JP2002256152A - 熱可塑性樹脂組成物材料及び該材料からなる成形品 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物材料及び該材料からなる成形品

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JP2002256152A JP2001053782A JP2001053782A JP2002256152A JP 2002256152 A JP2002256152 A JP 2002256152A JP 2001053782 A JP2001053782 A JP 2001053782A JP 2001053782 A JP2001053782 A JP 2001053782A JP 2002256152 A JP2002256152 A JP 2002256152A
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thermoplastic resin
polymer
thermoplastic
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Naoki Wakita
直樹 脇田
Hiroaki Arita
博昭 有田
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Daicel Degussa Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 熱可塑性樹脂が本来有する他の優れた物性を
損なうことなく、低温衝撃性を大幅に改良する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂組成物材料は、熱可塑性樹
脂(A)からなる樹脂部(a)と、前記熱可塑性樹脂
(A)と実質的に相溶性を有さず、ガラス転移温度が−
40℃以下の熱可塑性エラストマー(B)からなるエラ
ストマー部(b)と、前記熱可塑性樹脂(A)及び熱可
塑性エラストマー(B)と実質的に相溶性を有さず、ガ
ラス転移温度若しくは結晶化温度のいずれかが−50℃
以下で且つ40℃における粘度が0.1〜200,00
0cPの高分子重合体(C)からなる重合体部(c)と
を有する熱可塑性樹脂組成物材料であって、前記樹脂部
(a)中に前記エラストマー部(b)が分散し、且つ前
記エラストマー部(b)中に前記重合体部(c)が分散
している構造を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性樹脂組成
物材料、より詳細には、低温衝撃性を必要とする各種成
形物を得るために有用な熱可塑性樹脂組成物による材
料、及び該熱可塑性樹脂組成物材料からなる成形品に関
する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂からなる成形品の低温衝撃
性を高める方法として、熱可塑性樹脂に各種エラストマ
ー(ゴム成分)をブレンドする方法や可塑剤を添加する
方法、あるいはその両者を組み合わせた方法などが知ら
れている。また、コストを問わない場合には、熱可塑性
エラストマーを用いることもある。
【0003】例えば、特公平6−45748号公報に
は、ポリアミドの低温における衝撃強度を向上させる目
的で、ポリアミドに、α,β−不飽和カルボン酸又はそ
の酸誘導体でグラフト変性されたグラフト変性エチレン
・α−オレフィンランダム共重合体と、低分子量のエチ
レン系共重合体にα,β−不飽和カルボン酸又はその誘
導体をグラフト重合させた低分子量変性エチレン系ラン
ダム共重合体とを添加したポリアミド組成物が開示され
ている。また、特開昭60−156747号公報及び特
開平1−272659号公報には、ポリエステルにグラ
フト変性ポリオレフィンを添加して衝撃強度を向上させ
た樹脂組成物が開示されている。
【0004】しかし、これらの改良を施した場合でも、
用途によっては低温下での衝撃強度が十分でない場合が
ある。このような場合、当業者は各種エラストマーを多
量に用いたり、可塑剤を樹脂に相溶する限界まで添加し
て対処するが、エラストマーを多量に用いると、強度
(引張り強度、曲げ強度等)、耐熱性、耐薬品性などの
諸特性の低下を招きやすく、可塑剤を多量に添加する
と、可塑剤がブリードするという問題が生じる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、熱可塑性樹脂が本来有する他の優れた物性を損なう
ことなく、低温衝撃性を大幅に改良できる熱可塑性樹脂
組成物材料、及び該熱可塑性樹脂組成物材料からなる成
形品を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記目的
を達成するため鋭意検討した結果、熱可塑性樹脂に熱可
塑性エラストマーとともに、高分子重合体を加えて混合
するとともに、これらの各成分の混合状態を特定の分散
状態とすると、前記特定の分散状態ではない場合と比較
して、熱可塑性樹脂の諸特性(例えば、引張り特性、曲
げ特性、耐熱特性など)を損なうことなく、低温下にお
ける衝撃性を大幅に改善できることを見出し、本発明を
完成した。
【0007】すなわち、本発明は、熱可塑性樹脂(A)
からなる樹脂部(a)と、前記熱可塑性樹脂(A)と実
質的に相溶性を有さず、ガラス転移温度が−40℃以下
の熱可塑性エラストマー(B)からなるエラストマー部
(b)と、前記熱可塑性樹脂(A)及び熱可塑性エラス
トマー(B)と実質的に相溶性を有さず、ガラス転移温
度若しくは結晶化温度のいずれかが−50℃以下で且つ
40℃における粘度が0.1〜200,000cPの高
分子重合体(C)からなる重合体部(c)とを有する熱
可塑性樹脂組成物材料であって、前記樹脂部(a)中に
前記エラストマー部(b)が分散し、且つ前記エラスト
マー部(b)中に前記重合体部(c)が分散している構
造を有していることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物材
料である。
【0008】本発明では、熱可塑性樹脂(A)100重
量部に対して、熱可塑性エラストマー(B)が0.5〜
100重量部、高分子重合体(C)が0.01〜10重
量部の割合で含まれていることが好ましい。また、重合
体部(c)が分散されているエラストマー部(b)の割
合が、エラストマー部(b)全量に対して30体積%以
上であり、且つエラストマー部(b)中に分散している
重合体部(c)の割合が、重合体部(c)全量に対して
50体積%以上であることが好適である。
【0009】前記熱可塑性樹脂(A)としては、ポリア
ミド又はポリエステルを用いることができる。また、熱
可塑性エラストマー(B)としては、オレフィン系エラ
ストマー又はスチレン系エラストマーを用いることがで
きる。さらにまた、高分子重合体(C)としては、ポリ
エーテルを用いることができる。
【0010】本発明には、上記の熱可塑性樹脂組成物材
料からなる成形品も含まれる。
【0011】なお、本発明では、カラス転移温度(ガラ
ス転移点)若しくは結晶化温度(融点)は、JIS K
7121に準じて測定することができる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下に、本発明を必要に応じて図
面を参照しつつ詳細に説明する。
【0013】図1は、本発明の熱可塑性樹脂組成物材料
の構造を示す概略断面図である。図1において、1は熱
可塑性樹脂組成物材料、2は熱可塑性樹脂(A)からな
る樹脂部(a)、3は熱可塑性エラストマー(B)から
なるエラストマー部(b)、4は高分子重合体(C)か
らなる重合体部(c)である。また、41は樹脂部
(a)2中に分散している重合体部(c)、42はエラ
ストマー部(b)3中に分散している重合体部(c)を
示す。
【0014】熱可塑性樹脂組成物材料1において用いら
れている熱可塑性樹脂(A)、熱可塑性エラストマー
(B)および高分子重合体(C)は、それぞれが互いに
実質的に相溶性を有していない3つの成分である。すな
わち、熱可塑性エラストマー(B)は、熱可塑性樹脂
(A)と実質的に相溶せず、高分子重合体(C)は、熱
可塑性樹脂(A)及び熱可塑性エラストマー(B)と実
質的に相溶しない。従って、熱可塑性樹脂組成物材料1
は、熱可塑性樹脂(A)からなる樹脂部(a)2中に熱
可塑性エラストマー(B)からなるエラストマー部
(b)3が分散し、且つ熱可塑性エラストマー(B)か
らなるエラストマー部(b)3中に高分子重合体(C)
からなる重合体部(c)42が分散している構造を有し
ている。
【0015】このような構造としては、3種の非相溶構
造、すなわち、互いに混ざり合わない3種類の成分(又
は材料)からなる樹脂組成物に形成される多相構造を意
味している。該多相構造としては、例えば、3種類の互
いに非相溶性を有しているポリマーによる樹脂組成物が
種々の構造をとりうることはすでに公知である。例え
ば、高分子論文集47巻5号409ページ(発行者:高
分子学会;発行日:1990年5月25日)では、「三
成分系ポリマーブレンドの多相構造形成とNeuman
nの三角形」において、「相1と相2とを分散相とし、
相3をマトリクス相とするポリマーブレンドの多相構造
が、(i)相1が相2を取り囲むカプセル型混成粒子、
(ii)相2が相1を取り囲む混成粒子、(iii)相1と
相2とが付着した付着型混成粒子、(iv)相1と相2と
が別々に分散した分離型粒子」の4通りに分類されるこ
とが詳述されている。本発明における熱可塑性樹脂組成
物材料の構造とは、前記「カプセル型混成粒子」構造で
あり、マトリクス相となる熱可塑性樹脂(A)中に、高
分子重合体(C)を取り囲んだ粒子である熱可塑性エラ
ストマー(B)が分散している構造を示している。すな
わち、熱可塑性樹脂組成物材料1は、熱可塑性樹脂
(A)による相をマトリックス相(相3)とし、熱可塑
性エラストマー(B)による分散相(相1)が、高分子
重合体(C)による分散相(相2)を取り囲んでいる多
相構造を有している。
【0016】なお、上記高分子論文集によれば、この構
造は構成する3種のポリマーの表面張力(又は界面張
力)及び極性の釣り合いにより決定され、また、ポリマ
ーの表面張力及び極性を測定することにより、又は上記
論文集に記載の簡便な実験方法などの方法により予測が
可能である。従って、本発明では、ポリマーの表面張力
及び極性を測定することにより、又は前記高分子論文集
に記載の簡便な実験方法によって、熱可塑性樹脂(A)
と、熱可塑性エラストマー(B)と、高分子重合体
(C)との組み合わせを、これらの各成分に関する界面
張力等に応じて適宜選択して、目的とする構造を形成さ
せることができる。
【0017】このように、熱可塑性樹脂組成物材料1で
は、樹脂部(a)2がマトリックス部としての機能を有
しており、該樹脂部(a)2中にエラストマー部(b)
3及び重合体部(c)4が分散し、さらに、重合体部
(c)4のうち一部又は全部がエラストマー部(b)3
中に分散している。従って、本発明の熱可塑性樹脂組成
物材料1は、樹脂部(a)2中にエラストマー部(b)
3が分散し、且つエラストマー部(b)3中に重合体部
(c)42が分散している構造を有しているので、熱可
塑性樹脂(A)に由来する他の優れた物性を損なうこと
なく、低温衝撃性を顕著に改善することができる。
【0018】より具体的には、図1に示されている熱可
塑性樹脂組成物材料1では、エラストマー部(b)3
は、樹脂部(a)2中に分散している。また、重合体部
(c)4は、主としてエラストマー部(b)3中に分散
している重合体部(c)42からなっており、重合体部
(c)4の一部である重合体部(c)41が、樹脂部
(a)2中に直接分散している。
【0019】本発明では、重合体部(c)42が分散さ
れているエラストマー部(b)3の割合が、エラストマ
ー部(b)3全量に対して30体積%以上(好ましくは
50体積%以上)であることが好適である。重合体部
(c)42が分散しているエラストマー部(b)3の割
合が少なすぎると、樹脂部(a)2中に単独で分散して
いる(重合体部(c)42を有していない)エラストマ
ー部(b)3の割合が多くなり、本発明の熱可塑性樹脂
組成物材料による効果が低下する。
【0020】なお、本発明では、重合体部(c)42が
分散されているエラストマー部(b)3の割合が、エラ
ストマー部(b)3全量に対して30重量%以上(好ま
しくは50重量%以上)であってもよい。
【0021】なお、本発明では、重合体部(c)42が
分散されているエラストマー部(b)3のエラストマー
部(b)3全量に対する割合としては、重合体部(c)
42が分散されているエラストマー部(b)3における
エラストマー(B)の総体積又は総重量に関しての、全
エラストマー部(b)3におけるエラストマー(B)の
総体積又は総重量に対する割合を意味している。従っ
て、該割合において、重合体部(c)42が分散されて
いるエラストマー部(b)3における重合体(C)42
の体積又は重量は含まれていない。
【0022】また本発明では、エラストマー部(b)3
中に分散している重合体部(c)42の割合が、重合体
部(c)4全量に対して50体積%以上(好ましくは7
0体積%以上)であることが好適である。エラストマー
部(b)3中に分散している重合体部(c)42の割合
が少なすぎると、樹脂部(a)2中に直接分散している
重合体部(c)41の割合が多くなり、本発明の熱可塑
性樹脂組成物材料による効果が低下する。
【0023】なお、本発明では、エラストマー部(b)
3中に分散している重合体部(c)42の割合が、重合
体部(c)4全量に対して50重量%以上(好ましくは
70重量%以上)であってもよい。
【0024】熱可塑性樹脂組成物材料1において、樹脂
部(a)2中に分散しているエラストマー部(b)3に
よる分散相の分散粒子の形状や、熱可塑性樹脂(A)又
は熱可塑性エラストマー(B)中に分散している重合体
部(c)4による分散相の分散粒子の形状は、特に制限
されない。これらの分散粒子の断面は、例えば、略円形
状(例えば、略真円形状、略楕円形状など)を有してい
てもよい。
【0025】[熱可塑性樹脂(A)]熱可塑性樹脂
(A)としては、成形材料として使用することができ、
上記構造を形成するのに適切であれば特に制限されず、
広範なものが含まれる。代表的な熱可塑性樹脂(A)と
しては、例えば、ポリアミド、ポリエステル、ポリカー
ボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、
ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルエーテルケト
ン、ポリアリルエーテルケトン、ポリアミドイミド、ポ
リエーテルイミド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、メタクリル樹
脂、及びこれらの樹脂を含むポリマーアロイなどが例示
できる。熱可塑性樹脂(A)としては、これらの中で
も、ポリアミド、ポリエステルが好ましい。熱可塑性樹
脂(A)は単独で又は2種以上組み合わせて使用するこ
とができる。
【0026】本発明では、熱可塑性樹脂(A)は、本発
明の趣旨を損なわない範囲において改質が行われていて
もよく、このような改質としては、例えば、共重合やグ
ラフト変性による改質、樹脂の特性を損なわない範囲に
おける極性基付与による改質などが挙げられる。
【0027】ポリアミドとしては、特に限定されず、例
えば、ヘキサメチレンジアミン、デカメチレンジアミ
ン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−又は2,
4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、1,3−
又は1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビ
ス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、m−又はp−
キシリレンジアミンなどの脂肪族、脂環式、芳香族等の
ジアミンと、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、シ
クロヘキサンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル
酸などの脂肪族、脂環式、芳香族等のジカルボン酸との
重縮合により得られるポリアミド;ε−アミノカルボン
酸、11−アミノウンデカン酸等のアミノカルボン酸の
縮合によって得られるポリアミド;ε−カプロラクタ
ム、ω−ラウロラクタムなどのラクタムから得られるポ
リアミド;又は前記成分(ジアミン、ジカルボン酸、ア
ミノカルボン酸、ラクタムなど)からなる共重合ポリア
ミド;これらのポリアミドの混合物等が例示される。
【0028】より具体的には、ポリアミド(ナイロン)
として、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド4
6、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド61
0、ポリアミド612、ポリアミド1010、芳香族ポ
リアミド、脂環式ポリアミドなどが挙げられる。また、
ポリアミドには、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリ
アミド11、ポリアミド12などのポリアミドからなる
ハードセグメントと、ポリエーテル成分などからなるソ
フトセグメントとを有するマルチブロック共重合体など
も含まれる。
【0029】ポリエステルとしては、特に限定されず、
例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、
ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、シ
クロヘキサンジメタノール、1,4−ビス(2−ヒドロ
キシエトキシ)ベンゼン、1,3−ビス(2−ヒドロキ
シエトキシ)ベンゼン、2,2−ビス[4−(2−ヒド
ロキシエトキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(2
−ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン、ビス(4
−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)プロパンなどの脂肪族、脂環式、芳
香族等のジヒドロキシ化合物と、テレフタル酸、イソフ
タル酸、ジフェニルエーテル−4,4−ジカルボン酸、
ナフタレン−1,4−ジカルボン酸、ナフタレン−2,
6−ジカルボン酸、シュウ酸、コハク酸、アジピン酸、
セバシン酸、ウンデカンジカルボン酸、ヘキサヒドロテ
レフタル酸などの脂肪族、脂環式、芳香族等のジカルボ
ン酸との重縮合によって得られるポリエステル;前記成
分からなる共重合ポリエステル;これらのポリエステル
の混合物等が例示できる。
【0030】ポリカーボネートとしては、例えば、ビス
フェノールAなどのジヒドロキシ化合物と、ホスゲン又
はジフェニルカーボネートなどの炭酸ジエステルとの反
応により得られるポリカーボネート等が例示される。ポ
リアセタールには、ホルムアルデヒドの重合により得ら
れるホモポリマー、トリオキサンと環状エーテルとを環
状重合させて得られるコポリマーなどが含まれる。ポリ
フェニレンエーテルには、ポリ(2,6−ジメチルフェ
ニレンオキサイド)を主成分とするポリマー、及び変性
ポリフェニレンエーテルなどが含まれる。オレフィン系
樹脂には、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオ
レフィン類、オレフィン系共重合体などが含まれる。ス
チレン系樹脂には、ポリスチレン;及びABS樹脂、A
XS樹脂などのスチレン系共重合体などが含まれる。
【0031】[熱可塑性エラストマー(B)]熱可塑性
エラストマー(B)としては、ガラス転移温度(ガラス
転移点)が−40℃以下で、前記熱可塑性樹脂(A)と
相溶しない熱可塑性エラストマーを用いている。このよ
うな熱可塑性エラストマー(B)としては、ゴム状弾性
を有する物質としての熱可塑性を有する材料のことであ
り、前記熱可塑性樹脂(A)と実質的に相溶せず、さら
に、ガラス転移温度が−40℃以下(好ましくは−50
℃以下)であり、かつ上記構造を形成するのに適切であ
れば、特に制限されない。より具体的には、熱可塑性エ
ラストマー(B)としては、例えば、オレフィン系エラ
ストマー、スチレン系エラストマー、エステル系エラス
トマー、ウレタン系エラストマー、アミド系エラストマ
ー、塩化ビニル系エラストマーの他、これらのエラスト
マーのブレンド(混合物)などが挙げられる。熱可塑性
エラストマー(B)は単独で又は2種以上組み合わせて
使用することができる。
【0032】本発明では、熱可塑性エラストマー(B)
は、本発明の趣旨を損なわない範囲において改質が行わ
れていてもよい。例えば、熱可塑性エラストマー(B)
としては、前記例示の熱可塑性エラストマーの変性体で
あってもよい。熱可塑性エラストマー(B)における改
質としては、例えば、共重合やグラフト変性による改
質、極性基の付与による改質などが挙げられる。なお、
極性基の付与は、グラフト変性により行われていてもよ
い。このような極性基としては、例えば、エポキシ基、
カルボキシル基、酸無水物基、ヒドロキシル基、アミノ
基、オキソ基などが挙げられる。極性基は1種類で又は
複数の種類を組み合わせて付与することができる。従っ
て、熱可塑性エラストマー(B)において、極性基が付
与された変性体には、例えば、熱可塑性エラストマーの
エポキシ変性体(エポキシ化熱可塑性エラストマー)、
カルボキシ変性体、酸無水物変性体、ヒドロキシ変性
体、アミノ変性体等が含まれる。
【0033】熱可塑性エラストマー(B)としては、オ
レフィン系エラストマー、スチレン系エラストマーを好
適に用いることができる。
【0034】前記オレフィン系エラストマーとしては、
特に制限されず、ポリオレフィンを硬質相(ハードセグ
メント)とし、各種ゴム成分を軟質相とするブロック共
重合体などが挙げられる。硬質相を構成するポリオレフ
ィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブ
テン、1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、3−
メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1
−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1
−オクタデセンなどの炭素数2〜20程度のα−オレフ
ィン等の単独重合体又は共重合体などが挙げられる。ポ
リオレフィンは単独で又は2種以上組み合わせて使用す
ることができる。好ましいオレフィンには、エチレン、
プロピレンが含まれる。
【0035】また、軟質相を構成するゴム成分として
は、例えば、エチレン−プロピレンゴム(EPR)、エ
チレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、ポリブ
タジエン、ポリイソプレン、天然ゴム(NR)、ニトリ
ルゴム(NBR;アクリロニトリル−ブタジエンゴ
ム)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、クロロプ
レンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、水素添加N
BR(H−NBR)、アクリロニトリル−イソプレンゴ
ム(NIR)、アクリロニトリル−イソプレン−ブタジ
エンゴム(NBIR)などが挙げられる。これらのゴム
成分には、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、(メ
タ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸など)を
コモノマーとして含有させたカルボキシル化ゴム等の酸
変性ゴムやその他の変性ゴム、水添物なども含まれる。
これらのゴム成分は、単独で又は2種以上組み合わせて
使用することができる。
【0036】本発明では、オレフィン系エラストマーと
しては、エチレン又はプロピレンを少なくとも硬質相の
ポリオレフィンの構成単位として含有しているオレフィ
ン系エラストマー及びその変性体(エポキシ化オレフィ
ン系エラストマーなど)を好適に用いることができる。
【0037】また、スチレン系エラストマーとしては、
ポリスチレンを硬質相とし、各種ゴム成分を軟質相とす
るブロック共重合体などが挙げられる。本発明では、ス
チレンを少なくとも硬質相を構成するポリスチレンの構
成単位として含んでいるポリスチレン又はその変性体
(エポキシ化スチレン系エラストマーなど)が好適であ
る。なお、軟質相を構成するゴム成分には、前記例示の
ゴム成分(例えば、ポリブタジエン、ポリイソプレン、
又はこれらの水添物など)が含まれる。
【0038】エステル系エラストマーとしては、ポリブ
チレンテレフタレートなどのポリエステルを硬質相と
し、長鎖のポリオールやポリエステルを軟質相とするブ
ロック共重合体などが例示される。ウレタン系エラスト
マーとしては、短鎖のグリコールによるポリウレタンを
硬質相とし、長鎖のポリオールやポリエステルを軟質相
とするブロック共重合体などが例示される。また、アミ
ド系エラストマーには、ポリアミドを硬質相とし、長鎖
のポリオールやポリエステルを軟質相とするブロック共
重合体などが含まれる。
【0039】また、塩化ビニル系エラストマーには、ポ
リ塩化ビニルを硬質相とし、前記各種ゴム成分(ニトリ
ルゴムなど)を軟質相とするブロック共重合体の他、塩
化ビニル系樹脂に可塑剤を加えたものなどが含まれる。
【0040】本発明の熱可塑性樹脂組成物において、熱
可塑性エラストマー(B)の割合は、熱可塑性樹脂
(A)の諸特性を損なわない範囲で適宜選択できるが、
通常、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、0.
5〜100重量部程度、好ましくは2〜60重量部、さ
らに好ましくは5〜40重量部、特に10〜30重量部
程度の範囲から選択することができる。熱可塑性エラス
トマー(B)の割合が多すぎると、熱可塑性樹脂(A)
が本来有している強度や耐熱性などの特性を低下させる
おそれがあり、逆に少なすぎると低温での耐衝撃性がさ
ほど改善されない傾向となる。
【0041】[高分子重合体(C)]高分子重合体
(C)としては、ガラス転移温度若しくは結晶化温度
(融点)のいずれかが−50℃以下で且つ40℃におけ
る粘度が0.1〜200,000cPである高分子重合
体を用いている。高分子重合体(C)は、前記熱可塑性
樹脂(A)及び前記熱可塑性エラストマー(B)の何れ
とも実質的に相溶しないことが重要である。このような
高分子重合体(C)としては、前記熱可塑性樹脂(A)
及び前記熱可塑性エラストマー(B)の何れとも相溶せ
ず、さらに、ガラス転移温度若しくは結晶化温度のいず
れかが−50℃以下(好ましくは−70℃以下)で且つ
40℃における粘度が0.1〜200,000(好まし
くは10〜100,000、さらに好ましくは50〜1
0,000)cPであり、かつ上記構造を形成するのに
適切であれば、特に制限されない。このような高分子重
合体(C)としては、オイル、ワックス、グリスなどの
ような性状を有するものを好適に用いることができる。
【0042】なお、本発明において、「高分子重合体」
とは、単一又は複数のモノマーからなる重合度が3以上
の重合体のことを意味している。
【0043】より具体的には、高分子重合体(C)とし
ては、例えば、ポリエーテル、オイル(例えば、シリコ
ーンオイルなど)、未加硫のゴム原料(例えば、未加硫
のポリブタジエンなど)などを用いることができる。こ
れらのなかでも、高分子重合体(C)としては、ポリエ
ーテルを好適に用いることができる。ポリエーテルとし
ては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリオ
キシエチレンポリオキシプロピレンブロックコポリマ
ー、ポリプロピレンテトラメチレングリコール(PPT
G)(ポリオキシプロピレンポリオキシテトラメチレン
ブロックコポリマー)などのポリアルキレングリコール
(コポリマーを含む)及びこれらの誘導体(例えば、モ
ノアルキルエーテル、ジアルキルエーテル、モノアシル
体、ジアシル体、モノアルキルエーテルモノアシル体な
ど)などが挙げられる。
【0044】ポリエーテルは単独で使用してもよく、2
種以上を組み合わせて使用してもよい。好ましいポリエ
ーテルには、ポリエチレングリコール、ポリプロピレン
グリコール、ポリプロピレンテトラメチレングリコール
(PPTG)などのポリアルキレングリコール(コポリ
マーを含む)が含まれる。なお、ポリアルキレングリコ
ールの数平均分子量は、例えば30〜1000000程
度、好ましくは60〜100000程度、さらに好まし
くは120〜50000程度の範囲から選択することが
できる。
【0045】本発明の熱可塑性樹脂組成物において、前
記高分子重合体(C)の割合又は含有量は、熱可塑性樹
脂(A)の諸特性を損なわない範囲で適宜選択できる
が、通常、熱可塑性樹脂(A)100重量部に対して、
0.01〜10重量部程度、好ましくは0.1〜8重量
部、さらに好ましくは0.5〜6重量部程度の範囲から
選択することができる。高分子重合体(C)の量が多す
ぎると、樹脂からこれらがブリードアウトを起こした
り、またすべて熱可塑性エラストマー(B)に取り込ま
れた場合でも、熱可塑性樹脂(A)が本来有している強
度や耐熱性などの特性を低下するおそれがあり、逆に少
なすぎると低温での耐衝撃性がさほど改善されない傾向
となる。
【0046】なお、粘度は、単一円筒回転粘度計や二重
円筒回転粘度計などを用いた公知の方法で測定すること
ができ、例えば、高分子重合体(C)が結晶性を有して
いる場合は、該結晶性の高分子重合体(C)を一旦融点
以上に加熱した後に測定することができる。
【0047】本発明では、高分子重合体(C)は、本発
明の趣旨を損なわない範囲において改質が行われていて
もよく、このような改質としては、例えば、共重合やグ
ラフト変性による改質、高分子重合体の特性を損なわな
い範囲における極性基付与による改質などが挙げられ
る。
【0048】本発明において、相溶とは、分子レベルで
混ざり合う状態のことを意味しており、ある2つの物質
が相溶するかどうかは、混合した場合のそれぞれのガラ
ス転移点の変化を測定する方法などの公知の方法により
調べることができる。
【0049】熱可塑性樹脂組成物には、低温衝撃性を損
なわない範囲で、他の添加剤、例えば、無機充填剤(カ
ーボンブラックなど)、酸化防止剤、可塑剤、着色剤、
カップリング剤、熱安定剤、耐候安定剤、離型剤、滑
剤、帯電防止剤、難燃剤、発泡剤などが添加されていて
もよい。なお、熱可塑性樹脂組成物には、熱可塑性エラ
ストマー(B)の他に、樹脂部(a)中に単独で分散す
ることができる熱可塑性エラストマーが含まれていても
よい。
【0050】本発明の熱可塑性樹脂組成物材料は、熱可
塑性樹脂(A)と、熱可塑性エラストマー(B)と、高
分子重合体(C)と、必要に応じて他の樹脂や添加剤等
とを、溶融状態で混合することにより調製することがで
きる。また、熱可塑性樹脂組成物材料は、前記原料を溶
媒に溶解又は分散させた状態で混合した後、前記溶媒を
除去することによっても調製することができる。なお、
これらの各成分の混合には、慣用の混合機、押出機、ニ
ーダーなどの混練機等を用いることができる。
【0051】上記のようにして調製した熱可塑性樹脂組
成物を用いて、通常の溶融成形法、例えば圧縮成形法、
射出成形法、押出し成形法などを利用することにより、
所望の形状の成形品を得ることができる。こうして得ら
れる成形品の代表的な例として、シャトルコックなどの
スポーツ用品、靴、チューブ、ホース、ギヤなどの自動
車又は機械用部品、電気器具部品などが挙げられる。
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、熱可塑性樹脂の本来有
する優れた物性を損なうことなく、低温における衝撃強
度を著しく向上させることができる。
【0053】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれらの実施例により限定される
ものではない。
【0054】実施例1 熱可塑性樹脂樹脂(A)としてのポリアミド12(商品
名「ダイアミド」、ダイセル・ヒュルス(株)製)10
0重量部、熱可塑性エラストマー(B)としてのオレフ
ィン系エラストマー(商品名「タフマーMH501
0」、三井化学(株)製、ガラス転移温度:−51℃)
6重量部、高分子重合体(C)としてのポリエーテルグ
リコール(商品名「PPTG−1000」、保土ヶ谷化
学工業(株)製、ガラス転移温度:−75℃、40℃に
おける粘度:150cP)3重量部を、二軸押出し機を
用いて混合した後ペレット化し、これを射出成形機を用
いて、温度250℃で射出成形することにより、試験片
[IZOD衝撃試験片(ノッチ付き)(ASTM D 256準
拠)]を作製した。
【0055】実施例2 熱可塑性樹脂樹脂(A)としてのポリアミド6(商品名
「A8030A」、ユニチカ(株)製)100重量部、
熱可塑性エラストマー(B)としてのオレフィン系エラ
ストマー(商品名「タフマーMH5010」、三井化学
(株)製、ガラス転移温度:−51℃)6重量部、高分
子重合体(C)としてのポリエーテルグリコール(商品
名「PPTG−1000」、保土ヶ谷化学工業(株)
製、ガラス転移温度:−75℃、40℃における粘度:
150cP)3重量部を、二軸押出し機を用いて混合し
た後ペレット化し、これを射出成形機を用いて、温度2
50℃で射出成形することにより、試験片[IZOD衝
撃試験片(ノッチ付き)(ASTM D 256準拠)]を作製し
た。
【0056】実施例3 熱可塑性樹脂樹脂(A)としてのポリブチレンテレフタ
レート(PBT樹脂)(商品名「ジュラネックス400
FP」、ポリプラスチックス(株)製)100重量部、
熱可塑性エラストマー(B)としてのエポキシ化スチレ
ン系エラストマー(エポキシ化スチレン−ブタジエン−
スチレンブロック共重合体エラストマー)(商品名「エ
ポフレンドA1020」、ダイセル化学工業(株)製、
ガラス転移温度:−64℃)10重量部、高分子重合体
(C)としてのポリエーテルグリコール(商品名「PP
TG−1000」、保土ヶ谷化学工業(株)製、ガラス
転移温度:−75℃、40℃における粘度:150c
P)5重量部を、二軸押出し機を用いて混合した後ペレ
ット化し、これを射出成形機を用いて、温度250℃で
射出成形することにより、試験片[IZOD衝撃試験片
(ノッチ付き)(ASTMD 256準拠)]を作製した。
【0057】比較例1 オレフィン系エラストマー(商品名「タフマーMH50
10」)に代えてスチレン系エラストマー(商品名「タ
フプレン126」、旭化成工業(株)製、ガラス転移温
度:−85℃)を用いること以外は、実施例1と同様に
して、試験片[IZOD衝撃試験片(ノッチ付き)(AS
TM D 256準拠)]を作製した。
【0058】比較例2 ポリエーテルグリコール(商品名「PPTG−100
0」)に代えてシリコーンオイル(商品名「シリコーン
オイルKF96−3000」、信越化学工業(株)製、
結晶化温度:−75℃、40℃における粘度:2100
cP)を用いること以外は、実施例2と同様にして、試
験片[IZOD衝撃試験片(ノッチ付き)(ASTM D 256
準拠)]を作製した。
【0059】比較例3 ポリエーテルグリコール(商品名「PPTG−100
0」)に代えてシリコーンオイル(商品名「シリコーン
オイルKF96−3000」、信越化学工業(株)製、
結晶化温度:−75℃、40℃における粘度:2100
cP)を用いること以外は、実施例3と同様にして、試
験片[IZOD衝撃試験片(ノッチ付き)(ASTM D 256
準拠)]を作製した。
【0060】評価 実施例及び比較例で得られた試験片(ペレット)につい
て、ミクロトームにより超薄切片を作製し、室温(20
〜25℃)で、透過型電子顕微鏡を用いて構造を観察し
たところ、図2〜7に示される図に関する写真が得られ
た。図2は実施例1に係る試験片の透過型電子顕微鏡に
よる写真を示す図であり、図3は実施例2に係る試験片
の透過型電子顕微鏡による写真を示す図であり、図4は
実施例3に係る試験片の透過型電子顕微鏡による写真を
示す図である。また、図5は比較例1に係る試験片の透
過型電子顕微鏡による写真を示す図であり、図6は比較
例2に係る試験片の透過型電子顕微鏡による写真を示す
図であり、図7は比較例3に係る試験片の透過型電子顕
微鏡による写真を示す図である。
【0061】また、これらの写真より確認された試験片
の構造状態を、表1の「構造状態」の欄に示した。表1
の構造状態の欄において、「カプセル型」とは、熱可塑
性エラストマー(B)が高分子重合体(C)を覆ってい
るものを意味しており、「接触型」とは、熱可塑性エラ
ストマー(B)と高分子重合体(C)とが接触して熱可
塑性樹脂(A)中に分散しているものを意味しており、
「分離型」とは、熱可塑性エラストマー(B)と高分子
重合体(C)とがそれぞれ独立して熱可塑性樹脂(A)
中に分散しているものを意味している。
【0062】図2〜4では、熱可塑性樹脂(A)からな
るマトリックス中に、熱可塑性エラストマー(B)が分
散しており、さらに、該熱可塑性エラストマー(B)中
に高分子重合体(C)が分散していることが確認でき
る。すなわち、実施例1〜3に係る試験片の構造状態
は、表1に示されているように、カプセル型である。
【0063】一方、図5では、熱可塑性エラストマー
(B)と高分子重合体(C)とは熱可塑性樹脂(A)か
らなるマトリックス中に分散しているが、熱可塑性エラ
ストマー(B)と高分子重合体(C)とは接触して熱可
塑性樹脂(A)からなるマトリックス中に分散してい
る。従って、比較例1に係る試験片の構造状態は、表1
に示されているように、接触型である。
【0064】図6〜7では、熱可塑性エラストマー
(B)と高分子重合体(C)とは熱可塑性樹脂(A)か
らなるマトリックス中に分散しているが、熱可塑性エラ
ストマー(B)と高分子重合体(C)とはそれぞれ独立
して、別々に熱可塑性樹脂(A)中に分散している。従
って、比較例2〜3に係る試験片の構造状態は、表1に
示されているように、分離型である。
【0065】また、これらの図2〜7に示される写真を
画像処理し、熱可塑性樹脂(A)からなるマトリックス
中に単独で存在する熱可塑性エラストマー(B)からな
る部について、熱可塑性エラストマー(B)からなる部
全体に対する体積分率(%)を求め、この求められた体
積分率(%)を、表1の「単独エラストマー(B)の体
積分率(%)」の欄に示した。さらに、熱可塑性エラス
トマー(B)からなる部に分散している高分子重合体
(C)からなる部について、高分子重合体(C)からな
る部全体に対する体積分率(%)を求め、この求められ
た体積分率(%)を、表1の「(B)中の重合体(C)
の体積分率(%)」の欄に示した。
【0066】さらにまた、実施例及び比較例で得られた
試験片[IZOD衝撃試験片(ノッチ付き)(ASTM D 2
56準拠)]について、23℃、0℃、−20℃、−40
℃におけるIZOD(アイゾット)衝撃強度(ASTM
D 256に準拠)を測定した。その結果を表1の
「IZOD衝撃強度」の欄に示した。
【0067】
【表1】
【0068】表1より、構造状態がカプセル型である実
施例1〜3に係る試験片は、IZOD衝撃強度が高く、
各温度における衝撃性が優れている。しかも、−40℃
という低温であっても、比較例に係る23℃のIZOD
衝撃強度と同等又はそれ以上であり、低温衝撃性が極め
て優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱可塑性樹脂組成物材料の構造を示す
概略断面図である。
【図2】実施例1に係る試験片の透過型電子顕微鏡によ
る写真を示す図である。
【図3】実施例2に係る試験片の透過型電子顕微鏡によ
る写真を示す図である。
【図4】実施例3に係る試験片の透過型電子顕微鏡によ
る写真を示す図である。
【図5】比較例1に係る試験片の透過型電子顕微鏡によ
る写真を示す図である。
【図6】比較例2に係る試験片の透過型電子顕微鏡によ
る写真を示す図である。
【図7】比較例3に係る試験片の透過型電子顕微鏡によ
る写真を示す図である。
【符号の説明】
1 熱可塑性樹脂組成物材料 2 熱可塑性樹脂(A)からなる樹脂部(a) 3 熱可塑性エラストマー(B)からなるエラストマ
ー部(b) 4 高分子重合体(C)からなる重合体部(c) 41 樹脂部(a)2中に分散している重合体部(c) 42 エラストマー部(b)3中に分散している重合体
部(c)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08L 77/00 C08L 77/00 Fターム(参考) 4F071 AA10 AA14 AA45 AA51 AA55 AA88 AF23 AH07 AH17 AH19 BA01 BB05 BC03 4J002 AC01X AC06X AC07X AC08X AC09X BB00W BB02W BB11W BB15X BB16W BC00W BC02W BC04X BG00W BL01X BN15W BP01W BP02X BP03X CB00W CF00W CF03W CF04W CF06W CF08W CF10X CF17X CG00W CG01W CH003 CH023 CH07W CH09W CK04X CL00W CL01W CL03W CL08X CM04W CN01W CN03W CP033 GC00 GM02 GN00 GQ00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂(A)からなる樹脂部
    (a)と、前記熱可塑性樹脂(A)と実質的に相溶性を
    有さず、ガラス転移温度が−40℃以下の熱可塑性エラ
    ストマー(B)からなるエラストマー部(b)と、前記
    熱可塑性樹脂(A)及び熱可塑性エラストマー(B)と
    実質的に相溶性を有さず、ガラス転移温度若しくは結晶
    化温度のいずれかが−50℃以下で且つ40℃における
    粘度が0.1〜200,000cPの高分子重合体
    (C)からなる重合体部(c)とを有する熱可塑性樹脂
    組成物材料であって、前記樹脂部(a)中に前記エラス
    トマー部(b)が分散し、且つ前記エラストマー部
    (b)中に前記重合体部(c)が分散している構造を有
    していることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物材料。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂(A)100重量部に対し
    て、熱可塑性エラストマー(B)が0.5〜100重量
    部、高分子重合体(C)が0.01〜10重量部の割合
    で含まれている請求項1記載の熱可塑性樹脂組成物材
    料。
  3. 【請求項3】 重合体部(c)が分散されているエラス
    トマー部(b)の割合が、エラストマー部(b)全量に
    対して30体積%以上であり、且つエラストマー部
    (b)中に分散している重合体部(c)の割合が、重合
    体部(c)全量に対して50体積%以上である請求項1
    又は2記載の熱可塑性樹脂組成物材料。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂(A)が、ポリアミド又は
    ポリエステルである請求項1〜3の何れかの項に記載の
    熱可塑性樹脂組成物材料。
  5. 【請求項5】 熱可塑性エラストマー(B)が、オレフ
    ィン系エラストマー又はスチレン系エラストマーである
    請求項1〜4の何れかの項に記載の熱可塑性樹脂組成物
    材料。
  6. 【請求項6】 高分子重合体(C)が、ポリエーテルで
    ある請求項1〜5の何れかの項に記載の熱可塑性樹脂組
    成物材料。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れかの項に記載の熱可
    塑性樹脂組成物材料からなる成形品。
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