JP2003198436A - ダイバシティー受信用ベクトル結合器およびベクトル結合方法 - Google Patents

ダイバシティー受信用ベクトル結合器およびベクトル結合方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】複数のダイバシティーI、Q変調信号(例えばF
M)の相対的な強度に基づいて、これらの信号を効率よ
く結合するクトル結合器を提供する。 【解決手段】 空間的に離間したアンテナ10、10
‘により、それぞれがI、Q情報信号を搬送する複数のダ
イバシティーI、Q変調信号を受信するダイバシティー無
線受信機(FM)20、20’を設ける。受信I、Q信号対
をサンプリング・レートTでデジタル化し、ベースバン
ドI、Q信号に変換し、ベクトル結合器50に入力する。
ベクトル結合器には複合弁別器、位相累算器、FMベー
スバンドI&Q復調器を設ける。得られた合成弁別I、Q
信号は、ダイバシティーI、Qベクトルの相対的な大きさ
に依存するダイバシティーI、Qベクトルの位相のうち一
つかそれ以上によって決定される位相をもつ合成弁別ベ
クトルを示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同相成分I、直交
成分Qである変調信号のダイバシティー無線通信受信機
用ベクトル結合器およびベクトル結合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】公衆GSM(全世界的な移動体通信システ
ム)ネットワークや、私設陸上移動体無線ネットワーク
などの多くの無線通信ネットワークの場合、移動体環境
に共通して認められるインパルス雑音に耐性があるた
め、移動体環境に好適であることが実証されている周波
数変調(FM変調)を利用している。ところが、これら
のネットワークは、これらのネットワークを介して伝送
される信号に反射や信号のフェージングによってかなり
妨害や歪みが発生するため、固定マイクロ波2地点通信
サービスや衛星システムに利用されているネットワーク
とは、異なっている。
【0003】移動体無線受信機や携帯電話などの無線通
信装置が受信する信号や、これらが発信する信号は、大
部分が送信アンテナから直接伝播される電波や、静止体
や移動体から反射する電波が混在している複雑な融合体
からなり、最悪な場合、受信信号すべてが反射信号とい
うこともある。この結果、反射信号(最悪の場合)およ
び/または、直接信号+反射信号の結合から生じる波形
が振幅領域では消去(キャンセレーション)あるいは増
幅するだけでなく、時間領域では反射信号が取る信号路
の長さが異なることを原因とする歪みを受けることにな
る。
【0004】振幅領域および時間領域両者で歪みが生じ
ると、信号の復号がさらに難しくなる。また、消去によ
り着信信号が、受信機による信頼性のある復号に必要な
閾値よりかなり低いレベルまで低下することもよくみら
れる。この作用は、マルチパスフェージングと呼ばれて
いる。
【0005】データシステムの場合、このような信号の
消去、即ち“ドロップアウト”が発生すると、望ましい
ビット・ストリーム部分まで消去されることになる。こ
の消去時間は、平均信号強度、無線信号の波長、(移動
体内で無線装置が作動している場合には)移動体の速度
および付近に存在する反射体の速度の関数である。この
消去問題を解決する一般的な方法は、自動誤り訂正方法
(FEC、Forward Error Corecti
on)である。
【0006】FECは、送信データに冗長情報を付加し、
消去を予測レベルにし、再送信することなく元のデータ
を再生する。このようにFECは有用ではあるが、符号伝
送速度が増すに従って、より多くの冗長情報を付加する
必要があり、帰線が短くなる。すなわち、冗長情報の付
加は、システムの実効符号伝送速度を低くするものであ
る。
【0007】マルチパスフェージングを原因とする問題
の別な解決方法は、受信システムをより複雑に構成する
ことである。多重受信機を使用するなどして、ダイバシ
ティー信号を受信すると、フェージングは緩和すること
ができる。空間ダイバシティーシステムの場合には、多
重離間アンテナを利用し、直交ダイバシティーシステム
の場合には、多重有極アンテナを利用する。
【0008】これら以外の他の公知ダイバシティーシス
テムでは、周波数ダイバシティーや時間ダイバシティー
を利用する。これらシステムはいずれも2つの受信信号
間のダイバシティーを活用しているが、各信号は同じ伝
送情報を搬送する。どちらの信号の強度が強いかを判定
し、強度の弱い信号ではなく、強度の強い信号を使用し
て情報を抜き出し、これによってフェージングの否定的
作用を減殺する。最も一般的な受信機は、適当な距離を
おいてアンテナを設けた2つかそれ以上の受信機で構成
した受信機であり、受信された信号は相互に相関するこ
となく、一方のアンテナで認められる破壊的妨害が他方
のアンテナでは存在しない確率が高くなる。
【0009】ダイバシティー受信システムは、一般に、
多重信号を結合するために3つの異なるクラスの中のい
ずれか1つの方法を利用する。すなわち、(i) 選択結
合で、信号強度の評価に基づき最良の信号を選択する
(すなわち、最良のS/N比をもつ信号を選択する)。(i
i)等化ゲイン結合で、個々の信号の強度に関係なく、
信号すべてを結合する。(iii) 最適化結合で、個々の
信号強度に比例して信号を結合する。これらのうち後者
の最適化結合方法のみが、すべての信号から利用でき
る、可能な限り最大の情報内容を利用して、最適な性能
を達成することを意図している。
【0010】ところが、現実には、このような最適化基
準で信号を有効に結合する結合回路を設計することは難
しかった。問題は、付加すべき重みを決定する有効かつ
実際的なアルゴリズムを開発することである。多くの公
知の最適化結合器では、受信された符号列を評価し、次
にこれを用いて受信信号に比例的に重みをつけて結合す
る複雑な等化器を使用している。
【0011】さらに別な問題は、消去されないようにダ
イバシティー信号を同調させる手段を開発する必要があ
ることである。すなわち、直交信号のI1〜I2(同相成
分)およびQ1〜Q2(直交成分)を直接付加しようとする
と、フェージングに類似した信号の消去が発生する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】従って、従来よりも構
成が複雑ではなく、信号の消去を避けることができる、
ダイバシティー受信機の信号を最適結合する有効な手段
が必要である。さらに、このよう結合手段であって、電
力消費が比較的少なく、比較的低いコストで実施できる
結合手段が必要である。
【0013】すなわち、本発明は、それぞれがI、Q情報
信号を搬送する複数のダイバシティーI、Q変調信号(例
えばFM変調信号)の相対的な強度に基づいて、これらの
ベクトル信号を効率よく結合するベクトル結合器および
ベクトル結合方法を提供するものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明においては、I、Q
信号を結合する前に、サンプリング・レートTでI、Q信
号対をデジタル化し、ベースバンドI、Q信号に変換す
る。なお、それぞれ変換されたI、Q信号対が結合器への
入力に対するダイバシティーI、Qベクトルを表す。結合
器に入力する複数のダイバシティーI、Qベクトルのサン
プル毎に弁別器を設ける。複合弁別器である各弁別器に
ついては、情報信号の周波数を表す位相と、情報信号の
出力に比例する振幅をもつ出力弁別I、Qベクトル
(I、Qd、以下、変換上の理由で記号Δを下付けで表
示する場合には、dで置き換えて表示する)をサンプル
毎に出力するように構成する。次に第1加算器を設け、
合成弁別I信号(Icd)を出力する。なお、第1加算器
については、サンプリングされたダイバシティーベクト
ルの各組毎に、弁別I信号(I)を加算するように構成
する。
【0015】また、第2加算器を設け、合成弁別Q信号
(Qcd)を出力する。なお、第2加算器については、ダ
イバシティーベクトルのサンプル毎に、弁別Q信号
(Q)を加算するように構成する。得られた合成弁別
I、Q信号は、ダイバシティーI、Qベクトルの相対的な力
に依存するダイバシティーI、Qベクトルの位相のうち、
一つかそれ以上によって決定される位相をもつ合成弁別
ベクトル(Icd、Qcd)を示す。また、逐次サンプルに
ついて、合成弁別ベクトル(Icd、Qcd)の位相を累積
ベクトルに加算して、出力合成I、Q信号対(Ic、Qc)を
出力するように構成した位相累算器を設ける。
【0016】好ましくは、複合弁別器については、I
(t)=I(t)I(t-T)+Q(t)Q(t-T)およびQ(t)=I(t-
T)Q(t)−I(t)Q(t-T)の計算を行なうように、また位相
累算器については、Ic(t)=Icd(t)Ic(t-T)-Q
cd(t)Qc(t-T)およびQc(t)=Icd(t)Qc(t-T)+Ic(t
-T)Qcd(t)の計算を行なうように構成する。位相累
算器は、逐次累算それぞれの後に、累算ベクトル(Ic(t
-T)、Qc(t-T))を正規化する正規化信号を出力するよう
に構成した正規化成分をもつ。正規化信号の大きさは、
実質的に1/sqrt(Ic 2+Qc 2)に等しければよい。
【0017】別な実施態様では、正規化信号の大きさは
1/sqrt(Ic 2+Qc 2)で近似できる。この場合、正規化成
分は逐次累算それぞれの後にIc 2+Qc 2の値を受け取るビ
ットレジスター、およびIc(t-T)およびQc(t-T)に付加さ
れるビットシフト数(n)を決定し、大きさが0.5〜
1.0の範囲にある正規化ベクトルを出力するように構
成した論理ゲートからなる。
【0018】別な位相累算器も使用することができる。
この場合には、ベクトルIc(t-T)+jQ c(t-T)のアークタン
ジェントを誘導し、累算位相(モジュロ2π)に誘導した
角度を加算し、コサイン関数およびサイン関数を得られ
た角度に適用し、合成I、Q信号対(Ic、Qc)を出力する
ように構成すればよい。
【0019】本発明の別な態様は、それぞれがI、Q情報
信号を搬送する複数のダイバシティーベースバンドI、Q
変調信号を合成する方法に関する。複数のダイバシティ
ーI、Qベクトルのサンプルが形成される毎に、各サンプ
ルを弁別し、情報信号の周波数を示す位相と情報信号の
出力に比例する振幅とをもつ弁別I、Qベクトル(I 、Q
)を出力する。サンプリングしたダイバシティーベク
トルの各組毎に、弁別信号(I)を加算することによ
って合成弁別信号(Icd)を出力する。
【0020】また、ダイバシティーベクトルのサンプル
毎に、弁別Q信号(Q)を加算することによって合成弁
別Q信号(Qcd)を出力する。合成弁別I、Q信号は、ダ
イバシティーI、Qベクトルの相対的な力に依存するダイ
バシティーI、Qベクトルの位相の一つか、またはそれ以
上によって決定される位相をもつ合成弁別ベクトル(I
cd、Qcd)を表す。逐次サンプルについて、合成弁別ベ
クトル(Icd、Qcd)の位相を加算することによって、
合成I、Q信号対(Ic、Qc)を出力する。
【0021】
【発明の実施の形態】
【0022】本発明の好ましい実施形態において、I&Q
FM受信機が実行する信号処理/結合ステップを添付図面
に即して以下説明する。本発明の好適な実施形態を例示
する添付図面について本発明を以下説明するが、図面全
体を通じて同一符号は同一要素を示す。
【0023】図1のブロック図について説明すると、成
分“A”および“B”は同一でもよい2組の受信機を表
す。なお、各組は受信ダイバシティー信号に接続する。
図示の実施形態では、このような受信信号それぞれを2
つの異なる離間しているアンテナ10、10´のいずれ
か一つで受信する。こられのアンテナ間の間隔は、適当
なダイバシティー信号を発信できる適切な間隔に設定す
る。2組の受信成分が発生する信号は、添え字1、2を
付けて区別する。
【0024】すなわち、受信機1からのI、Q信号はそれ
ぞれI1、Q1で示す。同様に、第2受信機(受信機2)か
らのI、Q信号はそれぞれI、Qで示す。本発明の結合
器が出力する合成信号対は、Ic、Qc、即ち(Ic、Qc)で
表す。信号対を示す場合、信号は下つき数字にΔを付け
て表す(前記のように、本明細書では変換上の理由でΔ
をdで表記する)。すべての信号対は、サンプリング時
間T(なお、当業者には公知なように、この時間はナイ
キストレート以上であるのが好ましい)でサンプリング
する。
【0025】これら連続信号は、時間tをパラメータと
してI2(t)、I2(t-T)などで、また、Q2(t)、Q2(t-T)など
で表す。信号対は、デカルト座標上のベクトルを表す。
また、信号対は、(I1、Q1)=A1eje のように極形式で
表すことも可能である。この場合、振幅Aおよび位相θ
には、それぞれ対応するカルテシアン値と同じ下つき数
字を付ける。
【0026】ここでは、アンテナを離間して設けた2つ
の受信成分を利用する無線通信(RF)受信機について説
明する。しかしながら、当業者ならば、3つ以上の受信
成分を使用し、これに対応する受信ダイバシティー信号
を使用する受信機で本発明を実施する場合にも、以下に
説明する原理を適用できることを理解できるはずであ
る。なお、“無線”および“無線通信”は同じ意味で使
用する用語で、交換可能であり、いずれにせよ特定の周
波数範囲に制限されるものではない。
【0027】各組の構成として、A、Bそれぞれにアン
テナ10、10´とRF受信機(レシーバ)20、20´
とが設けられている。また、この受信機は無線周波数
(RF)フロントエンド部分24、24´と中波(IF)部
分(セクション)26、26´とを有する。I成分変調
信号およびQ成分変調信号は各IF部分からの出力であ
り、それぞれI1およびQ1、I2およびQ2と標記する。次
に、これら信号をアナログ/デジタル(A/D)変換器3
0、31、30´および31´によってデジタル信号に
変換した後、デジタルダウン変換器(コンバータ)4
0、40´によってベースバンド(ゼロIF)に変換す
る。
【0028】デジタルダウン変換器40、40´からの
ベースバンドデジタルI、Q信号出力を、ベクトル結合器
50に入力し、RF信号が搬送する(RF信号によって変調
された)デジタル信号を再生する。受信データ(RXD)
をベクトル結合器50から出力するとともに、受信クロ
ック信号(RXC)を出力する。ベクトル結合器50の操
作実行は、デジタル信号処理装置(DSP、Digita
l Signal Processor)によって、あ
るいは特定用途向け集積回路(ASIC)によって行え
ばよい。
【0029】図2のブロック図に、ベクトル結合器50
に設けられているそれぞれの機能的構成要素を示す。伝
送される情報は周波数によって搬送され、またアンテナ
10、10´の空間的分離(即ち、2つの信号間のダイ
バシティー)のため直交成分が直接結合されることがな
い。このため、各I、Q信号対が複合弁別器(ディスクリ
ミネータ)60、60´によって処理され、周波数情報
を抜き出し、元の信号対I、Qの絶対位相に関係なく新し
い信号対(ベクトル)I、Qを出力する。この信号対弁
別方法では、ベクトルの極形式の性質を利用する。しか
しながら、所望に応じて、適用すべき計算をカルテシア
ン形式に変換できることはいうまでもない。
【0030】複合弁別器60、60´が入力された信号
を2乗し、この結果、複合弁別器が出力する信号が入力
信号の出力を表すことになる。出力ベクトル61、61
´および62、62´を次に加算器65、66によって
加算し、合成ベクトルIcd、Qcdを形成する。これら合
成ベクトルIcd、Qcdを位相累算器(フェーズアキュム
レータ)70によって処理し、受信RF信号の位相角をも
つ直角信号対Ic、Qcに変換する。次に、得られた信号対
Ic、QcをFMベースバンドI、Q復調器80によって復調
し、目的の受信データ信号(RXD)を出力する。
【0031】合成ベクトル信号は、複合弁別器60、6
0´から出力された信号対の出力、およびその周波数、
従って変調情報を搬送する位相を表す大きさを有する。
合成ベクトルIcd、Qcdの位相角は、ダイバシティー結
合の結果であり、これに従えば入力信号対(ベクトル)
の相対的強度が決定的な要因になる。すなわち、一方の
入力ベクトルが他方よりも強い場合、合成ベクトルの位
相角は強いベクトルの移送角に依存し、入力ベクトル両
者が同じ強度をもつ場合、入力ベクトルの位相角の平均
が合成ベクトルの位相角になる。
【0032】このように、信号合成の結果から、2つの
ダイバシティー入力信号の一方が比較的弱い場合の処理
には、最も強い信号を使用することが有利であることが
わかる。また、両信号の強度がほぼ同じ場合の処理に
は、両信号の平均を使用することが有利であることがわ
かる。
【0033】各複合弁別器60、60´の機能ブロック
図を図3に示す。図示のように、カルテシアン形式で
は、各複合弁別器60、60´は入力ベクトルを1サン
プル分遅延したベクトルの共役に乗算する。図3に示し
た、内部にΔ記号のあるブロック90、91は1単位の
サンプル遅延を示す。
【0034】例えば、受信機1の複合弁別器60につい
て説明する。この複合弁別器60が実行する複合的な信
号弁別処理では、次式のような特性が得られる。
【0035】
【数1】
【0036】既述のように、この式(1)はあるベクト
ルの現在(t)のサンプルを、前(t―T)のサンプル
ベクトルの共役に乗算すると、周波数を表す位相角θと
出力に比例する振幅Aとを有するベクトルが得られるこ
とを示している。極座標形式の式(1)は、カルテシア
ン形式の式(2)と等価である。
【0037】
【数2】
【0038】式(2)より、式(3)、(4)が成立す
る。
【0039】
【数3】
【0040】
【数4】
【0041】式(3)および(4)の計算は、図3のブ
ロック図に示すような各複合弁別器(ディスクリミネー
タ)60、60´によって行う。なお、図3のブロック
90、91はサンプル遅延を示す。また、乗算ステップ
は乗算器100、101、105、106によって、加
算ステップは加算器110、120によって行う。複合
弁別器の弁別処理をDSPによって実行する場合には、各
複合弁別器が受信情報信号の出力および周波数を搬送す
るベクトルをほぼ4回の積和演算ステップで決定する。
すなわち、DSPの4つのワンサイクル命令では、使用す
る特定の処理装置による処理の実行に応じて、積和演算
実行前にレジスタを設定するためにいくつか余分の命令
が必要になる可能性が生じる。
【0042】信号のベクトル合成についてASIC処理を実
行する場合、即ち、DSPの代わりに特定用途向けに設計
されたハードウエア(ゲート)を使用してASIC処理を実
行する場合には、式(3)および(4)に示されるよう
に、4回の乗算ステップおよび2回の加算ステップで弁
別処理を実行する。
【0043】説明図2に示されている加算器65によっ
て、前記弁別器60および61それぞれで形成された出
力I1dおよびI2dを加算し、合成信号Icdを出力する。
同様に、加算器66によって、弁別器60および61そ
れぞれの出力Q1dおよびQ2dを加算し、合成信号Qcd
出力する。加算器65、66から出力された合成ベクト
ルIcd、Qcdの位相角は、受信信号が同等な出力レベ
ル(この場合、合成ベクトルは各受信信号の位相角の平
均に近い)にない限り、最も強い受信信号の位相角に近
くなる。
【0044】一方の受信信号の出力が他方の受信信号に
対して無視できる場合、合成信号の位相角は強い信号の
位相角とほぼ同じである。なお、ベクトルの大きさは対
応する信号の出力に比例するため、信号を効率よく合成
するためには、出力を比較すればよい。
【0045】合成ベクトルIcd、Qcdを、弁別器6
0、60´と逆の機能を行なう位相累算器70に入力す
る。累算器70の処理において、具体的には、最初の受
信I、Q信号の周波数を表す周波数で、回転する累算器ベ
クトルに位相を加算する。
【0046】図4に、位相累算器70の機能ブロック図
を示す。位相累算器70は、カルテシアン形式で入力合
成ベクトルIcdおよびQcdを正規化累算ベクトルに乗
算する。この処理においては、位相累算器は初期値をも
ち、これをサンプル時間毎に加える。図4に示す遅延ブ
ロック150および151が現在時刻におけるサンプル
累算ベクトルを記憶する記憶要素であり、反復処理する
毎に、この累算ベクトルを正規化し、入力IcdおよびQ
cdに乗算し、出力IcおよびQを出力する。この出力Ic
およびQcを次の反復処理の累算器として使用する。
【0047】以下、受信RF信号の変調の合成位相角を伝
送する直角信号対に、合成ベクトルIcd、Qcdを再変換
する原理について説明する。
【0048】位相累算器70は、各合成ベクトルIcd
位相を累算するが、出力位相は入力ベクトルと累算ベク
トルとの積の位相である。虚数乗法の間接的モジュロ特
性のため、出力位相は−πとπとの間になければならな
い。合成周波数情報を搬送する合成ベクトルを、次式の
ように正規化累算ベクトルに乗算する。
【0049】
【数5】
【0050】カルテシアン形式では、式(5)は(6)
式のように表される。
【0051】
【数6】
【0052】あるいは、式(7)、(8)が成立する。
【0053】
【数7】
【0054】
【数8】
【0055】これらの計算は、乗算器130、131、
132、133、加算器140、141および記号遅延
部分150、151からなる、図4に示す位相累算器7
0の各構成要素によって行なう。位相累算器70によっ
て式(7)および(8)を処理する毎に、得られる信号
ベクトルを単一長さに正規化し、位相累算器が多重乗算
処理を行った後にオーバーフローしないようにする。
【0056】信号の正規化処理は、図4に示すように、
適正な利得を出力する正規化要素(ノーマライザ)15
5、および乗算器160、165によって行なう。正規
化要素155が出力すべき最適利得は、1/sqrt(Ic 2+Q
c 2)であるが、実際には、許容できるレベルの精度を維
持した状態で、位相累算器を安定化するために、最適利
得として許容できる近似値を出力するのがより好まし
い。
【0057】好適な実施形態では、Ic(t-T)、Qc(t-T)そ
れぞれに2を乗算することによって近似値を得る。こ
こで、nは、信号ベクトルを乗算器130、133にフ
ィードバックし、この際に得られた正規化ベクトルの大
きさが0.5〜1.0の間になるように選択する
【0058】受信機の用途によっては、高いサンプリン
グレートを適用して、正規化誤差によって受信信号に加
えられる振幅ノイズの大部分が帯域外にあることが望ま
しい場合もある。
【0059】図5は、本発明の好適な実施態様におい
て、信号処理を実行するハードウエアに使用する正規化
要素155のASIC実行例を示すブロック図である。当業
者ならばすぐ理解できるように、DSPで信号処理を実行
する場合、ASICと同じ機能を発揮できるようにDSPを構
成する。図5に示した構成の正規化要素155が、乗算
器160および165によってIc(t-T)、Qc(t-T)に加え
られる利得2を決定する。
【0060】このような信号処理を行なうためには、
Ic、Qcそれぞれの信号の大きさの二乗を乗算器170、
175によって求め、これら二乗値を加算器180によ
って加算し、合計値をレジスタ185に入力する。例え
ば、Ic、Qcが16―ビットの符号化ワードの場合、レジ
スタ185は30有効ビットをもつ31−ビットの非符
号化ワードである。必要な利得は2なので、累算ベク
トルIc(t-T)、Qc(t-T)の最下位ビット(LSB)から最上
位ビット(MSB)までの単純なビットシフトを行なう。
【0061】ビットのシフト数は、第1ビット対の、ゼ
ロの対ではないレジスタ185のMSB右側までのビット
ロケーションによって決定される。この実施形態におい
て、ビットシフト数を決定するために使用する具体的手
段は、図5に示す論理ゲート“A”の組によって示され
ている。ただし、当業者には明らかなように、他の有効
な手段もこの代わりに使用することができる。
【0062】演算時、“OR”ゲートの図示最も左側の列
がどのビット対が非ゼロ対であり、どのビット対がゼロ
の対であるかを示すベクトルを発生する。そして、“O
R”ゲートの第2列が、第1非ゼロ対の上位で、これら
より下位のゼロからなるベクトルを発生する。“排他的
OR”の列では、それぞれがシフトレジスタ185のビッ
トの最初の非ゼロ対に同調させる以外のゼロ出力をも
つ。この専用ORゲートの非ゼロ出力を使用して、“0”
から“N”までの数字であるシフト数“n”を選択す
る。
【0063】ただし、Nはレジスタ185が保存し、2
で除した非符号化ワードの有効ビット数である。すなわ
ち、“N”は31−ビット非符号化ワードの前記実施例
では15である。バレルシフタ(即ち、図4の乗算器1
60、165である)を使用して、当業者には公知なよ
うに、累算ベクトルIc(t-T)、Qc(t-T)のビットを“n”
だけシフトする。
【0064】上記構成要素および方法により、ダイバシ
ティー受信信号をベクトル結合する場合には、比較的少
ない、簡単な数学的機能(即ち、乗算および加算)のみ
を行なって実行するのが本質的に有利である。このよう
な処理により、本発明の実施形態である受信機の操作実
行に必要なハードウエアの電力消費量が比較的少なくて
済み、製造コストも比較的低くなる。
【0065】以上説明した比較的単純な方法の代わりに
使用する、本発明の別な実施形態を対象とするいくぶん
複雑な位相累算方法について以下説明する。この方法で
は、アークタンジェントの処理を行ってIc、Qcの位相を
得てから、サンプル時間毎にモジュロ2πカウンタ(ス
カラー)に加える。位相累算器で、サイン関数、コサイ
ン関数の処理を行うことによって出力Ic、Qcを発生す
る。より具体的には、ベクトルIc(t-T)+Qc(t-T)の四象
限アークタンジェントを誘導し、モジュロ2π演算を使
用して、得られた位相角を位相累算器に加える。なお、
この場合の位相累算器は、図4の複合累算器とは異な
り、スカラー式累算器である。各累算処理後、得られた
位相角にコサイン関数およびサイン関数を加え、出力
Ic、Qc信号対を出力する。
【0066】以上の好適な実施形態では空間ダイバシテ
ィー受信信号を利用するが、各請求項に記載された本発
明はこのような形式のダイバシティーに制限されず、別
な実施形態で利用することができる他の形式のダイバシ
ティー信号にも拡張できる。さらに、各請求項に記載の
発明は、特定数のダイバシティー受信信号および受信機
対の数に制限されない。これらの受信機をどのような数
で使用した場合にも、対応する数の弁別器からのベクト
ル出力を加算し、合計を位相累算器に入力する。上記実
施形態では、2つの受信信号および2つの受信機の対を
使用しているが、いずれも例示のみを目的とする。
【0067】本発明のベクトル結合アルゴリズムは、効
率よく、公知受信機が実行する処理機能よりもすぐれて
いる。なお、上記の具体的なアルゴリズム工程は、現状
で出願人が好適と考えている工程であって、いずれも、
性能向上や実行操作の簡略化を目的として、あるいは受
信機のデジタル回路の操作実行に使用されている改良DS
P、ASICその他の技術を活用する目的で、各請求項に記
載の範囲内で変更可能である。本受信機に利用する個々
の回路機能および処理機能は、個別的には当業者にとっ
てはよく知られている機能である。
【0068】これら機能について具体的に説明してきた
が、機能的に等価なものやすぐれた実行方法などで代用
することも可能である。同様に、機能的に等価な結果が
得られる場合には、受信器の特定の点で特定の機能を実
行することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるベクトルダイバシティー結合器
(ベクトル結合器)を成分として含むRF受信機の上面ブ
ロック図である。
【図2】図1に示したベクトル結合器の成分を示す概略
ブロック図である。
【図3】ベクトル結合器の各複合弁別器が実行する各機
能を示す概略ブロック図である。
【図4】ベクトル結合器の位相累算器成分が実行する各
機能を示す概略ブロック図である。
【図5】図4に示した位相累算器の正規化成分を示す概
略ブロック図である。
【符号の説明】
10・・・アンテナ、20・・・RF受信機(レシー
バ)、30・・・A/D変換器、40・・・デジタルダ
ウン変換器(コンバータ)、50・・・ベクトル結合
器、60・・・複合弁別器(ディスクリミネータ)、7
0・・・位相累算器(フェーズアキュムレータ)、80
・・・FMベースバンドI&Q復調器、155・・・正
規化成分(ノーマライザ)、185・・・レジスタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 502427231 5500 Royalmount Avenu e、Suite 200 Town of Mount Royal、Quebec H4P 1H7 Canada (72)発明者 アンドレ ビューディン カナダ国 J4B5R8 ケベック州 ボ ーチェルバイル、ラデソン 841 Fターム(参考) 5K059 CC03 DD36

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれがI、Q(ただし、Iは直交信号
    の同相成分、Qは直交成分)情報信号を搬送する複数の
    ダイバシティーI、Q変調信号を受信するダイバシティー
    無線受信機に使用する結合器であって、受信サンプリン
    グ・レートTでI、Q信号対をデジタル化し、ベースバン
    ドI、Q信号に変換し、それぞれ変換されたI、Q信号対が
    結合器への入力に対するダイバシティーI、Qベクトルを
    表す結合器において、 (a)結合器に入力される複数のダイバシティーI、Qベ
    クトルのサンプル毎に設けられた弁別器であって、情報
    信号の周波数を表す位相と情報信号の出力に比例する振
    幅をもつ出力弁別I、Qベクトル(I、Q、ただしdは
    記号Δを示す。以下同じ)をサンプル毎に出力するよう
    に構成した弁別器を有し、 (b)サンプリングされたダイバシティーベクトルの各
    組毎に、弁別I信号(I )を加算し、合成弁別I信号(I
    cd)を出力するように構成した加算器と、上記ダイバ
    シティーベクトルの各サンプル毎に、弁別Q信号(Q
    を加算し、合成弁別Q信号(Qcd)を出力するように構
    成した加算器とを有し、得られた合成弁別I、Q信号は、
    上記ダイバシティーI、Qベクトルの相対的な力に依存す
    る上記ダイバシティーI、Qベクトルの位相のうち一つか
    それ以上によって決定される位相をもつ合成弁別ベクト
    ル(Icd、Qcd)を示し、 (c)逐次サンプルについて、合成弁別ベクトル
    (Icd、Qcd)の位相を累算ベクトル加算して、出力合
    成I、Q信号対(Ic、Qc)を出力するように構成した位相
    累算器を有する結合器。
  2. 【請求項2】 上記弁別器が複合弁別器である請求項1
    記載の結合器。
  3. 【請求項3】 上記受信ダイバシティーI、Q信号がFM信
    号である請求項2記載の結合器。
  4. 【請求項4】 次の式を計算するように上記複合弁別器
    を構成した請求項3記載の結合器。 I(t)=I(t)I(t-T)+Q(t)Q(t-T) Q(t)=I(t-T)Q(t)−I(t)Q(t-T)
  5. 【請求項5】 次の式を計算するように上記位相累算器
    を構成した請求項4記載の結合器。 Ic(t)=Icd(t)Ic(t-T)―Qcd(t)Qc(t-T) Qc(t)=Icd(t)Qc(t-T)+Ic(t-T)Qcd(t)
  6. 【請求項6】 上記位相累算器が、正規化信号を出力し
    て、上記逐次累算のそれぞれの後に上記累算ベクトル
    (Ic(t-T)、Qc(t-T))を正規化するように構成した正規
    化要素を有する請求項5記載の結合器。
  7. 【請求項7】 上記正規化信号の大きさが、実質的に1
    /sqrt(Ic 2+Qc 2)に等しい請求項6記載の結合器。
  8. 【請求項8】 正規化信号の大きさが、1/sqrt(Ic 2+Q
    c 2)で近似でき、そして上記正規化成分が、逐次累算そ
    れぞれの後にIc 2+Qc 2の値を受け取るビットレジスタ
    ー、およびIc(t-T)およびQc(t-T)に付加されるビットシ
    フト数(n)を決定し、大きさが0.5〜1.0の範囲
    にある正規化ベクトルを出力するように構成した論理ゲ
    ートを有する請求項6記載の結合器。
  9. 【請求項9】 上記複数のダイバシティー信号が、2つ
    のダイバシティーI、Q信号を有する請求項6記載の結合
    器。
  10. 【請求項10】 上記ダイバシティー信号が、ダイバシ
    ティーI、Q変調信号である請求項7記載の結合器。
  11. 【請求項11】 ベクトルIc(t-T)+jQc(t-T)のアークタ
    ンジェントを誘導し、累算位相(モジュロ2π)に誘導し
    た角度を加算し、コサイン関数およびサイン関数を得ら
    れた角度に適用し、合成I、Q信号対(Ic、Qc)を出力す
    るように上記位相累算器を構成した請求項3記載の結合
    器。
  12. 【請求項12】 それぞれがI、Q情報信号を搬送し、サ
    ンプリング・レートTで既にデジタル化され、各I、Q信
    号対がダイバシティーI、Qベクトルを表す複数のダイバ
    シティーベースバンドI、Q変調信号を結合する方法にお
    いて、 (a)複数のダイバシティーI、Qベクトルのサンプル毎
    に、各サンプルを弁別し、情報信号の周波数を示す位相
    と情報信号の出力に比例する振幅とをもつ弁別I、Qベク
    トル(I、Q)を出力する工程と、 (b)サンプリングしたダイバシティーベクトルの各組
    毎に、弁別信号(I)を加算することによって合成弁
    別信号(Icd)を出力し、ダイバシティーベクトルのサ
    ンプル毎に、弁別Q信号(Q)を加算することによって
    合成弁別Q信号(Qcd)を出力する工程で、合成弁別I、
    Q信号が、ダイバシティーI、Qベクトルの相対的な力に
    依存するダイバシティーI、Qベクトルの位相の一つかそ
    れ以上によって決定される位相をもつ合成弁別ベクトル
    (Icd、Qcd)を表す工程と、 (c)逐次サンプルについて上記合成弁別ベクトル(I
    cd、Qcd)の位相を加算することによって合成I、Q信
    号対(Ic、Qc)を出力する工程とを有する結合方法。
  13. 【請求項13】 上記弁別工程で、複合弁別を行なう請
    求項12記載の方法。
  14. 【請求項14】 上記ダイバシティーI、Q信号がFM信号
    である請求項13記載の方法。
  15. 【請求項15】 上記複合弁別により次の計算を行なう
    請求項14記載の方法。 I(t)=I(t)I(t-T)+Q(t)Q(t-T) Q(t)=I(t-T)Q(t)−I(t)Q(t-T)
  16. 【請求項16】 上記合成弁別ベクトル(Icd、Qcd
    の上記位相の加算によって次の計算を行なう請求項15
    の方法。 Ic(t)=Icd(t)Ic(t-T)―Qcd(t)Qc(t-T) Qc(t)=Icd(t)Qc(t-T)+Ic(t-T)Qcd(t)
  17. 【請求項17】 逐次加算それぞれの後に、累算ベクト
    ルIc(t-T)、Qc(t-T))を正規化する請求項16記載の方
    法。
  18. 【請求項18】 上記正規化で、上記累算ベクトルに、
    1/sqrt(Ic 2+Qc 2)に実質的に等しい量を乗ずる請求項
    17記載の方法。
  19. 【請求項19】 上記正規化で、上記累算ベクトルに2
    を乗じることによって、上記正規化ベクトルの大きさ
    が0.5〜1.0の範囲内になるように“n”の値を決
    定する請求項17記載の方法。
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