JP2007071040A - シリンダヘッド構造 - Google Patents

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【課題】シリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの間の空間に開口する導入口からの新気をエンジン内に均一に流すことができ、シリンダヘッド上から流れ込む大量のオイルによるタイミングチェーンの回転フリクションを抑制することができるシリンダヘッド構造を提供する。
【解決手段】エンジン1の内部の換気に供されて該エンジンの下部から排出される新気を導入するための新気導入口51をシリンダヘッド13とシリンダヘッドカバー14との間の空間10に開口させる。エンジンの一側に、空間に対し上端部が連通するチェーンケースを設ける。そして、空間内において最もチェーンケース側に位置するカムキャップ23の反チェーンケース側面に堰52を設けるとともに、その堰の上端部に、新気導入口から空間内に導入された新気のチェーンケース側への流量を調整する絞り通路53を形成している。
【選択図】図2

Description

本発明は、直列型エンジンやV型エンジンの内部の換気に供されて該エンジン内から排出される新気を導入するための導入口がシリンダヘッドに設けられたシリンダヘッド構造に関し、詳しくは、導入口から導入された新気をエンジン内に均一に流すことができるようにする対策に係わる。
従来より、エンジンのシリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの間の空間に新気を導入するための導入口を設け、この導入口から導入された新気をエンジン下部に導くことによって、そのエンジン下部のクランクケース内から放出されるブローバイガスの濃度を低減しつつ上記空間に開口する排気口より排出するようにしたものは知られている(例えば、特許文献1参照)。
そして、このものにおいては、シリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの間の空間に対し上端部が連通するチェーンケースをエンジンの一側に設け、そのチェーンケース内のカムスプロケットにフィンを設けることによって、エンジン一側寄りの導入口から導入された空間内の新気の流れを、エンジン他側寄りの排気口に導くことなく積極的にチェーンケース側に導くようにしている。
特開平8−326520号公報
ところが、上記従来のものでは、チェーンケース内のカムスプロケットのフィンによって、導入口から導入された新気の流れの大半がチェーンケース側(エンジンの一側)に導かれるため、シリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの間の空間内で新気が満遍なく導かれず、新気がエンジン下部に十分に導かれないために、導入口からの新気をエンジン内に均一に流すことができない。
一方、シリンダヘッドおよびシリンダブロックには、オイルをオイルパンに戻すためのオイル戻し孔が該シリンダヘッドおよびシリンダブロックを上下方向に貫通して設けられているものの、シリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの間の空間にチェーンケースの上端部が連通しているために、その空間内においてカムシャフトなどの潤滑に供されたオイルの大半が新気の流れに伴ってチェーンケース側へ流れ込み易いものとなる。そのため、シリンダヘッド上からチェーンケース内に流れ込んだ大量のオイルによって、チェーンの回転フリクションが増加することになる。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、シリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの間の空間に開口する導入口からの新気をエンジン内に均一に流すことができ、シリンダヘッド上から流れ込む大量のオイルによるチェーンケース内でのチェーンの回転フリクションを抑制することができるシリンダヘッド構造を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明では、エンジンの内部の換気に供されて該エンジンの下部から排出される新気を導入するための導入口がシリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの間の空間に開口するシリンダヘッド構造を前提とし、上記エンジンの一側に、上記空間に対し上端部が連通するチェーンケースを設けている。そして、上記シリンダヘッド上のチェーンケース側端に、上記空間内のオイルのチェーンケース側への流出を堰き止める堰を設けるとともに、その堰の上端部に、上記導入口から空間内に導入された新気のチェーンケース側への流量を調整する絞り通路を形成している。
この特定事項により、シリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの間の空間内に導入口から導入された新気は、シリンダヘッド上のチェーンケース側端における堰の上端部の絞り通路によって、チェーンケース側への流量が調整されることになる。これにより、新気の流れの大半がチェーンケース側に導かれることがなくなって円滑にチューニングされることになり、シリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの間の空間内に導入された新気がエンジン下部に十分に導かれ、導入口からの新気をエンジン内に均一に流すことが可能となる。
しかも、導入口からの新気がシリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの間の空間内で均一に流れることにより、シリンダヘッドカバー内に満遍なく新気が導かれて、冷間時などにシリンダヘッドカバー内面において結露が発生し難くなり、結露(凝縮水)とNOxとの反応による硝酸の生成も抑制されて、オイル内への硝酸の混入も抑えられ、オイルの寿命を効率よく延ばすことが可能となる。
更に、シリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの間の空間内においてカムシャフトなどの潤滑に供されたオイルの大半は、シリンダヘッド上のチェーンケース側端の堰によってチェーンケース側へ流れ込むことなく確実に堰き止められて、シリンダヘッドおよびシリンダヘッドを上下方向に貫通するオイル戻し孔を介してオイルパンに戻されることになり、チェーンケース内での大量のオイルによるチェーンの回転フリクションを低減させることが可能となる。
また、上記目的を達成するため、本発明では、V型エンジン固有の構成においても言及している。
つまり、V型エンジンの内部の換気に供されて該V型エンジンの一方のバンクのシリンダヘッドから排出される新気を導入するための導入口がそのV型エンジンの他方のバンクのシリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの間の空間に開口するシリンダヘッド構造を前提とし、上記V型エンジンの一側に、その両バンクのシリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの間の空間に対し上端部が連通するチェーンケースを設ける。そして、上記両バンクのシリンダヘッド上のチェーンケース側端に、その両バンクの空間内のオイルのチェーンケース側への流出を堰き止める堰をそれぞれ設けるとともに、その各堰のうち、上記他方のバンク側の堰の上端部に、上記導入口から空間内に導入された新気のチェーンケース側への流量を調整する絞り通路を形成している。
この特定事項においても、V型エンジンの他方のバンクのシリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの間の空間内に導入口から導入された新気は、その空間内のチェーンケース側端における堰の上端部の絞り通路によって、チェーンケース側への流量が調整されることになる。これにより、新気の流れの大半がチェーンケースを介して一方のバンクのシリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの間の空間から排出されることがなくなって円滑にチューニングされることになり、V型エンジンの他側のバンクのシリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの間の空間からの新気がV型エンジンの下部に十分に導かれ、導入口からの新気をV型エンジン内に均一に流すことが可能となる。
更に、各バンクのシリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの間の空間内においてカムシャフトなどの潤滑に供されたオイルの大半は、各バンクのシリンダヘッド上のチェーンケース側端の堰によってチェーンケース側へ流れ込むことなく確実に堰き止められて、各バンクのシリンダヘッド上のオイル戻し孔を介してオイルパンに戻されることになり、チェーンケース内での大量のオイルによるチェーンの回転フリクションを低減させることが可能となる。
特に、堰を特定するものとして、以下の構成が掲げられる。
つまり、シリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの間の空間内において最もチェーンケース側に位置するカムキャップに堰を設けている。
この特定事項により、カムキャップを利用して堰が形成されることになり、新たに形成する場合に比して安価に堰を形成することが可能となる。
以上、要するに、シリンダヘッド上のチェーンケース側端に堰を設け、その堰の上端部に新気の流量を調整する絞り通路を形成することで、チェーンケース側への新気の流量を円滑にチューニングし、導入口からの新気をエンジン内に均一に流すことができる上、冷間時などにシリンダヘッドカバー内面での結露の発生を抑えてNOxとの反応による硝酸の生成も抑制し、オイルの寿命を効率よく延ばすことができる。更に、チェーンケース側へのオイルの流れ込みを確実に堰き止め、チェーンケース内での大量のオイルによるチェーンの回転フリクションを低減させることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施例1に係わるシリンダヘッド構造を適用したDOHCタイプの直列4気筒エンジン1をクランクシャフト11の軸心と直行する側方から見て一部切り欠いた断面図である。
図1に示すように、直列4気筒エンジン1(以下、単にエンジンと称する)は、シリンダブロック12の上側に配設されたシリンダヘッド13を備えている。このシリンダヘッド13の上側にはシリンダヘッドカバー14が配設されている。また、シリンダブロック12の下端部には、オイルパン15が配設されているとともに、上記クランクシャフト11が回転自在に支持されている。この場合、シリンダヘッド13とシリンダヘッドカバー14との間に空間10が形成されている。
図2に示すように、上記シリンダヘッド13上には、クランクシャフト11の軸線方向所定間隔置きに吸気用カムシャフト21および排気用カムシャフト22を下側からそれぞれ支持する略半円弧状の軸受け部13a(図2参照)が設けられ、この各軸受け部13aには、吸気用カムシャフト21および排気用カムシャフト22を上側からそれぞれ個別に支持する略半円弧状の軸受け部23aを有するカムキャップ23が一対のボルト24,24により締結されている。そして、吸気用カムシャフト21および排気用カムシャフト22は、シリンダヘッド13の各軸受け部13aと各カムキャップ23の軸受け部23aとにベアリングを介してそれぞれ回転自在に支持されている。なお、図2中21aは吸気用カム、22aは排気用カムである。
また、図1に示すように、上記エンジン1の一側(図1では左側)には、チェーンケース3が取り付けられている。このチェーンケース3は、その上端部が上記シリンダヘッド13とシリンダヘッドカバー14との間の空間10(以下、単に空間と称する)の一側に連通しているとともに、下端部がシリンダブロック12の下部に連通している。上記チェーンケース3内には、シリンダブロック12の一側より突出するクランクシャフト11の先端に回転一体に連結されたクランクスプロケット31と、上記シリンダヘッド13の一側より突出する吸気用カムシャフト21および排気用カムシャフト22の先端にそれぞれ回転一体に連結されたカムスプロケット32(図1では吸気用のカムスプロケットのみ示す)と、上記クランクスプロケット31および各カムスプロケット32とに巻き掛けられたタイミングチェーン33とが収容されている。
そして、エンジン1は、シリンダの内面とピストンの外面との隙間からクランク室内に吹き抜けたブローバイガスを吸気系に導くブローバイガス還元装置4(以下、PCV(Positive Crankcase Ventilation)装置という)を備えている。このPCV装置4は、シリンダブロック12の側面に配置されたオイルセパレータ41を備えている。また、このオイルセパレータ41は、セパレータケース42、このセパレータケース42にそれぞれ接続されるブローバイガス導入ホース43、オイル排出ホース、ブローバイガス排出ホース45を備えている。以下、それぞれについて説明する。
セパレータケース42は、ブローバイガス導入ホース43によってシリンダブロック12下部のクランク室より抜き出されたブローバイガスからオイルミストを分離するためのものであって、シリンダブロック12の側面にボルト止め等の手段によって取り付けられている。このセパレータケース42にはブローバイガス導入ホース43の下流端が接続されている。そして、ブローバイガス導入ホース43の上流端は、シリンダブロック12下部のクランク室に開口していて、クランク室内に吹き抜けたブローバイガスを抜き出してセパレータケース42内に導入するようになされている。また、セパレータケース42にはオイル排出ホースが接続され、このオイル排出ホースを介してセパレータケース42内で分離されたオイルがオイルパン15に戻されるようになっている。
ブローバイガス排出ホース45は、上記セパレータケース42においてオイルが分離除去された後のブローバイガスを吸気系に導くための配管であって、下流端がサージタンクに接続され、ブローバイガスを、サージタンクを介してエンジン1の吸気系に戻すようにしている。また、このブローバイガス排出ホース45の上流端部にはPCVバルブ46が設けられている。このPCVバルブ46が吸気負圧等によって開弁することによりセパレータケース42内のブローバイガスがブローバイガス排出ホース45に流出されてサージタンクに導入されるようになっている。
そして、上記シリンダヘッドカバー14には、エンジン1内の換気に供される新気を導入する導入口としての新気導入口51が設けられている。この新気導入口51から空間10内に導入された新気は、上記ブローバイガス導入ホース43の上流端からブローバイガスと共に排出され、このブローバイガスと共に排出された新気がセパレータケース42およびブローバイガス排出ホース45を介してサージタンクに導入されるようになっている。
また、上記シリンダヘッド13およびシリンダブロック12には、このシリンダヘッド13およびシリンダブロック12を上下方向に貫通する複数のオイル戻し孔16,16,…が開設されている。この各オイル戻し孔16は、各カムシャフト21,22の潤滑に供されたオイルをオイルパン15に戻すためのものであって、上記新気導入口51から導入された新気をシリンダブロック12下部のクランクケース内に導くための通路としても利用される。
そして、本発明の特徴部分として、図2にも示すように、上記各カムキャップ23のうち、空間10内において最もチェーンケース3側(図1では左側)に位置するカムキャップ23の反チェーンケース3側面には、空間10内において各カムシャフト21,22の潤滑に供されたオイルのチェーンケース3側への流出を堰き止めるようにシリンダヘッド13の上端面より上方へ突出する堰52が設けられている。この堰52の上端部には、上記新気導入口51から空間10内に導入された新気のチェーンケース3側への流量を調整する絞り通路53が形成されている。この絞り通路53は、シリンダヘッドカバー14の内面と堰52の上端面との間に構成されている。
したがって、上記実施例1では、シリンダヘッドカバー14の新気導入口51から空間10内に導入された新気は、空間10内の最もチェーンケース3側に位置するカムキャップ23の反チェーンケース3側面においてシリンダヘッド13上端面より上方へ突出する堰52の上端部の絞り通路53によって、チェーンケース3側への流量が調整されることになる。これにより、空間10内の新気の流れの大半がチェーンケース3側に導かれることがなくなって円滑にチューニングされることになり、シリンダヘッド13の新気導入口51から導入された新気が各オイル戻し孔16およびチェーンケース3を介してシリンダブロック12下部のクランクケース内に十分に導かれ、新気導入口51からの新気をエンジン1内に均一に流すことができる。
しかも、新気導入口51からの新気が空間10内で均一に流れることにより、シリンダヘッドカバー14内に満遍なく新気が導かれて、冷間時などにシリンダヘッドカバー14内面において結露が発生し難くなり、結露(凝縮水)とNOxとの反応による硝酸の生成も抑制されて、オイル内への硝酸の混入も抑えられ、オイルの寿命を効率よく延ばすことができる。
そして、シリンダヘッド13内において各カムシャフト21,22などの潤滑に供されたオイルの大半は、最もチェーンケース3側に位置するカムキャップ23の反チェーンケース3側面にシリンダヘッド13上端面より上方へ突出する堰52によってチェーンケース3側へ流れ込むことなく確実に堰き止められて、各オイル戻し孔16を介してオイルパン15に戻されることになり、チェーンケース3内での大量のオイルによるタイミングチェーン33の回転フリクションを低減させることができる。
更に、空間10内において最もチェーンケース3側に位置するカムキャップ23の反チェーンケース3側面に堰52を設けたことによって、カムキャップ23を利用して堰52が形成されることになり、新たに形成する場合に比して安価に堰52を形成することができる。
次に、本発明の実施例2を図3に基づいて説明する。
この実施例2では、本発明に係わるシリンダヘッド構造をDOHCタイプのV型エンジンに適用している。
すなわち、本実施例では、V型エンジン6(以下、単にエンジンと称する)は、シリンダブロック61の上部にV型に突出した一対のバンク62L,62Rを有している。各バンク62L,62Rは、シリンダブロック61の上端部に設置されたシリンダヘッド63L,63Rと、その上端に取り付けられたシリンダヘッドカバー64L,64Rとをそれぞれ備えている。上記シリンダブロック61の下側にはクランクケース65が取り付けられており、上記シリンダブロック61内の下部からクランクケース65の内部に亘る空間がクランク室66となっている。また、このクランクケース65の下端部には、オイルパン67が配設されているとともに、クランクシャフト11が回転自在に支持されている。この場合、シリンダヘッド63L,63Rとシリンダヘッドカバー64L,64Rとの間に空間60L,60Rがそれぞれ形成されている。
上記シリンダヘッド63L,63R上には、クランクシャフト11の軸線方向所定間隔置きに吸気用カムシャフト21および排気用カムシャフト22を下側からそれぞれ支持する略半円弧状の軸受け部63a,63a,…が設けられ、この各軸受け部63aには、吸気用カムシャフト21および排気用カムシャフト22を上側からそれぞれ個別に支持する略半円弧状の軸受け部23aを有するカムキャップ23が一対のボルト24,24により締結されている。そして、吸気用カムシャフト21および排気用カムシャフト22は、シリンダヘッド63L,63Rの各軸受け部63aと各カムキャップ23の軸受け部23aとにベアリングを介してそれぞれ回転自在に支持されている。この場合、このエンジン6の一側(図3では紙面手前側)にも、チェーンケース3が取り付けられ、このチェーンケース3は、その上端部が上記シリンダヘッド63L,63Rとシリンダヘッドカバー64L,64Rとの間の空間60L,60R(以下、単に空間と称する)の一側にそれぞれ連通しているとともに、下端部がクランクケース65の下部に連通している。
そして、このエンジン1にもPCV装置4が設けられている。このPCV装置4のオイルセパレータ41のセパレータケース42は、シリンダブロック61上の各バンク62L,62R間に形成された水平部の上面にボルト止め等の手段によって取り付けられている。この場合、ブローバイガス導入ホース43の上流端は、一方のバンク62L(図3では左側のバンク)のシリンダヘッドカバー64Lに開口していて、クランク室66内に吹き抜けたブローバイガスを、シリンダヘッド63L,63Rおよびシリンダブロック61を上下方向に貫通する複数のオイル戻し孔を介して抜き出してセパレータケース42内に導入するようになされている。
また、上記他方のバンク62Rのシリンダヘッドカバー64Rには、エンジン6内の換気に供される新気を導入する導入口としての新気導入口71が設けられている。この新気導入口71から空間60R内に導入された新気は、各オイル戻し孔およびチェーンケース3を介してクランク室66内を循環して上記ブローバイガス導入ホース43の上流端からブローバイガスと共に排出され、このブローバイガスと共に排出された新気がセパレータケース42およびブローバイガス排出ホース45を介してサージタンクに導入されるようになっている。
そして、上記各カムキャップ23のうち、シリンダヘッド63L,63R上において最もチェーンケース3側(図3では紙面手前側)に位置するカムキャップ23の反チェーンケース3側面には、空間60L,60R内において各カムシャフト21,22の潤滑に供されたオイルのチェーンケース3側への流出を堰き止めるようにシリンダヘッド63L,63Rの上端面より上方へ突出する堰72L,72Rが設けられている。この各堰72L,72Rのうち、新気導入口71がシリンダヘッドカバー64Rに設けられた上記他方のバンク62R側の堰72Rの上端部には、上記新気導入口71から空間60R内に導入された新気のチェーンケース3側への流量を調整する絞り通路73が形成されている。この絞り通路73は、シリンダヘッドカバー64Rの内面と堰72Rの上端面との間に構成されている。
したがって、上記実施例2では、他方のバンク62Rのシリンダヘッドカバー64Rの新気導入口71から空間60R内に導入された新気は、その空間60R内の最もチェーンケース3側に位置するカムキャップ23の反チェーンケース3側面においてシリンダヘッド63R上端面より上方へ突出する堰72Rの上端部の絞り通路73によって、チェーンケース3側への流量が調整されることになる。これにより、新気の流れの大半がチェーンケース3側に導かれることがなくなって円滑にチューニングされることになり、シリンダヘッドカバー64Rの新気導入口71から空間60R内に導入された新気が各オイル戻し孔およびチェーンケース3を介してクランクケース65内のクランク室66に十分に導かれ、新気導入口71からの新気をエンジン6内に均一に流すことができる。
そして、空間60L,60R内において各カムシャフト21,22などの潤滑に供されたオイルの大半は、最もチェーンケース3側に位置するカムキャップ23の反チェーンケース3側面にシリンダヘッド63L,63R上端面より上方へ突出する堰72L,72Rによってチェーンケース3側へ流れ込むことなく確実に堰き止められて、各オイル戻し孔を介してオイルパン67に戻されることになり、チェーンケース3内での大量のオイルによるタイミングチェーン33の回転フリクションを低減させることができる。
更に、シリンダヘッド63L,63R内において最もチェーンケース3側に位置するカムキャップ23の反チェーンケース3側面にそれぞれ堰72L,72Rを設けたことによって、カムキャップ23を利用して堰72L,72Rが形成されることになり、新たに形成する場合に比して安価に堰72L,72Rを形成することができる。
なお、本発明は、上記各実施例に限定されるものではなく、その他種々の変形例を包含している。例えば、上記実施例2では、ブローバイガス導入ホース43の上流端を一方のバンク62Lのシリンダヘッドカバー64Lに開口させるとともに、他方のバンク62Rのシリンダヘッドカバー64Rに新気導入口71を設け、この新気導入口71から導入した新気を、各オイル戻し孔およびチェーンケース3を介してクランク室66内を循環してブローバイガス導入ホース43の上流端からブローバイガスと共に排出するようにしたが、双方のバンクのシリンダヘッドカバーにそれぞれ新気導入口を開口するとともに、ブローバイガス導入ホースの上流端をクランクケース内のクランク室に開口させ、各バンクの新気導入口から導入された新気が、ブローバイガス導入ホースの上流端からブローバイガスと共に排出されるようにしてもよい。この場合には、双方のバンクの堰の上端部にそれぞれ絞り通路が形成される。
また、上記各実施例では、最もチェーンケース3側に位置するカムキャップ23の反チェーンケース3側面に堰52,72L,72Rを設けたが、最もチェーンケース側に位置するカムキャップに一体的に堰が設けられていてもよい。この場合には、最もチェーンケース側に位置するカムキャップをシリンダヘッドの上端面に取り付けるだけで堰が設置でき、組み付け作業工数の削減化を図ることが可能となる。
本発明の実施例1に係る直列型エンジンのシリンダヘッドカバーおよびチェーンケースを切り欠いた状態の縦断側面図である。 同じくエンジンを最もチェーンケース側に位置するカムキャップよりもチェーンケース寄りで切断した状態の縦断正面図である。 本発明の実施例2に係るV型エンジンを最もチェーンケース側に位置するカムキャップよりもチェーンケース寄りで切断した状態の縦断正面図である。
符号の説明
1 直列型エンジン(エンジン)
10 空間
13 シリンダヘッド
14 シリンダヘッドカバー
23 カムキャップ
3 チェーンケース
51 新気導入口(導入口)
52 堰
53 絞り通路
6 V型エンジン(エンジン)
60 空間
63L,63R
シリンダヘッド
64L,64R
シリンダヘッドカバー
71 新気導入口(導入口)
72L,72R

73 絞り通路

Claims (3)

  1. エンジンの内部の換気に供されて該エンジンの下部から排出される新気を導入するための導入口がシリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの間の空間に開口するシリンダヘッド構造において、
    上記エンジンの一側には、上記空間に対し上端部が連通するチェーンケースが設けられており、
    上記シリンダヘッド上のチェーンケース側端には、上記空間内のオイルのチェーンケース側への流出を堰き止める堰が設けられているとともに、
    その堰の上端部には、上記導入口から空間内に導入された新気のチェーンケース側への流量を調整する絞り通路が形成されていることを特徴とするシリンダヘッド構造。
  2. V型エンジンの内部の換気に供されて該V型エンジンの一方のバンクのシリンダヘッドから排出される新気を導入するための導入口がそのV型エンジンの他方のバンクのシリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの間の空間に開口するシリンダヘッド構造において、
    上記V型エンジンの一側には、その両バンクのシリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの間の空間に対し上端部が連通するチェーンケースが設けられており、
    上記両バンクのシリンダヘッド上のチェーンケース側端には、その両バンクの空間内のオイルのチェーンケース側への流出を堰き止める堰がそれぞれ設けられているとともに、
    その各堰のうち、上記他方のバンク側の堰の上端部には、上記導入口から空間内に導入された新気のチェーンケース側への流量を調整する絞り通路が形成されていることを特徴とするシリンダヘッド構造。
  3. 上記請求項1または請求項2に記載のシリンダヘッド構造において、
    堰は、シリンダヘッドとシリンダヘッドカバーとの間の空間内において最もチェーンケース側に位置するカムキャップに設けられていることを特徴とするシリンダヘッド構造。
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