JP2000344776A - トリエチレンジアミン類及びピペラジン類の製造方法 - Google Patents

トリエチレンジアミン類及びピペラジン類の製造方法

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JP2000344776A JP2000101307A JP2000101307A JP2000344776A JP 2000344776 A JP2000344776 A JP 2000344776A JP 2000101307 A JP2000101307 A JP 2000101307A JP 2000101307 A JP2000101307 A JP 2000101307A JP 2000344776 A JP2000344776 A JP 2000344776A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トリエチレンジアミン類及びピペラジン類を
高収率で、且つ長期間安定して製造できる触媒は未だに
見出されておらず、そのため、性能面で優れた触媒の開
発及びそれを用いた製造方法の開発が強く切望されてい
た。 【解決手段】 500℃〜950℃の温度にて焼成し、
次いで、無機酸で接触処理された、アルミナに対するシ
リカのモル比が12以上の結晶性アルミノシリケートか
ら成る触媒と、一般式(1) 【化1】 (式中、R1〜R4は各々独立して水素原子又は置換基を
有してもよい炭素数1〜3のアルキル基を示す)で表さ
れる基を有するアミン化合物を接触させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トリエチレンジア
ミン類及びピペラジン類を製造する方法に関するもので
ある。詳しくは、改良された結晶性アルミノシリケート
触媒を用いて、アミン化合物から効果的・効率的にトリ
エチレンジアミン類及びピペラジン類を製造する方法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】トリエチレンジアミン類は、ポリウレタ
ン製造における発泡触媒、エポキシ樹脂硬化促進剤等と
して、又ピペラジン類は医薬、農薬製造中間体、ウレタ
ン触媒等として、大量に使用されている有用な化合物で
ある。
【0003】これらトリエチレンジアミン類、ピペラジ
ン類は一般に触媒を用いてアミン化合物を環化すること
によって得られる。
【0004】その触媒としては、ゼオライトが公知であ
る。例えば、特開昭50−58096号公報には、A型
ゼオライトを触媒として用い、N−(2−アミノエチ
ル)ピペラジンを該触媒と250〜450℃で気相にて
接触させトリエチレンジアミン、ピペラジンを得る方法
が開示されている。特開昭60−260574号公報に
は、少なくとも、アルミナに対するシリカのモル比20
の組成比から成る高シリカゼオライトを触媒として用
い、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−
ヒドロキシエチル)ピペラジンを該触媒と250〜55
0℃で気相で接触させトリエチレンジアミンを得る方法
が開示されている。特開昭62−228079号公報に
は、空気雰囲気下400〜600℃にて焼成処理され
た、アルミナに対するシリカのモル比が12以上の結晶
性金属シリケートを触媒として用い、モノエタノールア
ミン、エチレンジアミン、N−(2−アミノエチル)ピ
ペラジン、N−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン等
を該触媒と100〜500℃で接触させトリエチレンジ
アミンを得る方法が開示されている。特開昭63−12
2654号公報には、空気雰囲気下400〜600℃に
て焼成処理された、アルミナに対するシリカのモル比が
12以上の結晶性金属シリケートを触媒として用い、モ
ノエタノールアミン、エチレンジアミン、ピペラジン、
N−(2−アミノエチル)ピペラジン、N−(2−ヒド
ロキシエチル)ピペラジン等を該触媒と100〜500
℃、絶対圧力300kPa(3kg/cm2)以上の条
件で接触させトリエチレンジアミンを得る方法が開示さ
れている。特開平1−132587号公報には、ペンタ
シル型ゼオライトを触媒として用い、ピペラジンを該触
媒と250〜550℃で接触させトリエチレンジアミン
を得る方法が開示されている。特開平1−143864
号公報には、ペンタシル型ゼオライトを触媒として用
い、エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、2−ア
ミノエタノ−ルを該触媒と250〜550℃で接触させ
トリエチレンジアミンを得る方法が開示されている。特
開平3−127764号公報には、シリカモレキュラー
シーブ、非ゼオライト系モレキュラーシーブ、ゼオライ
ト系モレキュラーシーブから選択される1種又はそれ以
上のモレキュラーシーブを触媒として、N−(2−アミ
ノエチル)ピペラジン、N−(2−ヒドロキシエチル)
ピペラジン、ピペラジン、ピペラジン及びモノエタノー
ルアミン、ピペラジン及びエチレンジアミン等を該触媒
と250〜500℃で接触させトリエチレンジアミンを
得る方法が開示されている。特開平3−133971号
公報には、アルカリ金属を含むか、又はゼオライト骨格
のアルミニウムが鉄により同形的に置換されたペンタシ
ル型ゼオライトを触媒として用い、エチレンジアミンを
270〜420℃で該触媒と接触させトリエチレンジア
ミンを得る方法が開示されている。更に、特開平5−1
7460号公報には、水蒸気雰囲気下500℃〜950
℃の温度にて焼成処理された結晶性アルミノシリケート
から成る触媒とアミン化合物からトリエチレンジアミン
を製造する方法が開示されている。特開平5−1746
1号公報には、空気雰囲気下610℃〜950℃の温度
にて焼成処理された結晶性アルミノシリケートから成る
触媒とアミン化合物からトリエチレンジアミンを製造す
る方法が開示されている。特開平5−17462号公報
には、無機塩が担持された結晶性アルミノシリケート触
媒とアミン化合物からトリエチレンジアミンを製造する
方法が開示されている。特開平10−109964号公
報には、塩基処理されたゼオライト触媒とアミン化合物
からトリエチレンジアミンを製造する方法が開示されて
いる。特開平10−182562号公報には、表面酸性
度失活ゼオライト触媒とアミン化合物からトリエチレン
ジアミンを製造する方法が開示されている。特開平10
−195029号公報には、縮合/環化形状選択性ゼオ
ライトとエチル化性化合物を添加したトリエチレンジア
ミン反応液からトリエチレンジアミンを製造する方法
が、開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のようにトリエチ
レンジアミンの製造法に関して、ゼオライト触媒を用い
た多くの製造法が開示されている。しかしながら、工業
用触媒として使用するには、下記のような問題点があっ
た。
【0006】即ち、特開昭50−58096号公報に記
載の方法では、トリエチレンジアミン、ピペラジンの選
択率が低く、収率を高く維持することができない。ま
た、該触媒の経時活性低下が激しく、工業用触媒とはな
らない。特開昭60−260574号公報に記載の方法
では、トリエチレンジアミン、ピペラジンの選択率は高
いものの、転化率が低く、収率を高く維持できない。更
に、該触媒の経時活性低下が大きく、該触媒を工業用触
媒として用いるには経済的に有利とはならない。特開昭
62−228079号公報及び特開昭63−12265
4号公報に記載の方法では、転化率を低くすれば選択率
を高くできるが、転化率を高くすると選択率が低下し、
結局高収率で目的とする化合物を得ることはできず、ま
た、同様に該触媒の経時活性低下は大きい。したがっ
て、該触媒も工業用触媒として用い難い。特開平1−1
32587号公報及び特開平1−143864号公報に
記載の方法では、選択率は高いが、その時の転化率は低
く目的物の収率は低くなる。また、今までと同様該触媒
の経時活性低下は大きい。特開平3−127764号公
報に記載の方法では、トリエチレンジアミンの選択率は
高いものの、転化率が低く、トリエチレンジアミンの収
率を高く維持できない。又、該触媒も同様経時活性低下
は大きい。特開平3−133971号公報に記載のアル
カリ金属イオン含有ペンタシルゼオライトでは、選択率
は高いものの転化率低く目的物の収率は低い。又、ゼオ
ライト骨格のアルミニウムが鉄置換されたペンタシルゼ
オライトでは転化率は向上し、又選択率は高く、その結
果収率は向上するものの触媒が特殊なゼオライトであ
り、その製造法は複雑で、条件も厳しく、製造費用もか
さみ、経済的に有利とはならない。更には、経時活性低
下は従来触媒よりは改良されているものの、工業上満足
できる段階ではない。特開平5−17460号公報、特
開平5−17461号公報、特開平5−17462号公
報に記載の方法では、トリエチレジアミン収率は改善さ
れているものの、触媒の経時活性低下は大きい。特開平
10−109964号公報、特開平10−182562
号公報に記載の方法では、トリエチレンジアミン収率は
低く、また、触媒の経時活性低下は大きく、とても工業
的製造法とは成り得ない。また、特開平10−1950
29号公報では、2段反応であり、操作が煩となり、設
備費がかさみ、更には、触媒の活性低下は大きい。
【0007】即ち、従来の製造方法のほとんどが、トリ
エチレンジアミン類及びピペラジン類の収率が低く、生
産性、経済性の低いものである。また、これらの収率を
高くできる方法は、操作が煩雑であるか、設備が複雑で
あるか、工業上製造が困難な特殊な触媒を用いた方法で
あり、経済性の薄い方法である。
【0008】更に致命的な課題として、従来のいずれの
触媒に於いても、触媒活性の経時的低下が著しく大きい
ことが挙げられる。即ち、触媒寿命が短いことであり、
このことは触媒費用がかさむこと以外に、触媒交換操
作、生成物の組成変動による運転操作等が煩雑になるこ
となど、工業上の最大の課題となっている。
【0009】以上のことより、トリエチレンジアミン類
及びピペラジン類を高収率で、且つ長期間安定して製造
できる触媒は未だに見出されていない。そのため、性能
面で優れた触媒の開発及びそれを用いた製造方法の開発
が強く切望されている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、トリエチレ
ンジアミン類及びピペラジン類の製造方法について広
く、深く鋭意検討した結果、重要な因子は触媒であると
の結論に達し、その触媒の研究開発を更に進めた。その
結果、結晶性アルミノシリケートを限定された範囲の高
温で加熱処理した後、限定された薬剤を用いて処理し、
アルミナに対するシリカのモル比を限定された値とし、
それを触媒として用いることで、初めて本発明の目的で
あるトリエチレンジアミン類及びピペラジン類を高収率
で、且つ長期間安定して製造できるという新規な事実を
見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】即ち本発明は、500℃〜950℃の温度
にて焼成し、次いで、無機酸と接触処理された、アルミ
ナに対するシリカのモル比12以上の結晶性アルミノシ
リケートから成る触媒と、下記一般式(1)
【0012】
【化2】
【0013】(式中、R1〜R4は各々独立して水素原子
又は置換基を有してもよい炭素数1〜3のアルキル基を
示す)で表される基を有するアミン化合物を接触させる
ことを特徴とするトリエチレンジアミン類及びピペラジ
ン類の製造方法である。
【0014】以下に、本発明を更に詳しく説明する。
【0015】本発明の方法において触媒として用いる結
晶性アルミノシリケートは、アルミナに対するシリカの
モル比12以上、好ましくは40〜5000のものであ
る。ここで、アルミナに対するシリカのモル比が12未
満であると、トリエチレンジアミン類の選択率が低下
し、不必要な副生成物が多量生成する。また、アルミナ
に対するシリカのモル比が5000よりも大きいと、触
媒活性の低下が大きくなり、収率が幾分低下する。モル
比が40〜5000で触媒寿命を長く、且つ触媒活性を
高く、即ち収率を高く維持でき、より経済的で好まし
い。
【0016】本発明の方法における結晶性アルミノシリ
ケートは、アルミナに対するシリカのモル比が12以上
であるが、酸素10員環の主空洞を有するものが、触媒
活性及び触媒寿命を大きくできるので好ましい。その具
体例としては、米国特許第3,702,886号に記載
されているZSM−5、米国特許第1,334,243
号に記載されているZSM−8、米国特許第3,70
9,979号に記載されているZSM−11、米国特許
第3,832,449号に記載されているZSM−1
2、米国特許第4,001,346号に記載されている
ZSM−21等がある。
【0017】結晶性アルミノシリケートは、通常水熱合
成で得られるが、その時、有機結晶化剤を用いたり、用
いなかったりするが、いずれも本発明で使用することが
できる。
【0018】本発明の方法において、該結晶性アルミノ
シリケートは、500〜950℃で焼成される。焼成
は、粉末、成型体いずれで行っても良い。成型体は、通
常結晶性アルミノシリケート粉末を粘土、アルミナゾ
ル、シリカゾル等の無機バインダー、セルロース系の有
機バインダーと少量の水を用いて、混合、混練し、湿式
造粒する。混合、混練操作は、成型体の機械的強度を付
与するに重要であり、装置としては、円筒型、V型、立
方体型、二重円錐型、六角形、ピラミッド型等の回転容
器型混合機、スクリュー混合機、リボン混合機、ヘンシ
ェル型ミキサー、回転パン型混合機等の容器固定型混合
機等を挙げることができる。湿式造粒は、形を整え、運
転操作性や作業性を向上させたり、成型体の機械的強度
を高めるのに重要である。その方法としては、押し出し
造粒、撹拌混合造粒又は加圧成型が挙げられ、その方法
により、形状は、ペレット状、ビーズ状、タブレット状
等になるが、いずれも使用できる。この様な湿式成型後
は、通常乾燥脱水する。また、成型時の無機バインダー
としては、シリカ系のバインダー、例えば、シリカゾル
が好ましく、触媒性能、特に触媒の経時活性低下を抑制
することができる。焼成は、空気雰囲気下、水蒸気雰囲
気下のいずれで行っても良い。その条件は、結晶性アル
ミノシリケートの種類、アルミナに対するシリカのモル
比、有機結晶化剤の種類、成型体の場合バインダーの種
類等により異なるが、温度はいずれの場合も、500〜
950℃の範囲であり、好ましい温度範囲は、550〜
850℃である。焼成時間は、通常1時間以上、好まし
くは3時間以上である。焼成温度が500℃未満である
と、目的物であるトリエチレンジアミン類、ピペラジン
類の選択率が著しく低下する。また、焼成温度が950
℃よりも高いと、熱により結晶性アルミノシリケートの
結晶性が低下し、比表面積が小さくなり、触媒としての
活性が著しく低下する。550〜850℃の温度範囲で
焼成することにより、触媒活性、触媒寿命の面でより優
れた触媒とすることができる。
【0019】本発明の方法においては、焼成後、結晶性
アルミノシリケートを無機酸と接触させる。該操作が本
発明の1つの大きな特徴である。接触処理は、焼成され
た結晶性アルミノシリケートを通常無機酸の水溶液と接
触することにより達成されるが、その操作は、バッチ式
(浸漬式)、カラム流通式、あるいはカラム循環式のい
ずれで行っても良い。バッチ式の場合は、その操作を繰
り返し行っても良く、その場合効果が高まる。しかしな
がら操作面から、カラム流通式あるいはカラム循環式が
好ましい。
【0020】この処理温度、及び時間は、用いる結晶性
アルミノシリケートの種類、焼成条件、無機酸の種類、
無機酸の濃度等によって異なり一義的に決めることはで
きないが、通常20〜100℃の温度、好ましくは、5
0〜80℃の温度で、1〜100時間、好ましくは、3
〜50時間接触させることで目的は達成される。
【0021】本発明で用いることができる無機酸は、特
に限定するものではないが、弗化水素、塩化水素、臭化
水素、硫酸、硝酸、過塩素酸等が例示される。これらの
うち、処理効果、入手のしやすさ、価格、取り扱い性の
面から、塩化水素、硫酸、硝酸が好ましく、特に塩化水
素が好ましい。
【0022】用いる無機酸水溶液の濃度は、通常、0.
01〜10mol/lである。0.01mol/l未満
では、接触処理時間を長くしたり、無機酸水溶液量を多
く必要とし、接触処理の効果も薄くなる。また、10m
ol/lより高いと、結晶性アルミノシリケートが侵さ
れ、その結晶性が低下し、触媒としての活性が低下す
る。非常に強い酸、例えば弗化水素の場合、より低濃度
で用い、結晶性アルミノシリケートの溶解を抑える。
【0023】無機酸水溶液の使用量は、特に限定するも
のではないが、少なすぎると処理効果は小さく、また多
すぎても効果の向上はそれ程でもなく、無機酸費用がか
さむことになる。通常は、結晶性アルミノシリケートに
対して、1倍重量以上用いる。好ましくは、2〜20倍
重量である。
【0024】触媒の接触処理に使用した廃酸は、廃酸中
の酸濃度が前述の範囲であれば、再使用可能であり、更
に無機酸を追加し使用することもできる。
【0025】無機酸による接触処理後、触媒を通常は水
で洗浄し、そして乾燥する。引き続きイオン交換を行う
場合は、特に乾燥操作は必要ない。無機酸との接触によ
り、高性能触媒、即ちトリエチレンジアミン類、及びピ
ペラジン類合成で、高収率と経時活性低下抑制(高寿
命)が達成できる触媒となる。
【0026】本発明で用いる結晶性アルミノシリケート
は、H型に限定されず、水素イオンの一部もしくは全部
が他の陽イオン、例えばリチウムイオン、ナトリウムイ
オン、カリウムイオン、セシウムイオン、マグネシウム
イオン、カルシウムイオン、ランタンイオン等で交換さ
れたものでも一向に差支えなく、使用することができ
る。無機酸処理後、結晶性アルミノシリケートはH型で
あるが、これを前述の陽イオンで交換し、触媒として使
用することができる。この時、アルカリ金属イオン、特
に、ナトリウムイオン、カリウムイオンで交換した結晶
性アルミノシリケートが、高収率、経時活性低下抑制の
面で好ましく、そのアルカリ金属イオン交換率が30〜
70%の時、最も好ましい。
【0027】本発明の方法において、触媒の形状には特
に制限はなく、反応形式に応じて粉末のまま、又は成型
体として用いられる。例えば、懸濁床では粉末、又は顆
粒状で用いられ、固定床ではタブレット状、ビーズ状、
又はペレット状の成型体が用いられる。
【0028】成型体は、前述の成型操作により得られ
る。この成型操作は、無機酸処理後に行っても良いが、
触媒性能の向上、運転操作性の向上より、前述した様
に、焼成操作前に行うのが好ましい。無機酸処理後に成
型操作を行う場合、成型圧を高めて操作するのが好まし
く、この操作により強度の高い成型体が得られる。また
このとき、成型体強度を高めるためにバインダーを用い
てもよい。
【0029】次に、本発明で用いる原料化合物は、分子
内に上記一般式(1)で表される基を有するアミン化合
物であれば特に限定されない。その化合物としては、例
えば、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、イ
ソプロパノールアミン、ジイソプロパノ−ルアミン、N
−(2−アミノエチル)エタノ−ルアミン、N−(2−
ヒドロキシエチル)ピペラジン、N,N´−ビス(2−
ヒドロキシエチル)ピペラジン、N−(2−アミノエチ
ル)ピペラジン、N,N´−ビス(2−アミノエチル)
ピペラジン、ピペラジン、エチレンジアミン、ジエチレ
ントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレ
ンペンタミン等が挙げられ、これらのいずれも使用でき
る。これらの中で、エチレンアミン類であるエチレンジ
アミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミ
ン、テトラエチレンペンタミン等の鎖状エチレンアミン
類、N−(2−アミノエチル)ピペラジン、ピペラジン
等の環状エチレンアミン類が好ましく、大量に安価に入
手できるだけでなく、より収率高くトリエチレンジアミ
ン類、ピペラジン類を製造することができる。更に好ま
しいエチレンアミン類としては、N−(2−アミノエチ
ル)ピペラジンである。又、用いる該アミン化合物は、
一種に限定されず、前記アミン類化合物より選ばれた二
種以上の複数種混合状態で用いても良い。
【0030】本発明の方法においては、反応は気相で行
っても液相で行っても良い。反応形式は、回分、半回
分、連続式いずれでも良く、また懸濁床(気相反応では
流動床)、固定床流通式でも実施できるが、工業的に
は、固定床流通式が操作、装置、経済性の面から有利で
ある。
【0031】反応は、気相方式が操作性、収率面、触媒
の安定性の面で有利であるが、その時のアミン化合物の
希釈剤として窒素ガス、水素ガス、アンモニアガス、水
蒸気、炭化水素等の不活性ガス、あるいは水や不活性な
炭化水素等の不活性溶媒を用いて、原料であるアミン化
合物を希釈し、これを原料として導入して、反応を進行
させることができる。これらの希釈剤は任意の量で使用
できるが、通常はアミン化合物/希釈剤のモル比は0.
01〜1が好ましい。モル比が0.01よりも小さい場
合、トリエチレンジアミン類、ピペラジン類の生産性が
低くなる。また、モル比が1よりも大きくなると、トリ
エチレンジアミン類、ピペラジン類への選択性が幾分低
下する。
【0032】本発明では、アミン化合物を原料とし、こ
れを前記結晶性アルミノシリケートから成る触媒と接触
させ、トリエチレンジアミン類及びピペラジン類を製造
するが、この時の反応温度、空間速度等の反応条件は結
晶性アルミノシリケートの種類、アミン化合物の種類等
により異なり、一義的に決められないが、通常は反応温
度250〜450℃、空間速度(GHSV)100〜1
0000hr-1の範囲で好適に行うことができる。
【0033】また、操作圧力は、大気圧下、加圧下、減
圧下でいずれでも行うことができる。
【0034】また、本発明の方法により調製された触媒
は、従来触媒と比べ、極めて長い期間の反応により徐々
に活性低下を招くが、触媒に付着した有機成分を焼成す
ることにより、高活性の触媒として再生でき、繰り返し
使用することができる。このことは、本質的に触媒は変
質していないことを示し、本発明の大きな特徴でもあ
る。尚、使用触媒を賦活するための焼成温度は、通常5
00℃以上が好ましい。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、産業上有用なトリエチ
レンジアミン類及びピペラジン類を効果的・効率的に製
造することができる。以下、本発明の効果を列記する。
【0036】(1)本発明では、多くのアミン化合物を
原料とすることができる。したがって、その適用範囲は
極めて広い。
【0037】(2)多くのアミン化合物から、一段の触
媒反応により、効率良くトリエチレンジアミン類及びピ
ペラジン類を製造することができる。
【0038】(3)本発明の触媒はトリエチレンジアミ
ン類及びピペラジン類を高収率で得ることができ、又そ
の触媒寿命も長く、工業触媒として有用に使用できる。
更には、本触媒の調製法は工業的であり、大量に安価に
安定して製造することができる。
【0039】(4)本発明の触媒は、反応に供すること
により、本質的劣化はなく、焼成操作で簡単に賦活させ
ることができ、工業触媒として価値の高いものである。
【0040】以上の様に、本発明は多くの、そして大き
な特徴を有し、今まで切望されて来た要件を全て備え
た、極めて有用なものである。
【0041】
【実施例】以下、本発明を具体的に実施例にて説明する
が本発明はこれら実施例にのみ特に限定されるものでは
ない。
【0042】触媒調製例1 粉末ZSM−5型ゼオライト(東ソ−(株)製860N
HA、シリカ/アルミナモル比72)100重量部を、
バインダーとしてシリカ33重量部を使用して押出し成
型した(成型体(1))後、水蒸気雰囲気下750℃、
4時間焼成し、H型ZSM−5(1)を得た。
【0043】触媒調製例2 H型ZSM−5(1)100gをカラムに充填し、1m
ol/l塩酸1lを60℃で24時間、1l/Hrの速
度で循環させた。その後、pHが中性になるまで、水洗
し、0.5mol/l塩化ナトリウム水溶液1lを80
℃で8時間、1l/Hrの速度で循環させ、Na交換を
行った。その後、塩素イオンが検出されなくなるまで水
洗し、カラムから抜き出し、120℃で16時間乾燥
し、Na型ZSM−5(2)を得た。Na交換率は45
%であった。
【0044】触媒調製例3 1mol/l塩酸を0.5mol/l硫酸に代えた以外
は、触媒調製例2と同様な操作を実施し、Na型ZSM
−5(3)を得た。
【0045】触媒調製例4 H型ZSM−5(1)を成型体(1)に代えた以外は、
触媒調製例2と同様な操作を実施し、Na型ZSM−5
(4)を得た。
【0046】触媒調製例5 成型体(1)を空気雰囲気下400℃、4時間焼成し、
引き続き、触媒調製例2と同様な操作を実施し、Na型
ZSM−5(5)を得た。
【0047】触媒調製例6 Na型ZSM−5(4)を水蒸気雰囲気下750℃、4
時間焼成し、Na型ZSM−5(6)を得た。
【0048】実施例1 固定床流通式反応管に、触媒調製例2で得られたNa型
ZSM−5(2)を充填し、反応温度を355℃に保
ち、N−(2−アミノエチル)ピペラジン(N−AEP
と略す)と水との混合物(N−AEP/水(モル比)=
5/95)をGHSV1000hr-1にて供給した。反
応液をガスクロマトグラフィ−で分析した。反応初期で
は、N−AEPの転化率99.5%、トリエチレンジア
ミン(TEDAと略す)収率50.7wt%、ピペラジ
ン(Pと略す)収率20.2wt%であり、収率の高い
ものであった。また、反応開始後30日目では、反応温
度370℃で、N−AEPの転化率98.2%、TED
A収率47.7wt%、P収率20.8wt%であり、
長期間高い活性を維持できた。
【0049】実施例2 原料をトリエチレンテトラミン(TETAと略す)と水
との混合物(TETA/水(モル比)=8/92)に変
えた以外、実施例1と同様な操作で反応を実施した。反
応初期では、反応温度360℃で、TETAの転化率1
00%、TEDA収率45.2wt%、P収率14.8
wt%であった。途中昇温し、反応開始後20日目で
は、反応温度370℃、TETAの転化率100%、T
EDA収率43.7wt%、P収率14.9wt%であ
り、高い活性を維持できた。
【0050】実施例3 原料をN−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン(以
下、HEPと略す)と水との混合物(HEP/水(モル
比)=8/92)に変えた以外、実施例1と同様な操作
で反応を実施した。反応温度340℃で、HEPの転化
率98.6%、TEDA収率68.1wt%、P収率
4.1wt%であり、よりマイルドな条件で高い反応活
性を得た。また、この成績は長時間持続した。
【0051】実施例4 Na型ZSM−5(2)をNa型ZSM−5(3)に代
えた以外は実施例1と同様な操作を実施した。反応初期
では、反応温度355℃で、N−AEPの転化率99.
1%、TEDA収率49.8wt%、P収率20.5w
t%であった。また、反応開始後32日目では、反応温
度370℃で、N−AEPの転化率97.0%、TED
A収率46.3%、P収率21.0wt%であり、実施
例1と同様に良好な反応成績が得られた。
【0052】比較例1 触媒として、H型ZSM−5(1)を用い、実施例1と
同様な操作で反応を実施した。反応初期では、反応温度
355℃で、N−AEPの転化率100%、TEDA収
率51.4wt%、P収率15.1wt%であった。し
かしながら、反応開始後30日目では、反応温度370
℃で、N−AEPの転化率76.7%、TEDA収率3
3.6wt%、P収率17.9wt%であり、急速に活
性は低下した。
【0053】比較例2 触媒として、H型ZSM−5(4)を用い、実施例1と
同様な操作で反応を実施した。反応初期では、反応温度
380℃で、N−AEPの転化率97.9%、TEDA
収率24.2wt%、P収率28.5wt%であった。
また、反応開始後10日目では、反応温度400℃で
も、N−AEPの転化率81.8%、TEDA収率1
9.7wt%、P収率30.6wt%であり、活性及び
活性低下が大きかった。また、このテスト経時的に触媒
層の圧力損失は増大していた。この原因は、テスト後の
触媒層の調査から、成型体の崩壊と粉化であることが判
明した。
【0054】比較例3 触媒として、H型ZSM−5(5)を用い、実施例1と
同様な操作で反応を実施した。反応初期では、反応温度
365℃で、N−AEPの転化率99.3%、TEDA
収率38.1wt%、P収率16.8wt%であった。
しかしながら、反応開始後10日目では、反応温度38
0℃でも、N−AEPの転化率82.1%、TEDA収
率32.4wt%、P収率18.2wt%であり、急速
に活性が低下した。
【0055】比較例4 触媒として、H型ZSM−5(6)を用い、実施例1と
同様な操作で反応を実施した。反応初期では、反応温度
355℃で、N−AEPの転化率99.3%、TEDA
収率49.7wt%、P収率18.9wt%であった。
しかしながら、反応開始後10日目では、反応温度38
0℃でも、N−AEPの転化率91.9%、TEDA収
率39.9wt%、P収率19.4wt%であり、急速
に活性が低下した。
【0056】これらの結果を表1にまとめて示す。
【0057】
【表1】

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 500℃〜950℃の温度にて焼成し、
    次いで、無機酸で接触処理された、アルミナに対するシ
    リカのモル比が12以上の結晶性アルミノシリケートか
    らなる触媒と、一般式(1) 【化1】 (式中、R1〜R4は各々独立して水素原子又は置換基を
    有してもよい炭素数1〜3のアルキル基を示す。)で表
    される基を有するアミン化合物を接触させることを特徴
    とするトリエチレンジアミン類及びピペラジン類の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 結晶性アルミノシリケートが、ペンタシ
    ル型アルミノシリケートであることを特徴とする請求項
    1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 結晶性アルミノシリケートのアルミナに
    対するシリカのモル比が、40〜5000であることを
    特徴とする請求項1又は請求項2に記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 無機酸が、塩化水素、臭化水素、硫酸、
    硝酸及び過塩素酸からなる群より選ばれた1種又は2種
    以上であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のい
    ずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 無機酸が、塩化水素であることを特徴と
    する請求項4に記載の方法。
  6. 【請求項6】 アミン化合物が、エチレンアミン類化合
    物より選ばれた1種又は2種以上であることを特徴とす
    る請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の方法。
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