JP2000263190A - 連続鋳造用鋳型 - Google Patents

連続鋳造用鋳型

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JP2000263190A
JP2000263190A JP11076192A JP7619299A JP2000263190A JP 2000263190 A JP2000263190 A JP 2000263190A JP 11076192 A JP11076192 A JP 11076192A JP 7619299 A JP7619299 A JP 7619299A JP 2000263190 A JP2000263190 A JP 2000263190A
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Akira Kubota
昭 久保田
Yasuhiko Tsubota
康彦 坪田
Yasunori Tashiro
康典 田代
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鋳型内面の鋳片による摩耗損耗を防止すると
共に、特に鋳型内面の下端部での腐食損耗をも併せて防
止可能な連続鋳造用鋳型を提供する。 【解決手段】 1対の平行に配置された長辺モールド銅
板21とその間に平行に配置された1対の短辺モールド
銅板24を備えた連続鋳造用鋳型15において、長辺モ
ールド銅板21及び/又は短辺モールド銅板24の下部
或いは全面に、Niを10〜30wt%含有するCo系
めっきが形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶鋼の連続鋳造設
備に用いる連続鋳造用鋳型に係り、特に凝固した鋳片に
よる摩耗損耗及びスラグや鋳造潤滑パウダーやスプレー
冷却水による腐食損耗のいずれをも防止できる連続鋳造
用鋳型に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、溶鋼の連続鋳造用鋳型において
は、鋳造の高速化に伴い、凝固した鋳片による鋳型内面
の摩耗等による損耗が重要課題となり、この損耗の防止
のため、鋳型内面にCrめっき、Niめっき、(Ni+
Cr)めっき、(Ni+(Ni−Co))めっき、(C
r+Ni+(Ni−Co))めっき、(Cr+(Ni−
Co))めっきのいずれかを形成する長辺を有する鋳型
が提案されている。また、図1に示すように、この損耗
は長辺鋳型部(長辺鋳型の一辺)10の内面下部、特に
最下端に顕著に現れるため、Co−Ni合金めっき(C
o−Niめっきとも言う)11にテーパー12を付けた
り(図2(A)を参照)、下部のみに、めっきを施す
(図3(A)を参照)方法が実用化されている。ただ
し、Crめっきに限っては、鋳型内面全面に施されるこ
とが一般的である(図2(B)、図3(B)及び図4
(B)を参照)。なお、図1中符号13は銅板を、符号
14は水箱(バックプレートとも言う)を表しており、
各めっき厚さ、銅板の厚さは図2〜図4に示すようにし
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
溶鋼の連続鋳造用鋳型においては、未だ解決すべき以下
のような問題があった。長辺鋳型部10の内面にNi−
Coめっき11を主体とするめっきを施工することによ
って、長辺鋳型部10の耐摩耗性は相当程度向上し、長
辺鋳型部10の耐用使用回数(チャージ数)は増加して
きたが、未だ十分ではなく、特に、スラグや鋳造潤滑パ
ウダーが起源となってできる溶融生成物とスプレー冷却
水の存在による長辺鋳型部10の内面、特に下端部での
腐食損耗が十分に防止できないという問題がある。長辺
鋳型部10と共に、鋳型を構成する図示しない短辺鋳型
部についても、長辺鋳型部10と同様のことが発生して
いる。
【0004】本発明はかかる事情に鑑みてなされたもの
で、鋳型内面の鋳片による摩耗損耗を防止すると共に、
特に鋳型内面の下端部での腐食損耗をも併せて防止可能
な連続鋳造用鋳型を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う第1の発
明に係る連続鋳造用鋳型は、1対の平行に配置された長
辺モールド銅板とその間に平行に配置された1対の短辺
モールド銅板を備えた連続鋳造用鋳型において、長辺モ
ールド銅板及び/又は短辺モールド銅板の下部或いは全
面に、Niを10〜30wt%含有するCo系めっきが
形成されている。従って、モールド銅板の摩耗(磨耗)
と同時に、腐食損耗のより少ない連続鋳造用鋳型を製作
できる。Niを10wt%未満とすると、モールド銅板
の腐食損耗が急激に増大し、一方、Niが30wt%を
超えると、モールド銅板の摩耗が急激に増大する。前記
目的に沿う第2の発明に係る連続鋳造用鋳型は、1対の
平行に配置された長辺モールド銅板とその間に平行に配
置された1対の短辺モールド銅板を備えた連続鋳造用鋳
型において、長辺モールド銅板及び/又は短辺モールド
銅板の下部或いは全面に、Niを16〜30wt%含有
するCo系めっきが形成されている。従って、モールド
銅板の摩耗と同時に、腐食損耗の少ない連続鋳造用鋳型
を製作できる。Niを16wt%未満とすると、モール
ド銅板の腐食損耗が増大し、一方、Niが30wt%を
超えると、モールド銅板の摩耗が急激に増大する。ここ
で、長辺モールド銅板及び/又は短辺モールド銅板に
は、傾斜めっきを形成することもでき、これによってモ
ールド銅板の損耗量を均一にでき、耐用回数が向上す
る。
【0006】本発明者等は、連続鋳造用鋳型について鋭
意、実用機の観察調査と実験検討解析を重ねた結果、次
のような知見を得るに到った。即ち、工業的に実用化さ
れている連続鋳造用鋳型15は、図5に示すような状態
で使用されるが、使用後の内面損耗は、図6(A)に示
す弱い腐食摩耗痕跡16、或いは図6(B)に示す強い
腐食摩耗痕跡17のような状態が観察され、腐食摩耗痕
跡16及び腐食摩耗痕跡17共、冷却水スプレー18の
配置と対応した損耗であることが判る。この現象は鋳片
19による摩耗損耗(磨耗損耗)とは別の摩耗損耗の存
在を示すものと考えられた。なお、図5又は図6中の符
号20は長辺モールド水箱を、符号21は長辺モールド
銅板を、符号22はNi−Coめっきを、符号23は短
辺モールド水箱を、符号24は平行に配置された一対の
長片モールド銅板21の間に平行に配置された一対の短
辺モールド銅板を表している。
【0007】次に、本発明者等は、Ni−Coめっきに
おけるNi含有量が耐摩耗性に及ぼす影響を摩耗実験に
よって確認した。図7には、めっき被膜中のCo濃度と
めっき被膜硬度との関係を示す。図7中、□は既知の報
告例を示し、○は本発明での測定値を示している。図7
に示すように、Ni−Coめっき中のCo含有量が大き
くなるほど、即ち、Ni含有量が小さくなるほど(Ni
含有量が40wt%以下)めっき層(又は被膜)の硬度
が小さくなることを示すが、図8(B)に示すように、
耐摩耗性(摩耗減重量)はめっき被膜硬度に比例(図中
の破線で示す)せず、図8(A)に示すように、Co含
有量が高いほど、即ち、Ni含有量が低いほど耐摩耗性
が向上することを確認した。これは、Co含有量が高い
ほどCoによる潤滑効果が高くなるためであると考察さ
れる。
【0008】なお、Co−Ni合金電析特性がNiに比
べてCoが優先析出するため、Co濃度50wt%以下
の領域ではめっき浴中のCoイオン濃度の微妙なコント
ロールが難しいことから、めっき施工時においてめっき
浴条件の変動に影響されにくいCo濃度90%以上の合
金めっきが実用化されつつある。この領域のCo−Ni
合金めっき被膜は後述するように、優れた被膜潤滑を有
して耐摩耗性を発揮するが、欠点として腐食に弱いこと
である。
【0009】この現象は、別の実験によっても明らかに
確認できた。本実験で用いた供試材は、2mm厚の銅板
にNi−Coめっき層(Co:Ni=0:100から、
Co:Ni=100:0に適宜変えたもの)を施した
後、マイクロカッターにて30mm×30mmのサイズ
とし、600番のペーパで表面研磨して作製した。実機
モールド下部での摩耗を想定して、供試材を300℃×
5min間保持後、引続き300℃の条件にて摩擦摩耗
試験機を用い、リングオンプレート型の摺動摩耗試験を
実施した。固定させたプレート(供試材又は試験片)
に、S45C製の外径25.6 mm、肉厚2.8mmの
製リングを20kgfの力で押付け、300℃、50m
m/secにて20分間回転させた。摩耗試験後のめっ
き層(プレート)及びリングの各表面を光学顕微鏡及び
SEM(走査型電子顕微鏡)にて観察した。光学顕微鏡
観察結果及びSEM観察結果を図9の模式図により示
す。
【0010】図8(A)では、Co−Ni合金めっき被
膜(○)の耐摩耗性は、Co含有率が0%と50%では
ほとんど差が認められないが、Co含有率が50%以上
の領域では、Co%が高くなるほど良好となる。また、
供試材に押し付けているリング(◇)の摩耗量も供試材
の摩耗量と同様の値となり、被膜中Co%が高くなるほ
ど小さくなっている。
【0011】図9に示す、めっき被膜中のCo含有率が
50%の試験片及び85%の試験片の摩耗試験後の表
面、及びそれぞれの試験片に押し付けているリングの表
面の観察結果を要約すると、Ni含有量50wt%めっ
きの場合には、めっき層の欠損、めっき層表面へのリン
グの転写並びにリングへのめっき層の転写が認められる
のに対し、Ni含有量15wt%めっきの場合には、め
っき層及びリングの各表面とも表面層の欠損、転写はま
ったく認められなかった。詳しく説明すると、まずCo
含有率が50%の場合では、光学顕微鏡観察結果から明
らかなように試験片の表面、リングの表面共に引きちぎ
られたような荒れた凹凸が存在している。またSEM観
察結果から明らかなように、Co、Ni、Feの特性X
線像より、試験片側にFeの付着が、リング側にCo、
Niの付着が認められることから、めっき被膜とリング
の表面が凝着摩耗を起こし、めっき被膜、リング表面共
に剥離し、接触している相手側に移行して付着したと考
えられる。なお、試験片の表面には、直線状の切削傷は
生じていないことから、アブレイシブ摩耗までには到っ
ていないと思われる。
【0012】一方、Co含有率が85%の場合では、光
学顕微鏡観察結果から明らかなように試験片では、局部
的に軽い擦り傷が認められる程度で、全体的に平滑なま
まである。SEM観察結果からCo、Ni、Feの特性
X線像より、リング側に線状に若干Coが付着している
ことから、僅かではあるがめっきが剥離し、リング側に
移行していることが判る。ただし、そのCo付着量は、
Co含有率が50%の供試材に比べると非常に少なく、
また、供試材の表面にFeの付着がほとんど認められな
いことから、基本的に凝着摩耗が起こり難くなっている
と考えられる。
【0013】めっき被膜の耐摩耗性に及ぼす因子につい
ては、従来より、 1)表面の硬さ 2)表面の潤滑性 3)めっき被膜の靱性 等が報告されている。この中で、めっき被膜の靱性は、
図9に示すように、摩耗試験後のめっき被膜表面に割れ
が存在していないことから、本発明の耐摩耗性には特に
影響を及ぼしていないと予想される。そこで、表面の硬
さ及び表面の潤滑性について、耐摩耗性との関係を以下
に調査した。
【0014】図8(B)に耐摩耗性(又は摩耗減重量)
とめっき被膜硬度との関係を示す。図に示すように、耐
摩耗性とめっき被膜硬度との間には特に相関関係が認め
られない。従来より報告されているめっき被膜(例え
ば、Niめっき、Crめっき)の耐摩耗性は、図8
(B)中の破線のように硬度が高い方が優れているが、
そのような傾向は全く見られない。アブレイシブ摩耗に
ついては、めっき被膜硬度の高い方が有利であることが
知られている。本発明での摩耗形態は、図9に示すよう
に、凝着摩耗が主体であることが、めっき被膜硬度の影
響が認められない一因として考えられる。
【0015】そこで、次に表面の潤滑性(又は摩擦係
数)との関係を調査した。図10(A)にめっき被膜の
300℃での摩擦係数とめっき被膜組成との関係を示
す。Co−Niめっき被膜の摩擦係数は、被膜中のCo
含有率が増加するほど小さくなり、特にCo含有率が7
0%を超えると急激に低下している。
【0016】次に、図8(A)と図10(A)の結果よ
り、めっき被膜の耐摩耗性と摩擦係数の関係を図10
(B)に整理した。図10(B)から明らかなように、
めっき被膜の耐摩耗性と摩擦係数の間には相関があり、
摩擦係数が低くなるほど耐摩耗性は向上している。以上
の結果から、Co−Niめっき被膜において、Co%が
高くなるほど耐摩耗性が向上するのは、Co%の増加に
伴いめっき被膜の潤滑性が改善され、めっき被膜とリン
グの凝着が抑制されたためと考えられる。上述の2種類
の実験結果から、鋳型の耐摩耗性に対しては、Ni−C
oめっき中のNi含有量は40wt%以下、好ましくは
30wt%以下であり、より少ないほうが効果が高いと
推論される。
【0017】さらに、本発明者等は、実際に使用されて
いる連続鋳造用鋳型の観察結果から、耐腐食性に及ぼす
Ni−Coめっき中のNi含有量の影響に着目した腐食
実験を行った。本実験で用いた供試材は、前記摩耗試験
で使用した供試材と同様、2mm厚の銅板にNi−Co
めっき層(5種類、Co含有率が、0、50、70、9
0、100wt%のもの)を施した後、マイクロカッタ
ーにて30mm×30mmのサイズとし、600番のペ
ーパで表面研磨した。その後めっき面を窓面積1.5m
m×1.5mmを開口させるようにして樹脂に埋め込ん
で作製した。
【0018】腐食溶液としては、次の点を考慮して実験
した。凝固した鋳片19が連続鋳造用鋳型15の下端か
ら引き抜かれる際に冷却水スプレー18によって冷却水
が吹きつけられるが、この際冷却水が鋳片19の表面の
スラグや潤滑パウダーを起源とする溶融生成物と反応し
て、硫酸、塩酸、フッ酸、硝酸などが混在した腐食環境
が生成されると推察されるので、腐食溶液としては、以
下の理由により硝酸、フッ酸、硫酸を選んだ。一般工業
酸液として硝酸、塩酸、硫酸が代表的であり、その腐食
強さは硝酸は自分は還元されて相手金属を酸化すること
から最も強い腐食性を有する。次に、塩酸が多くの金属
と錯塩を形成するので腐食性は強いが、本実験では同じ
系統の中でガラスをも溶解するフッ酸を選択した。硫酸
は硫酸昆が安定であり、水素の還元のみによる相手金属
の酸化であるので腐食性はさほど強くはない。硝酸の腐
食性は、フッ酸の数千倍であり、硫酸の数万倍を示して
いる。
【0019】実験方法として、30wt%に調整された
これらの腐食溶液100ccの中に供試材を室温にて浸
漬し、溶液着色状態を目視で観察してある程度着色した
ところで1回目のサンプリングとして腐食溶液を1cc
採取した。その後も浸漬を続行して充分に着色した時点
で2回目のサンプリングを行った。それぞれ採取した腐
食溶液を誘導結合高周波プラズマ(ICP)でCo、N
iを定量し、1回目と2回目の増分値をその差時間で除
して溶出速度を求めた。図11(A)、(B)、(C)
に実験結果を示す。
【0020】図11(A)に示すように、腐食溶液が硝
酸の場合には、めっき被膜中のCo(●)%を増加する
と、Coの溶出速度は急速に増加している。特にCo8
5wt%を超えると2次曲線的に増加している。Coが
腐食されやすいことを示している。Ni(▲)はCo%
が増加すると被膜中濃度は減少するが、Niの溶出速度
は僅かに減少しているだけである。合金全体(○)の溶
出速度はCo80wt%まではCo濃度に比例するが、
それ以上になると急速に腐食されやすくなる。
【0021】図11(B)に示すように、腐食溶液がフ
ッ酸の場合には、Co(●)%の増加とCo溶出速度
は、Co90wt%までは直線的に増加しているが、そ
れ以上になるとCoの溶出速度は急激に大きくなってお
り、ここでもCoが腐食されやすいことを示している。
合金全体(○)の溶出速度はCo90wt%までは略一
定値を示すが、それ以上では腐食されやすくなる。
【0022】図11(C)に示すように、腐食溶液が硫
酸の場合には、Co(●)もNi(▲)もめっき合金比
率に従った溶出速度を示している。結果として合金全体
(○)の溶出速度は略一定の値を示している。従ってC
o−Ni合金は硫酸においては、合金化の効果は見られ
ず、ごく僅かに腐食されることが判る。
【0023】腐食実験の結果を要約すると、実用域条件
と比べて苛酷すぎる硝酸では、Ni含有量が低くなるほ
ど急速にめっき層の溶損が進行するが、特に10wt%
以下で急激に溶損する。また比較的腐食効果の穏やかな
フッ酸、硫酸による試験結果では、Ni含有量20wt
%までは、Ni含有量の影響はほとんど認められない
が、Ni含有量10wt%以下でめっき層の腐食溶損量
は急に増加する傾向が認められた。この腐食実験結果か
らは、連続鋳造用鋳型の内面Ni−Coめっきに関し
て、Ni含有量は、耐腐食性の観点から、10wt%以
上、好ましくは16wt%以上が望ましいことが判る。
【0024】本発明者等は、以上の実験結果等を総合し
て、溶鋼の連続鋳造用鋳型の内面めっきとして、Ni−
Coめっきであって、さらにNi含有量が40wt%以
下であって10wt%以上、好ましくは30wt%以下
であって16wt%以上であることが、耐摩耗性及び耐
腐食性の両方を満足し、鋳型の耐用使用回数を増加せし
めるのに有効であることを知見し得た。
【0025】
【発明の実施の形態】続いて、添付した図面を参照しつ
つ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発
明の理解に供する。図2〜図4を参照して、本発明の一
実施の形態に係わる連続鋳造用鋳型の製造方法について
説明する。まず、鋳型内張母材(銅板)の内側全面或い
は部分を研削する。このとき、全面を研削する場合は
(図2(A))、図に示すように、上端を厚く、かつ下
端を薄くして、テーパー(傾斜)12をつけるのが望ま
しい。図3(A)に示すように、銅板の部分を研削する
場合は下側を、全体の高さHの1/3〜2/3に相当す
る範囲を研削する。さらに、この研削面に対し、図4
(A)に示すように、Niめっきを施して、必要な厚み
を残して等しい厚みに研削してもよい。
【0026】このように準備した研削面に対し、Ni含
有量が10wt%を超え、30wt%以下であるNi−
Coめっきを施し(図2(A)、図3(A)、及び図4
(A)参照)、所定の厚みを残して研削して仕上げる。
仕上がったNi−Coめっきの厚みは、傾斜めっきの場
合、上端で0.1〜1.0mm、下端で1.0〜2.0
mmとし、部分等厚めっきの場合では、0.5〜2.0
mmの厚みとする。さらに、図2(B)、図3(B)、
及び図4(B)に示すように、この表面に、溶鋼注入時
のスプラッシュ付着防止のため、50〜100μm厚程
度のCrめっきを施してもよい。このように製造するこ
とによって、内面の銅板の摩耗や腐食損耗の少ない連続
鋳造用鋳型が得られ、長期間の使用を可能にし、コスト
低減を達成できる。
【0027】
【実施例】次に、本発明の一実施の形態に係わる連続鋳
造用鋳型の実用確認試験結果について表1及び表2を参
照して説明する。
【0028】
【表1】
【0029】表1は、従来、Ni含有量4〜6wt%の
Ni−Coめっきを施して使用していた鋳型(従来例
A)に対して、本発明の知見に基き、Ni含有量15w
t%のNi−Coめっきを施して実用した結果である
が、従来例Aでは平均2200チャージの耐用回数(モ
ールド寿命)であったものが、本実施の形態に係わる連
続鋳造用鋳型(実施例A)では2800チャージの連続
使用に耐え、30%の寿命の向上を示した。
【0030】
【表2】
【0031】表2では従来、Ni含有量6〜8wt%の
Ni−Coめっきを施して使用していた鋳型(従来例
B)に対して、本発明の知見に基き、Ni含有量30w
t%のNi−Coめっきを施して実用したところ、従来
例Bでは平均1400チャージの耐用回数であったもの
が、本実施の形態に係わる連続鋳造用鋳型(実施例B)
では1900チャージの連続使用に耐え、40%の向上
を示した。
【0032】本実施の形態では、Ni−Coめっき等の
めっきを長辺モールド銅板に施工することを述べたが、
これに限定されず、めっきを短辺モールド銅板にも同様
に施工することもできる。
【0033】
【発明の効果】請求項1〜3記載の連続鋳造用鋳型にお
いては、長辺モールド銅板及び/又は短辺モールド銅板
の下部或いは全面に、Niを10〜30wt%、好まし
くは16〜30wt%含有するCo系めっきが形成され
ているので、凝固鋳片との摩耗及び冷却スプレーによる
腐食環境下においても、モールド銅板の摩耗及び腐食損
耗の少ない連続鋳造用鋳型を製作できる。特に、請求項
3記載の連続鋳造用鋳型においては、長辺モールド銅板
及び/又は短辺モールド銅板には、傾斜めっきを形成す
ることによって、モールド銅板の損耗量を均一にでき、
その結果耐用回数が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】連続鋳造用鋳型の長辺鋳型部の斜視図である。
【図2】(A)、(B)は本発明の一実施の形態に係る
連続鋳造用鋳型に傾斜めっきを施工する場合の施工要領
図である。
【図3】(A)、(B)は本発明の一実施の形態に係る
連続鋳造用鋳型に部分めっきを施工する場合の施工要領
図である。
【図4】(A)、(B)は本発明の一実施の形態に係る
連続鋳造用鋳型に部分めっきを施工する場合の施工要領
図である。
【図5】冷却水スプレーを備えた連続鋳造用鋳型の斜視
図である。
【図6】(A)、(B)はそれぞれ使用後の鋳型の弱い
腐食摩耗痕跡、強い腐食摩耗痕跡の説明図である。
【図7】めっき被膜中のCo濃度とめっき被膜硬度との
関係を示すグラフである。
【図8】(A)、(B)はそれぞれ、めっき被膜中のC
o濃度と摩耗減重量との関係、めっき被膜硬度と摩耗減
重量との関係を示すブラフである。
【図9】めっき被膜の摩耗試験による試験片及びリング
の光学顕微鏡観察結果及びSEM観察結果の模式図であ
る。
【図10】(A)、(B)はそれぞれ、めっき被膜中の
Co濃度と摩擦係数との関係、摩擦係数と摩耗減重量と
の関係を示すグラフである。
【図11】(A)、(B)、(C)はそれぞれ、腐食溶
液が硫酸、フッ酸、硫酸の場合における、めっき被膜中
のCo濃度とメタル溶解速度との関係を示すグラフであ
る。
【符号の説明】
10:長辺鋳型部、11:Co−Ni合金めっき(Co
−Niめっき)、12:テーパー、13:銅板、14:
水箱(バックプレート)、15:連続鋳造用鋳型、1
6:腐食摩耗痕跡、17:腐食摩耗痕跡、18:冷却水
スプレー、19:鋳片、20:長辺モールド水箱、2
1:長辺モールド銅板、22:Ni−Coめっき、2
3:短辺モールド水箱、24:短辺モールド銅板、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田代 康典 福岡県北九州市八幡東区枝光2丁目1番15 号 三島光産株式会社内 Fターム(参考) 4E004 AB02 AB06

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1対の平行に配置された長辺モールド銅
    板とその間に平行に配置された1対の短辺モールド銅板
    を備えた連続鋳造用鋳型において、前記長辺モールド銅
    板及び/又は前記短辺モールド銅板の下部或いは全面
    に、Niを10〜30wt%含有するCo系めっきが形
    成されたことを特徴とする連続鋳造用鋳型。
  2. 【請求項2】 1対の平行に配置された長辺モールド銅
    板とその間に平行に配置された1対の短辺モールド銅板
    を備えた連続鋳造用鋳型において、前記長辺モールド銅
    板及び/又は前記短辺モールド銅板の下部或いは全面
    に、Niを16〜30wt%含有するCo系めっきが形
    成されたことを特徴とする連続鋳造用鋳型。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の連続鋳造用鋳型に
    おいて、前記長辺モールド銅板及び/又は前記短辺モー
    ルド銅板には、傾斜めっきが形成されたことを特徴とす
    る連続鋳造用鋳型。
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