JP2000309464A - シート排出装置、記録装置及び記録方法 - Google Patents

シート排出装置、記録装置及び記録方法

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JP2000309464A
JP2000309464A JP2000047608A JP2000047608A JP2000309464A JP 2000309464 A JP2000309464 A JP 2000309464A JP 2000047608 A JP2000047608 A JP 2000047608A JP 2000047608 A JP2000047608 A JP 2000047608A JP 2000309464 A JP2000309464 A JP 2000309464A
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Kazuo Saito
一夫 斉藤
Kazuhisa Takeda
和久 竹田
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】記録工程に続くシート排出工程において、シー
ト搬送時のシート保持力を失うことなく、シートの記録
面に従動ローラの接触に基づいて生じる凹みを目立たな
いように極力小さくすることができること。 【解決手段】 記録部を通ってきたシートを表裏両面か
ら挟持しつつ送り力を付与し、下流側に排出するシート
排出装置であって、前記シートの非記録面に接触しつつ
回転し、送り力を付与する駆動ローラ41と、該駆動ロ
ーラに対向して設けられ、シートの記録面に接触して該
シートを駆動ローラの方へ押圧する従動ローラ43とを
備え、従動ローラの周面には、多数の突起54がほぼ均
一に集合分散されて成り、該従動ローラが、前記シート
に押圧接触しているときに、前記押圧状態にある多数の
突起54がシートの記録面に多点接触して当該記録面に
及ぼす押圧力が、前記多点接触箇所にほぼ均等に分散さ
れること。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば写真並高画
質対応の光沢紙等に印刷するためのプリンタ等の記録装
置に用いられるシート排出装置及びそれを備えた記録装
置並びに記録方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年のプリンタでは、写真に近い高画質
を実現するまでに印刷技術が向上している。しかし、プ
リンタは、印刷工程での品質を向上させるだけでなく、
印刷部へ用紙等のシートを供給するシート供給工程、そ
れに続く印刷工程、更に印刷された用紙を機外に排出
(排紙)するシート排出工程の一連の流れを通して一定
の品質が維持されなければならない。特に、印刷された
用紙の排出工程では、印刷工程でなされた印刷の品質を
維持しながら搬送しなければならない点で重要である。
【0003】例えば写真画質対応の光沢紙やOHP用フ
ィルムなどシートは、それに写真画質の印刷を行う場
合、普通紙等に比べてインクの乾きに要する時間が長
い。そのため、写真画質の印刷を行えるインクジェット
プリンタ等においては、印刷されたシートを機外に排出
するためのシート排出装置は、印刷面に接触する従動ロ
ーラとして、厚さ約0.2mm程度の小円板の外周に先
端が鋭利な複数の歯が1列に周設された歯付きローラい
わゆるギザローラが用いられている。このギザローラ
は、送り出されるシートを挟んで駆動ローラと対向配置
され、鋭利な歯だけを印刷面に極めて小さい接触面積で
点状に接触させることにより、未乾燥の印刷面にギザロ
ーラの接触に基づくインク跡による汚れを残すことなく
確実にシートを搬送できるという利点を有する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、ギザローラの
鋭利な歯は、上述の有利な効果をもたらす反面、ギザロ
ーラ自体が一定圧でシートに押圧されているために、1
つ1つの歯がシート表面に接触したときの接触圧は非常
に大きなものとなる。即ち、前記ギザローラとシートと
の接触は、該ギザローラの外周に1列に設けられた前記
複数の歯の内の2〜3個程度であるため、該ギザローラ
を対向する駆動ローラに押し付ける力の全部が前記2〜
3個の歯部分に集中することになる。そのためギザロー
ラを通過したシートには該ギザローラとの接触部分に凹
みの列が形成されてしまう。この凹みの列は、ほとんど
目立たない程度のものではあるが、光沢面に一定の角度
から光が当たると、その反射光により凹凸の様子が浮か
び上がるように視認できるため、印刷、特に写真画質の
印刷としては、印刷の品質が劣るものとして評価される
場合がある。
【0005】一方、従来の排紙装置の回転体として、そ
の周面に不連続な複数の突起を散点状に突設したものが
存在する(特開平3−240577号公報)。この回転
体の突起は、回転体周面に付着したインクが紙などの記
録媒体に再転写されても、その軌跡を散点状に離散させ
て目立たないようにする趣旨から、回転体周面になるべ
く密度が小さくなるように突起が離散配置されている。
しかし、このような回転体の突起配列では、突起が疎ら
で少ないため、各突起に掛かる押圧荷重が大きくなり、
シートに比較的大きな凹みを生じさせ、印刷品質を低下
してしまうという問題がある。
【0006】本発明の目的は、記録工程に続くシート排
出工程において、シート搬送時のシート保持力を失うこ
となく、未乾燥の記録面に従動ローラの接触に基づくイ
ンク跡による汚れを残すことなく、更にシートの記録面
に従動ローラの接触に基づいて生じる凹みを目立たない
ように極力小さくすることができるシート排出装置およ
びそれを備えた記録装置並びに記録方法を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願請求項1に記載の発明に係るシート排出装置
は、記録装置の記録部の下流側に配設され、前記記録部
を通ってきた被記録材であるシートを表裏両面から押圧
状態で挟持しつつ該シートに送り力を付与し、当該シー
トを搬送方向の下流側に排出するシート排出装置であっ
て、前記シートの非記録面に接触しつつ回転し、この接
触回転により当該シートに送り力を付与する駆動ローラ
と、該駆動ローラに対向して設けられ、前記シートの記
録面に接触して該シートを前記駆動ローラの方へ押圧す
る従動ローラとを備え、前記従動ローラの周面には、多
数の突起がほぼ均一に集合分散されて成り、該従動ロー
ラが、前記シートに押圧接触しているときに、前記押圧
状態にある多数の突起が前記シートの記録面に多点接触
して当該記録面に及ぼす押圧力が、前記多点接触箇所に
ほぼ均等に分散されるように形成されていることを特徴
とする。
【0008】本発明によれば、前記従動ローラの周面に
は、多数の突起が縦横にほぼ均一に集合分散されている
ので、シートの搬送中に該シートと接触状態になる突起
の数は、1つの従動ローラ当たり、シートの搬送方向及
び幅方向(主走査方向)に渡って多数に上る。その結
果、記録部で記録されたシートを搬送する際に、従動ロ
ーラによる該シートの記録面への押圧力が、該従動ロー
ラ周面に集合分散された多数の突起にほぼ均一に分散さ
れるから、個々の突起に掛かる押圧力は比較的小さなも
のとなる。従って、個々の突起は、押圧接触したシート
表面に深い凹みを形成するまでには至らない。
【0009】また、シート排出時に該シートの送り方向
及び幅方向に常時一様に多点接触しているため、該シー
トを真っ直ぐ搬送する確実性を増すことができると共
に、前記押圧力の均一分散が確実に実現でき、一層記録
面の高品質を維持しやすくなる。尚、言うまでもなく、
従動ローラは、各突起においてシートの記録面に極めて
小さい面積で点接触するため、該記録面が乾いていなく
ても、記録面にインク跡による汚れを残すことがない。
【0010】また、本願請求項2に記載の発明は、請求
項1に記載されたシート排出装置において、前記突起
は、耐摩耗性粒子により構成され、該耐摩耗性粒子が固
着材により従動ローラの基体に固着されていることを特
徴とする。本発明によれば、前記突起は、耐摩耗性粒子
を固着材により従動ローラの基体に固着させることで形
成されているので、その製造が簡単である。
【0011】また、本願請求項3に記載の発明は、請求
項2に記載されたシート排出装置において、前記突起を
構成するための前記耐摩耗性粒子は、アルミナ、炭化珪
素等のセラミックから成ることを特徴とする。本発明に
よれば、この種のセラミックから成る耐摩擦性粒子を用
いて該突起を形成したので、光沢フィルム等の滑らかな
シートに対してもシート表面との間で高い摩擦力を生
じ、シートが搬送中にずれることない。
【0012】また、本願請求項4に記載の発明は、請求
項2又は3に記載されたシート排出装置において、前記
突起を構成するための前記耐摩耗性粒子は、その粒径が
主として20μm〜80μmのものであり、且つ前記突
起が集合分散されて成る前記従動ローラ周面での当該突
起の分布密度は、20%〜80%であることを特徴とす
る。
【0013】本発明によれば、粒径が主として20μm
〜80μmの耐摩耗性粒子を用いて当該突起を形成した
ので、該突起がシートに接触することによって生じる凹
みの大きさも同じ程度のものになり、記録面に一定の角
度から光を当ててその反射光を見てもほとんど視認でき
なくすることができる。ここで、「主として20μm〜
80μm」における「主として」の意味は、割合として
粒径20μm〜80μmの範囲のものが主要部を成すと
いうことで、この範囲外の粒径のものは全く含まないと
いう厳格なものではないということである。もっと大き
な粒径の耐摩耗性粒子が僅かに混在していても、そのよ
うな場合は前記凹みも大きくなるが、疎らに存在するこ
とで、その接触跡が目立たなければ実質的にほとんど問
題ないからである。
【0014】更に、前記の如く突起を極めて小粒径のも
のにしたことから、当該突起の分布密度が小さいと、該
突起が針のようにシートに刺さって従動ローラの基体表
面までシートに接触してしまう事態が生じる虞がある
が、本発明によれば、前記従動ローラ周面での当該突起
の分布密度を20%〜80%としたので、前記の如く、
該突起は小径ではあるが高密度で存在するので、当該突
起だけをシートに接触させ,該従動ローラの基体表面ま
ではシートに接触しない状態を容易に実現することがで
きる。
【0015】ここで、分布密度とは、例えば、縦100
0μm、横1000μmの広さの面に、粒径50μmの
粒子を縦に10個および横に10個、一定間隔で並べた
状態が50%、同じく粒径50μmの粒子を縦に20個
および横に20個、一定間隔で並べた状態が100%と
言うように決まる意味での密度である。
【0016】また、本願請求項5に記載の発明は、請求
項4に記載されたシート排出装置において、前記突起
は、その粒径が選択された粒径A(μm)を中心に±2
0%の範囲で揃えられた耐摩耗性粒子から成ることを特
徴とする。このように粒子の大きさを揃えたので、従動
ローラの外周面の周方向および軸線に平行な方向の全体
に渡って外径の均一性を容易に且つ充分に確保すること
ができる。
【0017】また、本願請求項6に記載の発明は、請求
項1に記載されたシート排出装置において、前記突起が
前記従動ローラの周面のブラスト処理により形成されて
いることを特徴とする。本発明によれば、元々滑らかな
曲面である従動ローラの基体周面に、ブラスト処理によ
り均一な細かい凹凸が複数形成される。突起に相当する
凸部は元々同一面上に位置していた部分であるため、こ
のようにして形成された突起は高さがほぼ一定である。
従って、各突起はシートの表面に、より一様な押圧力で
接触するから、シートの一部だけが凹むことが確実に防
止できる。
【0018】また、本願請求項7に記載の発明は、請求
項1〜6のいずれか1項に記載されたシート排出装置に
おいて、前記突起によりシートの記録面に生じる接触痕
跡の大きさが、ほぼ60μm以下となるように該突起の
大きさ、分布密度および前記従動ローラの前記駆動ロー
ラへの押圧力の大きさの関係が設定されていることを特
徴とする。
【0019】前記突起によりシートの記録面に生じる接
触痕跡の大きさを、ほぼ60μm以下となるようにする
と、その接触痕跡は、反射光が当たってもほとんど目立
たなくなる。本発明によれば、この接触痕跡の大きさに
関係する因子である前記突起の大きさ、分布密度および
前記従動ローラの前記駆動ローラへの押圧力の大きさを
上記のように設定したので、シートの記録面に上記接触
痕跡が付くが、写真並の高画質印刷を行った場合でもそ
の痕跡を問題ないものとすることができる。
【0020】また、本願請求項8に記載の発明は、請求
項1〜7のいずれか1項に記載されたシート排出装置に
おいて、前記突起がランダムに配置されていることを特
徴とするものである。本発明のように、個々の突起の配
置を気にせずに比較的ランダムに配置することで、全体
的には、ほぼ均一に集合分散させることが可能であるの
で、その製造を簡単化することができる。なお、前記突
起が縦横に等間隔、または千鳥状に等間隔といったよう
に規則的に配置されていても良いことは勿論である。
【0021】また、本願請求項9に記載の発明に係る記
録装置は、シート供給部と、記録部と、シート排出装置
とを備え、前記シート供給部に貯留されたシートを前記
記録部へ供給して記録し、その後前記シート排出装置か
ら該シートを排出する記録装置において、前記シート排
出装置は、請求項1から8のいずれか1項に記載された
ものから成ることを特徴とする。当該記録装置において
も請求項1から8のいずれかに記載された作用効果が得
られる。
【0022】また、本願請求項10に記載の発明は、請
求項9において、該記録装置は、写真並の高画質印刷が
可能なインクジェットプリンタであることを特徴とす
る。本発明によれば、前記シート排出装置が前記各作用
効果を得られることによって、当該インクジェットプリ
ンタで写真並の高画質の記録(印刷)を行った場合に、
その高画質を低下することなくシートを機外に排出する
ことができる。
【0023】また、本願請求項11に記載の発明に係る
記録方法は、写真並の高画質印刷対応のシートを記録部
へ供給する工程と、供給されたシートに記録部で記録を
行う記録工程と、記録されたシートを排出する排出工程
とを備える記録方法において、前記排出工程は、前記シ
ートを駆動ローラと従動ローラの対で表裏両面から押圧
状態で挟持し、該シートの非記録面に接触する前記駆動
ローラを回転させると共に、該シートの記録面に接触す
る前記従動ローラを、該従動ローラの表面にほぼ均一に
集合分散形成された多数の突起の各々が前記記録面にほ
ぼ均等な押圧力を及ぼすように押圧させながら、前記駆
動ローラに従動回転させる工程を備えることを特徴とす
る。
【0024】本発明によれば、シートの排出工程中に、
従動ローラの周面に在る多数の突起に押圧力が均等に分
散された状態でシートの記録面に接触する。従って、各
突起に掛かる押圧力は小さなものとなり、シート表面に
大きな凹みを残すことがない。すなわち、写真並の高画
質印刷を実現することができる。またシートの幅方向に
もほぼ均一の押圧力で突起が多点接触するから、シート
送りの偏りもなくなる。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。図1は本発明に係る
インクジェットプリンタの一実施の形態を示す概略側面
図であり、図2は同プリンタのシート搬送装置及びシー
ト排出装置の周辺を拡大して示す側面図であり、図3は
同プリンタのシート搬送装置及びシート排出部の周辺を
拡大して示す概略平面図である。
【0026】このインクジェットプリンタ1は、被記録
材である光沢紙等のシートSを送り出すシート供給部3
と、このシート供給部3から送り出されたシートSの表
面すなわち記録面にインクを吐出して文字や画像を形成
する記録部である印刷部4と、この印刷部4で印刷され
たシートSを機外に排出するシート排出装置5とを備え
て成る。
【0027】シート供給部3は、側面視D型の給紙ロー
ラ7と、該給紙ローラ7に向けてシートSを付勢するホ
ッパ(図示せず)と、給紙ローラ7との間でシートSを
挟圧してシートSを分離する分離パッド9とを備えてい
る。ホッパには複数枚のシートSがセットされており、
シート供給時には1回転する給紙ローラ7に向けてシー
トSがホッパにより押圧され、分離パッド9で分離され
て、1枚のシートSだけが印刷部4側へ供給されるよう
になっている。
【0028】給紙ローラ7の下流側には、第1サブフレ
ーム11に取り付けられた下ガイド13とメインフレー
ム15に取り付けられた上ガイド17とが設けられ、シ
ートSは、これら両ガイド13,17に案内されてシー
ト搬送装置19へ至るようになっている。シート搬送装
置19は、シートSの搬送路の下側に位置する高摩擦ロ
ーラ21と、その上側に対向して設けられる従動ローラ
23とを備えている。
【0029】高摩擦ローラ21は、駆動ローラであり、
その表面に粒径がほぼ均一に揃えられた耐摩耗性粒子が
ほぼ均一に分散されており、これによりシートSを確実
に精度良く搬送できる。また、従動ローラ23は、上ガ
イド17の先端部に高摩擦ローラ21の軸線と平行な状
態で回転可能に支持されている。該上ガイド17は、支
持軸25に回動可能に取り付けられている。そして、該
支持軸25に、ねじりバネ27が設けられることによ
り、該ねじりバネ27の先端部29が上ガイド17の先
端側に作用して該上ガイド17に支持されている従動ロ
ーラ23を常時、高摩擦ローラ21側へ付勢している。
この付勢力により両ローラ21,23は、シート搬送装
置19を通過するシートSを押圧状態で挟持し、その回
転により該シートSに送り力を付与し、印刷部4へ送り
出すことができると共に、印刷工程におけるシート送り
をコントロールするようになっている。
【0030】印刷部4は、メインフレーム15とキャリ
ッジガイド軸31とに支持されるキャリッジ33を備
え、該キャリッジ33の下端に印字及び印画可能な印字
ヘッド35が取り付けられている。またキャリッジ33
にはインクタンク37が搭載されている。キャリッジ3
3は、主走査方向(紙面と直交する方向)に移動可能で
あり、その印字動作は、該キャリッジ33の移動に伴
い、印字ヘッド35からインクを吐出することにより1
走査分の印字を行い、この1走査分の印字が行われる毎
にシート搬送装置19が所定ピッチだけシートSを前方
へ送り出すようになっている。印字ヘッド35と対向す
る位置には規定部材39が設けられている。この規定部
材39は、シートSの下面を支持して案内するととも
に、シートSと印字ヘッド35との間隔を規定する役割
を果たす。
【0031】次に、印字ヘッド35の下流側に位置し、
前記印刷部4の部分を通ってきたシートSを表裏両面か
ら押圧状態で挟持しつつ該シートSに送り力を付与し、
当該シートSを搬送方向の下流側に排出するシート排出
装置5の具体的構造について説明する。シート排出装置
5は、図1乃至図3に示す如く、シートSの搬送路の下
側に位置する駆動ローラ41と、該駆動ローラ41の上
側に位置する複数の従動ローラ43との対から構成され
ている。この例では、従動ローラ43は、第2サブフレ
ーム44に支持されるホイール軸45に取り付けられて
いる。
【0032】従動ローラ43は、図4及び図5に示す如
く、該従動ローラ43の基体であるほぼ円柱状外形のホ
イール基部47の外周面に摩擦層49が形成されてい
る。ホイール基部47は、金属、ゴムまたはプラスチッ
ク等の材料から構成されている。本実施の形態では、摩
擦層49は、図4及び図5に示す如く、前記ホイール基
部47の円周外面全体に塗布されて強固に固着した固着
材51の中に、耐摩耗性粒子53がほぼ均一に集合分散
されることにより構成されている。このように該摩擦層
49には、耐摩耗性粒子53が存在することにより、そ
の表面に多数の突起54が群集形成されている。耐摩耗
性粒子53の素材は、本実施の形態ではアルミナ、炭化
珪素等のセラミックから成る。これにより、シート送り
をする際にシート表面に確実に食い込み、シートのスリ
ップを防止することができる。
【0033】前記突起54を構成するための耐摩耗性粒
子53は、その粒径が主として20μm〜80μmのも
のであり、この例では50μmのものを中心に粒径が揃
えられ、且つ前記突起54が集合分散されて成る前記従
動ローラ43の周面での当該突起54の分布密度は、2
0%〜80%の範囲内の50%である。このように、粒
径が主として20μm〜80μmの耐摩耗性粒子53を
用いて当該突起54を形成したので、該突起54がシー
トSに接触することによって生じる凹みの大きさも同じ
程度のものになり、シートSの記録面に一定の角度から
光を当ててその反射光を見ても前記凹みをほとんど視認
できなくすることができる。
【0034】ここで、「主として20μm〜80μm」
における「主として」の意味は、既に説明したように、
割合として粒径20μm〜80μmの範囲のものが主要
部を成すということで、この範囲外の粒径のものは全く
含まないという厳格なものではないということである。
【0035】更に、前記従動ローラ43の周面での当該
突起54の分布密度を50%としたので、前記の如く、
該突起54は小径ではあるが高密度で存在するので、当
該突起54だけをシートに接触させる状態を容易に実現
することができる。ここで、「分布密度」の意味は既に
説明したものである。少し具体的に説明すると、30g
程度の重さに相当する力で従動ローラ43を、対向する
駆動ローラ41に押し付けることが一般的に行われてい
るが、上記の如く粒径と分布密度を設定することによ
り、当該突起54だけをシートSに接触させ、該従動ロ
ーラ43の基体表面まではシートSに接触しない状態を
容易に実現することができる。
【0036】耐摩耗性粒子53は、鋭く尖った形状で、
その粒径はほぼ均一に揃えられている。この粒径の均一
性と耐摩耗性粒子53の均一分散とにより、従動ローラ
43の軸線方向での任意の断面形状がほぼ円形となり、
しかもその直径寸法が均一であるようになっている。な
お耐摩耗性粒子53の粒径は、粒径A[μm]を中心に±
20%の範囲で粒径が揃っていれば従動ローラ43の直
径の均一性に影響がないことが確認されている。本実施
の形態では、A[μm]=50[μm]である。
【0037】ここで、突起54を構成する耐摩耗性粒子
53の均一分散状態について説明する。耐摩耗性粒子5
3は、従動ローラ43の円周方向(回転方向)にほぼ均
一に分散しているとともに、従動ローラ43の軸線に平
行な方向(円周面の幅方向)にもほぼ均一に分散してい
る。換言すれば、従動ローラ43の円周面の任意の単位
領域を考えた場合、該単位領域内に存在する耐摩耗性粒
子53の密度がほぼ一定になっている。本実施の形態で
は摩擦層49の表面における任意の領域での耐摩耗性粒
子53の分布密度は50%であるが、耐摩耗性粒子53
の分布密度は20%〜80%の範囲で変えることができ
る。
【0038】また従動ローラ43の周面上での耐摩耗性
粒子53の配置は、図4に示す実施の形態では不規則
(ランダム)に配置されているが、耐摩耗性粒子53を
縦横に等間隔に配置したり、千鳥状に等間隔に配置する
など、規則正しい配置でもよい。因みに上記のように耐
摩耗性粒子53が従動ローラの周面上にほぼ均一に分散
されていることにより、シート送り中に特定の耐摩耗性
粒子53だけに押圧負荷が集中的に掛かり、それによっ
てその部分が他より大きく凹んでしまう虞を無くすこと
ができる。
【0039】固着材51は、耐摩耗性粒子53を分散さ
せて強固に従動ローラ43の表面に固着させるためのも
ので、このような機能を備えるものを適宜選択すること
ができる。この例としては塗料を含む意味での接着剤を
使用することもできる。具体的には、熱硬化型エポキシ
系接着剤、室温硬化型アクリル系接着剤、UV硬化型ポ
リウレタン系接着剤、あるいは2液反応型エポキシ系接
着剤などが挙げられる。
【0040】ここで図4及び図5に示した従動ローラ4
3の製造方法の一例を示すと、耐摩耗性粒子53を混入
させた流動性状態の固着材51をホイール基部47の周
面に直接噴霧し、乾燥させることにより摩擦層49が形
成できる。固着材51として熱硬化型の接着剤を適用す
る場合には、加熱処理(例えば160℃で20分間)し
て固着材51を従動ローラ43の表面55に強固に固着
させて一体化する。なお、常温硬化型やUV硬化型の接
着剤を固着材51として用いる場合には、各接着剤に合
った条件下で硬化処理を行う。
【0041】また従動ローラ43の表面に突起54を形
成する他の方法として、従動ローラ43のホイール基部
47の表面をブラスト処理する方法がある。即ち、従動
ローラ43のホイール基部47の滑らかな周面にケイ砂
等のブラスト材を流動化させた状態で衝突させ、周面に
均一な凹凸を形成するようにする。この結果、周面に形
成された凸部分が突起54となる。このようにして形成
された突起の先端は、元々ホイール基部47の一様な外
周面を構成していた部分でありブラスト処理により研削
されなかった部分であるから、該突起の先端は、同一曲
面上に位置することになる。従って、該突起がシートの
印刷面に当接するときには、多数の突起全体に均一に押
圧荷重が分配されるから、シートの一部に押圧荷重が偏
って大きな凹みを形成する虞が少ない。
【0042】次に、上記実施の形態に係るシート排出装
置およびインクジェットプリンタの作用を説明する。ま
ずホッパにセットされたシートSは、給紙ローラ7が回
転することにより、分離パッド9の作用で一枚づつ印刷
部4側へ供給される。印刷工程では、シートSは、高摩
擦ローラ21のステップ回転駆動により、例えば印字ヘ
ッド35の1走査分又は往復走査分に相当する長さだけ
ステップ的に送り出される。印刷部4ではキャリッジ3
3が移動することにより、印字ヘッド35がシートSの
上面に1走査分又は往復走査分の印刷を行い、その後、
高摩擦ローラ21のステップ回転駆動とキャリッジ33
の往復動により、順次シートSに印刷を行っていく。
【0043】図1に示す如く、シートSの先端がシート
排出装置5に至ると、シートSは駆動ローラ41と従動
ローラ43との対で送り力を受け、両ローラ41,43
の間を通過していく。このときシートSは、従動ローラ
43から一定の押圧力を受けて該従動ローラ43と駆動
ローラ41との間に軽く挟持されながら進行するととも
に、シートSの印刷面には従動ローラ43の突起54が
圧接する。
【0044】前記従動ローラ43の周面には、多数の突
起54が縦横にほぼ均一に集合分散されているので、シ
ートSの搬送中に該シートSと接触状態になる突起54
の数は、1つの従動ローラ43当たり、シートSの搬送
方向及び幅方向(主走査方向)に渡って多数に上る。そ
の結果、印刷部4で印刷されたシートSを搬送する際
に、従動ローラ43による該シートSの印刷面への押圧
力が、該従動ローラ周面に集合分散された多数の突起5
4にほぼ均一に分散されるから、個々の突起54に掛か
る押圧力は比較的小さなものとなる。従って、個々の突
起54は、押圧接触したシート表面に深い凹みを形成す
るまでには至らない。
【0045】また、シート排出時に該シートSの送り方
向及び幅方向に常時一様に多点接触しているため、該シ
ートSを真っ直ぐ搬送する確実性を増すことができると
共に、前記押圧力の均一分散が確実に実現でき、一層印
刷面の高品質を維持しやすくなる。
【0046】また、本実施の形態によれば、粒径が主と
して20μm〜80μmの耐摩耗性粒子53を用いて当
該突起54を形成したので、該突起54がシートSに接
触することによって生じる凹みの大きさも同じ程度のも
のになり、印刷面に一定の角度から光を当ててその反射
光を見てもほとんど視認できなくすることができる。
【0047】更に、前記の如く突起54を極めて小粒径
のものにしたことから、当該突起54の分布密度が小さ
いと、該突起54が針のようにシートに刺さって従動ロ
ーラ43の基体表面55までシートSに接触してしまう
事態が生じる虞があるが、本実施の形態によれば、前記
従動ローラ43周面での当該突起54の分布密度を20
%〜80%としたので、前記の如く、該突起54は小径
ではあるが高密度で存在するので、当該突起54だけを
シートSに接触させ,該従動ローラ43の基体表面まで
はシートSに接触しない状態を容易に実現することがで
きる。
【0048】また、本実施の形態では、前記突起54
は、その粒径が選択された粒径50μmを中心に±20
%の範囲で揃えられた耐摩耗性粒子53から成り、この
ように粒子の大きさを揃えたので、従動ローラ43の外
周面の周方向および軸線に平行な方向の全体に渡って外
径の均一性を容易に且つ充分に確保することができる。
また従動ローラ43の突起部54は、シートSの幅方向
にわたってほぼ等しい押圧力でシートを押圧するため、
シートSの幅方向の全体が駆動ローラ41から等しい駆
動力を受けてシートSの直進性が担保される。
【0049】また、上記実施の形態を含めて、前記突起
54によりシートSの印刷面に生じる接触痕跡の大きさ
が、ほぼ60μm以下となるように該突起54の大き
さ、分布密度および前記従動ローラ43の前記駆動ロー
ラ41への押圧力の大きさの関係を設定したものは、以
下の作用効果が得られる。前記突起54によりシートS
の印刷面に生じる接触痕跡の大きさを、ほぼ60μm以
下となるようにすると、その接触痕跡は、反射光が当た
ってもほとんど目立たなくなる。そこで、この接触痕跡
の大きさに関係する因子である前記突起54の大きさ、
分布密度および前記従動ローラ43の前記駆動ローラ4
1への押圧力の大きさを上記のように設定したものは、
シートSの印刷面に上記接触痕跡が付くが、写真並の高
画質印刷を行った場合でもその痕跡を問題ないものとす
ることができる。
【0050】また、シートSが写真画質対応(高画質)
の光沢紙などである場合には、印刷面のインクが乾かな
い状態で印刷面に突起54が接触することになる。この
場合、突起54にインクが付着してこのインクが印刷面
の他の部分に再付着する可能性がある。しかし各突起5
4に掛かる押圧力が小さいため、突起54は印刷面と点
で接触するのみである。そのため点接触により突起54
に付着するインクの量では突起54上で直ちに乾燥して
しまい、再付着の可能性は極めて小さい。また、例え突
起54に付着したインクが印刷面に再付着しても、視覚
的に目立つものとはならない。このようにしてシートS
は、駆動ローラ41により非印刷面となる裏面側から送
り力を受け、おもて面(印刷面)側は、従動ローラ43
の突起54による多点接触状態での押圧を受けながら進
行し、印刷面の品質を維持した状態で排出される。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、従動ローラの周面に
は、多数の突起が縦横にほぼ均一に集合分散されている
ので、シートの搬送中に該シートと接触状態になる突起
の数は、1つの従動ローラ当たり、シートの搬送方向及
び幅方向(主走査方向)に渡って多数に上る。その結
果、記録部で記録されたシートを搬送する際に、従動ロ
ーラによる該シートの記録面への押圧力が、該従動ロー
ラ周面に集合分散された多数の突起にほぼ均一に分散さ
れるから、個々の突起に掛かる押圧力は比較的小さなも
のとなる。従って、個々の突起は、押圧接触したシート
表面に深い凹みを形成するまでには至らない。
【0052】また、シート排出時に該シートの送り方向
及び幅方向に常時一様に多点接触しているため、該シー
トを真っ直ぐ搬送する確実性を増すことができると共
に、前記押圧力の均一分散を確実に実現することがで
き、一層記録面の高品質を維持しやすくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るインクジェットプリンタの一実施
の形態を示す概略側面図である。
【図2】同プリンタのシート搬送装置及びシート排出装
置の周辺を拡大して示す概略側面図である。
【図3】同プリンタのシート搬送装置及びシート排出装
置の周辺を拡大して示す概略平面図である。
【図4】シート排出装置における従動ローラの拡大斜視
図である。
【図5】シート排出装置における駆動ローラと従動ロー
ラとの間をシートが搬送されていく様子を示す拡大断面
図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ 3 シート供給部 4 印刷部 5 シート排出装置 19 シート搬送装置 35 印字ヘッド 41 駆動ローラ 43 従動ローラ 49 摩擦層 51 固着材 53 耐摩擦性粒子 54 突起 55 ホイール表面

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録装置の記録部の下流側に配設され、
    前記記録部を通ってきた被記録材であるシートを表裏両
    面から押圧状態で挟持しつつ該シートに送り力を付与
    し、当該シートを搬送方向の下流側に排出するシート排
    出装置であって、 前記シートの非記録面に接触しつつ回転し、この接触回
    転により当該シートに送り力を付与する駆動ローラと、 該駆動ローラに対向して設けられ、前記シートの記録面
    に接触して該シートを前記駆動ローラの方へ押圧する従
    動ローラと、を備え、 前記従動ローラの周面には、多数の突起がほぼ均一に集
    合分散されて成り、該従動ローラが、前記シートに押圧
    接触しているときに、前記押圧状態にある多数の突起が
    前記シートの記録面に多点接触して当該記録面に及ぼす
    押圧力が、前記多点接触箇所にほぼ均等に分散されるよ
    うに形成されていることを特徴とするシート排出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記突起は、耐摩耗
    性粒子により構成され、該耐摩耗性粒子が固着材により
    従動ローラの基体に固着されていることを特徴とするシ
    ート排出装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記突起を構成する
    ための前記耐摩耗性粒子は、アルミナ、炭化珪素等のセ
    ラミックから成ることを特徴とするシート排出装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3において、前記突起を構
    成するための前記耐摩耗性粒子は、その粒径が主として
    20μm〜80μmのものであり、且つ前記突起が集合
    分散されて成る前記従動ローラ周面での当該突起の分布
    密度は、20%〜80%であることを特徴とするシート
    排出装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、前記突起は、その粒
    径が選択された粒径A(μm)を中心に±20%の範囲
    で揃えられた耐摩耗性粒子から成ることを特徴とするシ
    ート排出装置。
  6. 【請求項6】 請求項1において、前記突起が前記従動
    ローラの周面のブラスト処理により形成されていること
    を特徴とするシート排出装置。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか1項において、
    前記突起によりシートの記録面に生じる接触痕跡の大き
    さが、ほぼ60μm以下となるように該突起の大きさ、
    分布密度および前記従動ローラの前記駆動ローラへの押
    圧力の大きさの関係が設定されていることを特徴とする
    シート排出装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項において、
    前記突起がランダムに配置されていることを特徴とする
    シート排出装置。
  9. 【請求項9】 シート供給部と、記録部と、シート排出
    装置とを備え、前記シート供給部に貯留されたシートを
    前記記録部へ供給して記録し、その後前記シート排出装
    置から該シートを排出する記録装置において、 前記シート排出装置は、請求項1から8のいずれか1項
    に記載されたものから成ることを特徴とする記録装置。
  10. 【請求項10】 請求項9において、該記録装置は、写
    真並の高画質印刷が可能なインクジェットプリンタであ
    ることを特徴とする記録装置。
  11. 【請求項11】 写真並の高画質印刷対応のシートを記
    録部へ供給する工程と、供給されたシートに記録部で記
    録を行う記録工程と、記録されたシートを排出する排出
    工程とを備える記録方法において、 前記排出工程は、前記シートを駆動ローラと従動ローラ
    の対で表裏両面から押圧状態で挟持し、該シートの非記
    録面に接触する前記駆動ローラを回転させると共に、該
    シートの記録面に接触する前記従動ローラを、該従動ロ
    ーラの表面にほぼ均一に集合分散形成された多数の突起
    の各々が前記記録面にほぼ均等な押圧力を及ぼすように
    押圧させながら、前記駆動ローラに従動回転させる工程
    を備えることを特徴とする記録方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007137561A (ja) * 2005-11-16 2007-06-07 Ricoh Elemex Corp シート排出装置
JP2012218902A (ja) * 2011-04-11 2012-11-12 Duplo Seiko Corp 両面印刷装置

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JP2007137561A (ja) * 2005-11-16 2007-06-07 Ricoh Elemex Corp シート排出装置
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