JP2007261602A - 転写印刷用トレー - Google Patents

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成寿 鈴木
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Katsumi Shigeta
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【課題】 三次元的な凹凸のある被染着物Mに対しても、色ムラの発生がなく鮮明な転写模様の付与が可能な真空吸着式の転写印刷用トレーを提供する。
【解決手段】 複数の吸引孔13,13が穿設された上トレー板11u、該上トレー板11uとの間に吸引管14,14に連通する隙間を形成して前記上トレー板11uと重ね合わせられた下トレー板11d、及び前記上トレー板11uの上方に配置され、上トレー板11uとの間で被染着物Mと転写シートSを密着させるゴムシートGを備えた転写印刷用トレー10において、前記上トレー板11u上面の前記吸引孔13,13の外側全周にわたって凸部壁16を突設するとともに、前記ゴムシートGをその全側端にわたって固定枠17で固定する。
【選択図】図4

Description

本発明は、被染着物に転写印刷模様を形成する際、被染着物が三次元的に複雑なものであっても色ムラのない鮮明な転写印刷模様を付与するための転写印刷用トレーに関する。
昇華性染料を所定パターンで塗布した転写シートを樹脂被覆された被染着物に密着させて加熱すると、転写シートから昇華した染料が被染着物の表面樹脂層に浸透し、樹脂層の膜厚方向に延びる染料染着層が形成される。転写シートに塗布された昇華性染料のパターンを倣って染料染着層が形成されるため、被染着物に所定の転写模様が付与される。被染着物としては、昇華性染料に対して受容性のある樹脂層が表面に設けられている限り、塗装金属板,塗装タイル,織布・不織布,塗装ガラス板,塗装セラミックボード,樹脂成形体等、多様な材料を使用できる。
色ムラのない転写模様を被染着物に付与するためには、被染着物に転写シートを均一密着させる必要がある。比較的小型の転写装置では蝶番式に開閉する上蓋にホットプレートを装着する方式も採用できるが、印刷面積が大きくなると蝶番式開閉機構では作業に支障をきたす。そこで、本発明者等は、ホットプレートを装着した上蓋の開閉に代えて引き出し方式の作業台を組み込み、大型の被染着物に対する転写印刷を可能にした装置を紹介した(特許文献1)。
この転写装置では、上下二段の作業台1d,1uを機枠2に引き出し方式で組み込んでいる(図1)。耐熱シート3上に被染着物,転写シートを重ね合わせる作業台1d又は1u上での作業と、被染着物に昇華転写する作業台1u又は1d上での作業とを同時並行させることにより作業効率が改善される。作業台1d,1uは、周囲を枠体7d,7uで補強され、案内レール6に沿って奥行き方向に前後進し、ハンドル8d,8uを握りながらの操作で微調整される。
そして、機枠2の四隅近傍に配置したエアシリンダ5a〜5dでホットプレート4を昇降させ、転写位置にある被染着物に転写シートを均一密着させると、転写シートから昇華した染料で被染着物が染着される。作業台1d,1u上で耐熱シート3に被染着物,転写シートを重ね合わせ、ホットプレート4を下降させて加圧・加熱する方式は、平坦な被染着物の転写印刷に適しているが、三次元的な凹凸のある被染着物では転写模様に色ムラが生じやすい。
色ムラは、被染着物の三次元的な凹凸が被染着物/転写シートの密着状態に悪影響を及ぼし、密着不良部分で転写シートから被染着物に十分量の昇華性染料が移行しないことに原因がある。三次元的な凹凸が転写シートに皺を発生させがちなことも、印刷不良、特に転写模様が不鮮明になる原因である。
加圧・加熱前に被染着物/転写シートの密着を確実に行うことができれば、三次元的な凹凸のある被染着物を転写印刷する場合でも転写シートの密着不良や皺発生に起因する印刷エラーを防止できる。
そこで、本発明者等は、ホットプレスに代えて真空吸引で転写シートを被染着物に密着させる方式を採用した転写印刷装置を特許文献2で提案した。当該装置では、さらに、被染着物に転写シートを密着させた後に、加熱し、転写印刷を進行させる方式を採用している。
特開2003−137239号公報 特願2005−259358号
特許文献2で提案した転写印刷装置では、真空吸引機構を備えたトレー上に載置した被染着物に転写シートを重ね合わせ、真空吸引力で被染着物に転写シートを密着させる構造を採用している。具体的には、図2に示すように、真空吸引機構を備えたトレー10は、熱伝導性の良好な金属板からなる上トレー板11uと下トレー板11dとが組み合わされ、パッキン12,12で上下トレー板11u,11d間を気密封止した構造となっている。上トレー板11uに複数の吸引孔13,13が穿設されており、吸引孔13,13は上下トレー板11u,11dの隙間から吸引管14,14に連通している。パッキン12,12を挟んで上下トレー板11u,11dをネジ,ボルト等の固着具15で連結すると、真空吸引源(図示せず)から吸引管14,上下トレー板11u,11d間の隙間を経て吸引孔13に至り、上トレー板11u上に開口する真空吸引路が形成されている。
この真空吸引機構を備えたトレー10上に、被染着物Mを乗せ、所定パターンで昇華性染料Dを塗布した転写シートSとゴムシートGを順次、被染着物Mに重ねる(図2a)。そして、真空系を起動させると、上トレー板11uに開口した吸引孔13を介し被染着物M,転写シートSがトレー10に吸着・密着される(図2b)。なお、被染着物Mに転写シートSを真空吸着させる際、転写シートSとゴムシートGとの間の通気性が布Cで確保され、転写面の一部における空気の残存が無く、均一な真空吸着力で転写シートSが被染着物Mに密着される。
このように、特許文献2で提案した転写印刷装置は、例えば図2に示す、左右両端に補強のための微小湾曲部Rを設けたような三次元的に複雑な形状品であっても、加熱前に被染着物Mに対する転写シートSの密着状態を目視観察で確認でき、密着不良を是正した後に加熱転写できるために、不良品が出る頻度が少なくなるという利点を有している。
しかしながら、特許文献2で提案した装置では、現場で使用するに当たって、トレー10を、図2中、ゴムシートGの四辺側端を固定枠(図示せず)で固定する構造とし、固定枠で固定されたゴムシートGを転写シートS上に載置する態様としている。そして、真空吸引して被染着物Mに転写シートS及びゴムシートGを密着させた後に、図1で示すホットプレート4の加熱領域に搬入し、図2で示すホットプレート4’を作動させて加熱し、転写を行っている。
ゴムシートGが固定枠で固定されているため、トレー10の上トレー板11uとゴムシートGとの間で被染着物Mと転写シートSを密着させた状態で加熱されるとき、ゴムシート固定枠及びトレー板はそれぞれ別々に熱ひずみを発生する。両者の熱ひずみ量が異なることに起因してゴムシートと上トレー板との間のシールが安定せず、シール漏れが生じる可能性が高くなる。固定枠を用いない場合にあっても、トレー板の熱ひずみにともなってゴムシートと上トレー板とがずれやすくなり、シール漏れが生じやすくなる。シール漏れを起こすと、被染着物Mを覆う転写シートSに皺が生じたり密着不良を生じたりし、その結果として転写模様が不鮮明になったり色ムラが生じたりする。
本発明は、このような問題を解消するために案出されたものであり、真空吸引力で被染着物に転写シートを密着させた後に加熱して昇華転写する印刷装置に用いるトレーとして、当該トレーを構成する上トレー板とその上面に配置されたゴムシートとの間に三次元的に複雑な形状の被染着物を介在させても、上トレー板とゴムシート間のシール漏れを防いで、被染着物と転写シートの密着不良に起因する色ムラの発生をなくすとともに鮮明な転写模様を被染着物に歩留良く付与することが可能な転写印刷用トレーを提供することを目的とする。
本発明の転写印刷用トレーは、その目的を達成するため、複数の吸引孔13,13が穿設された上トレー板11u、該上トレー板11uとの間に吸引管14,14に連通する隙間を形成して前記上トレー板11uと重ね合わせられた下トレー板11d、及び前記上トレー板11uの上方に配置され、上トレー板11uとの間で被染着物Mと転写シートSを密着させるゴムシートGを備えたトレー10であって、前記上トレー板11u上面の前記吸引孔13,13の外側全周にわたって凸部壁16が突設されているとともに、前記ゴムシートGはその全側端が固定枠17に固定されていることを特徴とする。
凸部壁16は全周にわたって二周以上で設けられていても良い。
本発明の転写印刷用トレーでは、当該トレーを構成する上トレー板11u上面の吸引孔13,13の外側四辺全周に凸部壁16が突設されている。このため、その間に被染着物と転写シートを挟んだ上トレー板11uとゴムシートGを密着させた後に全体を転写印刷のために加熱しても、ゴムシートGが凸部壁16の上端に当接したまま伸び縮みするので、上トレー板11uとゴムシートGの間のシール状態が維持される。すなわち、シール漏れの発生を回避することができる。
したがって、本発明の転写印刷用トレーを用いることにより、被染着物が三次元的に複雑な形状を有するものであっても、色ムラの発生がなく、鮮明な模様を歩留良く転写印刷することが可能になる。
本発明者等は、従来の真空吸引機構を備えたトレーを用いて転写印刷するとき、被染着物が三次元的に複雑な形状を有するものである場合、印刷模様に色むらが生じたり模様そのものが不鮮明であったりする原因とその対策について種々検討した。
その結果、前記した通り、加熱時において上トレー板とゴムシートの間で生じたシール漏れが原因であると推測した。
そして、加熱時にあっても上トレー板とゴムシートの間でのシール漏れを防止できる構造について検討した。
この結果、上トレー板上面に凸部壁を突設することが有効であることを見出した。すなわち、凸部壁とゴムシートとの間でシールし、凸部壁の内側で真空圧着を行わせることが有効であることを見出した。
以下に、その詳細を説明する。
本発明の転写印刷用トレー10は、基本構造として従来品と同様、重ね合わされた上下トレー板11u,11dと、その上面を覆うゴムシートGを備えている。そして、上下トレー板11u,11dは、パッキン12,12で両者間が気密封止した構造をもっている(図2)。上トレー板11uに複数の吸引孔13,13が穿設されており、吸引孔13,13は上下トレー板11u,11dの隙間から吸引管14,14に連通している。パッキン12,12を挟んで上下トレー板11u,11dをネジ,ボルト等の固着具15で連結すると、真空吸引源(図示せず)から吸引管14,上下トレー板11u,11d間の隙間を経て吸引孔13に至り、上トレー板11u上に開口する真空吸引路が形成される構造となっている。
本発明転写印刷用トレーの特徴は、まず、図3に示すように、上トレー板11uの上面に凸部壁16を突設させた構造としている点である。この凸部壁16は、吸引孔13,13の外側に、かつ全周にわたって設ける必要がある。トレーは通常矩形とされていることを考慮すると、断面が矩形の棒状ゴムを上トレー板上面の四辺全周にわたって加熱時に劣化することがない接着剤を用いて固着すれば良い。上トレー板そのものの上面を削って凸部壁を残したものであっても良い。ただし、凸部壁16の上端面は、シール漏れを防止するために四辺全周にわたって平滑に保つことが好ましい。そして、凸部壁16で囲われた上トレー板上面領域を真空吸引することになる。
凸部壁16としては、高さを2〜30mm程度とすることが好ましい。2mmに満たないと、ゴムシートと凸部壁との間の真空シール強度が弱すぎるため、トレー板の変形によりシール漏れが起こる可能性が高くなる。また、30mmを超えるほどに高くなると、凸部壁上端部におけるゴムシートの変形が大きくなりすぎるため、ゴムシートが破れたり変形したりしてシール漏れに繋がる可能性が高くなる。
凸部壁16は全周にわたって二周以上で設けられていても良い。この場合には、最外周の凸部壁の内側に吸引孔13,13を設けても良い。
本発明転写印刷用トレーの次の特徴は、上トレー板11u上面を覆うゴムシートGを、その四辺側端で固定枠17に固定した構造としている点である。その固定態様に制限はない。加熱時に劣化することがない接着剤を用いてもよいし、金具で押付けても良い。固定枠17を二つの部材で構成し、両者間で挟んでも良い。ゴムシートとしては、通常、シリコンゴム又はフッ素ゴム製のものが好ましい。そして、その厚さは0.1〜3.0mm程度のものが好ましい。0.1mmに満たないと引張り強度が不十分になるために、引張により破断してしまう可能性が高くなる。また、3.0mmを超えると引張り強度が強すぎるため、被染着物の凹凸に追従したゴムシートの変形が不十分になってしまう。
なお、ゴムシート、特にシリコンゴムシートは熱を受けた際の伸び縮みが大きい。高温にした際の伸びによりゴムシートにしわが入らない程度に、予めゴムシートを伸ばした状態で固定枠に固定することが必要である。十分にゴムシートを伸ばさずに固定枠に固定すると、加熱時にゴムシートが熱膨張してシール部に隙間が生じ、シール漏れを起こす可能性が高くなる。
そして、前記ゴムシートGを固定した固定枠17は、上トレー板11uの一辺側に蝶番等を用い、トレー板に対して開閉自在に取り付けることが好ましい(図4a参照)。
次に、本発明の転写印刷用トレーを用いて、被染着物に転写シートを密着させる態様について説明する。
準備作業位置にある転写印刷用トレー10の上トレー板11u上に次工程の被染着物Mを乗せ、所定パターンで昇華性染料Dを塗布した転写シートSを被染着物Mに重ねる。さらに、ゴムシートGを重ね合わせた後、真空系を起動させて上トレー板11uに開口した吸引孔13を介して凸部壁16の内側内を真空吸引し、被染着物M,転写シートSを上トレー板11u上に吸着させる。
吸引孔13は、上トレー板11uの全面に開口している。通気性のある織布,不織布等の被染着物を転写印刷する場合、被染着物の全面が上トレー板11uに真空吸着される。通気性のない塗装鋼板,セラミックボード等の被染着物M(図3)を転写印刷する場合、被染着物Mからはみ出した位置で開口した吸引孔13を介した真空吸引により、転写シートSが被染着物Mに密着する。
被染着物M,転写シートSを上トレー板11u上に吸着させる際、転写シートSとゴムシートGとの間の通気性を有する布Cを挟むと、両者間の通気性が確保され、転写面の一部における空気の残存が無く、均一な真空吸着力で転写シートSが被染着物Mに密着する。なお、被染着物M自体に通気性がある場合、特に布Cを必要としない。
準備作業が終わり、転写シートSが密着した被染着物Mを吸着したトレー10を、転写装置の密着印刷作業位置にセットする。この作業位置では、通常ホットプレート4’を跨ぐ位置にトレー10がセットされ、その上方に加圧機構(図示せず)が備えられている。加圧機構としては、通常押し板をスプリング等で支承し、エアシリンダに連結した機構が採用されている。押し板の押圧力が転写印刷用トレーに伝わり、転写印刷用トレーの下面とホットプレート4’とが均等な圧力で密着する。
この状態で被染着物M,転写シートSが下方からホットプレート4’で加熱され、転写シートSの昇華性染料Dが被染着物Mに移行し、被染着物Mが転写印刷される。
本発明にしたがったトレーでは、トレー板の上面端部に突設させた凸部壁を備えている。このため、上記加熱・転写時に、凸部壁の変形があっても、或いはゴムシート固定枠及びトレー板に異なった量の熱ひずみが発生してゴムシートとトレー板の間の相対的変位が多くなっても、トレー板に固着された凸部壁の上端で、ゴムシートが前記凸部壁に密着したまま、各部位の変形量に合せて自由に伸び縮みする。
凸部壁に密着したままゴムシートが自由に伸び縮みできるため、被染着物の形状が三次元的に複雑な形状であっても、上トレー板とゴムシート間の密着関係が損なわれることはない。このため、安定したシール状態が維持でき、シール漏れを生じることなく、結果的に、転写模様が不鮮明になったり色ムラが生じたりすることを防止することができる。
本発明者等が先に提案した上下二段の作業台を備えた転写印刷装置を示す概略図 先に提案したトレーを用いて転写印刷する工程を説明する図 本発明のトレー(a)、及び当該トレー上に被染着物,転写シート,布を順次重ねて挟んだ状態(b)を説明する斜視図 本発明のトレーを用いて転写印刷する工程を説明する図
符号の説明
M:被染着物 S:転写シート R:被染着物の左右両端に形成した補強部 D:昇華性染料 C:布 G:ゴムシート B:耐熱クッション材
10:トレー 11u,11d:上下トレー板 12:パッキン 13:吸引孔
14:吸引管 15:固着具(ネジ) 16:凸部壁 17:ゴムシート固定枠
4’:ホットプレート

Claims (2)

  1. 複数の吸引孔(13,13)が穿設された上トレー板(11u)、該上トレー板(11u)との間に吸引管(14,14)に連通する隙間を形成して前記上トレー板(11u)と重ね合わせられた下トレー板(11d)、及び前記上トレー板(11u)の上方に配置され、上トレー板(11u)との間で被染着物(M)と転写シート(S)を密着させるゴムシート(G)を備えたトレー(10)であって、前記上トレー板(11u)上面の前記吸引孔(13,13)の外側全周にわたって凸部壁(16)が突設されているとともに、前記ゴムシート(G)はその全側端が固定枠(17)に固定されていることを特徴とする転写印刷用トレー。
  2. 凸部壁(16)が全周にわたって二周以上で設けられている請求項1記載の転写印刷用トレー。
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