JP2000230149A - シリカ系被膜形成用溶液及びその製造方法、並びにシリカ系被膜及びその製造方法 - Google Patents

シリカ系被膜形成用溶液及びその製造方法、並びにシリカ系被膜及びその製造方法

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JP2000230149A
JP2000230149A JP11314226A JP31422699A JP2000230149A JP 2000230149 A JP2000230149 A JP 2000230149A JP 11314226 A JP11314226 A JP 11314226A JP 31422699 A JP31422699 A JP 31422699A JP 2000230149 A JP2000230149 A JP 2000230149A
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silica
solution
forming
organic solvent
group
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Application number
JP11314226A
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English (en)
Inventor
Kazufumi Ogawa
一文 小川
Naoko Takebe
尚子 武部
Tadashi Otake
忠 大竹
Yukio Nomura
幸生 野村
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 触媒添加や熱処理工程を不要とし、室温に於
いてもシリカ系被膜の形成が可能なシリカ系被膜形成用
溶液及びその製造方法、並びに耐久性に優れたシリカ系
被膜及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 シリカ系被膜形成用溶液は、非水系有機
溶媒とクロロシロキサンオリゴマーとを含んで構成され
ることにより、基材との反応性に優れたものとできる。
このシリカ系被膜形成用溶液を乾燥雰囲気中で基材11
表面に塗布し、水分を含む雰囲気中に基材を取り出す
と、触媒添加や熱処理を行うことなく耐久性等に優れた
シリカ系被膜13を製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体素子や液晶
表示素子等に於ける絶縁膜、平坦化膜、保護膜等に好適
に用いられるシリカ系被膜形成用溶液及びその製造方
法、並びにそれを用いて作製したシリカ系被膜及びその
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、プラスチック等の軟らかい基材に
於いて、その表面の硬度を向上させる場合には、該基材
の表面にハードコート膜を形成していた。このようなハ
ードコート膜としては、例えばゾルゲル法により形成さ
れるシリカ被膜などが挙げられる。
【0003】上記ゾルゲル法によりシリカ被膜を形成す
る方法としては、先ずテトラエトキシシラン等のアルコ
キシシラン化合物を溶解させたアルコール溶液に酸触媒
を添加し、該酸触媒下で上記アルコキシシラン化合物を
脱アルコール反応させたシリカ被膜形成用溶液を作製す
る。次に、このシリカ被膜形成用溶液を基材に塗布した
後、該基材を所定の温度で熱処理する等してシリカ被膜
を形成する。この方法では、酸触媒を添加して必要な焼
成温度を引き下げようとしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のシリカ被膜の製造方法には、以下に述べる問題点を
有している。
【0005】先ず、上記従来のシリカ被膜形成用溶液で
は、予め酸触媒を添加しておくと該酸触媒の触媒活性が
低下して、該シリカ被膜形成用溶液のポットライフが短
くなるという欠点がある。この為、上記シリカ被膜形成
用溶液を使用する直前に酸触媒を添加しなければならな
い等、製造プロセス上煩わしくなるという問題点を有し
ている。
【0006】又、上記従来の製造方法では、触媒の添加
により焼成温度を引き下げていたが、それでも焼成温度
は高温域にある為、例えばプラスティック等からなる基
材には使用できなかった。つまり、従来の方法では使用
できる基材が限定されるという問題点を有していた。し
かも基材の材料に応じて熱処理条件の設定も行わなけれ
ばならなかった。更に、熱処理工程を行うには当然の如
く加熱装置が必要となり、この為製造コストの増大を招
来する。又、熱処理工程を行うこと自体が省エネルギー
ではない等、諸々の問題点を有している。
【0007】更に、シリカ被膜形成用溶液の粘度が低い
為、塗膜性が悪く、この結果厚膜のシリカ被膜を形成す
るのが困難であるという問題点を有している。
【0008】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、触媒添加や熱処理工程を不
要とし、製膜性に優れた厚膜のシリカ被膜が室温に於い
ても形成可能なシリカ被膜形成用溶液及びその製造方
法、並びにシリカ被膜及びその製造方法を提供すること
にある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記従
来の問題点を解決すべく、シリカ系被膜形成用溶液及び
その製造方法について鋭意検討した。その結果、有機溶
媒とクロロシロキサン化合物とを含むシリカ系被膜形成
用溶液が、基材との反応性に優れていることを見出し
て、本発明を完成させるに至った。
【0010】又、上記従来の問題点を解決すべく、上記
シリカ系被膜形成用溶液を用いて形成したシリカ系被膜
及びその製造方法について鋭意検討した。その結果、基
材表面にシロキサン結合を介して形成されたシリカ系被
膜であって、脱塩酸反応にて上記基材とシロキサン結合
し、その化学構造中に炭化水素基を含まないシリカ系被
膜が、対摩耗性や対擦傷性等に優れており、かつ、この
ようなシリカ系被膜を熱処理工程を行うことなく製造で
きることを見出して、本発明を完成させるに至った。
【0011】上記の課題を解決する為に、本発明のシリ
カ系被膜形成用溶液は以下に述べる構成を有する。
【0012】(1)本発明の第1の態様に係るシリカ系
被膜形成用溶液は、有機溶媒と活性化基を有するシロキ
サン化合物とを含んで構成される。
【0013】上記の構成によれば、シロキサン化合物に
は活性化基が多数存在しているので、表面に活性水素を
有する官能基が存在する基板に対しては、上記活性化基
と活性水素を有する官能基とを脱塩酸反応させることに
より化学吸着させることができる。よって、上記の構成
によれば、従来のゾルゲル法等により製造されるシリカ
系被膜形成用溶液と比較して、基材との反応性に優れた
シリカ系被膜形成用溶液を提供することができる。尚、
「活性化基」とは、活性水素を有する官能基に対して反
応性を示す官能基を意味する。又、活性水素を有する官
能基とは、例えばヒドロキシル基(−OH)やイミノ基
(>NH)等を意味する。
【0014】上記活性化基を有するシロキサン化合物と
して、下記一般式(I)で表される化合物を含むものが
挙げられる。
【0015】
【化11】 (式中、R1〜R4はそれぞれ独立して、水素原子、ハロ
ゲン、イソシアネート基、ヒドロキシル基、クロロシリ
ル基、ジクロロシリル基、トリクロロシリル基、シラノ
ール基及びシロキサン結合を形成することにより架橋し
得るケイ素含有官能基を表し、R5及びR6はそれぞれ独
立して、水素原子、ハロゲン、イソシアネート基及びヒ
ドロキシル基を表し、mは1以上の整数である。) 又、上記活性化基を有するシロキサン化合物として、ク
ロロシロキサンとすることができる。
【0016】更に、上記クロロシロキサンは、クロロシ
ロキサンオリゴマーとすることができる。
【0017】更に、上記クロロシロキサンオリゴマー
は、下記一般式(II)、一般式(III)及び一般式(I
V)で表される化合物から選択される少なくとも1種の
化合物とすることができる。
【0018】
【化12】 (式中、nは1以上の整数である。)
【0019】
【化13】 (式中、nは1以上の整数である。)
【0020】
【化14】 (式中、nは1以上の整数である。) 上記有機溶媒としては、非水系有機溶媒を用いることが
できる。ここで、用語「非水系有機溶媒」とは、不純物
としての水等、活性水素を有する物質を含まない有機溶
媒であり、かつ、活性化基を有するシラン化合物と反応
しない有機溶媒を意味する。
【0021】さらに、上記非水系有機溶媒としては、炭
化水素系有機溶媒、フッ素系有機溶媒及び塩素系有機溶
媒から選択される少なくとも1種の有機溶媒が使用でき
る。
【0022】上記の構成によれば、水分の吸収が少ない
炭化水素系有機溶媒、フッ素系有機溶媒及び塩素系有機
溶媒より選択される有機溶媒のうち単独又は2種類以上
を含むものを使用することにより、シロキサン化合物に
於ける活性化基と、上記水分との脱塩酸反応を防ぐこと
ができ、上記と同様に基材との反応性に優れたシリカ系
被膜形成用溶液を提供することができる。
【0023】更に、上記シリカ系被膜形成用溶液には、
更にアルコキシシラン化合物が含れていてもよい。
【0024】上記アルコキシシラン化合物としては、テ
トラエトキシシラン及びプロピルオキシシランから選択
される少なくとも1種の化合物が使用できる。
【0025】上記第1の態様に対応する、本発明のシリ
カ系被膜形成用溶液の製造方法は、第1有機溶媒に活性
化基を有するシラン化合物を乾燥雰囲気中で溶解させて
第1混合溶液を作製する工程と、上記活性化基を有する
シラン化合物をオリゴマー化させるオリゴマー化剤を、
第2有機溶媒に混合させて第2混合溶液を作製する工程
と、上記第1混合溶液と第2混合溶液とを、乾燥雰囲気
中で混合する工程とを含むことを特徴とする。
【0026】上記の方法によれば、第1混合溶液を形成
する際に、乾燥雰囲気中で活性化基を有するシラン化合
物を溶解させるので、該シラン化合物に於ける活性化基
が大気中の水分と脱塩酸反応を起こすことを防ぎ、活性
化基を有するシラン化合物の反応活性が損なわれるのを
防止できる。更に、第1混合溶液及び第2混合溶液は乾
燥雰囲気中で混合するので、活性化基を有するシラン化
合物は第2混合溶液に含まれるオリゴマー化剤と反応を
する。よって、上記シラン化合物は、大気中に含まれる
余分な水分などと脱塩酸反応を起こすことがないので、
活性化基を多く含んだシロキサン化合物を生成する。こ
の結果、活性水素を有する官能基が存在する基材との反
応性に優れたシリカ系被膜形成用溶液を製造することが
できる。
【0027】上記オリゴマー化剤とは、第1混合溶液中
に溶解した活性化基を有するシラン化合物と反応するこ
とにより、オリゴマー程度の重合度を有し、活性化基を
備えたシロキサン化合物を生成させる物質を意味する。
【0028】上記活性化基を有するシラン化合物に対す
る上記オリゴマー化剤のモル比は、等モル以下であるこ
とが好ましい。
【0029】上記オリゴマー化剤としては、水を使用す
ることが可能である。
【0030】上記活性化基を有するシラン化合物として
は、テトラクロロシラン、トリクロロシラン、ジクロロ
シラン、ヘキサクロロジシロキサン、オクタクロロトリ
シロキサンから選択される少なくとも1種の化合物が使
用できる。
【0031】又、上記第1有機溶媒及び第2有機溶媒
は、炭化水素系有機溶媒、フッ素系有機溶媒及び塩素系
有機溶媒から選択される少なくとも1種の有機溶媒が使
用できる。
【0032】第1の態様に対応する、本発明のシリカ系
被膜は、基材表面にシロキサン結合を介して形成された
シリカ系被膜であって、上記シリカ系被膜の化学構造中
には炭化水素基を含まない構成である。
【0033】上記の構成によれば、シリカ系被膜は、基
材表面とシロキサン結合することにより成膜されてお
り、該基材との密着性に優れている。又、従来の、例え
ばアルコキシシラン化合物を原料とするゾルゲル法で
は、炭化水素基(具体的には、例えばメチル基等)等の
側鎖を有する分子から構成されるシリカ系被膜が形成さ
れていたが、本発明に係るシリカ系被膜は、その化学構
造中に炭化水素基等の不純物を含まない。よって、極め
て高純度であり、硬度や透明性に優れている。
【0034】ここで、上記シリカ系被膜は、下記構造式
(V)で表される繰り返し構造単位を含んだ構成とする
ことができる。
【0035】
【化15】 これにより、シリカ系被膜の膜構造を網目状構造とする
ことができ、耐摩耗性や対擦傷性に優れたものとでき
る。
【0036】上記基材は、その表面に活性水素を有する
官能基を有しており、かつその耐熱性が150℃以下の
基材とすることができる。ここで、「耐熱性が150℃
以下である」とは、熱処理に伴い基材の物理的形状や、
その化学的性質に変化が見られない温度範囲が150℃
以下であることを意味する。
【0037】第1の態様に対応するシリカ系被膜の製造
方法は、上記シリカ系被膜形成用溶液を、乾燥雰囲気中
で基材表面に塗布する塗布工程と、上記非水系有機溶媒
を蒸発させて、活性化基を有するシロキサン化合物被膜
を形成する乾燥工程と、上記シロキサン化合物被膜を水
分子と接触させて、該基材表面にシリカ系被膜を形成す
るシリカ系被膜形成工程とを含む構成である。
【0038】上記の方法によれば、シリカ系被膜形成用
溶液を基材表面に塗布することにより、シロキサン化合
物に於ける活性化基と、基材表面に存在する活性水素を
有する官能基との間で反応させて、前記シロキサン化合
物を化学吸着させる。これにより、基材表面には活性化
基を有するシロキサン化合物被膜を形成できる。更に、
このシロキサン化合物被膜を水分子と反応させることに
より、該シロキサン化合物に於ける活性化基と、水分子
に於けるヒドロキシル基とを反応させてシリカ系被膜を
形成することができる。よって、従来のゾルゲル法の様
に、触媒の添加や熱処理工程を行うことなく極めて簡便
にシリカ系被膜を形成することができる。
【0039】上記シリカ系被膜形成工程は、水分を含む
雰囲気中で行ってもよい。
【0040】更に、上記シリカ系被膜形成工程の後、更
に100℃以上の温度で加熱する熱処理工程を含んでも
よい。
【0041】(2)本発明の第2の態様に係るシリカ系
被膜形成用溶液は、非水系有機溶媒と、活性化基を有す
るシラン化合物が無水シリカ微粒子に結合してなる化合
物とを含んで構成される。
【0042】上記の構成によれば、シリカ系被膜形成用
溶液に無水シリカ微粒子を含有させることによりその粘
度を向上させることができ、塗膜性の向上を図ることが
可能となる。又、上記活性化基を有するシラン化合物
は、この無水シリカ微粒子とシロキサン結合(−SiO
−)を介して結合している。これは無水シリカ微粒子の
表面には活性水素を有する官能基が存在しており、この
官能基と活性化基とが反応した為である。
【0043】更に、上記シラン化合物が無水シリカ微粒
子に結合してなる化合物には、多数の活性化基が存在し
ているので、表面に活性水素を有する官能基が存在する
基材に対して、この活性化基が活性水素を有する官能基
と反応して化学吸着させることができる。よって、上記
の構成によれば、従来のゾルゲル法等により製造される
シリカ系被膜形成用溶液と比較して、基材との反応性に
優れたシリカ系被膜形成用溶液を提供することができ
る。
【0044】ここで、用語「無水シリカ微粒子」とは、
表面に存在する吸着水を除去したシリカ微粒子を意味す
るのであって、その表面には活性水素を有する官能基が
存在している。又、用語「非水系有機溶媒」とは、不純
物としての水等、活性水素を有する物質を含まない有機
溶媒であり、かつ、活性化基を有するシラン化合物と反
応しない有機溶媒を意味する。さらに、用語「活性化
基」とは、活性水素を有する官能基に対して反応性を示
す官能基を意味する。又、活性水素を有する官能基と
は、例えばヒドロキシル基(−OH)やイミノ基(>N
H)等を意味する。
【0045】又、上記シリカ系被膜形成用溶液に於いて
は、無水シリカ微粒子に代えて酸化チタン微粒子を含ま
せることも可能である。
【0046】上記活性化基を有するシラン化合物とし
て、下記一般式(VI)で表される化合物を含むものが挙
げられる。
【0047】
【化16】 (式中、R7〜R10はそれぞれ独立して、水素原子、ハ
ロゲン、イソシアネート基、ヒドロキシル基、クロロシ
リル基を含む官能基、ジクロロシリル基を含む官能基、
トリクロロシリル基を含む官能基、シラノール基を含む
官能基及びシロキサン結合を形成することにより架橋し
得るケイ素含有官能基を表し、R11及びR 12はそれぞれ
独立して、水素原子、ハロゲン、イソシアネート基及び
ヒドロキシル基を表し、mは1以上の整数である。) 上記活性化基を有するシラン化合物は、クロロシラン化
合物とすることができる。
【0048】上記一般式(VI)で表される化合物は、下
記一般式(VII)、一般式(VIII)及び一般式(IX)で
表される化合物から選択される少なくとも1種の化合物
であるとすることができる。
【0049】
【化17】 (式中、nは1以上の整数である。)
【0050】
【化18】 (式中、nは1以上の整数である。)
【0051】
【化19】 上記非水系有機溶媒は、炭化水素系有機溶媒、フッ素系
有機溶媒及び塩素系有機溶媒から選択される少なくとも
1種の有機溶媒が使用できる。
【0052】上記シリカ系被膜形成用溶液には、更にア
ルコキシシラン化合物を含有させることができる。
【0053】更に、上記アルコキシシラン化合物は、テ
トラエトキシシラン及びプロピルオキシシランから選択
される少なくとも1種の化合物とすることができる。
【0054】上記第2の態様に対応する、本発明のシリ
カ系被膜形成用溶液の製造方法は、第1非水系有機溶媒
に、活性化基を有するシラン化合物を乾燥雰囲気中で溶
解させて第3混合溶液を作製する工程と、第2非水系有
機溶媒に水を混合させて第4混合溶液を作製する工程
と、上記活性化基を有するシラン化合物と水とを反応さ
せる為に、上記第3混合溶液と第4混合溶液とを乾燥雰
囲気中で混合する工程とを備え、上記第3混合溶液及び
第4混合溶液の少なくとも何れか一方に、無水シリカ微
粒子を分散させたものを使用することを特徴とする。
【0055】上記の方法によれば、第3混合溶液を調製
する際に、乾燥雰囲気中で活性化基を有するシラン化合
物を溶解させるので、該シラン化合物に於ける活性化基
が水分と反応するのを防ぎ、シラン化合物の反応活性が
損なわれるのを防止できる。
【0056】又、第3混合溶液及び第4混合溶液は乾燥
雰囲気中で混合するので、活性化基を有するシラン化合
物は第4混合溶液に含まれる水とだけ反応する。更に、
第3混合溶液及び第4混合溶液の少なくとも何れか一方
には無水シリカ微粒子が分散しているので、シラン化合
物に於ける活性化基は、無水シリカ微粒子表面に存在す
る活性水素を有する官能基と反応する。よって、無水シ
リカ微粒子に、活性化基を有するシラン化合物がシロキ
サン結合にて結合してなる化合物が生成している。つま
り、活性化基を有するシラン化合物が無水シリカ微粒子
に結合してなる、そのような化合物を分散させたシリカ
系被膜形成用溶液を製造することができる。又、以上の
様にして作製したシリカ系被膜形成用溶液は、無水シリ
カ微粒子の添加量を適宜必要に応じて変化させることに
より、粘度制御の可能な溶液であり、かつ、塗膜性にも
優れている。その上、上記無水シリカ微粒子にシラン化
合物が結合してなる化合物には多くの活性化基が含まれ
ているので、活性水素を有する官能基が存在する基材と
の反応性に優れたシリカ系被膜形成用溶液の製造が可能
である。
【0057】シリカ系被膜形成用溶液の製造方法に於い
ては、上記無水シリカ微粒子に替えて酸化チタン微粒子
を用いることができる。
【0058】上記活性化基を有するシラン化合物に対す
る上記水のモル比が等モル以下であることが好ましい。
【0059】上記活性化基を有するシラン化合物とし
て、クロロシラン化合物を使用することができる。
【0060】上記クロロシラン化合物は、テトラクロロ
シラン、トリクロロシラン、ジクロロシラン、ヘキサク
ロロジシロキサン、オクタクロロトリシロキサンから選
択される少なくとも1種の化合物とすることができる。
【0061】上記第1非水系有機溶媒及び第2非水系有
機溶媒は、炭化水素系有機溶媒、フッ素系有機溶媒及び
塩素系有機溶媒から選択される少なくとも1種の有機溶
媒が使用できる。
【0062】第2の態様に対応する、本発明のシリカ系
被膜は、基材表面にシロキサン結合を介して形成された
シリカ系被膜であって、前記シリカ系被膜中に無水シリ
カ微粒子を含み、該無水シリカ微粒子はシリカ系被膜及
び基材にシロキサン結合を介して結合されており、上記
シリカ系被膜の化学構造中には炭化水素基を含まない構
成である。
【0063】上記の構成によれば、シリカ系被膜は、基
材及び無水シリカ微粒子表面とシロキサン結合すること
により製膜されているので、該基材との密着性に優れて
いる。又、従来の、例えばアルコキシシラン化合物を原
料とするゾルゲル法では、炭化水素基(具体的には、例
えばメチル基等)等の側鎖を有する分子から構成される
シリカ系被膜が形成されていたが、本発明に係るシリカ
系被膜は、その化学構造中に炭化水素基等の不純物を含
まない。よって、極めて高純度であり、硬度や透明性に
優れている。
【0064】上記シリカ系被膜に於いては、上記無水シ
リカ微粒子に替えて酸化チタン微粒子を含ませることが
できる。
【0065】又、上記シリカ系被膜は、下記構造式
(V)で表される繰り返し構造単位を含んだ構成とする
ことができる。
【0066】
【化20】 これにより、シリカ系被膜の膜構造を網目状構造とする
ことができ、耐摩耗性や対擦傷性に優れたものとでき
る。
【0067】上記基材は、その表面に活性水素を有する
官能基を有しており、かつ基材の耐熱性が150℃以下
の基材とすることができる。ここで、「耐熱性が150
℃以下である」とは、熱処理に伴い基材の物理的形状
や、その化学的性質に変化が見られない温度範囲が15
0℃以下であることを意味する。
【0068】第2の態様に対応するシリカ系被膜の製造
方法は、上記シリカ系被膜形成用溶液を、乾燥雰囲気中
で基材表面に塗布する塗布工程と、上記非水系有機溶媒
を蒸発させて、活性化基を有するシロキサン化合物被膜
を形成する乾燥工程と、上記シロキサン化合物被膜を水
分子と接触させて、該基材表面に無水シリカ微粒子を含
有するシリカ系被膜を形成するシリカ系被膜形成工程と
を含む構成である。
【0069】上記の方法によれば、シリカ系被膜形成用
溶液には活性化基を有するシラン化合物が無水シリカ微
粒子に結合されてなる化合物が分散されているので、無
水シリカ微粒子の添加量を適宜変えることにより、粘度
を制御すれば、上記シリカ系被膜形成用溶液を基材表面
に塗布する際に液ダレを起こさずに厚塗りすることが可
能である。これにより、厚膜のシリカ系被膜を形成した
い場合にも、従来のゾルゲル法に於いて行ってきた触媒
の添加や熱処理工程を行う必要が無く、極めて簡便にシ
リカ系被膜を製膜することができる。
【0070】上記シリカ系被膜形成工程は、水分を含む
雰囲気中で行うことができる。
【0071】更に、上記シリカ系被膜形成工程の後、更
に100℃以上の温度で加熱する熱処理工程を行うこと
ができる。
【0072】(3)本発明の他の態様として、以下に述
べるものが挙げられる。
【0073】即ち、上記第1及び第2の態様に係るシリ
カ系被膜形成用溶液を接着剤組成物として使用する場合
には、その接着方法として、シリカ系被膜形成用溶液
を、乾燥雰囲気中で物体表面に塗布する塗布工程と、上
記物体表面に塗布されたシリカ系被膜形成用溶液を介し
て、該物体と、他の物体とを貼り合わせる貼り合わせ工
程と、上記非水系有機溶媒を蒸発させて、クロロシロキ
サンオリゴマー被膜を形成する乾燥工程と、上記クロロ
シロキサンオリゴマー被膜を水分子と接触させて該基材
表面にシリカ系被膜を形成することにより、上記物体と
他の物体とを接着させるシリカ系被膜形成工程とを含む
構成とすることができる。
【0074】上記の方法によれば、シリカ系被膜は物体
と他の物体との接着面に化学吸着するの、接着剤組成物
としても使用できる。
【0075】更に、上記第1及び第2の態様に係るシリ
カ系被膜形成用溶液を接着剤組成物として使用し、任意
の物体と他の物体とを接着させたことによる結果物とし
ての接着構造体は、シリカ系被膜を介して、物体と他の
物体とを接着してなる構成を有している。
【0076】又、第1及び第2の態様に係るシリカ系被
膜形成用溶液を塗料組成物に含有させることも可能であ
る。
【0077】シリカ系被膜形成用溶液を用いて製膜した
シリカ系被膜は、透明性に優れていることから、特に光
沢ある透明な塗膜を形成する塗料(ワニス)に使用でき
る。
【0078】更に、上記塗料組成物に、顔料、染料及び
色素からなる群より選ばれる何れか1つを添加すること
により着色した塗膜を形成する塗料にも使用できる。
【0079】又、上記第1及び第2の態様に対応するシ
リカ系被膜を、半導体デバイス用のパッシベーション膜
として使用することができる。
【0080】その一方、上記第1及び第2の態様に対応
するシリカ系被膜は、薄膜トランジスタアレイ用のパッ
シベーション膜としても使用可能である。
【0081】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)本実施の形態1
は、本発明の第1の態様に対応する。本実施の形態1に
ついて、図1及び図2に基づいて説明すれば以下の通り
である。但し、説明に不要な部分は省略し、又、説明を
容易にする為に拡大或いは縮小等して図示した部分があ
る。
【0082】先ず、本発明に係るシリカ系被膜形成用溶
液について詳述する。上記シリカ系被膜形成用溶液は、
少なくとも有機溶媒と活性化基を有するシロキサン化合
物とを含んで構成される。
【0083】上記活性化基を有するシロキサン化合物
は、下記一般式(I)で表される化合物を含んで構成さ
れる。
【0084】
【化21】 (式中、R1〜R4はそれぞれ独立して、水素原子、ハロ
ゲン、イソシアネート基、ヒドロキシル基、クロロシリ
ル基、ジクロロシリル基、トリクロロシリル基、シラノ
ール基及びシロキサン結合を形成することにより架橋し
得るケイ素含有官能基を表し、R5及びR6はそれぞれ独
立して、水素原子、ハロゲン、イソシアネート基及びヒ
ドロキシル基を表し、mは1以上の整数である。) ここで、上記活性化基を有するシロキサン化合物として
は、直鎖状構造や枝分かれ構造などの鎖式化合物に限定
されるものではなく、環式化合物でもよい。又、一般式
(I)で表される化合物に於いては、mは1以上の整数
としているが、mは2〜1000の範囲内となるリゴマ
ー程度の重合度であることが好ましく、さらにmは4〜
100の範囲内であることがより好ましい。mが100
0を越えるような、オリゴマーよりも重合度の大きいシ
ロキサン化合物がシリカ系被膜形成用溶液中に含有され
ると、該シリカ系被膜形成用溶液自体の粘度が大きくな
り、取り扱い性が低下するので好ましくない。
【0085】上記活性化基を有するシロキサン化合物と
しては、具体的にはクロロシロキサン化合物が例示で
き、更にクロロシロキサン化合物としては、例えばクロ
ロシロキサンオリゴマー等が挙げられる。
【0086】上記クロロシロキサンオリゴマーは、具体
的には、例えば下記一般式(II)、一般式(III)及び
一般式(IV)で表される化合物から選ばれる化合物群の
うち単独又は2種類以上を含んでいてもよい。
【0087】
【化22】 (式中、nは1以上の整数である。)
【0088】
【化23】 (式中、nは1以上の整数である。)
【0089】
【化24】 (式中、nは1以上の整数である。) 尚、上記一般式(II)〜(IV)で表されるクロロシロキ
サンオリゴマーの場合、nは1以上の整数としている
が、nは2〜1000の範囲内となるオリゴマー程度の
重合度であることが好ましく、さらにnは4〜100の
範囲内であることがより好ましい 上記有機溶媒としては、非水系有機溶媒を使用すること
ができ、さらに非水系有機溶媒としては炭化水素系有機
溶媒、フッ素系有機溶媒、塩素系有機溶媒より選択され
る有機溶媒のうち単独又は2種類以上を含むものが使用
できる。上記炭化水素系有機溶媒としては特に限定され
るものではなく、具体的には、例えばn−ヘキサンやト
ルエン、シクロヘキサン、イソオクタン、ジメチルシリ
コン等が挙げられる。又、上記フッ素系有機溶媒として
は特に限定されるものではなく、パーフルオロオクタン
等が挙げられる。更に、上記塩素系有機溶媒としては特
に限定されるものではなく、クロロホルム等が挙げられ
る。これらの非水系有機溶媒を用いることにより、該非
水系有機溶媒中に於ける水分を除去する際にも、容易に
行うことができるという利点がある。更に、溶媒として
の水分の吸収も少ないので、シロキサン化合物に於ける
活性化基、例えばクロロシロキサンオリゴマーに於ける
クロロシリル基が余分な水と脱塩酸反応することを防止
する。これにより、活性化基としてのクロロシリル基を
多く含んだ、反応性の高いシリカ系被膜形成用溶液を作
製することができる。又、本発明に係る非水系有機溶媒
の沸点は、従来のシリカ系被膜形成用溶液にて使用され
ている有機溶媒の沸点と比較して低い。この為、熱処理
を行わずに室温にて非水系有機溶媒を蒸発させることが
可能となる。よって、取り扱い性に優れたシリカ系被膜
形成用溶液を提供することができる。
【0090】次に、本発明に係るシリカ系被膜形成用溶
液の製造方法について詳述する。先ず、第1非水系有機
溶媒(第1有機溶媒)に、活性化基を有するシラン化合
物としてのクロロシラン化合物を混合溶解させた溶液A
(第1混合溶液)を作製する。この溶液Aの作製に際し
ては、相対湿度が35%以下の範囲内になるような乾燥
雰囲気、例えば乾燥空気、乾燥窒素又は乾燥ヘリウム中
で行われる。上記相対湿度が35%を越えると、雰囲気
中の水分とクロロシラン化合物に於けるクロロシリル基
とが過大に反応してしまい、作製した溶液が白濁すると
いう不都合を生じるからである。上記クロロシラン化合
物としては、例えばテトラクロロシラン(SiC
4)、トリクロロシラン(SiHCl3)、ジクロロシ
ラン(SiH2Cl2)、ヘキサクロロジシロキサン(S
iCl3−O−SiCl3)、オクタクロロトリシロキサ
ン(Cl(SiCl2O)2SiCl3)等が挙げられ
る。これらの化合物群から選択される少なくとも1種の
化合物を使用することにより、炭化水素基等の不純物を
含まないシリカ系被膜を得る上で都合がよい。尚、第1
非水系有機溶媒に溶解させるクロロシラン化合物の濃度
としては、0.01M/l〜10M/lの範囲内である
ことが好ましい。0.01M/lより小さいと、シリカ
系被膜の形成効果が少ないという不都合を生じる。一
方、10M/lより大きいと、シリカ系被膜形成用溶液
を使用する際に該溶液の均一な塗布が困難になるという
不都合を生じる。
【0091】一方、第2非水系有機溶媒(第2有機溶
媒)に、オリゴマー化剤としての水を飽和状態になるま
で混合溶解させ溶液B(第2混合溶液)を作製する。こ
こで、オリゴマー化剤として水を使用する場合には、濾
過等により粒子を除去したものが好ましい。水中に粒子
等の不純物が含まれると、シリカ系被膜中に取り込まれ
て、該シリカ系被膜の均一性を損なう場合があるからで
ある。又、上記オリゴマー化剤としては、上記した水に
限定されるものではなく、2価の活性水素を有する物質
であれば使用可能である。具体的には、例えばメチルア
ミン、エタノールアミン等のアミン類やアンモニア類等
が例示できる。
【0092】尚、上記第1及び第2非水系有機溶媒は、
前記にて説明した非水系有機溶媒に含まれることは言う
までもない。これらの第1及び第2非水系有機溶媒が合
わさって非水系有機溶媒となるからである。従って、上
記第1及び第2非水系有機溶媒としては、前記した各種
の有機溶媒を採用することができる。更に、上記に例示
した有機溶媒のうち第1非水系有機溶媒としては非水系
の非極性溶媒が好ましく、第2非水系有機溶媒としては
水を溶解させるという観点から非水系の極性溶媒が好ま
しい。
【0093】次に、上記溶液Aと溶液Bとを乾燥雰囲気
中で混合し、所定時間静置する。これにより、クロロシ
ラン化合物と水とが脱塩酸反応を起こし、前記一般式
(I)で表されるクロロシロキサンオリゴマーを含むシ
リカ系被膜形成用溶液が得られる。ここで、上記溶液A
と溶液Bとの混合比は、クロロシラン化合物に対する上
記水のモル比が等モル以下となるように設定する。これ
により、クロロシラン化合物に於ける活性化基としての
クロロシリル基が水分子に於けるヒドロキシル基(−O
H)と脱塩酸反応しても、クロロシリル基が上記ヒドロ
キシル基よりも多数である為、全てのクロロシリル基が
反応しないように抑制できる。このことは、調製された
シリカ系被膜形成用溶液中に於ける、残存クロロシリル
基が少なくなって反応活性が低下することにより、該シ
リカ系被膜形成用溶液自体の活性が劣化するのを防止す
る為である。
【0094】尚、上記したように、溶液Aと溶液Bとを
乾燥雰囲気中で混合するのは以下に述べる理由による。
即ち、例えば相対湿度が35%より大きい雰囲気中で溶
液Aと溶液Bとを混合させると、その混合溶液は白濁す
る。これは、雰囲気中に含まれる水分と、クロロシラン
化合物に於けるクロロシリル基とが脱塩酸反応を起こ
し、クロロシラン化合物の反応活性を低下させたことを
示す。この結果、前述と同様に活性化基としてのクロロ
シリル基が減少し、シリカ系被膜形成用溶液自体の活性
が劣化する。よって、溶液A及び溶液Bの混合は、相対
湿度が35%以下の乾燥雰囲気中で行う必要がある。
【0095】次に、本発明に係るシリカ系被膜について
詳述する。本発明のシリカ系被膜は、その構成単位であ
る前記複数の活性化基を有するシロキサン化合物が基材
表面に化学吸着して、網目状構造となった被膜である。
【0096】より詳しくは、以下の通りである。即ちシ
リカ系被膜13は、図2に示すように、基材11表面に
シロキサン結合(−SiO−)を介して形成されてい
る。又、複数のポリシロキサンオリゴマーが物理的に絡
み合いながら、下記構造式(V)で表される繰り返し構
造単位のように、化学的な橋かけ結合により強力に結合
した網目状構造となっている。
【0097】
【化25】 従って、本発明に係るシリカ系被膜13は耐摩耗性や耐
擦傷性に優れている。更に、図2から明らかなように、
シリカ系被膜13中には炭化水素基等の不純物が含まれ
ていない。これはシリカ系被膜13の原料として、炭化
水素基等を有しないクロロシラン化合物を使用している
からであり、又触媒なども添加されていない為である。
上記のように、シリカ系被膜13中には炭化水素基等が
含まれていないので、シリカ系被膜としては極めて高純
度であり、硬度、透明性に優れている。この様な高純度
のシリカ系被膜13を基材11の下地膜として用いる場
合には、不純物イオン等に対して優れたブロッキング機
能も発揮する。更に、シリカ系被膜13の主に表面部分
にはヒドロキシル基(−OH)が導入されており、親水
性の被膜となっている。これにより、例えば液晶表示素
子等に用いる場合には、配向膜の下地層として使用可能
である。
【0098】上記基材11としては特に限定されるもの
ではなく、例えば表面にヒドロキシル基(−OH)やイ
ミノ基(>NH)等の活性水素を有する官能基が存在す
る基材が使用可能である。特に本発明に於いては、耐熱
性温度が150℃以下の基材に対しても有効である(理
由については、シリカ系被膜の製造方法を説明する際に
述べる。)。具体的には、例えばガラス、プラスティッ
ク、セラミックス、金属、繊維、皮革、紙等の材質から
なるものが挙げられる。ガラスからなる基材表面に本発
明のシリカ系被膜13を形成した場合、ガラスからアル
カリが溶出するのを防ぐことができる。セラミックスや
金属の場合には、シリカ系被膜は保護膜としての機能を
発揮し、薬品等に対して反応しにくくする等基材の耐酸
性を向上させることができる。又、繊維や皮革、紙の場
合には、基材表面の親水性を向上させることができる。
例えば、ナイロンやストッキングに本発明を適用した場
合には、肌触りをよくすることができる。又、かつらに
適用した場合には、帯電防止の効果も発揮する。
【0099】一方、上記基材11が活性水素を有する官
能基が存在しない材質からなる場合、或いは本来的にこ
れらの官能基が少ない材質からなる場合には、以下に述
べる処理を行うことにより、本発明に適用することが可
能となる。即ち、基材の表面を空気中でコロナ処理、或
いは酸素プラズマ処理することにより、該基材の表面に
活性水素を有する官能基を導入すればよい。これによ
り、クロロシリル基との脱塩酸反応が可能となる。上記
のような基材としては、具体的には、例えばアクリル板
等の撥水性プラスチックやポリカーボネート板等が挙げ
られる。
【0100】次に、本発明に係るシリカ系被膜の製造方
法について詳述する。尚、以下に於いては、説明の便宜
上、シリカ系被膜形成用溶液に於ける活性化基を有する
シロキサン化合物として、クロロシロキサンオリゴマー
を用いた場合を例にして述べているが、他の活性化基を
シロキサン化合物であっても、同様の方法にて製造でき
ることは言うまでもない。
【0101】上記シリカ系被膜13は、上記基材11表
面に上記シリカ系被膜形成用溶液を、乾燥雰囲気中で接
触し、更に水と反応させることにより得られる。
【0102】より詳しくは、予めよく洗浄することによ
り脱脂した基材11を用意し、乾燥雰囲気中で該基材1
1にシリカ系被膜形成用溶液を塗布して塗布膜を形成す
る(塗布工程)。これにより、シリカ系被膜形成用溶液
中のクロロシロキサンオリゴマーに於けるクロロシリル
基が、基材11表面に存在する−OH基や、>NH基等
の活性水素を有する官能基と脱塩酸反応を起こして、基
材11表面と共有結合(シロキサン結合)する。ここ
で、シリカ系被膜形成用溶液の塗布方法としては特に限
定されるものではなく、従来公知の方法にて行うことが
できる。具体的には、例えばスピンナー法やロールコー
ター法、浸漬引き上げ法、スプレー法、スクリーン印刷
法、刷毛塗り法等が挙げられる。尚、上記脱脂は、シリ
カ系被膜形成用溶液の基材11表面に対する付着性能を
向上させる為に行うものであり、その他にも従来公知の
方法にて表面処理を行ってもよい。
【0103】次に、塗布された基材11を室温にて放置
することにより、上記塗布膜中の非水系有機溶媒を蒸発
させる(乾燥工程)。これにより、図1に示すクロロシ
ロキサンオリゴマー被膜12が形成される。尚、クロロ
シラン化合物はクロロシロキサンオリゴマーとして塗布
膜中に存在しており、非水系有機溶媒と共に蒸発するこ
とはない。
【0104】続いて、クロロシロキサンオリゴマー被膜
12が形成された基材11を、水分を含む雰囲気中に取
り出す(シリカ系被膜形成工程)。これにより、残存し
ているクロロシリル基が水分と即座に脱塩酸反応を起こ
す。この結果、膜中に於いては架橋構造となり、膜表面
に於いてはヒドロキシル基が導入され、本発明に係るシ
リカ系被膜13が形成される(図2参照)。尚、クロロ
シロキサンオリゴマー被膜12を水分に接触させる方法
としては特に限定されるものではないが、前述のように
水分を含む雰囲気中で行うのが好ましい。例えば、水中
に浸漬したりすると、クロロシロキサンオリゴマー被膜
12に於ける残存クロロシリル基がいきなり水と脱塩酸
反応して白濁する。この結果、基材11表面にシリカ系
被膜13を形成することができないので、水中に浸漬す
るのは好ましくない。
【0105】更に、上記シリカ系被膜形成工程の後、水
分を除去する為に熱処理工程を行ってもよい。これによ
り、ヒドロキシル基が除去され、より高密度で緻密性に
優れたシリカ系被膜13を得ることができる。上記熱処
理工程に於ける加熱温度としては、基材11の耐熱性の
許容範囲内で水分が十分に蒸発できる程度であればよ
い。上記加熱温度としては、水の沸点温度である100
℃以上が好ましく、熱処理時間を短縮して行う為には1
20℃以上であることがより好ましい。
【0106】又、本発明のシリカ系被膜13の製造方法
に於いては、シリカ系被膜形成用溶液に予めアルコキシ
シラン化合物を添加することも可能である。従来のシリ
カ系被膜の製造方法に於いては、アルコキシシラン化合
物と共に酸触媒を添加する必要があったが、本発明に於
いては酸触媒を添加する必要がない。クロロシロキサン
オリゴマーに於けるクロロシリル基とヒドロキシル基と
の脱塩酸反応により塩酸が生じるからである。この塩酸
が酸触媒としての役割を果たす為、下記化学反応式
(X)で表される脱アルコール反応が生じる。これによ
り、上記アルコキシシラン化合物にヒドロキシル基が導
入される。
【0107】
【化26】 ここで、上記熱処理工程を行うと、下記化学反応式(X
I)に示す脱水反応が生じ、より高密度で緻密性に優れ
たシリカ系被膜が得られる。
【0108】
【化27】 尚、上記アルコキシシラン化合物としては特に限定され
るものではなく、具体的には、例えばテトラエトキシシ
ランやプロピルオキシシラン等が挙げられる。
【0109】又、シリカ系被膜形成用溶液の濃度を希釈
又は濃縮して使用すれば、シリカ系被膜の膜厚を制御す
ることも可能である。これにより、所望の膜厚となるよ
うにシリカ系被膜を形成することができる。尚、希釈す
る際の希釈溶媒としては特に限定されるものではなく、
前記した有機溶媒を使用することができる。
【0110】以上のことから本実施の形態1に係るシリ
カ系被膜の製造方法によれば、従来の製造方法にて行っ
ていた触媒の添加や熱処理工程が必要がないので、極め
て簡便にシリカ系被膜を形成することができる。又、耐
熱性の低い材質からなる基材表面にもシリカ系被膜を形
成することができる。
【0111】以上の説明に於いては、本発明の第1の態
様について最も好適な実施の形態に従って説明したが、
本発明は従来シリカ系被膜が用いられてきたもの全てに
好適に使用できる。例えば、半導体デバイスでは、層間
絶縁膜やパッシベーション膜等に使用できる。又、液晶
デバイスでは、透明基板と透明電極との間に平坦化膜と
して使用でき、或いは透明電極と配向膜との間に該配向
膜の下地層として使用できる。更に、本発明はこれらに
用途が限定されるものではなく、耐熱性の低い基材に対
しても適用可能である。例えば、耐熱性の低いめがねレ
ンズ等のハードコート膜として使用できる。 (実施の形態2)本実施の形態2は、本発明の第2の態
様に対応する。
【0112】先ず、本実施の形態2に係るシリカ系被膜
形成用溶液について詳述する。シリカ系被膜形成用溶液
は、非水系有機溶媒と、活性化基を有するシラン化合物
が無水シリカ微粒子又は酸化チタン微粒子に結合してな
る化合物とを含んで構成される。
【0113】上記無水シリカ微粒子は、数nm〜数百n
m程度の平均粒径を有し、粒子表面に吸着水が存在しな
いシリカ微粒子である。その一方、該粒子表面には、活
性水素を有する官能基(例えば、−OH基等)が存在し
ており、クロロシリル基等の活性化基と反応することが
可能である。上記無水シリカ微粒子としては、例えば日
本アエロジル社製のアエロジル200やアエロジル30
0等が挙げられる。
【0114】又、酸化チタン微粒子も、上記無水シリカ
微粒子と同様に、数nm〜数百nm程度の平均粒径を有
し、粒子表面に吸着水が存在せず、活性水素を有する官
能基が存在している。上記酸化チタン微粒子としては、
例えば日本アエロジル社製のP25等が挙げられる。
【0115】上記した無水シリカ微粒子又は酸化チタン
をシリカ系被膜形成用溶液に添加することにより、該シ
リカ系被膜形成用溶液の粘度の制御が可能となり、塗膜
性の向上が図られる。具体的には、無水シリカ微粒子等
の添加量や非水系有機溶媒の量を適宜必要に応じて変化
させることにより粘度の制御が可能となる。上記無水シ
リカ微粒子のシリカ系被膜形成用溶液に対する混合濃度
は、約0.01〜20重量%の範囲内であることが好ま
しく、0.1〜10重量%の範囲内であることが粘度及
び塗膜性の点でより好ましい。上記混合濃度が20重量
%を越えるとシリカ系被膜形成用溶液の粘度が高くなり
過ぎ、取り扱い性が悪くなるので好ましくない。一方、
混合濃度が0.01重量%より小さい場合には、無水シ
リカ微粒子等を添加したことによる種々の効果が小さ
く、例えば粘度の制御性が低下し、或いは厚膜のシリカ
系被膜の製膜が困難となるので好ましくない。
【0116】上記活性化基を有するシラン化合物は、例
えば下記一般式(VI)で表される。
【0117】
【化28】 (式中、R7〜R10はそれぞれ独立して、水素原子、ハ
ロゲン、イソシアネート基、ヒドロキシル基、クロロシ
リル基を含む官能基、ジクロロシリル基を含む官能基、
トリクロロシリル基を含む官能基、シラノール基を含む
官能基及びシロキサン結合を形成することにより架橋し
得るケイ素含有官能基を表し、R11及びR 12はそれぞれ
独立して、水素原子、ハロゲン、イソシアネート基及び
ヒドロキシル基を表し、mは1以上の整数である。) ここで、上記活性化基を有するシラン化合物としては、
直鎖状構造や枝分かれ構造などの鎖式化合物に限定され
るものではなく、環式化合物でもよい。又、一般式(V
I)中に示すmは1以上の整数としているが、mは2〜
1000の範囲内となるオリゴマー程度の重合度である
ことが好ましく、さらにmは4〜100の範囲内である
ことがより好ましい。mが1000を越える重合度の大
きいシラン化合物がシリカ系被膜形成用溶液中に含有さ
れると、該シリカ系被膜形成用溶液自体の粘度が大きく
なり、取り扱い性が低下する。
【0118】更に、上記一般式(VI)で表される、活性
化基を有するシラン化合物は、具体的には、例えば下記
一般式(VII)、一般式(VIII)及び一般式(IX)で表
される化合物から選ばれる化合物群のうち単独又は2種
類以上を含んでいてもよい。
【0119】
【化29】 (式中、nは1以上の整数である。)
【0120】
【化30】 (式中、nは1以上の整数である。)
【0121】
【化31】 (式中、nは1以上の整数である。) 尚、一般式(VII)〜(IX)中に示すnは1以上の整数
としているが、nは2〜1000の範囲内となるオリゴ
マー程度の重合度であることが好ましく、さらにnは4
〜100の範囲内であることがより好ましい。
【0122】ここで、無水シリカ微粒子及び活性化基を
有するシラン化合物については、以上に述べた通りであ
るが、本発明に係るシリカ系被膜形成用溶液に於いて
は、これらが結合して溶液中に分散している。即ち、例
えば下記化学式(XII)に示すように、無水シリカ微粒
子表面に存在するヒドロキシル基と、シラン化合物に於
ける活性化基とが反応してシロキサン結合している。
【0123】
【化32】 (式中、R7〜R10はそれぞれ独立して、水素原子、ハ
ロゲン、イソシアネート基、ヒドロキシル基、クロロシ
リル基を含む官能基、ジクロロシリル基を含む官能基、
トリクロロシリル基を含む官能基、シラノール基を含む
官能基及びシロキサン結合を形成することにより架橋し
得るケイ素含有官能基を表し、R11及びR 12はそれぞれ
独立して、水素原子、ハロゲン、イソシアネート基及び
ヒドロキシル基を表し、mは1以上の整数である。) 又、無水シリカ微粒子とシラン化合物との結合の態様
は、上記に例示したものに限らず、化学式(VI)中に示
すR7〜R12の何れかで少なくとも一箇所結合していれ
ばよい。
【0124】更に、活性化基を有するシラン化合物が前
記一般式(VII)〜(IX)で表されるクロロシラン化合
物の場合、無水シリカ微粒子との結合は、各クロロシラ
ン化合物に於けるSiCl基と無水シリカ微粒子に於け
るOH基とが脱塩酸反応してシロキサン結合している。
シロキサン結合している部位は、各クロロシラン化合物
に於けるSiCl基が付加している部位の何れかで少な
くとも一箇所結合していればよい。
【0125】上記非水系有機溶媒としては、炭化水素系
有機溶媒、フッ素系有機溶媒、塩素系有機溶媒より選択
される有機溶媒のうち単独又は2種類以上を含むものが
使用できる。上記炭化水素系有機溶媒としては特に限定
されるものではなく、具体的には、例えばn−ヘキサン
やトルエン、シクロヘキサン、イソオクタン、ジメチル
シリコン等が挙げられる。又、上記フッ素系有機溶媒と
しては特に限定されるものではなく、パーフルオロオク
タン等が挙げられる。更に、上記塩素系有機溶媒として
は特に限定されるものではなく、クロロホルム等が挙げ
られる。これらの非水系有機溶媒を用いることにより、
該非水系有機溶媒中に於ける水分を除去する際にも、容
易に行うことができるという利点がある。更に、溶媒と
しての水分の吸収も少ないので、シラン化合物に於ける
活性化基が余分な水分と反応するのを防止する。これに
より、活性化基を多く含み、塗膜性に優れ、且つ、反応
性の高いシリカ系被膜形成用溶液を作製することができ
る。又、本発明に係る非水系有機溶媒の沸点は、従来の
シリカ系被膜形成用溶液にて使用されている有機溶媒の
沸点と比較して低い。この為、熱処理を行わずに室温に
て非水系有機溶媒を蒸発させることが可能となる。よっ
て、取り扱い性に優れたシリカ系被膜形成用溶液を提供
することができる。
【0126】次に、本実施の形態2に係るシリカ系被膜
形成用溶液の製造方法について詳述する。先ず、第1非
水系有機溶媒に、活性化基を有するシラン化合物と無水
シリカ微粒子とを混合して溶液C(第3混合溶液)を作
製する。
【0127】このとき、該溶液Cでは活性化基を有する
シラン化合物と無水シリカ微粒子とがシロキサン結合に
より結合している。但し、無水シリカ微粒子の添加量
は、完成後のシリカ系被膜形成用溶液の粘度が所望の値
となるように設定している。又、この溶液Cの作製に際
しては、相対湿度が35%以下の範囲内になるような乾
燥雰囲気、例えば乾燥空気、乾燥窒素又は乾燥ヘリウム
中で行われる。上記相対湿度が35%を越えると、雰囲
気中の水分とシラン化合物に於ける活性化基とが過大に
反応してしまい、作製した溶液が白濁等するという不都
合を生じるからである。上記活性化基を有するシラン化
合物としては、クロロシラン化合物等が挙げられる。更
に、クロロシラン化合物としては、例えばテトラクロロ
シラン(SiCl4)、トリクロロシラン(SiHC
3)、ジクロロシラン(SiH2Cl2)、ヘキサクロ
ロジシロキサン(ClSiCl2OSiCl3)、オクタ
クロロトリシロキサン(Cl(SiCl2O)2SiCl
3)等が挙げられる。これらの化合物群から選択される
少なくとも1種の化合物を使用することにより、炭化水
素基等の不純物を含まないシリカ系被膜を得る上で都合
がよい。尚、第1非水系有機溶媒に溶解させる、活性化
基を有するシラン化合物の濃度としては、0.01M/
l〜10M/lの範囲内であることが好ましい。0.0
1M/lより小さいと、シリカ系被膜の形成効果、即ち
シリカ系被膜を形成することにより基材に付与する種々
の効果が低いという不都合を生じる。一方、10M/l
より大きいと、シリカ系被膜形成用溶液を使用する際に
該溶液の均一な塗布が困難になるという不都合を生じ
る。
【0128】一方、第2非水系有機溶媒に、水を飽和状
態になるまで混合溶解させ溶液D(第4混合溶液)を作
製する。ここで、上記水としては、濾過等により粒子を
除去したものが好ましい。水中に粒子等の不純物が含ま
れると、シリカ系被膜中に取り込まれて、該シリカ系被
膜の均一性を損なう場合があるからである。
【0129】尚、上記第1及び第2非水系有機溶媒は、
前記にて説明した非水系有機溶媒に含まれることは言う
までもない。これらの第1及び第2非水系有機溶媒が合
わさって非水系有機溶媒となるからである。従って、上
記第1及び第2非水系有機溶媒としては、前記した各種
の有機溶媒を採用することができる。更に、上記に例示
した有機溶媒のうち第1非水系有機溶媒としては非水系
の非極性溶媒が好ましく、第2非水系有機溶媒としては
水を溶解させるという観点から非水系の極性溶媒が好ま
しい。
【0130】次に、上記溶液Cと溶液Dとを乾燥雰囲気
中で混合し、所定時間静置する。これにより、無水シリ
カ微粒子に結合した活性化基を有するシラン化合物と水
とが脱塩酸反応を起こし、前記一般式(XII)で表され
る化合物が分散したシリカ系被膜形成用溶液が得られ
る。ここで、上記溶液Cと溶液Dとの混合比は、活性化
基を有するシラン化合物に対する上記水のモル比が等モ
ル以下となるように設定する。これにより、上記シラン
化合物に於ける活性化基が水分子に於けるヒドロキシル
基(−OH)と反応しても、活性化基が上記ヒドロキシ
ル基よりも多数である為、全ての活性化基が反応しない
ように抑制できる。このことは、調製されたシリカ系被
膜形成用溶液中に於ける、残存活性化基が少なくなって
反応活性が低下することにより、該シリカ系被膜形成用
溶液自体の活性が劣化するのを防止する為である。
【0131】尚、上記したように、溶液Cと溶液Dとを
乾燥雰囲気中で混合するのは以下に述べる理由による。
即ち、例えば相対湿度が35%より大きい雰囲気中で溶
液Cと溶液Dとを混合させると、その混合溶液は白濁す
る。これは、雰囲気中に含まれる水分と、シラン化合物
に於ける活性化基とが脱塩酸反応を起こし、活性化基を
有するシラン化合物の反応活性を低下させたことを示
す。この結果、前述と同様に活性化基が減少し、シリカ
系被膜形成用溶液自体の活性が劣化する。よって、溶液
C及び溶液Dの混合は、相対湿度が35%以下の乾燥雰
囲気中で行う必要がある。
【0132】尚、上記シリカ系被膜形成用溶液の製造方
法に於いては、無水シリカ微粒子が溶液Cに添加されて
いる場合について述べたが、本発明はこれに何ら限定さ
れるものではなく、溶液Dに添加してもよい。或いは溶
液C及び溶液Dの双方に添加してもよい。
【0133】次に、本実施の形態2に係るシリカ系被膜
について詳述する。本発明のシリカ系被膜は、その構成
単位であるポリシロキサンオリゴマーが基材表面および
無水シリカ微粒子に化学吸着した、網目状構造を有する
被膜である。
【0134】より詳しくは、以下の通りである。即ち、
図4に示すように、シリカ系被膜24を構成する複数の
ポリシロキサンオリゴマーは、相互に物理的に絡み合い
ながら、下記構造式(V)で表される繰り返し構造単位
のように、化学的な橋かけ結合により強力に結合した網
目状構造となっている。
【0135】
【化33】 更に、上記ポリシロキサンオリゴマーは基材21及び無
水シリカ微粒子23表面にシロキサン結合(−SiO
−)を介して形成されている。又、図4から明らかなよ
うに、無水シリカ微粒子23は基板21とシロキサン結
合した状態で含まれている。従って、本発明に係るシリ
カ系被膜24は耐摩耗性や耐擦傷性に優れている。その
上、シリカ系被膜24中には、炭化水素基等を備えたポ
リシロキサンオリゴマーが含まれていない。これはシリ
カ系被膜4の原料として、炭化水素基等を有しないシラ
ン化合物と無水シリカ微粒子を使用しているからであ
り、更に触媒なども添加していない為である。
【0136】上記のように、シリカ系被膜24中には炭
化水素基等が含まれていないので、シリカ系被膜として
は極めて高純度であり、硬度、透明性に優れている。こ
の様な高純度のシリカ系被膜24を基材21の下地膜と
して用いる場合には、不純物イオン等に対して優れたブ
ロッキング機能も発揮する。更に、シリカ系被膜24の
主に表面部分にはヒドロキシル基(−OH)が導入され
ており、親水性の被膜となっている。これにより、例え
ば液晶表示素子等に用いる場合には、配向膜の下地層と
して使用可能である。
【0137】上記基材21としては特に限定されるもの
ではなく、例えば表面にヒドロキシル基(−OH)やイ
ミノ基(>NH)等の活性水素を有する官能基が存在す
る高分子基材が使用可能である。特に本発明に於いて
は、耐熱性温度が150℃以下の基材に対しても有効で
ある(理由については、シリカ系被膜の製造方法を説明
する際に述べる。)。具体的には、例えばガラス、セラ
ミックス、プラスティック、金属、繊維、皮革、紙等の
材質からなるものが挙げられる。ガラスからなる基材表
面に本発明のシリカ系被膜24を形成した場合、ガラス
からアルカリが溶出するのを防ぐことができる。セラミ
ックスや金属の場合には、シリカ系被膜は保護膜として
の機能を発揮し、薬品等に対して反応しにくくする等基
材の耐酸性を向上させることができる。又、繊維や皮
革、紙の場合には、基材表面の親水性を向上させること
ができる。例えば、ナイロンやストッキングに本発明を
適用した場合には、肌触りをよくすることができる。
又、かつらに適用した場合には、帯電防止の効果も発揮
する。
【0138】一方、上記基材21が活性水素を有する官
能基が存在しない材質からなる場合、或いは本来的にこ
れらの官能基が少ない材質からなる場合には、以下に述
べる処理を行うことにより、本発明に適用することが可
能となる。即ち、基材の表面を空気中でコロナ処理、或
いは酸素プラズマ処理することにより、該基材の表面に
活性水素を有する官能基を導入すればよい。これによ
り、クロロシリル基との脱塩酸反応が可能となる。上記
のような基材としては、具体的には、例えばアクリル板
等の撥水性プラスチックやポリカーボネート板等が挙げ
られる。
【0139】次に、本発明に係るシリカ系被膜形成用溶
液の製造方法について詳述する。尚、以下に於いては、
説明の便宜上、シリカ系被膜形成用溶液に於ける活性化
基を有するシラン化合物として、クロロシロキサンオリ
ゴマーを用いた場合を例にして述べているが、他の活性
化基を有するシラン化合物であっても、同様の方法にて
製造できることは言うまでもない。
【0140】上記シリカ系被膜24は、上記基材21表
面に上記シリカ系被膜形成用溶液を乾燥雰囲気中で接触
し、更に水と反応させることにより得られる。
【0141】より詳しくは、予めよく洗浄することによ
り脱脂した基材21を用意し、乾燥雰囲気中で該基材2
1にシリカ系被膜形成用溶液を塗布して塗布膜を形成す
る(塗布工程)。これにより、シリカ系被膜形成用溶液
中のクロロシロキサンオリゴマーに於けるクロロシリル
基が、基材21表面に存在する−OH基や、>NH基等
の活性水素を有する官能基と脱塩酸反応を起こして、無
水シリカ微粒子23を含んだ状態で基材21表面と共有
結合(シロキサン結合)する。ここで、シリカ系被膜形
成用溶液の塗布方法としては特に限定されるものではな
く、従来公知の方法にて行うことができる。具体的に
は、例えばスピンナー法やロールコーター法、浸漬引き
上げ法、スプレー法、スクリーン印刷法、刷毛塗り法等
が挙げられる。特に、無水シリカ微粒子23を添加する
ことで、シリカ系被膜形成用溶液の粘度の調整が容易に
なり、塗膜性を改善できる。
【0142】尚、参考までに述べると、シリカ系被膜形
成用溶液の粘度としては、数千〜数万(cps)であれ
ば好適に使用できる。又、上記脱脂は、シリカ系被膜形
成用溶液の基材21表面に対する付着性能を向上させる
為に行うものであり、その他にも従来公知の方法にて表
面処理を行ってもよい。
【0143】次に、塗布された基材21を室温にて放置
することにより、上記塗布膜中の非水系有機溶媒を蒸発
させる(乾燥工程)。これにより、図3に示すクロロシ
ロキサンオリゴマー被膜22が形成される。尚、活性化
基を有するシラン化合物はクロロシロキサンオリゴマー
として塗布膜中に存在しており、非水系有機溶媒と共に
蒸発することはない。
【0144】続いて、クロロシロキサンオリゴマー被膜
22が形成された基材21を、水分を含む雰囲気中に取
り出す(シリカ系被膜形成工程)。これにより、残存し
ているクロロシリル基が水分と即座に脱塩酸反応を起こ
す。この結果、膜中に於いては架橋構造となり、膜表面
に於いてはヒドロキシル基が導入され、本発明に係るシ
リカ系被膜24が形成される(図3参照)。尚、クロロ
シロキサンオリゴマー被膜22を水分に接触させる方法
としては特に限定されるものではないが、前述のように
水分を含む雰囲気中で行うのが好ましい。例えば、水中
に浸漬したりすると、クロロシロキサンオリゴマー被膜
22に於ける残存クロロシリル基がいきなり水と脱塩酸
反応して白濁する。この結果、基材21表面にシリカ系
被膜23を形成することができないので、水中に浸漬す
るのは好ましくない。
【0145】更に、上記シリカ系被膜形成工程(図3)
の後、水分を除去する為に熱処理工程を行ってもよい。
これにより、ヒドロキシル基が除去され、より高密度で
緻密性に優れたシリカ系被膜24を得ることができる。
上記熱処理工程に於ける加熱温度としては、基材21の
耐熱性の許容範囲内で水分が十分に蒸発できる程度であ
ればよい。上記加熱温度としては、水の沸点温度である
100℃以上が好ましく、熱処理時間を短縮して行う為
には120℃以上であることがより好ましい。
【0146】又、本発明のシリカ系被膜24の製造方法
に於いては、シリカ系被膜形成用溶液に予めアルコキシ
シラン化合物を添加することも可能である。従来のシリ
カ系被膜の製造方法に於いては、アルコキシシラン化合
物と共に酸触媒を添加する必要があったが、本発明に於
いては酸触媒を添加する必要がない。クロロシロキサン
オリゴマーに於けるクロロシリル基とヒドロキシル基と
の脱塩酸反応により塩酸が生じるからである。この塩酸
が酸触媒としての役割を果たす為、下記化学反応式
(X)で表される脱アルコール反応が生じる。これによ
り、上記アルコキシシラン化合物にヒドロキシル基が導
入される。
【0147】
【化34】 ここで、上記熱処理工程を行うと、下記化学反応式(X
I)に示す脱水反応が生じ、より高密度で緻密性に優れ
たシリカ系被膜が得られる。
【0148】
【化35】 尚、上記アルコキシシラン化合物としては特に限定され
るものではなく、具体的には、例えばテトラエトキシシ
ランやプロピルオキシシラン等が挙げられる。但し、前
記アルコキシシラン化合物のうち、テトラメトキシシラ
ンについては人体に対する毒性が強いので避けた方がよ
い。
【0149】又、シリカ系被膜形成用溶液の濃度を希釈
又は濃縮して使用すれば、シリカ系被膜の膜厚を制御す
ることも可能である。更に、無水シリカ微粒子を添加す
ることで、塗布液の粘度を調整でき、所望の膜厚となる
ようにシリカ系被膜を形成することができる。尚、希釈
する際の希釈溶媒としては特に限定されるものではな
く、前記した非水系有機溶媒を使用することができる。
【0150】以上のことから本実施の形態2に係るシリ
カ系被膜の製造方法によれば、従来の製造方法にて行っ
ていた触媒の添加や熱処理工程が必要がないので、極め
て簡便に厚膜のシリカ系被膜を形成することができる。
更に、耐熱性の低い材質からなる基材表面にもシリカ系
被膜を形成することができる。
【0151】又、以上の説明に於いては、本発明の第2
の態様について最も好適な実施の形態に従って説明した
が、本発明は従来シリカ系被膜が用いられてきたもの全
てに好適に使用できる。例えば、半導体デバイスでは、
層間絶縁膜やパッシベーション膜等に使用できる。又、
液晶デバイスでは、透明基板と透明電極との間に平坦化
膜として使用でき、或いは透明電極と配向膜との間に該
配向膜の下地層として使用できる。更に、TFTアレイ
用のパッシベーション膜としても使用できる。その上更
に、本発明はこれらに用途が限定されるものではなく、
耐熱性の低い基材に対しても適用可能である。例えば、
耐熱性の低いめがねレンズ等のハードコート膜として使
用できる。 (その他の事項)又、本発明に係るシリカ系被膜形成用
溶液は、物体と他の物体とを接着させる接着剤としても
使用可能である。なぜならば、表面に活性水素を有する
官能基を有する物体同士であれば、両者に化学吸着する
ことによりそれらの間隙にシリカ系被膜を形成すること
ができ、結果として物体同士を接合する能力を発揮する
からである。
【0152】従って、本発明に於いては、シリカ系被膜
形成用溶液を接着剤として使用することにより、シリカ
系被膜を介して物体と他の物体とを接着してなる接着構
造体をも提供することができる。
【0153】特に、ガラスファイバー同士、又はガラス
ファイバーと他の材料からなる物体とを接着する場合
に、本発明のシリカ系被膜形成用溶液は接着剤として有
用である。
【0154】本発明に係るシリカ系被膜形成用溶液を接
着剤として使用する場合の使用方法としては、以下の通
りである。
【0155】先ず、表面に活性水素を有する官能基が存
在する2つの物体を用意し、一方の物体表面に乾燥雰囲
気中でシリカ系被膜形成用溶液を塗布して塗布膜を形成
する(塗布工程)。これにより、シリカ系被膜形成用溶
液中のクロロシロキサンオリゴマーに於けるクロロシリ
ル基が、物体表面に存在する活性水素を有する官能基と
脱塩酸反応を起こして、物体表面にシロキサン結合す
る。次に、乾燥雰囲気中で、塗布膜を介して他方の物体
を上記一方の物体に貼り合わせ、接着させる(接着工
程)。これにより、他方の物体表面に於いても上記と同
様に脱塩酸反応を起こして化学吸着する。
【0156】次に、一方の物体と他方の物体との間隙に
ある塗布膜を室温にて放置することにより、塗布膜中の
非水系有機溶媒を蒸発させる(乾燥工程)。これによ
り、クロロシロキサンオリゴマー被膜が形成される。
【0157】続いて、クロロシロキサンオリゴマー被膜
を水分を含む雰囲気中に取り出す(シリカ系被膜形成工
程)。これにより、残存しているクロロシリル基が水分
と即座に脱塩酸反応を起こし、膜中に於いては架橋構造
となり、本発明に係る接着構造体を作製することができ
る。
【0158】
【実施例】以下に、図面を参照して、この発明の好適な
実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施例に
記載されている構成要素の材質や、処理条件等は、特に
限定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらの
みに限定する趣旨のものではなく、単なる説明例に過ぎ
ない。 (実施例1)本実施例1は本発明の第1の態様に対応す
るものであって、シリカ系被膜形成用溶液の調製に関す
る。より詳しくは、以下の通りである。
【0159】先ず、相対湿度5%の乾燥雰囲気中で、第
1非水系有機溶媒としてのジメチルシリコンに、クロロ
シラン化合物としてのテトラクロロシラン(SiC
4)を混合溶解させ溶液A(第1混合溶液)を作製し
た。該溶液Aに於けるSiCl4の濃度は0.1M/l
とした。次に、第2非水系有機溶媒としてのクロロホル
ムに、飽和状態となるまで水を混合溶解させ溶液B(第
2混合溶液)を作製した。
【0160】続いて、上記溶液Aと溶液Bとを、上記S
iCl4と水とのモル数が同値となるように湿度5%の
乾燥雰囲気中で混合し、一晩静置した。このとき、Si
Cl 4と水とが脱塩酸反応を起こし、クロロシロキサン
オリゴマーを含むシリカ系被膜形成用溶液が得られた。
【0161】ここで、本実施例に係るシリカ系被膜形成
用溶液の定性分析(液体クロマトグラフィー、赤外分光
法等)を行うと、下記一般式(II)、(III)、(IV)
で表される物質が含まれていることがわかった。
【0162】
【化36】 (式中、nは1以上の整数である。)
【0163】
【化37】 (式中、nは1以上の整数である。)
【0164】
【化38】 (式中、nは1以上の整数である。) (実施例2)本実施例では、前記実施例1にて作製した
シリカ系被膜形成用溶液を用いてシリカ系被膜の形成を
行った。
【0165】先ず、ガラスからなる基材11をよく洗浄
することにより予め脱脂しておいた。次に、湿度5%の
乾燥雰囲気中で、前記シリカ系被膜形成用溶液を基材1
1表面に塗布した。更に、ジメチルシリコン及びクロロ
ホルムを室温にて蒸発させ、クロロシロキサンオリゴマ
ー被膜12を形成した(図1参照)。
【0166】続いて、水分を含む雰囲気中にクロロシロ
キサンオリゴマー被膜12が形成された基材11を暴露
し、上記水分とクロロシロキサンオリゴマーとを反応さ
せた。これにより、厚みが約8nmのシリカ系被膜13
が形成された(図2参照)。ここで、上記シリカ系被膜
13は、下記化学式(XIII)で示される構造単位を含ん
で構成されていることが分析により確認された。
【0167】
【化39】 以上により、本実施例に係るシリカ系被膜13が得られ
た。 (実施例3)本実施例3は本発明の第2の態様に対応す
るものであって、シリカ系被膜形成用溶液の調製に関す
る。より詳しくは、以下の通りである。
【0168】先ず、相対湿度5%の乾燥雰囲気中で、第
1非水系有機溶媒としてのジメチルシリコンに、無水シ
リカ微粒子(日本アエロジル社製、商品名:アエロジル
300)とクロロシラン化合物としてのテトラクロロシ
ラン(SiCl4)を混合溶解させ溶液C(第3混合溶
液)を作製した。該溶液Cに於けるSiCl4の濃度は
0.1M/lとした。また、無水シリカ微粒子として、
アエロジル300を3重量%とした。
【0169】次に、第2非水系有機溶媒としてのクロロ
ホルムに、飽和状態となるまで水を混合させ溶液D(第
4混合溶液)を作製した。このとき、無水シリカ微粒子
はD液の方に添加しておいても良いし、両方の溶液に添
加しておいても良い。
【0170】続いて、上記溶液Cと溶液Dとを、上記S
iCl4と水とのモル数が同値となるように湿度5%の
乾燥雰囲気中で混合し、一晩静置した。このとき、Si
Cl 4と水とが脱塩酸反応を起こし、クロロシロキサン
オリゴマーを含むシリカ系被膜形成用溶液が得られた。
【0171】ここで、本実施例に係るシリカ系被膜形成
用溶液の定性分析(液体クロマトグラフィー、赤外分光
法等)を行うと、下記一般式(VII)、(VIII)、(I
X)で表される物質が含まれていることがわかった。
【0172】
【化40】 (式中、nは1以上の整数である。)
【0173】
【化41】 (式中、nは1以上の整数である。)
【0174】
【化42】 (式中、nは1以上の整数である。) (実施例4)本実施例では、前記実施例3にて作製した
シリカ系被膜形成用溶液を用いてシリカ系被膜の形成を
行った。
【0175】先ず、ガラスからなる基材21をよく洗浄
することにより予め脱脂しておいた。次に、湿度5%の
乾燥雰囲気中で、前記シリカ系被膜形成用溶液を基材2
1表面に塗布した。更に、ジメチルシリコン及びクロロ
ホルムを室温にて蒸発させ、無水シリカ微粒子23を含
むクロロシロキサンオリゴマー被膜22を形成した(図
3参照)。
【0176】続いて、水分を含む雰囲気中にクロロシロ
キサンオリゴマー被膜22が形成された基材21を暴露
し、上記水分とクロロシロキサンオリゴマーとを反応さ
せた。これにより、厚みが約500nmのシリカ系被膜
24が形成された(図4参照)。ここで、上記シリカ系
被膜24は、下記構造式(XIII)で示される構造単位を
含んで構成されていることが分析により確認された。
【0177】
【化43】 以上により、本実施例に係るシリカ系被膜24が得られ
た。
【0178】
【発明の効果】本発明は、以上のように説明した形態で
実施され、以下に述べるような効果を奏する。
【0179】即ち、本発明の第1の態様に係るシリカ系
被膜形成用溶液によれば、該シリカ系被膜形成用溶液中
に活性化基を有するシロキサン化合物を含むことによ
り、従来のゾルゲル法等のように熱処理や触媒添加を行
うことなく使用でき、基材との反応性に優れたシリカ系
被膜形成用溶液を提供することができるという効果を奏
する。
【0180】更に、本発明の第1の態様に係るシリカ系
被膜形成用溶液の製造方法によれば、乾燥雰囲気中で活
性化基を有するシラン化合物を溶解させた第1混合溶液
と、オリゴマー化剤としての水が溶解した第2混合溶液
とを、乾燥雰囲気中で混合することにより、活性化基を
有するシロキサン化合物を含むシリカ系被膜形成用溶液
を作製する。活性化基を有するシロキサン化合物は、活
性化基を有するシラン化合物と水との脱塩酸反応により
生成させるので、活性化基が多数存在した化合物とする
ことができる。よって、基材との反応性に優れたシリカ
系被膜形成用溶液を製造することができるという効果を
奏する。
【0181】又、本発明の第1の態様に係るシリカ系被
膜は、基材表面と脱塩酸反応にて化学吸着しており、か
つシロキサン結合による橋かけ結合により網目状構造と
なっているので、上記基材の耐摩耗性、対擦傷性を向上
させる為のハードコート層として使用できる。その上、
シリカ系被膜の化学構造中には炭化水素基等の不純物が
含まれておらず極めて高純度である為、硬度や透明性に
優れているという効果を奏する。
【0182】更に、本発明の第1の態様に係るシリカ系
被膜の製造方法によれば、シリカ系被膜形成用溶液を基
材に塗布してシロキサン化合物被膜を形成した後、該シ
ロキサン化合物被膜と水とを反応させてシリカ系被膜を
形成するので、従来のゾルゲル法等にて行っていた触媒
の添加や熱処理工程が必要なく、極めて簡便にシリカ系
被膜を形成することができるという効果を奏する。
【0183】又、本発明の第2の態様に係るシリカ系被
膜形成用溶液によれば、該シリカ系被膜形成用溶液中に
活性化基を有するシラン化合物が無水シリカ微粒子に結
合してなる化合物を含むことにより、従来のゾルゲル法
等のように熱処理や触媒添加を行うことなく使用でき、
基材との反応性に優れ、粘度の制御が可能な塗膜性に優
れたシリカ系被膜形成用溶液を提供することができると
いう効果を奏する。
【0184】更に、本発明の第2の態様に係るシリカ系
被膜形成用溶液の製造方法によれば、少なくとも何れか
一方に、無水シリカ微粒子を分散させた第3混合溶液及
び第4混合溶液であって、第1非水系有機溶媒に、乾燥
雰囲気中で活性化基を有するシラン化合物を溶解させた
第3混合溶液と、第2非水系有機溶媒に水を混合させた
第4混合溶液とを、乾燥雰囲気中で混合することによ
り、活性化基を有するシラン化合物が無水シリカ微粒子
に結合してなる化合物を含むシリカ系被膜形成用溶液を
作製する。これにより、無水シリカ微粒子の添加量等を
適宜設定することにより、基材との反応性及び塗膜性に
優れたシリカ系被膜形成用溶液を、粘度を制御して作製
することができる。
【0185】又、本発明の第2の態様に係るシリカ系被
膜は、膜中に存在する無水シリカ微粒子及び基材にシロ
キサン結合を介して結合し、かつシロキサン結合による
橋かけ結合により網目状構造となっているので、上記基
材の耐摩耗性、対擦傷性を向上させる為のハードコート
層として使用できる。その上、シリカ系被膜の化学構造
中には炭化水素基等の不純物が含まれておらず極めて高
純度である為、厚膜で硬度や透明性に優れているという
効果を奏する。
【0186】更に、本発明の第2の態様に係るシリカ系
被膜の製造方法によれば、シリカ系被膜形成用溶液を、
乾燥雰囲気中で基材表面に塗布して乾燥させることによ
り活性化基を有するシロキサン化合物被膜を形成した
後、該シロキサン化合物被膜を水分子と接触させて、該
基材表面に無水シリカ微粒子を含有するシリカ系被膜を
形成するので、従来のゾルゲル法等にて行っていた触媒
の添加や熱処理工程が必要なく、極めて簡便に厚膜のシ
リカ系被膜を形成することができるという効果を奏す
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係るクロロシロキサン
オリゴマー被膜の概略を示す断面模式図である。
【図2】上記実施の形態1に係るシリカ系被膜の概略を
示す断面模式図である。
【図3】本発明の実施の形態2に係るクロロシロキサン
オリゴマー被膜の概略を示す断面模式図である。
【図4】上記実施の形態2に係るシリカ系被膜の概略を
示す断面模式図である。
【符号の説明】
11、21 基材 12、22 クロロシロキサンオリゴマー被膜 13、24 シリカ系被膜 23 無水シリカ微粒子
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C03C 17/30 H01L 29/78 619A (72)発明者 大竹 忠 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 野村 幸生 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (47)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機溶媒と活性化基を有するシロキサン
    化合物とを含むことを特徴とするシリカ系被膜形成用溶
    液。
  2. 【請求項2】 上記活性化基を有するシロキサン化合物
    として、下記一般式(I)で表される化合物を含むこと
    を特徴とする請求項1に記載のシリカ系被膜形成用溶
    液。 【化1】 (式中、R1〜R4はそれぞれ独立して、水素原子、ハロ
    ゲン、イソシアネート基、ヒドロキシル基、クロロシリ
    ル基、ジクロロシリル基、トリクロロシリル基、シラノ
    ール基及びシロキサン結合を形成することにより架橋し
    得るケイ素含有官能基を表し、R5及びR6はそれぞれ独
    立して、水素原子、ハロゲン、イソシアネート基及びヒ
    ドロキシル基を表し、mは1以上の整数である。)
  3. 【請求項3】 上記活性化基を有するシロキサン化合物
    は、クロロシロキサンであることを特徴とする請求項1
    又は請求項2に記載のシリカ系被膜形成用溶液。
  4. 【請求項4】 上記クロロシロキサンは、クロロシロキ
    サンオリゴマーであることを特徴とする請求項3に記載
    のシリカ系被膜形成用溶液。
  5. 【請求項5】 上記クロロシロキサンオリゴマーは、下
    記一般式(II)、一般式(III)及び一般式(IV)で表
    される化合物から選択される少なくとも1種の化合物で
    あることを特徴とする請求項4に記載のシリカ系被膜形
    成用溶液。 【化2】 (式中、nは1以上の整数である。) 【化3】 (式中、nは1以上の整数である。) 【化4】 (式中、nは1以上の整数である。)
  6. 【請求項6】 上記有機溶媒は非水系有機溶媒であるこ
    とを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか1つに
    記載のシリカ系被膜形成用溶液。
  7. 【請求項7】 上記非水系有機溶媒は、炭化水素系有機
    溶媒、フッ素系有機溶媒及び塩素系有機溶媒から選択さ
    れる少なくとも1種の有機溶媒であることを特徴とする
    請求項6に記載のシリカ系被膜形成用溶液。
  8. 【請求項8】 上記シリカ系被膜形成用溶液には、更に
    アルコキシシラン化合物が含まれていることを特徴とす
    る請求項1ないし請求項7の何れか1つに記載のシリカ
    系被膜形成用溶液。
  9. 【請求項9】 上記アルコキシシラン化合物は、テトラ
    エトキシシラン及びプロピルオキシシランから選択され
    る少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求
    項8に記載のシリカ系被膜形成用溶液。
  10. 【請求項10】 第1有機溶媒に活性化基を有するシラ
    ン化合物を乾燥雰囲気中で溶解させて第1混合溶液を作
    製する工程と、 上記活性化基を有するシラン化合物をオリゴマー化させ
    るオリゴマー化剤を、第2有機溶媒に混合させて第2混
    合溶液を作製する工程と、 上記第1混合溶液と第2混合溶液とを、乾燥雰囲気中で
    混合する工程とを含むことを特徴とするシリカ系被膜形
    成用溶液の製造方法。
  11. 【請求項11】 上記活性化基を有するシラン化合物に
    対する上記オリゴマー化剤のモル比が等モル以下である
    ことを特徴とする請求項10に記載のシリカ系被膜形成
    用溶液の製造方法。
  12. 【請求項12】 上記オリゴマー化剤は水であることを
    特徴とする請求項10又は請求項11に記載のシリカ系
    被膜形成用溶液の製造方法。
  13. 【請求項13】 上記活性化基を有するシラン化合物
    は、テトラクロロシラン、トリクロロシラン、ジクロロ
    シラン、ヘキサクロロジシロキサン、オクタクロロトリ
    シロキサンから選択される少なくとも1種の化合物であ
    ることを特徴とする請求項10、請求項11又は請求項
    12の何れか1つに記載のシリカ系被膜形成用溶液の製
    造方法。
  14. 【請求項14】 上記第1有機溶媒及び第2有機溶媒
    は、炭化水素系有機溶媒、フッ素系有機溶媒及び塩素系
    有機溶媒から選択される少なくとも1種の有機溶媒であ
    ることを特徴とする請求項10ないし請求項13の何れ
    か1つに記載のシリカ系被膜形成用溶液の製造方法。
  15. 【請求項15】 基材表面にシロキサン結合を介して形
    成されたシリカ系被膜であって、 上記シリカ系被膜の化学構造中には炭化水素基を含まな
    いことを特徴とするシリカ系被膜。
  16. 【請求項16】 下記構造式(V)で表される繰り返し
    構造単位を含んでいることを特徴とする請求項15に記
    載のシリカ系被膜。 【化5】
  17. 【請求項17】 上記基材は、その表面に活性水素を有
    する官能基を有しており、かつその耐熱性が150℃以
    下であることを特徴とする請求項15又は請求項16に
    記載のシリカ系被膜。
  18. 【請求項18】 請求項1ないし請求項9の何れか1つ
    に記載のシリカ系被膜形成用溶液を、乾燥雰囲気中で基
    材表面に塗布する塗布工程と、 上記有機溶媒を蒸発させて、活性化基を有するシロキサ
    ン化合物被膜を形成する乾燥工程と、 上記シロキサン化合物被膜を水分子と接触させて、該基
    材表面にシリカ系被膜を形成するシリカ系被膜形成工程
    とを含むことを特徴とするシリカ系被膜の製造方法。
  19. 【請求項19】 上記シリカ系被膜形成工程は、水分を
    含む雰囲気中で行うことを特徴とする請求項18に記載
    のシリカ系被膜の製造方法。
  20. 【請求項20】 上記シリカ系被膜形成工程の後、更に
    100℃以上の温度で加熱する熱処理工程を含むことを
    特徴とする請求項18又は請求項19に記載のシリカ系
    被膜の製造方法。
  21. 【請求項21】 非水系有機溶媒と、活性化基を有する
    シラン化合物が無水シリカ微粒子に結合してなる化合物
    とを含むことを特徴とするシリカ系被膜形成用溶液。
  22. 【請求項22】 請求項21に記載のシリカ系被膜形成
    用溶液に於いて、無水シリカ微粒子に代えて酸化チタン
    微粒子を含むことを特徴とするシリカ系被膜形成用溶
    液。
  23. 【請求項23】 上記活性化基を有するシラン化合物と
    して、下記一般式(VI)で表される化合物を含むことを
    特徴とする請求項21又は請求項22に記載のシリカ系
    被膜形成用溶液。 【化6】 (式中、R7〜R10はそれぞれ独立して、水素原子、ハ
    ロゲン、イソシアネート基、ヒドロキシル基、クロロシ
    リル基を含む官能基、ジクロロシリル基を含む官能基、
    トリクロロシリル基を含む官能基、シラノール基を含む
    官能基及びシロキサン結合を形成することにより架橋し
    得るケイ素含有官能基を表し、R11及びR 12はそれぞれ
    独立して、水素原子、ハロゲン、イソシアネート基及び
    ヒドロキシル基を表し、mは1以上の整数である。)
  24. 【請求項24】 上記活性化基を有するシラン化合物
    は、クロロシラン化合物であることを特徴とする請求項
    21、請求項22又は請求項23の何れか1つに記載の
    シリカ系被膜形成用溶液。
  25. 【請求項25】 上記一般式(VI)で表される化合物
    は、下記一般式(VII)、一般式(VIII)及び一般式(I
    X)で表される化合物から選択される少なくとも1種で
    あることを特徴とする請求項23に記載のシリカ系被膜
    形成用溶液。 【化7】 (式中、nは1以上の整数である。) 【化8】 (式中、nは1以上の整数である。) 【化9】 (式中、nは1以上の整数である。)
  26. 【請求項26】 上記非水系有機溶媒は、炭化水素系有
    機溶媒、フッ素系有機溶媒及び塩素系有機溶媒から選択
    される少なくとも1種の有機溶媒であることを特徴とす
    る請求項21ないし請求項25の何れか1つに記載のシ
    リカ系被膜形成用溶。
  27. 【請求項27】 上記シリカ系被膜形成用溶液には、更
    にアルコキシシラン化合物が含まれていることを特徴と
    する請求項21ないし請求項26の何れか1つに記載の
    シリカ系被膜形成用溶液。
  28. 【請求項28】 上記アルコキシシラン化合物は、テト
    ラエトキシシラン及びプロピルオキシシランから選択さ
    れる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請
    求項27に記載のシリカ系被膜形成用溶液。
  29. 【請求項29】 第1非水系有機溶媒に、活性化基を有
    するシラン化合物を乾燥雰囲気中で溶解させて第3混合
    溶液を作製する工程と、 第2非水系有機溶媒に水を混合させて第4混合溶液を作
    製する工程と、 上記活性化基を有するシラン化合物と水とを反応させる
    為に、上記第3混合溶液と第4混合溶液とを乾燥雰囲気
    中で混合する工程とを備え、 上記第3混合溶液及び第4混合溶液の少なくとも何れか
    一方に、無水シリカ微粒子を分散させたものを使用する
    ことを特徴とするシリカ系被膜形成用溶液の製造方法。
  30. 【請求項30】 請求項29に記載のシリカ系被膜形成
    用溶液の製造方法に於いて、上記無水シリカ微粒子に替
    えて酸化チタン微粒子を用いることを特徴とするシリカ
    系被膜形成用溶液の製造方法。
  31. 【請求項31】 上記活性化基を有するシラン化合物に
    対する上記水のモル比が等モル以下であることを特徴と
    する請求項29又は請求項30に記載のシリカ系被膜形
    成用溶液の製造方法。
  32. 【請求項32】 上記活性化基を有するシラン化合物と
    して、クロロシラン化合物を使用することを特徴とする
    請求項29、請求項30又は請求項31の何れか1つに
    記載のシリカ系被膜形成用溶液の製造方法。
  33. 【請求項33】 上記クロロシラン化合物は、テトラク
    ロロシラン、トリクロロシラン、ジクロロシラン、ヘキ
    サクロロジシロキサン、オクタクロロトリシロキサンか
    ら選択される少なくとも1種の化合物であることを特徴
    とする請求項32に記載のシリカ系被膜形成用溶液の製
    造方法。
  34. 【請求項34】 上記第1非水系有機溶媒及び第2非水
    系有機溶媒は、炭化水素系有機溶媒、フッ素系有機溶媒
    及び塩素系有機溶媒から選択される少なくとも1種の有
    機溶媒であることを特徴とする請求項29ないし請求項
    33の何れか1つに記載のシリカ系被膜形成用溶液の製
    造方法。
  35. 【請求項35】 基材表面にシロキサン結合を介して形
    成されたシリカ系被膜であって、 前記シリカ系被膜中に無水シリカ微粒子を含み、該無水
    シリカ微粒子はシリカ系被膜及び基材にシロキサン結合
    を介して結合されており、 上記シリカ系被膜の化学構造中には炭化水素基を含まな
    いことを特徴とするシリカ系被膜。
  36. 【請求項36】 請求項35に記載のシリカ系被膜に於
    いて、上記無水シリカ微粒子に替えて酸化チタン微粒子
    が含まれることを特徴とするシリカ系被膜。
  37. 【請求項37】 下記構造式(V)で表される繰り返し
    構造単位を含んでいることを特徴とする請求項35又は
    請求項36に記載のシリカ系被膜。 【化10】
  38. 【請求項38】 上記基材は、その表面に活性水素を有
    する官能基を有しており、かつ基材の耐熱性が150℃
    以下であることを特徴とする請求項35ないし請求項3
    7の何れか1つに記載のシリカ系被膜。
  39. 【請求項39】 請求項21〜請求項28の何れか1つ
    に記載のシリカ系被膜形成用溶液を、乾燥雰囲気中で基
    材表面に塗布する塗布工程と、 上記非水系有機溶媒を蒸発させて、活性化基を有するシ
    ロキサン化合物被膜を形成する乾燥工程と、 上記シロキサン化合物被膜を水分子と接触させて、該基
    材表面に無水シリカ微粒子を含有するシリカ系被膜を形
    成するシリカ系被膜形成工程とを含むことを特徴とする
    シリカ系被膜の製造方法。
  40. 【請求項40】 上記シリカ系被膜形成工程を、水分を
    含む雰囲気中で行うことを特徴とする請求項39に記載
    のシリカ系被膜の製造方法。
  41. 【請求項41】 上記シリカ系被膜形成工程の後、更に
    100℃以上の温度で加熱する熱処理工程を含むことを
    特徴とする請求項39又は請求項40に記載のシリカ系
    被膜の製造方法。
  42. 【請求項42】 請求項1〜請求項9、又は請求項21
    〜請求項28の何れか1つに記載のシリカ系被膜形成用
    溶液を、乾燥雰囲気中で物体表面に塗布する塗布工程
    と、 上記物体表面に塗布されたシリカ系被膜形成用溶液を介
    して、該物体と、他の物体とを接着させる接着工程と、 上記非水系有機溶媒を蒸発させて、活性化基を有するシ
    ロキサン化合物被膜を形成する乾燥工程と、 上記シロキサン化合物被膜を水分子と接触させて、該基
    材表面にシリカ系被膜を形成するシリカ系被膜形成工程
    とを含むことを特徴とするシリカ系被膜形成用溶液によ
    る接着方法。
  43. 【請求項43】 請求項15〜請求項17、又は請求項
    35〜請求項38の何れか1つに記載のシリカ系被膜を
    介して、物体と他の物体とを接着してなることを特徴と
    する接着構造体。
  44. 【請求項44】 請求項1〜請求項9、又は請求項21
    〜請求項28の何れか1つに記載のシリカ系被膜形成用
    溶液を含むことを特徴とする塗料組成物。
  45. 【請求項45】 上記塗料組成物には、顔料、染料及び
    色素からなる群より選ばれる何れか1つを含むことを特
    徴とする請求項44に記載の塗料組成物。
  46. 【請求項46】 請求項15〜請求項17、又は請求項
    35〜請求項38の何れか1つに記載のシリカ系被膜に
    於いて、半導体デバイス用のパッシベーション膜が上記
    シリカ系被膜からなるなることを特徴とする半導体デバ
    イス用パッシベーション膜。
  47. 【請求項47】 請求項15〜請求項17、又は請求項
    35〜請求項38の何れか1つに記載のシリカ系被膜に
    於いて、薄膜トランジスタアレイ用のパッシベーション
    膜が、上記シリカ系被膜からなることを特徴とする薄膜
    トランジスタアレイ用パッシベーション膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007158146A (ja) * 2005-12-07 2007-06-21 Toppan Printing Co Ltd 半導体デバイスおよびその製造方法

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