JP2000256268A - 炭酸ジエステルの効率的製造方法 - Google Patents

炭酸ジエステルの効率的製造方法

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JP2000256268A
JP2000256268A JP11062898A JP6289899A JP2000256268A JP 2000256268 A JP2000256268 A JP 2000256268A JP 11062898 A JP11062898 A JP 11062898A JP 6289899 A JP6289899 A JP 6289899A JP 2000256268 A JP2000256268 A JP 2000256268A
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catalyst
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acid diester
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JP11062898A
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Ikuo Ota
郁夫 太田
Takeshi Minami
武志 皆見
Nobuto Kobayashi
伸人 小林
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Chiyoda Chemical Engineering and Construction Co Ltd
Chiyoda Corp
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 銅触媒を含有する触媒液を用いる炭酸ジエス
テルの製造方法において、触媒の劣化に供う固形分の問
題を回避し、長期間にわたって安定的に反応操作を行な
うことのできる方法を提供する。 【解決手段】 銅触媒が溶解状態で存在する均一溶液か
らなる触媒液を用いる炭酸ジエステルの製造方法におい
て、(i)該触媒液中で有機ヒドロキシ化合物を一酸化
炭素及び酸素と反応させる反応工程、(ii)該反応工程
から抜き出された炭酸ジエステル、副生水、未反応有機
ヒドロキシ化合物及び触媒液を含有する反応生成液の一
部又は全部から、少なくとも該炭酸ジエステルの一部を
分離する分離工程、(iii)該反応工程から抜出された
反応生成液又は該反応生成液から少なくとも該炭酸ジエ
ステルの一部を分離した後の残液の一部又は全部から、
該液中に存在する固形物を分離する固形物分離工程、
(iv)該固形物分離工程で得られた固形物を分離した後
の液を該分離工程又は該反応工程へ循環する循環工程、
からなることを特徴とする炭酸ジエステルの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、炭酸ジエステルの
製造方法に関する。炭酸ジメチル等の炭酸ジエステル
は、医薬、農薬等の原料として有用であるほか、近年で
はガソリンの添加剤(オクタンブースター)として、あ
るいは各種カーボネート類の製造原料として用いられる
ホスゲンに代わる反応原料として注目されているもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、炭酸ジエステルの製造方法と
しては、ホスゲンとアルコールを反応させる方法が知ら
れており、現実に工業化もなされている。しかしなが
ら、この方法は、副生する塩酸により装置材料が腐食す
るという問題及びホスゲンそのものが極めて強い毒性を
持っているという問題があり、ホスゲンを用いない非ホ
スゲン法の製造技術が求められていた。このような要望
に応じるベく、Enichem社は、塩化銅(I)を触媒とし
て用い、メタノールの酸化カルボニル化反応による炭酸
ジメチルの製造を工業化している(Quad.Ind.Chim.Ital
vol.21 No.1(1985))。しかしながら、このよ
うなEnichemプロセスにおいても副生する塩酸等による
装置材料の腐食の問題は完全に解決しておらず、そのた
め、反応器内面をガラスライニングする必要があり、装
置の大型化への障害となっている。さらに、Enichemプ
ロセスでは、十分な反応速度を得るためには14重量%
以上の高濃度の銅塩が必要とされており、反応液は、そ
の液中に大量の銅塩が固形分として存在するいわゆるス
ラリー液となる。そのため、生成した炭酸エステルから
固形分を分離するために、別途、膜分離あるいは遠心分
離等の特別な工程が必要となるという問題もある。さら
に、これらの装置を耐熱、耐圧、耐腐食性とするには大
変なコストがかかるという問題もある。また、装置材料
のエロージョンの要因になるという問題もある。リアク
ターから生成した炭酸ジエステルを気相で抜出すことに
より、腐食性の触媒をリアクター内に残存させる方法
(特開平4−270251)も提案されているが、この
方法の場合には、COガスを大過剰に供給する必要があ
るため、そのCOガスのリサイクルにコストがかかると
いう問題がある。一方、反応系がスラリー系になるのを
回避するために、各種添加物を加えて均一反応系を作り
だし、均一反応系での炭酸ジエステル製造の試みもなさ
れている。例えば、U.S.P.Re29338(Snam
Progetti)には、塩化銅と含窒素化合物からなる触媒
によるアルコールの酸化カルボニル化の実験例が開示さ
れている。しかしながら、この触媒の場合、塩化銅の溶
解度が低いために触媒濃度を低く制限する必要があり、
実用的とは言えない。また、特開昭62−81356号
公報(テキサコ・デペロップメント)には、反応系にピ
リジン類を加える例が開示されているが、この場合の反
応系は均一系ではなくてスラリー系である。U.S.
P.4604242(Dow Chemica1)には、bis(2,
4−pentandianato)copper(II)methoxide−ピリジン
を用いて均一系を達成する旨の提案がなされているが、
この場合の触媒は、用いる銅化合物が極めて特殊であ
り、しかも反応速度が遅く実用的とはいえない。特開平
5−17410号公報には、CuCl2にアルカリ土類
金属の水酸化物(Mg(OH)2等)を加えることにより
触媒を均一化し、塩化第2銅を用いた場合の欠点である
塩化メチル、ジメチルエーテル等の副生物の生成を抑え
ることが開示されている。しかしながら、この場合の触
媒も、工業的触媒としては、未だ満足しえるものではな
い、特開平6−25105号公報には、チタン、スズ、
ニオブ、ビスマス、モリブデン又はマンガン等の金属の
ハロゲン化物を共存させることにより、銅(I)の析出
を回避しようとしているが、このような金属ハロゲン化
物は、COの燃焼によるCO2の副生量を増加させる傾
向を示すことから、その使用は余り好ましくない。スラ
リー系を回避する別の方法として、比較的低濃度のCu
Cl2/PdCl3からなる均一触媒系を用いる方法も広
く知られている(特開平5−105642号公報、特開
平5−320098号公報、特開平5−320099号
公報等)。しかしながら、これらの方法においては、P
dを用いることによる副生物としてのシュウ酸の生成と
その生成シュウ酸と銅イオンとの反応による不溶性のシ
ュウ酸銅の生成による触媒活性の低下が指摘されてい
る。スラリー系を回避するさらに別の方法として、銅塩
あるいはその錯塩を固体に担持した触煤により気相反応
を行う方法も提案されている。例えば、U.S.P.2
625044(Dow Chemical)や特開平2−25665
1号公報には、活性炭に塩化銅あるいは銅−ピリジン錯
体を担持した触煤による気相反応が開示されている。し
かしながら、これらの方法は、炭酸ジエステルの選択性
(選択率)が低く、また、ハロゲン等の飛散に伴う触媒
活性の劣化といった問題があり、未だ満足し得る方法で
はない。特開平6−210181号公報には、銅−トリ
フェニルホスフィン錯体を活性炭に担持した触媒による
反応が開示されている。しかしながら、この場合も、触
媒上にはハロゲンの共存が必要であり、そのハロゲンや
ハロゲン化水素の飛散に伴う触媒活性の劣化が問題とな
る。さらに、このような固定化触媒の再生法として、ハ
ロゲンガスやハロゲン化水素ガスを再生ガスとして用い
て処理する方法が提案されている(特開平6−2101
81号公報、特開平5−49947号公報、特開平5−
208137号公報等)。しかしながら、これらの触媒
再生法は、再生ガスによる反応器等の腐食や、残留する
再生ガスと原料アルコールとの反応によるハロゲン化ア
ルキルの生成や、製品である炭酸ジエステルの加水分解
といった問題を含む。本発明者らは、これまでに、十分
な反応速度、選択性、安定性を有するアルコール類の酸
化カルボニル化反応用触媒液と、これを用いた炭酸ジエ
ステルの製造法を提案した(特開平9−18375
6)。また、この触媒液はCO処理による触媒液再生工
程の併存を行うことで、触媒液の活性、生成物への選択
率、触媒寿命の向上が可能であることを見出した(特開
平10−156189)。特に、銅ハライドやその錯化
合物を触媒成分として用い、上記触媒液再生工程を併存
することで炭酸ジエステルの高い生産性と、炭酸ジエス
テルヘの高選択率が達成できる。しかしながら、この製
造法においても長時間の連続反応では微量の固形分の生
成と共に触媒液性能が徐々に低下するという問題があ
る。固形分の生成は、圧力調整弁等の正常な動作を防げ
る要因となるばかりでなく、装置材料のエロージョンの
要因等スラリー触媒におけるいくつかの問題を派生する
という問題もある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、銅触媒を含
有する触媒液を用いる炭酸ジエステルの製造方法におい
て、触媒の劣化に供う固形分の問題を回避し、長期間に
わたって安定的に反応操作を行なうことのできる方法を
提供することをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、(a)銅触媒、
(b)下記一般式(1) R1[CH(R2)CH2O]n3 (1) (式中、R1はアルキル基又はアリール基を示し、R2
メチル基、エチル基又は水素を示し、R3はアルキル
基、アリール基又は水素を示し、nは1〜12の整数を
示す)で表されるグリコールエーテル及び(c)環状窒
素化合物を含み、該銅触媒が溶解状態で存在する均一溶
液からなる触媒液を用いる炭酸ジエステルの製造方法に
おいて、(i)該触媒液中で有機ヒドロキシ化合物を一
酸化炭素及び酸素と反応させる反応工程、(ii)該反応
工程から抜き出された炭酸ジエステル、副生水、未反応
有機ヒドロキシ化合物及び触媒液を含有する反応生成液
の一部又は全部から、少なくとも該炭酸ジエステルの一
部を分離する分離工程、(iii)該反応工程から抜出さ
れた反応生成液又は該反応生成液から少なくとも該炭酸
ジエステルの一部を分離した後の残液の一部又は全部か
ら、該液中に存在する固形物を分離する固形物分離工
程、(iv)該固形物分離工程で得られた固形物を分離し
た後の液を該分離工程又は該反応工程へ循環する循環工
程、からなることを特徴とする炭酸ジエステルの製造方
法が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で用いる銅触媒を含む触媒
液は、銅触媒としての銅化合物と、環状窒素化含物と、
前記一般式(1)で表されるグリコールエーテルを含む
均一溶液からなる。この触媒液において、それに含まれ
る銅触媒は触媒液中に均一に溶解している。銅触媒に
は、銅ハライドが用いられる。銅触媒は、1価の銅
(I)化合物及び/又は2価の銅(II)化合物であるこ
とができる。前記銅塩化物の具体例としては、CuC
l、CuCl2等が挙げられる。本発明で用いる銅触媒
としては、触媒活性と炭酸ジエステルの選択性の観点か
ら、特に、塩化第1銅(CuCl)又はその錯体が好ま
しい。
【0006】本発明に用いられるグリコールエーテルを
表す前記一般式(1)において、R 1はアルキル基又は
アリール基を示す。アルキル基としては、その炭素数が
1〜6、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜2のア
ルキル基が挙げられる。アリール基としては、フェニル
基又はその置換体等が挙げられる。R2はメチル基、エ
チル基又は水素、好ましくは水素又はメチル基、より好
ましくは水素を示す。R3はアルキル基、アリール基又
は水素を示す。アルキル基としては、その炭素数が1〜
6、好ましくは1〜4、より好ましくは1〜2のアルキ
ル基が挙げられる。アリール基としては、フェニル基又
はその置換体等が挙げられる。nは1〜12、好ましく
は1〜6、より好ましくは2〜4の整数を示す。R1
炭素数が6を超えると、銅触媒の溶解度が低下するとい
う不都合が生じる、また、R2の炭素数が2を超える
と、やはり銅触媒の溶解度が低下するという不都合が生
じる。また、R3の炭素数が6を超えると、やはり銅触
媒の溶解度が低下するという不都合が生じる。また、n
の値が12を超えると、銅触媒の溶解度の低下や触媒液
の粘度の増大という不都合が生じる。本発明で用いられ
るグリコールエーテルは、前記一般式(1)で表される
ものであるが、その代表的グリコールエーテルは、メタ
ノール、エタノール、プロパノール及び/又はブタノー
ル1モルに対し、酸化エチレン及び/又は酸化プロピレ
ンを2〜12モル付加したグリコールモノアルキルエー
テル系化合物である。また、それらの代表的グリコール
エーテルの別の群は、上記グリコールモノアルキルエー
テルの末端のOH基のHをメチル基、エチル基、プロピ
ル基、又はブチル基等の低級アルキル基あるいはフェニ
ル基で置換したグリコールジアルキルエーテル系化合物
である。なお、これらのグリコールエーテルは、単独で
又は2種以上の混合物の形で用いることができる。この
ようなグリコールエーテルは、CO及びO2の溶解度が
高いのみならず、Cu化合物と環状窒素化合物との錯体
の溶解度も高く、錯体の析出を回避することができる。
これらのグリコールエーテルは、グリコールとアルコー
ルのエーテル化により容易に合成できるが、市販品を用
いることも可能である。市販品としては東邦化学工業社
製のハイソルブ等がある。グリコールエーテルはガス吸
収剤として広く用いられている溶剤であり、各種ガス状
物質の溶解性に優れる。また、化学的に不活性で、腐食
性が無く、不溶物や沈殿を形成しない;熱安定性が高
く、溶剤劣化がない;蒸気圧が低く、溶剤ロスが少ない
等の特徴を有する。
【0007】本発明に用いられる環状窒素化合物として
は、ピリジンあるいはピリジン骨格にアルキル基、アル
コキシ基、ハロゲン原子等の炭酸ジエステル生成反応を
阻害しない置換基を有するピリジン系化合物、例えば、
ピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メチルピリジ
ン、2−エチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、
2−メチル−4−ヒドロキシピリジン、2−ヒドロキシ
−4−メトキシピリジン、2−ヒドロキシ−6−クロロ
ピリジン等が挙げられる。さらには、置換又は未置換の
フェナントロリン、置換又は未置換のジピリジル、置換
又は未置換のイミダゾール等の環状窒素化合物を用いて
もよい。これらはCu化合物と錯体化合物をつくり、上
記のグリコールエーテルに溶解する。これらの中では、
特に、ピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メチル
ピリジン、1,10−フェナントロリン、2,2’−ジ
ピリジルを用いることが好ましい。
【0008】本発明で原料物質として用いられる有機ヒ
ドロキシ化合物としては、ヒドロキシル基を有する広範
囲の有機化合物が使用できる。このようなものには、脂
肪族系及び芳香族系のものが包含され、その炭素数は1
〜20、好ましくは1〜6である。脂肪族系の有機ヒド
ロキシ化合物には、鎖状及び環状のものが包含される。
芳香族系のものには、各種フェノールの他、ベンジルア
ルコールやフェネチルアルコール等の芳香族系アルコー
ルが包含される。それらの具体例としては、例えば、メ
タノール、エタノール、1ープロパノール、2−プロパ
ノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキ
サノール、1−オクタノール、1−デカノール、1−オ
クタデカノール、アリルアルコール、2−ブテン−1−
オール、2−ヘキセン−1−オール等の炭素数1〜20
の飽和又は不飽和脂肪族アルコール;シクロヘキサノー
ル、シクロペンタノール等の炭素数3〜7の脂環族アル
コール;フェノール等の各種フェノール類;ベンジルア
ルコール、フェネチルアルコール等の芳香族アルコール
等が挙げられる。また、用いる有機ヒドロキシ化合物と
しては、一価のものに限らず、エチレングリコール、ジ
エチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエ
チレングリコール、プロピレングリコール等の二価のア
ルコールや、グリセリン等の多価のアルコールでもよ
い。これらの中では、特に、反応生成物の需要の観点か
ら、メタノールやエタノールが好ましく用いられる。
【0009】さらに、原料として用いられる一酸化炭素
及び酸素は、それぞれ、高純度ガスである必要はなく、
窒素、アルゴン、二酸化炭素等の不活性ガスにより希釈
したものであってもよい。特に、反応条件下において
は、酸素による爆発を防止するために、不活性ガスによ
る希釈を行うことが好ましい。その意味では酸素の代わ
りに空気を用いてもよい。本発明で用いる炭酸ジエステ
ル生成工程(反応工程)においては、前記触媒液中にお
いて、有機ヒドロキシ化合物と一酸化炭素及び酸素とを
反応させる。この場合の反応を、銅触媒として、CuC
lを用いた場合の反応例は以下の様になる。
【0010】
【化1】 上記2つの反応式をまとめると、次式になる。
【化2】 前記式において、Rはアルキル基又はフェニル基を示
し、Xは配位子を示し、nはCuClに結合する配位子
の数である。
【0011】本発明で用いる触媒液において、環状窒素
化合物の使用割合は、銅触媒としての銅化合物に対する
モル比で、0.1〜100の範囲、好ましくは、0.5
〜50の範囲、より好ましくは、1〜10の範囲に設定
される。この値が0.1未満となると、未溶解の銅化合
物が存在し、触媒系が均一系とならないという不都合が
生じ、また、この値が100を超えると、有機ヒドロキ
シ化合物の存在時に銅化合物が析出してしまうという不
都合が生じる。グリコールエーテルの使用割合は、銅化
合物に対するモル比で、0.5〜200の範囲、好まし
くは、1〜100の範囲、より好ましくは、3〜50の
範囲に設定される。この値が0.5未満となると、触煤
系が均一系とならないという不部合が生じ、また、この
値が200を超えると、触媒液中の銅濃度が低下するた
めに、充分な反応速度が得られないという不都合が生じ
る。原料有機ヒドロキシ化合物の使用割合は、銅化合物
に対するモル比で、10〜700の範囲、好ましくは、
30〜500の範囲、さらに好ましくは50〜300の
範囲に設定される。この値が10未満となると、充分な
反応速度が得られないという不都合が生じ、また、この
値が700を超えても、触媒液中の銅濃度が低下するた
めに、充分な反応速度が得られないという不都合が生じ
る。
【0012】本発明の炭酸ジエステル生成工程(酸化カ
ルボニル化反応工程)(以下、単に工程[1]とも言
う)における反応条件は、以下のように設定される。す
なわち、その反応温度は、30〜200℃、好ましくは
50〜150℃、より好ましくは80〜140℃に設定
され、一酸化炭素分圧(CO分圧)は、0.1〜50k
g/cm2・好ましくは、1〜30kg/cm2、より好
ましくは、1〜25kg/cm2に設定され、酸素分圧
(O2分圧)は、0.001〜10kg/cm2、好まし
くは、0.005〜5kg/cm2、より好ましくは、
0.01〜3kg/cm2に設定される。反応温度が3
0℃未満となると、充分な反応速度が得られないという
不都合が生じ、一方、反応温度が200℃を超えると、
副生物が多くなったり、グリコールエーテルが熱分解す
るという不都合が生じる。また、CO分圧が0.1kg
/cm2未満となると、充分な反応速度が得られないと
いう不都合が生じ、一方、CO分圧が50kg/cm2
を超えると、耐圧容器(リアクター)の製造コストが高
くなり、経済的不都合が生じる。また、O2分圧が0.
001kg/cm2未満となると、充分な反応速度が得
られないという不都合が生じ、一方、O2分圧が10k
g/cm2を超えると、グリコールエーテルが酸化分解
するという不都合が生じる。
【0013】本発明における炭酸ジエステル生成工程
[1]は、回分方式又は流通方式いずれの方法によって
も実施することができるが、ここでは(流通方式)を採
用した場合について説明する。この流通方式による炭酸
ジエステルの製造方法は、連続的に、有機ヒドロキシ化
合物、CO及びO2、さらに必要に応じて環状窒素化合
物、グリコールエーテルの補充量を加え、この一方で連
続的に反応生成物(炭酸ジエステル)を抜き出して回収
する方法である。この反応工程[1]における反応器の
形式は、撹拌槽、気泡塔等の従来公知の各種のものが用
いられる。
【0014】本発明の1つの態様においては、反応工程
[1]で得られる反応生成液を反応工程[1]から抜出
し、これを蒸留又は蒸発処理工程(分離工程)(以下、単
に工程[2]とも言う)に送り、ここで残液成分(液相
成分)Aと、蒸発成分(気相成分)Bとに分離すること
ができる。残液成分Aは、主に触媒液(Cu触媒、環状
窒素化合物及びグリコールエーテルからなる)からなる
もので、その他、副生水等を含有する。一方、蒸発成分
Bは、目的物である炭酸ジエステルの他、未反応の有機
ヒドロキシ化合物及び副生水、少量の環状窒素化合物、
極少量のグリコールエーテルを含む。本発明では、残液
成分中に含まれる水分濃度を、2重量%以下、より好ま
しくは1重量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以
下に設定するのが好ましい。本発明者らの研究によれ
ば、残液成分Aを一酸化炭素と接触させて高活性の触媒
液に再生する場合に、その残液中の水分濃度が2重量%
を超えると、その残液成分Aの触媒液の再生効率が悪化
するという現象が生じることが見出された。前記残液成
分A中の水分濃度は、反応工程[1]から抜出された反
応生成液を蒸留又は蒸発処理する際の条件、例えば、蒸
留や蒸発処理における温度や圧力により調節することが
できる。この場合の蒸留処理は蒸留塔により行なわれ、
蒸発処理はフラッシャーにより行なわれる。
【0015】本発明では、前記分離工程[2]で得られ
た残液成分Aは、その一部又は全部を固形物分離工程
[3]に送り、ここでその液中に極かに含まれる固形物
を分離除去する。この場合の分離方法としては、従来一
般的に用いられている固液分離法を用いることができ
る。本発明では、好ましくは、遠心分離等の重力分離法
や分離膜を用いる膜分離法を用いることができる。本発
明により残液成分A中に含まれる固形物を分離する場
合、その残液成分Aは、これを前記反応工程[1]の反
応温度よりも低い温度に冷却するのが好ましい。この際
の冷却温度は、該反応温度よりも10℃以上、より好ま
しくは30℃以上低い温度である。その冷却温度の下限
値は、通常、その反応温度よりも40℃程度低い温度で
ある。
【0016】本発明を好ましく実施するために、前記残
液成分Aは、固形物分離工程に先立ち、先ず、その一部
又は全部を触媒液再生工程[4]に送り、ここで一酸化
炭素と接触させ、得られた処理液の一部又は全部を固形
物分離工程に送り、その固形物を分離することもでき
る。この場合、固形物分離工程に送る液の温度は、前記
の場合と同様に、反応工程[1]の反応温度よりも低い
温度とするのが好ましい。
【0017】前記固形物分離工程[3]で得られた固形
物の分離除去された後の液は、これを反応工程[1]に
循環する。
【0018】本発明の他の態様においては、反応工程
[1]から抜出された反応液は、これを分離工程[2]に
送る前に、その一部又は全部を直接固形物分離工程
[3]に送って液中の固形物を分離除去することもでき
る。この場合の固形物を分離した後の液は、これを分離
工程へ送って少なくとも炭酸ジエステルの一部を分離し
た後、反応工程[1]へ循環することができる。この様
に固形物を分離した後の液を反応工程へ循環することに
よりグリコールエーテル、ピリジン、活性を有する触媒
の有効利用を計ることができる上、残存する有機ヒドロ
キシ化合物及び炭酸ジエステルの回収率を向上させるこ
とができる。
【0019】前記、触媒液再生工程[4]は、0.1k
g/cm2以上、好ましくは0.5kg/cm2以上の一
酸化炭素分圧下で行われる。一酸化炭素分圧の上限値は
特に制約されないが、50kg/cm2程度である。こ
のCO分圧が0.1kg/cm2未満であると、充分な
触媒液の再生が行われないという不都合が生じる。CO
分圧が50kg/cm2を超えると装置コストが高くな
るという不都合が生じる。また、この触媒液とCOとの
接触温度は、50〜200℃、好ましくは、70〜15
0℃である。この接触温度が50℃未満となると、充分
な触煤液の再生が行われないという不都合が生じ、この
接触温度が200℃を超えると、グリコールエーテルの
分解が生じるという不都合が生じる。このようにして得
られる再生触媒液は、炭酸ジエステル生成工程(反応工
程[1])における触媒液として有効用いることができ
る。図1、2いずれに場合も、分離除去された固形物中
に含まれる銅の量に相当する銅触媒を反応工程に連続的
又は断続的に添加しながら実施することもできる。
【0020】前記液中から分離された固形物は、触媒活
性を実質的に失った不溶性劣化触媒からなるもので、こ
の固形物を長時間にわたって多量除去すると、液中のハ
ロゲン/銅比のバランスがくずれてしまう。従って、本
発明では、触媒として有効なハロゲン/銅比を保持する
ために、その固形物を分離した後の液をハロゲン/銅比
調整工程[5]に送り、ここでハロゲン供与性化合物を
添加し、液中のハロゲン/銅比を0.5〜1.5(モル
/モル)、好ましくは0.8〜1.2(モル/モル)の
範囲に保持して、反応工程[1]に送るのが好ましい。
この場合、ハロゲン供与性化合物とは、触媒液中又は反
応生成液中でハロゲン又はハロゲンイオンを生成する化
合物である。このようなハロゲン供与性化合物として、
塩素ガス、臭素ガス、塩化水素、臭化水素を用いること
が可能である。これらのハロゲンガス、ハロゲン水素
は、通常、反応器等の腐食や、製品である炭酸ジエステ
ルの加水分解といった問題を生じさせるが、本発明の場
合、環状窒素化合物が反応系に存在するため、環状窒素
化合物と、反応系に存在するハロゲン化水素とが塩を形
成し、そのハロゲンは環状窒素化合物に捕捉される。そ
の結果、腐食や炭酸ジエステルの加水分解は極くわずか
しか生じない。ハロゲン供与性化合物の他の例には、ハ
ロゲン化アルキル、金属ハロゲン化物、三級窒素含有化
合物の塩酸塩や臭酸塩等が包含される。ハロゲン化アル
キルとしては、炭素数1〜6、好ましくは1〜3の鎖状
アルキル基や炭素数5〜10の環状のアルキル基を有す
るものが挙げられる。金属ハロゲン化物には、NaC
l、KCl、LiCl、NaBr、KBr、LiBr等
のアルカリ金属ハロゲン化物;MgCl2、CaCl2
MgBr2、CaBr2等のアルカリ土類金属ハロゲン化
物等が挙げられる。
【0021】三級窒素含有化合物の塩酸塩には、脂肪族
系、芳香族系及び複素環系のものが包含される。脂肪族
系のものにおいて、その炭素数は1〜6、好ましくは、
1〜3である。芳香族系のものにおいて、その炭素数は
6〜14、好ましくは、6〜10である。複素環系のも
のには、五員環〜六員環のものが包含される。三級窒素
含有化合物の具体例としては、ピリジン塩酸塩、塩酸ア
リルアミン、臭素水素エチルアミン、ベンジルアミン塩
酸塩等が挙げられる。本発明の場合、反応系への重質物
の蓄積を回避することを考慮すると、ハロゲンガス、ハ
ロゲン化水素、三級窒素含有化合物の塩化水素塩や臭化
水素塩が好ましい。さらに、反応液の酸性度(pH)の
変動を極力抑えるためには三級窒素含有化合物の塩酸塩
もしくは臭酸塩が好ましい。さらに好ましくは、触媒系
を構成する環状窒素化合物のハロゲン化水素塩、例えば
ピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メチルピリジ
ン、2−エチルピリジン、2,4−ジメチルピリジン、
2−メチル−4−ヒドロキシピリジン、2−ヒドロキシ
−4−メトキシピリジン、2−ヒドロキシ−6−クロロ
ピリジン等の塩酸塩もしくは臭酸塩が用いられる。さら
には、置換又は未置換のフェナントロリン、置換又は未
置換のジピリジル、置換又は未置換のイミダゾール等の
環状窒素化合物の塩酸塩や臭酸塩も好ましく用いること
ができる。
【0022】固形物分離工程[3]で分離された固形物
から触媒として有用な銅化合物を再生し、反応工程に連
続的又は断続的に循環することもできる。この場合の再
生方法としては、塩酸や硝酸水溶液中、あるいはピリジ
ン塩酸塩や臭酸塩が存在する有機溶媒中で可溶化する方
法等がある。
【0023】本発明の場合、前記反応工程[1]では、
前記反応(2)及び反応(3)は、別々に行うことがで
きる。すなわち、2つの反応器を設け、それぞれの反応
器内で反応(2)の酸化工程と反応(3)のカルボニル
化工程を逐次行えばよい。それぞれの工程におけるCO
分圧、O2分圧、温度等の反応条件は、前記流通方式の
場合と同様である。酸化工程とカルボニル化工程とを別
々に行うことにより、COとO2の混合による爆発混合
気の形成を回避することができる。また、本発明によれ
ば、2つの反応器の間に蒸留装置等の分離工程を設け、
前記(2)の反応で副生する水を蒸留工程等で分離し、
釜残液中の水分を2重量%以下、好ましくは1重量%以
下、更に好ましくは0.5重量%以下とした状態で、前
記(3)のカルボニル化工程に導入することで炭酸ジエ
ステルを得ることが可能である。この(3)のカルボニ
ル化工程後には、前記流通方式の場合と同様な触媒液の
再生を行い、前記(2)の酸化工程に返送する。このよ
うなシステムを容易に組むことができるのは、本発明で
用いる触媒液が安定な均一系触媒液であるためである。
【0024】次に、本発明の実施形態の一つを図面を参
照して説明する。図1は、本発明を実施する場合のフロ
ーシートの1例を示す。図1において、4は反応装置、
6及び8は分離装置、10は触媒液再生装置、21は固
液分離装置を示す。反応装置4は、触媒液中で有機ヒド
ロキシ化合物とCO及びO2とを反応させて炭酸ジエス
テルを生成させるため反応装置、撹拌型の反応装置であ
る。分離装置6は、触媒液から炭酸ジエステル、水、未
反応有機ヒドロキシ化合物を蒸気状で分離し、また末反
応のCO/O2ガスを分離するための装置であり、フラ
ッシャーや、蒸留塔が好ましく用いられる。分離装置8
は、分離装置6で分離された気相成分の凝縮物をさらに
気相成分と液相成分とに分離する装置である。触媒液再
生装置10は、炭酸ジエステルが分離された後の触媒液
を再生処理するための装置であり、気液接触装置が用い
られる。固液分離装置21は、液中からそれに含まれる
固形物を分離するためのものであり、遠心分離装置や膜
分離装置等が用いられる。
【0025】図1に示すフローシートに従って炭酸ジエ
ステルを製造するには、触煤液をあらかじめ仕込んだ反
応装置4に対し、ライン1、2及び3を通して、それぞ
れ、O2、CO及び有機ヒドロキシ化合物を供給し、触
媒液中で有機ヒドロキシ化合物とCO及びO2とを反応
させて炭酸ジエステルを生成させる。反応装置4におい
ては、触媒液と炭酸ジエステルと未反応有機ヒドロキシ
化合物とからなる反応生成液が得られるが、このもの
は、背圧弁5bを介して分離装置6に導入される。
【0026】反応生成液は、この分離装置6において、
液相成分Aと気相成分Bとに分離される。液相成分A
は、主に触媒液からなり、その他副生水等を含有する。
一方、気相成分Bは、主に炭酸ジエステルからなるもの
で、その他、未反応有機ヒドロキシ化合物、副生水、未
反応O2及び未反応COを含有する。気相成分Bは、ラ
イン7aを通り、背圧弁7b、ライン7cを通り、凝縮
器8に入る。凝縮器8においては、ガス中に含まれる凝
縮性ガス(有機ヒドロキシ化合物、炭酸ジメチル、水)
が凝縮される。O2とCOとからなるガスと凝縮物とは
ライン8aを通って気液分離装置8cに入り、ここでガ
ス成分(O2及びCO)がライン8bを通って排出され
る。液相成分は、必要に応じライン8aを介して排出さ
れる。本発明の場合、分離装置6は、液相成分B(触媒
液)中の水分濃度が2重量%以下、好ましくは1重量%
以下、さらに好ましくは0.5重量%以下になるように
運転するのが好ましい。分離装置6における釜残液(液
相成分)は、ライン9aを通って冷却器20に入り、冷
却された後、固液分離装置21に導入される。ここで液
中の固形物が析出し、この固形物はライン22を通って
除去される。固形物が除去された残液はライン9cを通
って再生装置10に導入され、ここでライン12から供
給されるCOと十分に気液接触する。再生装置10でC
Oと接触して再生された触媒液はライン11を通り、反
応装置4に返送され、一方、排出されたCOはライン1
3を通って反応装置4に導入される。前記のようにし
て、炭酸ジエステルを連続的に生成させることができ、
また、触媒液を連続的に再生することができる。なお、
ライン24は触媒液補給ラインを示す。
【0027】図1に示したフローシートにおいて、原料
有機ヒドロキシ化合物は、必ずしもライン3を通して反
応装置4に供給する必要はなく、必要に応じてその一部
又は全部を、ライン14aもしくは14bを通して再生
装置10に導入し、この再生装置10からライン11を
通して反応装置4に供給することもできる。また、分離
装置6からライン9aを通して分離された触媒液の一部
は、再生装置10に送らずに、ライン9bを介して直接
反応装置4に導入することもできる。
【0028】図2は、本発明の別の実施形態を示すフロ
ーシートを示す。図2において、3は前記酸化反応
(2)を行う反応装置、5、12は分離装置、10は前
記カルボニル化反応(3)を行う反応装置、15は触媒
液再生装置、21は固液分離装置を示す。あらかじめ仕
込まれた触媒液を含む攪拌型反応装置3に対して、ライ
ン1を通してO2及びライン2を通して有機ヒドロキシ
化合物を供給して、前記(2)の酸化反応を行わせる。
反応装置3で得られた反応生成液は、ライン4a、背圧
弁4b、ライン4cを通って分離装置5に導入される。
分離装置5は、反応生成液から、水、未反応有機ヒドロ
キシ化合物を蒸気状で分離し、また未反応のO2ガスを
分離するための装置であり、フラッシャーや、蒸留塔が
用いられる。分離装置5は、分離装置5内の蒸発(蒸
留)残液中の水分濃度が2重量%以下、好ましくは1重
量%以下、さらに好ましくは0.5重量%以下になるよ
うに運転される。この残液は、ライン8を通って反応装
置10に導入される。反応装置10ではライン8から供
給される液とライン9及び16から供給されるCOガス
が接触して前記(3)のカルボニル化反応が進行する。
なお、ライン24は触媒液補給ラインを示す。
【0029】次に、カルボニル化反応装置10における
反応生成液はライン11a、背圧弁11b、ライン11
cを通って分離装置12に導入される。分離装置12に
おいては、炭酸ジエステル、未反応有機ヒドロキシ化合
物、未反応COからなるガス状物が、触媒成分を含む蒸
発(蒸留)残液から塔頂に分離される。分離装置12の
塔頂ガスは、未反応COガス、生成炭酸ジエステル、未
反応有機ヒドロキシ化合物、副生水を含み、ライン13
a、背圧弁13b及びライン13cを通って冷却器18
に入り、炭酸ジエステル、有機ヒドロキシ化合物、水が
凝縮し、この凝縮液はライン18bを通って分離槽19
に入り、ボトムに回収される。分離槽19から気相成分
(CO)がライン19aを通って排出され、液相成分が
ライン19bを通って排出される。分離装置12で得ら
れた触媒成分を含む残液は、ライン13d、13eを介
して触媒液再生装置15に供給される。この装置15
は、炭酸ジエステルが分離された後の触媒液を再生処理
するための装置であり、気液接触装置が用いられる。こ
こで触媒液はライン14から供給されるCOと接触し再
生される。触媒液と接触した後のCOはライン16を通
って装置10に送られる。一方、再生装置15でCOと
接触して再生された触媒液はライン17を通って固液分
離装置21に導入され、ここで液中の固形物がライン2
2を通って分離される。固形物の除去された後の液は、
ライン23を通り、反応装置3に導入される。前記のよ
うにして、炭酸ジエステルを連続的に生成させることが
でき、また、触媒液を連続的に再生することができる。
また、分離装置12からライン13dを通して分離され
た触媒液の一部は、ライン13eを介して再生装置I5
に送らずに、ライン13fを介して直接反応装置3に導
入することもできる。
【0030】本発明においては、固形物が分離除去され
た後の反応工程[1]に循環される触媒液中のハロゲン
/銅比を調整するために、ハロゲン/銅比調整工程が好
ましく使用される。図3にその工程を実施する場合のフ
ローシートの1例を示す。図3において、31は攪拌装
置を示し、38は背圧弁を示す。図3に従って、触媒液
中のハロゲン/銅比を調整するには、固形物を含まない
触媒液をライン32を通って攪拌装置31へ供給すると
ともに、この装置31にはライン34を通ってCOガス
を所定圧力まで導入する。COガスは連続的あるいは断
続的に供給し、背圧弁38で攪拌装置31の圧力を所定
の値に保ちながら連続的又は断続的に排出してもよい。
この装置31に対しては、ライン36を通ってハロゲン
又はハロゲン供与性化合物及び/又はライン37を通っ
て銅化合物が添加される。この場合のそれらの添加量
は、ハロゲン/銅比が所定範囲になるように設定され
る。攪拌装置31内で所定の一酸化炭素分圧、温度下で
所定時間処理された触媒液は、ライン33を介して抜出
され、反応工程は循環される。この場合、処理された触
媒液の反応工程への循環は間欠的に実施される他、いっ
たんその触媒液をベッセルに貯留し、ここから連続的に
循環することもできる。
【0031】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳述する。
【0032】実施例1 この実施例で用いた実験装置の説明図を図4に示す。図
4において、Aはリアクター、Bは背圧弁、Cはフラッ
シャー、Dはリサイクルポンプ、Eは背圧弁、Fは冷却
器、Gは気液分離装置、Hはガスメータを示す。実験装
置ライン1、2、3からそれぞれ酸素、一酸化炭素、メ
タノールをあらかじめ触媒液を仕込んだ容量200ml
のリアクター(A)に供給する。反応圧は背圧弁(B)
でコントロールし、フラシャー(C)にて、ジメチルカ
ーボネート、未反応のガス、メタノール、副生水を塔頂
に、触媒を含む液を塔底に分離する。分離された触媒を
含む液は、ライン5aを介してリサイクルポンプ(D)
に入り、ライン5bを介してリアクター(A)に戻され
る。ジメチルカーボネート、未反応のガス、メタノール
はライン6aから背圧弁(E)を介し冷却器(F)に入
り、ライン6cを介して気液分離装置(G)に入る。ガ
スはライン7aを通ってガスメータ(H)を介して排出
される。一方、生成物を含む液は気液分離装置(G)底
部に蓄積し、ライン8から抜き出される。生成物である
炭酸ジメチルを含む液はガストクマトグラフィーで分析
した。表1に触媒液組成を示し、表2に反応条件を示
す。この場合の反応速度(STY)は0.8(mol/
l/hr)であった。反応中リアクターから抜き出した
反応液をN2雰囲気下で放置したところ、87℃付近ま
で温度が低下すると固形物の析出が観察された。
【0033】実施例2 次に、前記実験終了後、リアクター(A)の温度を40
℃まで降温し、反応液より固形物(約10wt%)を分
離除去した。固形物を分離除去した反応液は室温でも安
定な均一組成であった。この反応液は塩素含有化合物に
より塩素/銅比を調整した後、再びリアクター(A)に
戻すことが可能になった。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】 なお、前記で分離した固形物のCl/Cu比は2/1
(モル/モル)であった。また、固形物を分離した後の
液のCl/Cu比は8/9(モル/モル)であった。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、反応工程へ循環される
触媒液中から不溶性固形物を除去したことから、固形物
の存在に供う圧力調製弁の動作不良や装置材料のコロー
ジョンを回避でき、長時間にわたって安定的に操作を継
続し得る上、その固形物を用いて、触媒液のハロゲン銅
比を調整することにより、その固形物を触媒として再利
用することができる等の利点を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する場合のフローシートの1例を
示す。
【図2】本発明を実施する場合のフローシートの他の例
を示す。
【図3】触媒液中から固形物を分離する場合のフローシ
ートの1例を示す。
【図4】実験に用いた装置の概略図を示す。
【符号の説明】
(図1) 4 反応装置 6 分離装置 10 触媒液再生装置 21 固液分離装置 (図2) 3 酸化反応装置 5、12 分離装置 10 カルボニル化反応装置 15 触媒液再生装置 21 固液分離装置 (図3) 31 攪拌装置 37、39 流量調節バルブ 40 制御器 (図4) A リアクター B 背圧弁 C フラッシャー D リサイクルポンプ E 背圧弁 F 冷却器 G 気液分離装置 H ガスメータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小林 伸人 神奈川県横浜市鶴見区鶴見中央二丁目12番 1号 千代田化工建設株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AB84 AC21 AC48 AD17 AD18 AD19 BA05 BB15 BC10 BC11 BC51 BD42 BD52 BE30 BE40 BJ20 BJ50 KA60 4H039 CA66 CF30

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)銅触媒、(b)下記一般式(1) R1[CH(R2)CH2O]n3 (1) (式中、R1はアルキル基又はアリール基を示し、R2
    メチル基、エチル基又は水素を示し、R3はアルキル
    基、アリール基又は水素を示し、nは1〜12の整数を
    示す)で表されるグリコールエーテル及び(c)環状窒
    素化合物を含み、該銅触媒が溶解状態で存在する均一溶
    液からなる触媒液を用いる炭酸ジエステルの製造方法に
    おいて、(i)該触媒液中で有機ヒドロキシ化合物を一
    酸化炭素及び酸素と反応させる反応工程、(ii)該反応
    工程から抜き出された炭酸ジエステル、副生水、未反応
    有機ヒドロキシ化合物及び触媒液を含有する反応生成液
    の一部又は全部から、少なくとも該炭酸ジエステルの一
    部を分離する分離工程、(iii)該反応工程から抜出さ
    れた反応生成液又は該分離工程において少なくとも該炭
    酸ジエステルの一部を分離した後の残液の一部又は全部
    から、該液中に存在する固形物を分離する固形物分離工
    程、(iv)該固形物分離工程で得られた固形物を分離し
    た後の液を該分離工程又は該反応工程へ循環する循環工
    程、からなることを特徴とする炭酸ジエステルの製造方
    法。
  2. 【請求項2】 該反応工程から抜出された反応生成液又
    は該分離工程において少なくとも該炭酸ジエステルを分
    離した後の残液の一部又は全部を該反応温度より低い温
    度に冷却した後に該残液から固形物を分離する請求項1
    の方法。
  3. 【請求項3】 該冷却温度が反応温度より10℃以上低
    い温度である請求項2の方法。
  4. 【請求項4】 該固形物分離工程を、重力分離又は膜分
    離によって行う請求項1〜3のいずれかの方法。
  5. 【請求項5】 該固形物分離工程において固形物分を分
    離した後の残液にハロゲン供与性化合物を添加して、該
    液中のハロゲン/銅比を0.5〜1.5(モル/モル)
    に調整する請求項1〜4のいずれかの方法。
  6. 【請求項6】 該ハロゲン素/銅比の調整後に、該残液
    を20〜190℃の温度、0.1〜50kg/cm2
    一酸化炭素分圧及び0.5秒〜12時間の時間の条件で
    処理する請求項5の方法。
  7. 【請求項7】 該ハロゲン素/銅比の調整を、前記一般
    式(1)で表されるグリコールエーテルと環状窒素化合
    物との共存下又は該反応工程で用いるのと同種のアルコ
    ールの共存下で行う請求項5又は6の方法。
  8. 【請求項8】 該反応工程を、0.001〜10kg/
    cm2の酸素分圧、0.1〜50kg/cm2の一酸化炭
    素分圧及び30〜200℃の反応温度の条件下で行なう
    請求項1〜7のいずれかの方法。
  9. 【請求項9】 該反応工程から抜出された反応生成液か
    ら少なくとも該炭酸ジエステルを分離した後の残液の一
    部又は全部を、50〜200℃の温度、0.1〜50k
    g/cm2の一酸化炭素分圧及び0.5秒〜12時間の
    時間の条件下で一酸化炭素と接触させた後、該液中の固
    形物を分離する請求項1〜8のいずれかの方法。
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