JP2000501387A - N―アセチル―D,L―α―アミノカルボン酸の製造方法 - Google Patents

N―アセチル―D,L―α―アミノカルボン酸の製造方法

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Abstract

(57)【要約】 相応するD,L−α−アミノカルボン酸から、酢酸中での無水酢酸を用いるアセチル化および得られたN−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸のアセチル化混合物からの単離によるN−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸の製造のための公知のアセチル化法においては、必然的に大量の塩が生成するか、または十分な純度のN−アセチル化α−アミノ酸を取得するために水を用いる処理が必要となる。アセチル化を60〜150℃で、酢酸1リットル当たりにα−アミノカルボン酸3モル未満の濃度で実施し、その際、濃度は、圧力および温度の標準条件におけるものであり、かつN−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸を、蒸発濃縮により溶融物または固体として得ることにより、N−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸の水を用いる処理を完全に不要にすることができ、それでもやはりその際、高い品質および収率、さらに純度も得られる。光学活性α−アミノカルボン酸の製造のための方法の酵素分割に使用されるN−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸。

Description

【発明の詳細な説明】 N−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸の製造方法 本発明は、酢酸中での無水酢酸を用いるアセチル化および生じたN−アセチル −D,L−α−アミノカルボン酸のアセチル化混合物からの単離によって、相応 するD,L−α−アミノカルボン酸からN−アセチル−D,L−α−アミノカル ボン酸の製造方法に関する。 N−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸は、相応するラセミ体D,L− α−アミノカルボン酸から光学活性α−アミノ酸製造のための方法における中間 生成物として特に重要である。 この方法は、実質的にかつ殊には下記の部分工程から構成されていてもよい。 1)ラセミ体D,L−α−アミノカルボン酸からのN−アセチル−D,L−α− アミノカルボン酸のラセミ体混合物の製造、 2)ラセミ体混合物中に含まれているN−アセチル−L−α−アミノカルボン酸 の酵素分割、 3)L−α−アミノカルボン酸とN−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン 酸の分離、および 4)変換していないN−アセチル−D−α−アミノカ ルボン酸のラセミ化および返送。 アミノ酸のアセチル化のために最も普及した方法は、ショッテン−バウマン( Schotten−Baumann)アセチル化である。このためには、アミノ 酸の水溶液に、塩基性条件下で無水酢酸または塩化アセチルが添加される。アセ チルアミノ酸の単離は、酸性化の後に濾過または抽出により行われる。 前記の方法の欠点は、水性媒体中で進行する加水分解によって、常により多く の過剰量のアセチル化剤を用いなければならず、かつアセチルアミノ酸1モル当 たりに少なくとも2モルの望ましくない塩が生じてしまうことである。 ソ連特許出願公開(SU−A)第1293171号明細書中には、48〜55 ℃で、D,L−アラニンを、酢酸4.4〜5.0モル当量中の無水酢酸1.2〜 1.3モル当量でアセチル化する、アラニンのアセチル化の方法が記載されてい る。すなわち、ソ連特許出願公開(SU−A)第1293171号明細書による と、酢酸1l当たりにアラニン約3.3〜3.8モルの濃度でアセチル化されて いる。減圧下での酢酸の蒸発、水からの結晶化および乾燥の後に、純度98.7 〜99%のアセチル−D,L−アラニン78〜83%が得られている。 これにより、確かに「塩不含の」アセチル化変法は公開されているが、しかし 、この方法の欠点は、十分 な純度のN−アセチル化されたα−アミノ酸を得るために、水を用いる処理を必 要とすることである。殊に、水からの結晶化は、比較的煩雑であり、かつコスト もかかり、従って、これまでこの方法の工業的な実施の妨げとなっている。 上記の考察された従来技術に鑑み、本発明には、考慮に入れた従来技術に存在 する困難を克服し、すなわち殊に「塩不含の」、すなわち塩が必然的に生じるこ となく、できるだけ水を用いる処理を行わないで高い純度のN−アセチル−D, L−α−アミノカルボン酸の簡単な取得できる、1つの別のN−アセチル−D, L−α−アミノカルボン酸の製造方法を提供するという課題が課されている。 上記の要求は、請求項1の特徴部分に記載の特徴を有する冒頭に記載した種類 の方法により充足される。本発明の有利な別の実施態様は、請求項1に従属する 請求項により保護される。 アセチル化を60〜150℃において、酢酸1リットル当たりにα−アミノカ ルボン酸3モル未満の濃度で実施し、その際、濃度は、圧力および温度の標準条 件で測定され、かつN−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸を、蒸発濃縮 により溶融物または固体として得ることによって、N−アセチル−D,L−α− アミノカルボン酸の水を用いる処理を完全に回避することができ、それでもやは りその際に、例えば光学活 性α−アミノカルボン酸の製造のための1つの方法の酵素分割に直接使用できる 程度に高い品質のアセチルアミノカルボン酸が得られる。 殊に、かつ意外にも、本発明による方法は、目的とする生成物が、水を用いて 処理することなく95%を上回る純度と同時に著しく高い収率で得ることができ るように有利に実施できることを見出した。 この場合、ソ連特許出願公開(SU)第1293171号明細書から公知の方 法とは異なり、アセチル化の際の高い温度が、溶剤としての多量の酢酸の使用と 関連して、少なくとも同等の高い収率で、アセチル化した目的生成物を著しく高 い純度にすることは、殊に注目すべきであると評価できる。 本発明の重要な実施態様は、アセチル化温度が約60〜150℃へ上昇するこ とにある。その際、選択すべき温度は、アセチル化すべきアミノ酸にもある程度 まで依存する。本発明の有利な別の方法の場合、アセチル化は85〜115℃の 間の温度で実施される。 アセチル化反応の温度の他に、本発明の第二の重要な実施態様は、変換すべき アミノカルボン酸と溶剤の酢酸との比率にある。希薄な操作方法により、必ずし も予見できたわけではなかったが、副生成物の形成を削減できた。 別の有利な実施態様の場合、本発明の方法は、アセチル化すべきα−アミノカ ルボン酸の濃度を、酢酸1 リットル当たり0.5〜2.5モルにし、その際、濃度は、圧力と温度の標準条 件に対するものであることによって特徴付けられている。 さらに、従来技術によると、化学量論的必要量に対して0.2〜0.3モル当 量の過剰量のアセチル化剤(無水酢酸)が重要であると考えられているので、い くぶん意外ではあるが、本発明の範囲内で、等モル量の無水酢酸の使用でも完全 なアセチル化が行われるということが明らかになった。しかし、完全な変換を保 証するために、5〜10%の過剰量が推奨される。 従って、本発明によると、アセチル化すべきD,L−α−アミノカルボン酸1 モルに対して、無水酢酸1.0〜1.1モルを使用する方法が有利である。 最終的に、もう1つの本質的な実施態様では、N−アセチル−D,L−α−ア ミノカルボン酸を蒸発濃縮により溶融物または固体として直接、すなわち、殊に 水を用いる処理を行わずに得られること、これは特に有利なことであり、その際 にすでに記載したように高い純度が得られるということにある。 従って、有利な変法における本発明の方法は、N−アセチル−D,L−α−ア ミノカルボン酸を蒸発濃縮によって、その他の単離または精製をすることなく9 5%(重量基準)を上回る純度で得られることを特徴とする。 ソ連特許出願公開(SU)第1293171号明細 書を追試した際に、ソ連特許出願公開(SU)第1293171号明細書に記載 された条件下では、相応量の副生成物が形成されるが、これはアセチルジペプチ ドと同定できたことが確認された。反応の実施の際に、アセチルジペプチドの形 成は、本発明によると5%未満の値、さらに最適な条件下では2%未満の値に低 下させることができる。 従って、本発明によると、蒸発濃縮により溶融物または固体として得られる生 成物100重量%に対して、5重量%未満のアセチルジペプチドを副生成物とし て含有するN−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸が得られることは有利 である。 さらに、殊に有利には、2重量%未満のアセチルジペプチドを含む生成物が得 られる。 このような副生成物が少ないN−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸は 、特に重要な生成物および中間生成物である。 こうして製造されたアセチルアミノ酸は、さらに生成しなくても、中間体とし て、種々の方法で使用できる。アセチルアミノ酸の単離は、酢酸溶液を溶融物な らびに固体となるまで濃縮することによって行うことができる。このために好適 な装置としては、例えばサンベイ(sambay)蒸発器を使用することができ る。留去された酢酸は、無水状態なので、次のバッチ量に直接再使用できる。 本発明によるアセチル化法は、多数のα−アミノカルボン酸に適用できる。有 効にアセチル化できるα−アミノカルボン酸には、なかでも式I 〔式中、 R1は、水素またはC1〜C4−アルカリ、 R2は、水素、アルキル、置換されているアルキル、アリール、置換されている アリール、ヘテロアリール、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、シク ロアルキル−またはシクロアルキルアルキルであり、その際、上記の基は、いず れもさらにそれ自体が置換されていてもよいかおよび/またはヘテロ原子を有し ていてもよいか、 または R1とR2は、これらが結合しているC−原子と一緒になって3〜7員環 の飽和環を形成しており、 R3は、水素またはC1〜C4−アルカリであるか または R2とR3は、これらが結合しているN−原子およびC−原子と一緒にな って4〜7員環の飽和環を形成しており、これは、場合によれ ばヘテロ原子を有していてもよい〕 の化合物が属する。 アルキル基は、直鎖状でも分枝鎖でもよく、有利には、直鎖の場合にはC1〜 C12の鎖長、分枝鎖の場合にはC3〜C13の鎖長であり、殊に有利には、直鎖の 場合にはC1〜C6の鎖長、分枝鎖の場合にはC3〜C6の鎖長であり、その例はメ チル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソオクチル、ドデシルであ る。 これらのアルキル基は、有利には1〜3個のアミノ基、ヒドロキシル基、ハロ ゲン原子、グアニジノ基、尿素基、カルボキシ基、カルボキシアミド基および/ またはアルコキシカルボニル基で置換されている。 アリール基は、有利には、フェニル基または置換されているフェニル基であっ てもよい。 置換されたアリール基は、有利には、モノハロゲン化フェニル基、ジハロゲン 化フェニル基またはトリハロゲン化フェニル基、モノヒドロキシル−フェニル基 、ジヒドロキシル−フェニル基またはトリヒドロキシル−フェニル基、モノアル キル−フェニル基、ジアルキル−フェニル基またはトリアルキル−フェニル基で あり、その際、ハロゲン原子は、フッ素、塩素または臭素であり、アルキルは、 C1〜C4−アルキル、有利にはメチルまたはエチルである。 ヘテロアリール基は、有利には、環中に、O、Nま たはSであってもよいヘテロ原子1〜2個を有する5〜6員環系である。 アリールアルキルは、有利にはベンジルである。シクロアルキルおよびシクロ アルキルメチルは、有利にはC3〜C7−環系である。 有利には、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、トリプト ファン、フェニルアラニン、メチオニン、セリン、チロシン、トレオニン、シス テイン、アスパラギン、グルタミン、ヒスチジン、シスチン、シトルリン、ホモ システイン、ホモセリン、ヒドロキシプロリン、オルニチン、ノルバリンならび に上記のアミノ酸の誘導体である。なかでもD,L−メチオニンをアセチル化す るのは特に有利である 本発明による方法は、基本的には、α−アミノカルボン酸のN−アセチル化に 好適であり、その原料物質には無関係である。その際、アセチル化は、特に光学 活性α−アミノ酸の取得のためのプロセスに組み込むことができる。 その際、例えばD,L−メチオニンの取得のために組み込まれた方法は、D, L−メチオニンのアセチル化が光学活性α−アミノ酸の取得のために方法の1つ の工程であり、その際、D,L−メチオニンを、まず、酢酸/無水酢酸を用いて N−アセチル化し、N−アセチル−D,L−メチオニン−ラセミ体を酵素的に分 割し、母液を回収しつつL−メチオニンを分離し、か つ母液の変換しなかったN−アセチル−D(L)−メチオニンを、ラセミ化の後 に還流溶液として酵素ラセミ体分割のために再利用することによって際立ってい る。 このように改善された方法で使用されるN−アセチル−D(L)−メチオニン −ナトリウム塩およびN−アセチル−D(L)−メチオニンは、その際、好まし くは、酵素加水分解の際に完了したL−メチオニンの単離の後に生成する母液を 、強酸性カチオン交換体上に送り、含まれているカチオンおよび残留L−α−ア ミノカルボン酸を吸着させることにより取得できる。これにより、イオン交換体 から流出する溶液は、実際的に、水、酢酸およびN−アセチル−D(L)−メチ オニンから成るにすぎない。これを、例えば温和な条件下、低温で、真空中、例 えば、固体取り出し口を有する流下膜蒸発器と薄膜蒸発器との組合せにより、酵 素変換を抑制する酢酸の除去のために蒸発濃縮させ、pH4〜8、有利には4. 5〜5.5で苛性ソーダ水溶液中に入れる。また、NaOHを酢酸の除去の前に 加えてもよい。これにより、pH値を蒸発濃縮の前に高くし、これにより、この 例ではN−Ac−D(L)−メチオニンの加水分解を減少させることができる。 また、N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸の溶融のために必要な 保持時間は、有利にはできるだけ短いままにしておかなければならない。加熱し た押出機中で溶融を行う場合には、完全な溶融のために、一般に1分未満の滞留 時間で十分である。この場合、押出機は、加熱した反応管の中に溶融物を供給し 、その中で滞留部分の最初に、適当に配置されたポンプにより、連続的に必要量 の無水酢酸が混合系を介して供給される。 本発明を下記の実施例で詳しく説明する。すべてのパーセントの記載は、特に 断らない限り、重量%である。 実施例1:N−アセチル−D,L−メチオニンの製造 種々の量のD,L−メチオニンを酢酸100ml中に溶かし、この溶液を油浴 中で温度調節し、無水酢酸1.1当量を加えた。5分後に内容物を真空中、浴温 度100℃で濃縮した。N−アセチル−D,L−メチオニル−D,L−メチオニ ン(Ac−Met−Met)の含量をHPLCで測定した。これらの試験の結果 は、下記の表にまとめてある:実施例2:工業的条件下におけるN−アセチル−D, L−メチオニンの製造 D,L−メチオニン373g(2.5モル)を、90℃で酢酸51中に溶かし 、これに、無水酢酸281g(2.75モル)を添加した。この際、温度が95 ℃に上昇した。10分間の後反応の後に溶液をサンベイ蒸発器により、170℃ および9ミリバールで濃縮した。粘性の油状物427gが得られ、これは冷却す ると凝固した。HPLC分析により、生成物はアセチル−D,L−メチオニン9 2.3%およびAc−Met−Met3.4%から成っていた。 実施例3:N−アセチル−D,L−バリンの製造 D,L−バリン11.7g(0.10モル)を酢酸100ml中に溶かし、こ れに、90℃において無水酢酸11.2g(0.11モル)を添加した。10分 後に、15ミリバールおよび100℃で濃縮した。HPLC分析により、結晶性 残留物はアセチル−D,L−バリン95.6%およびN−アセチル−D,L−バ リル−D,L−バリン2.8%から成っていた。 実施例4:N-アセチル−D,L−ノルバリンの製造 D,L−ノルバリン11.7g(0.10モル)を実施例3と同様にして反応 させた。結晶性の残留物は、HPLC分析によると、N−アセチル−D,L−ノ ルバリン95.2%およびN−アセチル−D,L−ノ ルバリル−D,L−ノルバリン4.1%から成っていた。 実施例5:N−アセチル−D,L−メチオニンと酢酸ナトリウムから成る混合物 から酢酸の除去 それぞれN−アセチル−D,L−メチオニン38.2g(0.20モル)と酢 酸ナトリウム16.4g(0.20モル)を強力に撹拌し、かつ加熱した。約1 00℃から溶融物を形成した。溶融物を15ミリバールで30分間加熱して15 0〜180℃にし、かつ冷却した後に酢酸の含量を測定した。結果は、以下の表 にまとめてある: 実施例6:N−アセチル−D,L−バリンと酢酸ナトリウムとの混合物からの酢 酸の除去 L−バリン79.6g(0.50モル)と酢酸ナトリウム41.0g(0.5 モル)を加熱しつつ水150ml中に溶かし、100℃および15ミリバールで 濃縮して乾燥物にした。引き続き、固体残留物の部分を、それぞれ30分間、種 々の温度で乾燥させ、酢酸 の含量を測定した。結果は、以下の表にまとめてある: 実施例7:N−アセチル−L−フェニルアラニンと酢酸ナトリウムとの混合物か らの酢酸の除去 L−フェニルアラニン103.6g(0.50モル)と酢酸ナトリウム41. 0g(0.5モル)を加熱しつつ水150ml中に溶かし、100℃および15 ミリバールで乾燥するまで濃縮した。引き続き、固体残留物の部分をそれぞれ3 0分間、種々の温度で乾燥させ、酢酸の含量を測定した。結果は、以下の表にま とめてある: 実施例8:N−アセチル−D,L−ノルバリンと酢酸ナトリウムから成る混合物 から酢酸の除去 それぞれN−アセチル−D,L−ノルバリン3.1 2g(0.02モル)と酢酸ナトリウム1.64g(0.02モル)を強力に撹 拌して加熱した。約110℃から溶融物を形成した。溶融物を15ミリバールで 30分間加熱して160℃にした。冷却した後に試料は酢酸2.2%を含んでい た。 実施例9:N−アセチル−D,L−メチオニンとN−アセチル−D,L−メチオ ニン−ナトリウム塩の耐熱性の比較 N−アセチル−D,L−メチオニンおよびN−アセチル−D,L−メチオニン ーナトリウム塩それぞれ20gを加熱して150℃にした。N−アセチル−D, L−メチオニル−D,L−メチオニンの形成は、HPLCを用いて追跡した。結 果は、以下の表にまとめてある: 実施例10:溶融物中のN−アセチル−D(L)−メチオニン−ナトリウムのラ セミ化 それぞれN−アセチル−D(L)−メチオニン10g(0.053モル)を、 8%の苛性ソーダを用いて種々のpH値に調節し、真空中、50ミリバールで溶 融するまで蒸発濃縮させた。引き続き、溶融物を加熱し、十分に撹拌しつつ無水 酢酸を加えた。次いで、この溶融物を一定の時間、前記の温度で保持し、引き続 き水の中に入れた。ラセミ化の追跡のために、旋光度([α]20 D、水中でc= 1)を測定した。ラセミ化の前に、この旋光度は+21.3であった。この試験 の結果は、以下の表にまとめてある: 実施例11:N−アセチル−L−フェニルアラニン−ナトリウム塩のラセミ化 実施例7に従って調製し、150℃で、真空中で乾燥させたN−アセチル−L −フェニルアラニン−ナトリウム塩の試料を無水酢酸と混合させ、かつ加熱した 。ラセミ化の追跡のために、旋光度([α]20 D、1NのHCl中でc=1)を 測定した。ラセミ化の前に、この旋光度は+21.6であった。この試験の結果 は、以下の表にまとめてある: 実施例12:N−アセチル−L−バリン−ナトリウム塩のラセミ化 実施例6に従って調製し、150℃で、真空中で乾燥させたN−アセチル−L −バリン−ナトリウム塩の試料を無水酢酸と混合させ、かつ加熱した。ラセミ化 の追跡のために、旋光度([α]20 D、1NのHCl中でc=1)を測定した。 ラセミ化の前に、この旋光度は+11.9であった。この試験の結果は、以下の 表にまとめてある: 実施例13:N−アセチル−D(L)−メチオニン母液の後アセチル化 母液100g当たりに、酢酸ナトリウム8.3g(0.100モル)、N−ア セチル−D(L)−メチオニン−ナトリウム19.3g(0.089モル)およ びL−メチオニン1.7g(0.011モル)を含む、L−メチオニン分離の後 に濾過により得られた母液それぞれ100gに、種々の温度で種々の量の無水酢 酸を添加した。それぞれ30分後に試料を取り出し、メチオニン含量をHPLC を用いて測定した。結果は、以下の表にまとめてある:実施例14:N−アセチル−D(L)−メチオニン−ナトリウム塩−母液の再利 用 N−アセチル−D,L−メチオニン717g(3.75モル)および水酸化ナ トリウム140g(3.50モル)を水中に溶かし、増量して1.5lとした。 この溶液のpH値を、50%の苛性ソーダを用いて7に調節した。アシラーゼ( 活性31.000E/g)3.6gを加えた後、5日間、室温で攪拌した。この 懸濁液を冷却して5℃にし、沈殿を濾別し、氷水300mlを用いて洗浄し、か つ乾燥させた。L−メチオニン174g(1.17モル)が得られた。N−アセ チル−D(L)−メチオニン21.8重量%の他にL−メチオニン2.8重量% を含む濾液(1800g)を加熱して60℃にし、かつ無水酢酸60g(0.6 0モル)を添加した。30分後に溶液中にメチオニンは検出されなかった。N− アセチル−D,L−メチオニン223g(1.17モル)を加え、真空中で12 00gになるまで濃縮した。この溶液をサンベイ蒸発器を用いて170℃および 10ミリバールで752gになるまで濃縮した。まだ温かい溶融物中に無水酢酸 15gを攪拌して混入し、10分間で140℃に加熱し、次いで水の中に溶かし 、増量して1.5lとした。溶液の旋光度は0であった。N−アセチルジペプチ ドの含量は、N−アセチル−メチオニンに対して0.8%であった。pH値を苛 性ソーダを用いて7に調節した後に、この溶液を上記のようにして再びアシラー ゼ分離に使用した。L−メチオニン166g(1.1 1モル)が得られた。 実施例15:N−アセチル−D(L)−ノルバリン−ナトリウム塩−母液の再利 用 N−アセチル−D,L−ノルバリン597g(3.75モル)および水酸化ナ トリウム140g(3.50モル)を水の中に溶かし、増量して1.5lとした 。溶液のpH値を、50%の苛性ソーダを用いて7に調節した。アシラーゼ(活 性31.000E/g)3.0gを加えた後、5日間、室温で攪拌した。この懸 濁液を冷却して5℃にし、沈殿を濾別し、氷水300mlを用いて洗浄し、かつ 乾燥させた。L−ノルバリン157g(1.34モル)が得られた。N−アセチ ル−D(L)−ノルバリン22.5重量%の他にL−ノルバリン3.1重量%を 含む濾液(1393g)を加熱して60℃にし、無水酢酸64g(0.62モル )と混合させた。30分後に溶液中にはノルバリンは検出されなかった。N−ア セチル−D,L−ノルバリン213g(1.43モル)を加え、真空中で950 gになるまで濃縮した。この溶液をサンベイ蒸発器を用いて170℃および10 ミリバールで644gになるまで濃縮した。まだ温かい溶融物中に無水酢酸13 gを攪拌混入し、10分間加熱して140℃にし、次いで水の中に溶かし、増量 して1.51とした。クロマトグラフィーによるee(鏡像体過剰率)測定から 、D/L比は51.3%対48.3%であった。N−アセチルジペプチドの含量 は、N−アセチル−ノルバリンに対して1.2%であった。pH値を苛性ソーダ を用いて7に調節した後に、この溶液を上記のようにしてアシラーゼ分離に再び 使用した。L−ノルバリン113g(0.97モル)が得られた。 その他の本発明の実施態様および利点は、請求項に記載してある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C12P 13/04 C12P 13/04 (72)発明者 ギュンター クナウプ ドイツ連邦共和国 D―63486 ブルフケ ーベル フリートホーフシュトラーセ 8

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.相応するD,L−α−アミノカルボン酸から、酢酸中での無水酢酸を用いる アセチル化およびアセチル化混合物からの、生じたN−アセチル−D,L−α− アミノカルボン酸の単離によるN−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸の 製造方法において、 アセチル化を60〜150℃で、酢酸1リットル当たりにα−アミノカルボン 酸3モル未満の濃度で実施し、その際、濃度は、圧力および温度の標準条件にお けるものであり、 かつN−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸は、蒸発濃縮により溶融物 または固体として得られ、かつこうにして得られた中間生成物をアシラーゼ反応 に直接使用することを特徴とする、N−アセチル−D,L−α−アミノカルボン 酸の製造方法。 2.アセチル化を85〜115℃の間の温度で行うことを特徴とする、請求項1 記載の方法。 3.酢酸1リットル当たりのアセチル化すべきα−アミノカルボン酸の濃度が、 0.5〜2.5モルであり、その際、濃度は、圧力および温度の標準条件におけ るものであることを特徴とする、請求項1または2に記載の方法。 4.N−アセチル−D,L−α−アミノカルボン酸は 、蒸発濃縮により、その他の単離または精製をすることなく純度95%以上で得 られることを特徴とする、請求項1から3までののいずれか1項に記載の方法。 5.アセチル化すべきD,L−α−アミノカルボン酸1モル当たりに1.0〜1 .1モルの無水酢酸を用いることを特徴とする、請求項1から4までのいずれか 1項に記載の方法。 6.蒸発濃縮により溶融物または固体として得られる生成物100重量%に対し て、5重量%未満のアセチルジペプチドを副生成物として含むN−アセチル化さ れたD,L−α−アミノカルボン酸を得ることを特徴とする、請求項1から5ま でのいずれか1項に記載の方法。 7.アセチルジペプチド2重量%未満を含む生成物が得られることを特徴とする 、請求項6に記載の方法。 8.アセチル化混合物を、N−アセチル−D(L)−α−アミノカルボン酸を得 るために、サンベイ蒸発器を用いて蒸発濃縮させることを特徴とする、請求項1 から7までのいずれか1項に記載の方法。 9.濃縮の際に遊離しかつ留去された酢酸が水分を含まず、かつその他の精製を 行わなくてもアセチル化に再使用できることを特徴とする、請求項8に記載の方 法。 10.D,L−メチオニン、D,L−バリン、D,L−フェニルアラニンおよび/ またはD,L−ノルバリンをアセチル化することを特徴とする、請求項1から9 までのいずれか1項に記載の方法。 11.D,L−メチオニンをアセチル化することを特徴とする、請求項10記載の 方法。 12.D,L−メチオニンのアセチル化が光学活性α−アミノ酸を得るための方法 の1つの工程であり、その際、D,L−メチオニンを、まず、酢酸/無水酢酸を 用いてN−アセチル化し、N−アセチル−D,L−メチオニン−ラセミ体を酵素 的に分割し、母液を回収しつつL−メチオニンを分離し、母液の変換していない N−アセチル−D(L)−メチオニンをラセミ化の後に還流液として酵素ラセミ 体一分割に再利用することを特徴とする、請求項11に記載の方法。
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