JP2000318557A - 車両用エアバッグ装置のリッド部構造 - Google Patents

車両用エアバッグ装置のリッド部構造

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JP2000318557A
JP2000318557A JP11116576A JP11657699A JP2000318557A JP 2000318557 A JP2000318557 A JP 2000318557A JP 11116576 A JP11116576 A JP 11116576A JP 11657699 A JP11657699 A JP 11657699A JP 2000318557 A JP2000318557 A JP 2000318557A
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sheet
skin layer
lid
airbag device
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JP11116576A
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English (en)
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Kazuhiro Saito
和弘 斉藤
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Original Assignee
Calsonic Kansei Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バッグ本体の展開時に表皮部分が飛散するの
を確実に防止することができるようにする。 【解決手段】 パウダースラッシュによって製造された
リッド部2の表皮3の裏面側に表皮層飛散防止用シート
18を固着させるようにしている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、車両用エアバッ
グ装置のリッド部構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、自動車の助手席側に対してもエア
バッグ装置を設けることが普及しつつある。助手席側に
設けられるエアバッグ装置としては、種々のものが提案
されている。
【0003】上記エアバッグ装置は、自動車のフロント
ウインドウガラスの下方に位置する助手席側のインスト
ルメントパネルの内部に挿入配置される。
【0004】このエアバッグ装置は、インストルメント
パネルに一体的に形成されたリッド部を備えていると共
に、リッド部の下方に配設され且つ車体メンバに固定さ
れたエアバッグモジュールを備えている。
【0005】そして、エアバッグモジュールに設けられ
たバッグ本体が膨張すると、この膨張の圧力により先ず
リッド部の一部が開裂されて膨出開口が形成されると同
時に、この膨出開口からバッグ本体が、車体斜め後方へ
向かって膨出する。これによって、バッグ本体は助手席
側の乗員の頭部等を受け止め、頭部等がインストルメン
トパネルなどに当接しないように保護する。
【0006】このような従来のエアバッグ装置では、リ
ッド部が樹脂でできているため、リッド部を構成する樹
脂(特に、リッド部の表皮部分)が低温で脆くなる、い
わゆる低温脆化などを起こす可能性がある。このように
樹脂が低温脆化を起こすと、低温脆化されたリッド部が
バッグ本体が展開する時に飛散するおそれがある。
【0007】そこで、その対策として、従来は、リッド
部、特に、リッド部の表皮部分に低温で脆くなりにくい
TEO材などの樹脂素材を使用するようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】バッグ本体の展開時に
おけるリッド部の飛散を防止するための対策として、従
来、上記したようにリッド部の少なくとも表皮部分に低
温で脆くなりにくいTEO材などの樹脂素材を使用する
ようにしているが、更なる改良を行う余地がある。
【0009】特に、熱した金型の内部に樹脂の粉体を入
れて金型の表面に粉体の層を溶融付着させる、いわゆる
パウダースラッシュによってリッド部の表皮部分が製造
されている場合には、上記対策の必要性は、一層、大き
くなる。
【0010】そこで、本発明の目的は、上記の問題点を
解消し、バッグ本体の展開時に表皮部分が飛散するのを
確実に防止することができる車両用エアバッグ装置のリ
ッド部構造を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1に記載された発明では、少なくともパウダ
ースラッシュによって製造された表皮と芯材とをリッド
部に備えた車両用エアバッグ装置のリッド部構造におい
て、前記表皮の裏面側に表皮層飛散防止用シートを固着
させるようにしたことを特徴としている。
【0012】このように構成された請求項1にかかる発
明によれば、パウダースラッシュによって製造されたリ
ッド部の表皮の裏面側に表皮層飛散防止用シートを固着
させるようにしているので、仮に表皮が低温脆化を起こ
していて、バッグ本体の展開時に表皮に亀裂が生じたり
表皮が脆性破壊するようなことがあっても、表皮が飛散
するのを確実に防止することができる。
【0013】請求項2に記載された発明では、前記表皮
層飛散防止用シートが、織布、不織布、熱可塑性エラス
トマーシート材のいずれかの単層体であることを特徴と
している。
【0014】このように構成された請求項2にかかる発
明によれば、表皮層飛散防止用シートとして織布、不織
布、熱可塑性エラストマーシート材のいずれかの単層体
を使用することにより、バッグ本体の展開時に表皮が飛
散するのを確実に防止することができる。
【0015】特に、表皮層飛散防止用シートとして織布
や不織布を用いた場合、織布や不織布は通気性を有して
いるので、表皮に対する表皮層飛散防止用シートの固着
時に、表皮と表皮層飛散防止用シートとの境界層に気泡
が生じるのを防止することができる。且つ、織布や不織
布は表面に凹凸を有しているので、表皮に対する大きな
接触面積を確保し且つアンカー効果を得ることができ
る。従って、表皮に対して高い固着性を得ることができ
る。同様に、織布や不織布と発泡層との間にもアンカー
効果が発生するため、発泡層の飛散防止に効果がある。
【0016】請求項3に記載された発明では、前記表皮
層飛散防止用シートとして、前記単層体を構成する織布
と不織布と熱可塑性エラストマーシート材とのうちの少
なくとも2つをラミネートした複層体を使用したことを
特徴としている。
【0017】このように構成された請求項3にかかる発
明によれば、表皮層飛散防止用シートとして、織布と不
織布と熱可塑性エラストマーシート材とのうちの少なく
とも2つをラミネートした複層体を使用することによ
り、単層体を使用する場合に比べてより高い表皮の飛散
防止効果を得ることができる。
【0018】請求項4に記載された発明では、前記表皮
層飛散防止用シートとして、上記単層体や複層体を、前
記表皮を補強し弾性を増すための弾性補強薄板内に差込
んだ複合体を使用したことを特徴としている。
【0019】このように構成された請求項4にかかる発
明によれば、表皮層飛散防止用シートとして、上記単層
体や複層体を、弾性補強薄板内に差込んだ複合体を使用
することにより、単層体や複層体を使用する場合に比べ
てより高い表皮の飛散防止効果を得ることができる。且
つ、弾性補強薄板によってリッド部が補強されるため、
リッド部に上方から力が作用した時の剛性不足によるリ
ッド部の変形やベコ付きを防止させることもできる。
【0020】請求項5に記載された発明では、前記表皮
層飛散防止用シートに空気抜きを形成したことを特徴と
している。
【0021】このように構成された請求項5にかかる発
明によれば、表皮層飛散防止用シートに空気抜きを形成
することにより、表皮に対する表皮層飛散防止用シート
の固着時に、表皮と表皮層飛散防止用シートとの境界層
に気泡が生じるのを防止することができる。且つ、空気
抜きを形成した分だけ表皮に対する接触面積を大きくす
ることができ、且つアンカー効果を得ることができる。
従って、表皮に対して高い固着性を得ることができる。
なお、空気抜きは、梨シボや革シボ形状などでも凹凸で
あれば有効である。
【0022】特に、表皮層飛散防止用シートとして熱可
塑性エラストマーシート材を用いている場合に、空気抜
きは有効である。
【0023】請求項6に記載された発明では、前記表皮
層飛散防止用シートに、開裂溝となる切込みを予め形成
したことを特徴としている。
【0024】このように構成された請求項6にかかる発
明によれば、前記表皮層飛散防止用シートに、開裂溝と
なる切込みを予め形成しておくことにより、リッド部完
成後に開裂溝を形成する手間を省くことができる。
【0025】請求項7に記載された発明では、前記切込
みの中途部に、つなぎ部を適宜形成したことを特徴とし
ている。
【0026】このように構成された請求項7にかかる発
明によれば、前記切込みの中途部に、つなぎ部を適宜形
成することにより、切込みによって切り離される部分を
つないでおくことができるので、表皮層飛散防止用シー
ト取付け時に、この部分がたれ下がることが防止され
る。
【0027】請求項8に記載された発明では、前記表皮
層飛散防止用シートに、−40℃での引張強さが250
×9.8N/cm2(250Kgf/cm2)〜500×
9.8N/cm2(500Kgf/cm2)で、伸び率が
50(%)以上で、引裂強さが10×9.8N/cm2
(10Kgf/cm2)以上で、23℃での引張強さが
50×9.8N/cm2(50Kgf/cm2)〜100
×9.8N/cm2(100Kgf/cm2)で、伸び率
が100(%)以上で、引裂強さが10×9.8N/c
2(10Kgf/cm2)以上で、85℃での引張強さ
が10×9.8N/cm2(10Kgf/cm2)〜10
0×9.8N/cm2(100Kgf/cm2)で、伸び
率が150〜500(%)で、引裂強さが5×9.8N
/cm2(5Kgf/cm2)以上の素材を用いたことを
特徴としている。
【0028】このように構成された請求項8にかかる発
明によれば、前記表皮層飛散防止用シートとして低温で
の伸び率が比較的高い素材を用いることにより、エアバ
ッグ展開時に表皮の飛散を防止することができる。ま
た、表皮層飛散防止用シートとして高温での伸び率が比
較的低い素材を用いることにより、展開時間が遅くなる
のを防止することができる。
【0029】請求項9に記載された発明では、前記表皮
を形成するプラチゾル表皮層の表皮裏面側に対応する部
位に予め加熱された前記表皮層飛散防止用シートを固着
させたことを特徴としている。
【0030】このように構成された請求項9にかかる発
明によれば、予め加熱した表皮層飛散防止用シートを用
いることにより、表皮層飛散防止用シートを加熱しない
で用いた場合に比べて融着性が一層向上すると共に、予
め表皮層飛散防止用シートを加熱して熱収縮させてから
使用することにより、冷却、固化後のヒケや変形を少な
くすることができる。
【0031】請求項10に記載された発明では、前記表
皮層飛散防止用シートは織布または不織布からなり、且
つ、それを予め加熱する温度は60℃〜260℃である
ことを特徴としている。
【0032】このように構成された請求項10にかかる
発明によれば、前記表皮層飛散防止用シートが織布また
は不織布からなる場合に、予め60℃〜260℃に加熱
しておくことにより、最適な融着状態を得ることができ
る。
【0033】請求項11に記載された発明では、前記表
皮層飛散防止用シートは熱可塑性エラストマーシート材
からなり、且つ、それを予め加熱する温度は60℃〜2
30℃であることを特徴としている。
【0034】このように構成された請求項11にかかる
発明によれば、前記表皮層飛散防止用シートが熱可塑性
エラストマーシート材からなる場合に、予め60℃〜2
30℃に加熱しておくことにより、最適な融着状態を得
ることができる。
【0035】請求項12に記載された発明では、前記熱
可塑性エラストマーシート材は、PVC系、TPU系、
またはTEO系のいずれかであることを特徴としてい
る。
【0036】このように構成された請求項12にかかる
発明によれば、熱可塑性エラストマーシート材として、
PVC系、TPU系、またはTEO系のいずれかを使用
することにより最適な状態を得ることができる。
【0037】請求項13に記載された発明では、少なく
とも表皮と芯材とをリッド部に備えた車両用エアバッグ
装置のリッド部構造において、前記芯材の裏面側に補強
材を固着したことを特徴としている。
【0038】このように構成された請求項13にかかる
発明によれば、前記芯材の裏面側に補強材を固着するこ
とにより、リッド部に上方から力が作用した時の剛性不
足によるリッド部の変形やベコ付きを防止させることが
できる。また、リッド部の製造時に補強材を取付けるこ
とができる。
【0039】
【発明の実施の形態1】以下、本発明の具体的な実施の
形態1について、図示例と共に説明する。
【0040】図1〜図9は、この発明の実施の形態1を
示すものである。
【0041】まず、構成を説明すると、この実施の形態
1のものでは、図1に示したインストルメントパネル1
には、エアバッグ装置のリッド部2が取付けられてい
る。このリッド部2は、図2に示すように、少なくとも
パウダースラッシュにより製造された表皮3および芯材
4を備えており、更に、図2では芯材4全体を表皮3と
発泡層5で覆うフルパット構造を有している。
【0042】このリッド部2は、裏面側に、芯材4に形
成された開口部6をほぼ閉塞可能なアルミニウム製の一
枚物のドア部材7を備えている。更に、ドア部材7に
は、その周縁部を芯材4の裏面側からほぼ当接支持可能
なアルミニウム製の補強ガイド8が後付け可能に取付け
られている。ドア部材7と補強ガイド8とは、図3に示
すような形状をしており、それぞれネジ9などで芯材4
に形成されたボス部10に締結固定される。
【0043】ドア部材7は、ネジ取付面11と、ヒンジ
部12と、開口部6内にて芯材4とほぼ面一となるドア
本体13とを有し、ドア本体13のフリーサイドとなる
三辺の外周と前記開口部6との間隙14部分には、シー
ルテープ15が貼られており、シールテープ15と発泡
層5、或いは更に、表皮3の一部に達する深さの開裂溝
16が形成されている。
【0044】開裂溝16は、レーザー加工によって形成
しても良いし、熱刃で加工しても良いし、予め各部品に
開裂溝16となる切込みをそれぞれ入れておき、これら
を位置決めして形成するようにしても良い。なお、図
2,3の場合、開裂溝16は平面視ほぼU字状をしてい
る。
【0045】更に、ドア本体13の下方には、エアバッ
グモジュール17が配置されている。
【0046】そして、この実施の形態1では、パウダー
スラッシュによって製造されたリッド部2における少な
くとも表皮3の開裂溝16形成部位の裏面側に表皮層飛
散防止用シート18を固着させるようにしている。
【0047】表皮層飛散防止用シート18には、−40
℃での引張強さが250×9.8N/cm2(250K
gf/cm2)〜500×9.8N/cm2(500Kg
f/cm2)で、伸び率が50(%)以上で、引裂強さ
が10×9.8N/cm2(10Kgf/cm2)以上
で、23℃での引張強さが50×9.8N/cm2(5
0Kgf/cm2)〜100×9.8N/cm2(100
Kgf/cm2)で、伸び率が100(%)以上で、引
裂強さが10×9.8N/cm2(10Kgf/cm2
以上で、85℃での引張強さが10×9.8N/cm2
(10Kgf/cm 2)〜100×9.8N/cm2(1
00Kgf/cm2)で、伸び率が150〜500
(%)で、引裂強さが5×9.8N/cm2(5Kgf
/cm2)以上の素材を用いる。例えば、表皮層飛散防
止用シート18として、織布、不織布、熱可塑性エラス
トマーシート材の何れかの単層体19を使用する。この
ように表皮層飛散防止用シート18として低温での伸び
率が比較的高い素材を用いることにより、エアバッグ展
開時に表皮の飛散を防止することができる。また、表皮
層飛散防止用シート18として高温での伸び率が比較的
低い素材を用いることにより、展開時間が遅くなるのを
防止することができる。
【0048】なお、上記不織布は、PVCとEPRの混
合素材、PVCとEPDMの混合素材、PPとEPDM
の混合素材、PPとEPゴムの混合素材、TEO材、P
A(ポリアミド6ナイロン・66ナイロン)材、TEE
E(TAEE)ポリエステル材、カーボン繊維などによ
るものを用いる。
【0049】上記熱可塑性エラストマーシート材は、P
VC系、TPU系、またはTEO(TPO サーモプラ
スチックオレフィン)系のいずれかの素材を用いる。
【0050】上記PVC系の熱可塑性エラストマーシー
ト材は、PVCとフタル酸系可塑剤またはトリメリテ
ート系(トリメリット酸エステル)可塑剤の少なくとも
一方と、スチレン系ゴム(S・E・B・Sなど)との複
合材、上記と、EPゴムとの複合材、上記と、
EPDMとの複合材などがある。
【0051】上記TEO系の熱可塑性エラストマーシー
ト材は、ゴム成分をPP材(ポリプロピレン)に分散さ
せるようにしたものである。
【0052】このような熱可塑性エラストマーシート材
は、カレンダー成形機などで製造される。また、熱可塑
性エラストマーシート材を用いる場合には、図4(a)
(b)および、図5(a)に示すように、表皮3に対す
る固着面に凹凸や溝や貫通穴などの空気抜き20を形成
しておくようにするのが良い。なお、空気抜き20は、
梨シボや革シボ形状などでも凹凸であれば有効である。
【0053】なお、上述したように予め各部品に開裂溝
16となる切込みをそれぞれ入れておき、これらを位置
決めして形成する場合には、表皮層飛散防止用シート1
8には、図5(b)(c)に示すような平面視ほぼU字
状の切込み21が設けられる。このように、表皮層飛散
防止用シート18に、開裂溝16となる切込み21を予
め形成しておくことにより、リッド部2の完成後に開裂
溝16を形成する手間を省くことができる。なお、図5
(b)は空気抜き20がない場合、図5(c)は空気抜
き20がある場合を示している。
【0054】次に、この実施の形態1の作用について説
明する。
【0055】まず、リッド部2の表皮3をパウダースラ
ッシュ(P/S)によって製造する。このリッド部2の
表皮3は図6(a)〜(g)に示した手順で製造され
る。
【0056】先ず、図6(a)に示したように、リッド
部2の表皮3を成形するためのP/S型(パウダースラ
ッシュ用金型)22を熱風Hにより加熱する。この際の
加熱温度は、一般には160℃〜300℃とする。TE
O材(TPO材 サーモプラスチックオレフィン)の場
合には、260℃〜300℃とするのが望ましい。同様
に、TPU(ウレタン系サーモプラスチック・エラスト
マー)の場合には、260℃〜320℃とするのが望ま
しい。図中、符号23はP/S型22の開口周縁部のフ
ランジである。
【0057】一方、図6(b)に示したように、上方に
開口を向けたパウダーボックス24を予め用意してお
き、P/S用の材料すなわちパウダースラッシュ用の樹
脂粉体(パウダー状の樹脂粉体)25をパウダーボック
ス24内に入れておく。図中、符号26はパウダーボッ
クス24の開口周縁部のフランジである。
【0058】そして、図6(a)で加熱したP/S型2
2のフランジ23をパウダーボックス24のフランジ2
6に合わせて、P/S型22の開口をパウダーボックス
24の開口に合致させると共に、フランジ23,26を
図示しない保持手段又は固定手段で保持又は固定する。
【0059】この状態で、P/S型22及びパウダーボ
ックス24を図6(c)に矢印27で示したようにP/
S型22が下側に来るよう図示しない水平軸を中心に回
転させて、パウダーボックス24内のパウダー状の樹脂
粉体25をP/S型22内に落とし込ませる。この際、
樹脂粉体25のうちP/S型22の表面に接するものは
P/S型22の熱で溶融されてP/S型22の内面に薄
膜状に付着させられる。これにより、P/S型22の内
面に薄膜のプラチゾル表皮層28が形成される。
【0060】この後、P/S型22及びパウダーボック
ス24をP/S型22が上側に来るように図示しない水
平軸を中心に回転させて、P/S型22内の樹脂粉体2
5をパウダーボックス24内に落とし込ませることによ
り、P/S型22内の余分な樹脂粉体25をP/S型2
2内から除去する。
【0061】そして、P/S型22をパウダーボックス
24から取り外して、P/S型22の冷却を開始する。
この冷却工程において、冷却初期にはP/S型22がま
だ加熱された状態となっているため、プラチゾル表皮層
28が溶融(或いは半溶融)した状態となっている。
【0062】従って、この冷却工程の初期における、薄
膜のプラチゾル表皮層28が溶融している状態の時に、
P/S型22の開口を図6(d)に示したように上方に
向けると共に、図6(e)で示したように表皮層飛散防
止用シート18を用意し、この表皮層飛散防止用シート
18を図6(f)で示したように溶融状態のプラチゾル
表皮層28に融着させる。
【0063】この表皮層飛散防止用シート18の融着に
は、図7に示したような真空吸着盤29が設けられたロ
ボットアーム30で行う。図中、符号31は真空吸着盤
29に真空圧を作用させる真空ポンプである。
【0064】表皮層飛散防止用シート18をプラチゾル
表皮層28に融着させる際に、この表皮層飛散防止用シ
ート18全体を図8に示したようにエア袋32でプラチ
ゾル表皮層28に押し付けることにより、プラチゾル表
皮層28の複雑な表面形状に容易に沿わせるようにする
こともできる。図8では、ロボットアーム30の先端に
袋保持板33が取り付けられ、この袋保持板33にエア
袋32が取り付けられている。
【0065】表皮層飛散防止用シート18を融着する際
の、プラチゾル表皮層28の温度は、一般には160℃
〜300℃とする。表皮層飛散防止用シート18がTE
O材である場合には、プラチゾル表皮層28の温度は2
60℃〜300℃とするのが望ましい。同様に、表皮層
飛散防止用シート18がTPU(ウレタン系サーモプラ
スチック・エラストマー)である場合には、プラチゾル
表皮層28の温度は260℃〜320℃とするのが望ま
しい。
【0066】また、プラチゾル表皮層28へ融着する表
皮層飛散防止用シート18も予め加熱しておくようにす
る。この際の、表皮層飛散防止用シート18の加熱温度
は、織布、不織布の場合には60℃〜260℃とし、T
EO材の場合には60℃〜230℃とする。一般には、
130℃程度とするのが最も作業性が良い。このよう
に、予め加熱した表皮層飛散防止用シート18を用いる
ことにより、表皮層飛散防止用シート18を加熱しない
で用いた場合に比べて融着性が一層向上すると共に、予
め表皮層飛散防止用シート18を加熱して熱収縮させて
から使用することにより、冷却、固化後のヒケや変形を
少なくすることができる。
【0067】そして、図6(g)に示したように、プラ
チゾル表皮層28を冷却、固化させることにより裏面側
に表皮層飛散防止用シート18を固着された表皮3が形
成され、この表皮3をP/S型22から取り外す。
【0068】こうして表皮3が完成したら、表皮3と芯
材4とを図9に示すように発泡型34へセットし、表皮
3と芯材4との間に発泡剤35を注入してこの発泡剤3
5を発泡させることによりリッド部2が成形される。
【0069】この際、芯材4の裏面側に予めドア部材7
をネジ9で取付け、芯材4とドア部材7の周囲との間に
シールテープ15を貼って発泡型にセットし、発泡剤3
5が漏れないようにする。これにより、表皮3と芯材4
とドア部材7が発泡層5を介して一体積層される。
【0070】そして、リッド部2の成形後に、ドア本体
13のフリーサイドとなる三辺の外周と前記開口部6と
の間隙14部分に、ドア部材7の周縁に沿って、レーザ
ー加工や熱刃による加工により、シールテープ15と発
泡層5、或いは更に、表皮3の一部に達する深さの開裂
溝16を形成する。なお、予め各部品に開裂溝16とな
る切込みをそれぞれ入れておき、これらを位置決めして
形成するようにする場合には、表皮層飛散防止用シート
18には、図5に示すように、平面視ほぼU字状の切込
み21を形成するようにする。
【0071】更に、芯材4に対して、ドア部材7とほぼ
当接するように、補強ガイド8をネジ9で後付けする。
【0072】そして、エアバッグモジュール17に設け
られたバッグ本体が膨張すると、この膨張の圧力により
開裂溝16部分の表皮3が破断され、ヒンジ部12を中
心にリッド部2が立上がって膨出開口が形成されること
になる。
【0073】このように、この実施の形態1によれば、
パウダースラッシュによって製造されたリッド部2の表
皮3の裏面側に表皮層飛散防止用シート18を固着させ
るようにしているので、仮に表皮3が低温脆化を起こし
ていて、バッグ本体の展開時に表皮3に亀裂が生じたり
表皮3が脆性破壊するようなことがあっても、表皮3が
飛散するのを確実に防止することができる。
【0074】また、表皮層飛散防止用シート18として
織布や不織布を用いた場合、織布や不織布は通気性を有
しているので、表皮3に対する表皮層飛散防止用シート
18の融着時に、表皮3と表皮層飛散防止用シート18
との境界層に気泡が生じるのを防止することができる。
且つ、織布や不織布は表面に凹凸を有しているので、表
皮3に対する大きな接触面積を確保し且つアンカー効果
を得ることができる。従って、表皮3に対して高い固着
性を得ることができる。同様に、織布や不織布と発泡層
5との間にもアンカー効果が発生するため、発泡層5の
飛散防止に効果がある。
【0075】また、表皮層飛散防止用シート18として
熱可塑性エラストマーシート材を用いた場合、熱可塑性
エラストマーシート材の表皮3に対する固着面に、凹凸
や溝や貫通穴などの空気抜き20を形成しておくことに
より、織布や不織布を用いた場合と同様、表皮3に対し
て高い固着性を得ることができる。なお、空気抜き20
は、梨シボや革シボ形状などでも凹凸であれば有効であ
る。
【0076】そして、パウダースラッシュ製の表皮3の
製造工程途中の、プラチゾル表皮層28が溶融している
状態の時に表皮層飛散防止用シート18を融着させるよ
うにすることにより、表皮層飛散防止用シート18を備
えた表皮3を一度に作ることができ、且つ、接着剤や型
などを使って表皮3に表皮層飛散防止用シート18を貼
付けたりするなどの工程を省略して、製造コストを低減
させることができる。
【0077】なお、完成した表皮3を加熱して表皮層飛
散防止用シート18を融着させるようにすることも可能
である。
【0078】
【変形例】表皮層飛散防止用シート18の変形例とし
て、図10に示すように、織布と不織布と熱可塑性エラ
ストマーシート材とのうちの少なくとも2つをラミネー
トした複層体36を使用することができる。
【0079】このように、表皮層飛散防止用シート18
として、織布と不織布と熱可塑性エラストマーシート材
とのうちの少なくとも2つをラミネートした複層体36
を使用することにより、単層体19を使用する場合に比
べてより高い表皮3の飛散防止効果を得ることができ
る。
【0080】または、表皮層飛散防止用シート18の他
の変形例として、図11に示すように、上記単層体19
や複層体36を、表皮3を補強し弾性を増すための発泡
体製などの弾性補強薄板37内に差込んだ複合体38な
どを使用することができる。
【0081】このように、表皮層飛散防止用シート18
として、上記単層体19や複層体36を、発泡体製など
の弾性補強薄板37内に差込んだ複合体38などを使用
することにより、単層体19や複層体36を使用する場
合に比べてより高い表皮3の飛散防止効果を得ることが
できる。且つ、弾性補強薄板37によってリッド部2が
補強されるため、リッド部2に上方から力が作用した時
の剛性不足によるリッド部2の変形やベコ付きを防止さ
せることもできる。なお、弾性補強薄板37を用いない
単層体19や複層体36の場合でも、ドア部材7に補強
ガイド8を取付けることにより、リッド部2の変形やベ
コ付きを防止させる効果を得ることができる。
【0082】なお、空気抜き20は、複層体36や複合
体38に設けても良い。
【0083】
【発明の実施の形態2】図12〜図14は、この発明の
実施の形態2を示すものである。なお、前記実施の形態
1と同一ないし均等な部分については、同一の符号を付
して説明する。
【0084】この実施の形態2のものは、ドア部材7を
二枚用いて平面視ほぼH字状の開裂溝16を形成するよ
うにしたリッド部2に対して、パウダースラッシュによ
って製造された表皮3の裏面側に表皮層飛散防止用シー
ト18を固着させるようにしたものである。
【0085】なお、予め各部品に開裂溝16となる切込
みをそれぞれ入れておき、これらを位置決めして形成す
るようにする場合には、表皮層飛散防止用シート18に
は、図14に示すように、平面視ほぼH字状の切込み2
1を形成するようにする。
【0086】上記以外については、前記実施の形態1と
同様の構成を備えており、同様の作用・効果を得ること
ができる。
【0087】
【発明の実施の形態3】図15は、この発明の実施の形
態3を示すものである。なお、前記実施の形態1と同一
ないし均等な部分については、同一の符号を付して説明
する。
【0088】この実施の形態3のものは、芯材4の一部
を表皮3と発泡層5で覆う部分パット構造を有し、且
つ、実施の形態1と同様の平面視ほぼU字状の開裂溝1
6を有するリッド部2に対して、パウダースラッシュに
よって製造された表皮3の裏面側に表皮層飛散防止用シ
ート18を固着させるようにしたものである。
【0089】この部分パット構造を有するリッド部2
は、パウダースラッシュによって表皮3を製造した後、
別に作製したシート状の発泡層5と表皮3とを真空成形
型へ入れて所要形状に真空成形し、得られた成形体(い
わゆる二層表皮)を芯材4へ接着するなどによって製造
する。
【0090】上記以外については、前記実施の形態1と
同様の構成を備えており、同様の作用・効果を得ること
ができる。
【0091】なお、特に図示しないが、芯材4の一部を
表皮3と発泡層5で覆う部分パット構造を有し、且つ、
実施の形態2と同様の平面視ほぼH字状の開裂溝16を
有するリッド部2に対して、パウダースラッシュによっ
て製造された表皮3の裏面側に表皮層飛散防止用シート
18を固着させるようにすることも可能である。
【0092】
【発明の実施の形態4】図16〜図18は、この発明の
実施の形態4を示すものである。なお、前記実施の形態
1と同一ないし均等な部分については、同一の符号を付
して説明する。
【0093】この実施の形態4のものは、パウダースラ
ッシュによって表皮3を製造した後、別に作製したシー
ト状の発泡層5と表皮3とを真空成形型へ入れて所要形
状に真空成形し、得られた成形体(いわゆる二層表皮3
9)と、樹脂製のドア部材40とを射出成形型へセット
し、二層表皮39と樹脂製のドア部材40との間に芯材
4となる樹脂を注入することにより、樹脂製のドア部材
40をリッド部2へインサート成形する場合に、パウダ
ースラッシュによって製造された表皮3の裏面側に上記
したように表皮層飛散防止用シート18を固着させてお
くようにしたものである。
【0094】なお、樹脂製のドア部材40にはリブ41
が形成され、射出成形された芯材4によってこのリブ4
1を包囲させることにより、ドア部材40と芯材4との
一体性を向上させるようにしている。図中、符号42は
開裂溝16を形成するレーザーヘッドである。
【0095】上記以外については、前記実施の形態1〜
3と同様の構成を備えており、同様の作用・効果を得る
ことができる。
【0096】なお、実施の形態4では、平面視ほぼH字
状の開裂溝16を有する場合を例示しているが、平面視
ほぼU字状の開裂溝16を有するものとしても良い。
【0097】
【発明の実施の形態5】図19は、この発明の実施の形
態5を示すものである。なお、前記実施の形態1と同一
ないし均等な部分については、同一の符号を付して説明
する。
【0098】この実施の形態5のものは、図5の表皮層
飛散防止用シート18の開裂溝16となるほぼU字状の
切込み21の中途部に、つなぎ部45を適宜形成するよ
うにしている。
【0099】このように、前記切込み21の中途部に、
つなぎ部45を適宜形成することにより、切込み21に
よって切り離される中央の部分64をつないでおくこと
ができるので、この部分46がたれ下がることが防止さ
れる。
【0100】上記以外については、前記実施の形態と同
様の構成を備えており、同様の作用・効果を得ることが
できる。
【0101】
【変形例】図20、図21は、実施の形態5の変形例で
あり、図14の表皮層飛散防止用シート18の開裂溝1
6となるほぼH字状の切込み21の中途部に、つなぎ部
45を適宜形成するようにしている。また、表皮層飛散
防止用シート18が織布の場合に、織布の折目と切込み
21とがほぼ平行となるように揃えておくと共に、つな
ぎ部45の側部に切込み21とほぼ平行なスリット47
を形成するようにしている。このスリット47は、つな
ぎ部45の長さと同じかより大きい長さとする。
【0102】このように、前記切込み21の中途部に、
つなぎ部45を適宜形成することにより、切込み21に
よって切り離される中央の部分64をつないでおくこと
ができるので、表皮層飛散防止用シート18の取付け時
に、この部分46がたれ下がることが防止される。ま
た、表皮層飛散防止用シート18が織布の場合に、つな
ぎ部45の側部にスリット47を形成しておくことによ
り、エアバッグの展開時に、図21に示すように、つな
ぎ部45とスリット47の間の部分で織布の縦糸と横糸
が抜けるように取れるようになるので、支障なくつなぎ
部45を有する切込み21を開裂させることが可能とな
る。
【0103】なお、図19の表皮層飛散防止用シート1
8が織布である場合に、つなぎ部45の側部に切込み2
1とほぼ平行なスリット47を形成するようにしても良
い。
【0104】
【発明の実施の形態6】図22〜図24は、この発明の
実施の形態6を示すものである。なお、前記実施の形態
4と同一ないし均等な部分については、同一の符号を付
して説明する。
【0105】この実施の形態6のものでは、少なくとも
表皮3と芯材4とを有するリッド部2の芯材4の裏面側
に補強材50を固着するようにしている。
【0106】なお、この場合、表皮には、単層表皮3、
および、表皮3と発泡層5とを有する二層表皮39、表
皮3と発泡層5とバリア層51とを有する三層表皮52
などの多層表皮を用いることができる。
【0107】また、上記芯材4は、ポリプロピレン(P
P)と合成ゴム(EPR)とタルク(フィラー)などを
混合したPPC材などによるものを用いる。
【0108】上記補強材50としては織布や不織布など
のシート状物を用いる。上記織布は、66ナイロンなど
によるものを用いる。また、上記不織布は、PA(ポリ
アミド6ナイロン・66ナイロン)材、TEEE(TA
EE)ポリエステル材、カーボン繊維などによるものを
用いる。また、上記補強材50には、全体へ均等に融着
用孔53を形成する。
【0109】具体的には、実施の形態4と同様の樹脂製
のドア部材40に補強材50を取付け、補強材50が取
付けられたTPE材などのドア部材40を射出成形型ま
たは射出プレス成形型54のコア型55へセットし、射
出成形型または射出プレス成形型54へ芯材4となる樹
脂を注入することにより、樹脂製のドア部材40を芯材
4へインサート成形するようにする。
【0110】この際、射出成形型または射出プレス成形
型54のキャビティ型56に、上記単層表皮3や、二層
表皮39および三層表皮52などの多層表皮をセットし
て、リッド部2を一体成形するようにしても良い。或い
は、キャビティ型に表皮3をセットしないで芯材4のみ
を射出成形するようにしても良い。
【0111】上記ドア部材40は、ポリプロピレン(P
P)と合成ゴム(EPR、EPDM)とを混合したTE
O材(TPO材)によるものを用いる。
【0112】このように、前記芯材4のリッド部の裏面
側に補強材50を固着することにより、リッド部2に上
方から力が作用した時の剛性不足によるリッド部2の変
形やベコ付きを防止させることができる。
【0113】また、補強材50に融着用孔53を形成す
る。ことにより、芯材4との間にアンカー効果が発生
し、芯材4への融着性を向上させることができる。
【0114】更に、射出成形型または射出プレス成形型
54のキャビティ型56に、上記単層表皮3や、二層表
皮39および三層表皮52などの多層表皮をセットして
成形することにより、リッド部2を一体成形することが
できる。
【0115】
【変形例】図25は、実施の形態6の変形例であり、ド
ア部材40を多層構造としたものである。具体的には、
ドア部材40を、TPE材などの層58,58の間に発
泡体層57を有する三層構造としている。
【0116】このように、ドア部材40を、TPE材な
どの層58,58の間に発泡体層57を有する三層構造
とすることにより、発泡体層57が収縮してエアバッグ
展開時の圧力を吸収するため、芯材4の割れを防止する
ことが可能となる。
【0117】以上、この発明の実施の形態を図面により
詳述してきたが、具体的な構成はこの実施の形態に限ら
ず、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等が
あってもこの発明に含まれる。例えば、上記各実施の形
態1〜6の上記した以外の組合せも可能である。
【0118】
【発明の効果】以上説明してきたように、請求項1の発
明によれば、パウダースラッシュによって製造されたリ
ッド部の表皮の裏面側に表皮層飛散防止用シートを固着
させるようにしているので、仮に表皮が低温脆化を起こ
していて、バッグ本体の展開時に表皮に亀裂が生じたり
表皮が脆性破壊するようなことがあっても、表皮が飛散
するのを確実に防止することができる。
【0119】請求項2の発明によれば、表皮層飛散防止
用シートとして織布、不織布、熱可塑性エラストマーシ
ート材のいずれかの単層体を使用することにより、バッ
グ本体の展開時に表皮が飛散するのを確実に防止するこ
とができる。
【0120】特に、表皮層飛散防止用シートとして織布
や不織布を用いた場合、織布や不織布は通気性を有して
いるので、表皮に対する表皮層飛散防止用シートの固着
時に、表皮と表皮層飛散防止用シートとの境界層に気泡
が生じるのを防止することができる。且つ、織布や不織
布は表面に凹凸を有しているので、表皮に対する大きな
接触面積を確保し且つアンカー効果を得ることができ
る。従って、表皮に対して高い固着性を得ることができ
る。同様に、織布や不織布と発泡層との間にもアンカー
効果が発生するため、発泡層の飛散防止に効果がある。
【0121】請求項3の発明によれば、表皮層飛散防止
用シートとして、織布と不織布と熱可塑性エラストマー
シート材とのうちの少なくとも2つをラミネートした複
層体を使用することにより、単層体を使用する場合に比
べてより高い表皮の飛散防止効果を得ることができる。
【0122】請求項4の発明によれば、表皮層飛散防止
用シートとして、上記単層体や複層体を、弾性補強薄板
内に差込んだ複合体を使用することにより、単層体や複
層体を使用する場合に比べてより高い表皮の飛散防止効
果を得ることができる。且つ、弾性補強薄板によってリ
ッド部が補強されるため、リッド部に上方から力が作用
した時の剛性不足によるリッド部の変形やベコ付きを防
止させることもできる。
【0123】請求項5の発明によれば、表皮層飛散防止
用シートに空気抜きを形成することにより、表皮に対す
る表皮層飛散防止用シートの固着時に、表皮と表皮層飛
散防止用シートとの境界層に気泡が生じるのを防止する
ことができる。且つ、空気抜きを形成した分だけ表皮に
対する接触面積を大きくすることができ、且つアンカー
効果を得ることができる。従って、表皮に対して高い固
着性を得ることができる。なお、空気抜きは、梨シボや
革シボ形状などでも凹凸であれば有効である。
【0124】特に、表皮層飛散防止用シートとして熱可
塑性エラストマーシート材を用いている場合に、空気抜
きは有効である。
【0125】請求項6の発明によれば、表皮層飛散防止
用シートに、開裂溝となる切込みを予め形成しておくこ
とにより、リッド部完成後に開裂溝を形成する手間を省
くことができる。
【0126】請求項7の発明によれば、切込みの中途部
に、つなぎ部を適宜形成することにより、切込みによっ
て切り離される部分をつないでおくことができるので、
表皮層飛散防止用シート取付け時に、この部分がたれ下
がることが防止される。
【0127】請求項8の発明によれば、表皮層飛散防止
用シートとして低温での伸び率が比較的高い素材を用い
ることにより、エアバッグ展開時に表皮の飛散を防止す
ることができる。また、表皮層飛散防止用シートとして
高温での伸び率が比較的低い素材を用いることにより、
展開時間が遅くなるのを防止することができる。
【0128】請求項9の発明によれば、予め加熱した表
皮層飛散防止用シートを用いることにより、表皮層飛散
防止用シートを加熱しないで用いた場合に比べて融着性
が一層向上すると共に、予め表皮層飛散防止用シートを
加熱して熱収縮させてから使用することにより、冷却、
固化後のヒケや変形を少なくすることができる。
【0129】請求項10の発明によれば、前記表皮層飛
散防止用シートが織布または不織布からなる場合に、予
め60℃〜260℃に加熱しておくことにより、最適な
融着状態を得ることができる。
【0130】請求項11の発明によれば、前記表皮層飛
散防止用シートが熱可塑性エラストマーシート材からな
る場合に、予め60℃〜230℃に加熱しておくことに
より、最適な融着状態を得ることができる。
【0131】請求項12の発明によれば、熱可塑性エラ
ストマーシート材として、PVC系、TPU系、または
TEO系のいずれかを使用することにより最適な状態を
得ることができる。
【0132】請求項13の発明によれば、芯材の裏面側
に補強材を固着することにより、リッド部に上方から力
が作用した時の剛性不足によるリッド部の変形やベコ付
きを防止させることができる、という実用上有益な効果
を発揮し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1にかかるインストルメン
トパネルの概略斜視図である。
【図2】図1のリッド部の側方断面図である。
【図3】図1のドア部材と補強ガイドとの斜視図であ
る。
【図4】(a)は空気抜きが形成された表皮層飛散防止
用シートの部分側面図、(b)は(a)の底面図であ
る。
【図5】(a)は空気抜きが形成された図2の表皮層飛
散防止用シートの平面図、(b)は切込みが形成された
図2の表皮層飛散防止用シートの平面図、(c)は空気
抜きと切込みが形成された図2の表皮層飛散防止用シー
トの平面図である。
【図6】(a)〜(g)はパウダースラッシュ表皮の製
造工程を示す図である。
【図7】表皮層飛散防止用シートをプラチゾル表皮層に
融着させる状態を示す側面図である。
【図8】表皮層飛散防止用シートをプラチゾル表皮層に
沿わせる状態を示す側面図である。
【図9】発泡層を形成する発泡型の概略を示す側面図で
ある。
【図10】表皮層飛散防止用シートの変形例を示す図で
ある。
【図11】表皮層飛散防止用シートの他の変形例を示す
図である。
【図12】本発明の実施の形態2にかかるリッド部の側
方断面図である。
【図13】図12のドア部材と補強ガイドとの斜視図で
ある。
【図14】切込みが形成された図12の表皮層飛散防止
用シートの平面図である。
【図15】本発明の実施の形態3にかかるリッド部の側
方断面図である。
【図16】本発明の実施の形態4にかかるリッド部の側
方断面図である。
【図17】図16の部分拡大図である。
【図18】図16の別の部分拡大図である。
【図19】本発明の実施の形態5にかかる図5と同様の
図である。
【図20】実施の形態5の変形例にかかる図14と同様
の図である。
【図21】図20のA部分拡大図である。
【図22】本発明の実施の形態6にかかる図16と同様
の図である。
【図23】図22の補強材の拡大斜視図である。
【図24】射出成形型または射出プレス成形型の概略を
示す側面図である。
【図25】実施の形態6の変形例にかかる図22と同様
の図である。
【符号の説明】
2 リッド部 3 表皮 18 表皮層飛散防止用シート 19 単層体 20 空気抜き 36 複層体 37 弾性補強薄板 38 複合体 45 つなぎ部 50 補強材

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともパウダースラッシュによって製
    造された表皮と芯材とをリッド部に備えた車両用エアバ
    ッグ装置のリッド部構造において、前記表皮の裏面側に
    表皮層飛散防止用シートを固着させるようにしたことを
    特徴とする車両用エアバッグ装置のリッド部構造。
  2. 【請求項2】前記表皮層飛散防止用シートが、織布、不
    織布、熱可塑性エラストマーシート材のいずれかの単層
    体であることを特徴とする請求項1記載の車両用エアバ
    ッグ装置のリッド部構造。
  3. 【請求項3】前記表皮層飛散防止用シートとして、前記
    単層体を構成する織布と不織布と熱可塑性エラストマー
    シート材とのうちの少なくとも2つをラミネートした複
    層体を使用したことを特徴とする請求項1記載の車両用
    エアバッグ装置のリッド部構造。
  4. 【請求項4】前記表皮層飛散防止用シートとして、上記
    単層体や複層体を、表皮を補強し弾性を増すための発泡
    体製の弾性補強薄板内に差込んだ複合体を使用したこと
    を特徴とする請求項1記載の車両用エアバッグ装置のリ
    ッド部構造。
  5. 【請求項5】前記表皮層飛散防止用シートに空気抜きを
    形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記
    載の車両用エアバッグ装置のリッド部構造。
  6. 【請求項6】前記表皮層飛散防止用シートに、開裂溝と
    なる切込みを予め形成したことを特徴とする請求項1〜
    5のいずれかに記載の車両用エアバッグ装置のリッド部
    構造。
  7. 【請求項7】前記切込みの中途部に、つなぎ部を適宜形
    成したことを特徴とする請求項6記載の車両用エアバッ
    グ装置のリッド部構造。
  8. 【請求項8】前記表皮層飛散防止用シートに、−40℃
    での引張強さが250×9.8N/cm2(250Kg
    f/cm2)〜500×9.8N/cm2(500Kgf
    /cm2)で、伸び率が50(%)以上で、引裂強さが
    10×9.8N/cm2(10Kgf/cm2)以上で、
    23℃での引張強さが50×9.8N/cm2(50K
    gf/cm2)〜100×9.8N/cm2(100Kg
    f/cm2)で、伸び率が100(%)以上で、引裂強
    さが10×9.8N/cm2(10Kgf/cm2)以上
    で、85℃での引張強さが10×9.8N/cm2(1
    0Kgf/cm2)〜100×9.8N/cm2(100
    Kgf/cm2)で、伸び率が150〜500(%)
    で、引裂強さが5×9.8N/cm2(5Kgf/c
    2)以上の素材を用いたことを特徴とする請求項1〜
    7のいずれかに記載の車両用エアバッグ装置のリッド部
    構造。
  9. 【請求項9】前記表皮を形成するプラチゾル表皮層の表
    皮裏面側に対応する部位に予め加熱された前記表皮層飛
    散防止用シートを固着させたことを特徴とする請求項1
    〜8のいずれかに記載の車両用エアバッグ装置のリッド
    部構造。
  10. 【請求項10】前記表皮層飛散防止用シートは織布また
    は不織布からなり、且つ、それを予め加熱する温度は6
    0℃〜260℃であることを特徴とする請求項9記載の
    車両用エアバッグ装置のリッド部構造。
  11. 【請求項11】前記表皮層飛散防止用シートは熱可塑性
    エラストマーシート材からなり、且つ、それを予め加熱
    する温度は60℃〜230℃であることを特徴とする請
    求項9記載の車両用エアバッグ装置のリッド部構造。
  12. 【請求項12】前記熱可塑性エラストマーシート材は、
    PVC系、TPU系、またはTEO系のいずれかである
    ことを特徴とする請求項2、請求項3,請求項9のいず
    れかに記載の車両用エアバッグ装置のリッド部構造。
  13. 【請求項13】少なくとも表皮と芯材とをリッド部に備
    えた車両用エアバッグ装置のリッド部構造において、前
    記芯材の裏面側に補強材を固着したことを特徴とする車
    両用エアバッグ装置のリッド部構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007276560A (ja) * 2006-04-04 2007-10-25 Hayashi Engineering Inc 自動車用内装構造およびヘッドライナ内装材
KR100783911B1 (ko) 2006-12-06 2007-12-10 현대자동차주식회사 차량 인스트루먼트 패널의 조수석 에어백 테어라인 안전절취장치
ES2555036A1 (es) * 2015-10-29 2015-12-28 Seat, S.A. Disposición para una funda de asiento de vehículo y su proceso de realización

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