【発明の詳細な説明】
神経系疾患治療用薬剤の調製のためのベンゾナフタレン誘導体の使用
本発明は、下記式(I)に相当する化合物及びそれらの塩の、末梢神経障害、
中枢神経変性疾患及び神経系の自己免疫疾患の治療のための薬剤の調製のための
使用に関する。
ここで、
・R1は、-COR6またはCH2OHであり、R6は以下の基:
または基OR7を示し、R7は、水素原子、1から20の炭素原子を持つアルキル
基、モノヒドロキシアルキル基またはポリヒドロキシアルキル基を示し、r’及
びr”は、水素原子、低級アルキル基、モノ-またはポリヒドロキシアルキル基
、任意に置換されていてもよいアリール基、または、アミノ酸またはアミノ糖残
基を示すか、あるいは、両者が結合してヘテロ環を形成していてもよく、
・R2は、水素原子、1から15の炭素原子を持つ分枝した又は分枝していない
アルキル基、1から4の炭素原子を持つアルコキシ基、または、環状脂肪族基を
示し、
・R3は、水素原子、ヒドロキシル基、1から4の炭素原子を持つ分枝した又は
分
枝していないアルキル基、1から10の炭素原子を持つアルコキシ基、置換又は
非置換の環状脂肪族基、チオ環状脂肪族基、または、式-O-Si(CH3)2−R8
の基を示し、R8が直鎖状または分枝状の低級アルキル基を示し、
・R4及びR5は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、ヒ
ドロキシル基、または、低級アシルオキシ基を示す。
本発明では、1から20あるいは1から15の炭素原子を持つ分枝した又は分
枝していないアルキル基の中で、特に、メチル、エチル、イソプロビル、ブチル
、tert-ブチル、ヘキシル、オクチル、ノニル、2-エチルヘキシル及びドデシル
基を挙げることができる。好ましくは、これらの基は1から12の炭素原子を持つ
。
低級の基である場合、アルキル基は一般に1から6の炭素原子を含む。低級ア
ルキル基として、メチル、エチル、プロピル、イソプロビル、ブチル、tert-ブ
チル及びヘキシル基を挙げることができる。
モノヒドロキシアルキルまたはポリヒドロキシアルキル基は、1から6の炭素
原子及び1から5のヒドロキシル基を有する基であると解される。
モノヒドロキシアルキル基の中で、好ましくは、1から3の炭素原子を含む基
、特に、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、及び、2-または3-ヒドロ
キシプロピル基が好ましい。
ポリヒドロキシアルキル基の中で、2,3-ジヒドロキシプロピル、2,3,
4-トリヒドロキシブチル及び2,3,4,5-テトラヒドロキシベンチル基、ま
たはペンタエリスリトール残基などの、3から6の炭素原子と2から5のヒドロ
キシル基を有する基が好ましい。
アリール基の中で、水素原子、ヒドロキシル基、アルキル基、ニトロ官能基、
メトキシ基、又は任意に置換されていてもよいアミン官能基の少なくとも1つで
任意に置換されていてもよいフェニル、チオフェンまたはピリジン基が好ましい
。任意に置換されていてもよいフェニル基が好ましい。
アミノ酸残基は、特に、リシン、グリシン又はアスパラギン酸等のアミノ酸の
うちの1つの残基を意味すると解され、ペプチド残基は、特に、アミノ酸の組み
合わせからなるジペプチドまたはトリペプチド残基を意味すると解される。
アミノ糖残基の中で、グルコサミン、ガラクトサミン及びマンノサミンから誘
導された残基を挙げることができる。
ヘテロ環は、好ましくは、ピペリジノ、モルホリノ、ピロリジノ、またはピペ
ラジノ基を意味すると解され、任意に、その4-位において、上述したC1−C6
アルキルまたはポリヒドロキシアルキル基で置換されていてもよい。
1から10の炭素原子を持つアルコキシ基の中で、特に、メトキシ、エトキシ
、イソプロポキシ、ヘキシロキシ及びデシロキシ基を挙げることができる。
低級アシロキシ基は、1から4の炭素元素を持つ基、例えば、アセチルオキシ
またはプロピオニルオキシ基などと解される。
環状脂肪族基は、1から10の炭素原子を持つ環状または多環状アルカンを意
味すると解され、1つ又はそれ以上のハロゲン原子あるいは1つ又はそれ以上の
ヒドロキシル基で任意に置換されていてもよい。特に、アダマンチル又は1-メ
チルシクロヘキシル基を挙げることができる。
好ましいチオ環状脂肪族基は、1−アダマンチルチオ基である。
ハロゲン原子の中では、フッ素または塩素が好ましい。
式(I)の化合物に対して、神経栄養活性の測定のために、幾つかの試験が行
われた。
培地中での星状細胞によるNGFの産生に対する化合物の効果
1または2日齢の新生マウスの大脳皮質から、一次星状細胞培地を調製した。
解剖の後、皮質を、Blutexナイロン(83mM メッシュ)を通すことによって機械
的に破砕した。細胞を、10%のウシ胎児血清、2.5mMのL-グルタミン、100U/mlの
ペニシリン、及び100mg/mlのストレプトマイシンを含有するDMEM/F12媒
質(Gibco,Brl 1:1)中で(30ml当たりに1皮質)、12-ウェルのコーニングプ
レートにおいて、各ウェルに1mlの細胞調製液として培養した。プレートを、5%
のCO2で飽和させたインキュベータ内で、37℃に置き、媒質を3日毎に交換し
、培養の7日目のおける培地(全面の80-90%成長)を使用した。次いで、種々
の化合物での処理を、ウェル当たりに上記の媒質500mlについて、40時間行った
。処理の最後に、媒質中に分泌されたNGFを、酵素免疫検定法によりアッセイ
し、膜タンパク質レベルをクマシーブルーを用いたブラッドフォード(Bradford)
技術によって評価した。
NGFのアッセイ
NGFレペルは、酵素免疫法技術によって評価した。96-ウエルのプレートを
、37℃において、pH9.6の50mMのNa2CO3バッファーに溶解した抗-NGFモノ
クローナル抗体(0.67mg/ml)で2時間処理した。次いで、空のプレートを、室
温において、同じバッファーに溶解した1%のウシ血清アルブミンで、1時間処
理し、200mMのNaCl、10mMのCaCl2、0.1%のTriton X-100、及び0.05%
のNaN3を含むTris-HClバッファー(pH7.0)(バッファーA)で洗浄した。次
いで、抽出バッファー(50mM Tris-HCl、pH7、200mM NaCl、1% BSA、0.1% Trito
n X-100、4mg/mlアプチトニン、2mM EDTA、0.1mM塩化ベンゼトニウム及び0.05%
NaN3)中で9/10に希釈した星状細胞媒質、及び、NGF標品(10から320pg/m
lの一連のもの)を共に添加した(0.1ml/ウェル)。プレートを、4℃において
約16時間インキュベートした。バツファーAで洗浄した後、プレートを、b-ガ
ラクトシダーゼ(0.13-0.15 U/ml)と結合した第2の抗-NGFモノクローナル
抗体と共に、37℃において4時間インキュベートした。バッファーAで洗浄した
後、プレートを、150mMのNaCl、2mMのMgCl2、0.1%のNaN3及び1%の
BSAを含む10mMのHEPES(pH7.0)中に調製したb-ガラクトシダーゼ基質
、クロロフェノールレッド-b-D-ガラクトピラノシド(2mg/ml)と共に、37℃
で2から3時間インキュベートした。反応生成物を、Bio Kinetics Reader EL 3
40によって、570nMにおいて測定した。
結果
本発明の化合物は、NGFの産生を増加させた。100nMの濃度において、本発
明の最も活性な化合物は、NGFの産生を、対照に比較して70%以上増加させた
。
脊髄神経節の神経再生及び神経炎成長に対する化合物の効果
神経節(DRG)を、14日齢の胎児ラットから取り出した。サンプルは、骨髄
の3つの異なるレベル(頸部、胸部、及び仙骨部)において回収した。DRGは
、5%のウシ胎児血清、100U/mlのペニシリン、及び、100mg/mlのストレプトマイ
シン
を含むDMEM媒質(Gibco、Brl)中で、実験すべき化合物とともに、あるいは
化合物無しで、5%のCO2で飽和させたインキュベーター内で24時間培養した。
次いで、媒質を、ウシ胎児血清を含まず、1mMのシトシンアラビシド(SIGMA)を含
有する同じ媒質に交換して、非-神経細胞の増殖を阻止した。
神経再生及び神経炎成長に対する化合物の効果は、培養してから48時間後に、
BIOCOM画像分析システムを用いた体型測定技術によって評価した。
結果
本発明の幾つかの化合物は、100nMの濃度において、神経節の外食片の神経再
生を、対照に比較して100%以上増加させた。
神経系の自己免疫疾患治療のための本発明の化合物の治療的能力も評価した。
実験的自己免疫性脳炎(EAE)を持つマウスのリンパ球の増殖に対する化合物
の効果
EAEの誘発
雌SJL/Jマウスに、D0及びD7において、フロイントアジュバント中に乳
化したミエリン塩基性タンパク質(MBP、400mg/マウス)を皮下注射した。最初
の免疫から約20日後に、EAEの臨床的徴候が進行した動物のリンパ節を、増殖
試験用に使用した。
リンパ球の増殖の測定
神経節を取り出し、金属篩を通すことによって機械的に破砕した。細胞を、10
%の補体を除いたウシ胎児血清、2.5mMのL-グルタミン、100U/mlのペニシリン、
100mg/mlのストレプトマイシン、及び0.5%の2-メルカプトエタノールを含有す
るRPMI媒質(Gibco、BRL)中で、TPP 96-ウェルプレートの各ウェル当たり
に、250,000細胞の量で培養した。プレートは、5%のCO2で飽和させたインキュ
ベーター内で37℃に置いた。細胞は、培養の日に、MBP(25mg/ml抗原性刺激
)の不存在下または存在下で、レチノイン酸の種々の類似物とともに96時間処理
した。
増殖は、インキュベーションの最後の16時間に培養媒質に添加したトリチウム化
チミジンの取り込みを測定することにより評価した。
結果
結果の分析により、本発明の化合物が、EAEマウスから得たリンパ球の増殖
を阻害し、IC50が0.1から100nMの範囲であることが示された。
活性化小グリア細胞によるTNF-α(腫瘍壊死因子-α)の産生に対する化合物
の効果
小グリア細胞を、1日齢の新生ラット皮質から調製した。細胞は、TPP 96-ウェ
ルプレートにおいて、10%のウシ胎児血清(不活性化ミオクローン(myoclone))
、2.5mMのL-グルタミン、4.5g/lのL-グルコース、及び100mg/mlのゲンタマイ
シンを含有するDめM媒質(Gibco、BRL)中で培養した。細胞は、レチノイン酸
の種々の類似物で処理し、1mg/mlのリポポリサッカリド(LPS)で刺激して、
TNFαの産生を誘発した。18時間のインキュベーションの後、TNFαのアッセ
イのために培養媒質を回収した。
TNFαのアッセイ
小グリア細胞の培養上清中のTNFαレベルは、L929細胞系に対する細胞
毒性の試験を用いて決定した。この試験は、MTTの比色アッセイによって可視
化した。
結果
本発明の化合物は、培地の活性化小グリア細胞によるTNFαの産生を減少さ
せ、10nMの濃度において50%まで減少させる効果を有する。
これらの結果は、本発明の化合物が神経再生活性を有し、外傷性、虚血性、代
謝性、感染性、アルコール性、医原性または遺伝性タイプの末梢神経障害の治療
における、及び、筋萎縮性外側硬化症及び脊髄性筋萎縮症などの運動ニューロン
に影響する疾患の治療における応用が見出されることを示す。また、これらは、
網膜症、大脳老化、多発性梗塞に伴う痴呆症、血管性痴呆の治療のための薬剤の
調製のために、オリーブ橋小脳萎縮、及び、例えばアルツハイマー病、ピック病
またはハンティングトン舞踏病などの他の神経変性疾患の治療において用いるこ
とができる。本発明の化合物は、脳血管障害あるいは髄質または頭部外傷に伴う
神経死の予防における応用も見出された。
また、これらは、多発性硬化症、ギャン-バレー疾患及び重症筋無力症などの
自己免疫を起源とする疾病においても活性であることがわかった。
最も活性な化合物は、以下の式に相当する。
上記式中、
・R6は、以下の基:
または基OR7を示し、R7は、水素原子、1から20の炭素原子を持つアルキル基
、モノヒドロキシアルキル基またはポリヒドロキシアルキル基を示し、r’及び
r>>は、水素原子、低級アルキル基、モノ−またはポリヒドロキシアルキル基、
任意に置換されていてもよいアリール基、または、アミノ酸又はアミノ糖残基を
示すか、あるいは、両者が結合してヘテロ環を形成していてもよく、
・Rは、水素原子、ヒドロキシル基、1から4の炭素原子を持つ分枝した又は分
枝していないアルキル基、または、1から4の炭素原子を持つアルキコキシ基で
ある。
6-[3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニル]-2-ナフトエ酸、及び
、6-[3-(1-アダマンチル)-4-ヒドロキシフェニル]-2-ナフトエ酸、そ
れらのエステル(特に、メチルエステル)、及び、それらのアミドが好ましい化
合物である。
これらの化合物は、以下の類の1つ又はそれ以上の化合物と組み合わせて使用
してもよい:ステロイドまたは非ステロイド抗炎症薬、抗ウイルス薬(特に抗ヘ
ルペス薬)、免疫抑制薬及び免疫調整薬。
これらの化合物は、適当な賦形剤と組み合わせて、経腸、腸管外、又は局所投
与に適した任意の製薬形態、例えば、錠剤、糖衣錠、ゼラチンカプセル、カプセ
ル、座薬、パッチ、経口または注入可能な溶液または懸濁液といった形態で提供
できる。1日の投与量は、活性成分0.01から100mgまで変化させてもよい。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】平成9年11月12日(1997.11.12)
【補正内容】
NGFのアッセイ
NGFレベルは、酵素免疫法技術によって評価した。96-ウェルのプレートを
、37℃において、pH9.6の50mMのNa2CO3バッファーに溶解した抗-NGFモノ
クローナル抗体(0.67mg/ml)で2時間処理した。次いで、空のプレートを、室
温において、同じバッファーに溶解した1%のウシ血清アルブミンで、1時間処理
し、200mMのNaCl、10mMのCaCl2、0.1%のTriton X-100、及び0.05%のNa
N3を含むTris-HClバッファー(pH7.0)(バッファーA)で洗浄した。次いで、
抽出バッファー(50mM Tris-HCl、pH7、200mM NaCl、1% BSA、0.1% Triton X-10
0、4mg/mlアプチトニン、2mM EDTA、0.1mM塩化ベンゼトニウム及び0.05% NaN3)
中で9/10に希釈した星状細胞媒質、及び、NGF標品(10から320pg/mlの一連の
もの)を共に添加した(0.1ml/ウェル)。プレートを、4℃において約16時間イン
キュベートした。バッファーAで洗浄した後、プレートを、b-ガラクトシダーゼ
(0.13-0.15U/ml)と結合した第2の抗-NGFモノクローナル抗体と共に、37℃
において4時間インキュベートした。バッファーAで洗浄した後、プレートを、
150mM NaCl、2mMのMgCl2、0.1%のNaN3及び1%のBSAを含む10mMの
HEPES(pH7.0)中に調製したb-ガラクトシダーゼ基質、クロロフェノール
レッド-b-D-ガラクトピラノシド(2mg/ml)と共に、37℃で2から3時間インキ
ュベートした。反応生成物を、Bio Kinetics Reader EL340によって、570nMにお
いて測定した。
結果
本発明の化合物は、NGFの産生を増加させた。100nMの濃度において、本発
明の最も活性な化合物は、NGFの産生を、対照に比較して70%以上増加させた
。
脊髄神経節の神経再生及び神経炎成長に対する化合物の効果
神経節(DRG)を、14日齢の胎児ラットから取り出した。サンプルは、骨髄
の3つの異なるレベル(頸部、胸部、及び仙骨部)において回収した。DRGは
、5%のウシ胎児血清、100U/mlのペニシリン、及び、100μg/mlのストレプトマイ
シ
ンを含むDMEM媒質(Gibco、Brl)中で、実験すべき化合物とともに、あるい
は化合物無しで、5%のCO2で飽和させたインキュベーター内で24時間培養した
。次いで、媒質を、ウシ胎児血清を含まず、1μMのシトシンアラビシド(SIGMA)
を含有する同じ媒質に交換して、非-神経細胞の増殖を阻止した。
神経再生及び神経炎成長に対する化合物の効果は、培養してから48時間後に、
BIOCOM画像分析システムを用いた体型測定技術によって評価した。
結果
本発明の幾つかの化合物は、100nMの濃度において、神経節の外食片の神経再
生を、対照に比較して100%以上増加させた。
神経系の自己免疫疾患治療のための本発明の化合物の治療的能力も評価した。
実験的自己免疫性脳炎(EAE)を持つマウスのリンパ球の増殖に対する化合物
の効果
EAEの誘発
雌SJL/Jマウスに、D0及びD7において、フロイントアジュバント中に乳
化したミエリン塩基性タンパク質(MBP、400μg/マウス)を皮下注射した。最
初の免疫から約20日後に、EAEの臨床的徴候が進行した動物のリンパ節を、増
殖試験用に使用した。
リンパ球の増殖の測定
神経節を取り出し、金属篩を通すことによって機械的に破砕した。細胞を、10
%の補体を除いたウシ胎児血清、2.5mMのL-グルタミン、100U/mlのベニシリン、
100μg/mlのストレプトマイシン、及び0.5%の2-メルカプトエタノールを含有す
るRPMI媒質(Gibco、BRL)中で、TPP 96-ウェルプレートの各ウェル当たり
に、250,000細胞の量で培養した。プレートは、5%のCO2で飽和させたインキュ
ベーター内で37℃に置いた。細胞は、培養の日に、MBP(25mg/ml、抗原性刺
激)の不存在下または存在下で、レチノイン酸の種々の類似物とともに96時間処
理した。
増殖は、インキュベーションの最後の16時間に培養媒質に添加したトリチウム化
チミジンの取り込みを測定することにより評価した。
結果
結果の分析により、本発明の化合物が、EAEマウスから得たリンパ球の増殖
を阻害し、IC50が0.1から100nMの範囲であることが示された。
活性化小グリア細胞によるTNF-α(腫瘍壊死因子-α)の産生に対する化合物
の効果
小グリア細胞を、1日齢の新生ラット皮質から調製した。細胞は、TPP 96-ウェ
ルプレートにおいて、10%のウシ胎児血清(不活性化ミオクローン(myoclone))
、2.5mMのL-グルタミン、4.5g/lのL-グルコース、及び100μg/mlのゲンタマ
イシンを含有するDMEM媒質(Gibco、BRL)中で培養した。細胞は、レチノイ
ン酸の種々の類似物で処理し、1μg/mlのリポポリサッカリド(LPS)で刺激
して、TNFαの産生を誘発した。18時間のインキュベーションの後、TNFα
のアッセイのために培養媒質を回収した。
TNFαのアッセイ
小グリア細胞の培養上清中のTNFαレベルは、L929細胞系に対する細胞
毒性の試験を用いて決定した。この試験は、MTTの比色アッセイによって可視
化した。
結果
本発明の化合物は、培地の活性化小グリア細胞によるTNFαの産生を減少さ
せ、10nMの濃度において50%まで減少させる効果を有する。
これらの結果は、本発明の化合物が神経再生活性を有し、外傷性、虚血性、代
謝性、感染性、アルコール性、医原性または遺伝性タイプの末梢神経障害の治療
における、及び、筋萎縮性外側硬化症及び脊髄性筋萎縮症などの運動ニューロン
に影響する疾患の治療における応用が見出されることを示す。また、これらは、
網膜症、大脳老化、多発性梗塞に伴う痴呆症、血管性痴呆の治療のための薬剤の
調製のために、オリーブ橋小脳萎縮、及び、例えばアルツハイマー病、ピック病
またはハンティングトン舞踏病などの他の神経変性疾患の治療において用いるこ
とができる。本発明の化合物は、脳血管障害あるいは髄質または頭部外傷に伴う
神経死の予防における応用も見出された。
また、これらは、多発性硬化症、ギャン-バレー疾患及び重症筋無力症などの
自己免疫を起源とする疾病においても活性であることがわかった。
最も活性な化合物は、以下の式に相当する。
上記式中、
・R6は、以下の基:
または基OR7を示し、R7は、水素原子、1から20の炭素原子を持つアルキル基
、モノヒドロキシアルキル基またはポリヒドロキシアルキル基を示し、r’及び
r”は、水素原子、低級アルキル基、モノ-またはポリヒドロキシアルキル基、
任意に置換されていてもよいアリール基、または、アミノ酸又はアミノ糖残基を
示すか、あるいは、両者が結合してヘテロ環を形成していてもよく、
・Rは、水素原子、ヒドロキシル基、1から4の炭素原子を持つ分枝した又は分
請求の範囲
1.下記式(I):
(式中、
・R1は、-COR5またはCH2OHであり、R6は以下の基:
または基OR7を示し、R7は、水素原子、1から20の炭素原子を持つアルキル基
、モノヒドロキシアルキル基またはポリヒドロキシアルキル基を示し、r’及び
r”は、水素原子、低級アルキル基、モノ-またはポリヒドロキシアルキル基、
任意に置換されていてもよいアリール基、または、アミノ酸またはアミノ糖残基
を示すか、あるいは、両者が結合してヘテロ環を形成していてもよく、
・R2は、水素原子、1から15の炭素原子を持つ分枝した又は分枝していないア
ルキル基、1から4の炭素原子を持つアルコキシ基、または、環状脂肪族基を示
し、
・R3は、水素原子、ヒドロキシル基、1から4の炭素原子を持つ分枝した又は
分枝していないアルキル基、1から10の炭素原子を持つアルコキシ基、置換又は
非置換の環状脂肪族基、チオ環状脂肪族基、または、式-O-Si(CH3)2−R8
の基を示し、R8が直鎖状または分枝状の低級アルキル基を示し、
・R4及びR5は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、ヒ
ドロキシル基、または、低級アシルオキシ基を示す)
に相当する化合物及びそれらの塩の、末梢神経障害、中枢神経変性疾患及び神経
系の自己免疫疾患の治療薬の調製のための使用。
2.下記式:
(式中、
・R6は以下の基:
または基OR7を示し、R7は、水素原子、1から20の炭素原子を持つアルキル
基、モノヒドロキシアルキル基またはポリヒドロキシアルキル基を示し、r’及
びr>>は、水素原子、低級アルキル基、モノ-またはポリヒドロキシアルキル基
、任意に置換されていてもよいアリール基、または、アミノ酸又はアミノ糖残基
を示すか、あるいは、両者が結合してヘテロ環を形成していてもよく、
・Rは、水素原子、ヒドロキシル基、1から4の炭素原子を持つ分枝した又は分
枝していないアルキル基、または、1から4の炭素原子を持つアルキコキシ基で
ある)
に相当する化合物及びそれらの塩の、末梢神経障害、中枢神経変性疾患及び神経
系の自己免疫疾患の治療薬の調製のための使用。
3.6-[3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニル]-2-ナフト
エ酸、そのエステル、及び/またはそのアミドの、末梢神経障害、中枢神経変性
疾患及び神経系の自己免疫疾患の治療薬の調製のための使用。
4.6-[3-(1-アダマンチル)-4-ヒドロキシフェニル]-2-ナフ
トエ酸、そのエステル、及び/またはそのアミドの、末梢神経障害、中枢神経変
性疾患及び神経系の自己免疫疾患の治療薬の調製のための使用。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】平成10年2月3日(1998.2.3)
【補正内容】
NGFのアッセイ
NGFレベルは、酵素免疫法技術によって評価した。96-ウェルのプレートを
、37℃において、pH9.6の50mMのNa2CO3バッファーに溶解した抗-NGFモノ
クローナル抗体(0.67mg/ml)で2時間処理した。次いで、空のプレートを、室温
において、同じバッファーに溶解した1%のウシ血清アルプミンで、1時間処理し
、200mMのNaCl、10mMのCaCl2、0.1%のTriton X-100、及び0.05%のNa
N3を含むTris-HClバッファー(pH7.0)(バッファーA)で洗浄した。次いで、
抽出バッファー(50mM Tris-HCl、pH7、200mM NaCl、1% BSA、0.1% Triton X-10
0、4mg/mlアプチトニン、2mM EDTA、0.1mM塩化ベンゼトニウム及び0.05%,Na
N3)中で9/10に希釈した星状細胞媒質、及び、NGF標品(10から320pg/mlの
一連のもの)を共に添加した(0.1ml/ウェル)。プレートを、4℃において約16時
間インキュベートした。バッファーAで洗浄した後、プレートを、β-ガラクト
シダーゼ(0.13-0.15U/ml)と結合した第2の抗-NGFモノクローナル抗体と共
に、37℃において4時間インキュベートした。バッファーAで洗浄した後、プレ
ートを、150mMのNaCl、2nMのMgCl2、0.1%のNaN3及び1%のBSAを
含む10mMのHEPES(pH7.0)中に調製したβ-ガラクトシダーゼ基質、クロロ
フェノールレッド-β-D-ガラクトピラノシド(2mg/ml)と共に、37℃で2から3
時間インキュベートした。反応生成物を、Bio Kinetics Reader EL 340によって
、570nMにおいて測定した。
結果
本発明の化合物は、NGFの産生を増加させた。100nMの濃度において、本発
明の最も活性な化合物は、NGFの産生を、対照に比較して70%以上増加させた
。
脊髄神経節の神経再生及び神経炎成長に対する化合物の効果
神経節(DRG)を、14日齢の胎児ラットから取り出した。サンプルは、骨髄
の3つの異なるレベル(頸部、胸部、及び仙骨部)において回収した。DRGは
、5%のウシ胎児血清、100U/mlのペニシリン、及び、100mg/mlのストレプトマイ
シン
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】平成10年5月13日(1998.5.13)
【補正内容】
明細書
神経系疾患治療用薬剤の調製のためのベンゾナフタレン誘導体の使用
本発明は、下記式(I)に相当する化合物及びそれらの塩の、末梢神経障害、
中枢神経変性疾患及び神経系の自己免疫疾患の治療のための薬剤の調製のための
使用に関する。
これらの化合物は、その製造方法とともに、特許EP 0,199,636に記載されている
。
式(I)において、
・R1は、-COR5またはCH2OHであり、R6は以下の基:
または基OR7を示し、R7は、水素原子、1から20の炭素原子を持つアルキル
基、モノヒドロキシアルキル基またはポリヒドロキシアルキル基を示し、r’及
びr”は、水素原子、低級アルキル基、モノ-またはポリヒドロキシアルキル基
、任意に置換されていてもよいアリール基、または、アミノ酸またはアミノ糖残
基を示すか、あるいは、両者が結合してヘテロ環を形成していてもよく、
・R2は、水素原子、1から15の炭素原子を持つ分枝した又は分枝していない
アルキル基、1から4の炭素原子を持つアルコキシ基、または、環状脂肪族基を
示し、
・R3は、水素原子、ヒドロキシル基、1から4の炭素原子を持つ分枝した又は
分
【手続補正書】
【提出日】平成10年12月22日(1998.12.22)
【補正内容】
特許請求の範囲
1.下記式(I):
(式中、
・R1は、-COR6またはCH2OHであり、R6は以下の基:
または基OR7を示し、R7は、水素原子、1から20の炭素原子を持つアルキル
基、モノヒドロキシアルキル基またはポリヒドロキシアルキル基を示し、r’及
びr”は、水素原子、低級アルキル基、モノ-またはポリヒドロキシアルキル基
、任意に置換されていてもよいアリール基、または、アミノ酸またはアミノ糖残
基を示すか、あるいは、両者が結合してヘテロ環を形成していてもよく、
・R2は、水素原子、1から15の炭素原子を持つ分枝した又は分枝していない
アルキル基、1から4の炭素原子を持つアルコキシ基、または、環状脂肪族基を
示し、
・R3は、水素原子、ヒドロキシル基、1から4の炭素原子を持つ分枝した又は
分枝していないアルキル基、1から10の炭素原子を持つアルコキシ基、置換又
は非置換の環状脂肪族基、チオ環状脂肪族基、または、式-O-Si(CH3)2-
R84の基を示し、R8が直鎖状または分枝状の低級アルキル基を示し、
・R4及びR5は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、ヒ
ドロキシル基、または、低級アシルオキシ基を示す)
に相当する化合物及びそれらの塩を含んでなる、末梢神経障害、中枢神経変性疾
患及び神経系の自己免疫疾患の治療薬。
2.下記式:
(式中、
・R6は以下の基:
または基OR7を示し、R7は、水素原子、1から20の炭素原子を持つアルキル
基、モノヒドロキシアルキル基またはポリヒドロキシアルキル基を示し、r’及
びr”は、水素原子、低級アルキル基、モノ-またはポリヒドロキシアルキル基
、任意に置換されていてもよいアリール基、または、アミノ酸又はアミノ糖残基
を示すか、あるいは、両者が結合してヘテロ環を形成していてもよく、
・Rは、水素原子、ヒドロキシル基、1から4の炭素原子を持つ分枝した又は分
枝していないアルキル基、または、1から4の炭素原子を持つアルキコキシ基で
ある)
に相当する化合物及びそれらの塩を含んでなる、末梢神経障害、中枢神経変性疾
患及び神経系の自己免疫疾患の治療薬。
3.前記化合物が、6-[3-(1-アダマンチル)-4-メトキシフェニ
ル]-2-ナフトエ酸、そのエステル、及び/またはそのアミドであることを特徴 とする請求項2記載の治療薬
。
4.前記化合物が、6-[3-(1-アダマンチル)-4-ヒドロキシフェ
ニル]-2-ナフトエ酸、そのエステル、及び/またはそのアミドであることを特 徴とする請求項2記載の治療薬
。
5.下記式(I):
(式中、
・R1は、-COR6またはCH2OHであり、R6は以下の基:
または基OR7を示し、R7は、水素原子、1から20の炭素原子を持つアルキル
基、モノヒドロキシアルキル基またはポリヒドロキシアルキル基を示し、r’及
びr”は、水素原子、低級アルキル基、モノ-またはポリヒドロキシアルキル基
、任意に置換されていてもよいアリール基、または、アミノ酸またはアミノ糖残
基を示すか、あるいは、両者が結合してヘテロ環を形成していてもよく、
・R2は、水素原子、1から15の炭素原子を持つ分枝した又は分枝していない
アルキル基、1から4の炭素原子を持つアルコキシ基、または、環状脂肪族基を
示し、
・R3は、水素原子、ヒドロキシル基、1から4の炭素原子を持つ分枝した又は
分枝していないアルキル基、1から10の炭素原子を持つアルコキシ基、置換又
は非置換の環状脂肪族基、チオ環状脂肪族基、または、式-O-Si(CH3)2-
R8の基を示し、R8が直鎖状または分枝状の低級アルキル基を示し、
・R4及びR5は、同一でも異なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、ヒ
ドロキシル基、または、低級アシルオキシ基を示す)
に相当する化合物及びそれらの塩の、末梢神経障害、中枢神経変性疾患及び神経
系の自己免疫疾患の治療薬の調製のための使用。6.下記式:
(式中、
・R6は以下の基:
または基OR7を示し、R7は、水素原子、1から20の炭素原子を持つアルキル
基、モノヒドロキシアルキル基またはポリヒドロキシアルキル基を示し、r’及
びr”は、水素原子、低級アルキル基、モノ-またはポリヒドロキシアルキル基
、任意に置換されていてもよいアリール基、または、アミノ酸又はアミノ糖残基
を示すか、あるいは、両者が結合してへテロ環を形成していてもよく、
・Rは、水素原子、ヒドロキシル基、1から4の炭素原子を持つ分枝した又は分
枝していないアルキル基、または、1から4の炭素原子を持つアルキコキシ基で
ある)
に相当する化合物及びそれらの塩の、末梢神経障害、中枢神経変性疾患及び神経
系の自己免疫疾患の治療薬の調製のための使用。
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(51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考)
A61K 31/216 A61K 31/216
31/695 31/695
A61P 25/00 A61P 25/00
25/02 25/02
37/00 37/00
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG),EA(AM,AZ,BY,KG,KZ
,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU
,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,CH,
CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,G
B,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE,KG
,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS,LT,
LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,MX,N
O,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE,SG
,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,UG,
US,UZ,VN,YU
(72)発明者 シュロート,ブラアム
フランス国 06600 アンティーブ ブー
ルヴァール アルベール―プルミエ 18
(72)発明者 トーパン,ヴェロニク
フランス国 75013 パリ リュ ボード
リクール 62