JP2000258668A - 光データバス、信号処理装置、及び光データバスの製造方法 - Google Patents

光データバス、信号処理装置、及び光データバスの製造方法

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JP2000258668A
JP2000258668A JP6164299A JP6164299A JP2000258668A JP 2000258668 A JP2000258668 A JP 2000258668A JP 6164299 A JP6164299 A JP 6164299A JP 6164299 A JP6164299 A JP 6164299A JP 2000258668 A JP2000258668 A JP 2000258668A
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sheet
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English (en)
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Masanori Hirota
匡紀 廣田
Tsutomu Hamada
勉 浜田
Shinya Kyozuka
信也 経塚
Keiji Fujimagari
啓志 藤曲
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】特殊な接着材を用いずに複数の光伝送路からな
る光データバスを構成する。 【解決手段】信号光を伝搬するためのシート状のコア層
211とコア層を挟むように設けられたクラッド層21
1とから成る光伝送路210を複数層積層した光データ
バスは、クラッド層を非晶質フッ素樹脂で構成し、非晶
質フッ素樹脂で光伝送路を接着して構成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光データバス、信
号処理装置、及び光データバスの製造方法に係り、特
に、信号光の入出力及び伝送を行う光データバス、この
光データバスを用いてデータの送受を含む信号処理を行
う信号処理装置、及びこの光データバスを製造する方法
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】超大規
模集積回路(VLSI)の開発により、データ処理シス
テムで使用する回路基板(ドータボード)の回路機能が
大幅に増大してきている。回路機能が増大するにつれ
て、各回路基板に対する信号接続数が増大するため、各
回路基板間をバス構造で接続するデータバスボード(マ
ザーボード)には、多数の接続コネクタと接続線とを必
要とする並列アーキテクチャが採用されている。並列ア
ーキテクチャにおける並列バスの動作速度は、接続線の
多層化と微細化によって並列化を進めることにより向上
が図られてきたが、接続配線間容量や接続配線抵抗に起
因する信号遅延により、システムの処理速度が並列バス
の動作速度によって制限されることがある。
【0003】また、並列バスの接続配線の高密度化によ
る電磁ノイズ(EMI:Electoromagnetic Interferen
ce)の問題もシステムの処理速度向上に対しては大きな
制約となる。
【0004】上記のような問題点を解消し、並列バスの
動作速度の向上を図るために、光インターコネクション
と呼ばれるシステム内光接続技術を用いることが検討さ
れている。この光インターコネクション技術に関する概
要は、内田禎二,回路実装学術講演大会 15CO01,p.201
〜202や、富室久,他.,”光インターコネクション技術
の現状と動向”、H.Tomuro et al.IEEE Tokyo Sec
tion Denshi Tokyo No.33 p.81〜86(1994)に記載
されているように、システムの構成内容により様々な形
態が提案されている。
【0005】特開平2−41042号公報には、光イン
ターコネクション技術として高速、高感度の発光/受光
デバイスを用いた光データ伝送方式をデータバスに適用
した例が開示されている。この光データ伝送方式では、
各回路基板の表裏両面に発光/受光デバイスを配置し、
システムフレームに組み込まれた隣接する回路基板上の
発光/受光デバイス間を空間的に光で結合した、各回路
基板相互間のループ伝送用の直列データバスが提案され
ている。
【0006】この方式では、複数の回路基板を順次直列
に配置し、所定の1枚の回路基板から伝送された信号光
を隣接する回路基板で光/電気変換した後再度電気/光
変換し、隣接する次の回路基板に信号光を伝送するとい
うように、直列配置された各回路基板で光/電気変換及
び電気/光変換を繰り返しながら、システムフレームに
組み込まれた全ての回路基板に信号光を伝送するもので
ある。
【0007】このため、信号伝送速度は、各回路基板上
に配置された受光/発光デバイスの光/電気変換速度、
及び電気/光変換速度に依存すると同時にその制約を受
ける。また、各回路基板相互間のデータ伝送には、各回
路基板上に配置された受光/発光デバイスによる自由空
間を介在させた光結合を用いているため、隣接する回路
基板表裏両面に配置されている発光/受光デバイスの光
学的位置合わせが行われ、全ての回路基板が光学的に結
合されていることが必要になる。更に、自由空間を介し
て接続されているため、隣接する光データ伝送路間の干
渉(クロストーク)が発生し、データの伝送不良が生じ
る可能性がある。また、システムフレーム間の環境、例
えば、埃等によって信号光が散乱することにより、デー
タの伝送不良が生じる可能性がある。更に、回路基板が
直列に配置されているため、いずれかのボードが取り外
された場合には、取り外された位置で光結合が途切れて
しまい、これを補うための新たな回路基板が必要とな
る。すなわち、回路基板を自由に抜き差しすることがで
きず、回路基板の数が固定されていまう、という問題が
ある。
【0008】また、特開昭61−196210号公報に
は、2次元アレイデバイスを利用した回路基板相互間の
データ伝送技術が開示されている。この技術は、光源に
配置された平行な2面を有するプレートを備えており、
プレート表面に配置された回折格子及び反射素子により
構成された光路を介して回路基板間を光学的に結合する
方式である。この方式では、1点から発せられた光を固
定された1点にしか接続できないので、電気バスのよう
に全ての回路ボード間を網羅的に接続することはできな
い。また、回折格子及び反射素子による集積型の複雑な
光学系が必要になり、光学的位置合わせ等も難しいた
め、光学素子の位置ずれに起因して隣接する光データ伝
送路間の干渉が発生し、データの伝送不良が予想され
る。また、回路基板間の接続情報は、プレート表面に配
置された回折格子及び反射素子により決定されるため、
上記と同様に回路基板を自由に抜き差しすることができ
ず、拡張性が低い等の問題がある。
【0009】特開平4−134415号公報に記載され
た2次元アレイデバイスを利用した回路基板相互間のデ
ータ伝送技術は、空気よりも屈折率が高い透明な物質の
中に、負の曲率を有する複数個のレンズを透明な物質の
表面に形成したレンズアレイと、光源から出射した光を
このレンズアレイの側面から入射させるための光学系
と、を用いている。また、負の曲率を有する複数のレン
ズに代えて、屈折率の低い領域やホログラムを構成した
方式も開示されている。この技術では、側面から入射し
た光が負の曲率を有する複数のレンズ、屈折率の低い領
域、またはホログラムが構成された面上の部分から分配
されて出射する作用を利用している。従って、入射位置
と複数のレンズ等で構成された面上の出射位置との位置
関係により、出射光の強度がばらつくことになる。ま
た、側面から入射した光が対向する側面から透過してし
まう割合も高く、信号伝搬に利用される光の効率が低く
なる。さらに、面上に構成される負の曲率を有する複数
のレンズ等の位置に回路基板の光入力素子を配置する必
要があるため、回路基板を配置するための自由度がな
く、拡張性が低い等の種々の問題がある。
【0010】これらの問題を解決するために、特開平1
0−123350号公報には、シート状の光データバス
が記載されている。この光データバスは、共通信号路に
おいて入射した信号光を拡散して伝搬するため、受発光
部を有した複数の回路基板を簡易に取り付けるだけで確
実に光結合させることができ、精密な光学的位置合わせ
を必要としない。また、回路基板の数や取り付け位置を
自由に変更することができるので、拡張性に富んだ自由
度の高いシステムを構築することができる。また、伝送
路を用いているため、埃等に対する耐環境性を有し、光
学的位置合わせを必要としないため、温度変化等にも強
いという特徴を有している。
【0011】しかしながら、上記従来のシート状光デー
タバスでは、あらゆる方向に光データバスを拡散させて
いるため、信号光の大部分が受光素子が配置されていな
い部分に伝搬されてしまう。このため、受光素子で受光
されるの光の強度が非常に弱くなり、高速化したり低消
費電力化するのが困難になる、という問題がある。
【0012】この問題を解決するために、特開平10−
62657号公報にはシート状光データバスの任意の辺
に設けられた信号光入出射部より入射した信号光を各発
光素子に対応した光拡散部で拡散し、光データバスを形
成している光伝送路を介して対向配置された信号光入出
射部に伝搬する方式が提案されている。この方式では、
信号光入出射部の配置に応じて、各発光素子に対応した
光拡散部における光の拡散分布を制御することによりシ
ート状の光伝送路を介して信号光を出射部方向に有効に
導光可能となるため、シート状光データバスにおける伝
送効率が向上し、高速化や低消費電力化が可能になる。
【0013】上記で説明したシート状光データバスにお
いては、拡散された信号光強度の伝送効率に応じてシー
ト状光データバス1チャンネル当たりの光信号伝送速度
X[bps]が決定される。このシート状光データバス
を用いた信号処理装置が必要とする総スループットをT
[bps]とすると、通常、1チャンネル当たりの光信
号伝送速度Xは、総スループットTに満たないため、上
記シート状光データバスを積層して複数チャンネルとす
ることにより、高速演算を可能とする信号処理装置を構
成している。
【0014】シート状光データバスの積層構造について
は、特開平10−123350号公報、特開平10−6
2657号公報、特開平10−186185号公報等に
記載されている。これらの公報に開示されたシート状光
伝送路においては、コア層として作用するシート状の光
学材料にクラッド層を形成した後、この光伝送路同士を
接着することで光伝送路の積層構造が作製される。ま
た、コア層としては屈折率1.5程度の一般的な光学プ
ラスチック樹脂(PMMA,PC等)を用いているが、
拡散信号光をコア層の圧み方向に極力閉じ込める必要性
から、クラッド層としては屈折率1.4以下のフッ素系
樹脂を用いることが好ましい。
【0015】しかしながら、フッ素系樹脂は撥水、撥油
性が高いため、フッ素樹脂で被覆された光学プラスッチ
ク樹脂を重ね合わせて複数の光伝送路を形成する際に
は、フッ素樹脂表面をN2プラズマ照射処理等で活性化
した後、特殊な接着剤で貼り合わせる必要がありがあっ
た。
【0016】本発明は上記問題点を解消するためになさ
れたもので、特殊な接着剤を使用することなくシート状
光伝送路や光伝送層を積層構造とした光データバス、こ
の光データバスを利用した信号処理装置、及びこの光デ
ータバスを簡単に製造するための光データバスの製造方
法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、信号光を伝搬するためのシート
状のコア層と該コア層を挟むように設けられたクラッド
層とから成る光伝送路を複数層積層した光データバスで
あって、前記クラッド層によって隣り合う前記光伝送路
を接着したことを特徴とする。また、請求項2の発明
は、信号光を伝搬するためのシート状のコア層と該コア
層を挟むように設けられたクラッド層とから成る光伝送
路を各光伝送路の間にバッファ層を介在させて複数層積
層した光データバスであって、前記クラッド層によって
隣り合う前記光伝送路と前記バッファ層とを接着したこ
とを特徴とする。
【0018】請求項1及び2の発明によれば、クラッド
層自体に接着作用を持たせ、クラッド層によって隣り合
う光伝送路、または隣り合う光伝送路とバッファ層とを
接着しているため、特殊な接着剤を用いることなく光伝
送路を複数層積層した光データバスを提供することがで
きる。
【0019】上記信号光を伝搬するためのシート状のコ
ア層と該コア層を挟むように設けられたクラッド層とか
ら成る光伝送路を複数層積層した光データバスは、製造
後に前記コア層として作用する複数枚のシート材の各々
の表面及び裏面の少なくとも一方の面に、溶媒に前記ク
ラッド層を構成する材料を溶解した溶液を塗布する工程
と、前記溶媒の沸点以下の温度環境下において前記溶媒
の一部を揮発させてクラッド層の一部を形成するる工程
と、前記クラッド層の一部が形成された前記シート材を
積層する工程と、前記溶媒の沸点よりも高い温度環境下
において前記溶媒の全てを揮発させることにより積層さ
れたシート材を接着させる工程と、を含む光データバス
の製造方法によって製造することができる。
【0020】また、信号光を伝搬するためのシート状の
コア層と該コア層を挟むように設けられたクラッド層と
から成る光伝送路を各光伝送路の間にバッファ層を介在
させて複数層積層した光データバスは、製造後に前記コ
ア層として作用する複数枚の第1のシート材及び製造後
に前記バッファ層として作用する複数枚の第2のシート
材の各々の表面及び裏面の少なくとも一方の面に、溶媒
に前記クラッド層を構成する材料を溶解した溶液を塗布
する工程と、前記溶媒の沸点以下の温度環境下において
前記溶媒の一部を揮発させて前記第1のシート材及び第
2のシート材にクラッド層の一部を形成する工程と、前
記クラッド層の一部が形成された第2のシート材の間
に、前記クラッド層の一部が形成された第1のシート材
を介在させて第1のシート材と第2のシート材とを交互
に積層する工程と、前記溶媒の沸点よりも高い温度環境
下において前記溶媒のすべてを揮発させることにより交
互に積層された第1のシート材と第2のシート材とを接
着させる工程と、を含む光データバスの製造方法によっ
て製造することができる。
【0021】上記のコア層としては、所定厚みの透明な
シート状ポリメチルメタクリレート、透明なシート状ポ
リカーボネイト、または透明なシート状非晶質ポリオレ
フィン等の透明ポリマー材を用いることができる。ま
た、クラッド層としては、コア層より屈折率が小さいポ
リマー材である非晶質フッ素樹脂材を用いることがで
き、コア層を透明なシート状ポリメチルメタクリレート
を用いた場合には、透明なシート状ポリカーボネイトを
用いることができる。
【0022】バッファ層としては、光伝送路からの漏れ
光を吸収するカーボン含有ポリメチルメタクリレート、
カーボン含有ポリカーボネイト、非晶質ポリオレフィン
等の遮光部材を用いたり、光伝送路の間隔を規定する部
材を用いることができる。
【0023】クラッド層を構成する材料を溶解した溶液
は、溶媒が揮発した後、密接するシート材と接着する作
用を有する溶質を含む溶液であるのが好ましく、例え
ば、非晶質性の含フッ素重合体をパーフルオロ溶媒に溶
解した溶液を用いることができる。
【0024】請求項4の発明は、信号光を伝搬するため
のシート状の光伝送層を複数層積層した光データバスで
あって、前記光伝送層の屈折率を該光伝送層の中央部か
ら該光伝送層の厚み方向に向かって連続的に低下するよ
うに分布させ、隣り合う前記光伝送層を光伝送層間に介
在させた被膜物質によって接着したことを特徴とする。
また、請求項5の発明は、信号光を伝搬するためのシー
ト状の光伝送層を各光伝送層の間にバッファ層を介在さ
せて複数層積層した光データバスであって、前記光伝送
層の屈折率を該光伝送層の中央部から該光伝送層の厚み
方向に向かって連続的に低下するように分布させ、隣り
合う前記光伝送層と該バッファ層とを該光伝送層と該バ
ッファ層との間に介在させた被膜物質によって接着した
ことを特徴とする。
【0025】請求項4及び5の発明においても、被膜物
質自体に接着作用を持たせ、被膜物質によって隣り合う
光伝送層、または隣り合う光伝送層とバッファ層とを接
着しているため、特殊な接着剤を用いることなく光伝送
層を複数層積層した光データバスを提供することができ
る。また、請求項4及び5の発明においては、光伝送層
の屈折率を光伝送層の中央部から光伝送層の厚み方向に
向かって連続的に低下するように分布させているので、
光伝送層に入射された信号光は入射角の大きさに拘らず
対向する信号光入出射端から同時に出射され、伝搬され
る光の強度になまりが生じないようにすることができ
る。
【0026】上記光伝送層の屈折率nは、光伝送層の厚
み方向に向かって以下の式に従って分布させるのが好ま
しい。
【0027】n2=n0 2(1−a22) ただし、dは光伝送層の中心を基準とした厚み方向の距
離、n0は光伝送層の厚み方向中心部での屈折率、aは
光伝送層を構成する光学材料による定数である。
【0028】この光伝送層の屈折率は、以下で説明する
ように非晶質フッ素樹脂等の被膜物質を光伝送層中に拡
散させることによって、分布させることができる。
【0029】信号光を伝搬するためのシート状の光伝送
層を複数層積層した光データバスは、製造後に前記光伝
送層として作用する複数枚のシート材の各々の両面に、
非晶質性の含フッ素重合体を溶解した溶液を塗布する工
程と、前記溶媒の沸点以下の温度環境下において前記溶
媒の一部を揮発させる工程と、前記溶媒の一部が揮発さ
れた前記シート材を積層する工程と、前記溶媒の沸点よ
りも高く、かつ前記シート材のガラス転移温度より低い
温度環境下において前記積層されたシート材を積層方向
に加圧して前記フッ素重合体を前記シート材中に拡散さ
せることによって、屈折率を該シート材の中央部から該
シート材の厚み方向に向かって連続的に低下するように
分布させると共に、積層されたシート材を接着させる工
程と、を含む光データバスの製造方法によって製造する
ことができる。この方法では、前記溶液を塗布する工程
の前に、製造後に前記光伝送層として作用する複数枚の
シート材の各々を非晶質性の含フッ素重合体を溶解した
溶液に所定時間浸漬する工程を更に含むようにすること
ができる。
【0030】上記のシート材としては、所定厚みの透明
なシート状ポリメチルメタクリレート、透明なシート状
ポリカーボネイト、または透明なシート状非晶質ポリオ
レフィン等の透明ポリマー材を用いることができる。
【0031】そして、信号光を伝搬するためのシート状
の光伝送層を各光伝送路の間にバッファ層を介在させて
複数層積層した光データバスは、製造後に前記光伝送層
として作用する複数枚の第1のシート材の両面に、非晶
質性の含フッ素重合体を溶解した溶液を塗布する工程
と、前記溶媒の沸点以下の温度環境下において前記溶媒
の一部を揮発させる工程と、製造後に前記バッファ層と
して作用する複数枚の第2のシート材の間に、前記溶媒
の一部が揮発された前記第1のシート材を介在させて第
1のシート材と第2のシート材とを交互に積層する工程
と、前記溶媒の沸点よりも高く、かつ前記第1のシート
材のガラス転移温度より低い温度環境下において前記積
層された第1のシート材及び第2シート材を積層方向に
加圧して前記フッ素重合体を前記第1のシート材中に拡
散させることによって、屈折率を該第1のシート材の中
央部から該第1のシート材の厚み方向に向かって連続的
に低下するように分布させると共に、積層された第1の
シート材と第2のシート材とを接着させる工程と、を含
む光データバスの製造方法によって製造することができ
る。この方法においても前記溶液を塗布する工程の前
に、製造後に前記光伝送層として作用する複数枚の第1
のシート材の各々を非晶質性の含フッ素重合体を溶解し
た溶液に所定時間浸漬する工程を更に含むようにするこ
とができる。
【0032】上記の第1のシート材としては、所定厚み
の透明なシート状ポリメチルメタクリレート、透明なシ
ート状ポリカーボネイト、または透明なシート状非晶質
ポリオレフィン等の透明ポリマー材を用いることができ
る。また、第2のシート材としては、光伝送層と同一の
材料を母体としたカーボン含有の樹脂材料を用いるのが
好ましく、例えばカーボン含有ポリメチルメタクリレー
トを用いることができる。
【0033】また、上記のように構成した光データバス
を用い、この光データバスの信号光を伝搬する伝搬部
を、電気信号を生成する回路部及び該電気信号を信号光
に変換して出射する信号光出射体を備えた投光手段と、
信号光が入射されると共に入射された信号光を電気信号
に変換する信号光入射体及び変換された電気信号を処理
する回路部を備えた受光手段との少なくとも一方が搭載
された複数の回路基板の前記投光手段及び前記受光手段
と光結合し、回路基板に搭載された信号光入出射体の入
射端及び出射端が前記光データバスの光伝送部と光結合
されるように、前記複数の回路基板を取り外し可能に固
定する基板固定部を設けることにより、請求項9の発明
の信号処理装置を構成することができる。
【0034】この信号処理装置では、光伝送路または光
伝送層を複数層積層した光データバスを用いているの
で、複数ビットからなる並列信号光の送受信や、各々の
光伝送路または光伝送層で独立した同時送受信が可能と
なる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、第1の実
施の形態の光データバスによって相互に光学的に結合さ
れた複数の回路基板を有する信号処理装置の実施の形態
を詳細に説明する。
【0036】図1に示すように、信号処理装置100
は、基体としてのマザーボード110と、シート状の光
伝送路を複数層積層して構成した光データバス120
と、複数の回路基板130とによって構成されている。
【0037】第1の実施の形態の光データバス120
は、図2(B)に示す矩形状に形成されたシート状のコ
ア層211と、コア層の表裏両面に形成されたクラッド
層212とから成るシート状光伝送路210を、図2
(A)に示すように、複数層(本実施の形態では4層)
積層し、隣り合う光伝送路210の各クラッド層によっ
て相互に接着することにより構成されている。
【0038】コア層211としては、所定厚みの透明な
シート状ポリメチルメタクリレート(PMMA)、透明
なシート状ポリカーボネイト(透明PC)、または透明な
シート状非晶質ポリオレフィン(透明APO) 等の透明
ポリマー材を用いることができる。また、クラッド層と
しては、コア層より屈折率が小さいポリマー材である非
晶質フッ素樹脂材やPMMA(コア層が透明PCの場
合)を用いることができる。
【0039】光伝送路210の各コア層211の対向す
る1対の端面は、信号光を入出射する1組の信号光入出
射端として作用する。この光データバス120は、複数
の光伝送路210を積層して構成されているため、複数
の光伝送路を同時に利用して一方の信号光入出射端から
他方の信号光入出射端へ複数ビットからなる並列信号光
の送受信等を行うことができる。
【0040】回路基板130は、図1及び図3に示すよ
うに、発光素子421及び受光素子422からなる複数
の受発光素子アレイ131を並列させた直線状の信号光
入出射端121と、信号光入出射端121より外側に突
出するように形成されて光データバス120を保持する
保持部122とが設けられて、略L字状に形成されてい
る。また、回路基板130の表面及び裏面の少なくとも
一方の面には、送信用の電気信号を出力する回路部と、
光データバスを介して伝送されて信号光から変換された
電気信号を処理する回路部とを備え、VLSI等で構成
された複数の電子回路132が配置されている。受発光
素子アレイ131の各々は、図示しない信号線によって
電子回路132のいずれかに接続されている。なお、電
気信号を出力する回路部と電気信号を処理する回路部と
を1つの電子回路内に構成することなく、電子回路の各
々に分離して構成してもよい。
【0041】マザーボード110の表面には、複数の回
路基板固定部111が所定間隔隔てて固定された回路基
板固定部列が2列平行に配列されている。回路基板13
0は、マザーボード110に固定された回路基板固定部
111に対して抜き差し自在であり、複数の回路基板1
30をマザーボード110に固定する際には、回路基板
固定部列の間に光データバス120を配置し、図3に示
すように、受発光素子アレイ131の各々が光データバ
スの信号光入出射端の各々に対向すると共に、一方の回
路基板固定部列に固定された回路基板と他方の回路基板
固定部列に固定された回路基板との各々で光データバス
120を挟むように、回路基板固定部111の各々に固
定される。このとき、回路基板固定部列の間に光データ
バスが配置されているため、光データバスの信号光入出
射端と回路基板に固定された受発光素子アレイとの位置
を予め設定しておくことにより、回路基板をマザーボー
ド上に固定する際の光学的位置合わせが容易になり、複
数の回路基板を回路基板固定部に固定した状態で、光デ
ータバスは回路基板の保持部によって保持される。
【0042】上記のように回路基板をマザーボード上に
固定することによって、図3に示すように、光伝送路3
10のコア層211の対向する信号光入出射端の各々に
対向するように、発光素子421及び受光素子422か
らなる受発光素子アレイ131が配置される。発光素子
421の各々には、発光された信号光をコア層211の
内部に拡散させる光拡散部440が配置されている。発
光素子としては、発振波長680nm、出力強度3mW
のレーザダイオードを使用することができる。また、受
光素子422としては、受光径400μmのpin型シ
リコンフォトダイオードを使用することができる。光拡
散部は、シリカ系の顔料が混入された、例えば、厚さ1
0μmのアクリル系樹脂をポリエステルフィルム上に形
成して作製することができる。
【0043】図3に示すように、電子回路130から出
力された電気信号を変換することにより発光素子421
から発光された信号光は、光拡散部440を介して拡散
されて光伝送路120のコア層211に入射される。入
射された信号光は、コア層211の表裏両面で全反射を
繰り返しながらコア層211中を信号光S1,S2,・
・・,Snとして伝搬し、対向するする信号光入出射端
から出射される。出射された信号光は、受光素子422
で受光されて電気信号に変換され、電子回路に入力され
て予め定められた処理が行われる。
【0044】次に、図5を参照して第1の実施の形態の
光データバスの製造方法について説明する。まず、光伝
送路のコア層として作用する透明な所定厚さ(例えば、
0.5mm)のポリメチルメタクリレート(PMMA)
シートを複数枚用意する。この透明PMMAシートの両
面に、沸点温度が80℃のパーフルオロ溶媒にクラッド
層を構成する材料である非晶質フッ素樹脂材を溶解した
溶液をディップ法にて塗布し(工程1)、膜厚が例えば
5μmの被膜を形成した後、溶媒の沸点温度である80
℃の雰囲気中において2分間のベーキングを行い(工程
2)、非晶質フッ素樹脂材からなるクラッド層の一部を
シートの両面に形成する。なお、このベーキングは、溶
媒の沸点温度より低い温度環境下で行ってもよい。
【0045】この後、クラッド層の一部が両面に形成さ
れた複数枚の透明PMMAシートを重ね合わせて積層体
を形成する(工程3)。本実施の形態では、4枚の透明
PMMAシートを重ね合わせて、厚さ約2.0mmの積
層体を形成した。
【0046】この後、重ね合わせた積層体に所定圧(例
えば、0.1g/mm2程度)の荷重を加えながら、溶
媒の沸点より高い100℃雰囲気中にて60分間のベー
キングを行う(工程4)ことにより、非晶質フッ素樹脂
材のパーフルオロ溶媒を完全に揮発させると共に、非晶
質フッ素樹脂材による融着作用により重ね合わせた透明
PMMAシート同士を接着固定する。
【0047】ここで、光伝送路のコア層としては、上記
の透明PMMAシートの他、透明PCシートや透明AP
Oシートを用いることができ、製造方法は上記と同様で
ある。
【0048】光伝送路のコア層を構成する透明ポリマー
材の屈折率nは、n=1.49 (透明PMMA)、n=
1.55(透明APO)、n=1.6(透明PC)である
が、各々のコア層に対して屈折率が1以上小さい材料を
光伝送路のクラッド層として用いることが好ましい。上
記ではクラッド層の材料として屈折率が1.34の非晶
質フッ素樹脂材を用いたが、例えば、コア層として透明
PC(n=1.6)を用いた場合には、沸点温度が透明P
Cの熱変形温度(130°)よりも低い溶媒にPMMAを
溶解した溶液を用いて、PMMA(n=1.49)からな
るクラッド層を形成することも可能である。
【0049】図4に、図1に示す信号処理装置に適用可
能な第2の実施の形態の光データバスを示す。この光デ
ータバス300は、シート状のコア層311及びコア層
の表裏両面に形成されたクラッド層312からなる光伝
送路310のクラッド層間に、目的に応じた性質を有す
るバッファ層を挟持して複数層積層して接着することに
よって構成されている。このバッファ層は、光伝送路か
らの漏れ光を吸収することを目的としてカーボン含有ポ
リメチルメタクリレート(黒色PMMA)、カーボン含
有黒色ポリカーボネイト(黒色PC)等のカーボン含有ポ
リマー、または非晶質ポリオレフィン(黒色APO)等の
遮光部材で構成したり、光伝送路の間隔を規定すること
を目的とた材料で構成することができる。また、最上層
の光伝送路の上面、及び最下層の光伝送路の下面にもバ
ッファ層が接着されている。本実施の形態の光データバ
スにおいても、図2で説明した光データバスと同様に、
複数ビットからなる並列信号光の送受信等を行うことが
できる。
【0050】次に、図6を参照して図4に示した第2の
実施の形態の光データバスの製造方法について説明す
る。まず、光伝送路のコア層として作用する所定厚さ
(例えば、0.5mm)の透明PMMAシート、及び光
を吸収するバッファ層として作用する黒色の所定厚さ
(例えば、0.5mm)のカーボン含有ポリメチルメタ
クリレート(黒色PMMA)シートを複数枚用意する。こ
の透明PMMAシート及び黒色PMMAシートの両面に
沸点温度が80℃のパーフルオロ溶媒に非晶質フッ素樹
脂材を溶解した溶液をディップ法にて塗布し(工程
1)、膜厚が例えば5μmの被膜を形成した後、溶媒の
沸点温度である80℃雰囲気中にて2分間のベーキング
を行い(工程2)、透明PMMAシート及び黒色PMM
Aシートの両面に非晶質フッ素樹脂材からなるクラッド
層の一部を形成する。なお、このベーキングは、溶媒の
沸点温度より低い温度環境下で行ってもよい。
【0051】この後、非晶質フッ素樹脂材からなるクラ
ッド層の一部が両面に形成された複数枚の透明PMMA
シートと黒色PMMAシートとを交互に重ね合わせて積
層体を形成する(工程3)。本実施の形態では、5枚の
各黒色PMMAシートの間に4枚の透明PMMAシート
介在させてを重ね合わせて、厚さ約4.5mmの積層体
を形成した。
【0052】この後、重ね合わせた積層体に所定圧(例
えば、0.1g/mm2程度)の荷重を加えながら、溶
媒の沸点温度より高い100℃雰囲気中にて60分間の
ベーキングを行う(工程4)ことにより、非晶質フッ素
樹脂材のパーフルオロ溶媒を完全に揮発させると共に、
非晶質フッ素樹脂材による融着作用により重ね合わせた
黒色PMMAシートと透明PMMAシートとを接着固定
する。
【0053】ここで、本実施の形態においても、コア層
として作用する透明PMMAシートの代わりに、透明P
Cシートや透明APOシートを用いることも可能であ
る。同様にバッファ層として黒色PMMAシートの代わ
りに、カーボン含有黒色ポリカーボネイト(黒色PC)シ
ートや非晶質ポリオレフィン(黒色APO)シートを用い
ることも可能である。このバッファ層は、光伝送路の間
隔を規定する役割も担っており、必要に応じて配置され
るものである。
【0054】次に図1に示す信号処理装置に適用可能な
第3の実施の形態の光データバスについて説明する。本
実施の形態の光データバス400は、図7に示すよう
に、矩形状に形成されたシート状の光伝送層410を複
数層(本実施の形態では4層)積層し、隣り合う光伝送
層410を光伝送層間に介在させた被膜物質411によ
って相互に接着することにより構成されている。
【0055】この光データバスの1層の光伝送層は、透
明PMMA、透明PC、または透明APO等の透明ポリ
マー材からなるシートの屈折率nをシートの中心部から
シートの厚み方向に向かって以下の式に示すように、連
続的に低下するように分布させた屈折率分布型光学樹脂
材料より構成されている。
【0056】n2=n0 2(1−a22) ただし、dはシートの中心を基準とした厚み方向の距
離、n0は光伝送層のシートの厚み方向中心部での屈折
率、aは光学材料による定数である。
【0057】シートの厚み方向に連続的に屈折率を低下
させた屈折率分布型光学樹脂材料によって、厚さが、例
えば、0.5mm、対向する両側面の信号光入出射端の
長さが、例えば、80mm、厚み方向中心部での屈折率
0が、例えば、1.46、光伝送層の表面部の屈折率
が、例えば、1.43の光伝送層を形成することができ
る。
【0058】本実施の形態の光データバスを用いて図1
に示す信号処理装置を構成すると、光伝送層は、図1に
示したコア層と同様に光伝送路として作用し、光拡散部
440を介して拡散されて信号光入出射端から光伝送層
130に入射された信号光Sは、光伝送層130中を伝
搬する。光伝送層130は、厚み方向に対して屈折率が
分布しているため、図8に示すように、信号光は入射角
θ1,θ2,・・・,θnが増加するに従ってシートの厚
み方向の中心部から遠くなる軌跡を描く放物線の繰り返
しになるが、距離dが大きくなるに従って屈折率が連続
的に低下しているため、入射角θ1,θ2,・・・,θn
が増加するに従って信号光の伝搬速度が速くなる。この
ため、信号光の光伝送層中の伝搬時間は全て等しくな
り、拡散光は入射角の大きさに拘らず対向する信号光入
出射端から同時に出射される。本実施の形態の光データ
バスにおいても、上記で説明した光データバスと同様
に、複数ビットからなる並列信号光の送受信等を行うこ
とができる。
【0059】次に、第3の実施の形態の光データバスの
製造方法について説明する。まず、光伝送層として作用
する所定の厚さ(例えば、0.5mm)の透明PMMA
シートを複数枚用意する。この透明PMMAシートの両
面に、沸点温度が80℃のパーフルオロ溶媒に非晶質フ
ッ素樹脂材を溶解した溶液をディップ法にて塗布し、膜
厚が例えば5μmの被膜を形成した後、溶媒の沸点温度
である80℃の雰囲気中において60分間のベーキング
を行い、非晶質フッ素樹脂材の一部を透明PMMAシー
トの両面に塗布する。なお、このベーキングは、溶媒の
沸点温度より低い温度環境下で行ってもよい。
【0060】この後、非晶質フッ素樹脂材が両面に塗布
された複数枚の透明PMMAシートを重ね合わせて積層
体を形成する。本実施の形態では、4枚の透明PMMA
シートを重ね合わせて、厚さ約2mmの積層体を形成し
た。
【0061】この後、重ね合わせた積層体を熱プレス器
を用いて、溶媒の沸点温度より高く、かつ透明PMMA
シートのガラス転移温度より低い温度環境下で所定の圧
力をかけながら熱圧着する。この時の熱圧着の条件は、
熱プレス器の熱プレートの表面温度を溶媒の沸点より高
く、かつ透明PMMAシートのガラス転移温度より低い
100℃とし、プレス圧を10g/cm2とした。この
とき、非晶質フッ素樹脂材のパーフルオロ溶媒が透明P
MMAシートの軟化材として作用し、これによって、透
明PMMAシートが本来のPMMAシート材よりもガラ
ス転移温度が低下した状態となって、この熱圧着処理に
より表面に塗布された非晶質フッ素樹脂が透明PMMA
シートの表面から透明PMMAシートの内部に拡散す
る。これによって、透明PMMAシートの厚み方向に上
記で説明した屈折率分布が得られる。
【0062】ここで、光伝送層として作用する透明PM
MAシートの代わりに、透明PCシートや透明PSシー
トを用いることも可能である。
【0063】次に、上記第3の実施の形態の光データバ
スの他の製造方法について説明する。透明PMMAシー
トを複数枚用意し、この透明PMMAシートの各々を沸
点温度が80℃のパーフルオロ溶媒中に所定時間(例え
ば、1時間)浸漬した後引き上げて、透明PMMAシー
トの両面に沸点温度が80℃のパーフルオロ溶媒に非晶
質フッ素樹脂材を溶解した溶液をディップ法によって塗
布し、膜厚が例えば5μmの被膜を形成した後、溶媒の
沸点温度である80℃雰囲気中にて60分間のベーキン
グを行う。なお、このベーキングは、溶媒の沸点温度よ
り低い温度環境下で行ってもよい。
【0064】この後は、上記の製造方法と同様に、非晶
質フッ素樹脂材が両面に塗布された透明PMMAを4枚
重ね合わせた約2mmの積層体を形成した後、重ね合わ
せた積層体を熱プレス器により上記で説明した条件で熱
圧着する。
【0065】図9に、図1に示した信号処理装置適用可
能な第4の実施の形態の光データバスを示す。この光デ
ータバス500は、第3の実施の形態で説明した光伝送
層と同様の複数の光伝送層510と、この光伝送層51
0と交互に積層されて光伝送層同士を接着し、かつ目的
に応じた性質を有するバッファ層520とから構成され
ている。このバッファ層は、光伝送路からの漏れ光を吸
収することを目的として上記説明した遮光部材で構成し
たり、光伝送路の間隔を規定することを目的とした材料
で構成することができる。また、最上層の光伝送層の上
面、及び最下層の光伝送層の下面にもバッファ層が接着
されている。本実施の形態の光データバスにおいても、
上記で説明した光データバスと同様に、複数ビットから
なる並列信号光の送受信等を行うことができる。
【0066】次に、第4の実施の形態図の光データバス
の製造方法について説明する。まず、光伝送層として作
用する所定厚さ(例えば、0.5mm)の透明PMMA
シート、及び光を吸収するバッファ層として作用する上
記と同様の所定厚さ(例えば、0.5mm)の黒色PM
MAシートを複数枚用意する。この透明PMMAシート
の両面に沸点温度が80℃のパーフルオロ溶媒に非晶質
フッ素樹脂材を溶解した溶液をディップ法にて塗布し、
膜厚が例えば5μmの被膜を形成した後、溶媒の沸点温
度である80℃雰囲気中にて60分間のベーキングを行
い、非晶質フッ素樹脂材の一部を透明PMMAシートの
両面に塗布する。なお、このベーキングは、溶媒の沸点
温度より低い温度で行ってもよい。
【0067】この後、複数枚の黒色PMMAシートの間
に非晶質フッ素樹脂材が両面に塗布された複数枚の透明
PMMAシートを挟んで積層体を形成する。本実施の形
態では、5枚の黒色PMMAシートの間に4枚の透明P
MMAシートを挟んで、厚さ約4.5mmの積層体を形
成した。
【0068】この後、重ね合わせた積層体を熱プレス器
を用いて溶媒の沸点温度より高く、かつ透明PMMAシ
ートのガラス転移温度より低い温度環境下で所定の圧力
をかけながら熱圧着する。この時の熱圧着の条件は、上
記と同様に、熱プレス器の熱プレートの表面温度を10
0℃、プレス圧を10g/cm2とした。このとき、非
晶質フッ素樹脂材のパーフルオロ溶媒が透明PMMAシ
ートの軟化材として作用し、これによって、透明PMM
Aシートが本来のPMMAシート材よりもガラス転移温
度が低下した状態となって、この熱圧着処理により表面
に塗布された非晶質フッ素樹脂が透明PMMAシートの
表面から内部に拡散して透明PMMAシートの厚み方向
に上記で説明した屈折率分布が得られる。このとき、パ
ーフルオロ溶媒が浸透していない黒色PMMAシート材
には、非晶質フッ素樹脂材の拡散は殆ど生じない。
【0069】ここで、光伝送層を構成する透明PMMA
シートの代わりに、透明PCシートや透明PSシートを
用いることも可能である。また、バッファ層を構成する
材料としては、光伝送層と同一の材料を母体としたカー
ボン含有の樹脂材料を用いるのが好ましい。
【0070】次に上記第4の実施の形態の光データバス
の他の製造方法について説明する。所定厚さ(例えば、
0.5mm)の透明PMMAシートと光を吸収するバッ
ファ層を構成する所定厚さ(例えば、0.5mm)のカ
ーボン含有ポリメチルメタクリレート(黒色PMMA)
とを複数枚用意し、この透明PMMAシートの各々を沸
点温度が80℃のパーフルオロ溶媒中に所定時間(例え
ば、1時間)浸漬した後引き上げて、透明PMMAシー
トの両面に沸点温度が80℃のパーフルオロ溶媒に非晶
質フッ素樹脂材を溶解した溶液をディップ法によって塗
布し、膜厚が例えば5μmの被膜を形成した後、上記と
同様に80℃雰囲気中にて60分間のベーキングを行
う。
【0071】この後、上記と同様に、5枚の黒色PMM
Aシートの間に非晶質フッ素樹脂材が両面に塗布された
4枚の透明PMMAシートを挟んで積層した厚さ約3m
mの積層体を形成した後、重ね合わせた積層体を熱プレ
ス器により熱圧着する。この時の熱圧着の条件は、上記
と同様に、熱プレス器の熱プレートの表面温度を100
℃、プレス圧を10g/cm2とした。このとき、上記
と同様に、非晶質フッ素樹脂材のパーフルオロ溶媒が透
明PMMAシートの軟化材として作用し、この熱圧着処
理により表面に塗布された非晶質フッ素樹脂が透明PM
MAシートの表面から内部に拡散して透明PMMAシー
トの厚み方向に上記で説明した屈折率分布が得られる。
このとき、パーフルオロ溶媒が浸透していない黒色PM
MAシート材には、非晶質フッ素樹脂材の拡散は殆ど生
じない。
【0072】次に、上記コア層を用い光データバスと屈
折率分布型の光データバスとを比較して説明する。上記
コア層を用いた第1及び第2の実施の形態の光データバ
スでは、図10に示すように、光拡散部によってコア層
への入射角θ1,θ2,・・・,θnが異なる複数の信号
光が生成され、信号光入出射端に配置された受光素子に
おいてこれらの複数の信号光が合成された拡散光が受光
される。このため、高速化のために周波数が高い信号光
を用いた場合等には、図11に示すように、受光された
光の強度になまりが生じる場合がある。図11は、周波
数が2.5GHzの信号光を長さ80mmのコア層中を
伝搬させたときの受光素子の受光部における光強度を示
すものである。
【0073】一方、屈折率分布型の光伝送層を用いた第
3及び第4の実施の形態光データバスでは、上記で説明
したように光伝送層に入射された信号光は入射角の大き
さに拘らず対向する信号光入出射端から同時に出射され
るため、図12に示すように受光された光の強度に殆ど
になまりが生じていない。
【0074】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
クラッド層自体や被膜物質自体によって接着しているた
め、特殊な接着剤を用いることなく、シート状光伝送路
や光伝送層を積層した光データバス、この光データバス
を用いた信号処理装置、及びこの光データバスを簡単に
製造することができる光データバスの製造方法を提供す
ることができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光データバスを用いた光信号処理装置の実施の
形態を示す斜視図である。
【図2】(A)は、光データバスの第1の実施の形態の
斜視図、(B)は、第1の実施の形態の1つの層を構成
する光伝送路の斜視図である。
【図3】図1のA−A’線断面図である。
【図4】(A)は、光データバスの第2の実施の形態の
斜視図、(B)は、第2の実施の形態の1つの層を構成
する光伝送路の斜視図である。
【図5】光データバスの第1の実施の形態を製造する方
法を説明するプロセスフローである。
【図6】光データバスの第2の実施の形態を製造する方
法を説明するプロセスフローである。
【図7】光データバスの第3の実施の形態の斜視図であ
る。
【図8】光データバスの第3の実施の形態の光伝搬状態
と屈折率分布を示す図である。
【図9】光データバスの第4の実施の形態の斜視図であ
る。
【図10】光データバスの第1、及び2の実施の形態の
光伝搬状態を示す図である。
【図11】光データバスの第1、及び2の実施の形態の
出射側の光強度分布を示す線図である。
【図12】光データバスの第3、及び4の実施の形態の
出射側の光強度分布を示す線図である。
【符号の説明】
100 光データバスを用いた信号処理装置 110 マザーボード 111 基板固定部 120 光データバス 121 信号光入出射端 130 回路基板 131 受発光素子アレイ 132 電子回路 200 光データバス 210 光伝送路 211 コア層 212 クラッド層 300 光データバス 310 光伝送路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 経塚 信也 神奈川県足柄上郡中井町境430グリーンテ クなかい 富士ゼロックス株式会社内 (72)発明者 藤曲 啓志 神奈川県足柄上郡中井町境430グリーンテ クなかい 富士ゼロックス株式会社内 Fターム(参考) 2H037 AA01 BA01 BA11 CA39 DA03 DA06

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】信号光を伝搬するためのシート状のコア層
    と該コア層を挟むように設けられたクラッド層とから成
    る光伝送路を複数層積層した光データバスであって、 前記クラッド層によって隣り合う前記光伝送路を接着し
    たことを特徴とする光データバス。
  2. 【請求項2】信号光を伝搬するためのシート状のコア層
    と該コア層を挟むように設けられたクラッド層とから成
    る光伝送路を各光伝送路の間にバッファ層を介在させて
    複数層積層した光データバスであって、 前記クラッド層によって隣り合う前記光伝送路と前記バ
    ッファ層とを接着したことを特徴とする光データバス。
  3. 【請求項3】前記クラッド層は、非晶質フッ素樹脂から
    なることを特徴とする請求項1または請求項2記載の光
    データバス。
  4. 【請求項4】信号光を伝搬するためのシート状の光伝送
    層を複数層積層した光データバスであって、 前記光伝送層の屈折率を該光伝送層の中央部から該光伝
    送層の厚み方向に向かって連続的に低下するように分布
    させ、隣り合う前記光伝送層を光伝送層間に介在させた
    被膜物質によって接着したことを特徴とする光データバ
    ス。
  5. 【請求項5】信号光を伝搬するためのシート状の光伝送
    層を各光伝送層の間にバッファ層を介在させて複数層積
    層した光データバスであって、 前記光伝送層の屈折率を該光伝送層の中央部から該光伝
    送層の厚み方向に向かって連続的に低下するように分布
    させ、隣り合う前記光伝送層と該バッファ層とを該光伝
    送層と該バッファ層との間に介在させた被膜物質によっ
    て接着したことを特徴とする光データバス。
  6. 【請求項6】前記光伝送層の屈折率nを、光伝送層の厚
    み方向に向かって以下の式に従って分布させた請求項4
    または請求項5記載の光データバス。 n2=n0 2(1−a22) ただし、dは光伝送層の中心を基準とした厚み方向の距
    離、n0は光伝送層の厚み方向中心部での屈折率、aは
    光伝送層を構成する光学材料による定数である。
  7. 【請求項7】前記光伝送層の屈折率は、前記被膜物質を
    前記光伝送層中に拡散させることによって、該光伝送層
    の中央部から該光伝送層の厚み方向に向かって連続的に
    低下するように分布されている請求項4〜6のいずれか
    1項記載の光データバス。
  8. 【請求項8】前記被膜物質は、非晶質フッ素樹脂からな
    ることを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項記載の
    光データバス。
  9. 【請求項9】電気信号を生成する回路部及び該電気信号
    を信号光に変換して出射する信号光出射体を備えた投光
    手段と、信号光が入射されると共に入射された信号光を
    電気信号に変換する信号光入射体及び変換された電気信
    号を処理する回路部を備えた受光手段との少なくとも一
    方が搭載された複数の回路基板と、 信号光を伝搬する伝搬部が前記投光手段及び前記受光手
    段と光結合された請求項1〜8のいずれか1項記載の光
    データバスと、 回路基板に搭載された信号光入出射体の入射端及び出射
    端が前記光データバスの光伝送部と光結合されるよう
    に、前記複数の回路基板を取り外し可能に固定する基板
    固定部と、 を含む信号処理装置。
  10. 【請求項10】信号光を伝搬するためのシート状のコア
    層と該コア層を挟むように設けられたクラッド層とから
    成る光伝送路を複数層積層した光データバスを製造する
    光データバスの製造方法であって、 製造後に前記コア層として作用する複数枚のシート材の
    各々の表面及び裏面の少なくとも一方の面に、溶媒に前
    記クラッド層を構成する材料を溶解した溶液を塗布する
    工程と、 前記溶媒の沸点以下の温度環境下において前記溶媒の一
    部を揮発させてクラッド層の一部を形成するる工程と、 前記クラッド層の一部が形成された前記シート材を積層
    する工程と、 前記溶媒の沸点よりも高い温度環境下において前記溶媒
    の全てを揮発させることにより積層されたシート材を接
    着させる工程と、 を含む光データバスの製造方法。
  11. 【請求項11】信号光を伝搬するためのシート状のコア
    層と該コア層を挟むように設けられたクラッド層とから
    成る光伝送路を各光伝送路の間にバッファ層を介在させ
    て複数層積層した光データバスを製造する光データバス
    の製造方法であって、 製造後に前記コア層として作用する複数枚の第1のシー
    ト材及び製造後に前記バッファ層として作用する複数枚
    の第2のシート材の各々の表面及び裏面の少なくとも一
    方の面に、溶媒に前記クラッド層を構成する材料を溶解
    した溶液を塗布する工程と、 前記溶媒の沸点以下の温度環境下において前記溶媒の一
    部を揮発させて前記第1のシート材及び第2のシート材
    にクラッド層の一部を形成する工程と、 前記クラッド層の一部が形成された第2のシート材の間
    に、前記クラッド層の一部が形成された第1のシート材
    を介在させて第1のシート材と第2のシート材とを交互
    に積層する工程と、 前記溶媒の沸点よりも高い温度環境下において前記溶媒
    のすべてを揮発させることにより交互に積層された第1
    のシート材と第2のシート材とを接着させる工程と、 を含む光データバスの製造方法。
  12. 【請求項12】前記クラッド層を構成する材料を溶解し
    た溶液は、溶媒が揮発した後、密接するシート材と接着
    する作用を有する溶質を含む溶液である請求項10また
    は請求項11記載の光データバスの製造方法。
  13. 【請求項13】前記クラッド層を構成する材料を溶解し
    た溶液は、非晶質性の含フッ素重合体を溶解した溶液で
    ある請求項10〜請求項12のいずれか1項記載の光デ
    ータバスの製造方法。
  14. 【請求項14】信号光を伝搬するためのシート状の光伝
    送層を複数層積層した光データバスを製造する光データ
    バスの製造方法であって、 製造後に前記光伝送層として作用する複数枚のシート材
    の各々の両面に、非晶質性の含フッ素重合体を溶解した
    溶液を塗布する工程と、 前記溶媒の沸点以下の温度環境下において前記溶媒の一
    部を揮発させる工程と、 前記溶媒の一部が揮発された前記シート材を積層する工
    程と、 前記溶媒の沸点よりも高く、かつ前記シート材のガラス
    転移温度より低い温度環境下において前記積層されたシ
    ート材を積層方向に加圧して前記フッ素重合体を前記シ
    ート材中に拡散させることによって、屈折率を該シート
    材の中央部から該シート材の厚み方向に向かって連続的
    に低下するように分布させると共に、積層されたシート
    材を接着させる工程と、 を含む光データバスの製造方法。
  15. 【請求項15】前記溶液を塗布する工程の前に、製造後
    に前記光伝送層として作用する複数枚のシート材の各々
    を非晶質性の含フッ素重合体を溶解した溶液に所定時間
    浸漬する工程を更に含む請求項14記載の光データバス
    の製造方法。
  16. 【請求項16】信号光を伝搬するためのシート状の光伝
    送層を各光伝送路の間にバッファ層を介在させて複数層
    積層した光データバスを製造する光データバスの製造方
    法であって、 製造後に前記光伝送層として作用する複数枚の第1のシ
    ート材の両面に、非晶質性の含フッ素重合体を溶解した
    溶液を塗布する工程と、 前記溶媒の沸点以下の温度環境下において前記溶媒の一
    部を揮発させる工程と、 製造後に前記バッファ層として作用する複数枚の第2の
    シート材の間に、前記溶媒の一部が揮発された前記第1
    のシート材を介在させて第1のシート材と第2のシート
    材とを交互に積層する工程と、 前記溶媒の沸点よりも高く、かつ前記第1のシート材の
    ガラス転移温度より低い温度環境下において前記積層さ
    れた第1のシート材及び第2シート材を積層方向に加圧
    して前記フッ素重合体を前記第1のシート材中に拡散さ
    せることによって、屈折率を該第1のシート材の中央部
    から該第1のシート材の厚み方向に向かって連続的に低
    下するように分布させると共に、積層された第1のシー
    ト材と第2のシート材とを接着させる工程と、 を含む光データバスの製造方法。
  17. 【請求項17】前記溶液を塗布する工程の前に、製造後
    に前記光伝送層として作用する複数枚の第1のシート材
    の各々を非晶質性の含フッ素重合体を溶解した溶液に所
    定時間浸漬する工程を更に含む請求項16記載の光デー
    タバスの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009205951A (ja) * 2008-02-28 2009-09-10 Mitsubishi Rayon Co Ltd ライン照明装置

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