JP2003192607A - 降圧ジペプチド - Google Patents

降圧ジペプチド

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JP2003192607A
JP2003192607A JP2001392042A JP2001392042A JP2003192607A JP 2003192607 A JP2003192607 A JP 2003192607A JP 2001392042 A JP2001392042 A JP 2001392042A JP 2001392042 A JP2001392042 A JP 2001392042A JP 2003192607 A JP2003192607 A JP 2003192607A
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tyr
lvly
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JP2001392042A
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Katsuhiro Osajima
克裕 筬島
Kei Tamaya
圭 玉屋
Toshiro Matsui
利郎 松井
Kiyoshi Matsumoto
清 松本
Mitsuyo Inoue
美津代 井上
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Senmi Ekisu Co Ltd
Original Assignee
Senmi Ekisu Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 L型ジペプチドL−Val−L−Tyr
(L−Valyl−Tyrosine:LVLY)を有
効成分として含有することを特徴とする血圧降下剤。 【効果】 降圧ペプチドの本体(LVLY)がはじめて
つきとめられた。LVLYは、すぐれた血圧降下作用を
有するだけでなく、即効性及び持続性を兼備しており、
そのうえ更に天然ペプチド由来であるために安全性につ
いても問題はない。したがって、LVLYは、血圧降下
剤として医薬用途はもとより、それ自体を食品として使
用するほか、他の食品と併用したり、あるいは他の食品
に添加したりして各種の食品の用途にも利用できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、血圧降下剤に関す
るものであり、更に詳細には、L型ジペプチドL−Va
l−L−Tyr(L−バリルチロシン)を有効成分とす
る血圧降下剤に関する。
【0002】
【従来の技術】魚肉や牛乳由来の一部のペプチドにアン
ジオテンシン変換酵素(Angiotensin-converting enxym
e, ACE)抑制(阻害)作用が認められ、高血圧の予防を
目的とした特定保健用食品として市販されているものが
あるが、生活習慣病の増加にともない、新しい高血圧発
症予防ないし血圧降下に有効な成分の新たな開発が希求
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記した当
業界の要望に応える目的でなされたものであって、本発
明者らは、従来の研究開発の基本姿勢を更にすすめて、
ACE阻害作用を有する高分子のペプチドの開発にとど
まらず、血圧降下機能の本体をつきとめること、しかも
それをin vitro試験のみならずin vivo試験によって確
認すること、という困難な技術課題をあえて新たに設定
した。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するため、各方面から検討を行い、イワシ筋肉を
酵素分解に供した結果、高いin vitro ACE阻害性を有す
るペプチドを有する分解物を得、この分解物について更
に検討の結果、ジペプチドVal−Tyrを高度に含有
する分解物ほどACE阻害性が高いことをはじめて見出
した。
【0005】そこで本発明者らは、このVal−Tyr
に着目してこれを降圧主要ペプチドと同定し、Val−
Tyrについて、本ペプチドのみのACE阻害作用、血
圧低下作用をin vitroのみでなくin vivo試験によって
確認し、そのうえ更に、作用部位の特定化を目的とし
て、本ペプチドの各種アイソマー(isomer)につ
いてもこれらの試験を行った。
【0006】その結果、降圧ペプチドの本体がVal−
Tyrであること、しかもL型でなければならないこ
と、をはじめて見出し、L型ペプチドL−Valyl−
L−Tyrosine(LVLYということもある)を
有効成分とする血圧降下剤に係る本発明を完成した。そ
して、本ペプチドとしては、L型であればよく、天然由
来のペプチド及び合成ペプチドのいずれも有効であるこ
とも確認した。したがって、本発明においては、天然由
来Val−Tyrでも合成L型Val−Tyrでも適宜
使用可能である。
【0007】なお、本明細書において、バリンはVal
又はV、チロシンはTyr又はYと表記することもあ
る。したがって、例えばL型ペプチドL−Valyl−
L−Tyrosineは、L型Val−Tyrあるいは
L−Val−L−TyrあるいはLVLYと表記するこ
ともある。また、天然由来Val−TyrがL型Val
−Tyrであることは当然のことである。
【0008】そして、アミノ酸にはL型のほかにD型が
存在するので、本ジペプチドVal−Tyrには、LV
LYのほかに、LVDY、DVLY、DVDYのアイソ
マーが存在するが、本発明者らは、これらのアイソマー
の内、L型VYが降圧に有効であることを試験によって
確認し、(換言すれば、他のVYアイソマーはACE阻
害性を示さないことを確認し)、L型VYは経口摂取後
分解されることなく血中に直接入り、降圧作用を示すこ
と、つまり、L型VYこそが体内吸収後に血圧降下作用
を示す降圧ペプチドの本体であることをはじめて見出し
たのである。
【0009】本発明は、上記した有用新知見に基づき、
更に研究の結果、遂に完成されたものである。以下、本
発明について説明する。
【0010】本発明の有効成分はL型ジペプチドLVL
Yであるが、LVLYは、長いペプチド鎖の中に含まれ
ているLVLYではなく、LVLYとして独立して存す
るジペプチドでなければならない。その際、LVLY
は、合成したもの、天然由来のものを問わない。
【0011】合成L型VYは、ペプチド合成の常法にし
たがって合成することができ、例えば、樹脂を用い、保
護基で保護したアミノ酸をC−末端側から付加して合成
する固相法等が挙げられる。固相法としては、保護基と
してFmoc基(9−フルオレニルメトキシカルボニル
基)、Boc基(ブチルオキシカルボニル基)をそれぞ
れ用いたFmoc法ペプチド合成、Boc法ペプチド合
成等が適宜使用されるが、Fmocアミノ酸誘導体を用
いたMerrifieldの固相合成法(Peptid
e,16,205−210(1995)その他)は好適
な合成法であり、また、自動固相合成機を利用して、本
ペプチドを合成することも可能である。
【0012】例えば、Fmoc基等の保護基でアミノ基
を保護したL−Tyr(又はL−Val)を付加した樹
脂に、アミノ基を保護したL−Val(又はL−Ty
r)を加えて縮合せしめ、縮合せしめたH−L−Val
−L−Tyr−O−樹脂からH−L−Val−L−Ty
r−OHを切断し、酢酸又はトリフルオロ酢酸等を用い
てこれを抽出することにより、L−バリルチロシン(合
成L型Val−Tyr)を製造することができる。ま
た、既述のように、L−バリルチロシンは、化学合成法
によるほか、イワシペプチド等の天然由来ペプチドを分
画することによっても得られる、天然由来Val−Ty
rも使用可能である。また、アイソマーの混合物あるい
はラセミ体の場合には、LVLYのみを分離、分割すれ
ばよい。
【0013】L型ペプチドVYは、後記する実施例から
も明らかなように、すぐれた血圧降下活性を示し、ま
た、本来、魚肉由来であるため、安全性には問題がない
ので(現に、ラットに対して1日当り500mgを強制
的に経口投与したところ、10日経過後においても急性
毒性は認められなかった。)、血圧降下剤ないし血圧降
下を目的として特定保健用食品向けペプチドとしても使
用することができる。
【0014】したがって、本ペプチドは、調味料、栄養
強化用食品ないしは動物飼料添加剤として使用されるほ
か、上記した独特の生理活性の故に、高血圧性疾病の予
防、ある場合には治療のために、医薬として、または輸
液、健康食品、臨床栄養食品等としても幅広く使用する
ことができる。なお、本発明において、食品には飲料も
包含される。
【0015】既述のように、本発明は降圧ペプチドの本
体がLVLYであることをはじめてつきとめたものであ
って、本発明に係る血圧降下剤の有効成分は「LVL
Y」である点に特徴を有するものである。本発明におい
て、LVLYは、文字どおり2つのL−アミノ酸(V、
Y)が結合したジペプチドを指し、それ単独で独立して
分離ないし取り出したものであって、ひとつの化合物と
して単離されたものをいい、長いペプチド鎖内にLVL
Yが包含されている場合は本発明から除かれる。
【0016】したがって、本発明に係る「LVLY」を
有効成分とする降圧剤においては、LVLYがひとつの
ジペプチド化合物として独立して存在していればよく、
LVLYに他のペプチド、降圧成分、食品等が併用され
てもかまわない。これに対して、「LVLYのみ」を有
効成分とする降圧剤においては、有効成分はLVLYの
みであって、有効成分としてLVLYのほかに他のペプ
チド、食品その他の降圧成分の併用を指すものではな
い。
【0017】本発明に係る血圧降下剤を医薬として使用
する場合、LVLY又はLVLYのみを有効成分とし
て、各種剤型に製剤し、経口又は非経口投与する。経口
投与の場合には、常法にしたがって、錠剤、顆粒剤、粉
末剤、カプセル剤、散剤、ドリンク剤等とすることがで
き、1日に体重1kg当り0.1μg〜200μg、好
ましくは3〜15μg投与すればよい。なお、投与量
は、一応の目安であって、症状、年齢、目的等に応じて
適宜定めればよく、安全性に格別の問題はないので、上
記範囲を逸脱しても構わない。非経口投与の場合には、
例えば注射薬製剤、点滴剤、坐剤等として使用すること
ができる。
【0018】また、食品として使用する場合には、本ペ
プチドをそのまま添加したり、他のペプチド、他の食品
ないし食品成分と併用したりして、適宜常法にしたがっ
て使用することができる。
【0019】
【実施例1】(L−Val−L−Tyrの合成)振とう
機にプロピレン製反応容器に入れたFmoc−L−Ty
r−O−Polymer樹脂0.5gをセットし、以下
の工程により、L−Val−L−Tyrを合成した。
【0020】A:洗浄、脱保護 (1)反応容器にDMFを加え、洗浄を行う。 (2)20%Piperidine/DMFを加え、脱
保護を行う。 (3)DMFを加え、十分洗浄を行う。Fmoc−L−
Val,HOBTを入れる。 B:縮合 (1)Fmoc−L−Tyr−O−Polymer樹脂
にDMF、DIPCIを加え、Fmoc−L−Valを
縮合させる。 C:洗浄 (1)縮合させたH−L−Val−L−Tyr−O−P
olymer樹脂をメタノールまたはジクロロメタンで
3回洗浄する。 D:切断、抽出 (1)洗浄したH−L−Val−L−Tyr−O−Po
lymer樹脂にTFA−Phenol(95/5)を
加え1時間攪拌を行い、H−L−Val−L−Tyr−
OHを切断する。樹脂をTFA 5mlで洗浄しH−L
−Val−L−Tyr−OHを抽出する。 E:精製 (1)上記TFA溶液を1〜2mlまで濃縮した後、エ
ーテルを加えることで、H−L−Val−L−Tyr−
OHを精製する。
【0021】略称 Fmoc−AA*:N”−9−フルオレニルメチルオキ
シカルボニル アミノ酸(N”−9−Fluoreny
lmethyl oxycarbonyl amino
acid)(AA*:ここではL−Tyr及びL−V
al) DMF:N,N−ジメチルホルムアミド(N,N−Di
methylformamide) HOBT:N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(N−H
ydroxybenzotriazole) DIPCI:N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド
(N,N’−Diisopropylcarbodii
mide) TFA:Trifluroacetic acid
【0022】
【実施例2】VYのアイソマーのACE阻害活性は次の
通りに測定した。ACE(シグマ社製(EC.3.4.
15.1;ウサギ肺由来))2.5mU、ペプチド研究
所合成基質(Kippuyl-L-histidyl‐L-leusine 12.5
mMを用いてCashmanらの方法に準じて測定した。すな
わち、生成した馬尿酸を吸光度228nmで測定した。
被験液での吸光度をEb、被験液のかわりに水を加えた
時の値をEc、予め反応停止液を加えて反応させたとき
の被験液での値をEb2、水での値をEb1として、阻
害率(%)={(Ec−Eb1)−(Eb−Eb2)}
/(Ec−Eb1)×100で表した。試料のACE阻
害活性IC50値はACE活性(阻害率)阻害するために
必要な試料の濃度で示した。下表にVYアイソマーのA
CE阻害活性を示す。 N.D.,not detected
【0023】
【実施例3】(1)降圧ペプチドVal−Tyr及びア
イソマーの循環及び組織ACEに対する生理作用につい
て、高血圧自然発症ラット(Spontaneousl
yHypertensive Rat:SHR)を用い
て、以下により試験を行った。なお、アイソマーは実施
例1及びそれに準じてそれぞれ製造した。
【0024】(2)VY投与及び解剖プロトコール SHRに対するVY投与及び投与後の各組織からの粗酵
素抽出液の調製は、以下のようにして行った。また、V
Y投与後のACE活性測定に関しては、循環器系及び関
連組織に着目し、血清及び血漿、組織として腎臓、肺、
心臓、腹部大動脈、腸管大動脈について検討を行った。
まず、11週齢のSHRに対して体重1kg当たり10
mgのVYを投与した。VY投与前及び投与1、3、
6、9hr後に、それぞれの検体をエーテル麻酔後、腹
部大動脈より採血を行った。得られた血液は30分間放
置後、あるいはへパリンを添加後直ちに、遠心処理(3
500rpm、10分、30分)を行った。そこにアン
ジオテンシン分解関連酵素のinhibitorとし
て、20μM aprotinin、10μM chy
mostatinを添加し、それぞれ血清、血漿として
活性測定に供した。
【0025】臓器は、腎臓、肺、心臓、腹部大動脈、腸
管大動脈の順に摘出した。摘出した組織に膜タンパク遊
離剤として0.5%のNonidet P−40を含む
Tris−HCl bufferを添加し、ホモジナイ
ズを行うことにより、組織からACEを遊離した。得ら
れたホモジナイズ液を遠心処理(14000rpm、2
0分)に供し、得られた上清に、先程と同様のinhi
bitorを添加し、粗酵素抽出液として活性測定に供
した。なお、ACE及びアンジオテンシン分解関連酵素
の活性変動を最小限とするため、臓器摘出から上清回収
までの時間を30分間とし、さらにホモジナイズ等の操
作は4℃で行った。
【0026】(3)投与後のACE活性測定及び血中V
Y濃度測定方法 VYアイソマー投与後の各組織におけるACE活性測定
は次のようにして行った。前項で調製した、血漿、血
清、又は各組織の粗酵素抽出液に、擬似基質であるHi
p−His−Leu(食塩含有リン酸バッファー中)を
添加し、37℃で30分間インキュベートした後、メタ
リン酸を添加して反応を停止し、生成した馬尿酸量を逆
相HPLCにより測定することによって行った。
【0027】アイソマー投与後の血中VY濃度の測定
は、本発明者らが新たに開発するのに成功したNDA−
蛍光カラムスイッチングHPLC法によって行った。す
なわち、血漿サンプルをSep−Pak C18カートリ
ッジにアプライした後、CH3CN/TFAで溶出し、
逆相HPLCでVYフラクションを集め(CH3CN/
TFA;50分、モニタリング吸収;220nm、流速
0.41ml/min、カラム:Cosmosil A
R−II(φ4.6×250mm))、ホウ酸バッファー
に溶解し、NDA derivatization後、
蛍光カラムスイッチングHPLCにより測定することに
よって血中VY濃度の測定を行った。
【0028】(4)VYアイソマー投与後の血圧変動 VYアイソマーをSHRに対してそれぞれ単回投与した
後の収縮期血圧を測定し、得られた結果を図1に示し
た。測定結果から明らかなように、天然由来のLVLY
投与群においては投与1時間後から血圧は明らかに低下
し、3時間後には最大の降下を示した。さらに、血圧低
下状態は投与6時間後においても持続していた。一方、
LVDY及びDVDYの両者においては、有意な血圧低
下は確認されなかった。この結果から、SHRにおける
血圧低下作用に関しては、LVLYのみに生理作用が存
在することが明らかとなった。
【0029】(5)LVDY及びDVDYの吸収挙動 VY isomer投与後に得られた血漿を用いて、こ
れらの吸収を測定し、得られた結果を図2に示した。こ
れらの吸収挙動を検討した結果、明らかに、三者ともほ
ぼ同様の吸収挙動が認められ、L型、D型にかかわら
ず、血中濃度は投与1時間後に最大に達し、その後緩や
かに減少する傾向にあった。吸収量が同程度にもかかわ
らず、LVLY投与群のみ血圧低下作用が認められたこ
とは、D型にはない、L型のみが有する生理作用の存在
を裏付けるものであった。
【0030】(6)LVLY、LVDY及びDVDY投
与後の循環ACE活性 LVLY投与群にのみ認められた血圧低下作用の検証を
行うために、まず循環ACEに着目し、VYの最大吸収
が認められた投与1時間後、及び血圧低下作用が持続し
ていた6時間後に関して、血漿(plasma)及び血
清(serum)中のACE活性を測定し、得られた結
果を図3に示した。これら血液中のACE活性挙動を検
討した結果、明らかに、血圧低下作用が認められたLV
LYのみ血漿、血清において投与1時間後に有意な活性
低下が認められ、このことは体内吸収されたLVLYが
循環ACEを抑制することを示していた。したがって、
LVLYは循環ACEの抑制に卓越した即効性を有する
点で特徴的であり、しかも6時間近くもその効果が継続
することが認められる点でも特徴的である。
【0031】一方、LVDY及びDVDYに関しては、
有意な低下は確認されなかった。以上の結果は、in
vitroでのACE阻害性を極めて良好に反映してい
ることから、本例で得られたACE活性抑制効果は血液
中のACEに対するLVLYの直接的阻害によるもので
あることが示された。
【0032】(7)LVDY及びDVDY投与後のAC
E活性(肺) 組織ACEに対しても同様に、活性挙動の検討を行っ
た。図4は、投与後の肺におけるACE活性変動を示し
たものである。LVLY投与では顕著な活性低下が認め
られ、低下状態が6時間後においても持続していたが、
一方LVDY及びDVDYに関してはこのような活性低
下は全く認められなかった。
【0033】(8)LVDY及びDVDY投与後のAC
E活性(腎臓) さらに、腎臓に関しても同様に検討を行った。結果を図
5に示した。その結果から明らかなように、LVLY投
与群では6時間後においても有意な低下が認められた。
一方、LVDY及びDVDYに関しては活性低下は何ら
確認されなかった。
【0034】(9)LVDY及びDVDY投与後のAC
E活性(大動脈) さらに、腹部大動脈に関しても検討を行った結果、図6
に示したように、LVLY投与群では投与1時間及び6
時間後に、ACE活性は有意に低下し、6時間後におい
ても活性抑制率が53%と長期持続的な活性抑制が認め
られたのに対し、LVDY及びDVDY投与群では、こ
のような活性低下は全く確認されなかった。従って、体
内吸収されたLVLYは循環だけでなく、組織に対して
も直接的なACE活性抑制効果を発現していることが明
らかとなった。特に、腹部大動脈に対する抑制効果が最
も顕著であり、かつ持続的なものであることが示され
た。
【0035】(結論)LVLYと類似構造を有するが、
ACE阻害性を示さないLVDY、DVDYのVY i
somerを、SHR単回投与試験に供した結果、
(1)いずれのVY isomerも同様の体内吸収挙
動となったが、LVLY投与群のみ、有意な血圧低下が
認められた。(2)同時に、LVLY投与群においての
み、循環及び腹部大動脈、腎臓、肺の組織に存在するA
CEの活性を顕著に抑制した。従って、(3)LVLY
は、体内吸収後に血圧低下作用を示す降圧ペプチドであ
ること、(4)その効果は循環及び組織に存在するAC
Eに対する直接的阻害作用に基づくものであることが実
証された。
【0036】
【実施例4】 (ドリンクの製造) ――――――――――――――――――――――― 100mlドリンク配合表 ――――――――――――――――――――――― 果糖ブドウ糖液糖 4.5g 糖アルコール 1g 酸味料 0.2g 香料 0.13g 甘味料(ステビア) 0.03g カラメル色素 0.02g LVLY 0.4mg 精製水 全量を100mlに定容 ―――――――――――――――――――――――――― 50mlドリンク配合表 ―――――――――――――――――――――――――― 果糖ブドウ糖液糖 10g 香料 0.3g 酸味料 0.16g 甘味料(ステビア) 0.015g LVLY 0.4mg 精製水 全量を50mlに定容 ―――――――――――――――――――――――――― 30mlドリンク配合表 ―――――――――――――――――――――――――― 果糖ブドウ糖液糖 5g 香料 0.25g 酸味料 0.1g 甘味料(ステビア) 0.015g LVLY 0.4mg 精製水 全量を30mlに定容 ――――――――――――――――――――――――――
【0037】上記配合を60℃で混合溶解した後、12
8℃、10秒のプレート殺菌をした。次いでこれを充分
に洗浄した各容量の褐色ビンに90℃で充填し、室温で
放冷後、流水水槽中で急冷し、ドリンクを製造した。
【0038】
【発明の効果】本発明により、降圧ペプチドの本体がL
VLYであることがin vitroおよびin vi
vo試験によって確認された。LVLYは、天然由来ジ
ペプチドであるため安全性には問題はなく、しかも即効
性を有するだけでなく持続性もあり、卓越した降圧ペプ
チドであることも確認された。したがって、LVLY
は、降圧剤として医薬して使用できるほか、それ自体を
食品として使用したり、他の食品に添加して使用するこ
ともでき、例えばLVLYを添加したビスケットやドリ
ンクは、降圧を目的とした機能性食品、特定保健用食品
としても使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】VYアイソマーのSHRに対する単回経口投与
後の収縮期血圧の変化を示す。図中、縦軸は収縮期血
圧、横軸は経過時間(時間)を表わす。
【図2】VYアイソマーのSHRに対する単回経口投与
後の血漿中における各アイソマーの吸収挙動を示す。図
中、縦軸は濃度(ml−血漿)、横軸は経過時間(時
間)を表わす。
【図3】VYアイソマーのSHRに対する単回経口投与
後の血漿及び血清中における循環ACE活性の変化を示
す。図中、縦軸はACE活性(mU/ml−血漿又は血
清)、横軸は経過時間(時間)を表わす。なお、ACE
活性の差異はStudent’s t−testにてテ
ストした。
【図4】同じく肺におけるACE活性の変化を示す。な
お、ACE活性の差異はDuncan’s testを
用いてテストした。
【図5】同じく腎臓におけるACE活性の変化を示す。
なお、ACE活性の差異はDuncan’s test
を用いてテストした。
【図6】同じく腹部大動脈におけるACE活性の変化を
示す。なお、ACE活性の差異はDuncan’s t
estを用いてテストした。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 清 福岡県筑紫野市石崎146−1 (72)発明者 井上 美津代 福岡県福岡市東区6−3−8−210 Fターム(参考) 4B018 MD20 MD74 ME04 MF10 4C084 AA01 AA02 AA03 AA06 BA01 BA08 BA14 CA59 NA14 ZA422 4H045 AA10 AA30 BA11 CA52 DA57 EA01 EA23

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 L型ジペプチドL−Val−L−Tyr
    を有効成分とする血圧降下剤。
  2. 【請求項2】 L型ジペプチドL−Val−L−Tyr
    のみを有効成分とする血圧降下剤。
  3. 【請求項3】 L型ジペプチドL−Val−L−Tyr
    が天然由来のVal−Tyr又は合成L型Val−Ty
    rであること、を特徴とする請求項1又は2に記載の血
    圧降下剤。
  4. 【請求項4】 合成L型Val−Tyrが、下記の方法
    によって合成されたものであること、を特徴とする請求
    項3に記載の血圧降下剤:アミノ基を保護したL−Ty
    r又はL−Valを付加した樹脂に、アミノ基を保護し
    たL−Val又はL−Tyrを加えて縮合せしめ、縮合
    せしめたH−L−Val−L−Tyr−O−樹脂からH
    −L−Val−L−Tyr−OHを切断し、これを抽出
    してL型Val−Tyrを得る。
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