【発明の詳細な説明】
セリン・プロテアーゼ阻害剤
本発明は、セリン・プロテアーゼ阻害剤および基質に関すると共に、それら化
合物の合成およびホウ素含有化合物合成のための方法および材料に関する。
セリン・プロテアーゼ阻害剤の調節あるいは阻害は、とりわけ血栓症の防止に
有用である。
セリン・プロテアーゼ族酵素は、酵素の活性部位におけるAsp-His-Ser残基の三
連が関与するメカニズムによってペプチド化学結合を開裂する。セリン・プロテ
アーゼ阻害剤は、三連と相互反応する官能基を使用し、それによって酵素基質の
活性をブロックするように設計されている。一つの標的プロテアーゼに選択的な
阻害剤をつくることが望ましい。ペプチド阻害剤に関する先行技術の論文は、本
願と同日に出願された英国特許出願、標題「トロンビン阻害剤」およびPCT/GB9
6/00352に記載されている。この標題「トロンビン阻害剤」の特許出願明
細書のコピーを本願と共に提出する。この特許出願書の内容は、標題「トロンビ
ン阻害剤」なる特許出願の主題を含み、技術者がこの明細書に関連する各種先行
文献と共に参考にすることができよう。この「トロンビン阻害剤」の明細書は、
本特許明細書の物理的な一部分をなすものではない。
セリン・プロテアーゼのなかに、基質のアニオン部分と結合するための第2部
位すなわち“外部位”を持つものがあることは知られている。この外部位は、し
ばしばアニオン結合外部位(“ABE”)とよばれる。
セリン・プロテアーゼ基質切断結合のカルボニル基を提供するアミノ酸残基を
“P1”で表わす。P1残基のN−末端側に存在する連続アミノ酸残基をP2、P3、P4
等で表わし、P1残基のC−末端側に存在するアミノ酸残基をP1’、P2’、P3’等
で表わす。フィブリノーゲンにおいて、P1’はグリシンであり、P2’はプロ
リンである。プロテアーゼはP1アミノ酸の側鎖を認識する“特異性ポケット”
を含む。トリプシン様プロテアーゼは、通常はアルギニン様あるいはセリン様の
側鎖を有するP1残基を認識する。
本発明は新規の二重機能性セリン・プロテアーゼ阻害剤を提供する。その阻害
剤は、
(a)セリン・プロテアーゼの活性部位に結合し、それを阻害する触媒的部位指
向部分(CSDM);
(b)外部位関連部分(EAM);および、場合によって、
(c)EAMとCSDMを結合するコネクター部分
を含む。CSDMおよびEAMはセリン・プロテアーゼの分子と同時に結合でき
る。
阻害剤の一つの部類では、セリン・プロテアーゼはトロンビンではない。セリ
ン・プロテアーゼはトリプシン様のプロテアーゼが好ましい。とにかく、この阻
害剤は、コネクター部分がCSDMにそのC−末伸張として結合するトロンビン
阻害剤を含有しない、すなわち米国特許第5196404およびこれに対応する国際特
許出願第WO91/02750で開示されている化合物ではない。
本発明の別の実施態様は、ホウ素含有ペプチドの新規製造法の提供である。
本明細書で使用する“天然”アミノ酸はタンパク質に見出される20種の普通の
すなわち“標準”α−アミノ酸の一つから選出されるL−アミノ酸(またはその残
基)を意味する。
“非天然”アミノ酸は、20種の“標準”アミノ酸以外のすべてのα−アミノ酸
(またはその残基)を意味する。したがって、“非天然”アミノ酸は、天然アミノ
酸のD−異性体および側鎖保護基を有するアミノ酸を含む。
接頭語“D”および“L”は、それぞれDまたはL型配置の天然アミノ酸を普通に
示すのに使用する。接頭語“D、L”はラセミ混合物を示し、それら接頭文字のな
い場合は、別記しない限り残基がL型配置である例を除き、アミノ酸がD型または
L型配置のどちらでもあり得ることを示す。文中でD型配置かL型配置かどちらで
もあり得る非特定の基の場合は、L型配置が好ましい。
接頭語“ボロ(boro)”ではじまる略語および術語は、末端カルボキシ基−CO2H
がホウ素官能基で置換されたアミノ酸を表わす。図面の簡単な説明
図1は、メリフィールド樹脂のフーリエ変換赤外線分光法(F.t.-I.R.)スぺ
クトルである。
図2は、同樹脂のナトリウム2、2−ジメチル−1、3−ジオキソラン−4−メタノ
ール酸との反応後のF.t.-I.R.スペクトルである。
図3は、ジオキソランのヒドロキシ基脱保護をHClで処置した後の反応樹脂
のF.t.-I.R.スペクトルである。
図4は、フェニルホウ酸との反応後の脱保護樹脂のF.t.-I.R.スペクトルで
ある。
ここで発明性のある化合物および方法をより詳細に考察する。触媒的部位指向部分(CSDM)
触媒的部位指向部分(CSDM)は、セリン・プロテアーゼ酵素の触媒的部位に
結合して、その部位を不活性化する。CSDMの構造は本発明にとって重要では
ない。それは、セリン・プロテアーゼ触媒的部位についての既知の阻害剤のいか
なるアミノ酸配列をも含み得る。例えば、CSDMの一つの部類は下記式Iに含
まれる:
X−(aa4)m−(aa3)n−(aa2)−(aa1)−Z (I)
式中、aa1、aa2、aa3は天然または非天然酸残基を表わし、(aa4)mはaa3の
アミノ基に連結した1以上の任意のアミノ酸残基を表わす。それと代って、1以
上のaa基はアミノ酸残基の類似体で、その中でα−水素が置換基によって取って
代わる。アミノ酸の配列および/またはアミノ酸類似体はセリン・プロテアーゼ
の活性部位に結合する。適切な配列を本明細書で後述する。XはHまたはN末アミ
ノ基上の置換基を表わす。Zは例えば業界公知の−COOHまたはC末伸張基(カルボ
キシ置換基)である。好ましい化合物において、Zは、ヘテロ原子酸基であって、
例えば、−B(OH)2、−P(OH)2、またはPO(OH)2、またはその誘導体、例えばカル
ボキシル酸エステル、ジオキソ−ボロネート[−B(O置換基)2]またはホスフェ
ート[−PO(O置換基)2]またはBF2である。好ましいヘテロ原子類似体基は−B(O
H)2および−P(O)(OH)2であり、あまり好ましくないヘテロ原子類似体基はS(O)2O
Hである。この他で考えられるZ基を挙げると、−CN、−COCH2Cl、−COCH2Fであ
る。好ましい実施態様において、mは0から7であり、もっと通常の値は0から5で
、例えば1または2、とくに0である。通常はn=1である。
化合物の一つの部類において、(aa2)−(aa1)天然ペプチド結合は他の結合(Ψ)
によって置換される。それに加えて、あるいはそれに代わって、他の天然ペプチ
ド結合はまた別の結合によって置換され得る。
セリン・プロテアーゼの触媒的部位阻害剤は業界で公知である。セリン・プロ
テアーゼ阻害剤すなわち触媒的部位セリン・プロテアーゼ阻害剤に関する簡単な
総説は、EP−B−145441に記載されており、この特許はC末ホウ素基を有するセリ
ン・プロテアーゼの一つの類を開示している。その他に、セリン・プロテアーゼ
阻害剤を記述する特許明細書は、EP 293881、EP 471651(US 5288707に相当)、EP
235692、US 4963655、WO 89/09612(特に、[TF:VII/VIIa]錯体におけるVII/
VIIa因子の阻害剤に関する)などを含む。
トリプシン様酵素の阻害剤について、CSDMのP1残基の好ましい類は、(i)
Arg、Lysおよびそれらの類似体、(ii)疎水性残基であり、トロンビンおよ
びその他のトリプシン様酵素について好ましいP1基に関しては、更に標題「ト
ロンビン阻害剤」の前記明細書およびPCT/GB96/00352に掲載されている。キモ
トリプシン様セリン・プロテアーゼは、フェニルアラニン類似体およびアラニン
類似体の側鎖をP1残基上に有するCSDMに優先的に結合する。下記の表Aは、
8つの特定のセリン・プロテアーゼについて最も好ましい(P4)P3P2残基を示す。
それぞれの場合において、好ましいアミノ酸はその類似体で置換され得る。外部位関連部分(EAM)
外部位関連部分(EAM)は、セリン・プロテアーゼの外部位(ABE)と結合する
部分である。トロンビンは明確に特定できる外部位を有し、それに対しトロンビ
ン開裂部位のフィブリノゲン・アミノ酸配列c−末に加えて、ヒルジンのような
トロンビン非基質リガンドが結合する。Hir53-64のようなヒルジン配列は“ヒル
ログ”という名の二重機能性ペプチドで使用される。ヒルログに関しては、US 5
196404に記載されており、更に、トロンビンEAMの総説は前記の標題「トロン
ビン阻害剤」UK特許出願に述べられている。トロンビンについてのEAMは、
しばしば“アニオン結合外部位関連部分(ABEAM)”と呼ばれる。
FXa(Padmanabhan K et al,“Structure of Human Des(1-45)Factor Xa at2.2
Å Resolution”J Mol.Biol 1993,232,947-966)の結晶構造から推論できる
ことは、8つの酸性残基を含む配列35〜41および70〜81がカオチン結合外部位を
構成するということである。天然ボリペプチド阻害剤アンチスタシンおよびギラ
ンテンは、電気陽性カチオン外部位関連配列108CRPKRKLIPR117および108CKPKRKL
VPR117をそれぞれ含む。
P'部位(開裂点でC端末)におけるセリン・プロテアーゼ相互作用は、P部位にお
ける相互作用と同様に特異性にとって重要であることは明らかである(例えば、D
ing,L.;Coombs,G.S.;Strandberg,L.;Navre,M.;Coreyu,D.R.and Madi
son,E.L.Origins of the Specificity of Tissue-type Plasminogen Activato
r,Proc.Natl.Acad.Sci,1995,92,7627-7631)。ライブラリー・スクリーニ
ングで迅速に用いられるように、より大きなリガンドで両部位のスパンを比較す
る必要がある。Lawsonが最近(1992年)に発表したところによると、P'およひP結
合ユニットを十分に含むペプチド配列をスクリーニングすることにより、存在す
る基質が無感応すぎるFvlla/TF活性の検出を行うことができる。ペプチド・ラ
イブラリーはさまざまな利用(例えば、Eichler,1994)において生物学的活性のス
クリーニングに大きい効力を示し、本発明にとっても有用である。
本発明では、以下のように他のセリン・プロテイナーゼ基質の開裂点へのC末
端配列がEAMを形成することを考察する。 コネクター部分
本発明の化合物はCSDMとEAMとを相互連結するコネクター部分を含み、
そのコネクター部分はCSDMおよびEAMをそれぞれのセリン・プロテアーゼ
阻害剤の分子に同時に結合させる。トロンビンの場合、コネクター部分はCSD
Mに、N末伸張として、あるいはその側鎖としてまたはそれを介して結合する。
コネクター部分はCSDMに、C末伸張としてまたはN末伸張として、あるいは
その側鎖としてまたはそれを介して、結合し得る。しかし、化合物がトロンビン
阻害剤であると、コネクター部分はCSDMのC末伸張であり得ない。
特に、もしコネクター部分がCSDMのN末伸張であるか、あるいはその側鎖
に含まれると、好ましくはコネクター部分は少なくとも2個の隣接Gly残基を、例
えばそのN末端において含有するアミノ酸配列を含む。
化合物の1つの部類において、好ましくはコネクターはペプチド“スペーサー
”および非ペプチド“リンカー”を含む。代表的なコネクターの構造は次のとお
りであり、
−λ−σ−
式中、λは非ペプチドリンカーを表わし、σはアミノ酸の配列を含むスペーサ
ーを表わし、λおよびσは適切な状態でペプチド結合で連絡される。スペーサー
σはEAMに連結するのが好ましく、リンカーλはCSDMに連結するのが好ま
しい。ただし、化合物内でσがCSDMに、リンカーλがCSDMに連結する場
合は、本発明に含まれる態様としてはあまり好ましくない。
リンカーは典型的には、スペーサーのN末アミノ基と、例えばN末基のようなC
SDMの官能基と反応する官能基を有する化合物の残基である。したがって、好
ましいリンカーは2個のカルボキシル基、例えば、CSDMおよびスペーサーの
N末アミノ基とのアミド結合を形成できるジカルボキシル酸を有する。特に好ま
しいリンカーは、グルタル酸(HO2C(CH2)3CO2H)残基およびその同族体の式(HO2C(
CH2)hCO2H)であり、式中のhは整数で2または4、5、6である。アルキレン残
基[(CH2)2-6−]は、1以上の置換基で置換され、その置換基はリンカーに立体障
害をあたえるものではなく、それによつてリンカーの望ましい柔軟性を維持でき
る。
あまり好ましくはないが、リンカーは、例えばカルボキシル基の炭素原子が2
個から6個の原子により分離されている2個のカルボキシル基を有する他の化合
物の残基を含み得る。
スペーサーのアミノ酸配列は、本発明では重要ではないが、その配列が少なく
とも2個の隣接Gly残基を普通にその配列のN末端に含むことは好ましい。ス
ペーサーの長さは、特にリンカーが接着しているCSDM上の位置によって相違
する。
ペプチド・トロンビン阻害剤に適したコネクター部分に関して、前述の本願と
同日の標題「トロンビン阻害剤」なるUK出願にさらに記述されている。
コネクター部分は、他の結合で置換された1以上の天然アミド結合を有し得る
。合成
本発明の化合物は、例えばペプチド合成およびペプチドカップリングについて
業界公知の方法によって製造できる。例示的な方法において新規化合物は、固相
合成技法によって製造される。
固相合成はペプチドを専門とする化学者にはよく知られた技法であるから、詳
しい説明はここでは必要としない。この技法に関する概説は“The Chemical Syn
thesis of Peptide”,John Jones,Clarendon Press,Oxford,England,
1991”に記載されている。固相合成の通常の原理は、固相にカップルしたアミノ
酸またはペプチドが、それ自体との反応を保護されたアミノ酸と反応して、固相
連結アミノ酸とのカップル後に、それ自体との反応を保護されたアミノ酸との反
応のために脱保護されることである。これらの工程を必要に応じて何回も反復す
る。
一つの固相合成技法にFmoc技法がある(Fmoc=フルオレニルメチルカルボニル)
。Fmoc化学反応(‘Sheppard approach’としても一般的に知られている)におい
て、ペプチドのカルボキシ末端(またはアミノ酸)が反応性機能によって末端部を
なすリンカーを経て、樹脂ビードに結合する。樹脂ビードそれ自体は典型的には
ポリスチレン(PS)であるが、溶媒中において適切な膨張特性を有する他の固体が
使用される。その理由は、ペプチド鎖がビードの内部にある小孔中で成長するこ
とが現在判明しているからである。他の固体の例は、Kiesulguhrと呼ばれるポリ
アミドである。
リンカーにはいろいろあるが、好ましいのはPEG(すなわち、ポリエチレングル
コール・リンカー)であり、これはアルコール官能基を有する。
リンカーの末端は、典型的に‘ハンドル(handle)’と呼ばれ、望む産物によっ
て相違するが、Fmoc化学反応にとってその末端は最終的に酸によって開裂される
ことのできる部分である。最も普通の末端(使用しているもの)は、HMBAすなわ
ちパラヒドロキシンメチル安息香酸リンカーである。HMBAをPEG上でエステル化
し、次いでペプチドまたはアミノ酸(N末端上にFmocを有す)を反応せしめて、同
じくHMBA上でエステル連結を生ぜしめる。このエステル連結を次に酸で開裂する
。Fmoc保護基は塩基不安定性で、典型的には2次塩基(例えばピペリジン)で除去
され、生成遊離アミノ基が選択されたFmoc保護アミノ酸と反応する。これらの工
程を繰り返えして、アミノ酸配列を伸張する。
もう一つの固相合成方法は、Boc技法である(Boc=t−ブチルオキシカルボニ
ル)。Boc化学反応(より一般的にMerrifield methodで知られている)に使用する
樹脂は、ジビニルベンジル塩基であることが多く、例えば‘Wang’樹脂は2%の
ジビニルベンゼンと共重合するクロロメチルベンゼンを有する。クロロメチルベ
ンゼン基は、アミノ基がBocで保護されているアミノ酸またはペプチドと反応し
て、樹脂上に連結を生成する。この樹脂上の連結は典型的には乾HF液で開裂せし
める(非常に慎重に!)。これを‘活発な’酸分解と呼ぶ。Boc保護基は酸不安定
性で、典型的には生成遊離アミノ基と選択したBoc保護アミノ基との反応に先立
って、TFAで開裂される。Fmoc化学反応の場合と同じく、これらの工程を繰り返
してアミノ酸配列を伸張する。
固相ペプチド合成の2つの古典的な技法(SheppardおよびMerrifield)は、従っ
てアミノ酸をカルボキシ末端またはその誘導体を介して固相樹脂粒子にカップル
すること、それに続いて新しいアミノ酸(それらの活性カルボキシ末端を介して)
を生成されたN末端にカップルすることを含む。
最近の報告によると、N末端を介する例えば、酸不安定性ベンジルオキシカル
ボニル結合を介する樹脂に対するカップルカルボキシ末端の遊離、その活性化、
アミノ酸のそのN末端を介するカップル、アミノ酸のカルボキシ末端の一時的な
保護について開示されている(Sharma,R.P.;Jones,D.A.;Broadbridge,R.J.;C
orina,D.L.and Akhtar,M.A Novel Method of Solid Phase Synhesis Of Pept
ide Analogues,in Inovation and Perspectives in Solid Phase Synthesis,ed
.,R.Epton.1994,Mayflower World wide Limited,Birmingham,page353-356
;Letsinger,R.L.and Komet,M.J.Amer.Chem.Soc.,1963,85,3045.)。
このようなN末端カップル方法を使って本発明の産物を製造する。一つの実施
態様において、あらゆる直結アミノ酸を含むCSDMをN末端カップルによって
合成する。この技法はCSDMがC末端ヘテロ原子基を有する場合に特別に有用
である。この技法で、N末端カップルを使用して生成する樹脂結合ペプチド鎖は
、そのカルボキシ末端を活性化するように誘導化し、次いで遊離α−アミノボロ
ネートエステルまたは酸を樹脂結合配列とカップルする。最後に、ペプチドボロ
ネート(CSDMを含む)を、最終産物の残留物に連結するに先立って、強酸(例
えば、HFまたはTFA)によって樹脂から開裂する。
合成化合物のCSDMがP1〜P2非天然アミド結合を含むとき、結合サブ部
位親和性部分[式IのX-(aa4)m-(aa3)n−(aa2)]および接着C末端基[式Iの(aa1
)-Z]を有する特異ポケット親和性部分を中間体としてあらかじめ製造しておくと
便
利である。これら2つの中間体は適切な官能基を含み、一緒に反応して標的非天
然アミド結合[Ψ]を形成し、一緒に反応して化合物(あるいは、1以上の官能基
変形をおこすその前駆体)を形成することをもたらし、または可能とする。
非アミド結合Ψを含むペプチドを製造するために適切な合成技法はPCT/G
B96/00352に記載されている。
我々は固相化学を使って、ペプチドボロネートエステルの合成に予期せざる成
功をおさめた。例えば、セリン・プロテナーゼ阻害剤の模範的な合成工程におい
て、コネクター部分およびその接着EAMはCSDMのN末伸張を形成し、その
EAMは、例えばFmoc−ポリアミド連続フロー法を使用して、Fmoc固相ペプチド
化学によって製造する。この目的のために適切な固相は、前誘導固体支持Fmoc-L
eu-PEG-PSである。ペプチド共役樹脂を、次いで例えば無水グルタル酸で処理す
る。その1つのカルボキシル基はEAMのN末アミノ基を反応するものである。
前合成ペプチドボロネートCSDMをレジン/ペプチド/グルタル酸共役体と反
応せしめ、最終化合物を形成する。この化合物は、例えば100%TFAによる
処置で樹脂から開裂する。
固相化学法において、ペプチドボロネートエステルを使用するもう1つの方法
は、全く新しい技法で、その技法の中でホウ酸[-B(OH)2]を樹脂にカップルした
ジオールと直接的にエステル化する。連鎖伸張をアミノ酸のアミノ基から例えば
標準Fmoc化学結合によって続ける。ホウ酸エステルはペプチドボロネート[ペプ
チド−B(OH)2]をつくる酸(例えば、TFA)により、あるいはエステル交換反応
により、例えばピナンジオールのような束縛ジオールの濃縮溶液によって、樹脂
から開裂される。
従って、本発明は本発明の化合物の生成法を含み、標的アミノ酸配列を生成す
るために次の工程を実施することを含む。
(i)アミノ基または好ましくはカルボキシル基あるいはその活性誘導体と反応
し得る官能基にカップルした固相を準備し;
(ii)本発明化合物のアミノ酸配列の末端アミノ酸のアミノまたはカルボキシル
基(その活性誘導体の形であり得る)を選択的に該官能基に反応せしめ;
(iii)固相にカップルした配列的に先行するアミノ酸に標的配列中で配列的に
続
けるアミノ酸を該先行アミノ酸にカップルせしめ;
(iv)必要に応じて工程(iii)を何回もくり返す。
工程(i)において、固相にカップルした官能基は、最終化合物に組みこまれて
いる部分上にあり得、例えば固相に直接的または間接的にカップルしたアミノ酸
のアミノ基(誘導化され得る)であり得る。
本発明化合物を得るための方法において、しばしば、1以上の追加の工程が含
まれる。好ましい方法には、望むときは、工程(iii)の該配列的に後続するアミ
ノ酸を該先行アミノ酸に、アミノ基に反応し得る2官能基を有する化合物を介し
てカップルせしめる工程(v)がある。2官能基を有する化合物によって、該官能
基の1つは該先行アミノ酸のアミノ基に結合し、今1つは該後続アミノ酸のアミ
ノ基に結合する。
工程(iii)の配列的に後続するアミノ酸は、大きい部分の一部、例えば天然ペ
プチド結合についての置換を選択的に含有するアミノ酸配列の一部であり得る。
この方法において、アミノ基と反応したいかなる1以上のカルボキシレート基
も、その活性カルボニル含有誘導体、例えば活性カルボニル基および酸無水物の
形態であり得る。
使用する前に、固相合成の最終化合物は、例えば既知の方法で、固相から開裂
される。開裂化合物は、最終化合物を得る前に1以上の追加の化学反応にかけ得
る。
好ましい実施態様において、固相に接着した官能基に反応する末端アミノ酸は
、EAMのC末アミノ酸であり、工程(iii)は反復されて、EAM配列の連続す
るアミノ酸と隣接コネクターペプチドの連続アミノ酸とをカップルして、非妨害
アミノ酸配列を形成する。
固相にカップルした非妨害アミノ酸配列の最終アミノ酸は、2個のカルボキシ
レート基またはその反応性誘導体を有する化合物、例えばジカルボン酸無水物と
反応し、2個のうち1個のカルボキシレートを最終アミノ酸のアミノ基に結合す
る。未反応のカルボキシレートまたはその誘導体は1つのアミノ酸のアミノ基に
典型的に反応し、このアミノ酸は普通はCSDMのN末アミノ酸である。後者の
場合、アミノ酸はCSDMの残りにすでに結合し得て、すなわちCSDMは未反
応のカルボキシレート(誘導体)に連結するために全体として(または部分的に)別
個につくられる。2個のカルボキシレート基を有する化合物は好ましくは上記の
リンカーである。
いくつかの好ましい方法において、C末カルボキシ基の代りにヘテロ原子基を
有するCSDMが用いられる。ヘテロ原子基は好ましくは上記のボロネートまた
はボロネート誘導体である。
固相材(固相および接着分子)と反応したアミノ酸また他の部分は、固相材と反
応する基以外に合成妨害から保護された他の反応性官能基を望ましくは有する。
すべての反応アミノ酸または部分の保護された官能基は、それ自体反応し得るも
のであって、反応に供せられる前に脱保護される。
従って、第1の好ましい方法は次の工程を含む。
(i)カルボキシル基またはその反応性誘導体と反応し得る官能基にカップルし
た固相を準備し;
(ii)EAMのC末アミノ酸を固相に接触せしめ、アミノ酸は保護アミノ基およ
び選択的に誘導カルボキシ基を有し、次いでアミノ酸分子のカルボキシ基を固相
の官能基に反応せしめまたは反応を可能にし;
(iii)反応したアミノ酸のアミノ基を脱保護し、それによって固相に遊離のア
ミノ基を提供し;
(iv)EAMおよび選択的に隣接スペーサーペプチドの連続アミノ酸で工程(ii)
および(iii)を反復して、固相上にEAMのC末から配列の遊離末端におけるス
ペーサーのN末までのアミノ酸配列を形成せしめ;
(v)2個のカルボキシ基またはその反応性残基を有するリンカー化合物に固相
を接触せしめ、リンカー・カルボキシ基また反応性カルボキシ残基をスペーサー
配列のN末アミノ基に反応せしめるか、または反応を可能にし;
(vi)リンカー化合物のカップルしている固相をCSDM配列のN末アミノ酸に
接触し、アミノ酸分子のアミノ基をリンカー化合物のカルボキシ基また反応性カ
ルボキシ残基に反応せしめ、または反応を可能とし、選択的にCSDM配列のN
末アミノ酸は完全なCSDMの一部分であり;
(vii)必要とあれば、CSDMの連続アミノ酸について工程(ii)および(iii)を
繰
り返して、CSDM配列を完成し;そして
(viii)固相の官能基から得た化合物を開裂する。
第2の好ましい方法は次の工程を含む。
(i)カルボキシル基またはその反応性誘導体と反応し得る官能基にカップルし
た固相を準備し;
(ii)EAMのC末アミノ酸を固相に接触せしめ、アミノ酸は保護アミノ基およ
び選択的に誘導カルボキシ基を有し、次いでアミノ酸分子のカルボキシ基を固相
の官能基に反応せしめまたは反応を可能にし;
(iii)反応したアミノ酸のアミノ基を脱保護し、それによって固相に遊離のア
ミノ基を提供し;
(iv)EAMの連続アミノ酸について工程(ii)および(iii)を繰り返して、固相
上にEAMのC末から配列の遊離末端におけるEAMのN末までのアミノ酸配列
を形成せしめ;
(v)2個のカルボキシ基またはその反応性残基を有するリンカー化合物に固相
を接触せしめ、リンカー・カルボキシ基また反応性カルボキシ残基をEAMのN
末アミノ基に反応せしめるか、または反応を可能にし;
(vi)リンカー化合物のカップルしている固相をペプチドスペーサー配列のN末
アミノ酸に選択的に接触し、アミノ酸分子のアミノ基をリンカー化合物のカルボ
キシ基また反応性カルボキシ残基に反応せしめ、または反応を可能とし;
(vii)スペーサーの連続アミノ酸について工程(ii)および(iii)を選択的に繰り
返し、CSDM配列のN末アミノ酸について工程(ii)を選択的に繰り返し、選択
的にCSDM配列のN末アミノ酸は完全なCSDMの一部分であり;
(viii)必要とあれば、CSDMの連続アミノ酸について工程(ii)および(iii)
を繰り返して、CSDM配列を完成し;そして
(ix)固相の官能基から得た化合物を開裂する。
いずれの上記方法においても、合成化合物は固相から酸により好ましくは開裂
される。
上記方法は好ましくはCSDMアミノ酸またはC末ホウ素基を有するアミノ酸
(例えば完全CSDM)配列の使用を含む。
第1および第2の好ましい方法において固相にカップルした官能基は、最終産
物化合物に合体した部分の一部であり得、例えば固相に直接的または間接的にカ
ップルしたアミノ酸のアミノ基(誘導され得る)である。
本発明の一つの方法において、固相と結合した官能基は、最終産物である化合
物に合体したアミノ酸ボロネートの一部分である。すなわち、固相がそこでアミ
ノ酸ボロネートと結合したジオールを有している。
本技法の他の部類において、その側鎖がアミノまたはカルボキシル基を有する
アミノ酸が、側鎖に対するカルボキシル基またはアミノ基を通じて固相に結合す
る。連鎖伸張が、例えばアミノ基からのFmoc合成のごとく、アミノ酸の官能基の
一つから起きる。別の官能基が次いで最終産物の他の構成部分、例えば、アミノ
酸ホウ酸塩(CSDMのP1残基を形成する)と反応する。しかしながら、ホウ
素含有ペプチドの固相合成は、すべてのそのようなペプチドに適用可能であり、
本発明のセリン・プロテアーゼ阻害剤にだけに適用できるものではない。ホウ素含有化合物の固相合成
ペプチドボロネートは、溶液化学でつくられてきた化合物において十分に確定
した部類に入る。かくして、ペプチド・プロテアーゼ阻害剤は、よく知られてお
り、C末カルボキシ基がホウ酸基またはその誘導体によって置換されている。代
表的な化合物はIIで表わされる:
(aa)k−B(R2)(R3)、 (II)
式中、(aa)kはアミノ酸の配列(例えば、式Iにおけるごとく)を表わし、R2およ
びR3はそれぞれ独立してハロゲン、−OH、−OR4および−NR4R5から選択され、
R4およびR5はそれぞれ独立して式R6(CO)u−の1つの基であり、この中のuは
0または1;R6はHまたは場合によりハロゲン化されたアルキル、アリールま
たはアリールアルキル基で、これらの基は(10−u)までの炭素原子を含み、場
合によっては、−OH、R7(CO)vO−R7(CO)v−から選択した1以上の基で置換さ
れ、式中vは0または1であり、R7はC1−C6-vアルキルであり、またはアリー
ル、アルキルアリール、アリールアルキルまたはアルキルアリールアルキル基で
あり、これらの基は(10−v)までの炭素原子を含む。またR2およびR3は一緒
にジオールまたはジチオールの残基を表わす。
そのようなペプチドホウ酸については、例えばWO 92/07869(USSN0
8/317,387に相応する)、EP 0471651(US 5288707に相応する)およびUS
SN 08/240,606に掲載されている(出典明示により参考として本明細書に
組み入れる)。
前述のとおり、我々はホウ素含有ペプチドを意外にも固相化学によって重大な
分解などの欠陥なしに合成できることを発見した。したがって本発明の一つの様
相は、固相化学反応、特にFmoc化学反応(“Sheppard approach”としても知られ
る)によるペプチド合成にホウ素含有アミノ酸類似体を使用することである。
本発明のもう一つの様相は、標的アミノ酸配列を製造する下記の工程を実施す
ることを含み、ペプチドまたはペプチド含有化合物を製造する方法を提供するこ
とである。
(i)官能基とカップルした固相を準備し;
(ii)それと官能基に反応性の化合物とを選択的に反応せしめ、その反応した化
合物はアミノ基またはカルボキシル基あるいはその反応誘導体と反応できる官能
基を有し;
(iii)標的アミノ酸配列の末端アミノ酸のアミノまたはカルボキシル基(その反
応誘導体の形態でもあり得る)に、選択的に前記の反応化合物の官能基を反応せ
しめ;
(iv)固相にカップルした配列的に先行するアミノ酸に標的配列において配列的
に後続するアミノ酸を前記の先行アミノ酸にカップルせしめ;
(v)工程(iv)を必要に応じて何回も繰り返えし;
(vi)工程(i)〜(iv)を使って製造した固相連結化合物を酸または塩基の作用で
固相から開裂する。
特徴的な点は、ホウ酸基[−B(OH)2]またはその誘導体、特にエステルを含有す
る化合物を、その固相からの開裂に先立って、固相結合化合物に組み入れること
である。
ペプチドまたはペプチド含有化合物を製造するための本発明方法は、その前工
程において、場合によっては、工程(iv)[すなわち、その工程(iv)において、配
列的に後続するアミノ酸はペプチドの一部分である]において製造された固相結
合化合物とペプチドを結合する工程を含む。
ペプチドまたはペプチド含有化合物を製造するための本発明の方法は、工程の
前段階において製造した固相連結化合物に、アミノ酸またはペプチド以外の化合
物、例えば固相結合ペプチドのアミノ基とペプチド、ペプチド類似体またはアミ
ノ酸とを液相中で連結するために使用する2つのカルボキシル基を有するような
化合物を、カップルせしめる工程を含む。もちろん、アミノ基または場合によっ
てカルボキシル基で反応させ得るその他のすべての液相化合物は、かくして固相
結合ペプチドと結合できるはずである。ジアミンがカルボキシル基(例えば、そ
れの反応誘導体の形で)を有する機能基の相互連結にとって有用である。ジカル
ボキシル酸、特にグルタル酸による固相結合ペプチドの伸張は、典型的には、そ
のN末を通じて、ペプチド・スペーサー部分およびジカルボキシル酸残基結合部
分を含有するコネクター部分を介してEAMと連結したCSDMを有する二重機
能性セリン・プロテアーゼ誘導体の製造に有用である。
遊離末端がジカルボキシル酸残基で終わる固相結合化合物は、遊離カルボシキ
シル残基(場合によってはその誘導体の形で)とアミノ酸のアミノ基との結合によ
って更に伸張し得る。例えば、固相結合EAM−スペンサー部分とカップルした
ジカルボキル酸残基は、CSDMのアミノ酸、例えばCSDMのN末アミノ酸と
反応し得る。
本法の工程(ii)は、アミノ酸のアミノ基または選択的に誘導したカルボキシ基
と、例えば在来の固相ペプチド合成の一部である固相に直接的にまたは間接的に
結合した官能基との反応を含む。固相に結合したアミノまたはカルボキシ基はし
ばしば末端アミノまたはカルボキシ基であるが、ある態様においては、例えばグ
ルタル酸の側鎖カルボキシ基のような側鎖の官能基である。側鎖を介して固相に
接着したアミノ酸のC末カルボキシ基は、ホウ酸残基[-B(OH)2]またはそれのエ
ステルによって置換され得る。
本発明方法は、SPPS中でのN末カップリングを含み樹脂結合ペプチドのカ
ルボキシ末は、樹脂からの合成された生成物の酸開裂の前に、遊離α−アミノホ
ウ酸またはエステルとカップルする。
別の様態において、工程(ii)はアミノ酸またはペプチド・ホウ酸またはエステ
ルの反応から成り、
または、
式中、E1およびE2はホウ素エステル形成残基を表わし、あるいは一緒になって
固相にカップルしたジオールによって単一の残基を形成し得る。ホウ素原子(例
えば、アミノ酸またはペプチドホウ酸またはエステルの一部として)と固相との
結合を、固相に(直接的または間接的に)カップルしたヒドロキシル基を通じて連
結せしめる技法は、新規なものであって、本発明の特徴を形成する。
もし、ホウ酸またはエステルを含む化合物が前述の態様のいずれかにおける工
程(ii)で使用されるアミノ酸ボロネートであると、固相合成技法は、選択的に二
重機能性セリン・プロテアーゼ阻害剤の合成においてセリン・プロテアーゼ触媒
部位のペプチドボロネート阻害剤を製造するのに使用し得る。
かくして、ホウ酸はジオール含有樹脂上で直接的にエステル化でき、次いでN
末端から続いて連鎖伸張を例えば標準Fmoc化学反応によって行なえる。次いで、
ホウ酸エステルを鉱酸により開裂して遊離ホウ酸[ペプチド−B(OH)2]を得るか、
またはエステル交換反応により、例えばジオール、ピナンジオールのような束縛
ジオールの濃縮溶液により開裂できる。
文献に、ジオール含有固相樹脂の製造方法が記載されており、その樹脂はアル
デヒドによって誘導体化でき、またそれをホウ酸/エステルによって誘導化する
のに適している(例えば、Xu,Z-H.,McArthur,C.R and Leznoff,C.C.‘The m
onoblocking of symmetrical Diketones on Insoluble Polymer Supports,Can.
J.Chem.,1993,61,1405-1409.and Leznoff,C.C.and Sywanyk,W.‘Use o
f
Polymer Supports in Organic Synthesis.9.Synthesis of Unsymmetrical Car
etenoids on Solid Phase’,J.Org.Chem.,1997,42,3203-3205)。
製造順序の概略は次のとおりである:ジオールは2以上のアルコール性ヒドロキシ基を有する化合物である。
XおよびYは保護基である。
Rはアミノ酸ボロネート/ホウ酸の側鎖である。
典型的には、樹脂を各工程の後に洗う。適当な実施態様において、ジオールは
、樹脂と反応させる前は保護されていない。
より特定的な順序は次の通り: 従って、本発明は、例えば組み合わせ方法を使ってペプチドボロネートのライ
ブラリーを製造する場合において、固相化学によるペプチドボロネート製造への
道を開く。
本発明は、ペプチドホウ酸またはペプチドボロネートエステルを含有する化合
物の製法を含み、その方法は、
(i)アルコール性ヒドロキシ基をカップルした固相を準備し;
(ii)アミノ酸ホウ酸またはペプチドホウ酸をヒドロキシ基と反応せしめ、それに
よってホウ酸残基を固相にエステル化し;
(iii)最終産物においてペプチドホウ酸またはボロネートエステルに配列的に後
続するアミノ酸のカルボキシル基に、固相にカップルした配列的に先行するアミ
ノ酸のアミノ基を選択的に反応せしめ;
(iv)工程(iii)を必要に応じて何回も繰り返えし;
(v)生成ペプチドボロネートを樹脂から開裂する;
工程を含む。
場合によっては、この方法は上記の化合物の製造工程に更に1以上の工程を含
む。
固相にカップルしたアルコール性ヒドロキシ基は、好ましくは基の対がホウ素
原子と結合できるように配置されている。すなわち、ホウ素原子は下記のように
ジエステル化されている:
いくつかの態様において、ヒドロキシ基は1,2−配置(すなわち、隣接炭素上
)であり、別の態様においては、鎖上で離れている(例えば、NH(CH2CH2OH2)の残
基)。
好ましくは、固相にカップルした各々のアミノ酸がアミノ保護基を有し、工程
(iii)はアミノ酸に配列的に先行するアミノ基を脱保護することを含む。また、
工程(V)の開裂は酸またはエステル交換反応によって行われることが好ましい。
更に一般的に、本発明は、ヒドロキシ基残基で固相に接着したホウ酸残基の固
相合成法における使用を提供する。
また、本発明はホウ素原子を含む化合物の製造法を提供し、その製造法は、
(i)アルコール性ヒドロキシ基とカップルした固相を準備し;
(ii)ホウ酸またはボロネートエステルをヒドロキシ基に反応せしめ、それによっ
てホウ素残基を固相にエステル化し;
(iii)上記化合物の製造のために更に1以上の工程を実行する;
ことを含む。アルコール性ヒドロキシ基は上記のとおり配置するのが好ましい。
本発明の別の実施様態は、ヒドロキシ基を介してホウ酸残基にカップルした固
相材を提供する。それはまた下記式IVの部分にカップルした固相材でもある。
式中、Rはホウ素原子に結合した残基であり、通常は有機部分である。残基R
はアルコール性ヒドロキシ基に反応性の官能基から遊離した材料の一部類である
(ただし、その材料は官能基を保護形態で含み得る、例えば脱保護前)。別の部類
の材料においては、前記の官能基は脱保護され、保護基は予め除去される。Rは
典型的には、1以上の官能基を有する有機部分であり、Rの化学反応を可能とす
る。保護可能な官能基はすべて保護され得る。材料の一部類において、固相は下
記式Vの部分とカップルする。
-CH2-基の水素原子の1つまたは両方は、材料の使用に適合する他の基、例え
ば(メチルまたはブチルのような)アルキル基で置換し得る。
更に別の部類の材料においては、式IVの左側の酸素はエステルの一部である。
第一の固相合成法の部類は、下記の工程を実施することを含み標的アミノ酸配
列製造方法を提供することである。
(i)カルボキシル基と反応し得る官能基をカップルした固相を準備し;
(ii)官能基に反応性で、塩基不安定性保護基により保護されているアミノ基を含
有する化合物と官能基とを反応せしめて、酸不安定性結合を形成し;
(iii)アミノ基を塩基で脱保護し;
(iv)アミノ基が塩基不安定性保護基により保護されているアミノ酸のカルボキシ
ル基と、工程(iii)から生成した脱保護アミノ基とを反応せしめ;
(v)保護アミノ酸を塩基で脱保護し;
(vi)固相にカップルした配列的に先行するアミノ酸に標的配列において配列的に
後続するアミノ酸を、配列的に先行するアミノ酸の脱保護アミノ基と反応せしめ
、この配列的に後続するアミノ酸は塩基不安定性保護基により保護されているア
ミノ基を有しており;
(vii)保護アミノ酸基を塩基で脱保護し;
(viii)工程(vi)および(vii)を必要に応じて何度も繰り返えし;
(ix)酸不安定性結合を酸によるかまたはエステル交換反応によって開裂する。
特徴的な点は、ホウ酸基[-B(OH)2]を含有する化合物またはその誘導体、特に
エステルを、その酸不安定性結合からの開裂に先立ち、固相連結化合物に組み入
れることである。
ペプチドまたはペプチド含有化合物製造法に関して上述したごとく、本法の工
程(ii)は、アミノ酸のアミノ基または選択的に誘導したカルボキシ基と、例えば
それ自体が固相化学で公知の技法によって、固相に直接的にまたは間接的にカッ
プルした官能基との反応を含む。このアミノ酸は、ホウ酸またはエステル基、す
なわちアミノ酸ホウ酸を含む化合物である。他に代る方法として、工程(ii)は、
アミノ酸またはペプチドホウ酸またはエステルの形態のホウ酸またはエステル基
を含有する化合物と固相にカップルしたジオールとを反応せしめることを含む。
どちらの場合も、アミノ酸(またはペプチド)ホウ酸またはエステルが使用され、
この方法は、セリン・プロテアーゼ触媒的部位のペプチドボロネート阻害剤の製
造に適し、場合によって二重機能性セリン・プロテアーゼ阻害剤の合成に適して
いる。
上述したその他さまざまなペプチドおよびペプチド含有化合物の製造方法は上
記の固相合成法の第一部類に適用できる。
固相合成法の第二部類は、標的アミノ酸配列を製造する下記の工程の実施を含
む。
(i)カルボキシル基と反応できる官能基をカップルした固相を準備し;
(ii)官能基に反応性で、酸不安定性保護基により保護されているアミノ酸基を含
有する化合物と官能基とを反応せしめて、塩基不安定性結合を形成;、
(iii)アミノ基を酸で脱保護し;
(iv)アミノ基が酸不安定性保護基により保護されているアミノ酸のカルボキシル
基を工程(iii)から生成した脱保護アミノ基と反応せしめ;
(v)保護アミノ酸を酸で脱保護し;
(vi)固相にカップルした配列的に先行するアミノ酸に標的配列において配列的に
後続するアミノ酸を、配列的に先行するアミノ酸の脱保護アミノ基と反応せしめ
、この配列的に後続するアミノ酸は塩基不安定性保護基により保護されているア
ミノ基を有しており;
(vii)保護アミノ酸基を酸で脱保護し;
(viii)工程(vi)および(viii)を必要に応じて何回も繰り返えし;
(ix)塩基不安定性結合を塩基によるかまたはエステル交換反応によって開裂する
。
特徴的な点は、ホウ酸基[-B(OH)2]を含有する化合物またはその誘導体、特に
エステルを、その酸不安定性結合からの開裂に先立ち、固相リンク化合物に組み
入れることである。
上述した第一部類のさまざまな固相合成方法は、第二部類にも適用できる。
ペプチドまたはペプチド含有化合物の製造法に関して、上記したように、第一
および第二部類の固相合成方法は、それに先立つ工程で製造した固相連結化合物
とアミノ酸またはペプタイド以外の化合物とをカップルせしめる工程を含み得る
。合成の概要
本発明の化合物には、たとえそれにホウ素を含み得るが、ホウ酸を含むべきで
ない。非ホウ素含有の化合物も固相合成によって製造することもできる。本発明
の化合物には、別の連結基で置換された天然ペプチド結合を有するものがある。
本発明のすべての化合物の合成に適した方法に関するこれ以上の情報は、前記の
本日出願の標題「トロンビン阻害剤」なる特許出願に記載されている。用途
本発明の新規化合物は、セリン・プロテアーゼ、例えばトロンビンの阻害剤ま
たは基質として有用であり、このような酵素の診断的、代謝的研究についてイン
ビトロまたはインビボで用いられる。さらに一般的に新ペプチドは研究または合
成目的に有用である。さらにその阻害作用からして、調節系、特に哺乳動物での
系、例えば人体または動物体、例えば凝血系においてトロンビンまたは他のセリ
ン・プロテアーゼの過剰により生じる疾患治療および予防に有用である。薬学的
に有用な化合物は、N末置換体などの薬学的に許容される基を有する。
本発明の抗血栓性化合物は、抗トロンボゲン剤を必要とするときに用いられる
。一般的に本発明の化合物は経口または非経口的に有効量を対象体に投与可能で
あって抗トロンボゲン作用を得る。ヒトなどの大きい咄乳動物の場合、化合物は
単独あるいは1以上の薬学的担体または希釈剤と併用して、0.02−100mg
/体重、好ましくは1−100mg/体重で投与され、抗トロンボゲン作用を得る
。この投与は1回量としてあるいは分割して、または徐放性剤としてなされる。
体外血液ループが患者について確立すると、0.1−10mg/kgを静注し得る。
全血での利用について、1−100mg/lが凝固を予防するために提供される。
ヒトおよび動物での利用についての薬学的希釈剤および担体は、よく知られて
おり、糖、でんぷんおよび水があり、1以上の対象ペプチドを必要な薬学的に適
切かつ効果的な量または濃度で含有する医薬組成物(ヒト用または動物用)の適切
な製剤がつくられる。この医薬製剤は単位用量形態をとり得る。それには、錠剤
、カプセル、注射液などがある。
本発明の抗凝固化合物は、血液を採取または分散する容器、血液と接触するチ
ューブまたは挿入器具において血液の凝固を防止するために、血液に加えること
ができる。
本発明の化合物によりもたらされる利点には、経口での効力、効果の迅速な発
現および低い毒性がある。さらに本発明の化合物には、ヘパリン、トロンビンの
他の既知阻害剤あるいは他のセリンプロテアーゼなどの化合物に過敏症である者
についての処置で特別の利点がある。
本発明の方法は、セリン・プロテアーゼ阻害剤および他の化合物の合成に有用
である。また組み合わせた化学において有用である。
本発明をさらに下記実施例によって記述、説明する。実施例
実施例において、アミノ酸残基は別記しない限り、L−立体配置である。
GlyGlyGln(Tyr63)Hir51-64は、アミノ酸、式H-Gly-Gly-Gln-His-Asn-Gly-Asp-
Phe-Glu-Glu-lle-Pro-Glu-Tyr-Leu-OHを有し、Fmoc-ポリアミド連続フロー法お
よびカラム・モニター・ソフトウェア上で9050Plusを用いるMilligen(商標)
9050ペプチド合成機における固相ペプチド化学によって製造した。あらかじ
め誘導した固相支持体Fmoc-Leu-PEG-PS(1.6g、0.22meq/g)を通して用いた。
Fmoc-Leu-PEG-PSは、HMBAリンカーを有するポリエチレングリコール誘導ポリス
チレンを含有する。Fmoc基は20%ピペリジンのDMF溶液を用いて除去した。
Fmoc-アミノ酸(4等量)は、そのペンタフルオロフェニルエステルとして、側鎖
保護(例えばFmoc-L-Tyr(tBu)0Pfp、Fmoc-L-Glu(tBu)0Pfp、Fmoc-L-Asp(tBU)0Pfp
、Fmoc-L-Asn(Trt)OPfpおよびFmoc-His(boc)0Pfp)で配列的にカップルされて
いた。必要とするペプチド配列が完成すると、N末Fmoc基は20%ピペリジンの
DMF溶液を用いて除去した。ニンヒドリン試験が正であると、Fmoc基が除去さ
れていることを示す。ペプチドコンジュゲート樹脂は、フィルター上に入れ、ジ
クロロメタン、メタノールおよびジクロロメタンで順次洗い、次いで減圧で数時
間乾燥した。
実施例1aで得たペプチドをDMF(5ml)に懸濁し、丸底フラスコ(25ml)中
でグルタル無水物(300mg)および4−メチル−モルホリン(200mg)で処
理した。反応混合物を一夜攪拌した。樹脂をDMF、DCM、Me0Hで洗い一夜減圧で乾
燥し、目的化合物を得た。
隔壁を配置し窒素を流した丸底フラスコ(100ml)中のCbz-D-Phe-Pro-BoroBp
g0Pin(2g)に40%HBr酢酸溶液(20ml)を加えて、H-D-Phe-ProBoroBpgOPinを
製造した。フラスコを回転させて攪拌し、保護したトリペプチドを完全に溶解し
た。約30分後にガスの発生が止まったときに、無水エーテル(200ml)を加え
、反応混合物を冷蔵庫に4時間保存した。反応混合物を濾過し、残滓をEt0H(1
ml)に溶解し、乾燥エーテルを加えると産物が沈澱して、白色固体(800mg
)(M-H)516:Tlc(C/M/A 95/5/3),Rf=0.05が得られた。
[-D-PheProBoroBpgOPin]CO(CH2)3COGly2Gln(Tyr51-64)Hir51-64を合成するた
めに、乾燥樹脂HOCO(CH2)3COGly2Gln(Tyr63)Hir51-64をDMF溶液(10ml)に
懸濁し、その後にTBTU(129mg,0.4mmol)およびH-D-Phe-ProBoroBpgOPin(2
30mg,0.4mmol)を反応混合物に加えた。5分間攪拌して、トリエチルアミン
(40mg,0.04mmol)を加え、フラスコを攪拌しながら一夜放置した。
完全に保護されたペプチド樹脂を、ジクロロメタン、メタノール、ジクロロメ
タンで洗浄し、減圧下で乾燥した。側鎖保護基の同時脱保護による樹脂からの開
裂を、樹脂を100%TFAで2時間処置して実行した。TFAを除去し、C末カルボ
キシル酸を有する遊離ペプチドを、冷乾燥エーテルで沈澱して生成した。粗ペプ
チドを濾過によって集め、更にエーテルの一部で洗浄した。
粗ペプチドの精製は、Vydac(商標)C-18分取カラム(TPシリカ、10μm、25mm
×300mm)を使用して、逆相HPLCによって実行した。カラムを直接勾配30〜90
%A溶媒(0.1%TFA水溶液)およびB溶媒(0.1%TFAアセトニトリル液)で溶出し
た。カラム溶出物を230nMでモニターし、フラクションを適宜集めた。産物
の純度を分析RP-HPLCおよびマススペクトル計で測定した。
クロロエタン−ピナネジオールボロネートエステル(0.321g、1.25×
10−3mol)を攪拌しながらCbz-D-Phe-Pro-OH(0.6g、1.52×10-3mol)に加え
た。混合が完了するとDBUのCH2Cl2の溶液(0.23g、1.52mmol)を混合物に加え、
室温で攪拌し、その後に検査までの間4℃で攪拌を続けた。不透明な液体をHCl(
0.1M、2×50ml)、NaHCO3(1%、50ml)で洗浄した。有機相をMgSO4無水物中で激
しく攪拌しながら乾燥し、それを濾過して乾燥剤を除去した。濾過物を回転蒸発
器で減圧で濃縮し、濃厚な粘性残滓を得た。1H N.M.Rによる予備検査により必要
とする粗産物の生成が確認できた。粗製サンプルを少量のMeOHに溶解し、セファ
デックスLH20カラムにかけ、次いでそれを同じ溶媒を使ってポンプで溶出した。
溶出物の内容を紫外線ランプ(226nM)およびレコーダーで追跡した。空隙量、
フラクション1〜6、さらにバルク量が集められた。クロマトグラムに現われた形
から、フラクション1〜6がトリペプチドが存在する可能性の最も高いフラクショ
ンであると推定した。フラクションをそれぞれ濃縮して明薄色の粘ちような残渣
が得られた。強い減圧下で材料バルクを含む一つのフラクションからやや結晶状
の産物(35%収率0.269)が得られた。N.M.R.、FABMS(Fast Atom Bombardm
ent Mass Spectrometry)、C.H.Nが化合物生成の非常に強力な(良好な)指標であ
った。 Cbz-D-Phe-Pro-Ψ(CO2)-BoroEtgピナネジオール(実施例2aより)をMeOH溶液(3
0mg)中に溶解し、10%Pd/Cで処理し、攪拌しながらアルゴンを通し、蒸留し、
5時間攪拌しながらH2をポンプで送り込んだ。ニンヒドリン着色により、TLC上
に脱保護産物を確認した。その溶液にアルゴンを10分間通し、濾過して減圧下
で濃縮すると、濃い黒色の油状物が得られ、それをCHCl2中に溶解し、濾過し、
濃縮した。1H N.M.R.で粗製物が保護産物でないことを確認した。上記産物から
の残滓をセファデックスLH20クロマトグラフィカラム上で分離した。1H(60MHz)N
.M.R.に、単離化合物は、推定構造から考えられる特徴を示した。122mgの
遊離アミノホウ酸エステルを単離した。
テトラキストリフェニルホスフィン・パラジウム(O)[PdP(Ph3)4](1g)をアルゴ
ン気下、5%酢酸および2.5%N-メチルモルホリン含有のCH3Cl溶液(30ml)
で溶解した。この混合物をアルゴン気下で、Fmoc-L-Glu(PEG-PS)OA1(1.6g)を
含むフラスコに移した。樹脂をそのままにして2時間、時々しずかに振動させた
。樹脂を焼結ガラス漏斗で濾過し、0.5%ジイソプロピルエチルアミンおよび
ジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム(0.5%w/w)のDMF溶液で洗って、触
媒を除去した。
乾燥樹脂Fmoc-L-Glu(PEG-PS)OH(1.5g)をアルゴン気下、DMF溶液(10ml)に
懸濁した。TBTU(129mg、0.4mmol)およびNH2BoroBpgPin(165mg、0.5mmol)wを
その反応混合物に加えた。5分間攪拌した後に、トリエチルアミン(40mg、
0.4mmol)を加え、一夜フラスコを攪拌させながらそのまま放置した。樹脂をジ
クロロメタン、メタノール、ジクロロメタンで洗い、減圧下で乾燥した。
Milligen9050ペプチド合成機上で固相化学によって、H-Phe-L-Glu(PEG-PS)NHB
oroBpgOPinを製造した。固相支持体Fmoc-L-Glu(PEG-PS)NHBoroBpgOPinから20
%ピペリジンのDMF溶液を使用してFmoc基を除去した。Fmoc-Phe-OPfpを遊離
N末にカップルした。保護したペプチド樹脂をジクロロメタン、メタノール、ジ
クロロメタンで洗い、次いで真空下で乾燥した。
樹脂からのペプチド開裂は、その樹脂をTFAによる2時間の処置で達成した。T
FAを除去し、遊離ペプチドH-Phe-Glu-NH-BoroBpgOPinを冷乾燥エーテルで沈澱し
て生成した。粗ペプチドを濾過して集め、更にエーテルの一部で洗った。
粗ペプチドの精製は、VydacC-18分取カラム(TPシリカ:粒子サイズ10mm、
25mm×30mm)を使用して、逆相HPLCによって実行した。カラムを直線勾
配30%〜90%A溶媒(0.1%TFA水溶液)およびB溶媒(0.1%TFAアセトニト
リル液)で溶出した。カラム溶出物を230nMでモニターし、フラクションを適
宜集めた。産物の純度を分析即−HPLCおよびマススペクトル計で測定した。産物
H-Phe-Glu-NH-BoroBpgOPinを、収率17%、34mgを得た。ES-MS:626[M+
Na];保持時間分析HPLC(4×250mm、Vydac、C-18 techsphere)、0.1%TFA
を含む10%〜60%MeCN、0.1%TFAを含む水で25分以上溶出し、Rt 23.
1分を得た。
4.メリーフィールド樹脂へのホウ酸接着
a.保護ジオール(2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−メタノール)によ
る樹脂の誘導体化 アルゴンガス下でNa(固体、8g、を2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン
−4−メタノール(240ml)に加え、その混合物を透明な溶液になるまで攪拌
した。それにメリフィールド樹脂(Sigma,1.1MeQ,Cl per gram,20g)を
加え、その混合物を一夜攪拌し、次いで24時間80℃で加熱した。
誘導体化した樹脂を濾過して集め、1,4−ジオキサン(1L)、水(3×50
0ml)、MeOH:水(1:1、3×500ml)、Me0H(3×500ml)、乾燥エーテ
ル(3×500ml)で洗った。1.5〜2mgの樹脂をKBr(乾燥、300m
g)の粉化によりスペクトルの赤外部を得て、ディスクに圧縮して、次いでPerki
n(商標)1600Fourier Transform I.R.で走査した。誘導樹脂(図2)はメリフ
ィールド樹脂(図1)と比較して、五員環に特徴的であるエーテル伸縮頻度につい
て明確な伸縮シグナル1050〜1150cm-1(s)を示し、アルキル−アルキ
ル伸縮について1060〜1150cm-1(s)でジアルキルエーテル伸縮を示す
。
b.脱保護
誘導樹脂にHCl(1.5M、250ml)および1,4−ジオキサン(250ml)を
混合し、懸濁液を攪拌して80℃で加熱した。72時間後に樹脂を水(500m
l)、Me0H(500ml)、DCM(500ml)、Et2O(500ml)で洗い、大気中で
乾燥した。樹脂のF.t.-I.Rスペクトルは、明確なO-H伸縮頻度を3400〜3
550cm-1(s)で示し、主要ピークは3413.6(図3)で、このピークは2
917.6cm-1におけるシグナルより実質的に大きい。比較においてエーテル(
図2)およびメリフィールド樹脂は、背景湿気について弱い3400cm-1シグ
ナルを示すにすぎない。
c.誘導体化樹脂とホウ酸との反応
ジオール樹脂(5g、5.5mmol/ジオール)をTHF溶液(乾燥500ml)および
フェニルホウ酸(3.35g、27.5mmol、5等量)および4Åふるい(150℃
で乾燥)中で懸濁した。アルゴン気下で一夜攪拌した後に、樹脂をアルゴン気下
、閉鎖系中で濾過し、THF溶液(500ml)で洗い、減圧下で乾燥した。F.t
.−L.R.(図4)は、フェニル環について1026cm-1(アリル−アルキル伸
縮頻度)で強シグナルおよび3417cm-1で弱シグナル(出発ジオールについて
、図3との比較)を示す。
Ref.Leznoff,C.C.and Wong,J.Y.,The use of Polymer Supports in Orga
nic Synthesis III.Selective Chemical Reactions on One Aldehyde Group of
Sylmmetrical Dialdeydes,Can.J.Chem.,1973.51.3756-3764.分析および活性データ
下記の表1は本発明に関する活性データである。表中、“Z”はベンゾイルオ
キシカルボニルを、“NHir”は正常のピルジンを意味する。“NHir49-64(de
s-S)”は正常ヒルジンのアミノ酸49からアミノ酸64のアミノ酸配列を意味し
、そこでは野性のTyr(OSO3H)63がTryで置き換っている。
表1の化合物は上記実施例1または2の化合物を製造する方法または類似方法
によって製造し、中間体は適当な供給源から得た。
下記は活性測定に用いた方法である。血漿トロンビン時間(TT)
クエン酸処理の正常ヒト血150μlおよび緩衝液または検体20μlを37
℃で1時間温めた。新たにつくった牛トロンビン150μl(5NIHu/ml塩
水)を加えて凝固が始まり、凝固時間を記録した。
0.1%牛血清アルブミンおよび0.02%アジ化ナトリウム含有のリン酸緩衝
液、pH7.8を使用した。検体をDMSOに溶解し、緩衝液で希釈した。阻害
剤を用いないときは、緩衝液にDMSOを検体で使用したのと同じ濃度にまで加
えた。阻害剤濃度を半対数用紙にトロンビン時間に対しプロットし、トロンビン
時間を2倍(40秒)にする阻害剤濃度を測定した。Kiの測定
ヒトα-トロンビンの阻害は、発色基質S-2238の3種の異なる濃度について酵
素触媒加水分解によって測定した。
検体または緩衝液の200μlおよびS2238の50μlを37℃で1分間
インキュベートし、ヒトα−トロンビン50μl(0.25NIHμ/ml)を加え
た。阻害および非阻害の開始時間を4.5nmで記録した。光学密度の増加をLin
eweaver and Burke法によりプロットした。Kmおよび見かけ上のKmを測定し
、関係からKiを計算した。 0.1リン酸ナトリウム、0.2M NaCl、0.5%PEGおよび0.02%
アジ化ナトリウム含有の緩衝液を用い、pH7.5にオルトリン酸で調整した。
検体はDMSOに溶解した化合物からなる。
Ki測定に関しては、Dixon,M.and Webb,E.C.,"Enzymes",third edition
,1979,Academic Press(出典明示により本明細書の一部とする)をさらに参照し
得る。n/e=効果なし
n/e11.7=11.7μM濃度まで効果なし
N.T.=試験せず
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(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF
,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(GH,KE,LS,MW,S
D,SZ,UG,ZW),EA(AM,AZ,BY,KG
,KZ,MD,RU,TJ,TM),AL,AM,AT
,AU,AZ,BA,BB,BG,BR,BY,CA,
CH,CN,CU,CZ,DE,DK,EE,ES,F
I,GB,GE,GH,HU,IL,IS,JP,KE
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X,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE
,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT,UA,
UG,US,UZ,VN,YU,ZW
(72)発明者 グリーン,ドノバン
イギリス、イー17・6エイイー、ロンド
ン、ウォルサムストー、グロスター・ロー
ド50番
(72)発明者 スコルダラケス,エマニュエル
イギリス、エスイー14・5エルユー、ロン
ドン、テレグラフ・ヒル、ウォーラー・ロ
ード166番
(72)発明者 スカリー,マイケル・フィンバー
イギリス、シーエム11・2エックスエヌ、
エセックス、クレイズ・ヒル、ダグラス・
ハウス
(72)発明者 グッドウィン,クリストファー・アンドリ
ュー
イギリス、ビーエイ2・2エスピー、エイ
ボン、バス、オッド・ダウン、オールド・
フォッセ・ロード67番
(72)発明者 カカー,ビジャイ・ビール
イギリス、エスオー3・6エイチエヌ、ハ
ンプシャー、ウォーサッシュ、ブルック・
アベニュー、ハンブルズ・エッジ