JP2000296322A - 粉粒体の流動化処理方法及び装置 - Google Patents

粉粒体の流動化処理方法及び装置

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JP2000296322A
JP2000296322A JP11104458A JP10445899A JP2000296322A JP 2000296322 A JP2000296322 A JP 2000296322A JP 11104458 A JP11104458 A JP 11104458A JP 10445899 A JP10445899 A JP 10445899A JP 2000296322 A JP2000296322 A JP 2000296322A
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air
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spray nozzle
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Shuji Morimoto
修司 盛本
Koji Fukada
公司 深田
Hiroshi Sakamoto
浩 坂本
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Powrex KK
Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 団粒の発生を抑制しつつ、処理時間の短縮化
を図る。 【解決手段】 処理室4aには、スプレー液をスプレー
エアーによってミスト状にしてスプレーするための1本
又は複数本のスプレーノズル8が設置される。スプレー
ノズル8は、1本につき、スプレーエアー流量1400
NL/min、スプレー液流量360g/minの高容
量注液が可能である。この大容量のスプレーノズル8を
用いて高濃度注液、高容量注液を行うことにより、団粒
の発生を抑制しつつ、1バッチ当たりの処理時間を従来
に比べて短縮することできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流動状態にある粒
子群にスプレー液をスプレーして、該粒子の表面に被覆
層を形成する粉粒体の流動化処理方法及び装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】例えば、食品・医薬品・農薬などの製造
分野において、薬物放出制御システム(ドラッグデリバ
リーシステム)に関する検討が数多く行われている。特
に、経口投与剤形において、顆粒剤は、錠剤と比較し
て、胃排出速度、吸収性において固体差がみられず、ま
た食事の影響も殆ど受けない。そこで、経口投与剤を顆
粒剤としたり、錠剤に顆粒を配合したり、カプセルに顆
粒を充填したカプセル剤としている。
【0003】顆粒剤に関し、特開平2−174931号
公報には、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースの分
散液を核顆粒に噴霧し、有核顆粒を得る方法が提案され
ている。この方法により得られる顆粒は、強度が強くし
かも崩壊性に優れている。
【0004】また、ヨーロッパ特許公開公報04528
62A2には、少なくとも50重量%のマイクロクリス
タリンセルロースからなり、平均粒子径が100〜10
00μmび不活性な球状の核粒子に、活性成分を含む粉
体を散布し、結合剤又は賦形剤を含む溶液又は分散液を
噴霧して得られた球状の顆粒が開示されている。
【0005】これらの方法により得られる顆粒剤は、そ
の粒子径の大部分が500μm以上という特徴がある。
また、顆粒剤は、粒子径が大きくかつ揃っている。従っ
て、溶出制御基材を被覆し、薬物の溶出性をコントロー
ルする場合、コーティングのバラツキが小さく有利であ
る。しかしながら、粒子径が大きいため、調剤性が劣る
だけでなく、錠剤やカプセル剤に配合すると、顆粒の添
加量のバラツキが大きい。さらには、顆粒剤の剤形で
は、「第11改正日本薬局方(以下、日局と記載するこ
とがある。)・製剤総則5顆粒剤」の項において、粒度
の試験および崩壊の試験が必要であり、それらの規定を
満足した薬物放出制御をするには処方化が容易でない。
【0006】一方、散剤(細粒剤)は、日局の崩壊試験
の規定がなく、また粒子径が500μm以下と小さいた
め、顆粒剤に比べて調剤性に優れると共に、錠剤やカプ
セル剤に配合した場合、その添加量のバラツキが小さく
なる。しかしながら、粒子径の小さな散剤においては、
薬物の放出を精度良く制御することが容易でない。
【0007】散剤に関し、特開平5−92918号公報
には、細粒状の核を、水溶性高分子と共に少なくとも1
種の生理活性物質で被覆し、粒子径が実質的に500μ
m以下の有核散剤を得ることが提案されている。この有
核散剤は、粒子径の小さな散剤であっても、薬物の放出
を比較的精度良く制御できる利点がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】流動状態の核粒子に、
主薬等を配合したスプレー液をスプレーして被覆層を形
成することにより製造された細粒は、押し出し成形法や
攪拌造粒法等による細粒に比較して、粒子の球形度、表
面の緻密さ滑らかさ、粒度分布等の点で優れており、従
って均一な厚さの被覆層を形成することが可能となり、
その結果、製品品質(溶出、比溶、含量均一性)として
も優位な点が多い。しかしながら、その反面、1バッ
チ当たりの処理時間が長い、団粒が生じ易い、収率
が悪い、各操作条件のバラツキが品質に影響する等、
工業化する上での問題があり、特に1バッチ当たりの処
理時間が長いことは生産性の点で大きな問題であった。
【0009】そこで、本発明は、製品品質の安定化に留
意しつつ、処理時間の短縮化を図り、それによって生産
性の向上を達成しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】生産性向上を図るために
は、単位時間当たりのスプレー能力を高める必要がある
が(高濃度注液、高容量注液)、成分物質(固形分)を
含むスプレー液ミストは、核粒子の表面に付着・被覆す
るのみならず、粒子間の液体ブリッジとしても働くの
で、スプレー能力の増大(スケールアップ)は、粒子同
士の凝集による団粒の発生を招く一因ともなる。団粒の
発生は、製品品質の低下、収率の低下につながる。従っ
て、スプレー能力の増大は、団粒を生じさせないような
条件下で最適化を行う必要がある。特に、コーティング
操作は、通常の造粒操作の数倍以上の時間がかかり、ま
た操作パラメータが多いため、スケールアップの最適化
設計に多くの検討時間を要することが懸念される。
【0011】そこで、先ず、流動造粒コーティング工程
での団粒発生のメカニズムの解析から、スプレー液の処
方、濃度条件及び全ての操作条件を熱平衡係数RW、ス
プレー液ミスト径(最大ミスト径)の2つのパラメータ
に帰着させて以下の検討を行った。ここで、熱平衡係数
RWは、処理容器内の流動化エアーとスプレー注液との
熱的な平衡状態に関して、スプレー注液中の固形分(成
分物質)を除いた単位時間当たりの注液量Lpを、単位
時間当たりの最大理論水分蒸発可能量Ltで除した値
で、下記式で算出されるものである。熱平衡係数RW
は、処理容器内部の乾燥・湿潤状態を表し、RWが小さ
くなる程、処理容器内が乾燥していることを表す。
【0012】熱平衡係数 RW=Lp/Lt Lp:注液速度(固形分除く)[kg/min] Lt:単位時間当たりの最大理論水分蒸発量[kg/m
in] Lp=F(1−α/100) Lt=Q(Cin・Tin−Cout・Tout)/Δ
H Q:流動化エアー流量[kg dryair /min] Tin:流動化エアー温度[℃] Tout:排気温度[℃] C:比熱[Kcal/℃・kg dryair ] ΔH:蒸発潜熱[kcal/kg dryair ] F:スプレー液流量[kg/min] α:固形分濃度(%) 一般的には、排気温度が処理容器内部の乾燥・湿潤状態
を示す指標となる。図4に、排気温度と団粒発生率との
関係を示す。但し、排気温度は絶対的な指標ではなく、
給気温度や給気湿度、給気風量が異なると図4に示す関
係は異なってくる。そこで、熱平衡係数RWを指標とし
て考察を行った。
【0013】図5に、流動造粒装置を用いて被覆処理を
行った場合と、転動流動造粒装置(回転ディスクにブレ
ードを設けたタイプ:タンジェンシャルスプレー方式)
を用いて被覆処理を行った場合における、熱平衡係数R
Wと団粒発生量との関係を示す。両者を比較すると、同
じ熱平衡係数RW(処理容器内の乾燥・湿潤状態が同
じ)では、後者の方が団粒の発生量が少なく、また、後
者の場合では、大きな熱平衡係数RW(処理容器内の湿
潤度が高い)に対しても、団粒の発生量が少なく、安定
した被覆処理が行われることが分かる。これは、スプレ
ー方式や回転ディスクによるシェアー大きさ等が影響し
ていると考えられる。また、団粒の発生量が多くなる熱
平衡係数RWの臨界点が存在することも分かった。後者
の場合では、RW=0.7以下では団粒の発生量は少な
いが、RW=0.7以上になると団粒の発生量が急激に
多くなっている。今回の試験では、後者の場合(転動流
動造粒コーティング)において、0.5≦RW≦0.7
の範囲内で、団粒の発生量が少なく、安定した処理が行
われることが確認された。
【0014】図6に、気液比(スプレーエアー流量/ス
プレー液流量):(NL/Kg)}と団粒率との関係を
示す。団粒率は、粒子径が500μm以上の粒子と35
5μm以上の粒子の重量分率で表した。処理容器内が十
分な乾燥状態(熱平衡係数RW=0.6の条件下で試
験)であっても、気液比が小さいと(気液比4000以
下)、最大ミスト径が大きくなり団粒を発生することが
分かった。団粒の発生については、僅か1%程度の粗大
ミストでも数10%の団粒を発生させるという報告があ
り、また、スプレー液の粘度にもよるが、団粒は核粒子
の粒子径の約0.6倍以上のミスト径の液滴により生じ
ることも報告されている。
【0015】尚、本明細書において、「粒子径」とは、
所定の大きさの目開きを有する篩を用いることによって
測定される粒子寸法を言うものとする。例えば、目開き
500μmの篩を全通する場合を「粒子径500μm以
下」と言い、目開き500μmの篩に残留する場合を
「粒子径500μm以上」と言う。
【0016】次に、上述の基礎検討の結果を踏まえて、
団粒を生じさせない条件でのスケールアップ後の生産性
を高める検討を行った。
【0017】図7にスプレー液の種類と液粘度との関係
を示し、図8にスプレー液の種類・濃度と最大ミスト径
との関係を示す。スプレー液を水性溶液(分散液、懸濁
液、又は溶解液)とし、結合剤として水溶性高分子、例
えばヒドロキシプロピルセルロース(HPC)を用いた
場合、そのグレード(M、L/M、L、SSL)により
粘度が異なり、低粘度のものほど、同じ最大ミスト径に
対して、固形分を高濃度化できることが分かった。従っ
て、固形分を高濃度化して、処理能力の増大、処理設備
の小型化、処理時間の短縮を図る一方、団粒を生じさせ
ない最大ミスト径にする観点から、低粘度グレードであ
るHPC−SSLを用いるのが効果的である。
【0018】また、処理能力についてのシミュレーショ
ンを行った。従来のスプレーノズルでの可能なスプレー
エアー流量から予測されるスプレー注液可能量は、スプ
レーノズルを4本設置するとして、150g/min×
4本=600g/minであり、下表1に示すように、
スプレー液の固形分濃度をアップしても処理時間が7時
間近くかかり(従来例2)、液調整などの前工程や後片
づけなどの後工程を含めると、1バッチ当たり2日工程
となってしまうことが分かった。
【0019】
【表1】
【0020】従って、生産性向上を図るためには、団粒
を生じさせない条件(最大ミスト径を抑えた条件)でス
プレー能力を高める必要があり(高濃度注液、高容量注
液)、そのためには高い気液比と高スプレーエアー流量
が要求される。
【0021】図9に示すように、1バッチ当たりの処理
時間はスプレーエアー流量の増大に伴って減少する傾向
を示す。従来、この種の造粒装置(造粒コーティング装
置)では、スプレーノズル1本についてのスプレーエア
ー流量は700NL/min/未満である。従って、少
なくとも1本のスプレーノズルのスプレーエアー流量を
700NL/min以上とすることにより、従来に比較
して、1バッチ当たりの処理時間を短縮することができ
る。ちなみに、現在開発済みの、本発明の処理装置で
は、スプレーノズル1本について、1400NL/mi
nのスプレーエアー流量を確保することが可能であり、
この大容量のスプレーノズルを用いて高濃度注液、高容
量注液を行うことにより、1バッチ当たりの処理時間を
従来に比べて大幅に短縮することが可能である。例え
ば、後述する実施例では、上表1の右欄に示される条件
(実績:スプレーエアー流量1300NL/min、ス
プレー液流量360g/min)で処理を行い、1バッ
チ当たりの処理時間を2.8時間まで短縮することがで
きた。すなわち、従来例に比較して、処理時間を1/2
以下に短縮し、換言すれば、生産性を2倍以上に向上さ
せることができた。このようにして、生産性の向上が図
られる結果、製品の製造原価が低減し、また、製造設備
投資費用を低減することが可能となる。例えば、製造設
備に関して言えば、製品需要量の増大に対して、現行の
設備ラインのスケールアップで対応することが可能とな
り、設備ラインを増設する場合に比較して、設備投資費
用を大幅に低減することができる。
【0022】図10に示すように、団粒の発生率は気液
比が大きくなるに従って低下する傾向を示すが、気液比
が大きすぎると粒子の飛散率が増大する。従って、気液
比の最適設定も重要である。図10に示す試験結果か
ら、団粒率、飛散率ともに最小となる最適な気液比が存
在することが確認された。今回の試験では、気液比が3
600〜3800の範囲で好ましい結果が得られたが、
スプレー液の粘度等の条件によっては、3000〜50
00の範囲で好ましい結果を得ることが可能である。
【0023】以上の検討結果を踏まえ、本発明は、処理
容器内で流動化エアーによって流動状態にした粒子群
に、少なくとも1本のスプレーノズルを用いて、所要の
成分物質を配合したスプレー液をスプレーエアーによっ
てミスト状にしてスプレーすることにより、該粒子に上
記成分物質を含有する少なくとも1つの被覆層を形成す
る粉粒体の流動化処理方法において、上記少なくとも1
本のスプレーノズルのスプレーエアー流量を700NL
/min以上とすることにより、上記課題を解決したも
のである。ここで、「少なくとも1本のスプレーノズ
ル」は、スプレーノズルを1本設置する場合、複数本設
置する場合の双方を含む意味である。スプレーノズルを
1本設置する場合は、その1本のスプレーノズルのスプ
レーエアー流量を700NL/min以上とし、また、
スプレーノズルを複数本設置する場合は、1本のスプレ
ーノズル、若しくは、設置数未満で複数本の各スプレー
ノズル、又は、全数の各スプレーノズルのスプレーエア
ー流量を700NL/min以上とする。
【0024】また、適切な気液比とするため、上記少な
くとも1本のスプレーノズルのスプレー液流量を200
g/min以上とすることができる。スプレーノズルを
1本設置する場合は、その1本のスプレーノズルのスプ
レー液流量を200g/min以上とし、また、スプレ
ーノズルを複数本設置する場合は、1本のスプレーノズ
ル、若しくは、設置数未満で複数本の各スプレーノズ
ル、又は、全数の各スプレーノズルのスプレー液流量を
200g/min以上とする。
【0025】上記の「流動化処理方法」は、一般に、流
動造粒法、流動コーティング法と呼ばれている処理法で
ある。スプレー方式には、トップスプレー方式、ボトム
スプレー方式、タンジェンシャルスプレー方式がある。
処理装置としては、流動造粒装置(流動造粒コーティン
グ装置)、複合型流動造粒装置(複合型流動造粒コーテ
ィング装置)が用いられる。トップスプレー方式の流動
造粒装置では、処理容器の底部に配した通気性のある多
孔板・金網等から流動化エアーを処理容器内に導入して
流動層を形成し、流動化粒子群に上方から下向きにスプ
レー液をスプレーする。ボトムスプレー方式の流動造粒
装置では、流動層下部に案内管を設け、この案内管に大
量の流動化エアーを導入して噴流層を形成し、流動化粒
子群に下方から上向きにスプレーする。タンジェンシャ
ルスプレー方式の複合型流動造粒装置では、処理容器の
底部に回転ディスクを付設し、例えば回転ディスクと処
理容器の底部壁面との間の間隙から流動化エアーを導入
して流動層を形成し、流動化粒子群に接線方向(回転デ
ィスクの回転方向)にスプレーする(場合によっては、
トップスプレー方式を採用することもある。)。回転デ
ィスクの上面には円錐形のコーン部が設けられ、さらに
複数のブレード(凸状羽根)が設けらたものもある。複
合型流動造粒装置では、回転ディスクによって粒子群に
転動圧密作用が加えられる。そのため、転動流動造粒装
置(転動流動造粒コーティング装置)とも呼ばれてい
る。特に、回転ディスクにブレードを設けたものは、湿
潤→圧密→乾燥の各ゾーンが明確な循環流動を形成する
という特徴がある。尚、複合型流動造粒装置の中には、
攪拌羽根を付設したものもあり(回転ディスクは備えて
いない。)、このタイプの複合型流動造粒装置(転動流
動造粒装置)では、攪拌羽根によって粒子群に転動作用
が加えられる。
【0026】本発明では、上記の種々の造粒コーティン
グ方法及び装置を任意に採用することができるが、団粒
の発生が少なく、微粒子コーティングが可能で、粒子強
度も高く、シャープな流動分布が得られる等の点から、
複合型流動造粒コーティング方法及び装置(転動流動造
粒コーティング方法及び装置)、特に回転ディスクにブ
レードを設けた方式のものを採用するのが好ましい。
【0027】上記の「被覆層」には、粒子の表面全体を
被覆している形態に限らず、粒子の表面を部分的に被覆
している形態、さらには、粒子の表面に吸着又は吸収さ
れている形態も含まれる。また、核となる「粒子」に
は、真球状に限らず、断面楕円状、なす形状、液滴形状
などの曲面を有するものも含まれる。
【0028】本発明において、粒子に形成される少なく
とも1つの被覆層は、生理活性物質と、この生理活性物
質の溶出性を制御する物質(溶出制御物質)とを含有す
る主薬層とすることができる。
【0029】上記の核となる「粒子」としては、例え
ば、粒子径1000μm以下、好ましくは500μm以
下の不活性物質粒子を用いることができる。具体的に
は、結晶セルロースの球形造粒品(例えば、旭化成社
製、アビセルSP)、結晶セルロースと乳糖の球形造粒
品(例えば、フロイント社製、ノンパレルNP)、乳糖
とアルファー化デンプンの攪拌造粒品、特開昭61−2
13201号公報に記載の微結晶セルロース球形顆粒、
スプレーチリングや溶融造粒により球状に形成されたワ
ックス類などの加工品、オイル成分のゼラチンビーズ品
などの加工品、ケイ酸カルシウム、デンプン、キチン、
セルロース、キトサンなどの多孔性粒子、グラニュー
糖、結晶乳糖、結晶セルロース、塩化ナトリウムなどの
バルク品およびそれらの製剤加工品などが挙げられる。
また、上記粒子は後述する生理活性物質(以下、「薬
物」と呼ぶことがある。)を含んでいても良い。核とな
る粒子の形状は特に限定されないが、被覆のバラツキを
小さくすると共に、被覆量を多くするため、球状である
のが好ましい。
【0030】上記の「生理活性物質」は、経口投与され
る限り特に限定されず、食品、医薬品、農薬などの分野
で使用されている種々の生理活性物質を用いることがで
きる。例えば、好ましい生理活性物質には、中枢神経系
薬物(ジアゼパム、イデベノン、アスピリン、イブプロ
フェン、パラセタモール、ナプロキセン、ピロキシカ
ム、ジクロフェナック、インドメタシン、スリンダッ
ク、ロラゼパム、ニトラゼパム、フェニトイン、アセチ
アミノフェン、エテンザミド、ケトプロフェンなど)、
循環器系薬物(モルシドミン、ビンポセチン、塩酸デラ
プリル、プロプラノーロル、メチルドパ、ジピリダモー
ル、フロセミド、トリアムテレン、ニフェジピン、アテ
ノロール、スピロノラクトン、メトプロロール、ピンド
ロール、カプトプリル、硝酸イソソルビドなど)、呼吸
器系薬物(アムレキサノクス、デキストロメトルファ
ン、テオフィリン、シュードエフェドリン、サルブタモ
ール、グアイフェニシンなど)、消化器系薬物(ランソ
プラゾール、オメプラゾールなどのベンツイミダゾール
系薬物、シメチジン、ラニチジン、パンクレアチン、ビ
サコジル、5−アミノサリチル酸など)、抗生物質及び
化学療法剤(セファレキシン、セファクロール、セフラ
ジン、アモキシシリン、ピバンピシリン、バカンピシリ
ン、ジクロキサシリン、エリスロマイシン、エリスロマ
イシンステアレート、リコンマイシン、ドキシサイクリ
ン、トリメトプリム/スルファメトキサゾールなど)、
代謝系薬物(セラペプターゼ、塩化リンゾチーム、アデ
ノシントリファスフェート、グリペンクラミド、塩化カ
リウムなど)、ビタミン系薬物(ビタミンB1、ビタミ
ンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、
フルスルチアミン、ビタミンA、ビタミンE、ビタミン
D、ビタミンK、葉酸など)、制酸剤などが含まれる。
これらの薬物は一種又は二種以上使用できる。
【0031】上記の「溶出制御物質」としては、例え
ば、水溶性高分子を用いることができる。水溶性高分子
としては、例えば、エタノール可溶性の水溶性高分子
[例えば、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)な
どのセルロース誘導体、ポリビニルピロリドンなど]、
エタノール不溶性の水溶性高分子[例えば、ヒドロキシ
プロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロ
ース、カルボキシルメチルセルロースナトリウム等のセ
ルロース誘導体、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニ
ルアルコール、アルギン酸ナトリウム、グアーガムな
ど]などが挙げられる。なお、エタノール可溶性の水溶
性高分子とエタノール不溶性の水溶性高分子とを併用し
たり、粘度の異なる水溶性高分子を組み合せて使用する
ことにより、薬物の溶出性をコントロールすることがで
きる。
【0032】上記の「主薬層」は、有核散剤(有核細粒
剤)の強度を増すため、例えば特開平2−174931
号公報に記載された低置換度ヒドロキシプロピルセルロ
ース(L−HPC)や、その他の添加剤を含んでいても
良い。前記添加剤としては、散剤を製造する際に一般に
配合される添加剤が使用でき、例えば、乳糖、コーンス
ターチ、ショ糖、タルク、結晶セルロース、マンニトー
ル、軽質無水ケイ酸、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウ
ム、L−システィンなどの賦形剤;アルファー化デンプ
ン、部分アルファー化デンプン、メチルセルロース、カ
ルボキシルメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、
プルラン、デキストリン、アラビアゴムなどの結合剤;
カルボキシルメチルセルロースカルシウム、デンプン
類、クロスリンクカルボキシルメチルセルロースナトリ
ウム、クロスリンクドインソルブルポリビニルピロリド
ンなどの崩壊剤;酸化チタン、ベンガラ、タール色素な
どの着色剤等が挙げられる。これら添加剤は二種以上用
いても良い。
【0033】上記の「主薬層」の外層には、直接あるい
は他の被覆層を介して、保湿性、遮光性、徐放性、胃溶
性、腸溶性等の「機能性の被覆層」を形成しても良い。
また、核となる粒子に少なくとも1つの被覆層を形成し
た状態で、全体の粒子径が1000μm以下、好ましく
は500μm以下とするのが良い。
【0034】上記のスプレーノズルには、「スプレーエ
アー供給手段」からスプレーエアーが供給される。「ス
プレーエアー供給手段」は、コンプレッサ等の圧縮エア
ー供給源および配管系、必要に応じて圧力・流量・露点
等の制御手段や測定手段を含み、流量700NL/mi
n以上のスプレーエアーを少なくとも1本のスプレーノ
ズルに供給可能なものとして構成する。
【0035】また、上記のスプレーノズルには、「スプ
レー液供給手段」からスプレー液が供給される。「スプ
レー液供給手段」は、定量ポンプ等の注液源および配管
系、必要に応じて圧力・流量・液温等の制御手段や測定
手段を含み、流量200g/min以上のスプレー液を
少なくとも1本のスプレーノズルに供給可能なものとし
て構成することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
従って説明する。
【0037】図1は、この実施形態の流動化処理方法及
び装置によって製造された医薬細粒剤の構造を模式的に
示している。例えば、セルロース、乳糖、グラニュー糖
等の不活性物質の球形造粒品である核粒子1の表面に、
ビンポセチン等の薬物(生理活性物質)と、結合剤(溶
出制御物質)としてのHPC−SSL等の水溶性高分子
とを含有する主薬層2が被覆形成され、その主薬層2の
表面に、徐放性、腸溶性、胃溶性、保湿性、遮光性等の
機能を有するフィルム層、例えば遮光性のフィルム層3
が被覆形成されている。核粒子1の粒子径は例えば25
0〜300μm程度、主薬層2の厚さは例えば15μm
程度、フイルム層3の厚さは例えば3μm程度である。
ただし、核粒子1の粒子径は1000μm以下、好まし
くは500μm以下であれば良く、また、核粒子と被覆
層とを含めた全体の粒子径は1000μm以下、好まし
くは500μm以下であれば良い。
【0038】図2は、この実施形態で用いる転動流動造
粒装置(転動流動造粒コーティング装置)の一構成例を
概念的に示している。
【0039】処理容器4の処理室4aの上方にバグフィ
ルター5(ツインシェイキングフィルターシステムが例
示されている。シングルシェイキング方式やパルス払い
落とし方式などのフィルターシステムもある。)が設置
され、処理室4aの底部に回転ディスク6が付設されて
いる。回転ディスク6の上面には、円錐形のコーン部と
複数のブレード(凸状羽根)が設けられる。流動化エア
ーは、流動化エアー供給部7(ブロアー等の給気源、温
度・風量等の制御手段を備えている。)から所定の温度
・風量等で供給され、給気ダクトから回転ディスク6の
下方の給気室4bに導かれた後、回転ディスク6の外周
部と処理容器4の底部壁面との間の間隙から処理室4a
内に導入される。回転ディスク6上の粉粒体は、コーン
部とブレードによる転動圧密作用を強く受け、外周部に
転動してきた時に流動化エアーに乗って中央上部に吹き
上げられ、コーン部の円錐テーパ面に沿って循環する。
また、処理室4aには、スプレー液をスプレーエアーに
よってミスト状にしてスプレーするための1本又は複数
本のスプレーノズル8が設置される。
【0040】図3は、この実施形態で使用するスプレー
ノズル8を例示している。このスプレーノズル8は、い
わゆる2流体ノズルとして構成され、中心部にスプレー
液を噴出するための液通路8aを有し、その外側にスプ
レーエアーを噴出するためのエアー通路8bを有する。
液通路8aには、スプレー液供給部9(定量ポンプ等の
定量注液源、液温等の制御手段、及び配管系から構成さ
れる。)からスプレー液が所定の流量・液温等で供給さ
れる。また、エアー通路8bには、スプレーエアー供給
部10(コンプレッサ等の圧縮エアー供給源、圧力・流
量・露点等の制御手段、及び配管系で構成される。)か
ら所定の圧力・風量等で供給される。液通路8aを通っ
て先端の注液口8a1から噴出されるスプレー液は、エ
アー通路8bを通って先端のエアー噴出口8b1から噴
出するスプレーエアーによってミスト化され、処理室4
a内で流動化状態にある粉粒体に向けて接線方向にスプ
レーされる。
【0041】スプレーノズル8からスプレーされるスプ
レー液のミストによって、核粒子が湿潤を受けると同時
に、スプレー液中に含まれる固形成分が核粒子の表面に
付着し、圧密球形化され、乾燥固化されて、核粒子の表
面に被覆層(レイヤリング層など)が形成される。
【0042】この実施形態のスプレーノズル8は、1本
につき、スプレーエアー流量700NL/min以上、
例えば1400NL/min、スプレー液流量200g
/min以上、例えば360g/minの高容量注液が
可能で、従来のスプレーノズルに比較して、2倍以上の
スプレー能力がある。また、スプレーエアー供給部10
は、流量700NL/min以上、例えば1400NL
/minのスプレーエアーをスプレーノズル8(1本当
たり)に供給可能なものとして構成され、スプレー液供
給部9は流量200g/min以上、例えば360g/
minのスプレー液をスプレーノズル8(1本当たり)
に供給可能なものとして構成される。例えば、このスプ
レーノズル8を4本設置することにより、1バッチ分に
必要なスプレー液量を4時間未満でスプレーすることが
でき、これにより、液調整などの前工程や後片づけなど
の後工程を含めて、1バッチ当たりの処理を1日工程で
終えることが可能となる。
【0043】
【実施例】図2に示す転動流動造粒装置を用いて、図1
に示す形態の医薬細粒剤の製造を行い、処理時間および
回収した細粒剤の粒度分布を測定した。下表2に処理条
件を示し、下表3に主薬液(核粒子1にスプレーする溶
液)の原料名及び132kg当たりの仕込量(kg)、
下表4にフイルム液(主薬層2の形成後にスプレーする
溶液)の原料名及び132kg当たりの仕込量(kg)
をそれぞれ示す。尚、核粒子としては、ノンパレルNP
を用い、1バッチ分の仕込量を79.2kgとした。
【0044】下表2に示すように、この実施例では、ス
プレーノズル1本についてのスプレーエアー流量を13
00NL/min、スプレー液流量を360g/min
に設定した。そのため、前述した表1の右欄に示すよう
に、2.8時間で、1バッチ分の主薬液およびフイルム
液の全量をスプレーして処理を完了することができた。
【0045】
【表2】
【0046】
【表3】
【0047】
【表4】
【0048】以上の条件で被覆処理を行い、回収した細
粒剤の粒度分布を測定したところ、下表5に示すよう
に、粒子径500μm以上の粗大粒子が0.2重量%、
粒子径150μm以下の微細粒子が0.1重量%、粒子
径150μm〜500μmの適正な粒子径の粒子が9
9.7重量%であった。この試験結果から、本発明の製
造プロセスを採用することにより、適正な粒子径の細粒
で且つ粒度分布がシャープな細粒剤が短時間の処理で得
られることが確認された。
【0049】
【表5】
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
粒子に被覆層を形成する流動化処理プロセスにおいて、
団粒の発生を抑制して、製品品質の安定化および高い収
率を実現すると同時に、処理時間を短縮して、生産性を
向上させることができる。これにより、製品の製造原価
を低減し、また製造設備投資費用を低減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態の処理方法及び装置によって製造され
る医薬細粒剤の組織構造を模式的に示す図である。
【図2】実施形態で用いる転動流動造粒装置の一構成例
を概念的に示す断面図である。
【図3】実施形態で用いるスプレーノズルを示す断面図
である。
【図4】排気温度と団粒発生率との関係を示す
【図5】熱平衡係数RWと団粒発生量との関係を示す図
である。
【図6】気液比と団粒率との関係を示す図である。
【図7】スプレー液の種類と液粘度との関係を示す図で
ある。
【図8】スプレー液の種類・濃度と最大ミスト径との関
係を示す。
【図9】スプレーエアー流量と処理時間との関係を示す
図である。
【図10】気液比と団粒率、飛散率との関係を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 粒子(核粒子) 2 主薬層 3 フィルム層 4 処理容器 6 回転ディスク 7 流動化エアー供給部 8 スプレーノズル
フロントページの続き (72)発明者 坂本 浩 大阪府堺市辻之1455−5 Fターム(参考) 4C076 AA62 AA67 BB01 CC11 DD28 DD29 DD38 DD51 DD70 EE32 FF21 GG17 GG33 4D075 AA02 AA73 AA83 CA48 DA11 DB32 DB33 DB70 DC30 EB60 EC11 4G004 BA02 JA01 KA03

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理容器内で流動化エアーによって流動
    状態にした粒子群に、少なくとも1本のスプレーノズル
    を用いて、所要の成分物質を配合したスプレー液をスプ
    レーエアーによってミスト状にしてスプレーすることに
    より、該粒子に前記成分物質を含有する少なくとも1つ
    の被覆層を形成する粒子の流動化処理方法において、 前記少なくとも1本のスプレーノズルのスプレーエアー
    流量を700NL/min以上にしことを特徴とする粉
    粒体の流動化処理方法。
  2. 【請求項2】 前記少なくとも1本のスプレーノズルの
    スプレー液流量を200g/min以上にした請求項1
    記載の粉粒体の流動化処理方法。
  3. 【請求項3】 前記粒子群に流動化と併行して転動作用
    を加える請求項1記載の粉粒体の流動化処理方法。
  4. 【請求項4】 前記少なくとも1つの被覆層が、生理活
    性物質と、この生理活性物質の溶出性を制御する物質と
    を含有する主薬層である請求項1記載の粉粒体の流動化
    処理方法。
  5. 【請求項5】 前記主薬層よりも外層に、保湿や遮光等
    の保護性、徐放性等の機能性の被覆層を形成する請求項
    4記載の粉粒体の流動化処理方法。
  6. 【請求項6】 核となる前記粒子の粒子径が500μm
    以下である請求項1記載の粉粒体の流動化処理方法。
  7. 【請求項7】 前記核となる粒子と被覆層とを含めた粒
    子径が500μm以下である請求項6記載の粉粒体の流
    動化処理方法。
  8. 【請求項8】 処理容器と、前記処理容器内に流動化エ
    アーを供給するための給気手段および前記処理容器内の
    空気を外部に排出するための排気手段のうち少なくとも
    一方と、前記流動化エアーによる流動化粒子群に、所要
    の成分物質を配合したスプレー液をスプレーエアーによ
    ってミスト状にしてスプレーするための少なくとも1本
    のスプレーノズルと、前記スプレーノズルにスプレーエ
    アーを供給するためのスプレーエアー供給手段と、前記
    スプレーノズルにスプレー液を供給するためのスプレー
    液供給手段と、を包含する粉粒体の流動化処理装置にお
    いて、 前記少なくとも1本のスプレーノズルが、流量700N
    L/min以上のスプレーエアーを噴出可能なものであ
    ることを特徴とする粉粒体の流動化処理装置。
  9. 【請求項9】 前記スプレーエアー供給手段が、流量7
    00NL/min以上のスプレーエアーを前記少なくと
    も1本のスプレーノズルに供給可能なものである請求項
    8記載の粉粒体の流動化処理装置。
  10. 【請求項10】 前記少なくとも1本のスプレーノズル
    が、流量200g/min以上のスプレー液を注液可能
    なものである請求項8記載の粉粒体の流動化処理装置。
  11. 【請求項11】 前記スプレー液供給手段が、流量20
    0g/min以上のスプレー液を前記少なくとも1本の
    スプレーノズルに供給可能なものである請求項10記載
    の粉粒体の流動化処理装置。
  12. 【請求項12】 前記処理容器の底部に、流動化粒子群
    に転動圧密作用を加えるための回転ディスクを有する請
    求項8記載の粉粒体の流動化処理装置。
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