JP2003103103A - 易重合性物質の蒸留方法およびこれに使用する蒸留装置 - Google Patents

易重合性物質の蒸留方法およびこれに使用する蒸留装置

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JP2003103103A
JP2003103103A JP2001304587A JP2001304587A JP2003103103A JP 2003103103 A JP2003103103 A JP 2003103103A JP 2001304587 A JP2001304587 A JP 2001304587A JP 2001304587 A JP2001304587 A JP 2001304587A JP 2003103103 A JP2003103103 A JP 2003103103A
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reflux
pipe
distillation
polymerizable substance
easily polymerizable
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Tomoyuki Watabe
知之 渡部
Takayuki Morifuji
崇行 森藤
Hideki Gondo
秀樹 権藤
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Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
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  • Vaporization, Distillation, Condensation, Sublimation, And Cold Traps (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクリル酸等のビニル化合物に代表される易
重合性物質の蒸留を行うに際して、重合物の生成を低減
し、蒸留塔の連続運転を可能にする蒸留方法およびこれ
に使用する蒸留装置を提供することである。 【解決手段】 易重合性物質を還流しながら蒸留するに
際して、蒸留塔内部に挿入された還流パイプ1の上面に
設けた開口部1bから還流液を還流パイプ外壁面1aを
濡らしながら流下させる。これにより、還流パイプ外壁
面において易重合性物質が凝縮して重合物が生成するの
を防止することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、分子中に二重結合
を有するアクリル酸等のビニル化合物で代表される易重
合性物質の蒸留方法およびこれに使用する蒸留装置に関
する。
【従来の技術】
【0002】易重合性物質は光や熱等によって重合しや
すい性質を有するため、蒸留工程のような高温下ではき
わめて重合しやすくなる。蒸留塔内で重合が生じると、
ロスにつながるのみならず、連続運転に支障を来し、生
産性が低下する。従って易重合性物質の蒸留精製におい
ては、重合防止は非常に重要な技術であり、従来より重
合禁止剤の種類や量や組み合わせ等に関する数多くの重
合防止方法が提案されている。
【0003】図3は、易重合性物質の蒸留に通常使用さ
れる蒸留装置を示している。この蒸留装置は、内部にラ
シヒリング等を充填した充填層30、31、32を備え
る蒸留塔、排出された蒸気を凝縮するためのコンデンサ
ー40等からなる。前記蒸留塔において、原料は原料供
給口33、33から塔内に供給される。一方、下部の蒸
気入口34からは蒸気が導入され、原料と向流接触しな
がら上昇し、上部の塔頂部35から排出される。
【0004】排出された蒸気は循環用の配管39を通じ
てコンデンサー40に送られ、冷却水により冷却されて
凝縮液となる。この凝縮液の一部はポンプ41により循
環用の配管42を通じて還流液入口36から還流液とし
て塔内へ供給され、残りは配管43を通じて留出液とし
て回収される。還流液と留出液との比率は調整弁44、
45により調整される。なお、37は缶出液を排出する
缶出液出口で、38は充填物抜き出し等のために設けら
れたマンホールである。
【0005】図5は、前記塔頂部35周辺の蒸留塔内部
の一例を示した概略図である。前記したように、コンデ
ンサー40により冷却された還流液は、還流液入口36
から塔内へ導入され、蒸留塔内部に挿入された還流パイ
プ46の下面に設けられた開口部46bから液分配器4
7に供給される。この液分配器47は、前記還流液を充
填層30の上部から均一に分散供給するために設けられ
たものである。液分配器47に供給された還流液は、矢
印48で示すように、充填物押さえ50を経て充填層3
0に流下する。一方、蒸気入口34(図3)から導入さ
れ、充填層32、31内を上昇してきた蒸気は、矢印4
9で示すように、充填層30において前記還流液と気液
接触する。その後、蒸気は、塔頂部35内をさらに上昇
し、配管39を通じてコンデンサー40に送られる。
【0006】図6は、塔頂部35周辺における蒸留塔内
部の他の一例を示した概略図である。前記したように、
還流液は、還流液入口36から塔内へ導入され、還流パ
イプ51の開口部51bから液分配器47に供給され
る。
【0007】上記のような蒸留装置を用いて易重合性物
質の蒸留を行う際に、蒸留塔の塔頂部に還流液を供給す
るための還流パイプにおいて重合物が生成することがあ
った。ここで生成した重合物が落下して液分配器に体積
すると、液分配器に目詰まりが生じるため、還流液を充
填層へ均一に分散供給することが困難となり、充填層内
部の充填物表面に液濡れ性のわるい部分が生じる。前記
したように、通常、還流液には重合禁止剤が添加されて
おり重合を防止する効果が見られるが、液濡れ性のわる
い部分には重合禁止剤がほとんど存在しないため、前記
充填物表面にも容易に重合物が生成する。このように重
合物が生成すると、それが核となって次第に成長蓄積し
て、塔内の圧力を上昇させ、遂には塔内が閉塞されてし
まうことになる。これが製品のロスを増加させるのみな
らず、蒸留塔の連続運転を妨げ生産性を低下させる大き
な要因になっている。また、生成した重合物を除去する
のは非常に困難であり、除去費用は多大となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の主たる目的
は、アクリル酸等のビニル化合物に代表される易重合性
物質の蒸留を行うに際して、重合物の生成を低減し、蒸
留塔の連続運転を可能にする蒸留方法を提供することで
ある。本発明の他の目的は、重合物の生成を低減し、蒸
留塔の連続運転を可能にする蒸留装置を提供することで
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、蒸留塔内で易重合
性物質が重合しやすい箇所は、易重合性物質を含む蒸気
が凝縮して、重合禁止剤が存在しない状態で液溜まりを
つくりやすい部位であることを見出した。また、蒸気
が、塔頂部内を上昇する際に、低温の還流液によって冷
却された還流パイプの外壁面に接触して冷却されること
により、還流パイプ外壁面において蒸気に含まれる易重
合性物質が凝縮することを見出した。これらのことか
ら、蒸留塔内部に挿入された還流パイプの上面に設けた
開口部から還流液を還流パイプの外壁面を濡らしながら
流下させることで、前記易重合性物質を含む蒸気が還流
パイプの外壁面のような重合禁止剤を含む液と接触しに
くい部位で凝縮しないようにすることにより、蒸留塔内
で易重合性物質が重合しやすい箇所の形成を防止できる
ことを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0010】すなわち、本発明における易重合性物質の
蒸留方法は、易重合性物質を還流しながら蒸留するに際
して、蒸留塔内部に挿入された還流パイプの上面に設け
た開口部から還流液を還流パイプの外壁面を濡らしなが
ら流下させることを特徴とする。
【0011】このように、還流液を還流パイプの上面に
設けた開口部から外壁面を濡らしながら流下させるの
で、還流パイプ外壁面においてアクリル酸等の易重合性
物質が凝縮して重合物が生成するのを防止することがで
きる。
【0012】本発明の蒸留装置は、蒸留塔と、この蒸留
塔から排出された蒸気を凝縮するためのコンデンサー
と、これらを繋ぐ循環用配管とを備えた蒸留装置であっ
て、前記配管から蒸留塔内部に挿入された還流パイプの
上面に開口部を設けたことを特徴とし、前記蒸留方法に
おいて好適に使用することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明の一実施形態を図1に示
す。図1は、本発明の易重合性物質を蒸留するための蒸
留装置における還流パイプ1周辺の構成を示した概略図
である。
【0014】図1に示す本発明で使用する還流パイプ1
は、図3に示した内部にラシヒリング等を充填した充填
層30、31、32を備える蒸留塔の塔頂部35内部に
位置するものである。
【0015】前記したように、蒸気入口34から導入さ
れた蒸気は、充填層30、31、32で原料と向流接触
しながら上昇し、蒸留塔上部の塔頂部35から排出され
る。塔頂部35から排出された蒸気は、コンデンサー4
0により冷却され凝縮液となる。この凝縮液の一部は、
還流液として還流液入口36から塔頂部35へ導入され
る。残りの凝縮液は配管43を通じて留出液として回収
される。
【0016】塔頂部35へ導入された還流液は、還流パ
イプ1の上面に設けた開口部1bから還流パイプ外壁面
1aに沿って流下する。この流下した還流液は、液分配
器47に供給され、さらに矢印48で示すように、充填
物押さえ50を経て充填層30に流下する。
【0017】図2は、還流パイプ1を示す部分拡大平面
図である。図2において、矢印2は還流液の流れを示
す。還流パイプ1には、複数の穴1bが設けられてお
り、この穴1bから溢れ出した還流液は、矢印2で示す
ように、還流パイプ外壁面1aに沿って流下する。この
ように、還流液が還流パイプ外壁面1aを濡らしながら
流下するので、この外壁面1aにおいてアクリル酸等の
易重合性物質が凝縮して重合物が生成するのを防止する
ことができる。
【0018】前記還流パイプ1に設ける穴1bの個数、
穴径、穴間隔等は、還流液によって還流パイプ1のほぼ
全面が濡れるように設定するのが好ましく、還流量、還
流パイプ1のパイプ径、パイプ長さ等を考慮して決定す
ればよい。具体的には、例えば還流パイプ1のパイプ径
は20〜65mm程度、還流パイプ1に設ける穴1bの
穴径はφ1〜3mm程度のものが一般的である。
【0019】また、蒸留操作においては、重合防止剤を
還流液に添加してもよい。重合防止剤としては、例えば
ジブチルジチオカルバミン酸金属塩(銅、マンガン等)、
フェノチアジン、メトキノン、ハイドロキノン等の1種
または2種以上が挙げられる。重合防止剤の添加量は、
還流液100重量部に対して約0.005〜0.1重量
部であるのがよい。
【0020】前記易重合性物質としては、アクリル酸の
他、メタクリル酸等の共役酸またはそのエステル、アミ
ド、ニトリル等の誘導体(アクリル酸メチル、メタクリ
ル酸メチル、アクリルアミド、アクリロニトリル等)、
共役アルデヒドおよびケトン(アクロレイン、メタクロ
レイン、メチルビニルケトン等)、ハロゲン化ビニル
(塩化ビニル等)、ビニル基置換芳香族化合物(スチレ
ン等)、カルボン酸ビニル(酢酸ビニル等)、ビニルエ
ーテル(メチルビニルエーテル等)、1,3―ジオレフ
ィン(ブタジエン、イソプレン等)、エチレンおよびア
ルキル置換エチレン(プロピレン等)が挙げられる。
【0021】なお、開口部としては、上記の一実施形態
で示したような複数の穴からなるものに限定されること
はなく、例えばパイプの長手方向に形成されたスリット
などを採用することもできる。また、本発明において
は、図1に示した還流パイプ1に替えて、図4に示すよ
うなラダーパイプ61を使用することもできる。図4は
ラダーパイプ61の平面図である。このラダーパイプ6
1は、主パイプ62と、この主パイプ62から枝分かれ
した複数のパイプ63とからなる。主パイプ62および
パイプ63の上面には複数の開口部64が設けられてい
る。前記主パイプ62の一端から還流液が供給される
と、この還流液は、前記開口部64から主パイプ62お
よびパイプ63の外壁面に沿って流下する。これによ
り、前記還流パイプ1と同様にして、主パイプ62およ
びパイプ63の外壁面において易重合性物質が凝縮して
重合物が生成するのを防止することができる。
【0022】
【実施例】以下、実施例および比較例を挙げて本発明を
詳細に説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定さ
れるものではない。
【0023】実施例 アクリル酸を蒸留により精製するために、図1に示すよ
うな上面に開口部が設けられた還流パイプ1を備えた蒸
留装置を用いて長期連続運転を行った。この時、重合防
止剤として少量のフェノチアジンおよびメトキノンを還
流液に添加して運転した。連続運転の間、定期的に充填
層の差圧上昇傾向と、液分配器47、充填物などへの重
合物付着状況とを調べた。
【0024】比較例 アクリル酸を蒸留により精製するために、図5に示すよ
うな下面に開口部が設けられた還流パイプ46を備えた
他は、実施例と同様な蒸留装置を用いて長期連続運転を
行い、定期的に充填層の差圧上昇傾向と、液分配器4
7、充填物などへの重合物付着状況とを調べた。
【0025】実施例および比較例の長期連続運転結果を
表1に示す。
【表1】
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、還流液を還流パイプの
上面に設けた開口部から外壁面を濡らしながら流下させ
るので、還流パイプ外壁面においてアクリル酸等の易重
合性物質が凝縮して重合物が生成するのを防止すること
ができ、蒸留塔の連続運転が可能になるという効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である蒸留装置に使用する
還流パイプの周辺を示す概略図である。
【図2】本発明の一実施形態である還流パイプを示す部
分拡大平面図である。
【図3】蒸留装置を示す概略図である。
【図4】ラダーパイプを示す平面図である。
【図5】従来の蒸留装置に使用する還流パイプの周辺を
示す概略図である。
【図6】従来の蒸留装置に使用する還流パイプの周辺を
示す概略図である。
【符号の説明】
1 還流パイプ 1a 還流パイプ外壁面 1b 穴 2 還流液の流れ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 権藤 秀樹 愛媛県新居浜市惣開町5番1号 住友化学 工業株式会社内 Fターム(参考) 4D076 AA07 AA16 AA21 BB04 CA11 JA02 4H006 AA02 AD11 BD82 BS10

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】易重合性物質を還流しながら蒸留するに際
    して、蒸留塔内部に挿入された還流パイプの上面に設け
    た開口部から還流液を還流パイプの外壁面を濡らしなが
    ら流下させることを特徴とする易重合性物質の蒸留方
    法。
  2. 【請求項2】前記開口部が複数の穴からなる請求項1記
    載の易重合性物質の蒸留方法。
  3. 【請求項3】前記易重合性物質がビニル化合物である請
    求項1または2記載の易重合性物質の蒸留方法。
  4. 【請求項4】蒸留塔と、この蒸留塔から排出された蒸気
    を凝縮するためのコンデンサーと、これらを繋ぐ循環用
    配管とを備えた蒸留装置であって、前記配管から蒸留塔
    内部に挿入された還流パイプの上面に開口部を設けたこ
    とを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の蒸留
    方法に使用する蒸留装置。
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