JP2000515013A - 新規な触媒性rna分子 - Google Patents

新規な触媒性rna分子

Info

Publication number
JP2000515013A
JP2000515013A JP10506272A JP50627298A JP2000515013A JP 2000515013 A JP2000515013 A JP 2000515013A JP 10506272 A JP10506272 A JP 10506272A JP 50627298 A JP50627298 A JP 50627298A JP 2000515013 A JP2000515013 A JP 2000515013A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rna molecule
substrate
molecule
dna
enzymatic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10506272A
Other languages
English (en)
Inventor
ジェラルド エフ ジョイス
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Scripps Research Institute
Original Assignee
Scripps Research Institute
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Scripps Research Institute filed Critical Scripps Research Institute
Publication of JP2000515013A publication Critical patent/JP2000515013A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N15/00Mutation or genetic engineering; DNA or RNA concerning genetic engineering, vectors, e.g. plasmids, or their isolation, preparation or purification; Use of hosts therefor
    • C12N15/09Recombinant DNA-technology
    • C12N15/11DNA or RNA fragments; Modified forms thereof; Non-coding nucleic acids having a biological activity
    • C12N15/113Non-coding nucleic acids modulating the expression of genes, e.g. antisense oligonucleotides; Antisense DNA or RNA; Triplex- forming oligonucleotides; Catalytic nucleic acids, e.g. ribozymes; Nucleic acids used in co-suppression or gene silencing
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K38/00Medicinal preparations containing peptides
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2310/00Structure or type of the nucleic acid
    • C12N2310/10Type of nucleic acid
    • C12N2310/11Antisense
    • C12N2310/111Antisense spanning the whole gene, or a large part of it
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2310/00Structure or type of the nucleic acid
    • C12N2310/10Type of nucleic acid
    • C12N2310/12Type of nucleic acid catalytic nucleic acids, e.g. ribozymes
    • C12N2310/124Type of nucleic acid catalytic nucleic acids, e.g. ribozymes based on group I or II introns
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12NMICROORGANISMS OR ENZYMES; COMPOSITIONS THEREOF; PROPAGATING, PRESERVING, OR MAINTAINING MICROORGANISMS; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING; CULTURE MEDIA
    • C12N2310/00Structure or type of the nucleic acid
    • C12N2310/10Type of nucleic acid
    • C12N2310/12Type of nucleic acid catalytic nucleic acids, e.g. ribozymes
    • C12N2310/124Type of nucleic acid catalytic nucleic acids, e.g. ribozymes based on group I or II introns
    • C12N2310/1241Tetrahymena

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Biomedical Technology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Plant Pathology (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Enzymes And Modification Thereof (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 本発明は、1本鎖DNAを含む核酸分子を、生理的条件下で部位特異的な様式で切断することができる核酸酵素及びそれを含む組成物を開示する。更に本発明は、前記酵素及び組成物の製造方法及び使用方法を開示する。更に本発明は、種々の基質における、ホスホジエステル結合及びアミド結合を含む種々の結合を切断することができる核酸酵素又は触媒性(酵素性)RNA分子を開示する。したがって、開示された種々の酵素性RNA分子は、ヌクレアーゼ、アミダーゼ及び/又はペプチダーゼとして機能することができる。更に本発明は、前記触媒性RNA分子を含む組成物並びに前記酵素及び組成物の製造方法、選択方法及び使用方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 新規な触媒性RNA分子 本発明は、アメリカ予防衛生研究所により付与されるリサーチグラントAI-308 82により政府の支援を受けて行われた。当該政府は本発明に関して一定の権利を 有する。 技術分野 本発明は、生理的条件下でDNAを切断する核酸酵素または触媒性RNA分子 に関する。本発明はまた、種々の基質中のホスホジエステル結合およびアミド結 合を含む多様な結合を切断することができる核酸酵素または触媒性(酵素性)R NA分子に関する。したがって、開示する種々の酵素性RNA分子はヌクレアー ゼ、アミダーゼまたはペプチダーゼとして機能することができる。本発明はまた 、開示する酵素性RNA分子を含む組成物並びに当該酵素および組成物の製造お よび使用方法に関する。 背景 その本来の環境の外で作用するか、または天然には出現しない作用を触媒する 触媒物質の必要性は“酵素工学”技術の発達をもたらした。酵素工学で用いられ る通常の手段は、“思考的デザイン”によるアプローチで、新規な酵素の構築を 補助するために天然の酵素についての理解を必要とした。残念ながら、蛋白の構 造と化学の分野における習熟度は新規な生物学的触媒の作出を日常化するには不 十分である。 最近になって、新規な触媒を開発するために種々の方法が用いられるようにな った。当該方法は、巨大分子の異種プールの構築および当該プールから所望の作 用を触媒する分子をインビトロ選別する工程の利用を必要とする。それら触媒の 構造的および化学的特性の総合的理解は、巨大分子プールから触媒を分離するた めに要求されない。したがって、この方法は“非思考的デザイン”と呼ばれた(B renner & Lerner,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,89:5381-5383(1992))。 自然界で酵素が創出されるダーウィンの進化論の過程は、多様な変種集団の発 生および最も有利な個々の変種の獲得によって進んだのではない。生物学的なシ ステムでは、多様性は進行する変異によって維持され、集団は選別によって形作 られる。新規な変異は現存する変種を増大させ、その結果、既に出現していた選 別現象によってこの進化の流れは適切な態様で偏りを表す(Eigenら、J.Phys.C hem.92:6881(1988))。より有利な変異種(これは当該集団中に比較的豊富に存 在する)は、より不利な変異種と較べてより多くの新規な変種を生じる。 根本的に新規であるかまたは改善された触媒機能を有する分子は、酵素性RN A分子またはリボザイムの思考的デザインを伴う今日までに為された大半の努力 では得られなかった。しかしながら、“誘導分子進化(directed molecular evol ution)”または“インビトロ進化”(これは自然界におけるダーウィン型進化に 基づいて作られた)として我々が記載した方法による非思考的デザインの利用は 、所望の機能的特性を有するRNAを製造する能力を有する。 この技術の利用によって、溶液中のRNA分子(例えば以下の文献を参照のこ と:Millsら、PNAS USA 58:217(1967);Greenら、Nature 347:406(1990);Chowrira ら、Nature 354:320(1991);Joyce,Gene 82:83(1989);Beaudry & Joyce,Science 257:635-641(1992);Rpbertson & Joyce,Nature 344:467(1990))、および固形支 持体結合リガンドに結合したRNA(Tuerkら、Science 249:505(1990);Ellingto nら、Nature 346:818(1990))が様々な程度の成功を伴って得られた。この技術は また、固形支持体に直接結合させたペプチド(Lamら、Nature 354:82(1991))およ びウイルスのコート蛋白内に発現させたペプチドエピトープ(Scottら、Science 249:386(1990);Devlinら、Science 249:404-406(1990);Cwirlaら、PNAS USA 87 :6378(1990))にも用いられた。 しかしながら、本明細書に開示するように、酵素的に活性な新規なオリゴヌク レオチド分子を創出するに際して顕著な程度の成功が初めて達成された。したが って、本明細書に開示する発見および発明は、極めて多くの有効な触媒分子をデ ザインする手段としてのインビトロ進化の能力を明示させるという点で特に重要 である。発明の要旨 部位特異的変異は、多数の変異体を作出し続いて幾つかの所望の特性に関して 選別を行うインビトロ選別増幅技術によって改良が進んだ。個々の巨大分子が選 別され、続いてこれら選別されたものは増幅されて好ましい変異体を含む子孫分 布が得られる。最も望ましい特性を有するもののみが残るまでこの過程は繰り返 される。例えば、本明細書に開示するガイドラインに従うことによって酵素的に 活性な新規なオリゴヌクレオチド分子を作出することができるであろう。本明細 書に開示する技術は、例えば幾つかの例を挙げるならば特異性、反応速度および 基質結合能が改善された酵素的に活性な新規なオリゴヌクレオチド分子のデザイ ン、特定および使用に有用であるだけでなく、当該開示技術によって、オリゴヌ クレオチド分子において通常隣接するヌクレオチドを連結するホスホジエステル 結合以外の結合を(または当該結合とともに)切断するオリゴヌクレオチド分子 をデザインすることができた。 したがって本発明の種々の実施態様では、酵素性核酸(特に酵素性RNA分子 )は種々の用途のために有用量で調製され選別され合成される。選別の基準には 、酵素性RNA分子の配列特異的反応を触媒する能力、核酸の切断能力、基質D NAおよび/またはRNAとの結合能力、代謝回転速度の改善などが含まれるが 、これらに限定されない。 ペプチダーゼ活性を有する酵素性RNA分子もまた開示される。本発明の酵素 性RNA分子は、したがって求核性試薬として機能することができ、ホスホジエ ステル結合、アミド結合またはその両方の結合を切断する。 したがって本発明は、生理的条件下で一本鎖核酸分子を特異的に切断すること ができる酵素性RNA分子を含み、この場合、当該酵素性RNA分子は、その酵 素としての性能を改善する1つまたは2つ以上の点変異を含む。種々の実施態様 では、酵素性RNA分子はさらにその基質特異性に影響を与える1つまたは2つ 以上の点変異を含む。 ある例ではその酵素性能には触媒効率が含まれる。また別の実施態様では、酵 素性RNA分子は約0.7分-1の切断速度を有する。 また、酵素性能には基質結合親和性が含まれる。種々の実施態様において基質 にはDNA、RNAまたはその複合体が含まれる。基質がDNAを含む実施態様 では、酵素性RNA分子は少なくとも10-9Mの基質結合親和性を有するであろ う。他の例では、本発明の酵素性RNA分子は10μm未満のKDでDNAと結 合する。また別の実施態様では、本発明の酵素性RNA分子は、1μM未満、5 0nM未満、または10nM未満のKDでDNAと結合する。 基質がRNAを含む実施態様では、酵素性RNA分子は好ましくは1.0nM 未満、より好ましくは0.5nM以下のKDでRNAと結合する。他の実施態様 では、酵素性RNA分子は野性型リボザイムのRNA基質切断速度の3倍までの 切断速度を有する。さらに他の実施態様は酵素性能に基質特異性が含まれる酵素 性RNAを包含する。種々の実施態様では、当該特異性は認識配列の変更によっ て変えられる。上記に特記したように、基質はDNA、RNAまたはその混成物 を含むことができる。 基質がDNAを含む実施態様では、本発明の酵素性RNA分子は、野性型リボ ザイムのDNA基質切断速度の10−102、102−103、103−104、ま たは104−105倍もの切断速度を有する。105を越える切断速度もまた種々 の実施態様に含まれている。 本発明はさらに、I、II、IIIまたはIV群イントロンに由来する酵素性 RNAを含む。好ましくは、本発明の酵素性RNA分子はI群イントロンに由来 する。ある例では、当該I群イントロンはテトラヒメナ(Tetrahymena)のI群イ ントロンである。別の例では、本明細書に包含される酵素性RNA分子は触媒活 性を有するテトラヒメナのI群イントロンの一部分を含む。さらに別の実施態様 では、本発明の酵素性RNA分子はL−19またはL−21RNA分子に由来し 、触媒活性を有するL−19またはL−21RNA分子の一部分を含む。 本発明の種々の実施態様は、本発明の酵素性RNA分子が野性型酵素性RNA またはリボザイムで典型的に見出される1つまたは2つ以上の変異を含むことを 意図する。種々の実施態様では、変異はI群イントロンに導入され、以下から成 る群から選別される:44:G→A;51/52:挿入AGAA;51/52: 挿入CUAA;86/87:UA→欠失;87:A→欠失;94:A→U;94 :A→C;115:A→U;116:G→A;138:C→A;166:C→A ; 167:U→G;170:C→U;188:G→A;190:U→A;191: G→U;205:U→C;215:G→A;239:U→A;258:U→C; 312:G→A;313:G→U;313:G→C;314:A→G;317: U→G;317:U→C;317:U→A;333:U→C;350:C→Uお よび364:C→U。 また別の種々の実施態様では、本発明の酵素性RNA分子はいずれかの数の種 々の開示変異またはそれらの組み合わせを有することができる。例えば、本発明 の触媒性RNA分子は1−5の変異、1−10の変異、1−15の変異、1−2 0の変異、1−25の変異、1−30の変異またはそれ以上含むことができる。 変異は5変異づつ増加する必要がないことは理解されるところである。本発明は 、これらの変異が本明細書に開示され請求の範囲に含まれる当該分子の特異的部 位における基質の切断能力に干渉しない限り、本触媒性RNA分子にいずれの数 の変異も含まれ得ることを意図する。 種々の代表的な実施態様では、点変異は215:G→A変異、258:U→C 変異またはその両方を含むことができる。別の実施態様では、酵素性RNA分子 は以下の変異、94:A→Y、215:G→A、および313/314:GA→ UG、および317:U→Rを含み、さらに別の例は、以下の変異、94:A→ Y、215:G→A、313/314:GA→UG、よび333:U→Cを含む 。さらに別の例は以下の変異を含む:215:G→Aおよび313−314:G A→UG。また別の実施態様では、本発明のRNA分子は以下の変異を含む:9 4:A→Y、115:A→U、116:G→A、188:G→A、190:U→ A、191:G→U、205:U→C、215:G→A、および313/314 :GA→UG。 別の例では、本発明は以下の変異を含む酵素性RNA分子を包含する:44: G→A、87:A→欠失、94:A→U、115:A→U、116:G→A、1 66:C→A、170:C→U、188:G→A、190:U→A、191:G →U、205:U→C、および215:G→A。 本発明の酵素性RNA分子に存在しえる他の変異の組み合わせ例には以下が含 まれる:(a)98:C→Uおよび313−314:GA→UG;(b)98:C →U、205:U→C、および317:U→R;(c)94:A→Yおよび215 :G→A;(d)94:A→Y、205:U→C、および313−314:GA→ UG;(e)94:A→Y、98:C→U、および333:U→C;(f)44:G →A、94:A→U、115:A→U、116:G→A、138:C→A、18 8:G→A、190:U→A、191:G→U、205:U→C、215:G→ A、312:G→A、および317:U→G;(g)44:G→AN94:A→U 、115:A→U、116:G→A、138:C→A、167:U→G、188 :G→N、190:U→A、191:G→U、205:U→C、215:G→A 、239:U→A、および312:G→A;(h)44:G→A、51/52:挿 入AGAA、87:A→欠失、94:A→U、115:A→U、116:G→A 、166:C→A、170:C→U、188:G→A、190:U→A、191 :G→U、205:U→C、215:G→A、239:U→A、312:G→A 、350:C→U、および364:C→U;(i)44:G→A、51/52:挿 入AGAA、87:A→欠失、94:A→U、115:A→U、116:G→A 、166:C→A、170:C→U、188:G→A、190:U→A、191 :G→U、205:U→C、215:G→A、313:G→C、および314: A→G;(j)44:G→A、51/52:挿入CUAAN86/87:UA→欠 失、94:A→U、115/116:AG→UA、165:C→U、170:C →U、188:G→A、190/191:UG→AU、205:U→C、215 :G→A、239:U→A、271:U→C、289:U→A;312:G→A A、340:U→A、364:C→U、および366:G→A;または(k)44 :G→A、51:G→A、51/52:CUAA挿入、86/87:UA→欠失 、94:A→U、115/116:AG→UA、138C→A、165:C→U 、170:C→U、175:G→A、188:G→A、190/191:UG→ AU、205:U→C、215:G→A、239:U→A、271:U→C、2 88/289:GU→AA、292:U→A;312:G→AA、334:A→ G、340:U→A、347:A→G、および366:G→A。先に特記したよ うに、前述の記載は、本発明(の範囲内)に包含される分子(または酵素性RN A分子内の変異の組み合わせ)のほんのいくつかを示しているだけである。 開示した種々の実施態様では変異は相乗される。代表的な実施態様の1例では 、当該相乗変異は縦並び313−314:GA→UG変異を含む。別の実施例で は、相乗変異は215:G→Aおよび258:U→C変異を含む。 また別の例では、相乗変異はヌクレオチド188位、190位および191位 の変異を含む。さらに別の例では、相乗変異はヌクレオチド115位、116位 および205位の変異を含む。別の実施態様は、115、116、188、19 0、191および205ヌクレオチド位の変異を含む相乗変異を含む。 他の実施態様では、本発明の触媒性RNA分子は1つまたは2つ以上の以下の 相乗変異を含む:51/52:挿入AGAA;51/52:CUA挿入;86/ 87:UA→欠失;115/116:AG→UA;190/191:UG→AU ;または288/289:GU→AA。 本発明はさらに、生理的条件下で一本鎖DNAを特異的に切断することができ る酵素性RNA分子を含む。この場合、当該酵素性RNA分子は、当該分子の酵 素性能に影響を与える1つまたは2つ以上の点変異を有する。種々の実施態様で は、本発明の酵素性RNA分子はさらにその基質特異性に影響を与える1つまた は2つ以上の点変異を有する。 本発明はまた本発明の酵素性RNA分子を製造し使用する種々の方法を含む。 例えば、以下の工程を含む、生理的条件下で一本鎖DNAを特異的に切断する方 法が本明細書に含まれる: (a)デオキシリボヌクレアーゼ活性を有する酵素性RNA分子を提供し; (b)当該酵素性RNA分子を生理的条件下で一本鎖DNA分子と接触させ; さらに、 (c)当該酵素性RNA分子に当該一本鎖DNA分子を切断させるために十分 な時間当該接触を維持する。 別の実施態様では、当該方法はさらに、1分子の当該酵素性RNAによって1 分につき約1分子のDNAの切断を引き起こすために十分な濃度で当該酵素性R NA分子を反応媒体中に提供する工程を含む。さらに別の実施態様では、当該方 法はさらに、1時間にDNA分子集団の少なくとも10%の切断を引き起こすた めに十分な濃度で当該酵素性RNA分子を反応媒体中に提供する工程を含む。 生理的条件下で一本鎖DNA分子を特異的に切断する本明細書に開示される方 法の1例では、酵素性RNA分子は一本鎖DNAのための結合部位を含む。当該 結合部位は、一本鎖DNA分子上の切断部位に隣接するヌクレオチドと相補的で ある。開示される方法の別の例では、本発明の酵素性RNA分子は、一本鎖DN A分子上の切断部位に隣接するヌクレオチドと相補的である、一本鎖DNAのた めの結合部位を含む。 本発明はまた、以下の工程を含む、予め設定された触媒活性を有する酵素性R NA分子製造する方法を含む: (a)酵素性RNA分子集団を変異誘発条件下に付して変異RNA分子の多様 な集団を製造し; (b)変異酵素性RNA分子の当該多様な集団から予め設定された活性を有す る酵素性RNA分子を選別し;さらに (c)当該変異RNA分子の多様な集団から当該RNA分子を分離する。 別の方法では、変異誘発条件は、酵素性RNA分子内に限定されたヌクレオチ ド置換または任意のヌクレオチド置換を誘発する条件を含む。別の例では、当該 変異誘発条件は、化学的修飾、ランダム変異誘発性オリゴデオキシヌクレオチド の取込み、またはポリメラーゼによる不正確複製を含む。さらに別の例では、変 異誘発条件は、部位特異的変異、ポリメラーゼ連鎖反応、または自家内配列複製 (self-sustained sequence replication)を含む。 種々の実施態様では、当該予め設定された活性は生理的条件下でDNAを切断 する能力を含む。 前述の方法の別の例ではさらに、当該多様な集団から選別された酵素性RNA 分子を増幅する工程が含まれる。ある実施態様では、当該増幅はポリメラーゼ連 鎖反応を用いて実施される。別の実施態様では、当該増幅は自家内配列複製を用 いて実施される。 開示される別の方法は、生理的条件下でDNAを特異的に切断する触媒性RN A分子を作出する方法で以下の工程を含む:(a)I群イントロン集団を得て;( b)遺伝的変化を当該集団に導入して変種集団を製造し;(c)予め設定した選別 基準に合致する個々の変種を当該変種集団から選別し;(d)当該選別各変 種を残余の変種集団から分離し;さらに(e)当該選別した各変種を増幅する。 上記に特記したように、本発明はまたアミド結合を特異的に切断することがで きる酵素性RNA分子を開示するが、その場合、当該酵素性RNA分子はその酵 素性能を改善する1つまたは2つ以上の点変異を含む。種々の実施態様では、当 該酵素性RNA分子はさらに、その基質特異性に影響を与える1つまたは2つ以 上の点変異を含む。ある例では、その酵素性能は触媒効率を含む。さらにまた、 酵素性能は基質結合親和性を含むことも意図されている。種々の実施態様では、 基質はポリペプチドまたは蛋白を含むことができる。 さらに他の実施態様では、酵素性能が基質特異性を含む酵素性RNA分子が意 図される。種々の実施態様では、当該特異性は認識配列の変更によって変えられ る。上記に特記したように基質はポリペプチドまたは蛋白を含むことができる。 本発明は、アミド結合を切断する酵素性RNA分子を包含する。ある実施態様 では、当該酵素性RNA分子はI、II、IIIまたはIV群イントロンに由来 する。ある例では、当該I群イントロンはI群イントロンに由来し、別の例では 当該I群イントロンはテトラヒメナ・サーモフィラ(Tetrahymena thermophila の前駆体rRNAのI群イントロンに由来する。別の実施態様では、本発明の 酵素性RNA分子は本明細書で配列番号:1として特定される分子に由来する。 別の例では、本明細書に包含される酵素性RNA分子は、触媒活性を有するI 、II、IIIまたはIV群イントロンの一部分を含む。また別の実施態様では 、当該酵素性RNA分子は、触媒活性を有するテトラヒメナのI群イントロンの 一部分を含む。また別の実施態様では、本発明の酵素性RNA分子はL−19ま たはL−21RNA分子に由来し、さらに触媒活性を有するL−19またはL− 21RNA分子の一部分を含む。 本発明はさらに、1つまたは2つ以上の変異を含むアミド結合またはペプチド 結合切断酵素性RNA分子を包含する。本発明の種々の実施態様は、本発明の酵 素性RNA分子は野性型酵素性RNA分子またはリボザイムでは典型的に見出さ れない1つまたは2つ以上の変異を含むことを意図する。種々の実施態様では、 変異はI群イントロン(例えばテトラヒメナのI群イントロン)に導入され、以 下の変異の1つまたは2つ以上の変異を含む:44:G→A、51/52:挿入 AGAA、87:A→欠失、94:A→U、94:A→C、115:A→U、1 16:G→A、138:C→A、166:C→A、167:U→G、170:C →U、188:G→A、190:U→A、191:G→U、205:U→C、2 15:G→A、239:U→A、258:U→C、312:G→A、313:G →U、313G→C、314:A→G、317:U→G、317:U→C、31 7:U→A、333:U→C、350:C→U、および364:C→U。種々の 実施態様において、本発明の酵素性RNA分子は、1−4の点変異、5−8の点 変異、9−12の点変異または13以上の点変異を有する。 本発明のアミド結合もしくはペプチド結合切断酵素性RNA分子に存在するこ とができる他の変異組み合わせには以下が含まれる:(a)98:C→Uおよび3 13−314:GA→UG;(b)98:C→U、205:U→C、および317 :U→R;(c)94:A→Yおよび215:G→A;(d)94:A→Y、205 :U→C、および313−314:GA→UG;(e)94:A→Y、98:C→ U、および333:U→C;(f)44:G→A、94:A→U、115:A→ U、116:G→A、138:C→A、188:G→A、190:U→A、19 1:G→U、205:U→C、215:G→A、312:G→A、および317 :U→G;(g)44:G→A、94:A→U、115:A→U、116:G→ A、138:C→A、167:U→G、188:G→A、190:U→A、19 1:G→U、205:U→C、215:G→A、239:U→ANおよび312 :G→A;(h)44:G→A、51/52:挿入AGAA、87:A→欠失、9 4:A→U、115:A→U、116:G→A、166:G→A、166:C→ A、170:C→U、188:G→A、190:U→A、191:G→U、20 5:U→C、215:G→A、239:U→A、312:G→A、350:C→ U、および364:C→U;または(i)44:G→A、51/52:挿入AG AA、87:A→欠失、94:A→U、115:A→U、116:G→A、16 6:C→A、170:C→U、188:G→A、190:U→A、191:G→ U、205:U→C、215:G→A、313:G→C、および314: A→G。 本発明はさらに特異的にアミド結合を切断することができる酵素性RNA分子 を包含するが、その場合、当該酵素性RNA分子はその酵素性能に影響を与える 1つまたは2つ以上の点変異を含む。他の例では、本発明の酵素性RNA分子は 、その基質特異性を改善する1つまたは2つ以上の点変異を含む。また別の実施 態様では、本発明の酵素性RNA分子は、酵素性能および基質特異性を改善する 1つまたは2つ以上の変異を含む。また別の実施態様では、アミド結合を特異的 に切断することができる酵素性RNA分子が開示されるが、その場合、当該酵素 性RNA分子は、その酵素性能または基質特異性に影響を与える1つまたは2つ 以上の点変異を含む。 ある例では、当該酵素性能は触媒効率を含む。さらにまた当該酵素性能が基質 結合親和性を含む場合も包含される。さらに他の実施態様では、酵素性能が基質 特異性を含む場合の酵素性RNA分子が意図される。種々の実施態様では、当該 特異性は認識配列を変更させることによって変えられる。 本発明はさらにリボザイムアミダーゼ中間体を包含し、これは、2’ヒドロキ シルを有するリボース糖をもつ5’末端ヌクレオチドを含むリボヌクレオチドポ リマー、およびカルボキシ末端アミノ酸残基(当該カルボキシ末端アミノ酸残基 はエステル結合によって当該リボヌクレオチドポリマーの2’ヒドロキシルに共 有結合されている)を含む1つまたは2つ以上のアミノ酸残基を含む。別の実施 態様では、当該エステル結合は生理的条件下では化学的に不安定である。また別 には、当該エステル結合は酸に不安定である。本発明はさらに、当該リボヌクレ オチドポリマーが当該エステル結合を加水分解する触媒活性を有する実施態様を 包含する。 さらに別の例では、本発明はリボザイムアミダーゼ中間体を包含し、これは、 リボヌクレオチドポリマー(2’ヒドロキシルをもつリボース糖を有するグアニ ンヌクレオチドを含む補因子)、およびカルボキシ末端アミノ酸残基(当該カル ボキシ末端アミノ酸残基はエステル結合によって当該グアニンヌクレオチドの2 ’ヒドロキシルに共有結合されている)を含む1つまたは2つ以上のアミノ酸残 基を有するペプチドを含む。 本発明はまた、アミド基質を加水分解してアミノ切断生成物およびリボザイム アミダーゼ中間体を生じる触媒活性を有するリボヌクレオチドポリマーを含む酵 素性RNA分子を開示する。ある例では、当該リボヌクレオチドポリマーは、求 核性2’ヒドロキシルを有するリボース糖をもつ5’末端ヌクレオチドをもち、 さらに当該リボザイムアミダーゼ中間体は求核性2’ヒドロキシルとアミド基質 のカルボキシ基との間にエステル結合を含む。また別の例では、当該5’末端ヌ クレオチドはグアニン塩基を含む。 本発明はまた酵素性RNA分子を開示するが、その場合、当該アミド基質が当 該基質のカルボキシ末端を含有するカルボキシ末端アミノ酸残基(当該カルボキ シ末端アミノ酸残基は当該リボヌクレオチドポリマーの2’ヒドロキシルにエス テル結合によって共有結合されている)を含む1つまたは2つ以上のアミノ酸残 基を有するペプチドを含む。また別の実施態様では、当該リボヌクレオチドポリ マーはアミド基質に対して有効な結合親和性を有し、さらにアミノ切断生成物に 対しては有効な結合親和性を欠く。別の例では、当該リボヌクレオチドポリマー の触媒活性は二価イオンの存在に依存する。また別の実施態様では、本明細書に 開示する酵素性RNA分子はさらに当該リボヌクレオチドポリマーに結合した補 因子を含むことが意図される。当該補因子は、カルボキシ切断生成物とともに酸 に不安定なエステル中間体を形成することができる求核性2’ヒドロキシルを含 むリボース糖を有するグアニンヌクレオチドを含む。 本発明はまた、本発明の酵素性RNA分子の製造および使用方法を包含する。 ある実施態様では、アミド結合を切断する酵素性RNA分子を選別する方法は以 下の工程を含む:(a)リボザイム集団を得て;(b)アミド結合含有基質分子を当 該リボザイム集団と混合して混合物を作製し;(c)当該混合物を生理的条件下で 十分な時間維持して、当該リボザイムおよび基質を相互作用させてリボザイム・ 生成物複合体を形成し;(d)形成された一切のリボザイム・生成物複合体を単離 し;(e)当該リボザイム・生成物複合体を別々のリボザイムおよび生成物に解離 させ;さらに(f)リボザイムを生成物から分離する。 前述の方法の他の例では当該基質は固定剤を付加される。ある実施態様では当 該薬剤はビオチンを含む。別の実施態様では、アビジンを取り込ませるか、また は付加した固形表面を用いることによって、リボザイム・生成物複合体の単離工 程が促進される。例えば、当該単離工程はさらに当該リボザイム・生成物複合体 をアビジンを結合させた固形表面に暴露して、それによって当該複合体を固形表 面に結合させることを含む。 本発明はさらにアミド結合を切断する方法を包含する。ある例では、当該方法 は以下の工程を含む:酵素性RNA分子をアミド結合含有基質と混合して反応混 合物を作製し;さらに予め設定した反応条件下で当該混合物を維持して当該酵素 性RNA分子にアミド結合を切断させる。また別の実施態様では、当該酵素性R NA分子は予め設定された部位でアミド結合を切断できる。本明細書で開示する ように、アミド結合を切断する方法はまた、酵素性RNA分子から当該生成物を 分離し、さらに新たな基質を酵素性RNA分子に添加して新しい反応混合物を形 成する工程を含むことができる。 また本明細書に包含されるものは、アミド結合を切断する酵素性RNA分子を 作出する方法である。ある実施態様では当該方法は以下の工程を含む:(a)リボ ザイム集団を得て;(b)遺伝的変化を当該集団に導入して変種集団を製造し;( c)当該変種集団から予め設定した選別基準に合致する個々の変種を選別し;(d )選別した個々の変種を残余の変種集団から分離し;さらに(e)当該個々の選 別変種を増幅させる。 本発明はまたアミド結合を切断する触媒性RNA分子の選別方法を開示する。 当該方法は以下の工程を含む:(a)アミド結合含有オリゴヌクレオチド基質分子 をI群イントロン(リボザイム)と混合して混合物を作製し;(b)当該混合物を 生理的条件下で十分な時間維持して、リボザイムと基質を相互作用させてリボザ イム・生成物複合体を形成させ;(c)形成された一切のリボザイム・生成物複合 体を単離し;(d)リボザイム・生成物複合体を別々のリボザイムおよび生成物に 解離させ;さらに(e)当該生成物からリボザイムを分離する。 別の例では、アミド基質を触媒的に加水分解する方法が包含される。ある実施 態様では、当該方法は以下の工程Aを含む:アミド基質を加水分解する触媒活性 を有するリボヌクレオチドポリマーを含むリボザイムとアミド基質を接触させ、 アミノ切断生成物およびリボザイムアミダーゼ中間体を生成する。当該リボザイ ムアミダーゼ中間体は、当該リボヌクレオチドポリマーの5’末端ヌクレオチド 上のリボース糖の2’ヒドロキシルとエステル結合によって結合したアミド基質 のカルボキシルを含む。別の例では、当該方法はさらに工程Aに続いて実施され る以下のような工程Bを含む:当該リボザイムアミダーゼ中間体のエステル結合 を加水分解してカルボキシ切断生成物を生じる。 別の実施態様では、当該方法はさらに、1分子の酵素性RNA分子によって1 分につき約1分子の基質を切断させるために十分な濃度で反応媒体に酵素性RN A分子を提供することを含む。また別の実施態様では、当該方法はさらに、基質 分子の少なくとも10%を1時間で切断させるために十分な濃度で存在するよう に反応媒体に酵素性RNA分子を提供することを含む。 本発明はまた、予め設定した触媒活性を有する酵素性RNA分子の製造方法を 包含する。当該方法は以下の工程を含む:(a)酵素性RNA分子集団を変異誘発 条件下に付し、多様な変異RNA分子集団を生成し;(b)予め設定した活性を有 する酵素性RNA分子を多様な変異酵素性RNA分子集団から選別し;さらに( c)当該RNA分子を多様な変異RNA分子集団から分離する。種々の実施態様 では、予め設定される活性にはアミド結合またはペプチド結合を切断する能力が 含まれる。 また別の方法では、変異誘発条件は、酵素性RNA分子内に限定ヌクレオチド 置換または任意ヌクレオチド置換を導入する条件を含む。別の例では、当該変異 誘発条件は、化学的修飾、任意変異誘発オリゴヌクレオチドの取込み、またはポ リメラーゼによる不正確複製を含む。さらに別の例では、当該変異誘発条件は、 部位特異的変異誘発、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、変異誘発PCR、または 自家内配列複製の使用を含む。 前述の方法の別の例では、多様な手段から選別した酵素性RNA分子の増幅工 程がさらに含まれる。ある実施態様では、当該増幅はポリメラーゼ連鎖反応、好 ましくは変異誘発ポリメラーゼ連鎖反応を用いて実施される。別の実施態様では 、当該増幅は自家内配列複製を用いて実施される。 本発明はまた種々の有用な組成物を開示する。ある実施態様では、本発明は2 つまたは3つ以上の触媒性RNA分子の集団を含む組成物を開示する。その場合 、 触媒性RNA分子の各集団は異なる基質核酸配列を切断することができる。別の 実施態様では、触媒性RNA分子および医薬的に許容できる担体または賦形剤を 含む組成物が開示される。 本発明はまた、核酸で構成されたもの以外の基質を切断する触媒性RNA分子 を含む種々の組成物を開示する。ある実施態様では、アミド結合を切断する酵素 性RNA分子を含む組成物が開示される。別の例では、アミド基質を加水分解し てアミノ切断生成物およびリボザイムアミダーゼ中間体を生成する触媒活性を有 するリボヌクレオチドポリマーを含む酵素性RNA分子を含有する組成物が開示 される。別の実施態様では、組成物はさらにリボヌクレオチドポリマーに結合し た補因子を含む。当該補因子は、カルボキシ切断生成物とともに酸に不安定なエ ステル中間体を形成することができる求核性2’ヒドロキシルをもつリボース糖 を有するグアニンヌクレオチドを含む。 さらに本発明に包含されるものは、本明細書および請求の範囲に開示されるよ うな特徴を有する酵素性RNA分子の2つまたは3つ以上の集団を含む組成物で ある。別の例では、当該組成物中の酵素性RNA分子の各集団は異なる基質を認 識することができる。 図面の簡単な説明 図1は、野性型テトラヒメナのリボザイム(L−21型;配列番号:1)の二 次構造を示す。対を形成する構造成分は記号Piで示されるが、ここで“i”は 数字または文字数字記号を表している。対形成成分iおよびjの間の結合領域( Ji/jと呼ばれる)は印を付されていない。最初の集団で部分的にランダム化 したヌクレオチドの位置は暗色領域によって表示されている(図3も参照された い)。内部ガイド配列(IGS)は太字で、DNA基質は小文字で示した。本文 中で言及したヌクレオチドの位置には印を付した。 図2A−2Cは、触媒RNAの選択的増幅のための一般的工程を示す。図2A ではRNA増幅のための全体的な工程が示されている。“RT”=逆転写酵素; “T7pol”=T7ポリメラーゼ;“prom”=プロモーター、および“R NA”は酵素性RNA分子を表す。 図2Bでは、I群リボザイムのホスホエステル転移活性による選択的増幅のた めの工程が示されている。“E”は酵素性RNA分子を表す;“S”は基質を表 す;“E・S”は酵素/基質複合体を表す;さらに“EP”は酵素/生成物複合 体を表す。 図2Cは本明細書で開示する全体的なインビトロ進化工程を示す。工程1−ホ スホエステル転移によるDNA基質の切断は、当該基質の3’部分のリボザイム の3’末端への連結をもたらす。工程2−DNA切断リボザイムの選択的等温増 幅:最初に選択的プライマー1aは活性分子の伸長3’末端とハイブリダイズし 、逆転写酵素(RT)の存在下でcDNA合成を開始する;次にプライマー2( T7プロモーター配列(T7 Prom)を含む)はcDNAとハイブリダイズし、第二 の鎖のDNA合成を開始する;最後にT7RNAポリメラーゼ(T7 pol)は選別 されたRNAの多数の複製を生じる(その各々は新しい増幅ラウンドに入ること ができる)。工程3−プライマー1aおよび逆転写酵素を用いる選択的cDNA 合成。工程4−非選択的プライマー1bおよびプライマー2を用いるPCR増幅 はリボザイムコード遺伝子の本来の末端を蓄積し、時折変異を導入する。工程5 −リボザイムの子孫集団を生成するためのインビトロ転写。 図3Aおよび3Bはテトラヒメナリボザイム(L−21型)の二次構造を示し ている。図3Aは、テトラヒメナのリボザイム(L−21型)の二次構造を模式 的に表したものである。図3BはテトラヒメナリボザイムのL−21型の同様な 模式図である。模式図は、本明細書で述べるように任意に変異誘発した領域(枠 で囲んだセグメント)を示している。 図4は実施例4で述べる選別手法を示す。リボザイム集団(E)を攻撃し、R NA切断反応の5’生成物部分(rP)に対応する抑制物質の存在下でDNA基 質(dS)を切断した。当該DNA基質を切断したリボザイム(E・dP)は基 質の3’部分に結合し、これはその後の選択的増幅のためのタグとして機能した 。RNA生成物に結合したリボザイム(E・rP)がDNAを切断しないように 防止し、増幅させなかった。 図5は、リボザイムの進化集団に対するDNAおよびRNA切断反応の触媒効 率の変化を示す。DNA切断のためのKcatm -1値(黒棒)およびRNA切断 のためのKcatKm-1値(白棒)は、全体としての集団について1回のターンオー バー条件下で以下の等式に対して最小二乗値適合を基にして決定した: Kobs=(Kcat/Km)〔E〕、 式中、〔E〕<<Kmで、Kobsは最初の反応速度である(実施例4のB節を参照 されたい)。リボザイムのいろいろな世代(wt(野性型)、G27、G36、G 45、G54およびG63)は横軸に表示されている。一方、Kcatm -1の値( 107-1-1)は縦軸に表されている。 図6Aおよび6Bは、G27#48およびG63#19リボザイムによって触 媒されるDNAおよびRNA切断反応の程度の比較を示す。反応は2.5μMの リボザイムおよび極微量(<1nM)のRNAまたはDNA基質のいずれかの存 在下で実施した。白丸(○)はG27#48によるDNA切断を表し、黒丸(● )はG63#19によるDNA切断を表し、白四角(□)はG27#48による RNA切断を表し、黒四角(■)はG63#19によるRNA切断を表わす。図 6Aでは120分のタイムコースが示されている。図6Bでは、最初の2分間の 反応がさらに細かく示されている。G27#48によるRNA切断およびDNA 切断のデータは二相性指数等式に適合し、速度の速い相の後に遅い相が続いた。 G63#19によるDNA切断のデータは一相性指数等式に適合した。全ての曲 線の適合度は120分にわたって得られた完全なデータセットに基づくものであ った。図6Aおよび6Bではともに、時間(分)は横軸に、切断された割合は縦 軸に示されている。 図7(A−C)は、進化の過程で変異が生じる部位をテトラヒメナリボザイム の二次構造に重ね合わせて示す。棒の高さは各ヌクレオチド位における変異頻度 (%)に一致する。当該ヌクレオチド位は、第9世代(G9;図7A)、18世代 (G18;図7B)および27世代(G27;図7C)で配列決定した50サブ クローンを基にしている。非変異性結合部位は暗色で示し、基質は黒色で示した 。よく出現する変異(頻度>30%)は印を付した。 図8はまた、進化の過程で変異が生じる部位をテトラヒメナリボザイムの二次 構造に重ね合わせて示す。棒の高さは各ヌクレオチド位における変異頻度(%) に一致する。当該ヌクレオチド位は第36世代で配列決定した50サブクローン を基にしている。非変異性結合部位は暗色で示し、基質は黒色で示した。よく出 現する変異(頻度>30%)には印を付した(斑点棒)。 図9Aおよび9Bは、インビトロ進化の連続した27世代における基質結合親 和性の改善を示す。図9Aは、G27リボザイム集団について得られたデータを 示す典型的な結合曲線を表す。2つの異なるゲルシフト実験から得られたデータ が表示されている。横軸の〔E〕(nM)は、縦軸の〔E・P〕/(〔E・P〕+ 〔P〕)に対して作表した。データは、以下の等式によって与えられる理論的結 合曲線(実線によって表示)に対して最小二乗法にしたがって適合させた: y=〔E〕/(〔E〕+KD) 式中、yはリボザイム(E)に結合した生成物(P)の割合である。この場合、 KD=51(±2)nMである。図9Bは、3世代毎のリボザイム集団のKDを示 す。0世代から27世代までのデータをKD(μM)について表わした。標準誤 差の平均は11%であった。 図10A−Fは、進化の過程で変異が生じる部位をテトラヒメナリボザイムの 二次構造に重ね合わせて示す。棒の高さは各ヌクレオチド位における変異頻度( %)に一致する。当該ヌクレオチド位は、G27の50サブクローンについて、 さらにG36、G45、G54およびG63の25サブクローンについて配列決 定したものを基にしている。非変異性結合部位は暗色で示し、基質は黒色で示し た。よく出現する変異(頻度>50%)には印を付けた。図10A:G27(実 施例3参照);図10B:G27(>50%の頻度で生じる変異をこの図表および その後の図表で0%値に標準化した);図10C:G36;図10D:G45; 図10E:G54;および図10F:G63。0から80%の高さを示す棒が図 10A−Fのそれぞれで参考として提供されている。 図11は、DNA対RNA基質についての増強された優先度に対する271: U→Cおよび312:G→AAの同時依存性を示す。DNA切断反応についての Kcatm -1値(黒棒)およびRNA切断反応についてのKcatm -1値(白棒)は 、G63#19リボザイムに関して271と312位の変異をもたないもの、い ずれかをもつもの、またはその両方をもつものを含むリボザイムについて決定さ れた。種々のリボザイムにおける271位のヌクレオチド組成は、表示のよう に横軸に示されている。Kcatm -1の値(107-1-1)は縦軸に表されてい る。 発明の詳細な説明 A.定義 本明細書で用いられるように、“アミノ酸残”という用語は、一般にポリペプ チドのペプチド結合における化学的消化(加水分解)によって形成されたアミノ 酸を指す。本明細書にいうアミノ酸残基は好ましくは“L”異性体型である。し かしながら、当該ペプチドが所望の機能特性を保持するかぎり、“D”異性体型 の残基でいずれのL−アミノ酸残基を置換してもよい。NH2はポリペプチドの アミノ末端に存在する遊離アミノ基を指す。COOHはポリペプチドのカルボキ シ末端に存在する遊離カルボキシ基を指す。標準的なポリペプチド命名法(J.B iol.Chem.243:3552-59(1969)に記載され、さらに37C.F.R.§1.822(b)(2)で採 用)にしたがいアミノ酸残基の略語は以下の対応表に示す: 本明細書で式で表したアミノ酸残基配列の全ては、アミノ末端からカルボキシ 末端の通常の向きで左から右の方向性を有することは留意されるべきである。さ らに、“アミノ酸残基”という語句は、対応表に列記したアミノ酸並びに修飾お よび通常でないアミノ酸、例えば37C.F.R.§1.822(b)(4)(この文献は参照により 本明細書に含まれる)に挙げられたものを含むと広く定義される。さらに、アミ ノ酸残基配列の開始または最後の棒線は、1つまたは2つ以上のアミノ酸残基の また別の配列またはアミノ末端基(例えばNH2)またはカルボキシ末端基(例 えばCOOH)とのペプチド結合を示すことは留意されるべきである。 本明細書で用いられるように、“保存的置換”という用語は、1つのアミノ酸 残基が別の生物学的に同様な残基によって置換されたことを意味する。保存的置 換の例には、1つの疎水性残基(例えばIle、Val、Leu、またはMet )とそれに匹敵するものとの置換、または1つの極性残基とそれに匹敵するもの との置換(例えばArgとLys間、GluとAsp間、またはGlnとAsn 間など)が含まれる。“保存的置換”はまた、当該ポリペプチドがまた必須の結 合活性を示すということを条件に、未置換親アミノ酸の代わりに置換アミノ酸を 使用する場合も含まれる。 “一致する(対応する)”という語は、そのアミノ末端およびカルボキシ末端の 両方またはいずれか一端に3つまでのアミノ酸残基がプラスまたはマイナスされ ている対象のポリペプチド配列、および当該ポリペプチド配列の特定のアミノ酸 残基に保存的置換のみを含む対象ポリペプチド配列を指すためにポリペプチド配 列に関して本明細書および請求の範囲では用いられる。 本明細書で用いられるように、“ポリペプチド”および“ペプチド”とは、隣 接残基のアルファ−アミノ基およびカルボキシ基との間でペプチド結合によって 1つのアミノ酸が他のアミノ酸と連結された約50アミノ酸残基より小さい一連 の残基を指すために本明細書で互換的に用いられる用語である。 本明細書で用いられるように、“ペプチド結合”および“アミド結合”という 用語はまた互換的に用いられ、さらに、例えばポリペプチドまたは蛋白質内に典 型的に見出されるようなアミド結合を含む。本明細書で用いられるように、アミ ド結合またはペプチド結合は隣接するアミノ酸のみを連結するという必要性はな い。本明細書で述べるように、例えばペプチド結合/アミド結合は、隣接するヌ クレオチド、隣接するアミノ酸を連結しているのが認められるかもしれないし、 またアミノ酸をヌクレオチドに連結しているのが認められるかもしれない。当該 用語はまた、非活性化アルキルアミドを含む結合と同種の結合(活性化アリルア ミドとは全く異なる)を包含すると考えられる。 “蛋白質”とは、ポリペプチドのように1つのアミノ酸が他のアミノ酸と連結 された一連の50アミノ酸残基より大きいものを指すために本明細書で一般に用 いられる用語である。 本明細書で用いられるように“連続性サブセット”という用語は、ポリヌクレ オチドまたはポリペプチドが、それぞれより大きなヌクレオチドまたは蛋白質( またはポリペプチド)分子の配列サブセットの配列に一致する、それぞれヌクレ オチド配列またはアミノ酸残基配列を有するという事実を指す。例えば、“AB CDEFGH”がポリペプチドのアミノ酸残基配列を表す場合、その典型的な連 続性サブセットには“ABC”、“BCDE”、“DEFGH”、“ABCDE FG”などが含まれるであろう。 本明細書で用いられるように、“リボザイム”という用語は、酵素として機能 することができるRNA含有核酸をいうために用いられる。本開示では、“リボ ザイム”という用語は本発明のエンドリボヌクレアーゼおよびエンドデオキシリ ボヌクレアーゼを含む。“リボザイム”という用語はまた本発明のアミド結合お よびペプチド結合切断核酸酵素を包含する。本明細書でリボザイムと互換的に用 いられる他の用語“酵素性RNA分子”および“触媒性RNA分子”を含み、こ れらは、テトラヒメナまたは他の生物もしくは供給源に由来するか否かにかかわ らずリボザイムおよび酵素的に活性なその部分を含有すると理解されるべきであ る。 “リボザイム”、“酵素性RNA分子”、“酵素性核酸”および“触媒性RN A分子”という用語は全て、これらの分子がエンドリボヌクレアーゼ、エンドデ オキシヌクレアーゼ、ペプチダーゼ、アミド切断分子または他のいずれかの同等 物として述べられているか否かにかかわらず、本発明の酵素的に活性な分子を含 むと理解されるべきである。本明細書に開示されるように、前述の用語は全て酵 素として機能することができるRNAおよび/またはDNA含有核酸をいうため に用いることができる。 “触媒性RNA分子”または“酵素性RNA分子”という用語は、固有のオリ ゴヌクレオチド標的または基質に対する基質結合領域中に相補性を有するRNA 分子を含む。すなわち、それはまたオリゴヌクレオチド基質を特異的に切断する ことができる酵素活性を有する。換言すれば、当該酵素性RNA分子はオリゴヌ クレオチド基質を分子間で切断することができる。この相補性は、酵素性RNA 分子と基質オリゴヌクレオチドとの十分なハイブリダイゼーションを許容し、基 質の分子間切断を惹起させるために機能する。100%の相補性が好ましいが、 75−100%または50−100%の範囲の相補性もまた有用で、本発明に包 含される。 本発明の酵素性RNA分子はまた別には、アミド切断、アミド結合切断、アミ ダーゼ、ペプチダーゼまたはプロテアーゼ活性を有すると記載されるであろう。 これらの用語は本明細書では互換的に用いられるであろう。 本明細書で用いられるように“触媒性核酸”または“酵素性核酸”という用語 は、酵素性RNAもしくはDNA分子、酵素性RNA−DNAポリマー、および それらの酵素的に活性な部分もしくは誘導体を包含するが、ただし酵素性RNA 分子は本発明の酵素的に活性な分子の特に好ましい種類である。 本明細書で用いられるように、“エンドデオキシリボヌクレアーゼ”という用 語は、おもにDNAで構成される基質を切断することができる酵素を指す。本明 細書で用いられるように、“エンドリボヌクレアーゼ”という用語は、主にRN Aで構成される基質を切断することができる酵素を指す。 本明細書で用いられるように、“塩基対”(bp)という用語は、アデニン( A)とチミン(T)もしくはウラシル(U)とのパートナー関係、またはシトシ ン(C)とグアニン(G)とのパートナー関係をいうために一般に用いられるが 、ただし塩基A、T、CおよびGのより一般的でない類似体も場合によって塩基 対形成に参加することができる。DNAまたはRNAが二本鎖構造をとるとき通 常対を形成するヌクレオチドはまた“相補性塩基”と本明細書では呼ばれるであ ろう。 “相補的ヌクレオチド配列”とは一般に、必然的に生じる水素結合によって一 本鎖ヌクレオチド配列と特異的にハイブリダイズするもう一方の一本鎖のヌクレ オチド配列と十分に相補的なDNAまたはRNAの一本鎖分子のヌクレオチド配 列を指す。 簡単にするために、記載される配列中の具体的な座位で生じる変異は、変異が 生じる部位を特定し(その後にコロンが続く)、続いてヌクレオチド置換を表示 することによって示されるであろう。例えば、ヌクレオチドのシトシンが特定の 配列の6位でヌクレオチドのチミンの代わりに置換される場合は、この事象は“ 6:T→C”と略記されるであろう。同様に、この例の部位における挿入は“6 :挿入TAAA”と略記され、この部位における欠失は“6:欠失”と略記でき る。バック・トウ・バック変異が生じる場合もそれらは同様に略記できる。例え ば6位および7位の変異は以下のように特定できる:“6/7:TG→CA”。 このタイプの略記形式は配列の特質に関係なく用いることができるが、本明細書 では一般にヌクレオチド配列(DNA、RNAおよびその混成物を含む)に関し て用いられる。 “ヌクレオチド”とは一般に、糖部分(ペントース)、燐酸基、および窒素含有 複素環塩基から成るDNAまたはRNAの単量体単位を指す。塩基はグリコシ ドの炭素(ペントースの1’炭素)を介して糖部分と連結され、塩基および糖の 結合物は“ヌクレオシド”である。ヌクレオシドがペントースの3’または5’ 位に結合したリン酸基を含むとき、それはヌクレオチドと呼ばれる。機能的に連 結されたヌクレオチドの連続したものを本明細書では“塩基配列”または“ヌク レオチド配列”と呼び、別に限定されないかぎり左から右への方向が5’末端か ら3’末端の通常の向きとなる式で本明細書では表される。 “ヌクレオチド類似体”とは、構造的にはA、T、G、CまたはUと異なるが 、核酸分子の一般的なまたは“通常の”ヌクレオチドを置換するために十分に類 似しているプリンまたはピリミジンヌクレオチドを指す。本明細書で用いられる ように、“ヌクレオチド類似体”という用語は、改変塩基、異なる糖またはその 2つの組み合わせを包含する。塩基が改変されている代表的な類似体の列挙は以 下のC節で提供されている。実施例5ではアラビノース糖を含むヌクレオチド類 似体が記載されている。 “オリゴヌクレオチドまたはポリヌクレオチド”とは、一般に一本鎖または二 本鎖ヌクレオチドポリマーを指す。本明細書で用いられるように、“オリゴヌク レオチド”は全範囲の核酸を含む。オリゴヌクレオチドは、典型的には直鎖リボ ヌクレオチドで構成される核酸分子を指す。正確なサイズは、当技術分野で周知 のように最終的な使用条件によって左右される多くの因子に依存する。 本明細書で用いられるように、“生理的条件”という用語は、哺乳類(特にヒ ト)で見出されるものに匹敵する反応条件をいう。例えば温度、陽イオンの利用 可能性およびpH域のような可変値は下記で極めて詳細に述べるように変化させ ることができるが、“生理的条件”は、一般に約35−4℃の温度(37℃が特 に好ましい)および約7.0−8.0のpH(7.5が特に好ましい)を含み、 さらに約5−15mMの濃度(10mMの濃度が特に好ましい)の陽イオン(特 に二価または一価陽イオン)の利用可能性を含む。本明細書で用いられるように 、“生理的条件”は場合によってポリアミンまたは遊離GOHの存在を含むことが できる。先に特記したように、好ましい条件は下記で極めて詳細に述べる。 B.酵素性核酸分子 いくつかの遺伝子は一続きの非コード配列によって中断されたコード配列を有 する。これらの非コード配列は一般にイントロンと称される。これらの遺伝子か ら成熟転写物を生成するために、初期RNA転写物(前駆体RNA)はRNAス プライシングと称される切断・連結反応を経なければならない。このRNAスプ ライシングによってポリペプチドをコードするメッセンジャーRNA(mRNA) 、リボソームRNA、またはトランスファーRNA(tRNA)の成熟転写物が 生成される。イントロンは、それらの構造およびそれらが受けるスプライシング 反応の種類によって4種のカテゴリー(I、II、IIIおよびIV群)に分け られる。 他のRNA分子を切断することができるRNA分子が最近報告された。そのよ うなRNA切断RNA分子(リボザイムまたは酵素性RNA分子とも呼ばれる) は、I、II、IIIおよびIV群イントロンから選ばれ、I群およびII群イ ントロンが特に興味深い。本明細書で関心のある他の酵素性RNA分子は、当技 術分野で“ハンマーヘッド”および“ヘアピゾ”として知られるリボザイムモチ ーフで形成されるものである。本明細書で重要な酵素性RNA分子にはまた肝炎 デルタウイルスリボザイムおよびRNアーゼPまたはRNアーゼP様RNAが含 まれる。 本発明で特に重要なものはI群イントロンである。I群イントロンは、蛋白補 助因子を必要としない環状化をもたらす分子内RNAスプライシング反応を受け る(Cech,Science 236:1532-1539(1987))。(本出願に引用する全ての参考文献 の開示内容は、適切な場合には参照により本明細書に含まれる。) I群イントロン(テトラヒメナ・サーモフィラの大型リボソームRNA前駆体 から単離されたイントロンを含む)は、RNA基質を必要とする配列特異的ホス ホエステル転移反応を触媒する(例えば以下の文献を参照されたい:Zaug & Cech ,Science 229:1060-1064(1985);およびKay & Inoue,Nature 327:343-346(1987 ))。この配列特異的ホスホエステル転移反応は、RNAスプライシングとして知 られる過程で当該前駆体RNAからI群イントロンの除去および2つのエクソン の連結をもたらす。I群イントロンによって触媒されるスプライシング反応は、 2段階のトランスエステル化メカニズムを介して進行する。この反応の詳細はセ ッコによって概括されている(Cech,Science 236:1532-1539(1987))。 I群イントロンのスプライシング反応は、I群イントロン内の部位にグアノシ ンまたはグアノシンヌクレオチドが結合することによって開始する。グアノシン の3’ヒドロキシル基による5’スプライス部位の攻撃は、介在イントロン配列 の5’末端とグアノシンの共有結合をもたらす。この反応によって、5’エクソ ンの3’末端のウリジンに新しい3’ヒドロキシル基が生じる。続いてこの5’ エクソンは3’スプライス部位を攻撃し、スプライシングが完了したエクソンと 完全な長さの直鎖型のI群イントロンが得られる。 直鎖I群イントロンはスプライシングに続いて通常環状になる。環状化は、イ ントロンの5’末端に近いインターバル部位の3’末端グアノシンの攻撃を伴う 第三のトランスエステル化反応を介して生じる。イノウエら(Inoueら、J.Mol. Biol.189:143-165(1986))が報告したように、I群イントロンはまたスプライス 部位配列で配列特異的加水分解反応を受ける。この活性は、配列特異的態様でR NA基質を切断するために用いられた(Zaugら、Nature 324:429-433(1986))。 I群イントロンの構造はまたバークらによって概括されている(J.Burkeら、Ge ne 73:273-294(1988))。その構造の特徴は9塩基対形成領域(P1−P9と称さ れる)である(例えばバークらの論文を参照されたい:Burkeら、Nucleic Acids Re s.15:7217-7221(1987))。イントロンが変性する条件下では触媒活性が失われる ことによって実証されたように、イントロンの折り畳まれた構造はI群イントロ ンの触媒活性のために明らかに重要である。さらに、I群イントロンの必須の塩 基対形成領域を破壊する変異は触媒活性の喪失をもたらす(Burkeら、Gene 73:27 3-294(1988)を例えば参照されたい)。これら領域の塩基対形成を回復させる代償 性変異または第二点変異もまた触媒活性を回復させる(例えば以下の文献を参照 されたい:Williamsonら、J.Biol.Chem.262:14672-14682(1987);およびBurk e,Gene 73:273-294(1988))。 その能力を損なうことなく大きなヌクレオチドセグメントをI群イントロン( 図1)から除去するいくつかの種々の欠失が報告された(Burke,Gene 73:273-29 4(1988))。しかしながら、大きな欠失を組み合わせる試みによって活性イントロ ンと不活性イントロンの両方がもたらされた(Joyceら、Nucleic Acids Res.17: 7879(1989))。 テトラヒメナのリボザイムは、テトラヒメナ・サーモフィラの大型リボソーム RNA(rRNA)に由来する自家内スプライシングI群イントロンである。そ の生物学的機能は、前駆体rRNAから自らを切り出して成熟rRNAの生成を 触媒することである。この機能はインビトロで発現され(Krugerら、Cell 31:147 (1982))、RNA基質を必要とする種々のホスホエステル転移反応を含むことが 知られるようになった(Zaugら、Science 231:470(1986);Kayら、Nature 327:34 3(1987);Beenら、Science 239:1412(1988);Woodsonら、Cell 57:335(1989);Doud naら、Nature 339:519(1989))。例えば、リボザイムは配列特異的エンドリボヌ クレアーゼとして用いられた(Zaugら、上掲書(1986);Murphyら、PNAS,USA 86:9 218(1989))。この酵素反応は高い触媒効率で進行する(Kcat/Km=108-1 -1)(Herschlagら、Biochemistry 29:10159(1990))。 本明細書で開示する実施例は、テトラヒメナ・サーモフィラの自家内スプライ シングI群イントロンの誘導物(ホスホエステル転移メカニズムを介して一本鎖 RNAの配列特異的切断を触媒することができるリボザイム)を利用するが(Zaug & Cech,Science 231:470-475(1986);Zaugら、Nature 324:429-433(1986))、し かしながら本発明はこのような実施態様に限定されないことは特に理解されるべ きところである。テトラヒメナのリボザイムは413ヌクレオチドから成り、そ の触媒活性に必要なはっきりと限定された二次および三次構造を有すると想定さ れる(Burkeら、Nucleic Acids Res.15:7217(1987);Kimら、PNAS,USA84:8788(1 987);Celanderら、Science 251:401(1991);Michelら、J.Mol.Biol.216:585(1990 ))。(一般的な模式図については図1を参照されたい。)部位特異的変異および 欠失実験を基にした系統発生的分析によって、保存的触媒コア(当該分子の約1 /3を構成する)および周辺のステムループ成分(構造的サポートを与えるが触 媒活性には必須ではない)間の区別が明らかにされた(Daviesら、Nature 300:7 19(1982);Michelら、Biochimie 64:867(1982);Michelら、EMBO J.2:33(1983);Ce chら、Gene 73:259(1988);Priceら、Nucl.Acids Res.13:1871(1985);Szostakら 、Nature 322:83(1986);Joyceら、Nucl.Acids Res.15:9825(1987);Barfodら、Ge nes Dev.2:652(1988);Joyceら、Nucleic Acids Res.17:7879(1989);Coutureら、 J.Mol.Biol.215:345(1990);Beaudry & Joyce, Biochemistry 29:6534(1990))。 リボザイムは“内部ガイド配列”(IGS)と呼ばれる鋳型領域を含むが、こ れは当該分子の5’末端に存在し、標的RNA基質とワトソン・クリック塩基対 を形成する。グアノシン(リボザイムの3’末端に存在するグアノシン残基を含 む)の3’−OH(記号GOHで表されるであろう)は、リボザイム結合基質内の 固有のホスホエステル結合を攻撃するように指令される。その結果、ホスホエス テル転移反応が生じ、塩基対形成領域から直ぐ下流の位置で基質の切断と、それ と同時に基質の3’部分と当該攻撃グアノシンの3’酸素との連結がもたらされ る。野性型テトラヒメナリボザイムは、高マグネシウム濃度(50mMのMgC l2)および/または高温(50℃)の条件下で低い効率で一本鎖DNA基質を 切断することができる(Herschlag & Cech,Nature 344:405-409(1990a);Robert son & Joyce,Nature 344:467-468(1990))。しかしながらより生理的な条件下( 例えば37℃、10mMのMgCl2、pH7.5)では、DNA切断反応はほ とんど検出できない。 テトラヒメナのリボザイムはまた配列特異的エンドデオキシリボヌクレアーゼ として作用する(Robertson & Joyce,上掲書(1990))が、そのDNA切断効率は 低い(Kcat/Km=200M-1-1、50℃、10mMのMgCl2で測定)(He rschlagら、Nature 344:405(1990))。生理的条件下でのRNA触媒DNA切断の 効率はさらに低い(Kcat/Km=36M-1-1、37℃、10mMのMgCl2で 測定)。 図1では、テトラヒメナ・サーモフィラの原始rRNA(pre-rRNA)イントロ ンの二次構造が、その認識配列およびI群イントロン間で最も保存されている領 域であるコア構造(太字で表示)と合わせて示されている。種々の構造的特徴を 表すために用いた命名法は標準的なものである(Burkeら、Nucleic Acids Res.15 :7217-7221(1987)を例えば参照されたい)。9つの保存された対形成領域(P1 −P9)および種々のループが示されている。ヌクレオチド配列は当該分子の5 ’末端から始まって番号が付されている。 図1に示すように、認識部位は一般にヌクレオチド19から27に広がってい る。図示した模式図(これはテトラヒメナのL−21型リボザイムを表す)では 、 認識部位はヌクレオチド22から始まる。同様に、最初のスペーサー領域は一般 にヌクレオチド27から28および94から95に位置し、P3〔5'〕領域は ヌクレオチド96から103に位置し、第二のスペーサー領域はヌクレオチド1 04から106に位置し、最初のステムループはヌクレオチド107から214 に位置し、第二のステムループはヌクレオチド215から258に位置し、第三 のスペーサー領域はヌクレオチド259から261に位置し、第三のステムルー プはヌクレオチド262から314に位置する。 テトラヒメナのI群イントロンは、リボヌクレオチド含有基質(例えばRNA 分子)を切断することが示された。ある例では、切断がRNA・DNA“結合部 ”で生じるRNA・DNAポリマーの切断が報告された(zaugら、Science 231:4 70-475(1986);Sugimotoら、Nucleic Acids Res.17:355-371(1989);およびCech, Science 236:1532-1539(1987)を例えば参照されたい)。しかしながら、5デオキ シシトシンを含有するDNAセグメントはテトラヒメナIVS(I群イントロン )の切断基質ではないことが示された(Zaugら、Science 231:470-475(1986))。 したがって、本明細書に開示するような種々の基質を切断する能力をもつ新規 な酵素性RNA分子の特定、強化、修飾および使用の開発は重要であり有用であ る。 1.アミド結合切断分子 ペプチダーゼまたはプロテアーゼ活性を有する分子の有用性はよく理解されて いる。そのような分子は、医薬、食品、パーソナルケア製品および洗浄剤のよう な多様な製品で用いられ、さらにアミノ酸間の結合を切断する当該分子の能力を 利用する種々の方法および用途(工業用、環境用、医療用、他の多くの用途)で 用いられる。したがって、本明細書に開示する、種々の基質のアミド結合を切断 するために有用な方法および組成物は特に重要である。 本発明の酵素性RNA分子は、“任意”または“非任意”変異の何れかを生じ 易い方法を用いて、野性型のRNA切断リボザイムから作出するかまたは“進化 させる”ことができる。野性型リボザイムでは通常は見出されない変異を含む酵 素性RNA分子を作出するために有用な方法の例には、PCR(ポリメラーゼ連 鎖反応)、3SR(自家内配列複製、self-sustained sequence replication))お よび部位特異的変異誘発が含まれる。 好ましくは、本明細書の開示にしたがって製造される酵素性RNA分子はアミ ド結合含有基質を切断することができる。ある好ましい実施態様では、当該基質 はポリペプチドである。しかしながら、オリゴヌクレオチド・オリゴペプチド“ ハイブリッド”分子または1つもしくは2つ以上のアミド結合を含有するオリゴ ヌクレオチドを切断することができる酵素性RNA分子もまた包含される。好ま しい別の例では、本発明の酵素性RNA分子は生理的条件下でアミド結合を切断 することができる。本発明の多くの酵素性RNA分子はまた、一本鎖RNA基質 、DNA基質またはRNA・DNAハイブリッド基質を切断することができる。 本発明の酵素性RNA分子は、RNA、修飾RNA、RNA・DNAポリマー 、修飾RNA・DNAポリマー、修飾DNA・RNAポリマー、または修飾RN A・修飾DNAポリマーを含むことができる。RNAは、リボース糖および1’ 位の塩基としてアデニン、グアニン、ウラシルまたはシトシンを含むヌクレオチ ドを含有する。修飾RNAは、リボース糖および塩基としてアデニン、チミン、 グアニンまたはシトシン、および場合によってウラシルを含むヌクレオチドを含 有する。RNA・DNAポリマーは、リボース糖を含有するヌクレオチド、並び にデオキシリボース糖およびその糖の1’炭素に結合する塩基としてアデニン、 チミンおよび/またはウラシル、グアニンまたはシトシンを含有するヌクレオチ ドを含有する。修飾RNA・DNAポリマーは、修飾RNA、DNAおよび場合 によってRNA(修飾RNAとは異なる)で構成される。修飾DNAは、デオキ シリボースまたはアラビノース糖を含むヌクレオチド並びに塩基としてアデニン 、ウラシル、グアニン、シトシンおよび多分チミンを含有するヌクレオチドを含 む。修飾DNA・RNAポリマーは、修飾DNA、RNAおよび場合によってD NAを含む。修飾RNA・修飾DNAポリマーは、修飾RNA・修飾DNAおよ び場合によってRNAおよびDNAを含む。 本発明の酵素性RNA分子は、予め設定した部位でアミド結合を切断すること ができる。本発明の酵素性RNA分子はまた以下のものによって特徴付けられる :当該ヌクレオチド配列の5’末端に連続または近接する認識部位を規定する ヌクレオチド配列、当該認識部位の3’末端に位置する第一のスペーサー領域、 当該第一のスペーサー領域の3’末端に位置するP3〔5'〕領域、当該P3〔 5'〕領域の3’末端に位置する第二のスペーサー領域、当該第二のスペーサー 領域の3’末端に位置する第一のステムループ、当該第一のステムループの3’ 末端に位置する第二のステムループ、当該第二のステムループの3’末端に位置 する第三のスペーサー領域、当該第三のスペーサー領域の3’末端に位置する、 P3〔5'〕領域とハイブリダイズすることができるP3〔3'〕領域を規定する 5’ステム部分を含む第三のステムループ。 本発明の酵素性RNA分子は、リボザイムの酵素的に活性な部分を含んでいて もよく、また、1つまたは2つ以上の変異(例えば1つまたは2つ以上のループ を有するか、またはスペーサーが存在しないかまたは修飾されている)を、その ような欠失、付加または修飾が当該分子の酵素として作用する能力に悪影響を及 ぼさないかぎり含んでいてもよい。 本発明の酵素性RNA分子の認識部位は、典型的には少なくとも2から約12 塩基、好ましくは約4から約8塩基の配列を含み、これらは、オリゴヌクレオチ ド・オリゴペプチド“ハイブリッド”基質内の塩基の相補性配列またはアミノ酸 の特異的配列とハイブリダイズし、したがって当該酵素性RNA分子に高い配列 特異性を付与することができる。例えば、認識部位塩基配列、3’−GGGAG −5’で構築された本発明の酵素性RNA分子は、ハイブリッド基質のオリゴデ オキシヌクレオチド配列内に存在する塩基配列、5’−CCCTC−3’を認識 し、予め設定した部位で当該基質分子を切断することができるであろう(例えば 実施例4を参照されたい)。同様に、3’−UCGCC−5’の認識配列をもつ 酵素性RNA分子は、ハイブリッド基質内のオリゴリボヌクレオチドの標的配列 5’−AGCGG−3’を認識するであろう。 この同一の認識部位はまた、当該酵素性RNA分子が高い配列特異性でハイブ リッド基質またはポリペプチド基質を切断することを可能にする。周知の方法に よる認識部位の修飾または変異は、酵素性RNA分子の配列特異性を変化させる ことを可能にする。 例えば、当該認識部位(または当該分子の他の部位)を修飾または変異させる 好ましい方法は文献に記載されている(Cadwell & Joyce,PCR Methods and Appl ications 2:28-33(1992))。(さらに、Cadwell & Joyce,PCR Methods and Appli cations 3(補充):S136-S140(1984)を参照されたい。)この修飾PCR法にしたが って、任意点変異をクローン化遺伝子に導入できる。この方法を用いて1回のP CR当たり各位置につき、配列分析によって決定したとき0.66%±0.13 %の変異率(信頼区間95%)でリボザイムをコードする遺伝子を変異させた。 この変異では塩基置換の種類に関して強い偏向性は観察されなかった。この方法 によって当該分子のいずれの位置にも任意変異を導入できる。限定変異または任 意変異を導入する場合に有用な別の利用可能な方法はジョイスとイノウエが報告 している(Joyce & Inoue,Nucleic Acids Research 17:711-722(1989))。それに もかかわらずキャドウェルとジョイス(Cadwell & Joyce)の修飾PCR法は、本 明細書の記載にしたがって使用するために特に好ましい。 本発明の酵素性核酸分子は認識部位を変化させたものを含む。種々の実施態様 では、これらの変更認識部位は、そのような認識部位を含む酵素性核酸分子に固 有の配列特異性を付与する。 認識部位に存在する正確な塩基は、切断が生じる部位と同様に、酵素性RNA 分子によって認識される塩基配列またはアミノ酸残基配列を決定するために重要 である。しかしながら、本発明の酵素性RNA分子の他の配列および部位も認識 ・切断過程に参画することができることは理解されるところである。基質分子の アミノ酸残基配列および形状もまたこの過程に影響を及ぼすであろう。 基質の切断は、好ましくは基質切断配列(認識部位と結合している基質オリゴ マー配列)の3’に密着して生じる。例えば、当該基質がオリゴヌクレオチドで ある場合、この切断によって、基質の切断配列の3’ヒドロキシル基および当該 ヌクレオチドの5’燐酸(これは最初の基質の基質切断配列の3’にもともと密 着していたものである)が残される。他方、当該基質がアミノ酸残基配列である 場合(またはアミノ酸残基配列を含む場合)、切断によって基質切断配列の3’ アミノ基およびアミノ酸の5’カルボキシル基(これは最初の基質の基質切断配 列の3’にもともと密着していたものである)が残される。認識配列/内部ガイ ド配列に存在する塩基を変化させることによって(Murphyら、PNAS,USA 86:9218-9222(1989))、および/または酵素性RNA分子の他の部位および配列 に存在する塩基を変化させることによって選択した部位に対して再び切断を指令 することができる。 認識部位はまた、別個の核酸(当該酵素性RNA分子の残余と共有結合してい ない外部認識部位)として提供してもよい。外部認識部位は、特異的なアミノ酸 配列または塩基配列での切断を指令できる(Doudnaら、Nature 339:519-522(1989 )を例えば参照されたい)。外部認識部位を用いる場合は、それと一緒に使用され る酵素性RNA分子はおそらく認識部位を含有しないであろうが、P3〔5'〕 領域、第二のスペーサー領域、第一のステムループ、第二のステムループ、第三 のスペーサー領域および第三のステムループを含もうとするであろう。その場合 、当該第三のステムループは、当該P3〔5'〕領域とハイブリダイズすること ができるP3〔3'〕領域を規定する5’ステム部分を含む。 外部認識部位とともに本発明の酵素性RNA分子を使用することによって、外 部認識部位配列を単に変更するだけで標的配列を変えることができる。複数の異 なる外部認識配列を本発明の酵素性RNA分子と合わせて使用することによって 、外部認識配列によってコードされる異なる残基配列の各々で基質を切断するこ とができる。 第一のスペーサー領域は典型的には、長さが約3から7、好ましくは約5つの ヌクレオチドのヌクレオチド配列を含む。ある例では、第一のスペーサーを構成 するヌクレオチドは5’−NNNNA−3’の配列(配列番号2)を有し、ここ でNは当該位置にいずれのヌクレオチドが存在してもよいことを表している。ま た別の例では、第一のスペーサー領域は5’−AACAA−3’(配列番号3)と 規定される。 他の実施態様では、第一のスペーサー領域は、2つのスペーサーステムループ を規定するヌクレオチド配列で構成される。ある例では、第一のスペーサーステ ムループは長さが25ヌクレオチドで、第二のスペーサーステムループは長さが 36ヌクレオチドである。別の例では、第一のスペーサーステムループは塩基配 列が5’−AGUUACCAGGCAUGCACCUGGUAGUCA−3'(配 列番号4)であるか、または図1に示したとおりである。さらに別の例では、第 二のスペーサーステムループの塩基配列は5’−GUCUUUAAACCAAU AGAUUGGAUCGGUUUAAAAGGC−3'(配列番号5)であるか、 または図1に示したとおりである。 先に特記したように、ループおよびスペーサー領域に関する前述の記載は代表 例であって、本発明を制限するものと解してはならない。 ステムループは、“それ自体の中で折り畳まれた”ヌクレオチド配列によって 形成される二次構造である。ステムループは5’ヌクレオチド配列部分を含み、 これは5’対形成セグメント(P〔5'〕)と称され、P〔5'〕の3’に位置す るヌクレオチド配列で3’対形成セグメント(P〔3'〕)と称されるものとハ イブリダイズすることができる。ステムループでは、P〔5'〕とP〔3'〕とは ループと呼ばれるヌクレオチド配列で連結される。P〔3'〕とP〔5'〕はハイ ブリダイズして核酸二重体を形成する。P〔5'〕とP〔3'〕によって形成され た当該核酸二重体は完全な二重体である必要はなく、対を形成しない一続きのヌ クレオチド配列、またはステムループ外の配列と対を形成する一続きのヌクレオ チドを含むことができる。 また別の種々の実施態様では、本発明の酵素性RNA分子はアミノ酸基質を切 断する能力が強化または最適化されている。当業者には理解されるところである が、酵素触媒反応速度は酵素および基質濃度によって変動し、一般に高い基質ま たは酵素濃度によってレベルは一定になる。そのような効果を考慮して、酵素触 媒反応の動態は当該反応を規定する以下のような関係で表すことができる。 ジペプチドまたはポリペプチドを切断する本発明の酵素性RNA分子の強化能 力または最適化能力は、実施例1および4で述べるように酵素性RNA分子の存 在下で標識ペプチド基質の量を変える切断反応で決定できる。基質を切断する能 力は一般に、ミハエリスの定数(KM)で割った触媒速度(Kcat)と定義される 。記号Kcatは、基質が飽和値に近いとき酵素反応の最大速度を表す。KMは、反 応速度が最大値の1/2のときの基質濃度を表す。KMおよびKcatの値は、本発 明では酵素性RNA分子濃度〔E〕に対して基質濃度〔S〕が過剰である実験に よって決定される。ある範囲の基質濃度に対する反応初速(VO)は初期直線相 (一般に反応の最初の5%未満)から概算された。典型的には、8つのデー タ値を最小二乗法によって以下の等式によって与えられる理論直線に適合させた :v=−KM(VO/〔S〕)+Vmax。したがって、KcatおよびKMは反応初速 VOおよび基質濃度〔S〕によって決定される。 本発明のある実施態様では、本発明の酵素性RNA分子は、野性型リボザイム では通常は見出されないアミド結合切断活性を示す。種々の別の実施態様では、 本発明の酵素性RNA分子は、アミノ酸基質(好ましくはジペプチドまたはポリ ペプチド基質)を切断する能力が強化または最適化されている。酵素性RNA分 子のアミノ酸基質を切断する強化能力または最適化能力は、本発明のインビトロ 進化過程中に適用される選別条件にしたがって変動することは当業者には理解さ れよう。 本発明の酵素性RNA分子はまた、野性型より改善されたKM値を示す特徴を 有するであろう。上記に特記したように、KMは反応速度が最大値の1/2のと きの基質濃度を表すので、KMの改善は基質処理が改善されたことを示す。種々 の実施態様では、本発明の酵素性RNA分子は、野性型のリボザイム(明白にア ミノ酸残基を切断できない)のKMと比較したとき統計的に意義のあるKMを有す る。 アミノ酸(例えばポリペプチド)基質を処理する酵素性RNA分子の強化能力 または最適化能力は、本発明のインビトロ進化過程中に適用される選別条件にし たがって変動し、当該条件は基質処理能力が改善された酵素性RNA分子に有利 なようにペプチド濃度を低下させることを含むことは当業者には理解されよう。 他の実施態様では、本発明の酵素性RNA分子は、アミノ酸基質に結合する能 力が強化または最適化されている。ポリペプチド基質に結合する酵素性RNA分 子の能力は解離定数(KD)によって規定される。KDは、酵素性RNA分子:基 質複合体のそれぞれ個々の成分へに解離を示す平衡定数である。本発明において 理解されるように、KD定数は、実施例で述べるようにアミノ酸生成物と結合す る酵素性RNA分子の百分率を決定するゲルシフト分析によって求められる。結 合曲線は、ある範囲の酵素RNA分子の濃度に対して酵素性RNA分子に結合す る生成物の%をプロットすることによって得られる。KDは、最小二乗法を用い て理論的結合曲線にデータを適合させることによって求められる。典型的には、 酵素性RNA分子濃度〔E〕は生成物より極めて過剰で、したがって理論結合曲 線は以下の等式によって表すことができる: 結合%=〔E〕/(〔E〕+KD) 式中、全生成物の半分が酵素性RNA分子に結合するときKD=〔E〕である。 本発明の酵素性RNA分子は、好ましくは野性型リボザイムのKDより改善され たKDでアミノ酸基質と結合する。例えば、本発明の酵素性RNA分子は、好ま しくは30μM未満のKD値でペプチドと結合する。好ましい実施態様では、酵 素性RNA分子は約10μM未満のKD値でポリペプチドと結合する。より好ま しい実施態様では、アミノ酸結合酵素性RNA分子のKDは約1μM未満である 。より一層好ましい実施態様では、アミノ酸結合酵素性RNA分子のKDは、約 50nM未満、より好ましくは約25nM未満、さらに好ましくは約10nM未 満である。特に好ましい酵素性RNA分子は5nM未満のKD(例えば約0.1 −5nM)でペプチド基質と結合する。アミノ酸含有基質と結合する酵素性RN A分子の強化または最適化能力は、本発明のインビトロ進化過程中に適用される 選別条件にしたがって変動し、当該条件は基質結合親和性が改善された酵素性R NA分子に有利なようにアミノ酸濃度を低下させることを含むことは当業者には 理解されよう。 別の例では、本発明の酵素性RNA分子は強化または最適化された基質ターン オーバー速度を有する。強化または最適化基質ターンオーバー速度は、以下の実 施例で述べるように基質過剰下での酵素性RNA分子による1回ターンオーバー 動態実験で決定できる。初速(Kobs)は最初の5%未満の反応を用いて得られ る。Kcat/KM=Kobs/〔E〕が与えられるならば、異なる酵素性RNA分子 濃度で得られる各Kobs値はKcat/KMの概算を提供する。一般に、8回以上の Kcat/KMの測定が得られる。基質が制限されている場合のKcat値は基質ター ンオーバー数の割合を示し、当該分析条件下で単位時間に当該酵素によって達成 される触媒サイクルの数で表される。本発明の酵素性RNA分子の強化または最 適化基質ターンオーバー速度は、本発明のインビトロ進化過程中に適用される選 別条件にしたがって変動し、当該条件は基質ターンオーバー速度が改善された酵 素性RNA分子に有利なように反応時間を減少させることを含むことは当業 者には理解されよう。 他の実施態様では、本発明の酵素性RNA分子は広い範囲の温度で効率よく機 能することができる。また別の例では、本発明の酵素性RNA分子は広い範囲の pHで効率よく機能することができる。 別の種々の実施態様では、本発明の酵素性RNA分子はMg2+の存在下または 非存在下で効率よく機能することができる。また別には、本発明の酵素性RNA 分子はMg2+以外の二価陽イオンの存在下または非存在下で効率よく機能するこ とができる。他の適切な二価陽イオンは、Mn2+、Zn2+またはCa2+を含む群 から選択できる。Mg2+について上記で述べたものと同様な陽イオン濃度が本明 細書で開示するように有用であろうことは理解されよう。 場合によって一価陽イオンもまた二価陽イオンの使用に代わる“選択肢”とし て存在できる。例えば、ナトリウム(Na+)またはカリウム(K+)のような一 価陽イオンも、解離イオンとしてまたは解離可能化合物(例えばNaClまたは KC1)の形のいずれかで存在できる。ある実施態様では、一価陽イオンは約0 −200mMの範囲の濃度で存在する。他の実施態様では、一価陽イオンは約2 −200mMの範囲の濃度で存在する。また別には、一価陽イオンの濃度は約2 mM−50mMの範囲である。他の実施態様では、当該濃度は約2mM−25m Mの範囲で、約2mM−15mMの濃度が好ましい。 種々の実施態様では、本発明の酵素性RNA分子は場合によってG(グアノシ ンまたはその5’燐酸付加形の1つ)の3’ヒドロキシルを含み、これは求核試 薬として機能する。すなわち、それは基質分子(特にハイブリッド基質)をホス ホエステルまたはアミド結合で攻撃する”。例えば、テトラヒメナ・サーモフィ ルのI群イントロンに由来するL−21リボザイムでは、G264−C311塩 基対(これは“G部位”として知られている)はG基質に結合する(Wang & Cech ,Science 256:526-529(1992)を例えば参照されたい)。 本発明の酵素性RNA分子が3’末端GOHを欠く他のまた別の実施態様では、 GOHは遊離の(すなわち非結合)攻撃基として供給できる。そのような実施態様 では、酵素性RNA分子は連続的態様で多数の基質を“攻撃”できる。いずれの 場合でも、本明細書で用いられるように“酵素性RNA分子”という用語は、 3’GOHを欠く酵素性RNA分子を3’GOHを含む酵素性RNA分子と同様に包 含する。 種々の実施態様では、本発明の酵素性RNA分子は1つまたは2つ以上の修飾 または変異(付加、欠失および置換を含む)を組み合わせることができる。また 別の実施態様では、そのような変異または修飾は、任意または特異的変異または 修飾を生じる方法を用いて発生させることができる。これらの変異は、ステムル ープ、P3〔5'〕、P3〔3'〕領域、スペーサー領域または認識配列の長さを 変えるか、またはそれらのヌクレオチド配列を変更することができる。触媒的に 活性な1つの酵素性RNA分子内の1つまたは2つ以上の変異は第二の触媒的に 活性な酵素性RNA分子内の変異と合体させて、両方の分子の変異を含む新規な 酵素性RNA分子を製造することができる。 他の好ましい実施態様では、本発明の酵素性RNA分子は、当技術分野で周知 の種々の方法を用いて当該分子内に導入された任意変異を有することができる。 例えば、キャドウェルとジョイス(Cadwell & Joyce,PCR Methods and Applicat ions 2:28-33(1992))が記載した方法は、酵素性RNA分子集団に任意変異を効 率よく導入するので本明細書で開示する方法で使用するために特に好ましい。こ の修飾PCR法にしたがって、任意点変異がクローン化遺伝子に導入できる。当 該方法は、配列分析で決定したときPCR1回につき各位置につき変異率0.6 6%±0.13%(信頼区間95%)でリボザイムをコードする遺伝子を変異さ せるために用いられ、塩基置換の種類に関して強い偏向性は観察されなかった。 当該方法は、分子のいずれの位置にも任意変異の導入を可能にする。 限定変異または任意変異の導入に有用なまた別の方法も利用可能である(Joyce & Inoue,Nucleic Acids Research 17:711-722(1989)を参照されたい)。後者の 方法は、二本鎖DNAの鋳型(コード)鎖の切り出し、変異誘発オリゴヌクレオ チドを含む鋳型鎖の再構築およびその後の部分的不適合(ミスマッチ)鋳型の転 写を伴う。この方法は、選択した場所に既知ヌクレオチド配列または任意ヌクレ オチド配列を含むポリヌクレオチドを含有させることによって、分子内のいずれ の位置にも限定変異または任意変異を導入することを可能にする。 本発明の酵素性RNA分子は、分子の種類および機能にしたがって適切なよう に長さおよび折り畳みパターンを変化させることができる。例えば、I群イント ロンに由来する酵素性RNA分子(例えばテトラヒメナ由来リボザイム)は長さ が約413ヌクレオチドまたはそれ以上であろうが、しかしながら、大きくなり すぎるか扱いにくくなることによって当該分子の治療的有用性が限定されるのを 避けるために、413ヌクレオチドを越えない長さが好ましい。種々の治療的用 途では、本発明の酵素性RNA分子はリボザイムの酵素的に活性な部分を含む。 種々の実施態様では、本発明の酵素性RNA分子は、400ヌクレオチド以下、 300ヌクレオチド以下、200ヌクレオチド以下または100ヌクレオチド以 下を含む。 他の治療的用途では、例えば“ハンマーヘッド”リボザイムのような酵素性R NA分子の長さは好ましくは約50ヌクレオチド未満で、特に好ましくは長さは 30−40ヌクレオチドである。さらに好ましいものは、長さが約31−36ヌ クレオチドのハンマーヘッドリボザイムである。 さらにまた、本明細書に開示するような用途のために分子を合成しようとする 場合は、酵素性RNA分子が大きければ大きいほど、合成は難しいことを銘記す るべきである。当業者はこれらをデザインする条件をおそらく明確に理解してい るであろう。 本発明のリボザイムおよび他の酵素性RNA分子、リボヌクレアーゼ、デオキ シリボヌクレアーゼおよびアミダーゼを修飾する種々の好ましい方法は以下の実 施例でさらに詳述する。 2.DNA切断分子 他の好ましい実施態様では、本明細書の開示にしたがって製造された酵素性R NA分子はDNA基質を切断することができる。ある好ましい実施態様ではDN A基質は一本鎖であるが、しかし“ループ”RNAおよびDNA(すなわちステ ムループなどで見出される核酸)および二本鎖DNAを切断できる酵素性RNA 分子もまた包含される。別の好ましい例では、本発明の酵素性RNA分子は生理 的条件下でDNAを切断することができる。本発明の多くの酵素性RNA分子は また、一本鎖RNA基質または修飾DNA基質(切断部位にチミンではなくウラ シルを含む)を切断することができ、一方、種々の酵素性RNA分子は選択基質 としてDNAに対して極めて偏向性を示す。 上記で述べたように、本発明の酵素性RNA分子は、RNA、修飾RNA、R NA・DNAポリマー、修飾RNA、DNAポリマー、修飾DNA、RNAポリ マーまたは修飾RNA・修飾DNAポリマーを含むことができる。RNAは一般 に、リボース糖およびその1’位に塩基としてアデニン、グアニン、ウラシルま たはシトシンを含有するヌクレオチドを含む。修飾RNAは、リボース糖および 塩基としてアデニン、チミン、グアニン、またはシトシンおよび場合によってウ ラシルを含有するヌクレオチドを含む。RNA・DNAポリマーは、リボース糖 を含有するヌクレオチド並びにデオキシリボース糖および当該糖の1’炭素に結 合する塩基としてアデニン、チミン、および/またはウラシル、グアニンまたは シトシンを含有するヌクレオチドを含む。修飾RNA・DNAポリマーは、修飾 RNA、DNAおよび場合によってRNA(修飾RNAとは区別されるもの)で 構成される。修飾DNAは、デオキシリボース糖を含有するヌクレオチド並びに アデニン、ウラシル、グアニン、シトシンおよび場合によってチミンを塩基とし て含有するヌクレオチドを含む。修飾DNA・RNAポリマーは、修飾DNA、 RNAおよび場合によってDNAを含む。修飾RNA・修飾DNAポリマーは修 飾RNA・修飾DNA並びに場合によってRNAおよびDNAを含む。 本発明の酵素性RNA分子は、予め設定した塩基配列のDNAの3’を切断す ることができる。本発明の酵素性RNA分子はまた以下のものによって特徴付け られる:当該ヌクレオチド配列の5’末端に連続するかまたは近接する認識部位 を規定するヌクレオチド配列、当該認識部位の3’末端に位置する第一のスペー サー領域、当該第一のスペーサー領域の3’末端に位置するP3〔5'〕領域、 当該P3〔5'〕領域の3’末端に位置する第二のスペーサー領域、当該第二の スペーサー領域の3’末端に位置する第一のステムループ、当該第一のステムル ープの3’末端に位置する第二のステムループ、当該第二のステムループの3’ 末端に位置する第三のスペーサー領域、およびP3〔5'〕領域とハイブリダイ ズできるP3〔3'〕領域を規定する5’ステム部分を含む、当該第三のスペー サー領域の3’末端に位置する第三のステムループ。 本発明の酵素性RNA分子はまたリボザイムの酵素的に活性な部分を含むこと ができること、または1つまたは2つ以上の変異(例えば1つまたは2つ以上の ループまたはスペーサーが欠落しているかまたは修飾されている)を有するリボ ザイムを、そのような欠失、付加または修飾が酵素として機能する当該分子の能 力に悪影響を及ぼさないかぎり含むことができることはまた理解されよう。 本発明の酵素性RNA分子の認識部位は典型的には少なくとも2から約8塩基 、好ましくは約4から約7塩基の配列を含み、これらの配列は基質核酸内の相補 性塩基配列とハイブリダイズすることができ、当該酵素性RNA分子に高い配列 特異性を付与する。例えば、3’−GGGAGG−5’の認識部位塩基配列とと もに構築された本発明の酵素性RNA分子は一本鎖DNA基質内に存在する塩基 配列5’−CCCTCT−3’を認識し、これを切断することができた(例えば 実施例1を参照されたい)。同様に、3’−UCGCCG−5’の認識配列を有 する酵素性RNA分子は、標的配列5’−AGCGGT−3’を切断するために 用いられた。 まさにこの認識部位はまた、修飾DNA基質を高い配列特異性で切断すること を可能にする。周知の方法により当該認識部位を修飾または変異させることによ って、酵素性核酸分子の配列特異性の変更が可能になる。好ましい方法は直ぐ上 記の項目1で述べた。 先に特記したように、本発明の酵素性核酸分子は変更させた認識部位を有する ものを含む。種々の実施態様では、これらの変更認識部位は、そのような認識部 位を含有する酵素性核酸分子に固有の配列特異性を付与する。 認識部位に存在する正確な塩基が切断が生じる塩基配列を決定する。基質核酸 の切断は、基質の切断配列(当該認識部位とハイブリダイズする基質のヌクレオ チド配列)の3’に密着して生じる。この切断によって、基質の切断配列の3’ ヒドロキシル基および、もともとの基質の基質切断配列の3’に最初密着してい た当該ヌクレオチドの5’燐酸が残される。選択部位の切断は、認識配列(内部 ガイド配列)に存在する塩基を変えることによって再び指令できる(Murphyら、P NAS,USA 86:9218-9222(1989)を参照されたい)。 さらにまた、本発明の種々の実施態様では、ポリアミンが存在する場合は当該 認識部位にいずれの塩基の組み合わせも存在できる。例えばDoudnaらの文献 (Nature 339:519-522(1989))を参照されたい。有用なポリアミンの例にはスペ ルミジン、プトレシンまたはスペルミンが含まれる。さらに以下で述べる特定の 実施態様で約5mMのスペルミジン濃度が有効であることが示されたが、しかし ながら約0.1mMから約10mMの範囲の濃度もまた有用であろう。 認識部位はまた、別個の核酸、当該エンドデオキシヌクレアーゼの残余と共有 結合していない外部認識部位としても提供できる。外部認識部位は、エンドリボ ヌクレアーゼによる特定の塩基配列での切断を指令できる(Doudnaら、Nature 33 9:519-522(1989)を例えば参照されたい)。外部認識部位を用いる場合は、それと 一緒に使用される酵素性RNA分子はおそらく認識部位を含有しないであろうが 、P3〔5'〕領域、第二のスペーサー領域、第一のステムループ、第二のステ ムループ、第三のスペーサー領域および第三のステムループを含むことであろう 。その場合、当該第三のステムループは、当該P3〔5'〕領域とハイブリダイ ズすることができるP3〔3'〕領域を規定する5’ステム部分を含む。 外部認識部位とともに本発明の酵素性RNA分子を使用することによって、外 部認識部位配列を単に変更するだけで標的配列を変えることができる。複数の異 なる外部認識配列を本発明の酵素性RNA分子と合わせて使用することによって 、外部認識配列によってコードされる異なる残基配列の各々で基質を切断するこ とができる。 第一のスペーサー領域は典型的には、長さが約3から7、好ましくは約5つの ヌクレオチドの配列を含む。ある例では、第一のスペーサーを構成するヌクレオ チドは5’−NNNNA−3’の配列(配列番号2)を有し、ここでNは当該位 置にいずれのヌクレオチドが存在してもよいことを表している。また別の例では 、第一のスペーサー領域は5’−AACAA−3’(配列番号3)と規定される。 他の実施態様では、第一のスペーサー領域は、2つのスペーサーステムループ を規定するヌクレオチド配列で構成される。ある例では、第一のスペーサーステ ムループは長さが25ヌクレオチドで、第二のスペーサーステムループは長さが 36ヌクレオチドである。別の例では、第一のスペーサーステムループは塩基配 列が5’−AGUUACCAGGCAUGCACCUGGUAGUCA−3’( 配列番号4)であるか、または図1に示したとおりである。さらに別の例では、 第 二のスペーサーステムループの塩基配列は5’−GUCUUUAAACCAAU AGAUUGGAUCGGUUUAAAAGGC−3’(配列番号5)であるか、 または図1に示したとおりである。 先に特記したように、ループおよびスペーサー領域に関する前述の記載は代表 例であって、本発明を制限するものと解してはならない。 ステムループは、”それ自体の中で折り畳まれた”ヌクレオチド配列によって 形成される二次構造である。ステムループは5’ヌクレオチド配列部分を含み、 これは5’対形成セグメント(P〔5'〕)と称され、P〔5'〕の3’に位置す るヌクレオチド配列で3’対形成セグメント(P〔3'〕)と称されるものとハ イブリダイズすることができる。ステムループでは、P〔5'〕とP〔3'〕とは ループと呼ばれるヌクレオチド配列で連結される。P〔5'〕とP〔3'〕はハイ ブリダイズして核酸二重体を形成する。P〔5'〕とP〔3'〕によって形成され た当該核酸二重体は完全な二重体である必要はなく、対を形成しない一続きのヌ クレオチド配列、またはステムループ外の配列と対を形成する一続きのヌクレオ チドを含むことができる。 また別の種々の実施態様では、本発明の酵素性RNA分子は核酸基質、好まし くはDNA基質を切断する能力が強化または最適化されている。当業者には理解 されるところであるが、酵素触媒反応速度は基質および酵素濃度によって変動し 、一般に高い基質または酵素濃度によってレベルは一定になる。そのような効果 を考慮して、酵素触媒反応の動態は当該反応を規定する以下のような関係で表す ことができる。 DNA基質を切断する本発明の酵素性RNA分子の強化能力または最適化能力 は、実施例1および2で述べるように酵素性RNA分子の存在下で標識DNA基 質の量を変える切断反応で決定できる。基質を切断する能力は一般に、ミハエリ スの定数(KM)で割った触媒速度(Kcat)と定義される。記号Kcatは、基質 が飽和値に近いとき酵素反応の最大速度を表す。KMは、反応速度が最大値の1 /2のときの基質濃度を表す。KMおよびKcatの値は、本発明では酵素性RNA 分子濃度〔E〕に対して基質濃度〔S〕が過剰である実験によって決定される。 ある範囲の基質濃度に対する反応初速(VO)は初期直線相(一般に反応の 最初の5%未満)から概算された。典型的には、8つのデータ値を最小二乗法に よって以下の等式によって与えられる理論直線に適合させた:v=−KM(VO/ 〔S〕)+Vmax。したがって、KcatおよびKMは反応初速VOおよびDNA基質 濃度〔S〕によって決定される。 種々の別の実施態様では、本発明の酵素性RNA分子は、核酸基質(好ましく はDNA基質)を切断する能力が強化または最適化されている。好ましい実施態 様では、酵素性RNA分子のDNA基質を切断する強化能力または最適化能力は 約10から109倍の改善を示した。より好ましい実施態様では、本発明の酵素 性RNA分子は、野性型酵素よりも約103から107倍速い速度でDNA基質を 切断することができる。さらに好ましい実施態様では、DNA基質を切断する強 化能力または最適化能力は野性型の104から106倍の改善として表される。酵 素性RNA分子の核酸基質を切断する強化能力または最適化能力は、本発明のイ ンビトロ進化過程中に適用される選別条件にしたがって変動することは当業者に は理解されよう。 本発明の酵素性RNA分子はまた、野性型より少なくとも2倍改善されたKM 値を示す特徴を有するであろう。上記に特記したように、KMは反応速度が最大 値の1/2のときの基質濃度を表すので、KMの改善は基質処理が改善されたこ とを示す。種々の実施態様では、本発明の酵素性RNA分子は、野性型のそれよ り10から20倍改善されたKMを有する。さらに他の実施態様では、本発明の 酵素性RNA分子は野性型より30から40倍改善されたKMを有する。種々の 他の実施態様では、本発明の酵素性RNA分子は野性型より40から50倍改善 されたKMを有する。 核酸(例えばDNA)基質を処理する酵素性RNA分子の強化能力または最適 化能力は、本発明のインビトロ進化過程中に適用される選別条件にしたがって変 動し、当該条件は基質処理能力が改善された酵素性RNA分子に有利なようにD NA濃度を低下させることを含むことは当業者には理解されよう。 他の実施態様では、本発明の酵素性RNA分子は、核酸基質に結合する能力が 強化または最適化されている。DNA基質に結合する酵素性RNA分子の能力は 解離定数(KD)によって規定される。KDは、酵素性RNA分子:基質複合体 のそれぞれ個々の成分への解離を示す平衡定数である。本発明において理解され るように、KD定数は、実施例1で述べるようにDNA生成物と結合する酵素性 RNA分子の百分率を決定するゲルシフト分析によって求められる。結合曲線は 、ある範囲の酵素RNA分子の濃度に対して酵素性RNA分子に結合する生成物 の%をプロットすることによって得られる。KDは、最小二乗法を用いて理論的 結合曲線にデータを適合させることによって求められる。典型的には、酵素性R NA分子濃度〔E〕は生成物より極めて過剰で、したがって理論的結合曲線は以 下の等式によって表すことができる: 結合%=〔E〕/(〔E〕+KD) 式中、全生成物の半分が酵素性RNA分子に結合するときKD=〔E〕である。 本発明の酵素性RNA分子は、好ましくは野性型リボザイムのKDより改善され たKDで核酸基質と結合する。例えば、本発明の酵素性RNA分子は、好ましく は30μM未満のKD値でDNAと結合する。好ましい実施態様では、酵素性R NA分子は約10μM未満のKD値でDNAと結合する。より好ましい実施態様 では、DNA結合酵素性RNA分子のKDは約1μM未満である。より一層好ま しい実施態様では、DNA結合酵素性RNA分子のKDは、約50nM未満、よ り好ましくは約25nM未満、さらに好ましくは約10nM未満である。特に好 ましい酵素性RNA分子は5nM未満のKD(例えば約0.1−5nM)でDN A基質と結合する。 また別には、DNA基質と結合する酵素性RNA分子の強化能力また最適化能 力は、野性型のそれより5倍以上の改善として表すことができる。種々の実施態 様では、DNA基質と結合する酵素性RNA分子の強化能力また最適化能力は、 10から102の改善を含む。他の実施態様では、DNA基質と結合する酵素性 RNA分子の強化能力また最適化能力は、野性型より102から103の改善とし て表すことができる。さらに他の実施態様では、本発明の酵素性RNA分子の結 合(すなわちKD)は野性型より104またはそれ以上改善されている。DNA基 質と結合する酵素性RNA分子の強化または最適化能力は、本発明のインビトロ 進化過程中に適用される選別条件にしたがって変動し、当該条件は基質結合親和 性が改善された酵素性RNA分子に有利なようにDNA濃度を低下させるこ とを含むことは当業者には理解されよう。 他の好ましい実施態様では、本発明の酵素性RNA分子は、好ましくは野性型 リボザイムのKDより改善されたKDでRNA基質と結合する。例えば、本発明の 酵素性RNA分子は、好ましくは1.5nM未満のKD値でRNAと結合する。 好ましい実施態様では、酵素性RNA分子は約1.0nM未満のKD値でRNA と結合する。より好ましい実施態様では、本発明の酵素性RNA分子は約0.5 nMまたはそれ未満のKDでRNAと結合する。 別の例では、本発明の酵素性RNA分子は強化または最適化された基質ターン オーバー速度を有する。強化または最適化基質ターンオーバー速度は、実施例1 −3で述べるように基質過剰下での酵素性RNA分子による1回ターンオーバー 動態実験で決定できる。初速(Kobs)は最初の5%未満の反応を用いて得られ た。Kcat/KM=Kobs/〔E〕が与えられるならば、異なる酵素性RNA分子 濃度で得られる各Kobs値はKcat/KMの概算を提供する。一般に、8回以上の Kcat/KMの測定が得られる。基質が制限されている場合のKcat値は基質ター ンオーバー数の割合を示し、当該分析条件下で単位時間に当該酵素によって達成 される触媒サイクルの数で表される。 また別には、酵素性RNA分子の強化または最適化基質ターンオーバー速度は 、野性型より約2倍改善されているということができる。他の実施態様では、酵 素性RNA分子の強化または最適化基質ターンオーバー速度は、野性型より少な くとも5から25倍の改善を示す。さらに他の実施態様では、本発明の酵素性R NA分子の強化または最適化基質ターンオーバー速度は、野性型より約30から 40倍以上である。好ましい実施態様では、基質ターンオーバー速度は少なくと も野性型の場合よりも少なくとも約50倍以上である。本発明の酵素性RNA分 子の強化または最適化基質ターンオーバー速度は、本発明のインビトロ進化過程 中に適用される選別条件にしたがって変動し、当該条件は基質ターンオーバー速 度が改善された酵素性RNA分子に有利なように反応時間を減少させることを含 むことは当業者には理解されよう。 他の実施態様では、本発明の酵素性RNA分子は広い範囲の温度で効率よく機 能することができる。また別の例では、本発明の酵素性RNA分子は広い範囲の pHで効率よく機能することができる。 別の種々の実施態様では、本発明の酵素性RNA分子は、ポリアミドを添加し てもしなくても効率よく機能することができる。別の例では、本発明の酵素性R NA分子は、Mg2+の存在下または非存在下で効率よく機能することができる。 また別には、本発明の酵素性RNA分子はMg2+以外の二価陽イオンの存在下 または非存在下で効率よく機能することができる。他の適切な二価陽イオンは、 Mn2+、Zn2+またはCa2+を含む群から選択できる。Mg2+について上記で述 べたものと同様な陽イオン濃度が本明細書で開示するように有用であることは理 解されよう。 場合によって一価陽イオンもまた二価陽イオンの使用に代わる“選択肢”とし て存在できる。例えば、ナトリウム(Na+)またはカリウム(K+)のような一 価陽イオンも、解離イオンとしてまたは解離可能化合物(例えばNaClまたは KCl)の形のいずれかで存在できる。ある実施態様では、一価陽イオンは約0 −200mMの範囲の濃度で存在する。他の実施態様では、一価陽イオンは約2 −200mMの範囲の濃度で存在する。また別には、一価陽イオンの濃度は約2 mM−50mMの範囲である。他の実施態様では、当該濃度は約2mM−25m Mの範囲であるが、約2mM−15mMの濃度が好ましい。 種々の実施態様では、本発明の酵素性RNA分子は場合によってG(すなわち グアノシンまたはその5’燐酸付加形の1つ)の3’ヒドロキシルを含み、これ は求核試薬として機能する。すなわち、それは基質分子を通常はホスホジエステ ル結合で“攻撃する”。例えば、テトラヒメナ・サーモフィルのI群イントロン に由来するL−21リボザイムでは、G264−C311塩基対(これは“G部 位”として知られている)はG基質に結合する(Wang & Cech,Science 256:526- 529(1992)を例えば参照されたい)。 本発明の酵素性RNA分子が3’末端GOHを欠く他のまた別の実施態様では、 GOHは遊離の(すなわち非結合)攻撃基として供給できる。そのような実施態様 では、酵素性RNA分子は連続的態様で多数の基質を“攻撃”できる。いずれの 場合でも、本明細書で用いられるように“酵素性RNA分子”という用語は、 3’GOHを欠く酵素性RNA分子を3’GOHを含む酵素性RNA分子と同様に包 含する。 種々の実施態様では、本発明の酵素性RNA分子は1つまたは2つ以上の修飾 または変異(付加、欠失および置換を含む)を組み合わせることができる。また 別の実施態様では、そのような変異または修飾は、任意または特異的変異または 修飾を生じる方法を用いて発生させることができる。これらの変異は、ステムル ープ、P3〔5'〕、P3〔3'〕領域、スペーサー領域または認識配列の長さを 変えるか、またはそれらのヌクレオチド配列を変更することができる。触媒的に 活性な1つの酵素性RNA分子内の1つまたは2つ以上の変異は第二の触媒的に 活性な酵素性RNA分子内の変異と合体させて、両方の分子の変異を含む新規な 酵素性RNA分子を製造することができる。 他の好ましい実施態様では、本発明の酵素性RNA分子は、当技術分野で周知 の種々の方法を用いて当該分子内に任意または限定変異を導入することができる 。例えば、ジョイス(Joyceら、Nucleic Acids Res.17:711-712'1989))が記載し た方法は、二本鎖DNA鋳型(コード)鎖の切り出し、変異誘発オリゴヌクレオ チドを含む鋳型鎖の再構築、およびそれに続く部分的ミスマッチ鋳型の転写を伴 う。この方法は、選択した場所に既知ヌクレオチド配列または任意ヌクレオチド 配列を含むポリヌクレオチドを含有させることによって、分子内のいずれの位置 にも限定変異または任意変異を導入することを可能にする。 また別には、逆転写酵素反応でTTPを5−BrdUTPで置換することによ って変異を酵素性RNA分子に導入することができる。5BrdUは、標準的な ワトソン・クリック位のdAと同様に、“ゆらぎ(wobble)”位のdGと対を形成 することができ、A→GおよびG→A遷移をもたらす。同様に、前進方向転写反 応でUTPを5−BrUTPで置換することによって、上記のようにC→Uおよ びU→C遷移がその後のRNA合成ラウンドでもたらされる。 発明の酵素性RNA分子は、分子の種類および機能にしたがって適切なように 長さおよび折り畳みパターンを変化させることができる。例えば、I群イントロ ンに由来する酵素性RNA分子(例えばテトラヒメナ由来リボザイム)は長さが 約413ヌクレオチドまたはそれ以上であろうが、しかしながら、大きくなりす ぎるか扱いにくくなることによって当該分子の治療的有用性が限定されるのを避 けるために、413ヌクレオチドを越えない長さが好ましい。種々の治療的用途 では、本発明の酵素性RNA分子はリボザイムの酵素的に活性な部分を含む。種 々の実施態様では、本発明の酵素性RNA分子は、400ヌクレオチド以下、3 00ヌクレオチド以下、200ヌクレオチド以下または100ヌクレオチド以下 を含む。 他の治療的用途では、例えば“ハンマーヘッド”リボザイムのような酵素性R NA分子は長さが好ましくは約50ヌクレオチド未満で、特に好ましくは長さは 30−40ヌクレオチドである。さらに好ましいものは、長さが約31−36ヌ クレオチドのハンマーヘッドリボザイムである。 さらにまた、本明細書に開示するような用途のために分子を合成しようとする 場合は、酵素性RNA分子が大きければ大きいほど、合成は難しい。当業者はこ れらをデザインする条件をおそらく明確に理解しているであろう。 本発明のリボザイムおよび他の酵素性RNA分子、リボヌクレアーゼおよびデ オキシリボヌクレアーゼを修飾する種々の好ましい方法は、以下の実施例1−5 でさらに詳述する。 C.ヌクレオチド類似体 上記で特記したように、本明細書で用いられる“ヌクレオチド類似体”という 用語は一般に、構造的にはA、T、G、CまたはUとは異なるが核酸分子で通常 のヌクレオチドと置換するについては十分類似しているプリンまたはピリミジン ヌクレオチドを指す。本明細書で用いられるように、“ヌクレオチド類似体”と いう用語は、塩基が改変されたもの、糖が異なるものまたはその2つが組み合わ されたものを包含する。本発明で有用なヌクレオチド類似体の例には以下の表に 挙げたものが含まれるが、これらの大半は37CFR§1.822の承認修飾塩基リストで 見出される。 他の有用な類似体には、国際出願公告広報第WO92/20823号明細書(この文献は 参照により本明細書に含まれる)に記載されたもの、または本明細書に開示され た方法にしたがって製造された類似体が含まれる。文献(DeMesmaekerら、Angew .Chem.Int.Ed.Engl.33:226-229(1994);DeMesmaekerら、Synlett:733-736(1 0月、1993);Nielsenら、Science 254:1497-1500(1991);およびIdziakら、Tetrah edron Letters 34:5417-5420(1993))に記載された類似体もまた本発明で有用で ある(これらの文献は参照により本明細書に含まれる)。 D.核酸分子を切断する方法 本発明はまた、いずれの一本鎖、ループ状、部分的または完全二本鎖核酸も切 断できる有用な方法を開示する。これらの方法の大半は、本発明の新規な酵素的 に活性な核酸分子を利用する。本発明の方法は、一本鎖核酸または二本鎖核酸の 一本鎖部分を、これら核酸がインビトロもしくは生体外(エクスビボ)に存在し ようと、またはそれらが細胞内に存在しようと(さらにこれらの細胞が真核細胞 、原核細胞、植物細胞、動物細胞、酵母細胞または細菌細胞あるか否かにかかわ らず)関係なく切断するために用いられる。 例えば、二本鎖核酸がdsDNAである場合には、本明細書で述べる酵素性R NA分子の使用方法は、dsDNAの一本鎖部分、例えば“ループ状”DNAま たはDNAの一本鎖部分(これは転写または翻訳時に接近可能である)を切断す るために用いることができる。 本発明の酵素性RNA分子(およびそれを用いる当該開示方法)はdsDNA を切断するために用いることができることもまた包含される。ある実施態様では 、dsDNAの切断は、共役または対形成酵素性RNA分子(この場合、対の一 方は標的ヌクレオチド配列を認識しこれを切断する)を用いて達成できる。一方 、その“パートナー”は、相補性標的ヌクレオチド配列を認識しこれを切断する 。好ましい実施態様では、しかしながら本発明の酵素性RNA分子および方法は 、一本鎖核酸または二本鎖核酸の一本鎖部分をインビボ、インビトロまたはエク スビボで切断するために用いられる。 種々の実施態様では、当該一本鎖核酸基質は、一本鎖DNA、修飾DNA、R NAおよび修飾RNAを含む。好ましくは、代表的な核酸基質は基質の切断部位 で、またはその近くで一本鎖であり、その結果、本発明の酵素性核酸分子はその 認識配列の故に当該基質の切断配列とハイブリダイズすることができる。 本発明の方法によって切断できる核酸基質は化学的に合成もしくは酵素的に製 造できる。または当該基質は、種々の供給源、例えばファージ、ウイルス、原核 または真核細胞(動物細胞、植物細胞、酵母細胞および細菌細胞を含む)から単 離できる。化学的に合成された一本鎖核酸は、多くの供給源(リサーチ・ジネテ イクス社(Research Genetics,Huntsville,アラバマ)を含むがこれに限定され ない)から市販ルートで入手できる。 DNA基質もまた、例えばアプライドバイオシステムズ社(Applied Biosystem s,FosterCity,カリフォルニア)のオリゴヌクレオチド合成装置を用い製造元の 指示にしたがって合成できる。文献(Messingら、PNAS USA 74:3642-3646(1977); およびYanisch-Perronら、Gene 33:103-119(1985))に記載された一本鎖ファージ (例えばM13)のクローニングベクターもまたDNA基質の供給源である。一 本鎖ファージを含む細菌細胞もまた適切な一本鎖DNAの手近な供給源である。 一本鎖DNAウイルス(例えばパルボウイルス)または部分的一本鎖DNA(例 えば肝炎ウイルス)は、本発明の方法によって切断できる一本鎖DNAを提供す るであろう。 本発明の方法によって切断できる一本鎖RNAは、いずれのRNAウイルス( 例えばピコルナウイルス、トガウイルス、オルトミクソウイルス、パラミクソウ イルス、ラブドウイルス、コロナウイルス、アレナウイルスまたはレトロウイル ス)によっても提供されるであろう。先に特記したように、極めて多様な原核細 胞および真核細胞はまた適切な核酸基質の優れた供給源であろう。 本発明の方法は、細胞内(真核細胞、原核細胞、植物、動物、酵母または細菌 細胞を含む)に存在する一本鎖核酸または二本鎖核酸(dsDNA)の一本鎖部 分で用いることができる。これらの条件下では、本発明の酵素性核酸分子(例え ば酵素性RNA分子またはリボザイム)は、抗ウイルス薬剤または遺伝子発現の 調節物質として機能できるであろう。本発明の酵素性RNA分子のそのような使 用例は以下の項目Fで述べる。 本発明の方法の大半で、一本鎖DNAの切断は予め設定された塩基配列の3’ 末端で生じる。この予め設定された塩基配列または基質切断配列は典型的には約 2から約10ヌクレオチドを含む。好ましい例では、予め設定された塩基または 基質の切断配列は約2から約6ヌクレオチドを含む。他の好ましい実施態様では 、本発明の酵素性RNA分子は、切断部の上流または上流および下流のいずれか でヌクレオチドを認識することができる。種々の実施態様では、酵素性RNA分 子は切断部位の約2−10ヌクレオチド上流を認識でき、他の実施態様では酵素 性RNA分子は切断部位の約2−10ヌクレオチド上流および約2−10ヌクレ オチド下流を認識できる。他の好ましい実施態様は、長さが約30ヌクレオチド ま でのヌクレオチド配列を認識できる酵素性RNA分子を含むが、当該認識する長 さは約20ヌクレオチドが好ましい。 本発明の方法は、当該酵素性RNA分子の認識部位のヌクレオチド配列を改変 することによっていずれのヌクレオチド配列での切断も可能にする。これによっ て、当該部位に制限エンドヌクレアーゼ部位が存在しない場合でも一本鎖DNA の切断が可能になる。 予め設定された塩基配列の3’末端での切断によって、3’末端ヒドロキシル 基をもつ基質切断配列を含む一本鎖DNAが生じる。さらに、この切断はもとも との一本鎖DNA基質の残余を酵素性RNA分子と結合させる。この切断反応お よびこの切断反応で生じる生成物は、文献(Zaug & Cech,Science 231:470-475 (1986))に報告されたテトラヒメナリボザイムによる切断反応および切断反応生 成物と類似する。 本発明の酵素性RNA分子は、当該酵素性RNA分子の3’末端グアノシンに 続くホスホジエステル結合で、RNAで作用するリボザイムについて報告された (Inoueら、J.Mol.Biol.189:143-165(1986))この位置での部位特異的切断と同 じように一本鎖DNA基質の残余から部位特異的加水分解によって分離すること ができる。基質から酵素性RNA分子を分離することによって、当該酵素性RN A分子が別の切断反応を実行することが可能になる。 一般に、当該核酸基質は、適切な核酸切断条件下(好ましくは生理的条件下) で本発明の酵素性RNA分子の有効量とともに処理される。核酸基質がDNAを 含む場合、好ましくは切断条件は約2−100mMの濃度のMg2+(通常はMg Cl2の形で)の存在を含む。典型的には、当該DNA切断条件は約2mMから 約50mMの濃度のMgCl2を含む。好ましくはMgCl2は約5mMから約2 5mMの濃度で存在する。より好ましくは、MgCl2は約5mMから約15m Mの濃度で存在し、約10mMのマグネシウムイオン濃度が特に好ましい。 DNA切断条件に含まれるべき最適MgCl2濃度は、あるMgCl2濃度で切 断される一本鎖DNAの量を決定することによって容易に求めることができる。 最適MgCl2濃度は、用いる個々の酵素性RNA分子にしたがって変動するこ とは当業者には理解されよう。 酵素性RNA分子の有効量は、一本鎖DNA内に存在する予め設定された塩基 配列を切断するために必要な量である。好ましくは、酵素性RNA分子は、RN A分子:基質切断部位の分子比が1:20で存在する。この比は、用いられる個 々のDNA切断条件での処理時間の長さおよび個々の酵素性RNA分子の有効性 にしたがって変動するであろう。 “処理”とは、一般的にDNA含有基質、酵素およびMgCl2を水溶液中で 混合してDNA切断混合物を形成し、続いてこのようにして形成した混合物をD NA切断条件下で当該酵素性RNA分子が当該DNA基質中に存在する予め設定 したヌクレオチド配列の全ての場所で当該DNA基質を切断するために十分な時 間維持することを含む。 本発明のある実施態様では、酵素性RNA分子が一本鎖DNAを切断するため に必要な時間は予め求められた。当該時間は約5分から約24時間で、反応物の 濃度、および反応時間にしたがって変動するであろう。通常、この時間は、存在 する予め設定したヌクレオチド配列の全ての場所で一本鎖DNAを酵素性RNA 分子が切断できるように約30分から約4時間である。 本発明はさらに、当該DNA切断条件が約pH6.0から約pH9.0のpH を含むことを意図する。好ましい実施態様の1つでは、当該pHは約pH6.5 からpH8.0の範囲である。別の実施態様では、当該pHは生理的条件に匹敵 する。すなわち、当該pHは約7.0−7.8で、約7.5のpHが特に好まし い。 本発明の方法は、DNA切断に用いられるpHが当該酵素性RNA分子が活性 な形状を維持できるようなものであるかぎり、広いpH範囲で機能するであろう ことは当業者には理解されよう。活性な形状の酵素性RNA分子は、予め設定し たヌクレオチド配列で一本鎖DNAを切断する能力によって容易に検出できる。 種々の実施態様では、当該DNA切断条件はまた多様な温度範囲を含む。先に 特記したように、生理的条件と一致する温度範囲が特に好ましい。ある実施態様 では、当該温度は約15℃から約60℃の範囲である。別の例では、当該DNA 切断条件は約30℃から約56℃である。DNA切断温度は、所望の切断速度お よび、当該個々の温度での当該個々の酵素性RNA分子の安定性によってのみ拘 束される。さらに別の例では、DNA切断条件は約35℃から約50℃の温度を 含む。好ましい実施態様では、DNA切断条件は約37℃から約42℃の温度範 囲を含む。 種々の他の態様では、本発明は、ポリアミンの存在を含むDNA切断条件を意 図する。本発明の実施に有用なポリアミンには、スペルミジン、プトレシン、ス ペルミンなどが含まれる。好ましい例では、当該ポリアミンはスペルミジンで、 約0.01mMから約15mMの濃度で存在する。別の例では、当該ポリアミン は約1mMから約10mMの濃度で存在する。DNA切断条件はまた、約2mM から約5mMの濃度のポリアミンの存在を含む。種々の好ましい実施態様では当 該ポリアミンはスペルミジンである。 本発明の酵素性RNA分子の多様な用途もまた本明細書で開示される。例えば 、ある実施態様では、本発明の酵素性RNA分子(リボザイム)は、抗ウイルス 剤または遺伝子発現の調節物質として有用である。 例えば、本発明の酵素性RNA分子は、ウイルス核酸またはウイルスによって コードされる核酸を切断する酵素性RNA分子を治療の必要な患者に投与するこ とによって、ウイルス性疾患を治療するために用いることができる。その核酸ま たはそれによってコードされる核酸が本発明の酵素性RNA分子による切断に感 受性を有するウイルスには、例えばパピローマウイルス、EBV、HSV、HB V、HIV(例えばHIV−1、HIV−2)、T細胞白血病ウイルス(例えばH TLV−1、HTLV−2)、HCV、CMV、インフルエンザウイルスおよび ピコルナウイルスが含まれる。 本発明の関連する特徴では、本発明の酵素性RNA分子は動物のウイルス性疾 患、例えばネコ免疫不全ウイルス(FIV)、ネコ白血病ウイルス(FLV)、サル 白血病ウイルス(例えばSTLV)を治療するために用いることができる。本発 明の有用な酵素性RNA分子は、ウイルスゲノムの選択した領域を標的とする能 力を基準に選ぶことができる。種々の実施態様では、そのような酵素性RNA分 子は、標的核酸配列またセグメントを、当該核酸配列の転写、翻訳または発現を 抑制する態様で切断することができる。標的核酸セグメントは、転写、翻訳ま たは発現の抑制が最大の効果を持つように選択される。例えば、本発明の酵素性 RNA分子の標的を蛋白合成、ゲノムの複製、またはウイルス粒子(ビリオン) へのパッケージングに必要な核酸配列にすることによって、ウイルスの複製を抑 制すると期待される。 適切な標的が選択されると、標的ヌクレオチド配列を切断することができる酵 素性RNA分子がオリゴヌクレオチドプローブによって酵素性RNA分子のプー ルから特定できる。また別には、所望のウイルス配列を標的とすることができる ように、本発明の酵素性RNA分子の認識配列を変異させまたは修飾してもよい 。適切な標的配列を特定する方法は当技術分野では利用可能である。例えばPC T出願公開広報第WO93/23569号、WO91/04319号、WO91/04324号およびWO91/03162 号明細書;および欧州特許出願公開公報第EP0585549号明細書を参照されたい(こ れらの文献は参照により本明細書に含まれる)。 本発明の酵素性RNA分子は、好ましくはウイルス核酸配列の高度に保存され た領域を標的とし、それによってそのようなウイルスの全ての株および型をただ 1つの酵素性RNA分子または酵素性RNA分子種で処理できる。本発明の酵素 性RNA分子は、適切にRNAまたはDNA配列を標的とするようにデザインす ることができる。それらはまた、ウイルス核酸配列の転写物を(当該転写物がR NAで構成されているかDNAで構成されているかにかかわらず)標的とするよ うにデザインできる。本発明の酵素性RNA分子はまた、アンチセンス核酸配列 を標的とするようにデザインできる。 本発明の酵素性RNA分子はさらに、形質転換した真核細胞(例えばケラチノ サイト、肝実質細胞または上皮細胞)を、細胞の不朽化または形質転換を引き起 こすことが分かっているか、または形質転換を引き起こすと考えられているウイ ルス遺伝子の発現を抑制するような態様で処理するために用いることができる。 別の実施態様では、酵素性RNA分子は、ウイルスのエピソーム性ゲノムの維持 に必要な遺伝子発現を抑制することによって潜伏性ウイルス感染を治療するため に用いることができる。 所望の場合には、国際出願公開広報第WO92/13070号明細書(この文献は参照に より本明細書に含まれる)に記載された方法およびシステムを用いる治療プロ トコルにおいて以下で述べるようなベクターを使用することができる。本開示方 法の1つでは、本発明の治療用酵素性RNA分子の発現は一時的に調節できる。 したがって、本発明の治療用酵素性RNA分子をコードする配列を含むベクター は、“侵入”生物または症状が存在するときに出現する核酸分子の存在下でのみ 酵素性RNA分子を発現させるプロモータを含む。続いて、そのような“必要な 時に遊離される”酵素性RNA分子は、望ましくない生物または症状が見出され る細胞を障害または破壊し、当該症状に関連する蛋白生成物の発現を低下させる か、または当該減弱細胞の“防御”蛋白の産生を刺激するように機能する。 本発明の酵素性RNA分子はまた、不完全ウイルス粒子であるがそれにもかか わらず免疫原性を保持するウイルス粒子を製造するためにインビボまたはインビ トロで用いることができる。このような方法で、生物自身の免疫系を刺激して完 全な(すなわち非欠損性)ウイルス粒子による感染と戦うことができる。 関連する特徴では、免疫に用いられるワクチンまたは他の調製物は本発明の方 法で製造した不完全ウイルス(またはその部分)から生成できる。不完全ウイル ス粒子を用いて生物を免疫または予防接種する方法(例えば、適切なプロモータ の制御下で本発明の酵素性RNA分子をコードするDNAまたはベクターを用い て)もまた本明細書に包含される。 本発明の酵素性RNA分子はまた、ウイルス粒子またはウイルスに共役または 連結することができる。この場合後者のウイルスは、別のウイルスに感染した細 胞に酵素性RNA分子を伝達することができるベクターとして用いられる。この タイプの有用なベクターは標準的な技術によって生成できる。例えばアデノウイ ルスベクターおよび関連する方法がこれについて有効であろう。 本発明の診断的用途もまた包含される。例えば、酵素性RNA分子の活性と標 的核酸の構造との間の関係のために、RNAであろうとDNAあろうと標的分子 のいずれの領域における変異も(特にそのような変異が標的ヌクレオチド配列の 塩基対形成および三次元構造を変化させるような場合には)検出することができ る。 さらに、本発明で述べるように多数の酵素性RNA分子を用いることによって 、DNAまたはRNAにとって重要なヌクレオチドの変化、およびインビボ(例 え ば細胞内および組織内)と同様インビトロでの機能にとって重要なヌクレオチド の変化をマッピングすることができる。本発明の酵素性RNA分子による標的D NAまたはRNAの切断を利用して、遺伝子の発現を抑制し、さらに疾患の進行 における特定の遺伝子生成物の役割の特定を促進することができる。本出願では 、他の遺伝的標的を解明中の疾患の重要な仲介物質として特定できる。そのよう な実験は、可能な併用療法を提供することによってより優れた治療または疾患の 進行の改変をもたらすことができる。後者の例には、異なる遺伝子またはヌクレ オチド配列を標的とする多数の酵素性RNA分子の利用;既知の小型の分子抑制 物と共役させた酵素性RNA分子の利用;酵素性RNA分子および/または他の 化学的分子または生物学的分子を併用する断続的治療の利用;および治療用アン チセンス配列と合わせて投与される酵素性RNA分子の利用が含まれる。 本発明は、本明細書で述べるように酵素性RNA分子を配列特異的エンドリボ ヌクレアーゼとして用いることができることを意図する。種々の好ましい実施態 様では、酵素性RNA分子は高い触媒効率(例えばKcat/Km=108-1-1 )でRNA基質を切断する。 本発明の酵素性RNA分子は、配列特異的エンドデオキシリボヌクレアーゼと して作用することができることもまた本明細書に包含される。種々の好ましい態 様では、本発明の酵素性RNA分子は高い触媒効率でDNAを切断する。例えば ある実施態様では、本発明の酵素性RNA分子は以下の効率を有する:Km=1 .9μMおよびKcat=0.005分-1(Kcat/Km=2700M-1-1)。別の 実施態様では、酵素性RNA分子は以下の効率を有する:Km=2.0μMおよ びKcat=0.007分-1(Kcat/Km=3600M-1-1)。本発明に包含され る種々の実施態様では、触媒効率は生理的条件下(例えば温度が37℃で二価陽 イオンが約10mMの濃度で利用できる(例えば10mMMgCl2))で最大であ る。したがって、本発明の酵素性RNA分子の触媒効率は、好ましくは野性型の それよりも10倍またはそれ以上高く、当該分子はまたKmおよびKcatの両方で 改善を示す。 関連する特徴では、本発明の酵素性RNA分子は、蛋白性または非蛋白性付加 物が結合した核酸配列を特定するために用いることができる。包含される蛋白性 または非蛋白性付加物は特定のヌクレオチド配列に結合できる。本明細書で用い られる“付加物”という用語は、当該核酸配列に結合または添加されるが本質的 には当該核酸の一部分ではない蛋白性または非蛋白性物質を指す。当該付加物は 、蛋白、金属、無機分子、脂質または他の物質であろう。 例えば、既知の認識配列を有する多数の酵素性RNA分子を用いて、付加物が 特異的に結合する核酸配列を特定できる。これらの核酸配列の特定は、遺伝子発 現に必要な特異的な核酸標的を特定する場合に有用であろう。 関連する特徴では、本発明の酵素性RNA分子は、核酸配列と特異的な認識配 列で結合する蛋白または他の付加物(蛋白性または非蛋白性)の有無を確認する ために用いることができる。例えば、蛋白または他の付加物が既知の核酸配列に 特異的に結合する場合は、同じ核酸配列に対して特異的な酵素性RNA分子は、 そのような蛋白または付加物の有無を検出するために用いることができるであろ う。そのような蛋白または付加物の検出は、インビボまたはインビトロの診断ア ッセイのために有用であろう。 本明細書で述べる酵素性RNA分子はまた、多様な反応系(それらの反応がイ ンビボで生じようがインビトロで生じようが)を調節するために用いることがで きる。例えば、転写および/または翻訳が生じる反応を調節または終結させるた めに本発明の分子を用いることによって、本発明の分子のエンドヌクレアーゼ活 性を利用することが包含される。例えば、個々の反応で用いられるPCRプライ マーの1つまたは2つ以上で見出される特異的な核酸残基配列を認識する酵素性 RNA分子をそのようなPCR反応系に付加して、当該酵素性RNA分子が標的 とするプライマーに依存する反応を調節または終結させることができる。このよ うにして、PCR反応全体は停止されずに、むしろ標的となるプライマーに依存 する生成物のみが制限または排除されるであろう。 本発明の酵素性RNA分子はまたDNA配列またはDNAオリゴマーの転写中 に用いて、より長い転写物が生成されている同じ反応容器内で切りつめられた(t runcated)転写物を生成することができる。例えば、膜捕捉ドメイン(membrane- spanning domain)を付加された蛋白質の集団と当該膜捕捉ドメインが除去され た蛋白質の集団とを生成したい場合には、予め設定した量の“完全な”(すなわ ち切りつめられていない)生成物が生成されるまで、転写/翻訳反応を予め設定 した時間の間進行させることができる。続いて、部位特異的部位(すなわち膜捕 捉ドメインのための配列の近傍の位置)で転写物を切断するように巧緻技術によ って作出した本発明の酵素性RNA分子を当該反応混合物に添加することができ る。これによって、切りつめられた転写物(およびそれから翻訳される切りつめ られた生成物)が生成されるであろう。 また別には、当該酵素性RNA分子はメッセンジャーRNAが転写されている 遺伝子を切断するように巧緻技術によって作出することができる。これによって 、そのような転写物から生成される蛋白質に関しては同様な結果が得られるであ ろう。本開示を基に本発明の酵素性RNA分子は多様な用途に利用可能で、した がって本明細書に開示した用途は代表的な例であって限定的なものではないこと は当業者には理解されるところであろう。 等温ポリヌクレオチド増幅・翻訳連携系で本発明の酵素性RNA分子を使用す ることによってまた、連携している翻訳系を同時に終結させることなく予め設定 した時間で増幅工程を調節または“休止”させることができるであろう。同様に 、本発明の酵素性RNA分子を用いて、“アンチセンス”ヌクレオチド配列の使 用を伴う治療的または診断的利用を、例えば当該アンチセンス配列を切断するこ とによって調節または終結させることができる。 本発明の酵素性RNA分子はまた、オリゴヌクレオチド(例えばDNA)のフ ットプリントまたは蛋白質・ヌクレオチド結合のフットプリント解析で用いるこ とができる。例えば、本発明の酵素性RNA分子は本明細書で開示したように種 々の異なる認識配列をもつように調製し、続いて特定の蛋白質が結合したDNA サンプルと混合することができる。続いて、DNAサンプル上の固有の蛋白結合 部位を特定することができる標準的なプロトコルにしたがって、本発明の酵素性 RNA分子による当該DNAの切断によって生じた標識DNAフラグメントを分 析することができる。さらに、本発明の同じタイプの酵素性RNA分子を、当該 特定の蛋白質が付加されていないDNAサンプルと混合することができる。続い てこの第二のDNAサンプルの切断によって生じた標識DNAフラグメントを分 析し、その結果を蛋白結合DNAサンプルの分析で得られた結果と比較すること が できる。 多様なプロトコルをフットプリント解析および、本発明の酵素性RNA分子と の使用に容易に用いられる類似の解析(この場合本明細書に開示した酵素性RN A分子が他のヌクレアーゼ酵素の代わりに用いられる)に利用できる。本発明の 酵素性RNA分子とともに用いて有用な多様なプロトコルについては、例えばオ ズベルらの論文を参照されたい(Ausubelら編、“Current Protocols in Molecul ar Biology(分子生物学の最新プロトコル)”、John Wiley & Sons,Inc刊、(199 4))。 また本発明の酵素性RNA分子を巧緻技術によって作出し、高度に特異的なエ ンドヌクレアーゼとして用いることができることは予想されよう。このことは、 ベクター構築において、特に一本鎖配列の切断が所望されるときに本酵素性RN A分子を比類なく有用なものにする。例えば、上記で開示したように、本発明の 酵素性RNA分子は、長さが約2から30ヌクレオチドの特定のヌクレオチド配 列を特異的標的とすることができる。したがって、そのような分子は、ヌクレオ チド配列の配送および発現用ベクターおよびカセットのデザインにおいて、すな わち適合ベクターに予め設定したヌクレオチド配列の挿入を促進することによっ て用いることができる。 本発明の酵素性RNA分子の他の用途は本開示から明らかで、したがって本発 明の範囲内に含まれる。 E.酵素性RNA分子の巧緻技術による作出方法 本発明はまた、予め設定した活性をもつ核酸分子を製造する方法を包含する。 好ましい実施態様の1つでは、当該核酸分子は本発明の酵素性RNA分子である 。別の例では、当該所望の活性は触媒活性である。 ある実施態様では、本発明は、酵素性RNA分子を合成し続いて特異的反応ま たは予め設定した反応を触媒するように“巧緻技術によって作出”(engineer)す る方法を意図する。酵素性RNA分子を調製する方法は本明細書に記載されてい る(例えば以下の実施例を参照されたい)。他の実施態様では、本発明の酵素性R NA分子は、小型分子またはリガンド、例えばアデノシン三燐酸(ATP)と 結合させるために巧緻技術によって操作することができる(Sassanfarら、Nature 364:550-553(1993)を例えば参照されたい)。 本発明はまた、酵素性RNA分子の集団を変異誘発条件に付し、変異酵素性R NA分子またはリボザイムの多様な集団を製造することを開示する。その後で所 望の特性を有する酵素性RNA分子を当該集団から選別および/または分離し、 続いてこれを増幅する。 また別には、酵素性RNA分子の認識部位(内部ガイド配列)の長さを変更す ることによって酵素性RNA分子に変異を導入することができる。酵素性RNA 分子の認識部位は一般に基質分子(例えば核酸またはオリゴヌクレオチド・オリ ゴペプチドハイブリッド配列)内の相補的塩基配列と結合する。認識部位の長さ を変更する方法は当技術分野で既知であり、例えばPCRを含む。有用な技術は さらに以下の実施例で述べる。 基質核酸配列内の相補的塩基配列とハイブリダイズする能力を保持する酵素性 RNA分子の認識部位の長さの変更は、当該酵素性RNA分子の結合特異性に対 して望ましい効果を有するであろう。例えば、認識部位の長さの増加は、当該酵 素性RNA分子と基質核酸の相補的塩基配列との間の結合特異性を高めるであろ う。さらに、認識部位の長さの増加はまた、当該酵素性RNA分子が核酸基質と 結合する親和性を高めるであろう。種々の実施態様では、酵素性RNA分子内の これら改変認識部位は、酵素性RNA分子とその核酸基質との間の結合特異性の 増加および親和性の増加を付与する。 同様に、ハイブリッド基質分子の核酸セグメント内の塩基配列を認識する能力 を保持する酵素性RNA分子の認識部位の長さの変更またはそれによって認識さ れるアミノ酸残基に関する変更は、当該酵素性RNA分子の結合特異性に対して 望ましい効果を有するであろう。例えば、認識部位の長さの増加は、当該酵素性 RNA分子とハイブリッド基質内のオリゴヌクレオチドの相補的塩基配列との間 の結合特異性を高めるか、またはハイブリッド分子もしくはポリペプチド基質内 のアミノ酸残基の認識を強化するであろう。さらに、認識部位の長さの増加はま た、本発明の酵素性RNA分子が基質と結合する親和性を高めるであろう。種々 の実施態様では、酵素性RNA分子内のこれら改変認識部位は、酵素性RNA分 子とその基質との間の結合特異性の増加および親和性の増加を付与する。 最近になってある種のオリゴヌクレオチドは相補的配列をもつオリゴヌクレオ チド以外の分子を認識し、これと結合することが記載された。これらのオリゴヌ クレオチドはしばしば“アプタマー”と称される。例えば、エリントンとツォス タークは種々の有機染料と結合することができるRNAについて記載した(Ellin gton & Szostak,Nature 346:818-822(1990))。一方、ボックらはヒトのトロン ビンと結合するssDNAについて記載した(Bockら、Nature 355:564-566(1992 ))。同様に、ジェリネックらは塩基性線維芽細胞増殖因子に対するRNAリガン ドについて記載した(Jellinekら、PNAS USA 90:11227-11231(1993))。 しかしながら、本発明の出現までは、再生可能なアミド切断能をもつ触媒的に 活性なRNA酵素の存在について記載した者は存在しなかった。またこの能力を もつ触媒的に活性なオリゴヌクレオチド分子を巧緻技術によって作出し選別する 方法に関してはこれまで知られていなかった。 本発明の酵素性RNA分子はいずれのヌクレオチド配列(例えば認識部位)を も本明細書に開示する種々の方法(PCRおよび3SRを含む)によって変更で きることは当業者には理解されよう。追加のヌクレオチドは、T7プロモータ結 合部位を導入するために用いられるプライマー内に新たなヌクレオチドを導入す ることによって酵素性RNA分子の5’末端に付加することができる。当該追加 のヌクレオチドは、T7プロモータ配列と5’末端で当該酵素性RNA分子とハ イブリダイズする核酸配列との間で当該プライマー内に含まれるであろう。 本発明の酵素性RNA分子はまた、例えば部位特異的変異誘発のような方法を 用いて非任意性のより強い態様で調製するかまたは巧緻技術により作出できる。 例えば、部位特異的変異誘発は本質的にはモリナガらが記載したように実施でき る(Morinagaら、Biotechnology 2:636(1984)、この文献は参照により本明細書に 含まれる)。有用な部位特異的変異誘発技術はまた本明細書に記載されている(例 えば実施例1を参照されたい)。 種々の実施態様では、I群核酸集団は少なくとも2つのI群核酸で構成される 。ある例では、I群核酸は当該ヌクレオチド配列の5’末端に連続するか近接す る認識部位を規定する核酸配列、当該認識部位の3’末端に位置する第一のスペ ー サー領域、当該第一のスペーサー領域の3’末端に位置するP3〔5'〕領域、 当該P3〔5'〕領域の3’末端に位置する第二のスペーサー領域、当該第二の スペーサ一領域の3’末端に位置する第一のステムループ、当該第一のステムル ープの3’末端に位置する第二のステムループ、当該P3〔5'〕領域とハイブ リダイズすることができるP3〔3'〕領域を規定する5’ステム部分を含む、 当該第二のステムループの3’末端に位置する第三のスペーサー領域を有する核 酸分子である。ここで開示する方法にしたがって製造される酵素性RNA分子の 他の特徴は本明細書の他の場所に記載されている。 他の実施態様では、変異誘発条件は、酵素性RNA分子内に限定または任意置 換を導入する条件を含む。典型的な変異誘発条件の例は、本明細書の他の部分に 開示された条件および文献(Joyceら、Nucl.Acids Res.17:711-722(1989);Joyc e,Gene 82:83-87(1989);およびBeaudry & Joyce,Science 257:635-41(1992)) に記載された方法を含む。 さらに他の実施態様では、本発明の変異酵素性RNA分子の多様な集団は、正 確に同一のヌクレオチド配列をもたない少なくとも2種の核酸分子を含む集団で ある。他の例では、続いてそのような多様な集団から予め設定された活性を有す る他の酵素性核酸が、子め設定した活性を実行する能力を基準に選別される。種 々の実施態様では、当該予め設定される活性には、強化触媒活性、低いKm、強 化基質結合能力、基質特異性の変更などが含まれるが、これらに限定されない。 酵素性能の特徴と考えられるパラメーターには、触媒活性または能力、基質結 合能力、酵素のターンオーバー速度、フィードバックメカニズムに対する酵素の 感受性などが含まれる。ある場合には、基質特異性は酵素性能の特徴と考えられ る。特に酵素が2つ以上の競合する基質を認識し、これらと結合する状況ではそ れら基質の各々は当該他の基質に対して酵素の性能に影響を与える。 本明細書で用いられるように基質特異性とは、個々の基質(例えばオリゴヌク レオチドのみを含むもの、ポリペプチドのみを含むもの、または両方の混成物を 含むもの)に対する本明細書で述べる酵素性核酸分子の特異性を指す。後者のタ イプの基質の場合、本発明の酵素性核酸分子は、そのようなハイブリッドまたは 混成基質の特定の領域ともっぱら結合するであろう。 また別には、本明細書で用いられるように基質特異性とは、個々の基質(例え ばRNAのみを含むもの、DNAのみを含むもの、または両方の混成物を含むも の)に対する本明細書で述べる酵素性核酸分子の特異性を指す。基質特異性はま た、本発明の酵素性核酸分子がもっぱら一本鎖核酸基質に結合するか、二本鎖核 酸基質に結合するか、または一本鎖と二本鎖領域の両方を有する核酸分子(例え ば“ループ”を有する核酸分子)と結合するか否かも及ぶ。後者のタイプの基質 の場合、本発明の酵素性核酸分子はそのような混成基質の特定の領域ともっぱら 結合する。 基質特異性はまた配列特異性を含むことができる。すなわち、本発明の酵素性 核酸分子は以下のものを“認識”して、これと結合することができる;特定の核 酸配列を有する核酸基質;特定のアミノ酸残基配列を有する基質;または両者の 特定の組み合わせを有する基質。例えば、本発明の酵素性核酸分子の基質認識部 位が、一列に並んだ一続きの1つまたは2つのアルギニン残基をもつ基質分子の みと結合する場合は、当該酵素性核酸分子はそのような配列を欠く核酸基質分子 を認識したり、またはこれと結合することはないであろう。 同様に、本発明のDNA切断酵素に関しては、基質特異性はまた配列特異性を 含む。すなわち、本発明の酵素性核酸分子は特定の核酸配列を有する核酸基質を “認識”して、これと結合することができる。例えば、本発明の酵素性核酸分子 の基質認識部位が、一列に並んだ一続きの6つのアデニン残基をもつ核酸基質分 子のみと結合する場合は、当該酵素性核酸分子はそのような配列を欠く核酸基質 分子を認識したり、またはこれと結合することはないであろう。種々の実施態様 では、選別には、予め設定した活性を有する当該変異酵素性核酸分子を多様な変 異酵素性核酸分子集団から物理的に分離する一切の手段が含まれる。しばしば、 選別は、サイズによる分離、触媒活性の有無による分離、または変異核酸を溶液 中の別の核酸または固体マトリックスに結合させた別の核酸とハイブリダイズさ せることによる分離を含む。 種々の実施態様では、“選別”は、予め設定した活性を有する変異酵素性核酸 を多様な変異酵素性核酸集団から物理的に分離するいずれかの手段を含む。しば しば、選別は、サイズによる分離、触媒活性の有無による分離、または変異核酸 を溶液中のまたは固体マトリックスに結合させた別の核酸またはペプチドとハイ ブリダイズさせることによる分離を含む。 種々の実施態様では、“予め設定した活性”とは、当該予め設定した活性を有 する変異酵素性核酸が当該活性のゆえに何らかの態様で標識されることになるよ うなものである。例えば、予め設定された活性は酵素性RNA分子活性で、それ によって当該変異酵素性核酸のその基質に対する活性が、当該変異酵素性核酸を 当該基質に共有結合させることとになるものである。続いて変異酵素性核酸は当 該共有結合によって選別される。他の実施態様では、予め設定された活性を有す る変異酵素性核酸の選別は、当該変異酵素性核酸の増幅を含む(Joyce,Gene 82: 83-87(1989);Beaudry & Joyce,Science 257:635-41(1992)を例えば参照された い)。 F.組成物 1.DNA切断酵素性RNA分子を含有する組成物 本発明はまた本発明の酵素性RNA分子の1つまたは2つ以上の種類または集 団を含有する組成物を意図する。すなわち異なる種類または集団は異なるヌクレ オチド配列を認識しこれを切断することができる。組成物はさらに1つまたは2 つ以上のDNA含有基質を含むことができる。本発明の組成物はさらにマグネシ ウムイオンまたは他の二価もしくは一価の陽イオンを上記のB節に記載したよう に含むことができる。 好ましくは、本発明の酵素性RNA分子は約0.05μMから約2μMの濃度 で存在する。典型的には、酵素性RNA分子は、酵素性RNA分子:一本鎖DN A基質との濃度比が約1:5から約1:50で存在する。より好ましくは、酵素 性RNA分子は約0.1μMから約1μMの濃度で組成物中に存在する。さらに 好ましくは、組成物は約0.1μMから約0.5μMの濃度で酵素性RNA分子 を含有する。 好ましくは、一本鎖DNA基質は、約0.5μMから約1000μMの濃度で 組成物中に存在する。合成DNA、ファージDNA、“ループ”DNA、変性二 本鎖DNA、ウイルスDNAおよび細胞性DNAを含む多くの一本鎖DNAの供 給源が存在することは当業者には理解されよう。 マグネシウムイオン(または先に考察したように他の二価もしくは一価イオン )もまた約2−100mMの濃度で当該組成物中に存在してもよい。より好まし くは、マグネシウムイオンは約2mMから約50mMの濃度で組成物中に存在す る。好ましくは、マグネシウムイオンは約5mMから約15mMの濃度で存在す るが、約10mMの濃度が特に好ましい。マグネシウムイオン濃度は、水溶液中 でのマグネシウムの溶解性の限界および同組成物中で当該酵素性RNA分子を活 性な構造で存在させる必要性によってのみ拘束されることは当業者には理解され よう。 本発明はまた、本発明の酵素性RNA分子、一本鎖DNA含有基質、上記に述 べた濃度のマグネシウムイオンおよびポリアミンを含む組成物を包含する。好ま しくは、ポリアミンはスペルミジン、プトレシン、またはスペルミンである。よ り好ましくは、ポリアミンはスペルミジンで約2mMから約10mMの濃度で存 在する。本発明はさらに、本発明の酵素性RNA分子、一本鎖DNA、20mM 以上の濃度のマグネシウムイオン、3’末端ヒドロキシルで終わる第二の一本鎖 、およびその末端部の5’末端にグアニンヌクレオチドを有する第三の一本鎖D NA分子を含む組成物を意図する。 また本発明に含まれるものは、本発明の酵素性RNA分子、一本鎖DNA含有 基質、約2mM以上の濃度のマグネシウムイオンを含む組成物で、その場合当該 一本鎖DNAの長さが当該酵素性RNA分子に存在する認識部位よりも大きい組 成物である。 2.アミダーゼ/ペプチダーゼ活性をもつ酵素性RNA分子を含む組成物 本発明はまた、本発明のアミド結合もしくはペプチド結合切断酵素性RNA分 子の1つまたは2つ以上の種類または集団を含有する組成物を意図する。すなわ ち異なる種類または集団は異なるアミノ酸残基配列を認識しこれを切断すること ができる。組成物はさらにペプチド含有基質を含むことができる。本発明の組成 物はさらにマグネシウムイオンまたは他の二価もしくは一価の陽イオンを上記の B節に記載したように含むことができる。 好ましくは、本発明の酵素性RNA分子は約0.05μMから約2μMの濃度 で存在する。典型的には、酵素性RNA分子は、酵素性RNA分子:基質との濃 度比が約1:5から約1:50で存在する。より好ましくは、酵素性RNA分子 は約0.1μMから約1μMの濃度で組成物中に存在する。さらに好ましくは、 組成物は約0.1μMから約0.5μMの濃度で酵素性RNA分子を含有する。 好ましくは、基質は、約0.5μMから約1000μMの濃度で組成物中に存 在する。天然および合成のアミノ酸、ポリペプチド、蛋白質(変性形のものを含 む)およびそれらを含有する分子を含む多くのアミド結合含有基質供給源が存在 することは当業者には理解されよう。 マグネシウムイオン(または先に考察したように別の適切な一価または二価陽 イオン)もまた約2−100mMの濃度で当該組成物中に存在してもよい。より 好ましくは、マグネシウムイオンは約2mMから約50mMの濃度で組成物中に 存在する。好ましくは、マグネシウムイオンは約5mMから約15mMの濃度で 存在するが、約10mMの濃度が特に好ましい。マグネシウムイオン濃度は、水 溶液中でのマグネシウムの溶解性の限界および同組成物中で当該酵素性RNA分 子を活性な構造で存在させる必要性によってのみ拘束されることは当業者には理 解されよう。 本発明はまた、本発明の酵素性RNA分子、オリゴヌクレオチド・オリゴペプ チドハイブリッド分子、および上記に述べた濃度のマグネシウムイオンを含む組 成物を包含する。先に特記したように、他の一価または二価イオン(例えばMn+ )もマグネシウムの代わりに用いてもよい。 また本発明に含まれるものは、本発明の酵素性RNA分子、適切な基質(例え ば蛋白質、ポリペプチド、オリゴヌクレオチド・オリゴペプチドハイブリッド分 子、アミノ酸を含有する分子、または本発明の酵素性RNA分子によって認識さ れ作用を受けることができる他のアミドもしくはペプチド結合含有分子)、およ び約2mM以上の濃度のマグネシウムイオンを含む組成物で、その場合当該基質 の長さが当該酵素性RNA分子に存在する認識部位よりも大きい組成物である。 G.アミダーゼ/ペプチダーゼ活性をもつ酵素性RNA分子の使用方法 本明細書で開示するように、酵素性RNA分子を使用する方法は無数にある。 先に述べたように、隣合うアミノ酸分子を連結する結合(例えばペプチド結合) を切断できる分子は、多様な応用を含む多数の用途を有する。例えば、本明細書 に開示した能力、構造および/または機能を有する酵素性RNA分子は、薬剤ま たは医療用製品(例えば創縁切除、凝血溶解など)の他に家事用品として有用で ある(例えば洗剤、歯科用衛生品、獣肉軟化剤)。本明細書に開示した化合物、組 成物および方法の工業的利用もまた本発明で意図され、本発明の範囲内に含まれ る。 H.ベクター 本発明はまた、好ましくは本発明の酵素性RNA分子の標的細胞内(例えば植 物または動物細胞)での発現を可能にする態様で当該酵素性RNA分子が発現ベ クター内に配置されている、当該酵素性RNA分子をコードする核酸セグメント を含む当該ベクターを特徴とする。 したがって、一般に本発明のベクターは、プラスミド、コスミド、ファージミ ド、ウイルス、ウイロイドまたはファージベクター内の細菌性、ウイルス性また は真核細胞性プロモーターを含む。他の適切なベクターは、二本鎖DNA(ds DNA)、部分的二本鎖DNA、dsRNA、部分的dsRNA、または一本鎖 RNA(ssRNA)もしくはDNA(ssDNA)を含む。本発明のベクター は環状である必要がないこともまた理解されよう。 本発明の特徴の1つでは、酵素性RNA分子をコードする第一のヌクレオチド 配列は転写できるようにプロモータ配列に連結される。別の例では、酵素性RN A分子をコードするまた別の1つまたは2つ以上のヌクレオチド配列がまたベク ターに含まれる。当該追加の酵素性RNA分子コード配列は、第一の酵素性RN A分子をコードするヌクレオチド配列のいずれかの側または両側に配置すること ができる。好ましくは、介在ヌクレオチドまたは連続する酵素性RNA分子コー ド配列の間にヌクレオチド配列が存在する。 別の例では、追加の酵素性RNA分子コード配列の各々に接触する(flanking) ヌクレオチド配列が好ましくは提供され、これらの配列は第一の酵素性RNA分 子によって認識されるであろう。介在または接触(flanking)配列は、好ましくは 少なくとも1ヌクレオチドを含み、より好ましくは介在または接触配列は長さが 約2−20ヌクレオチドで、長さが約5−10ヌクレオチドが特に好ましい。 ポリアデニンテールの付加もまた、本発明の酵素性RNA分子の3’端を保護 するために有用であろう。これらは、細胞にポリ(A)テールの付加をインビボ で知らせるポリ(A)シグナル部位を発現ベクター内に包含させることによって 提供できる。好ましくは、当該シグナルは、それが酵素性RNA分子の他の部分 と望ましくない二次構造を形成しないような態様で並べられる。 また別には、ポリ(A)テールは、ポリ(A)配列を直接発現ベクターに導入 することによって提供できる。ポリ(A)配列は、インビボで発現されるとき時 間の経過にしたがってサイズが減少するので、ベクターは時間の経過にしたがっ てモニターする必要がある。しかしながら、ポリ(A)結合蛋白(これは酵素性 RNA分子がその標的ヌクレオチドと作用するのを妨げる可能性がある)と結合 するポリ(A)テールの付加に際しては注意が必要である。他のベクターおよび それらを作出する方法は当技術分野では文献に報告されている(例えば国際出願 公開広報第WO93/23569号明細書(この文献は参照により本明細書に含まれる)を 参照されたい)。 したがって、ある実施態様では、ベクターは、第一の酵素性RNA分子をコー ドするヌクレオチド配列に発現のために機能的に連結されたプロモーターを含み 、続いて3’→5’方向に以下を含む;(1)当該第一の酵素性RNA分子によっ て認識され切断される“接触”ヌクレオチド配列;(2)第二の酵素性RNA分子 をコードするヌクレオチド配列;(3)当該第一の酵素性RNA分子によって認識 され切断される別の接触ヌクレオチド配列;(4)第三の酵素性RNA分子をコー ドするヌクレオチド配列;(4)当該第一の酵素性RNA分子によって認識され切 断されるさらに別の接触ヌクレオチド配列;などなど。 好ましくは、本発明のベクターは、第二の酵素性RNA分子をコードする複数 の核酸配列(各々は第一の酵素性RNA分子によって認識される核酸配列と隣合 う)を含む。より好ましくはそのような複数の配列は、少なくとも5、好ましく は7、より好ましくは9またはそれ以上の核酸配列である。他の実施態様では、 本明細書で開示するベクターは、酵素性RNA分子をコードする核酸のベクター からの発現を調節するプロモータを含む。 本発明はまた、プロモータ配列が、適切な制限エンドヌクレアーゼ部位をもつ 第一のまたは“遊離させる”酵素性RNA分子と連結されることを意図する。続 いて、2つの接触領域および第二の(すなわち“治療用”)酵素性RNA分子を コードする一本鎖オリゴヌクレオチドが提供される。当該オリゴヌクレオチドは 続いて当該接触領域でハイブリダイズすることによって部分的に二重体を形成す ることができる。一本鎖部分は続いてDNAポリメラーゼおよびデオキシリボヌ クレオチド三燐酸(dNTP)を用いて充填され、dsDNA分子を形成する。 これを続いて制限エンドヌクレアーゼ部位につないで所望のベクターを形成する ことができる。上記に特記したように、適切なベクターは、例えばプラスミド、 コスミド、ファージミド、ウイルス、ウイロイドまたはファージを含む群から選 択することができる。 好ましくは、複数の核酸配列は同一で、各々がプロモーターに最も近い場所に 同一の末端部を有するように連続的態様で並べられる。所望の場合には、第一ま たは第二の酵素性RNA分子をコードする配列の近傍にポリ(A)配列が提供さ れ、ベクターによって産生されるRNAの安定性を高め、および/または適切な 細胞区画への輸送を強化できる。さらに、第一の酵素性RNA分子をコードする 核酸の近傍に制限エンドヌクレアーゼ部位を提供し、ベクター構築時に第二の酵 素性RNA分子をコードする核酸の挿入を可能にすることができる。 真核細胞へのベクター構築物の輸送を所望する場合、標的細胞内の細胞のスプ ライシングメカニズムを利用または統合して、発現された転写物の接触配列内で 第二の酵素性RNA分子のための認識配列をコードすることによって第二の治療 用酵素性RNA分子を切り出すことができる。第一の酵素性RNA分子のターン オーバー速度が第二の酵素性RNA分子の分解速度よりも遅い場合、第一の遊離 させる酵素性RNA分子の多数のコピーが提供され、第二の(すなわち治療用) 酵素性RNA分子の遊離が強化されるであろう。標的細胞が細菌細胞である場合 、インビトロ修飾およびある種の細胞性修飾は、ベクター内に適切なヌクレオチ ド配列を提供することによって強化でき、ターンオーバー速度、酵素の安定性お よ び本開示の酵素性RNA分子の切断活性の強化に有用である。 酵素性RNA分子発現ベクターの作製方法は、上記で述べたように第一の酵素 性RNA分子をコードする核酸を含むベクターを提供し、さらに、これもまた上 記で述べたように第二の酵素性RNA分子をコードする一本鎖DNA分子を提供 することを含む。続いて、一本鎖DNAをアニールさせて部分的に二重体DNA を形成し、これを適切な酵素、例えばDNAポリメラーゼでdNTPの存在下で 処理して充填して二重体DNAを作製する。これを続いてベクターにつなぐこと ができる。続いて、この方法を用いて得られた大型のベクターを選別し、第二の 酵素性RNA分子をコードする高コピー数の一本鎖DNAがベクターに取り込ま れていることを確認することができる。 酵素性RNA分子を製造する方法は、したがって上記で述べたようにベクター を提供し、当該ベクターから核酸(例えばRNA)を発現させ、さらに第二の( さらにそれに続く一切の)酵素性RNA分子を遊離させるために第一の酵素性R NA分子による切断を可能にすることを伴う。 適切な制限エンドヌクレアーゼ部位はまた、DNAベクターまたはRNA発現 系の必須のDNAベクターでそのようなベクターを容易に構築するために提供す ることができる。 第二の(さらに一切の追加の)酵素性RNA分子は所望の何れのタイプの酵素 性RNA分子でもよい。これらは、例えばリボザイムであり、I群およびII群 イントロン、ハンマーヘッド、ヘアピンおよび他のタイプのリボザイムまたはそ の酵素的に活性な部分が含まれる。 第一の酵素性RNA分子は、コードされる切断(例えば“接触”)配列を切断 するために選択され、さらにまた所望されるいずれのリボザイム(例えばテトラ ヒメナに由来するリボザイム)でもよい。これは、例えば、自家内認識配列の中 央に埋め込まれた制限エンドヌクレアーゼ部位を含み、ベクター構築に際して役 立つ。このエンドヌクレアーゼ部位は、本明細書で述べたようにベクターの構築 およびその後の分析に有用である。 本発明のベクターは好ましくは発現のために機能的に適切なプロモータに連結 される。例えば、本発明のベクターは、ウイルス性プロモータ(例えばエプスタ イン・バーウイルス(EBV)プロモータ)の制御下で酵素性RNA分子を含む ことができる。この目的のために有用な多様なウイルスプロモータが当技術分野 では知られている(例えば国際出願公開広報第WO93/23569号に記載されたもの、 この文献は参照により本明細書に含まれる)。 別の例では、本発明のベクターは2つまたはそれ以上の酵素性RNA分子を含 む。ある実施態様では、第一の酵素性RNA分子は分子内切断活性を有し、他の 酵素性RNA配列を認識し切断してこれを遊離させる。すなわち、当該第一の酵 素性RNA分子は他の酵素性RNA分子をベクターから遊離させるために機能す ることができる。例えば、ベクターは、好ましくは、第一の酵素性RNA分子が 発現されたとき、当該第一の分子が接触する第二の酵素性RNA分子、第三の酵 素性RNA分子等々をコードする別の追加ヌクレオチド配列を切断できるように 構築される。当該第一の酵素性RNA分子(すなわち“遊離させる”分子)はオ リゴヌクレオチド配列を分子内で切断することができると仮定するならば、当該 追加の(例えば第二、第三等々)酵素性RNA分子(すなわち“遊離される”分 子)は“遊離させる”分子と同一の特徴を有する必要はない。 また別には、第一の酵素性RNA分子は第二の酵素性RNA分子とは別個のベ クター上でコードさせ、分子間切断活性を有することができる。本明細書で特記 したように、第一の酵素性RNA分子は自家内切断性酵素性RNA分子(例えば リボザイム)でもよく、さらに第二の酵素性RNA分子は所望の何れのタイプの 酵素性RNA分子(例えばリボザイム)でもよい。ベクターにこれら核酸配列か らRNAを発現させるとき、当該RNAは、適切な条件下で接触領域の各々を切 断する能力を有し、したがって第二の酵素性RNA分子の1つまたは2つ以上の コピーを遊離させる。所望の場合は、いくつかの異なる第二の酵素性RNA分子 が同じ細胞内または担体内に配置され、異なるリボザイムを産生することができ る。 本発明の酵素性RNA分子の単離および精製方法もまた包含される。本明細書 で述べる方法の他に、種々の精製方法(例えばHPLCを用いるもの)およびク ロマトグラフィーによる単離技術が当技術分野で利用できる(例えば国際出願公 開広報第WO93/23569号明細書に記載された方法を参照されたい(この文献は参 照により本明細書に含まれる))。 本明細書で述べる実施態様の種々の組み合わせは本発明の範囲内に含まれるこ とは理解されよう。本発明の他の特徴および利点は、上記の記載、下記の実施例 および請求の範囲から明白であろう。 実施例 以下の実施例は本発明を例示するものであって限定するものではない。 実施例1 酵素性RNA分子のインビトロ進化 A.一般原理 インビトロ選別およびインビトロ進化技術は、それら組成および構造について の先行する知識がなくても新規触媒の単離を可能にする。そのような方法を用い て新規な触媒特性を有するRNA酵素が得られた。先導陽イオンによる自己分解 性切断を受けるリボザイムは、tRNAPheの任意抽出プールから誘導された(Pa n & Uhlenbeck,Biochemistry 31:3887-3895(1992))。DNAを切断できる(Bea udry & Joyce,Science 257:635-641(1992))か、または金属依存性を変化させ た(Lehman & Joyce,Nature 361:182-185(1993))I群リボザイム変型種が単離 された。任意RNA配列プールから出発して、ポリメラーゼ様反応を触媒する分 子が得られた(Bartel & Szostak,Science 261:1411-1418(1993))。本実施例で は、インビトロ進化過程時に選別条件を変化させることによる出現酵素の特異的 触媒特性の精錬について述べる。 インビトロ進化の方法が酵素作出のためについに開発された。例えば、テトラ ヒメナリボザイム(典型的には配列特異的ホスホエステル転移反応を触媒し、R NA基質の切断または連結をもたらすRNA酵素)は、本明細書で開示されるイ ンビトロ進化過程で有用である。本発明の方法を用いて、生理的条件下でのRN Aによって触媒されるDNA切断の触媒効率を改善し、それによってインビボで DNAを切断できるリボザイムを得ることが今や実現可能である。本発明から見 れば、特異的アミダーゼおよびペプチダーゼ活性をもつ酵素性RNA分子をデザ インすることは同様に実現可能である。 テトラヒメナリボザイムをどのように変化させてRNA切断酵素からDNA切 断酵素またはアミダーゼもしくはペプチダーゼに変換させるかは明白ではない。 したがって、誘導進化を所望の表現型を得る手段として選択した。 ダーウィン型進化は以下の3つの工程の反復実施を必要とする:(a)遺伝的変 化の導入;(b)いくつかの適合基準による個々の変種の選別;および(c)選別 したこれら個々の変種の増幅。これらの工程の各々はインビトロで認識できる(J oyce,上掲書(1989))。遺伝子は、化学的修飾、任意抽出した変異誘発オリゴヌ クレオチドの取込み、またはポリメラーゼによる不正確なコピー生成によって変 異を誘発できる(Cadwell & Joyce,PCR Methods and Applications 2:28-33(199 2);Cadwell & Joyce,PCR Methods and Applications 3(補充):S136-S140(1994) ;Chuら、Virology 98:168(1979);Shortleら、Meth.Enzymol.100:457(1983);My ersら、Science 229:242(1985);Matteucciら、Nucleic Acids Res.11:3113(198 3);Wellsら、Gene 34:315(1985);McNeilら、Mol.Cell.Biol.5:3545(1985);Hut chisonら、PNAS USA 83:710(1986);Derbyshireら、Gene 46:145(1986);Zakourら 、Nature 295:708(1982);Lehtovaaraら、Protein Eng.2:63(1988);Leungら、Te chnique 1:11(1989);Zhouら、Nucl.Acids Res.19:6052(1991)を例えば参照さ れたい)。 遺伝子生成物は、例えばリガンドと結合する能力または化学的反応を遂行する 能力によって選別できる(Joyce,上掲書(1989);Robertson & Joyce,上掲書(199 0);Tuerkら、上掲書(1990)を例えば参照されたい)。選別される遺伝子生成物と 一致する遺伝子は、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のような互変プライ マー法(reciprocal primer method)によって増幅できる(Saikiら、Science 23 0:1350-54(1985);Saikiら、Science 239:487-491(1988)を例えば参照されたい) 。 また別には、核酸増幅は自家内配列複製(3SR)を用いて実施できる(Guat elliら、PNAS USA 87:1874(1990)を例えば参照されたい(この文献は参照により 本明細書に含まれる))。3SR法に従えば、標的核酸配列は、レトロウイルスに 必須の以下の3つの酵素活性を用いることによって等温条件下でインビトロで 指数関数的に増幅(複製)させることができる:(1)逆転写酵素、(2)RNアー ゼH、および(3)DNA依存RNAポリメラーゼ。cDNA中間体の手段によ るレトロウイルスのRNA複製を模倣することによって、この反応は最初の標的 のcDNAおよびRNAコピーを蓄積させる。 要約すれば、逆転写と転写反応の連続進行によってRNA標的配列がcDNA 中間体の手段によって複製される。このデザインの必須の成分は以下のとおりで ある:(a)オリゴヌクレオチドプライマーが標的に特異的で、さらに、得られた cDNAが転写鋳型として適性なようにT7RNAポリメラーゼ結合部位をコー ドする5’伸長部を含む;(b)RNアーゼHによる中間体RNA・DNAハイブ リッドにおける鋳型RNAの分解のために両方の鎖の完成までcDNA合成は進 行することができる;および(c)反応生成物(cDNAおよびRNA)はその 後の工程のための鋳型として機能し、指数関数的複製を可能にする。 インビトロのダーウィン型進化を達成するための主要な障害は、変異と増幅( これはともに造伝子型に関係する)を選別(これは表現型に関連する)を一体化 する必要性である。その遺伝子型と表現型とは同じ分子に具体化されているRN A酵素の場合には、作業は単純化される。 B.工程 1.増幅 a.増幅方法 2つのポリメラーゼを組み合わせて使用すれば、実質的に全てのRNAを増幅 することが可能である(Kwohら、PNAS USA 86:1173(1989);Joyce,"RNAの分子 生物学:分子細胞生物学におけるUCLAシンポジウム(Molecular Biology of RNA:UCLA Symposia on Molecular and Cellular Biology)",T.R.Cech編、Liss 刊、NY(1989),pp.361-371)。RNAは逆転写酵素で相補的DNA(cDNA) にコピーされ、生じたcDNAはT7RNAポリメラーゼ(T7 Pol)でRNAに 転写される(図2A−C参照)。 図2Aおよび2Bは、触媒性RNA(すなわち本発明の酵素性RNA分子)の 選択的増幅の一般的工程を図示する。図2Aでは、RNA増幅のための全体的な 工程が示される。“RT”=逆転写酵素;“T7 Po1”=T7ポリメラーゼ; “prom”=プロモータ、および“RNA”は酵素性RNA分子を表す。図2 Bでは、I群リボザイムのホスホエステル転移活性による選択的増幅のための工 程が示される。“E”は酵素性RNA分子を表す;“S”は基質を表す;“E・ S”は酵素/基質複合体を表す;“EP”は酵素/生成物複合体を表す。 図2Cは、本明細書で開示する全体的なインビトロ進化工程をDNA切断酵素 (これは便利な例として用いられる)について図示する。以下の工程が図示され ており、以下でさらに説明される。工程1−ホスホエステル転移による基質の切 断によって、基質の3’部分のリボザイム3’端への連結が生じる。工程2−D NA切断リボザイムの選択的等温増幅:まず第一に、選択的プライマー1aが活 性分子の伸長3’末端とハイブリダイズし、逆転写酵素(RT)の存在下でcD NA合成を開始する;次に、T7プロモータ配列を含むプライマー2が当該cD NAとハイブリダイズし、第二の鎖のDNA合成を開始する;最後にT7RNA ポリメラーゼ(T7 pol)が当該選択されたRNAの多数のコピーを製造し、これ らコピーの各々は新しい増幅ラウンドに入る。工程3−プライマー1aおよび逆 転写酵素を利用する選択的cDNA合成。工程4-非選択的プライマー1bおよ びプライマー2を利用するPCR増幅は、リボザイムコード遺伝子の最初の末端 を回復させ、偶発的変異を導入する。工程5−リボザイムの子孫集団を生成する インビトロ転写。 前述の“工程”は、さらに直ぐ後の項目1.b、2および3(ここでは変異、 選別および増幅工程が詳細に記載される)でさらに詳述する。しかしながら一般 には、活性分子の選択的増幅は、T7RNAポリメラーゼの活性の結果として転 写中に生じ、cDNA鋳型コピー1つにつき200から1200コピーのRNA 転写物を生成する(Chamberlinら、「酵素(The Enzymes)」、15巻、P.D.Boyer編、 Academic Press刊、NY(1982),pp.87-108))。 増幅反応は、一般に1本の試験管内で37℃の一定温度で実施され、1時間後 に最初の投入RNAの103から106倍の増加を生じる(Guatelliら、PNAS USA 87:1874(1990);Joyce,「アンチセンスRNAとDNA(Antisense RNA and DNA)」 、J.A.H.Murray編、Wiley-Liss刊、NY(1992),pp.353-372)。RNA増 幅のための有用な工程は上掲書に記載されている(Beaudry & Joyce,上掲書(199 2))。 b.実施例 インビトロ進化の9世代後に得られたDNA切断リボザイムの集団(Beaudry & Joyce,上掲書(1992))を出発材料として用いた。しかしながら、下記の実施例 6で述べるように生成されるリボザイムもまた出発材料として用いることができ ることは理解されるべきである。I群イントロン(例えばテトラヒメナ由来リボ ザイム)に由来するリボザイムの使用は代表例として記載されている。 リボザイム(0.1μM)および基質(0.2μM)を10μMのMgCl2 および30mMのEPPS(pH7.5)中で37℃で1時間保温する。エタノ ール沈澱後、反応生成物の一部分(10−50%)を20μlの等温増幅反応混 合物に添加した。当該混合物は、10mMのMgCl2、80mMのKOAc、 50mMトリス(pH7.5)、5mMのDTT、2mMの各NTP、0.2mM の各dNTP、4μCi〔α−32P〕GTP、12.5U/μlのMoMLV逆 転写酵素、50U/μlのT7RNAポリメラーゼおよび20pmolの適切な各プ ライマーを含む。混合物を続いて37℃で2時間保温した。DNA切断活性を最 適化するようにデザインした実験では以下のプライマーを用いた:5’-TTTATTTA TTTATTT-3'(プライマー1aN配列番号6)および5'-CTGCAGAATTCTAATACGACTCACT ATAGGAGGGAAAAGTTATCAGGC-3'(プライマー2、配列番号7)。プライマー1aは、 リボザイムの3’端に結合する基質の3’部分とハイブリダイズする。(プライ マー1b(5'-CGAGTACTCCAAAACTAATC-3'(配列番号8))は、基質または生成物が結 合していないとき当該リボザイムの3’部分とハイブリダイズする。)プライマ ー2は、生じたcDNAの3’端とハイブリダイズしてT7プロモータ配列を導 入する。 2.選別 増幅は、増幅に相応しいものとなるために集団中の個々のRNAが特定の化学 反応を触媒することが要求されるという点で選択的に実施される(Joyce,上掲 書(1989);Robertson & Joyce,上掲書(1990);Beaudry & Joyce,上掲書(1992)) 。代表的な選別基準の1つは、オリゴヌクレオチド(またはオリゴデオキシヌク レオチド)基質を必要とするI群リボザイムの配列特異的ホスホエステル転移反 応を触媒する能力を基にする。図2Bは、I群リボザイムのホスホエステル転移 活性による選択的増幅のための工程を図示する。 a.DNA切断活性の強化 本明細書に述べるように、テトラヒメナリボザイム(典型的には配列特異的ホ スホエステル転移反応を触媒し、RNA基質の切断または連結をもたらす)は、 本明細書で開示するインビトロ進化工程で有用である。野性型酵素は、高温(5 0℃)または高MgCl2濃度(50mM)の条件下またはその両方を有する条 件下でのみではあるが、一本鎖DNA基質を切断するために用いることができる (Robertson & Joyce,上掲書(1990)を参照されたい)。動態実験では、50℃で さえもこの反応は、RNA基質との“天然の”反応と比較して非効率的であるこ とが示された。上記に特記したように、生理的条件下(例えば37℃、10mM のMgCl2)では、野性型リボザイムを用いるDNA切断反応はほとんど検出不 能である。 生理的条件下で改善された効率でDNAを切断するリボザイムを得るために、 誘導進化を用いて、連続10世代をかけて1013のリボザイム集団を作出し維持 した。その進化歴の過程を通じて全集団について遺伝子型パラメーターおよび表 現型パラメーターへの完全なアクセスもまた維持された。 増幅は、増幅に相応しいものとなるために集団中の個々のRNAが特定の化学 反応を触媒することが要求されるという点で選択的に実施された(Joyce,上掲書 (1989);Robertson & Joyce,上掲書(1990))。選別は、オリゴヌクレオチド(オ リゴデオキシヌクレオチド)を必要とする配列特異的ホスホエステル転移反応を 触媒するI群リボザイムの能力によった(図2B参照)。図2Bは、I群リボザイ ムのホスホエステル転移活性による選択的増幅のための工程を図示する。I群リ ボザイムのホスホエステル転移活性による選択的増幅のための工程は本質的には 以下の通りである。 基質の3’部分(d(A3(TA33、配列番号21)をリボザイムの3’末 端グアノシンに移した。RNA触媒DNA切断の反応条件は以下のとおりであっ た:1μMのテトラヒメナリボザイム(L21型)、10μMのd(GGCCCT CTA3(TA33、配列番号17)、10mMのMgCl2、30mMのN−〔 2−ヒドロキシメチル〕−ピペラジン−N−〔3−プロパンスルホン酸〕(EP PS)(pH7.5)で37℃で1時間。選択的増幅は、触媒性RNAの選択的 増幅に関して上記の項目1で述べたように、プライマー1としてd((T3A)33 C)(配列番号22)および、 プライマー2としてd(ATCGATAATACGACTCACTATAGGAGGGAAAAGTTATCAGGC)(配列番 号23)を用いて得られた。その後の選択的cDNA合成は、当該選択的増幅生 成物の0.2pmolを用いて上記の項目1で述べた条件下で実施したが、プライマ ー2およびT7ポリメラーゼは除いた。 その後のPCR増幅は以下を含む反応混合物中(100μl容量)で0.01 pmolの選択的cDNA合成生成物を用いて以下のように実施した:0.2μMの d(CGAGTACTCCAAAACTAATC)(プライマー1b、配列番号8)、0.2μMのプラ イマー2(上記のとおり)、0.2mMのdNTP、50mMのKCl、1.5m MのMgCl2、10mMのトリス−HCl(pH8.3)、0.01%のゼラチ ン、および2.5UのTaqDNAポリメラーゼ(Perkin-Elmer,Norwalk,CT) 、92℃1分、45℃1分および72℃1分の30サイクル。PCR生成物はク ロロホルムとイソアミルアルコールによる抽出およびエタノールによる沈澱によ って精製し、下記項目3で述べるようにRNAを転写するために用いた。 反応生成物は、リボザイムの3’端に結合した基質の3’部分を含む分子であ った(EP;図2Aおよび2B参照)。選別は、オリゴデオキシヌクレオチドプラ イマーが当該連結結合部を越えてハイブリダイズしたときに生じ、cDNA合成 を開始させるために用いた。プライマーは未反応出発物質とは結合せず(反応生 成物と比較したとき<10-8)、したがって触媒的に活性なRNAの選択的増幅 がもたらされた。 b.アミダーゼ/ペプチダーゼ活性の強化 I群リボザイムのホスホエステル転移活性を基にした選択的増幅の代表例の1 つは文献に記載されている(Beaudry & Joyce,上掲書(1992))。別の工程は本質 的には以下のとおりである。 等温増幅生成物(上記B.1.a.を参照)の25%を用いて、以下を含む20μl の反応混合物中で37℃で1時間保温してcDNAを作製した:10mMのMg Cl2、50mMトリス(pH7.5)、5mMのDTT、2mMの各NTP、0 .2mMの各dNTP、0.2U/μlのAMV逆転写酵素および20pmolのプ ライマー1a。得られたcDNAの約5−10%を以下を含む100μlの反応 混合物中で以下のようにPCRで増幅させた:1.5mMのMgCl2、50m MのKCl、10mMのトリス(pH8.3)、0.1%のゼラチン、0.2μM の各dNTP、20pmolのプライマー1、20pmolのプライマー2および2.5 UのTaqDNAポリメラーゼ、92℃1分、45℃1分および72℃1分の3 0サイクルおよび72℃10分の1サイクル。プライマー1bは当該リボザイム の3’端と相補的で、その最初の活性形の再生を可能にする。PCRのDNA( 〜250−500ng、全体の5−10%)を続いてインビトロ転写反応の鋳型 として供給し、25−50μlの容積で実施した。エラー誘発性または変異誘発 PCRも用いて高い%で変種を生成することもできる。 同様に、選別基準が1つまたは2つ以上のアミノ酸に結合する能力であるとき は、なおかつ当該リボザイムに結合しているアミノ酸含有基質をもつリボザイム の特定および単離を可能にするように、前述の工程を修飾する。例えば、基質内 の1つまたは2つ以上のアミノ酸(例えば末端アミノ酸)に特定のための“タグ ”を当技術分野で知られている方法により付することができる。基質アミノ酸の “タグ添付”または“標識”の好ましい方法の1つは、当技術分野で知られてい る方法によるビオチン付加を含む(Greenら、Biochem.J.125:781(1971);Lomant & Fairbanks,J.Mol.Biol.104:243-261(1976);Moutonら、Arch.Biochem.B iophys.218:101-108(1982)を例えば参照されたい)。アミノ酸、ポリペプチドお よび蛋白質にビオチンを付加する種々の試薬およびキットは市販ルートにより入 手できる(例えばPierce Chemicals(ロックフォード、イリノイ)のビオチン付 加キット)。 リボザイムに結合したビオチン付加アミノ酸含有基質(または生成物)を有す るリボザイムは、続いて検出手段(例えばアビジンをその表面に結合させるか、 その内部に取り込ませた固体マトリックスまたは固体表面)を用いて容易に特定 される。例えば、アミノ酸含有基質(ここで当該基質はビオチンで末端が標識さ れている)と混合したリボザイムを含むサンプルをアビジンチップを通過させ、 アミノ酸またはポリペプチドが結合したリボザイムを“引っ張り出す”ことがで きる。ビオチン標識分子は、間接免疫蛍光技術によって容易に検出できる。さら に、多数の蛍光色素が、アルカリ性ホスファターゼおよびセイヨウワサビペルオ キシダーゼ(これは着色沈澱を生じる)と同様にアビジンに直接共役された状態 で入手可能である。ストレプトアビジン・蛍光色素共役物もまたビオチン標識分 子の特定に有用で、種々の販売元(例えばPierce Chem.)から容易に入手できる 。 アビジンに暴露した後で集めたサンプルは、続いて、アミノ酸含有生成物が結 合したリボザイムをリボザイムと結合していないアミノ酸含有分子から分離する ために別の工程に付すことができる。そのような分離は、日常的な方法、例えば サイズ分離または種々の既知の標識薬剤および方法を用いて実施できる(Ausubel ら編、「分子生物学の最新プロトコル(Current Protocois in Molecular Biology )」、John Wiley & Sons,Inc.刊、(1994)を例えば参照されたい)。 選択された酵素性RNA分子(すなわち生成物が結合したリボザイム)がいっ たん分離されると、それらをその後の増幅工程に向けて調製することができる。 好ましくは、増幅開始前に当該アミノ酸含有生成物をリボザイムから解離する。 先に特記したように、溶液のpHの調節によってこの解離工程は促進または低下 するであろう。リボザイムが結合アミノ酸含有生成物から遊離すると、先に述べ たように適切なプライマーを用いて増幅が開始される。 また別に、特定のアミノ酸と結合することができる酵素性RNA分子は、カラ ムマトリックスに連結させた1つまたは2つ以上のアミノ酸を含むカラムを用い て、または他の既知の方法によってサンプル集団から特定し取り出すことができ る。例えば、アルギニン結合リボザイムを単離しようとする場合、約20μgの 任意の32P−標識リボザイムを水に取り、適切なレベルに調節した塩濃度で5 分間65℃で加熱できる。全容量が25μlのRNA溶液をアフィニティーカラ ムに添加する前に、続いて当該RNAを10分間4℃に冷却する。カラム(スル フヒドリル基を介してチオプロピルセファロース6Bカラムマトリックス(Pharm acia,Piscataway,ニュージャージ)に連結させた、例えばL−アルギニル−L −システインジペプチドを含む)を4℃で約8−12カラム容積で洗浄し、カラ ム緩衝液に含まれる50mMのL−アルギニンでカラムに固着している一切の残 留RNAを溶出させる。続いてcDNAをアルギニン溶出RNAから合成し、P CRで増幅させ、さらに次の増幅サイクルのためにRNAを転写する(Connellら 、Biochemistry 32:5497-5502(1993)を例えば参照されたい)。 加水分解を減少させる(したがって中間体の持続性を高める)ために、例えば 混合物のpHを減少させることによって反応パラメーターを調節することができ ることはまた特記されるべきである。 集団から個々を分離する方法は、用いる選別基準にしたがって変動するであろ う。例えば、DNAを切断できるリボザイムの選別を所望する場合は、DNA含 有生成物が依然としてリボザイムに結合しているときにリボザイムを増幅するプ ライマーを調製することができる。逆に、予め設定する選別基準がアミド切断能 をもつリボザイムの特定であるときは、アミノ酸含有生成物がリボザイムから解 離した後でリボザイムを増幅させるプライマーを調製することができる。 したがって、予め設定する選別基準がアミド結合切断酵素性RNA分子である 場合は、当該工程は以下のとおりであろう:(1)リボザイム集団を得て、それら を適切な容器に入れる;(2)アミド結合含有基質分子を当該容器に添加して、リ ボザイムと基質の混合物を作製する;(3)予め定めた反応条件下で十分な時間当 該混合物を維持して、当該リボザイムと基質を相互作用させる;(4)リボザイム ・生成物複合体を当該混合物から分離する;(5)リボザイムと生成物を互いに解 離させる;さらに(6)リボザイムを精製するか、そうでなければ当該精製物から リボザイムを分離する。 本明細書で述べるように、工程(1)の後で工程(2)の前に、当該集団を場 合によって変異誘発条件に暴露することができる。さらにまた本明細書で述べる ように、選別および分離工程は既知の方法を利用してもよい、例えば当該生成物 のビオチン標識の使用、およびリボザイム・生成物複合体を混合物の残留物から 選別し分離するためにアビジン共役支持体の使用である。工程(6)で特定され るリボザイムを続いて増幅するか、または工程順に全工程をさらに1回または2 回以上(例えば各回で異なる選別基準を用いながら)実施することもまた意図さ れている。前述の記載は代表例であって本発明の範囲を限定しようとするもので ないことはまた明白であろう。 増幅に関しては、転写RNAは一般に、本明細書で述べるようにポリアクリル アミドゲル電気泳動、UVシャドーイングによる可視化、ゲルからの切り出しお よび溶出、デュポンNENSORB(DuPont de Nemours,ウィルミントン、デラウェア) での精製、および分光測定器による定量によって単離される。全工程は一般に1 8回繰り返され、最初の9回は上記項目1で述べたように実施され、続く9回で は切断反応のための保温時間は1時間から5分に短縮される。時にはcDNAを 精製してPCR増幅の質を改善した。そのようにして、cDNAを上記のように 合成したが、但し25−50μCiの〔α−32P〕dATPが存在した。標識c DNAは、5%ポリアクリルアミド/8M尿素ゲルでの電気泳動、オートラジオ グラフィーによる可視化、ゲルからの切り出しおよび溶出、並びにデュポンNENS ORBでの精製によって単離した。 PCR生成物は、クロロホルムおよびイソアミルアルコールによる抽出並びに エタノールによる沈澱によって精製され、下記の項目3で述べるようにRNAを 転写するために用いた。そのような反応の生成物は、リボザイムの3’端に結合 した基質の3’部分を含む分子である(EP、図2Aおよび2Bを参照)。選別は 、オリゴデオキシヌクレオチドプライマーが連結結合部を越えてハイブリダイズ するときに生じ、cDNA合成を開始させるために用いられる。プライマーは、 未反応開始物質とは結合せず(反応生成物と比較して<10-8)、したがって当該 触媒的に活性なRNAの選択的増幅をもたらす。 3.変異の導入 変異は2つの方法によって導入される。先ず手始めに、固定出現頻度で任意置 換を含む変異誘発オリゴデオキシヌクレオチドセットを用いる。これらの部分的 ランダム化オリゴデオキシヌクレオチドは、僅かな百分率で3種の不正確なモノ マーの各々を加えたヌクレオシド3’−ホスホロアミダイト溶液を用いてDNA 自動合成装置で製造される(McNeilら、上掲書(1985);Hutchisonら、上掲書(1986 ))。第二に、各選択的増幅ラウンドの後、変異誘発条件下でPCRを実施するこ とによってランダム変異を導入する(Cadwell & Joyce,PCR Methods and Applic ations 2:28-33(1992);Cadwell & Joyce,Pcr Methods and Applications 3(補 充):S136-S140(1994))。 リボザイム変種体の最初の集団を作出するために、当該分子の触媒コアの全体 に任意変異を導入する。ある実施例では、4種の合成オリゴデオキシヌクレオチ ドを調製し、その各々について35のヌクレオチド部位で各部位につき5%のエ ラー率で任意変異を誘発する(データは示されていない)。転写条件は本質的には 以下のとりである:2pmolのDNA鋳型(変異誘発オリゴデオキシヌクレオチド を含む)、2mMのNTP、15mMのMgCl2、2mMのスペルミジン、5m MのDTT、50mMのトリス−HCl(pH7.5)、1500UのT7RNA ポリメラーゼを60μlの容量で混合し、37℃で2時間維持する。5%ポリア クリルアミド−8M尿素ゲルで電気泳動し、続いてセファデックス(SEPHADEX) G−50でカラムクロマトグラフィーを実施してRNAを精製する。 縮退オリゴヌクレオチドをリボザイムをコードするDNA鋳型に取り込ませ、 当該鋳型を直接転写して変異RNAを精製する(Joyce & Inoue,Nucl.Acids Re s.17:711(1989))。20pmol(1013分子)の材料を出発時に用いる。したがっ て、世代0の集団は、野性型リボザイム、1−、2−、3−、および−4−エラ ー変異種の全て並びに高エラー変異種サンプルを含むと予想される(下記4節の 表を参照されたい)。 一般に、PCR工程を用いる場合は、各プライマーは第二のプライマーと組み 合わされて働き、標的核酸配列を増幅させる。PCRで使用するPCRプライマ ー対の選択は、本明細書で述べるように種々考慮して決定される。すなわち、当 該プライマーは、選択遺伝子の保存領域と相補的なヌクレオチド配列を有する。 有用なプライミング配列は本明細書に既に開示した(例えばプライマー1、1b および2)。選別遺伝子をクローニングするために用いられる方法は、当技術分 野で周知のように種々の遺伝子を構成する核酸のタイプ、複雑性、および純度に 左右されるであろう。他の要因には、当該遺伝子が増幅されるべきかおよび/ま たは変異誘発されるべきか否かが含まれる。 典型的には代表的な遺伝子は、ポリヌクレオチド鎖、例えばmRNA、cDN A、またはゲノムDNAのセンス鎖を含むが、アンチセンス鎖、rRNAまたは tRNAもまたPCRで用いることができる。当該ポリヌクレオチド配列が二本 鎖ゲノムDNA形である場合は、通常は先ず、典型的には溶融によって一本鎖に 変性させる。遺伝子配列をPCRプライマー対(当該対の各々は予め選択したヌ クレオチド配列を有する)で処理する(接触させる)ことによって、当該配列を PCR反応に付す。PCRプライマ一対は、当該造伝子配列内で保存された好ま しくは長さが少なくとも約10ヌクレオチド、より好ましくは長さが少なくとも 約20ヌクレオチドのヌクレオチド配列とハイブリダイズすることによってプラ イマー伸長反応を開始させることができる。PCRによるプライマー伸長反応は 、当該分子のいずれかの末端から、所望にしたがってアミドまたはカルボキシエ ステルを通って進行するであろう。 PCR反応は、当該PCRプライマー対(好ましくは予め定めたその量)を選 択した遺伝子またはDNAヌクレオチド配列(好ましくは予め設定した量)とP CR緩衝液中で混合してPCR反応混合物を作製することによって実施される。 当該混合物を、PCR反応生成物を形成するために十分な時間(典型的にはこれ は予め設定される)ポリヌクレオチド合成条件下で維持し、それによって複数の 異なるDNA相同体を作製する。 PCR反応は適切ないずれかの方法を用いて実施される。PCR増幅法は、米 国特許第4683192号、4683202号、4800159号、および4965188号明細書並びに少な くともいくつかの成書(「PCR技術:DNA増幅のための原理と応用(PCR Tech nology:Principles and Applications for DNA Amplification)」、H.Erlich篇 、Stockton Press刊、ニューヨーク(1989);および「PCRプロトコル:方法と 応用の手引(PCR Protocols:A Guide to Methods and Applications)」、Innisら 篇、Academic Press刊、サンディエゴ、カリフォルニア(1990)を含む)に詳細に 記載されている。テルムス・アクアチクス(Thermus aquatic us )DNAポリメラーゼ(これはPCRで有用である)は、米国特許第4889818号 明細書に記載されている(引用した特許の関連する開示内容は参照により本明細 書に含まれる)。 制限部位もまた5’および3’プライマーに包含させて、増幅生成物を配列決 定ベクターまたは発現ベクターにサブクローニングすることを可能にすることが できる。さらにまた、制限部位の基部に4塩基スペーサー配列を配置することは 、酵素による増幅生成物の切断効率を改善するために役立つ。 本実施例では、PCRは標準的反応条件下で実施され、1世代当たり、各位置 につき約0.1%のエラー率が得られた。各位置につき0.66±0.13%の エラー率(95%信頼度)を提供する変異誘発性修飾PCR方法もまた開発した (Cadwell & Joyce,PCR Methods and Applications 2:28-33(1992);Cadwell & J oyce,Pcr Methods and Applications 3(補充):S136-S140(1994)を参照され たい、これらの内容は参照により本明細書に含まれる)。選択的増幅によって得 られたRNAを逆転写に付し、生じたcDNAをPCRで増幅し、当該PCR生 成物を転写して変異RNAの子孫集団を製造する。 当該PCRと選択的RNA増幅工程との一体化は他の3つの態様で有用である 。第一に、それは全体的増幅を約103増加させる。第二に、それは進化しつつ ある集団から個々をサブクローニングする工程を簡略化させる。通常は、RNA 増幅混合物中のほんの僅かなDNA部分のみが完全な二本鎖であるが、PCRで は二本鎖DNA(dsDNA)量は大きく増加する。第三に、それは当該RNA を、RNA触媒ホスホエステル転移反応またはアミド切断反応に参画できる形に 復帰させる。ホスホエステル転移またはアミド切断の後、リボザイムはその3’ 端に結合した基質の3’部分を有し、選択的RNA増幅の後、当該基質配列はし ばらく結合したままである(図2Aおよび2B参照)。しかしながら、インビトロ 転写を伴うその後のPCRの使用はリボザイムの最初の3’端を回復させる。 したがって、変異、選別および増幅の全工程(すなわちアミド結合を切断でき る酵素性RNA分子を巧緻技術によって作出する方法)は、以下の順序の工程に したがって簡便に表記することができる。 1.リボザイム集団を得て; 2.当該集団に遺伝的変化を導入し; 3.得られた“変異体”集団から子め設定した選別基準に合致する個々の変異 体を特定し; 4.当該特定(または選別)した個々の変異体を当該集団の残余のものから分 離し; 5.適切なプライマーを調製し;さらに 6.当該選別した個々の変異体を増幅させる。 前述の工程は、多数の変異体集団を作出するために所望の回数繰り返すことが できる。種々の実施態様では、工程6で製造される増幅集団を、工程1で始まる 次の“世代”での“出発集団”として用いることが意図されている。 工程5は表示した時間的流れで実施する必要がないことは当業者には理解され るところである。すなわち、プライマーはいつでも調製することができ、プライ マーの調製は予め設定した選別基準を理解することが必要である。例えば、予め 設定した選別基準が、DNAを切断することができるリボザイムの特定である場 合は、DNA含有生成物がまだ当該リボザイムに結合しているときにリボザイム を増幅させるプライマーが調製されるであろう。逆に、選別基準がアミド切断能 をもつリボザイムの特定であるときは、アミノ酸含有生成物が当該リボザイムか ら解離した後でリボザイムを増幅させるプライマーが調製されるであろう。 4.基質切断活性 RNAの不均質集団からの開始、標的反応におけるRNA触媒作用による進行、触媒 的に活性なRNAの選択的増幅、その選択的増幅産物の逆転写、変異原性PCR)及び RNAの後代分布を生じるインビトロ転写の連続の全ての事象は、“世代”と呼ば れる。典型的には、世代は分析作業の時間を除く1〜2日の実験で終わる。変異体 RNAの最初の集団は“世代0”と呼ばれ、続いての集団は“世代1”、“世代2”な どと呼ばれる。原則として、得られる連続世代の数は制限されない。 典型的には、各世代は20ピコモルのRNAから開始する。選択的増幅後と転写後 にもRNA量を定量する。 実際には、選択基準を妨げる“寄生体”を生じる危険が常にあり、最も反応性 のある種より効率よく増幅される。例えば、内部部位に増幅プライマーの1つの 虚偽のハイブリッド形成を可能にする配列ができ、全長リボザイムより効率よく 増幅されるヌクレオチド欠失を含む種を生じる。従って、発生した集団をモニタ ーしかつそのような“寄生体”が出現する場合には除去することが重要である。 a.DNA 切断集団 リボザイム変異休の最初の集団を生成するために、分子の触媒コア全体にラン ダム突然変異を導入した。4種の合成オリゴデオキシヌクレオチドを調製し、各 々が35個のヌクレオチド位置の突然変異を5%/位置の誤差率でランダムに誘発す る。 図3Aは、テトラヒメナリボザイムの二次構造を示すダイヤグラムである(L-21 型)。図3Bは、テトラヒメナリボザイムのL-21型の同様のダイヤグラムであり、 ランダムに突然変異を誘発した領域が示されている(囲んだセグメント)。転写条 件は、実質的には次の通りにした。2ピコモルのDNA鋳型(変異原性オリゴデオキ シヌクレオチドを含む)、2mM NTP、 15mM MgCl2、2mMスペルミジン、5mM DTT、5 0mMトリス-HCl(pH7.5)、1500UのT7 RNAポリメラーゼを60μlの容量まで混合し 、37℃で2時間保持した。RNAを5%ポリアクリルアミド-8M尿素ゲル中の電気泳動 と続いてのセファデックスG-50によるカラムクロマトグラフィーにより精製した 。 縮重オリゴデオキシヌクレオチドをリボザイムをコードするDNA鋳型に組み込 み、その鋳型を転写して直接変異体RNAを作製した(Joyce & Inouye,Nucl.Acids Res .17 :711(1989))。20ピコモル(1013分子)の物質を最初に用いた。従って、世 代0集団は、野生型リボザイム、可能な全ての1-、2-、3-、及び4-誤差変異体、 及びサンプリングの高誤差変異体を含むことが予想された(表2参照)。 表2は、最初の集団(世代0)の組成を示す表である。長さvと縮重dのドープ したオリゴヌクレオチドにおいて“K”誤差をもつ確率“P”は、P(k,v,d)=[v! /(v-k!k)]dk(1-d)v-kで示される。合計140個の位置の突然変異が5%/位置の縮重( d=0.05)でランダムに誘発された(v=140)。長さvの異なるk-誤差配列の数はNk=[ v!/(v-k)!k!]3kで示される。予想されるコピー数/配列は、20ピコモルの集団サ イズに基づく(1.2×1013分子)。 表2 進化の実験は10連続世代に及び、各世代は20ピコモルのRNAから開始した。RNA の量を選択的増幅後と転写後に定量した(示されていない)。 10連続世代にわたる進化過程を図にし、RNA集団サイズの経時変化を強調した 。データを次の通り作製した。(1)[3H]ウラシル含量で定量した、転写後のRNA集 団サイズ;(2)20ピコモル部分に対する各世代開始のRNA集団サイズ;(3)本明細書 に記載される分析で定量した、基質との反応後のRNA集団サイズ;及び(4)[α-32P ]GT標識後代RNAの4℃酸沈降により定量した、選択的増幅後のRNA集団サイズ。集 団サイズ(ピコモル)を世代0〜10に対してプロットした(G0-G10;データは示され ていない)。一般的には、グループ(1)と(2)の集団サイズはかなりのレベルが保 たれた。グループ(4)の集団サイズは幾分ばらついたが約10ピコモルで保たれ、 グループ(3)はG0〜G10から一様に、G0の0.1ピコモルよりかなり小さいものからG 10の1ピコモルを超えるまで上昇した。 全体としての集団のDNA切断活性を[5'-32P]標識d(GGCCCTCT-A3(TA3)3)(配列番 号17)の切断を含むゲル電気泳動分析によりモニターしてd(GGCCCTCT)(配列番号1 6)を得た(データは示されていない)。酵素の不在下、野生型テトラヒメナリボザ イム(L-21型)の存在下及び各世代(Gn;n=0-10)で得られたRNAの集団の存在下に基 質(“S”)d(GGCCCTCT-A3(TA3)3)(配列番号17)の切断を測定した(データは示さ れていない)。 反応条件は次のようにした:0.5μMリボザイム、0.1μM基質(2.6μCi/ピコモ ル)、30mM EPPS(pH7.5);10mM MgCl2,37℃,1時間(低)か50mM MgCl2,2mMスペ ルミジン,50℃,1時間(高)。反応産物を20%ポリアクリルアミド-8M尿素ゲル中 の電気泳動で分離し、そのオートラジオグラムを作成した;Pは[5'-32P]d(GGCCCT CT)(配列番号16)を示し、P+1は[5'-32P]d(GGCCCTCTA)(配列番号24)を示す(示さ れていない)。 一般的には、ある突然変異は有益であるよりも有害であると思われるがかなり 多くの中立突然変異があることが予想される。実際に、世代0集団のDNA切断活 性は野生型(wt)より効率が悪い。生理的条件下のDNA切断活性に選ばれた世代1 集団は、野生型よりわずかに改善された。連続世代によって表現型の改善が続け られた。世代7まで、全体としての集団は高温、高MgCl2条件の野生型より37℃ と10mM MgCl2で効率よくDNAを切断した。世代10まで、改善率はまだ一様であっ た。 各世代からのRNAをポリアクリルアミドゲル電気泳動とセフアデックスクロマ トグラフィーで精製した。DNA切断活性の形式分析を与えるために、d(GGCCCTCT- A3(TA3)3)[5'-32P]A)基質(配列番号26)を次のように調製し、リボザイム-d(A3(T A3)3A)共有結合中間体とRNA触媒部位特異的加水分解産物d(A3(TA3)3A)(配列番号 25)双方の形成を測定した(示されていない)。(Inoueら,J .Mol.Biol.189:143( 1986)を参照されたい。) [3'-32P]dA標識d(GGCCCTCT-A3(TA3)3)[5'-32P]A)(配列番号26)の切断をオート ラジオグラム前に上記の反応条件下で行った。基質(S)、酵素/産物(EP)及び産物 (P)(図2参照)を20%ポリアクリルアミド-8M尿素中の電気泳動で分離した。個々 のバンドをゲルから切り離し、チェレンコフ計数により定量した。EP(全体の%) をリボザイム世代に対してプロットし、上記“低”及び“高”条件下にwt(野生 型)リボザイムを用いたデータと比較した。データポイントは、2種類の異なる基 質標晶を用いて異なる3日間で行った5回の実験の平均とした。誤差バーは±1SD に対応した(データは示されていない)。EP値はG0-G4から徐々に増大し、G4〜G10 で全体の8%を超える値まで劇的に上昇した(示されていない)。 次の手順によって基質を調製した。[5'-32P]標識DNA基質をターミナルデオキ シヌクレオチドトランスフェラーゼで調製した。反応条件は次のようにした:4μ M d(GGCCCTCT-A3(TA3)3)(配列番号17)、1μM[α-32P]dATP(3μCi/ピコモル)、 1mM CoCl2、1mM DTT、50mMカコジル酸カリウム(pH7.2)及び2.7U/μlのターミナルト ランスフェラーゼ(BRL)を37℃で30分間インキュベートした。 単一dA残基の付加に対応する産物を20%ポリアクリルアミド-8M尿素ゲルと続い てのNENSORB(DuPont,デラウェア州ウィルミントン)によるアフィニティークロ マトグラフィーで精製した。加水分解産物は、DNA基質の直接切断かリボザイム- d(A3(TA3)3A)共有結合中間体の切断によって形成する。それらの反応は共に5%未 満の切断基質とみなしている。 10世代後、全体として集団のDNA切断活性は野生型より30倍大きかった。選択 がEP共有結合中間体に対するプライマーハイブリッド形成に基づくことから(図2 B参照)、続いての部位特異的加水分解反応に対して選択が影響する。結果として 、最初のホスホエステル転移事象に相対する加水分解反応の効率は、野生型集団 の4.9%から世代10集団の1.5%まで落ちる。標的ホスホジエステルでのDNAの正確 な切断を好む選択が影響する。不正確な切断により選択的増幅を開始するために 用いられるプライマーの部分的ミスマッチが生じる。切断の精度は、まず、野生 型集団の90%から世代8集団の45%まで落ち、次に、世代10集団の60%に上昇する 。全体の選択的平均をもつために切断活性の改善の精度を犠牲にする集団の個体 がある(下記参照)。好ましい結果は、精度が高く切断活性が高いことをあわせも つ個体であることは当然のことである。 b.アミダーゼ/ペプチダーゼ集団 全体としての集団の基質切断活性は、一般的には、特定の産物を得る[5'-32P] 標識基質の切断を含むゲル電気泳動分析によってモニターされる。酵素の不在下 、野生型テトラヒメナリボザイム(L-21型)の存在下及び各世代(Gn;nが数値0か ら始まる)で得られたRNAの集団の存在下に基質(“S”)の切断を測定する。 反応条件は種々のパラメーター、例えば、基質認識、親和性、切断等に依存し て変動する。一般的には、反応条件は次のようにした。0.5μMリボザイム、0.1 μM基質(2.6μCi/ピコモル)、30mM EPPS(pH7.5)及び10mM MgCl2を混合し、37℃ で約1時間維持した。反応産物を20%ポリアクリルアミド-8M尿素ゲル中の電気泳 動で分離し、そのオートラジオグラムを作成した。 一般的には、ある突然変異は有益であるよりも有害であると思われるがかなり 多くの中立突然変異があることが子想される。しかしながら、連続世代まで表現 型の連続改善が生じることが認められ、続いての世代においては改善率が増大す ることが予想される。各世代からのRNAは、一般的には、ポリアクリルアミドゲ ル電気泳動とセファデックスクロマトグラフィーで精製した。DNA切断活性の形 式分析を与えるために、[5'-32P]標識基質を次のように調製し、リボザイム共有 結合中間体とRNA触媒部位特異的切断産物双方の形成を測定する。(Inoueら,J .Mol.Biol.189 :143(1986)を参照されたい。)32P標識基質の切断は、一般的 には、オートラジオグラム前に上記の反応条件下で行われる。基質(S)、酵素/産 物(EP)及び産物(P)が20%ポリアクリルアミド-8M尿素ゲル中の電気泳動で分離さ れる。個々のバンドをゲルから切り離し、チェレンコフ計数により定量される。 平均して、2種類の異なる基質標晶を用いて異なる3日間5回の実験を行った後 、データポイントをプロットする(示されていない)。 5.サブクローンの調製と配列決定 自然集団の進化が達成された実体であるが、実験を進化ヒストリーの時期に接 近することを可能にするインビトロ進化は進行中の研究である。世代ごとに進化 している集団からサブクローンを得てから個々のリボザイムの配列を決定する。 a.DNA 切断集団 進化している集団から世代ごとに実質的に次のようにサブクローンを得た。各 世代のRNAの集団を転写するために用いられるDNA(上記下位項1-3参照)をプライ マー 5'-CCAAGCTTGATCTCGAGTACTCCAAAACTAATC-3'(配列番号27)と、 5'-CTGCAGAATTCTAATACGACTCACTATAGGAGGGAAAAGTTATCAGGC-3'(配列番号7)を用い て第2PCR反応で増幅させ、末端にユニークな制限部位をもつ435bp(塩基対)を作 製した。断片をEco RIとHind IIIで消化し、Eco RIとHind IIIで線状にしたpUC1 8ベクターに結合し、1.5%アガロースゲルで精製した。得られたプラスミドDNAを 用いてDH5α-F'コンピテント細胞を形質転換してから(Hanahan,DNA Cloning:A Practical Approach D.M.Glover,ed.,IRL Press,Oxford,1985 ,pp.109-135参照)、アンピシリン含有プレート上で増殖した。個々のコロニー をランダムに選び、液体培養液中で一晩増殖した。DNAを加熱溶解法(Holmesら,A nal .Biochem.114 :193(1981))で調製し、制限消化により挿入断片をスクリーニ ングした。 言及したように世代ごとに進化している集団からサブクローンを得た。世代3 、6と9について詳細な分析を選んだ。世代3と6の25サブクローン及び世代9 の50サブクローンからDNAを調製した。それらの各サブクローンの全リボザイム 遺伝子のヌクレオチドを実質的に次のように求めた。 クローン化した個体の配列を、pUCプラスミドと適合する相互プライマー5'-GT AAAACGACGGCCAGT-3'(配列番号9)と5'-CATGATTACGAATTCTA-3'(配列番号10)を用 いるジデオキシ鎖終結法(Sangerら,PNAS USA 74:5463(1977);Zagurskyら,Gene A nal .Tech.2 :89(1985))で決定した。配列決定反応は修飾したT7 DNAポリメラー ゼ(シークエナーゼ、USB)と[35S](α-チオリン酸)dATPを用い、6%ポリアクリル アミド-8M尿素ゲル中の電気泳動で分析した。個々のサブクローンのヌクレオチ ド配列を得た(示されていない)。 決定した配列の分析から進化ヒストリー過程で遺伝子型がどのように変化する かが示された(示されていない)。世代0から世代3までの変化はリボザイムの多 量の触媒コア全体で除いた。サブクローンに対する突然変異の平均数は、世代0 の7.0から世代3の2.7まで減少した。世代3だけ、進行中の突然変異事象のため にランダム突然変異のもとのゾーンの外に少数の突然変異が生じた(示されてい ない)。共通配列は、野生型のままであったが、25サブクローンの1つだけが全 野生型配列であった。 世代3から世代6までのリボザイム内の5つの位置の劇的な突然変異の蓄積は 、全体としての集団の表現型における3倍の改善と一致した。世代6から世代9 までのこれらの位置は更に強調され、集合体の表現型は他の3倍改善された。サ ブクローンに対する突然変異の平均数は、サブクローンの大きな集団が共通突然 変異を採用するにつれて及び突然変異がランダム突然変異のもとのゾーンの外に 蓄積するにつれて世代6で4.6に世代9で5.9に上昇した。 最も頻繁な突然変異は、94位のA→Y(Y=U又はC)の変化であった(94:A→Y)。こ の突然変異は、世代3では25サブクローンのうち1つだけがA→Uとして存在した 。世代6では、25のほかに15、A→Uとして12及びA→Cとして3存在し、世代9で は、50のほかに35、A→Uとして22とA→Cとして13が存在した。94位は、野生型リ ボザイムの二次構造では不対塩基対であった(Burkeら,Nucleic Acids Res .15: 7217(1987))。隣接の位置につくられる部位特定突然変異の作用を考慮すると(Yo ungら,Cell 67:1007(1991))、94:A→Yの変化は分子の触媒コアに相対するリボ ザイム結合基質の向きを変えることがある。 世代3の25サブクローンのうち4、世代6の25サブクローンのうち6及び世代 9の50サブクローンのうち22に存在する頻繁な他の突然変異は、215位のG→Aの 変化であった。この突然変異は、リボザイムの触媒コア内でG・Uゆらぎ塩基対をA・ Uワトソン・クリック塩基対に変換する。分析した87のグループIイントロン配 列中、39にG・Uがあり、28にG・Cがあり、4だけこの位置にA・Uがあった(Michelら ,J .Mol.Biol.216:585(1990))。 最も注目すべき突然変異は、常に共に存在する313位のG→Uの変化と314位のA →G変化であった。これらの突然変異は、世代3に存在しないが世代6の25サブ クローンのうちの5及び世代9の50サブクローンのうちの16に存在した。313-31 4位に通常存在するGA配列は、リボザイムの3'グアノシン末端残基を触媒コアに 引きつける短い二重らせん構造(5'P9.0塩基対の1/2)を形成すると考えられる(Mi chelら,Nature 342:391(1989);Michelら,Genes Dev .4:777(1990))。3'末端グ アノシンを標的ホスホエステル転移反応における求核基として用いた。313-314 の突然変異はP9.0塩基対合を破壊することが予想されるが、DNA切断に対して選 択的利点を与える(下記参照)。 313-314の突然変異が存在しない場合にのみ生じる312位に頻繁なG→Aの変化が あった。312:G→Aの変化は、世代3の25サブクローンのうち4及び世代6の25サ ブクローンのうち8に存在したが世代9では50サブクローンのうち5だけであっ た。集団頻度については、313-314:GA→UGの突然変異が多くなるにつれて312:G →Aの突然変異が減少した。 b.アミダーゼ/ペプチダーゼ集団 (1)サブクローンの調製 サブクローンを調製する有効な方法は、Beaudry & Joyce,Science 257:635-6 41(1992)に記載されている。例えば、各世代のRNAの集団を転写するために用い られるDNAを適当なプライマーを用いる第2PCR反応で増幅し、末端にユニークな 制限部位を有する435bp(塩基対)を作製した。断片をEco RIとHind IIIで消化し 、Eco RIとHind IIIで線状にしたpUC18ベクターに結合し、1.5%アガロースゲル で精製した(Beaudry&Joyce,上掲書(1992)参照)。得られたプラスミドDNAを用 いてDH5 α-F'コンピテント細胞を形質転換してから(Hanahan,DNA Cloning:A P ractical Approach, D.M.Glover,ed.,IRL Press,Oxford,1985,pp.109-135 参照)、アンピシリン含有プレート上で増殖した。個々のコロニーをランダムに 選び、液体培養液中で一晩増殖した。DNAを加熱溶解法(Holmesら,Anal .Biochem .114 :193(1981))で調製し、制限消化により挿入断片をスクリーニングした。 サブクローンを調製する他の有効な方法は次の通りである。インビトロジェン TAクローニングキット(Invitrogen,カリフォルニア州サンディエゴ)を用いてサ ブクローンを得た。G27のPCR DNAを線状にしたプラスミドに結合し、得られたDN Aを用いてINVαF'コンピテント細胞を形質転換し、アンピシリン/X-galプレート 上で増殖した。挿入断片を含む個々のコロニーを白色で同定し、ランダムに選び 、液体培養液中で一晩増殖した。プラスミドDNAを加熱溶解法(Holmes & Quigley ,Anal .Biochem.114:193(1981))で調製し、制限消化により挿入断片の存在を スクリーニングした。 (2)配列決定 言及したように世代ごとに進化している集団からサブクローンが得られる。詳 細な分析のために個々の世代が選ばれる。これらの各サブクローンの全リボザイ ム遺伝子のヌクレオチドを実質的に次のように求める。 クローン化した個体の配列を、一般的には、pUCプラスミドと適合する相互プ ライマー5'-GTAAAACGACGGCCAGT-3'(配列番号9)と5'-CATGATTACGAATTCTA-3'(配 列番号10)を用いるジデオキシ鎖終結法(Sangerら,PNAS USA 74:5463(1977); Zagurskyら,Gene Anal .Tech.2:89(1985))で決定する。配列決定反応は修飾し たT7 DNAポリメラーゼ(シークエナーゼ、USB)と[35S](α-チオリン酸)dATPを用 い、6%ポリアクリルアミド-8M尿素ゲル中の電気泳動で分析した。個々のサブク ローンのヌクレオチド配列を得た(示されていない)。 個々のリボザイムを次のように調製した。リボザイムをコードしている遺伝子 をプライマー1bとプライマー2を用いてPCRで増幅した。得られたDNAをインビト ロ転写の鋳型として用いた。RNA産物をポリアクリルアミドゲル電気泳動で単離 し、上記のように精製及び定量した。(Tsang & Joyce,Biochemistry 33:5966- 5973(1994)を参照されたい。) 決定した配列の分析から進化ヒストリーの過程で遺伝子型がどのように変化す るかが示される。世代0から世代3までの変化は、世代0を生じるように変異原 性プライマーの使用によってもとのリボザイム鋳型に導入されたものであり、リ ボザイムの多量の触媒コア全体で除いた。サブクローンに対する突然変異の平均 数は、世代0の7.0から世代3の2.7まで減少した。世代3だけ、進行中の突然変 異事象のためにランダム突然変異のもとのゾーンの外に少数の突然変異が生じた 。共通配列は、野生型である傾向のままであった。続いての世代の分析から突然 変異の蓄積が全体としての集団の表現型の改善と一致することが示される。サブ クローンに対する突然変異の平均数は、サブクローンの大きな集団が共通の突然 変異を採用するのにつれて及び突然変異がランダム突然変異のもとのゾーンの外 に蓄積するのにつれて増加することが認められた。 RNAに基づく進化系の関係において遺伝子型と表現型間の関係は、触媒、速度 諭及び匹敵するデータが集められかつ分析されると容易に正式なものになる。遺 伝子型は行列Aとして表され、列は集団における個体に対応し、欄はヌクレオチ ド配列内で機能上重要な位置に対応する。具体的な分析は、Beaudry & Joyce,S cience 257 :635-641(1992)に示されている。 相対的に少数の個体から得られたデータは、高頻度の受容された突然変異に基 づいて最も重要であることが既知であるヌクレオチドの位置に対してさえ、表現 型に対する遺伝子型の関係に有意義な解決を与えるには十分ではない。そのとき は、突然変異が個々の実験を正しいとするのに十分に重要であることを決定する ために援助する指針として重要である適切なベクターを用いるように選ばれる。 (例えば、Beaudry & Joyce,上掲書(1992)参照)。 6.部位特定突然変異誘発 単一又は複数の点突然変異を含む個々の酵素RNA分子は、個々の突然変異の相 対する意味を解析するための部位特定突然変異によって調製される。次に、適切 な[5'-35P]標識オリゴデオキシリボヌクレオチド基質を用いて触媒活性が実験さ れる。部位特定突然変異は、実質的にMorinagaら,Biotechnology 2:636(1984) に記載されるように行われ、次のように記載される。 プラスミドpT7L-21(Zaugら,Biochemistry 27:8924(1988))を(i)Eco RIとHind IIIで消化してリボザイムコード領域を取り出すか又は(ii)Bsa IとXmn Iで消 化してアンピシリン耐性遺伝子を取り出す。得られた断片を1%アガロースゲルで 精製し、所望の突然変異を導入する5'リン酸化合成オリゴデオキシヌクレオチド の存在下に交差ハイブリッド形成する。アニーリング混合物は、典型的には、0. 06ピコモルのpT7L-21(ΔEco RI-Hind III)、0.06ピコモルのpT7L-21(ΔBsaI-Xmn I)、15ピコモルの変異原性オリゴデオキシヌクレオチド、40mMトリス-HCI(pH7.2 )及び8mMMgSO4を12μl容量で含み、100℃まで3分間加熱してから30℃で30分間 及び0℃で10分間インキュベートする。 アニーリング産物をE.coli DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメント(Boeh ringer-Mannheim,インディアナ州インディアナポリス)とT4 DNAリガーゼ(U.S. Biochemical,オハイオ州クリーヴランド)で完全に二本鎖にしてからアンピシリ ン含有プレート上で増殖するDH5α-F'コンピテント細胞を形質転換するために用 いる。プローブとして[5'-35P]標識変異原性オリゴデオキシヌクレオチドを用い るコロニーハイブリッド形成法によりコロニーをスクリーニングする(Grunstein ら,PNAS USA 72:3961(1975))。DNAを正のコロニーから調製し、上記のようにリ ボザイム遺伝子全体の配列を決定する。 引き続き、DNA鋳型から実質的に次のように行われるインビトロ転写によってR NAを調製する。転写条件:2ピコモルのDNA鋳型(変異原性オリゴデオキシヌクレ オチドを含む)、2mMヌクレオチド三リン酸(NTP)、15mM kgCl2、2mMスペルミ ジン、5mMジチオトレイトール(DTT)、50mMトリス-HCl(pH7.5)、1500UのT7 RNAポ リメラーゼ;60μl容量;37℃,2時間。RNAを5%ポリアクリルアミド−8H尿素ゲ ル中の電気泳動と続いてのセファデックスG-50によるカラムクロマトグラフィー で精製する。 予め選択した部位に1以上の点突然変異をもつRNA酵素分子を製造するために 所望されるほど何度も前記手順が繰り返される。例えば、ポリペプチド配列内で アミノ酸を結合すること及び所定の部位で隣接するアミノ酸をつなぐ結合を切断 することを可能にするリボザイムを設計及び同定する本明細書に開示されたイン ビトロ進化法の使用のほかに、同じ目的を達成するためにRNA酵素分子上の活性 部位を修飾する本明細書に開示される部位特定突然変異誘発法が用いられる。 例えば、予め選ばれたリボザイム上の認識部位を修飾する、例えば、前記部位 のヌクレオチド配列を正確な重複配列又は実質的なミミック、1以上の個々のア ミノ酸を結合することができるヌクレオチド共通配列に変えることにより修飾す る本明細書に開示された手法が用いられる。本明細書に開示された方法に従って RNA酵素分子の認識部位に組み込まれる具体的な共通配列は、当該技術において 利用でき、数例を示すConnellら,Science 264:1137-1141(1994);Connellら,Bi ochemistry 32 :5497-5502(1993);Famulok,J .Am.Chem.Soc.116:1698-1706(1 994)に記載されているものが含まれる。他の有用な配列は、本明細書に記載され る方法を用いて同定される。例えば、上記B.2項を参照されたい。 7.速度論的分析 反応時間の減少は、kcat値が増大したRNA酵素分子の選択を容易にする傾向が ある。代表的なリボザイムは、進化している集団から選ばれ、使用した個体のkc at 値とKM値を求めるために各世代で分析される。しかしながら、使用したリボザ イムのkcat値とKM値が全集団の平均値と必ずしも等価でないことは理解されなけ ればならない。 切断反応は、通常は、(5'-32P)標識基質を用いて10mM MgCl2、30mM EPPS(pH7. 5)及び40μg/μIBSA中37℃で行われる。BSAは、オリゴヌクレオチドが500μl のエッペンドルフ管の壁に付着しないように添加され、反応の過程に影響しない 。 リボザイムと基質は、37℃で15分間別個にプレインキュベートされてから反応を 開始するために混合される。典型的には、各3〜10μlの5分割量を反応混合液 から指定した時間に取り出し、8M尿素、50〜100mM EDTA、0.05%キシレンシアノ ール、0.05%ブロモフェノールブルー、10%SDS、9mMトリス-ホウ酸塩(pH8.3)及び 20%スクロースを含む1〜2容量の氷冷混合液に加えることにより冷却する。基質 と産物を20%ポリアクリルアミド/8M尿素ゲル中の電気泳動で分離し、オートラジ オグラフィーで可視化し、ゲルから切り出し、チェレンコフ計数により定量する 。 KM値とkcat値をリボザイムより過剰量(E)の基質(S)を用いた実験で求める。基 質濃度の範囲にわたって反応の初速度(VO)を初期直線相、通常は反応の最初の5% 以下から算出される。典型的には8データポイントを式:v=KM(vO/[S])+Vmaxで示 される理論線に最小自乗法であてはめた。 単一代謝回転実験は過剰量の基質中リボザイムを用いて行われる(Herschlag & Cech,Biochemistry 29:10159-10171(1990b))。最初の5%を超えない反応を用い て初速度(kobs)を得る。kcat/KM=kobs/[E]とすれば、種々のリボザイム濃度で 得られた各kobs値によりkcat/KMの推定値が得られた。通常は8以上のkcat/KM 測定値が得られる。 アミド切断リボザイムの個々の触媒特性は、インビトロ進化操作で選択束縛の 適切な操作により最適化される。例えば、適度なアミド結合切断活性を強化した リボザイムの不均一集団から開始すると、連続世代が引き起こされて触媒速度が 連続して改善されかつ基質結合親和性をもつアミダーゼ活性を有するリボザイム を得る。 8.結合定数の測定 リボザイムと産物(P)間の複合体の平衡結合定数、KDを未変性ポリアクリルア ミドゲル中ゲルシフト分析により求める(Pyleら,PNAS USA 87:8187-8191(1990)) 。2倍の最終濃度のリボザイムを10mM MgCl2及び30mM EPPS(pH7.5)中37℃で15分 間プレインキュベートした後、10mM MgCl2、30mM Epps(pH7.5)、0.05%キシレン シアノール、3%グリセロール及び80μg/μl BSA中同量の0.05〜1nM(5'-32P)標 識DNA産物と混合する。その混合液を37℃で15〜60分間平衡にした後、10mM MgCl2 及び30mM EPPS(pH7.5)を含む10%ポリアクリルアミドゲルに充填する。電気泳動 緩衝液は、10mM MgCl2及び30mM EPPS(pH7.5)を含有する。試料がゲルに入るまで 37℃の部屋でゲルに6ミリアンペアで流してから4℃の冷たい部屋に移し、電流 を30ミリアンペアに上げる。これは、ゲルの温度が37℃より高く上がらないよう にするために行われる。リボザイム産物複合体と遊離産物をオートラジオフラフ ィーで可視化し、ゲルから切り離し、チェレンコフ計数により定量する。 リボザイム濃度の範囲にわたってリボザイムに結合した産物の%(結合%)をプロ ットすることにより結合曲線を作成する。最小自乗法を用いてデータを理論結合 曲線にあてはめることによりKDを求める。リボザイムが産物より莫大な過剰量で あることから、理論結合曲線は式:結合%=[E]/([E]+KD)で表され、全産物の1/2 がリボザイムに結合される場合にはKD=[E]である。 基質は、ヌクレオチド又はヌクレオチドアナログであることを必要としない。 基質と反応するRNAが増幅過程に関して反応性でない分子から区別されるように 標識されることが必要であるだけである。例えば、反応性RNAは固体支持体に結 合される基質部分に結合され、反応性でないRNAは洗い流され、選択的に増幅さ れる結合RNAが残る。これらの及び他の方法は本明細書の他の所で述べられる。 9.更に進化した種を生じる特定進化の拡張 ダーウィン的進化の試験管内モデルとして、巨大分子触媒の集団を新規な触媒 機能の発現をめざした。本明細書に示される実施例においては、DNAを切断する リボザイムと生理的条件下で効率が改善されたアミド結合切断活性を示すリボザ イムの開発がここに示された。 a.インビトロ進化 本明細書に記載されるリボザイム集団の世代から開始してインビトロ進化の連 続世代を行う。集団内の変異はPCR増幅で維持され、1世代1ヌクレオチド位置 に対して〜0.1%の割合で突然変異を導入する。突然変異が進行中であることから 、ダーウィン的原理に基づいて進化が生じる。後代リボザイムは、親分子が所有 し ない好ましい本来の性質を与える新しい突然変異を獲得する機会がある。この現 象は、後続の世代にわたって受容された突然変異の頻度の一様な増加によって反 映する(示されていない)。 b.基質結合親和性の改善 RNA酵素分子の任意の世代から開始して基質濃度を、例えば、10μMから0.2μ Mまで下げて基質結合親和性を高めた個体を容易にする影響の大きい選択を加え た。この変化の影響を評価するために、リボザイムと産物間の複合体のKD値を一 定の間隔で、例えば、3世代ごとにリボザイムの集団に対して求める。 本明細書に記載された操作が行われる場合、インビトロ進化の連続世代にわた って基質結合親和性の改善が認められることが予想される。 ゲルシフト分析で切断反応を避けるために基質よりは産物が用いられる。産物 の結合親和性は、野生型リボザイムが産物を結合する場合に同じ親和性でRNA基 質を結合することを示す以前の研究に基づいて基質と同様であると考えられる(P yleら,PNAS USA 87:8187-8191(1990);Herschlag & Cech,Biochemistry 29:101 59-10171(1990))。 実施例2 進化しているDNA切断集団の分析 世代9の14サブクローンからのDNAを転写して個々のRNAを作製し、ポリアクリ ルアミドゲル電気泳動とセファデックスクロマトグラフィーで精製した。それら のRNAの触媒挙動を配列GGCCCTCTC-A3(TA3)3(配列番号29)をもつ[5'-32P]と[3'-3 2 P]標識DNA基質及びGGCCCUCUC-A3(UA3)3(配列番号28)をもつ[5'-32P]と[α-32P] -ATP標識RNA基質を用いて実験した。我々の選択基準に最も適切な速度論的パラ メーターは、37℃で1時間後にDNA基質の3'部分に結合されるリボザイム分子と1 0mM MgCl2の割合とした。50℃のDNA基質と50mM MgCl2との反応及び37℃のRNA基 質と10mM MgCl2との反応に関するそれらのデータと比較しうるデータを集め、プ ロットした(データは示されていない)。 世代9で得られた14の個々のリボザイムの触媒活性を求めた(示されていない) 。リボザイムを転写し、実施例1に記載される手順に従って分析した。合成オリ ゴデオキシヌクレオチド鋳型によるインビトロ転写でRNA基質を調製した。反応 条件は、上記図3に示されたデータに記載された通りであるが基質の3'部分を標 識する0.003μCi/ピコモルの[α-32P]ATPを含めた。 標的反応におけるDNA切断活性について14の個々のRNAはかなり不均質性であっ た。全て野生型より活性であり、最良のもの(クローン29と23)は約60倍以上活性 であった。最も活性な5個体は、高温と高MgCl2条件下より生理的条件下で活性 であった。14個体は全て集団がRNAで攻撃されてなくてもRNA基質との活性が改善 された。RNA切断活性の改善は、主に部位特異的加水分解反応における高活性に よるものであり(r=+0.93)、高代謝回転を可能にした(データは示されていない) 。 上述のように、DNA基質との反応においてEP共有結合中間体の部位特異的加水 分解に対する選択が影響する。実際に、14個体のうち1つを除く全部は野生型に 比べて結合DNAの加水分解切断が減少した。個体の1つを除く全部はRNA基質によ る加水分解切断が増加した。更に、DNAとRNAの加水分解切断間に負の強い相関が あった(r=-0.93)。集団は2つのグループ:低DNAと高RNAの加水分解活性を有する ものと高DNAと低RNAの加水分解活性を有するものに明らかに分けられる(示され ていない)。前者グループの9種は全て313-314:GA→UG突然変異をもつが、後者 グループの5種は全てその変化がなかった。 イーディー・ホフステープロットを用いて野生型リボザイムと世代9からのク ローン29と23による(5'-32P)標識d(GGCCCTCT-A3(TA3)3)(配列番号17)の切断のKm (負の勾配)とVmax(y切片)を求めた。VO(nM/min)をVO/[S](103min-1)に対してプ ロットし、反応条件は次にようにした:1μMリボザイム、10mM MgCl2、30mM EPP S(pH7.5)、37℃;野生型10、20、40及び80μM基質に対して0.25、30、60、120、 180及び240分;クローン23、2.5、5、10及び20μM基質に対して0.25、5、10、20 及び30分(データは示されていない)。リボザイムと基質をまず10mM MgCl2、30mM EPPS(pH7.5)、37℃中で15分間別々にインキュベートしてから混合して反応を開 始した。 野生型、クローン29とクローン23のリボザイムのデータを作成しプロットした 。各データポイントは、初速度の3回の独立した測定の平均とした(示されてい ない)。上記のように作成したプロットにおいて、VO/[S](103min-1)を横軸にプ ロットし、VO(nm/min)を縦軸にプロットした。反応の程度は、選択した時間にわ たって線状であった(rmin=0.94、ravg=0.99)。(国際公開第WO95/31551号;Beaudr y & Joyce,上掲書(1992)参照)。 クローン29と23を詳細な速度論的分析のために選び、野生型リボザイムと比較 した。37℃の[5'-32P]標識d(GGCCCTCT-A3(TA3)3)(配列番号17)基質及び10mM MgC l2と1μMリボザイム及び過剰量の基質との反応の初速度を求めた。VO/[S]の関 数としてVOのイーディー・ホフステープロットを用いてVmaxとKmを得た(データ は示されていない)。このデータから、kcutとkcat/Kmを算出した。野生型リボザ イムについては、KM=6.6μM及びkcat=0.0002min-1(kcat/Km=36M-1min-1)。これ は、50℃の関連反応における野生型リボザイムと10mM MgCl2について以前に報告 されたKm=30μMとkcat=0.006min-1に匹敵する(Herschlagら,上掲書(1990))。 クローン29については、Km=2.0μM及びkcat=0.007min-1(kcat/Km=3600M-1min-1 );クローン23については、Km=1.9μM及びkcat=0.005min-1(kcat/Km=2700M-1min-1 )(37℃と10mM MgCl2で得られたデータ)。従って、Kmとkcat双方が改善された ことから、2つの進化したRNAの触媒効率が高められ、野生型より約100倍大きか った。 A.遺伝子型と表現型の相関 RNAに基づく進化系の関係において遺伝子型と表現型間の関係は、行列Aとして 表され、列は集団における個休に対応し、欄はヌクレオチド反応内の機能上重要 な位置に対応する(表3)。 表3は、世代9からの14個体の遺伝子型と表現型を示すものである。遺伝子型 は、バイナリーマトリックスとして示される(角括弧として示される)。表現型は 、行ベクターb1として示され、数値は野生型=1.0に規格化される。実施例1に 記載されるように生理的条件下の[3'-32P]標識DNA基質によりDNA切断と加水分解 活性を求めた。生理的条件下の[5'-32P]標識DNA基質により精度を求め、標的ホ スホジエステル結合で生じる基質切断の断片を測定した。反応条件は実施例 1に記載される通りとした。 表3 1 Avg=14個体の平均 2 G9遺伝子型は第9世代から得られた50サブクローンの平均である; G9表現型は全体としてのG9集団の挙動である 表3に示されるように、表現型は行ベクターbとして表され,その記載事項は 種々の個体の適合性(触媒挙動)の尺度である。次に、式:Ax:bに最も一致する、 即ち、遺伝子型と表現型間の関係の最も一致した線状値を与える列ベクターxが 求められる。最小自乗法の誤差を最小にする解決はx=(A*A)-1A*b(A*はAの転置行 列である)である。このようにして一定の遺伝子型の表現型値を与える秤量ベク ターxが得られる(表3)。 14個体から得られたデータは、高頻度の受容された突然変異に基づいて最も重 要であることが既知であるヌクレオチドの位置についてさえ表現型に対する遺伝 子型の関係に意味のある解決を与えるのに十分ではない。秤量ベクターxは、突 然変異が正しいとする個々の実験に十分に重要であることを決定することを援助 する指針として用いられる。 次の個々の突然変異を部位特定突然変異誘発によって調製した:94:A--U、94:A →C、215:G→A、313:G→U、314:A→G及び313-314:GA→UG。触媒活性をd(GGCCCTC T-A3(TA3)3[5'-32P]A)(配列番号26)基質を用いて実験した。 部位特定突然変異誘発を、次のように記載される実質的にMorinagaら,Biotec hnology 2 :636(1984)に記載されるように行った。プラスミドpT7L-21(Zaugら,B iochemistry 27 :8924(1988))を(i)Eco RIとHind IIIで消化してリボザイムコー ド領域を取り出すか又は(ii)Bsa IとXmn Iで消化してアンピシリン耐性遺伝子 を取り出した。得られた断片を1%アガロースゲルで精製し、所望の突然変異を導 入する5'リン酸化合成オリゴデオキシヌクレオチドの存在下に交差ハイブリッド 形成した。アニーリング混合物は、0.06ピコモルのpT7L-21(ΔEco-Hind)、0.06 ピコモルのpT7L-21(ΔBsa-Xmn)、15ピコモルの変異原性オリゴデオキシヌクレオ チド、40mMトリス-HCl(pH7.2)及び8mM MgSO4を12μl容量で含み、100℃まで3 分間加熱してから30℃で30分間及び0℃で10分間インキュベートした。 アニーリング産物をE.coli DNAポリメラーゼIのクレノウフラグメント(Boeh ringer-Mannheim,インディアナ州インディアナポリス)とT4 DNAリガーゼ(U.S. Biochemical,オハイオ州クリーヴランド)で完全に二本鎖にしてからアンピシリ ン含有プレート上で増殖するDH5α-F'コンピテント細胞を形質転換するた めに用いた。プローブとして[5'-32P]標識変異原性オリゴデオキシヌクレオチド を用いるコロニーハイブリッド形成法によりコロニーをスクリーニングした(Gru nsteinら,PNAS USA 72:3961(1975))。DNAを正のコロニーから調製し、上記のよ うにリボザイム遺伝子全体の配列を決定した。 実質的に次のようにインビトロ転写によってRNAを調製した。転写条件:2ピコ モルのDNA鋳型(変異原性オリゴデオキシヌクレオチドを含む)、2mMヌクレオチド 三リン酸(NTP)、15mM MgCl2、2mMスペルミジン、5mMジチオトレイトール(DTT)、 50mMトリス-HCl(pH7.5)、1500UのT7 RNAポリメラーゼ;60μl容量;37℃,2時間 。RNAを5%ポリアクリルアミド-8M尿素ゲル中の電気泳動と続いてのセファデック スG-50によるカラムクロマトグラフィーで精製した。 個々の突然変異は野生型に比べて活性改善をもたらすが全体として世代9集団 を超える活性を生じない。部位特定突然変異誘発によって得られた個体のDNA切 断活性に関するデータを得た(示されていない)。反応条件は、[3'-32P]dA標識d (GGCCCTCT-A3(TA3))[5'-32P]A)(配列番号26)の切断に関して上記実施例1に記載 される通りとした。記号(-)は酵素の不在を意味し、G9は全体としての世代9集 団を表す。反応産物を20%ポリアクリルアミド-8M尿素ゲル中で分離し、そのオー トラジオグラムを示す。 94:A→U変異体の活性は野生型より7倍大きく、94:A→C変異体では2倍大きい 。313-314:GA→UG二重変異体は313:G→Uか又は314:A→G単一変異体より活性であ り、313-314突然変異がなぜ本明細書で試験した進化個体の中に共に存在するか が説明される。世代9の14個体の分析から予想されるように、313-314:GA→UG突 然変異は野生型に比べてDNA基質の部位特異的加水分解の減少をもたらす。その 突然変異は、ホスホエステル転移活性を高めかつ部位特異的加水分解活性を低下 させるので、EP共有結合中間体の利用可能性に依存する選択束縛を加えることを 満たすのに十分適する。 B.他の進化した種を開発する特定進化の拡張 ダーウィン的進化の試験管内モデルとして、巨大分子触媒の集団の新規な触媒 機能の発現をめざした。本実施例においては、生理的条件下で効率が改善された DNAを切断するリガンドの開発を示した。その進化したRNAを用いて試験管内で標 的DNAを切断した。世代9から得られたリボザイムをE.coliで発現し、M13一本 鎖DNAバクテリオファージにより感染を子防することがわかった(示されていない )。 本発明の満足すべき系統発生は、下記の標的反応においてDNA基質濃度を低下 させた後に第10世代を超えて続いた。最初の10世代まで、基質濃度は野生型のKm とほぼつりあう10μMとした。進化した個体は約2μMのKmを得たので、基質結 合の改善を促進する亜飽和レベルまで基質濃度を下げた。更に、EP共有結合中間 体を生じるホスホエステル転移活性と他の基質分子に作用するリボザイムを含ま ない後続のRNA触媒部位特異的加水分解活性の双方を選択することにより、DNA切 断反応における触媒代謝回転が改善される。 本明細書に用いられる選択スキームはd(CCCTCNA3(TA3)3)(配列番号18)(Nはヌ クレオチドアナログを示す)型の種々の基質に適用され、リボザイムについてホ スホジエステル結合に続く配列CCCTCN(配列番号19)を切断する能力が選択される 。本発明に有効なヌクレオチドアナログの例としては表1に示されるものが挙げ られ、そのほとんどは37CFR§1.822の修飾塩基の認可された表に見られるもので ある(その記載は本願明細書に含まれるものとする)。 本明細書に開示されるRNA酵素分子、ヌクレオチド基質及び方法に特に有効な ヌクレオチドアナログとしては、略号cm、d、gm、i、p、s2c、s2u、s4u、t、um、 araU及びaraTをもつものが含まれる。(これらのアナログの完全な名称は上記表 1に示されている。) 基質は、ヌクレオチド又はヌクレオチドアナログであることを必要としない。 基質と反応するRNAが増幅過程に関して反応性でない分子から区別されるように 標識されることが必要であるだけである。例えば、反応性RNAは固体支持体に結 合される基質部分に結合され、反応性でないRNAは洗い流され、選択的に増幅さ れる結合RNAが残る。これらの及び他の方法は後述される。 C.検討 ここではDNA切断リボザイムの個々の触媒特性がインビトロ進化手順で選択束 縛の適切な操作によって最適化されることが示される。適度なDNA切断活性を強 化したリボザイムの不均一集団から開始して、触媒速度が0.7min-1であり基質結 合親和性が10-9MであるDNA切断リボザイムを得るために18世代を更に行った。こ れらの触媒パラメーターは、野生型に比べて各々103倍及び104倍改善される。KD とKMの最も大きな改善(表4参照)は、DNA基質に対する親和性が高められたリボ ザイムを容易にする選択束縛の変化に応答してG9とG18間に生じた。同様に、代 表的な個体のkcat値に対して(表4)、kcatの最も大きな改善は触媒の高速を容易 にする選択束縛の変化に従ってG18とG27間に生じた。 G27#48とG27#61リボザイムのDNA結合親和性は、野生型リボザイムのRNA結合親 和性に匹敵する。以前の研究から野生型リボザイムはリボザイムの触媒コア内の RNA基質と個々のヌクレオチドの2'-OH基間の相互作用の結果としてDNAより強くR NAを結合することが示された(Pyle & Cech,Nature 350:628-631(1991);Pyleら,Nature 358:123-128(1992);Herschlagら,Biochemistry 32:8299-8311(1993))。 DNA基質をmM親和性で結合する際、進化したリボザイムは5kcalmol-1の結合エネ ルギー(37℃)を更に与える別の相互作用を生じることにより基質2'-OH基がない ことを相殺しなければならない。 テトラヒメナリボザイムは、最初の内部ガイド配列(IGS)と基質間のワトソン ・クリック塩基対合及び第2の第三相互作用によるリボザイムの触媒コアへのIG S/基質二重らせん(P1ヘリックス)のドッキングを含む2段工程によって基質を結 合する(Herschlag,Biochemistry 31:1386-1399(1992);Bevilacquaら,Science 2 58 :1355-1358(1992))。IGSと基質双方の配列がインビトロ進化操作全体で変化し ないことから、第1工程の結合で操作する進化した相殺の突然変異はないと思わ れる。代わりに、5kcal mol-1の結合エネルギーが第2工程の結合に影響する第 三相互作用から生じると思われる。 基質結合を改善することを目指した選択の影響が高められたことに応答して生 じる個々の突然変異を調べることによりかかる相互作用について更に多くがわか る。例えば、リボザイムのJ4/5とJ5/4内部ループにおける位置115、116と205の 突然変異(図1)はG9とG18間の集団においては目立つようになった。野生型リボ ザイムの3次構造モデル(Michel & Westhof,J .Mol.Biol.216:585- 610(1990))と実験に基づく証明からJ4/5領域の残基がIGSと相互作用することが 示される。架橋データに基づいて、Wangら(Science 260:504-508(1993))はP1が リボザイムコアにドッキングされる場合にA114とA115がIGSのG22(L-21型のリボ ザイムの5'末端残基)にきわめて近接していると結論した。115位と116位の突然 変異は新たな接触がIGSでつくられることを可能にすることによりP1ドッキング を高め、基質内に2'-OH基のないことを相殺する。かかる相互作用は、DNAとRNA 双方の基質の結合を強化し、RNA切断活性のわずかな改善とみなすものである。 これは、G27#61リボザイムが切断部位にアラビノース糖がある修飾したRNA基質 を十分に切断するという所見を説明するものである(データは示されていない)。 前述のように、本発明のRNA酵素分子は修飾された塩基又は糖或いはその両者で あるかに無関係にヌクレオチドアナログを含む基質を切断することが可能である 。 P5a領域の188、190と191位に同時に存在する突然変異は、G9とG18間の集団に 目立つようになった。J4/5とJ5/4内部ループ内のこれらの突然変異と同時に存在 する突然変異間の相関(結果参照)からこれらの2つの領域間の可能な相互作用が 示される。J4/5とJ5/4内部ループにきわめて近接して残基G188、U190とG191を入 れるJ5/5a内部ループ(Murphy & Cech,Biochem .32:5291-5300(1993))で曲げる ことによりP5aのアデノシンを多く含むバルジ(図1;183-186位)がP4(Florら,EMB O J .8 :3391-3399(1989))と相互作用することが提案された。即ち、P5aの突然変 異はJ4/5領域とIGSの残基間の接触を促進することができる。 進化したリボザイムは、DNAの塩基、リン酸及び/又は糖と新しい第三相互作用 を生じることにより存在しない2'-OH基を相殺することができる。実験から野生 型リボザイムのJ7/8の残基がRNA基質の-3(u)位と-2(c)位で2'-OH基と相互作用す ることが示される(Pyle & Cech,Nature 350:628-631(1991);Pyleら,Nature 35 8 :123-128(1992))。しかしながら、進化したリボザイムのJ7/8領域に頻繁な突然 変異は存在せず、-3(t)位と-2(c)位のDNA基質の付近に新たな接触がつくられな いことが示された。更に、IGSがワトソン・クリック塩基対合を維持する相補的 方法で変化したならば、個々の塩基の接触は異なる配列を有するDNA 基質がリボザイムで十分に切断されるという所見に基づかないと思われる(Raill ard & Joyce,末発表の結果)。 27世代を超えるkcatの103倍の改善は合理化することは難しい。kcatは、P1ド ッキングと基質切断に関係するものを含む反応経路に沿って全ての一次速度定数 を反映する。従って、少なくともkcatの増大はドッキング速度に巧く影響するP1 と触媒コア間の第三相互作用によるものである。反応の切断工程は、基質の標的 ホスホエステル結合に対する攻撃に適切なリボザイムの3'末端グアノシンの位置 に依存する。これは、リボザイムのP7領域内に攻撃グアノシンとG264:C311塩基 対を含む三重塩基を形成することにより達成される(Michelら,Nature 342:391- 395(1989))。312、313と314位の突然変異は全て攻撃グアノシンの結合位置にき わめて近接してあり、反応の化学工程を容易にする役割を果たすことができる。 しかしながら、短い反応時間に応答したG18とG27間の集団に頻繁になる新たな突 然変異は位置51/52と170の周辺領域に存在した。かかる突然変異は、長距離作用 により又はリボザイムの折りたたみをその活性コンホメーション中に促進させる ことにより間接的に一次反応速度を増大させることができる。 突然変異は触媒作用に関して選択的利点を与えないが代わりに増幅操作で効率 よく作用するポリメラーゼ酵素(即ち、逆転写酵素、T7 RNAポリメラーゼ及びTaq ポリメラーゼ)の能力を高めることを指摘することは重要なことである。更に、 部位特定突然変異誘発分析に依存する研究は、基質結合、一次反応速度及びリボ ザイム折りたたみに対して保存コアか又は周辺領域での種々の突然変異によって 引き起こされる貢献を評価することを可能にする。 基質結合と一次速度定数はインビトロ進化によって特に高められることが証明 されたので、代謝回転や基質特異性を含むDNA切断リボザイムの他の触媒特性の 最適化が試みられる。代謝回転は、DNA基質の結合した3'部分をリボザイムの3' 端から除去して分子をもとの形に戻すことができる部位特異的加水分解反応、続 いてDNA切断を行うことができるリボザイムを進化させることにより改善される 。DNA基質かRNA基質に対するリボザイムの特異性は、競合阻害剤として作用する RNAの存在下にDNA切断を選択することにより高められる。目標は、触媒効率が高 い、急速な代謝回転を受ける、及び非常に特異的な方法で操作するDNA切断リ ボザイムの開発である。かかる分子は、RNAの触媒ポテンシャルの我々の理解に 貢献する。更に、配列特異的DNAエンドヌクレアーゼとして及びウイルス病原体 に対する治療剤としての用途がある。 実施例3 DNA 切断RNA酵素分子の最適化 A.最適化及び選択基準 以前の分析において(実施例1及び実施例2参照)、インビトロ進化操作を用い て生理的条件下で標的一本鎖DNAを切断する能力が100倍改善されたテトラヒメナ リボザイムの変異体を得た。DNA切断活性の全体で105倍の改善を達成するインビ トロ進化過程の続きがここに示される。更に、選択束縛の適切な操作によって、 進化したリボザイムの個々の触媒特性を最適化することがここに示される。 まず、基質結合親和性が改善されたリボザイムを容易にするためにDNA基質濃 度を1/50にした。次に、触媒速度が改善されたリボザイムを容易にするために反 応時間を1/12にした。いずれの場合も、進化している集団は予想されるように応 答し、まず基質結合を25倍改善し、次に触媒速度を約50倍改善した。リボザイム の集団はインビトロ進化の27+連続世代を受け、DNA切断活性の改善に関与する野 生型に相対して平均して17の突然変異が生じた。 インビトロ選択とインビトロ進化の手法は、新たな触媒が組成又は構造の事前 知識をもたずに単離されることを可能にする。かかる方法を用いて新規な触媒特 性を有するRNA酵素が得られた。鉛カチオンで自己分解的切断を受けるリボザイ ムは、tRNAphe分子のランダム化プールから誘導された(Pan & Uhlenbeck,Bioch emistry 31 :3887-3895(1992))。DNAを切断することができる(Beaudry & Joyce,Science 257 :635-641(1992))又金属依存性を修飾した(Lehman & Joyce,Nature 3 61 :182-185(1993))グループIリボザイム変異体が単離された。ランダムRNA配列 のプールから開始してポリメラーゼ類似反応を触媒する分子が得られた(Bartel & Szostak,Science 261:1411-1418(1993))。本実施例においては、インビトロ 進化操作で選択束縛の変更によって進化酵素の個々の触媒特性の改善 が記載される。 本明細書に記載される実施例は、ホスホエステル転移機構によって一本鎖RNA の配列特異的切断を触媒することができるリボザイム、テトラヒメナ・サーモフ ィラの自己スプライシンググループIの誘導体を用いる(Zaug & Cech,Science 231 :470-475(1986);Zaugら,Nature 324:429-433(1986))が、本発明が実施態様 に限定されないことは特に理解されなければならない。該リボザイムは、分子の 5'にありかつ標的RNA基質とワトソン・クリック塩基対を形成する“内部ガイド 配列”(IGS)と呼ばれる鋳型領域を含む。該リボザイムの3'端にあるグアノシン 残基を含むグアノシンの3'-OHは、リボザイム結合基質内の個々のホスホエステ ル結合を攻撃するように向けられる。ホスホエステル転移反応が行わせ、塩基対 合の領域からすぐ下流の位置に基質の切断、及び攻撃しているグアノシンの3'酸 素への基質の3'部分の付随する連結反応が引き起こされる。野生型テトラヒメナ リボザイムは、高マグネシウム濃度(50mM MgCl2)及び/又は高温(50℃)の条件下 で効率の低い一本鎖DNA基質を切断することができる(Herschlag & Cech,Nature 344 :405-409(1990a);Robertson & Joyce,Nature 344:467-468(1990))。しかし ながら、生理的条件下で(例えば、37℃、10mM MgCl2,pH7.5)、DNA切断反応はほ とんど検出できない。 野生型に比べて効率の改善された生理的条件下でDNAを切断することができる テトラヒメナリボザイムの変異体を得るために用いられるインビトロ進化操作を 図2A〜図2Cに示す。(Beaudry & Joyce(Science 257:635-641(1992)参照。)この 操作の最初に触媒活性に不可欠であることが既知である分子の系統発生的保存部 分を部分的にランダム化することによりリボザイム変異体の集団を作成した。優 れたDNA切断リボザイムを、基質の3'部分をリボザイムの3'端に結合する可能性 に基づいて活性の小さい分子から区別した。DNAプライマーを満足すべき反応産 物の連結反応結合前後にハイブリッド形成し、選択的等温増幅反応を開始するた めに用いた(図2C、下方参照)。そのとき、選択的に増幅した分子はcDNA合成の鋳 型として働いた。得られたcDNAをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で増幅し(Saikiら ,Science 230:1350-1354(1985);Saikiら,Science 239:487-491(1988))、PCR産 物を転写してRNAの新たなプールを作成した。切断反応から開始して選択 的等温増幅、cDNA合成、PCR増幅、及びインビトロ転写が続く全工程は、インビ トロ進化操作の“世代”を構成する。 本インビトロ操作は、テトラヒメナリボザイムの1013変異体のプールから開始 して10連続世代を生じるように巧く用いられた(上記実施例1及び図2参照)。第 9世代(G9)後、個々のリボザイムを集団から単離し、野生型酵素に比べて100倍 以上効率よくDNA基質の切断を触媒することがわかった。この触媒効率の適度な 改善により触媒速度(kcat)の増大とミカエリス定数(KM)値の低下双方が得られた 。しかしながら、リボザイムのkcat/Kmが約103M-1min-1でなお完全な意味で不十 分な触媒であることから成果は幾分不満であった。各世代について、進化してい る集団に10μMDNA基質を与え、DNA切断反応を1時間行った。G9だけ、KMが野生 型の6μMから進化個体の約2μMまで改善した(実施例1;Beaudry & Joyce,上掲 書,(1992)参照)。従って、集団はもはや緊縮選択の影響によってKmを更に改善さ せないと思われた。一方、個々の切断速度はG9だけ約0.007min-1であり、1時間 のインキユベーション時間で拘束されるのに十分緩慢であった。しかしながら、 反応速度が改善し続ける場合には、選択束縛は結局触媒速度の改善を容易にする のに不十分であった。異なる選択束縛によるインビトロ進化の世代が実質的に大 きなDNA切断活性を得ることが必要であることは明らかである。 本実施例においては、インビトロ進化技術は高レベルの知識と制御と共に適用 された。インビトロ進化実験の成果は選択束縛の種類に依存することから、、基 質結合親和性、触媒速度、基質特異性及び代謝回転のようなリボザイムの個々の 触媒特性(又はパラメーター)は反応条件の適切な操作によって改善される。この 考えと共にDNA切断リボザイムの2つの触媒特性、即ち、基質結合親和性と触媒 速度の最適化は主要な目標であった。基質が低濃度で存在する場合に基質に対し て最大親和性を有するリボザイムが選択的利点を受けることがここで仮定された 。飽和条件下で反応時間が非常に短い場合には最高の一次反応速度をもつリボザ イムが有利である。 DNA切断リボザイムの前に確認したG9集団(実施例1参照)を復活させ、インビ トロ進化の27世代を幾分異なる条件下で行った。世代10〜18の基質濃度を10μM から0.2μMへ1/50にした。世代19〜27の基質濃度は低いままにし、反応 時間を1時間から5分へ1/12にした。結合と速度論の研究に基づいてリボザイム の集団は予想した選択束縛の各変化に対応し、世代10〜18では強固な基質で強化 され、世代19〜27では高速触媒で強化された。世代28〜36は、下記の下位項6に 述べられる。 B.材料及び方法 1.材料 標識してないヌクレオチド三リン酸(NTP)とデオキシヌクレオチド三リン酸(dN TP)をファーマシアから購入し、ジデオキシヌクレオチド三リン酸(ddNTP)をU.S. バイオケミカル(USB、オハイオ州クリーブランド)から購入した。[a-32P]GTP、[ g-32P]ATP及び[3H]UTPは、ICNラジオケミカルス(オハイオ州オーロラ)から購入 した。合成オリゴデオキシヌクレオチドをオペロンテクノリジー(カリフォルニ ア州アラメダ)から入手し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動と続いてのセファ デックスG-25によるクロマトグラフィーで精製した。制限酵素とT4ポリヌクレオ チドキナーゼはニューイングランドバイオラブス(マサチューセッツ州ビバリー) から、子ウシ腸ホスファターゼはベーリンガー(インディアナ州インディアナポ リス)から、AMV逆転写酵素とシークエナーゼ2.0(修飾T7 DNAポリメラーゼ)はU.S .バイオケミカルから、Taq DNAポリメラーゼはセタス(カリフォルニア州エメリ ービル)から購入した。T7 RNAポリメラーゼを以前に記載されたように調製し(Da vanlooら,PNAS USA 81:2035-2039(1984))、SP6 RNAポリメラーゼに対して最初 に開発された手順に従って精製した(Butler & Chamberlain,J .Biol.Chem.25 7 :5772-5778(1982))。 2.野生型リボザイムの調製 L-21型のテトラヒメナリボザイムをHind III消化pT7L-21プラスミドDNAのイン ビトロ転写により調製した(Zaugら,Biochemistry 27:8924-8931(1988))。転写 反応混合液は、0.1μg/μlのカットプラスミド、15mM MgCl2、2mMスペルミジ ン、50mMトリス(pH7.5)、5mM DTT、2mM各NTP、0.005U/μl無機ピロホスファタ ーゼ、及び25U/μlT7 RNAポリメラーゼを含有し、37℃で2時間インキュベー トした。23ヌクレオチド3'エクソン配列をRNA触媒部位特異的加水分解(Inoueら ,J .Mol.Biol.189:143-165(1986))で取り出し、RNAを50mM CHES(pH9.0)と10m M MgCl2の存在下に42℃で1時間インキュベートした。得られたRNAを5%ポリアク リルアミド/8M尿素ゲル中の電気泳動で単離し、UVシャドウイングで可視化し、2 00mM NaCl、10mMトリス(pH7.5)及び0.5mM EDTAを含む緩衝液中室温で一晩ゲルか ら溶離し、デュポンNENSORB(デラウェア州ウィルミントン)によるアフィニティ ークロマトグラフィーで精製した。リボザイム濃度をe260=3.2×106M-1cm-1に基 づき分光光度法で求めた(Zaugら,Biochemistry 27:8924-8931(1988))。 3.インビトロ進化操作 インビトロ進化を上記(実施例1参照)及び図2Cのように行った。ポリメラーゼ 連鎖反応(PCR)法又は自己維持配列複製(3SR)法は共に有効であるが、本明細書に 記載された方法は3SR法にきわめて似ている(例えば、Guatelliら,PNAS USA87:1 874-1878(1990)参照)。3SR系は、稀なRNAやDNAの検出とヌクレオチド配列分析に 特に有効である。 上記実施例1でインビトロ進化の9世代後に得られたDNA切断リボザイムの集 団を出発材料として用いた。リボザイム(0.1μM)とDNA基質(0.2μM)を10mM Mg Cl2及び30mM EPPS(pH7.5)を含む100μl中37℃で1時間インキュベートした。エ タノール沈降後、反応産物の一部(10〜50%)を10mM MgCl2、80mM KOAc、50mMトリ ス(pH7.5)、5mM DTT、2mM各NTP、0.2mM各dNTP、4μCi[a-32P]GTP、12.5U/μlMo MLV逆転写酵素、50U/μl T7 RNAポリメラーゼ、及び各20ピコモルの 5'-TTTATTTATTTATTT-3'(プライマー1a、配列番号6)と 5'-CTGCAGAATTCTAATACGACTCACTATAGGAGGGAAAAGTTATCAGGC-3'(プライマー2、配列 番号7)を含む20μlの等温増幅反応混合液に加え、37℃で2時間インキュベー トした。プライマー1は、リボザイムの3'端に結合される基質の3'部分に対して ハイブリッド形成する。(プライマー1aと1bが用いられる場合、同様に行う。)プ ライマー2は、得られたcDNAの3'端に対してハイブリッド形成し、T7 プロモータ ー配列を導入する。 52%の等温増幅産物を用いて、37℃で1時間インキュベートした、10mM MgCl2 、 50mMトリス(pH7.5)、5mM DTT、2mM各NTP、0.2mM各dNTP、0.2U/μl AMV逆転写酵 素及び20ピコモルプライマー1aを含む20μlの反応混合液中でcDNAを作成した。 得られた約5〜10%のcDNAを、92℃で1分間、45℃で1分間及び72℃で1分間を30 サイクル、及び72℃で10分間を1サイクル行った、1.5mM MgCl2、50mMKCl、10mM トリス(pH8.3)、0.1%ゼラチン、0.2mM各dNTP、20ピコモル5'-CGAGTACTCCAAAACTA ATC-3'(プライマー1b、配列番号8)、20ピコモルプライマー2、及び2.5U Taq DN Aポリメラーゼを含む100μl反応混合液中PCRで増幅した。プライマー1bはリボ ザイムの3'端に対して相補的であり、もとの活性型の再生が可能である。そのと きのPCR DNA(〜250-500ng、全体の5〜10%)は25〜50μl容量中で行われるイン ビトロ転写反応において鋳型として働いた。 転写したRNAを、上記のように、ポリアクリルアミドゲル電気泳動で単離し、U Vシャドウイングで可視化し、切り取り、ゲルから溶離し、デュポンNENSORB(DuP ont de Nemours,デアウェア州ウィルミントン)で精製し、分光光度法で定量し た。最初の9回を上記のように、次の9回を切断反応のインキュベーション時間 を1時間から5分に減らして全工程を18回繰り返した。PCR増幅の品質を改善す るためにときどきcDNAを精製した。そうするために、25〜50μCi[a-32P]dATPの 存在下以外は上記のようにcDNAを合成した。標識cDNAを5%ポリアクリルアミド/8 M尿素ゲル中の電気泳動で単離し、オートラジオグラフィーで可視化し、ゲルか ら切り離し溶離し、デュポンNENSORBで精製した。 4.ショットガンクローニング、シークエンシング、及び個々のRNA酵素分子の 調製 上記のようにG18サブクローンを得た(上記実施例1参照)。インビトロジェンT Aクローニングキット(Invitrogen,カリフォルニア州サンディエゴ)を用いてG27 を得た。G27のPCR DNAを線状化プラスミドに結合し、得られたDNAを用いてINVaF 'コンピテント細胞を形質転換し、アンピシリン/X-galプレート上で増殖した。 挿入断片を含む個々のコロニーを白色で同定し、ランダムに選び、液体培養液中 で一晩増殖した。プラスミドDNAを加熱溶解法で調製し(Holmes & Quigley,Anal .Biochem.114 :193-197(1981))、制限消化で挿入断片の存在をス クリーニングした。クローン化個体の配列を以前に記載されたようにジデオキシ 鎖終結法で定した(Sangerら,PNAS USA 74:5463-5467(1977);Beaudry & Joyce, 上掲書(1992))。個々のサブクローンの完全配列は注文で入手可能である。個々 のリボザイムを次のように調製した。リボザイムをコードする遺伝子をプライマ ー1bとプライマー2を用いてPCRで増幅した。得られたDNAをインビトロ転写の鋳 型として用いた。RNA産物をポリアクリルアミドゲル電気泳動で単離し、上記の ように精製及び定量した。 5.基質及び産物オリゴヌクレオチドの調製 DNA基質5'-GGCCCTCTATTTATTTA-3'(配列番号15)とDNA産物5'-GGCCCTCT-3'(配列 番号16)を、37℃で1時間インキュベートした、20ピコモルオリゴヌクレオチド 、10ピコモル(4.5μCi/ピコモル)[g-32P]ATP、5mM MgCl2、25mM CHES(pH9.0)、3 mM DTT及び1.25U/μl T4ポリヌクレオチドキナーゼを含む20μlの反応混合液 中で(5'-32P)標識した。標識オリゴヌクレオチドを20%ポリアクリルアミド/8M尿 素ゲル中の電気泳動で単離し、オートラジオグラフィーで可視化し、ゲルから溶 離し、デュポンNENSORBで精製した。 RNA基質5'-GGCCCUCUAUUUAUUUA-3'(配列番号20)を、上記のように(実施例1)、 合成の部分的一本鎖DNA(Milliganら,Nucleic Acids Res .15:8783-8798(1987)) を用いてインビトロ転写によって調製した。RNA転写物を子ウシ腸ホスファター ゼで脱リン酸化し、フェノールとクロロホルムで抽出してから上記のように(5'-32 P)標識し精製した。 6.速度論的分析 (5'-32P)標識基質を用いて10mM MgCl2、30mM EPPS(pH7.5)及び40μg/μl BS A中37℃で全切断反応を行った。オリゴヌクレオチドが500μlのエッペンドルフ 管の壁に付着しないようにBSAを添加し、これは反応の過程に影響しない。リボ ザイムと基質を37℃で15分間別個にプレインキュベートしてから反応を開始する ために混合した。典型的には、各3〜10μlの5分割量を反応混合液から指定し た時間に取り出し、8M尿素、50〜100mM EDTA、0.05%キシレンシアノール、0.05% ブロモフェノールブルー、10%SDS、9mM トリス-ホウ酸塩(pH8.3)及び20%スクロ ースを含む1〜2容量の氷冷混合液に加えることにより冷却した。基質と産物を20 %ポリアクリルアミド/8M尿素ゲル中の電気泳動で分離し、オートラジオグラフィ ーで可視化し、ゲルから切り出し、チェレンコフ計数により定量した。 KM値とkcat値をリボザイム(E)より過剰量の基質(S)を用いた実験で求めた。基 質濃度の範囲にわたって反応の初速度(VO)を初期直線相、通常は反応の最初の5% 以下から算出した。典型的には8データポイントを式:v=KM(vO/[S])+Vmaxで示さ れる理論線に最小自乗法であてはめた。 単一代謝回転実験を過剰量の基質中でリボザイムを用いて行った(Herschlag & Cech,Biochemistry 29:10159-10171(1990b))。最初の5%を超えない反応を用 いて初速度(kobs)を得た。kcat/KM:kobs/[E]とすれば、種々のリボザイム濃度 で得られた各kobs値によりkcat/KMの推定値が得られた。通常は8以上のkcat/KM 測定値を得た。 7.結合定数の測定 リボザイムとDNA産物(P)間の複合体の平衡結合定数、KDを未変性ポリアクリル アミドゲル中ゲルシフト分析により求めた(Pyleら,PNAS USA 87:8187-8191(199 0))。2回の最終濃度のリボザイムを10mM MgCl2及び30mM EPPS(pH7.5)中37℃で15 分間プレインキュベートした後、10mM MgCl2、30mM Epps(pH7.5)、0.05%キシレ ンシアノール、3%グリセロール及び80μg/μl BSA中同量の0.05〜1nM(5'-32P) 標識DNA産物と混合した。その混合液を37℃で15〜60分間平衡にした後、10mM Mg Cl2及び30mM EPPS(pH7.5)を含む10%ポリアクリルアミドゲルに充填した。電気泳 動緩衝液は、10mM MgCl2及び30mM EPPS(pH7.5)を含有した。試料がゲルに入るま で(〜10分)37℃の部屋でゲルに6ミリアンペアを流してから4℃の冷たい部屋に 移し、電流を30ミリアンペアに上げた。これは、ゲルの温度が37℃より高く上が らないようにするために行った。リボザイム産物複合体と遊離産物をオートラジ オフラフィーで可視化し、ゲルから切り離し、チェレンコフ計数により定量した 。 リボザイム濃度の範囲にわたってリボザイムに対して結合した産物の%(結合%) をプロットすることにより結合曲線を作成した。最小自乗法を用いてデータを理 論結合曲線にあてはめることによりKOを求めた。リボザイムを産物より莫大な過 剰量であったことから、理論結合曲線は式:結合%=[E]/([E]+KD)で表される。こ こで、全産物の1/2がリボザイムに結合される場合、KD=[E]である。 C.結果 1.インビトロ進化 過去の研究(Beaudry & Joyce,上掲書(1992))において得られたリボザイム の9世代(G9)集団を用いて開始し、インビトロ進化の追加の18世代を行っ た。集団における変異は、PCR増幅により維持し、〜0.1%/ヌクレオチド 部位/世代の速度で変異を導入した。変異は継続中であるので、ダーウィン原理 に基づく進化が起こることができる。子孫のリボザイムは、親分子により保持さ れていない有利な特性を与える新規な変異を獲得する機会を有している。この現 象は、27世代にわたり認められた変異の頻度の着実な増加により反映される。 配列データは、G9、G18及びG27の進化集団から単離した50の無作為 抽出サブクローンから得た(図7A〜7C)。図7A〜7Cは、テトラヒメナリボ ザイムの二次構造上に重ね合わせた、進化過程で起こった変異の部位を示してい る。棒の高さは、G9(図7A)、G18(図7B)及びG27(図7C)におい て配列決定した50のサブクローンに基づく、各ヌクレオチド部位における変異 の頻度(%)に対応している。非変異プライマー結合部位は暗色で、基質は黒で 示される。よく出現する変異(頻度>30%)には印を付した。 1サブクローンあたりの変異の平均値は、G9の5.9から、G18の12. 7、更にG27の16.5に上昇した。ほとんどの変異は、最初の集団において 無作為化されたリボザイムの系統学的に保存された部位内で起こった(図2C参 照)。しかしながら、変異誘発の結果として、G18において全変異の26%、 G27では38%が周辺領域において起こった。G18サブクローンにおいて起 こった、よく出現する変異(頻度>30%)(図7B)のほとんどは、G9(図7 A)においては見られなかった。このことは、これらの変異は、基質結合親和性 を増強するために設計された増加した選択圧に応答して起こったということを 示唆している。G18とG27との間では、もっとも一般的に起こった変異のほ ぼすべてが、頻度の増加を続けた(図7C)。しかしながら、2つの有意な変異、 部位51と52との間のNGAA挿入及び部位170におけるC→U変化は、こ の間隔の間にはじめて現れた。このことは、これらの変異は、触媒速度を増強す るために設計された増加した選択圧に応答して起こったということを示唆してい る。 2.相乗及び相互排除的変異 部位188、190及び191並びにP5a領域のヌクレオチドの変化(図1) は、90%のサブクローンにおいては同時に起こった。一方、部位115、11 6及び205のJ4/5及びJ5/4内部ループにおける変異は、G18のサブ クローンの68%で同時に起こった。興味深いことに、J4/5及びJ5/4変 異は、P5a変異も存在する場合(c2=110、p<0.001)に同時に起 こった。このことは、これら2つの領域間の相互作用を示唆している。 313:G→Y及び314:A→G変異は、ほぼいつもいっしよに起こる。こ れらの変異は、G9の50のサブクローンのうちの16、G18の50のサブク ローンのうちの11及びG27の50のサブクローンのうちの44で同時に起こ った。2つのG27サブクローンのみが、部位313における変異を含み、部位 314における変異を欠いていた。G9及びG18において、部位313変異は いつもG→U変化として起こった。しかしながら、G27において、部位313 変異については、G→U変化は1回の発生のみで、G→C変化を主として起こっ た。部位313〜314に標準的に存在するGA配列は、リボザイムの3’−末 端グアノシン残基を触媒コアへもたらす短い二重鎖構造(P9.0)を形成する と考えられる(Michelら,Nature 342:391-395(1989);Michelら,Genes Dev.4:77 7-788(1990);Michelら,J.Mol.Biol.216:585-610(1990))。このグアノシンの 3’−OHは、RNA触媒ホスホジエステル反応における求核試薬として役立つ 。部位313〜314変異は、P9.0二重鎖の形成を妨げるが、313−31 4:GA→UG変化は、DNA切断反応に関して選択的利点を与える。これは、 部位特異的変異誘発研究により証明される(Beaudry & Joyce,上掲書 (1992))。G18とG27との間の、313−314:GA→CG変化の出現は 、313〜314変異のこの変化した形態が、DNA切断反応の改善された触媒 速度に貢献していることを示唆している。 312:G→A変異は、313−314:GA→YG変異が存在しない場合の み起こる。312:G→A変異は、G3の25のサブクローンのうちの4、G6 の25のサブクローンのうちの8及びG9の50のサブクローンのうちの5に存 在した(Beaudry & Joyce,上掲書(1992))。312:G→A変異の頻度は、G9 とG18との間で劇的に上昇し、G18とG27との間では同様に劇的に減少し た(図7A〜7C参照)。312:G→A変異頻度の減少の結果として、313− 314:GA→YG変異がより多くなった。 研究した集団のすべてにおいて高い頻度で存在していた215:G→A変異は 、部位258のUとワトソン−クリック塩基対を形成することを許容すると推定 される(図1)。この変化は、G18及びG27のほぼすべてのサブクローンに存 在していた。この変異を欠く12個体のうち、11は部位258にU→C変化を 有していた。この変化は、部位215の野生型Gとワトソン−クリック塩基対を 形成することを許容するだろう。したがって、G18とG27から得られた10 0のサブクローンのうちの99において、ワトソン−クリック塩基対が部位21 5と258との間に形成することが予期される。 3.DNA結合親和性の改善 G10を用いて開始し、RNA触媒反応の間に用いるDNA基質濃度を10μ Mから0.2μMへ低下させ、増強した基質結合親和性を有する個体を好む増加 した選択圧を課した。この変化の衝撃を評価するために、リボザイムとDNA生 成物(GGCCTCT)との間の複合体についてのKD値を、リボザイム集団の27世代 について3世代毎に決定した(図9)。 図9A及び9Bは、インビトロ進化の連続27世代についての基質結合親和性 の改善を示している。図9Aは、リボザイムのG27集団について得られたデー タを示す典型的な結合曲線を示している。2つの異なるゲルシフト実験から得ら れたデータが示される。横軸上の[E](nM)を、縦軸上の[E・P]/([E・ P]+P)に対してプロットした。最小二乗法により、データを、式:y=[E] /([E]+KD)(式中、yはリボザイム(E)へ結合した生成物(P)の割合(f raction))により与えられる理論的結合曲線(実線により示される)へ適合させ た。この場合、KD=51(±2)nMであった。 図9Bは、3世代毎のリボザイム集団についてのKDを示している。0から2 7世代から得たデータを、KD(μM)に対してプロットした。標準誤差は平均 11%であった。 基質よりもDNA生成物を使用して、ゲルシフト分析の間の切断反応を回避し た。野生型リボザイムは、生成物に結合したとき同一の親和性でRNA基質と結 合することを示す過去の研究に基づき、生成物に対する結合親和性は、基質の値 と類似していると推定した(Pyleら,PNAS USA 87:8187-8191(1990);Herschlag & Cech,Biochemistry 29:10159-10171(1990b))。 研究した各集団についての結合データを、理論的結合曲線に適合させた。1例 をG27集団について計算した(データは示さず)。予想どおり、結合親和性の大 幅な改善が、G9とG18との間において起こり、続いて選択圧を強めた。G1 8後、集団は、0.2μM未満のKDを有するリボザイムについて飽和した。こ れは、G18とG27との間で、ゆっくりではあるが改善が続いていることを説 明している。 4.動態解析 19世代を用いて開始し、反応時間を1時間から5分間へ減少し、増加したkcat 値を有するリボザイムの選択を支持した。この変化の効果を研究するために 、G9、G18及びG27の集団から単離した2つの個体を、正式な動態解析に ついて選択した(表4)。これらのリボザイムは、これらのリボザイムが由来する 集団の代表である。なぜならば、各集団において起こった顕著な変異のほとんど を含んでいるからである。更に、研究した各個体における変異の全数は、対応す る集団におけるサブクローンあたりの変異の平均値と一致した。研究した個体の kcat及びKM値は、全集団についての平均kcat及びKM値とは対応しないことが 強調される。研究したリボザイムの触媒効率は、平均値よりもやや高かった。 なぜならば、これらのリボザイムは集団内の典型的な個体よりも有力な変異の大 部分を有しているからである。にもかかわらず、個体の代表的対の間のkcat及 びKM値における相対的差異は比較すべきである。予想通り、kcatの改善は、G 18及びG27リボザイムの間で最大であった(表4)。一方、KMの改善は、G 9及びG18リボザイムの間で最大であった。 DNA切断酵素性RNA分子の触媒パラメーターを示す表4を以下に示す。 表4 DNA切断リボサイムの触媒パラメーター a 過去に得た(前記実施例1参照)データ、続く統計学的分析の結果としてわず かに修飾。b 測定は、材料及び方法の欄に記載されたようにして行った。c 0.025μMリボザイム及び0.125、0.25、0.5及び1.0μM DNA基質。d 0.02μMリボザイム及び0.1、0.2、0.4及び0.8μM DNA 基質。e 0.02μMリボザイム及び0.05、0.1、0.2及び0.8μMDNA 基質。f 44:G→A、94:A→U、115:A→U、116:G→A、138:C →A、188:G→A、190:U→A、191:G→U、205:U→C、 215:G→A、312:G→A及び317:U→G。g 44:G→A、94:A→U、115:A→U、116:G→A、138:C →A、167:U→G、188:G→A、190:U→A、191:G→U、2 05:U→C、215:G→A、239:U→A及び312:G→A。h 44:G→A、51/52:挿入AGAA、87:A→削除、94:A→U、 115:A→U、116:G→A、166:C→A、170:C→U、188: G→A、190:U→A、191:G→U、205:U→C、215:G→A、 239:U→A、312:G→A、350:C→U及び364:C→U。i 44:G→A、51/52:挿入AGAA、87:A→削除、94:A→U、 115:A→U、116:G→A、166:C→A、170:C→U、188: G→A、190:U→A、191:G→U、205:U→C、215:G→A、 313:G→C及び314:A→G。 5.G27酵素性RNA分子のRNA切断活性 進化手順のRNA切断活性に対する作用を評価するために、G27#48及び G27#61リボザイムのRNA切断活性の効率を、野生型の値と比較した。1 回のターンオーバー動態実験により、G27リボザイムはわずかに増強されたR NA切断活性を有することが明らかになった。すなわち、kcat/KMについて、 G27#48では2.7(±0.2)×107-1-1、G27#61では2. 3(±0.2)×107-1-1、野生型では9.4(±3.0)×106-1-1 であった。したがって、インビトロ進化の27世代は、105倍のDNA切断 活性の改善、2〜3倍のRNA切断活性の改善を引き起こした。同様に、ゲルシ フト実験により、RNA結合親和性よりもDNA結合親和性においてより有意な 改善が明らかになった。リボザイムG27#48及びG27#61は、それぞれ 4nM及び1nMのKDでDNA生成物に結合し、野生型は30nMのKDでDN A生成物に結合した。リボザイムG27#48及びG27#61は、それぞれ0 .5nM及び0.4nMのKDでRNA生成物に結合し、野生型は1.5nMの KDでRNA生成物に結合した。したがって、G27リボザイムは、DNA結合 親和性において104倍の改善を、RNA結合親和性においては3〜4倍の 改善を示した。 6.28〜36世代 前記進化手順の適用を続けて、次世代の酵素性RNA分子を生成した。G28 〜G36世代についてのデータを集め、分析を継続した。前記で同定した決定的 な変異部位は、表及び図面に示されるように、重要なままであった。 図8はまた、進化の過程で変異が生じる部位をテトラヒメナリボザイムの二 次構造に重ね合わせて示す。棒の高さは各ヌクレオチド位における変異頻度(%) に一致する。当該ヌクレオチド位は第36世代で配列決定した50サブクローン を基にしている。非変異性結合部位は暗色で示し、基質は黒色で示した。よく出 現する変異(頻度>30%)には印を付した(斑点棒)。 実施例4連続的世代を通してのDNA切断活性の最適化 インビトロ進化は、新規触媒RNAを得るための強力な技術であることが証明 されている(例えば、Breaker & Joyce,Trends Biotech.12:268-275(1994);Lor sch & Szostak,Acc.Chem.Res.29:103-110(1996)を参照)。1つの試みは、所 望の反応に類似する反応を触媒する現存のリボザイムの変異体のプールを用いて 開始する。選択、増幅及び変異の繰り返しのラウンドを、所望の触媒がえられる まで行った。 この試みの過去の例は、元々の触媒活性は維持され、更に改善されてもよいこ とを示している。このことは、インビトロ進化は、出発酵素の活性を変化させる よりも広げることに役立つことを示唆している。例えば、Ca2+ではなくMg2+ の存在下で活性なI群リボザイムは、Ca2+の存在下での機能は進化したが、M g2+の存在下で機能する能力は失った。(Lehman and Joyce,Nature 361:182-18 5(1993)を参照)。 RNAを効率的に切断し、DNAを切断する能力はほとんど検出することがで きないI群リボザイムはDNAを効率的に切断するように進化したが、RNAを 切断能力のわずかな改善も示した(Beaudry & Joyce,Science 257:635-641 (1992);Tsang & Joyce,Biochemistry 33:5966-5973(1994))。本明細書において 、本発明者らは、所望の活性及び現存物を同時に選択する、新規インビトロ進化 スキームを開示している。このスキームは、酵素能力の拡張よりも特殊化を誘導 する。 A.DNAに対する特異性を増強するためのリボザイムの操作 前記実施例に記載したように、本発明者らは、この研究を、テトラヒメナ・サ ーモフィラのセルフ・スプライシングI群イントロンの変異体を用いてはじめた 。概観すると、リボザイムは2工程で基質に結合する。第一に、“内部ガイド配 列”と呼ばれるリボザイムの5’末端領域が基質とワトソン−クリック結合を形 成する。次いで、リボザイム/基質二重鎖(P1ヘリックス)は、リボザイムの 触媒コアにおいて、残基と第三の相互作用(tertiary interaction)を形成する 。これは、基質の特異的ホスホエステル結合を、リボザイムの3’末端に位置す るグアノシンを含む結合したグアノシンの3’−ヒドロキシルのごく近接に位置 づける(Herschlag,Biochemistry 31:1386-1399(1992);Bevilacquaら,Science258 :1355-1358(1992))。ホスホエステル転位反応は、グアノシン3’−OHによる 求核性攻撃の関与、及び基質の3’部位のグアノシンの3’酸素への同時結合を 伴う基質の切断を引き起こす(Michelら,Nature 342:391-395(1989);Been & Per otta,Science 252:434-437(1991))。 RNA基質内の特定の2’−ヒドロキシル基は、基質結合の第二工程の間、リ ボザイムの触媒コア内に残基と第三の相互作用を形成する(Pyle & Cech,Nature 350:628-631(1991);Pyleら,Nature 358:123-128(1992);Bevilacqua & Turner,B iochemistry 30:10632-40(1991))。更に、切断部位におけるリボースの2’−ヒ ドロキシルは、エステル転移反応の間の約103倍の遷移状態安定化に貢献する( Herschlagら,Biochemistry 32:8312-8321(1993))。それゆえ、野生型リボザイ ムはDNA基質を非常に非効率的に切断する、すなわち、類似RNA基質との反 応に比べて103倍低い基質結合親和性及び103倍低い触媒速度で切断すること は驚くべきことではない。 本発明者らの過去の進化的努力(例えば、前記実施例1〜3を参照)に基づい て、本発明者らは、RNA基質と比較してDNAについての特異性を増強するこ とを含む、リボザイムの触媒パラメーターの更なる増強をするための新規インビ トロ進化戦略を発明した。本発明者らの“リボザイム操作”スキームは、DNA 切断用の正の選択とRNA結合に対する負の選択とを組み合わせた。 図4に示されるように、リボザイムを、大過剰量のRNA阻害剤(IGSとの 塩基対を形成するRNA基質部分に対応する)の存在下におけるDNA基質の切 断に挑戦させた。リボザイム集団(E)を、阻害剤(RNA切断反応の5’−生 成物部分(rP)に対応する)の存在下におけるDNA基質(dS)の切断に挑 戦させた。DNA基質を切断したリボザイムは、基質の3’部分に結合するよう になり、これは続く選択的増幅についてのタグとして役立つ。RNA生成物に結 合したリボザイムは、DNA基質の切断を防ぎ、増幅しない。 本発明者らの選択手順において、DNA基質を切断したリボザイムは、基質の 3’部分のその3’末端への結合によりタグされるようになり、選択的にcDN Aへ変換され、増幅される。一方、RNA阻害剤へ優先的に結合したリボザイム は、DNA基質への結合及び切断が妨げられ、増幅することができない。 この選択スキームを使用して、インビトロ進化27世代後に得られたリボザイ ムのプールを、更なる36世代に付し、RNA阻害剤の漸進的増加量の存在下に おけるDNA切断活性について選択した。得られた個体の動態解析に基づき、集 団は予想通りに反応した。集団全体として測定したところ、DNA対RNA切断 活性の比は、約100倍改善され、DNA切断についてのkcatm -1は約50倍 改善され、RNA切断についてのkcatm -1は約2倍減少した。進化した集団か ら単離した特徴的な個体は、DNA及びRNA切断反応について、それぞれ、1 .6×107-1-1及び6.9×106-1-1のkcatm -1値を示した。過去 に得られたDNA切断リボザイムと比較して、変化した挙動は、その大部分は、 インビトロ進化過程においてリボザイムの触媒コア内で起こった2つの相乗変異 によるものである。 B.材料及び方法 1.材料 末標識ヌクレオチドトリホスフェート(NTP)及びデオキシリボヌクレオシ ドトリホスフェート(dNTP)は、ファルマシア((Pharmacia)、ピスカタウ ェイ、ニュージャージー)より購入し、ジデオキシヌクレオシドトリホスフェー ト(ddNTP)は、U.S.バイオケミカル((U.S.Biochemical)、クリーブ ランド、オハイオ)より得た。[α−32P]GTP、[γ−32P]ATP及び[3H] UTPは、ICNラジオケミカルズ((ICN Radiochemicals)、オーロラ、オハイ オ)より得た。合成オリゴデオキシヌクレオチドは、オペロン・テクノロジーズ ((Operon Technologies)、アラミダ、カリフォルニア)より得、ポリアクリルア ミドケル電気泳動、続くセファデックス(SEPHADEX)G−25(誘導体化架橋デ キストラン、ファルマシア、ピスカタウェイ、ニュージャージー)又はデュポン (DuPont)NENSORB 20(デュポン・デ・ヌムール(DuPont de Nemours )、ウィルミントン、デラウェア)のいづれかでのクロマトグラフィーにより精 製した。 T4ポリヌクレオチドキナーゼは、ニューイングランド・バイオラブ((New E ngland Biolabs)、ベバリー、マサチューセッツ)より、仔ウシ腸ホスフアタ一 ゼは、ベーリンガー((Boehringer)、インディアナポリス、インディアナ)、トリ 骨髄芽球症ウイルス(AMV)逆転写酵素は、ライフ・サイエンシーズ((Life Sciences)、セントピーターズバーグ、フロリダ)より得、モロニーマウス白血 病ウイルス(MoMLV)逆転写酵素、SEQUENASE2.0(修飾T7 DNAポリメラーゼ)、T4 DNAリガーゼ及びT4 DNAポリメラーゼは 、すべてU.S.バイオケミカル(クリーブランド、オハイオ)より得た。 T7 RNAポリメラーゼは、既報(Davanlooら,PNAS USA 81:2035-2039(19 84))の様にして製造し、SP6 RNAポリメラーゼについて最初に開発され た手順(Butler & Chamberlin,J.Biol.Chem.257:5772-5778(1982))にした がい精製した。アガロースビーズ上に固定化したストレプトアビジンは、シグマ ((Sigma)、セントルイス、MO)より得、ストレプトアビジン含有ピペットチ ップ(AFFINITIPS)は、ゲノシス・バイオテクノロジーズ((Genosys Bi otechnologies,Inc.)、ジ・ウッドランズ、テキサス)より得た。 2.インビトロ進化プロトコル G27集団を用いて開始することにより、インビトロ進化を、以下に示す修飾 とともに、前記と同様にして行った(実施例3参照)。第一番目には、DNA切断 反応を、RNA基質の5’生成物部分である、5’−GGCCCUGU−3’( 配列番号20、残基1〜8)からなるRNA阻害剤の存在下で行った。通常、集 団の0.1〜2%が標的反応を受け、選択的に増幅される。集団の反応部分が2 %をこえたときは、より高い基質特異的DNA切断リボザイムについての強力な 選択的有利性を維持するために、阻害剤濃度を減少させた。36世代が終わった とき、阻害剤濃度は0.1μMから2μMへ増加した。 第二番目では、G37において、リボザイム濃度を0.1μMから1μMへ増 加させ、インキュベーション時間を5分間から1時間へ増加させて、低活性では あるが、DNA基質と反応する機会に対するより高い特異性を有するリボザイム を提供した。第三番目では、等温増幅人工生成物を防止するために、2つの方法 の何れかを使用して、反応したリボザイムを、非反応分子から精製した。28か ら36世代にかけて、リボザイム集団を、3’−ビオチン化DNA基質を用いて 攻撃し、反応した分子を基質のビオチン化部分で標識した。アガロースビーズ上 に固定化したストレプトアビジンへの結合により、活性分子を単離した。1M NaCl、50mM Tris(pH7.5)及び5mM EDTAを含む溶液 を用いてイクステンシブ・ウォッシュ(extensive wash)することにより、非特 異的結合剤を除去した。アガロース結合分子を、前記と同様にして(例えば、実 施例3を参照のこと)、等温反応で増幅した。アガロースビーズは、増幅効率に 有意な影響を与えなかった。G37からG63については、反応したリボザイム を、変性ポリアクリルアミドゲル電気泳動により非反応物から分離し、ゲルから 溶離し、デュポンNENSORB中のクロマトグラフィーにより精製した。 第四番目では、変異誘発性PCR(Cadwell and Joyce,PCR Methods Applic .2:28-33(1992);Cadwell and Joyce,PCR Methods Applic.3:S136-S140(1994) )により、新しい変異を、36、45及び54世代の集団に導入した。変異誘発 性PCRは、ゲル電気泳動により精製したRNAの逆転写により得たcDNAを 用いてシード(seed)した。標準的及び変異誘発性PCRの両者において、同一 の プライマーを使用した。 プライマー1b:5'-CGAGTACTCCAAAACTAATC-3'(配列番号8)及び、 プライマー2:5'-CTGCAGAATTCTAATACGACTCACTATAGGAGGGAAAAGTTATCAGGC-3'(配列 番号7)。G36では、2回連続の変異誘発性PCR行い、ヌクレオチド部分あ たり1.4%の予想変異速度を得た。G45及びG54では、3回連続の変異誘 発性PCRを行い、ヌクレオチド部分あたり1.4%の予想変異速度を得た。そ れぞれの場合において、ポリアクリルアミドゲル電気泳動により、変異誘発性P CRの次のラウンドのシードの前にcDNA鎖を単離した。 第五番目では、G45とG63の間で、本発明者等のPCRプロトコルをわず かに改変した。温度サイクル数を30から15に減少させ、15サイクルの増幅 反応を2回連続で行った。これは、PCR人工生成物を防止し、ある世代から次 世代への繰越し物質の量を減少させるために行った。 3.動態解析 全ての動態解析は、大過剰量の基質(S)中の酵素(E)を用いた1回の代謝 回転条件下(Sの濃度はKmよりも少なくとも10倍未満(at least 10-foldbelow Km))で行った。リボザイムを、10mM MgCl2及び30mM EPPS (pH7.5)を含む溶液17μM中、37℃で15分間予めインキュベートし た。同一溶液中の基質3μlを添加して反応を開始し、適当な時間に3μlのア リコートを採取し、8M尿素、50〜100mM EDTA、0.05%キシレ ンシアノール、0.05%ブロモフェノールブルー、10% SDS、9mM Tris−ホウ酸塩(pH8.3)及び20%スクロースを含む氷冷混合物を1 〜2容量添加することにより急冷した。kcatm -1値は、少なくとも4つの異な る[E]の亜飽和濃度についてkobs対[E]をプロットすることにより得た最 適線の傾きから計算した。kcat及びKmは、Kmをまたがるリボザイム濃度範囲 についてkobsをプロットすることにより、DNA切断反応について個々に決定 した。 データを、式:kobs=kcat/([E]+Km)(Plye & Green,Biochemistry 3 3:2716-2725(1994)に記載。[S]<<Kmのとき、真実を維持する。)に適合 させた。kcat及びKmについて報告された標準誤差は、マルクワルト−レーベン バーグ(Marquartdt-Levenburg)アルゴリズムを使用した非線形回帰による個の 式への適合(シグマプロット)に基づき決定した。RNAについてのkcatは、 1分-1よりもかなり速く、したがって、手動のピペット法を使用しては測定不可 能であった。異なる日数における動力学的パラメーター及び異なる物質調製物(p reparations of material)についての動力学的パラメーターの決定は、20%未 満の範囲で変化した。DNA及びRNA切断アッセイは、同一のリボザイム転写 物調製物を使用して、通常はDNA切断活性対RNA切断活性の比の最も正確な 測定値を得るための平行様式(side-by-side fashion)で行った。 4.リボザイム及び基質の調製 個々のリボザイムを、インビトロゲンTAクローニングキット(インビトロゲ ン社(Invitrogen)、サンディエゴ、カリフォルニア)を使用したショットガンク ローニングににより単離した。クローンの配列決定及び個々のリボザイムの調製 は、前記と同様にして行った(実施例3参照)。DNA及びRNA基質の調製、c DNA合成手順、PCR手順、インビトロ転写反応手順は、すべて前記と同様に して行った(実施例1〜3を参照)。 5.部位特異的変異誘発 鋳型特異的変異誘発手順(Joyce and Inoue,Nucleic Acids Res.17:711-722 (1989))を使用して、リボザイムの特定の部位に変異を起こした。鋳型鎖用5’ −ビオチン化プライマー及び非鋳型鎖用標準プライマーを使用したPCRにより 、リボザイムをコードする遺伝子を増幅させ、非鋳型鎖を調製した。PCR生成 物を、フェノール抽出及びエタノール沈澱により精製し、次いでストレプトアビ ジン含有マトリックス(アフィニチップス(AFFINITIPS)、ジエノシス ・バイオテクノロジーズ社(Genosys Biotechnologies,Inc.)、ザ・ウッドラン ズ(The Woodlands)、テキサス)に結合し、0.2N NaOHで洗浄し、変性 させ、非ビオチン化非鋳型鎖を溶離した。 HClを用いて溶離液を中和し、非鋳型鎖を濃縮し、エタノール沈殿により精 製した。所望の変異を導入する5’−リン酸化オリゴ: 5'-CCCCGACCGACATTTAGTCTGTGAACTGC-3'(配列番号30)及び、 5'-CTCCCATTAAGGAGAGGTCYGACTATATCTTATGAGAAG-3')(YはC又はTである。配列 番号31)並びに鋳型の3’末端を定義するオリゴ(プライマー1b)を、非鋳 型鎖へアニーリングし、隙間をT4 DNAポリメラーゼ用いて埋め、T4 D NAリガーゼを用いて結合した。RNAを、再構築した二本鎖DNAから転写し 、cDNAへ逆転写し、PCRにより増幅し、サブクローニングし、配列決定し た。 適切な変異を含む個々のリボザイムを、通常の様式で調製した。271:C→ Uの変異の場合、ネストPCR(nested PCR)戦略を使用して、部位特異的変異 を行った。第一に、変異誘発性オリゴ: 5'-CCCCGACCGACATTTAGTCTGTGAACTGC-3'(配列番号30)及び、 プライマー2(配列番号7)を使用してPCRを行った。 〜250ntの生成物を、マイクロスピン(Microspin)S−300 HRカ ラム(ファルマシア(Pharmacia)、ピスカタウェイ、ニュージャージー)を使用 して精製し、エタノール沈澱した。この生成物を、プライマー1bと共に続くP CR反応においてプライマーとして使用した。完全長(〜400nt)PCR生 成物を、低融点アガロースゲル中で精製し、フェノール抽出及びエタノール沈澱 により回収し、変異体リボザイムを通常の様式で調製した。 6.多様性の推定 遺伝子型集団の多様性は、全体で353の可変ヌクレオチド部位について、式 :H=Σpi(lnpi)(式中、piは特定のヌクレオチド塩基(A、C、G又は U)の頻度を表す)を使用して各部位における多様性を平均化することにより推 定した。A、C、G及びUが等しい頻度で存在するとき、多様性は最大である。 C.DNA基質特異性における進化的改善 予めインビトロにおいて27世代進化させた(実施例3参照)後に得たDNA 切断リボザイム集団を用いて開始して、更にインビトロ進化工程を36世代行い 、DNA基質の切断及びRNA阻害剤の結合について同時に選択する新規選択戦 略に適用した(図4)。リボザイムに触媒されたRNA切断反応の5’生成物に対 応するRNA阻害剤は、リボザイムのIGSにしっかりと結合し(Kp<1nM 、Tsang & Joyce,Biochemistry 33:5966-5973(1994))、それゆえ、DNA基質 の結合を妨げる。このようにして、DNAよりも優先的にRNAに結合したリボ ザイムを選択的に阻害する。最初に、DNA基質及びRNA阻害剤の濃度は、そ れぞれ0.2μM及び0.1μMであった。RNA阻害剤濃度は、インビトロ進 化の過程で徐々に増加させ、RNA結合に対する強力な選択圧を維持した。 RNA結合に対する選択は、阻害剤としての完全長RNA基質を使用すること によっても達成することができた。しかしながら、野生型リボザイムによるRN A切断の化学的過程は非常に速く、基質結合が律速であるので(Herschlag & Cec h,Biochemistry 29:10159-10171(1990))、RNA基質又は5’RNA生成物の 何れを使用しても、同一の負の選択圧を及ぼすことができるだろう。更に、5’ RNA生成物は、このRNAを利用したリボザイムに対して選択圧を提供し、リ ボザイムの3’末端とDNA基質の3’部分との間の結合部分(ligation juncti on)を攻撃し、DNAと反応したリボザイムからタグを遊離し、RNAに結合す る。 本発明者等の選択戦略の効果を評価するために、インビトロ進化における27 、36、45、54及び63世代後に得られたリボザイム集団について、DNA 及びRNA切断両方の触媒効率を測定した(図5)。図5は、リボザイム集団の進 化に対する、DNA及びRNA切断反応の触媒効率の変化を示している。DNA (黒)及びRNA(白)切断についてのkcatm -1値を、全体としての集団につ いての1回のターンオーバー条件下、式:kobs=(kcat/Km)[E](式中、 [E]<<Kmであり、kobsは反応の初速度を表す(B節を参照))への最小二乗 値適合に基づき決定した。 DNA対RNA基質を用いた反応についての相対的kcatm -1値により決定し た、RNAよりもDNAへの選択性は着実に増加し、27世代と63世代との間 では100倍改善された。DNA切断活性においては全体で50倍増加し、RN A切断活性は2倍減少した。配列分析に基づいて(後述)、進化過程のあの時(at that point)における集団は、現れる所望の表現型に対する十分な多様性に欠 いていたと結論付けた。したがって、36世代の集団を、変異誘発性PCRに2 回連続で付し、1.4%/ヌクレオチド/部位の予想頻度でランダム変異を 導入した(Cadwell & Joyce,PCR Methods Applic.,2:28-33,(1992))。この無 作為化手順及び追加の9世代のインビトロ進化後、RNA切断活性は有意に減少 した(図5)。45世代から63世代の最終の18世代にかけて、DNA及びRN A切断活性は着実に上昇した。63世代では、集団全体として測定したとき、D NA及びRNA切断反応に対するkcatm -1値は、それぞれ、8×106-1- 1 及び9×106-1-1に達した。 D.個々のリボザイムの比較 ショットガンクローニング手順を使用して、27世代から63世代にかけて9 世代間隔の集団から、個々のリボザイムを単離した(B節参照)。正式な動態解析 のために、代表的な個体を、27世代、45世代及び63世代の中から選択した (表5参照)。これらのリボザイムは、クローニングされたリボザイムが由来する 集団の代表例である。なぜならば、集団において発生した変異の典型的な数及び 型(constellation)を含んでいたからである。 G63#19リボザイムは、1.6×107-1-1及kcatm -1値でDNA 切断反応を触媒した。これは、G27#48よりも約5倍以上効率的であった( 実施例3参照)。この高い触媒効率は、2.6倍低いkcatにより部分的に相殺さ れた13倍低いKmによるものであった。対照的に、G63リボザイムは、G2 7リボザイムと比較して4倍低い効率でRNA切断を触媒した。それぞれの切断 反応についてのkcatm -1値の比により決定した、RNA基質よりもDNA基質 への選択性は、G27リボザイムの0.12からG63リボザイムの2.4へと 約20倍改善された。G27又はG63リボザイムの過剰量の存在下で行ったと き、DNA切断反応は完了するまで進行した。対照的に、RNA切断反応は、完 了するまで進行せず、G27リボザイムでは約40%を切断し、G63リボザイ ムではわずか約15%を切断した(図6A及び6Bを参照のこと)。 図6A及び6Bは、G27#48及びG63#19リボザイムにより触媒され たDNA及びRNA切断反応の程度の比較を示している。反応は、2.5μMリ ボザイム及び極微量(<1nM)のRNA又はDNA基質のいずれかの存在下で 行った。白丸(○)はG27#48によるDNA切断を表し、黒丸(●)はG6 3#19によるDNA切断を表し、白四角(□)はG27#48によるRNA切 断を表し、黒四角(■)はG63#19によるRNA切断を表す。図6Aにおい ては120分間のタイムコースが示されている。図6Bにおいては、最初の2分 間の反応がさらに細かく示されている。G27#48によるRNA切断及びDN A切断のデータを、二相性指数方程式に適合し、速度の速い相の後に遅い相が続 いた。G63#19によるDNA切断のデータを、一相性指数方程式に適合した 。全ての曲線の適合は、120分間で得られた完全なデータセットに基づく。 E.遺伝子型における進化的変化 どの遺伝子型変化が、進化した集団の改善された表現型の原因であるかという ことを決定するために、G27からG63にかけて、9世代毎の集団から単離し た、25の無作為抽出個体から、配列データを得た。図10A〜Fに図示する。 図10A〜Fは、テトラヒメナのリボザイムの二次構造上に重ね合わせた、進 化過程において発生した変異の部位を示している。棒の高さは、G27において は配列決定した50のサブクローンにおける、G36、G45、G54及びG6 3においては配列決定した25のサブクローンにおける、各ヌクレオチド部位に おける変異の頻度(%)に対応している。非変異プライマー結合部位は暗色で示 す。基質は黒で示される。一般的に生じた変異(>50%の頻度)を標識した。 >50%の頻度で変異が生じるように基準化(normalize)した(A)G27(Tsang & Joyce,上掲書(1994))1(b)G27を、このパネル;(C)G36;(D)G4 5;(E)G54及び(F)G63における0%値に割り当てた。 野生型に対する、クローニングした1個体あたりの変異の平均値は、G27に おける17からG63における27へと増加した。これは、インビトロ進化過程 の間に起こった変異の継続的蓄積を反映している(データは示さず)。しかしなが ら、シャノンエントロピー統計値により測定した(B節参照)、集団の遺伝的多様 性は、G0とG36との間で着実に減少した。多様性を増加させるために、連続 変異誘発性PCR手順により、新しい変異を増強された速度で導入した。G36 、G45及びG54について行った。この結果、G45とG63との間で遺伝的 多様性が増加した。 インビトロ進化の63世代における遺伝子型変異をモニターし、全リボザイム に対して、初期集団における部分的に無作為化した触媒コア内の140のヌクレ オチドに対して、又は、周辺領域に関係して図にした(データは示さず)。全リボ ザイムにおける(1個体当たりの)変異の平均値は、G0における野生型(wt )リボザイムについての0値から、G9における約4〜5へ、G63においては 約10〜11へと増加した。触媒コア内の140ヌクレオチドに関して、1個体 あたりの変異の平均値は、G0における0から、G9における5〜6、G18で は10の変異をこえ、G45では20の変異をこえ、G63ではほぼ30の変異 に達した。シャノン多様性を、B節に記載されたようにして計算した。初期集団 において部分的に無作為化した触媒コア内の140ヌクレオチドにおける多様性 は、G0における約0.26からG9における約0.1になった。多様性の値は 、連続的な世代を通してわずかな減少を続け、G27とG54との間では約0. 02〜0.04の範囲で停止(leave off)し、G63ではわずかに増加した(デ ータは示さず)。周辺領域におけるヌクレオチドについてのシャノン多様性は、 G0における0から、27〜63世代における部分的に無作為化した触媒コア内 の140ヌクレオチドについて得られた値を超えるまで連続的に増加した。G6 3においては、周辺領域についての値は約0.1であった。 18世代の前に、初期集団において無作為化した分子の系統学的に保存された 部分及び無作為化していない周辺領域の両者において変異が蓄積した。しかしな がら、G18後は、変異は、保存領域ではなく周辺領域に蓄積する傾向を示した 。したがって、周辺領域はより遺伝的に多様になったが、コアはより同質になっ た。63世代では、大部分の変異が周辺において起こった。 2つの主要な遺伝子型変化が、G36集団において最初に現れた。P2ステム 内の51番目と52番目の部位のヌクレオチドの間に位置するCUAA挿入物( 図1参照)が、G36においては90%をこえるクローンに存在していた。G2 7においては、30%の頻度でNGAA挿入物の置換が起こっていた。第二に、 p5c内の165番目の部位におけるC→U変異が、G36においては90%を 超えるクローンに存在していた。G27においては、ほぼ全てのクローンにおい て、隣接する166番目の部位におけるC→Aの変化が置換していた。G36と G45との間では、集団において、5つの新規な変異が優勢であった(>90% の頻度)。これらの変異のうちの3つ、271:U→C、289:U→A及び3 12:G→AAは、リボザイムの触媒コア内において起こった。更なる2つの変 異:340:U→A及び364:C→Uは、周辺のP9ステムにおいて起こった 。G45とG63との間において、集団内で優勢になる新たな変異は生じなかっ た。しかし、クローニングした個体あたりの変異の平均値は、P9及びL8周辺 領域において起こった種々の低頻度の変化の結果として、増加を続けた。 F.特定の変異の分析 触媒コア内の変異のうちの2つ、271:U→C及び312:G→AAを、よ り詳細な分析のために選択した。これらの変化は共に、G45及びG54におい ては得られた25のクローン全て並びにG63において得られた25のクローン のうちの24において見られた。これら2つの変異のうち1つのみを含んでいる 個体は見出されなかった。このことは、これらの変異は一斉に作用し、リボザイ ムに対する選択的利点を与えることを示唆している。2つの変異を欠いていたG 63世代の1つの個体は、271番目の部位において代わりとしての野生型U及 び312番目においてG→Aを含んでいた。 過去の研究は、312:G→A変異は、相乗変異(concerted mutation)31 3:G→Y及び314:A→Gに関して相互排除的な様式で起こることを示して いる(Beaudry & Joyce,Science 257:635-641(1992);Tsang & Joyce,Biochemis try 33:5966-5973(1994))。進化過程において、313:G→Y及び314:A →Gは、たいてい一緒に起こり、その頻度は増加し、減少し、再び増加し、最終 的には消滅するまで減少した(データは示さず)。部位312の変異は同様に増加 し減少したが、313:G→Y及び314:A→G変異とは逆位相(opposite p hase)において起こった。G36の前に、部位312の変異はG→A変化として 起こったが、G36の後では、G→AA変化として起こった。 部位312及び313/314における相互排除的変異の頻度を決定し、イン ビトロ進化の経過に対してプロットした。不連続時間において得られたデータを 、スプラインカーブ(spline curve)に適合させた(データは示さず)。要約する と、両者の変異の頻度はG0からG7の間では増加し、この時点では両者とも頻 度は25%をこえていた。部位313/314における変異の頻度が、G9にお いて最初にピークに達した(GA→UA)。その後、G18においては25%をわ ずかに下回るまで減少し、G27とG36との間では50〜100%の範囲で変 動し(GA→CG)、G45では0まで急激に減少した。部位312における変異 の頻度は、G9までは25%未満に減少し、G18では75%付近まで上昇し( G→A)、G27の後まもなく0まで減少し、G36とG45との間では0〜1 00%の範囲で上昇した(G→AA)(データは示さず)。 G63#19リボザイムのバックグラウンドに対して、本発明者等は、271 :U→C変異を野生型Uへ、及び、312:G→AA変異を野生型G又は単一の Aへ戻した。これらの変異の対の組み合わせの全てを製造し、RNA又はDNA 基質に関連するRNA触媒リン酸エステル転移反応に対する作用を分析した(表 5)。野生型状態に対する両方の変異の復帰は、DNA切断効率のわずかな減少 のみを引き起こし、一方、いずれかの変異単独の復帰はより実質的な減少を誘導 した(図11)。図11は、DNA対RNA基質についての増強された優先度に対 する、271:U→C及び312:G→AAの同時依存性を示している。DNA 切断反応についてのKcatm -1値(黒棒)及びRNA切断反応についてのKcat m -1値(白棒)は、G63#19リボザイムに関して部位271と312に変 異を有しないもの、何れかを有するもの、又はその両方を有するものを含むリボ ザイムについて決定した。 271:U→C変異は、312部位がG、A又はAAで何れかであるかどうか に関係なく、低いRNA切断活性を示した。271:U→C変異も、DNA切断 について低いkcatを示したが、これは非常に低いKmにより補償された。312 :G→AA変化は、271部位がU又はCの何れかであるかに関係なく、DNA 切断については高いkcatを示した。しかしながら、271:Cではなく271 :Uについては、これはKmの実質的な増加により達成された。要約すると、2 71:U→C及び312:G→AA変異は相乗的である。すなわち、これらの変 異はDNA切断活性においては大幅な改善を提供したが、RNA切断活性は減少 させた。 この変異分析は、部位271及び312における相乗変異の選択的利点を明確 に示している。しかしながら、これら2つの変化は、G27とG63との間で起 こったDNA対RNA切断活性の改善の全てを説明してはいない。G63#19 バックグラウンド上において両方の変異をG27状態(271:U、312:A )へ復帰したときでさえも、RNA切断活性に対するDNA切断活性の比は、G 27#48リボザイムにおける値よりも有意に大きかった。それゆえ、G27と G63との間で起こるその他の変異は、進化したリボザイムの増強された基質特 異性に貢献するもの、例えばP9及びL8領域において起こるものでなければな らない。 前記及び後記において参照される表5を以下に示す。 表5 DNA切断リボザイムの触媒特性及び糖特異性 表5(続き) a 過去に得た(前記実施例1及び2並びにBeaudry & Joyce,上掲書(1992)参照 )データ、続く統計学的分析の結果としてわずかに修飾。b 過去に得た(前記実施例3及びTsang & Beaudry,上掲書(1994)参照)データ。c 実施例4、B節に記載されるようにして、1回のターンオーバー条件下([E] >>[S])で測定。データを、式:kobs=kcat[E]/([E]+Km)([S]<< Kmのとき有効)に適合させた。kobsは式:y=1−e-k obs t(式中、yは、[E ]からKmにかかる範囲についての時間tにおいて切断した基質の割合である)よ り得た。d 実施例4、B節に記載されるようにして、1回のターンオーバー条件下([E] >>[S])で測定。データを、kcatm -1値を、式:kobs=(kcat/Km)[ E](式中、[E]<<Kmのとき、kobsは変化する[E]における反応の初速度 を表す)へ適合させた。e 44:G→A、51/52:挿入CUAA、86/87:UA→削除、94: A→U、115/116:AG→UA、165:C→U、170:C→U、18 8:G→A、190/191:UG→AU、205:U→C、215:G→A、 239:U→A、271:U→C、289:U→A、312:G→AA、340 :U→A、364:C→U及び366:G→A。f 44:G→A、51/52:挿入CUAA、86/87:UA→削除、94: A→U、115/116:AG→UA、138:C→A、165:C→U、17 0:C→U、175:G→A、188:G→A、190/191:UG→AU、 205:U→C、215:G→A、239:U→A、271:U→C、288/ 289:GU→AA、292:U→A、312:G→AA、334:A→G、3 40:U→A、347:A→G、366:G→A、389:U→C及び390: A→C。g 鋳型変異誘発により変異を導入(実施例4節B参照)。h ネストPCRにより変異を導入。i DNA切断対RNA切断についてのkcat/kM比。 G.考察 1.DNA対RNA基質についての優先性 本発明者等は、I群リボザイムのDNA切断活性の特殊化を誘導する、DNA 切断及びRNAへの結合を同時選択する新規なインビトロ進化戦略について記載 した。RNA及びDNA基質の両者を切断するリボザイムの異質集団を用いて開 始して、本発明者等は、この戦略を36世代のインビトロ進化に適用し、50倍 増加したDNA切断活性および2倍に減少したRNA切断活性(これはRNAに 対するDNAの優先性の100倍の増加に相当する)を得た。G63における進 化した集団から、DNA切断反応及びRNA切断反応それぞれに対して2×107-1-1及び7×106-1-1の触媒効率(kcatKm-1)を有し、RNAよ りも効率的にDNAを切断するリボザイムを単離した。部位特異的変異誘発実験 は、この修飾された挙動の大部分の原因となる、リボザイムの触媒コア内の部位 271及び312のヌクレオチドにおける2つの同時変化変異の選択的利点を確 認した。 本発明者等の選択様式は、RNA触媒RNA切断反応により生成した5’生成 物に対応するRNA阻害剤の存在下、DNA基質を切断するリボザイムを要求す る。DNA基質に対して増強した親和性を有するリボザイムは、RNA生成物に よる阻害を回避するだろう。擬一次的、1回のターンオーバー条件下(B節参照 )において、基質結合は、Kmにより反映される。Kmは、最大一次反応速度の1 /2を得るために要求されるリボザイム濃度のことである。G63#19リボザ イムは、G27リボザイムよりも13倍低いKmでDNA切断反応を触媒する。 したがって、G27リボザイムと比較しての、G63リボザイムのDNA対RN A基質についての増強した優先性は、少なくとも部分的にそのDNA基質に対す る大きな親和性によるものである。 RNA生成物によりゆっくりと結合するリボザイムも、本発明者等の選択条件 下で、RNA生成物による阻害を回避する増加した可能性を有するだろう。RN A結合速度における変化は、G27及びG63リボザイムによるRNA切断の最 大の程度が異なることを説明しているだろう。G27#48は、最大〜40%の 程度までRNAを切断する。一方、G63#19は僅か〜15%までである。野 生型テトラヒメナリボザイムについては、RNA基質の不完全な切断が起こる。 なぜなら、生成物のゆっくりとした解離により、正反応と逆反応との間に内部平 衡が確立されるからである。G27及びG63リボザイムについても同様の状況 が存在するだろう。逆反応の速度がこれら2つのリボザイムで類似している場合 、G27#48と比較してのG63#19による低いRNA切断の程度は、G6 3#19の低い正反応速度によるものであろう。 2.進化した表現型の遺伝的基礎 部位特異的変異誘発実験は、G63#9リボゾームの部位271及び312にお ける共変化変異は、DNA対RNA基質についての優先性に貢献していることを 示している(表5)。これらの変異は両者とも、触媒コア内の系統学的に保存され た塩基対相互作用を破壊する。217:U→C変異は、P3ステムの末端に位置 する103Aと271Uとの間の逆フーグスティーン型であると考えられている ものを破壊する(Kim & Cech,PNAS84:8788-8792(1987);Greenら,Nature 347:406-8(1990))。312:G→AA変異は、隣接するP7ステム内の262G :311Cワトソン−クリック塩基対を破壊する。これは、結合したグアノシン 求核性とトリプル(triple)な塩基を形成すると考えられている(Michelら,Na ture 342:391-5(1989);Been & Perotta,Science 252:434-437(1991))。 したがって、部位271及び312の変異は、3’−末端グアノシンの攻撃の方 向を変化させ、DNA対RNA切断反応に区別をつけて作用するのかもしれない 。 共変化変異は、酵素の2つの相互作用している成分の間でしばしば見られるけ れども、部位271及び312のヌクレオチドは、直接相互作用しそうもない。 なぜなら、これらはP7ステムの反対端(又はその付近に)位置しているからで ある。この共依存性挙動は、間接的相互作用に起因する。L8及びP9領域にお ける変異を含む、改変した表現型に貢献するその他の変異は、リボザイムの触媒 コアの外側で起こる。このことは、これらの変異は、間接的又は遠距離作用をに よりその作用を奏していることを示唆している。 野生型テトラヒメナリボザイムのJ8/7領域の残基は、P1ヘリックス二重 鎖の基質鎖の2’−ヒドロキシル基と直接相互作用することが示されている(Pyl e & Cech,Nature 350:628-631(1991);Pyleら,Nature 358:123-128(1992);Bevi lacqua & Turner,Biochemistry 30:10632-10640(1991))。したがって、本発明者 等は、RNA結合に対する選択が、この領域における変異を誘導すると予期した 。更に、J8/7は、インビトロ進化の経過において変異に対して高い耐性を有 することが示されている。35、45、54及び63世代から単離した100の 個体の中には、この領域に変異を有しているものはなかった。更に、野生型リボ ザイムにおいては特定のRNA基質の2’−ヒドロキシル基と相互作用するヌク レオチド部位302を故意に変異させたとき、DNA接岸活性のほぼ完全な喪失 が見られた(データは示さず)。それゆえ、DNA基質に2’−ヒドロキシル基が 存在しないにもかかわらず、J8/7内の特定のヌクレオチドはDNA切断活性 において決定的である。 G63]#19リボザイムは、野生型配列に関連して29の変異を含み、G2 7#48リボザイムよりも4倍低い効率でRNAを切断するが、6.9×106 -1-1のkcatm -1で、極めて敏速にRNAを切断する。この値は、野生型 の9.7×106-1-1という値と類似している。多数の変異に耐えるリボザ イムの能力は、RNA切断活性に関して過度特殊化であることを示唆している。 この活性の実質的な低下を達成するために、より劇的な配列又は構造の壊変が必 要であるかもしれない。 しかしながら、DNA切断活性の有意な低下なしにRNA切断活性を除去する ことは、幾つかの理由により困難であろう。第一は、切断部位のリボースは、デ オキシリボースよりも本質的に反応性が高く、このことは、野生型テトラヒメナ リボザイムの場合、遷移状態に対してデオキシリボースよりも約103倍安定で あることに貢献していることである(Herschlagら,Biochemistry 32:8312-8321(1 993))。第二は、RNA/RNAホモ二重鎖はDNA/RNAヘテロ二重鎖より も安定であり、これによりDNA基質よりもRNA基質に対して強い固有の結合 親和性を提供することである(Roberts & Crothers,Science 258:1463-6(1993)) 。第三は、RNA/RNA二重鎖及びRNA/DNA二重鎖ともに、A型ヘリッ クスをとる傾向にあり(Sanger,Principles of Nucleic Acid Structure,Spring er-Verlag,NY,PP.258-261(1994))、このことが、特にリボザイムがリボザイ ム/基質結合の配列に関して一般的に維持される場合、リボザイムがこれらの二 本鎖を区別することを困難にしていることである。第四は、これらの基の大きさ が小さいため、RNA切断活性を減少させる、2’−ヒドロキシル基を含む立体 的衝突(steric conflict)が実質的なものになりそうもないということである 。デオキシリボース含有基質と比較してのリボース含有基質の固有の利点を考慮 すると、リボース含有基質は進化したリボザイムにより効率的に切断されること に注目すべきである。 3.最適の適応度(Fitness Optima)の進化的検索 インビトロ進化実験は、制御された選択圧に対する進化集団の遺伝型応答及び 表現型応答を調べる機会を提供する。本発明者等のリボザイムの試験管集団は、 相乗的及び相互排除的特性の発生を含む、その他の人工的及び天然的進化集団の ある傾向を示した。例えば、63世代の進化において、DNA切断リボザイムは 、通常、部位312における1つの変異又は部位313及び314における相乗 変 異の対を有していた。これら2つの選択肢は相互排除的であり、豊富かつ交互に 増加と減少した(データは示さず)。Lehman及びJoyce(Nature 361:182-185(1993 ))は、Ca2+依存性RNA切断リボザイムの進化集団において類似の応答を見 出した。このような複雑な挙動は、天然の集団と同様、人工的進化集団は、変異 体又は進化の過程で生成した変異体として変動する適応応答を示すことを証明し ている。 45世代と63世代の間の進化集団における多様性の増加にもかかわらず、表 現型の改善は控えめであり、リボザイムの周辺領域においては遺伝的変化が優先 的に起こった。決定的なコア領域において獲得した変異はほとんどなく、多様性 は低いままであった(データは示さず)。これらの結果は、進化した集団は、局所 的な最適の適応度に“捕捉(trap)”されるようになることを示唆している。高レ ベルの適応度を得るためには、有利性が低い中間体をこえる(traverse)するこ とが要求される。代わりに、例えば、周辺領域における中立変異の連続した蓄積 は、集団が有利性が低い中間体を迂回し、リボザイムの二次構造における全体的 な変化を通して改善された適応状態に達するだろう(Schusterら,Proc.Royal S oc.London B.255:279-284(1994);Schuster,J.Biotech.41:239-257(1995)) 。 この実施例において、本発明者等は、DNA切断及びRNA結合について選択 することにより、DNA対RNA基質についてのI群リボザイムの特異性を増強 することができることを証明した。より大きな特異性は、さらにストリンジェン ト選択条件下でインビトロ進化の追加のラウンドを行う、おそらくは高濃度のR NA阻害剤又はインキュベーション時間の短縮を用いることにより得られるだろ う。代わりに、DNA対RNAについての増強した優先性は、DNA切断反応に ついての選択圧のみに注目し、DNA基質についての最大活性を探し、改善され た特異性が自動的に続くことを予期することにより達成されるだろう。 進化したDNA切断リボザイムは既に効率的な触媒であるので、この戦略への 適合は、実施することが技術的により困難な極めてストリンジェントな選択制限 の導入を要求するだろう。更なる改善が可能であるかどうかは、I群触媒モチー フの機能的柔軟性及びRNAの触媒能力に最終的には依存する。 したがって、種々の態様において、本発明は、I群イントロンに由来するヌク レオチド配列を有するリボヌクレオチドポリマーを含む触媒性RNA分子であっ て、該ポリマーは生理的条件下で基質核酸分子の部位特異的切断を触媒すること を特徴とする分子を企図する。1つの態様において、ポリマーは、触媒性RNA 分子の1以上の触媒パラメーターを野生型I群イントロンよりも改善する1以上 の点変異をヌクレオチド配列中に含んでいる。例えば、種々の態様においては、 基質は、2本鎖又は1本鎖DNAを含んでいてもよい。1本鎖DNAが特に好ま しい。その他の態様においては、触媒パラメーターは、触媒効率、ターンオーバ ー速度、基質特異性、基質結合親和性又はこれらの種々の組合せである。 1つの例示的な態様においては、触媒性RNA分子は、野生型I群イントロン よりも少なくとも10倍改善された触媒速度を有する。別の態様においては、触 媒性RNA分子は、少なくとも10-9Mの基質結合親和性を有する。更に別の態 様では、触媒性RNA分子は、野生型I群イントロンよりも10〜105倍高い DNA基質切断速度を有する。 本発明の別の態様においては、触媒性RNA分子は、DNA対RNA基質に対 する優先性を有する。更に別の態様では、リボヌクレオチドポリマーの触媒活性 は、1価又は2価のイオンの存在下で更に増強される。 開示された種々の態様において、ポリマーのヌクレオチド配列は、本明細書に おいて配列番号1として同定される。その他、I群イントロンはテトラヒメナ・ サーモフィラ前駆体rRNAである。更にその他の態様においては、ヌクレオチ ド配列は、I群イントロンの触媒コアに由来する。開示された種々の態様におい て、I群イントロンのオリジナル“型”は、開示された本発明の範囲から離れる ことなく変化してもよい。例えば、ティー・サーモフィラがI群イントロンの源 である場合、ティー・サーモフィラのリボザイムは、“L−21型”、“L−1 9型”又はその他の形態のリボザイムであろう。 ポリマーがヌクレオチド配列中に1以上の点変異を含む態様においては、変異 は以下に示す群の中から選ばれるだろう。44:G→A;51/52:挿入AG AA;87:A→削除;94:A→U;94:A→C;115:A→U;116 :G→A;138:C→A;66:C→A;167:U→G;170:C→U; 1 88:G→A;190:U→A;191:G→U;205:U→C;215:G →A;239:U→A;258:U→C;312:G→A;313:G→U;3 13:G→C;314:A→G;317:U→G;317:U→C;317:U →A;333:U→C;350:C→U及び364:C→U。 代わりに、変異は以下に示す群れの中から選ばれてもよい。44:G→A;5 1/52:CUAA挿入;86/87:UA→削除;94:A→U;115/1 16:AG→UA;165:C→U;170:C→U;188:G→A;190 /191:UG→AU;205:U−7C;215:G→A;239:U→A; 271:U→C;289:U→A;312:G→AA;340:U→A;364 :C→U;及び366:G→A。 更に別の態様においては、変異は以下に示す群れの中から選ばれてもよい。4 4:G→A;51:G→A;51/52:CUAA挿入;86/87:UA→削 除;94:A→U;115/116:AG→UA;138:C→A;165:C →U;170:C→U;175:G→A;188:G→A;190/191:U G→AU;205:U→C;215:G→A;239:U→A;271:U→C ;288/289:GU→AA;292:U→A;312:G→AA;334: A→G;340:U→A;347:A→G;366:G→A;389:U→C及 び390:A→C。 更に本発明は、触媒性RNA分子であって、置換がヌクレオチド部位271に おけるUのCでの置換及び部位312におけるGのAAでの置換を含んでいる分 子を開示している。相乗又は相乗ではない、種々の開示されたその他の組合せも 本明細書において企図されている。 例えば、1つの態様においては、変異は分子の触媒コアで起こる。その他では 、変異は周辺領域で起こる。更にその他では、開示された分子の触媒パラメータ ー(又は能力)を増強する変異は、触媒コア及び周辺領域の両者において起こる 。 実施例5アミド切断活性を有する酵素性RNA分子 金属依存性加水分解機構により、アミド結合、例えば不活性アルキルアミド結 合を切断することができる、酵素性RNA分子(又はリボザイム)が開発された 。これは、通常タンパク質自身から構成されるプロテアーゼ/ペプチド酵素によ り行われる反応に匹敵する。 活性化アリールアミドの切断を促進する人工酵素についての文献が報告されて いる。例えば、Jandaら(Science 241:1188-1192(1988))は、アミダーゼ活性 を有する抗体について記載している。これは無意味な開発ではないが、これは酵 素活性を有するタンパク質に関連するものであり、更に切断される結合がペプチ ド結合はペプチド結合ではない。テトラヒメナのリボザイムが、ある環境下アミ ノアシルエステルの加水分解を促進するわずかな能力を有すること示す報告があ る(Piccirilliら、Science 256:1420-1424(1992))。それにもかかわらず、Picci rilliらにより検討された反応は、酵素の非存在下における一般的加水分解反応 により容易に達成される。対照的に、アミド加水分解反応は触媒を要求する。 したがって、本明細書に開示された酵素的RNA分子は、ポリペプチド内のア ミド結合に似ている不活性化アルキルアミドの切断を触媒するので、前記のもの と区別することができる。更に、アミド切断活性を有する、開示された分子の範 囲内にあるものは、タンパク質そのものではない。 本実施例は、標的アミドの上流に8ヌクレオチド及び下流に1以上のアミノ酸 を有するオリゴデオキシヌクレオチド−ポリペプチド“ハイブリッド”分子の面 でアミド結合を含む基質を利用するが、本発明の酵素性RNA分子により認識さ れるか又は認識可能なあらゆるアミド結合含有分子(ポリペプチド及びタンパク 質を含む)が、本明細書に記載されるようにして切断されるが期待される。更に 、リボザイムは、ワトソン−クリック対形成及びハイブリッド分子に存在する上 流ヌクレオチドを含む第三の接触(tertiary contact)により基質に結合し、こ れにより、アミドは、結合したMg2+補因子のごく近接に引き付けられ、ポリペ プチド分子に緊密に結合するリボザイムを生成する実施例1に記載のインビトロ 進化方法の枠組みの範囲内で、前記上流のヌクレオチドをアミノ酸で連続的に置 換することが期待される。 本発明の方法は、所望の位置の特定のアミド結合を切断することができる、触 媒的に活性なRNA分子の操作及び選択の促進においても有用である。別言する と、本発明は、特定の、子め選択したアミノ酸間の特異的ペプチド結合を切断す ることができるRNA分子の巨大配列の構築を許容する。そのような特異性を有 する酵素を効率的に設計する能力を有しているという利点は、非常に貴重なもの である。本発明は、適切なプロテアーゼを同定するために非常に多数の生物又は 構築物をスクリーニングする必要性を取り除くという点でも有利である。本明細 書に開示された方法を使用して、当業者は所望の特異性及び活性を有する分子を 設計し、構築するだろう。 更に、下流のヌクレオチドとの必須の接触が存在しないので、下流のアミノ酸 を、その他のアミノ酸、ペプチド若しくはポリペプチド又はその他の化学置換基 で置換することができるだろう。酵素性RNA分子を、ポリペプチドを認識し、 結合し、切断する本格的なアミド結合切断分子への転換は、本明細書に開示され た範囲内のインビトロ進化技術を使用して、アミド切断活性を維持し、特定のタ ンパク質に結合するリボザイムについて選択することにより達成されるだろう。 (Tuerk & Gold,Science 249:505-510(1990)及びJellinekら,PNAS USA 90:1122 7-11231(1993)も参照のこと)。同様に、ペプチダーゼ活性を有する酵素性RNA 分子の設計及び構築は、本発明の開示の範囲内のガイドライン及び技術を使用し て達成することができるだろう。 標的アミドを切断することができる能力を有する酵素性RNA分子は、好まし くは、実施例1等に記載されるインビトロ進化方法にしたがい製造される。した がって、本明細書に記載されたリボザイムは、代替として、リボヌクレオチド、 デオキシリボヌクレオチドまたはその他のヌクレオチド含有基質(例えば、アラ ビノヌクレオチド基質)の面において、特定のホスホエステル結合を切断する能 力を有するものとして記載されているが、進化したリボザイムがリン酸エステル の代わりにアミドを含んでいる基質について提供されるとき、進化したリボザイ ムは、アミドの切断を触媒し、遊離アミン及び遊離カルボキシル末端を有する生 成物を生成することが見出された。 隣接するアミノ酸間のアミド結合を切断する能力を有する酵素性RNA分子の 連続的進化を刺激するために、種々の“ハイブリッド”分子、例えば一連の1以 上のアミノ酸に結合している一連のヌクレオチドを含む分子を、以下に示すよう にして最初に合成する。合成した分子を使用して、本発明の有用な酵素性RNA 分子を同定する。 したがって、その他の開示の中で、本発明者等は、I群イントロン由来のヌク レオチド配列を有するリボヌクレオチドポリマーを含む触媒性RNA分子であっ て、該ポリマーが基質内のアミド結合の加水分解を触媒し、アミノ切断生成物及 びリボザイムアミダーゼ中間体を生成する分子をも開示している。開示された種 々の態様の中の1つでは、触媒性RNA分子は、(a)リボヌクレオチドポリマ ーが、求核性2’ヒドロキシルを有するリボース糖を有する5’末端ヌクレオチ ドを有し、(b)リボザイムアミダーゼ中間体が、求核性2’ヒドロキシルと基 質のカルボキシ基との間のエステル結合を含んでいることが企図される。 別の態様においては、基質が、カルボキシ基を有するカルボキシ末端アミノ酸 残基を含む2以上のアミノ酸残基を有するペプチド(カルボキシ末端アミノ酸残 基は、リボヌクレオチドポリマーの2’ヒドロキシルへ、エステル結合により共 有結合している)を含んでいる触媒性RNA分子が開示される。本発明は、更に 、(a)I群イントロン由来のヌクレオチド配列を有するリボヌクレオチドポリ マーであって、更に2’ヒドロキシルを有するリボース糖を有する5’末端ヌク レオチドを含んでいるポリマーと、(b)アミド結合を含み、カルボキシ末端ア ミノ酸残基を含む1以上のアミノ酸残基(カルボキシ末端アミノ酸残基は、リボ ヌクレオチドポリマーの2’ヒドロキシルへ、エステル結合により共有結合して いる)を有する基質分子を含むリボザイムアミダーゼ中間体を開示している。 A.リボサイム及び基質の合成 1.オリゴヌクレオチドの合成 ハイブリッド分子のオリゴヌクレオチドセグメント、例えばd(GGCCCTCTNH2)( 配列番号11)の製造手順を、以下に詳細に記載する。 7-mer d(GGCCCTC)(配列番号12)を、自動化DNA合成機中で製造し、通常 の方法で脱保護し、ポリアクリルアミドゲル電気泳動及び続くデュポンNENS ORB(デュポン(DuPont)、ウィルミントン、デラウェア)中のアフィニティ ークロマトグラフィーにより精製した。TNH2残基は、3’−アミノ’3’デオキ シチミジン−5’−トリホスフェート形態で提供され(U.S.バイオケミカル( U.S.Biochemical)、クリーブランド、オハイオ)、末端デオキシヌクレオチジル トランスフェラーゼ(TdT、U.S.バイオケミカル、クリーブランド、オハ イオ又はBRL、ゲーサーズバーグ、MAより入手可能)を使用して、これを酵 素的に7−merに結合し、所望の8−mer生成物を生成した。 8−merを、ポリアクリルアミドゲル電気泳動及び続くアフィニティークロ マトグラフィーにより精製した。8−merは、未反応の7−merよりもかな りゆっくりと移動することが見出された(データは示さず)。最終的に、生成した 8−merを、標準的なプロトコルにしたがい、[γ−32P]ATP及びT4ポ リヌクレオチドキナーゼを使用して、[5−32P]標識した(一般的には、標識 混合物は、2μlの5×緩衝液、1μlの8−mer、1μlのα−32P−AT P、4μlのH2O及び2μlのT4キナーゼを含んでおり、これを37℃で1 時間維持した)。 8-mer d(GGCCCTCTNH2)(配列番号11)マーカー及びアミド結合含有基質の酵 素性RNA分子触媒切断の8−mer 5’生成物は同一の移動度を有していた 。これは、本発明の酵素性RNA分子のアミド切断活性を効果的に示している。 2.リボザイムの製造 本明細書においてクローン48及び61として同定された酵素性RNA分子を 、本明細書に記載された範囲内の切断実験において使用した。ただし、本発明は これらのリボザイムに限定されるものと理解されるべきではない。クローン48 及び61は、DNA切断能力について最適化し、実施例1〜3(及びBeaudry & J oyce,Science 257:635-641(1992)及びTsang & Joyce,Biochemistry 33:5966-5 973(1994))に記載されるようにして製造した。クローン48及び61に由来する リボザイムを、27世代から選択した。 リボザイム48及び61(G27#48及びG27#61)を以下に示す。リ ボザイムG27#48は、以下に示す部位において変異を含んでいる。44:G →A,51/52:挿入AGAA,87:A→削除,94:A→U,115:A →U,116:G→A,166:C→A,170:C→U,188:G→A,1 90:U→A,191:G→U,205:U→C,215:G→A,239:U →A,312:G→A,350:C→U及び364:C→U。リボザイムG27 #612は以下に示す変異を含んでいる。44:G→A,51/52:挿入,8 7:A→del,94:A→U,115:A→U,116:G→A,166:C →A,170:C→U,188:G→A,190:U→A,191:G→U,2 05:U→C,215:G→A,313:G→C及び314:A→G。 リボザイムG27#61は、G27#61には存在しない以下に示す変異を含 んでいる。239:U→A、312:G→A、350:C→U及び364:C→ U。同様に、リボザイムG27#61は、G27#48には存在しない以下に示 す変異を含んでいる。313:G→C及び314:A→G。 3.ハイブリッド分子の合成 前記したように、オリゴヌクレオチドを最初に製造した。次に、ヌクレオチド 配列の“頭部”を、アミド結合を介して、アミノ酸残基配列“尾部”に結合し、 ハイブリッド基質分子を形成した。好ましくは、ハイブリッド分子の全体の“シ リーズ”を、連続的インビトロ進化方法における使用のために製造する。これに より、例示的なシリーズの最初の分子は、アミド結合によりポリペプチド(例え ば、モノマー又はダイマー)に結合したオリゴヌクレオチド配列(例えば、8− mer)を含むだろう。例えば、そのようなシリーズの最初のハイブリッド分子 は、ポリペプチドダイマーに結合したオリゴヌクレオチド8−merを含んでい るだろう。そのようなシリーズ中の続くハイブリッド分子は、好ましくは、ハイ ブリッド分子の“頭部”に1つのヌクレオチドのみが残るようになるまでいちい ち1つの少数のヌクレオチドを含んでいる。例えば、シリーズ中の第二の分子は ポリペプチドトリマーに結合したオリゴヌクレオチド7−merを含んでいる。 第三の分子は、ポリペプチドテトラマーに結合したオリゴヌクレオチド6−me rを含んでいる。そのような“シリーズ”内の代表的なハイブリッド分子は、本 明細書に開示されるインビトロ進化方法論と共に連続的様式で使用され、変異、 選択及び増幅の連続的ラウンドにおいて、有用な酵素性RNA分子を同定する。 ハイブリッド分子の“頭部”に1つのヌクレオチドのみが残るようになるまで ペプチドモノマー、ダイマー等が例示として記載されるが、本発明のハイブリッ ド分子は、より長くより複雑なポリペプチド配列を含んでいてもよいことが理解 されるべきである。すなわち、本発明のハイブリッド分子は、わずか1又は2つ のアミノ酸残基を含んでいてもよく、実質的に長いポリペプチド又はタンパク質 を含んでいてもよい。但し、ポリペプチド“尾部”の長さは、本発明の酵素性R NA分子がハイブリッド分子を認識し、結合する能力を実質的に妨害しないもの である。さもなくば、そこに含まれるアミド結合の切断は妨害される。 ヌクレオチド及び/又はアミノ酸配列は、所望により変化してもよいというこ とは理解されるべきである。例えば、ハイブリッドの“頭部”のヌクレオチド配 列は、普通及び/又は異常又は修飾ヌクレオチド(37CRR $$1.821 以下参照)を、任意の順序で含んでいてもよい。同様に、本明細書に開示された ある代表的なハイブリッド分子は、“尾部”配列に同一のアミノ酸対を含んでい るが、本発明のハイブリッド分子のアミノ酸残基配列は変化してもよく、更に異 常又は修飾アミノ酸を含んでいてもよいということは明白に理解されるべきであ る。 本発明のハイブリッド分子は、ヌクレオチド及びアミノ酸配列がアミド結合に より結合するように、通常設計され、構築される。一般的には、Zieboll & Orge l,J.Mol.Evol.38:561-565(1994)及びEhlerら,Biochim.et Biophys.Acta 4 34:233-243(1976)(これらの開示は参照することにより本明細書に組み込まれる )を使用し、以下に示すようにして適合させる。 通常、イミダゾールの0.5M用液を最初に製造し、選択したアミノ酸を溶解 させる。本実施例においては、アルギニン(L−アルギニン、純度98%、アル ドリッチ・ケム(Aldrich Chem.Co.)、ミルウォーキー、ウィスコンシン)を、 アルギニンの終濃度が0.1Mになるまで、0.5Mイミダゾール中へ溶解した 。次に、アルギニン溶液125μlをエッペンドルフチューブ中に置いた。オリ ゴヌクレオチド2μlを、別々の清潔なエッペンドルフチューブ中に置き、乾燥 (例えば、スピン−バック(spin-vac))し、冷却(例えば、氷中に置く)した。本 実施例においては、2μlの放射性標識d(GGCCCTCTNH2)(配列番号11)(前記 1節に記載されるようにして合成)を、別々の清潔なエッペンドルフチューブ中 へ置き、乾燥し、氷中に置いた。 約0.1mgの1,1’−カルボニルジイミダゾール(“CDI”、アルドリ ッチ、ミルウォーキー、ウィスコンシン)を計り、0.1Mアルギニン溶液へ添 加した。CDIはアミノ酸の“活性化”に役立つ(Ehlerら,上掲書(1976)参照)。 CDIを溶液中に溶解させた後直ちに、混合物を氷中に約1分間置いた。前記溶 液の約20μlを、d(GGCCCTCTNH2)(配列番号11)含有チューブへ、氷中(す なわち、約0℃)で添加した。これらの混合物を含有するチューブを冷凍室に置 き、インキュベートした。種々の時間時点(例えば、30分、60分)で、10 μlのサンプルを採取し、2×ゲルローディング緩衝液を用いてクエンチし、氷 中に置いた。各サンプル(各時間時点由来)の半分を、8M尿素−20%ポリア クリルアミドゲル中にローディングし、前記の標準的プロトコルにしたがい操作 した。 本発明者等は、代表的なオリゴヌクレオチド−オリゴペプチド“ハイブリッド ”の合成の成功を確認することができた。代表的なゲルにおいて、5’−標識d( GGCCCTCTNH2)を1つのレーンに置いた。その他の2つのレーンは、5’−標識d( GGCCCTCT)-Argを含んでおり、30分60分に測定した(データは示さず)。 前記で示すようにして合成した2つのハイブリッド分子を単離し、本質的には 以下に示すようにして行った切断反応に使用した。本明細書において“オリゴ− Arg”として同定する第一の分子は、配列d(GGCCCTCT)-Arg(配列番号13)を 有し、第二の分子“オリゴ−Arg2”は、配列d(GGCCCTCT)-ArgArg(配列番号 14)を有していた。 しかしながら、本発明の酵素性RNA分子により切断することができるハイブ リッド及びポリペプチド基質は、アルギニン残基のみを含むものに限定されない ことは明確に理解されるべきである。更に、基質はアミド結合を含むものに限定 されるのではなく、例えばペプチド結合等を含む基質も企図される。アルギニン を欠く基質及び/又は更に異常/修飾アミノ酸(好ましくはL型)を含む基質も、 開示された範囲内の本発明によって企図される。例えば、詳細な説明の節Aの対 応表(37 CFR $1.822に記載)に掲載されるアミノ酸は、本発明の ハイブリッド及びポリペプチド基質において有用である。 本明細書に記載するインビトロ進化手順に有用な、ハイブリッドオリゴヌクレ オチドーオリゴペプチド分子は、異常アミノ酸、“正常”アミノ酸の変異体又は アミノ酸類似体、例えばS−アデノシルシステイン、S−アデノシル−ホモシス テイン、L(+)−カナバニン(canavanine)、ヒドロキシプロリン、メチオニン メチルスルホニウムクロライド及びw−ニトロアルギニンを含んでいてもよい( 例えば、Zieboll & Orgel,J.Mol.Evol.38:561-565(1994)を参照)。 4.アミド、ポリペプチド及びタンパク質基質 本明細書に記載するように、本発明の酵素性RNA分子を操作して、隣接する アミノ間の間の結合を、高い効率かつ特異性で切断することができるだろう。天 然に発生(すなわち、天然)、合成、誘導体化又は結合した、あらゆるアミド、ポ リペプチド又はタンパク質基質は、本明細書に開示された酵素性RNA分子の適 切な基質である。 アミド基質は、切断しやすいアミド結合を含む化合物である。好ましいアミド 基質には、ペプチド及び2級アミンと末端ペプチドカルボキシ基との間のアミド 結合を有するペプチド結合物が含まれる。例えば、2−’アミノ 3’−デオキ シリボースは好ましい2級アミンである。本発明のリボザイムがアミド基質を加 水分解すると、アミノ切断生成物及びリボザイム−アシル中間体、すなわちリボ ザイムアミダーゼ中間体を生成する。2つのアミノ切断生成物は、2級アミン、 例えば2’−アミノ 3’−デオキシリボース又は遊離のアミノ末端を有するペ プチド断片を含んでいる。好ましいリボザイムアミダーゼ中間体は、リボザイム のヒドロキシル基とペプチドの末端カルボキシル基との間のエステル結合を含ん でいる。ペプチドは1以上のアミノ酸残基を含んでいてもよい。更に、ペプチド は、直鎖又は環状であってもよく、非天然アミノ酸及びリボソーム翻訳が不可能 なアミノ酸を含んでいてもよい。更に、アミノ酸残基はD又はL型異性体のいず れかであってもよい。 代わりのアミド基質には、アミド結合グリコペプチド及びアシル化アミノ糖含 有炭水化物、例えば2−アセトアミド−N−(L−アスパルト(aspart)−4− オイル(oyl))−2−デオキシ−β−D−グルコピラノシルアミン又はアスパラ ギニル−N−アセチルグルコサミンが含まれる。これらのアミド基質のいずれか の切断により、アミノ切断生成物としてのアミノ糖が得られる。N−アセチルア ミノ糖の切断により、アセチル化デオキシヌクレオチドを有するリボザイムアミ ド中間体が生成する。グリコペプチドの切断により、リボザイムのヒドロキシル 基とペプチドのカルボキシル基との間のエステル結合を有するリボザイムアミド 中間体が生成する。ペプチドのカルボキシル基は、末端カルボキシル基又はアス パラギン酸若しくはグルタミン酸残基であってもよい。ペプチドグリカンを含む アミド結合グリカンは、アミダーゼ活性リボザイムにより切断可能なアミド基質 の更なるクラスでもある。 本発明のRNA酵素を使用してあらゆる長さのポリペプチドが切断可能である けれども、本発明の特異的酵素性RNA分子を設計することを探求する者は、イ ンビトロ進化の初期段階においては長いポリペプチドよりも短いポリペプチドを 利用することが便利であることを見出すだろう。例えば、12又はそれより少な いアミノ酸(例えば、ダイマー、テトラマー、8−mer等)が本明細書におい て例示として検討されているけれども、本発明はこれに限定されないことを明白 に理解すべきである。 本明細書において使用されているポリペプチドは、現存する源(例えば、巨大 なポリペプチド又はタンパク質のタンパク質分解)又は当業者に既知のあらゆる ペプチド合成技術による合成に由来することができる。利用可能ないくつかの技 術の要約は、J.M.Stuard & J.D.Young,“Solid Phase Peptide Synthesis” ,W.H.Freeman Co.,San Francisco(1969);J.Meinhofer,“Hormonal Protei ns and Peptides”Vol.2,pp.46,Academic Press(NewYork)1983;E.Schrode r & K.Kubke,“The Peptides”,Vol.1,Academic Press(New York),1965 f or classical solution synthesis,及び米国特許第4,631,211号明細書に見出す ことができる。これらの文献の開示は参照することにより本明細書に組み込まれ る。 本発明に望ましいポリペプチドが比較的短い(すなわち、約25〜50アミノ 酸残基未満)とき、Merrifield(JACS 85:2149(1963))等に記載される固相技術 を通常に用いた、直接的ペプチド合成技術が一般的に好まれる。前記の合成に おいて使用可能な適切な保護基は、前記の文献及びJ.F.W.McOmie,Protective Groups inOrganic Chemistry,Plenum Press,New York,1973(参照することに より本明細書に組み込まれる)に記載されている。 本明細書に開示される有用なポリペプチドは、組換えDNA技術により合成す ることもできる。所望のポリペプチドが比較的長い(約50アミノ酸残基よりも 大きい)とき、この組換え技術は特に好まれる。組換えDNA技術を使用して本 発明のポリペプチドを製造するとき、所望のポリペプチドをコードするDNAセ グメントを、あらかじめ選択したベクターに組み込み、ついで適切な宿主中で発 現させる。発現したポリペプチドは、好ましくは、例えばゲル電気泳動、免疫吸 着クロマトグラフィー等の所定の方法により精製する。 インビトロ進化の初期のラウンドを、小さいポリペプチドを使用して都合よく 行っている間、例えば選択工程の間、本発明の酵素性RNA分子は、本明細書に 開示された範囲内の技術を使用することにより、種々の長さ、コンホメーション 及び生化学的又は物理的特徴を有するポリペプチド又はタンパク質を認識し、結 合し、切断するように操作されるだろう。 B.ハイブリッド分子の切断 前記で製造したハイブリッド分子6μl、5×低Mg2+緩衝液及び2μlリボ ザイムを混合し、37℃で約8時間又は一晩インキュベートした。インキュベー ション後、混合物の約半分を含むサンプルを標識し、前記の通り、8M尿素−2 0%ポリアクリルアミドゲル中にロードし、流した。5’−標識d(GGCCCTCTNH2) (配列番号11)も対照として流した。 本発明のリボザイムによるハイブリッド基質の切断により、末端−NH2を有 する8−mer5’−生成物が生成した。例えば、アミド結合含有基質の切断に より、末端アミンを有する5’生成物及び末端カルボキシルを有する3’生成物 が生成した。反応により、2’ヒドロキシルを有するリボース糖を有する5’末 端ヌクレオチドを含むリボヌクレオチドポリマーを含むリボザイムアミダーゼ中 間体及び、カルボキシ末端アミノ酸残基を含む1以上のアミノ酸残基を有するペ プチドであって、カルボキシ末端アミノ酸残基が前記リボヌクレオチドポリマー の2’ヒドロキシルへエステル結合により結合しているペプチドが生成した。リ ボザイム関連生成物を続いて加水分解し、末端アミンを有する5’生成物及び末 端カルボキシルを有する3’生成物を得た。リボザイム関連生成物の加水分解の 後、酵素は自由にサイクル、すなわち自由に別のアミド結合を切断することがで きる(Hentzenら,Biochimica et Biophysica Acta 281:228-232(1972)を参照)。 説明のみを目的として、本明細書においては、オリゴヌクレオチド分子の面で 、アミド結合をしばしば検討している。アミド結合側方のモチーフの一方又は両 方を、適切なアミノ酸構造式及び標識で置換してもよいことは明白に理解される べきである。例えば、ヌクレオチドを、アミノ酸、例えばArgで置換する場合 、中間体は、ペプチド結合が切断され、続いて加水分解により遊離した後もアル ギニン部分がリボザイムに一時的に結合したままであることを明らかにするだろ う。 ハイブリッド分子のリボザイム触媒切断は、種々の実験において確認された( データは示さず)。典型的な反応条件は以下に示す通りである。1μMリボザイ ム、1μM[5’−32P]標識基質、10mM MgCl2及び30mM EPP S、37℃、pH7.5、8時間。 本発明の酵素性RNA分子による、ハイブリッドオリゴヌクレオチド−オリゴ ペプチド基質の切断を確認する1つの例示的なゲルにおいて、5’−標識8−m erマーカーを第一レーンにおいて使用した。リボザイムと5’−標識ハイブリ ッド基質との相互作用により、第二レーンにおいて、末端−NH2を有する8− mer5’生成物が生成した。第三レーンは基質のみを含んでいた。すなわち、 リボザイムは存在しなかった(データは示さず)。 8−mer d(GGCCCTCTNH2)(配列番号11)マーカー及びアミド結合含有基 質の酵素性RNA分子触媒切断による8−mer5’生成物は、同一の移動度を 有していた(データは示さず)。このことは、本発明の酵素性RNA分子のアミド 切断活性を効果的に示す。 反応は、Mg2+の存在に依存しているらしい。ただし、その他の二価カチオン も有用であると期待される。例えば、Mg2+の代わりにMn2+を使用しても満足 のいく結果を得た。一般的に、反応は37℃で8時間又は一晩行われるが、 インビトロ進化技術を適用するときは、これらのパラメーターは調節を続けるだ ろう。例えば、短時間の切断反応を行う酵素性RNA分子の選択はより好まれる だろう。一価又は二価カチオンを利用する酵素性RNA分子の選択も、有用な選 択であろう。 したがって、本発明の酵素性RNA分子によるハイブリッドオリゴヌクレオチ ド−オリゴペプチド基質の切断は確認された。 リボザイムG27#48は、G27#61よりも急速にアミド結合を切断する ことが見出された(データは示さず)。切断反応速度は、温度が45℃までは上昇 するにつれて減少し、50℃では完全に停止した(データは示さず)。オリゴヌク レオチド切断を含む実験とは異なり、リボザイムは、ハイブリッド分子における 切断を“意図”された結合の上流1つの部位を時折切断することが見出されたが 、アミド結合の下流は切断しなかった(Tsang & Joyce,Biochemistry 33:5966-5 973(1994)を参照)。例示的なゲルにおいては、“誤切断(mis-cleavage)”事象は 、切断が所望(あらかじめ選択)の部位で起こったときに生成した生成物を表す バンドの“下”のバンドにより証明された。しかしながら、この“誤切断”事象 は、例えば変異体の前世代へ戻ること及び異なる亜集団を生成すること、又は所 望の部位以外の部位を切断するリボザイムを除去するように設計された選択基準 を適用することにより進化集団から選択的に除去されるかもしれない。 C.ポリペプチド分子の切断 以下に示す一般的手順は、あらかじめ選択された隣接アミノ酸間の部位特異的 切断の確認に有用である。例えば、2つのアルギニン分子間の結合を部位特異的 に切断することができる酵素性RNA分子が同定されたことを確認するために、 以下に示す手順を使用してもよい。 小さいポリペプチド基質(例えば、8−mer)を、前記A節に記載されたよ うにして製造し、これは好ましくは1対のArg−Arg部分を含んでいた。ペ プチド基質6μl、5×低Mg2+緩衝液及び2μlリボザイムを混合し、37℃ で約8時間又は一晩インキュベートした。ポリペプチド基質の標識により反応生 成物の検出を促進し、前記の様にして部位特異的切断を確認した。 インキュベーション後、混合物の約半分を含むサンプルを、前記の様にして適 切なゲル中にロードし、流した。酵素が存在しない基質ポリペプチドのサンプル を対照として流した。期待される切断生成物のサンプルも対照として好ましく流 した。続いて、大きな基質ペプチドを利用する評価を行い、あらかじめ選択した アミノ酸間の部位特異的切断をさらに確認した。 実施例6 酵素性RNA分子の代替の製造方法 野生型及び変異リボザイムの代替の製造方法の1つは、以下に示される通りで ある。野生型及び変異リボザイムは、Current Protocols in Molecular Biology ,Ausubelら編,John Wiley and Sons,New York(1987)に記載された標準的方法 を使用して、Zaugら,Biochemistry 27:8924(1988)に記載されたプラスミドPT 7−21に由来する443塩基対のEcoRI−HindIII制限エンドヌク レアーゼ断片を単離することにより製造した。 この443塩基対の断片は、Dunnら,J.Mol.Biol.166:477-535(1983)に記 載されたT7プロモーター並びにBeenら,Cell 47:207-216(1986)に記載された テトラヒメナのIVSの22〜414残基及び3’テトラヒメナのエクソンの1 〜25残基を含んでいた。このEcoRI及びHindIII断片を、M13ベ クターM13mp18(Yanisch-Perronら,Gene 33:103-119(1985)に記載され たベクターに類似)であって、EcoRI及びHindIIIdeあらかじめ切 断したベクターへ、Current Protocols in Molecular Biology,Ausubelら編,J ohn Wiley and Sons,New York(1987)等に記載された標準的サブクローニング手 順にしたがい挿入した。得られたM13T7L−21 DNA構築物を使用して 、Molecular Cloning:A Laboratory Manual(Maniatisら編,Cold Spring Harbor Laboratories,Cold Spring Harbor,New York(1989))に記載された形質転換手 順にしたがい、大腸菌宿主細胞を形質転換した。 次いで、1本鎖DNAを、Current Protocols in Molecular Biology(上掲書 ,1987)に記載された手順にしたがい、M13T7L−21形質転換細胞から調 製した。前記構築物の正確性を、大腸菌DNAポリメラーゼI(ベーリンガー・ マ ンハイム・バイオケミカルズ(Boehringer Mannheim Biochemicals)、インディア ナポリス、インディアナ)及びジデオキシヌクレオチド配列決定法(Sangerら, PNAS USA 74:5463-5467(1977)を参照)を使用したDNA配列決定により確認し た。 野生型及び変異リボザイムを、Joyce & Inoue,Nucleic Acid Research 17:71 1-722(1989)に記載された技術の修飾を使用して、1本鎖M13T7L−21D NAから直接製造した。この技術は、適宜1以上の変異誘発オリゴデオキシヌク レオチドを含む鋳型鎖の構築を含んでいる。得られた部分的に不適正なdsDN Aを、T7 RNAポリメラーゼを使用して直接転写した。 要約すると、手順は以下に示す通りである。5倍モルを超えるターミネーター ポリヌクレオチド及びミューテーターオリゴヌクレオチドを、5μgの1本鎖M 13T7L−21DNA、及び、HClでpH7.5に調節した20mM Tr is[ヒドロキシメチル]アミノメタン(Tris−HCl)、50mM NaCl 及び2mM MgCl2を含む溶液と混合した。この溶液を70℃で5分間維持 し、次いで40分間かけて30℃まで着実に冷却した。15UのT4 DNAリ ガーゼ(U.S.バイオケミカルズ、クリーブランド、オハイオ)及び7.5U のT4 DNAポリメラーゼ(U.S.バイオケミカルズ)を、十分量の試薬と 共に溶液中へ混合し、終濃度20mM Tris−HCl(pH7.5)、50m M NaCl、5mM MgCl2、2mM ジチオスレイトール(DTT)、1 mM アデノシントリホスフェート(ATP)並びに各0.5mMのdGTP、 dTTP、dATP及びdCTP(dNTP)を含む溶液を作成した。得られた 溶液を37℃で60分間維持し、変異鎖の合成を完了した。得られたDNAをエ タノール沈殿により精製し、変異RNAの転写に直接使用した。 転写は、Davanlooら,PNAS USA 81:2035-2039(1984)に記載された1μgの変 異DNA、2μCiの[α32P]GTP及び50UのT7 RNAポリメラーゼを 含む10μl中で起し、得られた生成物をButler & Chamberlain,J.Bio.Chem .257:5772-5779(1982)により最初に開発された手順にしたがい精製するか、又 は、10μlの変異DNA、40μCiの[3H]UTP及び2400UのT7 RNAポリメラーゼを含む400μl中で起した。いずれの場合において も、転写混合物は、40mM Tris−HCl(pH7.5)、15mM Mg Cl2、10mM ジチオスレイトール、2mM スペルミジン及び1mMの( 各)NTPを含んでおり、これを37℃で90分間インキュベートした。T7 RNAポリメラーゼを、フェノールで抽出し、転写生成物をエタノール沈殿によ り精製した。変異RNAを、5%ポリアクリルアミド/8M尿素ゲル中の電気泳 動により単離し、エタノール沈殿及びセファデックス(SEPHADEX)G−50中の クロマトグラフィーにより精製した。 3’エクソン配列は、Inoueら,J.Mol.Biol.189:143-165(1986)に記載され たRNA触媒部位特異的加水分解により除去した。要約すると、RNAを、50 mM CHES(pH9.0)及び10mM MgCl2の存在下、42℃で1 時間インキュベートした。野生型及び変異RNAを、5%ポリアクリルアミド/ 8M尿素ゲル中の電気泳動により単離し、ゲルから溶離し、デュポンNENSO RB(デュポン、ウィルミントン、デラウェア)中の親和性クロマトグラフィー により精製した。RNAを、デルタP9欠損を含むことを除いて、Sangerら(PNA S USA 74:5463-5467(1977))に記載された方法の修飾(部分的RNase消化に よる3’末端からの配列決定(Donis-Kellerら,Nucleic Acids Res.15:8783-8798 (1987)))を使用して、ジデオキシヌクレオチドの存在下、AMV逆転写酵素( ライフ・テクノロジーズ(Life Technologies,Inc.)、ゲーザースバーグ、MD )を使用したプライマー伸長分析により配列決定した(データは示さず)。 本発明の酵素性RNA分子を製造するその他の方法は、化学合成に基づくもの である。RNAの化学合成に有用な方法は、DNA合成に使用する方法に類似し ている。しかしながら、RNA中の追加の2’−OH基は、選択的3’−5’ヌ クレオチド間結合形成及び塩基の存在下におけるRNAの分解に対する感受性に 対処するための異なる保護基戦略を要求する。 2’ヒドロキシルの保護のためのt−ブチルジメチルシリル基を利用したRN A合成について最近開発されたRNA合成法は、リボザイムの化学合成用のもっ とも確実な方法であろう。この方法は、正しい3’−5’ヌクレオチド間結合、 99%をおける平均結合収率を有するRNAを再現可能に提供し、ポリマーにつ いての2工程の脱保護のみを要求する。その他の有用な方法も利用可能である。 例えば、国際公開第93/23569号パンフレット(この開示は参照すること により本明細書に組み込まれる)は、その他の有用なリボザイムの化学合成法を 記載している。 特定の態様及び実施例を含む前記の記載は、本発明の説明を意図したものであ り、本発明を限定するものではない。本発明の真の精神及び範囲から離れること なしに、その他多数の変異及び修飾を行うことが可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG ,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT ,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA, CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE ,KG,KP,KR,KZ,LC,LK,LR,LS, LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,MW,M X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SG,SI,SK,SL,TJ,TM,TR,TT, UA,UG,UZ,VN,YU,ZW

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.I群イントロン由来のヌクレオチド配列を有するリボヌクレオチドポリマー を含む触媒性RNA分子であって、該ポリマーが、生理的条件下で基質核酸分子 の部位特異的切断を触媒することを特徴とする分子。 2.ポリマーが、触媒性RNA分子の1以上の触媒パラメーターを、野生型I群 イントロンの触媒パラメーターよりも改善する1以上の点変異を含んでいる、請 求の範囲第1項記載の触媒性RNA分子。 3.基質がDNAを含んでいる、請求の範囲第1項記載の触媒性RNA分子。 4.触媒パラメーターが触媒効率である、請求の範囲第2項記載の触媒性RNA 分子。 5.分子が、野生型I群イントロンよりも少なくとも10倍改善された触媒速度 を有する、請求の範囲第4項記載の触媒性RNA分子。 6.触媒パラメーターがターンオーバー速度である、請求の範囲第2項記載の触 媒性RNA分子。 7.触媒パラメーターが基質特異性である、請求の範囲第2項記載の触媒性RN A分子。 8.触媒パラメーターが基質結合親和性である、請求の範囲第2項記載の触媒性 RNA分子。 9.触媒性RNA分子が、少なくとも10-9Mの基質結合親和性を有している、 請求の範囲第8項記載の触媒性RNA分子。 10.触媒性RNA分子が、野生型I群イントロンよりも10〜105倍のDNA 基質切断速度を有する、請求の範囲第2項記載の触媒性RNA分子。 11.ヌクレオチド配列が配列番号1で同定されるものである、請求の範囲第1項 記載の触媒性RNA分子。 12.I群イントロンが、テトラヒメナ・サーモフィラ前駆体rRNAのイントロ ンである、請求の範囲第1項記載の触媒性RNA分子。 13.ヌクレオチド配列が、I群イントロンの触媒コアに由来する、請求の範囲第 1項記載の触媒性RNA分子。 14.分子が、DNA対RNA基質についての優先性を有する、請求の範囲第1項 記載の触媒性RNA分子。 15.リボヌクレオチドポリマーの触媒活性が、一価又は二価イオンの存在により 増強される、請求の範囲第1項記載の触媒性RNA分子。 16.変異が、以下に示す群の中から選ばれる、請求の範囲第2項記載の触媒性R NA分子。 44:G→A; 51/52:挿入AGAA; 87:A→削除; 94:A→U; 94:A→C; 115:A→U; 116:G→A; 138:C→A; 166:C→A; 167:U→G; 170:C→U; 188:G→A; 190:U→A; 191:G→U; 205:U→C; 215:G→A; 239:U→A; 258:U→C; 312:G→A; 313:G→U; 313:G→C; 314:A→G; 317:U→G; 317:U→C; 317:U→A; 333:U→C; 350:C→U及び、 364:C→U。 17.変異が、以下に示す群の中から選ばれる、請求の範囲第2項記載の触媒性R NA分子。 44:G→A; 51/52:CUAA挿入; 86/87:UA→削除; 94:A→U; 115/116:AG→UA;165:C→U; 170:C→U; 188:G→A; 190/191:UG→AU;205:U→C; 215:G→A; 239:U→A; 271:U→C; 289:U→A; 312:G→AA; 340:U→A; 364:C→U及び、 366:G→A。 18.変異が、以下に示す群の中から選ばれる、請求の範囲第2項記載の触媒性R NA分子。 44:G→A; 51:G→A; 51/52:CUAA挿入; 86/87:UA→削除; 94:A→U; 115/116:AG→UA; 138:C→A; 165:C→U; 170:C→U; 175:G→A; 188:G→A; 190/191:UG→AU; 205:U→C; 215:G→A; 239:U→A; 271:U→C; 288/289:GU→AA;292:U→A; 312:G→AA; 334:A→G; 340:U→A; 347:A→G; 366:G→A; 389:U→C;及び、 390:A→C。 19.変異が、ヌクレオチド部位271におけるUのCでの置換及び部位312に おけるGのAAでの置換を含んでいる、請求の範囲第2項記載の触媒性RNA分 子。 20.変異が、分子の触媒コアにおいて起こっている、請求の範囲第2項記載の触 媒性RNA分子。 21.請求の範囲第1項記載の触媒性RNA分子の2以上の集団を含んでいる組成 物であって、各触媒性RNA分子集団が異なる基質核酸配列を切断することがで きることを特徴とする組成物。 22.薬学的に許容しうる担体又は賦形剤中に、請求の範囲第1項記載の触媒性R NA分子を含む組成物。 23.I群イントロン由来のヌクレオチド配列を有するリボヌクレオチドポリマー を含む触媒性RNA分子であって、ポリマーが、基質内のアミド結合の加水分解 を触媒し、アミノ切断生成物及びリボザイムアミダーゼ中間体を生成することを 特徴とする分子。 24.請求の範囲第23項に記載の触媒性RNA分子であって、 (a)リボヌクレオチドポリマーが、求核性2’ヒドロキシルを有するリボース 糖を有する5’末端ヌクレオチドを有し、及び、 (b)リボザイムアミダーゼ中間体が、求核性2’ヒドロキシルと基質のカルボ キシ基との間のエステル結合を含んでいる分子。 25.請求の範囲第23項に記載の触媒性RNA分子であって、基質が、該基質のカ ルボキシ基を有するカルボキシ末端アミノ酸残基を含む2以上のアミノ酸残基を 有するペプチドを含み、該カルボキシ末端アミノ酸残基が、リボヌクレオチドポ リマーの2’ヒドロキシルヘエステル結合により共有結合している分子。 26.(a)I群イントロン由来のヌクレオチド配列を有し、更に2’ヒドロキシル を有するリボース糖を有する5’末端ヌクレオチドリボヌクレオチドを含んでい るヌクレオチドポリマー、及び、 (b)アミド結合を含み、かつカルボキシ末端アミノ酸残基を含む1以上のアミ ノ酸残基を有する基質分子であって、該カルボキシ末端アミノ酸残基が、該ヌク レオチドポリマーの2’ヒドロキシルヘエステル結合により共有結合している基 質分子、 を含むことを特徴とするリボザイムアミダーゼ中間体。 27.生理的条件下で、1本鎖DNA分子を特異的に切断する方法であって、 (a)デオキシリボヌクレアーゼ活性を有する触媒性RNA分子を提供する工程 、 (b)該触媒性RNA分子と、1本鎖DNA分子とを、生理的条件下で接触させ る工程、及び、 (c)該接触を、該触媒性RNA分子が1本鎖DNA分子の切断を引き起こすの に十分な時間維持する工程、 からなることを特徴とする方法。 28.更に、触媒性RNA分子を、反応媒体中に、DNA約1分子/触媒RNA1 分子/1分間の切断を引き起こすのに十分な濃度で提供する工程を含む、請求の 範囲第27項に記載の方法。 29.生理的条件下でDNAを特異的に切断する触媒性RNA分子を操作する方法 であって、 (a)I群イントロン集団を得る工程、 (b)遺伝的変異を該集団へ導入して、変異体集団を生成する工程、 (c)該変異体集団から、あらかじめ決定した選択基準に適合する個体を選択す る工程、 (d)該変異体集団の残りから、選択した個体を分離する工程、及び、 (e)該選択した個体を増幅する工程、 からなることを特徴とする方法。 30.アミド結合を切断する触媒性RNA分子を選択する方法であって、 (a)アミド結合含有オリゴヌクレオチド基質分子と、I群イントロン集団(リ ボザイム)とを混合し、混合物を形成する工程、 (b)該混合物を、あらかじめ決定した反応条件下、該リボザイムと該基質とが 相互作用し、リボザイム−生成物複合体を形成するのに十分な時間維持する工程 、 (c)形成したあらゆるリボザイム−生成物複合体を単離する工程、 (d)該リボザイム−生成物複合体を、別々のリボザイム及び生成物へ解離する 工程、及び、 (e)該生成物から該リボザイムを分離する工程、 からなることを特徴とする方法。
JP10506272A 1996-07-17 1997-07-16 新規な触媒性rna分子 Pending JP2000515013A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US08/682,423 US6063566A (en) 1994-05-13 1996-07-17 Catalytic RNA molecules
US08/682,423 1996-07-17
PCT/US1997/012394 WO1998002583A1 (en) 1996-07-17 1997-07-16 Novel catalytic rna molecules

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000515013A true JP2000515013A (ja) 2000-11-14

Family

ID=24739621

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10506272A Pending JP2000515013A (ja) 1996-07-17 1997-07-16 新規な触媒性rna分子

Country Status (6)

Country Link
US (1) US6063566A (ja)
EP (1) EP0964930A4 (ja)
JP (1) JP2000515013A (ja)
AU (1) AU3666097A (ja)
CA (1) CA2261023A1 (ja)
WO (1) WO1998002583A1 (ja)

Families Citing this family (26)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU1187099A (en) * 1997-10-21 1999-05-10 Ribozyme Pharmaceuticals, Inc. Peptide bond formation using nucleic acid catalysts
JP4745577B2 (ja) 1999-11-24 2011-08-10 ザ リサーチ ファウンデイション オブ ステイト ユニバーシティー オブ ニューヨーク アミノアシル化活性を有した触媒RNAs
US7125660B2 (en) * 2000-09-13 2006-10-24 Archemix Corp. Nucleic acid sensor molecules and methods of using same
AT410444B (de) * 2001-03-02 2003-04-25 Oesterr Forsch Seibersdorf Verfahren zur detektion von nukleinsäuremolekülen
JP4473573B2 (ja) * 2001-07-26 2010-06-02 ストラタジーン カリフォルニア 多部位突然変異誘発
ATE437946T1 (de) * 2002-02-15 2009-08-15 Univ New York State Res Found Ribozyme mit breiter trna-aminoacylierungswirkung
US20040022727A1 (en) * 2002-06-18 2004-02-05 Martin Stanton Aptamer-toxin molecules and methods for using same
US20040249130A1 (en) * 2002-06-18 2004-12-09 Martin Stanton Aptamer-toxin molecules and methods for using same
US20060278242A1 (en) * 2005-03-23 2006-12-14 Mcglennen Ronald C Apparatus and methods for medical testing
US8594948B2 (en) * 2002-09-18 2013-11-26 Ronald C. McGlennen Apparatus and methods for medical testing
US8853376B2 (en) 2002-11-21 2014-10-07 Archemix Llc Stabilized aptamers to platelet derived growth factor and their use as oncology therapeutics
US20060264714A1 (en) * 2005-03-23 2006-11-23 Mcglennen Ronald C Apparatus and methods for medical testing
WO2007066627A1 (ja) * 2005-12-06 2007-06-14 The University Of Tokyo 多目的アシル化触媒とその用途
JP2012521359A (ja) * 2009-03-20 2012-09-13 アリオス バイオファーマ インク. 置換されたヌクレオシドアナログおよびヌクレオチドアナログ
US20110106027A1 (en) * 2009-11-05 2011-05-05 Tyco Healthcare Group Lp Chemically Coated Screen for Use with Hydrophobic Filters
NZ607996A (en) 2010-09-22 2014-07-25 Alios Biopharma Inc Substituted nucleotide analogs
CN103703141B (zh) 2011-04-08 2016-08-17 伯乐实验室公司 具有降低的非特异性活性的pcr反应混合物
JP6060447B2 (ja) 2011-04-08 2017-01-18 バイオ−ラッド ラボラトリーズ インコーポレーティッド 非特異的活性が低下したSso7ポリメラーゼコンジュゲート
CA2860234A1 (en) 2011-12-22 2013-06-27 Alios Biopharma, Inc. Substituted phosphorothioate nucleotide analogs
HK1206362A1 (zh) 2012-03-21 2016-01-08 Alios Biopharma, Inc. 硫代氨基磷酸酯核苷酸前藥的固體形式
WO2013142157A1 (en) 2012-03-22 2013-09-26 Alios Biopharma, Inc. Pharmaceutical combinations comprising a thionucleotide analog
US10513711B2 (en) 2014-08-13 2019-12-24 Dupont Us Holding, Llc Genetic targeting in non-conventional yeast using an RNA-guided endonuclease
JP6823593B2 (ja) 2014-11-06 2021-02-03 イー・アイ・デュポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニーE.I.Du Pont De Nemours And Company Rna誘導型エンドヌクレアーゼの細胞へのペプチド媒介輸送
EP4144844B1 (en) 2015-10-12 2025-09-10 DuPont US Holding, LLC Protected dna templates for gene modification and increased homologous recombination in cells and methods of use
US10704082B2 (en) 2016-09-15 2020-07-07 ArcherDX, Inc. Methods of nucleic acid sample preparation
WO2018053365A1 (en) 2016-09-15 2018-03-22 ArcherDX, Inc. Methods of nucleic acid sample preparation for analysis of cell-free dna

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU7225591A (en) * 1990-01-12 1991-08-05 Scripps Clinic And Research Foundation Nucleic acid enzymes for cleaving dna
US5180818A (en) * 1990-03-21 1993-01-19 The University Of Colorado Foundation, Inc. Site specific cleavage of single-stranded dna
EP0642589A4 (en) * 1992-05-11 1997-05-21 Ribozyme Pharm Inc METHOD AND REAGENT TO INHIBIT VIRAL REPLICATION.
US5580967A (en) * 1994-05-13 1996-12-03 The Scripps Research Institute Optimized catalytic DNA-cleaving ribozymes

Also Published As

Publication number Publication date
WO1998002583A1 (en) 1998-01-22
CA2261023A1 (en) 1998-01-22
AU3666097A (en) 1998-02-09
EP0964930A4 (en) 2001-09-19
EP0964930A1 (en) 1999-12-22
US6063566A (en) 2000-05-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2000515013A (ja) 新規な触媒性rna分子
US5595873A (en) T. thermophila group I introns that cleave amide bonds
JPH10500021A (ja) 新規な酵素rna分子
JP4001624B2 (ja) Dna酵素分子
JP5066016B2 (ja) 酵素dna分子
US6110462A (en) Enzymatic DNA molecules that contain modified nucleotides
WO1998002583A9 (en) Novel catalytic rna molecules
US6083744A (en) DNA-armed ribozymes and minizymes
JP3015463B2 (ja) 真核リボヌクレアーゼpを用いるrnaの標的化切断および外部ガイド配列
US5872241A (en) Multiple component RNA catalysts and uses thereof
JPH06501842A (ja) 修飾リボザイム
JPH05503423A (ja) Dna切断用核酸酵素
US7807817B2 (en) Enzymatic nucleic acid molecules
KAWAKAMI et al. Identification of important bases in a single‐stranded region (SSrC) of the hepatitis delta (δ) virus ribozyme
AU704325C (en) Novel enzymatic RNA molecules
KR100564061B1 (ko) 효소적dna분자
AU4107399A (en) Novel enzymatic RNA molecules
CA2330570C (en) Nucleic acid enzyme for rna cleavage
Joyce T. thermophila group I introns that cleave amide bonds
EP1073731A2 (en) Nucleic acid enzyme for rna cleavage