JP2003128596A - フェニルエタン誘導体の製造方法 - Google Patents

フェニルエタン誘導体の製造方法

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JP2003128596A
JP2003128596A JP2001321049A JP2001321049A JP2003128596A JP 2003128596 A JP2003128596 A JP 2003128596A JP 2001321049 A JP2001321049 A JP 2001321049A JP 2001321049 A JP2001321049 A JP 2001321049A JP 2003128596 A JP2003128596 A JP 2003128596A
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copper salt
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copper
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JP2001321049A
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English (en)
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Atsuko Fujita
敦子 藤田
Mitsuyo Sugiura
光代 杉浦
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JNC Corp
JNC Petrochemical Corp
Original Assignee
Chisso Petrochemical Corp
Chisso Corp
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Publication date
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  • Heterocyclic Compounds That Contain Two Or More Ring Oxygen Atoms (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】フェニルエタン誘導体を簡便な方法で安価に提
供すること。 【解決手段】式(1)の化合物と式(2)の化合物を銅
塩触媒存在下に反応させる、式(3)のフェニルエタン
誘導体の製造方法。これらの式中、A〜Aは1,4
−フェニレンまたは1,4−シクロヘキシレンである
が、AとAは単結合であってもよく;Z〜Z
単結合、CHCH、CHO、OCH、COO、
OCO、CFO、OCF、CH=CHまたはC≡C
であり;RはH、F、アルキル、4,4−エチレンジ
オキシシクロヘキシルまたは4,4−トリメチレンジオ
キシシクロヘキシルであり、RはH、ハロゲン原子、
シアノ基、チオシアノ基またはアルキルであり;Xはハ
ロゲン、アルキルスルホニルオキシまたはアリールスル
ホニルオキシであり;YはMgBr、MgClまたはL
iであり;n、mおよびpは0または1であり、qは0
〜4の整数である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主に液晶化合物および
液晶化合物の合成原料として有用なフェニルエタン誘導
体を、銅塩存在下に製造する方法に関する。
【0002】
【背景技術】液晶性化合物を用いた表示素子は、時計、
電卓、ワ−プロなどのディスプレイに広く利用されてい
る。これらの表示素子は液晶性化合物の屈折率異方性、
誘電率異方性などを利用したものである。液晶相には、
ネマチック液晶相、スメクチック液晶相、コレステリッ
ク液晶相があるが、ネマチック液晶相を利用したものが
最も広く用いられている。また表示方式としては動的散
乱(DS)型、配向相変形(DAP)型、ゲスト/ホス
ト(GH)型、ねじれネマチック(TN)型、超ねじれ
ネマチック(STN)型、薄膜トランジスタ(TFT)
型、インプレ−ンスイッチング(IPS)型などがあ
る。
【0003】特に近年、小型ビデオ、携帯電話、車内パ
ネル用等の、広い動作温度範囲を要求される液晶表示素
子の普及に伴い、液晶組成物の低温相溶性が良好な表示
を提供できる特性要素になってきた。従来の液晶分子の
分子構造としては、液晶温度レンジが広い、誘電率異方
性が大きい、光学的異方性が大きい等の特性を有する点
を考慮して、6員環構造が直結した、剛直な直線状が好
ましいとされてきた。しかし、これらの剛直な液晶分子
を含む液晶組成物は結晶性が高いか、あるいは低温でス
メクチック相を示す等の不具合を呈する割合が高い。そ
こで、比較的良好な液晶物性を有し、低温で表示に適し
たネマチック相を保持しやすい特徴を有する、液晶分子
構造中にエチレン結合(本発明における「エチレン結
合」は、炭素炭素二重結合ではなく、結合基としてのエ
チレン鎖(−CHCH−)を意味する。)を有する
化合物が注目されるようになってきた。エチレン結合を
有する液晶性化合物が、低温領域にネマチック相を拡大
させる効果を有することは液晶便覧(液晶便覧編集委員
会編、平成12年、丸善株式会社、318ページ)にも
記載されており、周知の事実である。これら、エチレン
結合を有する液晶化合物はエチレン結合を持たない液晶
化合物に比較して、比較的低い透明点、高い相溶性を有
し、上述の広い動作温度範囲を要求される液晶表示パネ
ル用液晶組成物の構成要素として、年々その使用量が増
えている。
【0004】ところが、このようなエチレン結合を有す
る液晶分子は、そのエチレン鎖の導入が容易ではなく製
造工程が増えるため、安価に提供しにくいとの欠点があ
る。 たとえば上記の式(5)のような構造を有する液晶化合
物は、従来用いられてきた式(4)の化合物に比較して
相溶性の点で優れるが、式(5)の化合物はエチレン鎖
を含むために合成段数が長く、式(4)の化合物に比較
して非常に高価である。
【0005】式(5)の化合物は、従来はスキーム1に
示されるようなフリーデルクラフツ反応を経由する方法
が多く用いられていた。 (スキーム1)
【0006】しかしながらフリーデルクラフツ反応には
通常、塩化メチレン、ジクロロエタン等のハロゲン系溶
剤が使用される。そして、ハロゲン系溶剤はその多くが
毒性、変異原性、発ガン性等を有することがわかってき
たので、最近ではスキーム2に示されるようなグリニャ
ール反応を経由する方法に変わってきている。しかしな
がらこの方法は、シクロヘキセン環のシス−トランス選
択性が低く、また工程数も多いため簡便な方法とは言い
難く、従って高い製造コストを要する方法である。(ス
キーム2)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、フェ
ニルエタン構造を有する液晶性化合物またはその合成中
間体を製造する方法に関して、上記の従来技術の欠点を
解消し、簡便であり低コストの方法を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題の
解決のため鋭意検討の結果、銅塩を触媒として式(1)
で示される化合物と式(2)で示される有機金属化合物
を反応させ、高選択的かつ高収率で式(3)で示される
フェニルエタン誘導体を合成する方法を確立した。即
ち、本発明は下記の構成からなる。 (1)式(1)で示される化合物と式(2)で示される
化合物を銅塩触媒存在下に反応させることを特徴とす
る、式(3)で示されるフェニルエタン誘導体の製造方
法。 (これらの式において、A〜Aはそれぞれ独立し
て、1個以上のHがFで置き換えられてもよい1,4−
フェニレン、1個もしくは2個の−CH=が−N=で置
き換えられてもよい1,4−フェニレン、または1個も
しくは連続しない2個の−CH−が−O−もしくは−
S−で置き換えられてもよい1,4−シクロヘキシレン
であり、このうちAおよび/またはAは単結合であ
ってもよく;Z〜Zはそれぞれ独立して、単結合、
CHCH、CHO、OCH、COO、OCO、
CFO、OCF、CH=CHまたはC≡Cであり;
はH、F、4,4−エチレンジオキシシクロヘキシ
ル、または4,4−トリメチレンジオキシシクロヘキシ
ルであり、RはH、ハロゲン原子、シアノ基、または
チオシアノ基であり、またRおよびRはそれぞれ独
立して炭素数1〜15のアルキルであってもよく、この
アルキル中の1個以上の−CH−は−O−、−S−お
よび−CH=CH−のうちの1種または2種の基で置き
換えられてもよいが、末端の−CH−が−O−または
−S−で置き換えられることはなく、複数の−O−また
は−S−が連続することも−O−と−S−が連続するこ
ともなく、またこのアルキル中の1個以上のHはFで置
き換えられてもよく;Xはハロゲン、1個以上のHがF
で置き換えられてもよいアルキルスルホニルオキシ、ま
たはアリールスルホニルオキシであり;YはMgBr、
MgClまたはLiであり;n、mおよびpは、それぞ
れ独立して0または1であり、qは0〜4の整数であ
る。) (2)銅塩触媒が一価の銅塩である、前記(1)項に記
載のフェニルエタン誘導体の製造方法。 (3)Xがヨウ素原子、トリフルオロメタンスルホニル
オキシ基またはパラトルエンスルホニルオキシ基であ
る、前記(1)項に記載のフェニルエタン誘導体の製造
方法。 (4)Aが1,4−シクロヘキシレンである、前記
(1)項に記載のフェニルエタン誘導体の製造方法。 (5)Aが1,4−シクロヘキシレンであり、銅塩触
媒が一価の銅塩である、前記(1)項に記載のフェニル
エタン誘導体の製造方法。 (6)Aが1,4−シクロヘキシレンであり、銅塩触
媒が一価の銅塩であり、Xがヨウ素、トリフルオロメタ
ンスルホニルオキシ基またはパラトルエンスルホニルオ
キシ基である、前記(1)項に記載のフェニルエタン誘
導体の製造方法。 (7)一価の銅塩がシアン化銅、臭化銅、ヨウ化銅また
はこれらの混合物である、前記(2)、(5)および
(6)項のいずれか1項に記載のフェニルエタン誘導体
の製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、式(1)で示される化
合物と式(2)で示される化合物を銅塩触媒存在下に反
応させることを特徴とする、式(3)で示されるフェニ
ルエタン誘導体の製造方法である。
【0010】式(1)および式(3)におけるRは、
H、F、4,4−エチレンジオキシシクロヘキシル、
4,4−トリメチレンジオキシシクロヘキシル、または
炭素数1〜15のアルキルである。そして、このアルキ
ル中の1個以上の−CH−は−O−、−S−および−
CH=CH−のうちの1種または2種の基で置き換えら
れてもよいが、末端が−OHまたは−SHになる場合は
含まれず、複数の−O−または−S−が連続する場合や
−O−と−S−が連続する場合も含まれない。またこの
アルキル中の1個以上のHはFで置き換えられてもよ
い。Rが無置換のアルキルである場合の例としては、
メチル、エチル、n−プロピル、ブチル、ペンチル、ヘ
キシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデ
シル、ドデシル、トリデシル、ペンタデシル等の直鎖状
のアルキルや、イソブチル、2−メチルブチル、2−オ
クチル、3,3−ジメチルノニル等の分岐状のアルキル
が挙げられる。
【0011】Rが1個以上の−CH−が−O−で置
き換えられているアルキルである場合の例としては、メ
トキシ、エトキシ、プロピルオキシ、ブトキシ、ヘキシ
ルオキシ、ヘプチルオキシ、デシルオキシおよびドデシ
ルオキシ等の直鎖状のアルコキシ、イソプロピルオキ
シ、t−ブチルオキシオキシ、2−オクチルオキシおよ
び4−メチルノニルオキシ等の分岐状のアルコキシ、メ
トキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル、エト
キシエチル、プロポキシメチル、ヘキシルオキシメチル
およびペンチルオキシプロピル等のアルコキシアルキ
ル、メトキシエトキシメチル、エトキシプロポキシメチ
ル、プロポキシプロポキシエチルおよびブトキシメトキ
シメチル等のアルコキシアルコキシアルキル、およびメ
トキシメトキシ、エトキシメトキシ、プロポキシメトキ
シ、メトキシブトキシおよびブトキシヘキシルオキシ等
のアルコキシアルコキシ等が挙げられる。
【0012】Rが1個以上の−CH−が−S−で置
き換えられているアルキルである場合の例としては、メ
チルチオ、エチルチオ、プロピルチオ、ブチルチオ、ペ
ンチルチオ、ヘキシルチオ、ヘプチルチオ、ノニルチ
オ、デシルチオおよびウンデシルチオ等のアルキルチオ
や、メチルチオメチル、エチルチオメチル、エチルチオ
プロピルおよびブチルチオメチル等のアルキルチオアル
キル等が挙げられる。
【0013】Rが1個以上の−CH−が−CH=C
H−で置き換えられていてもよいアルキルである場合の
例としては、ビニル、1−プロペニル、1−ブテニル、
3−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−
ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、1−ヘ
プテニル、3−へプテニル、5−ヘプテニル、1−ノネ
ニル、3−ノネニル、5−ノネニル、3−ドデセニルお
よび7−ドデセニル等の直鎖状のアルケニル、1,3−
ブタジエニル、1,5−ヘキサジエニル、1,5−ヘプ
タジエニルおよび1,5−ノナジエニル等の直鎖状のジ
エニル、およびイソプロペニル、3−メチル−3−ブテ
ニルおよび3−メチル−1−ブテニル等の分岐状のアル
ケニル等が挙げられる。
【0014】2個の−CH−が−CH=CH−とOで
置き換えられているアルキルである場合のRの例とし
ては、2−プロペニルオキシ、ビニルオキシメチル、2
−ブテニルオキシおよび3−ブテニルオキシメチル等の
アルケニルオキシまたはアルケニルオキシアルキルが挙
げられる。
【0015】1個以上のHがFで置き換えられているア
ルキルである場合のRの例としては、フルオロメチ
ル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、1,1,
2−トリフルオロエチル、2,2−ジフルオロエチル、
ペンタフルオロエチル、1,2,2−トリフルオロプロ
ピル、4,4,6,6−テトラフルオロブチルおよび
3,3,4,4,5,5,6,6−オクタフルオロオク
チル等のフルオロアルキルが挙げられる。
【0016】1個以上のHがFで置き換えられ、同時に
1個の−CH−が−O−で置き換えられているアルキ
ルである場合のRの例としては、トリフルオロメトキ
シ、2,2−ジフルオロエトキシ、ペンタフルオロエト
キシ、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルオ
キシおよびパ−フルオロヘキシルオキシ等のフルオロア
ルコキシが挙げられる。
【0017】そして、1個以上のHがFで置き換えら
れ、同時に1個の−CH−が−CH=CH−で置き換
えられているアルキルである場合のRの例として、
2,2−ジフルオロビニル、3,3−ジフルオロ−2−
プロペニルおよび4,4−ジフルオロ−3−ブテニル等
のフルオロアルケニルが挙げられる。
【0018】式(2)および式(3)におけるRは、
H、ハロゲン原子、シアノ基、チオシアノ基、または炭
素数1〜15のアルキルである。このアルキル中の1個
以上の−CH−は−O−、−S−および−CH=CH
−のうちの1種または2種の基で置き換えられてもよい
が、末端が−OHまたは−SHになる場合は含まれず、
複数の−O−または−S−が連続する場合や−O−と−
S−が連続する場合も含まれない。またこのアルキル中
の1個以上のHはFで置き換えられてもよい。そして、
がアルキルである場合の例としては、Rがアルキ
ルである場合の例として挙げた上述の例と同様の基を挙
げることができる。
【0019】式(1)〜式(3)におけるA〜A
は、それぞれ独立して、1個以上のHがFで置き換え
られてもよい1,4−フェニレン、1個もしくは2個の
−CH=が−N=で置き換えられてもよい1,4−フェ
ニレン、または1個もしくは連続しない2個の−CH
−が−O−もしくは−S−で置き換えられてもよい1,
4−シクロヘキシレンである。これらの具体例の一部と
して、無置換の1,4−フェニレン、2−フルオロ−
1,4−フェニレン、3−フルオロ−1,4−フェニレ
ン、2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン、2,6
−ジフルオロ−1,4−フェニレン、3,5−ジフルオ
ロ−1,4−フェニレン、ピリジン−2,5−ジイル、
ピリミジン−2,5−ジイル、1,4−シクロヘキシレ
ン、1,4−ジオキサン−2,5−ジイル、1,3−ジ
オキサン−2,5−ジイル、チアン−2,5−ジイル、
1,3−ジチアン−2,5−ジイル、および1,4−ジ
チアン−2,5−ジイル等を挙げることができる。な
お、Aおよび/またはAは単結合であってもよい。
そして、Aは1,4−シクロヘキシレンであることが
好ましい。
【0020】式(1)〜式(3)におけるZ〜Z
それぞれ独立して、単結合、CHCH、CHO、
OCH、COO、OCO、CFO、OCF、CH
=CHまたはC≡Cである。
【0021】式(1)におけるXはハロゲン、1個以上
のHがFで置き換えられてもよいアルキルスルホニルオ
キシ、またはアリールスルホニルオキシである。アルキ
ルスルホニルオキシの例としては、メタンスルホニルオ
キシ、フルオロメタンスルホニルオキシ、ジフルオロメ
タンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニル
オキシ、エタンスルホニルオキシおよびトリフルオロエ
タンスルホニルオキシ等が挙げられる。また、アリール
スルホニルオキシの例としては、ベンゼンスルホニルオ
キシおよびパラトルエンスルホニルオキシ等が挙げられ
る。
【0022】式(2)で示される化合物は有機金属化合
物である。即ち、式(2)中のYはMgBr、MgCl
またはLiである。そして、式(1)〜式(3)におけ
るn、mおよびpは、それぞれ独立して0または1であ
り、qは0〜4の整数である。なお、式(1)および式
(3)で示される化合物は、光学異性体を含むものであ
ってもよい。
【0023】本発明で用いる銅塩触媒としては一価また
は二価の銅塩が好ましい。一価の銅塩としてはヨウ化銅
(I)、臭化銅(I)、シアン化銅(I)、酢酸銅
(I)、またはチオシアン化銅(I)が好ましい。二価
の銅塩触媒としては塩化銅(II)、フッ化銅(II)、臭
化銅(II)、酢酸銅(II)が好ましく、これらの二価の
銅塩は塩化リチウム、臭化リチウム等のリチウム塩と混
合して用いてもよい。この場合のリチウム塩の添加量は
銅塩に対して10〜200モル%の範囲で選択される
が、反応収率を考慮すると銅塩に対し等モル程度が好ま
しい。そして、本発明で用いる好ましい銅塩触媒は一価
の銅塩であり、中でもシアン化銅、臭化銅、ヨウ化銅ま
たはこれらの混合物が更に好ましい。なお、本発明で用
いる銅塩触媒の添加量は、式(1)で示される化合物に
対し0.5〜100モル%の範囲で選択され、好ましく
は5〜50モル%、さらに好ましくは10〜30モル%
である。
【0024】本発明の反応で用いられる反応溶媒は反応
自体を阻害しないものであればよく、一般的な溶剤から
選択して用いることができる。即ち、ペンタン、ヘキサ
ン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、トルエ
ン、ベンゼン等の芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、
テトラヒドロフラン、ジオキサン、三級ブチルメチルエ
ーテル等のエーテル系溶剤、およびジメチルホルムアミ
ド、N−メチルピロリジノン等のアミド系溶剤等から選
択して、単独溶媒または複数の溶剤の混合溶媒として用
いることが好ましい。
【0025】本発明の反応は−70℃から150℃の間
で行うことができる。そしてこの反応温度範囲は、操作
の簡便性の点で−50℃から溶媒の沸点の間が好まし
く、反応収率が良好である点で−20〜50℃がさらに
好ましい。
【0026】反応終了後に反応系から生成物を単離する
には、通常の化学操作で用いられる方法を適用すること
ができる。たとえば、反応液に水を加えて未反応の式
(2)の化合物を失活させた後、有機溶媒で抽出するこ
とによって反応系から生成物を取り出すことができる。
反応生成物をより純度の高い状態にする必要がある場合
には、再結晶、蒸留、シリカゲルクロマトグラフィー等
の精製操作を、単独であるいは組み合わせて実施すれば
よい。または、反応生成物を精製することなく官能基を
変換して、より精製が容易な化合物に変換した後に、上
記の精製操作を単独であるいは組み合わせて実施しても
よい。
【0027】本発明の原料である式(1)の化合物は、
一般的に知られた簡便な方法で合成できる。すなわち、
Xがハロゲン原子である場合の化合物は、式(1)にお
いてXがOHであるアルコール誘導体に、ハロゲン化水
素酸または一般的に用いられるハロゲン化剤を反応させ
ることによって合成される。一般的に用いられるハロゲ
ン化剤としては、ホスフィン−ハロゲン錯体やN−ハロ
ゲン化スクシンイミド等が挙げられる。Xがスルホニル
オキシ基である化合物は、式(1)においてXがOHで
あるアルコール誘導体を、トリエチルアミン、ジエチル
アミン等の三級アミン、ピリジン、またはジメチルアミ
ノピリジン等の塩基の存在下に、置換スルホニルクロリ
ドまたはスルホン酸無水物と反応させることによって高
収率で合成される。
【0028】本発明の原料である式(2)の有機金属化
合物は、式(2)においてYがハロゲンである化合物
を、一般的な手法に基づいて金属マグネシウム、金属リ
チウム等と反応させることによって合成される。また、
YがLiである化合物は、このハロゲン化物をアルキル
リチウムの溶液で処理することによっても合成すること
ができる。これらの有機金属化合物は、反応後に単離さ
れなくてもよい。反応溶液のまま次の反応に用いること
が、操作が簡便な点で好ましい。そのため、有機金属化
合物の合成反応における溶媒は、フェニルエタン誘導体
の合成反応を阻害しないような溶媒であることが必要で
あり、フェニルエタン誘導体の合成反応で使用すること
ができる前記の溶剤を用いることが好ましい。
【0029】
【実施例】さらに本発明を実施例を挙げて詳しく説明す
るが、本発明はこれら実施例に限定されるものではな
い。 実施例1 4−(2−(トランス−4−ペンチルシクロヘキシル)
エチル)フェニル t−ブチルエーテル(式(3)にお
いて、R=ペンチル、A=1,4−シクロヘキシ
ル、R=t−ブチルオキシ、n=m=p=q=0であ
る化合物)の合成十分に乾燥したヨウ化銅(I)1.6
6g(8.72mmol)と、2−(トランス−4−ペ
ンチルシクロヘキシル)エチル パラトルエンスルホネ
ート15.6g(44.3mmol)をTHF150m
lに懸濁させた溶液を室温下に撹拌しながら、これに
1.75Mの4−t−ブチルオキシフェニルマグネシウ
ムクロリド溶液36.5ml(63.9mmol)をゆ
っくりと滴下した。滴下終了後反応液を更に4時間撹拌
した。その後反応液を0.5N塩酸240mlに注い
で、析出した結晶を濾別した。そして、濾液をトルエン
100mlずつを用いて3回抽出した。有機層を水洗
し、飽和重曹水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
した後、減圧下に濃縮して橙色油状物17.55gを得
た。このものは各種分析の結果、表題化合物の含有率が
83%の混合物であることを確認した。 GCMS(EI):331(M+)、107,315,
275,274、41,29,57 H−NMR(ppm、CDCl)δ:7.08(2
H,d,J=10.0Hz)、6.88(2H,d,J
=10.0Hz)、2.56(2H,dd,J=6.
3,9.8Hz)0.6〜1.9(22H,m)
【0030】実施例2 4−(2−(4,4−エチレンジオキシシクロヘキシ
ル)エチル)ブロモベンゼン(式(3)において、R
=4,4−エチレンジオキシシクロヘキシル、A =単
結合、R=Br、n=m=p=q=0である化合物)
の合成 十分に乾燥したヨウ化銅(I)1.00g(5.25m
mol)と、2−(4,4−エチレンジオキシシクロヘ
キシル)エチル パラトルエンスルホネート10.2g
(30.0mmol)をTHF20mlに懸濁させた溶
液を室温下に撹拌しながら、これにTHF20ml中で
1,4−ジブロモベンゼン12.5g(53.0mmo
l)とマグネシウム1.25g(51.4mmol)か
ら調製した、4−ブロモフェニルマグネシウムブロミド
溶液をゆっくりと滴下した。滴下終了後反応液を更に4
時間撹拌し、0.5N塩酸240mlに注いで、析出し
た結晶を濾別した。そして、濾液をトルエン100ml
ずつを用いて3回抽出した。有機層を水洗し、飽和重曹
水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧
下に濃縮して橙色油状物11.1gを得た。シリカゲル
カラムクロマトグラフィーを用いて単離精製し、無色結
晶7.50g(23.1mmol、収率77%)を得
た。この生成物は、各種分析の結果表題化合物であるこ
とが確認された。 GCMS(EI):325(M+), H−NMR(ppm、CDCl)δ:7.39(2
H,d,J=8.3Hz),7.03(2H,d,J=
8.3Hz),3.94(4H、s),2.57(2
H、dd,J=8.1,9.8Hz)
【0031】実施例3 4−(2−(トランス−4−(トランス−4−ペンチル
シクロヘキシル)シクロヘキシル)エチル)−(2−オ
クチル)オキシベンゼン(式(3)において、R=ペ
ンチル、A=1,4−シクロヘキシレン、A=1,
4−シクロヘキシレン、R=2−オクチルオキシ、n
=1,m=p=q=0である化合物)の合成 十分に乾燥したヨウ化銅(I)140mg(0.735
mmol)と、2−(トランス−4−(トランス−4−
ペンチルシクロヘキシル)シクロヘキシルエチル パラ
トルエンスルホネート1.60g(3.68mmol)
をTHF10mlに懸濁させた溶液を室温下に撹拌しな
がら、これに濃度1Mの4−(2−オクチル)オキシフ
ェニルマグネシウムブロミド溶液10.0ml(10.
0mmol)をゆっくりと滴下した。滴下終了後反応液
を更に4時間撹拌してから、0.5N塩酸10mlに注
いで、析出した結晶を濾別した。そして、濾液をトルエ
ン10mlずつを用いて3回抽出した。有機層を水洗
し、飽和重曹水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
した後、減圧下に濃縮して黄色油状物3.00gを得
た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて単離
精製し、無色結晶1.60gを得た。さらにエタノール
10mlを用いて再結晶を行い、無色結晶1.00g
(2.13mmol、収率58%)を得た。この生成物
は、各種分析の結果表題化合物であることが確認され
た。 GCMS(EI):469(M+), H−NMR(ppm、CDCl)δ:7.06(2
H,d,J=8.5),6.79(2H,d,J=8.
5Hz),4.29(1H、tdd,J=6.1,6.
1,6.1Hz),2.54(2H、m),0.8〜
1.83(48H,m) 結晶―スメクチックB相転移点 −5.0℃ スメクチックB相―等方相転移点 128.3℃
【0032】実施例4 5−(2−(トランス−4−(トランス−4−エチルシ
クロヘキシル)シクロヘキシル)エチル)−1,2,3
−トリフルオロベンゼン(式(3)において、R=エ
チル、A=1,4−シクロヘキシレン、A=1,4
−シクロヘキシレン、R=F、n=1、q=2である
化合物)の合成 十分に乾燥したヨウ化銅(I)140mg(0.735
mmol)と、2−(トランス−4−(トランス−4−
エチルシクロヘキシル)シクロヘキシルエチルパラトル
エンスルホネート3.00g(7.64mmol)をT
HF20mlに懸濁させた溶液を室温下に撹拌しなが
ら、これに濃度1Mの1,2,3−トリフルオロフェニ
ルマグネシウムブロミド溶液20.0ml(20.0m
mol)をゆっくりと滴下した。滴下終了後反応液を更
に5時間撹拌してから、冷0.5N塩酸20mlに注い
で、析出した結晶を濾別した。濾液をトルエン10ml
ずつを用いて3回抽出した。有機層を水洗し、飽和重曹
水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、減圧
下に濃縮して黄色油状物4.90gを得た。シリカゲル
カラムクロマトグラフィーを用いて単離精製し、無色結
晶3.60gを得た。さらにエタノール30mlを用い
て再結晶し、無色結晶2.30g(6.53mmol、
収率85%)を得た。この生成物は、各種分析の結果表
題化合物であることが確認された。 GCMS(EI):352(M+), H−NMR(ppm、CDCl)δ:6.76(2
H,m),2.65(2H,t,J=7.5Hz),
0.8〜1.83(278H,m) 結晶―ネマチック相転移温度 64.3℃ ネマチック相―等方相転移温度 65.5℃
【0033】
【発明の効果】本発明の方法によって、主に液晶化合物
および液晶化合物の合成原料として有用なフェニルエタ
ン誘導体を、簡便に低コストで製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 C07M 9:00 C07M 9:00 Fターム(参考) 4C022 FA02 4H006 AA02 AC22 BA05 BA37 BB25 BC10 BC34 BE24 GP03 4H039 CA41 CD20

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式(1)で示される化合物と式(2)で示
    される化合物を銅塩触媒存在下に反応させることを特徴
    とする、式(3)で示されるフェニルエタン誘導体の製
    造方法。 (これらの式において、A〜Aはそれぞれ独立し
    て、1個以上のHがFで置き換えられてもよい1,4−
    フェニレン、1個もしくは2個の−CH=が−N=で置
    き換えられてもよい1,4−フェニレン、または1個も
    しくは連続しない2個の−CH−が−O−もしくは−
    S−で置き換えられてもよい1,4−シクロヘキシレン
    であり、このうちAおよび/またはAは単結合であ
    ってもよく;Z〜Zはそれぞれ独立して、単結合、
    CHCH、CHO、OCH、COO、OCO、
    CFO、OCF、CH=CHまたはC≡Cであり;
    はH、F、4,4−エチレンジオキシシクロヘキシ
    ル、または4,4−トリメチレンジオキシシクロヘキシ
    ルであり、RはH、ハロゲン原子、シアノ基、または
    チオシアノ基であり、またRおよびRはそれぞれ独
    立して炭素数1〜15のアルキルであってもよく、この
    アルキル中の1個以上の−CH−は−O−、−S−お
    よび−CH=CH−のうちの1種または2種の基で置き
    換えられてもよいが、末端の−CH−が−O−または
    −S−で置き換えられることはなく、複数の−O−また
    は−S−が連続することも−O−と−S−が連続するこ
    ともなく、またこのアルキル中の1個以上のHはFで置
    き換えられてもよく;Xはハロゲン、1個以上のHがF
    で置き換えられてもよいアルキルスルホニルオキシ、ま
    たはアリールスルホニルオキシであり;YはMgBr、
    MgClまたはLiであり;n、mおよびpは、それぞ
    れ独立して0または1であり、qは0〜4の整数であ
    る。)
  2. 【請求項2】銅塩触媒が一価の銅塩である、請求項1に
    記載のフェニルエタン誘導体の製造方法。
  3. 【請求項3】Xがヨウ素原子、トリフルオロメタンスル
    ホニルオキシ基またはパラトルエンスルホニルオキシ基
    である、請求項1に記載のフェニルエタン誘導体の製造
    方法。
  4. 【請求項4】Aが1,4−シクロヘキシレンである、
    請求項1に記載のフェニルエタン誘導体の製造方法。
  5. 【請求項5】Aが1,4−シクロヘキシレンであり、
    銅塩触媒が一価の銅塩である、請求項1に記載のフェニ
    ルエタン誘導体の製造方法。
  6. 【請求項6】Aが1,4−シクロヘキシレンであり、
    銅塩触媒が一価の銅塩であり、Xがヨウ素、トリフルオ
    ロメタンスルホニルオキシ基またはパラトルエンスルホ
    ニルオキシ基である、請求項1に記載のフェニルエタン
    誘導体の製造方法。
  7. 【請求項7】一価の銅塩がシアン化銅、臭化銅、ヨウ化
    銅またはこれらの混合物である、請求項2、5および6
    のいずれか1項に記載のフェニルエタン誘導体の製造方
    法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008214199A (ja) * 2007-02-28 2008-09-18 Chisso Corp 鉄触媒による芳香族化合物の製造方法
JP2010285384A (ja) * 2009-06-12 2010-12-24 Agc Seimi Chemical Co Ltd テトラフルオロエチレン骨格を有する化合物の製造方法

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