【発明の詳細な説明】
アベルメクチン(Avermectin)化合物の製造
技術分野
本発明は、醗酵により誘導されるアベルメクチン産生物である一般式(II)
のアベルメクチンB2化合物から一般式(I)のアベルメクチン化合物を調製す
る新規な改善された方法に関する。この一般式(I)のアベルメクチン化合物は
、抗寄生虫薬として価値があることが知られている。この方法は、全体の収率の
顕著な改善に帰する。
背景技術
従来技術によれば、抗寄生虫薬として価値があることが公知である特定の化合
物が既に述べられてきた。これらの中に含まれるものは、国際特許出願WO 9
4/15944にビショップベルナードフランク(Bishop Bernard Frank)等によ
り、およびヨーロッパ特許出願EP0 379 341 A2にフィッシャー,ミ
カエル H.(Fisher,Michael H.)等により述べられ特許請求されているようなア
ベルメクチン化合物である。しかしながら、上記の従来法による最終反応生成物
の収率は、常に満足が行くとは限らなかった。一般式(II)のアベルメクチン
化合物を高収率で一般式(I)のアベルメクチン化合物に変換することが、本発
明の目的である。
発明の簡単な説明
本発明は、一般式(I)の化合物:
{ここで、R1は、Hまたはヒドロキシイミノ保護基であり;R2は、H、C1-4
アルキルまたはC1-4アルコキシであり;R3は、C1-8アルキル(好ましくはC1 -4
アルキル)、C2-8アルケニル(好ましくはC2-5アルケニル)またはC3-8シク
ロアルキル(好ましくはシクロヘキシル)であり;R4は、H、ハロ、C1-4アル
キルまたはC1-4アルコキシである}を調製する方法であって、
(a)一般式(II)の化合物:
と酸化剤とを反応させて5−オキソ化合物を形成し;
(b)5−オキソ化合物と一般式R1−O−NH2の化合物(ここで、R1は、
Hまたはヒドロキシイミノ保護基である)とを反応させて5−イミノ化合物を形
成し;
(c)5−イミノ化合物とチオノ炭化剤とを反応させて4”,23−ビスチオ
ノカルボニルエステルを形成し;
(d)4”,23−ビスチオノカルボニルエステルと脱酸素剤とを反応させて
4”,23−ジデオキシ化合物を形成し:そして
(e)4”,23−ジデオキシ化合物と酸とを反応させて一般式(I)の化合
物を形成する工程を含む、前記方法を提供する。
この方法は、R1がHである場合、工程(b)の後、ヒドロキシイミノ基を保
護するために、ハロトリフェニルシラン、tert−ブチルジメチルシラン、ハ
ロトリメチルシラン、ハロ(ハロメチル)シラン、ハロアリルジメチルシラン、
ハロトリエチルシラン、ハロトリイソプロピルシラン、ハロ(3−シアノプロピ
ル)ジメチルシラン、ハロジメチルオクチルシラン、ハロトリベンジルシランま
たはハロトリヘキシルシラン等(好ましくはハロトリフェニルシラン)、および
トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、
イミダゾール、ピリジンまたは4−ジメチルアミノピリジンを加えることを更に
含む。また、工程(e)の反応(任意に脱保護処理が続いても良い)は、R1が
アリル基である場合、パラジウム触媒の存在下で行うことができる。前に述べた
ように、本発明のこの方法により製造される最終生成物は、抗寄生虫薬として有
用な化合物である。
発明の詳細な説明
本明細書で用いる場合、゛C1-8アルキル゛とは、1個から8個の炭素原子の
直鎖または分枝鎖の飽和した基を意味し、メチル、エチル、n−プロピル、イソ
ープロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、二級−ブチル、三級−ブチル、ペンチ
ル、ヘキシル等が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
本明細書で用いる場合、゛C2-8アルケニル゛とは、2個から8個の炭素原子
の直鎖または分枝鎖の未飽和基を意味し、1−エテニル、1−プロペニル、2−
プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、2−メチル-1−プロペニル等が挙
げられるが、これらに限定される訳ではない。
本明細書で用いる場合、゛C3-8シクロアルキル゛とは、3個から8個の炭素
原子の炭素環式基を意味し、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、
シクロヘキシル等が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
本明細書で用いる場合、゛ハロ゛とは、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨー
ドを意味する。
本明細書で用いる場合、゛アリル基゛とは、2,3の位置に炭素−炭素二重結
合を有するアルキルまたは置換したアルキル基を意味し、アリル、メチルアリル
、クロチル、クロロアリル、シンナミル等が挙げられるが、これらに限定される
訳ではない。
本発明の方法を、下記に詳細に説明する。
工程(a)の反応において、一般式(II)の化合物:は、酸化剤と反応して相当する5−オキソ化合物を形成する。更に詳しくは、こ
の反応において、化合物(II)の5の位置の水酸基を、酸化によりオキソ基に
変換する。一般式(II)の化合物は、醗酵により誘導されるアベルメクチン生
成物であるアベルメクチンB2化合物である。一般式(II)の化合物は、米国
特許第5,089,480号に記載のATCC31267、31271または3
1272のようなストレプトマイセス・アベルミチリス(Streptomyces avermiti
lis)のアベルメクチン産生菌株の醗酵を通じて単離することができる。一般式(
II)の化合物を得る他の方法としては、デュトン(Dutton)等,Journal of Ant
ibiotics,44,357-65(1991)に記載のようなストレプトマイセス・アベルミチリ
スATCC53568の醗酵ブロスからの単離が挙げられる。
適切な酸化剤としては、例えば、二酸化マンガン、過酸化ニッケルまたは二ク
ロム酸ピリジニウムが挙げられる。好ましいものは、二重結合のαの位置の選択
的酸化を考えると二酸化マンガンである。工程(a)で用いる酸化剤は、処理し
ようとする一般式(II)の化合物に対し1から200当量、好ましくは10か
ら70当量の量で用いることができる。工程(a)の反応は、0から80℃の温
度で10分間から10時間行うことができる。この反応は、それらに限定される訳で
はないが、クロロホルム、ジクロロメタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テ
トラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、アセトン、アセトニト
リル、tert−ブチルメチルエーテル及びその混合物から選ばれる不活性な
溶媒中で行うことができる。好ましいのは、ジクロロメタンである。
工程(b)の反応において、得られた5−オキソ化合物は、一般式R1−O−
NH2の化合物(ここで、R1は、Hまたはヒドロキシイミノ保護基である)と反
応して5−イミノ化合物を形成する。適切なヒドロキシイミノー保護基としては
、例えば、トリフェニルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、テトラヒド
ロピラニル、メチルチオメチル、アリル、メチルアリル、クロチル、クロロアリ
ル、シンナミルまたはアリルオキシカルボニル(好ましくは、トリフェニルシリ
ルまたはアリル[CH2=CHCH2−])が挙げられる。工程(b)で用いるイ
ミノ化剤(R1−O−NH2)は、処理しようとする5−オキソ化合物に対し0.
5から50当量、好ましくは1から10当量の量で用いることができる。工程(
b)の反応は、−10から80℃の温度で5分間から20時間行う。この反応は
、それらに限定される訳ではないが、クロロホルム、ジクロロメタン、ベンゼン
、トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミ
ド、メタノール、tert−ブチルメチルエーテル、アセトニトリル、イソプロ
パノール、水及びその混合物から選ばれる不活性な溶媒中で行うことができる。
好ましいのは、メタノール、ジオキサンおよび水の混合物である。
工程(c)の反応において、5−イミノ化合物は、チオノ炭化剤と反応して4
”,23−ビスチオノカルボニルエステルを形成する。適切なチオノ炭化剤とし
ては、例えば、R5O−C(S)−ハロまたはR5S−C(S)−ハロ(好ましく
は、ハロはクロロである)が挙げられる{ここで、R5は、C1-4アルキル、フェニ
ルまたはナフチルであり、フェニルまたはナフチルは、C1-4アルキル、C1-4ア
ルコキシ、ハロ置換したC1-4アルキル、ハロ置換したC1-4アルコキシ、ニトロ
、ヒドロキシ、アミノおよびハロから選ばれる1個または2個の置換基で任意に
置換されても良い}。好ましいのは、クロロチオノ蟻酸フェニルである。工程(
c)で用いるチオノ炭化剤は、処理しようとする5−イミノ化合物に対し1から
20当量、好ましくは2から5当量の量で用いることができる。この反応は、0
から130℃の温度で5分間から10時間、それらに限定される訳ではないが、
クロロホルム、ジクロロメタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テトラヒドロ
フラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、酢酸エチル及び
その
混合物から選ばれる不活性な溶媒中で行う。好ましいのは、トルエンである。
工程(d)の反応において、4”,23−ビスチオノカルボニルエステルは、
ラジカル脱酸素剤と反応して4”,23−ジデオキシ化合物を形成する。適切な
脱酸素剤としては、例えば、水素化トリブチル錫、トリス(トリメチルシリル)
シラン、トリエチルシラン、トリプロピルシラン、フェニルシラン、ジフェニル
シラン、トリフェニルシラン、亜燐酸ジアルキルまたは次亜燐酸が挙げられる。
好ましいのは、トリス(トリメチルシリル)シランとラジカル開始剤である。適
切なラジカル開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリルが挙げられる。工程
(d)で用いるラジカル脱酸素剤は、処理しようとする4”,23−ビスチオノ
カルボニルエステルに対し、1から10当量、好ましくは2から4当量の量で用
いることができる。この反応は、0から140℃の温度で5分間から15時間、
それらに限定される訳ではないが、クロロホルム、ジクロロメタン、ベンゼン、
トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド
及びその混合物から選ばれる不活性な溶媒中で行う。好ましいのは、トルエンで
ある。
工程(e)の反応において、4”,23−ジデオキシ化合物は、酸と反応して
一般式(I)の化合物を形成する。適切な酸としては、例えば、p−トルエンス
ルホン酸、ベンゼンスルホン酸、HF、HCl、H2SO4、H3PO4およびHC
lO4が挙げられる。好ましいのは、p−トルエンスルホン酸である。工程(e)
で用いる酸は、処理しようとする4”,23−ジデオキシ化合物に対し0.01
から20当量、好ましくは0.5から5当量の量で用いることができる。この反
応は、0から100℃の温度で5分間から15時間、それらに限定される訳では
ないが、クロロホルム、ジクロロメタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、テト
ラヒドロフラン、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、メタノール、エタノール
、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、酢酸エチル、水及びその混合物か
ら選ばれる不活性な溶媒中で行う。好ましいのは、メタノールである。
また、工程(e)において、アリル基を脱保護するために脱保護反応をパラジ
ウム触媒の存在下で行う場合、パラジウム触媒は、アリル化合物と反応する際π
−アリル錯体を容易に形成することのできるパラジウム化合物である。更に適切
なパラジウム触媒としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パ
ラジウム(0)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)
、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)およびジクロロビス(ト
リイソプロポキシホスフィン)パラジウム(II)のようなリガンドを有するも
の又はトリフェニルホスフィンもしくは亜燐酸トリエチルと連結した二酢酸パラ
ジウム(II)が挙げられる(ジロツジ(Jiro Tsuji),“有機合成における遷移
金属”,化学同人,1991参照)。脱保護剤として蟻酸を用いる従来法では、反応
は、沸騰ジオキサン中で行う(ヤマダT.(Yamada,T.)等,Tetrahedron Lett.,
27,2368(1986))。しかしながら、本発明の方法では、脱保護は、本反応システ
ムの高反応速度ゆえに室温で進行する。
パラジウム錯体触媒は、脱保護反応を触媒するのに十分な量で、通常、工程(
e)で処理しようとする4”,23−ジデオキシ化合物の0.1から50モルパ
ーセント、好ましくは1から10モルパーセントの量で用いることができる。
脱保護反応は、反応に不活性な好適な溶媒中で行う。適切な溶媒としては、ア
ルコール、例えばメタノール、エタノール、および水のような水酸基を有する溶
媒が挙げられ;そして非水酸基溶媒としては、例えば、ジクロロメタンおよびク
ロロホルムのようなハロアルキル化合物;酢酸メチルおよび酢酸エチルのような
エステル;ジエチルエーテルおよびテトラヒドロフランのようなエーテル;アセ
トニトリルおよびプロピオニトリルのようなニトリル;アセトンおよびメチルエ
チルケトンのようなケトン;ならびにベンゼンおよびトルエンのような芳香族炭
化水素;並びにその混合物が挙げられる。
脱保護反応は、実質的に中性条件下で行うことができる。従って、本発明の方
法は、酸性または塩基性条件に敏感である出発材料および最終化合物を用いる合
成に有用である。
脱保護反応の条件は、処理しようとする化合物の種類、脱保護剤、触媒、用い
る溶媒等に依存して決定することができる。通常、脱保護反応は、−20℃から
100℃、好ましくは10℃から40℃の温度で、1分間から18時間、好まし
くは5分間から6時間行うことができる。
一般式(I)の化合物は、抗寄生虫薬として有用であり、従って、イヌおよび
ネコのノミおよびイヌ糸状虫、ネコの線虫等の治療に用いることができる。
以下の代表的実施例は、本発明を具体的に説明するものであり、本発明の範囲
を制限するものではない。
実施例
本発明を、以下の実施例により具体的に説明する。しかしながら、本発明は、
これらの実施例の特定の細部に制限されるものではないことは当然である。負の
FAB質量スペクトル(FABMS)を、JEOL JMS−700により記録
した。赤外線吸収スペクトル(IR)を、島津赤外分光計(FTIR−8200
PC)により測定した。1Hおよび13C−NMRスペクトルを、JEOL NMR
分光計(JNM−LA270)により、それぞれ、270MHzおよび67.5
MHzで記録した。化学シフトは、1H−NMRにはテトラメチルシランおよび1 3
C−NMRにはCHCl3(δ)に相対する百万分率(δ)で表す。
実施例11−A. 5−オキソ−25−シクロヘキシルアベルメクチンB2
5−オキソ−25−シクロヘキシルアベルメクチンB2(2.00g)2.1
8ミリモル)を、塩化メチレン(20ml)に溶解し、活性化二酸化マンガン(
8.0g)を加えた。混合物を、室温で30分間撹拌し、濾過助剤(3g)を用
いて濾過した。濾過ケーキを、塩化メチレン(20ml)で洗浄した。塩化メチ
レン溶液を合わせ、真空で濃縮して標記化合物を樹脂様黄色結晶(1.99g)
として定量的に得た。標記化合物のNMR(核磁気共鳴)スペクトルは、J.Agri
c.Food,Chem.,29,881(1981)の5−オキソ−アベルメクチンB1aおよび5−
オキソ−アベルメクチンB2aの特徴的シグナルと一致した。1
H−NMRδ6.60(s,1H,3−H),3.42(s,2x3H,4’
−OCH3,4”−OCH3).
IR(KBr,cm-1)1720,1680,1455.1−B. 5−(O−トリフェニルシリルオキシイミノ)−25−シクロヘキシ ルアベルメクチンB2
5−オキソ−25−シクロヘキシル−アベルメクチンB2(1.92g、2.
10ミリモル)を、メタノール(9.6ml)およびジオキサン(9.6ml)
の混合液に溶解し、塩酸ヒドロキシルアミン(451mg、6.49ミリモル)
の水溶液(2.0ml)を加えた。2.5時間後、塩酸ヒドロキシルアミン(5
00mg)の水溶液(2ml)を加え、続いて3.5時間後、塩酸ヒドロキシル
アミン(1.0g)の水溶液(3ml)を加えた。混合液を室温で5時間攪拌し
、水の添加後、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を、飽和塩(NaCl)水
溶液により洗浄し、硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した。濾液を真空で濃縮し
、残分を、塩化メチレンに溶解した。析出した白色固形物を、ヘキサンを添加す
ることにより濾過した。真空で乾燥した後、5−ヒドロキシイミノ−25−シク
ロヘキシルアベルメクチンB2を得た(1.90g、97%収率)。
この5−ヒドロキシイミノ−25−シクロヘキシルアベルメクチンB2(1.
00g、1.08ミリモル)を、テトラヒドロフラン(5.0ml)に溶解し、
3−5℃に冷却した。クロロトリフェニルシラン(951mg、3.23ミリモ
ル)およびトリエチルアミン(0.60ml、4.30ミリモル)を加えた。反
応溶液を室温に温め、30分間攪拌した後、水を加えた酢酸エチルで抽出した。
濾液を真空で濃縮し、残分を、シリカゲル上のクロマトグラフィー(展開溶液は
、ヘキサン−酢酸エチル、1:1−2:3である)により精製して標記化合物を
明るい白色樹脂様結晶(1.09g、85%収率)として得た。1
H−NMRδ 7.75−7.60(m,6H,芳香族),7.48−7.3
2(m,9H,芳香族),3.44(s,2x3H,4’−OCH3,4”−O
CH3).
負のFABMS m/e 1187(M)-.1−C. 4”,23−ビス(フェノキシチオノカルボニル)−5−(O−トリ フェニルシリルオキシイミノ)−25−シクロヘキシルアベルメクチンB2
5−(O−トリフェニルシリルオキシイミノ)−25−シクロヘキシルアベル
メクチンB2(1.09g、0.918ミリモル)を、トルエン(11ml)に
溶解し、ピリジン(3.3ml、40.8ミリモル)を加えた。溶液を80℃に
加熱し、クロロチオノ蟻酸フェニル(0.635ml、4.59ミリモル)を滴
下した。反応混合液を80℃で50分間攪拌し、3−5℃に冷却した。水性0.
2N塩酸(20ml)を加えた後、混合液をトルエン(10ml)で抽出した。
水層をトルエン(10ml)で抽出した。トルエン抽出液を合わせ、飽和炭酸水
素ナトリウム溶液(20ml)および飽和塩(NaCl)水溶液(20ml)で
洗浄した。硫酸ナトリウムによる乾燥および濾過後、濾液を真空で濃縮し、残分
を、シリカゲル上のクロマトグラフィー(展開溶液は、ヘキサン−酢酸エチル、
7:2である)により精製して標記化合物を明るい白色樹脂様結晶(1.26g
、94%収率)として得た。1
H−NMRδ 7.70−7.61(m,6H,芳香族),7.48−7.24
(m,15H,芳香族),7.15−7.07(m,4H,芳香族),3.46
(s,3H,−OCH3),3.43(s,3H,−OCH3).
IR(KBr,cm-1)3480,2931,1716.
負のFABMSm/e 1459(M)-,1201(M−Ph3SiH)-.1−D. 4”−デオキシ−22,23−ジヒドロ−5−(O−トリフェニルシ リルオキシイミノ)−25−シクロヘキシルアベルメクチンB1
4”,23−ビス(フェノキシチオノカルボニル)−5−(O−トリフェニル
シリルオキシイミノ)−25−シクロヘキシルアベルメクチンB2(1.26g
、0.862ミリモル)を、トルエン(12.6ml)に溶解した。次いで、水
素化トリブチル錫(0.93ml、3.46ミリモル)およびアゾビスイソブチ
ロニトリル(142mg、0.865ミリモル)を加えた。溶液を100℃に加
熱し、55分間攪拌し、真空で濃縮した(3ml)。このように得た残分を、シ
リカゲル上のクロマトグラフィー(展開溶液は、ヘキサン−酢酸エチル、4:1
−5:2である)により精製して標記化合物を明るい白色樹脂様結晶(748m
g、75%収率)として得た。1
H−NMRδ 7.70−7.60(m,6H),7.48−7.30(m,9
H),5.99−5.91(m,1H),5.85−5.69(m,2H),5
.50−5.33(m,2H),5.00(d,J=8.8Hz,1H),4.
88(s,1H),4.81−4.62(m,2H),4.00−3.52(m
,6H),3.50−3.42(m,1H),3.42(s,3H),3.36
(s,3H),3.25(t,J=8.8Hz,1H),3.11−3.00(
m,1H),2.58−2.46(m,1H),2.38−2.12(m,3H
),2.
08−1.90(m,4H),1.85−1.05(m,38H),0.90−
0.70(m,4H).13
C−NMRδ173.2,157.8,155.6,138.6,138.2
,135.8,135.0,133.3,132.7,130.0,127.6
,125.3,124.8,121.2,118.4,99.2,97.4,9
4.9,81.9,80.2,79.3,78.9,78.5,72.9,72
.3,68.7,68.6,67.3,67.1,64.4,56.6,55.
2,46.4,41.1,39.9,39.1,38.5,36.9,36.2
,35.6,34.6,34.1,33.9,31.2,30.6,28.0,
26.9,26.5,25.1,24.7,23.4,21.3,20.1,1
8.3,17.5,17.4,15.1
IR(KBr,cm-1)3481,2929,2854,1716.
負のFABMSm/e 1155(M)-,896(M−Ph3SiH)-.1−E. 22,23−ジヒドロ−5−ヒドロキシイミノ−25−シクロヘキシ ルアベルメクチンB1単糖類
4”−デオキシ−22,23−ジヒドロ−5−(O−トリフェニルシリルオキ
シイミノ)−25−シクロヘキシルアベルメクチンB1(748mg、0.64
7ミリモル)を、メタノール(22.5ml)に溶解し、p−トルエンスルホン
酸(246mg、1.29ミリモル)を加えた。室温で60分間攪拌後、トリエ
チルアミン(0.2ml)を加え、真空で濃縮した。濃縮した残分を、シリカゲ
ル上のクロマトグラフィー(展開溶液は、ヘキサン−酢酸エチル、1:1である
)により精製して標記化合物を無色樹脂様結晶(290mg、58%収率)とし
て得た。標記化合物のNMR(核磁気共鳴)スペクトルは、国際特許出願WO9
4/15944に開示された方法により合成した22,23−ジヒドロ−5−ヒ
ドロキシイミノ−25−シクロヘキシルアベルメクチンB1単糖類の特徴的シグ
ナルと一致した。1
H−NMRδ 8.10(s,1H,=N−OH),3.47(s,3H,4’
−OCH3),3.18(t,J=9.1Hz,1H,4’−H).
IR(KBr,cm-1)3450,2920,1715.
実施例22−A. 5−(O−アリルオキシイミノ)−25−シクロヘキシルアベルメク チンB2
実施例1−Aで調製した5−オキソ−25−シクロヘキシルーアベルメクチン
B2(993mg、1.09ミリモル)を、メタノール(7.0ml)およびジ
オキサン(7.0ml)の混合液に溶解し、次いで、水性塩酸O−アリルヒドロ
キシルアミン(597mg、5.44ミリモル)を加えた。室温で17時間攪拌
後、水(20ml)を加え、酢酸エチル(100ml)で抽出した。酢酸エチル
相を、飽和塩(NaCl)水溶液により洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥し、
濾過した。濾液を真空で濃縮して標記化合物を淡黄色樹脂様結晶(992mg、
94%収率)として得た。1
H−NMRδ 6.10−5.70(m,5H),5.45−5.20(m,4
H),5.04−4.95(m,1H),4.80−4.65(m,4H),4
.60(s,1H),3.95(s,1H),3.90−3.37(m,17H
),3.25(t,J=9.1Hz,1H),3.15(t,J=9.1Hz,
1H),2.60−2.20(m,6H),2.03−1.40(m,22H)
,1.34−1.15(m,12H),0.96−9.80(m,4H).
IR(KBr,cm-1)3527,2931,1735,1718.
負のFABMSm/e968(M−H)-.2−B. 5−(O−アリルオキシイミノ)−4”,23−ビス(フェノキシチ オノカルボニル)−25−シクロヘキシルアベルメクチンB2
5−(O−アリルオキシイミノ)−25−シクロヘキシルアベルメクチンB2
(992mg、1.02ミリモル)を、トルエン(10.7ml)に溶解し、ピ
リジン(3.7m1、45.7ミリモル)を加えた。溶液を70℃に加熱し、ク
ロロチオノ蟻酸フェニル(0.64ml、4.62ミリモル)を滴下した。80
−85℃で90分間攪拌した後、混合液を室温に冷まし、析出した黒色油状物質
を、トルエン(10ml)で洗浄した。トルエンを合わせ、酢酸エチル(60m
l)により希釈した。酢酸エチル溶液を、水(20ml)、水性1N塩酸(10
ml)および飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10ml)で洗浄した。硫酸マグ
ネシウムによる乾燥および濾過後、濾液を真空で濃縮し、残分を、シリカゲル上
のクロマトグラフィー(展開溶液は、ヘキサン−酢酸エチル、60:16である
)により精製して標記化合物を明るい赤色樹脂様結晶(949mg、75%収率
)として得た。1
H−NMRδ 7.50−7.05(m,10H,芳香族),4.62(s,1
H,6−H),3.48(s,3H,−OCH3),3.43(s,3H,−O
CH3).
負のFABMSm/e 1241(M)-.2−C. 5−(O−アリルオキシイミノ)−4”−デオキシ−22,23−ジ ヒドロ−25−シクロヘキシルアベルメクチンB1
5−(O−アリルオキシイミノ)−4”,23−ビス(フェノキシチオノカル
ボニル)−25−シクロヘキシルアベルメクチンB2(949mg、0.764
ミリモル)を、トルエン(25ml)に溶解した。次いで、トリス(トリメチル
シリル)シラン(0.71ml、2.36ミリモル)およびアゾビスイソブチロ
ニトリル(125mg、0.761ミリモル)を加えた。溶液を、80−100
℃で50分間攪拌し、次いで、真空で濃縮した。このようにして得た残分を、シ
リカゲル上のクロマトグラフィー(展開溶液は、ヘキサン−酢酸エチル、4:1
である)により精製して標記化合物を明るい淡黄色樹脂様結晶(356mg、50
%収率)として得た。1
H−NMRδ 3.42(s,3H,4’−OCH3),3.37(s,3H,
4’−OCH3),全ての芳香族のシグナルが、消失した。IR(KBr,cm- 1
)3481,2929,2854,1716,1450.13
C−NMRδ 173.3,150.3,138.3,135.0,134.
0,132.4,124.8,124.5,121.3,118.4,117.
7,99.2,97.5,94.9,81.9,80.3,79.4,78.6
,78.5,75.9,73.2,72.4,68.7,67.3,67.1,
64.5,56.6,55.2,46.4,41.0,39.9,39.2,3
8.6,36.9,36.3,35.7,34.6,34.1,31.2,30
.6,28.1,26.8,26.6,24.7,21.4,20.1,18.
3,1
7.4,15.2.
負のFABMS m/e 937(M)-.2−D. 5−(O−アリルオキシイミノ)−22,23−ジヒドロ−25−シ クロヘキシルアベルメクチンB1単糖類
5−(O−アリルオキシイミノ)−4”−デオキシ−22,23−ジヒドロ−
−25−シクロヘキシルアベルメクチンB1(356mg、0.379ミリモル
)を、メタノール(12ml)に溶解し、p−トルエンスルホン酸(108mg
、0.568ミリモル)を加えた。室温で90分間撹拌後、飽和炭酸水素ナトリ
ウム溶液(12ml)を加えた。このように、析出した白色固形物を、濾過し、
水により洗浄し、次いで、シリカゲル上のクロマトグラフィー(展開溶液は、ヘ
キサン−酢酸エチル、3:1である)により精製して標記化合物を無色樹脂様結
晶(218mg、73%収率)として得た。1
H−NMRδ 6.10−5.90(m,2H),5.82−5.68(m,2
H),5.50−5.40(m,1H),5.35−5.18(m,2H),4
.98(d,J=7.0Hz,1H),4.82(d,J=2.9Hz,1H)
,4.80−4.62(m,4H),4.60(s,1H),4.00−3.8
0(m,4H),3.72−3.50(m,3H),3.47(s,3H,4’
−OCH3),3.39(t,J=2.2Hz,1H),3,16(t,J=9
.2Hz,1H),3.06(d,J=8.1Hz,1H),2.62−2.4
5(m,2H),2.40−2.18(m,3H),2.03−1.09(m,
31H),0.91−0.72(m,4H).
負のFABMS m/e 809(M)-.2−E.22,23−ジヒドロ−5−ヒドロキシイミノ−25−シクロヘキシル アベルメクチンB1単糖類
5−(O−アリルオキシイミノ)−22,23−ジヒドロ−25−シクロヘキ
シルアベルメクチンB1単糖類(218mg、0.269ミリモル)、テトラキ
ス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(32mg、0.028ミリモル)お
よびベンゼンスルホン酸(69mg、0.485ミリモル)を、クロロホルム(
2.5ml)に加えた。反応混合物を室温で1.5時間攪拌した後、トリフェニ
ルホ
スフィン(72mg、0.274ミリモル)を加え、次いで、2時間後にテトラ
キス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(52mg、0.045ミリモル)
加えた。5.5時間攪拌した後、反応溶液を、シリカゲル上のクロマトグラフィ
ー(展開溶液は、ヘキサン−酢酸エチル、2:1−1:1である)により精製し
て標記化合物を無色樹脂様結晶(175mg、85%収率)として得た。標記化
合物のNMR(核磁気共鳴)スペクトルは、国際特許出願WO94/15944
に開示された方法により合成した22,23−ジヒドロ−5−ヒドロキシイミノ
−25−シクロヘキシルアベルメクチンB1単糖類の特徴的シグナルと一致した
。1
H−NMRδ 8.10(s,1H,=N−OH),3.47(s,3H,4’
−OCH3),3.18(t,J=9.1Hz,1H,4’−H).
IR(KBr,cm-1)3450,2920,1715.
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