JP2000314839A - レーザ走査型顕微鏡 - Google Patents

レーザ走査型顕微鏡

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JP2000314839A
JP2000314839A JP11124737A JP12473799A JP2000314839A JP 2000314839 A JP2000314839 A JP 2000314839A JP 11124737 A JP11124737 A JP 11124737A JP 12473799 A JP12473799 A JP 12473799A JP 2000314839 A JP2000314839 A JP 2000314839A
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fluorescence
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Takehiro Yoshida
剛洋 吉田
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学フィルタや高度な位置再現精度を要する
機械駆動部を必要とせず、励起波長や蛍光色素の各種組
み合わせに対しても装置構成の変更を必要としない、多
重染色された標本の多重励起蛍光像を一つの光検出装置
でも高いS/Nをもって得ることの出来る、簡易な構成
のレーザ走査型顕微鏡を提供する。 【解決手段】 標本8から異なる波長域の蛍光を発生さ
せ得るレーザ光源14,15と、標本8から発した蛍光
を検出し得る光検出装置26と、標本8と光検出装置2
6との間に配置されていて標本8からの光をスペクトル
分解するプリズム22と、プリズム22と光検出装置2
6との間に配置されていてスペクトル分解された標本か
らの各種の光を夫々受けて蛍光のみを光検出装置26へ
向けて反射し得る複数の微小ミラー素子25から成るミ
ラーアレイ24と、光検出装置26からの出力をサンプ
リングする出力信号処理装置31とを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ走査型顕微
鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、蛍光検出装置は、医学及び生物
学を初めその他の分野において、生物組織や細胞上で蛍
光標識を施した蛋白質や遺伝子等を検出する目的で広く
用いられている。特に、近年では、複数の蛍光色素で染
色した標本を一度に観察する多種蛍光検出が、遺伝子の
解析や細胞内構造の解明に威力を発揮している。これら
蛍光検出の有効手段としてレーザ走査型顕微鏡が公知で
ある。
【0003】図9は、これら蛍光検出用レーザ走査型顕
微鏡の代表例の光学系を示しているが、図中、互いに異
なる発振波長を有する三つのレーザ発振器1a,1b,
1cから射出された三種類のレーザビームは、結合用ダ
イクロイックミラー2a,2bにより共通の光軸上に結
合された後、ビームエキスパンダー3を通り、適当なビ
ーム径に拡大されてダイクロイックミラー4で反射さ
れ、ガルバノメータミラー等のX−Y走査光学系5で偏
向され、瞳リレーレンズ6及び対物レンズ7を介して集
光されて、標本8上に照射されることにより、標本8は
レーザスポットで走査される。レーザビームの照射によ
り励起された標本8からの蛍光は、対物レンズ7からダ
イクロイックミラー4に至る経路を戻り、ダイクロイッ
クミラー4を透過し、分光用ダイクロイックミラー9a
で分光される。ダイクロイックミラー9aで反射された
一方の蛍光は、結像レンズ10aで集光され、共焦点絞
り11aを通って、吸収フィルタ12aにより目的とす
る第一の蛍光以外の波長の蛍光が吸収または反射された
後、光検出器13aでその強度が検出される。
【0004】共焦点絞り11aは、対物レンズ7の焦点
位置と光学的に共役な位置に配置されて、レーザスポッ
トで励起された蛍光以外の光を遮断するため、得られる
画像は非常にコントラストが高く、更に、標本8と対物
レンズ7との間の距離を相対的に光軸方向に変えること
によって三次元像を得ることが出来るようになる。他
方、ダイクロイックミラー9aを透過した蛍光は、ダイ
クロイックミラー9bで更に分光され、ダイクロイック
ミラー9bで反射された蛍光は、結像レンズ10bで集
光され、共焦点絞り11bを通り、目的とする第二の蛍
光のみを透過させる吸収フィルタ12bを経て、光検出
器13bにより光強度が検出される。また、ダイクロイ
ックミラー9bを透過した蛍光は、結像レンズ10cで
集光され、共焦点絞り11cを通り、目的とする第三の
蛍光のみを透過させる吸収フィルタ12cを経て、光検
出器13cで検出される。
【0005】この光学系では、各レーザ発振器1a,1
b,1cから射出される三波長のレーザビームによる三
重励起蛍光の同時検出が可能であり、レーザ波長の変
更,蛍光色素の種類や励起レーザ波長の数等、多重励起
の状態が変わる毎にダイクロイックミラー2a,2b,
4、分光用ダイクロイックミラー9a,9b、吸収フィ
ルタ12a,12b,12cは最適な分光特性を有する
ものに変更される。
【0006】しかしながら、光学フィルタを用いる上記
従来の蛍光用レーザ走査型顕微鏡は下記の如き問題点を
有する。即ち、1)光学フィルタは、製造上の制限から
自在にその分光特性を決定することができないので、蛍
光光量やS/Nに限界がある。特に、吸収フィルタでは
励起光を完全に遮断する必要があるが、励起波長近傍の
最も蛍光強度が強い波長領域の蛍光を光量損失なしに透
過させるように設計し製造することは不可能であるこ
と、2)励起波長、蛍光色素毎に専用の高価な光学フィ
ルタを用意せねばならず、様々な多重励起を想定した場
合はフィルタ枚数の膨大化、装置構成の複雑化及び大型
化が避けられないこと、3)図9から明らかなように、
蛍光用レーザ走査型顕微鏡では、多重蛍光の分光は複数
の光学フィルタを介して行われるため、蛍光が光検出器
に到達するまでに相当の光量損失があること、等であ
る。
【0007】従来、これらの問題点を改善すべく光学フ
ィルタを用いずに複数の蛍光波長を選択、検知する手段
が提案されている。即ち、特表平9−502269号公
報に開示された技術は、プリズム等でスペクトル分解さ
れた光束を、スリット状のミラーで透過する第一の波長
領域と反射する第二の波長領域とに分光し、更にスリッ
ト状ミラー及び第二の波長領域を制限する第二のスリッ
ト位置とスリット幅を制御して、任意の二つの波長領域
を選択、検出することが出来る分光装置及び共焦点蛍光
顕微鏡に関するものである。また、特開平8−4373
9号公報に開示された技術は、共焦点絞り通過後の光束
をグレーティングにより分光し、少なくとも一つのスリ
ットによって波長領域及び波長幅の選択を行い、各波長
領域の光量を光検出器で検出するようにした走査型光学
顕微鏡に関するものである。これら二つの技術は、共に
多重励起蛍光検出において、光学フィルタを使用するこ
となく確実に励起波長を遮断し且つ十分な蛍光光量を確
保して、S/Nの良い蛍光検出が可能な走査型光学顕微
鏡を提供している。
【0008】また、光学フィルタを用いずに任意の波長
選択が可能な分光装置として、特開平6−207853
号公報に開示されたものがある。これは、光分散素子に
よって被検出光束を空間的にスペクトル分解し、分散ス
ペクトルの少なくとも一部を変形可能なミラー装置によ
って代表される空間光変調器で受け、所望のスペクトル
領域のみを反射または透過させて、そのエネルギー強度
を検出するようにしたものである。一度、光分散素子と
空間光変調器及びエネルギー検出器の関係が固定される
と、空間光変調器以外の総ゆる機械的動きを必要としな
いため、そこで生じる誤差や高精度な機械制御部をなく
すことが出来る。ここで、変形可能なミラー装置とは詳
しくは米国特許第5061049号に記載されているも
ので、マイクロミラーの空間的なアレイから成り、各マ
イクロミラーは印加電圧の制御のみによって選択的に予
め選択された角度に偏向可能な素子である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記特
開平8−43739号公報に開示された方法は、波長選
択を決定するスリットに機械的な動きが伴い、その稼働
部に非常に高度な制御構造が必要となるばかりか、機械
的駆動部の振動や摩耗は測定時の再現性を失わせ、校正
の問題を惹起する。特に、スリット状のミラーと第二の
スリットは、分光の際に夫々が連動した動きを必要とす
るため、その制御の高精度化は極めて困難である。更
に、同時検出すべき蛍光の種類が増えると、上記分光手
段は一つでは足りず、同様な波長分割手段を幾つも使用
することが必要となり、光量損失と装置の複雑化を惹起
すると云う問題点がある。
【0010】また、前記特表平9−502269号公報
に開示された方法は、上記の場合と同様に機械駆動部の
精度や再現性を保証する校正の問題の他に、一つの光検
出器で検出できる波長帯域が、グレーティングなどのス
ペクトル分散手段と光検出器の初期配置で決定されてし
まうため、広波長帯域における波長選択の自由度が低
く、多重励起蛍光検出における蛍光色素やレーザ波長の
多様性に対応できないと云う問題がある。
【0011】また、前記特開平6−207853号公報
に開示された分光装置は、任意の波長領域における光の
光量検出を行えることから、一つの励起波長に対して一
つの蛍光を得るのには、蛍光用レーザ走査型顕微鏡への
応用は可能であるが、励起波長や蛍光色素の総ゆる組み
合わせに対応して、多重化した蛍光強度を時間的に同時
検出する方法として、容易に蛍光用レーザ走査型顕微鏡
に組み込めるものではない。
【0012】本発明は、従来の技術の有するこのような
問題点に鑑みてなされたものであり、その目的とすると
ころは、光学フィルタや高度な位置再現精度を要する機
械駆動部を必要とせず、励起波長や蛍光色素の様々な組
み合わせに対しても装置構成の変更を必要としない、多
重染色された標本の多重励起蛍光像を蛍光の数だけ光検
出器を用いずに高いS/Nをもって得ることの出来る、
簡易な構成のレーザ走査型顕微鏡を提供しようとするも
のである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明によるレーザ走査型顕微鏡は、標本に照射さ
れるべきレーザ光を射出して該標本から異なる波長域の
蛍光を発生させるためのレーザ光源と、標本からの蛍光
を検出する光検出装置と、標本と前記光検出装置との間
に配置されていて標本からの光を空間的にスペクトル分
解するスペクトル分解部材と、該スペクトル分解部材と
前記光検出装置との間に配置されていて前記スペクトル
分解部材によりスペクトル分解された光を受ける夫々が
偏向角度を変え得る複数の微小光偏向素子で構成された
微小光偏向素子アレイと、前記光検出装置からの出力を
サンプリングし得る出力信号処理装置とを備え、前記微
小光偏向素子アレイの少なくとも二つの微小光偏向素子
により偏向された光を前記光検出装置に所定の時間差を
以て入射させ、前記光検出装置からの出力を前記出力信
号処理装置により前記時間差を以てサンプリングするよ
うにしたことを特徴としている。
【0014】また、本発明によれば、標本には、波長の
異なる少なくとも二つのレーザ光が所定の時間差をもっ
て照射されるようになっている。
【0015】また、本発明によれば、前記標本から発生
した蛍光の検出波長域の少なくとも一つは前記レーザ光
源から射出したレーザ光の波長を含み、前記複数の微小
光偏向素子のうち蛍光とレーザ光とで共通している波長
の光を受ける微小光偏向素子はレーザ光が標本に当たっ
ている時間中は該微小光偏向素子が受ける光を前記光検
出装置からずれる方向に偏向させ、前記レーザ光が標本
に当たっていない時間中は前記微小光偏向素子が受ける
光を前記光検出装置に入射させるようにしたことを特徴
としている。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明するに
先立ち、本発明に係るレーザ走査型顕微鏡の作用・効果
について説明する。先ず、請求項1に記載の本発明によ
るレーザ走査型顕微鏡によれば、標本から発生した蛍光
と標本面で反射したレーザ光源からのレーザ光を空間的
にスペクトル分解した後、蛍光のみを微小の波長幅毎に
時間差をもって光検出装置へ導き、多重染色された標本
の蛍光波長域に応じてサンプリングする時刻を少しずつ
変えることによって、検出したい蛍光毎の光検出装置を
必要とせず、多くの種類の多重励起蛍光を分光し検出す
ることが出来る。即ち、前記のスペクトル分解された光
は、標本で反射したレーザ光とは異なる波長域の蛍光か
ら成る。これらの蛍光は、空間的にスペクトル分解され
て、その方向に配列された微小光偏向素子から成る微小
光偏向素子アレイへ投影される。先ず、微小光偏向素子
は特定の波長域の第一の蛍光を光検出装置へ入射させ、
これとは異なる波長域の第二の蛍光と前記レーザ光は光
検出装置へ入射しない方向に偏向させ、次に、時間差を
おいて微小光偏向素子は前記第二の蛍光を光検出装置へ
入射させる状態にされる。微小光偏向素子は、このよう
な動きを繰り返して異なる波長域の蛍光を交互に光検出
装置へ入射させることにより、一つの光検出装置で異な
った波長域の蛍光像を作ることが出来る。この場合、微
小光偏向素子の光偏向角度をステップ状に変化させる以
外に機械的駆動部を必要とせず、検出したい蛍光波長が
変わっても装置の変更や部品の入れ替えは不要である。
また、微小光偏向素子の光偏向角度は電気的デジタル信
号で制御可能であるため、装置自体に高い精度も複雑な
構成も必要としない。また、使用するレーザ光源は連続
発振のものでもパルス発振のものでも構わない。
【0017】請求項2に記載の本発明によるレーザ走査
型顕微鏡によれば、異なった波長のレーザ光が時間差を
もって標本に照射されるため、標本から発生する蛍光も
レーザ光出射の時間に同期して発生する。このため、検
出したい異なる波長域の蛍光がこの段階で既に時間分解
される。これらの標本から発生した蛍光と該標本面で反
射したレーザ光を空間的にスペクトル分解した後、微小
光偏向素子によって蛍光波長毎に夫々光検出装置へ導
き、レーザ光源の照射時間に同期するようにサンプリン
グすることによって、一つの光検出装置により異なった
波長域の蛍光を分光検出することが出来る。更に、前記
レーザ光の波長と蛍光の波長が一致していない場合は、
微小光偏向素子の光偏向角度は、検出したい複数の蛍光
波長に対応する微小光偏向素子から、若しくは異なった
蛍光波長域に対応する連続する微小光偏向素子群から光
検出装置へ偏向させる光を導くように、更に、レーザ光
源の波長に対応する微小光偏向素子のみを光検出装置と
は異なる方向へ導くように予めセットしておけば、それ
以降各微小光偏向素子を駆動させる必要はなくなる。別
の波長のレーザ光を出射するレーザ光源とその照射によ
って標本から発生する蛍光を検出する場合においても、
その蛍光の波長域とレーザ光の波長とに夫々対応する微
小光偏向素子を前述のようにセットしておけば、装置の
構成を変える必要はない。かくして、本発明によれば、
像のコントラスト低下の原因となる標本から反射するレ
ーザ光を完全に排除することが出来る。また、光検出装
置を複数用意することなく多重化された蛍光を分離し、
異なった波長域の蛍光を検出することが出来る。更に、
前記時間差を十分小さくすれば、各波長域の蛍光を殆ど
同時に検出することが出来る。
【0018】請求項3に記載の本発明によれば、標本か
ら発生した蛍光の検出波長域の少なくとも一つは、レー
ザ光源から出射するレーザ光の波長を含むため、蛍光と
該レーザ光とで共通した波長の光を受ける微小光偏向素
子は、常に光検出装置へ光を入射させる状態にして置く
ことは出来ない。従って、レーザ光が標本に当たってい
る時間中は微小光偏向素子は光検出装置へ光を入射させ
ない方向へ偏向され、レーザ光が標本に当たっていない
時間中は光検出装置へ光を入射させる方向へ偏向させる
ように制御される必要がある。これに対し、レーザ光の
波長と蛍光の波長とが重ならない波長域に対応する微小
光偏向素子、即ち、蛍光は受けるがレーザ光は受けない
微小光偏向素子は受けた光を光検出装置へ入射させる状
態にして置き、また蛍光の波長と重なる波長のレーザ光
を受ける微小光偏向素子は受けた光を光検出装置へは入
射させない状態にして置けば、蛍光観察中は微小光偏向
素子の何れも駆動させる必要はなくなる。この場合、レ
ーザ光も蛍光も受けない微小光偏向素子はどのような状
態に置かれても構わないことは云うまでもない。
【0019】以下、本発明の実施の形態を図示した各種
実施例を参照して詳細に説明する。図中、従来例で用い
たのと実質上同一の部材には同一符号が付され、それに
ついての詳細な説明は省略されている。実施例1 図1は本発明に係るレーザ走査型顕微鏡の第1実施例を
示す図である。図中、14は波長488nmと568nmと
647nmの光を同時発振するマルチラインKr−Arレ
ーザから成る光源、15は波長351nmの光を発振する
Arレーザから成る光源、16はレーザラインフィル
タ、17はファイバカップリングレンズ、18はシング
ルモードファイバ、19はビームコリメートレンズ、2
0はダイクロイックミラー、21はコリメートレンズ、
22はスペクトル分解部材であるプリズム、23は集光
レンズ、24は多数の微小ミラー25で構成されるミラ
ーアレイ(微小光偏向素子アレイ)、26は光検出装
置、27は光トラップ、28はコントローラー、29は
メモリー部、30は入力部、31は出力信号処理装置で
ある。なお、標本8,レーザ14及び15,ファイバカ
ップリングレンズ17,ファイバ18,コントローラ2
8,メモリー部29,入力部30及び出力信号処理装置
31を除く構成部材は、レーザ走査型顕微鏡本体内に収
納されている。
【0020】上記第1実施例において、各レーザ14,
15から射出したレーザ光は、ファイバカップリングレ
ンズ17を経てシングルモードファイバ18を通り、レ
ーザ走査型顕微鏡本体内に導入される。この場合、レー
ザ14から射出したレーザ光は、レーザラインフィルタ
16により励起波長を選択される。レーザ走査型顕微鏡
本体内に導入されたレーザ光は、レンズ19により適当
なビーム径を有する平行光束に変換され、ダイクロイッ
クミラー20によって混合される。混合されたレーザ光
は、励起用ダイクロイックミラー4で反射されてガルバ
ノメータミラー等のX−Y走査光学系5において偏向さ
れ、瞳リレーレンズ6と対物レンズ7を介して標本8上
に達し、レーザスポットによる走査が行われる。
【0021】かくして、レーザ光の照射により励起され
た標本8からの蛍光は、対物レンズ7からダイクロイッ
クミラー4に至る経路を戻り、ダイクロイックミラー4
を透過して結像レンズ10で集光され、共焦点絞り11
を通過する。共焦点絞り11を通りコリメートレンズ2
1で平行光にされた蛍光光束は、プリズム22によって
その波長情報が出射角度の差異に変換され、更に集光レ
ンズ23を経てミラーアレイ24上に結像される。この
時、プリズム22からの出射角度の差異に変換された波
長情報は、ミラーアレイ24上の位置情報に置換され、
微小ミラー素子25の位置がそのまま波長に対応せしめ
られるようになる。この場合、プリズム22の代わり
に、グレーティング,音響光学素子,ホログラフィック
素子など他のスペクトル分解素子が用いられても良い。
また、集光レンズ23は、シリンドリカルレンズ等スペ
クトル分解方向にパワーを有するどのような光学系によ
り置換されても良い。
【0022】微小ミラー素子25は、各々がそこに入射
した光束を検出装置26へ向けて反射する偏向角と光ト
ラップ27へ向けて反射する偏向角とを選択することが
でき、その角度選択は入力部30から出力信号処理装置
31を経てコントローラ28からの電気信号で一素子単
位で行うことが出来る。また、入力部30を介してレー
ザや蛍光色素に対する何らかの入力を行うと、コントロ
ーラ28がメモリー部29に記憶されている各微小ミラ
ー素子25の角度状態を呼び出し、何時でも最適な測定
状態を再現することが出来るようになっている。反対
に、微小ミラー素子25の角度状態をメモリー部29へ
記憶させることも出来る。
【0023】以下、多重化された蛍光の分光作用につい
て説明する。先ず、総ての波長に対応する微小ミラー素
子25が、入力光を光トラップ27へ向けて反射するよ
うにセットされる。そして、第一の蛍光波長に対応する
微小ミラー素子がその蛍光を検出装置26へ向けて反射
するように制御される。これにより、光検出装置26か
らの信号を出力信号処理装置31がサンプリングし、第
一の蛍光の強度が検出され、検出された信号を受け、コ
ントローラ28によりその微小ミラー素子は、入射光を
光トラップ27へ向けて反射させるか、又はメモリー2
9に記録された一定時間だけその微小ミラー素子は入射
光を光検出装置26へ向けて反射させ、その後再び入射
光を光トラップ27へ向けて反射させる。その後、第二
の蛍光波長に対応する微小ミラー素子が同様の動作を行
い、第二の蛍光の強度がサンプリングされる。この繰り
返しにより、観察される総ての蛍光波長の強度が検出さ
れる。
【0024】従って、観測される蛍光波長域が三つの場
合例えば三つの異なる波長域の蛍光を発する蛍光色素が
使われた場合、光検出装置26から出力される信号は、
図2に示されたようになる。図2において、縦軸は検出
された蛍光の強度を、横軸は時間を表している。各蛍光
は光検出装置26に、時間差をもって順に入射するた
め、時間軸上の異なる時刻において第一,第二,第三の
ピークが発生する。そして、夫々第一,第二及び第三の
蛍光を表わす信号に対応する。t1 ,t2 及びt 3 を第
一、第二及び第三の蛍光のサンプリング時間とすること
により、各蛍光の強度が検出される。t1 ,t2 及びt
3 を完全に含むようにT2 を決め、このT 2 が走査手段
が一画素を走査する時間よりも短ければ、各画素を走査
する時間中に三つの蛍光の信号のサンプリングを行うこ
とにより、出力される総ての画素において標本を一度走
査するだけで三つの波長域の蛍光像が得られる。この場
合、多重化される蛍光色素の数によらず微小光偏向素子
25による一度の反射によって分光が行われるので、光
量損失は極めて少ない。
【0025】ここで、励起波長と蛍光色素を変更する場
合を考える。今、351nm,488nm,568nm及び6
47nmの四重励起波長に対して、各波長で励起される四
種類の蛍光色素で標本8が染色されているものとする。
そして、351nmの波長の励起光で励起される蛍光色素
は、488nmより長波長の蛍光を発することは無いもの
とする。同様に、488nmの波長の励起光で励起される
蛍光色素は568nmより長波長の蛍光を発することはな
く、568nmの波長の励起光で励起される蛍光色素は6
47nmより長波長の蛍光を発することは無いものとす
る。
【0026】図3はミラーアレイ24における微小ミラ
ー素子25の配置を示している。図3(a)において、
微小ミラー素子25e,25f,25g,25hは夫々
351nm,488nm,568nm,647nmのレーザ波長
に対応していて、入射光を光トラップ27へ偏向させる
向きに配置されている。微小ミラー素子25a,25
b,25c,25dは夫々波長351nm,488nm,5
68nm,647nmで励起された蛍光波長域に対応し、入
射光を光検出装置26へ入射させるように偏向させる向
きと、光検出装置26から外れるように偏向させる向き
とに切り替えられるようになっている。標本8は、四種
類の波長の光で同時に励起されると、四つの異なった波
長域の蛍光を発する。今、ミラーアレイ24は微小ミラ
ー素子25aの領域に入射する光のみを光検出装置26
へ向かわせるような状態にあるものとすると、波長35
1nmの励起光で励起される色素の蛍光のみが検出装置2
6により検出される。一定時間経過後ミラーアレイ24
の微小ミラー素子の向きが変わって微小ミラー素子25
bの領域に入射する光のみを光検出装置26へ向かわせ
るようにすると、波長488nmの励起光で励起される色
素の蛍光のみが光検出装置26により検出されるように
なる。同様にして、波長568nm及び647nmの励起光
で夫々励起される色素の蛍光が光検出装置26により順
次検出される。従って、この一連の動作が一画素を走査
するのに要する時間内で完了するように設定しておけ
ば、標本8を複数波長のレーザビームで走査することに
より四重染色蛍光画像を得ることが出来る。
【0027】次に、波長351nmと568nmの励起光で
励起される二種類の蛍光色素によって標本8が染色され
ている場合について説明する。この場合の蛍光色素は、
上述の如き四重励起の場合の色素とは異なり蛍光波長域
が広く、波長351nmの励起光で励起される蛍光色素は
568nmよりも短波長域の励起光で蛍光を発し、波長5
68nmの励起光で励起される蛍光色素は700nmを越え
る波長の励起光でも蛍光を発するものとする。二種類の
波長のレーザが標本8に照射されると、標本からは二種
類の異なった波長域の蛍光を発生するが、図3(b)に
示されるように励起波長に対応する微小ミラー素子25
e,25gは、そこに集光された蛍光を光トラップ27
へ向けて偏向させ、波長351nmの励起光で励起された
蛍光は、その波長に対応する微小ミラー素子25a,2
5f,25bにより光検出装置26へ向けて反射され、
蛍光検出後光トラップ27へ向けられる。この間に光検
出装置26に向けられた蛍光の強度信号がサンプリング
される。また、この時微小ミラー素子25c,25h,
25dは入射した蛍光を光トラップ27へ向かわせるよ
うな状態にされている。次に、波長568nmの励起光で
励起された蛍光に対応する微小ミラー素子25c,25
h,25dが向きを変えて入射した蛍光を光検出装置2
6へ向かうようにし、蛍光強度をサンプリングして検出
するこの一連の動作を一画素を走査する時間内に完了す
るように設定し、標本8を二種類の波長を含むレーザビ
ームで走査することにより二重染色蛍光画像を得ること
が出来る。
【0028】同様に、レーザ光源自体が変更された場合
でも、入射した光束を光検出装置26へ向けて反射させ
たり、光トラップ27に向けて反射させたりする微小ミ
ラー素子を、どのミラー素子にするか適当に選択するこ
とにより対応することが出来る。このように、励起波長
と蛍光色素の様々な組み合わせに対し常に最適な分光が
行えるのは、各微小ミラー素子の向きを任意に制御し
て、各蛍光毎に光検出装置26に入射している時に必ず
サンプリングがなされるからである。このように、本実
施例によれば、光学フィルタを使用することなく、また
高度な位置再現精度を要する機械駆動部を必要としない
簡易な構成で、更に、励起波長や蛍光色素の様々な組み
合わせに対しても、装置構成を変更することなしに多重
染色された標本の多重励起蛍光像を高いS/Nをもって
得ることが出来る。また、本実施例によれば、標本から
発生した蛍光と標本面で反射したレーザ光源からの光を
空間的にスペクトル分解した後、スペクトル分解された
光を微小の波長幅毎に時間差をもって光検出装置へ導
き、多重染色された標本の蛍光波長域に応じてサンプリ
ングする時刻を少しずつ変えることによって、検出した
い蛍光毎に光検出装置を設けることなく、単一の光検出
装置で多種類の多重励起蛍光を分光し検出することが出
来る。また、微小ミラー素子の光偏向角度をステップ状
に変化させること以外に機械的駆動部を必要とせず、検
出したい蛍光波長が変わっても装置の変更や部品の入れ
替えも不要である。また、微小ミラー素子の光偏向角度
は電気的デジタル信号で制御可能であるから、装置自体
に高い精度も複雑な構成も必要としない。また、レーザ
光源は連続発振でもパルス発振でも構わない。また、前
述の時間差を十分小さくすることにより夫々の蛍光を殆
ど同時に検出することができる。
【0029】実施例2 図4は本発明に係るレーザ走査型顕微鏡の第2実施例を
示す図である。図中、第1実施例と実質上同一の部材に
は同一符号が付され、詳細な説明は省略されている。こ
の実施例は、各レーザ14,15とダイクロイックミラ
ー20との間の光路中に各レーザ14,15からのビー
ムを遮るシャッター32が備えられている点で、第1実
施例とは異なる。
【0030】以下、波長351nmと568nmの励起光を
用いる二重励起の場合を例にとり、異なる二つの波長域
の蛍光を検出する場合について説明する。先ず、総ての
波長に対応する微小ミラー素子25は、入射光を光検出
装置26へ向けて反射させる向きにして置く。図3
(b)の微小ミラー素子を用いると、励起光のレーザ波
長に対応する微小ミラー素子25e,25gは、入射光
を光トラップ27へ向けて反射させる向きにされてお
り、以後、この微小ミラー素子25を制御する必要はな
い。図5において、t11,t12は、シャッター32の開
閉により時間差T3 をもって各レーザ14,15から標
本8上にレーザビームが照射されている時間を表してい
る。このレーザ照射によって標本8から発生する蛍光
は、各蛍光の波長に対応する微小ミラー素子25a,2
5f,25b及び25c,25h,25dにより反射さ
れて光検出装置26に向うが、各レーザビームはシャッ
ター32の開閉により二者択一的に一方のみが交互に標
本8上に照射されるため、二種類の蛍光が同時に光検出
装置26に入射することはない。標本8へのこのレーザ
光入射により、発生する蛍光の時間に対する強度の変化
は図4に示されたようになる。この場合、各蛍光のサン
プリング時間をts1 ,ts2 とすることによって各蛍
光は分離することができ、その強度が検出され得る。
【0031】この実施例において、シャッター32は機
械式のシャッターに限らず、カーセルや微小ミラー素子
など光の透過と遮断を制御できるものであれば何でも良
い。更に、シャッターを用いずに何らかの方法でレーザ
14,15自身を交互に点滅させることが出来ればそれ
でも構わない。なお、走査手段が一画素を走査する時間
と時間T2 との関係は、第1実施例で述べたのと同様で
あるので説明を省略する。
【0032】実施例3 第3実施例としては、再び図4を参照して、波長351
nmと488nmの励起光を用いる二重励起の場合を取り上
げ、異なる二つの波長域の蛍光を検出する場合について
説明する。先ず、総ての波長に対応する微小ミラー素子
25は、入射光を光検出装置26へ向けて反射させる向
きにして置く。波長351nmの励起光に対応する微小ミ
ラー素子25のうち25e(図3(c)参照)は、入射
光を光トラップ27へ向けて反射させる向きにあるとす
る。先ず、波長351nmのレーザビームが標本8に照射
されている時間tl1 (図5参照)中に標本8から発生
する蛍光は、その蛍光波長域に対応する微小ミラー素子
25a,25f,25bにより反射されて光検出装置2
6へ向う。次に、波長488nmのレーザビームが標本8
に照射されている時間tl2 (図5参照)中に標本8か
ら発生する蛍光は、その蛍光波長に対応する微小ミラー
素子25b,25g,25c(図3(c)参照)により
反射されて光検出装置26へ向う。この時、波長488
nmのレーザビームに対応する微小ミラー素子25fへ入
射するレーザ光は光トラップ27へ向けて反射されるよ
うに、微小ミラー素子25fは制御される。シャッター
16により二種類のレーザビームが同時に標本8に照射
されることはないから、二種類の蛍光が同時に光検出装
置26へ入射することはない。この実施例において、発
生する二種類の蛍光の時間に対する強度の変化は図5に
示されている。各蛍光のサンプリング時間をts1 ,t
2 とすることにより、各蛍光は分離できその強度が検
出される。
【0033】また、図6において、taは第一の蛍光の
サンプリング終了時刻を、tbは第二の蛍光の光検出装
置26への入射開始時刻を夫々示している。この図に示
されているように、時刻taがtbよりも早い場合に
は、このサンプリングによって得られる信号強度は第一
の蛍光によるもののみであり、第二の蛍光によるものが
混ざることはない。このようにすることにより、各蛍光
の強度が混ざることはなくサンプリング出来るので、得
られた画像のコントラストの低下は確実に防ぐことが出
来る。更に、図6において、T4 はレーザビームの照射
時間、T5 はレーザビームの照射により発生する蛍光の
ライフタイム、T6 は蛍光のサンプリング時間である。
この図から明らかなように、時間T4 とT5 の合計時間
は、時間T6よりも短く而もその時間帯に含まれるよう
に構成されているから、発生した蛍光を無駄なくサンプ
リングすることが出来る。また、図7に示すように、各
レーザビームの照射時間tl1 (tl2 )と各蛍光のラ
イフタイムtf1 (tf2 )の和が各蛍光のサンプリン
グ時間ts1 (ts2 )と等しくなるようにし、更に照
射時間tl1 (tl2 )を短くすると総ての画素におい
て多色の蛍光像が得易くなる。
【0034】実施例4 図8は本発明に係るレーザ走査型顕微鏡の第4実施例を
示す図である。図中、第1実施例と実質上同一の部材に
は同一符号が付されており、詳細な説明は省略されてい
る。この実施例は、光検出装置が二つ備えられている点
で、第1実施例とは異なる。即ち、26a,26bは二
つの光検出装置であって、四重励起の場合を考えると、
第一と第二の蛍光を光検出装置26aで、第三と第四の
蛍光を光検出装置26bで夫々検出するように構成され
る。また、三重励起の場合は、光検出装置26aで第一
と第二の蛍光を、光検出装置26bで第三の蛍光を検出
するように構成される。この場合は、光検出装置26b
から出力される信号は一つの蛍光強度を表わすので時間
分解する必要がない。この実施例におけるその他の作用
効果は、第1実施例について述べたのと同様であるの
で、説明を省略する。なお、光検出装置の数は2つに限
定されない。
【0035】以上説明したように、本発明のレーザ走査
型顕微鏡は、特許請求の範囲に記載した特徴の他に下記
の特徴を有している。 (1)レーザ光源は異なる波長域の蛍光を同時に発生さ
せ得るように構成されていることを特徴とする請求項1
に記載のレーザ走査型顕微鏡。
【0036】(2)前記所定の時間差をT1 、レーザ走
査型顕微鏡が備えている走査手段が一画素を走査する時
間をT2 としたとき、T2 >T1 なる条件を満たすよう
に構成されていることを特徴とする請求項1又は上記
(1)に記載のレーザ走査型顕微鏡。これにより、走査
手段が一つの画素を走査する間に異なった波長域の蛍光
の強度を総てサンプリングすることが出来る。総ての画
素においてそれがなされれば、標本の検出範囲を一度走
査するだけで、出力画面において検出したい波長域それ
ぞれの蛍光像を得ることが出来る。
【0037】(3)レーザ走査型顕微鏡が備えている走
査手段が一画素を走査する時間をT 2 、波長の異なる少
なくとも二つのレーザ光が標本に照射される所定の時間
差をT3 としたとき、T2 >T3 なる条件を満たすよう
に構成されていることを特徴とする請求項2又は3に記
載のレーザ走査型顕微鏡。これにより、走査手段が一つ
の画素を走査する間に異なる波長域の蛍光の強度を総て
サンプリングすることができる。総ての画素においてそ
れがなされれば、標本の検出範囲を一度走査するだけ
で、出力画面の総ての画素において検出したい夫々の波
長の蛍光像を得ることが出来る。
【0038】(4)光検出装置へ時間的に連続して入射
する二つの波長域の蛍光について、先に入射した蛍光の
強度のサンプリング終了時刻が、後に入射する蛍光の前
記光検出装置への入射時刻よりも早くなるように構成し
たことを特徴とする請求項2又は3又は上記(3)に記
載のレーザ走査型顕微鏡。これにより、光検出装置に入
射する蛍光は時間的に重なることがなくなる。光検出装
置に蛍光が入射しない時間に蛍光のサンプリングをリセ
ットすることによって、各蛍光の強度が混ざることなく
サンプリングできるので、蛍光像のコントラストの低下
を防ぐことが出来る。
【0039】(5)レーザ光の照射時間をT4 、レーザ
光の照射により発生する蛍光のライフタイムをT5 、前
記蛍光のサンプリング時間をT6 としたとき、T6 ≧T
4 +T5 なる条件を満たすように構成したことを特徴と
する上記(4)に記載のレーザ走査型顕微鏡。これによ
り、発生した蛍光の全量がサンプリングできるので、単
位時間当たりの蛍光強度が小さい場合でも蛍光を測定す
ることが出来る。
【0040】(6)前記時間T6 の開始は前記時間T4
の開始より先であり、前記時間T6の終了は前記時間T
5 の終了よりも後であるように構成したことを特徴とす
る上記(5)に記載のレーザ走査型顕微鏡。これによ
り、上記時間T4 を併せた時間が完全に上記時間T6
時間内に含まれるようになり一層好ましい。
【0041】(7)レーザ光源としてパルスレーザが用
いられていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか
又は上記(3)乃至(5)の何れかに記載のレーザ走査
型顕微鏡。これにより、レーザ光は時間差をもって標本
に照射され得る。
【0042】(8)レーザ光源と標本の間に、レーザ光
を遮断し得るシャッターが配置されていることを特徴と
する請求項1乃至3の何れか又は上記(3)乃至(5)
の何れかに記載のレーザ走査型顕微鏡。これにより、シ
ャッターを開閉させて波長の異なるレーザ光を時間差を
もって標本に照射させることが可能となる。
【0043】(9)シャッターとしてカーセルを用いた
ことを特徴とする上記(8)に記載のレーザ走査型顕微
鏡。これにより、透過状態と遮蔽状態の切り替えを高速
で行うことが容易となり、効率的にレーザ光を時間差を
もって標本面へ照射させることが出来る。
【0044】(10)シャッターとして、レーザ光源と標
本との間に配置された微小光偏向素子を用いたことを特
徴とする上記(8)に記載のレーザ走査型顕微鏡。これ
により、レーザ光を特定の方向へ偏向させる状態と、特
定の方向とは別の方向へ偏向させる状態とを高速で切り
替えることができ、それによってレーザ光を時間差をも
って標本面に照射させることが出来る。
【0045】
【発明の効果】上述の如く本発明によれば、干渉フィル
タや高度な位置再現精度を要する機械駆動部を必要とせ
ず、また、励起波長や蛍光色素の様々な組み合わせに対
する装置構成の変更を必要とせずに、異なる蛍光波長域
の蛍光を単一の光検出装置で検出することが出来る、高
い蛍光検出感度を持つレーザ走査型顕微鏡を提供するこ
とが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るレーザ走査型顕微鏡の第1実施例
を示す図である。
【図2】第1実施例における光検出装置の出力信号強度
を示すグラフである。
【図3】本発明に係るレーザ走査型顕微鏡に用いられる
微小ミラー素子の拡大図で、(a)は第1実施例におけ
る様子、(b)は第1実施例の一変形例及び第2実施例
における様子、(c)は後述の第3実施例における様子
を夫々示している。
【図4】本発明に係るレーザ走査型顕微鏡の第2及び第
3実施例を示す図である。
【図5】第2及び第3実施例における光検出装置の出力
信号強度を示すグラフである。
【図6】第3実施例の一変形例における光検出装置の出
力信号強度を示すグラフである。
【図7】第3実施例の他の変形例における光検出装置の
出力信号強度を示すグラフである。
【図8】本発明に係るレーザ走査型顕微鏡の第4実施例
を示す図である。
【図9】従来の蛍光用レーザ走査型顕微鏡を示す図であ
る。
【符号の説明】
1a,1b,1c レーザ発振器 2a,2b レーザ結合用ダイクロイックミ
ラー 3 ビームエクスパンダー 4,20 ダイクロイックミラー 5 X−Y走査光学系 6 瞳リレーレンズ 7 対物レンズ 8 標本 9a,9b 分光用ダイクロイックミラー 10,10a,10b,10c 結像レンズ 11,11a,11b,11c 共焦点絞り 12a,12b,12c 吸収フィルタ 13a,13b,13c 光検出器 14 マルチラインKr−Arレーザ 15 Arレーザ 16 レーザラインフィルタ 17 ファイバカップリングレンズ 18 シングルモードファイバ 19 ビームコリメートレンズ 21 コリメートレンズ 22 プリズム(スペクトル分解部
材) 23 集光レンズ 24 ミラーアレイ(微小光偏向素子
アレイ) 25,25a〜25h 微小ミラー素子(微
小光偏向素子) 26,26a,26b 光検出装置 27 光トラップ 28 コントローラ 29 メモリー部 30 入力部 31 出力信号処理装置 32 シャッター t1 ,t2 ,t3 蛍光のサンプリング時間 tl1 ,tl2 レーザの照射時間 ts1 ,ts2 蛍光のサンプリング時間 tf1 ,tf2 蛍光のライフタイム ta 第一の蛍光のサンプリング終了
時刻 tb 第二の蛍光の検出装置への入射
開始時刻 T2 総ての蛍光をサンプリングする
のに必要な時間 T3 2つのレーザ光が標本面に照射
される時間差 T4 レーザ光の照射時間 T5 レーザ光の照射により発生する
蛍光のライフタイム T6 蛍光のサンプリング時間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2G043 AA01 AA04 BA16 CA04 EA01 FA02 GA01 GB01 HA01 HA02 HA05 HA09 HA11 HA15 JA02 JA05 KA02 KA03 KA05 KA09 LA01 MA04 2H052 AA08 AA09 AB24 AB25 AC12 AC15 AC26 AC27 AC34 AF07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ走査型顕微鏡において、標本に照
    射されるべきレーザ光を射出して該標本から異なる波長
    域の蛍光を発生させるためのレーザ光源と、標本からの
    蛍光を検出する光検出装置と、標本と前記光検出装置と
    の間に配置されていて標本からの光を空間的にスペクト
    ル分解するスペクトル分解部材と、該スペクトル分解部
    材と前記光検出装置との間に配置されていて前記スペク
    トル分解部材によりスペクトル分解された光を受ける夫
    々が偏向角度を変え得る複数の微小光偏向素子で構成さ
    れた微小光偏向素子アレイと、前記光検出装置からの出
    力をサンプリングし得る出力信号処理装置とを備え、前
    記微小光偏向素子アレイの少なくとも二つの微小光偏向
    素子により偏向された光を前記光検出装置に所定の時間
    差を以て入射させ、前記光検出装置からの出力を前記出
    力信号処理装置により前記時間差を以てサンプリングす
    るようにしたことを特徴とするレーザ走査型顕微鏡。
  2. 【請求項2】 標本には波長の異なる少なくとも二つの
    レーザ光が所定の時間差を以て照射されるようにしたこ
    とを特徴とする請求項1に記載のレーザ走査型顕微鏡。
  3. 【請求項3】 前記標本から発生した蛍光の検出波長域
    の少なくとも一つは前記レーザ光源から射出したレーザ
    光の波長を含み、前記複数の微小光偏向素子のうち蛍光
    とレーザ光とで共通している波長の光を受ける微小光偏
    向素子はレーザ光が標本に当たっている時間中は該微小
    光偏向素子が受ける光を前記光検出装置からずれる方向
    に偏向させ、前記レーザ光が標本に当たっていない時間
    中は前記微小光偏向素子が受ける光を前記光検出装置に
    入射させるようにしたことを特徴とする請求項2に記載
    のレーザ走査型顕微鏡。
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