JP2000290375A - ポリアリーレンスルフィドの製造方法 - Google Patents

ポリアリーレンスルフィドの製造方法

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JP2000290375A
JP2000290375A JP11100886A JP10088699A JP2000290375A JP 2000290375 A JP2000290375 A JP 2000290375A JP 11100886 A JP11100886 A JP 11100886A JP 10088699 A JP10088699 A JP 10088699A JP 2000290375 A JP2000290375 A JP 2000290375A
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polyarylene sulfide
blades
mol
sulfide
stirring
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JP11100886A
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Minoru Chiga
実 千賀
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Idemitsu Petrochemical Co Ltd
Japan Petroleum Energy Center JPEC
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Petroleum Energy Center PEC
Idemitsu Petrochemical Co Ltd
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  • Polymers With Sulfur, Phosphorus Or Metals In The Main Chain (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 予備重合や煩雑な温度パターンによる制
御を必要とせず、また、ポリアリーレンスルフィドが反
応容器内壁や攪拌翼に付着することなく、ポリアリーレ
ンスルフィドを製造する方法を提供すること。 【解決手段】 有機極性溶媒中で、硫黄源とジハロゲン
芳香族化合物とを相分離剤の存在下に重縮合させてポリ
アリーレンスルフィドを製造する方法において、両端部
に下向きのフィンを備えた幅広の上翼と、両端部に後退
翼を備えた幅広の下翼とを有し、回転軸が該上翼の中心
線と該下翼の中心線とを通り、かつ該上翼と該下翼とが
交叉して配置された攪拌翼を用いるポリアリーレンスル
フィドの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリアリーレンスル
フィドの製造方法に関し、さらに詳しくはポリマーが大
きな塊状となるのを防止し、かつ反応容器内壁へのポリ
マーの付着を防止し得るポリアリーレンスルフィドの製
造方法に関する。本発明の方法により製造されたポリア
リーレンスルフィドは均一な粒子径を有しているので、
重合反応後のスラリーの移送が極めて容易となり、生産
性を向上させることができる。
【0002】
【従来の技術】ポリアリーレンスルフィド(以下、PA
Sということがある)、中でも特にポリフェニレンスル
フィド(以下、PPSということがある)は、機械的強
度,耐熱性,難燃性,耐溶剤性等に優れると共に、良好
な電気的特性や高い剛性を有するエンジニアリングプラ
スチックとして知られており、自動車部品、電子・電気
機器部品、機械部品の素材等の各種材料として広く用い
られている。これらの製造には、従来、N−メチル−2
−ピロリドン(以下、NMPということがある。)等の
非プロトン性有機溶媒中でp−ジクロロベンゼン等のジ
ハロゲン芳香族化合物と硫化ナトリウム等のナトリウム
塩とを反応させるという方法が一般に用いられてきた。
しかしながら、この方法においてはハロゲン化ナトリウ
ムが副生し、このハロゲン化ナトリウムはNMP等の溶
媒に不溶であるためPAS中に取り込まれてしまい、重
合後、多量の水でPASを洗浄しても、PAS中のハロ
ゲン化ナトリウムを十分に取り除くことはできなかっ
た。
【0003】そこで、ナトリウム塩に代えてリチウム塩
を用いて重合を行うことが注目され、このようなリチウ
ム塩を用いたPASの製造方法については、これまで種
々の改良がなされてきた。例えば、重合時のリチウム濃
度を制御してポリマーを液滴分散状態に保持することに
より、比較的高分子量のPASを容易かつ円滑に製造す
ることができる方法(特開平7−278304号公
報)、本重合の前に予備重合を行ってポリマーの分散性
を改良することにより、比較的高分子量のPASを容易
かつ円滑に製造することができる方法(特開平7−28
6042号公報)が提案されているが、これらの製造方
法はいずれも予備重合を必要とするため、製造工程が煩
雑なものとなっている。また、相分離剤として塩化リチ
ウムを用いて重合時の温度パターンを制御することによ
りPASの粒子径を制御する製造方法(特開平3−19
5734号公報)、相分離剤として水を用い、重合温度
パターンによりPASの凝集を防止した製造方法(特開
昭63−46228号公報,特開平1−299825号
公報)が提案されているが、これらの製造方法は、予備
重合を必要とし、かつ重合時の温度パターンが複雑であ
った。さらに、特殊な形状を有する格子翼を用いること
によりPASの粒子径を制御する方法(特開平4−11
4036号公報)も提案されているが、攪拌動力の範囲
が狭く、十分ではなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記問題に鑑
みなされたものであり、PASを製造する際に予備重合
や煩雑な温度パターンによる制御を必要とせず、また、
PASが反応容器内壁や攪拌翼に付着するのを防止する
ことができるポリアリーレンスルフィドの製造方法を提
供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するために鋭意研究を重ねた結果、PASの製造
に用いる攪拌翼の形状を特定のものとすることにより、
前記課題を効果的に達成できることを見出した。本発明
はかかる知見に基づいて完成したものである。すなわ
ち、本発明は、有機極性溶媒中で、硫黄源とジハロゲン
芳香族化合物とを相分離剤の存在下に重縮合させてポリ
アリーレンスルフィドを製造する方法において、両端部
に下向きのフィンを備えた幅広の上翼と、両端部に後退
翼を備えた幅広の下翼とを有し、回転軸が該上翼の中心
線と該下翼の中心線とを通り、かつ該上翼と該下翼とが
交叉して配置された攪拌翼を用いることを特徴とするポ
リアリーレンスルフィドの製造方法を提供するものであ
る。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の製造方法で用いる硫黄源
としては、アルカリ金属硫化物、アルカリ金属水硫化物
及び硫化水素などが挙げられる。アルカリ金属硫化物と
して具体的には、硫化リチウム,硫化ナトリウム,硫化
カリウム,硫化ルビジウム及び硫化セシウムなどが挙げ
られる。これらの中で、硫化リチウム,硫化ナトリウム
が好ましく、特に硫化リチウムが好ましい。これらは一
種を単独で用いても二種以上を組み合わせて用いてもよ
い。また、前記アルカリ金属硫化物は、アルカリ金属水
硫化物と塩基との反応により得られるものを用いてもよ
い。あるいは、アルカリ金属硫化物と共に、アルカリ金
属水硫化物と塩基とを用いることもできる。さらに、硫
黄源として硫化水素と塩基とを併用することもでき、ま
た、アルカリ金属硫化物及び/又はアルカリ金属水硫化
物と共に、硫化水素と塩基とを併用することもできる。
アルカリ金属水硫化物としては、水硫化リチウム,水硫
化ナトリウム,水硫化ルビジウム,水硫化カリウム及び
水硫化セシウムなどが挙げられる。これらの中で、水硫
化リチウム,水硫化ナトリウムが好ましく、特に水硫化
リチウムが好ましい。これらは一種を単独で用いても二
種以上を組み合わせて用いてもよい。塩基としては、前
記アルカリ金属水硫化物を前記アルカリ金属硫化物に転
化できるもの、前記硫化水素を前記アルカリ金属水硫化
物に転化できるもの、あるいは前記アルカリ金属水硫化
物又は前記硫化水素とを後述するジハロゲン芳香族化合
物との縮合によって生じ得るハロゲン化水素を効率良く
中和もしくは受容することができるとともに、本発明の
目的を阻害しない酸受容体であれば、無機化合物であっ
ても有機化合物であってもよく、各種の塩基を使用する
ことができるが、通常、アルカリ金属水酸化物等が好適
に使用される。アルカリ金属水酸化物として具体的に
は、水酸化リチウム,水酸化ナトリウム,水酸化カリウ
ム,水酸化ルビジウム及び水酸化セシウムなどが挙げら
れる。これらの中で水酸化リチウム及び水酸化ナトリウ
ムが好ましく、特に水酸化リチウムが好ましい。また、
有機化合物の塩としては、ω−ヒドロキシカルボン酸の
金属塩及びアミノカルボン酸金属塩などを好適に使用す
ることができる。これらの塩基は一種を単独で使用して
も二種以上を併用してもよい。また、前記塩基の使用割
合は、前記アルカリ金属水硫化物と前記硫化水素との合
計の水素原子1モル当り、通常、0.80〜1.2モル程度
で十分である。また、前記アルカリ金属硫化物及びアル
カリ金属水硫化物としては、その1モルに対して2.6〜
9モルの水和水を有する工業製品を予め脱水して用いて
もよく、そのまま用いてもよい。
【0007】本発明で用いるジハロゲン芳香族化合物と
しては、ポリアリーレンスルフィドの製造に用いられる
公知の化合物が挙げられる。例えば、p−ジハロベンゼ
ン,m−ジハロベンゼン等のジハロベンゼン類;2,3
−ジハロトルエン,2,5−ジハロトルエン,2,6−
ジハロトルエン,3,4−ジハロトルエン,2,5 −ジ
ハロキシレン,1−エチル−2,5−ジハロベンゼン,
1,2,4,5−テトラメチル−3,6−ジハロベンゼ
ン,1−ノルマルヘキシル−2,5−ジハロベンゼン,
1−シクロヘキシル−2,5−ジハロベンゼンなどのア
ルキル置換ジハロベンゼン類又はシクロアルキル置換ジ
ハロベンゼン類;1−フェニル−2,5−ジハロベンゼ
ン,1−ベンジル−2,5−ジハロベンゼン,1−p−
トレイル−2,5−ジハロベンゼン等のアリール置換ジ
ハロベンゼン類;4,4’−ジハロビフェニル等のジハ
ロビフェニル類;1,4−ジハロナフタレン,1,5−
ジハロナフタレン,2,6−ジハロナフタレン等のジハ
ロナフタレン類などが挙げられる。ジハロゲン芳香族化
合物の使用量は、後述する分岐剤を使用しない場合に
は、前記硫黄源中の硫黄原子1モルに対し、通常0.90
〜1.30モルであり、好ましくは0.95〜1.20モルで
ある。分岐剤を使用する場合、前記硫黄源中の硫黄原子
1モルに対し、ジハロゲン芳香族化合物と分岐剤との合
計モル数が、通常0.90〜1.30モルであり、好ましく
は0.95〜1.20モルである。ジハロゲン芳香族化合物
又はジハロゲン芳香族化合物と分岐剤との合計モル数が
0.90モル未満又は1.30モルを超えると、得られるP
ASの分子量が低下することがある。
【0008】本発明で用いる相分離剤としては、塩化リ
チウム,フッ化リチウム等のハロゲン化リチウム;酢酸
リチウム及び酢酸ナトリウム等のアルカリ金属酢酸塩;
スルホン酸リチウム,スルホン酸ナトリウム等のアルカ
リ金属スルホン酸塩及び水などが挙げられる。この中で
ハロゲン化リチウム,アルカリ金属酢酸塩及び水が好ま
しい。相分離剤の使用量は、ポリマー相が生成する量で
あればよく、特に制限はないが、前記硫黄源中の硫黄原
子1モルに対し、通常0.05〜3.0モルであり、好まし
くは0.2〜2.5モルである。相分離剤の使用量が0.05
未満であると、相分離剤を添加する効果が充分ではな
く、反応速度が遅くなったり、得られるPASの高分子
量化や高純度化が充分に進まないことがある。一方相分
離剤の使用量が3.0モルを超えても、使用量に見合った
効果が得られるものでもなく、製造コストが高くなり、
経済的ではない。
【0009】本発明においては、前記相分離剤と共に、
必要に応じて、活性水素含有ハロゲン芳香族化合物、1
中に3個以上のハロゲン原子を有するポリハロゲン芳香
族化合物及びハロゲン芳香族ニトロ化合物などの分岐剤
を適当に選択して反応系に添加使用することもできる。
活性水素含有ハロゲン芳香族化合物としては、例えばア
ミノ基,チオール基,ヒドロキシル基などの活性水素を
持つ官能基を有するハロゲン芳香族化合物を挙げること
ができ、さらに具体的には、2,6−ジクロロアニリ
ン,2,5−ジクロロアニリン,2,4−ジクロロアニ
リン,2,3−ジクロロアニリン等のジハロアニリン
類;2,3,4−トリクロロアニリン,2,3,5,−
トリクロロアニリン,2,4,6−トリクロロアニリ
ン,3,4,5−トリクロロアニリン等のトリハロアニ
リン類;2,2’−ジアミノ−4,4’−ジクロロジフ
ェニルエーテル,2,4’−ジアミノ−2',4−ジクロ
ロジフェニルエーテル等のジハロアミノジフェニルエー
テル類及びこれらの化合物においてアミノ基がチオール
基やヒドロキシル基に置き換えられた化合物などが挙げ
られる。また、これらの活性水素含有ハロゲン芳香族化
合物の中の芳香族環を形成する炭素原子に結合した水素
原子が他の不活性基、例えばアルキル基などの炭化水素
基に置換している活性水素含有ハロゲン芳香族化合物も
使用することができる。これらの各種活性水素含有ハロ
ゲン芳香族化合物の中でも、好ましいのは活性水素含有
ジハロゲン芳香族化合物であり、特に好ましいのはジク
ロロアニリンである。
【0010】前記1分子中に3個以上のハロゲン原子を
有するポリハロゲン芳香族化合物としては、例えば1,
2,4−トリクロロベンゼン,1,3,5−トリクロロ
ベンゼン,1,4,6−トリクロロナフタレン等が挙げ
られる。前記ハロゲン芳香族ニトロ化合物としては、例
えば2,4−ジニトロクロロベンゼン等のモノハロニト
ロベンゼン類;2,5−ジクロロニトロベンゼン等のジ
ハロニトロベンゼン類;2−ニトロ−4,4’−ジクロ
ロジフェニルエーテル等のジハロニトロジフェニルエー
テル類;3,3’−ジニトロ−4,4’−ジクロロジフ
ェニルスルホン等のジハロニトロジフェニルスルホン
類;2−クロロ−3,5−ジニトロピリジン等のモノハ
ロニトロピリジン類;2,5−ジクロロ−3−ニトロピ
リジン等のジハロニトロピリジン類及び各種ジハロニト
ロナフタレン類などが挙げられる。これらの活性水素含
有ハロゲン芳香族化合物,ポリハロゲン芳香族化合物及
びハロゲン芳香族ニトロ化合物などを使用することによ
って、生成する重合体の分岐度を増加させたり、分子量
をさらに増加させたり、溶融流動性の低下したゲル形成
性重合体を生成したりして、この発明の方法により生成
する重合体の該特性をさらに改善することができる。本
発明の方法において、これらの分岐剤は、一種を単独で
用いてもよいし、二種以上を組み合わせて用いてもよ
い。分岐剤の使用量は、前記硫黄源中の硫黄原子1モル
に対し、通常0.0005〜0.05モルであり、好ましく
は0.001〜0.02モルである。
【0011】本発明に用いられる有機極性溶媒として
は、非プロトン性の極性有機化合物(例えば、アミド化
合物,ラクタム化合物,尿素化合物,有機硫黄化合物,
環式有機リン化合物等)を、単独溶媒として又は混合溶
媒として好適に使用することができる。これらの非プロ
トン性の極性有機化合物のうち、前記アミド化合物とし
ては、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N
−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジプロピ
ルアセトアミド、N,N−ジメチル安息香酸アミドなと
を挙げることができる。
【0012】また、前記ラクタム化合物としては、例え
ば、カプロラクタム、N−メチルカプロラクタム、N−
エチルカプロラクタム、N−イソプロピルカプロラクタ
ム、N−イソブチルカプロラクタム、N−ノルマルプロ
ピルカプロラクタム、N−ノルマルブチルカプロラクタ
ム、N−シクロヘキシルカプロラクタム等のN−アルキ
ルカプロラクタム類、N−メチル−2−ピロリドン(N
MP)、N−エチル−2−ピロリドン、N−イソプロピ
ル−2−ピロリドン、N−イソブチル−2−ピロリド
ン、N−ノルマルプロピル−2−ピロリドン、N−ノル
マルブチル−2−ピロリドン、N−シクロヘキシル−2
−ピロリドン、N−メチル−3−メチル−2−ピロリド
ン、N−エチル−3−メチル−2−ピロリドン、N−メ
チル−3,4,5−トリメチル−2−ピロリドン、N−
メチル−2−ピペリドン、N−エチル−2−ピペリド
ン、N−イソプロピル−2−ピペリドン、N−メチル−
6−メチル−2−ピペリドン、N−メチル−3−エチル
−2−ピペリドンなどを挙げることができる。
【0013】また、前記尿素化合物としては、例えば、
テトラメチル尿素、N,N’−ジメチルエチレン尿素、
N,N’−ジメチルプロピレン尿素などを挙げることが
できる。さらに、前記有機硫黄化合物としては、例え
ば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、ジ
フェニルスルホン、1−メチル−1−オキソスルホラ
ン、1−エチル−1−オキソスルホラン、1−フェニル
−1−オキソスルホランなどを、また、前記環式有機リ
ン化合物としては、例えば、1−メチル−1−オキソホ
スホラン、1−ノルマルプロピル−1−オキソホスホラ
ン、1−フェニル−1−オキソホスホランなどを挙げる
ことができる。これら各種の非プロトン性極性有機化合
物は、それぞれ一種を単独で又は二種以上を混合して、
さらには、本発明の目的に支障のない他の溶媒成分と混
合して、有機極性溶媒として使用することができる。前
記各種の非プロトン性有機溶媒の中でも、好ましいのは
N−アルキルカプロラクタム及びN−アルキルピロリド
ンであり、特に好ましいのはN−メチル−2−ピロリド
ンである。有機極性溶媒の使用量は、前記硫黄源中の硫
黄原子1モルに対し、通常1〜30モルであり、好まし
くは3〜15モルである。有機極性溶媒の使用量が1モ
ル未満であると、反応が十分に進行しない場合がある。
一方、この使用量が20モルを超えると、容積効率が悪
化し、生産性が低下する恐れがある。
【0014】本発明の製造方法は、特定形状の攪拌翼を
用い、有機極性溶媒中で、硫黄源とジハロゲン芳香族化
合物とを相分離剤の存在下に重縮合させることにより、
ポリアリーレンスルフィドを製造する方法であり、予備
重合は特に必要としない。重合温度はポリマー相が相分
離し得る温度であればよく、具体的には235〜280
℃、好ましくは240〜270℃である。本発明の方法
により製造されるPASは、粒子径が1000μm以下
であり、固有粘度ηihr が0.1〜∞のものである。本発
明で用いる攪拌翼は、両端部に下向きのフィンを備えた
幅広の上翼と、両端部に後退翼を備えた幅広の下翼とを
有し、回転軸が該上翼の中心線と該下翼の中心線とを通
り、かつ該上翼と該下翼とが交叉して配置された攪拌翼
であればよく、特に限定されるものではない。このよう
な攪拌翼としては、例えば図1に示す形状を有するもの
が挙げられる。図2は、図1に示す攪拌翼をA点から見
た図である。図1において、1は両端部にフィン2を備
えた上翼であり、3は両端部に後退翼4を備えた下翼で
ある。後退翼4は、図2に示すように、下翼3に対して
攪拌翼の回転方向(図1及び図2において矢印で示す)
とは逆の方向に角度を有するものである。なお、図1に
おいて、5は回転軸、6はオートクレーブ、7はバッフ
ルを示す。このような攪拌翼として具体的には、例えば
神鋼パンテック(株)製のフルゾーン翼が挙げられる。
【0015】前記攪拌翼は、適切な攪拌動力で回転させ
ることにより、ポリマーの付着防止をより効果的に行う
ことができる。攪拌動力は、以下のようにして算出され
る。すなわち、反応液は反応の進行に伴い比重及び粘度
が変化するので、攪拌翼の適確な攪拌動力を推算するこ
とは難しい。そこで、反応液の比重を1kg/リット
ル、粘度1cpとし、水換算による単位体積当たりの攪
拌動力として算出した。水基準の単位体積当たりの攪拌
動力Pvを0.025〜0.3kW/m3 とすることがポリ
マーの付着防止には有効である。攪拌動力が0.3kW/
3 を超えるとポリマー相が合一して塊状になる恐れが
あり、また、攪拌動力が0.025kW/m 3 未満である
とポリマー相が反応器下部に堆積して塊状となる恐れが
ある。
【0016】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定され
るものではない。固有粘度ηihr [ デシリットル/g]
は、サンプル0.04g±0.001gをα−クロロナフタ
レン10ミリリットル中に235℃、15分間以内で溶
解させ、206℃の恒温槽内で得られる粘度と、ポリマ
ーを溶解させていないα−クロロナフタレンの粘度との
相対粘度を測定し、次式 ηihr =ln(相対粘度)/ポリマー濃度 により算出した。 実施例1 攪拌翼として図1及び図2に示す形状の神鋼パンテック
(株)製のフルゾーン翼を用いた。このフルゾーン翼
は、上翼のスパンが110mm、下翼のスパンが120
mm、θ1 が45度、θ2 が45度のものである。この
フルゾーン翼及び対角に2枚のバッフルを装着した容量
10リットルのオートクレーブに、硫化リチウム10モ
ル(459.4g)、パラジクロロベンゼン(P−DC
B)10モル(1470.1g)水酸化リチウム一水和物
1モル(41.96g)、水4モル(72.1g)及びNM
P(N−メチル−2−ピロリドン)4.3リットルを入れ
た。回転数125rpm(水基準の単位体積当たりの攪
拌動力Pv=0.2kW/m3 )の条件下、260℃まで
昇温し、260℃にて3時間重合した。次いで、100
℃以下に冷却した後に反応器を開放した。得られたポリ
マーは、直径1000μm以下の粒状であった。また、
このポリマーの一部を多量の熱水で洗浄し、乾燥した
後、固有粘度ηinh を測定したところ、0.22デシリッ
トル/gであった。
【0017】実施例2 フルゾーン翼の攪拌回転数を100rpm(Pv=0.1
kW/m3 )に変えた以外は、実施例1と同様に行っ
た。得られたポリマーは、直径1000μm以下の粒状
であり、固有粘度ηinh は0.23デシリットル/gであ
った。 実施例3 フルゾーン翼の撹拌回転数を50rpm(Pv=0.05
kW/m3 )に変えた以外は、実施例1と同様に行っ
た。得られたポリマーは、直径1000μm以下の粒状
であり、固有粘度ηinh は0.23デシリットル/gであ
った。 比較例1 撹拌翼を住友重機工業(株)製マックスブレンド翼に変
えた以外は、実施例1と同様に行ったところ、ポリマー
が反応器壁に凝集した状態となった。固有粘度ηinh
0.23デシリットル/gであった。 比較例2 撹拌翼を45°かき下げ傾斜パドル翼に変え、攪拌回転
数を126rpm(Pv=0.2kW/m3 )にした以外
は、実施例1と同様に行ったところ、撹拌翼、バッフル
周辺及び反応器底部にポリマーが凝縮した状態となっ
た。固有粘度ηin h は0.22デシリットル/gであっ
た。 比較例3 撹拌翼を神鋼パンテック(株)製のファードラ翼に変
え、攪拌回転数を265rpm(Pv=0.2kW/
3 )にした以外は、実施例1と同様に行ったところ、
撹拌翼、バッフル周辺及び反応器底部にポリマーが凝縮
した状態となった。固有粘度ηinh は0.22デシリット
ル/gであった。
【0018】実施例4 フルゾーン翼及び対角に2本のバッフルを装着した容量
10リットルのオートクレーブに、硫化ナトリウム5水
塩(Na2 S・5H2 O)8.14モル(1369g),
塩化リチウム(LiCl)にて8.14モル(345g)
及びNMP4.1リットルを仕込み、攪拌回転数125r
pmにて撹拌した。N2 気流下にて195℃まで昇温
し、1.8リットルの留出液を得た。その際、Na2 Sに
対して6.88モル%の硫化水素(H2 S)ガスがオート
クレーブから留出した。オートクレーブを100℃まで
降温し、パラジクロロベンゼン(P−DCB)6.54モ
ル(1108g),ジクロロニトロベンゼン(DCN
B)0.046モル(8.74g)及びNMP1.5リットル
を加えた。攪拌回転数125rpm(Pv=0.2kW/
3 )260℃まで昇温し、3時間重合した。次いで、
100℃以下に冷却した後に反応器を開放した。得られ
たポリマーは、直径1000μm以下の粒状であった。
また、このポリマーの一部を多量の熱水で洗浄し、乾燥
した後、固有粘度ηinh を測定したが、生成したポリマ
ーが無限大分子量であり、測定溶媒に不溶であったた
め、固有粘度ηinh の測定はできなかった。 比較例4 実施例4においてマックスブレンド翼を用いた以外は、
実施例4と同様に行ったところ、260℃に到達してか
ら1.5時間後に撹拌不能となった。オートクレーブを開
けたところ、攪拌翼周辺にポリマーが凝集付着した状態
であることが認められた。以上の結果をまとめて第1表
に示す。
【0019】
【表1】
【0020】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、予備重合や
煩雑な温度パターンによる制御を必要とせず、また、ポ
リアリーレンスルフィドが反応容器内壁や攪拌翼に付着
することなく、ポリアリーレンスルフィドを製造するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明で用いる攪拌翼の外観を示す図であ
る。
【図2】 図1に示す攪拌翼をA方向から見た図であ
る。
【符号の説明】
1:上翼 2:フィン 3:下翼 4:後退翼 5:回転軸

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機極性溶媒中で、硫黄源とジハロゲン
    芳香族化合物とを相分離剤の存在下に重縮合させてポリ
    アリーレンスルフィドを製造する方法において、両端部
    に下向きのフィンを備えた幅広の上翼と、両端部に後退
    翼を備えた幅広の下翼とを有し、回転軸が該上翼の中心
    線と該下翼の中心線とを通り、かつ該上翼と該下翼とが
    交叉して配置された攪拌翼を用いることを特徴とするポ
    リアリーレンスルフィドの製造方法。
  2. 【請求項2】 攪拌翼の攪拌動力が、0.025〜0.3k
    W/m3 である請求項1記載のポリアリーレンスルフィ
    ドの製造方法。
  3. 【請求項3】 相分離剤が、ハロゲン化リチウム、酢酸
    塩及び水から選ばれる少なくとも一種である請求項1又
    は2記載のポリアリーレンスルフィドの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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