成分を共重合させたもので、低収縮成分Aと高
収縮成分Bとの割合は重量比で40:60〜60:40の範囲で
あることが望ましい。
【0007】本発明にて用いるポリエステル長繊維糸
は、潜在捲縮性能を有する長繊維糸であり、無緊張下で
加熱することにより3次元捲縮、いわゆるスパイラル捲
縮を発現する糸である。加熱した後に発現する捲縮の特
性としては、沸騰水で30分処理した後の捲縮率が50%以
上で、かつ弾性率が70%以上であるのが好ましい。この
沸騰水で30分処理した後の捲縮率と弾性率は、次の方法
により測定されたものである。
【0008】ポリエステル長繊維を検尺機にて5回巻き
にした綛を二重にして 1/6000g/Dの荷重を掛け、スタン
ドに吊り、さらに 1/10g/Dの荷重を掛けて長さaを測定
する。続いて 1/6000g/Dの荷重を掛けたまま30分間放置
し、次いでこの状態を維持したまま沸騰水中に入れ30分
処理する。その後30分間風乾し、1/500g/Dの荷重を掛け
て長さbを測定する。次に1/500g/Dの荷重を外して、 1
/20g/Dの荷重に掛けかえて長さcを測定する。さらに 1
/20g/Dの荷重を外して、再び1/500g/Dの荷重を掛けて長
さdを測定する。そして、下記の式にて捲縮率と弾性率
を計算する。 捲縮率=((c−d)/c)×100 弾性率=((c−d)/(c−b))×100
【0009】本発明において、沸騰水で30分処理した後
の捲縮率が50%未満であると、捲縮発現後の繊維の伸長
性が乏しく、したがって得られる複合紡績糸及び織編物
に良好な伸長性を付与しにくくなる。また、沸騰水で30
分処理した後の弾性率が70%未満であると、捲縮発現後
の繊維の伸長回復性が低く、したがって得られる複合紡
績糸及び織編物に良好な伸縮性を付与しにくくなる。
【0010】本発明において、鞘部に配する短繊維とし
ては、通常紡績に用いられる繊維であればいずれでもよ
く、綿、麻等の天然繊維、レーヨン等の再生繊維、パル
プを溶剤で溶解し適当な太さに紡糸し適当な長さにカッ
トした溶剤紡糸セルロース繊維、ナイロン、ポリエステ
ル、アクリル等の合成繊維等を用いることができる。本
発明に用いる複合紡績糸においては、芯部を形成するポ
リエステル長繊維糸と鞘部の短繊維群の混用比率が、15
/85〜60/40の範囲でなければならない。芯部のポリエ
ステル長繊維糸の混用重量比が15%未満であると、鞘部
の短繊維群の構成本数が多くなり繊維同士の結束力が大
きくなるため、得られる複合紡績糸及び織編物の伸縮性
が極端に悪くなり、また芯部のポリエステル長繊維糸の
混用重量比が60%を超えると、短繊維群によるポリエス
テル長繊維糸に対する被覆率が極端に悪くなり、前記複
合紡績糸の糸側面に芯部のポリエステル長繊維糸の露出
部分が多く現れるため、織編物にしたときの手触り、風
合等が損なわれるからである。
【0011】本発明における複合紡績糸は、鞘部用とし
て準備された短繊維粗糸を精紡機のドラフトパートに供
給し、ドラフトを完了する直前のフロントローラーのニ
ップ点上に芯部用として準備された上記の潜在捲縮性能
を有するポリエステル長繊維糸をテンサー等で適度な荷
重を付与させるのみとして延伸させずに重なるように配
して供給し、加撚することによって得られるものであ
る。
【0012】次に本発明の複合紡績糸を得る方法を、精
紡機におけるリングとトラベラーによる加撚機構を用い
た方式で図2を用いて詳細に説明するが、これに限定す
るものでなく、高圧空気を噴出して仮撚加撚する結束方
式でもよい。図2において、綿、レーヨン、合成繊維等
の短繊維で作成された粗糸Cは、バックローラー1から
供給され、セカンドローラー2、フロントローラー3と
送られて順次ドラフトされ、またポリエステル長繊維糸
Dはテンサー5で適度な張力をかけられガイド4、6を
通り、フロントローラー3に送り込まれてフロントロー
ラー3より重ねるように同時に紡出される。トラベラー
9の回転により加撚され、芯鞘構造が形成された長短複
合紡績糸は、スネルワイヤー7、トラベラー9を通り精
紡ボビン10に巻き取られる。
【0013】以上のようにして、熱収縮特性の異なるポ
リエステル重合体を並列型あるいは偏芯芯鞘型に配して
複合された滞在捲縮性能を有するポリエステル長繊維糸
を芯にすることで、精紡機にフィードローラー等の延伸
装置を設置せずに織編物の表面的な風合としては鞘部の
短繊維の風合を有し、得られた複合紡績糸または前記複
合紡績糸で作成された織編物を熱処理することにより、
伸縮性を有する紡績糸あるいは伸縮性を有する織編物と
することができる。
【0014】
【実施例】次に本発明を実施例によって具体的に説明す
る。なお実施例における織物の伸長特性の評価は次の方
法にて行った。JIS L−1096のカットストリッ
プ法に基づき、織物を幅5cm×長さ30cmにカットして、
織物引張試験機を用い試験片の一端を上部クランプに固
定し、他端に初荷重15gfを掛けて20cm間隔に印をつ
け、その長さをL0 とした。次に静かに 500gfの荷重
を掛けそのままの状態で1分後の印間の長さをLとし、
次式で伸長率(%)を算出した。 伸長率(%)=(L−L0 )/L0
【0015】実施例1 低収縮成分としてポリエチレンテレフタレートを用い、
高収縮成分として12モル%のイソフタル酸成分と88モル
%のテレフタル酸成分とジエチレングリコール等のジオ
ール成分とよりなる共重合ポリエステルを用いた、複合
比50:50のサイドバイサイド型の潜在捲縮型ポリエステ
ル長繊維糸50デニール/12フィラメントを芯部用の長繊
維糸Bとし、紡績の通常工程で作成した綿繊維(中国綿
有効繊維長38mm)の粗糸Aとを、図2に示すリング紡
績における精紡工程にてその糸構造が芯鞘となるように
設定して供給し、芯鞘の比率が36/64、撚数が24回/吋
の36番手(英式綿番手)の本発明の潜在伸縮特性を有す
る長短複合紡績糸を得た。得られた紡績糸を経緯糸に用
いて、経密度70本/吋、緯密度70本/吋の平織物を製織
した後、100℃の沸騰水にて30分間の熱処理の後乾燥
し、本発明の長短複合紡績糸を用いた織物を得た。
【0016】比較例1 実施例1において、潜在捲縮型ポリエステル長繊維糸50
デニール/12フィラメントに代えて、ポリエチレンテレ
フタレートのみからなるレギュラーポリエステル長繊維
糸50デニール/12フィラメントを用いること以外は実施
例1と同様にして、比較例1の長短複合紡績糸とそれを
用いた織物を得た。得られた実施例1及び比較例2によ
る織物の特性の評価結果を表1に示す。
【0017】
【表1】
【0018】表1より明らかのように、潜在捲縮型ポリ
エステル長繊維糸を用いた実施例1は、レギュラーポリ
エステルを用いた比較例1に比べて伸長率の大きい織物
を得ることができる。すなわち実施例1は、潜在伸縮性
を有する長短複合紡績糸であり、これを用いると伸縮性
の優れた織物を得ることができる。
【0019】
【発明の効果】本発明の複合紡績糸は、精紡機に定倍率
の延伸をかけるためのフィードローラーを設置する必要
がなく、安価に安定して製造することができ、鞘部の短
繊維の風合を持ちながら伸縮特性を持つ複合紡績糸およ
び織編物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に用いることのできる潜在捲縮型ポリエ
ステル長繊維糸の断面の一例を示す図である。
【図2】本発明の複合紡績糸を製造するのに使用される
装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
A 低収縮成分 B 高収縮成分 C 短繊維よりなる粗糸 D ポリエステル長繊維糸 1 バックローラー 2 セカンドローラー 3 フロントローラー 4 ガイド 5 テンサー 6 ガイド 7 スネルワイヤー 8 精紡ボビン 9 トラベラー 10 精紡ボビン

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱収縮特性の異なるポリエステル重合体
    を並列型あるいは偏芯芯鞘型に配して複合された潜在捲
    縮性能を有するポリエステル長繊維糸を芯部に配し、そ
    の周囲の鞘部に短繊維群を配した構造を有する複合紡績
    糸であって、該長繊維糸と短繊維群の混用比率が15/85
    〜60/40の範囲であることを特徴とする潜在伸縮特性を
    有する長短複合紡績糸。
JP11019764A 1999-01-28 1999-01-28 潜在伸縮特性を有する長短複合紡績糸 Pending JP2000220049A (ja)

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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US20220195639A1 (en) * 2019-04-16 2022-06-23 Calik Denim Tekstil San. Ve Tic. A.S. Composite yarn, fabric comprising the composite yarn, method for producing a composite yarn and arrangement for producing a composite yarn
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