JP2000264182A - 制動力制御装置およびこの装置を備える車両の制御装置 - Google Patents

制動力制御装置およびこの装置を備える車両の制御装置

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JP2000264182A
JP2000264182A JP11074450A JP7445099A JP2000264182A JP 2000264182 A JP2000264182 A JP 2000264182A JP 11074450 A JP11074450 A JP 11074450A JP 7445099 A JP7445099 A JP 7445099A JP 2000264182 A JP2000264182 A JP 2000264182A
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braking force
holding
control device
vehicle
control
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Takayuki Hanamoto
孝幸 花本
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、制動力制御装置に関し、運転者が
アクセルペダルを踏み込むことなく、制動力保持制御の
実行を禁止または中止することで、車両を微小な速度で
走行させることを目的とする。 【解決手段】 制動力保持制御が実行されている状態
で、すなわち、保持弁40,44がオン状態(閉弁状
態)にされている状態で、操作スイッチ56がオン状態
にされた場合に、保持弁40,44をオフ状態(開弁状
態)に切り換える。この場合、ホイルシリンダ52,5
4内に充填されていたブレーキフルードがマスタシリン
ダ27側に流出することで、ホイルシリンダ圧が減圧さ
れ、保持されていた制動力が減少する。このため、運転
者がアクセルペダルを踏み込むことなく操作スイッチ5
6を操作することにより、車両を微小速度で前進させる
ことが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、制動力制御装置に
係り、特に、制動力を保持する機能を有する制動力制御
装置、および、この装置を備える車両の制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば特開平9−18823
3号に開示される如く、所定状況下で車両に生じる制動
力を保持する制動力制御装置が知られている。この制動
力制御装置は、マスタシリンダとホイルシリンダとの導
通状態を切り換える電磁弁を備えている。かかる電磁弁
には、所定の条件が成立した場合に駆動信号が供給され
る。この場合、マスタシリンダとホイルシリンダとの間
は遮断状態となり、ホイルシリンダには、遮断状態とな
る直前のホイルシリンダ圧が維持される。従って、上記
従来の制動力制御装置によれば、ブレーキ操作が解除さ
れても、所定条件が成立する場合に車両に生じる制動力
を保持することができる。以下、この制御を制動力保持
制御と称す。
【0003】そして、上記従来の装置において、アクセ
ルペダルの踏み込みが所定量を越えると、電磁弁への駆
動信号の供給が停止される。この場合、マスタシリンダ
とホイルシリンダとの間は導通状態となり、ホイルシリ
ンダ内のブレーキフルードがマスタシリンダ側に流出
し、ホイルシリンダ圧が小さくなる。従って、上記従来
の制動力制御装置によれば、アクセルペダルの踏み込み
量に基づいて、車両に生じた制動力の保持状態を解除す
ることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、車両渋滞時
等には、運転者は、停止している車両を、クリープ力や
下り坂での重力等を利用して微小な速度で前進させたい
場合がある。この場合、車両に生じている制動力を減少
させる必要がある。上記従来の装置を搭載する車両にお
いて、制動力が保持された状況下でかかる制動力を減少
させるためには、アクセルペダルを踏み込んで制動力の
保持状態を解除する必要がある。しかし、制動力を減少
させるべくアクセルペダルが踏み込まれると、制動力が
減少すると共に駆動力が増加することで、車両が急加速
するおそれがある。このため、上記従来の装置では、制
動力が保持された車両を微小な速度で前進させることは
容易ではない。
【0005】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、アクセルペダルが操作されることなく、制動力
保持制御の実行が禁止または中止されることで、車両を
微小速度で走行させることが可能な制動力制御装置を提
供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、所定の条件が成立する場合に制動力を
保持する制動力保持制御を実行し得る制動力制御装置に
おいて、運転者が操作可能な操作スイッチと、該操作ス
イッチが操作された場合に、前記制動力保持制御の実行
を禁止または中止する保持制御禁止手段と、を備えるこ
とを特徴とする制動力制御装置により達成される。
【0007】本発明において、運転者によって操作スイ
ッチが操作された場合、制動力保持制御の実行が禁止ま
たは中止される。この場合、運転者の意思で制動力の保
持が解除または禁止されることにより、クリープ力や下
り坂での重力等を利用して、車両を微小な速度で走行さ
せることが可能となる。上記の目的は、請求項2に記載
する如く、所定の条件が成立する場合に制動力を保持す
る制動力保持制御を実行し得る制動力制御装置におい
て、シフトレバーがニュートラルレンジに操作された場
合に、前記制動力保持制御の実行を禁止または中止する
保持制御禁止手段を備えることを特徴とする制動力制御
装置により達成される。
【0008】本発明において、運転者によってシフトレ
バーがニュートラルレンジに操作された場合、制動力保
持制御の実行が禁止または中止される。シフトレバーが
ニュートラルレンジに操作された場合には、運転者が車
両の惰性走行を意図していると判断できる。この場合、
車両を有効に前進および後退させることが可能となる。
従って、本発明によれば、シフトレバーがニュートラル
レンジに操作された場合に制動力の保持が解除または禁
止されることにより、下り坂での重力等を利用して車両
を微小な速度で走行させることが可能となる。
【0009】上記の目的は、請求項3に記載する如く、
所定の条件が成立する場合に制動力を保持する制動力保
持制御を実行し得る制動力制御装置において、走行路が
下り坂であるか否かを判別する下り坂判別手段と、走行
路が下り坂であると判別された場合に、前記制動力保持
制御の実行を禁止する保持制御禁止手段と、を備えるこ
とを特徴とする制動力制御装置により達成される。
【0010】本発明において、車両が走行する走行路が
下り坂であると判別された場合には、制動力保持制御の
実行は禁止される。従って、下り坂において、制動力の
保持が行われることがなくなり、重力を利用して車両を
微小速度で前進させることが可能となる。上記の目的
は、請求項4に記載する如く、請求項3記載の制動力制
御装置において、車体の前方への傾き度合いを検出する
傾斜センサと、車速を検出する車速センサと、を備え、
前記下り坂判別手段は、前記傾斜センサの出力信号およ
び前記車速センサの出力信号に基づいて、走行路が下り
坂であるか否かを判別することを特徴とする制動力制御
装置により達成される。
【0011】本発明において、車両が走行する走行路が
下り坂であるか否かの判別は、車体の前方への傾きと車
速とに基づいて行われる。傾斜センサの出力信号は、走
行路が下り坂である場合、および、車両が減速している
場合に、車体が前方へ傾斜する信号を示す。車両が減速
している場合は車速が“0”を越えているので、車速が
“0”である状態での車体の前方への傾きを検出するこ
とにより、走行路が下り坂である場合と、車両が減速す
る場合とを区別することが可能となる。このため、本発
明によれば、走行路の下り坂の判別を正確に行うことが
できる。本発明において、車両が走行する走行路が下り
坂であると判別された場合、制動力保持制御の実行は禁
止される。走行路が下り坂である場合に制動力保持制御
の実行が禁止されると、制動力の保持が行われることが
なくなり、車両は下り坂で微小速度で前進することが可
能となる。
【0012】上記の目的は、請求項5に記載する如く、
所定の条件が成立する場合に制動力を保持する制動力保
持制御を実行し得る制動力制御装置において、ブレーキ
操作量を検出する操作量検出手段と、前記制動力保持制
御が実行されている状況下で、前記ブレーキ操作量の変
化量に応じた分だけ、保持された制動力を減少させる制
動力減少手段と、を備えることを特徴とする制動力制御
装置により達成される。
【0013】本発明において、ブレーキ操作量が検出さ
れる。制動力減少手段は、制動力保持制御が実行されて
いる状況下で、保持された制動力を、ブレーキ操作量の
踏み込み解除側への変化量、すなわち、ブレーキ操作量
の減少量に応じた分だけ減少させる。すなわち、制動力
減少手段は、ブレーキ操作量の減少量が小さいほど保持
された制動力を緩やかに減少させると共に、ブレーキ操
作量の減少量が大きいほど保持された制動力を速やかに
減少させる。このように制動力の減少がブレーキ操作量
に応じて行われると、運転者の意図を反映させつつ制動
力の保持状態が解除される。従って、本発明によれば、
運転者の意図に応じた制動力を発生させつつ、車両を低
速で走行させることが可能となる。
【0014】また、請求項6に記載する如く、請求項1
乃至請求項5の何れか一項記載の制動力制御装置と、車
両停車中に内燃機関を停止させる機関停止制御を実行す
る機関停止制御装置と、を有する車両の制御装置におい
て、前記内燃機関から供給される負圧に応じたアシスト
力をマスタシリンダに付与するブレーキブースタと、前
記負圧を検出する負圧検出手段と、前記保持制御禁止手
段または前記制動力減少手段の作動中に前記負圧が所定
値以下に小さくなった場合に、前記機関停止制御の実行
を禁止または中止する機関停止制御禁止手段と、を備え
ることを特徴とする車両の制御装置は、制動力保持制御
の実行を禁止または中止する制御を実行した場合、また
は、保持された制動力を減少させる制御を実行した場合
でも、車両を大きな制動力が発生し得る状態に維持する
うえで有効である。
【0015】本発明において、ブレーキブースタは、内
燃機関からの負圧に応じたアシスト力をマスタシリンダ
に付与する。所定の条件が成立する場合に制動力を保持
する制動力保持制御が実行されると共に、所定の場合に
制動力保持制御の実行を禁止または中止する制御(以
下、保持禁止制御と称す)、または、保持された制動力
を減少させる制御(以下、制動力減少制御と称す)が実
行される。また、車両停車中に内燃機関の運転を停止さ
せる機関停止制御が実行される。機関停止制御が実行さ
れている状況下で、保持禁止制御または制動力減少制御
が行われている場合、すなわち、ブレーキ操作によって
制動力が発生し得る状態が形成されている場合には、ブ
レーキ操作が行われることによって内燃機関からの負圧
が小さくなる事態が生じ得る。かかる事態が生じると、
マスタシリンダに付与されるアシスト力が小さくなるこ
とで、大きな制動力を確保することができない。
【0016】本発明において、保持禁止制御または制動
力減少制御が実行されている状況下で内燃機関からの負
圧が所定値以下に小さくなった場合に、機関停止制御の
実行が禁止または中止される。すなわち、内燃機関の運
転状態が継続する、あるいは、内燃機関が停止状態から
運転状態に切り換わる。内燃機関が運転状態になると、
負圧が小さくなることが防止され、大きな制動力を確保
することが可能となる。従って、本発明によれば、保持
禁止制御または制動力減少制御が実行されている場合
に、車両を大きな制動力を発生し得る状態に維持するこ
とができる。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1実施例の車
両が搭載する制動力制御装置および機関制御装置のシス
テム構成図を示す。本実施例の制動力制御装置は、ブレ
ーキ電子制御ユニット(以下、ブレーキECUと称す)
10を備えており、ブレーキECU10に制御されるこ
とにより車輪のホイルシリンダ圧を制御する。また、本
実施例の機関制御装置は、エンジン電子制御ユニット
(以下、エンジンECUと称す)11を備えており、エ
ンジンECU11に制御されることにより内燃機関の運
転状態を制御する。具体的には、エンジンECU11
は、渋滞や交差点での信号待ち等の車両が停車している
場合に内燃機関の運転を停止させる機関停止制御を実行
する。尚、図1においては、本実施例の制動力制御装置
のうち、左前輪FLおよび右後輪RRに対応する部分の
みが示されている。
【0018】本実施例の制動力制御装置は、ブレーキペ
ダル12を備えている。ブレーキペダル12の近傍に
は、ブレーキスイッチ14が配設されている。ブレーキ
スイッチ14は、ブレーキペダル12の踏み込みが解除
されている場合にオフ状態を維持し、ブレーキペダル1
2が踏み込まれることによりオン信号をブレーキECU
10に向けて出力する。ブレーキECU10は、ブレー
キスイッチ14の出力信号に基づいて、ブレーキペダル
12が踏み込まれているか否かを判別する。
【0019】ブレーキペダル12には、作動軸16を介
してブレーキブースタ18が連結されている。作動軸1
6には、ストロークセンサ20が配設されている。スト
ロークセンサ20は、ブレーキペダル12のペダルスト
ロークSに応じた信号をブレーキECU10に向けて出
力する。ブレーキECU10は、ストロークセンサ20
の出力信号に基づいてペダルストロークSを検出する。
【0020】ブレーキブースタ18は、ダイヤフラム2
1を介して負圧室22と大気圧室23とに隔成されてい
る。負圧室22には、内燃機関24の吸気マニホールド
25が連通している。内燃機関24は、エンジンECU
11に接続されており、エンジンECU11からの信号
に基づいて運転状態を制御される。エンジンECU11
は、車両停車中にブレーキペダル12の踏み込みが行わ
れている等の所定の条件が成立する場合に、内燃機関2
4が停止状態になるように指令信号を供給すると共に、
内燃機関24の始動要求が生じた場合に、内燃機関24
が運転状態になるように指令信号を供給する。内燃機関
24が運転状態になると、吸気マニホールド25内に吸
気負圧が発生し、その負圧が負圧室22に導かれる。内
燃機関24の運転中、ブレーキブースタ18は、ブレー
キペダル12が踏み込まれることにより、ブレーキ踏力
に対して所定の倍力比を有するアシスト力を発生する。
【0021】吸気マニホールド25と負圧室22との間
の通路には、負圧センサ26が配設されている。負圧セ
ンサ26は、上記通路の内圧、すなわち、負圧室22に
導かれる負圧に応じた信号をブレーキECU10に向け
て出力する。ブレーキECU10は、負圧センサ26の
出力信号に基づいて、負圧室22の負圧VACを検出す
る。
【0022】ブレーキブースタ18には、マスタシリン
ダ27が連結されている。マスタシリンダ27は、その
内部に第1液圧室28および第2液圧室30を備えてい
る。第1液圧室28および第2液圧室30には、ブレー
キ踏力とアシスト力との合力に応じたマスタシリンダ圧
が発生する。マスタシリンダ27の上方には、リザーバ
タンク32が配設されている。マスタシリンダ27とリ
ザーバタンク32とは、ブレーキペダル12の踏み込み
が解除されている場合に導通状態となり、ブレーキペダ
ル12が踏み込まれている場合に遮断状態となる。第1
液圧室28には第1液圧通路34が、第2液圧室30に
は第2液圧通路36が、それぞれ連通している。第1液
圧通路34は、左前輪FLおよび右後輪RRに連通する
第1液圧回路を構成している。また、第2液圧通路36
は、右前輪FRおよび左後輪RLに連通する第2液圧回
路を構成している。尚、第1液圧回路と第2液圧回路と
は構成において実質的に同一であるため、以下の記載に
おいては、第1液圧回路の構成および動作について説明
する。
【0023】第1液圧通路34には、マスタシリンダ圧
センサ38が配設されている。マスタシリンダ圧センサ
38は、第1液圧通路34の内圧、すなわち、マスタシ
リンダ27が発生するマスタシリンダ圧に応じた信号を
ブレーキECU10に向けて出力する。ブレーキECU
10は、マスタシリンダ圧センサ38の出力信号に基づ
いて、マスタシリンダ圧Pmcを検出する。
【0024】第1液圧通路34には、保持弁40を介し
て制御液圧通路42が連通していると共に、保持弁44
を介して制御液圧通路46が連通している。保持弁4
0,44は、常態で開弁状態を維持し、ブレーキECU
10から駆動信号が供給されることにより閉弁状態とな
る2位置の電磁弁である。保持弁40,44には、逆止
弁48,50が並列に配設されている。逆止弁48,5
0は、第1液圧通路34側から制御液圧通路42,46
側へ向かうブレーキフルードの流れのみを許容する一方
向弁である。
【0025】制御液圧通路42には、左前輪FLのホイ
ルシリンダ52が連通している。また、制御液圧通路4
6には、右後輪RRのホイルシリンダ54が連通してい
る。ホイルシリンダ52,54は、制御液圧通路42,
46から供給される液圧に応じた制動力を車輪FL,R
Rに対して付与する。ブレーキECU10には、車内の
コンソールに配設され、運転者が操作可能な操作スイッ
チ56が接続されている。操作スイッチ56は、常態で
オフ状態を維持し、運転者に操作されることによりオン
信号をブレーキECU10に向けて出力する。ブレーキ
ECU10は、操作スイッチ56の出力信号に基づい
て、操作スイッチ56がオン状態であるか否かを判別す
る。
【0026】ブレーキECU10には、また、車速セン
サ58および勾配センサ60が接続されている。車速セ
ンサ58は、車両の速度に応じた信号をブレーキECU
10に向けて出力する。また、勾配センサ60は、車両
の傾き度合いに応じた信号をブレーキECU10に向け
て出力する。ブレーキECU10は、車速センサ58お
よび勾配センサ60の出力信号に基づいて、車速SPD
およ車両傾き度合いKを検出する。
【0027】次に、本実施例の制動力制御装置の動作に
ついて説明する。本実施例において、ブレーキECU1
0は、通常時、保持弁40,44をオフ状態(閉弁状
態)とする。この場合、制動力制御装置において、図1
に示す状態が実現される。図1に示す状況下では、ホイ
ルシリンダ52,54はマスタシリンダ27に連通する
ため、ホイルシリンダ52,54には、マスタシリンダ
圧と等しいホイルシリンダ圧が導かれる。従って、本実
施例の制動力制御装置によれば、通常時は、ブレーキ操
作量に応じた制動力を発生させることができる。
【0028】車両の停車時に、車両に生じる制動力を保
持すべくホイルシリンダ圧を保持する要求が生じる場合
がある。かかる要求が生ずると、ブレーキECU10
は、保持弁40,44をオン状態(開弁状態)とする。
かかる状態が実現されると、ホイルシリンダ52,54
は、マスタシリンダ27から遮断される。この場合、ホ
イルシリンダ圧は、ホイルシリンダ52,54がマスタ
シリンダ27から遮断される直前の圧力に維持される。
従って、本実施例の制動力制御装置によれば、所定の条
件が成立する場合に、その後にブレーキペダル12の踏
み込みが解除されても、車両に生じる制動力を保持する
ことができる。以下、この制御を制動力保持制御と称
す。
【0029】ところで、車両渋滞時等には、運転者は、
停車中の車両を、クリープ力や下り坂での重力を利用し
て微小速度で前進させたい場合がある。かかる要求が、
制動力保持制御が実行されている状態で生じた場合に
は、速やかに制動力の保持を解除する必要がある。本実
施例の制動力制御装置は、運転者がアクセルペダルを踏
み込むことなく、制動力の保持を解除する点に第1の特
徴を有している。以下、その特徴部について説明する。
【0030】図2は、制動力の保持を解除すべく、本実
施例の制動力制御装置においてブレーキECU10が実
行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図
2に示すルーチンは、所定時間毎に繰り返し駆動される
定時割り込みルーチンである。図2に示すルーチンが起
動されると、まずステップ100の処理が実行される。
【0031】ステップ100では、制動力が保持されて
いるか否か、すなわち、保持弁40,44のオン状態
(閉弁状態)が所定時間継続しているか否かが判別され
る。その結果、保持弁40,44のオン状態が所定時間
継続すると判別された場合は、次にステップ102の処
理が実行される。一方、保持弁40,44のオン状態が
所定時間継続しないと判別された場合は、何ら処理が進
められることなく、今回のルーチンが終了される。
【0032】ステップ102では、操作スイッチ56の
出力信号に基づいて、操作スイッチ56がオン状態であ
るか否かが判別される。その結果、操作スイッチ56が
オン状態であると判別された場合は、次にステップ10
4の処理が実行される。一方、操作スイッチ56がオン
状態でないと判別された場合は、今回のルーチンは終了
される。
【0033】ステップ104では、制動力の保持状態を
解除する処理、具体的には、保持弁40,44をオフ状
態(開弁状態)とする処理が実行される。本ステップ1
04の処理が実行されると、マスタシリンダ27とホイ
ルシリンダ52,54とが導通状態となる。この場合、
ホイルシリンダ52,54のブレーキフルードがマスタ
シリンダ27側に流出し、ホイルシリンダ圧の低下によ
って制動力が減少する。本ステップ104の処理が終了
すると、今回のルーチンは終了される。
【0034】上記の処理によれば、制動力が保持された
状態で操作スイッチ56がオン状態にされた場合に、そ
の保持状態を解除、すなわち、制動力を減少させること
ができる。かかる手法によれば、保持された制動力を減
少させるのにアクセルペダルを操作する必要はない。従
って、本実施例の制動力制御装置によれば、アクセル操
作を行うことなく運転者の意思に従って、保持された制
動力を減少させることができる。これにより、車両は、
クリープ力や下り坂での重力を利用して微小速度で前進
することが可能となる。
【0035】ところで、本実施例において、上述の如
く、エンジンECU11は、渋滞や交差点での信号待ち
等の車両が停車している場合に内燃機関24の運転を停
止させる機関停止制御を実行する。かかる機関停止制御
が行われると、内燃機関24が停止状態となることで、
吸気マニホールド25からブレーキブースタ18の負圧
室22に向けて負圧が供給されなくなる。負圧が供給さ
れない状況下でブレーキ操作が頻繁に行われると、負圧
室22の内圧が大気圧に近づくことで、ブレーキブース
タ18からマスタシリンダ27に向けて付与されるアシ
スト力が小さくなる。
【0036】本実施例において、制動力の保持状態が解
除されると、車両は、クリープ力や下り坂での重力を利
用して微小速度で前進することが可能となる。この場
合、車両には、運転者のブレーキ操作に応じた制動力が
発生し得る。機関停止制御が実行されており、かつ、車
両が上記のように微小速度で前進できる状態でブレーキ
操作が行われると、負圧室22の負圧が消費されること
で、ブレーキブースタ18からマスタシリンダ27に向
けて付与されるアシスト力が小さくなる。アシスト力が
小さくなると、ホイルシリンダ圧を大きな圧力に昇圧す
ることが困難となり、大きな制動力を確保することがで
きないおそれがある。
【0037】本実施例のシステムは、かかる不都合を解
決すべく、負圧VACが大気圧に近づいた場合に機関停
止制御の実行を禁止することで、負圧室22の負圧を大
きな圧力に維持する点に第2の特徴を有している。以
下、その特徴部について説明する。図3は、機関停止制
御の実行を禁止すべく、本実施例の制動力制御装置にお
いてブレーキECU10が実行する制御ルーチンの一例
のフローチャートを示す。図3に示すルーチンは、所定
時間毎に繰り返し起動される定時割り込みルーチンであ
る。図3に示すルーチンが起動されると、まずステップ
110の処理が実行される。
【0038】ステップ110では、負圧センサ26また
は車速センサ58が異常状態にあるか否かが判別され
る。上記センサが異常にある場合には、機関停止制御を
実行するためのパラメータを正確に検出することができ
ず、機関停止制御を実行することは適切ではない。従っ
て、上記センサに異常が生じていると判別された場合
は、次にステップ118の処理が実行される。一方、上
記センサに異常が生じていないと判別された場合は、次
にステップ112の処理が実行される。
【0039】ステップ112では、上記センサの出力信
号に基づいて、負圧VACおよび車速SPDが検出され
る。ステップ114では、上記ステップ112で検出さ
れた負圧VACの絶対値が、所定値VAC0 以上である
か否かが判別される。尚、所定値VAC0 は、ブレーキ
踏力に対して所定の倍力比を有するアシスト力が発生で
きる最小の圧力である。|VAC|≧VAC0 が成立す
る場合は、ブレーキブースタ18の負圧室22に大きな
負圧が生じていると判断できる。この場合は、ホイルシ
リンダ圧を速やかに昇圧することができ、内燃機関24
を停止状態にしても何ら不都合は生じない。従って、上
記の処理の結果、|VAC|≧VAC0 が成立すると判
別された場合は、次にステップ116の処理が実行され
る。
【0040】一方、|VAC|≧VAC0 が成立しない
と判別された場合は、負圧室22に、ホイルシリンダ圧
を速やかに昇圧できるほど大きな負圧が生じていないと
判断できる。この場合は、内燃機関24を運転状態にす
ることが適切である。従って、かかる判別がなされた場
合は、次にステップ118の処理が実行される。ステッ
プ116では、上記ステップ112で検出された車速S
PDが所定値SPD0 以上であるか否かが判別される。
尚、所定値SPD0 は、内燃機関24の停止中に車両が
所定範囲内で速やかに停車されると判断できる限界速度
である。上記の処理の結果、SPD≧SPD0 が成立し
ない場合は、車両が速やかに停車できるほど小さな速度
で走行していると判断できる。この場合は、内燃機関2
4を停止状態にしても何ら不都合は生じない。従って、
SPD≧SPD0 が成立しないと判別された場合は、今
回のルーチンが終了される。
【0041】一方、SPD≧SPD0 が成立する場合
は、車両がある程度大きな速度で走行していると判断で
きる。車両が高速で走行する状況下で車両を停車させる
ためには、車両に大きな制動力を発生させる必要があ
る。しかし、内燃機関24の運転が停止している場合に
は、ブレーキブースタ18の負圧室22に大きな負圧が
供給されないために、大きな制動力を確保できないおそ
れがある。このため、上記の条件が成立する場合には内
燃機関24を運転状態にすることが適切である。従っ
て、SPD≧SPD0 が成立すると判別された場合は、
次にステップ118の処理が実行される。
【0042】ステップ118では、エンジンECU11
に対して、内燃機関24についての機関停止制御の実行
を禁止するための信号が出力される。本ステップ118
の処理が実行されると、以後、エンジンECU11にお
いて機関停止制御の実行が禁止される。本ステップ11
8の処理が終了すると、今回のルーチンが終了される。
上記の処理によれば、負圧VACが低下している場合、
および、車速SPDが大きい場合に、内燃機関24につ
いての機関停止制御の実行を禁止する信号をエンジンE
CU11に向けて出力することができる。
【0043】図4は、本実施例の機関制御装置において
エンジンECU11が実行する制御ルーチンの一例のフ
ローチャートを示す。図4に示すルーチンは、所定時間
ごとに繰り返し起動される定時割り込みルーチンであ
る。図4に示すルーチンが起動されると、まずステップ
122の処理が実行される。ステップ122では、機関
停止制御を実行するための所定の条件が成立するか否か
が判別される。その結果、上記の条件が成立すると判別
された場合は、次に、ステップ124の処理が実行され
る。一方、上記の条件が成立しない場合は、内燃機関2
4の運転を停止させる必要はなく、内燃機関24の運転
を継続する、あるいは、停止していた内燃機関24を始
動させる必要がある。従って、かかる判別がなされた場
合は、次に、ステップ124がジャンプされてステップ
126の処理が実行される。
【0044】ステップ124では、ブレーキECU10
から、内燃機関24について機関停止制御の実行の禁止
を要求する信号が受信されたか否かが判別される。その
結果、かかる信号が受信された場合は、次にステップ1
26の処理が実行される。一方、上記の信号が受信され
ない場合は、次にステップ128の処理が実行される。
【0045】ステップ126では、内燃機関24を運転
させるための処理が実行される。本ステップ126の処
理が実行されると、以後、内燃機関24の運転が継続
し、あるいは、停止していた内燃機関24が始動する。
この場合、内燃機関24に向けて空気が吸入され、ブレ
ーキブースタ18の負圧室22に大きな負圧が導かれ
る。本ステップ126の処理が終了すると、今回のルー
チンは終了される。
【0046】ステップ128では、内燃機関24の運転
を停止させる処理が実行される。本ステップ128の処
理が実行されると、以後、内燃機関24に向けて空気が
吸入されなくなる。本ステップ128の処理が終了する
と、今回のルーチンは終了される。上記の処理によれ
ば、機関停止制御の実行条件が成立する状況下でもブレ
ーキECU10から機関停止制御の実行を禁止するため
の信号が受信された場合には、機関停止制御の実行を禁
止することができる。機関停止制御の実行が禁止される
と、内燃機関24は、停止状態から運転状態に切り換わ
る、あるいは、運転状態を継続する。このため、本実施
例によれば、ブレーキブースタ18の負圧室22に生じ
る負圧の低下を防止することができ、大きな制動力を確
保することが可能となる。従って、本実施例によれば、
保持された制動力を減少させる制御が実行された場合
に、車両を大きな制動力を発生し得る状態に維持するこ
とができる。
【0047】尚、上記の実施例においては、ブレーキE
CU10が、上記ステップ104の処理を実行すること
により請求項1記載の「保持制御禁止手段」が、負圧セ
ンサ26の出力信号に基づいて負圧VACを検出するこ
とにより請求項6記載の「負圧検出手段」が、それぞれ
実現されていると共に、エンジンECU11が上記ステ
ップ126の処理を実行することにより請求項6記載の
「機関停止制御禁止手段」が実現されている。
【0048】ところで、上記の実施例においては、運転
者によって操作スイッチ56が操作された場合に、制動
力の保持状態を解除することとしているが、本発明はこ
れに限定されるものではなく、変速機のシフトレバーの
位置に応じた信号をブレーキECU10に向けて出力す
るシフトポジションセンサを設け、その出力信号に基づ
いてシフトレバーがニュートラルレンジに操作されてい
るか否かを判別し、シフトレバーがニュートラルレンジ
に操作されたと判別された場合に制動力の保持状態を解
除することとしてもよい。この場合、ブレーキECU1
0がその判別結果に基づいて上記ステップ104の処理
を実行することにより請求項2記載の「保持制御禁止手
段」が実現される。
【0049】また、上記の実施例においては、制動力保
持制御が実行された車両について、操作スイッチ56が
操作された場合に制動力の保持状態を解除することで、
その車両の走行を可能としているが、本発明はこれに限
定されるものではなく、操作スイッチ56が操作された
場合には制動力保持制御の実行を禁止することで、車両
の走行を可能とすることとしてもよい。
【0050】次に、上記図1と共に図5を参照して、本
発明の第2実施例の制動力制御装置について説明する。
本実施例のシステムは、上記図1に示す制動力制御装置
において、ブレーキECU10に図5に示すルーチンを
実行させることにより実現される。上述した第1実施例
では、制動力保持制御が実行されている状況下で所定の
条件が成立する場合に制動力の保持を解除することによ
り、車両の微小速度での前進が可能とされている。これ
に対して、本実施例のシステムは、車両が下り坂にある
場合には制動力保持制御の実行を禁止することにより、
車両の微小速度での前進を可能とする点に特徴を有して
いる。
【0051】図5は、上記の機能を実現すべく、本実施
例の制動力制御装置においてブレーキECU10が実行
する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図5
に示すルーチンは、所定時間ごとに繰り返し起動される
定時割り込みルーチンである。図5に示すルーチンが起
動されると、まずステップ130の処理が実行される。
【0052】ステップ130では、車速センサ58およ
び勾配センサ60の出力信号に基づいて、車速SPDお
よび車両傾き度合いKが検出される。ステップ132で
は、車両が走行する走行路が下り坂であるか否かが判別
される。本実施例において、走行路の下り坂の判別は、
車速SPDおよび車両傾き度合いKに基づいて行われ
る。車両傾き度合いKは、走行路が下り坂である場合、
および、車両が減速する場合に下り勾配の値となる。車
両が減速する場合は車速SPDが“0”を越えているの
で、車速SPDが“0”であるか否かを判別することに
より、走行路が下り坂である場合と、車両が減速する場
合とを区別することが可能となる。従って、車速SPD
が“0”である状態で車両傾き度合いKに下り勾配の値
が現われた場合には、車両が走行する走行路が下り坂で
あると判断できる。
【0053】そして、上記ステップ132の処理の結
果、走行路が下り坂であると判別された場合は、次にス
テップ134の処理が実行される。一方、走行路が下り
坂でないと判別された場合は、次にステップ136の処
理が実行される。ステップ134では、制動力保持制御
の実行を禁止する処理、すなわち、保持弁40,44を
オン状態(閉弁状態)にすることを禁止する処理が実行
される。本ステップ134の処理が実行されると、以
後、ホイルシリンダ圧が保持されることがなく、ホイル
シリンダ52,54には、ブレーキ踏力に応じたホイル
シリンダ圧が発生し得る。本ステップ134の処理が終
了すると、今回のルーチンが終了される。
【0054】ステップ136では、制動力保持制御の実
行を許容する処理、すなわち、制動力保持制御の成立条
件に従って保持弁40,44が開閉されるのを許容する
処理が実行される。本ステップ136の処理が終了する
と、今回のルーチンが終了される。上記の処理によれ
ば、車両が走行する走行路が下り坂である場合に、制動
力保持制御を禁止することができる。かかる場合に制動
力保持制御が禁止されると、ブレーキ操作以外に制動力
が保持されることがなくなり、ホイルシリンダ52,5
4には、ブレーキ操作に応じたホイルシリンダ圧が発生
し得る。従って、本実施例の制動力制御装置によれば、
走行路が下り坂である場合に、下り坂での車両の重力を
利用して車両を微小速度で前進させることが可能とな
る。
【0055】尚、上記の実施例においては、ブレーキE
CU10が、車速センサ58の出力信号および勾配セン
サ60の出力信号に基づいて上記ステップ132の処理
を実行することにより請求項3記載の「下り坂判別手
段」が、上記ステップ134の処理を実行することによ
り請求項3記載の「保持制御禁止手段」が、それぞれ実
現されている。
【0056】ところで、上記の実施例においては、車速
SPDと車両傾き度合いKとに基づいて走行路の下り坂
の判別を行うこととしているが、走行路の下り坂の判別
手法はこれに限定されるものではなく、前輪における車
高と後輪における車高との差を考慮することとしてもよ
いし、GPSナビゲーションから車両が現在走行してい
る走行路の情報に基づいて判別することとしてもよい。
【0057】次に、図6を参照して、本発明の第3実施
例の制動力制御装置について説明する。本実施例のシス
テムは、上記図1に示す制動力制御装置において、保持
弁40,44に代えてリニア弁を用いると共に、ブレー
キECU10に図6に示すルーチンを実行させることに
より実現される。本実施例において、リニア弁は、常態
で開弁状態を維持し、ブレーキECU10から駆動信号
が供給されることにより閉弁すると共に、閉弁状態で制
御液圧通路42の液圧が第1液圧通路34の液圧に比し
て所定のリリーフ圧を越えて高圧である場合に開弁する
制御弁である。リニア弁は、ブレーキECU10からの
駆動信号に応じてリリーフ圧をリニアに変化させる。具
体的には、リニア弁は、駆動信号が大きいほど大きなリ
リーフ圧になり、駆動信号が小さいほど小さなリリーフ
圧になる。
【0058】制動力保持制御の実行中は、ブレーキ操作
に関係なく、車両には、一定の制動力が発生する。本実
施例においては、ブレーキペダル12が踏み込まれた状
態でその踏み込みが解除された場合に、そのペダルスト
ロークSの踏み込み解除側への変化量に応じてリニア弁
のリリーフ圧を変化させる。リリーフ圧が変化すると、
それに伴ってホイルシリンダ52,54からマスタシリ
ンダへ流出するブレーキフルードの量が増減する。この
場合、ホイルシリンダ52,54に生じるホイルシリン
ダ圧が変化し、車両に生じる制動力が変化する。本実施
例のシステムは、制動力保持制御が実行されている状態
からその状態を解除する過程で、ブレーキペダル12の
ペダルストロークSの、踏み込み解除側への変化量に応
じてリニア弁のリリーフ圧を変化させることで、制動力
の減少量を変化させる点に特徴を有している。
【0059】図6は、上記の機能を実現すべく、本実施
例の制動力制御装置においてブレーキECU10が実行
する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図6
に示すルーチンは、所定時間ごとに繰り返し駆動される
定時割り込みルーチンである。図6に示すルーチンが起
動されると、まずステップ140の処理が実行される。
【0060】ステップ140では、制動力保持制御が実
行されているか否か、すなわち、リニア弁のオン状態
(閉弁状態)が所定時間継続しているか否かが判別され
る。その結果、上記条件が成立すると判別された場合
は、次にステップ142の処理が実行される。一方、上
記条件が成立しないと判別された場合は、何ら処理が進
められることなく、今回のルーチンが終了される。
【0061】ステップ142では、ストロークセンサ2
0の出力信号に基づいて、ブレーキペダル12のペダル
ストロークSが検出される。ステップ144では、前回
の処理サイクルから今回の処理サイクルにかけてのペダ
ルストロークSの変化量ΔSが演算される。ステップ1
46では、リニア弁に供給する駆動信号IH を、前回の
処理サイクルにおける駆動信号IH からペダルストロー
ク変化量ΔSに応じた量I(ΔS)を減算して得られた
値にする処理が実行される。
【0062】ステップ148では、演算された駆動信号
IH を、リニア弁に出力するための処理が実行される。
本ステップ148の処理が実行されると、上記の処理に
よれば、ブレーキペダル12のペダルストロークSの、
踏み込みの解除側への変化量ΔSに応じて、リニア弁へ
の駆動信号IH を減少させることができる。
【0063】本実施例においては、ブレーキペダル12
の踏み込み解除側への変化量ΔSが大きいほど、リニア
弁への駆動信号IH の減少量が大きくなり、リリーフ圧
は極小さくなる。このため、上記変化量ΔSが大きいほ
ど、ホイルシリンダ52,54側の液圧とマスタシリン
ダ27側の液圧との差圧が小さくなるまで、ホイルシリ
ンダ52,54からマスタシリンダ27に向けてブレー
キフルードが流出できる。すなわち、変化量ΔSが大き
いほど、ホイルシリンダ52,54からマスタシリンダ
27に向けて流出するブレーキフルードの量は多くな
る。
【0064】従って、変化量ΔSが大きい場合は、ホイ
ルシリンダ圧の減圧量が大きく、保持された制動力が速
やかに減少し、一方、変化量ΔSが小さい場合は、ホイ
ルシリンダ圧の減圧量は小さく、保持された制動力は緩
やかに減少する。このように、本実施例によれば、制動
力保持制御が実行されている状態からその状態を解除す
る過程で、上記のリリーフ圧を変化させることにより、
制動力の減少量を変化させることができる。従って、本
実施例によれば、運転者がアクセルペダルを操作するこ
となく、ブレーキペダル12のペダルストロークSの変
化量に応じて制動力の減少量を変化させつつ制動力の保
持状態を解除することができる。これにより、本実施例
の制動力制御装置を搭載する車両は、制動力を調整しつ
つ、クリープ力や下り坂での重力を利用して微小速度で
前進することが可能となる。
【0065】尚、上記の実施例においては、ブレーキE
CU10が、ストロークセンサ20の出力信号に基づい
てブレーキペダル12のペダルストロークSを検出する
ことにより請求項5記載の「操作量検出手段」が、上記
ステップ146の処理を実行することにより請求項5記
載の「制動力減少手段」が、それぞれ実現されている。
【0066】ところで、上記第1〜3実施例において
は、ホイルシリンダ52,54にブレーキフルードを導
いて制動力を発生させる構成とされているが、本発明は
これに限定されるものではなく、電動モータに駆動信号
を供給して制動力を発生させる装置に適用することも可
能である。次に、図7を参照して、本発明の第4実施例
の制動力制御装置について説明する。本実施例のシステ
ムは、上記第3実施例の制動力制御装置において、ブレ
ーキECU10が図6に示すルーチンに代えて図7に示
すルーチンを実行することにより実現される。
【0067】ペダルストロークSが変化すると、それに
応じてマスタシリンダ圧Pmcが変化する。そこで、本実
施例のシステムでは、上述したリリーフ圧を、マスタシ
リンダ圧Pmcの減圧量に応じて変化させることとしてい
る。図7は、上記の機能を実現すべく、本実施例の制動
力制御装置においてブレーキECU10が実行する制御
ルーチンの一例のフローチャートを示す。図7に示すル
ーチンは、所定時間ごとに繰り返し起動される定時割り
込みルーチンである。尚、図7において、上記図6に示
すステップと同一の処理を実行するステップについて
は、同一の符号を付してその説明を省略する。すなわ
ち、図7に示すルーチンにおいては、ステップ140で
制動力保持制御が実行されていると判別された後、ステ
ップ150の処理が実行される。
【0068】ステップ150では、マスタシリンダ圧セ
ンサ38の出力信号に基づいて、マスタシリンダ圧Pmc
が検出される。ステップ152では、前回の処理サイク
ルから今回の処理サイクルにかけてのマスタシリンダ圧
Pmcの変化量ΔPmcが演算される。ステップ154で
は、リニア弁に供給する駆動信号IH を、前回の処理サ
イクルにおける駆動信号IH からマスタシリンダ圧の変
化量ΔPmcに応じた量I(ΔPmc)を減算して得られた
値にする処理が実行される。本ステップ154の処理が
終了すると、上記ステップ148が実行された後に、今
回のルーチンが終了される。
【0069】上記の処理によれば、マスタシリンダ圧P
mcの減少量ΔPmcに応じて、リニア弁への駆動信号IH
を減少させることができる。本実施例においては、マス
タシリンダ圧Pmcの減少量ΔPmcが大きいほど、リニア
弁への駆動信号IH の減少量が大きくなり、リリーフ圧
は極小さくなる。このため、本実施例によれば、上記第
3実施例の場合と同様に、制動力保持制御が実行されて
いる状態からその状態を解除する過程で、上記のリリー
フ圧を変化させることにより、制動力の減少量を変化さ
せることができる。従って、本実施例によれば、運転者
がアクセルペダルを操作することなく、マスタシリンダ
圧Pmcの変化量に応じて制動力の減少量を変化させつつ
制動力の保持状態を解除することができる。その結果、
本実施例の制動力制御装置を搭載する車両は、制動力を
調整しつつ、クリープ力や下り坂での重力を利用して微
小速度で前進することが可能となる。
【0070】尚、上記の実施例においては、ブレーキE
CU10が、マスタシリンダ圧センサ38の出力信号に
基づいてマスタシリンダ圧Pmcを検出することにより請
求項5記載の「操作量検出手段」が、上記ステップ15
4の処理を実行することにより請求項5記載の「制動力
減少手段」が、それぞれ実現されている。
【0071】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、運転者がアクセルペダルを踏み込むことなく操作ス
イッチを操作することにより、制動力保持制御の実行が
禁止または中止されることで、車両を微小速度で走行さ
せることが可能となる。請求項2記載の発明によれば、
運転者がアクセルペダルを踏み込むことなくシフトレバ
ーをニュートラルレンジに操作することにより、制動力
保持制御の実行が禁止または中止されることで、車両を
微小速度で走行させることが可能となる。
【0072】請求項3記載の発明によれば、車両が走行
する走行路が下り坂である場合に、制動力保持制御の実
行が禁止されることで、車両を微小速度で前進させるこ
とが可能となる。請求項4記載の発明によれば、車両が
走行する走行路が下り坂であるか否かの判別を正確に行
うことができる。
【0073】請求項5記載の発明によれば、ブレーキ操
作量に応じて制動力の減少量が変化することで、運転者
の意図を反映させつつ制動力の保持状態を解除すること
ができる。これにより、運転者がアクセルペダルを踏み
込むことなく、運転者の意図に応じた制動力を発生させ
つつ、車両を低速で走行させることが可能となる。ま
た、請求項6記載の発明によれば、制動力保持制御の実
行を禁止または中止する制御、または、保持された制動
力を減少させる制御が実行されている場合に、車両を大
きな制動力を発生し得る状態に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の車両が搭載する制動力制
御装置および機関制御装置のシステム構成図である。
【図2】本実施例において制動力の保持状態を解除すべ
く実行される制御ルーチンの一例のフローチャートであ
る。
【図3】本実施例の制動力制御装置において内燃機関を
始動すべく実行される制御ルーチンの一例のフローチャ
ートである。
【図4】本実施例の機関制御装置において内燃機関を始
動すべく実行される制御ルーチンの一例のフローチャー
トである。
【図5】本発明の第2実施例の制動力制御装置において
実行される制御ルーチンの一例のフローチャートであ
る。
【図6】本発明の第3実施例の制動力制御装置において
実行される制御ルーチンの一例のフローチャートであ
る。
【図7】本発明の第4実施例の制動力制御装置において
実行される制御ルーチンの一例のフローチャートであ
る。
【符号の説明】
10 ブレーキ電子制御ユニット(ブレーキECU) 11 エンジン電子制御ユニット(エンジンECU) 12 ブレーキペダル 18 ブレーキブースタ 20 ストロークセンサ 24 内燃機関 26 負圧センサ 27 マスタシリンダ 38 マスタシリンダ圧センサ 52,54 ホイルシリンダ 58 車速センサ 60 勾配センサ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の条件が成立する場合に制動力を保
    持する制動力保持制御を実行し得る制動力制御装置にお
    いて、 運転者が操作可能な操作スイッチと、 該操作スイッチが操作された場合に、前記制動力保持制
    御の実行を禁止または中止する保持制御禁止手段と、 を備えることを特徴とする制動力制御装置。
  2. 【請求項2】 所定の条件が成立する場合に制動力を保
    持する制動力保持制御を実行し得る制動力制御装置にお
    いて、 シフトレバーがニュートラルレンジに操作された場合
    に、前記制動力保持制御の実行を禁止または中止する保
    持制御禁止手段を備えることを特徴とする制動力制御装
    置。
  3. 【請求項3】 所定の条件が成立する場合に制動力を保
    持する制動力保持制御を実行し得る制動力制御装置にお
    いて、 走行路が下り坂であるか否かを判別する下り坂判別手段
    と、 走行路が下り坂であると判別された場合に、前記制動力
    保持制御の実行を禁止する保持制御禁止手段と、 を備えることを特徴とする制動力制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の制動力制御装置におい
    て、 車体の前方への傾き度合いを検出する傾斜センサと、 車速を検出する車速センサと、を備え、 前記下り坂判別手段は、前記傾斜センサの出力信号およ
    び前記車速センサの出力信号に基づいて、走行路が下り
    坂であるか否かを判別することを特徴とする制動力制御
    装置。
  5. 【請求項5】 所定の条件が成立する場合に制動力を保
    持する制動力保持制御を実行し得る制動力制御装置にお
    いて、 ブレーキ操作量を検出する操作量検出手段と、 前記制動力保持制御が実行されている状況下で、前記ブ
    レーキ操作量の変化量に応じた分だけ、保持された制動
    力を減少させる制動力減少手段と、 を備えることを特徴とする制動力制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1乃至請求項5の何れか一項記載
    の制動力制御装置と、車両停車中に内燃機関を停止させ
    る機関停止制御を実行する機関停止制御装置と、を備え
    る車両の制御装置において、 前記内燃機関から供給される負圧に応じたアシスト力を
    マスタシリンダに付与するブレーキブースタと、 前記負圧を検出する負圧検出手段と、 前記保持制御禁止手段または前記制動力減少手段の作動
    中に前記負圧が所定値以下に小さくなった場合に、前記
    機関停止制御の実行を禁止または中止する機関停止制御
    禁止手段と、 を備えることを特徴とする車両の制御装置。
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