JP2004231969A - 架橋非晶質共重合体ラテックス組成物およびその用途 - Google Patents

架橋非晶質共重合体ラテックス組成物およびその用途 Download PDF

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Tetsuo Tojo
哲夫 東條
Takashi Shirata
白田  孝
Masaaki Kawasaki
川崎  雅昭
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Abstract

【解決手段】本発明の架橋非晶質共重合体ラテックスは、(A)エチレン、炭素原子数3〜20のα-オレフィンおよび特定のノルボルネン化合物からなるエチレン系非晶質共重合体
と、(B)低分子量ポリエチレン、低分子量エチレン・α-オレフィン共重合体、不飽和カルボン酸系化合物変性低分子量ポリエチレンまたは不飽和カルボン酸系化合物変性低分子量エチレン・α-オレフィン共重合体からなる低分子量(共)重合体とを特定割合で含んでお
り、(A)成分には架橋結合が形成されている。本発明のAES樹脂は、上記組成物を用いて調製されている。
【効果】上記組成物は、耐衝撃性および表面光沢に優れた成形体を形成することができなかった樹脂を、耐衝撃性および表面光沢に優れた成形体を形成することができる樹脂に改質することができる。また上記AES樹脂は、従来のAES樹脂と比較して、耐衝撃性および表面光沢に優れた成形体を形成することができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、架橋非晶質共重合体ラテックス組成物およびその用途に関し、さらに詳しくは、特定のポリエン成分を含むエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体を主成分とする架橋非晶質共重合体ラテックス組成物およびその用途に関する。
エチレン・α- オレフィン・ポリエン非晶質共重合体を主成分としたラテックス組成物とその製造方法は、特公平5−82415号公報(特許文献1)により知られており、またポリマーの水性分散液を電離性放射線で架橋する方法は、特開昭52−121054号公報(特許文献2)等により知られている。また、架橋したゴムラテックスを樹脂改質材として利用することは、特開昭62−20532号公報(特許文献3)、特開昭62−89716号公報(特許文献4)等により知られている。さらに、本願出願人の出願に係る特開昭61−238842号公報(特許文献5)には、エチレン・α-オレフィン・ポリ
エン非晶質共重合体と低分子量α- オレフィン共重合体および/または変性低分子量α- オレフィン共重合体とを含有してなり、この非晶質共重合体成分には架橋結合が形成されているラテックス組成物が開示されている。
特公平5−82415号公報 特開昭52−121054号公報 特開昭62−20532号公報 特開昭62−89716号公報 特開昭61−238842号公報
しかしながら、本願発明者らが、上記の各公報に記載されているラテックス組成物を追試したところ、これらのラテックス組成物は、確かに樹脂改質材、たとえばアクリロニトリル・スチレン共重合樹脂(AS樹脂)の樹脂改質材としての性能は認められるものの、耐衝撃性および表面光沢に関する改質効果は未だ不十分である。
上記エチレン・α- オレフィン・ポリエン非晶質共重合体は、それ自身が耐候性、耐溶剤性に優れていることから、樹脂改質材として用いるラテックスの成分として必要不可欠となっている。
したがって、耐衝撃性および表面光沢に優れた樹脂成形体を形成することができなかった樹脂を、エチレン・α- オレフィン・ポリエンの本来有している優れた耐候性および耐溶剤性を損なうことなく、耐衝撃性および表面光沢に優れた樹脂成形体を形成することができる樹脂に改質することができるラテックス組成物の出現が望まれている。ここに、「表面光沢に優れた」とは、表面光沢度が高いことをいう。
本願発明者らは、特定の非共役ポリエン成分を含むエチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン非晶質共重合体と、低分子量ポリエチレン、または低分子量エチレン・α-オレ
フィン共重合体等とを特定割合で配合したラテックス組成物を架橋処理してこの非晶質共重合体成分に架橋結合を形成することにより、架橋非晶質共重合体ラテックス組成物を調製し、次いで、この組成物をAS樹脂の樹脂改質材として用いたところ、エチレン・α-
オレフィン・非共役ポリエン非晶質共重合体の本来有している優れた耐候性および耐溶剤性を損なうことなく、耐衝撃性および表面光沢に優れたアクリロニトリル・エチレン共重
合体・スチレン樹脂(AES樹脂)成形体が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、耐衝撃性および表面光沢に優れた樹脂成形体を形成することができなかった樹脂を、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン非晶質共重合体の本来有している優れた耐候性および耐溶剤性を損なうことなく、耐衝撃性および表面光沢に優れた樹脂成形体を形成することができる樹脂に改質することができる架橋非晶質共重合体ラテックス組成物を提供することを目的としている。
また、本発明は、従来のAES樹脂に比較して、エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン非晶質共重合体の本来有する優れた耐候性および耐溶剤性を損なうことなく、耐衝撃性および表面光沢に優れた成形体を形成することができるAES樹脂を提供することを目的としている。
すなわち、本発明に係る架橋非晶質共重合体ラテックス組成物は、
(A)エチレン、炭素原子数3〜20のα- オレフィンおよび下記一般式[I]または[II]で表わされる少なくとも一種のノルボルネン化合物からなるエチレン系非晶質共重合体100重量部と、
(B)低分子量ポリエチレン、低分子量エチレン・α- オレフィン共重合体、不飽和カルボン酸系化合物変性低分子量ポリエチレン、および不飽和カルボン酸系化合物変性低分子量エチレン・α-オレフィン共重合体からなる群から選ばれた少なくとも1種の低分子量
(共)重合体2〜50重量部と
を含有してなるラテックス組成物であり、
該エチレン系非晶質共重合体(A)成分には架橋結合が形成されていることを特徴としている。
Figure 2004231969
[式中、nは0または1〜10の整数であり、
1 は、水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基であり、
2 は水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基である。]
Figure 2004231969
[式中、R3 は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基である。]
本発明に係る第1のAES樹脂は、
上記のような本発明に係る架橋ゴムラテックス組成物に、アクリロニトリルとスチレンを乳化グラフト重合させて得られた、アクリロニトリルと上記エチレン系非晶質共重合体(A)とスチレンとの共重合物からなることを特徴としている。
また、本発明に係る第2のAES樹脂は、
上記のような本発明に係る架橋非晶質共重合体ラテックス組成物に、アクリロニトリルとスチレンを乳化グラフト重合させて得られた乾燥生成物と、アクリロニトリル・スチレン樹脂(AS樹脂)とをブレンドして得られた、アクリロニトリルと前記エチレン系非晶質共重合体(A)とスチレンとの共重合物からなることを特徴としている。
本明細書中の「エチレン系非晶質共重合体」には、いわゆるエチレン・α-オレフィン
・非共役ポリエン共重合体ゴム、およびX線回折法により測定された結晶化度が15%よりも低い結晶化度を有するエチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体が含まれ
る。
本発明に係る架橋非晶質共重合体ラテックス組成物は、耐衝撃性および表面光沢に優れた成形体を形成することができなかった樹脂を、エチレン系非晶質共重合体(エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体)が本来有する優れた耐候性および耐溶剤性を
損なうことなく、耐衝撃性および表面光沢に優れた成形体を形成することができる樹脂に改質することができる。
また、本発明に係るAES樹脂は、上記のような本発明に係る架橋非晶質共重合体ラテックス組成物を用いて調製されているので、従来のAES樹脂に比較して、エチレン系非晶質共重合体の本来有する優れた耐候性および耐溶剤性を損なうことなく、耐衝撃性および表面光沢に優れた成形体を形成することができる。
したがって、本発明に係るAES樹脂は、それ自体でも家電製品のハウジング、インストルメントパネル等の自動車内装部品、フロントグリル等の自動車外装部品などの用途に用いることができる。また、本発明に係るAES樹脂は、PVC等にブレンドして耐衝撃性等の改質に用いることができる。
以下、本発明に係る架橋非晶質共重合体ラテックス組成物およびその用途について具体的に説明する。
本発明に係る架橋非晶質共重合体ラテックス組成物は、
(A)エチレン系非晶質共重合体と、
(B)低分子量ポリエチレン、低分子量エチレン・α- オレフィン共重合体、不飽和カルボン酸系化合物変性低分子量ポリエチレン、および不飽和カルボン酸系化合物変性低分子量エチレン・α-オレフィン共重合体からなる群から選ばれた少なくとも1種の低分子量
(共)重合体(B)と
を特定割合で含有している。
エチレン系非晶質共重合体(A)
本発明で架橋ゴムラテックス組成物中のベースポリマーとして用いられるエチレン系非晶質共重合体(A)は、ランダム共重合体であって、エチレンと、炭素原子数3〜20のα-オレフィンと、非共役ポリエンとからなる。
このような炭素原子数3〜20のα-オレフィンとしては、具体的には、
プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、3-メチル-1- ブテン、3-メチル-1- ペンテン、3-エチル-1- ペンテン、4-メチル-1- ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-
ジメチル-1- ヘキセン、4,4-ジメチル-1- ペンテン、4-エチル-1- ヘキセン、3-エチル-1- ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンなどが挙げられる。中でも、炭素原子数3〜10のα-オレ
フィン、特にプロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、1-オクテンが好ましく用いられる。
これらのα- オレフィンは、単独であるいは2種以上組合わせて用いることができる。
上記非共役ポリエンは、下記の一般式[I]または[II]で表わされるノルボルネン化合物である。
Figure 2004231969
一般式[I]において、nは0または1〜10の整数である。
1 は、水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基である。
1 のアルキル基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、t-ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。
2 は、水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基である。
2 のアルキル基の具体例としては、上記R1 の具体例の内、炭素原子数1〜5のアルキル基が挙げられる。
Figure 2004231969
一般式[II]において、R3 は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基である。
3 のアルキル基の具体例は、上記R1 のアルキル基の具体例と同じアルキル基を挙げることができる。
上記一般式[I]で表わされるノルボルネン化合物としては、具体的には、5-ビニル-2- ノルボルネン、5-アリル-2- ノルボルネン、5-イソプロペニル-2-ノルボルネン、5-イ
ソブテニル-2- ノルボルネン、5-(1-メチル-2- プロペニル)-2- ノルボルネン、5-(4-ペンテニル)-2- ノルボルネン、5-(1-メチル-3-ブテニル)-2- ノルボルネン、5-(5-
ヘキセニル)-2- ノルボルネン、5-(1-メチル-4- ペンテニル)-2- ノルボルネン、5-(
2,3-ジメチル-3-ブテニル)-2- ノルボルネン、5-(2-エチル-3- ブテニル)-2- ノボル
ネン、5-(6-ヘプテ ニル)-2- ノルボルネン、5-(3-メチル-5- ヘキセニル)-2-ノルボルネン、5-(3,4-ジメチル-4- ペンテニル)-2- ノルボルネン、5-(3-エチル-4- ペンテニル)-2- ノルボルネン、5-(7-オクテニル)-2-ノルボルネン、5-(2-メチル-6- ヘプ
テニル)-2- ノルボルネン、5-(1,2-ジメチル-5- ヘキセニル)-2- ノルボルネン、5-(5-エチル-5-ヘキセニル)-2- ノルボルネン、5-(1,2,3-トリメチル-4- ペンテニル)-2-
ノルボルネンなどが挙げられる。中でも、5-ビニル-2- ノルボルネンが好ましい。
また、上記一般式[II]で表わされるノルボルネン化合物としては、具体的には、5-メチレン-2- ノルボルネン、4-メチル-5- メチレン-2- ノルボルネン、4-エチル-5-メチレ
ン-2- ノルボルネン、4-プロピル-5- メチレン-2- ノルボルネン、4-イソプロピル-5- メチレン-2- ノルボルネン、4-t-ブチル-5- メチレン-2-ノルボルネン、4-ペンチル-5- メ
チレン-2- ノルボルネン、4-イソペンチル-5- メチレン-2- ノルボルネン、4-ヘキシル-5- メチレン-2- ノルボルネン、4-ヘプチル-5-メチレン-2- ノルボルネン、4-オクチル-5-
メチレン-2- ノルボルネン、4-ノニル-5- メチレン-2- ノルボルネン、4-デシル-5- メ
チレン-2-ノルボルネンなどが挙げられる。中でも、5-メチレン-2- ノルボルネンが好ま
しい。
また、上記式[I]および[II]で表わされる非共役ポリエン化合物は、それぞれ単独で用いることができるし、また2種以上組み合わせて使用することができる。
なお、エチレン系非晶質共重合体(A)中に、非共役ポリエン成分として従来一般的に使用されている1,4-ヘキサジエン、5-エチリデン-2- ノルボルネン、ジシクロペンタジエン等が、本発明の目的を損なわない範囲内であれば含まれていてもよい。
本発明で用いられるエチレン非晶質共重合体(A)は、以下のような組成および特性を有する。
(i)このエチレン系非晶質共重合体(A)は、エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとのモル比(エチレン/α- オレフィン)が40/60〜95/5、好ましくは60/40〜90/10、さらに好ましくは65/35〜85/15の範囲にある。
このようなエチレン成分/α- オレフィン成分比のエチレン系非晶質共重合体は、低温柔軟性、低温下での耐衝撃性および耐熱性のいずれにも優れている。なお、エチレン系非晶質共重合体は、このエチレン/α-オレフィン成分比が95/5を超えると、樹脂物性
を示すようになって低温柔軟性が低下し、一方、40/60未満であると、耐熱性が低下する傾向がある。
(ii)このエチレン系非晶質共重合体(A)は、ヨウ素価が0.5〜50、好ましくは3〜30、さらに好ましくは5〜20の範囲にある。
ヨウ素価が上記のような範囲にあるエチレン系非晶質共重合体(A)は、耐衝撃性および表面光沢改質効果に優れている。
(iii) このエチレン系非晶質共重合体(A)は、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜10dl/g、好ましくは0.7〜2.0dl/gの範囲にある。
エチレン系非晶質共重合体(A)の極限粘度は、ラテックス化に際しての粒径調節や得られるラテックス組成物の特性に重要な影響を及ぼす。本発明において、たとえば上述した極限粘度[η]が0.5dl/g未満のエチレン系非晶質共重合体を用いて得られた架橋非晶質共重合体ラテックス組成物では、耐衝撃性等の改質効果が著しく低下し、樹脂改質材として使用するには適当でない。また極限粘度[η]が10dl/gを超えるエチレン系非晶質共重合体を用いた架橋非晶質共重合体ラテックス組成物は、ラテックス組成物中の固形成分の平均粒径が3.0μmを超え、その結果として貯蔵安定性が低下するとい
う不都合が生じる。
上記のようなエチレン系非晶質共重合体(A)は、エチレンと、炭素原子数3〜20のα- オレフィンと、上記一般式[I]または[II]で表わされるノルボルネン化合物とを、触媒の存在下に共重合させて得ることができる。
このような触媒としては、バナジウム(V)、ジルコニウム(Zr)、チタニウム(Ti)などの遷移金属化合物と有機アルミニウム化合物(有機アルミニウムオキシ化合物)とからなるチーグラー型触媒が使用できる。
本発明では、[a]可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒、あるいは[b]周期律表第IVB族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオン性化合物とからなる触媒が特に好ましく用いられる。
本発明では、上記のような触媒[a](可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒)または触媒[b](周期律表第IV族から選ばれる遷移金属のメタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオン性化合物とからなる触媒)の存在下に、エチレンと、炭素原子数3〜20のα-オレフィンと、ノルボルネン化
合物とを、通常液相で共重合させる。
この際、一般に炭化水素溶媒が用いられるが、プロピレン等のα-オレフィンを溶媒と
して用いてもよい。
このような炭化水素溶媒としては、具体的には、
ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、灯油等の脂肪族炭化水素およびそのハロゲン誘導体、
シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素およびそのハロゲン誘導体、
ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、および
クロロベンゼン等のハロゲン誘導体などが用いられる。
これら溶媒は組み合わせて用いてもよい。
エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとノルボルネン化合物との共重合は、バッチ法、あるいは連続法いずれの方法で行なってもよい。共重合を連続法で実施するに際しては、上記触媒は以下のような濃度で用いられる。
本発明において、上記触媒[a]、すなわち可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒が用いられる場合には、
重合系内の可溶性バナジウム化合物の濃度は、通常、0.01〜5ミリモル/リットル(重合容積)、好ましくは0.05〜3ミリモル/リットルである。この可溶性バナジウム化合物は、重合系内に存在する可溶性バナジウム化合物の濃度の10倍以下、好ましくは1〜7倍、さらに好ましくは1〜5倍の濃度で供給されることが望ましい。
また、有機アルミニウム化合物は、重合系内のバナジウム原子に対するアルミニウム原子の比(Al/V)で、2以上、好ましくは2〜50、さらに好ましくは3〜20の量で供給される。
可溶性バナジウム化合物および有機アルミニウム化合物からなる触媒[a]は、通常、上述の炭化水素溶媒、および/または液状の炭素原子数3〜20のα- オレフィンおよびノルボルネン化合物で希釈されて供給される。この際、可溶性バナジウム化合物は上述し
た濃度に希釈されることが望ましく、また有機アルミニウム化合物は重合系内における濃度のたとえば50倍以下の任意の濃度に調整して重合系内に供給されることが望ましい。
また、本発明においてメタロセン化合物と、有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオン性化合物(イオン性イオン化化合物、イオン性化合物ともいう。)とからなる触媒[b]が用いられる場合には、
重合系内のメタロセン化合物の濃度は、通常、0.00005〜0.1ミリモル/リットル(重合容積)、好ましくは0.0001〜0.05ミリモル/リットルである。
また、有機アルミニウムオキシ化合物は、重合系内のメタロセン化合物に対するアルミニウム原子の比(Al/遷移金属)で、1〜10000、好ましくは10〜5000の量で供給される。
イオン化イオン性化合物の場合は、重合系内のメタロセン化合物に対するイオン化イオン性化合物のモル比(イオン化イオン性化合物/メタロセン化合物)で、0.5〜20、好ましくは1〜10の量で供給される。
また、有機アルミニウム化合物が用いられる場合には、通常、約0〜5ミリモル/リットル(重合度積)、好ましくは約0〜2ミリモル/リットルとなるような量で用いられる。
本発明において、可溶性バナジウム化合物と有機アルミニウム化合物とからなる触媒[a]の存在下に、エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとノルボルネン化合物とを共重合させる場合には、共重合反応は、通常、温度が−50℃〜100℃、好ましくは−30℃〜80℃、さらに好ましくは−20℃〜60℃で、圧力が50kg/cm2
下、好ましくは20kg/cm2 以下の条件下に行なわれる。ただし、圧力は0ではない。
また本発明において、メタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物またはイオン化イオン性化合物とからなる触媒[b]の存在下に、エチレンと炭素原子数3〜20のα-オレフィンとノルボルネン化合物とを共重合させる場合には、共重合反応は、通常、温
度が−20℃〜150℃、好ましくは0℃〜120℃、さらに好ましくは0℃〜100℃で、圧力が80kg/cm2以下、好ましくは50kg/cm2 以下の条件下に行なわれ
る。ただし、圧力は0ではない。
また反応時間(共重合が連続法で実施される場合には平均滞留時間)は、触媒濃度、重合温度などの条件によっても異なるが、通常、5分〜5時間、好ましくは10分〜3時間である。
本発明では、エチレン、炭素原子数3〜20のα- オレフィンおよびノルボルネン化合物は、上述した特定組成のエチレン系非晶質共重合体(A)が得られるような量で重合系に供給される。さらに共重合に際しては、水素などの分子量調節剤を用いることもできる。
上記のようにしてエチレン、炭素原子数3〜20のα- オレフィンおよびノルボルネン化合物を共重合させると、エチレン系非晶質共重合体(A)は通常これを含む重合液として得られる。この重合液は、常法により処理され、エチレン系非晶質共重合体が得られる。
上記のような特性を有するエチレン系非晶質共重合体(A)は、「ポリマー製造プロセ
ス((株)工業調査会発行、P.309〜330)」などに記載されているような従来公知の方法により調製することができる。
低分子量(共)重合体(B)
本発明で用いられる低分子量(共)重合体(B)は、低分子量ポリエチレン(エチレン単独重合体)、低分子量エチレン・α- オレフィン共重合体、不飽和カルボン酸系化合物変性低分子量ポリエチレン、または不飽和カルボン酸系化合物変性低分子量エチレン・α-オレフィン共重合体である。
このような低分子量(共)重合体(B)は、ラテックス化に際し、前述したエチレン系非晶質共重合体(A)を容易に微細化させる機能を果たす。
これらの低分子量(共)重合体(B)は、常温でワックス状であってもよいし、また、常温で液状であってもよい。
本発明においては、常温でワックス状の低分子量(共)重合体および常温で液状の低分子量(共)重合体をそれぞれ別個に使用することができるし、また、両者を併用することもできる。
上記低分子量ポリエチレンとしては、ポリエチレンワックスを例示することができ、また、上記低分子量エチレン・α- オレフィン共重合体としては、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1-ブテン共重合体等のエチレン・α-オレフィン共重合体等を例示す
ることができる。
上記のような低分子量ポリエチレンおよび低分子量エチレン・α- オレフィン共重合体の135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は、0.01〜0.3dl/gの範囲にあることが好ましい。
また、上記低分子量ポリエチレンまたは低分子量エチレン・α- オレフィン共重合体に、後述の不飽和カルボン酸系化合物を共重合あるいはグラフト共重合して得られる変性低分子量ポリエチレンまたは変性低分子量α-オレフィン共重合体を、低分子量(共)重合
体(B)して使用することもできる。
上記不飽和カルボン酸系化合物としては、分子中に炭素原子を3〜20個含有する不飽和カルボン酸またはその酸無水物、そのアミド、そのイミドおよびそのエステルが挙げられる。
具体的には、アクリル酸、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸、シトラコン酸、ノルボルネンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、ビシクロ[2,2,1
]ヘプト-2- エン-5,6- ジカルボン酸等の不飽和カルボン酸; 無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2-
エン-5,6- ジカルボン酸無水物等の不飽和カルボン酸の酸無水物;
マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジアミド等の不飽和カルボン酸アミド;
マレイミド等の不飽和カルボン酸イミド;
アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジエチル、フマール酸ジエチル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、テトラヒドロフタル酸ジメチル、ビシクロ[2,2,1]ヘプト-2- エン-5,6- ジカルボ
ン酸ジメチル、グリシジル(メタ)アクリレート等の不飽和カルボン酸エステル
などを挙げることができる。
これらの中でも、マレイン酸、無水マレイン酸、マレイン酸モノアミド、マレイン酸ジ
アミド、マレイミド、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジエチル、グリシジル(メタ)アクリレートなどの不飽和カルボン酸系化合物が好ましい。
これらの不飽和カルボン酸系化合物は、単独で、あるいは組合わせて用いることができる。
低分子量ポリエチレンおよび低分子量エチレン・α- オレフィン共重合体に共重合またはグラフト重合した不飽和カルボン酸系化合物の共重合量またはグラフト量は、変性低分子量共重合体の重量基準で、通常0.2〜50重量%、好ましくは0.2〜20重量%、さらに好ましくは0.2〜10重量%の範囲である。
上記のような変性低分子量共重合体の135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は、0.01〜0.3dl/gの範囲にあることが好ましい。
上記のような低分子量(共)重合体(B)は、単独で、または組合わせて用いることができる。
本発明においては、低分子量(共)重合体(B)は、上述したエチレン系非晶質共重合体(A)100重量部に対して、2〜30重量部、好ましくは5〜25重量部、さらに好ましくは5〜20重量部の割合で用いられる。
上記割合よりも少ない割合で低分子量(共)重合体(B)を使用すると、ラテックスの微細化を行なうことが困難になり、結果として得られる架橋非晶質共重合体ラテックス組成物の貯蔵安定性が低下するなどの問題が生じる。また上記割合よりも多い割合で低分子量(共)重合体(B)を使用すると、得られる架橋非晶質共重合体ラテックス組成物は、耐衝撃性等の改質効果が著しく低下し、樹脂改質材として使用するには適当でない。
架橋非晶質共重合体ラテックス組成物の調製
本発明に係る架橋非晶質共重合体ラテックス組成物は、上述したエチレン系非晶質共重合体(A)と低分子量(共)重合体(B)とを上述した配合割合で、界面活性剤の存在下、水性媒体中に均一分散させてラテックス化し、次いで、得られたラテックス組成物に架橋処理を施すことにより得ることができる。
界面活性剤としては、従来公知のアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤を使用することができるが、特に脂肪酸ナトリウム、脂肪酸カリウム等のアニオン系界面活性剤が好ましく用いられる。
界面活性剤は、用いる(A)および(B)の重合体成分の種類等によって異なるが、一般にエチレン系非晶質共重合体(A)100重量部に対して、好ましくは0.2〜20重量部の割合で用いられる。
ラテックス化に際しては、たとえばエチレン系非晶質共重合体(A)と低分子量(共)重合体(B)とをn-ヘキサン等の炭化水素系溶媒中に均一に溶解させて溶液を得た後、所定量の界面活性剤が分散された水性媒体中に上記溶液を攪拌下に混合分散し、次いで、適当な温度に加温して溶媒成分を揮発除去すれば良い。
水性媒体の使用量は、製品ラテックス基準で通常ラテックス中の固形分濃度が5〜65重量%、好ましくは10〜60重量%の範囲となるように選ぶことが、ラテックス状態でのハンドリング性の見地から好適である。
上記のようにして得られたラテックス組成物は、架橋処理を施され、エチレン系非晶質共重合体(A)の分子鎖中に架橋結合が形成される。
このラテックス組成物の架橋処理は、ラテックス組成物中に多官能性モノマーを配合し、電離性放射線を用いる架橋処理法、有機過酸化物を用いる架橋処理法等の従来公知の架橋処理法にて行なうことができる。
上記多官能モノマーとしては、たとえば2個以上のエチレン系不飽和基、特にビニル基を有するモノマーが好適に使用される。具体的には、ジビニルベンゼン、テトラメチレンジアクリレート、グリセリルトリアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,2,4-トリビニルシクロヘキサン、テトラアリロキシエタンなどが挙げられる。
これらの多官能性モノマーは、エチレン・α-オレフィン・非共役ポリエン共重合体ゴ
ム(A)100重量部に対して、好ましくは0.1〜20重量部、特に好ましくは0.3〜5重量部の割合で用いられる。
上記電離性放射線としては、α線、β線、γ線、電子線、X線の何れを用いてもよい。これらの電離性放射線の照射線量は、1〜50Mradの範囲であることが好ましい。
上記有機過酸化物による架橋処理は、ラテックス組成物中に有機過酸化物を均一分散させた後、この有機過酸化物の分解温度以上にラテックス組成物を加熱することによって行なわれる。
有機過酸化物としては、ラテックス粒子の安定性、架橋反応操作の安全性ならびに経済性の面から、10時間半減期温度が0℃以上100℃以下の有機過酸化物が好ましい。具体的には、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、t-ブチルパーオキシビバレート、t-ブチルパーオキシ-2-エチルヘキサノエート 、t-ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、2,5-ジメチル-2,5- ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、3,5,5-トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイド、p-クロロベンゾイルパーオキサイド、2,4-ジクロロベンゾイルパーオキサイド、イソブチルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ(2-エチルヘキシル)パーオキシカーボネートなどが挙げられる。
有機過酸化物は、ラテックス組成物中のエチレン系非晶質共重合体(A)100重量部に対して、通常0.3〜20重量部、好ましくは1〜10重量部の割合で用いられる。
架橋処理における加熱時間等の架橋条件は、常圧、加圧の何れでもよいが、エチレン系非晶質共重合体(A)成分の熱トルエン不溶解分含有量が30重量%以上、好ましくは50重量%以上、さらに好ましくは60重量%以上となるように設定する。具体的には、加熱時間を通常半減期の5ないし7倍とすることが適当である。
上記の熱トルエン不溶解分含有量(ゲル分率)は、ラテックス組成物中の全固形分の120℃トルエン中への不溶解量の割合として表わされ、架橋度の尺度として利用することができる。この熱トルエン不溶解分含有量の詳細な測定法は、後述する実施例中で述べる。このゲル分率が前述した範囲よりも小さい場合には、耐衝撃性の改良効果等において不十分となる。
本発明に係る架橋非晶質共重合体ラテックス組成物中に、その用途に応じて顔料、増粘剤、可塑剤、防腐剤、消泡剤、pH調整剤、酸化防止剤、老化防止剤等の従来公知の配合剤を、本発明の目的を損なわない範囲で配合することができる。これらの配合剤は、架橋処理前のラテックス組成物中に配合することができるし、また、架橋処理後のラテックス組成物中に配合することができる。
架橋非晶質共重合体ラテックス組成物
上記のようにして調製されたエチレン系非晶質共重合体ゴム(A)を主成分とする架橋
非晶質共重合体ラテックス組成物は、固形分の平均粒径が0.2〜3.0μmの範囲にあるため、貯蔵安定性に優れている。また、この架橋非晶質共重合体ラテックス組成物は、エチレン系非晶質共重合体(A)成分の熱トルエン不溶解分含有量(ゲル分率)が30重量%以上であるため、耐衝撃性および表面光沢に優れた成形体を形成することができなかった樹脂を、耐衝撃性および表面光沢に優れた成形体を形成することができる樹脂に改質するのに極めて有用である。
本発明に係る架橋非晶質共重合体ラテックス組成物が、耐衝撃性および表面光沢に関する改質効果を向上させる理由は明確ではないが、エチレン系非晶質共重合体(A)が特定の非共役ポリエン成分を含むため、グラフト反応性が高く、その結果、改質成分の樹脂成分中において、エチレン系共重合体(A)の分散性が向上しているためと推察される。
AES樹脂
本発明に係るAES樹脂は、アクリロニトリルとエチレン系非晶質共重合体(A)とスチレンとの共重合物であり、エチレン系非晶質共重合体(A)にアクリロニトリルとスチレンがグラフトされている。このAES樹脂は、上述した架橋非晶質共重合体ラテックス組成物の成分である低分子量(共)重合体(B)等も含有している。
本発明に係るAES樹脂は、上述したような本発明に係る架橋非晶質共重合体ラテックス組成物から従来公知の方法で調製することができる。
たとえば、本発明に係るAES樹脂は、本発明に係る架橋非晶質共重合体ラテックス組成物に、アクリロニトリルとスチレンを乳化グラフト重合させることにより、得ることができる。
また、多品種への対応、品質改良の容易性、生産性の向上、排水処理の削減などを目的した、次のようなAES樹脂の製造方法がある。この方法では、まず本発明に係る架橋非晶質共重合体ラテックス組成物に、アクリロニトリルとスチレンを乳化グラフト重合させて得られたゴム含有量の多い乾燥生成物を調製する。
次いで、この乾燥生成物と、予め調製しておいた樹脂成分であるアクリロニトリル・スチレン樹脂(AS樹脂)とをブレンドしてAES樹脂を得るが、そのブレンド比率によりエチレン系非晶質共重合体(A)成分の量を調整して目的とするAES樹脂を得る。このようなブレンドは、150〜300℃、好ましくは180〜250℃の温度にて、押出機等を用いて行なわれる。
本発明に係る架橋非晶質共重合体ラテックス組成物を用いて調製したAES樹脂は、従来のAES樹脂に比較して、エチレン系非晶質共重合体(エチレン・α- オレフィン・非共役ポリエン共重合体)の本来有する優れた耐候性および耐溶剤性を損なうことなく、耐衝撃性および表面光沢に優れた成形体を形成することができる。
実施例
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
実施例1
[架橋非晶質共重合体ラテックス組成物の調製]
エチレン系非晶質共重合体(A)として下記の物性を有するエチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネン共重合体ゴム(A−1)100gと、
低分子量(共)重合体(B)として変性ポリエチレンワックス[無水マレイン酸含量:3重量%、135℃デカリン溶液中で測定した極限粘度[η]:0.05dl/g]10
gをn−ヘキサン900gに溶解し、均一溶液になるまで攪拌した。
エチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネン共重合体ゴム(A−1);
エチレン/プロピレンのモル比:70/30
ヨウ素価:10
135℃デカリン溶液中で測定した極限粘度[η]:1.0dl/g
次いで、界面活性剤としてオレイン酸カリウム5gを水900gに分散させた分散液を、ホモミキサー(攪拌羽根の回転数1,200rpm)を用いて、上記溶液と30分混合した。
次いで、この混合により得られた乳化液をゆっくりと攪拌しながら60〜80℃の温度でn−ヘキサンを揮発除去し、ラテックス組成物を得た。
次いで、このラテックス組成物を電子線照射容器に1.5mm厚となるように移し、容器上部を30μmのポリエチレンフィルムで密閉し、加速電圧750kV、10Mradで電子線を照射し、架橋非晶質共重合体ラテックス組成物を調製した。
上記のようにして調製した架橋非晶質共重合体ラテックス組成物について、ゴム凝固析出分、平均粒子径および熱トルエン不溶解分量(ゲル分率)を下記の方法に従って求めた。
その結果を第1表に示す。
(1)ゴム凝固析出分
架橋非晶質共重合体ラテックス組成物試料を100メッシュのステンレス製網上に流し込み、網上に残ったゴム凝固析出量を架橋非晶質共重合体ラテックス組成物中の全固形分に対する重量%で示す。
(2)平均粒子径
コールターエラクトロニクス社製コールターカウンターを使用して、架橋非晶質共重合体ラテックス組成物試料中の粒子を全数カウントし、粒子径別ヒストグラムと累積量ヒストグラムを作成する。ここで、累積重量ヒストグラムが50%となる点を平均粒子径と定義する。
(3)熱トルエン不溶解分含量(ゲル分率)
架橋非晶質共重合体ラテックス組成物試料中の全固形分を凝析、乾燥し、100メッシュのステンレス製網袋に約1.5gを採取し、120℃トルエン100cc中に6時間浸漬する。
次いで、この網袋を取り出して乾燥した後、網袋中に残った固形分重量を測定し、熱トルエン不溶解分含量(ゲル分率)を算出し、架橋度の目安とした。
以上(1)〜(3)については、架橋処理後48時間以内に測定を完了させた。
(4)貯蔵安定性
架橋非晶質共重合体ラテックス組成物試料を密閉容器内に入れて、室温で2ヶ月放置した。
次いで、上記(1)と同様な方法でゴム凝固析出分を測定し、このゴム凝固析出分をもって、架橋非晶質共重合体ラテックス組成物の貯蔵安定性の評価の目安とした。
[AES樹脂の調製]
上記のようにして得られた架橋非晶質共重合体ラテックス組成物を用いてAES樹脂を公知の方法で製造した。
すなわち、上記架橋非晶質共重合体ラテックス組成物100gを2リットル容量のガラス製オートクレーブに入れ、オレイン酸カリウムを2g追加添加し、60℃に保った後、
10rpmで攪拌しながら、過硫酸カリウムを0.01g/分、スチレンを0.25g/分、アクリロニトリルを0.25g/分で1時間添加した。これらの添加を中止した後、さらに30分間放置し反応を終結させた。
次いで、上記のようにして得られた生成物に、希塩酸を攪拌下で小量滴下し生成物を凝固させ、洗浄、脱水、乾燥した。得られた生成物の収量は125gであった。
次いで、この生成物125gと、市販のAS樹脂[商品名 AS−S、電気化学工業(株)製]375gとを押出機で200℃で混合し、続いて、射出成形機[品番 1S22P、東芝機械(株)製]により、200℃の射出温度で100mm×70mm×2mm厚の角板を得た。
さらに、この角板を用いてアイゾット衝撃強度および表面光沢度の測定を下記の方法に従って行なった。
(1)アイゾット衝撃強度(IZ)
アイゾット衝撃強度(IZ)は、JIS K7110に準拠し、アイゾット衝撃試験機[東洋精機(株)製])を用いて測定した。
・温度 25℃、−10℃
・試験片 1号A
(2)表面光沢度(GLOSS)の測定
JIS K7105に準拠し、グロスメーター[日本電色(株)製]を用いて、60度鏡面光沢度を測定した。
結果を第1表に示す。
比較例1
実施例1において、エチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネン共重合体ゴム(A−1)の代わりに下記の物性を有するエチレン・プロピレン共重合体ゴムを用いた以外は、実施例1と同様に行なった。
エチレン・プロピレン共重合体ゴム;
エチレン/プロピレン(モル比):70/30
135℃デカリン溶液中で測定した極限粘度[η]:1.0dl/g
結果を第1表に示す。
比較例2
実施例1において、エチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネン共重合体ゴム(A−1)の代わりに下記の物性を有するエチレン・プロピレン・5-エチ リデン-2-ノルボルネン共重合体ゴムを用いた以外は、実施例1と同様に行なった。
エチレン・プロピレン・5-エチリデン-2- ノルボルネン共重合体ゴム;
エチレン/プロピレン(モル比):70/30
ヨウ素価:10
135℃デカリン溶液中で測定した極限粘度[η]:1.0dl/g
結果を第1表に示す。
実施例2
実施例1において、エチレン・プロピレン・5-ビニル-2- ノルボルネン共重合体ゴム(A−1)の代わりに下記の物性を有するエチレン・1-オクテン・5-ビニル-2-ノルボルネ
ン共重合体ゴム(A−2)を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。
エチレン・1-オクテン・5-ビニル-2- ノルボルネン共重合体ゴム(A−2);
エチレン/1-オクテン(モル比):90/10
ヨウ素価:10
135℃デカリン溶液中で測定した極限粘度[η]:1.5dl/g
結果を第1表に示す。
実施例3
[架橋非晶質共重合体ラテックス組成物の調製]
実施例1において、架橋処理操作を電子線照射によらずに、有機過酸化物を用いた以外は、実施例1と同様にして、架橋非晶質共重合体ラテックス組成物を調製した。
有機過酸化物による架橋は以下の通りである。架橋処理前のラテックス組成物の固形分100重量部に対して、p-ジビニルベンゼンを2重量部添加し十分に分 散させた。次い
で、このラテックス組成物を2リットル容量のオートクレーブに移し、有機過酸化物として1,1-ジ-t-ブチルペルオキシ-3,3,5- トリメチルシクロヘキサン[商品名 パーヘキサ
3M、日本油脂(株)製]3.0重量部を添加したのち、攪拌しながら120℃の温度で2時間架橋反応を行ない、架橋非晶質共重合体ラテックス組成物を調製した。
以下、実施例1と同様にして、この架橋非晶質共重合体ラテックス組成物について、ゴム凝固析出分、平均粒子径および熱トルエン不溶解分量(ゲル分率)を下記の方法に従って求めた。
その結果を第1表に示す。
[AES樹脂の調製]
実施例1において、実施例1で得られた架橋非晶質共重合体ラテックス組成物の代わりにこの実施例3で得られた架橋非晶質共重合体ラテックス組成物を用いた以外は、実施例1と同様に行なった。
結果を第1表に示す。
比較例3
実施例1において、電子線照射により生成した架橋非晶質共重合体ラテックス組成物をそのまま乾燥し、乾燥品100gとAS樹脂[商品名 AS−S、電気化学工業(株)製]400gを用いた以外は、実施例1と同様に行なった。
結果を第1表に示す。
Figure 2004231969
実施例4
実施例1において調製したAES乾燥生成物によるポリ塩化ビニルの改質効果について、以下の手順に従い試験した。
すなわち、このAES乾燥生成物10重量部と、粉末状のポリ塩化ビニル[商品名 ゼオン103EP、日本ゼオン(株)製]100重量部と、有機Cd−Ba−Zn系ポリ塩化ビニル用安定剤[商品名 LKBZ−80、堺化学工業(株)製]1.5重量部と、ステアリン酸カルシウム[和光純薬工業(株)製]1.0重量部とを、ヘンシェルミキサー
を用いて50℃で混合し、さらに、この混合物を表面温度130〜140℃の8インチロールで5分間混練した。
上記のようにして得られたポリ塩化ビニル混練物を170℃で30分予備加熱した後、170℃で2分間100kg/cm2 の加圧下で熱プレスを行ない、続いて、20℃で5分間100kg/cm2の加圧下で冷却プレスを行なって、150mm×120mm×2
mm厚のプレスシートを得た。
得られたプレスシートについて、25℃、0℃の雰囲気下でアイゾット衝撃試験(JIS K7110)を行なって、アイゾット衝撃強度(IZ)を測定した。
結果を第2表に示す。
比較例4
実施例4において、AES乾燥生成物を用いなかった以外は、実施例4と同様に行なった。
結果を第2表に示す。
比較例5
実施例4において、AES乾燥生成物の代わりに市販の塩素化ポリエチレン[商品名 エラスレン301A、昭和電工(株)製]を10重量部用いた以外は、 実施例4と同様
に行なった。
結果を第2表に示す。
Figure 2004231969

Claims (6)

  1. (A)エチレン、炭素原子数3〜20のα- オレフィンおよび下記一般式[I]または[II]で表わされる少なくとも一種のノルボルネン化合物からなる
    エチレン系非晶質共重合体100重量部と、
    (B)低分子量ポリエチレン、低分子量エチレン・α- オレフィン共重合体、不飽和カルボン酸系化合物変性低分子量ポリエチレン、および不飽和カルボン酸系化合物変性低分子量エチレン・α-オレフィン共重合体からなる群から選ばれた少なくとも1種の低分子量
    (共)重合体2〜50重量部と
    を含有してなるラテックス組成物であり、
    該エチレン系非晶質共重合体(A)成分には架橋結合が形成されていることを特徴とする架橋非晶質共重合ラテックス組成物;
    Figure 2004231969
    [式中、nは0または1〜10の整数であり、
    1 は、水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基であり、
    2 は水素原子または炭素原子数1〜5のアルキル基である]、
    Figure 2004231969
    [式中、R3 は水素原子または炭素原子数1〜10のアルキル基である]。
  2. 前記エチレン系非晶質共重合体(A)成分の熱トルエン不溶解分含有量が30重量%以上であることを特徴とする請求項1に記載の架橋非晶質共重合体ラテックス組成物。
  3. 固形分の平均粒径が0.2〜3.0μmであることを特徴とする請求項1または2に記載の架橋非晶質共重合体ラテックス組成物。
  4. 前記エチレン系非晶質共重合体(A)は、
    (i)エチレンと炭素原子数3〜20のα- オレフィンとのモル比(エチレン/α- オレフィン)が40/60〜95/5の範囲にあり、
    (ii)ヨウ素価が0.5〜50の範囲にあり、
    (iii) 135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.5〜10dl/gの 範囲にある
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の架橋非晶質共重合体ラテックス組成物。
  5. 請求項1〜4に記載の架橋非晶質共重合体ラテックス組成物に、アクリロニトリルとスチレンを乳化グラフト重合させて得られた、アクリロニトリルと前記エチレン系非晶質共重合体(A)とスチレンとの共重合物からなることを特徴とするAES樹脂。
  6. 請求項1〜4に記載の架橋非晶質共重合体ラテックス組成物に、アクリロニトリルとスチレンを乳化グラフト重合させて得られた乾燥生成物と、アクリロニトリル・スチレン樹脂(AS樹脂)とをブレンドして得られた、アクリロニトリルと前記エチレン系非晶質共重合体(A)とスチレンとの共重合物からなることを特徴とするAES樹脂。
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