JP2000509705A - シスチンからのn―アセチル―システインの電気化学的合成方法 - Google Patents

シスチンからのn―アセチル―システインの電気化学的合成方法

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Abstract

(57)【要約】 本発明の方法は、シスチンからのN−アセチル−システインの電気化学的合成方法であって、(A)以下の工程:(i)L−シスチンのアセチル化により、N−アセチル−シスチンを得る工程(ii)N−アセチル−シスチンの電気還元および電気透析による脱塩によりN−アセチル−システインを得る工程によるL−シスチンからのN−アセチル−システインの調製;または(B)以下の工程:(i)L−シスチンのアセチル化および電気透析による脱塩によりN−アセチル−シスチンを得る工程(ii)N−アセチル−シスチンの電気還元によりN−アセチル−システインを得る工程によるL−シスチンからN−アセチル−システインの調製;(C)以下の工程:(i)L−シスチンの電気還元によりL−システインを得る工程(ii)L−システインのアセチル化および電気透析による脱塩によりN−アセチル−システインを得る工程(先の工程(i)でL−システインを生じていてもいなくてもN−アセチル−システインを調製する)によるL−シスチンからN−アセチル−システインの調製;を含んでなる。得られたN−アセチル−システインは、製薬分野において重要な用途を有する。

Description

【発明の詳細な説明】 シスチンからのN−アセチル−システインの電気化学的合成方法 発明の分野 本発明は、N−アセチル−システインの製造方法の分野であり、N−アセチル −システインは製薬分野において重要な用途を有する生成物である。 特に、本発明は、生成物の品質に関して、ならびに環境的な影響に関して従来 の方法を超える明らかな利点を有するN−アセチル−システインの電気化学的合 成方法を提供する。 従来技術 アシル基がモノまたはジカルボン酸から生じ得るN−アシル−システイン誘導 体、特にN−アセチル−システインであるモノアシル誘導体は、粘液溶解剤とし て(U.S.特許3184505号(1965))、角膜障害の処置において(Bull .Mem.Soc.Fr.Ophthalmol.94,425(1982))、アミノケトファン過量での解 毒薬として(Review Pharmacological and Biochemical Properties of Drug Sub stance,vol.2.M.E.Goldberg Ed.(An.Pharm.Assoc.Washington D.C.,1979 ),pp.479-488)、治療上の用途を有する。 近年、ニューロン細胞の断面化による死の防止(Journal of Neuroscience,15 ,4(1995)、インターロイシン6RNAメッセンジャーのN−アセチル−シス テインによる防止、腫瘍の壊死因子の抗増殖効果の抑制(ibid.)およびラット 網膜ピグメントにおける硝酸サイトシナシンセターゼの調節(Experimental Eye Research.59,2(1994))における使用が開示されている。 式(I): のN−アセチル−L−システインは、適した水性有機溶媒中で式(II)のL−システイン塩酸塩のモノアセチル化によって従来から得られている。この 溶媒の性質によって反応収率は60〜95%に変化する。しかしながら、化合物 (II)は、市販されている原料でなく、むしろ従来の還元剤を使用するかまた は電気化学還元を使用して、式(III): のL−シスチンの還元によって得なければならない。 この工程において、(II)のアセチル化から生じる溶液からの(I)の分離 は、用途が製薬分野である場合に生成物の品質に影響しうる酢酸塩中での非常に 高い塩含有物による溶液の処理を含む。一方、(I)から(II)を得るために 、微少の(III)が次の工程において害を及ぼしうるために、合成において出 発物質として使用される生成物(III)から生成物(II)を完全に分離する 必要がある。 一方で、従来の還元剤、例えば亜鉛を使用することによって、 式(IV): のビス−アセチル−L−シスチンを還元してN−アセチル−L−システイン(I )を得ることは可能である。化合物(IV)は、(III)のアセチル化によって予 め得られうる。 この第2の工程の問題は、還元段階にある。還元剤、通常、金属亜鉛が作用す る場合、Zn2+に転化し、したがって所望の化合物(I)を、Zn2+中高い塩濃 度を有する媒体中で単離しなければならない。このことが最終生成物の分離およ び品質において問題となる。他方で、Zn2+イオン中の高い塩含量を有する残留 水は環境面での大きな問題を有する。 周知のように潜在的な爆発性の故に取扱上危険なガスである水素ガスを多量に 製造される点にも、この還元の問題がある。 他方において、過剰の転化されない亜鉛金属は、対応するメルカプタン鉛を形 成することによって除去され、その後単離、硫化水素による処理、形成された硫 化鉛の除去、溶液の凍結乾燥を行い、その後溶媒によって再結晶化し、約48% の最終収率を得る(M.W.Pirie et al.Biochemical Journal 2,614(1931);M.W .Pirle et al.Ibid.,27,1716(1933);Smith,Gorin.J.Org.Chem.26,(19 61);and Greenstein.Chemistry of the Amino Acids.Vol.3.Ed Krieger.Fl orida(1984))。 U.S.特許3184505号は、システイン塩酸塩によって出発する選択的 なモノアセチル化方法を記載し、アセチル化は、通常N,S−ジアシル化合物を 導く。その方法は緩衝液および適した溶媒中にシステインを懸濁または溶解する ことによって行われる。20℃より高い温度で塩基性媒体中でのシステイン分解 の問題のために、冷却系の使用および不活性雰囲気(窒素、ヘリウム)の使用が 必要である。形成されるN−アセチル−L−システイン塩は、その媒体中でのシ ステイン自体よりも非常に安定である。 その方法の初期段階において溶媒の必要性のために、複雑で費用のかかる装置 の使用ならびに塩酸塩の予めの中和および生成物の単離前の塩含有物の除去の必 要がある。 それゆえに、N−アセチル−L−システインの従来の調製方法の問題を解消ま たは減少させるための方法を達成する必要がある。 この目的のために本発明は開発され、完成された。本発明は、従来技術の方法 と比較して非常に有用なN−アセチル−システインの新しい電気化学的合成方法 を提供する。発明の詳細な説明 発明の名称に示されるように、本発明は、シスチンからのN−アセチル−シス テインの新しい電気化学的合成方法に関する。 本発明の方法は、水性溶液中で、無水酢酸との式(III): のシスチンのアセチル化の第1段階を含んでなる。関連書物に記載される通常の 工程は、この段階に使用される。例えば、(III)は、約0℃の温度で7より 高いpHを有するアルカリ金属またはアルカリ土類金属水酸化物、例えば水酸化 ナトリウムの水溶液に溶解される。 このアセチル化工程が終了後、調製されたビス−アセチル−L−シスチン(I V)、アルカリ金属またはアルカリ土類金属酢酸塩、好ましくは酢酸ナトリウム および水を含有する反応溶液が得られる。 この溶液を、連続的または同時に行われる脱塩および還元の電気化学的処理に 付し、該電気化学的処理は本発明の対象を構成する。 第1の態様において、塩含有物(アルカリまたはアルカリ土類酢酸塩)の大部 分を損失しうる溶液を得るように、(IV)を含有する溶液を、従来のリバース またはカスケード電気透析の使用によって脱塩工程に最初に付す。該工程が終了 後、アメリカの薬局方の要求に合う品質で、所望の生成物(I)を単離するよう に最適に処理されうる低い塩含量を有する溶液が得られる。 第2の態様において、(IV)を含有する溶液に、適した電気化学反応器によ って同時の電気化学脱塩および還元工程を付す。最適に処理され、要求される品 質を有する所望の生成物に分離でき、上記のように低い塩含有量を有する(I) を含有する溶液は、単一の電気化学工程において得られる。 本発明の2態様の工程のそれぞれを、以下に詳細に説明する。 第1の態様において、(III)のアセチル化から得られ、(IV)を含有す る溶液を、図1に示す従来のリバースまたはカスケード電気透析に付す。 その溶液を、希釈される溶液にラベルした区画に入れ、濃縮される溶液として 酢酸ナトリウム水溶液を使用する。アノード反応およびカソード反応は、同じま たは異なる解離酸または塩基塩溶液によって形成される。次のリスト:金属、伝 導体酸化物またはカーボン化合物またはグラファイト誘導体から選択される物質 から作成される平らなまたは三次元の電極、ガス拡散カスケードが、カスケード として使用される。Ti-Pt、Ti-Pb、DSA酸素、DSA塩素、PbO2 、ガラス質カーボン、ガス拡散アノードから選択される安定な電極が、アノード として使用される。カソードおよびアノードは、本発明において限定されない。 電気透析に使用される膜は、Nifion、Neosepta、Asahi、Aqualyticまたは他の市 販品から選択されるアニオンおよびカチオン膜の組立物である。系を作用させる ために1〜1000mA/cm2の電流密度が設定され、電流密度は一定または 時間によって変動できる。電気透析工程を終了した後、アルカリ金属またはアル カリ土類金属酢酸塩の含量を増大させる濃厚溶液を得、IVを含有し、該酢酸塩 の含量を著しく減少させた希薄溶液を得る。 電気透析の作業は、以下の組成の溶液で行える: 希釈される溶液区画 0.01Mと媒体への溶解を許容する最大濃度の間で変化できる濃度のアルカ リまたはアルカリ土類カチオン酢酸塩及び0.01〜4Mの濃度のN−アセチル システイン。pHは、2.5〜10の間で変化できる。 濃縮される溶液区画 0.01Mと媒体への溶解を許容する最大濃度の間で変化できる濃度の塩溶液 、好ましくはアルカリまたはアルカリ土類カチオン酢酸塩。酢酸塩は酢酸ナトリ ウムであり、その濃度が0.01〜20Mであることが好ましい。 その後、少なくとも、1つのカソードおよび1つのアノード、ならびにイオン 交換膜または他の適した分離体などの適した分離手段によって分離される1つの カソード液または1つのアノード液によって形成される反応器または電気化学セ ルもしくは電気合成セル中での電気還元工程に、IVを含有する溶液、すなわち 希薄溶液を付す。 グラファイト、カーボンまたはそれらの誘導体、鉛、錫、銅、白金メッキチタ ン、他のスチールまたは合金によって構成され、鉄、アルミニウムまたはそれら とガリウム、インジウムもしくはタリウムとの合金、ガス拡散カソードが存在し てよい電極、あるいは好ましくは適した集電体を備えたグラファイト、カーボン またはそれらの誘導体の三次元電極をカソードとして使用することが好ましい。 ガス拡散アノード、Ti-Pt、Ti-Pb、DSA酸素、DSA塩素、PbO2 、ガラス質カーボン、グラファイトから選択された安定電極が、アノードとして 使用でき、これらの電極は、本発明において限定されない。しかしながら、収率 および選択性を十分にするためにおよび最終生成物中の重金属による汚染を防ぐ ために、鉛を使用することが好ましいので、鉛電極によって構成される1または 数個の電極を使用することが好ましい。電極の性質および形状が決定的に最終生 成物の量に影響するからである。同様に、非薬剤的な品質の生成物を導くアノー ドで検出される腐蝕の問題を防ぐ(アメリカ薬局方)ために、電気合成セルがD SA酸素によって構成される1またはそれ以上のアノードを有していることが要 求される薬剤の品質から示される。 カソード液、即ちカソードと接触する溶液は、電気透析から生じ、IVを含有 する溶液(希薄溶液)によって形成されうる。アノード液、即ちアノードと接触 する溶液は、塩電解質の水溶液、例えば硫酸ナトリウムの水溶液によって形成さ れうる。 カソード液およびアノード液は、適した分離手段、例えばイオン交換膜、好ま しくはカチオンを通過させるが、アニオンを通過させない選択的な膜、または他 のタイプの分離体によって必ず分離されなければならない。これらの膜は、市販 品、Nafion、Neosepta、Sybron、Ionics、Aqualyticまたは他の市販品から選択 されいる。 上記したように、電極は、平らであっても、他の形状または構造を有してよく 、フイルタープレスタイプのクラスターなどに配列されてよい。三次元電極を使 用することが好ましい。 電源への電極の接続は、単極、双極または混合であってよく、電極合成セルの 特殊なデザインのために双極が好ましい。電気分解は、0〜90℃の温度で行っ てよい。 電流密度は、1mA/cm2〜5000mA/cm2であり、必ずしも電気分解 の間一定である必要はない。 本発明の1態様において、電気還元の操作は、以下の組成の溶液によって行う : カソード液:濃度が0.01Mと、媒体への溶解を許容する最大濃度の間で変化 できるアルカリまたはアルカリ土類カチオン酢酸塩、および0.1〜4Mの濃度 のN−アセチル−シスチン。pHは、2.5〜10で変化できる。 アノード液:塩電解質の水溶液。 酢酸塩は酢酸ナトリウムであり、その濃度が0.01〜20Mであることが好 ましい。 電気合成が終了したと判断すると、カソード液を減圧蒸留工程に付し、水を除 去する。次いで、アルコール、好ましくは次のもの:エタノール、イソプロパノ ール、メタノールの1つを残留物に添加する。pHが2未満になるまで、塩酸溶 液を、得られた溶液に添加する。分離した白い沈殿物が得られる。得られた溶液 を、溶媒すべてが除去され、所望の生成物(I)に対応する固体が残るまで、減 圧蒸留する。この白い沈殿物を結晶化し、水で再結晶化し、所望の生成物の特性 を伴い、製薬用生成物として使用できる白い固体を得る。これらの分析特性は、 HPLC純度 〉98.2% 比旋光度 +21〜+27 強熱残分 <0.5% 重金属 <10ppm 乾燥による損分 <1.0% 砒素 <5ppm であった。 第2の態様において、(III)のアセチル化から得られる、(IV)を含有 する溶液を、図2で示される電気化学反応器において連結された電気透析+電気 化学還元工程に付す。 IV(図2においてIV+酢酸塩)を含有する溶液を、少なくとも1つのカソ ード、1つのアノード、イオン交換膜または他の適切な分離体などの適した分離 手段(図2のA.M.およびC.M.)によって分離した1つのカソード液、1つのアノー ド液、1つの希薄液および1つの濃厚液によって形成される反応器または電気化 学セルもしくは電気合成セル中で、電気還元+電気脱塩工程に付す。 グラファイト、カーボンまたはそれらの誘導体、鉛、錫、銅、白金チタン、他 のスチールまたは合金によって構成され、鉄、アルミニウムまたはそれらとガリ ウム、インジウムもしくはタリウムとの合金、ガス拡散カソードが存在してよい 電極、好ましくは適した集電体を備えたグラファイト、カーボンまたはそれらの 誘導体の三次元電極をカソードとして使用することが好ましい。ガス拡散アノー ド、Ti−Pt、Ti−Pb、DSA酸素、DSA塩素、PbO2、ガラス質カ ーボン、グライファイトから選択された適した安定電極が、アノードとして使用 され、これらの電極は、本発明において限定されない。しかしながら、収率およ び選択性を十分にするためにおよび最終生成物中の重金属による汚染を防ぐため に、鉛を使用することが好ましいので、鉛電極によって構成される1または数個 の電極を使用することが好ましい。電極の性質および形状が決定的に最終生成物 の量に影響するからである。同様に、非薬剤的な品質の生成物を導くアノードに おいて検出される腐蝕の問題を防ぐ(アメリカ薬局方)ために、電気合成セルが DSA酸素によって構成される1またはそれ以上のアノードを有していることが 要求される薬剤の品質から示される。 カソード液および希薄液(図2)は、IIIのアセチル化から生じる、IV+ 酢酸を含有する同じ溶液によって供給される。アノード液および濃厚液は、塩電 解質の同じ水溶液、例えば酢酸ナトリウム水溶液(NaAc)によって供給され てよい。 アノード液および希薄液ならびにカソード液および濃厚液は、適した分離手段 、例えばイオン交換膜、好ましくはアニオンを通過させるが、カチオンを通過さ せない選択的な膜(A.M.)、または他のタイプの分離体によって必ず分離さ れなければならない。これらの膜は、市販品、Nafion、Neosepta、Sybron、Ioni cs、Aqualyticまたは他の市販品から選択されいる。 希薄液および濃厚液は、適した分離手段、例えばイオン交換膜、好ましくはカ チオンを通過させるが、アニオンを通過させない選択的な膜(CM)、または他 のタイプの分離体によって必ず分離されなければならない。これらの膜は、市販 品、Nafion、Neosepta、Sybron、Ionics、Aqualyticまたは他の市販品から選択 されいる。 上記したように、電極は、平らであっても、他の形状または構造を有してよく 、フイルタープレスタイプのクラスターなどに配列されてよい。三次元電極を使 用することが好ましい。 電源への電極の接続は、単極、双極または混合であり、電極合成セルの特殊な デザインのために双極が好ましい。電気分解は、0〜90℃の温度で行ってよい 。 電流密度は、1mA/cm2〜5000mA/cm2であり、必ずしも電気分解 の間一定である必要はない。 電気合成が終了したと判断すると、カソード液を減圧蒸留工程に付し、水を除 去する。次いで、アルコール、好ましくは次のもの:エタノール、イソプロパノ ール、メタノールの1つを残留物に添加する。pHが2未満になるまで、塩酸溶 液を得られた溶液に添加する。分離した白い沈殿物が得られる。得られた溶液を 、溶媒すべてが除去され、所望の生成物(I)に対応する固体が残るまで、減圧 蒸留する。この白い沈殿物を結晶化し、水で再結晶化し、所望の生成物の特性を 従い、製薬用生成物として使用できる白い固体を得る。これらの分析特性は、第 1の態様で上記したものと同じであった。 上記から明らかなように、本発明の工程において、出発物質として(II)を 使用しないで、低塩含量を有する溶液からN−アセチル−L−システイン(I) の分離はさておき、シスチン(III)またはビス−アセチル−シスチン(IV )で開始する。このことすべてが工程の簡素化および最良の条件での所望の生成 物(I)の分離をもたらす。 一方で、環境的な影響の問題を実際的にゼロに減少させる2つの電気化学技術 (連続または同時の電気透析および電気化学還元)は、他の還元または脱塩技術 に関して使用される。従来の還元剤、例えばZnの使用に比較して電気化学還元 技術の安全性を強調しておく。 電気透析と電気化学還元工程の間のカスケード接続は、両方の工程が連続的で ある場合(第1態様)において可能であるが、両方の工程が同一の電気化学反応 器において同時に行われる場合、該接続は必要ではない。 それゆれに、本発明の方法は、従来技術を超えて明らかな利点を有し、次の点 に要約される: a)還元剤(金属)を使用しない。 b)還元が電気化学的に行われる。 c)別の電気化学技術:電気透析によって除去されるので、塩を沈殿および単離 する必要がない。 d)反応中間物の単離を必要としない。 e)工程の条件が望ましくない不純物の形成を防ぐことを助ける。 f)実際に環境的悪影響がない。 g)危険な試薬(亜鉛)をなくし、制御されない水素の解離を防ぐ故に、試薬の 取り扱いが安全である。 h)方法の工程の数が減少する。 i)すべて自動的に進行する。 j)アメリカ薬局方の指針に従うため、生成物の品質が良好である。 k)塩基性媒体中でむしろ不安定であるシステインから開始しないで、媒体中で 非常に安定なN−アセチル−L−システインの還元工程を直接に行い、不活性雰 囲気および低い温度の使用を避ける。 図面の簡単な説明 図1は、本発明の第1態様を行うために使用される電気化学装置であり、Aは アニオン膜を示し、Cはカチオン膜を示す。 図2は、本発明の第2態様を行うために使用される電気化学装置であり、A. M.はアニオン膜を示し、C.M.はカチオン膜を示す。 発明の好ましい態様 本発明を以下の実施例によって説明するが、添付の請求の範囲に唯一および排 他的に示されている本発明の範囲を、実施例は制限するものではない。実施例1 1)(IV)を得るための(III)のアセチル化 L−シスチン24gを2N NaOH100mLに溶解し,溶液を0℃に冷却 した後、冷2N NaOH500mLおよび無水酢酸50mLを少量ずつ交互に 攪拌しながら添加した。全工程の間pHを約9に維持した。添加の終了後、2時 間後6N HClを添加してpHを6〜7にした。 2)(IV)を含む溶液の電気透析 大部分の塩含有物を除去するために、先に得られた溶液を、以下の特性を有す る電気透析に付した: 反応器: 10電気透析セル カチオン膜: CMX アニオン膜: AMX カソード: ステインレススチール アノード: Ti/Pt カソード液+アノード液:0.1M酢酸ナトリウム2.0L FLUX:150L/H 溶解される溶液: 上記のセクションにおいて得られる溶液 (IV、酢酸ナトリウムおよび水を含む) pH:7.3 FLUX:300L/H 濃縮される溶液: 0.1M酢酸ナトリウム溶液1.5L pH:7.5 FLUX:300l/H 循環された全電荷: 循環されるべき全電荷100% 電流密度: 50〜250A/m2で変化した。 電気透析終了後、最初の酢酸ナトリウムの大部分を損失したpH5.3を有す る溶液が、希薄溶液に得られた。この溶液を次いで電気還元工程に付した。 3)(IV)を含み、電気透析の工程から生じた溶液の電気還元 先の溶液を、 カソード: 鉛/カーボン アノード: 寸法的安定性アノード 膜: Nafion からなるユニット面積200cm2の電気化学反応器において電気還元工程に付 す。 カソード液は、先の工程から生じた、希薄溶液として示されるpH5.3を有 する溶液であった。アノード液は、4×10-2M硫酸溶液であった。電荷密度2 5〜50mA/cm2を維持して24A.hの電荷を循環した後、カソード液を 、減圧下で水を除去する回転エバポレーターに入れた。次いで、残留物をメタノ ールに溶解し、pHを塩酸によって2未満の値に調節した。ろ過された白い沈殿 物が生じ;ろ液を減圧蒸留し、水で再結晶する結晶性固体物を得た。白い固体物 はN−アセチル−システインと同定された(90%)。実施例2 1)(IV)を得るための(III)のアセチル化 L−シスチン24gを2N NaOH100mLに溶解し、溶液を0℃に冷却 した後、冷2N NaOH500mLおよび無水酢酸50mLを少量ずつ交互に 攪拌しながら添加した。全工程の間pHを約9に維持した。添加の終了後、2時 間後6N HClを添加してpHを6〜7にした。 2)(IV)+酢酸ナトリウム(NaAc)を含む溶液の同時の電気還元+脱 塩 IVをIに転化するためにおよび塩含有物(酢酸ナトリウム)の大部分を除去 するために、先のセクションで得られた溶液をカソード液+希薄液として供給し た。この反応器は以下の特性を有する: 反応器: 区画当たりのユニット面積63cm2の4つ 区画を有する基本ユニット カチオン膜: N117 アニオン膜: ACS カソード: 鉛/カーボン アノード: 寸法的安定性アノード アノード液+濃厚液: 0.1M酢酸ナトリウム0.75L カソード液+希薄液:上記のセクションおいて得られる溶液(IV、酢 酸ナトリウムおよび水を含む)0.35L pH:7.3 循環された全電荷:循環されるべき全電荷100% 電流密度: 50〜250A/m2で変化した。 電気透析終了後、最初の酢酸ナトリウムの大部分を損失したpH5.3を有す る溶液が、カソード液+希薄液区分に得られ、IVをIに還元した。この溶液を 減圧下で水を除去する回転エバポレーターに入れた。次いで、残留物をメタノー ルに溶解し、pHを塩酸によって2未満の値に調節した。ろ過された白い沈殿物 が生じ;ろ液を減圧蒸留に付し、水で再結晶する結晶性固体物を得た。白い固体 物はN−アセチル−システインと同定された(90%)。
【手続補正書】 【提出日】平成10年11月19日(1998.11.19) 【補正内容】 次の箇所を補正します。 I.明細書 (1)第5頁第11行、「Nifion、Neosepta、Asahi、Aqualytic」とあるを、「 NAFION、NEOSEPTA、ASAHI、AQUALYTIC」と訂正。 (2)第5頁下から第14行、「を得る。」の後に、「技術分野において周知の ように、ここで使用される略語「DSA」は、寸法的安定性アノード(Dimensio nal Stable Anode)を意味する。」を挿入。 (3)第6頁下から第6行、第8頁下から第2〜1行、第9頁第4行、「Nafion 、Neosepta、Sybron、Ionics、Aqualytic」とあるを、「NAFION、NEOSEPTA、SYB RON、IONICS、AQUALYTIC」と訂正。 (4)第12頁第2行、「Nafion」とあるを、「NAFION」と訂正。 II.請求の範囲 別紙の通り。 (別紙) 請求の範囲 1.シスチンからのN−アセチル−システインの電気化学的合成方法であって 、 (A) (i)L−シスチンのアセチル化により、N−アセチル−シスチンを得る工程 (ii)N−アセチル−シスチンの電気還元および電気透析による脱塩によりN −アセチル−システインを得る工程 によるL−シスチンからのN−アセチル−システインの調製;または (B) (i)L−シスチンのアセチル化および電気透析による脱塩によりN−アセチル −シスチンを得る工程 (ii)N−アセチル−シスチンの電気還元によりN−アセチル−システインを 得る工程 によるL−シスチンからN−アセチル−システインの調製; (C) (i)L−シスチンの電気還元によりL−システインを得る工程 (ii)L−システインのアセチル化および電気透析による脱塩によりN−アセ チル−システインを得る工程 によるL−シスチンからN−アセチル−システインの調製; を含んでなる方法。 2.工程(A)(ii)における電気還元および脱塩が、少なくとも、1つの カソードおよび1つのアノードならびに分離手段によって形成される同一の反応 器または電気化学セルで行う請求項1に記載の方法。 3.カソードが、ガス拡散カソードおよび、グラファイト、カーボン、鉛、錫 、亜鉛、銅、白金チタン、いずれかのスチールまたは鉄合金、アルミニウムまた はそれのガリウム、インジウムまたはタリウムとの合金電極によって構成される群から選択される 請求項2に記載の方法。 4.アノードが、ガス拡散アノード、Ti−Pt、Ti−Pb、DSA酸素、 DSA塩素、PbO2、ガラス質カーボン、グラファイトからなる群から選択さ れる安定電極からなる請求項2に記載の方法。 5.分離手段が、イオン交換膜によって構成される請求項2に記載の方法。 6.電気分解工程が0〜90℃の温度、1mA/cm2〜5000mA/cm2 の電流密度で行われ、電流密度が工程の間、一定であるかまたは変化できる請求 項2に記載の方法。 7.工程(B)(i)及び工程(C)(ii)での脱塩操作が、少なくとも、 1つのカソード、1つのアノードおよび分離手段によって構成される電気化学セ ル中で行われる請求項1に記載の方法。 8.カソードが、金属、伝導体酸化物、カーボン化合物またはグラファイト誘 導体電極およびガス拡散カソードからなる群から選択される平らまたは三次元の カソード によって構成される請求項7に記載の方法。 9.アノードが、Ti−Pt、Ti−Pb、DSA酸素、DSA塩素、PbO2 、ガラス質カーボン、ガラス質グラファイト、カーボン誘導体から選択される 安定電極、ガス拡散アノードからなる群から選択される請求項2に記載の方法。 10.分離手段がアニオン性およびカチオン性膜から選択される請求項7に記 載の方法。 11.電気分析工程が1〜1000mA/cm2の間の電流密度で行われ、電 流密度が、工程の間一定であるかまたは変化できる請求項7に記載の方法。 12.工程(B)(ii)及び工程(C)(i)での電気還元操作が、少なく とも、1つの電極、1つのアノードおよび分離手段によって構成される電気化学 セル中で行われる請求項1に記載の方法。 13.カソードが、ガス拡散カソードおよび、鉄、アルミニウムまたはそれら とガリウム、インジウムまたはタリウムの合金が存在するスチールまたは合金、 グラファイト、カーボン、鉛、錫、亜鉛、銅、白金チタンからなる群から選択さ れる安定電極 によって構成される請求項12に記載の方法。 14.アノードが、ガス拡散アノードおよび、Ti−Pt、Ti−Pb、DS A酸素、DSA塩素、PbO2、ガラス質カーボン、ガラス質グラファイト、カ ーボン誘導体、グラファイトからなる群から選択される安定電極からなる請求項 12に記載の方法。 15.分離手段が、イオン交換膜によって構成される請求項12に記載の方法 。 16.電気還元工程が0〜90℃の温度、1mA/cm2〜5000mA/c m2の電流密度で行われ、電流密度が工程の間、一定であるかまたは変化できる 請求項12に記載の方法。 17.工程(B)(i)および(ii)が、独立してまたは連続的に行われる 請求項1に記載の方法。 18.工程(C)(i)および(ii)が、独立してまたは連続的に行われる 請求項1に記載の方法。 19.電気透析において、アルカリ金属またはアルカリ土類金属酢酸塩の濃度 が0.01Mと溶解する媒体への溶解を許容できる最大濃度の間である希釈され べき溶液が存在する請求項1に記載の方法。 20.酢酸塩が酢酸ナトリウムである請求項19に記載の方法。 21.電気透析において、N−アセチル−システインが、0.01〜4Mの濃 度に希釈される溶液として使用される請求項1に記載の方法。 22.電気透析における溶液が2.5〜10のpH値を有する請求項21に記 載の方法。 23.電気透析において、塩溶液である濃縮される溶液を使用する請求項1に 記載の方法。 24.塩がアルカリ金属またはアルカリ土類金属酢酸塩である請求項23に記 載の方法。 25.酢酸塩が酢酸ナトリウムである請求項24に記載の方法。 26.濃縮される溶液の濃度が0.01Mと溶解させる媒体への塩の溶解を許 容できる最大濃度の間である請求項23に記載の方法。 27.電気還元において、アルカリ金属またはアルカリ土類金属酢酸塩の濃度 が0.01Mと溶解させる媒体へその塩の溶解を許容させる最大濃度の間である 溶液に構成されるカソード液が存在する請求項23に記載の方法。 28.酢酸塩が酢酸ナトリウムである請求項23に記載の方法。 29.電気還元において、0.01〜4MのN−アセチル−システインの濃度 を有するカソード液を使用する請求項1に記載の方法。 30.電気還元において、カソード液が2.5〜10のpHを有する請求項1 に記載の方法。 31.電気還元において、塩電解質をアノード液として使用する請求項1に記 載の方法。 32.酢酸ナトリウムが0.01〜20Mの濃度で存在する請求項20、25 または28に記載の方法。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ガルシア・ガルシア,ビセンテ スペイン、エ―03180トレビエハ、クレメ ンテ・ゴサルベス26番、クアルト・ア (72)発明者 ゴンザレス・ガルシア,ホセ スペイン、エ―03201エルチェ、カピタ ン・アルフォンソ・ビベス44―2―デ番 【要約の続き】 インは、製薬分野において重要な用途を有する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.シスチンからのN−アセチル−システインの電気化学的合成方法であって 、 (A)以下の工程: (i)L−シスチンのアセチル化により、N−アセチル−シスチンを得る工程 (ii)N−アセチル−シスチンの電気還元および電気透析による脱塩によりN −アセチル−システインを得る工程 によるL−シスチンからのN−アセチル−システインの調製;または (B)以下の工程: (i)L−シスチンのアセチル化および電気透析による脱塩によりN−アセチル −シスチンを得る工程 (ii)N−アセチル−シスチンの電気還元によりN−アセチル−システインを 得る工程 によるL−シスチンからN−アセチル−システインの調製; (C)以下の工程: (i)L−シスチンの電気還元によりL−システインを得る工程 (ii)L−システインのアセチル化および電気透析による脱塩によりN−アセ チル−システインを得る工程 によるL−シスチンからN−アセチル−システインの調製; を含んでなることを特徴とする方法。 2.(A)(ii)における電気還元および脱塩が、少なくとも1つのカソー ドおよび1つのアノードならびに分離手段によって形成される同一の反応器また は電気化学セルで行うことを特徴とする請求項1に記載の方法。 3.カソードが、グラファイト、カーボン、鉛、錫、亜鉛、銅、白金チタン、 いずれかのスチールまたは鉄合金、アルミニウムまたはそれのガリウム、インジ ウムまたはタリウムとの合金電極、ガス拡散カソードによって構成されることを 特徴とする請求項2に記載の方法。 4.アノードが、ガス拡散アノード、Ti−Pt、Ti−Pb、DSA酸素、 DSA塩素、PbO2、ガラス質カーボン、グラファイトから選択される安定電 極からなることを特徴とする請求項2に記載の方法。 5.分離手段が、イオン交換膜によって構成されることを特徴とする請求項2 に記載の方法。 6.電気分解工程が0〜90℃の温度、1mA/cm2〜5000mA/cm2 の電流密度で行われ、電流密度が工程の間、一定であるかまたは変化できること を特徴とする請求項2に記載の方法。 7.(B)(i)及び(C)(ii)での脱塩操作が、少なくとも、1つのカ ソード、1つのアノードおよび分離手段によって構成される電気化学セル中で行 われることを特徴とする請求項1に記載の方法。 8.カソードが平らまたは三次元の金属、伝導体酸化物、カーボン化合物また はグラファイト誘導体電極またはガス拡散カソードによって構成されることを特 徴とする請求項7に記載の方法。 9.アノードが、Ti−Pt、Ti−Pb、DSA酸素、DSA塩素、PbO2 、ガラス質カーボン、ガラス質グラファイト、カーボン誘導体から選択される 安定電極、ガス拡散アノードからなることを特徴とする請求項2に記載の方法。 10.分離手段がアニオン性またはカチオン性膜によって構成されることを特 徴とする請求項7に記載の方法。 11.電気分析工程が1〜1000mA/cm2の間の電流密度で行われ、電 流密度が、工程の間一定であるかまたは変化できることを特徴とする請求項7に 記載の方法。 12.(B)(ii)及び(C)(i)での電気還元操作が、少なくとも、1 つの電極、1つのアノードおよび分離手段によって構成される電気化学セル中で 行われることを特徴とする請求項1に記載の方法。 13.カソードが、アルミニウムまたはそれらとガリウム、インジウムまたは タリウムの合金が存在するスチールまたは合金、グラファイト、カーボン、鉛、 錫、亜鉛、銅、白金チタン、鉄からなる電極、ガス拡散カソードによって構成さ れることを特徴とする請求項12に記載の方法。 14.アノードが、ガス拡散アノード、Ti−Pt、Ti−Pb、DSA酸素 、 DSA塩素、PbO2、ガラス質カーボン、ガラス質グラファイト、カーボン誘 導体、グラファイトから選択される安定電極からなることを特徴とする請求項1 2に記載の方法。 15.分離手段が、イオン交換膜によって構成されることを特徴とする請求項 12に記載の方法。 16.電気還元工程が0〜90℃の温度、1mA/cm2〜5000mA/c m2の電流密度で行われ、電流密度が工程の間、一定であるかまたは変化できる ことを特徴とする請求項12に記載の方法。 17.工程(B)の(i)および(ii)が、独立してまたは連続的に行われ ることを特徴とする請求項1に記載の方法。 18.工程(C)の(i)および(ii)が、独立してまたは連続的に行われ ることを特徴とする請求項1に記載の方法。 19.電気透析において、アルカリ金属またはアルカリ土類金属酢酸塩の濃度 が0.01Mと溶解する媒体への溶解を許容できる最大濃度の間である希釈され べき溶液が存在することを特徴とする請求項1に記載の方法。 20.酢酸塩が酢酸ナトリウムであることを特徴とする請求項19に記載の方 法。 21.電気透析において、N−アセチル−システインが、0.01〜4Mの濃 度に希釈される溶液として使用されることを特徴とする請求項1に記載の方法。 22.電気透析における溶液が2.5〜10のpH値を有する請求項21に記 載の方法。 23.電気透析において、濃縮される溶液として塩溶液を使用することを特徴 とする請求項1に記載の方法。 24.塩がアルカリ金属またはアルカリ土類金属酢酸塩である請求項23に記 載の方法。 25.酢酸塩が酢酸ナトリウムである請求項24に記載の方法。 26.濃縮される溶液の濃度が0.01Mと溶解させる媒体への塩の溶解を許 容できる最大濃度の間であることを特徴とする請求項23に記載の方法。 27.電気還元において、アルカリ金属またはアルカリ土類金属酢酸塩の濃度 が0.01Mと溶解させる媒体へその塩の溶解を許容させる最大濃度の間である 溶液に構成されるカソード液が存在することを特徴とする請求項23に記載の方 法。 28.酢酸塩が酢酸ナトリウムである請求項23に記載の方法。 29.電気還元において、0.01〜4MのN−アセチル−システインの濃度 を有するカソード液を使用することを特徴とする請求項1に記載の方法。 30.電気還元において、カソード液が2.5〜10のpHを有することを特 徴とする請求項1に記載の方法。 31.電気還元において、塩電解質をアノード液として使用することを特徴と する請求項1に記載の方法。 32.酢酸ナトリウムが0.01〜20Mの濃度で存在することを特徴とする 請求項20、25または28に記載の方法。
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