JP2000297539A - 壁等の浮き部の補修工法 - Google Patents

壁等の浮き部の補修工法

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JP2000297539A
JP2000297539A JP11108142A JP10814299A JP2000297539A JP 2000297539 A JP2000297539 A JP 2000297539A JP 11108142 A JP11108142 A JP 11108142A JP 10814299 A JP10814299 A JP 10814299A JP 2000297539 A JP2000297539 A JP 2000297539A
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Yuuji Kuriaki
裕次 栗秋
Atsushi Takahira
敦史 高平
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 浮き部を迅速に補修する。 【解決手段】 注入ノズル7の弁7aを閉とし、吸引ノ
ズル6の弁6aを開とし、壁等の浮き部5の空隙部S内
を吸引ノズル6で吸引した後、浮き部5の空隙部Sの厚
みを測定する。吸引を停止した後、弁6aを開としたま
ま弁7aを開とし、注入ノズル7から空隙部Sの厚みと
浮き部5の面積から算定した量の接着剤9を注入する。
注入後、吸引ノズル6で再度吸引し、接着剤9を空隙部
Sの全域に万遍なく広げる。なお、タイル目地は気密層
8でシールしておく。接着剤の硬化時間が経過するまで
この状態を保つ。接着剤が硬化した後、ノズル6,7を
外し、孔を埋め、気密層8を除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物の内外壁又は
床等の浮き部に対して接着剤を充填し、補修するするよ
うにした浮き部の補修工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】建物の躯体構造物にあっては、気温の変
化等によって構造物の全体が熱膨張収縮を繰り返し、建
築後、十数年を経過したりすると、内外壁又は床等が躯
体構造物から界面剥離し、いわゆる浮きとなる現象が発
生することがある。このような浮きの現象は、例えば、
外壁の場合には、タイル張付モルタルと下地モルタルと
の界面において、またタイル張付モルタルとコンクリー
トとの界面において発生する。浮きをそのまま放置する
とタイルの脱落等に至るおそれがあるので、浮きの発生
している部分の補修を行うことが必要である。
【0003】従来浮きの発生している部分(以下は、浮
き部という)の補修は、次の四つの方法で行われてい
る。
【0004】(A)浮き部に対して外部から穿孔し、そ
こに高粘度の接着剤を加圧注入して浮き部を接着する方
法。 (B)浮き部に対して外部から穿孔し、そこに高粘度の
接着剤を加圧注入して浮き部を接着すると共に、アンカ
ーを打ち込み補修する方法。 (C)浮き部に対して外部から穿孔し、一方側から吸引
すると共に他方側から高粘度の接着剤を加圧注入し、浮
き部を接着する方法(特公平4−18103号公報、特
開平7−238689号公報、実用新案登録第3024
531号公報)。 (D)浮き部の全面を剥離除去し、以前と同じ仕上げ層
を形成する方法。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記(A)
の方法にあっては、高粘度の接着剤を高圧で注入するた
め、界面剥離を助長し、浮き部が膨らんだり、浮き部の
拡大を発生させるという問題があった。また前記(B)
の方法にあっては、タイルを貫通してアンカーを留め付
けるため、アンカーの頭部が外部から見える等の意匠上
の問題があった。更に、前記(C)の方法にあっては、
前述した公報に記載された技術等の多数の提案がある
が、いずれも加圧と吸入との圧力のバランス等が悪く、
実施に至っていないのが現状である。即ち、吸引と加圧
とを同時に行う場合、吸引圧により、浮き部が躯体構造
物に対して密着し、接着剤の注入が難しい。更にまた、
前記(D)の方法にあっては、浮き部の壁面を剥離除去
する工事と、新たに仕上げ層を形成する工事とが必要で
あり、しかも湿式で行うので工事が長期化するという欠
点と、産業廃棄物が大量に産出されるという欠点とがあ
った。
【0006】本発明は従来の前記課題に鑑みてこれを改
良除去したものであって、吸引と注入とを浮き部の状況
に応じて適切に行うことで、浮き部の確実な補修を可能
とする壁等の浮き部の補修工法を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の壁等の浮き部の
補修工法は、壁等の浮き部の空隙部に対して接着剤を注
入する壁等の浮き部の補修工法において、該浮き部の上
部及び下部にそれぞれ孔を設け、下部の孔から接着剤を
加圧注入し、次いで上部の孔から吸引を施して空隙部内
の接着剤を空隙部内に広げることを特徴とするものであ
る。
【0008】かかる本発明方法によると、下部の孔から
空隙部内に接着剤を注入する場合、該浮き部の上部の孔
を介して該空隙部内が大気に連通しているので、空隙部
内に接着剤が圧入されても空隙部が拡大する(膨れる)
ことがない。
【0009】本発明にあっては、浮き部の下部の孔から
接着剤を加圧注入し、次いで上部の孔から吸引を施して
空隙部内の接着剤を空隙部内に広げるので、接着剤を空
隙部内に十分に広げることができる。なお、この場合、
注入用の孔の周囲に接着剤注入用ノズル付きのパッドを
当てると共に該ノズルを該注入用の孔に差し込むように
しても良い。
【0010】本発明においては、空隙部からの空気の吸
引に伴なって生じる浮き部の後退量を求め、この後退量
に応じた量の接着剤を空隙部に注入するようにしても良
い。
【0011】本発明において用いる接着剤は粘度が50
0cP以下であり、且つ硬化時間が30分以内の速硬性
のものが好ましい。
【0012】本発明では、注入後の吸引を接着剤が硬化
するまで継続することで、接着剤の沈下や時間短縮が図
れ、効果が最大限に発揮される。
【0013】本発明では、接着剤を過剰に空隙部に注入
したときに吸い戻す機能を有した注入手段によって接着
剤を空隙部に注入するようにしても良い。
【0014】本発明方法においては、浮き部の前面に剥
離可能な気密層を形成しておき、吸引及び接着剤注入工
程において空隙部内の空気が漏入することを防止するの
が好ましい。この気密層は、補修終了後に剥せばよい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の構成を図面に示
す発明の実施の形態に基づいて説明する。図1は本発明
の一実施の形態に係る補修工法の途中を示すタイル壁面
の縦断面図である。なお、図1は模式的なものであり、
空隙部Sの間隔が拡大されて図示されている。実際の空
隙部Sの間隔は空隙面積及び壁面の剛性によって異なる
が、概ね0.5mm前後程度である。
【0016】本実施の形態にあっては、先ず、タイル壁
面1のタイル2及び張付モルタル10が建物躯体3の下
地モルタル4から剥離した部分(浮き部5)を探傷し、
その浮き部5の存在領域を測定する。測定は打診用テス
トハンマーによる診断や赤外線診断法、超音波診断法等
を利用して行う。この測定の結果、浮き部の面積が2m
2を超えると判断される場合には、浮き部5の全体を剥
離除去して新たに同じタイル壁面1を構築する方が効率
的である。これは壁面全体に占める剥離面積が大きく、
張り替えに要する施工性及び経済性が向上するためであ
る。
【0017】従って、この実施の形態では、浮き部5の
面積が2m2を下回る比較的小さい箇所の補修を対象と
する。
【0018】浮き部5の面積を測定した後は、効率の良
い接着剤の注入が行える加圧及び吸引の箇所を設定す
る。
【0019】次に、この設定した吸引箇所と加圧箇所の
タイル2の目地部に穿孔を行う。この穿孔を行うドリル
は、浮き部5を振動で崩解させないようにするため、振
動の小さいものを用いる。ドリルの冷却には、浮き部5
の空隙部S内に滞留することのない空気又はアルコール
を用いるのが好ましい。また、空隙部内に粉塵を入れな
いようにダスト吸引式のドリルを用いるのが好ましい。
【0020】穿孔後、一方の孔に吸引ノズル6を取り付
け、他方の孔に注入ノズル7を取り付ける。ノズル6,
7には弁6a,7aが設けられている。吸引ノズル6を
真空ポンプ(図示せず)に接続し、注入ノズル7を接着
剤の加圧注入装置(図示せず)へ連通接続する。
【0021】次いで、又はこれに先立って、前記浮き部
5の表面領域及びその周囲に、樹脂系材料ゴムラテック
スやストリッパブルペイントを塗付して気密層8を形成
する。この気密層8はエアー漏れと接着剤9の漏れを防
止する。ストリッパブルペイントとしては、ビニル系樹
脂、アセチルセルロース、合成ゴムラテックス等が公知
であり、これらの材料は、使用後に塗膜を容易に剥離除
去することが可能である。なお、この気密層8はタイル
2の目地部を覆うように設ければ足り、浮き部5の全面
に形成する必要はない。
【0022】然る後、浮き部の後退量を計測するための
計測器を設置し、弁6aを開、弁7aを閉とし、ノズル
6から空隙部S内の吸引を行う。これにより、浮き部5
が下地モルタル4に密着する。この時、計測器から空隙
部Sの厚さを求める。その後、吸引を停止する。なお、
弁6aは開放のままとしておく。
【0023】次に、弁7aを開とすると共に、加圧注入
装置を作動させ、ノズル7から接着剤9を加圧注入し、
空隙部Sに接着剤9を充填する。
【0024】この場合、空隙部S内が開放状態になって
いるから、接着剤9は空隙部Sを拡げることなく空隙部
S内に入り込む。なお、この注入工程においてもノズル
6からの吸引を継続した場合には、浮き部5が下地モル
タル4に密着してしまい、接着剤が空隙部S内に広がり
にくい。これに対し、注入工程において吸引を停止して
おくと、上記の通り、注入された接着剤が空隙部S内に
広く広がり、注入がスムーズに行なわれる。
【0025】この接着剤は粘度が500cP以下であ
り、且つ硬化時間が30分以内の速硬性のものが好まし
い。このようなものとしては、例えば、JIS A60
24のエポキシ系接着剤やアクリル系接着剤を用いるこ
とができる。なお、気温や壁面の温度によって硬化時間
が変わるため、接着剤としては、混合比によって或いは
硬化助剤によって硬化時間を調整できるものが好まし
い。
【0026】下側の注入ノズル7から空隙部S内へ注入
された接着剤9は、低粘度であるため空隙部S内の下部
に溜まる。この接着剤の注入後には、弁7aを閉とする
と共に、真空ポンプを作動させて空隙部S内を吸引す
る。これにより、浮き部5が下地モルタル4に向かって
引き付けられ、接着剤9が空隙部S内のほぼ全域に押し
広げられる。なお、接着剤が若干余分に注入されたとき
には、余分な接着剤は吸引ノズル6、もしくは弁7aを
開とした後、吸い戻し機能を作動させてノズル7から吸
引排出される。
【0027】接着剤9が硬化するまでこの吸引状態を保
ち、接着剤9の硬化時間が経過した後、ノズル6及び7
を取り外してその穿孔跡を閉塞し、またストリッパブル
ペイント等の気密層8を剥離除去する。この補修工事に
より、建物躯体3の下地モルタル4から界面剥離した浮
き部5のタイル2は、接着剤9によって下地モルタル4
と再び一体化される。
【0028】なお、上記の真空ポンプとしては、8kP
aよりも高真空度まで吸引できるものが好ましい。この
真空ポンプの手前側には、余分な接着剤がポンプ内に吸
込まれないようにするための切り替えコックや接着剤の
受け皿などを設けるのが好ましい。
【0029】上記の補修工法において、接着剤の注入量
は例えば次のようにして概算することができる。
【0030】即ち、ノズル6,7をセットすると共に、
気密層8を形成した後、弁7aを閉、弁6aを開とし、
真空ポンプを作動させて空隙部S内を吸引する。そうす
ると、浮き部5は下地モルタル4に密着し、浮き部5が
後退する。この浮き部5の後退量を計測し、この後退量
と空隙部Sの存在領域の面積(これは最初の浮き部5の
探傷により分っている。)とから空隙部Sの容積が概算
される。この空隙部Sの容積もしくはそれよりも若干多
い量を接着剤の注入量とする。
【0031】ノズル6,7を浮き部5の孔に差し込んだ
後、ノズル6,7の周囲と孔内周との間をシールする必
要があるが、このためには、ノズル6,7が中心部に挿
通されたパッドを用いても良い。このパッドをタイル壁
面の前面に密着させる。
【0032】上記の接着剤の注入装置としては、ゴム、
バネ又は圧搾空気による復元力によって接着剤が注入さ
れるものであって、加圧調整及び加圧速度を調整できる
ものが好ましい。また、グリスポンプやエア式の圧送ポ
ンプを用いても良い。この注入装置は、余分に接着剤が
注入された際にこれを吸い戻す機構を有することが望ま
しい。
【0033】なお、万一の接着不良に備え、アンカーピ
ンを併用しても良い。このアンカーピンとしては、注入
口付きアンカーピンよりも安価な芯棒付きアンカーがよ
い。このアンカーの取付は、接着剤を注入した後、接着
剤を併用して行うのが好ましい。
【0034】ところで、本発明は上述した実施の形態に
限定されるものではなく、適宜の変更が可能である。例
えば、上記実施の形態ではタイル壁面1の場合を説明し
たが、これは外壁及び内壁を含み、また床の場合であっ
ても同様である。また壁面、床等はタイル以外の仕上げ
材によって形成されるものであっても同様である。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の発明にあ
っては、壁等の浮き部の上部に空隙部を大気に連通する
孔を設け、浮き部の下部の孔から接着剤を注入するの
で、接着剤の注入によって浮き部の膨れや拡大を発生さ
せることがない。また、低粘度かつ速硬性ある接着剤を
注入し、その後、吸引を接着剤が硬化するまで継続する
ことにより、接着剤の沈下が防止されると共に、硬化の
ための養生が不要となり、工事の短縮・効率化が実現さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る工法を示すタイル
壁面の縦断面図である。
【符号の説明】
1 タイル壁面 2 タイル 3 建物躯体 4 下地モルタル 5 浮き部 6,7 ノズル 8 気密層 9 接着剤 10 張付モルタル

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 壁等の浮き部の空隙部に対して接着剤を
    注入する壁等の浮き部の補修工法において、 該浮き部の上部及び下部にそれぞれ孔を設け、下部の孔
    から接着剤を加圧注入し、次いで上部の孔から吸引を施
    して空隙部内の接着剤を空隙部内に広げることを特徴と
    する壁等の浮き部の補修工法。
  2. 【請求項2】 請求項1において、注入用の孔の周囲に
    接着剤注入用ノズル付きのパッドを当てると共に、該ノ
    ズルを該注入用の孔に差し込むことを特徴とする壁等の
    浮き部の補修工法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、注入に先立
    ち、空隙部内の空気を吸引し、この空気の吸引に伴なっ
    て生じる浮き部の後退量を求め、この後退量に応じた量
    の接着剤を空隙部に注入することを特徴とする壁等の浮
    き部の補修工法。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし3のいずれか1項におい
    て、接着剤は粘度が500cP以下であり、且つ硬化時
    間が30分以内の速硬性であることを特徴とする壁等の
    浮き部の補修工法。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし4のいずれか1項におい
    て、接着剤を過剰に空隙部に注入したときに吸い戻す機
    能を有した注入手段によって接着剤を空隙部に注入する
    ことを特徴とする壁等の浮き部の補修工法。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項におい
    て、注入後の吸引を接着剤が硬化するまで継続すること
    を特徴とする壁等の浮き部の補修工法。
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