JP2000296682A - 平版印刷版の製造方法 - Google Patents

平版印刷版の製造方法

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JP2000296682A
JP2000296682A JP10814599A JP10814599A JP2000296682A JP 2000296682 A JP2000296682 A JP 2000296682A JP 10814599 A JP10814599 A JP 10814599A JP 10814599 A JP10814599 A JP 10814599A JP 2000296682 A JP2000296682 A JP 2000296682A
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Hisashi Hotta
久 堀田
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    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41CPROCESSES FOR THE MANUFACTURE OR REPRODUCTION OF PRINTING SURFACES
    • B41C1/00Forme preparation
    • B41C1/10Forme preparation for lithographic printing; Master sheets for transferring a lithographic image to the forme
    • B41C1/1041Forme preparation for lithographic printing; Master sheets for transferring a lithographic image to the forme by modification of the lithographic properties without removal or addition of material, e.g. by the mere generation of a lithographic pattern

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アルカリ現像液を要しない簡易な製版方法
で、しかも画像部と非画像部の識別性が十分に維持され
た優れた画質の印刷版を作りうる平版印刷用原板を提供
する。また、短時間での走査露光ののちに現像処理を行
うことなく直接に印刷機に装着して製版することが可能
であり、耐刷性にすぐれ、印刷面上の印刷汚れも少ない
平版印刷版を提供する。 【解決手段】 周期律表の4A族から6A族の少なくと
も1つの金属化合物表面に、レーザー光の照射により親
水性化される親油層を設けた印刷用原板。また、その印
刷用原板に、像様のレーザー光の照射によって画像を記
録し、照射面を印刷用インキに接触させて、照射領域が
インキを受け入れた印刷面を形成させて印刷を行う平版
印刷版の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般印刷分野、と
りわけ平版印刷、特に簡易に印刷版を製作できる新規な
平版印刷用原板に関するものである。その中でも、レー
ザー光に基づいた走査露光による画像記録も可能であ
り、且つ現像することなくそのまま印刷機に装着し印刷
することも可能な平版印刷版用原板に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、平版印刷版は、印刷過程でイン
クを受容する親油性の画像部と湿し水を受容する親水性
の非画像部とからなる。このような平版印刷版用原板と
しては、従来から、親水性支持体上に親油性の感光性樹
脂層を設けたPS版が広く用いられている。その製版方
法として、通常は、リスフイルムなどの画像を通して露
光を行った後、非画像部を現像液によって溶解除去する
方法であり、この方法により所望の印刷版を得ている。
【0003】従来のPS版に於ける製版行程は、露光の
後、非画像部を溶解除去する操作が必要であり、このよ
うな付加的な湿式の処理を不要化又は簡易化すること
が、従来技術に対して改善が望まれてきた一つの課題で
ある。特に近年は、地球環境への配慮から湿式処理に伴
って排出される廃液の処分が産業界全体の大きな関心事
となっているので、この面での改善の要請は一層強くな
っている。
【0004】この要望に応じた簡易な製版方法の一つと
して、印刷版用原板の非画像部の除去を通常の印刷過程
の中で行えるような画像記録層を用い、露光後、印刷機
上で現像し最終的な印刷版を得る方法が提案されてい
る。このような方法による平版印刷版の製版方式は機上
現像方式と呼ばれる。具体的方法としては、例えば、湿
し水やインク溶剤に可溶な画像記録層の使用、印刷機中
の圧胴やブランケット胴との接触による力学的除去を行
う方法等が挙げられる。しかしながら、機上現像方式の
大きな問題は、印刷用原板は露光後も、画像記録層が定
着されないため、例えば、印刷機に装着するまでの間、
原板を完全に遮光状態又は恒温条件で保存する、といっ
た手間のかかる方法をとる必要があった。
【0005】一方、近年のこの分野のもう一つの動向と
しては、画像情報をコンピュータを用いて電子的に処
理、蓄積、出力する、ディジタル化技術が広く普及して
きており、このような、ディジタル化技術に対応した、
新しい画像出力方式が種々実用されるようになってきて
いる。これに伴い、レーザ光のような高収斂性の輻射線
にディジタル化された画像情報を担持してこの光で原板
を走査露光し、リスフィルムを介することなく、直接印
刷版を製造するコンピュータ・トゥ・プレート技術が注
目されている。それに伴ってこの目的に適応した印刷版
用原板を得ることが重要な技術課題となっている。した
がって、製版作業の簡素化、乾式化、無処理化は、上記
した環境面と、ディジタル化への適合化の両面から、従
来にも増して、強く望まれるようになっている。
【0006】この要請に対して、無処理型印刷版作成方
法の一つにジルコニアセラミックに活性光を照射して照
射部を親水性化することを利用した印刷版作製方法が特
開平9−169098号で開示されている。しかし、ジ
ルコニアの光感度は小さく、かつ疎水性から親水性への
光変換効果が不十分のため画像部と非画像部の識別性が
不足している。
【0007】さらに、酸化チタンも活性光の照射によっ
て表面が親水性になることが判り、この現象の簡易な印
刷原板へのに適用が提示された。一般的に酸化チタン皮
膜は、真空蒸着法、化学的蒸着法、スパッタリング法、
CVD法などの気相法、スピンコート法、ディッピング
法等の液相法、溶射法や固相反応を用いた固相法などの
皮膜生成方法が知られているが、従来から知られている
これらの方法で得た酸化チタン皮膜は、前記の各方法よ
りは優れた画像形成特性を示すものの、なお画像部と非
画像との識別性を更に向上させることが望まれた。
【0008】デジタル化技術に組み込みやすい走査露光
による印刷版の製造方法の別の一つとして、最近、半導
体レーザ、YAGレーザ等の固体レーザで高出力のもの
が安価に入手できるようになってきたことから、特に、
これらのレーザを画像記録手段として用いる製版方法が
有望視されるようになっている。従来方式の製版方法で
は、感光性原板に低〜中照度の像様露光を与えて光化学
反応による原板面の像様の物性変化によって画像記録を
行っているが、高出力レーザを用いた高パワー密度の露
光を用いる方法では、露光領域に瞬間的な露光時間の間
に大量の光エネルギーを集中照射して、光エネルギーを
効率的に熱エネルギーに変換し、その熱により化学変
化、相変化、あるいは形態や構造の変化などの物理変化
を起こさせ、その変化を画像記録に利用する。つまり、
画像情報はレーザー光などの光エネルギーによって入力
されるが、画像記録は熱エネルギーによる反応によって
記録される。通常、このような高パワー密度露光による
発熱を利用した記録方式はヒートモード記録と呼び、光
エネルギーを熱エネルギーに変えることを光熱変換と呼
んでいる。
【0009】ヒートモード記録手段を用いる製版方法の
大きな長所は、室内照明のような通常の照度レベルの光
では感光せず、また高照度露光によって記録された画像
は定着が必須ではないことにある。つまり、画像記録に
ヒートモード感材を利用すると、露光前には、室内光に
対して安全であり、露光後にも画像の定着は必須ではな
い。従って、例えば、ヒートモード露光により不溶化若
しくは可溶化する画像記録層を用い、露光した画像記録
層を像様に除去して印刷版とする製版工程を機上現像方
式で行えば、現像(非画像部の除去)は、画像露光後あ
る時間、たとえ室内の環境光に暴露されても、画像が影
響を受けないような印刷システムが可能となる。従って
ヒートモード記録を利用すれば、機上現像方式に望まし
い平版印刷版用原板を得ることも可能となると期待され
る。
【0010】ヒートモード記録に基づく平版印刷版の好
ましい製造法の一つとして、親水性の基板上に疎水性の
画像記録層を設け、画像状にヒートモード露光し、疎水
性層の溶解性・分散性を変化させ、必要に応じ、湿式現
像により非画像部を除去する方法が提案されている。こ
のような原板の例として、例えば、特公昭46ー279
19号には、親水性支持体上に、熱により溶解性が向上
するいわゆるポジ作用を示す記録層、具体的には糖類や
メラミンホルムアルデヒド樹脂等の特定の組成を有する
記録層を設けた原板をヒートモード記録することによっ
て、印刷版を得る方法が開示されている。
【0011】しかしながら、開示された記録層はいずれ
も感熱性が十分でないため、ヒートモード走査露光に対
しては、感度がはなはだ不十分であった。また、露光前
後の疎水性/親水性のディスクリミネーション、即ち、
溶解性の変化が小さいことも、実用上問題であった。デ
ィスクリミネーションが乏しければ、機上現像方式の製
版を行うことは実質的に困難である。
【0012】親水性の下層の上に親油性の金属又は有機
硫黄化合物の表面層を設けて、その親油性の層に画像状
のレーザー光照射を行ってヒートモードで画像記録を行
う製版印刷方法は特開昭52−37104号、特開平3
−197192号、特開平7−1848号の各公報など
に開示されている。これらは、それぞれ前記したヒート
モードの製版・印刷方法の利点を有するものであるが、
レーザー照射光に対するヒートモードの感度に関して
は、なお十分ではなく、さらに高感度化して、それによ
り画像部と非画像部の識別効果を高めることが望まれて
いる。
【0013】また、従来のヒートモードのポジ方式の印
刷原板には別の大きな問題として非画像部における残膜
と呼ばれる欠陥を伴うものがある。即ち、ヒートモード
ポジ型原板においては、ヒートモード露光時の熱の発生
は記録層中の光吸収物質の光吸収に基くものであるた
め、熱の発生量は記録層表面で大きく、支持体近傍では
小さいことが多い。このため、記録層の支持体近傍での
露光による溶解性変化が少なく、親水化の程度が減少し
てしまうことである。その結果、本来、親水性表面を提
供すべき露光部において、しばしば、疎水性の膜が除去
されきれずに残膜となることがある。このような、残膜
は、印刷物に印刷汚れを引き起こすのでその点の改良が
必要である。
【0014】前記した活性光の照射による画像記録及び
ヒートモードの画像記録を利用する製版・印刷方法は、
いずれも版下からフィルムを介することなく直接に刷版
を作ることができ、したがって機上で製版することも可
能であり、現像操作を省くこともできるなどの利点を持
ちながら、上記した感度の不足や、画像記録層の表面と
底部での感度の相違などの弱点を有している。これらの
弱点は基本的には画像部と非画像部との識別性の不足に
起因して生じる欠陥であり、また印刷品質や耐刷性に直
結する欠陥でもある。したがって活性光の照射、ヒート
モードの光照射のいずれの画像記録を利用する製版・印
刷方法も、印刷品質と耐刷性の両面を向上させるための
基本的な方策は、識別性を向上させることに尽きるとも
いえるのが、現状である。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、アルカリ現像液を要しない簡易な製版方法で、しか
も画像部と非画像部の識別性が十分に維持された優れた
画質の印刷版を作りうる平版印刷用原板を提供すること
である。本発明のさらなる目的は、レーザー露光を用い
る製版方式の前記した欠陥を解決することであり、すな
わち、短時間での走査露光ののちに現像処理を行うこと
なく直接に印刷機に装着して製版することが可能であ
り、耐刷性にすぐれ、印刷面上の印刷汚れも少ない平版
印刷版用原板を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成するために、画像と非画像部との識別作用が大き
く、かつ着肉性や耐刷性などの印刷版としての必要特性
も具備した材料の探索を行ったが、その過程で金属化合
物の熱による物性の変化を一層顕著に発現させる手段が
必要と考え、周期律表の4A族から6A族元素の金属化
合物表面の特性に着目して種々検討して本発明を完成さ
せるに至った。すなわち、本発明は、下記の通りであ
る。
【0017】(1) 周期律表の4A族から6A族の金
属元素の少なくとも1つから選ばれた金属化合物の表面
に親油性層を設けた平版印刷用原版に、画像状にレーザ
ー光を照射して照射部を親水性にすることを特徴とする
平版印刷版の製造方法。
【0018】(2) 前記平版印刷版の金属化合物の表
面が陽極酸化されていることによって本発明の効果はさ
らに顕著となる。
【0019】(3) さらに、前記平版印刷版の金属化
合物の表面に設けた親油層が金属であることによっても
本発明の効果はさらに顕著となる。
【0020】(4) なお、前記の親油層を構成する金
属の融点が500℃以下の金属であることが効果的であ
る。
【0021】本発明は、周期律表の4A族から6A族の
元素の金属化合物の表面にレーザー光を照射することに
よって皮膜層が飛散して除去されたり、または擦傷され
たりすること(アブレーションともいう)が可能な親油
性の層(親油層)を有することに基づいている。金属支
持体上に親油性の層を設けてレーザー光を像様に照射し
て画像記録して印刷版を作成する技術は知られている
が、前記したようにそのレーザー光に対する感度は市場
の要請に対しては、必ずしも十分ではない。しかしなが
ら、周期律表の4A族から6A族の元素の金属化合物の
場合は、その表面へのレーザー光の照射のヒートモード
感度が高く、熱拡散が少なく、高精細な画像記録がで
き、耐刷性も優れることが判った。とくにこれらの4A
族から6A族の元素の金属化合物表面が陽極酸化されて
いると、その効果は強く発現することが判った。
【0022】この特性を利用して、本来は印刷インキを
受け付ける親油性の表面である上記親油層表面に像様の
活性光を照射すると、光の照射を受けた部分が熱による
破壊(アブレーション)を生じ、下層の金属化合物皮膜
層の親水性表面が露出して湿し水を受容する領域を形成
し、光の照射を受けなかった親油性表面がインキ受容領
域を形成して印刷面を構成させることができる。したが
って、そのまま印刷にかけられる印刷版ができ上がり、
現像処理などの操作を行う必要がない。つまり、このよ
うにして得られた平版印刷用原板はレーザー光に基づい
た走査露光により十分な感度の画像記録も可能であり、
且つ現像することなくそのまま印刷機に装着し印刷する
ことも可能であり、耐刷性にも優れたものであり、前記
従来技術の欠点を克服することを見出した。以下の記述
において、上記の周期律表の4A族から6A族元素の金
属化合物を一まとめに呼ぶとき、「本発明にかかわる遷
移金属化合物」と呼ぶこともある。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。 〔本発明にかかわる遷移金属化合物層〕本発明の周期律
表の4A族から6A族元素の金属化合物とは、Ti、Z
r、Hf、V、Nb、Ta、Cr、Mo、及びWの化合
物を総称して言う。中でもTi、Zr、Nb、Ta及び
Wの化合物が望ましい。また、金属化合物とはこれらの
金属の酸化物、チッ化物、ケイ化物、ホウ化物、炭化物
などを総称して言い、これらの金属と酸基などとの組み
合わせからなる化合物ならいずれでも良く、また、単一
化合物のみではなく混合物でも良い。
【0024】好ましい金属酸化物は、酸化チタン、酸化
ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化バナジウム、酸化
ニオブ、酸化タンタル、酸化モリブデン、酸化タングス
テン、酸化クロムなどがあげられる。また、好ましい金
属窒化物は、チッ化チタン、チッ化ジルコニウム、チッ
化ハフニウム、チッ化バナジウム、チッ化ニオブ、チッ
化タンタル、チッ化モリブデン、チッ化タングステン、
チッ化クロムなどがあげられる。また、好ましい金属け
い化物は、ケイ化チタン、ケイ化ジルコニウム、ケイ化
ハフニウム、ケイ化バナジウム、ケイ化ニオブ、ケイ化
タンタル、ケイ化モリブデン、ケイ化タングステン、ケ
イ化クロムなどが挙げられ、好ましいほう素化物は、ホ
ウ化チタン、ホウ化ジルコニウム、ホウ化ハフニウム、
ホウ化バナジウム、ホウ化ニオブ、ホウ化タンタル、ホ
ウ化モリブデン、ホウ化タングステン、ホウ化クロムな
どがあげられる。好ましい炭化物は、炭化チタン、炭化
ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化
ニオブ、炭化タンタル、炭化モリブデン、炭化タングス
テン、炭化クロムなどが挙げられる。
【0025】上記した金属化合物層形成には、陽極酸
化、蒸着、CVD、ゾルゲル、スパッタリング法、イオ
ンプレーティング法、拡散法などを適宜用いることがで
きる。上記の各化合物は、それぞれ市販されており、そ
れらを原料として、上記した層形成方法を用いて支持体
の基板上に層を形成してもよく、また電解酸化などでは
上記化合物板の表面を直接電解酸化すればよい。また、
化合物によっては、化合物を構成する単体原料をそれぞ
れ上記した層形成手段の中に挿入して化合物合成と層形
成を同時に進めることができる。あるいは窒化物の場合
は、窒素雰囲気中で高温のもとで上記層形成手段のなか
で窒化物の層を形成させる。また、炭化珪素などのよう
に上記層形成手段では、不適当な化合物の場合は、微粉
体を塗布したり、焼結したりして層形成することができ
る。その他の層形成方法の具体的な態様は、実施例に示
す。
【0026】中でも金属表面を陽極酸化法により酸化し
て金属酸化物層を形成させることが望ましい。厚みは
0.01μm〜10μmが望ましく、好ましくは0.0
5〜10μmである。さらに好ましくは0.30μm以
下として光干渉の歪みを防ぐのがよい。また照射光の作
用を充分に発現させるには厚みが0.01μm以上ある
ことが好都合である。
【0027】(陽極酸化の方法)本発明にかかわる遷移
金属板の表面の陽極酸化処理は、次に示す電解質水溶液
の中で行われる。 (1)硫酸、リン酸、硝酸、ホウ酸などの無機酸から選
択された1つ以上を含む水溶液。 (2)上記無機酸の他にさらに過酸化水素を含む混合水
溶液。 (3)上記(1)の無機酸の他に、さらにそのアルカリ
金属塩及びアルカリ土類金属塩の一つ以上を含む混合水
溶液。 (4)上記(1)の無機酸のアンモニウム塩を一つ以上
含む水溶液または、エチレングリコールと水の混合液を
溶媒とした溶液。 (5)シュウ酸、酒石酸、クエン酸、酢酸、乳酸、琥珀
酸、グルタミン酸、スルホサリチル酸、ナフタレンジス
ルホン酸などの有機酸から選択された一つ以上を含む水
溶液。 (6)上記有機酸のアルカリ金属塩及びアルカリ土類金
属塩の一つ以上を含む水溶液。 (7)上記(5)の有機酸のアンモニウム塩を一つ以上
含む水溶液または、エチレングリコールと水の混合液を
溶媒とした溶液。 (8)Na、K、Ca、Li、Mgの水酸化物、水溶性
の炭素塩、水酸化アンモニウムなどのアルカリ水溶液か
ら選択された一つ以上を含む水溶液。 (9)グリセロリン酸、そのアルカリ金属塩及びアルカ
リ土類金属塩の少なくとも一つを含んで、さらに好まし
くは酢酸、そのアルカリ金属塩及びアルカリ土類金属塩
の少なくとも一つを含む水溶液。 (10)以上の(1)〜(9)の溶液成分を組み合わせ
て含む水溶液。
【0028】上記の電解質水溶液の濃度は、電解質の種
類によって適宜決められ、また、陽極酸化の処理条件
は、選択した電解質水溶液に依存して種々の条件が選ば
れるが、一般的には電解質の濃度が0.001〜3mol/
L、好ましくは0.005〜1mol/L、液温は5〜70
℃、好ましくは20〜50℃、電流密度1〜60A/d
m2、好ましくは2〜10A/dm2、電圧1〜500V好ま
しくは100〜400V、電解時間10秒〜10分好ま
しくは1〜5分の範囲にあれば適当である。個々の代表
的な電解質水溶液の適切な陽極酸化条件は、実施例に示
す。陽極酸化皮膜の厚みは、0.001〜10ミクロン
程度、好ましくは0.1〜5.0ミクロン、特に好まし
くは0.3mm〜1.0ミクロンである。
【0029】また、陽極酸化した表面にある種の金属を
ドーピングすることが、たとえば熱拡散などに有効な場
合があり、この目的にはイオン化傾向が小さい金属のド
ーピングが適しており、Pt,Pd,Au,Ag,C
u,Ni,Fe,Coをドーピングするのが好ましい。
また、これらの好ましい金属を複数ドーピングしてもよ
い。
【0030】(陽極酸化の前処理)本発明に係わる遷移
金属板は、金属板の単一構成のもの及び支持体で補強さ
れたものを含めて、陽極酸化に先立って表面の粗面化処
理を施してもよい。粗面化によって表面を親水性にした
ときの保水性を高めることができ、したがって画像と非
画像部の識別性を向上させることができる。粗面化処理
を施す場合には、必要により、粗面化処理に先立って表
面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、有機溶
剤またはアルカリ性水溶液などによる脱脂処理が行われ
る。
【0031】金属板(薄層)の表面の粗面化処理は、種
々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化す
る方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法および
化学的に表面を選択溶解させる方法のいずれか又はそれ
らの組み合わせによって行われる。機械的方法として
は、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バ
フ研磨法などの公知の方法を用いることができる。ま
た、電気化学的な粗面化法もアルミニウム金属表面の粗
面化の方法として公知の方法、たとえば塩酸または硝酸
電解液中で交流または直流により行う方法を遷移金属表
面の粗面化に適用することができる。また、特開昭54
−63902号に開示されているように両者を組み合わ
せた方法も利用することができる。また、化学的な粗面
化処理は、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、珪酸ナ
トリウム、ピロリン酸ナトリウムなどから選ばれるアル
カリ性の塩類混合水溶液へ浸漬して金属表面をエッチン
グして行われる。このようにして粗面化された金属板に
前記した陽極酸化処理が施される。しかし、金属板表面
の粗面化は本発明には必須ではない。
【0032】〔親油層〕本発明の平版印刷用原版に用い
られる親油層はレーザー光照射により飛散除去すなわち
アブレーション可能で、かつ親油性のものであれば、い
ずれの層でも良い。例えば親油性の金属または親油性ポ
リマーを用いることができる。好ましい親油層について
如何に説明する。
【0033】親油層が金属薄膜層の場合、その金属は遷
移金属、インジウム、錫、アンチモン、タリウム、テル
ル、鉛、ビスマス、アルミニウム、カリウム、ゲルマニ
ウム、テルルなどの金属あるいはこれらの合金が望まし
い。遷移金属とは原子番号21から30のスカンジウム
から亜鉛、原子番号39から48のイットリウムからカ
ドミウム、原子番号72から80のハフニウムから水
銀、原子番号57から71のランタノイド系希土類金属
などの任意の遷移金属の化合物を用いることができる。
なお、一般に亜鉛、カドミウム、水銀は電子殻がとりう
る構造が多いので遷移金属に含ませる場合と含ませない
場合があるが、本発明ではこれらの元素も本発明の効果
が認められるので遷移金属に含めている。中でもチタ
ン、亜鉛、鉄、コバルト、ニッケル、銅、錫、テルル、
インジウム、バナジウム、ビスマスが望ましい。特に5
00℃以下の融点の錫、テルル、ビスマス、亜鉛が望ま
しい。金属層の膜厚は100A〜1μmが望ましい。中
でも500A〜5000Aが特に望ましい。
【0034】金属以外の親油層としては、(1)親油性
でかつ熱可塑性である樹脂と(2)レーザービーム光を
熱に変換する物質を含有する層を設けても良い。親油性
でかつ熱可塑性を有する樹脂としてはポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、アクリル樹
脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリビニル
ブチラール樹脂、ニトロセルロース、ポリアクリレー
ト、ポリメタクリレート、ポリカーボネート、ポリウレ
タン、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂−酢酸ビニル共重
合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重
合体、塩化ビニル−樹脂ビニル−マレイン酸共重合体、
塩化ビニル−アクリレート共重合体、ポリ塩化ビニリデ
ン、塩化ビニリデン−アクリロニトリル共重合体、など
があげられる。
【0035】レーザー光を熱に変換できる物質の例に
は、カーボンブラック、石墨などの炭素単体、可視光
線、近赤外線、赤外線を吸収する染料もしくは顔料、金
属などが適しており、それぞれ使用するレーザー光を吸
収して、蛍燐光を発することなく熱エネルギーに変換す
る性質を有するものであれば、いずれでも使用すること
ができる。次に赤外線レーザーを用いる場合の色素を例
に挙げる。好ましい色素は、赤外線を吸収して熱エネル
ギーに変換する性質をもつ染料や顔料である。好ましい
顔料や染料、とくに顔料としては、シアニン色素、スク
ワリリウム色素、メチン系色素、ナフトキノン系色素、
キノンイミン系色素、キノンジイミン系色素、キノンジ
イミン系色素、ビリリウム塩系色素、ナフトキノン系色
素、フタロシアニン系色素、ナフトロシアニン系色素、
ジチオール金属錯体色素、アントラキノン系色素、アゾ
系色素、トリスアゾ系色素、アミニウム塩系色素、ポル
フィリン系顔料、モルフォリン系顔料、フタロシアニン
系顔料などが挙げられる。
【0036】好ましい顔料や染料の具体例としては、コ
バルトグリーン(C.I.77335),エメラルドグ
リーン(C.I.77410),フタロシアニンブル−
(C.I.74100),銅フタロシアニン(C.I.
74160),ウルトラマリン(C.I.7700
7),紺青(C.I.77510),コバルト紫(C.
I.77360),パリオジェン赤310(C.I.7
1155),パーマネントレッドBL(C.I.711
37),ペリレン赤(C.I.71140),ローダミ
ンレーキB(C.I.45170:2),ヘリオボルド
ーBL(C.I.14830),ライトファーストレッ
ドトーナーR(C.I.12455),ファーストスカ
ーレットVD、リゾールファーストスカーレットG
(C.I.12315),パーマネントブラウンFG
(C.I.12480),インダンスレンブリリアント
オレンジRK(C.I.59300),赤口黄鉛(C.
I.77601),ハンザイエロー10G(C.I.1
1710),チタンイエロー(C.I.77738),
亜鉛黄(C.I.77955),クロムイエロー(C.
I.77600)などが挙げられるほか、静電記録用ト
ナーに用いられる各種の顔料も好ましく用いることがで
きる。そのほか、マラカイトグリーンしゅう酸、キニザ
リン、2−(α−ナフチル)−5−フェニルオキサゾー
ル、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイ
ルブルーBOS、オイルブラックBY、オイルブラック
BS、オイルブラックT−505(以上、オリエント化
学工業(株)製)、ベーシックフクシン、m−クレゾー
ルパープル、シアノ−p−ジエチルアミノフェニルアセ
トアニリド、あるいは特開昭62−293247号公
報、特願平7−335145号公報に記載されている染
料を挙げることができる。中でも、フタロシアニングリ
ーン、フタロシアニンブルーなど銅、コバルト、ニッケ
ル、鉄のフタロシアニン錯塩、3,3’−エチルメソエ
チルナフトチア(オキサ)ジカルボシアニン、3,3’
−エチルナフトチア(オキサ)トリカルボシアニンなど
で代表されるジカルボシアニンやトリカルボシアニン色
素が好ましい。
【0037】〔支持体〕本発明に係わる印刷原板は、支
持体に関していろいろの形態で用いることができる。特
に好ましいのは、金属板そのものを支持体にしてその表
面を陽極酸化した金属板の単一構成の形態である。その
場合の金属板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、
好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.
2mm〜0.3mmである。
【0038】また、金属に支持体を兼ねさせないで、金
属は、薄板(薄層)にしてそれを強度の面で補強できる
低コストの金属板、あるいは可撓性の大きい(フレキシ
ブルな)金属板の表面に金属板を設けてその表面を陽極
酸化してもよい。強度があって低コストの、あるいは可
撓性の大きい、好ましい金属板は、例えばアルミニウ
ム、ステンレス鋼、ニッケル、銅などの金属板である。
これらの支持体金属板と金属板とは、張り合わせてもよ
く、また金属板上に金属を薄層上に真空蒸着してもよい
が、前者の方が経済的であり、かつ簡単である。以下、
本明細書の記載においては、当業界の慣例にしたがっ
て、支持体が金属の場合には、支持体を基板と記すこと
もあるが、金属に関しては支持体と基板は同義である。
【0039】そのほか、化学的に安定であって可撓性も
十分なポリエステル類やセルローズエステルなどのプラ
スチック支持体の上に金属薄層を設けることもできる。
また、防水加工紙、ポリエチレン積層紙、含浸紙などの
支持体上に金属層を設けてもよい。
【0040】好ましく使用されるプラスチック及び紙支
持体としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン
又はポリスチレンがラミネートされた紙、二酢酸セルロ
ース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪
酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチ
レン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニル
アセタール等のプラスチックフィルム、アルミニウムが
ラミネート又は蒸着された紙、もしくはプラスチックフ
ィルム等が挙げられる。
【0041】上記の中でも好ましい支持体は、ポリエス
テルフィルム、アルミニウム、又は印刷版上で腐食しに
くいSUS板であり、その中でも寸法安定性がよく、比
較的安価であるアルミニウム板は特に好ましい。好適な
アルミニウム板は、純アルミニウム板およびアルミニウ
ムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、更
にアルミニウムがラミネートもしくは蒸着されたプラス
チックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる
異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウ
ム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどが
ある。合金中の異元素の含有量は高々10重量%以下で
ある。本発明において特に好適なアルミニウムは、純ア
ルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬
技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有する
ものでもよい。このように本発明に適用されるアルミニ
ウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来よ
り公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用するこ
とができる。
【0042】陽極酸化された遷移金属板を支持体に用い
る場合は、その金属支持体は公知の方法によって粗面化
されていてもよい。粗面化は、機械的な手段、電気化学
的な手段又は化学的エッチング手段のいずれでもよく、
またそれらを組み合わせて行ってもよい。粗面化によっ
てその上に設けられた陽極酸化された遷移金属皮膜の保
水性が向上する場合もある。粗面化された好ましい金属
支持体はアルミニウム支持体である。
【0043】遷移金属板とは別に金属支持体を設ける場
合、用いられる支持体の厚みはおよそ0.06mm〜0.
6mm程度、好ましくは0.1mm〜0.4mm、特に好まし
くは0.1mm〜0.3mmであり、遷移金属の薄層の厚み
は、0.001mm〜0.1mm程度、好ましくは0.00
5mm〜0.05mm、特に好ましくは0.01mm〜0.0
5mmである。
【0044】〔製版〕本発明の陽極酸化した遷移金属板
上に、親油層が形成された印刷原板の表面は、本来親油
性であり、インキを受容するが、活性光による画像露光
を行うと、光の照射を受けた部分は、アプレーションを
生じ、下層の陽極酸化した遷移金属層の表面も光の照射
を受けた部分は、親水性となり、インキを受け付けなく
なる。したがって画像露光した印刷原版に平版印刷用イ
ンキに接触させて非画像領域が湿し水を保持し、画像領
域がインキを受け入れた印刷面を形成させ、該印刷面を
印刷される面と接触させてインキを転写することによっ
て印刷が行われる。
【0045】(光照射)本発明において陽極酸化された
金属皮膜を励起させる活性光は、この皮膜の感光域の光
であればいずれの光源からの光でもよい。例えば、酸化
チタンは、アナターゼ型が387nm以下,ルチル型が
413nm以下に感光域をもつが、陽極酸化されたチタ
ン皮膜もほぼ同様に420nm以下に感光域をもつ光を
利用することができる。好ましい光源は、水銀灯、タン
グステンハロゲンランプ、その他のメタルハライドラン
プ、キセノン灯、カーボンアーク灯などを用いることが
出来る。また、励起光の発振波長を325nmに有する
ヘリウムカドミウムレーザーや発振波長を351.1〜
363.8nmに有する水冷アルゴンレーザーも用いる
ことができる。さらに近紫外レーザー発振が確認されて
いる発振波長を330nmに有する硫化亜鉛レーザー、
370nmに有する硫化亜鉛レーザー、330〜440
nmに有する硫化亜鉛/カドミウムレーザーも適用でき
る。また、1064nmの波長を有するNd:YAGレ
ーザーを用いることもできる。とりわけ、Qスイッチを
装備し、パルス発振によってクリプトンマークランプで
工学的にポンピングされるNd:YAGレーザーが好ま
しい。陽極酸化されたチタン皮膜に画像を形成させる場
合、ピーク出力が1000w,好ましくは2000wの
レーザー光を照射するのが好ましい。そのほか、GaA
s、GaP、PbS、PbSeなどの半導体レーザー、
ArF、KrF、xEcL、XeFなどのエキシマレー
ザー及びヘリウムネオンレーザーも用いることができ
る。
【0046】好ましい照射光の強さは、光の波長によっ
ても異なるが、通常は、印刷される画像で変調する前の
面露光強度として0.05〜100joule /cm2 、好
ましくは0.2〜10joule /cm2 、より好ましくは
0.5から5joule /cm2である。
【0047】画像露光が、アブレーションと呼ばれる画
像層の飛散・除去を伴う強度のとくに強い照射である場
合には、赤外線成分を多く含むレーザー光源を使用し
て、レーザービームを画像で変調して原板上を走査する
方式が行わうのが好ましいが、可視光レーザーであって
も吸光物質が効率よく吸収する輻射であれば、光熱変換
は行われる。レーザー光源の例として、半導体レーザ
ー、ヘリウムネオンレーザー、ヘリウムカドミウムレー
ザー、YAGレーザーを挙げることができる。レーザー
出力が0.1〜300Wのレーザーで照射をすることが
できる。また、パルスレーザーを用いる場合には、ピー
ク出力が1000W、好ましくは2000Wのレーザー
を照射するのが好ましい。この場合の露光量は、印刷用
画像で変調する前の面露光強度が0.1〜10J/cm2
範囲であることが好ましく、0.3〜1J/cm2 の範囲で
あることがより好ましい。
【0048】上記の感光性は、従来技術として前記した
ジルコニアセラミック(特開平9−169098)の感
光性とは異なるものである。たとえば、感度について
は、ジルコニアセラミックに対しては7W/μm2 のレ
ーザー光と記されており、レーザー光のパルス持続時間
を100ナノ秒として70joule /cm2 であって陽極
酸化したチタン皮膜の感度より1桁以上低い。また、同
様に従来技術として前記した親水性の下層の上に親油性
の金属又は有機硫黄化合物の表面層を設けて、その親油
性の層に画像状のレーザー光照射を行ってヒートモード
で画像記録を行う特開昭52−37104号、特開平3
−197192号、特開平7−1848号の各公報など
の製版印刷方法に対してもレーザー照射光に対するヒー
トモードの感度が高く、それが画像部と非画像部との識
別性を高くしている。
【0049】(印刷工程)本発明の陽極酸化した遷移金
属板上に、親油層が形成された印刷原板の表面への画像
焼き付け露光を行ったのち、印刷原版は現像処理するこ
となく、そのまま平版印刷工程に送ることができる。従
って通常の公知の平版印刷法に比較して簡易性を中心に
多くの利点を有する。すなわち上記したようにアルカリ
現像液による化学処理が不要であり、それに伴うワイピ
ング、ブラッシングの操作も不要であり、さらに現像廃
液の排出による環境負荷も伴わない。
【0050】以上のようにして得られた平版印刷版の露
光部は十分に親水性化しているが、所望により、水洗
水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや
澱粉誘導体を含む不感脂化液で後処理される。本発明の
画像記録材料を印刷用版材として使用する場合の後処理
としては、これらの処理を種々組み合わせて用いること
ができる。その方法としては、該整面液を浸み込ませた
スポンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整
面液を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する方
法や、自動コーターによる塗布などが適用される。ま
た、塗布した後でスキージー、あるいは、スキージーロ
ーラーで、その塗布量を均一にすることは、より好まし
い結果を与える。整面液の塗布量は一般に0.03〜
0.8g/m2(乾燥重量)が適当である。この様な処理に
よって得られた平版印刷版は平版印刷機等にかけられ、
多数枚の印刷に用いられる。
【0051】
【実施例】以下、実施例により、本発明を詳細に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 〔実施例1〜28及び比較例1〜3〕実施例1において
は、板厚0.2mmの市販のチタン板をグリセロリン酸
ナトリウム0.005mol/Lと酢酸ストロンチウム
0.09mol/Lの混合液を使用して、温度40℃、
電流密度5A/dm2 で4分間直流にて陽極酸化後、水
洗、乾燥し基板〔A〕を作成した。次に日本電子製の真
空蒸着装置を使用して基板Aに厚さ500Aの錫を真空
蒸着し、平版印刷用原版〔A−1〕を作成した。この印
刷用原版〔A−1〕に次の条件でYAGレーザーを照射
した。
【0052】 レーザーパワー: 0.7W ビーム半径 : 45μm 走査速度 : 1.2m/sec
【0053】(印刷性評価)この様にしてレーザー照射
により画像形成した平版印刷用原版〔A−1〕を後処理
することなく印刷機にかけて印刷を行った。印刷機とし
てはハリス菊半単色機(ハリス(株)製)を用い、イン
キとしてGeos墨(大日本インキ化学工業(株)
製)、湿し水として、湿し水 EU−3(富士写真フィ
ルム(株)製)を1:100に水で希釈したもの90v
ol%とイソプロパノール10vol%との混合物をそ
れぞれ用いて、上質紙上に印刷を行った。その結果、レ
ーザー照射部には汚れがなく、また、非照射部には着肉
した鮮明な印刷物を3万枚印刷することができた。
【0054】実施例2は実施例1の錫の代わりにクロム
を1000Aの厚みで蒸着した印刷用原版[A−2]を
作成した。実施例1と同様にYAGレーザーを照射し印
刷したところ鮮明な印刷物を3万枚印刷できた。
【0055】実施例3は実施例2のクロムの代わりにチ
タンを蒸着し、印刷用原版[A−3]を作成した。実施
例1と同様にYAGレーザーを照射し印刷したところ鮮
明な印刷物を3万枚印刷できた。
【0056】実施例4は実施例2のクロムの代わりに鉄
を蒸着し、印刷用原版[A−4]を作成した。実施例1
と同様にYAGレーザーを照射し印刷したところ鮮明な
印刷物を3万枚印刷できた。
【0057】実施例5は実施例2のクロムの代わりに亜
鉛を蒸着し、印刷用原版[A−5]を作成した。実施例
1と同様にYAGレーザーを照射し印刷したところ鮮明
な印刷物を3万枚印刷できた。
【0058】実施例6は実施例2のクロムの代わりにグ
ラファイトを蒸着し、印刷用原版[A−6]を作成し
た。実施例1と同様にYAGレーザーを照射し印刷した
ところ鮮明な印刷物を3万枚印刷できた。
【0059】実施例7は実施例2のクロムの代わりに亜
鉛を蒸着し、印刷用原版[A−7]を作成した。実施例
1と同様にYAGレーザーを照射し印刷したところ鮮明
な印刷物を3万枚印刷できた。
【0060】実施例8は実施例2のクロムの代わりにテ
ルルを蒸着し、印刷用原版[A−8]を作成した。実施
例1と同様にYAGレーザーを照射し印刷したところ鮮
明な印刷物を3万枚印刷できた。
【0061】実施例9は実施例2のクロムの代わりに銅
を蒸着し、印刷用原版[A−9]を作成した。実施例1
と同様にYAGレーザーを照射し印刷したところ鮮明な
印刷物を3万枚印刷できた。
【0062】実施例10は実施例2のクロムの代わりに
銀を蒸着し、印刷用原版[A−10]を作成した。実施
例1と同様にYAGレーザーを照射し印刷したところ鮮
明な印刷物を3万枚印刷できた。
【0063】実施例11は市販の板厚0.2mmのジル
コニウム板を硫酸液100g/Lを使用して温度30
℃、電流密度5A/dm2 で90秒間直流にて陽極酸化
後、水洗、乾燥し基板[B]を作成した。基板Bに実施
例1と同様に錫を600A蒸着し[B−1]を作成し
た。実施例1と同様にYAGレーザーを照射し印刷した
ところ鮮明な印刷物を3万枚印刷できた。
【0064】実施例12は市販のタンタル板をグリロセ
リン酸ナトリウム0.005mol/Lと酢酸ストロン
チウム0.09mol/Lの混合液を使用して温度40
℃、電流密度5A/dm2 で4分間直流にて陽極酸化
後、水洗、乾燥し基板[C]を作成した。基板Cに実施
例3と同様にチタンを蒸着し、[C−1]を作成した。
実施例1と同様にYAGレーザーを照射し印刷したとこ
ろ鮮明な印刷物を3万枚印刷できた。
【0065】実施例13は実施例12のチタンの代わり
にニッケルを蒸着し、印刷用原版[C−2]を作成し
た。実施例1と同様にYAGレーザーを照射し印刷した
ところ鮮明な印刷物を3万枚印刷できた。
【0066】実施例14は実施例12のチタンの代わり
にバナジウムを蒸着し、印刷用原版[C−3]を作成し
た。実施例1と同様にYAGレーザーを照射し印刷した
ところ鮮明な印刷物を3万枚印刷できた。
【0067】実施例15は実施例12のチタンの代わり
にクロムを蒸着し、印刷用原版[C−4]を作成した。
実施例1と同様にYAGレーザーを照射し印刷したとこ
ろ鮮明な印刷物を2万枚印刷できた。
【0068】実施例16は厚さが5000Aとしたのを
除いては実施例1と同様に錫を蒸着して、印刷用原版
[C−4]を作成した。実施例1と同様にYAGレーザ
ーを照射し印刷したところ鮮明な印刷物を2万枚印刷で
きた。
【0069】実施例17は実施例4と同様に鉄を蒸着し
て、印刷用原版[C−5]を作成した。実施例1と同様
にYAGレーザーを照射し印刷したところ鮮明な印刷物
を2万枚印刷できた。
【0070】実施例18は市販のタングステンを硫酸液
100g/Lを使用して温度30℃、電流密度5A/d
2 で90秒間直流にて陽極酸化後、水洗、乾燥し基板
[D]を作成した。実施例3と同様にチタンを蒸着し
[D−1]を作成した。実施例1と同様にYAGレーザ
ーを照射し印刷したところ鮮明な印刷物を1万枚印刷で
きた。
【0071】実施例19は市販のニオブを硼酸アンモニ
ウム0.2mol、エチレングリコール600g、水4
00gに溶解して電解液として用いた。温度25℃、電
流密度5A/dm2 で30秒間で直流にて陽極酸化後、
水洗、乾燥し基板[E]を作成した。基板[E]に実施
例16と同様に錫を蒸着し、[E−1]を作成した。実
施例1と同様にYAGレーザーを照射し印刷したところ
鮮明な印刷物を3万枚印刷できた。実施例20は基板
[E]に実施例2と同様にクロムを蒸着して基板[E−
2]を作成した。実施例1と同様にYAGレーザーを照
射し印刷したところ鮮明な印刷物を3万枚印刷できた。
【0072】実施例21は反応性スパッタリング法で作
成した。アルゴン/窒素=50/50の雰囲気で500
Aの厚みでチッ化チタンを0.2mmのステンレス基板
上に作成した。実施例1と同様に錫を蒸着し、基板[F
−1]を作成した。実施例1と同様にYAGレーザーを
照射し印刷したところ鮮明な印刷物を3万枚印刷でき
た。
【0073】実施例22は塩化チタンとメタンガスとア
ルゴンと水素ガスから市販の0.2mmのステンレス基
板上に炭化チタンを作成した。実施例3と同様にチタン
を蒸着し、基板[F−2]を作成した。実施例1と同様
にYAGレーザーを照射し印刷したところ鮮明な印刷物
を3万枚印刷できた。
【0074】実施例23は市販の0.2mmのタングス
テン基板を炭化処理して炭化タングズテンを作成した。
実施例3と同様にチタンを蒸着し、基板[F−3]を作
成した。実施例1と同様にYAGレーザーを照射し印刷
したところ鮮明な印刷物を3万枚印刷できた。
【0075】実施例24は市販のバナジウムを大気中で
700℃で加熱処理をした後、実施例3と同様にチタン
を蒸着し、基板[F−4]を作成した。実施例1と同様
にYAGレーザーを照射し印刷したところ鮮明な印刷物
を3万枚印刷できた。
【0076】実施例25は市販の0.2mmのチタン板
を塩化ホウ素と水素ガスからホウ化チタンを作成した
後、実施例3と同様にチタンを蒸着し基板[F−5]を
作成した。実施例1と同様にYAGレーザーを照射し印
刷したところ鮮明な印刷物を3万枚印刷できた。
【0077】実施例26は市販の0.2mmのジルコニ
ウムを塩化ホウ素と水素ガスからホウ化ジルコニウムを
作成した後、実施例3と同様にチタンを蒸着し基板[F
−6]を作成した。実施例1と同様にYAGレーザーを
照射し印刷したところ鮮明な印刷物を3万枚印刷でき
た。
【0078】実施例27は市販の0.2mmのモリブデ
ン板を塩化珪素と水素ガスでケイ化処理し、ケイ化モリ
ブデンを作成した後、実施例3と同様にチタンを蒸着し
基板[F−7]を作成した。実施例1と同様にYAGレ
ーザーを照射し印刷したところ鮮明な印刷物を3万枚印
刷できた。
【0079】実施例28はハフニウムを硫酸液100g
/Lを使用して温度30℃、電流密度5A/dm2 で9
0秒間直流にて陽極酸化後、水洗、乾燥し基板[G]を
作成した。実施例4と同様に鉄を蒸着し[G−1]を作
成した。実施例1と同様にYAGレーザーを照射し印刷
したところ鮮明な印刷物を3万枚印刷できた。
【0080】実施例29は実施例1と同様に作成した基
板[A]に下記感光液[A]を乾燥後の膜厚で1μmに
なるように塗布した。その後、実施例1と同様にYAG
レーザーを照射し印刷したところ鮮明な印刷物を2万枚
印刷できた。
【0081】 <感光液A> ベヘン酸:49重量部 スチレン樹脂(エッソスタンダード石油社供給):49重量部 フタロシアニンブルー(市販品):2重量部 をテトラヒドフランに溶解し、この感光液Aを作成し
た。
【0082】比較例1は市販の0.2mmのアルミニウ
ムを硫酸液100g/Lを使用して温度30℃、電流密
度5A/dm2 で90秒間直流にて陽極酸化後、水洗、
乾燥し基板[H]を作成した。実施例9と同様に銅を蒸
着し[H−1]を作成した。実施例1と同様にYAGレ
ーザーの照射条件では画像形成できなかった。
【0083】比較例2は比較例1と同様に作成した基板
[H]を実施例10と同様に銀を蒸着し[H−2]を作
成した。実施例1と同様のYAGレーザーの照射条件で
は画像形成できなかった。また、印刷したところ全面に
インキが着肉し、非画像部を得ることができなかった。
【0084】比較例3は比較例1と同様に作成した基板
[A]に実施例1と同様の条件でYAGレーザーを照射
したところ画像を形成することは出来なかった。また、
印刷したところインキの着肉部を得ることはできなかっ
た。上記のテスト結果を表1に示す。
【0085】
【表1】
【0086】表1から明らかなように、本発明にかかわ
る各実施例の平版印刷用原版は印刷汚れ、着肉性、耐刷
性について、それぞれ満足すべき結果を得たが、各比較
例の平版印刷用原版は、何らかの性質において不満足な
ものであった。
【0087】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の平版印刷
用原版は、4A族から6A族の金属化合物表面に設けた
陽極酸化皮膜上に、レーザー露光によりアプレーション
可能な親油層を設けることにより、活性光による像様露
光のみで非照射部がインキを受容する平版印刷画面が形
成され、また、レーザー光の像様照射によるアブレーシ
ョンによって照射部がインキを受容しない平版印刷画面
が形成され、いずれの方式であっても現像液が不要で、
かつ印刷面の鮮明性が保たれた平版印刷が可能である。
また、機上製版も可能である。更に、本発明によれば、
汚れ、着肉性および耐刷性に優れた平版印刷用原版を提
供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H025 AA00 AA01 AA12 AB03 AC08 AD01 AD03 BH01 CB51 CC20 DA18 DA30 FA10 2H084 AA05 CC05 2H096 AA07 AA08 BA16 BA20 CA01 CA03 CA20 EA02 EA04 GA17 GA45 HA02 2H114 AA04 BA01 DA05 EA03 FA16 GA22

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周期律表の4A族から6A族の金属元素
    の少なくとも1つから選ばれた金属化合物の表面に親油
    性層を設けた平版印刷用原版に、画像状にレーザー光を
    照射して照射部を親水性にすることを特徴とする平版印
    刷版の製造方法。
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