JP2002063902A - 炭素材料の製造方法およびリチウムイオン二次電池 - Google Patents
炭素材料の製造方法およびリチウムイオン二次電池Info
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Abstract
きに高い放電容量および高い初期充放電効率(不可逆容
量の小さい)が得られる黒鉛化炭素材料を黒鉛化時の融
着などを抑制しつつ生産性よく製造する方法、該炭素材
料およびリチウムイオン二次電池の提供。 【解決手段】キノリン不溶分が50質量%以上100質
量%未満である固体状黒鉛前駆体を、非酸化性雰囲気
中、結晶化阻害剤の共存下、該黒鉛前駆体の軟化点未満
で、かつ該結晶化阻害剤が液状で固体状黒鉛前駆体と接
触しうる温度で加熱することにより、該固体黒鉛前駆体
を表面処理した後、加熱温度を黒鉛化温度まで上昇さ
せ、高結晶性黒鉛からなる核の表面に、核に対して相対
的に低結晶性で、均一な薄膜層を有し、薄膜が剥離する
ことなく、核と一体化した炭素材料を理想的な多層構造
の黒鉛化炭素材料を得る。
Description
表面層を有する高結晶性黒鉛化炭素材料を、融着などの
問題を生じることなく効率よく製造する方法、これによ
り得られ、リチウムイオン二次電池の高放電容量と高い
初期充放電効率とを実現するリチウムイオン二次電池用
炭素材料、および該炭素材料を用いたリチウムイオン二
次電池に関する。
化に伴い、電池の高エネルギー密度化に対する要望はま
すます高まっている。このような情況のなか、負極にリ
チウムを利用したリチウム二次電池はエネルギー密度が
高く、高電圧化が可能であるという利点を有することで
着目されている。このリチウム二次電池では、リチウム
金属をそのまま負極として用いると、充電時にリチウム
がデンドライト状に析出するため、負極が劣化し、充放
電サイクルが短いことが知られている。またデンドライ
ト状に析出したリチウムがセパレータを貫通して、正極
に達し短絡する可能性もある。このため正・負極用各材
料として、それぞれリチウムイオンの担持体として機能
する酸化還元電位の異なる二種類の層間化合物で構成
し、充放電過程における非水溶媒の出入を層間で行うよ
うにしたリチウムイオン二次電池が研究されている。
吸蔵・放出する能力を有し、リチウム金属の析出を防止
しうる炭素材料を用いることが提案されている。炭素材
料は黒鉛結晶性構造または乱層構造などの多種多様な構
造、組織、形態のものが知られており、それにより充放
電時の作動電圧をはじめとする電極性能が大きく異な
る。その中でも、特に充放電特性に優れ、高い放電容量
と電位平坦性とを示す黒鉛が有望視されている(特公昭
62−23433号公報等)。
ど、リチウムとの層間化合物を安定に形成しやすく、多
量のリチウムが炭素網面層の層間に挿入されるので、高
い放電容量が得られることが報告されている(電気化学
および工業物理化学,61(2),1383(199
3)など)。リチウムの挿入量により種々の層構造を形
成し、それらが共存する領域では平坦でかつリチウム金
属に近い高い電位を示す(J.Electrochem.Soc., 14
0,9,2490(1993)など)。 これらから組
み電池にした場合には高出力を得ることが可能となり、
一般的に炭素負極材料の理論容量(限界値)は、最終的
に黒鉛とリチウムとの理想的な黒鉛層間化合物LiC6
が形成された場合の放電容量372mAh/gとされて
いる。
ン二次電池は、黒鉛の結晶性が高くなるに伴い、初回の
充電時に黒鉛表面で電解液の分解などの電池反応に関与
しない副反応が起こりやすく、その後の充電−放電過程
で電気量としてとり出すことができない不可逆容量(=
(初回の充電容量)−(初回の放電容量))の増加が著
しく、初回の放電時に数十から数百mAh/gレベルの
放電容量ロスを示すという問題がある(J.Electroche
m. Soc.,117,222(1970)など)。上記電解
液の分解などの副反応は、分解生成物が黒鉛(炭素)表
面に堆積・成長し、電子が黒鉛表面から溶媒等に直接移
動できない程度の厚さとなるまで継続する。また溶媒分
子とリチウムイオンとがコインターカレートして黒鉛表
面層が剥げ落ち、新たに露出した黒鉛表面が電解液と反
応することにより不可逆容量が大きくなる場合がある
(初期充放電効率が低い)ことも報告されている(ジャ
ーナルオブエレクトロケミカルソサイアティー、vol.13
7, 2009 (1990))。このような不可逆容量の増加(低い
初期充放電効率)は、二次電池中への正極剤の追加によ
り補償することもできるが、余分な正極剤の添加は、エ
ネルギー密度の減少という新たな問題を生じるため避け
ることが望ましい。
いたリチウムイオン二次電池では、高い放電容量と低い
不可逆容量とは相反する要求であるが、これを解決する
ものとして、高結晶性黒鉛材料(核)の表面を低結晶性
材料で被覆して多層構造とする方法も提案されている。
大別すれば、(1)核となる高結晶性黒鉛材料の表面
を、プロパン、ベンゼンなどの有機化合物の熱分解ガス
を用いて低結晶性炭素で被覆するもの(特開平4−36
8778号、同5−275076号)、(2)核となる
高結晶性黒鉛材料に、ピッチなどの炭素材料を液相で被
覆あるいは含浸した後、1000℃程度で焼成して表層
に炭素質物を形成するもの(特開平5−121066
号、同5−217604号)、(3)黒鉛結晶性材料あ
るいは生コークスなどの黒鉛前駆体を、酸化性雰囲気中
気相または液相で300℃程度で酸化処理するもの(特
開平10−326611号、同10−218615
号)、さらに(1)〜(3)を組み合わせたもの(特開
平10−214615号、同10−284080号)な
どである。
は、工業的生産の観点からは製造工程が煩雑でコストが
高いという問題があり、また被覆された黒鉛は互いに接
着し、解砕時に被覆物が剥離するなどして、表層の均質
性や厚みのコントロールが困難なため安定して高い電極
性能や粉体性能を発揮させることができないという課題
がある。また(3)の技術において、高い初期充放電効
率を得るためには、高度に酸化処理を施す必要がある
が、これによって表層のみならず、結晶性黒鉛材料の内
部(核)の結晶性をも低下させてしまい、放電容量の低
下を引き起こしてしまう課題がある。
な情況に鑑み、リチウムイオン二次電池用負極材料とし
て使用したときに高い放電容量および高い初期充放電効
率(不可逆容量の小さい)のいずれもが得られる黒鉛化
炭素材料を黒鉛化時の融着などを抑制しつつ生産性よく
製造する方法、これにより得られる炭素材料および上記
特性を有するリチウムイオン二次電池を提供することを
目的としている。
黒鉛からなる核の表面に、核に対して相対的に低結晶性
で、均一な薄膜層を有し、薄膜が剥離することなく、核
と一体化した炭素材料を理想的な多層構造とし、これを
融着などの問題を生じることなく効率よく製造しうる方
法について鋭意検討したところ、固体状黒鉛前駆体を非
酸化性雰囲気で熱処理して黒鉛化処理する過程におい
て、固体状黒鉛前駆体の軟化点未満の温度で、特定の結
晶化阻害剤と接触させることにより、引き続き非酸化性
雰囲気中で行われる黒鉛化(高温度加熱)時の融着を抑
制することができ、かつ上記所望構造でかつ所望特性を
有する黒鉛化炭素材料が得られることを見出した。さら
にこの際、原料黒鉛化炭素材料は、光学的異方性相の割
合のめやすとなるキノリン不溶分が50%以上100%
未満であれば、上記目的を達することも見出して本発明
を完成するに至った。
は、キノリン不溶分が50質量%以上100質量%未満
である固体状黒鉛前駆体を、非酸化性雰囲気中、結晶化
阻害剤の共存下、該黒鉛前駆体の軟化点未満で、かつ該
結晶化阻害剤が液状で固体状黒鉛前駆体と接触しうる温
度で加熱することにより、該固体黒鉛前駆体を表面処理
した後、加熱温度を黒鉛化温度まで上昇させ、黒鉛化炭
素材料を得るものである。上記結晶化阻害剤としては、
硫黄および/または有機ニトロ化合物が挙げられる。上
記液状の結晶化阻害剤は、そのものの溶融状態であって
もよく、溶媒を用いて液状としたものであってもよい。
方法により得られるリチウムイオン二次電池用炭素材料
も提供される。さらに本発明では、上記製造方法により
得られる炭素材料を負極として用いたリチウムイオン二
次電池も提供される。
材料は、実質的に原料として供された固体状黒鉛前駆体
の形状のままで得ることができる。したがって本発明で
は、固体状黒鉛前駆体は、得られる黒鉛化炭素材料に所
望される形状であることが望ましい。上記製造方法によ
れば、高結晶性黒鉛からなる核の表面に、核に対して相
対的に低結晶性で、均一な薄膜層を有し、薄膜が剥離す
ることなく、核と一体化した多層構造の炭素材料を得る
ことができる。このような表面構造および結晶構造は、
広角X線回折法およびラマン散乱などの測定により確認
することができる。また本発明において最終的に得られ
た黒鉛化炭素材料は、窒素、アルゴンなどの非酸化性雰
囲気中で処理するので実質的に酸化被膜を有さない。
の製造方法について説明する。本発明では、キノリン不
溶分が50質量%以上100質量%未満である固体状黒
鉛前駆体を、非酸化性雰囲気中、結晶化阻害剤の共存
下、該黒鉛前駆体の軟化点未満で、かつ該結晶化阻害剤
が液状で固体状黒鉛前駆体と接触しうる温度で加熱する
ことにより、該固体黒鉛前駆体を表面処理した後、加熱
温度を黒鉛化温度まで上昇させ、黒鉛化炭素材料を得
る。
駆体は固体状であるが、ある程度黒鉛構造が成長し、光
学的異方性相を形成している必要がある。この光学的異
方性相の割合は、黒鉛前駆体の断面を偏光顕微鏡で観察
し、光学異方性を呈する部分の面積比から測定すること
ができるが、測定精度が十分ではないので、キノリン不
溶分(QI)を目安にする。またこのQIは黒鉛化度の
目安であり、100%に近づくほど黒鉛構造が成長して
いることを意味する。ここでQIは、JIS K242
5に準拠して、以下のようなろ過法により測定される質
量%値であるが、以下これを単に%で示す。QI測定
法:粉末試料(黒鉛化前駆体)をキノリンに溶解させ、
75℃で30分間加熱した後、ろ過器を用いて熱いうち
に吸引ろ過する。残分をキノリン、アセトンの順にそれ
ぞれろ液が無色になるまで洗浄した後、乾燥して質量を
量り、キノリン不溶分を算出する。なおろ過助剤として
ケイ藻土を用いる。ろ過器はJIS R3503に規定
するるつぼ型ろ過器1G4を用いる。
溶融性を示す。したがって黒鉛前駆体をそのまま黒鉛化
処理した場合には、通常は、形状が変化したり、材料同
士の融着を起す。なお黒鉛化度が高ければ必ずしも高結
晶性かどうかは不明であるが、QIが低い黒鉛前駆体
は、最終的な炭素材料全体の結晶性を高くすることが困
難で、リチウムイオン二次電池に用いた場合に、高い放
電容量が得られなくなる。このような理由から本発明で
用いられる黒鉛前駆体は、QIが少なくとも50%であ
ることが望ましい。
のような溶融性を示さなくなる(不融化)が、QI10
0%では後述するような結晶化阻害剤を用いた本発明の
表面処理によって表層の結晶構造を乱すのが困難とな
り、低結晶性表面の形成効果が乏しくなる。したがって
黒鉛前駆体のQIは100%未満であることが望まし
い。したがって本発明では、QIが50%以上100%
未満好ましくは80〜99.5%程度の黒鉛前駆体が用
いられる。
発分量が少ないことから、QIに代えて、揮発分量から
炭素材料の好適範囲を規定することもできる。炭素材料
の揮発分量としては3〜25質量%程度が好ましく、特
に好ましくは5〜15質量%程度である。ここで揮発分
量は、JIS K2425の固定炭素法に準拠して以下
のように測定される。揮発分量の測定方法:試料(黒鉛
前駆体)1gをるつぼに量り取り、ふたをしないで43
0℃の電気炉で30分間加熱する。その後二重るつぼと
し、800℃の電気炉で30分間加熱して揮発分を除
き、減量率を揮発分量とする。
固体状炭素材であれば特に限定されないが、好ましくは
タール、ピッチ等の石油系または石炭系重質油のうちの
少なくとも一つを出発原料とし、重縮合反応を経て製造
される黒鉛前駆体、たとえばバルクメソフェーズ、メソ
フェーズ小球体などを用いることができる。なお重縮合
反応前のピッチのQIは、10〜17%程度である。ま
たメソフェーズ小球体のQIは、通常85〜95%程度
である。
れず、粒状、鱗片状、球状、針状、繊維状、シート状な
どで例示されるいずれでもよい。粉砕、分級などにより
所定の粒子形状に調整する際には、公知の各種方法を採
用することができる。粉砕方法としては、たとえば摩擦
粉砕型のボールミル、衝撃圧縮粉砕型の振動ディスクミ
ル、振動ポールミル、ジェットミル、剪断粉砕型のカッ
ティングミル、ピンミル等を使用することができる。
は固体どうしの融着などを生じないので、原料形状のま
まで最終的に黒鉛化炭素材料が得られる。このため、黒
鉛前駆体を所望する製品の形状で供すれば、黒鉛化後に
所望形状に粉砕や成形する必要がなく工程が簡素化され
る。さらにはこれによって低結晶化した表面をそのまま
保持処理できるので、本発明の効果を最もよく奏するこ
とができる。たとえば本発明で得られる製品(炭素材
料)を負極材料として使用する際には、黒鉛前駆体を粒
状あるいは球状で供することが好ましい。この場合の好
適な粒子径は、平均粒子径として5〜50μm、より好
ましくは10〜30μmである。メソフェーズ小球体
は、そのものが粒状であるので好ましい。
鉛前駆体を黒鉛化処理するに際して、まず黒鉛前駆体に
表面処理を施す。この処理は、黒鉛化よりも低温加熱下
で、液状結晶化阻害剤と固体状黒鉛前駆体とを接触させ
る簡便な工程からなる。
重縮合反応において、炭素の結晶配列を乱す作用を与え
るものであれば、いかなるものも使用可能である。特に
水素との反応性が高く多環式化合物の脱水素反応(重縮
合)を促進するものが好ましく、また適切な溶融温度を
有しているものが好ましい。たとえばニトロベンゼン、
ジニトロベンゼン、トリニトロベンゼン、ニトロトルエ
ン、ジニトロトルエン、トリニトロトルエン、ニトロナ
フタレン、ジニトロナフタレンなどの有機ニトロ化物、
硫黄などが例示される。これらを併用することもでき
る。なかでも、硫黄(mp110℃、bp445℃)
は、ニトロ化合物に比べて安全性が高く、液状状態の温
度範囲が広く、熱処理条件を原料にあわせやすいので好
適である。
常は黒鉛前駆体100重量部に対して0.1〜30重量
部の量で用いることが好ましい。固体状黒鉛前駆体と接
触させる結晶化阻害剤は、固体状黒鉛前駆体の表面と均
一に接触しうるように表面処理時に液状であるが、結晶
化阻害剤の溶融物であってもよく、結晶化阻害剤が液状
状態であれば適宜な溶媒で液状(溶解または分散)とし
たものであってもよい。
うる温度で、かつ黒鉛前駆体の軟化点未満の温度に加熱
すればよく、黒鉛化と同様な非酸化性雰囲気中で行う。
加熱接触は、通常、200〜400℃程度の温度で10
分間〜5時間程度行うことが好ましい。このような条件
であれば黒鉛前駆体と結晶化阻害剤の溶融物とを接触さ
せる方法は特に規定しないが、たとえば固体どうしの接
触では、黒鉛前駆体と結晶化阻害剤とを均一に乾式混合
し、攪拌しながら結晶化阻害剤の軟化点以上の温度まで
加熱することができる。
晶化阻害剤の重縮合反応の促進作用により黒鉛構造を発
達させ、溶融の起きない表面層を形成することができ
る。同時に、結晶化阻害剤の作用により黒鉛前駆体の表
層の結晶構造が多少乱されるため、該表層は核に比べ低
結晶性となる。
は、次いで黒鉛化されるに先だって非酸化性雰囲気中で
加熱し、結晶化阻害剤を蒸発、揮発、あるいは分解させ
て除去することが望ましい。この処理は、通常、表面処
理温度よりも高い温度で加熱し、具体的には300〜1
000℃程度で10分間〜5時間程度行われる。
に結晶化阻害剤の溶融物を接触させて、黒鉛前駆体を不
融化したのち、引き続き、非酸化性雰囲気中で熱処理し
て黒鉛化する。黒鉛化は通常工業的に用いられる黒鉛化
炉などを用いることができる。黒鉛化時の温度は、特に
制限されるものではないが、本発明においては、黒鉛化
度を上げる観点から黒鉛化時の温度が高いほど好まし
い。本発明においては、本発明で製造される炭素材料を
リチウムイオン二次電池負極用材料などとして用いる場
合に要求される層状構造が十分発達した高度の黒鉛化度
を有する黒鉛を製造するために、非酸化性雰囲気下で好
ましくは2500℃以上、より好ましくは2800℃以
上の温度で黒鉛化処理を行う。装置の耐熱性の点から3
000℃程度が上限である。
結晶化阻害剤の接触、結晶化阻害剤の除去を連続して行
い、その後黒鉛化することもできる。あるいは黒鉛前駆
体と結晶化阻害剤の混合物を非酸化性雰囲気中で直接黒
鉛化して、上記の一連の処理および黒鉛化を連続して行
うこともできる。
素材料は表面の結晶性が相対的に低いことを特徴とす
る。炭素材料の表面の結晶性は、アルゴンレーザーを用
いたラマンスペクトルによって評価でき、以下のように
測定されるラマン分光法において、1360cm-1近傍
のピークの1580cm-1近傍のピークに対する強度比
(R=I1360/I15 80)が大きいものほど表面の結晶性
が低い。ラマンスペクトルの測定は、黒鉛構造の有する
9種の格子振動のうち、網面内格子振動に相当するE2
g型振動に対応した1580cm-1近傍のラマンスペク
トルと、主に表層部での結晶欠陥、積層不整等の結晶構
造の乱れを反映した1360cm-1近傍のラマンスペク
トルを514.5nmの波長をもつアルゴンレーザーを
用いたラマン分光分析器(日本分光社製NR1100)
により測定する。それぞれのラマンスペクトルのピーク
強度からその強度比R=I1360/I1580を算出する。上
記測定は、平均粒度10〜30μmの炭素材料を用いて
行われる。
法における炭素網面層の面間隔(d002 )、および結晶
子のC軸方向の大きさ(Lc)から炭素材料の平均的な
結晶性を判定することができる。測定条件を詳述する
と、CuKαをX線源、標準物質に高純度シリコンを使
用して、炭素材料に対し(002)回折ピークを測定
し、そのピーク位置およびその半値幅より、それぞれd
002 、Lcを算出する。算出方法は学振法に従うもので
あり、具体的な方法は「炭素繊維」(近代編集社、昭和
61年3月発行)733〜742頁などに記載されてお
り、その記載を本明細書でも引用することができる。
結晶性の核と、相対的に低結晶性の表層を有する構造
で、該表層は、高結晶性の核と密着しており表面層剥離
が極めて起きにくい。なお本発明では、表層の厚みは、
0.01〜1μm程度であることが望ましい。このよう
な構造の黒鉛化炭素材料は、リチウムイオン二次電池の
負極材料として極めて有用である。高い充放電容量が得
られ、かつ初期充放電サイクルにおける不可逆容量が小
さい(初期充放電効率が高い)。
d002 およひLcを変化させることなく、ラマン分光法
におけるR値を大きくすることに成功した。炭素材料の
表面部分が乱れた構造になるため、高い放電容量を保持
したまま不可逆容量を小さくすることを可能にするもの
である。黒鉛構造の発達度合いの指標となるX線回折法
によるd002 およびLcの好ましい値として、高い放電
容量を発現させる観点から、d002 ≦0.337nm、
Lc≧50nmを満たすことが望ましい。d002 >0.
337nm、Lc<50nmの場合には、黒鉛構造の発
達の程度が低いため、リチウムイオン二次電池の負極材
料として用いたとき、リチウムのドープ量が小さく、高
い放電容量を得ることができない場合がある。また、炭
素材料表面の結晶性の指標となるラマン分光法によるR
値の好ましい値として、不可逆容量を小さくする観点か
ら、R≧0.1を満たすことが好ましい。R<0.1の
場合には不可逆容量が大きく、十分な性能が得られなか
った。これは表面層の結晶化が進みすぎて炭素粉末表面
での電解質の分解反応が進行しやすくなるためと考えら
れる。
上記のような炭素材料を負極炭素材料として用いたリチ
ウムイオン二次電池も提供される。本発明のリチウムイ
オン二次電池は、負極材料として上記炭素材料を用いる
こと以外は特に限定されず、他の電池構成要素について
は一般的なリチウムイオン二次電池の要素に準じること
ができる。リチウムイオン二次電池は、通常、負極、正
極および非水電解質を主たる電池構成要素とする。
通常の成形方法に準じて行うことができるが、炭素材料
の性能を充分に引き出し、かつ粉末に対する賦形性が高
く、化学的、電気化学的に安定な負極を得ることができ
る方法であれば何ら制限されない。負極作製時には、炭
素材料に結合剤を加えた結合合剤を用いることができ
る。結合剤としては、電解質に対して化学的安定性、電
気化学的安定性を有するものを用いるのが望ましく、た
とえばポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチ
レン等のフッ素系樹脂、ポリエチレン、ポリビニルアル
コール、さらにはカルボキシメチルセルロースなどが用
いられる。これらを併用することもできる。結合剤は、
通常、負極合剤全量中1〜20質量%程度の量で用いる
のが好ましい。
よって適当な粒径に調整し、結合剤と混合することによ
って負極合剤を調製し、この負極合剤を、通常、集電体
の片面もしくは両面に塗布することで負極合剤層を形成
することができる。この際には通常の溶媒を用いること
ができ、負極合剤を溶媒中に分散させ、ペースト状とし
た後、集電体に塗布、乾燥すれば、負極合剤層が均一か
つ強固に集電体に接着される。より具体的には、たとえ
ば炭素材料と、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素
系樹脂粉末とを、イソプロピルアルコール等の溶媒中で
混合・混練した後、塗布することができる。また炭素材
料と、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系樹脂粉末ある
いはカルボキシメチルセルロースト等の水溶性粘結剤と
を、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミドある
いは水、アルコール等の溶媒と混合してスラリーとした
後、塗布することができる。
塗布する際の塗布厚は10〜200μmとするのが適当
である。負極合剤層を形成した後、プレス加圧等の圧着
を行うと、負極合剤層と集電体との接着強度をさらに高
めることができる。また炭素材料と、ポリエチレン、ポ
リビニルアルコールなどの樹脂粉末とを乾式混合し、金
型内でホットプレス成型することもできる。
限定されないが、箔状、あるいはメッシュ、エキスパン
ドメタル等の網状のもの等が用いられる。集電材として
は、たとえば銅、ステンレス、ニッケル等を挙げること
ができる。集電体の厚みは、箔状の場合、5〜20μm
程度が好適である。
は、充分量のリチウムをドープ/脱ドープし得るものを
選択するのが好ましい。そのような正極活物質として
は、リチウム含有遷移金属酸化物、遷移金属カルコゲン
化物、バナジウム酸化物(V2 O5 、V 6 O13、V2 O
4 、V3 O8 など)およびそのLi化合物などのリチウ
ム含有化合物、一般式MX Mo6 S8-y (式中Xは0≦
X≦4、Yは0≦Y≦1の範囲の数値であり、Mは遷移
金属などの金属を表す)で表されるシェブレル相化合
物、活性炭、活性炭素繊維などを用いることができる。
上記リチウム含有遷移金属酸化物は、リチウムと遷移金
属との複合酸化物であり、リチウムと2種類以上の遷移
金属を固溶したものであってもよい。リチウム含有遷移
金属酸化物は、具体的には、LiM(1)1-X M(2)
X O2 (式中Xは0≦X≦1の範囲の数値であり、M
(1)、M(2)は少なくとも一種の遷移金属元素から
なる。)あるいはLiM(1)2-y M(2)y O4 (式
中Yは0≦Y≦1の範囲の数値であり、M(1)、M
(2)は少なくとも一種の遷移金属元素からなる。)で
示される。上記式中Mで示される遷移金属元素として
は、Co、Ni、Mn、Cr、Ti、V、Fe、Zn、
Al、In、Snなどが挙げられ、好ましくはCo、F
e、Mn、Ti、Cr、V、Alが挙げられる。
り具体的に、LiCoO2 、LixNiy M1-y O2(M
はNiを除く上記遷移金属元素、好ましくはCo、F
e、Mn、Ti、Cr、V、Alから選ばれる少なくと
も一種、0.05≦x≦1.10、0.5≦y≦1.0
である。)で示されるリチウム複合酸化物、LiNiO
2 、LiMnO2 、LiMn2O4 などが挙げられる。
は、たとえば、Li、遷移金属の酸化物または塩類を出
発原料とし、これら出発原料を組成に応じて混合し、酸
素存在雰囲気下600℃〜1000℃の温度範囲で焼成
することにより得ることができる。なお出発原料は酸化
物または塩類に限定されず、水酸化物等からも合成可能
である。本発明では、正極活物質は、上記化合物を単独
で使用しても2種類以上併用してもよい。たとえば正極
中には、炭酸リチウム等の炭酸塩を添加することもでき
る。
るには、たとえば正極材料と結合剤および電極に導電性
を付与するための導電剤よりなる正極合剤を集電体の両
面に塗布することで正極合剤層を形成する。結合剤とし
ては、負極で例示したものがいずれも使用可能である。
導電剤としてはたとえば炭素材料が用いられる。
るいはメッシュ、エキスパンドメタル等の網状等のもの
が用いられる。たとえば集電体としては、アルミニウム
箔、ステンレス箔、ニッケル箔等を挙げることができ
る。その厚さとしては、10〜40μmのものが好適で
ある。また正極の場合も負極と同様に、正極合剤を溶剤
中に分散させることでペースト状にし、このペースト状
の正極合剤を集電体に塗布、乾燥することによって正極
合剤層を形成しても良く、正極合剤層を形成した後、さ
らにプレス加圧等の圧着を行っても構わない。これによ
り正極合剤層が均一且つ強固に集電体に接着される。
際しては、従来公知の導電剤や結着剤などの各種添加剤
を適宜に使用することができる。
ては通常の非水電解液に使用されている電解質塩を用い
ることができ、たとえばLiPF6 、LiBF4 、Li
AsF6 、LiClO4 、LiB(C6 H5 )、LiC
l、LiBr、LiCF3 SO3 、LiCH3 SO3 、
LiN(CF3 SO2 )2 、LiC(CF3 S
O2 )3 、LiN(CF3 CH2 OSO2 )2 、LiN
(CF3 CF2 OSO2 )2 、LiN(HCF2 CF2
CH2 OSO2 )2 、LiN((CF3 )2 CHOSO
2 )2 、LiB[(C6 H3 ((CF3 )2 ]4 、Li
AlCl4 、LiSiF6 などのリチウム塩などを用い
ることができる。特に、LiPF6 、LiBF4 が酸化
安定性の点から好ましく用いられる。電解液中の電解質
塩濃度は、0.1〜5モル/リットルが好ましく、0.
5〜3.0モル/リットルがより好ましい。
てもよいし、固体電解質あるいはゲル電解質等、高分子
電解質としてもよい。前者の場合、非水電解質電池は、
いわゆるリチウムイオン電池として構成され、後者の場
合、非水電解質電池は、高分子固体電解質電池、高分子
ゲル電解質電池等の高分子電解質電池として構成され
る。
として、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネー
ト、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、
1,1−または1,2 −ジメトキシエタン、1,2 −ジ
エトキシエタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテト
ラヒドロフラン、γ−ブチロラクトン、1 ,3−ジオキ
ソラン、4 −メチル−1 ,3 −ジオキソラン、アニソー
ル、ジエチルエーテル、スルホラン、メチルスルホラ
ン、アセトニトリル、クロロニトリル、プロピオニトリ
ル、ホウ酸トリメチル、ケイ酸テトラメチル、ニトロメ
タン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、
酢酸エチル、トリメチルオルトホルメート、ニトロベン
ゼン、塩化ベンゾイル、臭化ベンゾイル、テトラヒドロ
チオフェン、ジメチルスルホキシド、3−メチル−2−
オキサゾリドン、エチレングリコール、サルファイト、
ジメチルサルファイト等の非プロトン性有機溶媒を用い
ることができる。
ル電解質等の高分子電解質とする場合には、可塑剤(非
水電解液)でゲル化されたマトリクス高分子を含むが、
このマトリクス高分子としては、ポリエチレンオキサイ
ドやその架橋体等のエーテル系高分子、ポリメタクリレ
ート系、ポリアクリレート系、ポリビニリデンフルオラ
イドやビニリデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピ
レン共重合体等のフッ素系高分子等を単独、もしくは混
合して用いることができる。これらの中で、酸化還元安
定性の観点等から、ポリビニリデンフルオライドやビニ
リデンフルオライド−ヘキサフルオロプロピレン共重合
体等のフッ素系高分子を用いることが望ましい。
質に含有される可塑剤を構成する電解質塩や非水溶媒と
しては、前述のものがいずれも使用可能である。ゲル電
解質の場合、可塑剤である非水電解液中の電解質塩濃度
は、0.1〜5モル/リットルが好ましく、0.5〜
2.0モル/リットルがより好ましい。このような固体
電解質の作製方法としては特に制限はないが、たとえば
高分子化合物、リチウム塩および溶媒(可塑剤)を混合
し、加熱して溶融する方法、適当な混合用の有機溶剤に
高分子化合物、リチウム塩および溶媒(可塑剤)を溶解
させた後、混合用の有機溶剤を蒸発させる方法、並びに
モノマー、リチウム塩および溶媒(可塑剤)を混合し、
それに紫外線、電子線または分子線などを照射してポリ
マーを形成させる方法等を挙げることができる。また、
前記固体電解質中の溶媒(可塑剤)の添加割合は、10
〜90質量%が好ましく、さらに好ましくは、30〜8
0質量%である。10質量%未満であると、導電率が低
くなり、90質量%を超えると機械的強度が弱くなりフ
ィルム化が困難となる傾向がある。
は、セパレーターを使用することもできる。セパレータ
ーとしては、特に限定されるものではないが、たとえば
織布、不織布、合成樹脂製微多孔膜等が挙げられる。特
に合成樹脂製微多孔膜が好適に用いられるが、その中で
もポリオレフィン系微多孔膜が、厚さ、膜強度、膜抵抗
の面で好適である。具体的には、ポリエチレンおよびポ
リプロピレン製微多孔膜、またはこれらを複合した微多
孔膜等である。
は、初期充放電効率が改善したことから、ゲル電解質を
用いることが可能である。ゲル電解質二次電池は、炭素
材料を含有する負極と、正極およびゲル電解質を、たと
えば負極、ゲル電解質、正極の順で積層し、電池外装材
内に収容することで構成される。なおこれに加えて、さ
らに負極と正極の外側にゲル電解質を配するようにして
も良い。このような炭素材料を負極に用いるゲル電解質
二次電池では、ゲル電解質にプロピレンカーボネートが
含有され、また炭素材料粉末としてインピーダンスを十
分に低くできる程度に小粒径のものを用いた場合でも、
不可逆容量が小さく抑えられる。したがって大きな放電
容量が得られるとともに高い初期充放電効率が得られ
る。
池の構造は任意であり、その形状、形態について特に限
定されるものではなく、円筒型、角型、コイン型、ボタ
ン型等の中から任意に選択することができる。より安全
性の高い密閉型非水電解液電池を得るためには、過充電
等の異常時に電池内圧上昇を感知して電流を遮断させる
手段を備えたものであることが望ましい。高分子固体電
解質電池や高分子ゲル電解質電池の場合には、ラミネー
トフィルムに封入した構造とすることもできる。
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお以下の実施例および比較例では、図1に示すような
評価用のボタン型二次電池を作製して実験を行ったが、
実電池は、本発明の概念に基づき、公知の方法に準じて
作製することができる。
す。評価電池は、実電池において負極用活物質として使
用可能な炭素材料を含有する作用電極(負極)2と、リ
チウム箔よりなる対極4とから構成される電池系であ
る。外装カップ1内に収容された円板状の作用電極(負
極)2および集電体7と、外装缶3内に収容された円板
状の対極4が、電解質溶液が含浸されたセパレータ5を
介して積層されて構成されている。上記外装カップ1と
上記外装缶3とは周縁部が絶縁ガスケット6を介してか
しめられ、これによって電池が密閉される。
合反応させ、下記に示す黒鉛前駆体を得た。 QI(JIS K2425ろ過法によるキノリン不溶分
量):90質量% 偏光顕微鏡による光学的異方性相の比率:約85% 揮発分量:12質量% 軟化点(メトラー法):440℃
黒鉛前駆体の粒度を平均粒子径20μmに調整した。該
黒鉛前駆体100重量部に対して硫黄結晶の粉砕物20
重量部を加えて乾式混合し、ロータリーキルンを用い
て、窒素雰囲気下、300℃で攪拌しながら3時間加熱
処理を行い、引き続き500℃で3時間加熱処理を行っ
た。加熱処理を終えた黒鉛前駆体に融着や変形は認めら
れず、粒子形状が保持されていた。また、硫黄の残存量
は約2%であった。得られた黒鉛前駆体を黒鉛るつぼに
入れ、るつぼの周囲にコークスブリーズを充填し、30
00℃で黒鉛化を行った。得られた炭素材料に融着や変
形は認められず、粒子形状が保持されていた。また、硫
黄の残存量は検出不可であった。次に得られた炭素材料
の黒鉛化度をX線広角回折法およびラマン分光法によっ
て評価した。結果を表1に示す。この炭素粉末を用いて
作用電極(負極)を作製した。
た黒鉛化炭素粉末90質量%と、結合剤としてポリフッ
化ビニリデン10質量%とを混合し、さらにN−メチル
ピロリドン(溶剤)を加え混練してペースト状の負極合
剤とした。負極合剤ペーストを、銅箔(集電材7)上に
均一な厚さで塗布し、さらに90℃で溶剤を揮発させて
乾燥した。次に、この銅箔上に塗布された負極合剤をロ
ーラープレスによって加圧し、さらに直径15.5mm
の円形状に打ち抜くことで作用電極(負極)2を作製し
た。
を、直径15.5mmの円形状に打ち抜くことで作製し
た。
製した。まずプロピレンカーボネート30 mol%、エチ
レンカーボネート50 mol%およびジメチルカーボネー
ト20 mol%を混合し、この混合溶媒にLiPF6 を1
mol/dm3 となる濃度で溶解させ、非水電解液を調製
した。得られた非水電解液をポリプロピレン多孔質体か
らなるセパレータ5に含浸させた。
液を含浸させたセパレータ5を、上記作用電極2と対極
4の間に挟んで作用電極2および対極4を、外装カップ
1、外装缶3内にそれぞれ収容した。そして外装カップ
1と外装缶3との周縁部を絶縁ガスケット6を介してか
しめ密閉して評価電池を得た。以上のようにして作製さ
れた評価電池について、25℃の温度下で下記のような
充放電試験を行った。
電圧が0mVに達するまで定電流充電を行い、回路電圧
が0mVに達した時点で定電圧充電に切り替え、さらに
電流値が20μAになるまで充電を続けた後、120分
休止した。次に0.2mAの電流値で、回路電圧が2.
5Vに達するまで定電流放電を行った。このとき第1サ
イクルにおける通電量から充電容量と放電容量を求め、
次式から初期放電効率を計算した。 初期充放電効率=(放電容量/充電容量)×100
(%) なおこの試験では、リチウムイオンを炭素材料中にドー
プする過程を充電、炭素材料から脱ドープする過程を放
電とした。
容量(mAh/g)と初回充放電効率(%)の値を表1
に示す。表1に示されるように、作用電極(実電池の負
極に相当)に本発明の炭素材料を用いたリチウムイオン
二次電池は高い放電容量を示し、かつ高い初期充放電効
率(すなわち小さな不可逆容量)を有する。
に、硫黄結晶を添加しなかった以外は実施例1と同様に
して炭素材料を作製した。ロータリーキルンから取出し
た炭素材料は激しく融着した。この炭素材料を再度、ジ
ェットミルで粉砕して平均粒子径を20μmに調整し、
実施例1と同様に黒鉛化処理を行った。得られた炭素材
料について黒鉛化度および電池特性を評価した。結果を
表1に示す。
る不融化処理を行わない場合には、高い放電容量を示す
ものの、初期充放電効率が著しく小さい(不可逆容量が
著しく大きい)。なお実施例1は、比較例1に比べ、黒
鉛の表面が選択的に低結晶化されているのがわかる。
に、硫黄結晶を配合せず、ロータリーキルンにて空気雰
囲気下250℃で24時間酸化処理を施して取出した。
得られた炭素材料は不融化していた。次いで3000℃
で黒鉛化し、得られた炭素材料について黒鉛化度および
電池特性を評価した。結果を表1に示す。表1に示され
るように、空気酸化によって炭素材料表面の低結晶化を
図った場合には、表面の低結晶化の進行が不足する一方
で、粒子全体の結晶性が低下した。この結果を反映し
て、放電容量が低下し、不可逆容量の改善効果も小さい
ものとなった。
例1と同じ黒鉛前駆体を用いて、表1に示す条件に変更
した以外は実施例1と同様にして炭素材料を作製した。
得られた炭素材料について黒鉛化度および電池特性を評
価した。結果を表1に示す。
における融着を抑制することができ、さらに低結晶性の
極薄い表面層を有する高結晶性黒鉛化炭素材料を得るこ
とができ、このような炭素材料が提供される。また本発
明で得られる炭素材料をリチウムイオン二次電池用負極
材料として用いれば高い放電容量と、高い初期充放電効
率(低い不可逆容量)とのいずれをも得ることができ
る。
示す断面図である。
Claims (4)
- 【請求項1】キノリン不溶分が50質量%以上100質
量%未満である固体状黒鉛前駆体を、非酸化性雰囲気
中、結晶化阻害剤の共存下、該黒鉛前駆体の軟化点未満
で、かつ該結晶化阻害剤が液状で固体状黒鉛前駆体と接
触しうる温度に加熱することにより、該固体黒鉛前駆体
を表面処理した後、加熱温度を黒鉛化温度まで上昇さ
せ、黒鉛化炭素材料を得る炭素材料の製造方法。 - 【請求項2】前記結晶化阻害剤が、硫黄および/または
有機ニトロ化合物である請求項1に記載の炭素材料の製
造方法。 - 【請求項3】請求項1または2に記載の炭素材料の製造
方法により得られるリチウムイオン二次電池用炭素材
料。 - 【請求項4】請求項1または2に記載の製造方法により
得られる炭素材料を負極として用いたリチウムイオン二
次電池。
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