JP2001192534A - エポキシ樹脂組成物及び半導体装置 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物及び半導体装置

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JP2001192534A JP2000045984A JP2000045984A JP2001192534A JP 2001192534 A JP2001192534 A JP 2001192534A JP 2000045984 A JP2000045984 A JP 2000045984A JP 2000045984 A JP2000045984 A JP 2000045984A JP 2001192534 A JP2001192534 A JP 2001192534A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 常温保存特性、耐湿信頼性に優れた、挿入実
装及び表面実装対応の半導体封止用エポキシ樹脂組成物
を提供すること。 【解決手段】 (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール
樹脂、(C)テトラ置換ホスホニウム(X)と1分子内
にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)及
び1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合
物(Y)の共役塩基との分子会合体であって、該共役塩
基が前記フェノール性水酸基を1分子内に2個以上有す
る化合物(Y)から1個の水素を除いたフェノキシド型
化合物からなる分子化合物、(D)有機ホスフィン、及
び(E)無機充填材を必須成分とし、全エポキシ樹脂の
エポキシ基と全フェノール樹脂のフェノール性水酸基の
当量比が0.5〜2であり、無機充填材(E)の配合量
が、全エポキシ樹脂と全フェノール樹脂の合計量100
重量部あたり200〜2400重量部であることを特徴
とするエポキシ樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、常温保存特性、耐
湿信頼性に優れた、挿入実装及び表面実装対応の半導体
封止用エポキシ樹脂組成物、及びこれを用いて半導体素
子を封止してなる半導体装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ダイオード、トランジスタ、ICチップ
等の本体を機械的、化学的作用から保護するために、半
導体封止用エポキシ樹脂組成物は開発、生産されてき
た。この樹脂組成物に要求される項目は、ICチップの
種類、半導体装置の構造、使用される環境によって変化
しつつあるが、その要求される項目に常温時の保存性、
成形時の速硬化性が挙げられる。この樹脂組成物におい
て、従来から用いられている硬化促進剤としては、2−
メチルイミダゾール、1,8−ジアザビシクロ(5,
4,0)ウンデセン−7、トリフェニルホスフィン等が
あるが、これらの硬化促進剤は比較的低温でも硬化促進
作用を示すため、これらを用いた樹脂組成物は常温時の
保存性が不十分で、そのため常温で保存すると、成形時
の流動性の低下から充填不良が発生したり、ICチップ
の金ワイヤーが断線し導通不良が発生する等の問題点が
生じる。このため樹脂組成物は、冷蔵保存及び冷蔵輸送
する必要があり、保存、輸送に多大なコストがかかって
いるのが現状である。又、生産効率アップの手段の一つ
として成形時間を短くすることが挙げられるが、このた
めには成形時の速硬化性が要求される。従来から用いら
れている上記の硬化促進剤では、成形時の速硬化性を示
すのに十分な量を添加すると、樹脂組成物の常温での保
存性が極端に低下するという問題点がある。
【0003】この問題を解決すべく、近年では低温での
粘度、流動性の経時変化を抑え、成形時の加熱によって
のみ硬化反応を起こすような、いわゆる潜伏性硬化促進
剤の研究が盛んになされている。その手段として、硬化
促進剤の活性点をイオン対により保護することで、潜伏
性を発現する提案がなされており、特開平8−4129
0号公報では種々の有機酸とホスホニウムイオンとの塩
構造を有する潜伏性硬化促進剤が開示されている。しか
し、このホスホニウム塩は特定の高次の分子構造を有さ
ず、イオン対が比較的容易に外部環境の影響を受けるた
め、近年の低分子エポキシ樹脂やフェノールアラルキル
樹脂を用いる半導体封止材料では、保存性が低下する問
題が生じている。又このホスホニウム塩は種々の有機酸
との塩構造を有していることから、反応時に有機酸が遊
離することを避けられず、これが耐湿信頼性に悪影響を
及ぼすことがわかっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、常温保存特
性、耐湿信頼性に優れた、挿入実装及び表面実装対応の
半導体封止用エポキシ樹脂組成物、及びこれを用いて半
導体素子を封止してなる半導体装置を提供するものであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者は、常温保存特
性、耐湿信頼性を向上させるべく鋭意検討した結果、特
定の化合物を組み合わせて硬化促進剤として用いたエポ
キシ樹脂組成物が、極めて優れた特性を示すことを見出
し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。即
ち本発明は、(A)エポキシ樹脂、(B)フェノール樹
脂、(C)テトラ置換ホスホニウム(X)と1分子内に
フェノール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)及び
1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物
(Y)の共役塩基との分子会合体であって、該共役塩基
が前記フェノール性水酸基を1分子内に2個以上有する
化合物(Y)から1個の水素を除いたフェノキシド型化
合物からなる分子化合物、(D)有機ホスフィン及び
(E)無機充填材を必須成分とし、全エポキシ樹脂のエ
ポキシ基と全フェノール樹脂のフェノール性水酸基の当
量比が0.5〜2であり、無機充填材(E)の配合量
が、全エポキシ樹脂と全フェノール樹脂の合計量100
重量部あたり200〜2400重量部であることを特徴
とするエポキシ樹脂組成物である。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるエポキシ樹脂
は、1分子内に2個以上のエポキシ基を有するモノマ
ー、オリゴマー、及びポリマー全般を言う。例えば、ビ
フェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノール型エポキシ樹
脂、スチルベン型エポキシ樹脂、オルソクレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキ
シ樹脂、トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、アルキ
ル変性トリフェノールメタン型エポキシ樹脂、トリアジ
ン核含有エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン変性フェ
ノール型エポキシ樹脂等が挙げられ、これらは単独でも
混合して用いてもよい。これらのエポキシ樹脂の内で
は、融点が50〜150℃の結晶性エポキシ樹脂が好ま
しい。このような結晶性エポキシ樹脂は、ビフェニル骨
格、ビスフェノール骨格、スチルベン骨格等の剛直な構
造を主鎖に有し、比較的低分子であるために結晶性を示
すものである。結晶性エポキシ樹脂は、常温では結晶化
している固体であるが、融点以上の温度域では急速に融
解して低粘度の液状に変化するものである。結晶性エポ
キシ樹脂の融点は、示差走査熱量計を用いて、常温から
昇温速度5℃/分で昇温した結晶融解の吸熱ピークの頂
点の温度を示す。これらの条件を満たす結晶性エポキシ
樹脂としては、特に、一般式(1)及び一般式(2)か
ら選ばれる1種以上、又は一般式(3)で示されるスチ
ルベン型エポキシ樹脂と一般式(4)で示されるスチル
ベン型エポキシ樹脂との混合物が好ましい。
【化5】 (式中、R1は水素原子、炭素数1〜6の鎖状もしくは
環状アルキル基、フェニル基、又はハロゲンの中から選
択される基又は原子であり、互いに同一であっても異な
っていてもよい。)
【0007】
【化6】 (式中、R2は水素原子、炭素数1〜6の鎖状もしくは
環状アルキル基、フェニル基、又はハロゲンの中から選
択される基又は原子であり、互いに同一であっても異な
っていてもよい。)
【0008】
【化7】 (式中、R3〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、炭
素数1〜6の鎖状もしくは環状アルキル基、又はハロゲ
ンの中から選択される基又は原子を示す。ただし、炭素
−炭素二重結合に結合している2個のアリール基は互い
に異なる。)
【0009】
【化8】 (式中、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、炭
素数1〜6の鎖状もしくは環状アルキル基、又はハロゲ
ンの中から選択される基又は原子を示す。ただし、炭素
−炭素二重結合に結合している2個のアリール基は互い
に同じである。) 一般式(1)で示されるビフェニル型エポキシ樹脂の置
換基R1、及び一般式(2)で示されるビスフェノール
型エポキシ樹脂の置換基R2は、水素原子、炭素数1〜
6の鎖状もしくは環状アルキル基、フェニル基、又はハ
ロゲンの中から選択される基又は原子であり、互いに同
じであっても異なっていてもよく、例えば、メチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、シクロヘキシル基、
フェニル基、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、特にメ
チル基が好ましい。一般式(3)、及び一般式(4)で
示されるスチルベン型エポキシ樹脂の置換基R3〜R14
は、水素原子、炭素数1〜6の鎖状もしくは環状アルキ
ル基、又はハロゲンの中から選択される基又は原子であ
り、互いに同一であっても異なっていてもよく、例え
ば、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチ
ル基、アミル基、ヘキシル基(各異性体を含む)、シク
ロヘキシル基、塩素原子、臭素原子等が挙げられ、特
に、エポキシ樹脂の溶融粘度の低さから、メチル基、エ
チル基、プロピル基、又はブチル基が好ましい。
【0010】一般式(3)のスチルベン型エポキシ樹脂
と一般式(4)のスチルベン型エポキシ樹脂との混合に
おいては、両方の化合物を混合することにより融点が低
くなればよく、混合方法については特に限定しない。例
えば、スチルベン型エポキシ樹脂の原料であるスチルベ
ン型フェノール類をグリシジルエーテル化する前に混合
しておいたり、両方のスチルベン型エポキシ樹脂を溶融
混合する方法等があるが、いずれの場合においても融点
は50〜150℃となるように調整する。一般式(3)
のスチルベン型エポキシ樹脂及び一般式(4)のスチル
ベン型エポキシ樹脂には、共に置換基の種類等により種
々の構造のものがあり、それぞれ1種類ずつ混合して
も、2種類以上ずつ混合してもかまわない。一般式
(3)のスチルベン型エポキシ樹脂としては、入手のし
易さ、性能、原料価格の点から、5−ターシャリブチル
−4,4’−ジヒドロキシ−2,3’,5’−トリメチ
ルスチルベン、3−ターシャリブチル−4,4’−ジヒ
ドロキシ−3’,5,5’−トリメチルスチルベンのグ
リシジルエーテル化物が特に好ましい。一般式(4)の
スチルベン型エポキシ樹脂としては、性能、原料価格の
点から、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’,5,5’
−テトラメチルスチルベン、4,4’−ジヒドロキシ−
3,3’−ジターシャリブチル−6,6’−ジメチルス
チルベン、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジター
シャリブチル−5,5’−ジメチルスチルベンのグリシ
ジルエーテル化物が特に好ましい。
【0011】本発明に用いられるフェノール樹脂は、1
分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有するモノマ
ー、オリゴマー、及びポリマー全般を言う。例えば、フ
ェノールノボラック樹脂、クレゾールノボラック樹脂、
フェノールアラルキル樹脂、ナフトールアラルキル樹
脂、テルペン変性フェノール樹脂、ジシクロペンタジエ
ン変性フェノール樹脂等が挙げられ、これらは単独又は
混合して用いてもよい。これらのフェノール樹脂は、分
子量、軟化点、水酸基当量等に制限なく使用することが
できる。これらのフェノール樹脂の内では、分子内の水
酸基が少ないために成形品の吸水率が小さく、分子が適
度の屈曲性を有するために硬化反応における反応性もよ
く、又低粘度化も可能であるということから、特に骨格
にフェニレン、又はジフェニレン等を含むフェノールア
ラルキル樹脂が好ましい。本発明に用いられる全エポキ
シ樹脂のエポキシ基と全フェノール樹脂のフェノール性
水酸基の当量比は、好ましくは0.5〜2、特に好まし
くは0.7〜1.5である。0.5〜2の範囲を外れる
と、硬化性、耐湿性等が低下するので好ましくない。
【0012】本発明に用いる分子化合物(C)は、テト
ラ置換ホスホニウム(X)と1分子内にフェノール性水
酸基を2個以上有する化合物(Y)及び1分子内にフェ
ノール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)の共役塩
基との分子会合体であって、該共役塩基が前記フェノー
ル性水酸基を1分子内に2個以上有する化合物(Y)か
ら1個の水素を除いたフェノキシド型からなり、その構
成成分の一つであるテトラ置換ホスホニウム(X)の置
換基については何ら限定されず、置換基は互いに同一で
あっても異なっていてもよい。例えば、置換又は無置換
のアリール基やアルキル基を置換基に有するテトラ置換
ホスホニウムイオンが、熱や加水分解に対して安定であ
り好ましい。具体的には、テトラフェニルホスホニウ
ム、テトラトリルホスホニウム、テトラエチルフェニル
ホスホニウム、テトラメトキシフェニルホスホニウム、
テトラナフチルホスホニウム、テトラベンジルホスホニ
ウム、エチルトリフェニルホスホニウム、n−ブチルト
リフェニルホスホニウム、2−ヒドロキシエチルトリフ
ェニルホスホニウム、トリメチルフェニルホスホニウ
ム、メチルジエチルフェニルホスホニウム、メチルジア
リルフェニルホスホニウム、テトラ−n−ブチルホスホ
ニウム等を例示できる。
【0013】本発明に用いる分子会合体(C)の構成成
分である、1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有
する化合物(Y)としては、例えば、式(5)で表され
る化合物、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフ
ェニル)メタン(通称テトラメチルビスフェノール
F)、4,4’−スルホニルジフェノール及び式(6)
で表される化合物、4,4’−イソプロピリデンジフェ
ノール(通称ビスフェノールA)、ビス(4−ヒドロキ
シフェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)
メタン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシ
フェニル)メタン及びこれらの内ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、ビス(2−ヒドロキシフェニル)メ
タン、(2−ヒドロキシフェニル)(4−ヒドロキシフ
ェニル)メタンの3種の混合物(例えば、本州化学工業
(株)・製、ビスフェノールF−D)等のビスフェノー
ル類、1,2−ベンゼンジオール、1,3−ベンゼンジ
オール、1,4−ベンゼンジオール等のジヒドロキシベ
ンゼン類、1,2,4−ベンゼントリオール等のトリヒ
ドロキシベンゼン類、1,6−ジヒドロキシナフタレン
等のジヒドロキシナフタレン類の各種異性体、2,2’
−ビフェノール、4,4’−ビフェノール等のビフェノ
ール類の各種異性体等の化合物が挙げられる。更に、他
の構成成分である共役塩基は、上記の化合物(Y)から
1個の水素を除いたフェノキシド型化合物である。
【化9】
【0014】
【化10】 (式中、R15はCH2又はC(CH32を表す。)
【0015】本発明に用いる分子会合体は、前述のよう
にホスホニウム−フェノキシド型の塩を構造中に有する
が、従来の技術におけるホスホニウム−有機酸アニオン
塩型の化合物と異なる点は、本発明の分子会合体では水
素結合による高次構造がイオン結合を取り囲んでいる点
である。従来の技術における塩では、イオン結合の強さ
のみにより反応性を制御しているのに対し、本発明の分
子会合体では、常温ではアニオンの高次構造による囲い
込みが活性点の保護を行う一方、成形の段階において
は、この高次構造が崩れることで活性点がむき出しにな
り、反応性を発現する、いわゆる潜伏性が付与されてい
る。更に高次構造が崩れ反応性が発現する際には、分子
会合体に含まれる化合物(Y)はフェノール性水酸基を
有するため反応の架橋に取り込まれるため、従来の技術
におけるホスホニウム−有機酸アニオン塩型の化合物か
ら有機酸が遊離するのとは大きく異なり、耐湿信頼性に
悪影響を与えない。
【0016】本発明の分子会合体の製造方法は何ら限定
されないが、代表的な2方法を挙げることができる。1
つ目は、テトラ置換ホスホニウム・テトラ置換ボレート
(Z)と、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を
有する化合物(Y)とを、高温下で反応させた後、更に
沸点60℃以上の溶媒中で熱反応させる方法である。2
つ目は、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有
する化合物(Y)と、無機塩基又は有機塩基とテトラ置
換ホスホニウムハライドとを反応させる方法である。用
いるテトラ置換ホスホニウムハライドの置換基について
は何ら限定されることはなく、置換基は互いに同一であ
っても異なっていてもよい。例えば、置換又は無置換の
アリール基やアルキル基を置換基に有するテトラ置換ホ
スホニウムイオンが、熱や加水分解に対して安定であり
好ましい。具体的には、テトラフェニルホスホニウム、
テトラトリルホスホニウム、テトラエチルフェニルホス
ホニウム、テトラメトキシフェニルホスホニウム、テト
ラナフチルホスホニウム、テトラベンジルホスホニウ
ム、エチルトリフェニルホスホニウム、n−ブチルトリ
フェニルホスホニウム、2−ヒドロキシエチルトリフェ
ニルホスホニウム、トリメチルフェニルホスホニウム、
メチルジエチルフェニルホスホニウム、メチルジアリル
フェニルホスホニウム、テトラ−n−ブチルホスホニウ
ム等を例示できる。ハライドとしてはクロライドやブロ
マイドを例示でき、テトラ置換ホスホニウムハライドの
価格や吸湿等の特性、及び入手のし易さから選択すれば
よく、いずれを用いても差し支えない。
【0017】本発明に用いる有機ホスフィン(D)は置
換基全てが有機基である第3ホスフィン化合物、1つの
基のみが水素である第2ホスフィン、2つの基が水素で
ある第1ホスフィン等がある。具体的にはトリフェニル
ホスフィン、トリブチルホスフィン、トリシクロヘキシ
ルホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ブチルジ
フェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニル
ホスフィン、オクチルホスフィン等である。又1,2−
ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、ビス(ジフェニ
ルホスフィノ)メタン等でも構わない。特に入手のし易
さ、価格の面ではトリフェニルホスフィンが好ましい。
本発明では分子会合体(C)と有機ホスフィン(D)を
併用することに特徴があり、これについて説明する。前
述のように、トリフェニルホスフィンで代表される有機
ホスフィン系の硬化促進剤は、比較的低温でも硬化促進
作用を示すため、これらを用いた樹脂組成物は常温時の
保存性が不十分で、そのため常温で保存すると、成形時
の流動性の低下から充填不良が発生したり、ICチップ
の金ワイヤーが断線し導通不良が発生する等の問題点が
生じる。又成形性向上のために、成形時の速硬化性を示
すのに十分な量を添加すると、樹脂組成物の常温での保
存性が極端に低下するという問題点がある。つまり単独
で使用する場合には常温保存特性が悪いために取扱いが
困難であった。しかし、有機ホスフィンは耐湿信頼性に
優れる樹脂組成物を与えるという利点もあった。この有
機ホスフィンに、特定の高次の分子構造を有し、且つ潜
伏性が付与された分子会合体(C)を併用することで、
有機ホスフィンの特徴を保持しつつ常温保存特性を改良
しようとするのが本発明である。
【0018】分子会合体(C)と有機ホスフィン(D)
の割合は含有するリン原子のモル比で1:0.2〜3で
あることが望ましい。分子会合体(C)含有のリン原子
1モルに対し、有機ホスフィン含有のリン原子が0.2
モルより少ない場合には有機ホスフィンの性能が十分活
かされないため、望ましくない。又分子会合体(C)含
有のリン原子1モルに対し、有機ホスフィン含有のリン
原子が3モルより多い場合には、有機ホスフィンの欠点
である常温保存特性の悪さが強調され、望ましくない。
又これらの硬化促進剤の特性を損なわない範囲で、1,
8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、2
−メチルイミダゾール等の他の硬化促進剤と併用しても
何ら問題はない。
【0019】本発明に用いられる無機充填材の種類につ
いては特に制限はなく、一般に封止材料に用いられてい
るものを使用することができる。例えば、溶融破砕シリ
カ、溶融球状シリカ、結晶シリカ、2次凝集シリカ、ア
ルミナ、チタンホワイト、水酸化アルミニウム等が挙げ
られ、特に溶融球状シリカ粉末が好ましい。形状は限り
なく真球状であることが好ましく、又粒子の大きさの異
なるものを混合することにより充填材量を多くすること
ができる。この無機充填材の配合量としては、全エポキ
シ樹脂と全フェノール樹脂の合計量100重量部あたり
200〜2400重量部が好ましい。200重量部未満
だと、無機充填材による補強効果が充分に発現しないお
それがあり、2400重量部を越えると、樹脂組成物の
流動性が低下し成形時に充填不良等が生じるおそれがあ
るので好ましくない。特に、無機充填材の配合量が、全
エポキシ樹脂と全フェノール樹脂の合計量100重量部
あたり250〜1400重量部であれば、樹脂組成物の
硬化物の吸湿率が低くなり、半田クラックの発生を防止
することができ、更に溶融時の樹脂組成物の粘度が低く
なるため、半導体装置内部の金線変形を引き起こすおそ
れがなく、より好ましい。又無機充填材は、予め充分混
合しておくことが好ましい。
【0020】本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜
(E)成分の他、必要に応じてγ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン等のカップリング剤、カーボンブ
ラック等の着色剤、臭素化エポキシ樹脂、酸化アンチモ
ン、リン化合物等の難燃剤、シリコーンオイル、シリコ
ーンゴム等の低応力成分、天然ワックス、合成ワック
ス、高級脂肪酸及びその金属塩類もしくはパラフィン等
の離型剤、酸化防止剤等の各種添加剤を配合することが
できる。本発明のエポキシ樹脂組成物は、(A)〜
(E)成分、及びその他の添加剤等をミキサーを用いて
常温混合し、ロール、押出機等の混練機で混練し、冷却
後粉砕して得られる。本発明の樹脂組成物を用いて、半
導体等の電子部品を封止し、半導体装置を製造するに
は、トランスファーモールド、コンプレッションモール
ド、インジェクションモールド等の成形方法で硬化成形
すればよい。
【0021】
【実施例】以下に、実施例を挙げて説明するが、本発明
はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
配合割合は重量部とする。 分子会合体C1 本州化学工業(株)・製ビスフェノールF−D(化合物
(Y)に相当)300g(1.5モル)と、テトラフェ
ニルホスホニウム・テトラフェニルボレート(Z)32
9g(0.5モル)とを3Lセパラブルフラスコに仕込
み、200℃で3時間反応させた。この反応でのベンゼ
ン留出量は、理論生成量の97重量%(即ちベンゼン留
出率97%)であった。この反応による粗生成物を微粉
砕し、セパラブルフラスコに仕込み、2−プロパノール
を粗生成物の仕込み重量の3倍量加え、内温82.4℃
(2−プロパノールの沸点温度)で1.5時間攪拌し
た。その後、2−プロパノールの大部分を除去し、更に
加熱減圧下で低沸点分を除去した。得られた生成物を化
合物C1とする。又溶媒を重メタノールとして、C1の
1H−NMRでの測定を行った。4.8ppm付近及び
3.3ppm付近のピークは溶媒のピークで、6.4〜
7.1ppm付近のピーク群は、原料であるビスフェノ
ールF[(X)1モルに対するモル数(a)]及びこの
ビスフェノールFから1個の水素を除いたフェノキシド
型の共役塩基[(X)1モルに対するモル数(b)]の
フェニルプロトン、7.6〜8.0ppm付近のピーク
群は、テトラフェニルホスホニウム基のフェニルプロト
ンと帰属され、それらの面積比から、モル比が[(a+
b)/(X)]=2.2/1であると計算された。化合
物C1中のリン原子の量は、3.98重量%。
【0022】分子会合体2 5Lのセパラブルフラスコに、本州化学工業(株)・製
ビスフェノールF−D(化合物(Y)に相当)300g
(1.5モル)、北興化学工業(株)・製テトラフェニ
ルホスホニウムブロマイド314g(0.75モル)、
メタノール3000gを仕込み、完全に溶解させた。そ
こに水酸化ナトリウムを30g含有するメタノール/水
混合溶液を攪拌しながら滴下した。得られた溶液を多量
の水中に滴下する再沈作業を行い、目的物を固形物とし
て得た。濾過して固形物を取り出し、乾燥させて得られ
た生成物を化合物C2とした。又溶媒を重メタノールと
して、C2の1H−NMRでの測定を行った。4.8p
pm付近及び3.3ppm付近のピークは溶媒のピーク
で、6.4〜7.1ppm付近のピーク群は、原料であ
るビスフェノールF[(X)1モルに対するモル数
(a)]及びこのビスフェノールFから1個の水素を除
いたフェノキシド型の共役塩基[(X)1モルに対する
モル数(b)]のフェニルプロトン、7.6〜8.0p
pm付近のピーク群は、テトラフェニルホスホニウム基
のフェニルプロトンと帰属され、それらの面積比から、
モル比が[(a+b)/(X)]=2/1であると計算
された。化合物C2中のリン原子の量は、3.41重量
%。
【0023】 実施例1 化合物C1 3.0重量部 トリフェニルホスフィン 0.3重量部 式(7)のビフェニル型エポキシ樹脂を主成分とする樹脂(エポキシ当量18 5、融点105℃) 51重量部
【化11】
【0024】式(8)のフェノールアラルキル樹脂(水
酸基当量167、軟化点73℃)49重量部
【化12】 溶融球状シリカ(平均粒径15μm) 500重量部 カーボンブラック 2重量部 臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂 2重量部 カルナバワックス 2重量部 を混合し、熱ロールを用いて、95℃で8分間混練して
冷却後粉砕し、樹脂組成物を得た。得られた樹脂組成物
を以下の方法で評価した。結果を表1に示す。
【0025】評価方法 スパイラルフロー:EMMI−1−66に準じたスパイ
ラルフロー測定用の金型を用い、金型温度175℃、注
入圧力70kg/cm2、硬化時間2分で測定した。ス
パイラルフローは流動性のパラメータであり、数値が大
きい方が流動性が良好である。単位はcm。 ショアD硬度:金型温度175℃、注入圧力70kg/
cm2、硬化時間2分で成形し、型開き10秒後に測定
したショアD硬度の値を硬化性とする。ショアD硬度は
硬化性の指標であり、数値が大きい方が硬化性が良好で
ある。 30℃保存性:30℃で6ヶ月間保存した後、スパイラ
ルフローを測定し、調製直後のスパイラルフローに対す
る百分率として表す。単位は%。 耐湿信頼性:金型温度175℃、注入圧力70kg/c
2、硬化時間2分で16pDIPを樹脂成形材料で封
止した後、175℃、8時間で後硬化を行った。125
℃、相対湿度100%の水蒸気中で20Vの電圧を印加
した後、断線不良を調べた。15個のパッケージの内の
8個以上に不良が出るまでの時間を不良時間とした。な
お測定時間は最長で500時間とし、その時点で不良パ
ッケージ数が8個未満であったものは、不良時間500
時間以上と示した。不良時間が長い程、耐湿信頼性に優
れる。
【0026】実施例2〜6、比較例1〜3 表1、表2の配合に従い、実施例1と同様にして樹脂組
成物を得、実施例1と同様にして評価した。結果を表
1、表2に示す。なお、実施例4に使用した結晶性エポ
キシ樹脂Aは、4,4’−ビス(2,3−エポキシプロ
ポキシ)−3,3’,5,5’−テトラメチルスチルベ
ンを主成分とする樹脂60重量%と4,4’−ビス
(2,3−エポキシプロポキシ)−5−ターシャリブチ
ル−2,3’,5’−トリメチルスチルベンを主成分と
する樹脂40重量%との混合物である(エポキシ当量2
09、融点120℃)。実施例5に使用したオルソクレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂は、エポキシ当量20
0、軟化点65℃である。実施例5に使用したフェノー
ルノボラック樹脂は、水酸基当量104、軟化点105
℃である。
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【発明の効果】本発明は、常温保存特性、耐湿信頼性に
優れた、挿入実装及び表面実装対応の半導体封止用エポ
キシ樹脂組成物、及びこれを用いて半導体素子を封止し
てなる半導体装置に関するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/29 H01L 23/30 R 23/31 Fターム(参考) 4J002 CC032 CC052 CC072 CD031 CD041 CD051 CD061 CD071 CD121 CD131 CD181 DE138 DE148 DJ018 EW017 EW176 FD018 FD142 GQ05 4J036 AA01 AD07 AD08 AD09 AD10 DB05 DD07 FA01 FB07 FB08 GA23 JA07 4M109 AA01 BA04 CA21 EA04 EB03 EB04 EB12 EC01

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エポキシ樹脂、(B)フェノール
    樹脂、(C)テトラ置換ホスホニウム(X)と1分子内
    にフェノール性水酸基を2個以上有する化合物(Y)及
    び1分子内にフェノール性水酸基を2個以上有する化合
    物(Y)の共役塩基との分子会合体であって、該共役塩
    基が前記フェノール性水酸基を1分子内に2個以上有す
    る化合物(Y)から1個の水素を除いたフェノキシド型
    化合物からなる分子化合物、(D)有機ホスフィン、及
    び(E)無機充填材を必須成分とし、全エポキシ樹脂の
    エポキシ基と全フェノール樹脂のフェノール性水酸基の
    当量比が0.5〜2であり、無機充填材(E)の配合量
    が、全エポキシ樹脂と全フェノール樹脂の合計量100
    重量部あたり200〜2400重量部であることを特徴
    とするエポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 分子会合体(C)と有機ホスフィン
    (D)の割合が、含有するリン原子のモル比で1:0.
    2〜3である請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 有機ホスフィン(D)がトリフェニルホ
    スフィンである請求項2記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 1分子内にフェノール性水酸基を2個以
    上有する化合物(Y)の共役塩基が、ジヒドロキシベン
    ゼン類、トリヒドロキシベンゼン類、ビスフェノール
    類、ビフェノール類、ジヒドロキシナフタレン類、フェ
    ノールノボラック樹脂、フェノールアラルキル樹脂の中
    から選択される1種以上である請求項1〜3記載のエポ
    キシ樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 テトラ置換ホスホニウム(X)が、テト
    ラフェニルホスホニウムである請求項1〜4記載のエポ
    キシ樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 エポキシ樹脂(A)が、融点50〜15
    0℃の結晶性エポキシ樹脂である請求項1〜5記載のエ
    ポキシ樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 融点50〜150℃の結晶性エポキシ樹
    脂が、一般式(1)及び一般式(2)から選ばれる1種
    以上である請求項6記載のエポキシ樹脂組成物。 【化1】 (式中、R1は水素原子、炭素数1〜6の鎖状もしくは
    環状アルキル基、フェニル基、又はハロゲンの中から選
    択される基又は原子であり、互いに同一であっても異な
    っていてもよい。) 【化2】 (式中、R2は水素原子、炭素数1〜6の鎖状もしくは
    環状アルキル基、フェニル基、又はハロゲンの中から選
    択される基又は原子であり、互いに同一であっても異な
    っていてもよい。)
  8. 【請求項8】 融点50〜150℃の結晶性エポキシ樹
    脂が、一般式(3)で示されるスチルベン型エポキシ樹
    脂と一般式(4)で示されるスチルベン型エポキシ樹脂
    との混合物である請求項6記載のエポキシ樹脂組成物。 【化3】 (式中、R3〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、炭
    素数1〜6の鎖状もしくは環状アルキル基、又はハロゲ
    ンの中から選択される基又は原子を示す。ただし、炭素
    −炭素二重結合に結合している2個のアリール基は互い
    に異なる。) 【化4】 (式中、R11〜R14は、それぞれ独立に、水素原子、炭
    素数1〜6の鎖状もしくは環状アルキル基、又はハロゲ
    ンの中から選択される基又は原子を示す。ただし、炭素
    −炭素二重結合に結合している2個のアリール基は互い
    に同じである。)
  9. 【請求項9】 フェノール樹脂(B)が、フェノールア
    ラルキル樹脂である請求項1〜8記載のエポキシ樹脂組
    成物。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9記載のいずれかのエポキ
    シ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止してなることを
    特徴とする半導体装置。
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