JP2001192570A - 導電層形成用水性分散液、導電層、電子部品ならびに回路基板およびその製造方法 - Google Patents

導電層形成用水性分散液、導電層、電子部品ならびに回路基板およびその製造方法

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JP2001192570A
JP2001192570A JP2000132832A JP2000132832A JP2001192570A JP 2001192570 A JP2001192570 A JP 2001192570A JP 2000132832 A JP2000132832 A JP 2000132832A JP 2000132832 A JP2000132832 A JP 2000132832A JP 2001192570 A JP2001192570 A JP 2001192570A
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conductive
conductive layer
aqueous dispersion
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electrodeposition
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Nobuyuki Ito
信幸 伊藤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電着により効率よく高精度の導電層を形成可
能な水性分散液、この水性分散液から形成された導電
層、この導電層を有する電子部品および回路基板、なら
びにこの回路基板の製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明の水性分散液は、導電性微粒子と
有機粒子とが水性媒体中に分散しており、電着により導
電膜を形成可能である。この水性分散液から形成された
本発明の導電膜は、体積抵抗率が10-4Ω・cm以下で
あることを特徴とする。本発明の回路基板は、絶縁層
と、この絶縁層を貫通する貫通導電部を含む導電層と、
を備える。この回路基板は、絶縁層1に貫通孔11を形
成し、貫通孔11の一開口端を導電性箔2で塞いだ後、
本発明の水性分散液を電着液とし導電性箔2を一方の電
極として底面21上に粒子を電着し、これにより貫通孔
11内に貫通導電部31を形成する工程を含む本発明の
方法により好適に製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電層形成用水性
分散液、この水性分散液から形成された導電層、この導
電層を備えた電子部品、さらに上記導電層形成用水性分
散液を用いて形成された導電層を備える回路基板および
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、基板上に電極や配線パターン等と
なる導電層を形成する方法の一つとして、金属をメッキ
する方法が用いられている。一方、この導電層を形成す
る他の方法として、熱硬化性の樹脂と導電性の粉末とか
らなる導電ペーストを塗布、印刷等の方法によって基板
に被着し、その後に樹脂を熱硬化させる方法も用いられ
ている。また、特開平9−134891号公報には、金
属の超微粒子を有機分散媒中に均一に分散させた金属超
微粒子分散液を半導体基板に塗布した後、加熱により有
機溶媒を除去するとともに金属超微粒子を融着させる薄
膜形成方法が開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記の金属メ
ッキ法では金属イオンからのメッキ膜の成長速度が遅い
ため、厚め(例えば膜厚10μm以上)の導電膜や、ス
ルーホールやビアホールを満たす導電層を形成する場合
等には生産性の低さが問題となっていた。また、導電ペ
ーストや金属超微粒子分散液を用いて塗布、印刷等によ
り導電層を形成する方法によると、得られる導電層の厚
さ、導電層の形成位置等を精密に制御することは困難で
ある。特に、樹脂と導電性粉末とからなる導電ペースト
は、一般に比較的高粘度〔例えば100Pa・s(25
℃)〕であるため高精度の導電層は形成し難い。このよ
うな高粘度の導電ペーストは、小径(例えば直径100
μm以下)のビアホール内等への充填も困難である。ま
た、特開平9−134891号公報に記載の方法では、
金属超微粒子分散液の粘度は低くできるが、樹脂成分を
含まないため、厚めの導電層を形成しようとすると導電
層がひび割れてしまい、基板に対する導電層の接着性も
低いという問題がある。
【0004】本発明の目的は、電着法により効率よく高
精度の導電層を形成することのできる導電層形成用水性
分散液、この水性分散液から形成された導電層、ならび
にこの導電層を有する電子部品および回路基板を提供す
ることにある。本発明の他の目的は、上記導電層形成用
水性分散液を電着液に用いて導電層を形成する工程を含
む、高効率かつ高精度な回路基板の製造方法を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、導電性微
粒子および有機粒子を含有する電着可能な水性分散液を
用いることにより、上記課題が解決されることを見出し
て本発明を完成した。
【0006】すなわち、請求項1記載の導電層形成用水
性分散液は、水性媒体中に、平均粒子径1μm以下の導
電性微粒子と、重合性化合物および重合体の少なくとも
一方からなる有機粒子とが分散しており、電着により導
電層を形成可能であることを特徴とする。
【0007】上記導電性微粒子と上記有機粒子との体積
比は80/20〜40/60の範囲であることが好まし
い。この水性分散液は、上記導電性微粒子を有機溶媒に
分散させた導電性微粒子分散液と、上記有機粒子を水性
媒体に分散させた有機粒子分散液とを混合することによ
り好ましく調整することができる。
【0008】また、請求項4記載の導電層は、請求項1
から3のいずれか一項記載の導電層形成用水性分散液を
用いた電着により形成され、体積抵抗率が10-4Ω・c
m以下であることを特徴とする。そして、請求項5記載
の電子部品は、請求項1から4のいずれか一項記載の導
電層形成用水性分散液を用いた電着により形成された導
電層を備えることを特徴とする。
【0009】請求項6記載の回路基板は、絶縁層と、請
求項1から3のいずれか一項記載の導電層形成用水性分
散液を電着液とする電着法により形成され該絶縁層を貫
通する貫通導電部を含む導電層と、を有することを特徴
とする。
【0010】請求項7記載の回路基板の製造方法は、請
求項1から3のいずれか一項記載の導電層形成用水性分
散液を用いた製造方法であって、(a)絶縁層に貫通孔
を形成する工程と、(b)該絶縁層の一方の表面に、該
貫通孔の一開口端上を含む部分に導電性箔を設ける工程
と、(c)上記導電層形成用水性分散液を電着液に用
い、上記導電性箔を一方の電極とする電着法により、上
記貫通孔内に貫通導電部を形成する工程と、を備えるこ
とを特徴とする。
【0011】請求項8記載の回路基板の製造方法は、請
求項1から3のいずれか一項記載の導電層形成用水性分
散液を用いた製造方法であって、(a)導体パターンの
形成されたコア基板上に絶縁層を形成する工程と、
(b)該絶縁層をパタニングして、上記導体パターンの
一部を露出させる貫通孔を有する絶縁層パターンを形成
する工程と、(c)該絶縁層パターンをマスク材とした
無電解メッキにより、上記貫通孔内を含む部分に無電解
メッキ層を形成する工程と、(d)上記導電層形成用水
性分散液を電着液に用い、上記導体パターンおよび上記
無電解メッキ層を一方の電極とする電着法により、上記
貫通孔内の貫通導電部を含む導電層を形成する工程と、
を備えることを特徴とする。
【0012】そして、請求項9記載の回路基板の製造方
法は、請求項7または8記載の方法により得られた回路
基板を複数枚積層することを特徴とする。以下、本発明
につきさらに詳しく説明する。
【0013】(1)導電性微粒子について 本発明において使用する導電性微粒子の材質は、導電性
を示す材質であれば特に限定されないが、酸化されにく
い材質が好ましい。例えば、金、銀、銅、アルミニウ
ム、亜鉛、ニッケル、パラジウム、白金、コバルト、ロ
ジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、ク
ロム、タングステン、タンタル、チタン、ビスマス、
鉛、ホウ素、ケイ素、スズおよびバリウムから選択され
る金属またはこれらの合金を使用することができる。ま
た、材質の異なる二種以上の導電性微粒子を併用しても
よい。この導電性微粒子は、体積抵抗率10-5Ω・cm
以下の材料からなることが好ましく、7×10-6Ω・c
m以下の材料からなることがより好ましい。
【0014】上記導電性微粒子の平均粒子径は1μm以
下である必要があり、0.5μm以下であることが好ま
しく、0.3μm以下であることがさらに好ましい。平
均粒子径が1μmを超えると粒子が沈降しやすくなり、
貯蔵安定性が不足する。平均粒子径の下限は特に限定さ
れないが、通常は0.02μm以上である。なお、本明
細書中において「平均粒子径」とは、一次粒子径を指す
ものとする。このような導電性微粒子としては、微粒子
を製造しやすいことから、化学蒸着法(以下、「CVD
法」という。)、電解法、還元法等により製造された金
属微粒子が好ましく使用される。
【0015】(2)有機粒子について (2−1)有機粒子の組成 本発明において使用する有機粒子は、「重合性化合物お
よび重合体の少なくとも一方」からなる。ここで、「重
合性化合物」とは重合性基を有する化合物を指し、完全
硬化前の前駆的重合体、重合性オリゴマー、単量体など
を含む意味である。一方、「重合体」とは実質的に重合
反応が完了した化合物を指す。ただし、加熱、湿気など
によりこの重合体を電着後に架橋させることも可能であ
る。有機粒子の表面は電着を可能とするために電荷を有
することが好ましく、この表面電荷はアニオン型でもカ
チオン型でもよい。なお、導電性微粒子の材質が銅であ
る場合には、有機粒子の表面電荷がカチオン型であるほ
うが、これらの粒子を含む水性分散液の保存安定性がよ
いため好ましい。
【0016】上記有機粒子は、アクリル系樹脂、エポキ
シ系樹脂、ポリエステル系樹脂、およびポリイミド系樹
脂から選択される一種または二種以上からなることが好
ましい。また、これらの樹脂に加えてさらに他の成分を
含んでもよい。また、これらの樹脂は互いに、あるいは
他の成分と化学的に結合されていてもよい。本発明にお
いては、電着後に樹脂成分を加熱等により分解除去する
場合には、アクリル系樹脂を主成分とする有機粒子を用
いることが特に好ましい。一方、この分解除去を行わな
い場合には、機械的特性、化学的特性および電気的特性
に優れた導電層を形成しやすいことから、ポリイミド系
樹脂を主成分とする有機粒子を用いることが特に好まし
い。ここで、「ポリイミド系樹脂」とは、ポリイミド樹
脂または電着後の加熱などにより硬化可能な前駆的重合
体(たとえばポリアミック酸など。)、ポリイミド樹脂
の形成に用いられる単量体と他の単量体との共重合体樹
脂またはその前駆的重合体、ポリイミド樹脂またはその
前駆的重合体と他の化合物との反応物、さらにポリイミ
ド系樹脂の形成に用いられる単量体、オリゴマーなどを
も含む意味であり、他の樹脂についても同様である。
【0017】(2−2)有機粒子の水性エマルジョン 本発明の水性分散液は通常、上記有機粒子が「水性媒
体」に分散した水性エマルジョンを用いて調整される。
以下、主としてアクリル系樹脂からなる粒子の水性エマ
ルジョン(以下、「アクリル系樹脂エマルジョン」とい
う。)、主としてエポキシ系樹脂からなる粒子の水性エ
マルジョン(以下、「エポキシ系樹脂エマルジョン」と
いう。)、主としてポリエステル系樹脂からなる粒子の
水性エマルジョン(以下、「ポリエステル系樹脂エマル
ジョン」という。)、および主としてポリイミド系樹脂
からからなる有機粒子の水性エマルジョン(以下、「ポ
リイミド系樹脂エマルジョン」という。)の製造方法に
ついて説明する。
【0018】(i)アクリル系樹脂エマルジョンの製造
方法 アクリル系樹脂エマルジョンの製造方法は特に限定され
るものではないが、例えば通常の乳化重合法や、アルコ
ール等の有機溶媒中で重合させた反応液を水中に攪拌し
ながら添加して樹脂を分散させる方法等により製造でき
る。単量体としては、一般的なアクリル系および/また
はメタクリル系単量体から選択される一種または二種以
上を用いればよい。このとき、粒子を電着可能とするた
めに、通常はカチオン性基またはアニオン性基を有する
単量体を共重合させる。その共重合量は、使用する単量
体全体に対して5〜80重量%(より好ましくは10〜
50重量%)とすることが好ましい。
【0019】(ii)エポキシ系樹脂エマルジョンの製造
方法 エポキシ系樹脂エマルジョンの製造方法は特に限定され
るものではなく、従来公知の方法、例えば特開平9−2
35495号公報、同9−208865号公報に記載の
方法などによればよい。
【0020】(iii)ポリエステル系樹脂エマルジョンの
製造方法 ポリエステル系樹脂エマルジョンの製造方法は特に限定
されるものではなく、従来公知の方法、例えば特開昭5
7−10663号公報、同57−70153号公報、同
58−174421号公報に記載の方法などによればよ
い。
【0021】(iv)ポリイミド系樹脂エマルジョンの製
造方法 ポリイミド系樹脂エマルジョンの製造方法は特に限定さ
れるものではないが、好ましい例としては下記の二種類
が挙げられる。 〔1〕(A)有機溶媒可溶性のポリイミドと(B)親水
性ポリマーとの複合粒子からなるポリイミド系樹脂エマ
ルジョン。例えば特開平11−49951公報に記載の
方法により好ましく製造される。 〔2〕(C)ポリアミック酸と(D)疎水性化合物との
複合粒子を含む粒子からなるポリイミド系樹脂エマルジ
ョン。例えば特開平11−60947号公報に記載の方
法により好ましく製造される。 これらのポリイミド系樹脂エマルジョンは、水性分散体
としての保存安定性に優れるとともに、このエマルジョ
ン中の粒子を電着することによりポリイミド本来の耐熱
性、電気絶縁性、機械的特性、耐薬品性等が保持された
電着膜を形成可能であるため好ましい。
【0022】上記〔1〕の方法において使用するポリイ
ミド系樹脂エマルジョンの製造方法についてさらに詳し
く説明する。「(A)有機溶媒可溶性のポリイミド」の
合成法は特に限定されるものではないが、例えば、有機
極性溶媒中、テトラカルボン酸二無水物とジアミン化合
物とを混合して重縮合させて、ポリアミック酸を得たの
ち、該ポリアミック酸を加熱イミド化法または化学イミ
ド化法により脱水閉環反応させることにより、ポリイミ
ドを合成することができる。また、テトラカルボン酸二
無水物とジアミン化合物との重縮合を多段階で行うこと
により、ブロック構造を有するポリイミドを合成するこ
とも可能である。この有機溶媒可溶性のポリイミドは、
例えば、カルボキシル基、アミノ基、水酸基、スルホン
酸基、アミド基、エポキシ基、イソシアネート基等の反
応性基(a)を1種以上有することが好ましい。反応性
基(a)を有するポリイミドの合成方法としては、例え
ば、ポリアミック酸の合成に使用されるカルボン酸二無
水物、ジアミン化合物、カルボン酸一無水物、モノアミ
ン化合物等の反応原料として、反応性基(a)を有する
化合物を使用し、脱水閉環反応後に反応性基(a)を残
存させる方法等を挙げることができる。
【0023】「(B)親水性ポリマー」は、親水性基と
して、例えば、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、ス
ルホン酸基、アミド基等を1種以上有し、水に対する2
0℃の溶解度が、通常、0.01g/100g以上、好
ましくは0.05g/100g以上である親水性ポリマ
ーからなる。前記親水性基に加えて、前記(A)成分中
の反応性基(a)と反応しうる反応性基(b)を1種以
上有することが好ましい。このような反応性基(b)と
しては、例えば、エポキシ基、イソシアネート基、カル
ボキシル基のほか、前記親水性基と同様の基等を挙げる
ことができる。このような親水性ポリマーは、親水性基
および/または反応性基(b)を有するモノビニル単量
体を単独重合または共重合させるか、あるいはこれらの
モノビニル単量体と他の単量体とを共重合させることに
より得ることができる。
【0024】この(A)有機溶媒可溶性のポリイミドと
(B)親水性ポリマーとを、反応性基(a)と親水性ポ
リマー中の反応性基(b)とが適切な反応性を有する組
み合わせとなるように選択し、該ポリイミドと該親水性
ポリマーとを、例えば有機溶媒中にて溶液状態で混合し
て、必要に応じて加熱しつつ、反応させたのち、この反
応溶液と水性媒体とを混合し、場合により有機溶媒の少
なくとも一部を除去することにより、該ポリイミドと該
親水性ポリマーとを相互に結合して同一粒子内に含む複
合粒子からなるポリイミド系樹脂エマルジョンを得るこ
とができる。
【0025】次に、上記〔2〕の方法において使用する
ポリイミド系樹脂エマルジョンの製造方法についてさら
に詳しく説明する。ポリイミドの前駆体である「(C)
ポリアミック酸」の合成法は、特に限定されるものでは
ないが、例えば、有機極性溶媒中、テトラカルボン酸二
無水物とジアミン化合物との重縮合反応によりポリアミ
ック酸を得ることができる。また、テトラカルボン酸二
無水物とジアミン化合物との重縮合反応を多段階で行う
ことにより、ブロック構造を有するポリアミック酸を合
成することも可能である。なお、ポリアミック酸を脱水
閉環させることにより部分的にイミド化したポリアミッ
ク酸も使用可能である。
【0026】一方、「(D)疎水性化合物」は、前記ポ
リアミック酸中の少なくともアミド酸基と反応しうる基
(以下、「反応性基」という。)を有する化合物であ
る。この反応性基としては、例えば、エポキシ基、イソ
シアナト基、カルボジイミド基、水酸基、メルカプト
基、ハロゲン基、アルキルスルホニル基、アリールスル
ホニル基、ジアゾ基、カルボニル基等を挙げることがで
きる。これらの反応性基は、疎水性化合物中に1種以上
存在することができる。なお、「疎水性」とは、水に対
する20℃の溶解度が、通常、0.05g/100g未
満、好ましくは0.01/100g未満、さらに好まし
くは0.005g/100g未満であることを意味す
る。
【0027】このような疎水性化合物としては、例え
ば、エポキシ化ポリブタジエン、ビスフェノールA型エ
ポキシ樹脂、ナフタレン系エポキシ樹脂、フルオレン系
エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、グリシジル
エステル型エポキシ樹脂、アリルグリシジルエーテル、
グリシジル(メタ)アクリレート、1,3,5,6−テ
トラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,
N’,N’,−テトラグリシジル−m−キシレンジアミ
ン、トリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルカル
ボジイミド、ポリカルボジイミド、コレステロール、ベ
ンジルアルコールp−トルエンスルホン酸エステル、ク
ロロ酢酸エチル、トリアジントリチオール、ジアゾメタ
ン、ジアセトン(メタ)アクリルアミド等から選択され
る1種または2種以上を使用することができる。
【0028】この(C)ポリアミック酸と(D)疎水性
化合物とを、例えば、有機溶媒中にて溶液状態で混合し
て反応させたのち、この反応溶液を水性媒体と混合し、
場合により有機溶媒の少なくとも一部を除去することに
より、ポリアミック酸と疎水性化合物とを同一粒子内に
含む複合粒子からなるポリイミド系樹脂エマルジョンを
得ることができる。
【0029】なお、上記〔1〕および〔2〕の方法にお
いて用いられるテトラカルボン酸二無水物は特に限定さ
れるものではなく、その例としては、ブタンテトラカル
ボン酸二無水物、1,2,3,4−シクロブタンテトラ
カルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジシクロヘ
キシルテトラカルボン酸二無水物、2,3,5−トリカ
ルボキシシクロペンチル酢酸二無水物、1,3,3a,
4,5,9b−ヘキサヒドロ−5−(テトラヒドロ−
2,5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−
c]−フラン−1,3−ジオン等の脂肪族テトラカルボ
ン酸二無水物あるいは脂環式テトラカルボン酸二無水
物;ピロメリット酸二無水物、3,3’,4,4’−ベ
ンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,
4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水
物等の芳香族テトラカルボン酸二無水物;等を挙げるこ
とができる。これらのテトラカルボン酸二無水物は、単
独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
【0030】また、上記〔1〕および〔2〕の方法にお
いて用いられるジアミン化合物は特に限定されるもので
はなく、その例としては、p−フェニレンジアミン、
4,4’−ジアミノジフェニルメタン、2,2−ビス
[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン等
の芳香族ジアミン類;1,1−メタキシリレンジアミ
ン、1,3−プロパンジアミン、テトラメチレンジアミ
ン、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルアミン)
等の脂肪族ジアミンあるいは脂環式ジアミン類;2,3
−ジアミノピリジン、2,4−ジアミノ−6−ジメチル
アミノ−1,3,5−トリアジン、2,4−ジアミノ−
5−フェニルチアゾール、ビス(4−アミノフェニル)
フェニルアミン等の、分子内に2つの第一級アミノ基お
よび該第一級アミノ基以外の窒素原子を有するジアミン
類;モノ置換フェニレンジアミン類;ジアミノオルガノ
シロキサン;等を挙げることができる。これらのジアミ
ン化合物は、単独でまたは2種以上を混合して使用する
ことができる。
【0031】(3)水性分散液について 本発明の水性分散液は、水性媒体中に上記導電性微粒子
および上記有機粒子が分散したものである。本明細書中
において「水性媒体」とは、水を含有する媒体を意味
し、この水性媒体中における水の含有率は通常2重量%
以上、好ましくは10重量%以上である。水の含有率が
2重量%未満であると、この水性分散液をそのまま電着
液に用いることが困難となるため好ましくない。一方、
水の含有率が高すぎると導電性微粒子等の分散安定性が
低下するため、水の含有率は50重量%以下とすること
が好ましく、40重量%以下とすることがより好まし
く、20重量%以下とすることがさらに好ましい。場合
により水と共に使用される他の媒体としては、例えば前
述したポリアミック酸あるいはポリイミドの製造に使用
される非プロトン性極性溶媒、エステル類、ケトン類、
フェノール類、アルコール類、アミン類等を挙げること
ができる。このうち、導電性微粒子としての金属微粒子
の分散安定性の点から、炭素原子数1〜10のアルコー
ルの一種または二種以上をからなるアルコール類を10
〜90重量%(より好ましくは20〜70重量%)含有
することが好ましい。また、この水性媒体はモノエタノ
ールアミン、ジエタノールアミン等のアミン類を0.0
1〜5重量%(より好ましくは0.1〜1重量%)含有
することが好ましく、これにより分散安定性が向上す
る。
【0032】水性分散液に含まれる導電性微粒子と有機
粒子との体積比は、80/20〜40/60の範囲であ
ることが好ましく、80/20〜60/40の範囲であ
ることがより好ましい。導電性微粒子の割合が40体積
%未満では、体積抵抗率が大きすぎるので導電層として
の実用性に乏しい。一方、導電性微粒子の割合が80体
積%を超える場合には、成膜性や基板に対する接着性が
不足しやすく、また導電層にひび割れなどが生じる恐れ
がある。この水性分散液の好ましいpHは6〜12(よ
り好ましくは8〜10)、好ましい固形分濃度は1〜5
0重量%(より好ましくは5〜30重量%)、20℃に
おける好ましい粘度は1〜100mPa・sである。p
H、固形分濃度または粘度が上記範囲を外れると、粒子
の分散性等が低下して貯蔵安定性が不足したり、十分な
電着速度が得られず生産性が低下したり、取り扱い時や
使用時の作業性が低下したり、貫通孔内等の細かな形状
の部分への電着が困難となったりする場合がある。
【0033】この水性分散液は、上記導電性微粒子を有
機溶媒に分散させた導電性微粒子分散液と、上記有機粒
子の水性エマルジョンとを混合することにより好ましく
調整される。上記「導電性微粒子分散液」に用いる有機
溶媒としては、分散安定性および水性エマルジョンの媒
体に対する溶解性の点等から、炭素原子数1〜10のア
ルコールの一種または二種以上からなるアルコール系溶
媒が好ましく、エチルアルコール、イソプロピルアルコ
ールまたはこれらの混合溶媒が特に好ましく用いられ
る。導電性微粒子を有機溶媒に分散させる方法として
は、ホモミキサー、高圧ホモジナイザー、超音波混合機
等を用いる方法、あるいはこれらを組み合わせて使用す
る方法等が挙げられる。この導電性微粒子分散液は、導
電性微粒子を3〜40重量%の割合で含むものとするこ
とが好ましく、5〜30重量%とすることがより好まし
い。
【0034】なお、本発明の水性分散液は、上記導電性
微粒子および上記有機粒子に加えて、下記式(1)で示
されるオルガノシラン、このオルガノシランの有する加
水分解性基の一部または全部が加水分解された加水分解
物およびこの加水分解物が部分的に脱水縮合した部分縮
合物から選択される少なくとも一種(以下、「オルガノ
シラン縮合物等」という。)を含有してもよい。このよ
うな水性分散液から形成された導電層は、特に電着後に
加熱硬化させた場合には、導電層中でオルガノシラン縮
合物等が架橋することにより、機械的特性および化学的
特性に優れたものとなる。
【0035】
【化1】 (R1nSi(OR24-n (1) (式中、R1は水素原子または炭素数1〜8の一価の有
機基を示し、R2は炭素数1〜5のアルキル基、炭素数
1〜6のアシル基またはフェニル基を示し、nは1また
は2の整数である。R1およびR2は同一であってもよい
し、異なっていてもよい。)
【0036】上記式(1)において、R1の炭素数1〜
8の有機基としては、直鎖または分岐を有するアルキル
基、ハロゲン置換されたアルキル基、ビニル基、フェニ
ル基及び3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基等を
挙げることができる。なお、R1はカルボニル基を有し
ていてもよい。なお、R1は炭素数1〜4のアルキル基
またはフェニル基であることが好ましい。R2の炭素数
1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基とし
ては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロ
ピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル
基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、アセチル
基、プロピオニル基、ブチリル基等が挙げられる。な
お、R2は炭素数1〜4のアルキル基であることが好ま
しい。
【0037】好ましく使用されるオルガノシランの例と
しては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキ
シシラン、イソブチルトリメトキシシラン及びフェニル
トリエトキシシランが挙げられる。これらのオルガノシ
ランは、1種のみを使用してもよいし、2種以上を併用
してもよい。
【0038】上記「オルガノシラン縮合物等」は、本発
明の水性分散液中において、上記有機粒子と複合体粒子
を形成していることが好ましい。この「複合体粒子」と
は、上記有機粒子を構成する化合物とオルガノシラン縮
合物等とが化学的に結合したもの、上記有機粒子の表面
または内部にオルガノシラン縮合物等が吸着したものな
どを指す。このオルガノシラン縮合物等の使用量は、上
記有機粒子を100重量部として0.1〜500重量部
とすることが好ましく、0.5〜250重量部とするこ
とがより好ましい。オルガノシラン縮合物等の使用量が
0.1重量部未満では所望の効果が得られない場合があ
り、一方500重量部を超える場合には導電層の接着性
などが低下する傾向にある。
【0039】このような複合体粒子は、下記〔1〕また
は〔2〕の方法等によって製造することができる。な
お、これらの方法を組み合わせてもよい。 〔1〕上記有機粒子のエマルジョンに上記オルガノシラ
ンを添加し、オルガノシランの少なくとも一部を上記有
機粒子に吸収させた後、このオルガノシランの加水分解
反応および縮合反応を進行させる。 〔2〕水性媒体に分散された上記オルガノシラン縮合物
等の存在下で上記有機粒子を生成させる反応を行う。
【0040】上記〔1〕の方法においてオルガノシラン
を有機粒子に吸収させるには、エマルジョン中にオルガ
ノシランを添加して十分に攪拌するなどの方法によれば
よい。このとき、添加したオルガノシランの10重量%
以上(より好ましくは30重量%以上)を粒子に吸収さ
せることが好ましい。吸収が不十分な段階でオルガノシ
ランの加水分解・縮合反応が進んでしまうのを避けるた
めに、反応系のpHを通常4〜10、好ましくは5〜1
0、さらに好ましくは6〜8に調製することができる。
オルガノシランを有機粒子に吸収させるための処理温度
は70℃以下とすることが好ましく、より好ましくは5
0℃以下、さらに好ましくは0〜30℃である。処理時
間は通常5〜180分であり、20〜60分程度とする
ことが好ましい。吸収されたオルガノシランを加水分解
・縮合させる際の温度は、通常30℃以上、好ましくは
50〜100℃、より好ましくは70〜90℃であり、
好ましい重合時間は0.3〜15時間、より好ましくは
1〜8時間である。
【0041】また、上記〔2〕の方法においては、上記
オルガノシランを、ホモミキサーまたは超音波混合機等
を用いて、アルキルベンゼンスルホン酸等の強酸性乳化
剤の水溶液中で混合し、加水分解・縮合させることによ
って、水性媒体に分散されたオルガノシラン縮合物等が
得られる。このオルガノシラン縮合物等の存在下で、好
ましくは乳化重合により上記有機粒子を生成させればよ
い。
【0042】(4)導電層について 本発明の水性分散液は、通常はそのままの濃度で導電層
形成用の電着液に用いることが好ましいが、希釈または
濃縮して用いてもよい。また、必要に応じて従来公知の
添加剤を適宜配合することができる。この電着液を用い
た通常の電着方法により、水性分散液中の導電性微粒子
および有機粒子を電極表面等に電着して導電層を製造す
ることができる。
【0043】この電着工程の後、導電性微粒子の表面に
存在する金属酸化物等の非導電性物質を除去するため
に、電着により形成された層を還元性雰囲気で焼成する
ことが好ましい。例えば、0.1〜5体積%の水素を混
合した不活性ガス雰囲気で、200〜500℃において
30〜180分間焼成することにより金属酸化物を還元
することができる。また、この層の表面を、酢酸、ギ
酸、プロピオン酸等の弱酸の50〜100%水溶液等で
洗浄することにより、金属酸化物等の非導電性物質を溶
解除去してもよい。さらに、電着された粒子の樹脂成分
を加熱により分解除去してもよく、これにより導電層の
体積抵抗率を低下させることができる。この場合には、
樹脂成分として比較的低温で分解除去可能なアクリル系
樹脂を用いることが好ましく、例えば250〜800℃
で30〜180分間の加熱を行うことにより樹脂成分を
ほぼ除くことができる。なお、上記のように層を還元性
雰囲気で焼成する場合には、この焼成と同時に樹脂成分
を分解除去することができる。
【0044】また、樹脂成分として熱硬化性樹脂を用
い、電着後にこの樹脂成分をさらに加熱硬化させてもよ
い。この場合には、上記オルガノシラン縮合物等を含有
する水性分散液を用いることが好ましい。熱硬化性樹脂
としては、エポキシ系樹脂またはポリイミド系樹脂を用
いることが好ましく、ポリイミド系樹脂を用いることが
最も好ましい。加熱硬化の条件は、樹脂成分が分解除去
されない程度の温度であれば特に限定されるものではな
いが、好ましい加熱温度は100〜400℃であり、よ
り好ましくは150〜300℃である。また、好ましい
加熱時間は5分以上であり、より好ましくは10分以上
である。樹脂成分を加熱硬化させることにより導電層の
機械的特性等が向上し、また焼き締めにより導電層が緻
密になるため電気的特性も向上する。さらに、導電層中
に残った樹脂成分がバインダとして機能することから、
接着性、耐衝撃性等に優れた導電層とすることができ
る。なお、上記のように膜を還元性雰囲気で焼成する場
合には、この焼成時の熱を利用して樹脂成分を加熱硬化
させてもよい。
【0045】本発明の水性分散液によると、体積抵抗率
10-4Ω・cm以下(より好ましくは0.5×10-4
下)の導電層を得ることができる。この導電層は、膜状
に形成される場合における厚さが1〜80μm(より好
ましくは3〜50μm、さらに好ましくは5〜20μ
m)であることが好ましい。この範囲の厚さを有する導
電層の形成においては、本発明の水性分散液を用いて電
着により製造する利点が有効に発揮されるためである。
【0046】(5)電子部品について 本発明の水性分散体によると、膜厚精度等の高い導電層
を効率よく作製することができる。また、絶縁層を貫通
するスルーホール、ビアホール等の細かな形状部分に
も、高精度にかつ効率よく導電層を形成することができ
る。この導電層は、導電性の回路、バンプおよびこれら
を組み合わせて作製された配線基板等の電子部品に好ま
しく適用される。
【0047】(6)回路基板について 本発明の回路基板は、絶縁層と、上記導電層形成用水性
分散液を用いて形成された導電層とを備える。この導電
層の一部は、上記絶縁層を貫通する貫通導電部を構成し
ている。この絶縁層を構成する材料は特に限定されず、
得られる回路基板の用途等に応じて、ポリイミド樹脂、
エポキシ系樹脂、ビスマレイミド系樹脂、フェノール系
樹脂等を使用することができる。例えば、一般にビルド
アップ配線板のコア基板に用いられるガラスエポキシ基
板、BTレジン基板等、あるいはビルドアップ配線板の
絶縁層に用いられるエポキシ系樹脂層、ポリイミド系樹
脂層等が好ましく用いられる。絶縁層の厚さも特に限定
されないが、コア基板の場合には通常20〜150μm
(好ましくは50〜100μm)、ビルドアップ絶縁層
の場合には通常5〜100μm(好ましくは10〜50
μm)である。
【0048】なお、絶縁層に用いられるポリイミド系樹
脂層としては、弾性率が10GPa未満のポリイミド系
複合物からなるものが特に好ましく使用される。このよ
うなポリイミド系複合物としては、特開2000−44
800号公報に開示されているように、(A)ポリイミ
ド成分と、(B)その他ポリマー成分とからなるものを
用いることができる。(A)ポリイミド成分は、有機溶
媒可溶性であることが好ましく、ブロック構造を有する
ポリイミド、末端修飾型ポリイミド、反応性基をもつポ
リイミドおよびポリアミック酸等が好ましく用いられ
る。(B)その他ポリマー成分としては、(A)ポリイ
ミド成分と直接あるいは架橋剤等を介して間接に反応可
能な反応基を有するものが好ましい。(B)その他ポリ
マー成分の具体例としては、アクリルポリマー等のビニ
ル単量体の重合体、天然ゴムおよびそのエポキシ化物、
ポリブタジエンおよびそのエポキシ化物、スチレン−ブ
タジエンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム、アクリ
ロニトリルゴム、エチレン−プロピレンゴム、フッ素ポ
リマー、シリコーンポリマー等が挙げられる。
【0049】上記貫通導電部は通常、上記絶縁層を貫通
する貫通孔を埋めるように充填されるか、あるいは貫通
孔の壁面に沿った膜状に形成されている。この貫通孔の
直径は4〜150μm(より好ましくは6〜100μ
m、さらに好ましくは10〜90μm)であることが好
ましい。この範囲の直径を有する貫通孔においては、本
発明の水性分散液を用いた電着法によりその内部に貫通
導電部を形成する利点が有効に発揮されるためである。
貫通導電部が貫通孔の壁面に沿った膜状に形成されてい
る場合、その膜厚は1〜50μm(より好ましくは2〜
30μm、さらに好ましくは3〜20μm)であること
が好ましい。
【0050】(6−2)製造方法 上記回路基板は、例えば請求項7記載の方法(以下、
「方法1」ともいう。)により製造することができる。
この方法による製造工程につき図1を用いて説明する。
まず、図1(a)に示すように、絶縁層1に貫通孔11
を形成する。次いで、図1(b)に示すように、絶縁層
1の一方の表面1aに導電性箔2をラミネートする。こ
の導電性箔2は、表面1aの全面を覆ってもよく一部の
みを覆ってもよいが、少なくとも貫通孔11の一開口端
上を含む部分に設けられる。すなわち、導電性箔2の一
部は貫通孔11の底面21を形成している。その後、請
求項1〜3記載の水性分散液からなる電着液に、図1
(b)に示す基板を、この電着液が貫通孔11を満たす
ように接触させ、導電性箔2を一方の電極として電着を
行う。これにより、図1(c)に示すように、底面21
上に導電性微粒子および有機粒子が電着されて、貫通孔
11内に貫通導電部31が形成される。
【0051】その後、例えば図1(d)に示すように、
絶縁層1の他方の表面1bに別の導電性箔2をラミネー
トし、次いで従来公知の方法により導電性箔2をエッチ
ングして導体パターン4を形成することにより、図1
(e)に示すように、表面1aに形成された導体パター
ン4と表面1bに形成された導体パターン4とが貫通導
電部31により接続された回路基板が得られる。なお、
電着後の適当な工程において基板を適宜加熱することに
より貫通導電部31を形成する樹脂を熱硬化させること
ができ、また絶縁層1が半硬化の樹脂からなる場合には
この段階で同時に熱硬化させることができる。
【0052】また、本発明の回路基板は、請求項8記載
の方法(以下、「方法2」ともいう。)によって製造す
ることもできる。この方法による製造工程につき図2を
用いて説明する。この方法では、あらかじめ導体パター
ンの形成されたコア基板に導電層を形成する。「導体パ
ターンの形成されたコア基板」としては、図2(a)に
示すように、図1(a)〜(e)に示す工程等により製
造された、絶縁層(コア絶縁層ともいう。)1と導電パ
ターン4とからなるコア基板8を用いることができる。
【0053】このコア基板8の両表面に、図2(b)に
示すように感光性絶縁樹脂を塗布して絶縁層5を形成す
る。これを常法によりパタニングして、図2(c)に示
すように、導体パターン4の一部を露出させる貫通孔5
1を有する絶縁層パターン6を形成する。次いで、図2
(d)に示すように、絶縁層パターン6をマスク材と
し、常法により無電解メッキを行って無電解メッキ層7
を形成する。この無電解メッキ層7は、図2(c)に示
す基板の全面に形成してもよく一部のみに形成してもよ
いが、少なくとも貫通孔51内を含む部分に、貫通孔5
1の底に位置する導体パターン4と電気的に接続される
ように形成する。その後、請求項1〜3記載の水性分散
液からなる電着液に、図2(d)に示す基板を、この電
着液が貫通孔51を満たすように接触させ、無電解メッ
キ層7を一方の電極として電着を行う。これにより、図
2(e)に示すように、無電解メッキ層7上に導電性微
粒子および有機粒子が電着されて、貫通孔51内に形成
された貫通導電部32を含む導電層3が形成される。
【0054】この図2(e)に示す基板では、請求項7
記載の方法により得られた回路基板の両面に、請求項8
記載の方法により得られた回路基板がそれぞれ一枚づつ
積層されている。この状態から導電層3のパタニングを
行った後、図2(b)〜(e)に示す工程を繰り返すこ
とにより、請求項8記載の方法による回路基板をさらに
積層することができる。また、請求項7記載の方法によ
り得られた回路基板のみ、あるいは請求項8記載の方法
により得られた回路基板のみを複数枚積層してもよい
し、請求項7記載の方法により得られた回路基板の一面
のみに請求項8記載の方法により得られた回路基板を一
枚あるいは複数枚積層してもよい。
【0055】
【発明の実施の形態】以下、実施例および比較例により
本発明をさらに具体的に説明する。なお、以下におい
て、特記しない限り、「部」および「%」は重量基準で
ある。
【0056】(1)導電性微粒子分散液の調製 (合成例1:銅微粒子の分散液a)CVD法で製造した
銅微粒子(真空冶金株式会社製、平均一次粒子径0.0
50μm)20部およびイソプロピルアルコール80部
をホモミキサーで混合した後、ジエタノールアミン0.
6部を加え、さらに10分間の超音波分散を行って、凝
集物のない銅微粒子のアルコール分散液(固形分濃度2
0%)を得た。
【0057】(合成例2:銅微粒子の分散液b)還元法
で製造した銅微粒子(住友金属株式会社製、平均一次粒
子径0.3μm)20部およびイソプロピルアルコール
20部をホモミキサーで混合した後、モノエタノールア
ミン1部とイソプロピルアルコール30部を加え、さら
に高圧ホモジナイザー(白水化学製)をかけて、凝集物
のない銅微粒子のアルコール分散液(固形分濃度20
%)を得た。
【0058】(合成例3:銅微粒子の分散液c)電解法
で製造した銅微粒子(川鉄鉱業株式会社、平均一次粒子
径0.5μm)20部およびイソプロピルアルコール3
0部をホモミキサーで混合した後、イソプロピルアルコ
ール50部を加えて、さらに高圧ホモジナイザー(白水
化学製)をかけて、凝集物のない銅微粒子のアルコール
分散液(固形分濃度20%)を得た。
【0059】(合成例4:ニッケル微粒子の分散液)C
VD法で製造したニッケル微粒子(真空冶金株式会社
製、平均一次粒子径0.020μm)10部およびイソ
プロピルアルコール90部をホモミキサーで混合した
後、ジエタノールアミン0.3部を加え、さらに10分
間の超音波分散を行って、凝集物のないニッケル微粒子
のアルコール分散液(固形分濃度10%)を得た。
【0060】(合成例5:銀微粒子の分散液)CVD法
で製造した銀微粒子(真空冶金株式会社製、平均一次粒
子径0.050μm)20部およびエチルアルコール8
0部をホモミキサーで混合した後、ジエタノールアミン
0.3部を加え、さらに10分間の超音波分散を行っ
て、凝集物のない銀微粒子のアルコール分散液(固形分
濃度20%)を得た。
【0061】(2)有機粒子エマルジョンの調製 (合成例6:アクリル系樹脂エマルジョン)反応器にイ
ソプロピルアルコール100部を仕込み、80℃に昇温
した。別容器にエチルアクリレート85部、メタクリル
酸10部、グリシジルメタクリレート5部、アゾイソブ
チロニトリル1部を混合し、連続的に5時間かけて滴下
して、アクリル樹脂のアルコール溶液を得た。このアク
リル樹脂溶液20部(固形分換算で10部)とモノエタ
ノールアミン0.2部とを、イオン交換水90部に強攪
拌しながら加えることによって、アクリル系樹脂重合体
を主成分とするアニオン性有機粒子のエマルジョンを得
た。
【0062】(合成例7:エポキシ系樹脂エマルジョン
A)トリレンジイソシアネートと2−エチルヘキサノー
ルからなるブロックイソシアネート40部と、エピコー
ト828(油化シェルエポキシ社製)とポリカルボン酸
(ジョンソンポリマー製)とを反応させて得られたエポ
キシポリカルボン酸付加物60部とを混合し、pH調節
剤としてモノエタノールアミン3部を加えた。これを、
イオン交換水400部中に攪拌しながら投入することに
より、エポキシ系樹脂前駆体を主成分とするアニオン性
有機粒子のエマルジョンを得た。
【0063】(合成例8:エポキシ系樹脂エマルジョン
B)トリレンジイソシアネートと2−エチルヘキサノー
ルからなるブロックイソシアネート35部と、エピコー
ト828(油化シェルエポキシ社製の商品名)とジエチ
ルアミンとを反応させて得られたエポキシアミン付加物
65部とを混合し、pH調節剤として酢酸2.5部を加
えた。これを、イオン交換水400部中に攪拌しながら
投入することにより、エポキシ系樹脂前駆体を主成分と
するカチオン性有機粒子のエマルジョンを得た。
【0064】(合成例9:ポリイミド系樹脂エマルジョ
ン)テトラカルボン酸二無水物として3,3’,4,
4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物3
2.29g(90ミリモル)、および1,3,3a,
4,5,9b−ヘキサヒドロ−5(テトラヒドロ−2,
5−ジオキソ−3−フラニル)−ナフト[1,2−C]
−フラン−1,3−ジオン3.00g(10ミリモ
ル)、ジアミン化合物として2,2−ビス[4−(4−
アミノフェノキシ)フェニル]プロパン36.95g
(90ミリモル)およびオルガノシロキサン(信越化学
製、商品名「LP7100」)2.49g(10ミリモ
ル)をN−メチル−2−ピロリドン450gに溶解し
て、室温で12時間反応させた。その後、この反応溶液
に、ピリジン32gおよび無水酢酸71gを添加し、1
00℃で3時間脱水閉環反応を行った。次いで、反応溶
液を減圧留去して精製し、固形分10%のポリイミド溶
液を得た。γ−ブチロラクトン100部を入れた反応容
器を、窒素ガス雰囲気下で85℃に保持し、この反応容
器に、n−ブチルアクリレート65部、ジメチルアミノ
エチルアクリレート30部、グリシジルメタアクリレー
ト5部およびアゾビスイソブチロニトリル1部からなる
混合液を5時間かけて連続的に添加しつつ、撹拌下で溶
液重合を行なった。滴下終了後、85℃でさらに2時間
撹拌を続けて、溶液重合を完結させ、固形分50%のア
クリルポリマーの溶液を得た。ポリイミド溶液50部
(固形分)とアクリルポリマー溶液30部(固形分)と
エピコート828(油化シェルエポキシ社製の商品名)
20部とを混合し、70℃で3時間反応させた後、酢酸
3部を徐々に添加して混合し、pH調整を行った。次い
で、蒸留水1000部を徐々に添加しつつ強く攪拌し
て、ポリイミド系樹脂を主成分とするカチオン性有機粒
子のエマルジョンを得た。
【0065】(3)水性分散液の調製 (実施例1)合成例1で得られた銅微粒子の分散液a5
00部(固形分換算で100部)と合成例6で得られた
アクリル系樹脂エマルジョン100部(固形分換算で1
0部)とを混合して水性分散液を調製した。この水性分
散液中に含まれる銅微粒子とアクリル系樹脂との体積比
は53/47であり、カールフィッシャー法により測定
した水分量は13重量%であった。
【0066】(実施例2)合成例2で得られた銅微粒子
の分散液b500部(固形分換算で100部)と合成例
6で得られたアクリル系樹脂エマルジョン100部(固
形分換算で10部)とを混合して水性分散液を調製し
た。この水性分散液中に含まれる銅微粒子とアクリル系
樹脂との体積比は53/47であり、カールフィッシャ
ー法により測定した水分量は13重量%であった。
【0067】(実施例3)合成例4で得られたニッケル
微粒子の分散液1000部(固形分換算で100部)と
合成例6で得られたアクリル系樹脂エマルジョン100
部(固形分換算で10部)とを混合して水性分散液を調
製した。この水性分散液中に含まれるニッケル微粒子と
アクリル系樹脂との体積比は53/47であり、カール
フィッシャー法により測定した水分量は7重量%であっ
た。
【0068】(実施例4)合成例5で得られた銀微粒子
の分散液500部(固形分換算で100部)と合成例6
で得られたアクリル系樹脂エマルジョン100部(固形
分換算で10部)とを混合して水性分散液を調製した。
この水性分散液中に含まれる銀微粒子とアクリル系樹脂
との体積比は49/51であり、カールフィッシャー法
により測定した水分量は13重量%であった。
【0069】(実施例5)合成例5で得られた銀微粒子
の分散液500部(固形分換算で100部)と合成例7
で得られたエポキシ系樹脂エマルジョンA50部(固形
分換算で10部)とを混合して水性分散液を調製した。
この水性分散液中に含まれる銀微粒子とエポキシ系樹脂
との体積比は49/51であり、カールフィッシャー法
により測定した水分量は7重量%であった。
【0070】(実施例6)合成例1で得られた銅微粒子
の分散液a500部(固形分換算で100部)と合成例
8で得られたエポキシ系樹脂エマルジョンB100部
(固形分換算で10部)とを混合して水性分散液を調製
した。この水性分散液中に含まれる銅微粒子とエポキシ
系樹脂との体積比は53/47であり、カールフィッシ
ャー法により測定した水分量は6.5重量%であった。
【0071】(実施例7)合成例3で得られた銅微粒子
の分散液c500部(固形分換算で100部)と合成例
9で得られたポリイミド系樹脂エマルジョン100部
(固形分換算で6.5部)とを混合して水性分散液を調
製した。この水性分散液中に含まれる銅微粒子とポリイ
ミド系樹脂との体積比は53/47であり、カールフィ
ッシャー法により測定した水分量は11重量%であっ
た。
【0072】(実施例8)合成例4で得られたニッケル
微粒子の分散液1000部(固形分換算で100部)と
合成例8で得られたエポキシ系樹脂エマルジョンB10
0部(固形分換算で10部)とを混合して水性分散液を
調製した。この水性分散液中に含まれるニッケル微粒子
とエポキシ系樹脂との体積比は53/47であり、カー
ルフィッシャー法により測定した水分量は3.5重量%
であった。
【0073】(実施例9)合成例5で得られた銀微粒子
の分散液500部(固形分換算で100部)と合成例9
で得られたポリイミド系樹脂エマルジョン100部(固
形分換算で6.5部)とを混合して水性分散液を調製し
た。この水性分散液中に含まれる銀微粒子とポリイミド
系樹脂との体積比は59/41であり、カールフィッシ
ャー法により測定した水分量は11重量%であった。
【0074】(比較例1)合成例1で得られた銅微粒子
の分散液a500部(固形分換算で100部)に、実施
例1のアクリル系樹脂エマルジョン100部に代えてイ
オン交換水100部を加えて水性分散液を調製した。
【0075】(比較例2)合成例1で得られた銅微粒子
のアルコール分散液a500部(固形分換算で100
部)をそのまま(すなわち、水性分散液を加えず)使用
した。
【0076】(比較例3)合成例1で得られた銅微粒子
の分散液a500部(固形分換算で100部)に、実施
例6のエポキシ系樹脂エマルジョン100部に代えてイ
オン交換水500部を加えて水性分散液を調製した。
【0077】(4)導電層の形成および性能評価 (4−1)陽極上への電着 上記実施例1〜5および比較例1、2の分散液に、それ
ぞれ陽極としての銅スパッタシリコンウエハーおよび対
向電極(陰極)としてのSUS板を配置し、70Vの定
電圧法により陽極上に粒子を電着した(電着時間:2
分)。その後、100℃で10分間加熱し、更に3%水
素を混合した窒素雰囲気中250℃で1時間加熱して、
厚さ15μmの導電層を得た。なお、比較例1の水性分
散液では成膜性の不良により膜を得られなかった。ま
た、比較例2のアルコール分散液では電圧を加えても膜
は形成されなかった。
【0078】実施例1〜5および比較例1、2の分散液
の貯蔵安定性を下記方法により評価した。また、電着に
より得られた導電層の性能を下記方法により評価した。
その結果を表1および表2に示す。 〔貯蔵安定性〕プラスチック瓶に分散液を入れて、20
℃で10日保存したときの分散状態および粘度を目視に
て観察した。評価結果は下記の二段階で示す。 ○:粘度変化なく、分散状態も良好 ×:二層に分離する 〔体積抵抗率〕JIS K6481に準拠して測定し
た。 〔接着性〕セロハン粘着テープによるピールテストを行
い、導電層のはがれについて下記の二段階で評価した。 ○:全く変化なし △:僅かに変化あり ×:剥がれがある
【0079】
【表1】
【0080】
【表2】
【0081】表1および表2から判るように、実施例1
〜5の水性分散液はいずれも貯蔵安定性に優れ、またこ
の水性分散液から電着によって形成された導電層はいず
れも体積抵抗率が低く、基板への接着性も良好であっ
た。一方、有機粒子を含まない水性分散液である比較例
1は成膜性が不足し、有機粒子を含まないアルコール分
散液である比較例2では電着することができなかった。
また、比較例1および2の分散液は、いずれも貯蔵安定
性に欠けるものであった。
【0082】(4−2)陰極上への電着 上記実施例6〜9および比較例2、3の分散液に、それ
ぞれ陰極として銅スパッタシリコンウエハーおよび対向
電極(陽極)としてSUS板を配置して、200V定電
圧法により陰極上に粒子を電着した(電着時間:2
分)。その後、100℃で10分間加熱し、更に3%水
素を混合した窒素雰囲気で250℃1時間加熱して、厚
さ15μmの導電層を得た。なお、比較例2、3の分散
液を用いた場合には、電着しても膜は形成されなかっ
た。
【0083】実施例6〜9および比較例2、3の分散液
につき、その貯蔵安定性を上記方法により評価した。ま
た、電着により得られた導電層の性能を上記方法により
評価した。その結果を表3および表4に示す。
【0084】
【表3】
【0085】
【表4】
【0086】表1および表2から判るように、実施例6
〜9の水性分散液はいずれも貯蔵安定性に優れ、またこ
の水性分散液から電着によって形成された導電層はいず
れも電気特性、接着性が良好であった。一方、有機粒子
を含まない比較例1、2の分散液は成膜性がなく、貯蔵
安定性も不良であった。
【0087】(5)回路基板の製造および性能評価 調製した水性分散液を用いて回路基板を製造し、その性
能を評価した。 (実施例10;方法1による回路基板の製造)ガラス繊
維にBTレジン(三菱瓦斯化学(株)製の商品名)を含
浸させ半硬化させた100μm厚の基板をコア絶縁層1
として用いた。このコア絶縁層1のの所定の箇所に、炭
酸ガスレーザー加工により直径80μmの貫通孔11を
形成した〔図1(a)〕。次に、このコア絶縁層1の一
方の表面に、18μm厚の銅箔からなる導電性箔2を熱
プレスにより接着させた〔図1(b)〕。次に、導電性
箔2を有するコア絶縁層1を実施例6の分散液に浸漬
し、導電性箔2を陰極に、対向電極を陽極にして、攪拌
しながら温度20℃、電極間距離15cm、電圧200
Vで2分間電着を行った。次いで、貫通孔11内に電着
されたエポキシ系樹脂を100℃で15分間プレ乾燥さ
せて、貫通導電部31を形成した〔図1(c)〕。この
導電性箔付半硬化基板に導電性箔を位置合わせして積層
し、真空熱プレスにて、3%水素を混合した窒素雰囲気
において200℃で1時間加熱して完全に硬化させ、層
間回路を貫通導電部31で接合した基板を得た〔図1
(d)〕。次いで、導電性箔2の上にドライフィルムレ
ジストを用いてパターン形成した後に、塩化第二鉄エッ
チング液に浸漬してエッチングを行い、回路付き硬化基
板を得た〔図1(e)〕。
【0088】(実施例11;方法2による回路基板の製
造)実施例10で回路製造した基板をコア基板8とし
〔図2(a)〕、感光性エポキシ樹脂を100μm厚み
でコア基板8の両面に塗布して絶縁層5を形成した〔図
2(b)〕。その後、この絶縁層5に直径80μmの貫
通孔51をパターン状に形成して絶縁層パターン6とし
た〔図2(c)〕。これに無電解メッキを行った後〔図
2(d)〕、実施例7の分散液に浸漬し、無電解メッキ
層7を陰極に、対向電極を陽極にして、攪拌しながら温
度20℃、電極間距離15cm、電圧200Vで2分間
電着を行った。次いで、電着されたポリイミド系樹脂を
100℃で15分間プレ乾燥させ、無電解メッキ層7の
全面に導電層3を形成した〔図2(e)〕。この導電層
3の一部は、貫通孔51内に形成された貫通導電部32
となっている。更に、熱乾燥炉にて3%水素を混合した
窒素雰囲気で230℃1時間加熱して導電層3を完全に
硬化させ、層間回路を貫通導電部32で接合した回路基
板を得た。
【0089】(比較例4)貫通孔11内の貫通導電部3
1を電着により形成した実施例10とは異なり、銅系導
電ペースト(粘度:100Pa・s)をメタル版(厚み
100μm、ホール径90μm)を介してスクリーン印
刷機で貫通孔11に充填した。それ以外の点は実施例1
0と同様にして比較例4の回路基板を得た。
【0090】得られた回路基板について、以下の評価を
行った。その結果を表5に示す。 〔絶縁層の抵抗率〕JIS K6911に準拠して測定
した。 〔貫通導電部の抵抗率〕上下層間の抵抗率を測定し、体
積抵抗率を求めた。 〔貫通導電部の接続信頼性試験〕回路基板を−55℃で
30分間放置したのち125℃で30分間放置するとい
うサイクルを500回繰り返して実施し、500個のバ
ンプを接続した回路で電気抵抗の変化量を調べた。試験
結果は、電気抵抗が250mΩ未満であれば合格
(○)、それ以上なら不合格(×)と判断した。 〔半田ディップ試験〕260℃に加熱溶解した半田槽に
回路基板を10秒間漬けた前後につき、500個のバン
プを接続した回路で電気抵抗の変化量を調べた。試験結
果は、電気抵抗が250mΩ未満であればバンプ1ケ当
たり0.5mΩ未満となり合格(○)、それ以上は不合
格(×)と判断した。
【0091】
【表5】
【0092】表5から判るように、本発明の水性分散液
から形成された導電層を備えた回路基板は、貫通導電部
により層間回路が低い抵抗率で接続されており、また接
続信頼性にも優れていた。一方、従来の導電ペーストを
用いて印刷法により貫通導電部を形成した比較例4で
は、粘度の高い導電ペーストを直径80μmの貫通孔内
に確実に充填することができなかったため、貫通導電部
の抵抗率が高く、接続信頼性も不十分であった。
【0093】
【発明の効果】本発明の導電層形成用水性分散液は、電
着により導電層を形成するので、塗布、印刷等による従
来の技術とに比べて膜厚、位置等の精度の高い導電層を
容易に形成することができる。また、メッキではなく微
粒子の電着により膜を形成するため、膜の成長速度が高
く生産性が良い。この水性分散液によると、導電性微粒
子とともに樹脂成分としての有機粒子が電着されるの
で、基板への接着性に優れた導電層が得られる。本発明
において樹脂成分は水性媒体中に粒子として分散されて
いるため、樹脂成分を有機溶媒溶液または無溶媒で使用
する場合とは異なり、樹脂成分の濃度や分子量が分散液
の粘度に及ぼす影響が少なく、電着に適した粘度の分散
液とすることができる。この水性分散液を用いて形成さ
れた本発明の導電層は、上述のように基板への接着性に
優れ、膜厚精度、位置精度等の高いものとすることがで
きる。本発明の導電層は、このような特性を生かして、
導電性の回路、バンプおよびこれらを組み合わせた回路
基板等の電子部品に好ましく適用される。そして、本発
明の回路基板の製造方法によると、本発明の水性分散液
から形成され絶縁層を貫通する貫通導電部を含む導電層
を備えた回路基板を効率よく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(e)は、方法1を用いた回路基板の
製造工程を示す模式的断面図である。
【図2】(a)〜(e)は、方法2を用いた回路基板の
製造工程を示す模式的断面図である。
【符号の説明】
1;絶縁層(コア絶縁層)、11;貫通孔、2;導電性
箔、3;導電層、31;貫通導電部、32;貫通導電
部、4;導体パターン、5;絶縁層、51;貫通孔、
6;絶縁層パターン、7;無電解メッキ層、8;コア基
板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01B 1/22 H01B 1/22 A Fターム(参考) 4J002 BG001 CD001 CF001 CM041 DA076 DA086 DA096 DA106 DA116 DC006 EF047 EH077 FD116 FD140 GH00 GQ00 GQ02 HA07 4J038 EA011 KA02 KA20 MA08 MA10 NA20 PA07 5G301 DA03 DA06 DA10 DA31 DA42 DA51 DA57 DD02

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水性媒体中に、平均粒子径1μm以下の
    導電性微粒子と、重合性化合物および重合体の少なくと
    も一方からなる有機粒子とが分散しており、電着により
    導電層を形成可能であることを特徴とする導電層形成用
    水性分散液。
  2. 【請求項2】 上記導電性微粒子と上記有機粒子との体
    積比が80/20〜40/60である請求項1または2
    記載の導電層形成用水性分散液。
  3. 【請求項3】 上記導電性微粒子を有機溶媒に分散させ
    た導電性微粒子分散液と、上記有機粒子を水性媒体に分
    散させた有機粒子分散液とを混合してなる請求項1また
    は2記載の導電層形成用水性分散液。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれか一項記載の導
    電層形成用水性分散液を用いた電着により形成され、体
    積抵抗率が10-4Ω・cm以下であることを特徴とする
    導電層。
  5. 【請求項5】 請求項1から3のいずれか一項記載の導
    電層形成用水性分散液を用いた電着により形成された導
    電層を備えることを特徴とする電子部品。
  6. 【請求項6】 絶縁層と、請求項1から3のいずれか一
    項記載の導電層形成用水性分散液を電着液とする電着法
    により形成され該絶縁層を貫通する貫通導電部を含む導
    電層と、を有することを特徴とする回路基板。
  7. 【請求項7】 請求項1から3のいずれか一項記載の導
    電層形成用水性分散液を用いた回路基板の製造方法であ
    って、 (a)絶縁層に貫通孔を形成する工程と、 (b)該絶縁層の一方の表面に、該貫通孔の一開口端上
    を含む部分に導電性箔を設ける工程と、 (c)上記導電層形成用水性分散液を電着液に用い、上
    記導電性箔を一方の電極とする電着法により、上記貫通
    孔内に貫通導電部を形成する工程と、 を備えることを特徴とする回路基板の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1から3のいずれか一項記載の導
    電層形成用水性分散液を用いた回路基板の製造方法であ
    って、 (a)導体パターンの形成されたコア基板上に絶縁層を
    形成する工程と、 (b)該絶縁層をパタニングして、上記導体パターンの
    一部を露出させる貫通孔を有する絶縁層パターンを形成
    する工程と、 (c)該絶縁層パターンをマスク材とした無電解メッキ
    により、上記貫通孔内を含む部分に無電解メッキ層を形
    成する工程と、 (d)上記導電層形成用水性分散液を電着液に用い、上
    記導体パターンおよび上記無電解メッキ層を一方の電極
    とする電着法により、上記貫通孔内の貫通導電部を含む
    導電層を形成する工程と、 を備えることを特徴とする回路基板の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項7または8記載の方法により得ら
    れた回路基板を複数枚積層することを特徴とする回路基
    板の製造方法。
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