JP2004509191A - 有機シリケート重合体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐クラック性と機械的強度が優れた絶縁薄膜を形成することができる有機シリケート重合体の製造方法を提供すること。前記方法で製造される熱的安定性、耐クラック性及び機械的強度が向上した有機シリケート重合体を用いた低誘電絶縁膜形成用コーティング組成物及び低誘電絶縁膜の製造方法、並びにこの方法で製造される金属配線層間低誘電絶縁膜を含む電気素子を提供すること。
【解決手段】有機溶媒の不存在下で、触媒存在下に有機シラン化合物を水と混合して反応させ、該有機シラン化合物を加水分解及び縮合させる重合工程a)を含む有機シリケート重合体の製造方法。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は高密度、高性能の半導体素子のような次世代電気素子に必須の低誘電物質に関する。さらに詳しくは熱的に安定で機械的特性が優れており、耐クラック性に優れた有機シリケート重合体の製造方法、この有機シリケート重合体を用いる低誘電絶縁膜形成用コーティング組成物と低誘電絶縁膜の製造方法、及びこの製造方法で製造される低誘電絶縁膜を含む電気素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体産業は素子の複雑性が増加する傾向にあり、幾何学的規模の縮少及びメモリ、ロジックチップのような集積回路素子内に大きい規模密度を有する高度の成分集積が要求されている。これにより配線レベル数が増加し配線ピッチが減少して配線密度が増加している。現在先端技術のロジックプロセッサーは7〜8レベルの高密度相互接続(interconnect)を有し、相互接続線線幅は2005年頃に0.1μm 程度に減少するものと予想される。
【0003】
素子規模が0.25μm 未満に縮少されることにより、抵抗−容量(RC)カップリングによる伝搬遅延、干渉現象(crosstalk noise)及び電力消失が大きくなっている。線規模が小さくなることによって金属配線の抵抗が増加し、金属間の間隔が狭くなることによって金属配線間のキャパシタンス(capacitance:電気容量)が増加する。したがって、主要大きさが減少することにより素子のスイッチング速度が増加するにもかかわらず、相互接続の遅延が全遅延の主要部分になり、全チップ性能を制限する。したがって、高速のチップを製造するためには、低い抵抗を有する導体(conductor)及び低い誘電定数を有する誘電物質を使用しなければならない。更に、低誘電物質の使用により電力消失及び干渉現象が顕著に減少する。
【0004】
最近、いくつかの半導体素子製造業者が通常のアルミニウム配線の代わりに高電気伝導性を有する銅配線を使用して20%以上の性能向上を示した試作品を市場に発表したことがある。最近、低誘電定数性能を示す新たな物質を相互接続に使用しはじめた。集積回路内相互接続層間誘電膜にこれら物質を使用すれば、駆動速度への影響はアルミニウムから銅技術に移転することによる結果と同一である。例えば、誘電物質の誘電定数が4.0から約2.5に変化すれば、IC駆動速度は約20%向上する。
【0005】
半導体集積回路素子内で使用される層間絶縁物質は主にSiO で、これは一般的に化学蒸着法(CVD)を利用して形成されて誘電物質が形成される条件に関連する多様な加工作業に耐える。シリコン熱酸化膜の誘電定数は最も低いのが4.0台である。フッ素原子をCVDによって蒸着された無機膜内に導入して誘電定数を減少させようとする試みが行われたことがあった。しかし、多量のフッ素原子の導入は化学的及び熱的安定性を減少させて、実際に得られた誘電定数は3.5台である。フッ化酸化物は即時の短期の解決策を提供するだけであり、3以下の誘電定数を有する新たな形態の絶縁物質が要求される。
【0006】
その一つとして有機重合体を用いることができ、これらのうちの一部は3.0未満の誘電定数を有する。フッ素をこのような有機重合体に混入させるのはさらに誘電定数を減少させることが知られている。しかし、大部分の有機重合体はオンチップ(on−chip)半導体絶縁に要求される物理化学的特性、特に(400〜450℃範囲のback−end line−fabrication温度に耐えるのに充分な)熱的安定性及び機械的特性を有していない。450℃以上の温度で安定な有機重合体は稀である。これらはまた、低いガラス転移温度を有し、したがって弾性が高温で急激に減少し、非常に高い線膨脹係数を有する。半導体IC集積及びパッケージング工程内で温度が450℃まで上昇するので、低い熱的安定性、弾性及び高い線膨脹係数によって素子の信頼性が低下することがある。
【0007】
最近、有機重合体の熱的安定性問題を解決するために、ゾル−ゲル工程を利用する有機シリケート重合体が開発された。特に、約2.7乃至3.3の誘電定数を有する有機SOG(Spin On Glass)の有機成分(メチルのようなアルキル基)のサイドチェーンがシロキサン結合のバックボンドチェーンに結合されている層間絶縁物質の利用が提案されてきた。
【0008】
電子部品または半導体部品用保護膜、層間絶縁膜などに利用するためのポリアルキルシルセスキオキサン(polyalkylsilsesquioxane)のような有機シリケート重合体を製造するための様々な方法がいままで知られてきた。有機シリケート重合体の合成のための一般的な方法はシラン前駆体を単一有機溶媒または有機溶媒混合物内で加水分解及び縮合させることである。有機シリケート重合体の構造はランダム(random)構造、梯子(ladder)構造、ケージ(cage)構造及び部分ケージ構造があると報告されてきた。特に、シリコン原子当り1.5酸素原子を含有するポリシルセスキオキサンは高い水準のケージまたは梯子構造を有し、機械的特性が不良である。例えば、ポリメチルシルセスキオキサンは典型的に機械的特性が不良である。この膜が非常に薄くなければ(1μm未満の場合)、加工中にクラックが形成される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は前記従来の技術の問題点を考慮して、耐クラック性と機械的強度が優れた絶縁薄膜を形成することができる有機シリケート重合体の製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
本発明の他の目的は、前記方法で製造される熱的安定性、耐クラック性及び機械的強度が向上した有機シリケート重合体を用いた低誘電絶縁膜形成用コーティング組成物及び低誘電絶縁膜の製造方法、並びにこの方法で製造される金属配線層間低誘電絶縁膜を含む電気素子を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明は、有機溶媒の不存在下で、触媒存在下に有機シラン化合物を水と混合して反応させ、該有機シラン化合物を加水分解及び縮合させる重合工程a)を含む有機シリケート重合体の製造方法を提供する。
【0012】
本発明の有機シリケート重合体は従来は予想できなかった高い水準のネットワーク構造を有する。
【0013】
前記製造方法は、前記重合工程a)で得られた重合物に有機溶媒を加えて加熱し、重合物を熟成させる熟成工程b)をさらに含むことができる。
【0014】
また、本発明は、前記記載の方法で製造される有機シリケート重合体及び有機溶媒を含む低誘電絶縁膜形成用コーティング組成物を提供する。
【0015】
前記コーティング組成物は、基質への接着増強剤、長期保存のための安定化剤、及び界面活性剤からなる群より選択される1種以上の添加剤をさらに含むことができる。
【0016】
また、本発明は、前記記載の方法で製造される有機シリケート重合体を有機溶媒に溶解して得られた溶液を基質上にコーティングして薄膜を形成する工程c)、及び前記薄膜を乾燥し、300乃至500℃で薄膜を硬化する工程d)を含む低誘電絶縁膜の製造方法を提供する。
【0017】
また、本発明は、前記方法で製造される低誘電絶縁膜を含有する電気素子を提供する。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0019】
本発明の有機シリケート重合体の製造方法は有機溶媒の不存在下に有機シラン化合物と水を混合することによって直接加水分解及び縮合反応させる工程を含む。
【0020】
本発明は有機シリケート重合体の製造方法と、例えば、均一な誘電フィルムを形成することができる樹脂組成物として有用な低誘電樹脂組成物を提供する。本発明によって形成された硬化フィルムの機械的強度は高い水準のケージ(cage)及び/又は梯子(ladder)構造を有する既知の有機シリケート重合体から形成される硬化フィルムと比較して強化されたものである。
【0021】
本発明の有機シリケート重合体の製造方法は直接的な加水分解と縮合反応(ストレートでの反応(neat reaction))工程、均質化有機溶媒(homogenizing organic solvents)の不存在下に有機シラン化合物を水と混合して反応させて有機シラン化合物を加水分解及び縮合させることによって、特定分子量の有機シリケート重合体に熟成させる工程を含む。均質化溶媒はストレートでの反応によって製造される有機シリケート重合体に添加されて反応を終了させたり、または所望の分子量に重合体を熟成させることができる。
【0022】
また、本発明の有機シリケート高分子の製造方法は有機溶媒の不存在下に直接、加水分解及び縮合反応させる工程を含む任意の方法を含むことができ、その例として下記(i)〜(iv)の方法で有機シリケート高分子組成物を製造することができる。
【0023】
本発明の製造方法は付加的に、
(i)有機シラン化合物に所定量の有機シリケート重合体と触媒を連続的または断続的に添加して混合物を加水分解及び縮合反応させ、一定時間反応した後に有機溶媒を添加し、反応温度を下げて反応を中断し有機シリケート高分子を得る方法;
(ii)有機シラン化合物に所定量の水と触媒を連続的または断続的に添加して一定時間加水分解及び縮合反応させて有機溶媒を添加し、混合物を追加的に反応させ、温度を下げて反応を中断し有機シリケート高分子を得る方法;
(iii)有機シラン化合物に所定量の水と触媒を連続的または断続的に添加して一定時間加水分解及び縮合反応させ、その結果生成される混合物に水、シラン化合物、及び触媒から選択される少なくとも一つを一定量さらに添加して一定時間反応させた後、温度を下げて有機シリケート高分子を得る方法;及び
(iv)有機溶媒存在下で有機シラン化合物を所定量の水と触媒と混合して反応させ、混合物を加水分解及び縮合させて有機シリケート重合体を得て、この有機シリケート重合体と前記方法(i)、(ii)又は(iii)の方法で得た有機シリケート重合体と一定量混合する方法を含むことができる。
【0024】
前記有機シリケート重合体の製造に用いられる有機シラン化合物は、これらに制限されるものではないが、シリコン、炭素、酸素、水素を含む有機シランモノマー及びこれらから製造できる有機シランオリゴマーを含む。また、有機シリケート重合体を製造する時の前記シランモノマーまたはオリゴマーは単独または二つ以上の成分を一定の比率で混合して使用することもできる。好ましくは、下記の化学式(1)で表示される化合物及び下記の化学式(2)で表示される化合物からなる群より選択される化合物を単独または一定の比率で混合して有機シリケート重合体を製造することができる。
【0025】
【化3】
Figure 2004509191
(上記式中、R 、R は同一又は異なり、非加水分解性基であり、水素、アルキル基、フッ素含有アルキル基、アルケニル、又はアリールであり、Xは加水分解性基であり、ハロゲン、アルコキシ、又はアシルオキシであり、m及びnは0乃至3の整数であり、かつ0≦m+n≦3である。)
【化4】
Figure 2004509191
(上記式中、R 、R は同一又は異なり、非加水分解性基であり、水素、アルキル基、フッ素含有アルキル基、アルケニル、又はアリールであり、Y、Zは同一又は異なり、加水分解性基であり、ハロゲン、アルコキシ、又はアシルオキシであり、Mはアルキレン又はフェニレンの有機架橋ユニットであり、p及びqは0乃至2の整数である。)
前記化学式(1)において、R 、R はそれぞれ独立に、水素、メチル、エチル、プロピル、及びブチルなどのアルキル、トリフルオロメチル及びトリフルオロプロピルなどのフッ素含有アルキル基、ビニル及びアリルなどのアルケニル、又はフェニルのようなアリールである。これらアルキル基は線状または分岐状である。Xは独立に、加水分解性基であり、塩素のようなハロゲン、メトキシ、エトキシ、及びプロポキシのようなアルコキシ、アセトキシのようなアシルオキシなどである。官能基であるR 、R 及びXは特に限定されないが、好ましくはR 、R は独立に、水素、アルキル、またはフェニルであり、Xはアルコキシ基である。化学式(1)の例としては、テトラアルコキシシラン、モノアルキルトリアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシラン、トリアルキルモノアルコキシシラン、トリアルコキシシラン、ジアルコキシシラン、モノアルキルジアルコキシシラン、及びこれらの混合物を含む。
【0026】
前記化学式(2)において、R 、R はそれぞれ独立に、水素、メチル、エチル、プロピル、及びブチルなどのアルキル、トリフルオロメチル及びトリフルオロプロピルなどのフッ素含有アルキル基、ビニル及びアリルなどのアルケニル、又はフェニルのようなアリールである。Y、Zは独立に、加水分解性基であり、塩素のようなハロゲン、メトキシ、エトキシ、及びプロポキシのようなアルコキシ、アセトキシのようなアシルオキシなどである。官能基であるR 、R 、Y、及びZは特に限定されないが、好ましくはR 、R は独立に、水素、アルキル、またはフェニルであり、Y及びZはアルコキシ基である。有機架橋単位であるMはアルキレンまたはフェニレンであり、好ましくはメチレン、エチレン、プロピレン、またはフェニレン、またはこれらの混合物である。
【0027】
加水分解と縮合またはフィルムコーティングに用いられる溶媒は、化学式(1)と(2)を溶解して均一な液状混合物を形成することができる任意の試薬またはそれらの混合物を含む。本発明で用いられる有機溶媒はn−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、及びシクロヘキサンなどの脂肪族炭化水素溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、アルキルベンゼン、及びナフタレンなどの芳香族炭化水素溶媒、メタノール、エタノール、n −プロパノール、イソプロパノール、n −ブタノール、t −ブタノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノールなどのアルコール溶媒、テトラヒドロフラン、2−メチルジオキサン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのエーテル溶媒、エチルホルメート、メチルアセテート、エチル乳酸、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールジアセテートなどのエステル溶媒、N−メチルピロリドン、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−エチルアセトアミドなどのアミド溶媒を含む。
【0028】
加水分解と縮合で用いられる溶媒は反応後に完全に除去され、オイルまたは粉末の有機シリケート重合体を得るが、この溶媒はフィルム形成溶媒内に溶解して使用したり、直接的にフィルム形成に用いることができる。
【0029】
触媒としては、酸または塩基をシラン化合物の加水分解と縮合に用いることができる。しかし、直接的な加水分解及び縮合反応(ストレートでの反応)の場合、酸を使用して反応速度を調節することが好ましく、一方、溶媒の存在下に加水分解及び縮合する場合、酸触媒と塩基触媒の全てを用いることができる。本発明で用いられる触媒の例は塩酸、フッ酸、硝酸、硫酸、及びリン酸などの無機酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、酪酸、スルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、及び酒石酸などの有機酸、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、及び水酸化カルシウムなどのような無機塩基、ピリジン、ピペラジン、ピペリジン、コリン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノメチルジエタノールアミン、及びジメチルモノエタノールアミンなどの有機塩基を含む。金属キレート化合物及び塩触媒のようなその他の触媒もまた、本発明で用いることができる。一般的に用いられる触媒の量は化学式(1)と(2)の全シラン化合物の1モルに対して0.001乃至1モルであり、好ましくは0.5モル以下である。
【0030】
所望の分子量のものが得られれば反応温度は特に限定されない。前記温度は用いる有機溶媒の沸点より高くないことが好ましく、加水分解生成物の分子量を調節するために0乃至100℃が好ましい。加水分解及び縮合反応時間は特に限定されず、前記反応は生成物が所定の分子量に至れば完結できる。通常、最終生成物の分子量を重量平均分子量500乃至1,000,000の範囲内に設定するのが好ましい。化学式(1)または化学式(1)と(2)の混合物の加水分解縮合物の分子量が500未満であれば均一なコーティングフィルムを得るのが難しく、加水分解縮合物の分子量が1,000,000を越えれば縮合重合体は不溶性になることがある。
【0031】
また、加水分解及び縮合された有機シリケート重合体に有機溶媒を添加し、加熱する熟成工程は15乃至100℃の温度で行うことが好ましい。
【0032】
本発明の絶縁膜形成用コーティング組成物は、前記製造方法で製造される有機シリケート重合体を有機溶媒に溶解して製造される。必要であれば、基質との接着性を増進させる接着増強剤、長期保存のための安定化剤、フィルムコーティングを均一にするための界面活性剤のような様々な添加剤を本発明の効果に影響を与えない範囲内でコーティングフィルムを形成する前に組成物に添加することができる。
【0033】
基質上にコーティングフィルムを形成する方法としては、溶媒を含有する本発明の組成物を基質上にコーティングし、加熱及び乾燥させて溶媒を揮発させる方法を用いるのが好ましい。ここで樹脂組成物はスピンコーティング、ディップコーティング、スプレーコーティング、フローコーティング、スクリーンコーティングなどのよく知られた方法で基質に塗布される。コーティング方法はコーティングされる基質の形態及び要求される厚さなどによって適切に選択することができる。本発明の組成物が半導体装置の配線層間絶縁フィルムに適用される時にはフィルム厚さの内面分布が均質になるスピンコーティング方法が好ましい。溶液の固形分濃度は化学式(1)及び(2)の樹脂組成物の総樹脂量として固形分が溶解できる範囲内で溶液の所望粘度またはコーティングフィルムの厚さを考慮して適切に選択することができる。
【0034】
コーティングフィルムを形成するためには、溶媒の蒸発及びさらに化学式(1)及び(2)の樹脂混合物の部分的に加水分解された共縮合物を架橋するために、硬化工程がコーティング後に必要である。加熱は単一工程工程または工程式工程を実施することができる。化学式(1)及び(2)の樹脂混合物の部分的に加水分解された共−縮合物を充分に硬化させ、未反応のアルコキシシリル基とシラノール基が残らないようにするために300乃至500℃、さらに好ましくは400乃至500℃の最終硬化温度が必要である。未反応のアルコキシシリル基またはシラノール基はそれ自体によってコーティングフィルムの誘電定数を増加させる要因となり、また、それらは水吸収域になることができるので水により誘電定数を増加させる原因となる。したがって、コーティングフィルム内でそれらを残さないようにするのが好ましい。
【0035】
前記方法で製造されるコーティングは、金属またはセラミックのような任意の基質上に用いられるが、電気素子の製造に用いられる基質、例えば、メモリIC、ロジックICまたはMMIC(monolithic microwave IC)のようなIC装置、ハイブリッドIC、発光ダイオードまたは充電装置のような光学装置、液晶ディスプレイ装置のようなディスプレイ装置などの製造に用いられる電気基質上に特に用いられる。
【0036】
本発明によって形成されるコーティングフィルムは、緩衝コーティングフィルム、不動態化フィルム、電気素子用層間絶縁膜として適用され、例えば、低誘電定数と高い誘電強度のような優れた電気的特性によって装置のシグナル伝達遅延を減少させる高い機能を獲得することができ、また、優れた機械的特性で高い信頼性を得ることができる。
【0037】
本発明で製造される有機シリケート重合体は、多孔性絶縁フィルム製造用マトリックス樹脂組成物として利用することができる。例えば、本発明で製造される有機シリケート重合体の混合物と熱的に不安定なポリマーまたは有機低分子の混合物がスピンコーティングされ、熱的に硬化されて熱的に不安定なポリマーまたは有機低分子のガラス化及び分解を開始することができる。
【0038】
【実施例】
以下の実施例を通じて本発明を詳細に説明する。ただし、下記実施例は本発明を例示するためのものであり、これらに限られるわけではない。
【0039】
実施例1
0.67mlの蒸留水と2N濃度の塩酸0.80mlを混合した後、メチルトリメトキシシラン7.6mlを添加した。得られた混合物を反応器に入れて温度を5℃に維持し、2時間反応させた。その後、温度を常温に上げて2時間さらに反応させた。反応液をトルエン溶媒で希釈し、中性になるまで水で3乃至4回洗った。硫酸マグネシウムを得られた有機相に入れて残っている水を完全に除去し、溶媒を真空オーブンで完全に除去して固相生成物を得た。
(絶縁フィルムの製造)
得られた粉末300mgをメチルイソブチルケトンに溶かして全体溶液が1.5gになるようにした。得られた溶液はフィルターを通じて不純物を除去した後、スピンコーティングして薄膜を得て、窒素雰囲気下で乾燥し、硬化させて絶縁フィルムを得た。
【0040】
実施例2
3.5mlの蒸留水と5N濃度の塩酸0.60mlを混合した後、メチルトリメトキシシラン12.82mlとジメトキシジメチルシラン1.37mlを窒素雰囲気下に徐々に添加した。得られた混合物を反応器に入れて温度を5℃に維持し、2時間反応させた。その後、温度を常温に上げて2時間さらに反応させた。15mlのテトラヒドロフラン(THF)溶媒を前記混合物に入れて温度を徐々に上げ、加熱還流させて4時間さらに反応させた。反応液をエーテル溶媒で希釈して中性になる時まで水で3乃至4回洗った。硫酸マグネシウムを得られた有機相に入れて残っている水を完全に除去し、溶媒を真空オーブンで完全に除去して固相生成物を得た。
(絶縁フィルムの製造)
得られた粉末を用いて実施例1と同じ方法で乾燥及び硬化して絶縁フィルムを製造した。
【0041】
実施例3
1.2mlの蒸留水と2N濃度の塩酸0.7mlを混合した後、メチルトリメトキシシラン6mlとビストリメトキシシリルエタン1.06mlを窒素雰囲気下に徐々に添加した。得られた混合物を反応器に入れて温度を5℃に維持して2時間反応させた。その後、温度を常温に上げて2時間さらに反応させた。15mlのテトラヒドロフラン(THF)溶媒を前記混合物に入れて温度を徐々に上げ、加熱還流させて4時間さらに反応させた。反応液をエーテル溶媒で希釈して中性になるまで水で3乃至4回洗った。硫酸マグネシウムを得られた有機相に入れて残っている水を完全に除去し、溶媒を真空オーブンで完全に除去して固相生成物を得た。
(絶縁フィルムの製造)
得られた粉末を用いて実施例1と同じ方法で乾燥及び硬化して絶縁フィルムを製造した。
【0042】
実施例4
4.05mlの蒸留水と2N濃度の塩酸0.80mlを混合した後、メチルトリメトキシシラン7.6mlを窒素雰囲気下に徐々に添加した。得られた混合物を反応器に入れて温度を5℃に維持して2時間反応させた。10mlのテトラヒドロフラン(THF)溶媒を前記混合物に入れて温度を徐々に上げ、加熱還流させて4時間さらに反応させた。反応液をトルエン溶媒で希釈して中性になるまで水で3乃至4回洗った。硫酸マグネシウムを得られた有機相に入れて残っている水を完全に除去し、溶媒を真空オーブンで完全に除去して固相生成物を得た。
(絶縁フィルムの製造)
得られた粉末を用いて実施例1と同じ方法で乾燥及び硬化して絶縁フィルムを製造した。
【0043】
比較例1
メチルトリメトキシシラン7.6ml、0.67mlの蒸留水及び10mlのテトラヒドロフラン(THF)溶媒を混合した後、2N濃度の塩酸0.80mlを窒素雰囲気下に徐々に添加した。これらを常温で30分間反応させた後、温度を徐々に上げて加熱還流させ一晩中さらに反応させた。反応後、溶液の温度を再び常温に下げた後、溶液をトルエン溶媒で希釈して中性になるまで水で3乃至4回洗った。硫酸マグネシウムを得られた有機相に入れて残っている水を完全に除去し、溶媒を真空オーブンで完全に除去して固相生成物を得た。
(絶縁フィルムの製造)
得られた粉末を用いて実施例1と同じ方法で乾燥及び硬化して絶縁フィルムを製造した。
【0044】
比較例2
メチルトリメトキシシラン12.8ml、ジメトキシジメチルシラン1.37ml、3.5mlの蒸留水及び20mlのテトラヒドロフラン(THF)溶媒を混合した後、5N濃度の塩酸0.6mlを窒素雰囲気下に徐々に添加した。これらを常温で30分間反応させた後、温度を徐々に上げて加熱還流させて一晩中さらに反応させた。反応後、溶液の温度を再び常温に下げた後、溶液をトルエン溶媒で希釈して中性になるまで水で3乃至4回洗った。硫酸マグネシウムを得られた有機相に入れて残っている水を完全に除去し、溶媒を真空オーブンで完全に除去して固相生成物を得た。
(絶縁フィルムの製造)
得られた粉末を用いて実施例1と同じ方法で乾燥及び硬化して絶縁フィルムを製造した。
【0045】
比較例3
メチルトリメトキシシラン6ml、ビストリメトキシシリルエタン1.06ml及び15mlのテトラヒドロフラン(THF)溶媒を混合した後、2N濃度の塩酸0.7mlを蒸留水1.2mlと共に窒素雰囲気下に徐々に添加した。これらを常温で30分間反応させた後、温度を徐々に上げて加熱還流させて一晩中さらに反応させた。反応後、溶液の温度を再び常温に下げた後、溶液をエーテル溶媒で希釈して中性になるまで水で3乃至4回洗った。硫酸マグネシウムを得られた有機相に入れて残っている水を完全に除去し、溶媒を真空オーブンで完全に除去して固相の生成物を得た。
(絶縁フィルムの製造)
得られた粉末を用いて実施例1と同じ方法で乾燥及び硬化して絶縁フィルムを製造した。
【0046】
比較例4
メチルトリメトキシシラン7.6ml、4.05mlの蒸留水及び10mlのテトラヒドロフラン(THF)溶媒を混合した後、2N濃度の塩酸0.80mlを窒素下に徐々に添加した。これらを常温で30分間反応させた後、温度を徐々に上げて加熱還流させて一晩中さらに反応させた。反応後、溶液の温度を再び常温に下げた後、溶液をトルエン溶媒で希釈して中性になるまで水で3乃至4回洗った。硫酸マグネシウムを得られた有機相に入れて残っている水を完全に除去し、溶媒を真空オーブンで完全に除去して固相の生成物を得た。
(絶縁フィルムの製造)
得られた粉末を用いて実施例1と同じ方法で乾燥及び硬化して絶縁フィルムを製造した。
【0047】
<薄膜形成及び物性評価>
実施例1〜4及び比較例1〜4で製造された有機シリケート重合体で薄膜を形成し、その物性を評価して表1に示した。
【0048】
分子量(重量平均分子量:Mw)はポリスチレンを標準とするゲル透過クロマトグラフィ(GPC)を使用して相対分子量値を得た。薄膜の機械的物性は2×2インチSiウエハー上にポリマーをスピンコーティングし、窒素条件下で420℃の温度で1時間硬化した後に測定した。硬度と係数はヒシトロン社(Hysitron Inc.)のトリボインデンター(Tribolndenter)を使用して測定した。耐クラック性は1μm厚さの薄膜を前記のような条件で製造してクラックの発生有無を観察して測定した。
【0049】
【表1】
Figure 2004509191
前記表1は本発明によって製造される有機シリケート重合体を使用して製造される絶縁フィルムの機械的強度が増加することを示している。
【0050】
図1と図2は、1000〜1200cm−1範囲におけるシロキサン(Si−O−Si)“ストレッチ”の吸収に対応する2つのピークを示す。図1は実施例2で製造されるフィルムのFTIRを示すもので、約1030cm−1でさらに強い吸収を有し、比較例2で製造されるフィルムより実施例2で製造されるフィルムがより高いレベルの長鎖ネットワークSi−O−Si構造を有することが確認できた。同様な結果が他の実施例でも観察された。
【0051】
〔発明の効果〕
本発明によって製造された有機シリケート重合体を用いた絶縁膜は優れた機械的強度及び耐クラック性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2で製造されたフィルムのフーリエ変換赤外線(FTIR)スペクトルである。
【図2】比較例2で製造されたフィルムのフーリエ変換赤外線(FTIR)スペクトルである。

Claims (16)

  1. 有機溶媒の不存在下で、触媒存在下に有機シラン化合物を水と混合して反応させ、該有機シラン化合物を加水分解及び縮合させる重合工程a)を含む有機シリケート重合体の製造方法。
  2. 前記重合工程a)で得られた重合物に有機溶媒を加えて加熱し、重合物を熟成させる熟成工程b)をさらに含む請求項1記載の有機シリケート重合体の製造方法。
  3. 前記熟成工程b)における加熱温度が15乃至100℃である請求項2記載の有機シリケート重合体の製造方法。
  4. 前記重合工程a)の反応を0乃至100℃の温度で行う請求項1記載の有機シリケート重合体の製造方法。
  5. 前記有機シラン化合物がシリコン、酸素及び水素を含む有機シランモノマー、該有機シランモノマーから製造される有機シランオリゴマー、及びこれらの混合物からなる群より選択される1種以上である請求項1記載の有機シリケート重合体の製造方法。
  6. 前記有機シラン化合物が下記の化学式(1)で表示される化合物、下記の化学式(2)で表示される化合物、これらの有機シランオリゴマー、及びこれらの混合物からなる群より選択される1種以上である請求項1記載の有機シリケート重合体の製造方法。
    Figure 2004509191
    (上記式中、R 、R は同一又は異なり、非加水分解性基であり、水素、アルキル基、フッ素含有アルキル基、アルケニル、又はアリールであり、Xは加水分解性基であり、ハロゲン、アルコキシ、又はアシルオキシであり、m及びnは0乃至3の整数であり、かつ0≦m+n≦3である。)
    Figure 2004509191
    (上記式中、R 、R は同一又は異なり、非加水分解性基であり、水素、アルキル基、フッ素含有アルキル基、アルケニル、又はアリールであり、Y、Zは同一又は異なり、加水分解性基であり、ハロゲン、アルコキシ、又はアシルオキシであり、Mはアルキレン又はフェニレンの有機架橋ユニットであり、p及びqは0乃至2の整数である。)
  7. 前記重合工程a)における触媒の量が、有機シラン化合物1molに対して0.001乃至1molである請求項1記載の有機シリケート重合体の製造方法。
  8. 前記重合工程a)における触媒が酸触媒である請求項1に記載の有機シリケート重合体の製造方法。
  9. 前記重合工程a)で得られる有機シリケート重合体がネットワーク構造を有する請求項1記載の有機シリケート重合体の製造方法。
  10. 請求項1又は2記載の方法で製造される有機シリケート重合体及び有機溶媒を含む低誘電絶縁膜形成用コーティング組成物。
  11. 基質への接着増強剤、長期保存のための安定化剤、及び界面活性剤からなる群より選択される1種以上の添加剤をさらに含む請求項10記載の低誘電絶縁膜形成用コーティング組成物。
  12. 前記有機シリケート重合体の分子量が500乃至1,000,000である請求項10記載の低誘電絶縁膜形成用コーティング組成物。
  13. 前記有機シリケート重合体がネットワーク構造を有する請求項10記載の低誘電絶縁膜形成用コーティング組成物。
  14. 前記有機溶媒が脂肪族炭化水素溶媒、芳香族炭化水素溶媒、アルコール溶媒、エーテル溶媒、エステル溶媒、及びアミド溶媒からなる群より選択される1種以上である請求項10記載の低誘電絶縁膜形成用コーティング組成物。
  15. 請求項1又は2記載の方法で製造される有機シリケート重合体を有機溶媒に溶解して得られた溶液を基質上にコーティングして薄膜を形成する工程c)、及び前記薄膜を乾燥し、300乃至500℃で薄膜を硬化する工程d)を含む低誘電絶縁膜の製造方法。
  16. 請求項15記載の方法で製造される低誘電絶縁膜を含有する電気素子。
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