JP2004346830A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】始動時にブレーキブースタから吸気管に吸い込まれる空気の影響で空燃比が乱れることを防止できるようにする。
【解決手段】ブレーキブースタ24の負圧導入路23にチェック弁35をバイパスするバイパス通路36を接続し、このバイパス通路36に開閉弁37を設ける。エンジン11の始動直前に、開閉弁37を一時的に開弁してバイパス通路36を開放し、ブレーキブースタ24の残圧をほぼ大気圧(吸気管12内と同じ圧力)にする。これにより、始動開始時のブレーキブースタ24内の圧力を毎回ほぼ大気圧にして、始動時にブレーキブースタ24から吸気管12に流入する空気量を毎回ほぼ一定にする。このようにすれば、始動時にブレーキブースタ24から吸気管12に吸い込まれる空気量を検出できなくても、その空気量を考慮して燃料噴射量を設定することが可能となる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸入空気量を検出するエアフローメータと吸気管負圧式のブレーキブースタとを備えた内燃機関の制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の空燃比制御システムは、例えば、特許文献1(特開平4−134159号公報)に記載されているように、内燃機関の吸気管にエアフローメータを設け、このエアフローメータで検出した吸入空気量に基づいて燃料噴射量を設定して空燃比を制御するようにしたものがある。
【0003】
また、内燃機関を動力源とする車両は、例えば、特許文献2(特開平7−119511号公報)に記載されているように、スロットルバルブの下流側に生じる吸気管負圧を利用する負圧式のブレーキブースタを搭載したものが多い。この負圧式のブレーキブースタは、吸気管に接続された負圧導入路を介して吸気管負圧をブレーキブースタ内に導入し、その負圧と大気圧との圧力差を利用してブレーキペダルの踏力を増幅してブレーキの制動力を増大させるようになっている。
【0004】
吸気管負圧式のブレーキブースタを搭載した車両では、内燃機関の運転中にブレーキング等によってブレーキブースタ内の負圧が低下すると、ブレーキブースタに吸気管負圧が導入され、その過程で、ブレーキブースタ内の空気が吸気管に吸い込まれる。しかし、ブレーキブースタの負圧導入路は、吸気管のうちのエアフローメータよりも下流側(詳しくはスロットルバルブの下流側)に接続されているため、ブレーキブースタから負圧導入路を通って吸気管に吸い込まれる空気量はエアフローメータでは検出されない。このため、エアフローメータで検出した吸入空気量に基づいて燃料噴射量を設定して空燃比を制御するシステムでは、内燃機関の運転中にブレーキブースタに吸気管負圧が導入されるときに、ブレーキブースタから吸気管に吸い込まれる空気量を空燃比制御に反映できないため、空燃比がリーン方向に乱れて、トルクが低下したり、NOx排出量が増加したりして、ドライバビリティや排気エミッションに悪影響を及ぼす可能性がある。
【0005】
そこで、特許文献2(特開平7−119511号公報)では、ブレーキブースタの負圧導入路に流量制御弁を設け、車両の運転状態(例えば車速)に基づいてブレーキペダルの踏力を増幅する必要がないと判定したときに、ブレーキブースタから吸気管に吸い込まれる空気流量を流量制御弁によって少なくすることで、ブレーキブースタから吸気管に吸い込まれる空気の影響を少なくして、空燃比の乱れを抑制するようにしている。
【0006】
【特許文献1】
特開平4−134159号公報(第7頁等)
【特許文献2】
特開平7−119511号公報(第3頁〜第5頁等)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
一般に、ブレーキブースタは、内燃機関が停止されて吸気管内の圧力が大気圧になった後も、チェック弁によってブレーキブースタ内の負圧(残圧)が保持される構成になっているが、内燃機関の停止中(始動前)に運転者がブレーキペダルを踏み込むと、ブレーキブースタの残圧が低下する。このため、始動当初のブレーキブースタの残圧は、大きくばらついており、残圧が十分に残っている場合もあるが、その反対に、ブレーキブースタの残圧がほとんどなくなって大気圧に近い状態になっていることもある。ブレーキブースタの残圧が低下した状態で、内燃機関を始動すると、クランクキングが開始されて吸気管内に負圧が発生した時点で、ブレーキブースタに吸気管負圧が導入され、その過程で、ブレーキブースタ内の空気が吸気管に吸い込まれる。
【0008】
しかし、前述したように、ブレーキブースタから吸気管に吸い込まれる空気量は、エアフローメータでは検出されないため、エアフローメータで検出した吸入空気量に基づいて燃料噴射量を設定して空燃比を制御するシステムでは、始動時にブレーキブースタから吸気管に吸い込まれる空気量を空燃比制御に反映できない。そのため、始動時に、ブレーキブースタから吸気管に吸い込まれる空気の影響で空燃比がリーン方向に乱れて、トルクが低下したり、NOx排出量が増加したりして、始動性や排気エミッションに悪影響を及ぼす可能性がある。
【0009】
この対策として、前述した特許文献2の技術を利用して、始動時にブレーキブースタから吸気管に吸い込まれる空気流量を流量制御弁によって少なくすることで、空燃比の乱れを抑制することが考えられる。しかし、始動時にブレーキブースタから吸気管に吸い込まれる空気流量を流量制御弁によって少なくするということは、始動時にブレーキブースタ内への吸気管負圧の導入スピードを遅くするということを意味する。このことは、始動開始からブレーキブースタ内の負圧を回復させるまでの時間が長くなって、ブレーキペダルの踏力増幅効果を早期に回復できなくなるということを意味する。特に、始動前に、ブレーキブースタの残圧がほとんどなくなっている場合は、始動時にブレーキブースタから吸気管に吸い込まれる空気流量を流量制御弁によって少なくすると、上述した問題が大きくなる。
【0010】
本発明はこのような事情を考慮してなされたものであり、従ってその目的は、エアフローメータで検出した吸入空気量に基づいて空燃比を制御するシステムにおいて、始動時にブレーキブースタから吸気管に吸い込まれる空気の影響で空燃比が乱れることを防止できて、始動性と排気エミッションのばらつきを抑えることができると共に、始動時にブレーキブースタ内の負圧を早期に回復させることができる内燃機関の制御装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1の内燃機関の制御装置は、エアフローメータで検出した吸入空気量に基づいて空燃比を空燃比制御手段により制御し、吸気管のうちのエアフローメータよりも下流側に接続された負圧導入路を介して吸気管負圧がブレーキブースタに導入されるシステムにおいて、内燃機関の停止から始動直前までの間にブレーキブースタの残圧をブレーキブースタ残圧調整手段により所定値にするようにしたものである。
【0012】
このように、内燃機関の停止から始動直前までの間にブレーキブースタの残圧を所定値(例えば大気圧)にすれば、始動当初のブレーキブースタの残圧を毎回一定にすることができるので、始動時にブレーキブースタから吸気管に吸い込まれる空気量を毎回ほぼ一定にすることができる。このため、始動時にブレーキブースタから吸気管に吸い込まれる空気量を検出できなくても、その空気量がどれくらいであるか容易に推定でき、その空気量を既知のデータとして取り扱うことが可能となる。その結果、始動時にブレーキブースタから吸気管に吸い込まれる空気量を検出できなくても、その空気量を考慮して燃料噴射量を設定することが可能となり、始動時の空燃比を適正に制御することができて、始動性と排気エミッションのばらつきを抑えることができる。しかも、始動時にブレーキブースタから吸気管に吸い込まれる空気量を少なくする必要がないため、始動時にブレーキブースタ内の負圧を早期に回復させることができる。
【0013】
この場合、ブレーキブースタ残圧調整手段の具体例としては、請求項2のように、負圧導入路に設けられたチェック弁をバイパスして吸気管とブレーキブースタとを連通させるバイパス通路と、バイパス通路を開閉する開閉弁とを設け、内燃機関の停止から始動直前までの間に開閉弁を一時的に開弁するようにしても良い。内燃機関の停止中は、吸気管内の圧力が大気圧とほぼ等しくなるため、内燃機関の停止から始動直前までの間(つまり内燃機関の停止中)に、開閉弁を開弁してバイパス通路を開放すれば、吸気管とブレーキブースタとを連通させてブレーキブースタの残圧をほぼ大気圧にすることができる。これにより、始動当初のブレーキブースタの残圧を毎回ほぼ大気圧にすることができ、始動時にブレーキブースタから吸気管に吸い込まれる空気量を毎回ほぼ一定にすることができる。
【0014】
或は、請求項3のように、負圧導入路に設けられたチェック弁をバイパスして吸気管とブレーキブースタとを連通させるバイパス通路と、バイパス通路内を流れる空気流量を絞るオリフィスとを設けるようにしても良い。このようにすれば、内燃機関の停止中に吸気管内の空気をバイパス通路のオリフィスを介して徐々にブレーキブースタへ流入させて残圧を徐々に低下させることができ、内燃機関の停止中にブレーキブースタの残圧をほぼ大気圧(吸気管内と同じ圧力)にすることができる。これにより、始動当初のブレーキブースタの残圧を毎回ほぼ大気圧にすることができ、始動時にブレーキブースタから吸気管に吸い込まれる空気量を毎回ほぼ一定にすることができる。
【0015】
また、請求項4のように、ブレーキブースタから吸気管に吸い込まれる空気量の情報(以下「吸い込み空気量情報」という)を検出する吸い込み空気量情報検出手段を設け、内燃機関の始動時にエアフローメータで検出した吸入空気量と吸い込み空気量情報検出手段で検出した吸い込み空気量情報とに基づいて燃料噴射量を設定するようにしても良い。このようにすれば、始動時にブレーキブースタから吸気管に吸い込まれる空気量がばらついても、その空気量を実際に検出できるため、始動時に内燃機関の各気筒に実際に吸入される空気量(エアフローメータを通過した空気量とブレーキブースタから吸気管に吸い込まれる空気量との合計値)に応じた燃料噴射量を設定することができる。これにより、始動時の空燃比を適正に制御することができて、始動性と排気エミッションのばらつきを抑えることができる。この場合も、始動時にブレーキブースタから吸気管に吸い込まれる空気量を少なくする必要がないため、始動時にブレーキブースタ内の負圧を早期に回復させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
《実施形態(1)》
以下、本発明の実施形態(1)を図1及び図2に基づいて説明する。まず、図1に基づいてエンジン制御システム全体の概略構成を説明する。内燃機関であるエンジン11の吸気管12の最上流部には、エアクリーナ13が設けられ、このエアクリーナ13の下流側に、吸入空気量を検出するエアフローメータ14が設けられている。このエアフローメータ14の下流側には、DCモータ等によって開度調節されるスロットルバルブ15が設けられている。
【0017】
更に、スロットルバルブ15の下流側には、サージタンク16が設けられ、このサージタンク16に、エンジン11の各気筒に空気を導入する吸気マニホールド17が設けられ、各気筒の吸気マニホールド17の吸気ポート近傍に、それぞれ燃料を噴射する燃料噴射弁18が取り付けられている。また、エンジン11のシリンダヘッドには、各気筒毎に点火プラグ19が取り付けられ、各点火プラグ19の火花放電によって筒内の混合気に着火される。
【0018】
一方、エンジン11の排気管20には、排出ガス中のCO,HC,NOx等を浄化する三元触媒等の触媒21が設けられ、この触媒21の上流側に、排出ガスの空燃比又はリッチ/リーン等を検出する排出ガスセンサ22(空燃比センサ、酸素センサ等)が設けられている。
【0019】
また、吸気管12のうちのスロットルバルブ15の下流側には、負圧導入路23を介してブレーキブースタ24が接続されている。このブレーキブースタ24のケーシング25内は、パワーピストン27によって負圧室28と大気圧室29とに区画され、負圧室28には負圧導入路23が接続され、大気圧室29には大気連通路30が接続されている。また、パワーピストン27には、負圧室28と大気圧室29とを連通させる内部連通路31が設けられている。更に、ブレーキブースタ24のケーシング25内には、ブレーキペダル32と連動して内部連通路31と大気連通路30を開閉する開閉機構33が設けられている。
【0020】
この開閉機構33は次のように動作する。ブレーキペダル32が踏み込まれていないときには、内部連通路31を開放して負圧室28と大気圧室29とを連通させると共に、大気連通路30を閉鎖して大気圧室29と大気側との連通を遮断する。これにより、エンジン運転中は、吸気管負圧が負圧導入路23を介して負圧室28内と大気圧室29内に導入される。
【0021】
その後、ブレーキペダル32が踏み込まれたときに、内部連通路31を閉鎖して負圧室28と大気圧室29との連通を遮断すると共に、大気連通路30を開放して大気圧室29を大気に連通させる。これにより、負圧室28内の負圧が保持された状態で、大気圧室29内に大気圧が導入されて、パワーピストン27の両側に圧力差が生じるため、この圧力差によってブレーキペダル32の踏力が増幅されてマスタシリンダ34に伝達されて、ブレーキ(図示せず)の制動力が増大される。
【0022】
その後、ブレーキペダル32が戻されたときに、内部連通路31を開放して負圧室28と大気圧室29とを連通させると共に、大気連通路30を閉鎖して大気圧室29と大気側との連通を遮断する。これにより、ブレーキペダル32の踏み込み時に大気圧室29内に大気圧が導入された分だけ、ブレーキブースタ24内(負圧室28と大気圧室29)の負圧が低下するため、ブレーキブースタ24内に吸気管負圧が導入され、その過程で、ブレーキブースタ24内の空気が吸気管12に吸い込まれる。
【0023】
また、負圧導入路23の途中には、チェック弁35が設けられ、吸気管負圧がブレーキブースタ24の残圧(負圧室28の負圧)よりも大きいときには、チェック弁35が開弁して吸気管負圧が負圧室28内に導入され(つまりブレーキブースタ24内の空気が吸気管12に吸い込まれ)、吸気管負圧がブレーキブースタ24の残圧(負圧室28の負圧)よりも小さいときには、チェック弁35が閉弁してブレーキブースタ24の残圧が保持されるようになっている。
【0024】
更に、負圧導入路23には、チェック弁35をバイパスして吸気管12と負圧室28との間を連通させるバイパス通路36が接続され、このバイパス通路36の途中に、バイパス通路36を開閉する開閉弁37が設けられている。この開閉弁37は、例えば常閉型の電磁弁で構成され、通電をオンしたときに開弁してバイパス通路36を開放するようになっている。これらのバイパス通路36、開閉弁37及び後述する図2の始動時ブレーキブースタ残圧調整プログラム等からブレーキブースタ残圧調整手段が構成されている。
【0025】
前述したエアフローメータ14等の各種センサの出力は、エンジン制御回路(以下「ECU」と表記する)38に入力される。このECU38のSW端子には、イグニッションスイッチ(以下「IGスイッチ」と表記する)39のオン/オフ信号が入力される。IGスイッチ39をオンすると、ECU38等への電源供給が開始され、IGスイッチ39をオフすると、ECU38等への電源供給が停止される。
【0026】
ECU38は、マイクロコンピュータを主体として構成され、内蔵されたROM(記憶媒体)に記憶された各種のエンジン制御プログラムを実行することで、エンジン運転状態に応じて燃料噴射弁18の燃料噴射量や点火プラグ19の点火時期を制御する。その際、ECU38は、図示しない空燃比制御プログラムを実行することで、エアフローメータ14で検出した吸入空気量に基づいて燃料噴射量を設定して空燃比を制御する空燃比制御手段として機能する。
【0027】
また、ECU37は、後述する図2の始動時ブレーキブースタ残圧調整プログラムを実行することで、エンジン11の始動直前に、バイパス通路36の開閉弁37を一時的に開弁してバイパス通路36を開放し、吸気管12とブレーキブースタ24とを連通させてブレーキブースタ24内(負圧室28と大気圧室29)の残圧をほぼ大気圧(吸気管12内と同じ圧力)にする。これにより、始動当初のブレーキブースタ24の残圧を毎回ほぼ大気圧にして、始動時にブレーキブースタ24から吸気管12に吸い込まれる空気量を毎回ほぼ一定にする。このため、始動時にブレーキブースタ24から吸気管12に吸い込まれる空気量を検出しなくても、その空気量がどれくらいであるか容易に推定でき、その空気量を既知のデータとして取り扱うことが可能となる。
【0028】
図2に示す始動時ブレーキブースタ残圧調整プログラムは、IGスイッチ39のオン後に所定周期で実行される。本プログラムが起動されると、まず、ステップ101で、エンジン停止中(スタータオン前)であり、且つ、IGスイッチ39のオン後の経過時間が所定時間以内であるか否かを判定する。
【0029】
エンジン停止中であり、且つ、IGスイッチ39のオン後の経過時間が所定時間以内であると判定されれば、ステップ102に進み、バイパス通路36の開閉弁37を開弁してバイパス通路36を開放する。これにより、吸気管12とブレーキブースタ24とを連通させてブレーキブースタ24の残圧をほぼ大気圧(吸気管12内と同じ圧力)にする。
【0030】
その後、ステップ101で、エンジン回転中(スタータオン後)と判定された時点、又は、IGスイッチ39のオン後の経過時間が所定時間を越えたと判定された時点で、ステップ103に進み、バイパス通路36の開閉弁37を閉弁してバイパス通路36を閉鎖する。これにより、エンジン運転中は、吸気管負圧がブレーキブースタ24の残圧(負圧室28の負圧)よりも大きくなる毎に、チェック弁35が開弁して吸気管負圧がブレーキブースタ24内に導入され、その過程で、ブレーキブースタ24内の空気が吸気管12に吸い込まれる。そして、吸気管負圧がブレーキブースタ24の残圧よりも小さくなると、チェック弁35が閉弁して、ブレーキブースタ24の残圧が保持される。
【0031】
以上説明した本実施形態(1)では、エンジン始動直前(IGスイッチ39のオンからスタータオンまでの間)にバイパス通路36の開閉弁37を一時的に開弁してバイパス通路36を開放するようにしたので、エンジン始動直前に吸気管12とブレーキブースタ24とを連通させてブレーキブースタ24の残圧をほぼ大気圧(吸気管12内と同じ圧力)にすることができる。これにより、始動当初のブレーキブースタ24の残圧を毎回ほぼ大気圧にすることができ、始動時にブレーキブースタ24から吸気管12に吸い込まれる空気量を毎回ほぼ一定にすることができる。このため、始動時にブレーキブースタ24から吸気管12に吸い込まれる空気量がエアフローメータ14で検出されなくても、その空気量がどれくらいであるか容易に推定でき、その空気量を既知のデータとして取り扱うことが可能となる。その結果、始動時にブレーキブースタ24から吸気管12に吸い込まれる空気量を検出できなくても、その空気量を考慮して燃料噴射量を設定することが可能となり、始動時の空燃比を適正に制御することができる。これにより、始動時にブレーキブースタ24から吸気管12に吸い込まれる空気の影響で空燃比が乱れることを防止できて、始動性と排気エミッションのばらつきを抑えることができる。しかも、始動時にブレーキブースタ24から吸気管12に吸い込まれる空気量を少なくする必要がないため、ブレーキブースタ24内の負圧を早期に回復させて、ブレーキペダル32の踏力増幅効果を早期に回復させることができる。
【0032】
尚、本実施形態(1)では、エンジン始動直前(IGスイッチオンからスタータオンまでの間)に開閉弁37を開弁するようにしたが、エンジン停止直後やエンジン停止から所定時間経過後に開閉弁37を開弁するようにしても良い。また、エンジン停止からエンジン始動直前までの間に開閉弁37を複数回開弁するようにしても良い。
【0033】
更に、チェック弁35、バイパス通路36、開閉弁37等を一体的に設けてモジュール化するようにしても良い。或は、チェック弁35の弁体をソレノイド等のアクチュエータで開閉駆動できるように構成し、チェック弁35を開閉弁として兼用するようにしても良い。
【0034】
《実施形態(2)》
前記実施形態(1)では、バイパス通路36の途中に、開閉弁37を設けた構成としたが、図3に示す本発明の実施形態(2)では、バイパス通路36の途中に、開閉弁37の代わりに、オリフィス40を設けた構成としている。このオリフィス40は、通路内径がバイパス通路36の他の部位の通路内径よりも大幅に小さく形成されている。これにより、バイパス通路36内を流れる空気流量を少量に絞って、エンジン運転中は、バイパス通路36内を流れる空気流量をほぼ無視できる程度にするようになっている。これらのバイパス通路36、オリフィス40等からブレーキブースタ残圧調整手段が構成されている。その他のシステム構成は、前記実施形態(1)と同じである。
【0035】
以上説明した本実施形態(2)では、バイパス通路36にオリフィス40を設けるようにしたので、エンジン停止中に吸気管12内の空気をバイパス通路36のオリフィス40を介して徐々にブレーキブースタ24へ流入させることができ、エンジン停止中にブレーキブースタ24の残圧をほぼ大気圧(吸気管12内と同じ圧力)にすることができる。これにより、始動当初のブレーキブースタ24の残圧を毎回ほぼ大気圧にすることができ、始動時にブレーキブースタ24から吸気管12に吸い込まれる空気量を毎回ほぼ一定にすることができ、前記実施形態(1)と同じ効果を得ることができる。
【0036】
尚、チェック弁35、バイパス通路36、オリフィス40等を一体的に設けてモジュール化するようにしても良い。
【0037】
《実施形態(3)》
次に、図4及び図5を用いて本発明の実施形態(3)を説明する。本実施形態(3)では、図4に示すように、バイパス通路を省略して、負圧導入路23のうちのチェック弁35とブレーキブースタ24との間に、圧力センサ41(吸い込み空気量情報検出手段)を設けた構成とし、この圧力センサ41で負圧導入路23内の圧力(=ブレーキブースタ24の残圧)を検出することで、始動時にブレーキブースタ24から吸気管12に吸い込まれる空気量の情報を検出するようにしている。その他のシステム構成は、前記実施形態(1)と同じである。
【0038】
更に、本実施形態(3)では、図5に示す始動時燃料噴射量設定プログラムを実行することで、エンジン始動時に、圧力センサ41で検出した負圧導入路23内の圧力(=ブレーキブースタ24の残圧)に基づいてブレーキブースタ24から吸気管12に吸い込まれる空気量Q1 を算出し、この空気量Q1 とエアフローメータ14で検出した吸入空気量Q2 との合計値(エンジン11の各気筒に実際に吸入される空気量)に基づいて燃料噴射量を算出する。
【0039】
図5に示す始動時燃料噴射量設定プログラムは、IGスイッチ39のオン後に所定周期で実行される。本プログラムが起動されると、まずステップ201で、エンジン始動時であるか否かを、例えば、IGスイッチ39のオン後の経過時間が所定時間以内であるか否か、エンジン回転速度が所定値以下であるか否か等によって判定する。もし、エンジン始動時でなければ、ステップ202以降の処理を実行することなく、本プログラムを終了する。
【0040】
一方、エンジン始動時であると判定された場合には、ステップ202に進み、圧力センサ41で検出した負圧導入路23内の圧力変化量(=ブレーキブースタ24内の圧力変化量)に基づいてブレーキブースタ24から吸気管12に吸い込まれる空気量Q1 をマップ等を用いて算出する。
【0041】
この後、ステップ203に進み、ブレーキブースタ24から吸気管12に吸い込まれる空気量Q1 とエアフローメータ14で検出した吸入空気量Q2 との合計値(エンジン11の各気筒に実際に吸入される空気量)に応じて燃料噴射量をマップ等を用いて算出する。
【0042】
以上説明した本実施形態(3)では、エンジン始動時に、圧力センサ41の検出値に基づいてブレーキブースタ24から吸気管12に吸い込まれる空気量Q1 を算出し、この空気量Q1 とエアフローメータ14で検出した吸入空気量Q2 との合計値に基づいて燃料噴射量を算出するようにしたので、始動時にエンジン11の各気筒に実際に吸入される空気量(エアフローメータ14を通過した空気量とブレーキブースタ24から吸気管12に吸い込まれる空気量との合計値)に応じた燃料噴射量を設定することができ、始動時の空燃比を適正に制御することができて、始動性と排気エミッションのばらつきを抑えることができる。この場合も、始動時にブレーキブースタ24から吸気管12に吸い込まれる空気量を少なくする必要がないため、ブレーキブースタ24内の負圧を早期に回復させて、ブレーキペダル32の踏力増幅効果を早期に回復させることができる。
【0043】
尚、本実施形態(3)では、圧力センサ41で検出した負圧導入路23内の圧力(=ブレーキブースタ24の残圧)に基づいてブレーキブースタ24から吸気管12に吸い込まれる空気量を算出するようにしたが、負圧導入路23内を流れる空気量を検出するセンサを設けて、ブレーキブースタ24から吸気管12に吸い込まれる空気量を直接検出するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態(1)におけるエンジン制御システム全体の概略構成図
【図2】始動時ブレーキブースタ残圧調整プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【図3】実施形態(2)におけるエンジン制御システム全体の概略構成図
【図4】実施形態(3)におけるエンジン制御システム全体の概略構成図
【図5】始動時燃料噴射量設定プログラムの処理の流れを示すフローチャート
【符号の説明】
11…エンジン(内燃機関)、12…吸気管、14…エアフローメータ、15…スロットルバルブ、18…燃料噴射弁、19…点火プラグ、20…排気管、23…負圧導入路、24…ブレーキブースタ、28…負圧室、29…大気圧室、32…ブレーキペダル、35…チェック弁、36…バイパス通路(ブレーキブースタ残圧調整手段)、37…開閉弁(ブレーキブースタ残圧調整手段)、38…ECU(空燃比制御手段,ブレーキブースタ残圧調整手段)、39…IGスイッチ、40…オリフィス(ブレーキブースタ残圧調整手段)、41…圧力センサ(吸い込み空気量情報検出手段)。

Claims (4)

  1. 内燃機関の吸気管を流れる吸入空気量を検出するエアフローメータと、該エアフローメータで検出した吸入空気量に基づいて空燃比を制御する空燃比制御手段と、前記吸気管のうちの前記エアフローメータよりも下流側に接続された負圧導入路を介して吸気管負圧が導入されるブレーキブースタとを備えた内燃機関の制御装置において、
    内燃機関の停止から始動直前までの間に前記ブレーキブースタの残圧を所定値にするブレーキブースタ残圧調整手段を備えていることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 前記ブレーキブースタ残圧調整手段は、前記負圧導入路に設けられたチェック弁をバイパスして前記吸気管と前記ブレーキブースタとを連通させるバイパス通路と、該バイパス通路を開閉する開閉弁とを備え、内燃機関の停止から始動直前までの間に前記開閉弁を一時的に開弁することを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  3. 前記ブレーキブースタ残圧調整手段は、前記負圧導入路に設けられたチェック弁をバイパスして前記吸気管と前記ブレーキブースタとを連通させるバイパス通路と、該バイパス通路内を流れる空気流量を絞るオリフィスとを備えていることを特徴とする請求項1に記載の内燃機関の制御装置。
  4. 内燃機関の吸気管を流れる吸入空気量を検出するエアフローメータと、該エアフローメータで検出した吸入空気量に基づいて空燃比を制御する空燃比制御手段と、前記吸気管のうちの前記エアフローメータよりも下流側に接続された負圧導入路を介して吸気管負圧が導入されるブレーキブースタとを備えた内燃機関の制御装置において、
    前記ブレーキブースタから前記吸気管に吸い込まれる空気量の情報(以下「吸い込み空気量情報」という)を検出する吸い込み空気量情報検出手段を備え、
    前記空燃比制御手段は、内燃機関の始動時に前記エアフローメータで検出した吸入空気量と前記吸い込み空気量情報検出手段で検出した吸い込み空気量情報とに基づいて燃料噴射量を設定することを特徴とする内燃機関の制御装置。
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